(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023059440
(43)【公開日】2023-04-27
(54)【発明の名称】照射装置
(51)【国際特許分類】
G02B 27/20 20060101AFI20230420BHJP
【FI】
G02B27/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021169447
(22)【出願日】2021-10-15
(71)【出願人】
【識別番号】720009479
【氏名又は名称】オンキヨー株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】521454951
【氏名又は名称】大朏 直人
(72)【発明者】
【氏名】大朏 直人
(57)【要約】
【課題】安全に取り扱うことが可能な照射装置を提供すること。
【解決手段】レーザーポインター1は、レーザーを照射するレーザー源12と、レーザーを照射する対象物との距離を測定するセンサー13と、センサー13によって測定された対象物との距離が、所定の距離以上である場合、レーザー源12からのレーザーの照射を停止するマイクロコンピューター11と、を備える。また、マイクロコンピューター11は、センサー13によって測定された対象物との距離が、所定の距離以上である場合、カメラ14のピントをずらす。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザーを照射するレーザー源と、
レーザーを照射する対象物との距離を測定する測定部と、
前記測定部によって測定された対象物との距離が、所定の距離以上である場合、前記レーザー源からのレーザーの照射を停止する制御部と、
を備えることを特徴とする照射装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記レーザー源からのレーザー照射を停止するか否かを判断するための所定距離の設定を受け付け、
前記測定部によって測定された対象物との距離が、設定を受け付けた所定距離以上である場合、前記レーザー源からのレーザーの照射を停止することを特徴とする請求項1に記載の照射装置。
【請求項3】
前記レーザー源からのレーザーの照射のオン又はオフを受け付けるためのスイッチをさらに備え、
前記制御部は、前記スイッチの操作を受け付けたときに、前記レーザー源からレーザーを照射することを特徴とする請求項1又は2に記載の照射装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記スイッチの操作を受け付けていても、前記測定部によって測定された対象物との距離が、所定の距離以上である場合、前記レーザー源からのレーザーの照射を停止することを特徴とする請求項3に記載の照射装置。
【請求項5】
撮影部と、
外部機器と通信を行う通信部と、をさらに備え、
前記制御部は、前記通信部を介して、前記撮影部によって撮影された画像を前記外部機器に出力することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の照射装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記測定部によって測定された対象物との距離が、所定の距離以上である場合、前記撮影部のピントをずらすことを特徴とする請求項5に記載の照射装置。
【請求項7】
所定の範囲にレーザーを照射するレーザー源を複数備えることを特徴とする照射装置。
【請求項8】
所定の範囲にレーザーを照射するレーザー源と、
前記レーザー源の照射範囲を拡大する拡大部と、
を備えることを特徴とする照射装置。
【請求項9】
前記拡大部は、前記レーザー源の前方に配置されるレンズであることを特徴とする請求項8に記載の照射装置。
【請求項10】
前記拡大部は、前記レーザー源から照射されるレーザーの角度を駆動する駆動部であることを特徴とする請求項8に記載の照射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザーを照射する照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザーを照射する照射装置として、例えば、レーザーポインターが知られている(例えば、特許文献1参照。)。レーザーポインターは、黒板・ホワイトボード等に書かれた文字等を指し示す際に、ユーザーによって使用される。レーザーポインターが誤って使用され、例えば、ユーザーの目にレーザーが照射されると、失明のおそれがあり、危険である。また、スポーツの試合等において、選手のプレーを妨害するため、レーザーポインターから照射されるレーザーが選手に当てられるという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、レーザーポインター等のレーザーを照射する照射装置は、使い方によっては危険であるという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、安全に取り扱うことが可能な照射装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明の照射装置は、レーザーを照射するレーザー源と、レーザーを照射する対象物との距離を測定する測定部と、前記測定部によって測定された対象物との距離が、所定の距離以上である場合、前記レーザー源からのレーザーの照射を停止する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明では、制御部は、測定部によって測定された、レーザーを照射する対象物との距離が、所定の距離以上である場合、レーザー源からのレーザーの照射を停止する。これにより、レーザーの照射が想定される範囲(距離)を超えて、レーザーが照射されることがない。このため、ユーザーは、安全に照射装置を取り扱うことができる。さらに、例えば、スポーツの試合等において、観客からフィールドまでという長距離でレーザーを照射することができなくなるため、試合の妨害等の目的で照射装置が使用されることが防止される。
【0008】
第2の発明の照射装置は、第1の発明の照射装置において、前記制御部は、前記レーザー源からのレーザー照射を停止するか否かを判断するための所定距離の設定を受け付け、前記測定部によって測定された対象物との距離が、設定を受け付けた所定距離以上である場合、前記レーザー源からのレーザーの照射を停止することを特徴とする。
【0009】
本発明では、制御部は、測定部によって測定された対象物との距離が、設定を受け付けた所定距離以上である場合、レーザー源からのレーザーの照射を停止する。従って、ユーザーは、レーザーが照射される範囲(距離)を所望の範囲(距離)に設定することができる。
【0010】
第3の発明の照射装置は、第1又は第2の発明の照射装置において、前記レーザー源からのレーザーの照射のオン又はオフを受け付けるためのスイッチをさらに備え、前記制御部は、前記スイッチの操作を受け付けたときに、前記レーザー源からレーザーを照射することを特徴とする。
【0011】
第4の発明の照射装置は、第3の発明の照射装置において、前記制御部は、前記スイッチの操作を受け付けていても、前記測定部によって測定された対象物との距離が、所定の距離以上である場合、前記レーザー源からのレーザーの照射を停止することを特徴とする。
【0012】
第5の発明の照射装置は、第1~第4のいずれかの発明の照射装置において、撮影部と、外部機器と通信を行う通信部と、をさらに備え、前記制御部は、前記通信部を介して、前記撮影部によって撮影された画像を前記外部機器に出力することを特徴とする。
【0013】
本発明では、制御部は、通信部を介して、撮影部によって撮影された画像を外部機器(例えば、パーソナルコンピューター)に出力する。これにより、ユーザーは、外部機器において、撮影部によって撮影された画像を確認することができる。また、撮影部によって撮影された画像を、外部機器で録画することも可能である。
【0014】
第6の発明の照射装置は、第5の発明の照射装置において、前記制御部は、前記測定部によって測定された対象物との距離が、所定の距離以上である場合、前記撮影部のピントをずらすことを特徴とする。
【0015】
本発明では、制御部は、測定部によって測定された対象物との距離が、所定の距離以上である場合、撮影部のピントをずらす。これにより、外部機器で表示される画像がぼかされるため、個人のプライバシーに関するものが撮影されるような場合に、個人情報を保護することができる。
【0016】
第7の発明の照射装置は、所定の範囲にレーザーを照射するレーザー源を複数備えることを特徴とする。
【0017】
本発明では、照射装置は、所定の範囲にレーザーを照射するレーザー源を複数備える。これにより、一つのレーザー源では足りない範囲にも、レーザーを照射することが可能となる。このため、ある程度の照射範囲が必要な患部の治療に好適となる。
【0018】
第8の発明の照射装置は、所定の範囲にレーザーを照射するレーザー源と、前記レーザー源の照射範囲を拡大する拡大部と、を備えることを特徴とする。
【0019】
本発明では、拡大部は、レーザー源の照射範囲を拡大する。これにより、一つのレーザー源では足りない範囲にも、レーザーを照射することが可能となる。このため、ある程度の照射範囲が必要な患部の治療に好適となる。
【0020】
第9の発明の照射装置は、第8の発明の照射装置において、前記拡大部は、前記レーザー源の前方に配置されるレンズであることを特徴とする。
【0021】
第10の発明の照射装置は、第8の発明の照射装置において、前記拡大部は、前記レーザー源から照射されるレーザーの角度を駆動する駆動部であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ユーザーは、安全に照射装置を取り扱うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施形態に係るレーザーポインターの外観の一例を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るレーザーポインターの構成を示すブロック図である。
【
図3】レーザーポインターの処理動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るレーザーポインター1の外観の一例を示す図である。本実施形態に係るレーザーポインター1(照射装置)は、褥瘡を治療するために使用される。具体的には、レーザーポインター1から照射されるレーザーを、患者の褥瘡に当てることで、褥瘡を治療することを目的として使用される。そのため、レーザーポインター1は、黒板・ホワイトボード等に書かれた文字等を指し示すために用いられるレーザーポインター(以下、「指示用レーザーポインター」という。)とは、後述するように、構成が異なる。なお、レーザーポインター1は、褥瘡を治療するために構成されてなくてもよく、指示用レーザーポインターとして、構成されていてもよい。
【0025】
図1に示すように、レーザーポインター1は、内部に後述するマイクロコンピューター11等を備える筐体2を有する。筐体2は、例えば、扁平な略直方体状である。なお、筐体2の形状は、これに限らず、例えば、略円筒形状であってもよい。筐体2の前面には、レーザーを照射するためのレーザー孔3、後述するカメラ14で画像を撮影するためのカメラ孔4が設けられている。また、筐体2の上面には、レーザーの照射をオン/オフするためのスイッチ5が設けられている。ユーザーがスイッチ5を押下すると、レーザーポインター1から、レーザーが照射される。スイッチ5は、レーザー照射のオン/オフと、カメラ14による画像撮影のオン/オフと、を兼ねている。
【0026】
ユーザーは、レーザーポインター1を手で持ち、レーザーポインター1の前面を患部に対して向け、スイッチ5を押下し、レーザーポインター1から照射されるレーザーを患部に照射することで、褥瘡を治療するためにレーザーポインター1を用いる。治療時、カメラ14によって、患部が撮影される。
【0027】
図2は、本発明の実施形態に係るレーザーポインター1の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、レーザーポインター1は、マイクロコンピューター11、レーザー源12、センサー13、カメラ14、USBインターフェース(以下、「USB I/F」という。)15、スイッチ5を備える。
【0028】
マイクロコンピューター11(制御部)は、レーザーポインター1を構成する各部を制御するCPU(Central Processing Unit)、CPUが実行する制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)等を有する。レーザー源12は、レーザーを照射する。レーザー源12は、例えば、レーザーダイオードである。レーザー源12は、筐体2内に設けられている。レーザー源12から照射されるレーザーは、筐体2に設けられたレーザー孔3から外部に導かれる。なお、レーザー源12は、レーザーを照射するものであれば、もちろん、レーザーダイオードに限られない。
【0029】
センサー13(測定部)は、レーザーを照射する対象物との距離を測定する。本実施形態では、レーザーを照射する対象物は、患者の患部(褥瘡)であり、センサー13は、患者の患部との距離を測定する。センサー13は、例えば、距離センサー方式のものである。距離センサー方式としては、例えば、赤外線センサー、レーザーセンサー、超音波センサー、ミリ波センサー等が挙げられる。もちろん、距離センサーの方式は、これらに限られない。カメラ14(撮影部)は、画像を撮影する。本実施形態では、カメラ14は、患者の患部を撮影するように、筐体2内に配置されている。カメラ14は、筐体2に設けられたカメラ孔4を介して、画像を撮影する。
【0030】
USB I/F15は、USB規格に対応した通信を、外部機器と行うためのインターフェースである。USB I/F15によって、レーザーポインター1と外部機器との通信が行われる。外部機器は、例えば、パーソナルコンピューター(以下、「PC」という。)101であり、レーザーポインター1とPC101とは、USBケーブル201によって接続される。マイクロコンピューター11は、USB I/F15を介して、カメラ14によって撮影された画像をPC101に出力する。PC101は、レーザーポインター1から出力される画像をディスプレイに表示する。また、PC101は、レーザーポインター1から出力される画像を録画する。
【0031】
スイッチ5は、レーザー源12からのレーザーの照射のオン又はオフを受け付けるためのものである。マイクロコンピューター11は、スイッチ5の操作を受け付けているとき、すなわち、スイッチ5が押下されているときに、レーザー源12からレーザーを照射させる。本実施形態では、スイッチ5は、カメラ14による画像撮影のオン又はオフの受付を兼ねている。従って、マイクロコンピューター11は、スイッチ5の操作を受け付けているとき、すなわち、スイッチ5が押下されているときに、カメラ14により画像を撮影する。
【0032】
上述したように、本実施形態に係るレーザーポインター1は、褥瘡を治療するために使用される。従って、レーザーポインター1から照射されるレーザーは、広い範囲で患者の患部に当てられるほうがよい。このため、本実施形態では、レーザーポインター1には、所定の範囲にレーザーを照射するレーザー源12が、複数設けられている。例えば、複数のレーザー源12によって、一辺約20mmの略正方形の範囲、半径約20mmの略円の範囲に、レーザーが照射される。なお、レーザーが照射される範囲は、一辺約20mmの略正方形の範囲、半径約20mmの略円の範囲に限られず、照射される範囲の形状は、略長方形、略楕円に限られず、照射される範囲の大きさは、上述より大きくても小さくてもよい。
【0033】
ここで、一般的に、レーザーポインターは、消費生活用製品安全法において、「携帯用レーザー応用装置」に該当する。消費生活用製品安全法において、携帯用レーザー応用装置は、クラス1(通常出力で0.39mW以下)とクラス2(通常出力で1mW以下)とに分類される。従って、消費生活用製品安全法における携帯用レーザー応用装置として、レーザーポインターを販売しようとする場合、レーザーポインターに、複数のレーザー源を設けると、携帯用レーザー応用装置として販売できなくなる。この場合、レーザーポインター1には、複数のレーザー源12を設けず、レーザー源の照射範囲を拡大する拡大部を設けてもよい。
【0034】
上述の拡大部は、例えば、レーザー源12の前方に配置されるレンズである。レンズによって、一つのレーザー源12から照射されるレーザーが、一辺約20mmの略正方形の範囲、半径約20mmの略円の範囲に拡大される。また、拡大部は、例えば、レーザー源12から照射されるレーザーの角度を駆動する駆動部である。駆動部によって、例えば、一つのレーザー源12から照射されるレーザーが、一辺約20mmの略正方形の範囲、半径約20mmの略円の範囲を移動するようになる。
【0035】
なお、レーザーポインターを、消費生活用製品安全法における携帯用レーザー応用装置として販売せず、医療機器として販売するような場合は、本実施形態のように、複数のレーザー源を設け、医療機器としての認証を受ければよい。
【0036】
また、本実施形態に係るレーザーポインター1においては、ユーザーが安全にレーザーポインター1を取り扱えるように、マイクロコンピューター11は、センサー13によって測定された対象物との距離が、所定の距離以上である場合、レーザー源12からのレーザーの照射を停止する。具体的には、マイクロコンピューター11は、スイッチ5の操作を受け付けていても、センサー13によって測定された対象物との距離が、所定の距離以上である場合、レーザー源12からのレーザーの照射を停止する。上述した対象物は、患者の患部(褥瘡)であり、所定の距離は、例えば、約200mmである。なお、所定の距離は、この数値に限られず、この数値よりも長くても短くてもよい。
【0037】
ここで、マイクロコンピューター11は、センサー13によって測定された対象物との距離が、所定の距離以上である場合、レーザー源12からのレーザーの照射を停止するが、レーザー源12からのレーザー照射を停止するか否かを判断するための所定距離の設定を受け付けるようになっていてもよい。例えば、マイクロコンピューター11は、所定距離の設定を、USB I/F15を介して、PC101から受け付ける。
【0038】
加えて、マイクロコンピューター11は、センサー13によって測定された対象物(患者の患部)との距離が、所定の距離(例えば、上述の約200mm)以上である場合、カメラ14のピントをずらす。これは、患者の個人情報等を保護するためである。なお、カメラ14のピントをずらすか否かを判断するための距離は、レーザー源12からのレーザーの照射を停止するかを判断するための上述した距離と同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、マイクロコンピューター11は、カメラ14のピントをずらすか否かを判断するための距離の設定を受け付けるようになっていてもよい。
【0039】
以下、レーザーポインター1の処理動作を、
図3に示すフローチャートに基づいて説明する。マイクロコンピューター11は、スイッチ5の操作を受け付けているか否かを判断する(S1)。マイクロコンピューター11は、スイッチ5の操作を受け付けていないと判断している間(S1:No)、S1の判断を繰り返し実行する。マイクロコンピューター11は、スイッチ5の操作を受け付けたと判断した場合(S1:Yes)、レーザー源12からレーザーを照射する(S2)。また、マイクロコンピューター11は、カメラ14により画像を撮影する(S3)。
【0040】
次に、マイクロコンピューター11は、スイッチ5の操作を受け付けているか否かを判断する(S4)。マイクロコンピューター11は、スイッチ5の操作を受け付けていないと判断した場合(S4:No)、レーザー源12からのレーザーの照射を停止し(S6)、カメラ14による画像撮影を停止する(S7)。
【0041】
一方、マイクロコンピューター11は、スイッチ5の操作を受け付けていると判断した場合(S4:Yes)、センサー13によって測定された対象物との距離が、所定の距離以上であるか否かを判断する(S5)。マイクロコンピューター11は、センサー13によって測定された対象物との距離が、所定の距離以上でない、すなわち、所定の距離未満であると判断した場合(S5:No)、レーザーを照射し続け(S2)、また、画像を撮影し続ける(S3)。そして、マイクロコンピューター11は、マイクロコンピューター11は、センサー13によって測定された対象物との距離が、所定の距離以上であると判断した場合(S5:Yes)、レーザー源12からのレーザーの照射を停止する(S8)。また、マイクロコンピューター11は、カメラ14のピントをずらす(S9)。
【0042】
以上説明したように、本実施形態では、マイクロコンピューター11は、センサー13によって測定された、レーザーを照射する対象物との距離が、所定の距離以上である場合、レーザー源12からのレーザーの照射を停止する。これにより、レーザーの照射が想定される範囲(距離)を超えて、レーザーが照射されることがない。このため、ユーザーは、安全にレーザーポインター1を取り扱うことができる。さらに、レーザーポインター1が、指示用レーザーポインターである場合、例えば、スポーツの試合等において、観客からフィールドまでという長距離でレーザーを照射することができなくなるため、試合の妨害等の目的でレーザーポインター1が使用されることが防止される。
【0043】
また、本実施形態において、マイクロコンピューター11は、センサー13によって測定された対象物との距離が、設定を受け付けた所定距離以上である場合、レーザー源12からのレーザーの照射を停止するようになっていてもよい。この場合、ユーザーは、レーザーが照射される範囲(距離)を所望の範囲(距離)に設定することができる。
【0044】
また、本実施形態では、マイクロコンピューター11は、USB I/F15を介して、カメラ14によって撮影された画像をPC101に出力する。これにより、ユーザーは、PC101において、カメラ14によって撮影された画像を確認することができる。また、カメラ14によって撮影された画像を、PC101で録画することも可能である。
【0045】
また、本実施形態では、マイクロコンピューター11は、センサー13によって測定された対象物との距離が、所定の距離以上である場合、カメラ14のピントをずらす。これにより、PC101で表示される画像がぼかされるため、個人のプライバシーに関するものが撮影されるような場合に、個人情報を保護することができる。
【0046】
また、本実施形態では、レーザーポインター1は、所定の範囲にレーザーを照射するレーザー源12を複数備える。これにより、一つのレーザー源では足りない範囲にも、レーザーを照射することが可能となる。このため、ある程度の照射範囲が必要な患部の治療に好適となる。
【0047】
また、本実施形態において、レーザーポインター1は、一つのレーザー源からのレーザーの照射範囲を拡大する拡大部を備えていてもよい。これにより、一つのレーザー源では足りない範囲にも、レーザーを照射することが可能となる。このため、ある程度の照射範囲が必要な患部の治療に好適となる。
【0048】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明を適用可能な形態は、上述の実施形態には限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、レーザーを照射する照射装置に好適に採用され得る。
【符号の説明】
【0050】
1 レーザーポインター(照射装置)
5 スイッチ
11 マイクロコンピューター(制御部)
12 レーザー源
13 センサー(測定部)
14 カメラ(撮影部)
15 通信部(USB I/F)
PC 101(外部機器)