(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023059444
(43)【公開日】2023-04-27
(54)【発明の名称】音声出力装置、音声出力方法、プログラム及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G01C 21/36 20060101AFI20230420BHJP
G06F 16/909 20190101ALI20230420BHJP
【FI】
G01C21/36
G06F16/909
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021169454
(22)【出願日】2021-10-15
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(72)【発明者】
【氏名】飯澤 高志
(72)【発明者】
【氏名】倉持 敬太
(72)【発明者】
【氏名】山中 敦博
(72)【発明者】
【氏名】藤原 稔樹
(72)【発明者】
【氏名】大野 崇志
(72)【発明者】
【氏名】木下 瑛裕
【テーマコード(参考)】
2F129
5B175
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB02
2F129BB20
2F129BB22
2F129CC16
2F129DD20
2F129EE21
2F129EE90
2F129FF12
2F129GG17
2F129GG18
2F129HH02
2F129HH03
5B175DA03
5B175GA04
(57)【要約】
【課題】施設などに関するユーザの認知度を考慮して、適切に情報提供を行う。
【解決手段】音声出力装置において、取得手段は、異なる詳細度の複数の情報を含む施設情報を取得する。出力手段は、音声出力装置が、ある施設情報の提供エリアに入ったときに、複数の情報のうち第1の情報を出力する。また、出力手段は、第1の情報を出力した後で、音声出力装置が施設情報の提供エリアに再度入ったときに、複数の情報のうち、第1の情報よりも詳細度が高い第2の情報を出力する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声出力装置であって、
異なる詳細度の複数の情報を含む施設情報を取得する取得手段と、
前記音声出力装置が、ある施設情報の提供エリアに入ったときに、前記複数の情報のうち第1の情報を出力し、前記出力手段が前記第1の情報を出力した後で、前記音声出力装置が前記施設情報の提供エリアに再度入ったときに、前記複数の情報のうち、前記第1の情報よりも詳細度が高い第2の情報を出力する出力手段と、
を備える音声出力装置。
【請求項2】
前記第1の情報の出力に対するユーザの応答を検出する検出手段を備え、
前記出力手段は、前記第1の情報を出力した後で、ユーザの応答がネガティブであった場合、前記音声出力装置が前記施設情報の提供エリアに再度入った場合でも前記第2の情報を出力しない請求項1に記載の音声出力装置。
【請求項3】
前記第1の情報の出力に対するユーザの応答を検出する検出手段を備え、
前記出力手段は、前記第1の情報を出力した後で、ユーザの応答がポジティブであった場合、前記第2の情報を直ちに出力する請求項1又は2に記載の音声出力装置。
【請求項4】
前記出力手段は、前記第1の情報を出力した後、所定期間が経過した場合、前記音声出力装置が前記施設情報の提供エリアに再度入ったときでも前記第1の情報を出力する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の音声出力装置。
【請求項5】
前記出力手段は、前記音声出力装置が前記施設情報の提供エリアに入った回数に基づいて、出力する情報の詳細度を決定する請求項1に記載の音声出力装置。
【請求項6】
異なる詳細度の複数の情報を含む施設情報を取得し、
音声出力装置が、ある施設情報の提供エリアに入ったときに、前記複数の情報のうち第1の情報を出力し、前記出力手段が前記第1の情報を出力した後で、前記音声出力装置が前記施設情報の提供エリアに再度入ったときに、前記複数の情報のうち、前記第1の情報よりも詳細度が高い第2の情報を出力する音声出力方法。
【請求項7】
異なる詳細度の複数の情報を含む施設情報を取得し、
音声出力装置が、ある施設情報の提供エリアに入ったときに、前記複数の情報のうち第1の情報を出力し、前記出力手段が前記第1の情報を出力した後で、前記音声出力装置が前記施設情報の提供エリアに再度入ったときに、前記複数の情報のうち、前記第1の情報よりも詳細度が高い第2の情報を出力する処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムを記憶した記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツの出力において利用可能な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置上に地図などの表示を行わず、主として音声のみにより目的地までの案内を行う音声ナビゲーション装置が知られている。特許文献1は、センタと通信しつつ、音声により案内情報を出力して目的地までの経路を案内する通信型音声ナビゲーション装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
目的地までの経路案内中に、ユーザに対して経路上や経路の周辺にある施設情報を提供することがある。この場合、ユーザに既に提供した情報を繰り返し出力すると、ユーザは煩わしいと感じたり、運転の負荷になったりすることが懸念される。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、施設などに関するユーザの認知度を考慮して、適切に情報提供を行うことが可能な音声出力装置を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項に記載の発明は、音声出力装置であって、異なる詳細度の複数の情報を含む施設情報を取得する取得手段と、前記音声出力装置が、ある施設情報の提供エリアに入ったときに、前記複数の情報のうち第1の情報を出力し、前記出力手段が前記第1の情報を出力した後で、前記音声出力装置が前記施設情報の提供エリアに再度入ったときに、前記複数の情報のうち、前記第1の情報よりも詳細度が高い第2の情報を出力する出力手段と、を備える。
【0007】
また、請求項に記載の発明は、音声出力方法であって、異なる詳細度の複数の情報を含む施設情報を取得し、音声出力装置が、ある施設情報の提供エリアに入ったときに、前記複数の情報のうち第1の情報を出力し、前記出力手段が前記第1の情報を出力した後で、前記音声出力装置が前記施設情報の提供エリアに再度入ったときに、前記複数の情報のうち、前記第1の情報よりも詳細度が高い第2の情報を出力する。
【0008】
また、請求項に記載の発明は、プログラムであって、異なる詳細度の複数の情報を含む施設情報を取得し、音声出力装置が、ある施設情報の提供エリアに入ったときに、前記複数の情報のうち第1の情報を出力し、前記出力手段が前記第1の情報を出力した後で、前記音声出力装置が前記施設情報の提供エリアに再度入ったときに、前記複数の情報のうち、前記第1の情報よりも詳細度が高い第2の情報を出力する処理をコンピュータに実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施例に係る音声出力システムの構成例を示す図である。
【
図2】音声出力装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図3】サーバ装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図4】実施例における施設情報のデータ構造の例を示す。
【
図5】第1実施例に係る情報提供処理のフローチャートである。
【
図6】音声出力装置による施設情報の音声出力とユーザの応答の例を示す。
【
図7】第2実施例に係る情報提供処理のフローチャートである。
【
図8】第3実施例に係る情報提供処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の1つの好適な実施形態では、音声出力装置は、異なる詳細度の複数の情報を含む施設情報を取得する取得手段と、前記音声出力装置が、ある施設情報の提供エリアに入ったときに、前記複数の情報のうち第1の情報を出力し、前記出力手段が前記第1の情報を出力した後で、前記音声出力装置が前記施設情報の提供エリアに再度入ったときに、前記複数の情報のうち、前記第1の情報よりも詳細度が高い第2の情報を出力する出力手段と、を備える。
【0011】
上記の音声出力装置において、取得手段は、異なる詳細度の複数の情報を含む施設情報を取得する。出力手段は、音声出力装置が、ある施設情報の提供エリアに入ったときに、複数の情報のうち第1の情報を出力する。また、出力手段は、第1の情報を出力した後で、音声出力装置が施設情報の提供エリアに再度入ったときに、複数の情報のうち、第1の情報よりも詳細度が高い第2の情報を出力する。これにより、音声出力装置が施設情報の提供エリアに再度入ったときには、最初に入ったときよりも詳細度が高い情報が提供される。
【0012】
上記の音声出力装置の一態様は、前記第1の情報の出力に対するユーザの応答を検出する検出手段を備え、前記出力手段は、前記第1の情報を出力した後で、ユーザの応答がネガティブであった場合、前記音声出力装置が前記施設情報の提供エリアに再度入った場合でも前記第2の情報を出力しない。この態様では、第1の情報に対するユーザの応答がネガティブな場合、ユーザはその施設に関心が無いと判断し、情報の提供を停止する。
【0013】
上記の音声出力装置の他の一態様は、前記第1の情報の出力に対するユーザの応答を検出する検出手段を備え、前記出力手段は、前記第1の情報を出力した後で、ユーザの応答がポジティブであった場合、前記第2の情報を直ちに出力する。この態様では、第1の情報に対するユーザの応答がポジティブな場合、ユーザはその施設に関心があると判断し、より詳細度の高い情報を直ちに出力する。
【0014】
上記の音声出力装置の他の一態様では、前記出力手段は、前記第1の情報を出力した後、所定期間が経過した場合、前記音声出力装置が前記施設情報の提供エリアに再度入ったときでも前記第1の情報を出力する。この態様では、前回施設情報の提供エリアに入ってから所定期間が経過している場合には第1の情報を出力する。
【0015】
上記の音声出力装置の他の一態様では、前記出力手段は、前記音声出力装置が前記施設情報の提供エリアに入った回数に基づいて、出力する情報の詳細度を決定する。これにより、ユーザの施設に対する認知度に応じて、適切な詳細度の情報を提供することが可能となる。
【0016】
本発明の他の好適な実施形態では、音声出力方法は、異なる詳細度の複数の情報を含む施設情報を取得し、音声出力装置が、ある施設情報の提供エリアに入ったときに、前記複数の情報のうち第1の情報を出力し、前記出力手段が前記第1の情報を出力した後で、前記音声出力装置が前記施設情報の提供エリアに再度入ったときに、前記複数の情報のうち、前記第1の情報よりも詳細度が高い第2の情報を出力する。これにより、音声出力装置が施設情報の提供エリアに再度入ったときには、最初に入ったときよりも詳細度が高い情報が提供される。
【0017】
本発明の他の好適な実施形態では、プログラムは、異なる詳細度の複数の情報を含む施設情報を取得し、音声出力装置が、ある施設情報の提供エリアに入ったときに、前記複数の情報のうち第1の情報を出力し、前記出力手段が前記第1の情報を出力した後で、前記音声出力装置が前記施設情報の提供エリアに再度入ったときに、前記複数の情報のうち、前記第1の情報よりも詳細度が高い第2の情報を出力する処理をコンピュータに実行させる。このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記のコンテンツ出力装置を実現することができる。このプログラムは記憶媒体に記憶して使用することができる。
【実施例0018】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
<システム構成>
[全体構成]
図1は、実施例に係る音声出力システムの構成例を示す図である。本実施例に係る音声出力システム1は、音声出力装置100と、サーバ装置200とを有する。音声出力装置100は、車両Veに搭載される。サーバ装置200は、複数の車両Veに搭載された複数の音声出力装置100と通信する。
【0019】
音声出力装置100は、基本的に車両Veの搭乗者であるユーザに対して、経路案内処理や情報提供処理などを行う。例えば、音声出力装置100は、ユーザにより目的地等が入力されると、車両Veの位置情報や指定された目的地に関する情報などを含むアップロード信号S1をサーバ装置200に送信する。サーバ装置200は、地図データを参照して目的地までの経路を算出し、目的地までの経路を示す制御信号S2を音声出力装置100へ送信する。音声出力装置100は、受信した制御信号S2に基づいて、音声出力によりユーザに対する経路案内を行う。
【0020】
また、音声出力装置100は、ユーザとの対話により各種の情報をユーザに提供する。例えば、音声出力装置100は、ユーザが情報要求を行うと、その情報要求の内容又は種類を示す情報、及び、車両Veの走行状態に関する情報などを含むアップロード信号S1をサーバ装置200に供給する。サーバ装置200は、ユーザが要求する情報を取得、生成し、制御信号S2として音声出力装置100へ送信する。音声出力装置100は、受信した情報を、音声出力によりユーザに提供する。
【0021】
[音声出力装置]
音声出力装置100は、車両Veと共に移動し、案内経路に沿って車両Veが走行するように、音声を主とした経路案内を行う。なお、「音声を主とした経路案内」は、案内経路に沿って車両Veを運転するために必要な情報をユーザが少なくとも音声のみから把握可能な経路案内を指し、音声出力装置100が現在位置周辺の地図などを補助的に表示することを除外するものではない。本実施例では、音声出力装置100は、少なくとも、案内が必要な経路上の地点(「案内地点」とも呼ぶ。)など、運転に係る様々な情報を音声により出力する。ここで、案内地点は、例えば車両Veの右左折を伴う交差点、その他、案内経路に沿って車両Veが走行するために重要な通過地点が該当する。音声出力装置100は、例えば、車両Veから次の案内地点までの距離、当該案内地点での進行方向などの案内地点に関する音声案内を行う。以後では、案内経路に対する案内に関する音声を「経路音声案内」とも呼ぶ。
【0022】
音声出力装置100は、例えば車両Veのフロントガラスの上部、又は、ダッシュボード上などに取り付けられる。なお、音声出力装置100は、車両Veに組み込まれてもよい。
【0023】
図2は、音声出力装置100の概略構成を示すブロック図である。音声出力装置100は、主に、通信部111と、記憶部112と、入力部113と、制御部114と、センサ群115と、表示部116と、マイク117と、スピーカ118と、車外カメラ119と、車内カメラ120と、を有する。音声出力装置100内の各要素は、バスライン110を介して相互に接続されている。
【0024】
通信部111は、制御部114の制御に基づき、サーバ装置200とのデータ通信を行う。通信部111は、例えば、後述する地
図DB(DataBase)4を更新するための地図データをサーバ装置200から受信してもよい。
【0025】
記憶部112は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、不揮発性メモリ(ハードディスクドライブ、フラッシュメモリなどを含む)などの各種のメモリにより構成される。記憶部112には、音声出力装置100が所定の処理を実行するためのプログラムが記憶される。上述のプログラムは、経路音声案内を行うためのアプリケーションプログラム、音楽を再生するためのアプリケーションプログラム、音楽以外のコンテンツ(テレビ等)を出力するためのアプリケーションプログラムなどを含んでもよい。また、記憶部112は、制御部114の作業メモリとしても使用される。なお、音声出力装置100が実行するプログラムは、記憶部112以外の記憶媒体に記憶されてもよい。
【0026】
また、記憶部112は、地図データベース(以下、データベースを「DB」と記す。)4を記憶する。地
図DB4には、経路案内に必要な種々のデータが記録されている。地
図DB4は、例えば、道路網をノードとリンクの組合せにより表した道路データ、及び、目的地、立寄地、又はランドマークの候補となる施設を示す施設データなどを記憶している。地
図DB4は、制御部114の制御に基づき、通信部111が地図管理サーバから受信する地図情報に基づき更新されてもよい。
【0027】
入力部113は、ユーザが操作するためのボタン、タッチパネル、リモートコントローラ等である。表示部116は、制御部114の制御に基づき表示を行うディスプレイ等である。マイク117は、車両Veの車内の音声、特に運転手の発話などを集音する。スピーカ118は、運転手などに対して、経路案内のための音声を出力する。
【0028】
センサ群115は、外界センサ121と、内界センサ122とを含む。外界センサ121は、例えば、ライダ、レーダ、超音波センサ、赤外線センサ、ソナーなどの車両Veの周辺環境を認識するための1又は複数のセンサである。内界センサ122は、車両Veの測位を行うセンサであり、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機、ジャイロセンサ、IMU(Inertial Measurement Unit)、車速センサ、又はこれらの組合せである。なお、センサ群115は、制御部114がセンサ群115の出力から車両Veの位置を直接的に又は間接的に(即ち推定処理を行うことによって)導出可能なセンサを有していればよい。
【0029】
車外カメラ119は、車両Veの外部を撮影するカメラである。車外カメラ119は、車両の前方を撮影するフロントカメラのみでもよく、フロントカメラに加えて車両の後方を撮影するリアカメラを含んでもよく、車両Veの全周囲を撮影可能な全方位カメラであってもよい。一方、車内カメラ120は、車両Veの車内の様子を撮影するカメラであり、少なくとも運転席周辺を撮影可能な位置に設けられる。
【0030】
制御部114は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)などを含み、音声出力装置100の全体を制御する。例えば、制御部114は、センサ群115の1又は複数のセンサの出力に基づき、車両Veの位置(進行方向の向きも含む)を推定する。また、制御部114は、入力部113又はマイク117により目的地が指定された場合に、当該目的地までの経路である案内経路を示す経路情報を生成し、当該経路情報と推定した車両Veの位置情報と地
図DB4とに基づき、経路音声案内を行う。この場合、制御部114は、案内音声をスピーカ118から出力させる。また、制御部114は、表示部116を制御することで、再生中の音楽の情報、映像コンテンツ、又は現在位置周辺の地図などの表示を行う。制御部114は、出力手段及び検出手段の一例である。
【0031】
なお、制御部114が実行する処理は、プログラムによるソフトウェアで実現することに限ることなく、ハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアのうちのいずれかの組み合わせ等により実現してもよい。また、制御部114が実行する処理は、例えばFPGA(field-programmable gate array)又はマイコン等の、ユーザがプログラミング可能な集積回路を用いて実現してもよい。この場合、この集積回路を用いて、制御部114が本実施例において実行するプログラムを実現してもよい。このように、制御部114は、プロセッサ以外のハードウェアにより実現されてもよい。
【0032】
図2に示す音声出力装置100の構成は一例であり、
図2に示す構成に対して種々の変更がなされてもよい。例えば、地
図DB4を記憶部112が記憶する代わりに、制御部114が通信部111を介して経路案内に必要な情報をサーバ装置200から受信してもよい。他の例では、音声出力装置100は、スピーカ118を備える代わりに、音声出力装置100とは別体に構成された音声出力部と電気的に又は公知の通信手段によって接続することで、当該音声出力部から音声を出力させてもよい。この場合、音声出力部は、車両Veに備えられたスピーカであってもよい。さらに別の例では、音声出力装置100は、表示部116を備えなくともよい。この場合、音声出力装置100は、表示に関する制御を全く行わなくともよく、有線又は無線により、車両Ve等に備えられた表示部、又は、ユーザのスマートフォンなどと電気的に接続することで所定の表示を実行させてもよい。同様に、音声出力装置100は、センサ群115を備える代わりに、車両Veに備え付けられたセンサが出力する情報を、車両VeからCAN(Controller Area Network)などの通信プロトコルに基づき取得してもよい。
【0033】
[サーバ装置]
サーバ装置200は、音声出力装置100から受信する目的地等を含むアップロード信号S1に基づき、車両Veが走行すべき案内経路を示す経路情報を生成する。そして、サーバ装置200は、その後に音声出力装置100が送信するアップロード信号S1が示すユーザの情報要求及び車両Veの走行状態に基づき、ユーザの情報要求に対する情報出力に関する制御信号S2を生成する。そして、サーバ装置200は、生成した制御信号S2を、音声出力装置100に送信する。
【0034】
さらに、サーバ装置200は、車両Veのユーザに対する情報提供やユーザとの対話を行うためのコンテンツを生成し、音声出力装置100に送信する。ユーザに対する情報提供は、主として車両Veが所定の運転状況になったことをトリガとしてサーバ装置200側から開始するプッシュ型の情報提供を含む。また、ユーザとの対話は、基本的にユーザからの質問や問いかけから開始するプル型の対話である。但し、ユーザとの対話は、プッシュ型の情報提供から開始する場合もある。
【0035】
図3は、サーバ装置200の概略構成の一例を示す図である。サーバ装置200は、主に、通信部211と、記憶部212と、制御部214とを有する。サーバ装置200内の各要素は、バスライン210を介して相互に接続されている。
【0036】
通信部211は、制御部214の制御に基づき、音声出力装置100などの外部装置とのデータ通信を行う。記憶部212は、RAM、ROM、不揮発性メモリ(ハードディスクドライブ、フラッシュメモリなどを含む)などの各種のメモリにより構成される。記憶部212は、サーバ装置200が所定の処理を実行するためのプログラムが記憶される。また、記憶部212は、地
図DB4を含んでいる。
【0037】
制御部214は、CPU、GPUなどを含み、サーバ装置200の全体を制御する。また、制御部214は、記憶部212に記憶されたプログラムを実行することで、音声出力装置100とともに動作し、ユーザに対する経路案内処理や情報提供処理などを実行する。例えば、制御部214は、音声出力装置100から通信部211を介して受信するアップロード信号S1に基づき、案内経路を示す経路情報、又は、ユーザの情報要求に対する情報出力に関する制御信号S2を生成する。そして、制御部214は、生成した制御信号S2を、通信部211により音声出力装置100に送信する。なお、制御部214は、取得手段、出力手段及び検出手段の一例である。
【0038】
<プッシュ型の情報提供>
次に、プッシュ型の情報提供について説明する。プッシュ型の情報提供とは、車両Veが所定の運転状況になった場合に、音声出力装置100がユーザに対してその運転状況に関連する情報を音声出力することをいう。具体的に、音声出力装置100は、前述のようにセンサ群115の出力に基づいて車両Veの運転状況を示す運転状況情報を取得し、サーバ装置200へ送信する。サーバ装置200は、プッシュ型の情報提供を行うためのテーブルデータを記憶部212に記憶している。サーバ装置200は、テーブルデータを参照し、車両Veに搭載された音声出力装置100から受信した運転状況情報が、テーブルデータに規定されているトリガ条件と一致した場合、そのトリガ条件に対応するテキストデータを用いて出力用情報を取得し、音声出力装置100へ送信する。音声出力装置100は、サーバ装置200から受信した出力用情報を音声出力する。こうして、車両Veの運転状況に対応する情報がユーザに対して音声出力される。
【0039】
運転状況情報には、例えば、車両Veの位置、当該車両の方位、当該車両Veの位置の周辺の交通情報(速度規制及び渋滞情報等を含む)、現在時刻、目的地等のような、音声出力装置100の各部の機能に基づいて取得可能な少なくとも1つの情報が含まれていればよい。また、運転状況情報には、マイク117により得られた音声(ユーザの発話を除く)、車外カメラ119により撮影された画像、及び、車内カメラ120により撮影された画像のうちのいずれが含まれていてもよい。また、運転状況情報には、通信部111を通じてサーバ装置200から受信した情報が含まれていてもよい。
【0040】
<施設情報の提供>
次に、上記のプッシュ型の情報提供の一例として、施設情報の提供について説明する。施設情報の提供とは、車両Veが走行予定の経路上又は経路の周辺に存在する施設をユーザにレコメンドすることを言う。
【0041】
[施設情報]
図4は、実施例における施設情報のデータ構造の例を示す。
図4の例は、ある施設Xに関する施設情報であり、図示のように複数の詳細度レベル(本例では6レベル)に分類して用意されている。なお、
図4においては、詳細度レベルの数値が小さいほど詳細度が低い、即ち、情報が概略的であり、詳細度レベルの数値が大きいほど詳細度が高い、即ち、情報が詳細であるものとする。
【0042】
具体的に、詳細度レベル1は最も詳細度が低いレベルであり、詳細度レベル1の情報は施設の概要などのカテゴリーに対応する。詳細度レベル1の情報の例としては、「この先にレストランがあります。」などが挙げられる。
【0043】
詳細度レベル2は2番目に詳細度が低いレベルであり、詳細度レベル2の情報は施設の位置、距離、行き方などのカテゴリーに対応する。詳細度レベル2の情報の例としては、「ここから約5分の場所です。」、「次の交差点を左折して約500mです。」などが挙げられる。
【0044】
詳細度レベル3は3番目に詳細度が低いレベルであり、詳細度レベル3の情報は情報登録の推奨のカテゴリーに対応する。詳細度レベル3の情報の例としては、「BBさんがレストランAAをお気に入り登録しています。あなたもどうですか?」、「スマホでレストランAAをブックマークすることができます。」などが挙げられる。
【0045】
詳細度レベル4は3番目に詳細度が高いレベルであり、詳細度レベル4の情報は施設の詳細情報のカテゴリーに対応する。詳細度レベル4の情報の例としては、「10台分の駐車場があります。」、「ランチセットは1200円です。」、「ケーキセットは500円です。」などが挙げられる。
【0046】
詳細度レベル5は2番目に詳細度が高いレベルであり、詳細度レベル5の情報は施設の訪問のための情報のカテゴリーに対応する。詳細度レベル5の情報の例としては、「現在のルートに、レストランAAを追加することができます。」、「今からレストランAAを予約することができます。」などが挙げられる。
【0047】
詳細度レベル6は最も詳細度が高いレベルであり、詳細度レベル6の情報は施設の訪問後のフォロー情報のカテゴリーに対応する。詳細度レベル6の情報の例としては、「あと3回の訪問でコーヒーが一杯無料になります。」、「良い店でしたか?」、「お店を5段階で評価して下さい。」などが挙げられる。
【0048】
このように、実施例に係る施設情報は、複数の詳細度レベルに分類して用意されている。そして、施設情報を提供する際には、詳細度レベルの低い情報から高い情報へと順に情報が提供される。なお、
図4の例では、詳細度レベルが6レベルに設定されているが、これは一例に過ぎず、詳細度をこれ以上又はこれ以下の数のレベルに分類しても構わない。また、各詳細度レベルに対応する情報のカテゴリーは一例に過ぎず、別のカテゴリーの情報を用いても構わない。
【0049】
[施設情報の提供方法]
次に、上記の施設情報をユーザに提供する方法について説明する。基本的には、サーバ200は、音声出力装置100からアップロード信号S1により送信される車両Veの運転状況情報、又は、情報提供に対するユーザの応答に基づいて、当該ユーザに提供する施設情報を決定し、制御信号S2により音声出力装置100へ送信する。音声出力装置100は、サーバ200から受信した制御信号S2に含まれる施設情報をユーザに対して音声出力する。
【0050】
(第1実施例)
まず、施設情報の提供方法の第1実施例について説明する。第1実施例では、音声出力装置100は、上記のように複数の詳細度レベルに分類された施設情報を小出しに出力する。詳しくは、音声出力装置100は、まず、詳細度レベルが最も低い情報を出力し、それに対するユーザの応答を検出する。そして、ユーザの応答に基づき、ユーザがその施設情報に対して関心があると予測される場合には、詳細度レベルが1段階高い情報を出力する。こうして、音声出力装置100は、ユーザの応答があり、かつ、ユーザのその施設に対する関心度が高いと予測される場合には、より詳細度レベルが高い情報を出力し続ける。これにより、対象の施設に関心があるユーザに対しては、より多くの詳細な情報を提供していくことができる。一方、ユーザが応答しない場合、又は、ユーザの応答からユーザの関心度が低いと予測される場合には、音声出力装置100は、情報の提供を停止し、より詳細な情報の提供は行わない。これにより、ユーザが望まない情報の提供を防止し、ユーザが煩わしいと感じたり、運転に影響が出たりすることを防止する。
【0051】
図5は、第1実施例に係る情報提供処理のフローチャートである。この処理は、
図3に示すサーバ装置200が音声出力装置100を制御することにより実現される。なお、サーバ装置200は、
図4に示す施設情報を用いて施設Xについての情報提供を行うものとする。
【0052】
まず、音声出力装置100の制御部114は、車両Veの現在の運転状況に係る運転状況情報を取得し、サーバ装置200へ送信する。サーバ装置200は、音声出力装置100から運転状況情報を取得する(ステップS11)。
【0053】
次に、サーバ装置200の制御部214は、ステップS11において取得した運転状況情報に基づき、車両Veが施設情報の提供エリア内にいるか否かを判定する(ステップS12)。即ち、制御部214は、車両Veの運転状況情報が、施設Xの施設情報を提供するためのトリガ条件を具備しているか否かを判定する。例えば、制御部214は、車両Veの現在位置が施設Xの所在地から所定距離内にある場合に、車両Veが施設情報の提供エリア内にいると判定する。なお、施設Xからの距離に加え、施設Xがレストランやカフェなどの飲食店である場合には、現在時刻などを考慮してもよい。
【0054】
制御部214は、車両Veが施設情報の提供エリア内にいないと判定した場合(ステップS12:No)、処理を終了する。一方、制御部214は、車両Veが施設情報の提供エリア内にいると判定した場合(ステップS12:Yes)、まず、詳細度レベル1の情報、即ち、最も概略的な情報を音声により出力する(ステップS13)。
【0055】
次に、制御部214は、詳細度レベル1の情報の出力後にユーザの応答があったか否かを判定する(ステップS14)。なお、ユーザの応答とは、例えば、音声による回答や入力部113に対する操作などを含む。ユーザの応答が無い場合(ステップS14:No)、制御部214は、ユーザはその施設に関心が無いと判定し、処理を終了する。
【0056】
一方、ユーザの応答があった場合(ステップS14:Yes)、制御部214は、ユーザの応答を分析し、ユーザの関心度が高いか否かを判定する(ステップS15)。例えば、ユーザの反応がポジティブであった場合、制御部214はユーザの関心度が高いと判定する。また、ユーザの反応がネガティブであった場合、制御部214はユーザの関心度が低いと判定する。なお、ユーザの反応がポジティブであるかネガティブであるかは、例えばユーザの回答音声を分析することにより判定することができる。ユーザの関心度が低い場合(ステップS15:No)、処理は終了する。
【0057】
一方、ユーザの関心度が高い場合(ステップS15:Yes)、制御部214は、より詳細度レベルの高い情報があるか否かを判定する(ステップS16)。より詳細度レベルの高い情報が無い場合(ステップS16:No)、処理は終了する。一方、より詳細度レベルの高い情報がある場合(ステップS16:Yes)、制御部214は、より詳細度レベルが高い情報、例えば、詳細度レベルが1レベル高い情報を出力する(ステップS17)。そして、処理はステップS14へ戻る。
【0058】
こうして、制御部214は、ある詳細度レベルの情報を音声出力した後、ユーザの応答を検出し、その施設に対するユーザの関心度を予測する。そして、ユーザの関心度が高いと判定した場合、前回出力した情報よりも詳細度レベルが高い情報をさらに出力する。こうして、出力した情報に対してユーザが関心を示し続ける限り、制御部214はその施設に関してさらに詳細な情報を出力する。これにより、ユーザが希望する場合には、それに応じた十分な情報を提供することが可能となる。
【0059】
図6は、音声出力装置100による施設情報の音声出力とユーザの応答の例を示す。なお、この例では、音声出力装置100は、
図4に示す施設情報に基づいて施設情報を音声出力するものとする。なお、
図6において「V1」~「V6」は音声出力を示し、「R1」~「R7」はユーザの応答を示す。
【0060】
まず、音声出力装置100が音声出力V1として、詳細度レベル1の音声出力「この先にレストランAAがあります。」を出力する。これに対して、ユーザは応答R1として「詳しく教えて」、「どの辺?」などを発話したり、ユーザが表示部116として動作するスマートフォンに表示されたレストランAAのURLをクリックしたりする。
【0061】
音声出力装置100は、ユーザの応答R1に基づいてユーザの関心度が高いと判定し、音声出力V2として、詳細度レベル2の音声出力「ここから約5分の場所です。」を出力する。これに対して、ユーザは応答R2として「人気なの?」、「おいしいの?などの発話を行う。
【0062】
音声出力装置100は、ユーザの応答R2に基づいてユーザの関心度が高いと判定し、音声出力V3として、詳細度レベル3の音声出力「BBさんがレストランAAをお気に入り登録しています。あなたもどうですか?」を出力する。これに対して、ユーザは応答R3として、ブックマーク登録の操作を行ったり、「駐車場はあるの?」、「値段はどのくらい?」などの発話を行う。
【0063】
音声出力装置100は、ユーザの応答R3に基づいてユーザの関心度が高いと判定し、音声出力V4として、詳細度レベル4の音声出力「10台分の駐車場があります。」、「ランチセットは1200円です。」などを出力する。これに対して、ユーザは応答R4として、「じゃ、これから行くよ」、「どうやって行けばいい?」などの発話を行う。
【0064】
音声出力装置100は、ユーザの応答R4に基づいてユーザの関心度が高いと判定し、音声出力V5として、詳細度レベル5の音声出力「現在のルートにレストランAAを追加することができます。」を出力する。これに対して、ユーザは応答R5として、「じゃ、追加して」などの発話を行い、さらに応答R6として実際にその施設を訪問する。なお、ユーザがその施設を訪問したことは、車両Veの位置情報により検出することができる。
【0065】
音声出力装置100は、ユーザの応答R6に基づいてユーザの関心度が高いと判定し、施設の訪問後に、音声出力V6として詳細度レベル6の音声出力「良い店でしたか?」、「お店を5段階で評価して下さい。」などを出力する。これに対して、ユーザが応答R7として施設の評価を行うと、音声出力装置100はユーザの評価を記憶し、この施設に関する情報提供を終了する。
【0066】
このように、音声出力装置100は、ユーザの応答に基づいて、ユーザの関心が高いと予測される場合にはさらに詳細な情報を提供することができる。なお、上記の例のように、ユーザの応答は、ユーザによる発話に限らず、施設に関する情報を取得するための指示又は操作、施設に関する情報を記憶するための指示又は操作、施設の訪問、施設に対する評価の入力などを含むことができる。
【0067】
(第2実施例)
次に、施設情報の提供方法の第2実施例について説明する。第1実施例では、音声出力装置100は、詳細度レベルの最も低い情報から施設情報を出力する。しかし、情報提供の対象となる施設がユーザの生活圏内にある場合には、ユーザは既にその施設を知っていることが多い。例えば、ユーザは、その施設の詳細については知らなくても、その施設の存在や場所などを知っていることが多い。
【0068】
そこで、第2実施例では、対象となる施設がユーザの生活圏内にあるか否かに応じて、施設情報の提供を開始する詳細度レベルを変更する。具体的には、音声出力装置100は、対象となる施設がユーザの生活圏外にある場合、基本情報を含む施設情報を出力し、対象となる施設がユーザの生活圏内にある場合、基本情報を含まない施設情報を出力する。
【0069】
ここで、基本情報は、施設の概要などの詳細度レベルの低い情報とする。例えば、
図4に示す施設情報の例において、詳細度レベル1及び2の情報を基本情報とし、詳細度レベル3~6の情報を詳細情報とする。対象の施設がユーザの生活圏外にある場合、音声出力装置100は、第1実施例と同様に、まず、詳細度レベル1の情報を出力し、その後はユーザの応答に応じて、より詳細度レベルの高い情報を順に出力する。これに対し、対象の施設がユーザの生活圏内にある場合、ユーザはその施設の概要や場所などは知っていると推測される。よって、音声出力装置100は、基本情報に相当する詳細度レベル1、2の情報は出力せず、詳細度レベル3の情報の出力から開始する。その後は、音声出力装置100は、ユーザの応答に応じて、より詳細度レベルの高い情報を順に出力する。
【0070】
なお、ユーザの生活圏は、例えばユーザの車両Veの過去の走行履歴などに基づいて決定することができる。また、ユーザが自宅や会社などを中心とする自分の生活圏を予め設定しておいてもよい。
【0071】
図7は、第2実施例に係る情報提供処理のフローチャートである。この処理は、
図3に示すサーバ装置200が音声出力装置100を制御することにより実現される。
【0072】
まず、音声出力装置100の制御部114は、車両Veの現在の運転状況に係る運転状況情報を取得し、サーバ装置200へ送信する。サーバ装置200は、音声出力装置100から、運転状況情報を取得する(ステップS21)。
【0073】
次に、サーバ装置200の制御部214は、ステップS21において取得した運転状況情報に基づき、車両Veが施設情報の提供エリア内にいるか否かを判定する(ステップS22)。即ち、制御部214は、車両Veの運転状況情報が、ある施設情報を提供するためのトリガ条件を具備しているか否かを判定する。例えば、制御部214は、車両Veの現在位置がある施設の所在地から所定距離内にある場合に、車両Veが施設情報の提供エリア内にいると判定する。
【0074】
制御部214は、車両Veが施設情報の提供エリア内にいないと判定した場合(ステップS22:No)、処理を終了する。一方、制御部214は、車両Veが施設情報の提供エリア内にいると判定した場合(ステップS22:Yes)、車両Veの現在位置がユーザの生活圏内であるか否かに基づき、出力する施設情報の詳細度レベルを決定する(ステップS23)。例えば、前述のように、
図4における詳細度レベル1、2を基本情報とすると仮定する。この場合、制御部214は、車両Veの現在位置がユーザの生活圏外であるとき、詳細度レベル1の情報を出力すると決定する。一方、制御部214は、車両Veの現在位置がユーザの生活圏内であるとき、詳細度レベル3の情報を出力すると決定する。そして、制御部214は、決定した詳細度レベルの情報を音声により出力する(ステップS24)。
【0075】
これ以降のステップS25~S28の処理は、
図5に示す第1実施例の情報提供処理のステップS14~S17と同様であるので、説明を省略する。
【0076】
このように、第2実施例では、対象の施設がユーザの生活圏内にある場合には、基本情報の出力を省略し、より詳細度の高い情報から出力を開始する。よって、ユーザが既に知っている情報を出力することを防止し、ユーザにとって有益な情報を効率的に提供することが可能となる。
【0077】
上記の情報提供処理では、制御部214は、第1実施例と同様に、複数の詳細度レベルに分類された施設情報を、ユーザの応答に応じて小出しにして出力している。その代わりに、制御部214は、施設情報を小出しにせず、まとめて出力してもよい。具体的には、車両Veの現在位置がユーザの生活圏外である場合、制御部214は、詳細度レベル1を含み、詳細度レベルの低い方から選択された複数の詳細度レベルの情報、例えば、詳細度レベル1~3の情報をまとめて出力する。一方、車両Veの現在位置がユーザの生活圏内である場合、制御部214は、詳細度レベル3を含み、詳細度レベルの低い方から選択された複数の詳細度レベルの情報、例えば、詳細度レベル3~5の情報をまとめて出力する。この方法によっても、ユーザが既に知っている情報を出力することを防止し、ユーザにとって有益な情報を効率的に提供することが可能となる。
【0078】
なお、上記の情報提供処理では、制御部214は、ステップS23で車両Veの現在位置がユーザの生活圏内であるか否かに基づいて、出力する情報の詳細度レベルを決定している。その代わりに、制御部214は、対象の施設がユーザの生活圏内であるか否かに基づいて、出力する情報の詳細度レベルを決定してもよい。
【0079】
(第3実施例)
次に、施設情報の提供方法の第3実施例について説明する。第1実施例では、音声出力装置100は、まずは詳細度レベルの最も低い情報を出力している。また、第2実施例では、音声出力装置100は、車両Veの位置又は施設がユーザの生活圏内にあるか否かに応じて、最初に出力する施設情報の詳細度レベルを変えている。これに対し、第3実施例では、音声出力装置100は、情報提供の対象となる施設に対するユーザの訪問回数に応じて、最初に出力する施設情報の詳細度レベルを決定する。
【0080】
具体的に、
図4に示すように複数の詳細度レベルに分類された施設情報があるとする。ユーザが施設Xを初めて訪問する場合、音声出力装置100は、詳細度レベル1の情報を出力する。その後、ユーザが施設Xを2回目に訪問する場合、音声出力装置100は、再び詳細度レベル1の情報を出力するのではなく、詳細度レベル2の情報を出力する。同様に、ユーザが施設Xを3回目に訪問する場合、音声出力装置100は詳細度レベル3の情報を出力する。こうして、音声出力装置100は、ユーザの訪問回数が増えるにつれて、より詳細度の高い情報を提供する。これにより、ユーザの施設に対する認知度に応じて、ユーザの知らない詳細な情報を提供することが可能となる。
【0081】
施設の訪問回数に応じていったん施設情報を提供した後は、音声出力装置100は、ユーザの応答に基づいて、さらに詳細な情報を出力するか否かを判定すればよい。例えば、音声出力装置100は、施設情報を出力した後のユーザの応答がネガティブであった場合、ユーザはその施設に関心が無いと判断し、次回の訪問時にその施設の情報を出力しないようにしてもよい。逆に、音声出力装置100は、施設情報を出力した後のユーザの応答がポジティブであった場合、ユーザはその施設に関心があると判断し、次回の訪問を待たずに、より詳細度の高い情報を直ちに出力してもよい。なお、音声出力装置100は、各施設に対するユーザの訪問回数、情報を出力した後のユーザの応答がポジティブであったかネガティブであったか、などの情報をサーバ200へ送信する。サーバ200は、受信したこれらの情報をユーザに関連付けて記憶部212などに記憶しておく。
【0082】
なお、ユーザが所定期間その施設を訪問しなかった場合には、訪問回数をリセットしてもよい。この場合の所定期間は、例えば半年、1年などに設定することができる。いま、所定期間を1年に設定したと仮定する。この場合、ユーザがある施設を訪問した後、1年以内に2回目の訪問を行った場合、音声出力装置100は詳細度レベル2の情報を出力する。一方、ユーザがある施設を訪問した後、1年以上経ってから2回目の訪問を行った場合には、音声出力装置100は詳細度レベル1の情報を出力する。なお、この場合、音声出力装置100は、各施設に対するユーザの訪問履歴をサーバ200へ送信し、サーバ200はユーザの訪問履歴をユーザに関連付けて記憶しておく。
【0083】
図8は、第3実施例に係る情報提供処理のフローチャートである。この処理は、
図3に示すサーバ装置200が音声出力装置100を制御することにより実現される。なお、ここでは
図4に示す施設情報を用いて施設Xについての情報提供を行うものとする。
【0084】
まず、音声出力装置100の制御部114は、車両Veの現在の運転状況に係る運転状況情報を取得し、サーバ装置200へ送信する。サーバ装置200は、音声出力装置100から、運転状況情報を取得する(ステップS31)。
【0085】
次に、サーバ装置200の制御部214は、ステップS31において取得した運転状況情報に基づき、車両Veが施設情報の提供エリア内にいるか否かを判定する(ステップS32)。例えば、制御部214は、車両Veの現在位置が施設Xの所在地から所定距離内にある場合に、車両Veが施設情報の提供エリア内にいると判定する。
【0086】
制御部214は、車両Veが施設情報の提供エリア内にいないと判定した場合(ステップS32:No)、処理を終了する。一方、制御部214は、車両Veが施設情報の提供エリア内にいると判定した場合(ステップS32:Yes)、そのユーザによる施設Xの訪問回数に応じて施設情報を出力する(ステップS33)。例えば、ユーザによる施設Xの最初の訪問時には、制御部214は、詳細度レベル1の情報を出力する。また、ユーザによる施設Xの2回目の訪問時には、制御部214は、詳細度レベル2の情報を出力する。なお、制御部214は、ステップS32において、車両Veが施設情報の提供エリア内にいると判定した場合、ユーザの施設Xへの合計訪問回数を更新し、サーバ200へ送信して記憶させる。
【0087】
次に、制御部214は、ステップS33における施設情報の出力後にユーザの応答があったか否かを判定する(ステップS34)。ユーザの応答が無い場合(ステップS34:No)、制御部214は、ユーザはその施設に関心が無いと判定し、処理を終了する。
【0088】
一方、ユーザの応答があった場合(ステップS34:Yes)、制御部214は、ユーザの応答を分析し、ユーザの応答がポジティブであるか否かを判定する(ステップS35)。なお、ユーザの反応がポジティブであるかネガティブであるかは、例えばユーザの回答音声を分析することにより判定することができる。ユーザの応答がポジティブでない場合(ステップS35:No)、処理は終了する。
【0089】
一方、ユーザの応答がポジティブである場合(ステップS35:Yes)、制御部214は、より詳細度レベルの高い情報があるか否かを判定する(ステップS36)。より詳細度レベルの高い情報が無い場合(ステップS36:No)、処理は終了する。一方、より詳細度レベルの高い情報がある場合(ステップS36:Yes)、制御部214は、より詳細度レベルの高い情報、具体的には、詳細度レベルが1レベル高い情報を出力する(ステップS37)。そして、処理はステップS34へ戻る。
【0090】
このように、第3実施例では、制御部214は、まず、ユーザによる施設Xの訪問回数に応じた詳細度レベルの施設情報を出力する。その後は、ユーザの応答がポジティブである場合、制御部214は、より詳細度レベルの高い情報を出力する。一方、ユーザの応答がネガティブであった場合、及び、より詳細度レベルの高い情報が無い場合、制御部214は処理を終了する。
【0091】
こうして、音声出力装置100は、ユーザによる施設への訪問回数が増えるにつれて、より詳細度の高い情報を提供するようになる。これにより、ユーザの施設に対する認知度に応じて、ユーザの知らない情報、即ち、ユーザにとってより有益な情報を提供することが可能となる。
【0092】
[変形例]
上述した実施例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータである制御部等に供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記憶媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記憶媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記憶媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。
【0093】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。すなわち、本願発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。また、引用した上記の特許文献等の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。