(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023059345
(43)【公開日】2023-04-27
(54)【発明の名称】不織布面材および積層吸音材
(51)【国際特許分類】
G10K 11/168 20060101AFI20230420BHJP
D01F 8/14 20060101ALI20230420BHJP
B32B 5/24 20060101ALI20230420BHJP
D04H 1/541 20120101ALI20230420BHJP
B60R 13/08 20060101ALI20230420BHJP
E04B 1/86 20060101ALI20230420BHJP
【FI】
G10K11/168
D01F8/14 B
B32B5/24 101
D04H1/541
B60R13/08
E04B1/86 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021169286
(22)【出願日】2021-10-15
(71)【出願人】
【識別番号】501270287
【氏名又は名称】帝人フロンティア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100169085
【弁理士】
【氏名又は名称】為山 太郎
(72)【発明者】
【氏名】伴 紀孝
【テーマコード(参考)】
2E001
3D023
4F100
4L041
4L047
5D061
【Fターム(参考)】
2E001DF04
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(57)【要約】
【課題】 良好な吸音特性を示す積層吸音材を得ることができる不織布面材を提供する。
【解決手段】 熱接着性複合繊維を20~100重量%含む不織布面材であって、前記不織布面材の目付が1~100g/m2、厚さが0.01~0.15mmかつ最大細孔径/最小細孔径が3.5以上であることを特徴とする、不織布面材。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱接着性複合繊維を20~100重量%含む不織布面材であって、前記不織布面材の目付が1~100g/m2、厚さが0.01~0.15mmかつ最大細孔径/最小細孔径が3.5以上であることを特徴とする、不織布面材。
【請求項2】
不織布面材における熱接着性複合繊維の重量比率が50~100重量%である、請求項1に記載の不織布面材。
【請求項3】
厚さが0.03~0.12mmである、請求項1または2に記載の不織布面材。
【請求項4】
空隙率が30~70%である、請求項1~3いずれかに記載の不織布面材。
【請求項5】
熱接着性複合繊維が芯鞘構造を有し、鞘成分が熱接着性成分である、請求項1~4いずれかに記載の不織布面材。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載の不織布面材と多孔質基材とを含む積層吸音材。
【請求項7】
多孔質基材が不織布である、請求項6に記載の積層吸音材。
【請求項8】
不織布面材の製造方法であって、熱接着性成分を含む繊維径7~20μmの熱接着性複合繊維を用いて、熱接着性複合繊維を20~100重量%含むウェブを形成するウェブ形成工程、および前記熱接着性複合繊維の熱接着性成分の融点より高い温度で前記ウェブを押圧し、前記ウェブを0.01~0.15mmの厚さに、かつ最大細孔径/最小細孔径を3.5以上にする加熱押圧工程を含む、不織布面材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不織布面材および積層吸音材に関する。
【背景技術】
【0002】
繊維からなる吸音材は、自動車の天井材やドアパネル、フロアーマット、ボンネット、トランクルーム、建築材料に使用されている。
繊維からなる吸音材において、繊維構造体や不織布を用いること、その片面に熱や圧力をかけることにより吸音性能を向上させることが提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、不織布の表面に熱処理を施すことにより、膜状にすることで、吸音性能を向上させた吸音材が提案されている。また特許文献2では、非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維が繊維構造体の厚さ方向に配列してなる繊維構造体を、繊維構造体の厚さ方向に加圧しながら熱処理することにより表面を膜状にした吸音材用繊維構造体の製造方法が開示されている。
これらの発明は、熱処理を施すことで、その吸音性能を向上させることができるが、その性能は十分ではなく、性能の制御も困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-199161号公報
【特許文献2】特許第5155016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、良好な吸音特性を示す積層吸音材を得ることができる不織布面材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち本発明は、熱接着性複合繊維を20~100重量%含む不織布面材であって、前記不織布面材の目付が1~100g/m2、厚さが0.01~0.15mmかつ最大細孔径/最小細孔径が3.5以上であることを特徴とする、不織布面材である。
【0007】
本発明はまた、不織布面材の製造方法であって、熱接着性成分を含む繊維径7~20μmの熱接着性複合繊維を用いて、熱接着性複合繊維を20~100重量%含むウェブを形成するウェブ形成工程、および前記熱接着性複合繊維の熱接着性成分の融点より高い温度で前記ウェブを押圧し、前記ウェブを0.01~0.15mmの厚さに、かつ最大細孔径/最小細孔径を3.5以上にする加熱押圧工程を含む、不織布面材の製造方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、良好な吸音特性を示す積層吸音材を得ることができる不織布面材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の不織布面材の表面の電子顕微鏡写真(倍率300倍)である。
【
図2】本発明の不織布面材の断面の電子顕微鏡写真(倍率1000倍)である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0011】
〔不織布面材〕
本発明の不織布面材は、熱接着性複合繊維を含む不織布面材である。熱接着性複合繊維は、繊維形成成分と熱接着性成分とを含む。この熱接着性複合繊維は、好ましくは芯鞘構造を有する。この芯鞘構造において、鞘成分は熱接着性成分からなり、芯成分は繊維形成性成分からなる。
【0012】
繊維形成性成分としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステルや、ポリオレフィンが例示され、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。ポリエチレンテレフタレートである場合、その固有粘度は、例えば0.30~0.80dl/g、好ましくは、0.40~0.70dl/gである。0.30dl/gより小さいと、繊維が脆弱となり過ぎ、不織布として成形する工程での破断や劣化を招き、不適である。0.80dl/gより大きいと、後述するプレス加工の際、潰れ難くなり不適である。
【0013】
熱接着性成分としては、融点が100~200℃またはガラス転移温度が50~110℃の範囲のポリマーを用いる。このポリマーとして、共重合ポリエステルポリマー、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、非弾性ポリエステル系ポリマーおよびその共重合物、ポリオレフィン系ポリマーおよびその共重合物、ポリビニルアルコ-ル系ポリマーを例示することができる。
【0014】
共重合ポリエステルポリマーとしては、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸類および/またはヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂環式ジカルボン酸類と、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、パラキシレングリコールなどの脂肪族や脂環式ジオール類とを所定数含有し、所望に応じてパラヒドロキシ安息香酸などのオキシ酸類を添加した共重合エステル等を挙げることができ、例えばテレフタル酸とエチレングリコールとにおいてイソフタル酸および1,6-ヘキサンジオールを添加共重合させたポリエステル等が使用できる。
【0015】
ポリウレタン系エラストマーとしては、分子量が500~6000程度の低融点ポリオール、例えばジヒドロキシポリエーテル、ジヒドロキシポリエステル、ジヒドロキシポリカーボネート、ジヒドロキシポリエステルアミド等と、分子量500以下の有機ジイソシアネート、例えばp,p’-ジフェニールメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート水素化ジフェニールメタンイソシアネート、キシリレンイソシアネート、2,6-ジイソシアネートメチルカプロエート、ヘキサメチレンジイソシアネート等と、分子量500以下の鎖伸長剤、例えばグリコールアミノアルコールあるいはトリオールとの反応により得られるポリマーである。
【0016】
これらのポリマーのうちで、特に好ましいのはポリオールとしてはポリテトラメチレングリコール、またはポリ-ε-カプロラクタムあるいはポリブチレンアジペートを用いたポリウレタンである。この場合の有機ジイソシアネートとしてはp,p’-ビスヒドロキシエトキシベンゼンおよび1,4-ブタンジオールを挙げることができる。
【0017】
また、ポリエステル系エラストマーとしては熱可塑性ポリエステルをハードセグメントとし、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールをソフトセグメントとして共重合してなるポリエーテルエステル共重合体、より具体的にはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸、ナフタレン-2,7-ジカルボン酸、ジフェニル-4,4’-ジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジ酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジカルボン酸の少なくとも1種と、1,4-ブタンジオール、エチレングリコールトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールネオペンチルグリコール、デカメチレングリコール等の脂肪族ジオールあるいは1,1-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンメタノール等の脂環式ジオール、またはこれらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジオール成分の少なくとも1種、および平均分子量が約400~5000程度のポリエチレングリコール、ポリ(1,2-および1,3-ポリプロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランとの共重合体等のポリ(アルキレンオキサイド)クリコールのうち少なくとも1種から構成される三元共重合体を挙げることができる。
【0018】
特に、接着性や温度特性、強度の面からすればポリブチレンテレフタレートをハード成分とし、ポリオキシブチレングリコールをソフトセグメントとするブロック共重合ポリエーテルエステルが好ましい。この場合、ハードセグメントを構成するポリエステル部分は、主たる酸成分がテレフタル酸、主たるジオール成分がブチレングリコール成分であるポリブチレンテレフタレートである。むろん、この酸成分の一部(通常30モル%以下)は他のジカルボン酸成分やオキシカルボン酸成分で置換されていても良く、同様にグリコール成分の一部(通常30モル%以下)はブチレングリコール成分以外のジオキシ成分で置換されていても良い。また、ソフトセグメントを構成するポリエーテル部分はブチレングリコール以外のジオキシ成分で置換されたポリエーテルであってよい。
【0019】
また、熱接着性成分として使用されるポリオレフィン系ポリマーとしては、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、プロピレンと他のα-オレフインからなる結晶性プロピレン共重合体、これらにスチレン、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等を共重合したものなどを挙げることができる。
【0020】
熱接着性複合繊維は、少なくとも熱接着性成分が該複合繊維の表面に露出するように複合化されている複合繊維であり、熱接着性成分を鞘成分とし繊維形成性成分を芯成分とし、両成分が芯鞘型または偏芯鞘芯型に複合化されたもの、熱接着性成分と繊維形成性成分が並列型(サイドバイサイド型)に複合化されたもの、繊維形成性成分が島、熱接着性成分が海となる、海島型複合繊維、熱接着性成分と繊維形成性成分が交互に配置されたセグメントパイ型複合繊維等であるが、なかでも芯鞘型に複合化させるのが特に好ましい。
【0021】
熱接着性成分が熱接着性複合繊維に占める割合は、熱接着性複合繊維の重量を基準として、好ましくは40~95重量%、さらに好ましくは45~90重量%、特に好ましくは50~80重量%である。40重量%未満であると、熱溶融により皮膜を形成するポリマー量が少ないため、目的の吸音性能を得ることができず好ましくない。他方、95重量%を超えると、複合繊維の安定した溶融紡糸が困難となり好ましくない。
【0022】
本発明の不織布面材の製造に使用される熱接着性複合繊維の繊維径は、好ましくは7~20μm、さらに好ましくは10~17μmである。この繊維径は、本発明の不織布面材を製造するための加熱押圧工程に供される前の繊維の繊維径である。繊維径が7μm未満であると不織布が緻密になり、高周波数域の音波を反射しやすくなり好ましくない。他方、20μmを超えると、後述する最大細孔径/最小細孔径の不織布が得られ難く、吸音性能が劣るものとなり好ましくない。
【0023】
不織布面材に含まれる上記熱接着性複合繊維の割合は20~100重量%、好ましくは30~100重量%、さらに好ましくは50~100重量%である。20重量%未満であると加熱と圧力により熱接着性成分が溶融、流動することで形成される表面の皮膜部が不十分となり、開孔の大きさも小さくなり、十分な吸音性能を得ることができない。
【0024】
不織布面材には、後述する物性を満足する限り、熱接着性複合繊維以外の繊維が含まれていてもよい。繊維としては合成繊維が好ましく、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維等が挙げられ、ポリエステル繊維が好ましい。繊維径としては、例えば5~25μm、好ましくは7~20μmである。
【0025】
不織布面材には、単繊維の繊維径10μm以下の極細繊維を含んでいてもよい。かかる極細繊維を含むことで、不織布面材と組み合わせた場合、基材である不織布で音波を減衰させることができ、さらに吸音性能を向上させることができる。
【0026】
〔不織布面材の目付、厚さ、空隙率〕
前記不織布面材の目付けは、1~100g/m2、好ましくは10~100g/m2、さらに好ましくは20~60g/m2である。該目付けが1g/m2未満であると、十分な吸音性能が得られないおそれがある。他方、目付けが100g/m2を超えると、高周波数領域の音波が反射され、同領域の吸音性能が低下する傾向がある。
【0027】
本発明の不織布面材の厚さは0.01~0.15mm、好ましくは0.03~0.12mm、さらに好ましくは、0.05~0.10mmである。厚さが0.01mm未満であると高周波数域の音波が反射され、目的の吸音性能を得ることができない。厚さが0.15mmを超えると目的の吸音性能が得ることができない。
【0028】
不織布面材の空隙率は、好ましくは30~70%、さらに好ましくは、40~65%とする。30%未満であると高周波数領域の音波の吸音率が低下する傾向にあり好ましくない。他方、70%を超えると目的の吸音性能を得ることが難しくなる。
【0029】
〔不織布面材の最大細孔径/最小細孔径〕
本発明の不織布面材は、最大細孔径/最小細孔径が3.5以上であることが必要であり、好ましくは4以上、さらに好ましくは5以上である。この最大細孔径/最小細孔径は、パームポロメーターで測定した細孔径分布における最大細孔径(μm)と最小細孔径(μm)の比(最大細孔径/最小細孔径)である。
【0030】
最大細孔径/最小細孔径が3.5以上であると、上述の推定メカニズムにより、流路の拡大、縮小に伴う渦や乱れによるエネルギーの損失が大きくなり、高い吸音性能を得ることができる。
【0031】
最大細孔径/最小細孔径は、好ましくは20以下、さらに好ましくは15以下である。20以下であることで、好ましい低周波数域と高周波数域のバランスが取れた吸音性能を得ることができて好ましい。
【0032】
なお、パームポロメーターで測定される最大細孔径および最小細孔径は、上述のように、パームポロメーターで測定した細孔径分布における最大細孔径(μm)と最小細孔径(μm)の比(最大細孔径/最小細孔径)であり、同一の流路内における最大細孔径および最小細孔径を意味するものではないが、発明者の検討では、パームポロメーターで測定した細孔径分布における最大細孔径(μm)と最小細孔径(μm)の比(最大細孔径/最小細孔径)が不織布面材の吸音性能の指標として有効である。
【0033】
熱圧処理時の温度および圧力を上げること、ならびに、加熱押圧の時間を長くすることにより、最大細孔径/最小細孔径を増大させることができる。また、不織布面材に含まれる熱接着性複合繊維の割合を大きくすることにより、不織布面材表面に皮膜が十分に形成され、その結果、最小細孔径を小さくなり、最大細孔径/最小細孔径を増大させることができる。
【0034】
〔不織布面材の製造方法〕
上記の条件を満足する本発明の不織布面材は、熱接着性成分を含む繊維径7~20μmの熱接着性複合繊維を用いて、熱接着性複合繊維を20~100重量%含むウェブを形成するウェブ形成工程、および前記熱接着性複合繊維の熱接着性成分の融点より高い温度で前記ウェブを押圧し、前記ウェブを0.01~0.15mmの厚さに、かつ最大細孔径/最小細孔径を3.5以上にする加熱押圧工程によって製造することができる。
【0035】
すなわち本発明によれば、不織布面材の製造方法であって、熱接着性成分を含む平均繊維径7~20μmの熱接着性複合繊維を用いて、熱接着性複合繊維を20~100重量%含むウェブを形成するウェブ形成工程、および前記熱接着性複合繊維の熱接着性成分の融点より高い温度で前記ウェブを押圧し、前記ウェブを0.01~0.15mmの厚さに、かつ最大細孔径/最小細孔径を3.5以上にする加熱押圧工程を含む、不織布面材の製造方法が提供される。
【0036】
ウェブ形成工程において、ウェブを形成する方法として、従来公知の方法を用いることができ、好ましくはカード法、エアレイド法、湿式抄紙法を用いる。
ウェブ形成工程で形成されるウェブにおいて、熱接着性複合繊維の含有量は20~100重量%、好ましくは30~100重量%、さらに好ましくは50~100重量%である。
【0037】
〔加熱押圧工程〕
加熱押圧工程では、ウェブ作成工程で得たウェブに熱圧加工を施すことで、本発明の不織布面材を得る。熱圧加工の方法として、加熱した平板でプレスする方法、両方を加熱した一対のローラーで把持するカレンダー法を例示することができる。
【0038】
熱圧加工の条件は、得られる不織布面材の厚さおよび最大細孔径/最小細孔径が所定の範囲に入るように、特に3.5以上になるように、加工温度、圧力および時間を適宜調整する。なお、ウェブを製造した後、得られたウェブを、直接、加熱押圧工程に供してもよく、エアスルードライヤー等によって熱処理を施した後に加熱押圧工程に供してもよい。
【0039】
加熱押圧工程において、ウェブを両面から加熱して押圧することが肝要である。こうすることでウェブから得られる不織布面材の両面に微細な開孔が形成され、後述する流路の拡大、縮小による、音波の減衰効果を十分に得ることができる。
【0040】
本発明の不織布面材は、熱接着性複合繊維を含むため、加熱押圧工程において、プレス機の熱板やカレンダーローラーの表面への粘着が発生することがある。このため、ローラーや平板の表面に粘着を抑制する特殊コーティングや微細凹凸加工を施したり、離型剤を使用したりする対策を組み合わせて行うことが望ましい。カレンダーローラーを使用する場合は、加熱押圧後の不織布面材を適度な張力で引き取ることができ、ローラーに粘着することを抑制することができる。
【0041】
不織布面材においては、加熱押圧工程で不織布面材の面積の80%以上が加熱押圧されていることが好ましい。すなわち、加熱押圧工程では、エンボス加工のような部分的な圧着ではなく、平板やローラーにより不織布面材の面積の80%以上が熱と圧力を受けていることが好ましい。こうすることで、吸音に寄与する圧着された部分の面積を増やすことができ、高い吸音性能を得ることができる。
【0042】
本発明の不織布面材においては、熱接着性複合繊維中の熱接着性成分が熱により十分に溶融した状態で圧力がかけられているため、不織布面材の繊維同士が接着するとともに、不織布面材の表面および裏面に熱接着性成分に由来する水かき状の皮膜が形成される。この状態は、例えば走査電子顕微鏡により観察することができる(
図1)。
【0043】
従来、不織布等の繊維製多孔質材料では、繊維表面に形成される、空気の動きにくい境界層において音波が減衰されることで吸音性能が発現すると言われている。このため、従来の技術では、吸音の場となる繊維総表面積が重量当たりで大きくなるように、比表面積の大きな平均繊維径7μm未満の極細繊維により不織布面材を構成することが一般的である。
【0044】
これに対して、本発明の不織布面材は、より大きな繊維径の繊維により不織布を構成し、その表面および裏面に熱接着性成分の皮膜により微細な開孔を形成し、その内部に比較的大きな空隙が形成させる。この微細な開孔と空隙との組み合わせにより、音波の流路の急激な拡大と縮小が発生し、これに伴い、渦や乱れが惹起され、音波のエネルギーが減衰する。
【0045】
本発明の不織布面材が吸音性能を発現する機構は、十分に明らかとなっていないが、発明者は、上記のとおり推定している。
【0046】
〔積層吸音材〕
本発明はまた、上記の本発明の不織布面材と多孔質基材とを含む積層吸音材である。この積層吸音材において、本発明の不織布面材は、多孔質基材と直接積層されていてもよく、間に空気層を配置して積層されていてもよい。空気層を配置する場合には、適宜スペーサーを用いて、不織布面材と多孔質基材との間の空気層を維持することが好ましい。不織布面材は、多孔質基材の片面に積層されていてもよく、両面に積層されていてもよい。
【0047】
不織布面材と多孔質基材とを積層して両者を一体化させる方法には、従来から使用されている公知の方法を用いることができる。例えば、粉末状バインダーを用いる方法、クモの巣状低融点繊維シート(Spunfab(登録商標))を用いることができる。
【0048】
〔多孔質基材〕
以下、本発明の不織布面材を多孔質基材に積層する場合に用いる多孔質基材について説明する。多孔質基材として、通気性を有する多孔質基材を用いる。この多孔質基材として、不織布、織布、連続気泡発泡体を例示することができ、不織布が好ましい。これらは、組み合わせて用いてもよい。
【0049】
多孔質基材として用いられる不織布は、従来公知の方法で製造することができる。例えば、繊維と熱接着性繊維とを混合してローラーカードにより均一なウェブを紡出した後、繊維を水平方向に積層した後、加熱処理することで得ることができる。
【0050】
具体的には、例えば特開2008-68799号公報の
図1に示すような熱処理機を用いて、ウェブをアコーデオン状に折りたたみながら加熱処理し、熱融着による固着点を形成させる方法を用いることができる。この場合、例えば、特表2002-516932号公報に示された装置(市販のものでは、例えばStruto社製Struto設備など)を使用するとよい。
【0051】
多孔質基材の目付は、好ましくは50~2000g/m2、さらに好ましくは100~1500g/m2である。50g/m2未満では十分な吸音性能が得られないおそれがあり好ましくない。2000g/m2より大きいと、吸音材の重量が大きくなり好ましくない。
【0052】
多孔質基材の厚さは、好ましくは5mm以上、好ましくは5~50mm、特に好ましくは8~20mmである。厚さが5mmより小さいと十分な吸音性が得られないおそれがあり好ましくない。
【0053】
〔積層吸音材の向き〕
本発明の積層吸音材は、不織布面材が積層されている面を音源側に配置して使用する。音源側に不織布面材が配置されることで、粒子の振動速度が大きい位置、すなわち音のエネルギーの大きい位置に音源が配置されることとなり、より効率的に入射する音を減衰させることができる。
【0054】
不織布面材が多孔質基材の両面に積層されている場合には、多孔質基材を挟むように音源側と非音源側の両方に不織布面材が積層されていることになる。この場合、積層吸音材の表裏の区別がないために取り扱い性が向上するとともに、さらに良好な吸音性を得ることができる。
なお、積層吸音材には、染色加工、撥水加工、防炎加工、難燃加工など公知の機能加工が付加されていてもさしつかえない。
【実施例0055】
本発明の実施例および比較例を詳述する。なお、実施例中の各測定項目は下記の方法で測定した。
【0056】
(1)溶融粘度
乾燥処理後のポリマーを紡糸時のルーダー溶融温度に設定したオリフィスにセットして5分間溶融保持したのち、数水準の荷重をかけて押し出し、そのときのせん断速度と溶融粘度をプロットする。そのプロットをなだらかにつないで、せん断速度-溶融粘度曲線を作成し、せん断速度が1000秒-1の時の溶融粘度を見た。
【0057】
(2)メルトフローレート(MFR)
JIS K7210に準じ、温度190℃、荷重2.169kgで測定した。
【0058】
(3)融点
TAインストルメンツ製 TA-2200示差走査熱量測定計DSCを用いた。測定は、試料10mgを窒素雰囲気下、昇温速度20℃/分で測定した。
【0059】
(4)繊維径および繊維長
熱圧加工前のウェブ試験片の断面を走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社JCM-5700)で1000倍の倍率で撮影した画像を用いて繊維直径を測定した。各試料の電子顕微鏡断面写真において、繊維が繊維軸方向に対して概ね垂直方向に切断されている10本を任意に選択しその繊維直径を測定し、それらの平均値(μm)を算出して繊維径とした。なお、複合繊維であるかその他の繊維であるかは、断面形状から判断し、区別して各々の繊維径を算出した。
繊維長は、日本工業規格JIS L 1015:2010 8.4.1 A法に記載の方法により測定した。この繊維長の測定では、上記の繊維径の測定と異なり、不織布面材の原料として用いた繊維の繊維長を測定した。
【0060】
(5)目付、総目付
JIS L 1096に準じて、目付け(g/m2)および総目付(g/m2)を測定した。
【0061】
(6)厚さ
不織布面材の厚さ(mm)は、JIS P 8118に準じて測定した。複合吸音材の厚さ(mm)は、JIS L 1096に準じて測定した。なおいずれも、n数5でその平均値を算出した。
【0062】
(7)空隙率
目付、厚さおよび樹脂密度より、下記の計算式にて値を求め、得られた値の小数点以下第1位を四捨五入して空隙率を求めた。
空隙率(%)=100-{目付(g/m2)×100/樹脂密度(g/cm3)/厚さ(mm)/1000}
【0063】
(8)最大細孔径/最小細孔径
測定装置として、PMI社製のパームポロメーター(型式:CFP-1200-AEXL)を用い、浸液にPMI社製のGALWICK浸液(表面張力:15.9dynes/cm)を用いて、ASTM F316-86に規定するバブルポイント法に基づき濡れ流量曲線を求めた。このときバブルポイント圧力をバブルポイントの式に代入することで、最大細孔径を求めた。
次に同じサンプルで乾き流量曲線を求め、乾き流量曲線における流量と、先に求めた濡れ流量曲線における流量が一致したときの圧力をバブルポイントの式に代入することで最小細孔径を求めた。
得られた最大細孔径と最小細孔径の値から最大細孔径/最小細孔径の値を計算し、小数点以下第二位を四捨五入して算出した。測定はn数5で行って、値を計算し、その平均値を算出した。
【0064】
(9)吸音特性
JISA1405に基づき、管内法による建築材料の垂直入射吸音率を1/3オクターブ中心周波数1000Hz、2000Hzについて測定し、n数5で平均値を算出した。
さらに1000Hzと2000Hzの吸音率を算術平均した平均吸音率を求め、吸音性能の指標とした。
次に、実施例および比較例で用いた不織布面材および多孔質基材の製造方法について説明する。これらは以下の方法で製造した。
【0065】
(10)繊度
日本工業規格JIS L 1015:2010 8.5.1 A法に記載の方法により測定した。
【0066】
(不織布面材Aの作製)
単繊維繊度1.7dtex(繊維径12.5μm)、繊維長5mmのポリエチレンテレフタレート(融点256℃)を芯部に配し、テレフタル酸とイソフタル酸とを80/20(モル%)で混合した酸成分と、エチレングリコールとテトラエチレングリコールを35/65(モル%)で混合したジオール成分とからなる共重合ポリエチレンテレフタレート(融点155℃)を鞘部に配し、鞘/芯の重量比で50/50になるように常法により紡糸して得られた芯鞘型熱接着性複合短繊維を100重量%用いて、公知のエアレイド不織布製造装置でウェブを得た。次いで、該ウェブを、熱風循環式乾燥機を用いて180℃、1分間熱処理することにより、不織布を得た。
【0067】
得られた不織布から15cm×15cm角を採取し、ポリイミドフィルムで把持した後、平板プレス機で、熱板温度150℃、プレス圧力10kg/cm2で10秒間、不織布全面を均等にプレスした後、冷却し、不織布面材A(目付け40g/m2)を得た。得られた不織布面材の目付、厚みおよび最大細孔径/最小細孔径を測定した。
【0068】
(不織布面材Bの作製)
単繊維繊度1.7dtex(繊維径13.6μm)、繊維長5mmのポリエチレンテレフタレート(融点256℃)を芯部に配し、高密度ポリエチレン(融点130℃、メルトフローレート20g/min)を鞘部に配し、鞘/芯の重量比で50/50になるように常法により紡糸して得られた芯鞘型熱接着性複合短繊維を100重量%用いて、公知のエアレイド不織布製造装置でウェブを得た。次いで、該ウェブを、熱風循環式乾燥機を用いて180℃、1分間熱処理することにより、不織布を得た。
【0069】
得られた不織布から15cm×15cm角を採取し、ポリイミドフィルムで把持した後、熱プレス機で、熱板温度130℃、圧力10kg/cm2で10秒間、不織布全面を均等にプレスした後、冷却し、不織布面材B(目付け40g/m2)を得た。得られた不織布面材の目付、厚みおよび最大細孔径/最小細孔径を測定した。
【0070】
(不織布面材Cの作製)
単繊維繊度2.2dtex(繊維径14.4μm)、繊維長51mmのポリエチレンテレフタレート(融点256℃)を芯部に配し、テレフタル酸とイソフタル酸とを60/40(モル%)で混合した酸成分と、エチレングリコールをジオール成分とからなる共重合ポリエチレンテレフタレート(軟化点110℃)を鞘部に配し、鞘/芯の重量比で50/50になるように常法により紡糸して得られた芯鞘型熱接着性複合短繊維を70重量%、単繊維繊度0.6dtex(繊維径7.4μm)、繊維長32mmのポリエチレンテレフタレート(PET)捲縮短繊維30重量%を混合し、公知のカード不織布製造装置でウェブを得た。次いで、該ウェブを、熱風循環式乾燥機を用いて180℃、1分間熱処理することにより、不織布を得た。
【0071】
得られた不織布から15cm×15cm角を採取し、ポリイミドフィルムで把持した後、熱プレス機で、熱板温度150℃、圧力10kg/cm2で10秒間、不織布全面を均等にプレスした後、冷却し、不織布面材C(目付け40g/m2)を得た。得られた不織布面材の目付、厚みおよび最大細孔径/最小細孔径を測定した。
【0072】
(不織布面材Dの作製)
不織布面材Cにおいて、芯鞘型熱接着性複合短繊維を50重量%と、単繊維繊度0.6dtex50重量%とを混合し、それ以外を不織布面材Cの作製と同様にして、不織布面材D(目付け40g/m2)を得た。得られた不織布面材の目付、厚みおよび最大細孔径/最小細孔径を測定した。
【0073】
(不織布面材Eの作製)
不織布面材Dにおいて、熱プレス機でプレスする前の不織布を不織布面材E(目付け40g/m2)とした。得られた不織布面材の目付および厚みを測定した。最大細孔径/最小細孔径は、乾き流量曲線における流量と、濡れ流量曲線における流量が一致せず、最小細孔径を測定することができなかったため、数値を得ることができなかった。
【0074】
(不織布面材Fの作製)
不織布面材Dにおいて、熱プレス機の圧力を1kg/cm2として作製したものを不織布面材F(目付け40g/m2)とした。得られた不織布面材の目付、厚みおよび最大細孔径/最小細孔径を測定した。
【0075】
(不織布面材Gの作製)
不織布面材Fにおいて、芯鞘型熱接着性複合短繊維を30重量%と、単繊維繊度0.6dtex70重量%とを混合し、それ以外を、不織布面材Fの作成と同様にして、不織布面材G(目付け40g/m2)とした。得られた不織布面材Gの目付、厚みおよび最大細孔径/最小細孔径を測定した。
【0076】
(多孔質基材aの作製)
ポリエチレンテレフタレート(PET)からなる捲縮短繊維A(繊度2.2dtex、単繊維径14μm、繊維長51mm)、熱接着性複合短繊維(バインダー繊維)として芯鞘複合型熱接着性短繊維(繊度2.2dtex、単繊維径14μm、繊維長51mm、芯/鞘=50/50(重量%)、芯:融点256℃のポリエチレンテレフタレート、鞘:テレフタル酸、イソフタル酸、エチレングリコールおよびジエチレングリコールを主成分とする軟化点110℃の共重合ポリエステル)を用い、捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維とを混率80/20(重量%)で混綿し、カード機に通して、目付110g/m2の不織布ウェブを形成した。
【0077】
得られた不織布ウェブを厚さ16mmのスペーサーと共に金網の間に挟み、140℃の熱風乾燥機中で15分間加熱処理を行い、厚さ16mm、目付110g/m2の多孔質基材aを得た。
【0078】
(多孔質基材bの作製)
多孔質基材aと同様の組成と方法で、厚さ16mm、目付150g/m2の多孔質基材bを得た。
【0079】
(多孔質基材cの作製)
ポリエチレンテレフタレート(PET)からなる捲縮短繊維A(繊度2.2dtex、単繊維径14μm、繊維長51mm)、捲縮短繊維B(繊度0.11dtex、単繊維径3.2μm、繊維長32mm)、熱接着性複合短繊維(バインダー繊維)として芯鞘複合型熱接着性短繊維(繊度2.2dtex、単繊維径14μm、繊維長51mm、芯/鞘=50/50(重量%)、芯:融点256℃のポリエチレンテレフタレート、鞘:テレフタル酸、イソフタル酸、エチレングリコールおよびジエチレングリコールを主成分とする軟化点110℃の共重合ポリエステル)を用い、捲縮短繊維A、捲縮短繊維B、熱接着性複合短繊維を混率40/40/20(重量%)で混綿し、カード機に通して、目付110g/m2の不織布ウェブを形成した。
【0080】
得られた不織布ウェブを厚さ16mmのスペーサーと共に金網の間に挟み、140℃の熱風乾燥機中で15分間加熱処理を行い、厚さ16mm、目付110g/m2の多孔質基材cを得た。
【0081】
(多孔質基材dの作製)
多孔質基材cと同様の組成と方法で、厚さ16mm、目付150g/m2の多孔質基材cを得た。
【0082】
〔実施例1〕
不織布面材として不織布面材A、多孔質基材として多孔質基材aを用い、両者を積層して層間を接着し、総目付150g/m2の積層吸音材を得た。接着は、接着剤を両者の接着面にスプレーで噴霧して、両者の接着面を接触させることにより行った。得られた積層吸音材の垂直入射吸音率を測定し、周波数1000Hz、2000Hzの各吸音率およびその算術平均値を求めた。
【0083】
〔実施例2~5〕
表1に示すとおりに、不織布面材と多孔質基材との組み合わせを変更した他は実施例1と同様にして、総目付150g/m2の積層吸音材を得た。得られた積層吸音材の垂直入射吸音率を測定し、周波数1000Hz、2000Hzの各吸音率およびその算術平均値を求めた。
【0084】
〔比較例1~3〕
表2に示すとおりに、不織布面材と多孔質基材との組み合わせを変更した他は実施例1と同様にして、総目付150g/m2の積層吸音材を得た。得られた積層吸音材の垂直入射吸音率を測定し、周波数1000Hz、2000Hzの各吸音率およびその算術平均値を求めた。なお、比較例1では、最小細孔径が測定できなかった。
【0085】
〔比較例4〕
多孔質基材bの単層の不織布からなる吸音材の垂直入射吸音率を測定し、周波数1000Hzおよび2000Hzの各吸音率とその算術平均値を求めた。
【0086】
〔比較例5〕
多孔質基材dの単層の不織布からなる吸音材の垂直入射吸音率を測定し、周波数1000Hzおよび2000Hzの各吸音率とその算術平均値を求めた。
【0087】
【0088】