(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023059441
(43)【公開日】2023-04-27
(54)【発明の名称】自動ドア装置、自動ドア装置の設定方法、及び自動ドア装置の設定プログラム
(51)【国際特許分類】
E05F 15/611 20150101AFI20230420BHJP
【FI】
E05F15/611
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021169448
(22)【出願日】2021-10-15
(71)【出願人】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】来海 大輔
(72)【発明者】
【氏名】井上 卓也
【テーマコード(参考)】
2E052
【Fターム(参考)】
2E052AA02
2E052BA04
2E052CA06
2E052DA02
2E052EA02
2E052EB01
2E052EC03
2E052GA05
2E052GB01
2E052GB12
2E052GC03
2E052GD08
2E052GD09
2E052KA22
(57)【要約】
【課題】減速開始位置を自動で設定する自動ドア装置、自動ドア装置の設定方法、及び自動ドア装置の設定プログラムを提供する。
【解決手段】自動ドア装置10は、開き戸の第1ドア11及び第2ドア12の面から一定範囲に検知エリアを有する保護センサ26と、第1ドア11及び第2ドア12を駆動する第1ドアエンジン30及び第2ドアエンジン40と、第1ドアエンジン30及び第2ドアエンジン40を制御する制御部21と、第1ドア11及び第2ドア12を開動作又は閉動作させているときに、保護センサ26の検知状態に変化があった場合に変化があった時点の第1ドア11及び第2ドア12の位置を取得する取得部22と、取得部22が取得した位置に基づいて第1ドア11及び第2ドア12が開くように第1ドアエンジン30及び第2ドアエンジン40を駆動させる駆動速度を減少させる減速開始位置を設定する設定部23と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転することで開口を開閉する開き戸のドアの面から一定範囲に検知エリアを有するセンサと、
前記ドアを駆動する駆動部と、
前記駆動部を制御する制御部と、
前記ドアを開動作又は閉動作させているときに、前記センサの検知状態に変化があった場合に前記変化があった時点の前記ドアの位置を取得する位置情報取得部と、
前記位置情報取得部が取得した位置に基づいて前記ドアが開くように前記駆動部を駆動させる駆動速度を減少させる減速開始位置を設定する設定部と、を備え、
前記制御部は、前記設定部が設定した前記減速開始位置に基づいて前記駆動部を制御する
自動ドア装置。
【請求項2】
前記設定部は、前記位置情報取得部が取得した位置よりも全閉位置に近い位置に前記減速開始位置を設定する
請求項1に記載の自動ドア装置。
【請求項3】
前記設定部は、前記位置情報取得部が取得した位置に達した前記ドアの速度が閾値以下になるように前記減速開始位置を設定する
請求項2に記載の自動ドア装置。
【請求項4】
前記設定部は、前記位置情報取得部が取得した位置に基づいて算出した前記減速開始位置が前記制御部に設定されている前記減速開始位置よりも全開位置に近い場合は、前記設定されている減速開始位置を維持する
請求項1~3のいずれか一項に記載の自動ドア装置。
【請求項5】
前記設定部が設定した前記減速開始位置を外部に通信する通信部を備える
請求項1~4のいずれか一項に記載の自動ドア装置。
【請求項6】
回転することで開口を開閉する開き戸の自動ドア装置の設定方法であって、
前記開き戸のドアを開動作又は閉動作させる開閉動作ステップと、
前記ドアを開動作又は閉動作させているときに、前記ドアの面から一定範囲に検知エリアを有するセンサの検知状態に変化があった場合に前記変化があった時点の前記ドアの位置を取得する位置情報取得ステップと、
前記位置情報取得ステップにおいて取得した位置に基づいて前記ドアを自動で開動作させるときに前記ドアを駆動する駆動部の駆動速度を減少させる減速開始位置を設定する設定ステップと、を含む
自動ドア装置の設定方法。
【請求項7】
回転することで開口を開閉する開き戸の自動ドア装置の設定プログラムであって、
前記開き戸のドアを開動作又は閉動作させる開閉動作ステップと、
前記ドアを開動作又は閉動作させているときに、前記ドアの面から一定範囲に検知エリアを有するセンサの検知状態に変化があった場合に前記変化があった時点の前記ドアの位置を取得する位置情報取得ステップと、
前記位置情報取得ステップにおいて取得した位置に基づいて前記ドアを自動で開動作させるときに前記ドアを駆動する駆動部の駆動速度を減少させる減速開始位置を設定する設定ステップと、をコンピュータに実行させる
自動ドア装置の設定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動ドア装置、自動ドア装置の設定方法、及び自動ドア装置の設定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の自動ドア装置は、建物の開口に設けられる開き戸である。開き戸のドアは、回転軸を中心に回転される。開き戸は、ドアの回転によって建物の開口を開閉する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、開き戸の自動ドア装置では、国内自動ドア安全規格の「JIS A 4722」に適合させるため、複数の項目を設定する必要があり、特にドアの移動速度を減少させる減速開始位置の設定作業が煩雑である。減速開始位置を自動で設定することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する自動ドア装置は、回転することで開口を開閉する開き戸のドアの面から一定範囲に検知エリアを有するセンサと、前記ドアを駆動する駆動部と、前記駆動部を制御する制御部と、前記ドアを開動作又は閉動作させているときに、前記センサの検知状態に変化があった場合に前記変化があった時点の前記ドアの位置を取得する位置情報取得部と、前記位置情報取得部が取得した位置に基づいて前記ドアが開くように前記駆動部を駆動させる駆動速度を減少させる減速開始位置を設定する設定部と、を備え、前記制御部は、前記設定部が設定した前記減速開始位置に基づいて前記駆動部を制御する。
【0006】
上記構成によれば、ドアの開動作又は閉動作によって位置情報取得部が取得したセンサの検知状態に変化があった時点のドアの位置に基づいて減速開始位置を自動で設定することができる。
【0007】
上記自動ドア装置について、前記設定部は、前記位置情報取得部が取得した位置よりも全閉位置に近い位置に前記減速開始位置を設定することが好ましい。
上記自動ドア装置について、前記設定部は、前記位置情報取得部が取得した位置に達した前記ドアの速度が閾値以下になるように前記減速開始位置を設定することが好ましい。
【0008】
上記自動ドア装置について、前記設定部は、前記位置情報取得部が取得した位置に基づいて算出した前記減速開始位置が前記制御部に設定されている前記減速開始位置よりも全開位置に近い場合は、前記設定されている減速開始位置を維持することが好ましい。
【0009】
上記自動ドア装置について、前記設定部が設定した前記減速開始位置を外部に通信する通信部を備えることが好ましい。
上記課題を解決する自動ドア装置の設定方法は、回転することで開口を開閉する開き戸の自動ドア装置の設定方法であって、前記開き戸のドアを開動作又は閉動作させる開閉動作ステップと、前記ドアを開動作又は閉動作させているときに、前記ドアの面から一定範囲に検知エリアを有するセンサの検知状態に変化があった場合に前記変化があった時点の前記ドアの位置を取得する位置情報取得ステップと、前記位置情報取得ステップにおいて取得した位置に基づいて前記ドアを自動で開動作させるときに前記ドアを駆動する駆動部の駆動速度を減少させる減速開始位置を設定する設定ステップと、を含む。
【0010】
上記方法によれば、ドアの開動作又は閉動作によって取得したセンサの検知状態に変化があった時点のドアの位置に基づいて減速開始位置を自動で設定することができる。
上記課題を解決する自動ドア装置の設定プログラムは、回転することで開口を開閉する開き戸の自動ドア装置の設定プログラムであって、前記開き戸のドアを開動作又は閉動作させる開閉動作ステップと、前記ドアを開動作又は閉動作させているときに、前記ドアの面から一定範囲に検知エリアを有するセンサの検知状態に変化があった場合に前記変化があった時点の前記ドアの位置を取得する位置情報取得ステップと、前記位置情報取得ステップにおいて取得した位置に基づいて前記ドアを自動で開動作させるときに前記ドアを駆動する駆動部の駆動速度を減少させる減速開始位置を設定する設定ステップと、をコンピュータに実行させる。
【0011】
上記プログラムによれば、ドアの開動作又は閉動作によって取得したセンサの検知状態に変化があった時点のドアの位置に基づいて減速開始位置を自動で設定することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、減速開始位置を自動で設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】自動ドア装置の第1実施形態の概略構成を示す正面図。
【
図2】同実施形態の自動ドア装置の概略構成を示す平面図。
【
図3】同実施形態の自動ドア装置のドアの動作を示す平面図。
【
図4】同実施形態の自動ドア装置のドアの減速開始位置を示す平面図。
【
図5】同実施形態の自動ドア装置の電気的構成を示すブロック図。
【
図6】同実施形態の自動ドア装置の設定処理を示すフローチャート。
【
図7】自動ドア装置の第2実施形態の設定処理を示すフローチャート。
【
図8】自動ドア装置の第3実施形態の設定処理を示すフローチャート。
【
図9】自動ドア装置の第4実施形態の設定処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態)
以下、
図1~
図6を参照して、自動ドア装置の第1実施形態について説明する。自動ドア装置は、両開き戸である。
【0015】
(自動ドア装置10)
図1及び
図2に示すように、建物の開口1には、自動ドア装置10が設置されている。自動ドア装置10は、2枚の第1ドア11及び第2ドア12を備えている。第1ドア11は、図中左側に位置する。第1ドア11は、戸尻11B寄りに位置する回転軸PLを中心に回転する。第1ドア11は、ドアが奥に開く側から見て、左側に回転軸PLがある左勝手である。第2ドア12は、図中右側に位置する。第2ドア12は、戸尻12B寄りに位置する回転軸PRを中心に回転する。第2ドア12は、ドアが奥に開く側から見て、右側に回転軸PRがある右勝手である。開口1の第1ドア11及び第2ドア12の上部には、無目13が設けられている。開口1の上部である無目13の下面には、ドアが手前へ開くことを規制する戸当たり14が設けられている。無目13には、自動ドア装置10のドアエンジン及びドアコントローラが設置されている。
【0016】
図3に示すように、自動ドア装置10は、自動ドア装置10を制御するドアコントローラ20を備えている。ドアコントローラ20は、コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って各種処理を実行する1つ以上のプロセッサとして構成し得る。ドアコントローラ20すなわちプロセッサにより実行される処理には、自動ドア装置10の設定方法が含まれる。自動ドア装置10の設定方法は、後述する開閉動作ステップと位置情報取得ステップと設定ステップとを含む。なお、ドアコントローラ20は、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する、特定用途向け集積回路(ASIC)等の1つ以上の専用のハードウェア回路、またはそれらの組み合わせを含む回路(circuitry)として構成してもよい。プロセッサは、CPU及び、RAM並びにROM等のメモリを含む。メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。コンピュータ可読媒体に格納されたプログラムには自動ドア装置10の設定プログラムが含まれる。自動ドア装置10の設定プログラムは、開閉動作ステップと位置情報取得ステップと設定ステップとをコンピュータに実行させる。
【0017】
自動ドア装置10は、第1ドア11を駆動する第1ドアエンジン30と、第2ドア12を駆動する第2ドアエンジン40とを備えている。第1ドアエンジン30は、第1モータ31と、第1伝達機構32とを備えている。第1モータ31は、ドアコントローラ20に駆動制御される。第1伝達機構32は、第1モータ31の駆動力を第1ドア11に伝達する。第1モータ31には、回転を検出する第1エンコーダ31Aが設けられている。第1エンコーダ31Aは、第1モータ31の回転の有無及び回転方向を含む検出結果をドアコントローラ20に出力する。第2ドアエンジン40は、第2モータ41と、第2伝達機構42とを備えている。第2モータ41は、ドアコントローラ20に駆動制御される。第2伝達機構42は、第2モータ41の駆動力を第2ドア12に伝達する。第2モータ41には、回転を検出する第2エンコーダ41Aが設けられている。第2エンコーダ41Aは、第2モータ41の回転の有無及び回転方向を含む検出結果をドアコントローラ20に出力する。なお、第1ドアエンジン30及び第2ドアエンジン40が駆動部に相当する。
【0018】
自動ドア装置10は、起動センサ25と、保護センサ26と、通信部27とを備えている。ドアコントローラ20は、起動センサ25と、保護センサ26と、通信部27と電気的に接続されている。起動センサ25は、自動ドア装置10の所定範囲において人や物を検知するセンサであって、人や物を検知するとドアコントローラ20に出力する。ドアコントローラ20は、起動センサ25が検知すると、第1ドア11及び第2ドア12を開動作させる。保護センサ26は、第1ドア11及び第2ドア12の移動範囲において人や物を検知するセンサであって、人や物を検知するとドアコントローラ20に出力する。保護センサ26は、第1ドア11及び第2ドア12の面から一定範囲に検知エリアASを有する(
図4参照)。保護センサ26は、ドアの面からの距離を物理的に調整可能である。通信部27は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信によって自動ドア装置10の外部の通信端末50と通信を行い、情報を通信端末50からドアコントローラ20に入力したり、情報をドアコントローラ20から通信端末50に出力したりする。
【0019】
(通信端末50)
通信端末50は、スマートフォンやタブレット端末等であって、自動ドア装置10の設定を行うときに専用アプリを起動して作業者が操作する。通信端末50は、自動ドア装置10の第1ドア11及び第2ドア12の駆動制御を設定する際に操作される。通信端末50のアプリは、駆動制御を設定する際に設定モードに変更される。
【0020】
(ドアコントローラ20)
ドアコントローラ20は、制御部21と、取得部22と、設定部23とを備えている。制御部21は、第1ドアエンジン30及び第2ドアエンジン40を制御する。詳しくは、制御部21は、第1モータ31及び第2モータ41を駆動制御することで第1ドア11及び第2ドア12を開閉させる。制御部21は、開動作時に減速開始位置PS(
図5参照)から第1ドア11及び第2ドア12の回転を減速する。減速開始位置PSは、第1ドア11及び第2ドア12が開くように第1ドアエンジン30及び第2ドアエンジン40を駆動させる駆動速度の減少を開始する位置である。制御部21は、保護センサ26が人や物を検知した場合には、第1ドア11及び第2ドア12の駆動を停止させる。取得部22は、第1ドア11及び第2ドア12の移動の有無及び移動量を取得する。取得部22は、第1エンコーダ31A及び第2エンコーダ41Aから第1ドア11及び第2ドア12が動いたか否かを取得する。取得部22は、第1ドア11及び第2ドア12を開動作又は閉動作させているときに、保護センサ26の検知状態に変化があった場合に前記変化があった時点の第1ドア11及び第2ドア12の位置を取得する。設定部23は、設定モードになったときに動作する。設定モードにおいて、設定部23は、取得部22が取得した位置に基づいて減速開始位置PSを設定する。また、設定部23は、ドア幅やドア速度を設定項目として取得して、保護センサ26の設置距離LAを算出して設定する。設定部23は、設定が完了すると、通信端末50に設定完了信号を送信する。なお、取得部22は、位置情報取得部の機能を含む。
【0021】
図4及び
図5は、第2ドア12について図示している。なお、第1ドア11と第2ドア12とは、第1ドア11の戸先11Aと第2ドア12の戸先12Aとの間を境にして左右対称であるため、第1ドア11の図示及び説明を省略する。
【0022】
図4に示すように、第2ドア12は、全閉位置PCにおいて開口1を全閉とし、全開位置POにおいて開口1を全開とする。第2ドア12は、開動作時に全閉位置PCから全開位置POまで移動され、閉動作時に全開位置POから全閉位置PCまで移動される。保護センサ26は、第2ドア12の閉じる側の面に設置されている。保護センサ26と第2ドア12の戸尻12Bとは、設置距離LA離れている。保護センサ26は、第2ドア12の面から一定範囲に1点鎖線で示した検知エリアASを有する。保護センサ26は、開動作時に第2ドア12の移動方向に位置する人や物を検知する。
【0023】
図5に示すように、第2ドア12を全閉位置PCから全開位置POへ移動させると、全開位置POに到達する前に保護センサ26が壁3を検知する。開動作時に保護センサ26が壁3を最初に検知する位置を検知位置とする。検知エリアASの回転軸PR寄りの角が壁3に達することで検知する。言い換えれば、検知位置は、第2ドア12を開動作又は閉動作させているときに、保護センサ26の検知状態に変化があった時点の第2ドア12の位置である。設定部23は、開動作時の検知位置の直前の位置を減速開始位置PSとする。このため、自動ドア装置10の設置時には、保護センサ26の位置決めや減速開始位置PSの設定が必要となる。第2ドア12が減速開始位置PSに位置するときの第2ドア12の戸先12Aと壁3との直線距離を安全距離LSとする。
【0024】
制御部21は、減速開始位置PSと全開位置POとの間は、保護センサ26の検知を無効とする。すなわち、制御部21は、保護センサ26の検知を停止させる、又は保護センサ26の検知結果を無視する。制御部21は、全閉位置PCと減速開始位置PSとの間は高速で駆動し、減速開始位置PSと全開位置POとの間は低速で駆動する。全閉位置PCと減速開始位置PSとの間を高速領域、減速開始位置PSと全開位置POとの間を低速領域とする。制御部21は、高速領域の速度に対して低速領域の速度を低くする。これにより、低速領域において、人や物と衝突した際の衝撃を低減することができる。
【0025】
(設定処理)
次に、
図6を参照して、上記のように構成された自動ドア装置10による駆動制御の設定処理について説明する。作業者が設定するときには、作業者が通信端末50を操作して、通信端末50を設定モードに変更する。そして、通信端末50は、無線通信を介して自動ドア装置10の通信部27に設定モードを送信する。ドアコントローラ20は、設定モードを受信すると、設定モードに変更される。第1実施形態の設定モードを第1設定モードとする。作業者は、通信端末50において第1設定モードを選択している。
【0026】
まず、
図6に示すように、作業者は、設定項目を登録する(ステップS11)。すなわち、通信端末50は、設定項目を入力する指示を表示する。作業者は、通信端末50に第1ドア11及び第2ドア12の幅、第1ドア11及び第2ドア12の駆動速度を設定項目として入力する。作業者によって設定項目の入力が完了すると、通信端末50は、ドアコントローラ20に送信する。ドアコントローラ20は、受信した設定項目を登録する。
【0027】
続いて、自動ドア装置10は、保護センサ26の設置距離LAを算出する(ステップS12)。すなわち、設定部23は、取得した設定項目に基づいて保護センサ26の設置距離LAを算出する。そして、設定部23は、通信部27を介して通信端末50に算出した設置距離を送信する。通信端末50は、受信した設置距離LAを画面に表示する。
【0028】
続いて、作業者は、保護センサ26を取り付ける(ステップS13)。すなわち、作業者は、通信端末50に表示された設置距離LAに従って、保護センサ26を第1ドア11及び第2ドア12にそれぞれ取り付ける。
【0029】
続いて、作業者は、保護センサ26の検知エリアASを調整する(ステップS14)。すなわち、作業者は、保護センサ26の検知エリアASが、ドアの面から所定距離以上となるように調整する。作業者は、保護センサ26の検知エリアASの調整が完了すると、通信端末50の検知エリアASの調整の完了を示すボタンを操作する。通信端末50は、ドアコントローラ20に検知エリアASの調整完了情報を送信する。
【0030】
続いて、自動ドア装置10は、開動作又は閉動作を行う(ステップS15)。すなわち、制御部21は、検知エリアASの調整完了情報を受信すると、第1モータ31及び第2モータ41を駆動制御することで第1ドア11及び第2ドア12を開動作又は閉動作させる。制御部21は、保護センサ26の検知位置を把握するため、保護センサ26の検知状態に変化がある時点を含むように動作させる。
【0031】
続いて、自動ドア装置10は、検知位置を取得する(ステップS16)。取得部22は、第1ドア11及び第2ドア12を開動作又は閉動作させているときに、保護センサ26の検知状態に変化があった時点の第1ドア11及び第2ドア12の位置を検知位置として取得する。なお、取得部22が位置情報を取得しなかったとき、制御部21は、既に設定されている減速開始位置PSに基づいて第1モータ31及び第2モータ41を制御する。ステップS16が位置情報取得ステップに相当する。
【0032】
続いて、自動ドア装置10は、安全距離LSを設定する(ステップS17)。すなわち、設定部23は、取得した検知位置に基づいて減速開始位置PSとして設定する。設定部23は、開動作時の検知位置の直前の位置を減速開始位置PSとして設定することで、減速開始位置PSを全閉位置PCに近い位置とする。そして、第2ドア12が減速開始位置PSに位置するときの戸先12Aと壁3との距離が安全距離LSである。設定部23は、安全距離LSを算出して設定する。なお、設定部23は、取得部22が取得した位置に基づいて算出した減速開始位置PSが制御部21に既に設定されている減速開始位置PSよりも全開位置POに近い場合は、設定されている減速開始位置PSを維持する。ステップS17が設定ステップに相当する。自動ドア装置10は、通信端末50に減速開始位置PSを送信する。通信端末50は、減速開始位置PSを取得する。設定部23は、設定が完了すると、設定モードを終了する。
【0033】
次に、第1実施形態の効果について説明する。
(1-1)第1ドア11及び第2ドア12の開動作又は閉動作によって取得部22が取得した保護センサ26の検知状態に変化があった時点の第1ドア11及び第2ドア12の位置に基づいて減速開始位置PSを自動で設定することができる。
【0034】
(1-2)全閉位置PCに近い位置に減速開始位置PSを設定するため、開動作時に減速して移動する低速領域を大きくすることができ、安全性を高めることができる。
(1-3)取得部22が取得した位置に基づいて算出した減速開始位置PSが既に設定されている減速開始位置PSよりも全開位置POに近い場合は、減速開始位置PSを全開位置POに近づけないことで安全性を維持することができる。
【0035】
(1-4)通信部27によって設定部23が設定した減速開始位置PSを通信端末50で受信して確認することができる。
(1-5)取得部22が位置情報を取得することができないこともあるので、このような場合には既に設定されている減速開始位置PSを採用することで、第1モータ31及び第2モータ41を制御することができる。
【0036】
(第2実施形態)
以下、
図7を参照して、自動ドア装置の第2実施形態について説明する。この実施形態の自動ドア装置は、駆動制御の設定処理が上記第1実施形態と異なっている。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0037】
減速開始位置PSから全開位置POまでの間は低速領域となるため、ドアの駆動速度が遅くなる。そこで、通行性を確保したい場合には、安全距離を先に規定して、規定した安全距離に合わせて設定項目を設定することとなる。通行性とは、通行を妨げず通行のし易さを示す特性である。低速領域を減らすことで通行性を高めることができる。
【0038】
(設定処理)
次に、
図7を参照して、自動ドア装置10による駆動制御の設定処理について説明する。作業者が設定するときには、作業者が通信端末50を操作して、通信端末50を設定モードに変更する。そして、通信端末50は、無線通信を介して自動ドア装置10の通信部27に設定モードを送信する。ドアコントローラ20は、設定モードを受信すると、設定モードに変更される。第2実施形態の設定モードを第2設定モードとする。作業者は、通信端末50において第2設定モードを選択している。
【0039】
まず、
図7に示すように、作業者は、第1ドア11及び第2ドア12を、規定した安全距離まで手動で移動させる(ステップS21)。すなわち、通信端末50は、ドアを、規定した安全距離まで移動する指示及び保護センサ26を取り付ける指示及び検知エリアASを調整する指示を表示する。作業者は、保護センサ26を第1ドア11に取り付けるため、規定した安全距離まで第1ドア11を移動させる。作業者は、保護センサ26を第2ドア12に取り付けるため、規定した安全距離まで第2ドア12を移動させる。
【0040】
作業者は、保護センサ26を取り付ける(ステップS13)。すなわち、作業者は、第1ドア11の移動した位置に合わせて保護センサ26を第1ドア11に取り付ける。また、作業者は、第2ドア12の移動した位置に合わせて保護センサ26を第2ドア12にそれぞれ取り付ける。
【0041】
続いて、作業者は、保護センサ26の検知エリアASを調整する(ステップS14)。すなわち、作業者は、保護センサ26の検知エリアASが、第1ドア11及び第2ドア12の面から所定距離以上となるように調整する。作業者は、保護センサ26の検知エリアASの調整が完了すると、通信端末50の検知エリアASの調整完了を示すボタンを操作する。通信端末50は、ドアコントローラ20に検知エリアASの調整完了情報を送信する。
【0042】
続いて、作業者は、保護センサ26の設置距離LAを測定する(ステップS22)。すなわち、通信端末50は、保護センサ26の設置距離LAを入力する指示を表示する。作業者は、第1ドア11に取り付けた保護センサ26と第1ドア11の戸尻11Bとの設置距離LAを測定する。また、作業者は、第2ドア12に取り付けた保護センサ26と第2ドア12の戸尻12Bとの設置距離LAを測定する。
【0043】
作業者は、設定項目を登録する(ステップS23)。すなわち、作業者は、通信端末50に第1ドア11及び第2ドア12の幅、測定した設置距離LAを設定項目として入力する。作業者によって設定項目の入力が完了すると、通信端末50は、ドアコントローラ20に送信する。ドアコントローラ20は、受信した設定項目を登録する。
【0044】
続いて、自動ドア装置10は、第1ドア11及び第2ドア12の駆動速度を算出する(ステップS24)。すなわち、設定部23は、取得した設定項目に基づいて第1ドア11及び第2ドア12の駆動速度を算出する。
【0045】
続いて、自動ドア装置10は、開動作又は閉動作を行う(ステップS15)。すなわち、制御部21は、第1ドア11及び第2ドア12の駆動速度を算出すると、第1モータ31及び第2モータ41を駆動制御することで第1ドア11及び第2ドア12を開動作又は閉動作させる。制御部21は、保護センサ26の検知位置を把握するため、保護センサ26の検知状態に変化がある時点を含むように動作させる。
【0046】
続いて、自動ドア装置10は、検知位置を取得する(ステップS16)。取得部22は、第1ドア11及び第2ドア12を開動作又は閉動作させているときに、保護センサ26の検知状態に変化があった時点の第1ドア11及び第2ドア12の位置を検知位置として取得する。なお、取得部22が位置情報を取得しなかったとき、制御部21は、既に設定されている減速開始位置PSを採用して第1モータ31及び第2モータ41を制御する。ステップS16が位置情報取得ステップに相当する。
【0047】
続いて、自動ドア装置10は、安全距離LSを設定する(ステップS17)。すなわち、設定部23は、取得した検知位置に基づいて減速開始位置PSを設定する。設定部23は、開動作時の検知位置の直前の位置を減速開始位置PSとして設定することで、減速開始位置PSを全閉位置PCに近い位置とする。そして、第2ドア12が減速開始位置PSに位置するときの戸先12Aと壁3との距離が安全距離LSである。設定部23は、安全距離LSを算出して設定する。ステップS17が設定ステップに相当する。自動ドア装置10は、通信端末50に減速開始位置PSを送信する。通信端末50は、減速開始位置PSを取得する。設定部23は、設定が完了すると、設定モードを終了する。
【0048】
次に、第2実施形態の効果について説明する。なお、第1実施形態の(1-1)、(1-2)、(1-4)、及び(1-5)の効果に加え、以下の効果を奏する。
(2-1)規定した安全距離に合わせてパラメータを設定することで、通行性を確保することができる。
【0049】
(第3実施形態)
以下、
図8を参照して、自動ドア装置の第3実施形態について説明する。この実施形態の自動ドア装置は、駆動制御の設定処理が上記第1実施形態と異なっている。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0050】
検知エリアを学習することができる保護センサ26の場合には、検知を無効とするエリアを設定することができる。そこで、保護センサ26をドアの戸尻に寄せて取り付けて、エリア学習によって検知無効エリアを設定して、第1ドア11及び第2ドア12の安全距離LSを設定する。
【0051】
(設定処理)
次に、
図8を参照して、自動ドア装置10による駆動制御の設定処理について説明する。作業者が設定するときには、作業者が通信端末50を操作して、通信端末50を設定モードに変更する。そして、通信端末50は、無線通信を介して自動ドア装置10の通信部27に設定モードを送信する。ドアコントローラ20は、設定モードを受信すると、設定モードに変更される。第3実施形態の設定モードを第3設定モードとする。作業者は、通信端末50において第3設定モードを選択している。
【0052】
まず、
図8に示すように、作業者は、保護センサ26を取り付ける(ステップS13)。すなわち、通信端末50は、保護センサ26を取り付ける指示及び検知エリアASを調整する指示を表示する。作業者は、保護センサ26を第1ドア11の戸尻11Bに寄せて第1ドア11に保護センサ26を取り付ける。また、作業者は、保護センサ26を第2ドア12の戸尻12Bに寄せて保護センサ26を第2ドア12に取り付ける。
【0053】
続いて、作業者は、保護センサ26の検知エリアASを調整する(ステップS14)。すなわち、作業者は、保護センサ26の検知エリアASが、第1ドア11及び第2ドア12の面から所定距離以上となるように調整する。作業者は、保護センサ26の検知エリアASの調整が完了すると、通信端末50の検知エリアASの調整完了を示すボタンを操作する。通信端末50は、ドアコントローラ20に検知エリアASの調整完了情報を送信する。
【0054】
続いて、自動ドア装置10は、エリア学習を行う(ステップS31)。すなわち、設定部23は、第1,2実施形態において設置距離LAを設定したドアの戸尻寄りのエリアを検知無効エリアとしてエリア学習させる。なお、設置距離LAから求めるのではなく、エリアとして学習させる。
【0055】
続いて、作業者は、保護センサ26の設置距離LAを測定する(ステップS22)。すなわち、通信端末50は、保護センサ26の設置距離LAを入力する指示を表示する。作業者は、第1ドア11に取り付けた保護センサ26と第1ドア11の戸尻11Bとの設置距離LAを測定する。また、作業者は、第2ドア12に取り付けた保護センサ26と第2ドア12の戸尻12Bとの設置距離LAを測定する。
【0056】
作業者は、設定項目を登録する(ステップS23)。すなわち、作業者は、通信端末50に第1ドア11及び第2ドア12の幅、測定した設置距離LAを設定項目として入力する。作業者によって設定項目の入力が完了すると、通信端末50は、ドアコントローラ20に送信する。ドアコントローラ20は、受信した設定項目を登録する。
【0057】
続いて、自動ドア装置10は、第1ドア11及び第2ドア12の駆動速度を算出する(ステップS24)。すなわち、設定部23は、取得した設定項目に基づいて第1ドア11及び第2ドア12の駆動速度を算出する。
【0058】
続いて、自動ドア装置10は、開動作又は閉動作を行う(ステップS15)。すなわち、制御部21は、第1ドア11及び第2ドア12の駆動速度を算出すると、第1モータ31及び第2モータ41を駆動制御することで第1ドア11及び第2ドア12を開動作又は閉動作させる。制御部21は、保護センサ26の検知位置を把握するため、保護センサ26の検知状態に変化がある時点を含むように動作させる。
【0059】
続いて、自動ドア装置10は、検知位置を取得する(ステップS16)。取得部22は、第1ドア11及び第2ドア12を開動作又は閉動作させているときに、保護センサ26の検知状態に変化があった時点の第1ドア11及び第2ドア12の位置を検知位置として取得する。なお、取得部22が位置情報を取得しなかったとき、制御部21は、既に設定されている減速開始位置PSを採用して第1モータ31及び第2モータ41を制御する。ステップS16が位置情報取得ステップに相当する。
【0060】
続いて、自動ドア装置10は、安全距離LSを設定する(ステップS17)。すなわち、設定部23は、取得した検知位置に基づいて減速開始位置PSを設定する。設定部23は、開動作時の検知位置の直前の位置を減速開始位置PSとして設定することで、減速開始位置PSを全閉位置PCに近い位置とする。そして、第2ドア12が減速開始位置PSに位置するときの戸先12Aと壁3との距離が安全距離LSである。設定部23は、安全距離LSを算出して設定する。なお、設定23部は、取得部22が取得した位置に基づいて算出した減速開始位置PSが制御部21に設定されている減速開始位置PSよりも全開位置POに近い場合は、既に設定されている減速開始位置PSを採用する。ステップS17が設定ステップに相当する。自動ドア装置10は、通信端末50に減速開始位置PSを送信する。通信端末50は、減速開始位置PSを取得する。設定部23は、設定が完了すると、設定モードを終了する。
【0061】
次に、第3実施形態の効果について説明する。なお、第1実施形態の(1-1)~(1-5)の効果を奏する。
(3-1)保護センサ26が検知エリアASを学習することができるので、保護センサ26をドアの戸尻寄りに設置することができる。
【0062】
(第4実施形態)
以下、
図9を参照して、自動ドア装置の第4実施形態について説明する。この実施形態の自動ドア装置は、駆動制御の設定処理が上記第1実施形態と異なっている。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0063】
検知エリアを学習することができる保護センサ26の場合には、検知を無効とするエリアを設定することができる。そこで、保護センサ26の設定項目を登録した後にエリア学習を行ってもよい。
【0064】
(設定処理)
次に、
図9を参照して、自動ドア装置10による駆動制御の設定処理について説明する。作業者が設定するときには、作業者が通信端末50を操作して、通信端末50を設定モードに変更する。そして、通信端末50は、無線通信を介して自動ドア装置10の通信部27に設定モードを送信する。ドアコントローラ20は、設定モードを受信すると、設定モードに変更される。第4実施形態の設定モードを第4設定モードとする。作業者は、通信端末50において第4設定モードを選択している。
【0065】
まず、
図9に示すように、作業者は、保護センサ26を取り付ける(ステップS13)。すなわち、通信端末50は、保護センサ26を取り付ける指示及び検知エリアASを調整する指示を表示する。作業者は、保護センサ26を第1ドア11及び第2ドア12にそれぞれ設置する。
【0066】
続いて、作業者は、保護センサ26の検知エリアASを調整する(ステップS14)。すなわち、作業者は、保護センサ26の検知エリアASが、ドアの面から所定距離以上となるように調整する。作業者は、保護センサ26の検知エリアASの調整が完了すると、通信端末50の検知エリアASの調整の完了を示すボタンを操作する。通信端末50は、ドアコントローラ20に検知エリアASの調整完了情報を送信する。
【0067】
続いて、作業者は、第1ドア11及び第2ドア12のストロークを測定する(ステップS41)。すなわち、通信端末50は、第1ドア11及び第2ドア12のストロークを入力する指示を表示する。作業者は、第1ドア11のストロークを測定する。また、作業者は、第2ドア12のストロークを測定する。
【0068】
作業者は、設定項目を登録する(ステップS23)。すなわち、作業者は、通信端末50に第1ドア11及び第2ドア12の幅、測定したストロークを設定項目として入力する。作業者によって設定項目の入力が完了すると、通信端末50は、ドアコントローラ20に送信する。ドアコントローラ20は、受信した設定項目を登録する。
【0069】
続いて、自動ドア装置10は、第1ドア11及び第2ドア12の安全距離LSを算出する(ステップS42)。すなわち、設定部23は、取得した設定項目に基づいて第1ドア11及び第2ドア12の安全距離LSを算出して登録する。
【0070】
続いて、自動ドア装置10は、安全距離LSで停止する(ステップS15)。すなわち、制御部21は、安全距離LSを算出すると、第1モータ31及び第2モータ41を駆動制御することで第1ドア11及び第2ドア12を開動作又は閉動作させて安全距離LSで停止させる。制御部21は、登録した安全距離LSで保護センサ26のエリア学習を行うために上記動作を行う。
【0071】
続いて、自動ドア装置10は、エリア学習を行う(ステップS44)。すなわち、設定部23は、安全距離LSで停止したドアの検知無効エリアをエリア学習させる。設定部23は、全閉位置から安全距離LSまでの間で検知エリアをエリア学習させる。なお、設置距離LAから求めるのではなく、エリアとして学習させる。設定部23は、設定が完了すると、設定モードを終了する。
【0072】
次に、第4実施形態の効果について説明する。
(4-1)保護センサ26が検知エリアASを学習することができるので、誤検知を低減することができる。
【0073】
(他の実施形態)
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0074】
・上記各実施形態では、算出した減速開始位置PSが制御部21に設定されている減速開始位置PSよりも全開位置POに近い場合は、既に設定されている減速開始位置PSを維持した。しかしながら、減速開始位置PSの設定変更を行わないことを自動的に決定せず、通信部27を介して通信端末50に出力し、作業者に変更の要否を確認してもよい。
【0075】
・上記各実施形態では、設定部23は、開動作時の検知位置の直前の位置を減速開始位置PSとした。しかしながら、開動作時の検知位置から所定距離離れた位置を減速開始位置PSとしてもよい。また、開動作時の検知位置から所定時間経過したときのドアの到達位置を減速開始位置PSとしてもよい。
【0076】
・上記各実施形態において、設定部23は、開動作時の検知位置の直前の位置を減速開始位置PSとした。しかしながら、取得部22が取得した位置に達した第1ドア11及び第2ドア12の速度が閾値以下になるように減速開始位置PSを設定してもよい。このような構成によれば、取得部22が取得した位置で既にドアの速度が低下するため、安全性を高めることができる。
【0077】
・上記各実施形態において、自動ドア装置10に開いたドアを閉じるクローザが付いている場合には、設定モード中はクローザが閉動作しないように停止させておく。ドアが自動で閉じることを阻止することで保護センサ26の検知エリアの調整や保護センサ26による検知を容易に行うことができる。
【0078】
・上記第1,3実施形態では、自動ドア装置10が第1ドア11及び第2ドア12を駆動させて、検知位置を取得した。しかしながら、作業者に第1ドア11及び第2ドア12を移動させて、検知位置を取得してもよい。
【0079】
・上記第1実施形態の設置距離の算出(ステップS12)や第2実施形態のドア速度の算出(ステップS24)に用いるパラメータは必要に応じて追加してもよい。
・上記各実施形態において、壁3がなく、保護センサ26が壁を検知することなく全開位置POまで移動した場合には、安全距離LSをゼロとしてもよい。
【0080】
・上記各実施形態では、通信端末50は、タッチ操作によって操作されるタッチパネルの端末としたが、通信端末50の操作はタッチ操作に限らず、ボタン操作によって操作される機器でもよい。また、無線通信に限らず有線通信でもよい。
【0081】
・上記各実施形態では、2枚の第1ドア11及び第2ドア12を備える自動ドア装置10としたが、1枚のドアを備える自動ドア装置としてもよい。
・上記各実施形態では、第1ドアエンジン30及び第2ドアエンジン40を無目13に設置した。しかしながら、第1ドアエンジン30及び第2ドアエンジン40を無目13ではなく、床2に埋め込んで設置してもよい。
【0082】
・上記各実施形態では、保護センサ26をドアの戸尻寄りに設置した。しかしながら、保護センサ26をドアの戸先寄りに設置してもよい。この場合も保護センサ26は、同様の検知エリアASを形成する。
【0083】
・上記各実施形態において、複数の物体で構成されているものは、当該複数の物体を一体化してもよく、逆に一つの物体で構成されているものを複数の物体に分けることができる。一体化されているか否かにかかわらず、発明の目的を達成することができるように構成されていればよい。
【0084】
・上記各実施形態において、複数の機能が分散して設けられているものは、当該複数の機能の一部又は全部を集約して設けても良く、逆に複数の機能が集約して設けられているものを、当該複数の機能の一部又は全部が分散するように設けることができる。機能が集約されているか分散されているかにかかわらず、発明の目的を達成することができるように構成されていればよい。
【符号の説明】
【0085】
AS…検知エリア
PC…全閉位置
PL…左回転軸
PO…全開位置
PR…右回転軸
PS…減速開始位置
1…開口
2…床
3…壁
10…自動ドア装置
11…第1ドア
11A…戸先
11B…戸尻
12…第2ドア
12A…戸先
12B…戸尻
13…無目
14…戸当たり
20…ドアコントローラ
21…制御部
22…取得部
23…設定部
25…起動センサ
26…保護センサ
27…通信部
30…第1ドアエンジン
31…第1モータ
31A…第1エンコーダ
32…第1伝達機構
40…第2ドアエンジン
41…第2モータ
41A…第2エンコーダ
42…第2伝達機構
50…通信端末