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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023059337
(43)【公開日】2023-04-27
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
   F24C 1/00 20060101AFI20230420BHJP
【FI】
F24C1/00 310B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021169277
(22)【出願日】2021-10-15
(71)【出願人】
【識別番号】000109325
【氏名又は名称】株式会社ツインバード
(72)【発明者】
【氏名】高山 修一
(72)【発明者】
【氏名】吉田 勝彦
(72)【発明者】
【氏名】金子 伸子
(57)【要約】
【課題】被調理物を水蒸気によって良好に加熱調理することができる加熱調理器を提供すること。
【解決手段】加熱室5を有する本体2と、前記加熱室5の開口を開閉可能に閉じる扉3と、前記本体2内に設けられる蒸気発生手段42で発生した水蒸気Sを前記加熱室5内に供給する蒸気噴出部とを有する加熱調理器1において、前記蒸気噴出部が、前記加熱室5の縦壁12の左側壁12Lにおける天壁13寄りに設けられる第一噴出部19と、底壁14寄りに設けられる第二噴出部20とを有し、前記第二噴出部20に水蒸気Sの拡散アタッチメント28が設けられることにより、第二噴出部20から拡がりながら噴出された水蒸気Sのうち、上方に流れた水蒸気Sが、前記第一噴出部19から噴出された水蒸気Sの流れに沿って向きを変えることで、被調理物Fを包むように水蒸気Sを供給して良好に被調理物Fを加熱調理することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱室を有する本体と、前記加熱室の開口を開閉可能に閉じる扉と、前記本体内に設けられる蒸気発生手段と、この蒸気発生手段で発生した水蒸気を前記加熱室内に供給する蒸気噴出部とを有する加熱調理器において、前記蒸気噴出部が、前記加熱室の縦壁における天壁寄りに設けられる第一噴出部と、底壁寄りに設けられる第二噴出部とを有し、これらの噴出部のうち、前記第二噴出部に水蒸気の拡散アタッチメントが設けられることを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
前記加熱室の左右縦壁に調理プレートが載置される一対のプレート受けが設けられると共に、これらのプレート受けよりも上方に前記第二噴出部が設けられることを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記調理プレートに調理網が載置されると共に、この調理網における被調理物が載置される網部と前記第二噴出部とが高さ方向の位置が重なることを特徴とする請求項2記載の加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱室内に高温の水蒸気を供給して加熱室内の食品を調理可能な加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の加熱調理器としては、加熱室を有する筐体(本願発明の本体に相当する)と、加熱室を開閉する扉と、筐体内に設けられた蒸気発生部と、蒸気噴出部とを有するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。そして、前記蒸気噴出部は、加熱室の内壁面の上部に設けられると共に、その吐出口に十字孔が形成される。このような構造とすることで、水蒸気を加熱室内で広い範囲に噴出させ、被調理物を良好に加熱することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6128341号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような加熱調理器は、加熱室の高い位置に設けられた蒸気噴出口の吐出口から水蒸気を広い範囲に吐出させるので、上方に向かって流れた水蒸気が加熱室の天井面に沿って反吐出口側の内壁面に向かって流れる。このため、水蒸気の持つ熱エネルギーが天上面に逃げてしまう虞があった。また、調理プレートが低い位置に設けられる場合、吐出口側内壁面に近い位置に置かれた被調理物に直接当たる水蒸気の量が多くなり、良好に調理されない虞があった。
【0005】
本発明は以上の問題点を解決し、被調理物を水蒸気によって良好に加熱調理することができる加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に記載の加熱調理器は、加熱室を有する本体と、前記加熱室の開口を開閉可能に閉じる扉と、前記本体内に設けられる蒸気発生手段と、この蒸気発生手段で発生した水蒸気を前記加熱室内に供給する蒸気噴出部とを有する加熱調理器において、前記蒸気噴出部が、前記加熱室の縦壁における天壁寄りに設けられる第一噴出部と、底壁寄りに設けられる第二噴出部とを有し、これらの噴出部のうち、前記第二噴出部に水蒸気の拡散アタッチメントが設けられるものである。
【0007】
また、本発明の請求項2に記載の加熱調理器は、請求項1において、前記加熱室の左右縦壁に調理プレートが載置される一対のプレート受けが設けられると共に、これらのプレート受けよりも上方に前記第二噴出部が設けられるものである。
【0008】
更に、本発明の請求項3に記載の加熱調理器は、請求項2において、前記調理プレートに調理網が載置されると共に、この調理網における被調理物が載置される網部と前記第二噴出部とが高さ方向の位置が重なるものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1に記載の加熱調理器は、以上のように構成することにより、第二噴出部から拡がって噴出された水蒸気のうち、上方に向かった水蒸気が、前記第一噴出部から噴出された水蒸気の流れに沿って向きを変えることで、被調理物を包むように水蒸気を供給して良好に被調理物を加熱調理することができる。
【0010】
なお、前記加熱室の左右縦壁に調理プレートが載置される一対のプレート受けが設けられると共に、これらのプレート受けよりも上方に前記第二噴出部が設けられることにより、調理プレート上の被調理物を包むように水蒸気を供給して、良好に被調理物を加熱調理することができる。
【0011】
更に、前記調理プレートに調理網が載置されると共に、この調理網における被調理物が載置される網部と前記第二噴出部とが高さ方向の位置が重なるようにすることにより、被調理物の上方や側方からのみならず、下方からも被調理物を包むように水蒸気を供給して、良好に被調理物を加熱調理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態を示す加熱調理器の斜視図である。
図2】同、概略説明図である。
図3】同、第一噴出部の拡大断面図である。
図4】同、第二噴出部の拡大断面図である。
図5】同、第二噴出部の分解拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図1乃至図5に基づいて説明する。1は本発明の加熱調理器である。この加熱調理器1は、マイクロ波によって被調理物Fを加熱調理する機能と、後述する電気ヒータ16によって被調理物Fを加熱する機能と、水蒸気Sによって被調理物Fを加熱調理する機能とを有する。なお、マイクロ波を発生させるための機構及び前記電気ヒータ16のみによって加熱する機能については説明を省略する。
【0014】
前記加熱調理器1は、前部が開口した本体2と、この本体2の開口を開閉可能に閉じる扉3とを有する。前記本体2は、外殻4と、この外殻4内に設けられる加熱室5とを有する。そして、前記扉3は、その下部において前記本体2に枢支されると共に、その上部に前記扉3を開閉するための把持部6が設けられる。また、前記扉3には、窓部7、表示部8、操作部9が設けられる。この操作部9は、モード切替操作部9A、取消操作部9B、決定操作部9C及び選択操作部9Dを有する。更に、前記本体2の前下部には、水受部10及び水タンク11が着脱可能に取り付けられる。
【0015】
前記加熱室5は、縦壁12と天壁13と底壁14を有する。前記縦壁12は、右側壁12Rと左側壁12Lと奥壁12Bとを有する。また、前記天壁13は、前記縦壁12の上部に取り付けられる。更に、前記底壁14は、前記縦壁12の下部に取り付けられる。前記底壁14には凹部14Aが設けられると共に、この凹部14Aを上方から覆うように、載置プレート15が設けられる。そして、前記底壁14の凹部14Aと載置プレート15との間には、電気ヒータ16が設けられる。なお、前記載置プレート15は、前記電気ヒータ16から放射される熱を透過可能である。
【0016】
前記右側壁12R及び左側壁12Lには、それぞれプレート受け17R,17Lが設けられる。前記プレート受け17Rは、上部プレート受け17RU及び下部プレート受け17RLからなる。また。前記プレート受け17Lは、上部プレート受け17LU及び下部プレート受け17LLからなる。そして、前記上部プレート受け17RU及び17LUは対であり、同じ高さに設けられる。同様に、前記下部プレート受け17RL及び17LLは対であり、同じ高さに設けられる。そして、前記上部プレート受け17RU,17LU同士の間、及び/又は前記下部プレート受け17RL,17LL同士の間には、調理プレート18が着脱可能に支持される。なお、図2において、前記調理プレート18は、前記下部プレート受け17RL,17LL同士の間に支持される。
【0017】
前記左側壁12Lにおける前記上部プレート受け17LUよりも上方には、蒸気噴出部としての第一噴出部19が設けられる。また、前記左側壁12Lにおける前記上部プレート受け17LUと下部プレート受け17LLの間には、蒸気噴出部としての第二噴出部20が設けられる。前記第一噴出部19は、噴出部本体21と、ナット22とを有して構成される。前記噴出部本体21は、筒状部23と、この筒状部23の加熱室5内側の端部に形成されたフランジ部24と、前記筒状部23の外面に形成された雄螺子部25とを有する。そして、前記ナット22は、前記雄螺子部25と螺合する。また、前記噴出部本体21の雄螺子部25の外径は、前記左側壁12Lに形成された貫通孔26の内径よりも僅かに小さい。一方、前記ナット22の二面幅は、前記貫通孔26の内径よりも大きい。従って、前記貫通孔26に前記加熱室5の内側から前記噴出部本体21の筒状部23を挿入し、前記加熱室5の外側から前記ナット22を前記雄螺子部25と螺合させることで、前記フランジ部24とナット22とで前記左側壁12Lが挟持される。このようにして、前記第一噴出部19が前記左側壁12Lに固定される。なお、前記噴出部本体22の筒状部23には、蒸気管27が接続される。
【0018】
一方、前記第二噴出部20は、噴出部本体21と、ナット22と、拡散アタッチメント28とを有して構成される。これらの噴出部本体21及びナット22は、前記第一噴出部19のそれらと同じ構造である。また、前記拡散アタッチメント28は、受部29と、アタッチメント本体30とを有する。前記受部29は環状壁部31と底部32を有し、この底部32の中央に貫通孔33が穿設される。なお、この貫通孔33の内径は、前記左側壁12Lに形成された貫通孔34の内径と略等しく、前記噴出部本体21の雄螺子部25の外径よりも僅かに大きい。一方、前記ナット22の二面幅は、前記貫通孔34の内径よりも大きい。また、前記環状壁部31の内径は、前記噴出部本体21のフランジ部24の外径よりも僅かに大きい。前記アタッチメント本体30は、環状部35と、略円錐状の拡散部36と、この拡散部36を前記環状部35の中央部に支持するための複数の接続腕部37とを有する。これらの接続腕部37は、前記拡散部36から放射状に延びており、それらの外端部が前記環状部35に接続される。また、前記環状部35は、前記受部29の環状壁部31に支持される。従って、前記受部29の貫通孔33及び前記左側壁12Lの貫通孔34に前記加熱室5内側から前記噴出部本体21の筒状部23を挿入し、前記加熱室5外側から前記ナット22を前記雄螺子部25と螺合させることで、前記フランジ部24とナット22とで前記受部29及び左側壁12Lが挟持される。そして、前記受部29に前記アタッチメント本体30が取り付けられる。この際、前記アタッチメント本体30の拡散部36は、前記噴出部本体21の筒状部23と略同軸状になる。このようにして、前記第二噴出部20が前記左側壁12Lに固定される。なお、前記噴出部本体22の筒状部23には、蒸気管38が接続される。この蒸気管38は、前記第一噴出部19に接続される蒸気管27から分岐して形成される。
【0019】
前記調理プレート18には、調理網39が載置される。この調理網39は、フレーム部40と被調理物Fを載置するための網部41とを有する。そして、図2及び図4に示されるように、前記網部41は、前記調理プレート18が前記下部プレート受け17RL,17LLに支持された場合に、前記拡散アタッチメント28と高さ方向の位置関係が重なる。実際には、前記網部41は、前記拡散部36よりもやや上方で且つ前記環状部35の上端部の内面35Aよりも下方に位置する。
【0020】
前記外殻4と加熱室5との間の空間には、蒸気発生手段42及びポンプ43が設けられる。このポンプ43は、前記水タンク11内の水を前記蒸気発生手段42に送るためのものである。また、前記蒸気発生手段42には、前記蒸気管27が接続される。従って、前記水タンク11から前記ポンプ43によって蒸気発生手段42に送られた液体の水は、この蒸気発生手段42において蒸発して水蒸気Sとなる。そして、この水蒸気Sは、前記蒸気管27及びこの蒸気管27から分岐する蒸気管38を経て、それぞれ前記第一噴出部19、第二噴出部20から前記加熱室5内に供給される。なお、44は、水蒸気Sを加熱室5外に排出するための排気口である。
【0021】
次に、本実施形態の作用について説明する。なお、構造の説明と同様に、マイクロ波による加熱、及び前記電気ヒータ16のみによる加熱については説明を省略し、スチーム調理について説明する。
【0022】
まず使用者は、前記調理プレート18に前記調理網39を設置し、この調理網39の網部41上に被調理物Fを載置する。そして、前記加熱調理器1の扉3を開いて、前記調理網39及び被調理物Fが載せられた前記調理プレート18を前記下部プレート受け17RL,17LL上で支持させた後、前記扉3を閉じる。その後、前記水タンク11を取り外し、この水タンク11内に水を入れた後、再びこの水タンク11を前記本体2にセットする。更に、前記モード切替操作部9Aを操作して「スチーム」を選択した後、前記選択操作部9D及び決定操作部9Cを操作して加熱温度と加熱時間を設定した後、前記決定操作部9Cを操作してスチーム調理を開始する。
【0023】
スチーム調理が開始されると、まず、前記蒸気発生手段42に電力が供給される。これによって、前記蒸気発生手段42が加熱される。そして、前記ポンプ43を駆動して前記水タンク11内の水を前記蒸気発生手段42に供給する。この蒸気発生手段42は加熱されているので、供給された水は速やかに気化して水蒸気Sとなる。同時に、前記電気ヒータ16に電力が供給される。これによって、前記加熱室5内が加熱される。前記水蒸気Sの約半分は、前記蒸気管27を経て前記第一噴出部19から前記加熱室5内に噴出する。同時に、前記水蒸気Sの残り約半分は、前記蒸気管27及びここから分岐する蒸気管38を経て前記第二噴出部20から前記加熱室5内に噴出する。
【0024】
前記第一噴出部19から噴出した水蒸気Sは、前記加熱室5内で前記左側壁12L側から右側壁12R側へ向かって略水平で且つ直線的に流れる。一方、前記第二噴出部20から噴出した水蒸気Sは、前記拡散アタッチメント28の拡散部36によって拡散し、前記加熱室5内に拡がりながら噴出する。従って、前記第二噴出部20から噴出する水蒸気Sの流れの速さは、前記第一噴出部19から噴出する水蒸気Sの流れの速さよりも遅い。ここで、前記第一噴出部19から噴出する速く直線的な水蒸気Sの流れは、エアカーテンのように作用する。即ち、前記第二噴出部20から拡がりながら噴出する水蒸気Sの流れのうち、上方に向かった水蒸気Sは、更にその上方を略水平に流れる速い水蒸気Sの流れに沿って、水平に近い状態まで向きを変える。その後、前記第一噴出部19から噴出した水蒸気Sの流れと第二噴出部20から噴出した水蒸気Sの流れが混ざって乱流となり、また、前記第一出部19から噴出した水蒸気Sの流れの一部が前記右側壁12Rに衝突して下方に向きを変える。これによって、前記網部41に載置された被調理物Fの上方を覆うように水蒸気Sが存在することになる。一方、前記網部41と前記拡散アタッチメント28の高さ方向の位置関係が重なる(即ち、両者が同等の高さにある)ことで、前記第二噴出部20から拡がりながら噴出する水蒸気Sの流れのうち、下方に向かった水蒸気Sは、前記調理プレート18の上面に沿って前記網部41の下方を流れる。この水蒸気Sの流れは、前記第一噴出部19から噴出した後、前記右側壁Rに衝突して下方に向きを変えた水蒸気Sと衝突して乱流となり上昇する。これによって、前記網部41に載置された被調理物Fの下方を覆うように水蒸気Sが存在することになる。従って、前記網部41に載置された被調理物Fは、十分な量の水蒸気Sにより包み込まれる。これによって、被調理物Fは十分な量の水蒸気Sによって十分に加熱されることになるので、良好に加熱調理される。
【0025】
なお、調理に使われた水蒸気Sの一部は、結露した後、前記水受部10へ排出されて溜められると共に、残りの一部は、前記排気口44を通って前記加熱調理器1の外に排出される。
【0026】
以上のように本発明は、加熱室5を有する本体2と、前記加熱室5の開口を開閉可能に閉じる扉3と、前記本体2内に設けられる蒸気発生手段42と、この蒸気発生手段42で発生した水蒸気Sを前記加熱室5内に供給する蒸気噴出部とを有する加熱調理器1において、前記蒸気噴出部が、前記加熱室5の縦壁12の左側壁12Lにおける天壁13寄りに設けられる第一噴出部19と、底壁14寄りに設けられる第二噴出部20とを有し、これらの噴出部19,20のうち、前記第二噴出部20に水蒸気Sの拡散アタッチメント28が設けられることで、前記第二噴出部20から拡がって噴出した水蒸気Sのうち、上方に向かった水蒸気Sが、前記第一噴出部19から噴出した水蒸気Sの流れに伴って向きを変えることで、被調理物Fを包むように水蒸気Sを供給して良好に被調理物Fを加熱調理することができるものである。
【0027】
また本発明は、前記加熱室5の左右縦壁12R,12Lに調理プレート18が載置される一対の下部プレート受け17RL,17LLが設けられると共に、これらの下部プレート受け17RL,17LLよりも上方に前記第二噴出部20が設けられることにより、前記調理プレート18上の被調理物Fを包むように水蒸気Sを供給して、良好に被調理物Fを加熱調理することができものである。
【0028】
更に本発明は、前記調理プレート18に調理網39が載置されると共に、この調理網39における被調理物Fが載置される網部41と前記第二噴出部20とが高さ方向の位置が重なるようにすることにより、被調理物Fの上方や側方からのみならず、下方からも被調理物Fを包むように水蒸気Sを供給して、良好に被調理物Fを加熱調理することができるものである。
【0029】
なお、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上記実施形態では、第一噴出部及び第二噴出部をそれぞれ左側壁に設けたが、第一噴出部及び第二噴出部が同じ壁面に設けられるのであれば、右側壁又は奥壁に設けても良い。但し、第一噴出部及び第二噴出部を奥壁に設けた場合、調理中に扉を開くと、第一噴出部から勢いよく噴出した水蒸気が使用者に当たる虞があるので、第一噴出部及び第二噴出部は右側壁又は左側壁に設けるのが望ましい。また、上記実施形態では、第一噴出部及び第二噴出部をそれぞれ一つずつ設けたが、第一噴出部及び第二噴出部をそれぞれ複数設けても良い。この場合、複数の第一噴出部及び第二噴出部は、それぞれ同じ高さに設けるのが望ましい。
【符号の説明】
【0030】
1 加熱調理器
2 本体
3 扉
5 加熱室
12 縦壁
12L 左側壁
13 天壁
14 底壁
17R プレート受け
17L プレート受け
17RL 下部プレート受け
17LL 下部プレート受け
18 調理プレート
19 第一噴出部(蒸気噴出部)
20 第二噴出部(蒸気噴出部)
28 拡散アタッチメント
39 調理網
41 網部
42 蒸気発生手段
F 被調理物
S 水蒸気
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2021-12-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
前記右側壁12R及び左側壁12Lには、それぞれプレート受け17R,17Lが設けられる。前記プレート受け17Rは、上部プレート受け17RU及び下部プレート受け17RLからなる。また前記プレート受け17Lは、上部プレート受け17LU及び下部プレート受け17LLからなる。そして、前記上部プレート受け17RU及び17LUは対であり、同じ高さに設けられる。同様に、前記下部プレート受け17RL及び17LLは対であり、同じ高さに設けられる。そして、前記上部プレート受け17RU,17LU同士の間、及び/又は前記下部プレート受け17RL,17LL同士の間には、調理プレート18が着脱可能に支持される。なお、図2において、前記調理プレート18は、前記下部プレート受け17RL,17LL同士の間に支持される。