IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社薬仙の特許一覧

特開2023-59366薬売買支援システム、その方法及びプログラム
<>
  • 特開-薬売買支援システム、その方法及びプログラム 図1
  • 特開-薬売買支援システム、その方法及びプログラム 図2
  • 特開-薬売買支援システム、その方法及びプログラム 図3
  • 特開-薬売買支援システム、その方法及びプログラム 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023059366
(43)【公開日】2023-04-27
(54)【発明の名称】薬売買支援システム、その方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/10 20180101AFI20230420BHJP
   G06Q 10/087 20230101ALI20230420BHJP
【FI】
G16H20/10
G06Q10/08 330
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021169320
(22)【出願日】2021-10-15
(71)【出願人】
【識別番号】521454663
【氏名又は名称】株式会社薬仙
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】濱▲崎▼ 英幸
【テーマコード(参考)】
5L049
5L099
【Fターム(参考)】
5L049AA16
5L049BB63
5L099AA25
(57)【要約】
【課題】 薬局及び医療機関等において薬のデッドストック数を少なくできる薬売買支援システムを提供する。
【解決手段】 第1の薬局が在庫として持ち他の第2の薬局に販売を希望する薬販売希望情報を取得又は生成する工程と、前記第2の薬局から薬購入要求を受信する工程と、前記薬販売希望情報と、前記薬購入要求とを基に、前記第1の薬局と前記第2の薬局との間の薬の売買のマッチングを行う工程とを実行する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の薬局が在庫として持ち他の第2の薬局に販売を希望する薬販売希望情報を取得又は生成する工程と、
前記第2の薬局から薬購入要求を受信する工程と、
前記薬販売希望情報と、前記薬購入要求とを基に、前記第1の薬局と前記第2の薬局との間の薬の売買のマッチングを行う工程と、
を実行する薬売買支援システム。
【請求項2】
前記薬販売希望情報には、薬の種類、量、有効期限、ロット番号、開封有無、販売希望価格の情報が含まれる
請求項1に記載の薬売買支援システム。
【請求項3】
前記第1の薬局から薬在庫情報及び薬出庫情報を取得し、当該薬在庫情報及び薬出庫情報から前記薬販売規模情報を自動的に生成し、
前記第2の薬局から薬在庫情報及び薬出庫情報を取得し、当該薬在庫情報及び薬出庫情報から前記薬購入要求を自動的に生成する
請求項1又は請求項2に記載の薬売買支援システム。
【請求項4】
前記薬販売希望情報には、薬の写真データが含まれ、
前記写真データを基に当該薬の品質を評価する工程と、
前記評価の結果を含む薬販売希望情報を生成する工程と
を実行する
請求項1~3のいずれかに記載の薬売買支援システム。
【請求項5】
前記第1の薬局と前記第2の薬局との間での前記薬在庫情報及び薬出庫情報に関する処理を行う
請求項1~4のいずれかに記載の薬売買支援システム。
【請求項6】
第1の薬局が在庫として持ち他の第2の薬局に販売を希望する薬販売希望情報を取得又は生成する工程と、
前記第2の薬局から薬購入要求を受信する工程と、
前記薬販売希望情報と、前記薬購入要求とを基に、前記第1の薬局と前記第2の薬局との間の薬の売買のマッチングを行う工程と、
をコンピュータが実行する薬売買支援方法。
【請求項7】
第1の薬局が在庫として持ち他の第2の薬局に販売を希望する薬販売希望情報を取得又は生成する工程と、
前記第2の薬局から薬購入要求を受信する工程と、
前記薬販売希望情報と、前記薬購入要求とを基に、前記第1の薬局と前記第2の薬局との間の薬の売買のマッチングを行う工程と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬局、医療機関、医薬品売買業者の間で薬の売買を支援する薬売買支援システム、その方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
全国の薬局、病院・診療所等医療機関で、図4に示すように、薬品の在庫管理をクラウド型、ソフト型、レセコン一体型等で行っている。
ところで、何等かの理由でデッドストックとなってしまった薬品、又は個々の薬局、病院・診療所等医療機関と患者間での流通が停止してしまった薬品は、現状では元箱を開封してしまった薬品の医薬品卸への返品はできない。そのため、次に使用する対象患者が現れるまで待つか、買い取ってくれる薬局や医療機関又は医薬品売買業者を自力で探して交渉するか、期限切れで廃棄するかのいずれかである。
このため日本全体で医薬品の年間廃棄額は100億円を超える状態になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-5203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したように医薬品を廃棄することは薬局及び医療機関等の経営において利益を下げる要因であると共に、環境的にも好ましくない。
【0005】
という不利益がある。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、薬局等において薬のデッドストック数を少なくできる薬売買支援システム、その方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の薬売買支援システムは、第1の薬局が在庫として持ち他の第2の薬局に販売を希望する薬販売希望情報を取得又は生成する工程と、前記第2の薬局から薬購入要求を受信する工程と、前記薬販売希望情報と、前記薬購入要求とを基に、前記第1の薬局と前記第2の薬局との間の薬の売買のマッチングを行う工程とを実行する。
【0008】
好適には、前記薬販売希望情報には、薬の種類、量、有効期限、ロット番号、開封有無、販売希望価格の情報が含まれる。
【0009】
好適には、前記第1の薬局から薬在庫情報及び薬出庫情報を取得し、当該薬在庫情報及び薬出庫情報から前記薬販売規模情報を自動的に生成し、前記第2の薬局から薬在庫情報及び薬出庫情報を取得し、当該薬在庫情報及び薬出庫情報から前記薬購入要求を自動的に生成する。
【0010】
好適には、前記薬販売希望情報には、薬の写真データが含まれ、前記写真データを基に当該薬の品質を評価する工程と、前記評価の結果を含む薬販売希望情報を生成する工程と
を実行する。
【0011】
好適には、前記第1の薬局と前記第2の薬局との間での前記薬在庫情報及び薬出庫情報に関する処理を行う。
【0012】
本発明の薬売買支援方法は、第1の薬局が在庫として持ち他の第2の薬局に販売を希望する薬販売希望情報を取得又は生成する工程と、前記第2の薬局から薬購入要求を受信する工程と、前記薬販売希望情報と、前記薬購入要求とを基に、前記第1の薬局と前記第2の薬局との間の薬の売買のマッチングを行う工程と、をコンピュータが実行する。
【0013】
本発明のプログラムは、第1の薬局が在庫として持ち他の第2の薬局に販売を希望する薬販売希望情報を取得又は生成する工程と、前記第2の薬局から薬購入要求を受信する工程と、前記薬販売希望情報と、前記薬購入要求とを基に、前記第1の薬局と前記第2の薬局との間の薬の売買のマッチングを行う工程と、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、薬局及び医療機関等において薬のデッドストック数を少なくできる薬売買支援システム、その方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の実施形態に係る薬売買支援システム1の全体概念を説明するための図である。
図2図2は、図1に示す薬売買支援装置21の機能ブロック図である。
図3図3は、図1に示す薬売買支援システム1の動作例を説明するためのフロチャートである。
図4】薬在庫出庫管理機能の従来技術を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る薬売買支援システム1の全体概念を説明するための図である。
【0017】
図1に示すように、薬売買支援システム1は、薬局端末装置11_1~11_3、医薬品売買業者端末装置13、薬売買支援装置21を用いて薬局間での薬売買を支援する。
薬局端末装置11_1~11_3及び医薬品売買業者端末装置13の数は任意であり、その他の組織の装置が繋がってもよい。
本明細書において、薬局とは薬を在庫として持ち、薬を販売する病院等を含む全ての組織を包含する概念である。
【0018】
薬局端末装置11_1~11_3及び医薬品売買業者端末装置13は、薬局、医療機関、医薬品売買業者のスタッフが操作するPCやタブレッド、スマートフォン等の機器である。
【0019】
薬売買支援装置21は、薬局端末装置11_1~11_3から、その薬局が在庫として持ち他の薬局に販売を希望する薬販売希望情報を取得し、それを記憶する。
薬販売希望情報には、例えば、薬の種類、量、有効期限、ロット番号、開封有無、販売希望価格の情報が含まれる。
また、薬販売希望情報には、販売希望する薬の写真データが含まれていてもよい。当該写真データは、スタッフがカメラで販売希望の薬を撮像して得られたデータである。
当該写真データは、薬の破損、色等を評価できるものである。
【0020】
また、薬売買支援装置21は、薬局端末装置11_1~11_3から取得した情報を基に、薬販売希望情報を生成してもよい。
【0021】
この場合には、薬売買支援装置21は、薬局端末装置11_1~11_3から薬在庫情報、出庫情報を取得し、当該薬在庫情報及び出庫情報から上記薬販売規模情報を自動的に生成する。
【0022】
薬売買支援装置21は、薬局端末装置11_1~11_3から薬購入要求を受信すると、それをメモリに記憶する。
また、薬売買支援装置21は、薬局端末装置11_1~11_3から薬在庫情報及び出庫情報を取得し、当該薬在庫情報及び出庫情報から薬購入要求を自動的に生成してもよい。
【0023】
薬売買支援装置21は、メモリに記憶された薬販売希望情報と購入要求とを基に、薬局端末装置11_1~11_3に係る薬局間の薬の売買のマッチングを行う。
当該マッチングは、例えば、購入要求に含まれる薬の種類、量、不開封希望、有効期限、ロッド番号等の条件を満たす、薬局を当該薬局の薬販売希望情報から特定する。一つの要求に対して、複数の薬局からの薬販売希望情報をマッチングさせてもよい。
また、薬の種類が完全に一致しない場合でも、同様の効果が得られる他の薬がある場合には、当該他の薬に係る薬販売希望情報をマッチングさせてもよい。
【0024】
薬売買支援装置21は、薬局及び医療機関等の間での薬売買の提案を含むマッチング結果を薬局端末装置11_1~11_3に送信する。
薬局端末装置11_1~11_3を操作するスタッフは、薬売買支援装置21からのマッチング結果を見て、当該マッチングに応募(薬購入を希望)するかを決定し、応募する場合にはその旨回答する。
薬売買支援装置21は、一つの薬販売希望に複数の応募を受け付け可能にし、複数の応募から薬販売再度が選択できるようにしてもよい。
【0025】
また、薬売買支援装置21は、薬の写真データを基に当該薬の品質を評価し、その評価の結果を含む薬販売希望情報を生成してもよい。
【0026】
また、薬売買支援装置21は、薬の売り手の薬局端末装置11_1~11_3と、買い手の薬局端末装置11_1~11_3との間での薬品出庫情報(調剤数量等)に関する処理(レセコン処理)の連動を行い、薬販売支援システムにUSB等でデータを移す、もしくはクラウド型にしてデータ転送する方法を用いる。
【0027】
図2は、図1に示す薬売買支援装置21の機能ブロック図である。
図2に示すように、薬売買支援装置21は、例えば、データベース50,ディスプレイ53,操作部55,インタフェース57,メモリ59及び処理部61を有する。
【0028】
データベース50は、薬局端末装置11_1~11_3から受信した薬販売希望情報、薬購入要求に関する情報、薬在庫情報を記憶する。
【0029】
ディスプレイ53は、処理回路61が実行する管理プログラムPRGが提供する様々な画面を表示する。
【0030】
操作部55は、キーボードやマウス等の操作手段である。
インタフェース57は、薬局端末装置11_1~11_3と通信するために用いられる。
メモリ59は、処理回路25が実行するプログラムPRG、処理回路61の処理に用いられるデータを一時的に記憶する。
処理回路61は、プログラムPRGを実行して、本実施形態で規定する薬売買支援装置21の処理を統括的に制御する。
本実施形態で示される薬売買支援装置21の処理は、プログラムPRGに記述されている。
【0031】
以下、薬売買支援システム1の動作例を説明する。
図3は、図1に示す薬売買支援システム1の動作例を説明するためのフロチャートである。
ステップST0:
薬売買支援装置21は、薬在庫情報及び薬出庫情報等を薬局端末装置11_1~11_3から受信する。
【0032】
ステップST1:
例えば、薬局の担当者は、薬の在庫状況を見て、薬局端末装置11_1~11_3を操作して、他の薬局に販売を希望する薬販売希望情報を入力する。薬局端末装置11_1~11_3は、当該薬販売希望情報を薬売買支援装置21に送信する。
薬売買支援装置21の処理部61は、インタフェース57が薬販売希望情報を受信したと判断すると、ステップST2に進む。
【0033】
ステップST2:
薬売買支援装置21の処理部61は、ステップST1で受信した薬販売希望情報をメモリ59に記憶する。
【0034】
ステップST3:
薬局の担当者は、薬の在庫状況を見て不足している場合に、薬局端末装置11_1~11_3を操作して薬購入要求を入力し、これを薬売買支援装置21に送信する。
薬売買支援装置21は、インタフェース57で薬購入要求を受信すると、ステップST4に進む。
【0035】
ステップST4:
薬売買支援装置21は、ステップST3で受信した薬購入要求をメモリ59に記憶する。
【0036】
ステップST5:
薬売買支援装置21は、メモリ59に記憶された薬販売希望情報と購入要求とを基に、薬局端末装置11_1~11_3に係る薬局間の薬の売買のマッチングを行う。
【0037】
ステップST6:
薬売買支援装置21は、ステップST5の評価の結果を、対応する薬局端末装置11_1~11_3に送信する。
【0038】
薬売買支援システム1では、システム情報により、デッドストック先と継続使用先の各々への通知やマッチング、案内を一定期間ごとに行う機能がある。
デッドストック先には定期的にデッドストックリスト、金額の提示と継続使用先にはどの薬局で何錠売りたいかを提示、斡旋する。
【0039】
薬売買支援システム1によれば、他社(医薬品卸、レセコン会社等)の在庫管理システムと繋ぐことで全国の薬局、医療機関等の薬品使用状況を確認でき、企業が独自又は自動でデッドストック薬品を再利用してくれる候補先をピックアップできる。
【0040】
そのため、薬局で薬が余った場合に、それを他の薬局に転売でき、薬局における薬のデッドストック数を少なくできる。これにより、薬局の経営状態を改善できる。
【0041】
薬売買支援システム1では、販売希望する薬の写真データを含めることで、薬の破損、色等を評価できる。すなわち、薬品の一定の品質を担保する必要があるので、品質確認システムを構築する。開封してしまった薬品の一定基準以上の使用できる状態のものか否かを画像判定する機能を持たせる。
【0042】
AI等で自動で各社、各店舗に最適なデッドストック解消法を提案する機能うを持たせるようにしてもよい。
【0043】
本発明は上述した実施形態には限定されない。
すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、薬局及び医療機関等の薬品を扱う組織のシステムに適用可能である。
【符号の説明】
【0045】
1…薬売買支援システム
11_1~11_3…薬局端末装置
13…医薬品売買業者端末装置
21…薬売買支援装置
50…データベース
53…ディスプレイ
55…操作部
57…インタフェース
59…メモリ
61…処理部

図1
図2
図3
図4