(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023005940
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】細管内部清掃具
(51)【国際特許分類】
A47L 13/16 20060101AFI20230111BHJP
B08B 9/027 20060101ALI20230111BHJP
D04C 1/02 20060101ALI20230111BHJP
D04C 1/12 20060101ALI20230111BHJP
D21H 11/04 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
A47L13/16 A
B08B9/027
D04C1/02
D04C1/12
D21H11/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021108242
(22)【出願日】2021-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】304040072
【氏名又は名称】丸住製紙株式会社
(72)【発明者】
【氏名】香川哲也
(72)【発明者】
【氏名】川口昇人
【テーマコード(参考)】
3B074
3B116
4L046
4L055
【Fターム(参考)】
3B074AA01
3B074AA02
3B074AA04
3B074AC03
3B074CC03
3B116AA12
3B116BA02
3B116BA24
4L046AA01
4L046AA24
4L046BA00
4L046BB00
4L055AA02
4L055AC06
4L055EA04
4L055EA08
4L055EA10
4L055FA22
4L055FA30
4L055GA26
4L055GA28
4L055GA50
(57)【要約】 (修正有)
【課題】細管内部の水や汚れ、特には補聴器の音管などの湾曲した細管内部の水や汚れを容易に清掃することができる清掃具を提供する。
【解決手段】吸液性を有する紐体からなる細管内部清掃具。紐体が、原紙を撚ったものであること、外径が0.5~1.0mmであること、原紙は、原料のパルプのうち、70質量%以上が針葉樹クラフトパルプであること、坪量が15~50g/m
2であり、JISP8122に基づくステキヒトサイズ度が0.1~2.0秒であることが望ましい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸液性を有する紐体からなることを特徴とする細管内部清掃具。
【請求項2】
前記紐体が、紙を撚ったものであることを特徴とする請求項1に記載の細管内部清掃具。
【請求項3】
紐体の外径が0.5~1.0mmであることを特徴とする請求項1または2に記載の細管内部清掃具。
【請求項4】
前記紙は、原料のパルプのうち、70質量%以上が針葉樹クラフトパルプであることを特徴とする請求項2または3に記載の細管内部清掃具。
【請求項5】
前記紙の坪量が15~50g/m2であり、JISP8122に基づくステキヒトサイズ度が0.1~2.0秒であることを特徴とする請求項2~4のいずれかに記載の細管内部清掃具。
【請求項6】
湾曲した細管内部の清掃に用いられることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の細管内部清掃具。
【請求項7】
貫通した細管内部の清掃に用いられることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の細管内部清掃具。
【請求項8】
補聴器の音管の清掃に用いられることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の細管内部清掃具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細管内部を清掃する清掃具に関する。特には補聴器の音管などの湾曲した細管内部を清掃するのに用いられる清掃具に関する。
【背景技術】
【0002】
精密機械等の細部を清掃するには綿棒などが用いられる。綿棒の綿球部は、球状であるため、細部の清掃には適さない場合がある。特許文献1には精密機械の清掃に用いる綿棒として、軸体に繊維を円筒形状に巻き付けた綿棒が開示されており、溝部や穴部の隅まで清掃できることが記載されている。しかし綿部の外径は2~5mm程度であり、内径2mm以下の細管の清掃には不向きである。特許文献2には、合成繊維の長繊維を束ねて固形化し、毛細管を有するようにした吸水性を有する綿棒が記載されている。しかし合成繊維を固形化しているため可撓性がほとんどなく、湾曲した細管内部の清掃には適していない。特許文献3には、可撓性を有する合成樹脂により形成された綿棒軸が提案されており、軸の細径部の径が1.1mmとの記載がある。この径の軸に綿球を設けると、径は1.1mmより大きくなり、内径1mm程度の細管内部の清掃には不向きであるし、合成樹脂製の軸をさらに細くすると、使用時に折れるおそれある。
【0003】
このように湾曲した細管内部の水や汚れを除去するには、細管に入る細さと、吸水性があり、剛性と可撓性のバランスのとれた清掃具が必要であると考えられるが、これらを同時に満足する清掃具は無かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-163390号公報
【特許文献2】特開平10-24065号公報
【特許文献3】実用新案登録第3172104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明の課題は、細管内部の水や汚れ、特には補聴器の音管などの湾曲した細管内部の水や汚れを容易に清掃することができる清掃具を提供することである。
【0006】
例えば、補聴器の音管を清掃する場合で説明する。
【0007】
補聴器には耳穴型と耳掛け型がある。耳掛け型は耳介に補聴器を掛けるタイプである。耳掛け型補聴器は、マイクロフォン、イヤフォン、増幅器、バッテリー、各操作子などが設けられたケース本体にフックが取り付けられ、当該フックにスナップチューブを介して耳栓が取り付けられている。ケース本体において増幅された外部音をフック、スナップチューブ及び耳栓内に設けられた音管を通じて耳穴に送り込むようになっている。
【0008】
ところで、耳栓は脱落や音漏れ防止のため、個人の耳に合うように型取りして製作される場合があり、イヤーモールドと呼ばれている。イヤーモールドは樹脂製であり、内部には内径1mm程度、長さ50mm程度の音管が設けられている。補聴器使用時には、音管内部に水が結露したり、耳垢、脂などの汚れが音管内部に付着することがある。このようになると補聴器の音響特性が変わったり、音管が水で閉塞すると補聴器の機能が失われる。加えて、補聴器は高価であって、数年の耐用年数には、汚れや湿気が影響しているとされ、使用者は日常のメンテナンスに多大な関心がある。補聴器の掃除方法として、電動の吸引掃除具(例えば、特開2017-006290に記載)が提案されている。しかし、エアーによる吸引では完全に水や汚れを除去するのは難しく、清掃後にはイヤーモールドを十分乾燥する必要もある。
【0009】
簡易的にイヤーモールドの音管内部を清掃する方法として、補聴器使用者の実態は、ゴム製のエアブロアーと呼ばれるエアー吹付具で音管内部の水を飛ばしたり、ティッシュペーパーや書道用半紙のような薄葉紙で作った「こより」を音管に挿入して清掃を試みている。しかし前述したようにエアーでは除去が不十分で水や汚れが残る場合があるし、清掃後に乾燥させる必要がある。また、音管は細長く、湾曲部や継ぎ目がある場合もあり、手作りの「こより」では径が太すぎて音管に挿入できなかったり、細すぎて、途中で折れて挿入が不十分となったり、試行錯誤しながら清掃しているのが実状である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、清掃具として紐体を採用し、その特性を特定することで前述した課題を解決することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0011】
本願の第1発明は、吸液性を有する紐体からなることを特徴とする細管内部清掃具である。
【0012】
本願の第2発明は、第1発明において、前記紐体が、紙を撚ったものであることを特徴とする。
【0013】
本願の第3発明は、第1発明または第2発明において、紐体の外径が0.5~1.0mmであることを特徴とする。
【0014】
本願の第4発明は、第2または第3発明において、前記紙は、原料のパルプのうち、70質量%以上が針葉樹クラフトパルプであることを特徴とする。
【0015】
本願の第5発明は、第2~第4発明のいずれかにおいて、前記紙の坪量が15~50g/m2であり、JISP8122に基づくステキヒトサイズ度が0.1~2.0秒であることを特徴とする。
【0016】
本願の第6発明は、第1~第5発明のいずれかにおいて、湾曲した細管内部の清掃に用いられることを特徴とする細管内部清掃具である。
【0017】
本願の第7発明は、第1~第6発明のいずれかにおいて、貫通した細管内部の清掃に用いられることを特徴とする細管内部清掃具である。
【0018】
本願の第8発明は、第1~第7発明のいずれかにおいて、補聴器の音管の清掃に用いられることを特徴とする細管内部清掃具である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、細管部の水や汚れを容易に清掃するのに適切な剛度、可撓性、吸液性を有する清掃具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の細管内部清掃具を適用できる、補聴器のイヤーモールドの一例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本願発明の細管内部清掃具は、吸液性を有する紐体からなる。紐体とは自由に曲げることができる線状体であって、植物繊維からなる原紙を撚ったものが好適である。
【0022】
本発明の清掃具に供する紐体の原紙について説明する。本発明の清掃具に供する紐体の原紙は、原料のパルプとして植物繊維を用いる。植物繊維としては、木材パルプ、マニラ麻パルプ、サイザル麻パルプ、亜麻パルプ、コットンパルプ、大麻パルプ、ジユートパルプ、三椏パルプ、楮パルプ、雁皮パルプ、リントパルプ、竹パルプ、ケナフパルプ、バガスパルプ、エスパルトパルプ、ワラパルプ、古紙パルプ、及びぼろパルプなどが挙げられる。木材パルプとしては、化学パルプ、セミケミカルパルプ、機械パルプなどが挙げられる。また、樹種としては針葉樹、広葉樹を問わない。化学パルプとしては、クラフトパルプ、サルファイトパルプ等が挙げられ、漂白、未漂白を問わない。本発明の清掃具に供する原紙に使用する植物繊維は、単独で使用するか、2種類以上を混合して使用してもよい。また、合成パルプ、レーヨン繊維、合成繊維などを併用することもでき、生分解性を有するものも使用できる。
【0023】
前記植物繊維は、万一環境に出た場合でも分解できるように原紙中の全繊維成分中30質量%以上含まれることが好ましく、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、特に好ましくは90質量%以上含まれ、100質量%でもよい。
【0024】
用いる植物繊維は、紐体に必要な剛性や引張り強さなどの要求品質によって選定することができる。例えば、紐体に剛性が必要な場合、繊維長が長いことが好ましい。このような植物繊維としては、針葉樹パルプ、マニラ麻パルプ、サイザル麻パルプ、亜麻パルプ、大麻パルプ、ジユートパルプ、三椏パルプ、楮パルプ、雁皮パルプなどが挙げられる。針葉樹パルプとしては化学パルプが好ましく、クラフトパルプがより好ましい。
【0025】
本発明の清掃具は、一般的な紙紐よりも径が小さく、湾曲した細管内の清掃に使用するため、細管内部まで挿入ができるように剛性が必要である。そのため、針葉樹パルプを使用するのが好ましい。針葉樹パルプとしては化学パルプが好ましく、クラフトパルプがより好ましい。具体的には、針葉樹クラフトパルプを原紙中の繊維材料中に70質量%以上含有することが好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
【0026】
本発明の清掃具に供される原紙として、「和紙」を使用してもよい。「和紙」には、三椏パルプ、楮パルプ、マニラ麻パルプおよび雁皮パルプ等が使用され、特有の強度を有している。機械すき和紙および手すき和紙のいずれも含まれ、化学パルプを使用した機械すき和紙を使用してもよい。
【0027】
植物繊維は、叩解機で叩解して使用される。叩解機としては、ビーター、コニカル型リファイナー、ドラム型リファイナー、シングルディスクリファイナー、ダブルディスクリファイナーなどが使用できる。叩解の程度は、目的に応じて調整するが、スリッター性、撚紐性、紐体の強度、清掃具としての取り扱いのし易さ等を考慮すると、JISP8121-2:2012に基づくカナダ標準ろ水度は200~500mlCSFが好ましく、200~400mlCSFがより好ましい。カナダ標準ろ水度が高いと、引張強さが低下するため、清掃具として使用する時にも破断するなどの支障があり、清掃具として使用する時にも破断するおそれがある。低いと原紙の引裂き強さが不足し、撚紐工程で破断する可能性が増す。
【0028】
原紙には、必要に応じて、サイズ剤、紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、定着剤、撥水剤、および歩留り向上剤、染料、着色顔料等の製紙用薬品を使用することも出来る。
【0029】
本発明の細管内部清掃具に供する原紙は水を吸収しやすいようにサイズ剤の添加をしなくてもよいし、少量添加してもよい。原紙のサイズ度により、清掃具の吸水性を調製することができる。また、水に濡れた状態での強度を有したほうが良いので、湿潤紙力増強剤を含有することが好ましい。濡れた状態での強度が低いと、水を吸収した箇所が破断しやすくなるので、音管の内部に清掃具の一部が破断して音管内に残ってしまう不具合が生じる。湿潤紙力増強剤の種類は、特に限定されるものではないが、ポリアミドエピクロルヒドリン系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、ジアルデヒドデンプン、ポリアクリルアミド系樹脂及びポリエチレンイミン等から選択された少なくとも1種が本発明に好適に適用出来る。これらの中、ポリアミドエピクロルヒドリン系樹脂が好ましく使用できる。湿潤紙力増強剤の使用量は、原料のパルプ100質量%に対して0.1~2.5質量%程度である。
【0030】
サイズ剤には内添サイズ剤と表面(外添)サイズ剤とがある。内添サイズ剤としては、ロジン系のほかアルキルケテンダイマー系、アルケニル無水コハク酸系、合成高分子型等の内添サイズ剤が挙げられる。表面サイズ剤としては、合成高分子型の表面サイズ剤が多いが、アルキルケテンダイマー系を表面サイズ剤として使用することもできる。
【0031】
原紙には滑剤を含有することもできる。滑剤を含有させることによって、原紙及び紐体に滑り性を付与でき、撚紐機で引っ掛かることもなく走行が安定し、撚紐工程での原紙テープの切断を防止することができる。特に本発明の清掃具は径が細いので、坪量が小さく、幅の狭い原紙テープを使用する必要があり、撚紐工程の安定性を重視した原紙とするのが望ましい。
【0032】
滑剤としては、ポリオレフィン系(ポリエチレン系など)、パラフィン系、ワックス系、シリコーン系、アルキルケテンダイマー系、フッ素系、脂肪酸系、脂肪酸エステル系および脂肪酸金属塩系などの化合物が挙げられる。これらの中で、ポリオレフィン系、パラフィン系、ワックス系、アルキルケテンダイマー系が好ましい。滑剤を含有させる方法は、内添、外添を問わないし、内添、外添を併用してもよい。
【0033】
定着剤は、抄紙工程において、微細繊維,薬品類及び填料等のロスを少なくし収率向上と薬品の有効利用のために添加され、例えばポリアクリルアミドや硫酸アルミニウム(硫酸バンド)が適用可能である。原紙はカレンダー処理をしてもよい。カレンダー処理する装置としては、チルドカレンダー、ソフトカレンダー、グロスカレンダーなどの一般に使用されているカレンダー装置が使用できる。要求される厚みや平滑性に応じて、ニップ数やニップ圧、ロール温度、ロール材質、ロール硬度などを設定することができる。
【0034】
次に、本発明の清掃具に供される原紙の特性について説明する。
原紙の坪量は、15~50g/m2であるのが好ましく、15~40g/m2であることがより好ましく、15~20g/m2であるのがさらに好ましい。坪量が15g/m2に満たないと撚紐時に原紙テープが切断しやすく、50g/m2を超えると細い紐体を撚りにくくなる。
【0035】
本発明の清掃具に供される原紙の密度は、0.50~0.80g/cm3であることが好ましく、0.55~0.75g/cm3であることがより好ましく、0.60~0.70g/cm3であることがさらに好ましい。密度が0.50g/cm3未満では紐体を作りにくい。また、清掃具が軟らかいものになり適さなくなる。0.80g/cm3を越えると原紙が硬くなるので均一な紐体を作りにくい。このような密度の原紙から紐体とすることで、清掃具は空隙構造を有し吸液性をもつことができる。
【0036】
本発明の清掃具に供される原紙のJISP8113に基づく縦方向の引張強さは1.0kN/m以上であることが好ましく、1.2kN/m以上であることがより好ましく、1.5kN/m以上がさらに好ましい。縦方向の引張強さが低いと、原紙のスリット工程及び撚紐工程で紙切れするおそれがある。横方向の引張強さが低いと、撚紐工程にて原紙テープが縦に裂けるおそれがある。特に本発明の清掃具は径が細いので、坪量が小さく、幅の狭い原紙テープを使用する必要があり、撚紐工程の作業安定性を重視した原紙とするのが望ましい。
【0037】
本発明の清掃具に供される原紙は、縦方向の引張り強さと横方向の引張り強さの比(縦/横比)が高いことが好ましく、2~15であることがより好ましく、2.5~10であることがさらに好ましい。当該引張強さの縦/横比が2未満では、原紙の原反からテ-プ状にスリットする時、撚紐時に紙切れのおそれがあるとともに、紐体の強度が小さくなる。一方、15を超えて大きいとテ-プ状にスリットする時、撚紐時に縦方向に裂けるおそれがあり、また、原紙の縦方向の剛性が大きくなり過ぎ紐体に撚りにくくなったり、清掃具としての剛性も大きくなりすぎる。
【0038】
原紙のステキヒトサイズ度は0.1~2.0秒が好ましい。この範囲であれば、清掃具の吸液性を適切な範囲にすることができる。清掃具の吸液性は次のようにして測定することができる。OPPフィルム上に滴下した純水8μLの水滴に、清掃具の先端部を接触させてから完全に吸水してOPPフィルム上に水が見えなくなるまでの時間を測定する。この吸液時間が0.1~3.0秒であればよい。
【0039】
本発明の清掃具に供される原紙の製造は、前記の植物繊維を主成分とするスラリーに前記各種添加剤を配合した抄紙原料のスラリーを抄紙機にて抄造することにより行われる。一般の抄紙技術に適用されている長網抄紙機および円網抄紙機等特に限定されるものではないが、原紙に必要な強度、特に縦方向の引張強さを十分に確保すること、引張強さの縦/横比を高くすること、および地合いを良好にするために、円網抄紙機が用いられる。
【0040】
(紐体)
次に、本発明の清掃具に供される紐体について説明する。上記の抄紙工程によって得られた原紙は幅10~30mmで巻長さが500m程度にスリット加工されテープ状とされ小幅の原紙テープの巻取りとされ、撚紐機にセットして撚りをかけることにより紐状体に加工される。これを適度な長さにカットし清掃具とする。清掃具の外径は0.5~1.0mmが好適であり、0.5~0.9mmでもよく、さらには0.5~0.8mmにすることもできる。
【0041】
(清掃具)
清掃具の製品形態としては、任意の長さにカットしてもよいし、ボビン状に巻き取ってもよい。また、樹脂を含侵させて全体を補強したり、支持する箇所を補強して使いやすくすることもできる。また、色材を付着させて美粧性を持たせることも可能である。
【0042】
(清掃具の使用方法)
本願発明の清掃具を任意の長さにカットして、補聴器の音管に清掃具を挿入する。その際、清掃具が硬すぎて湾曲部分や接合部で引っ掛かり、挿入できない場合は、清掃具をほぐすことで、柔らかくして挿入することができる。清掃具が音管内の水の溜まった箇所に届けば、先端部が吸水する。清掃具を抜いて、吸水部分を切断、除去して、先端部を更新し、再度音管に挿入して清掃に供することができる。清掃具を音管の挿入側から反対側まで貫通させ、清掃具を音管内で往復させて汚れを清掃具に付着させることで、簡単に汚れを除去することができる。水や汚れが残留することがないので、清掃後に乾燥しなくてもよい。
【0043】
その他の使用方法としては、清掃具に、洗浄剤や殺菌剤などの成分を予め付着させておいて清掃に用いることもできる。使用後は可燃物として廃棄するが、環境に出た場合でも、植物繊維を多く使用していれば分解するので、環境に長く残留することがない。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明の細管内部清掃具は、電子機器の細部や特殊プラグ等の清掃に利用できる。