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特開2023-5948契約プラン選択装置、契約プラン選択方法および契約プラン選択プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023005948
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】契約プラン選択装置、契約プラン選択方法および契約プラン選択プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230111BHJP
   G06Q 50/06 20120101ALI20230111BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021108259
(22)【出願日】2021-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】516140214
【氏名又は名称】booost technologies株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青井 宏憲
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC06
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】複数のサービスについて、ユーザの事情変更に伴う契約の見直しを容易にする。
【解決手段】本契約プラン選択システムは、複数のサービスのそれぞれについて複数のサービス提供会社による複数の契約プランからユーザが契約プランを選択するために用いられる契約プラン選択基準を設定する契約プラン選択基準設定部131と、ユーザに関する情報であるユーザ情報を複数のサービスのそれぞれに関連付けて記憶する記憶部12と、記憶部12に記憶されたユーザ情報の変更を受け付ける変更受付部132と、ユーザ情報の変更を受け付けた場合ユーザ情報と関連付けられた複数のサービスのそれぞれについて、変更後のユーザ情報および契約プラン選択基準に基づいて、複数のサービス提供会社による複数の契約プランからユーザの契約プランを選択する契約プラン選択部133とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のサービスのそれぞれについて複数のサービス提供会社による複数の契約プランからユーザが前記契約プランを選択するために用いられる契約プラン選択基準を設定する契約プラン選択基準設定部と、
前記ユーザに関する情報であるユーザ情報を前記複数のサービスのそれぞれに関連付けて記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記ユーザ情報の変更を受け付ける変更受付部と、
前記変更を受け付けた場合、前記記憶部において前記ユーザ情報と関連付けられた前記複数のサービスのそれぞれについて、前記変更後のユーザ情報および前記契約プラン選択基準に基づいて、前記複数のサービス提供会社による前記複数の契約プランから前記ユーザの前記契約プランを選択する契約プラン選択部と
を備える、契約プラン選択装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記ユーザから前記ユーザ情報の入力を受け付ける入力受付部をさらに備える、契約プラン選択装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記ユーザ情報には、前記ユーザの属性情報が含まれる、契約プラン選択装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記ユーザの属性情報には、前記ユーザの、住所、家族構成、生年月日、年齢および所有する機器の少なくともいずれか1つに関する情報が含まれる、契約プラン選択装置。
【請求項5】
請求項3または4において、
前記ユーザの前記サービスごとのサービス使用量を検出する検出部をさらに備え、
前記変更受付部は、前記サービス使用量に基づいて、前記ユーザの情報を変更する、契約プラン選択装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1つにおいて、
前記ユーザ情報には、前記ユーザ情報には、選択されている前記契約プランについての契約プラン関連情報が含まれる、契約プラン選択装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1つにおいて、
前記サービスには、前記ユーザの生活に必要なインフラを提供する第1サービスと、前記ユーザの生活を向上させる第2サービスとが含まれる、契約プラン選択装置。
【請求項8】
請求項7において、
前記第1サービスは、電力、ガス、水道、通信回線および保険の少なくともいずれか1つを前記ユーザに提供するサービスであり、
前記第2サービスは、銀行業務、ウェブショッピング、知識の教授および広告業務の少なくともいずれか1つを前記ユーザに提供するサービスである、契約プラン選択装置。
【請求項9】
サーバ装置は、
複数のサービスのそれぞれについて複数のサービス提供会社による複数の契約プランからユーザが契約プランを選択するために用いられる契約プラン選択基準を設定するステップと、
前記ユーザに関する情報であるユーザ情報を前記複数のサービスのそれぞれに関連付けて記憶部に記憶するステップと、
前記記憶部に記憶された前記ユーザ情報の変更を受け付けるステップと、
前記変更を受け付けた場合、前記記憶部において前記ユーザ情報と関連付けられた前記複数のサービスのそれぞれについて、前記変更後のユーザ情報および前記契約プラン選択基準に基づいて、前記複数のサービス提供会社による前記複数の契約プランから前記ユーザの前記契約プランを選択するステップと
を備える、契約プラン選択方法。
【請求項10】
コンピュータに、
請求項9に記載の契約プラン選択方法を実行させるための契約プラン選択プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数のサービスについて、ユーザに適する契約プランを選択する契約プラン選択装置、契約プラン選択方法および契約プラン選択プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
我が国では、近年、電力自由化が行われており、2016年には、一般家庭や店舗などの需要者も、小売電気事業者と自由に契約できるようになった。
【0003】
特許文献1には、電力、ガスまたは水道(複数のサービス)を新たに契約した場合の新料金のシミュレーションを実行し、新たな契約申込書の生成を行う電力・ガス・水道契約簡易化システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-098551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ユーザは、転居や家族構成の変化など、ユーザの事情が変化した場合、締結した契約を見直したいと考えることがある。特に、ユーザは、事情が変化した場合、複数のサービス(電力、ガス、水道など)について、契約を見直したいと考える。
【0006】
そこで、本開示は、複数のサービスについて、ユーザの事情変更に伴う契約の見直しを容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本開示の一実施形態に係る契約プラン選択装置は、複数のサービスのそれぞれについて複数のサービス提供会社による複数の契約プランからユーザが契約プランを選択するために用いられる契約プラン選択基準を設定する契約プラン選択基準設定部と、前記ユーザに関する情報であるユーザ情報を前記複数のサービスのそれぞれに関連付けて記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記ユーザ情報の変更を受け付ける変更受付部と、前記変更を受け付けた場合、前記記憶部において前記ユーザ情報と関連付けられた前記複数のサービスのそれぞれについて、前記変更後のユーザ情報および前記契約プラン選択基準に基づいて、前記複数のサービス提供会社による前記複数の契約プランから前記ユーザの前記契約プランを選択する契約プラン選択部とを備える。
【0008】
この開示によると、契約プラン選択部は、変更受付部がユーザ情報の変更を受け付けた場合、変更後のユーザ情報および契約プラン選択基準に基づいて、複数のサービス提供会社による複数の契約プランからユーザの契約プランを選択する。これにより、転居など、ユーザに事情変更が生じた場合、変更受付部が事情変更後のユーザ情報を受け付けることで、複数のサービスについて、ユーザの契約プランがそれぞれ選択される。したがって、複数のサービスについて、ユーザの事情変更に伴う契約の見直しを容易にすることができる。
【0009】
また、前記ユーザから前記ユーザ情報の入力を受け付ける入力受付部をさらに備える、としてもよい。
【0010】
この開示によると、転居など、ユーザに事情変更が生じた場合、ユーザからユーザ情報の変更を受け付けることができる。
【0011】
また、前記ユーザ情報には、前記ユーザの属性情報が含まれる、としてもよい。
【0012】
この開示によると、ユーザが契約の見直しを考える契機となる事項をユーザの属性情報として規定することにより、ユーザの事情変更があった場合、契約プラン選択部がユーザの契約の見直しを自動的に行うため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0013】
また、前記ユーザの属性情報には、前記ユーザの、住所、家族構成、生年月日、年齢および所有する機器の少なくともいずれか1つに関する情報が含まれる、としてもよい。
【0014】
この開示によると、ユーザの転居、家族構成の変更、ライフステージの変化、所有する機器の変更などの、ユーザの事情変更に対応することができる。
【0015】
また、前記ユーザの前記サービスごとのサービス使用量を検出する検出部をさらに備え、前記変更受付部は、前記サービス使用量に基づいて、前記ユーザの情報を変更する、としてもよい。
【0016】
この開示によると、変更受付部は、ユーザのサービスごとのサービス使用量に基づいて、ユーザの情報を変更する。例えば、家族構成などが変化した場合、ユーザのサービス使用量が変化する。この場合、変更受付部によって変化したサービス使用量に基づいてユーザの属性情報が変更され、または当該変化したサービス使用量自体を新たなユーザ情報として、契約プラン選択部が、変更後のユーザ情報および契約プラン選択基準に基づいて、ユーザの契約プランを選択する。これにより、ユーザ情報の入力だけではなく、サービスの使用量の変化によってもユーザの契約プランが選択されるため、ユーザの利便性が向上する。
【0017】
また、前記ユーザ情報には、選択されている前記契約プランについての契約プラン関連情報が含まれる、としてもよい。
【0018】
この開示によると、契約プラン関連情報として、例えば、契約プランにおけるサービスの使用料以外の、契約プランのサービス内容を示すデータを設定することにより、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0019】
また、前記サービスには、前記ユーザの生活に必要なインフラを提供する第1サービスと、前記ユーザの生活を向上させる第2サービスとが含まれる、としてもよい。
【0020】
この開示によると、サービスが、ユーザの生活に必要なインフラを提供する第1サービスおよびユーザの生活を向上させる第2サービスである場合に対応することができる。
【0021】
また、前記第1サービスは、電力、ガス、水道、通信回線および保険の少なくともいずれか1つを前記ユーザに提供するサービスであり、前記第2サービスは、銀行業務、ウェブショッピング、知識の教授および広告業務の少なくともいずれか1つを前記ユーザに提供するサービスである、としてもよい。
【0022】
この開示によると、第1サービスが、電力、ガス、水道、通信回線および保険の少なくともいずれか1つをユーザに提供するサービスであり、第2サービスが、銀行業務、ウェブショッピング、知識の教授および広告業務の少なくともいずれか1つをユーザに提供するサービスである場合に対応することができる。
【0023】
前記課題を解決するために、本開示の他の実施形態に係る契約プラン選択方法は、サーバ装置が、複数のサービスのそれぞれについて複数のサービス提供会社による複数の契約プランからユーザが契約プランを選択するために用いられる契約プラン選択基準を設定するステップと、前記ユーザに関する情報であるユーザ情報を前記複数のサービスのそれぞれに関連付けて記憶するステップと、前記記憶部に記憶された前記ユーザ情報の変更を受け付けるステップと、前記変更を受け付けた場合、前記記憶部において前記ユーザ情報と関連付けられた前記複数のサービスのそれぞれについて、前記変更後のユーザ情報および前記契約プラン選択基準に基づいて、前記複数のサービス提供会社による前記複数の契約プランから前記ユーザの前記契約プランを選択するステップとを備える。
【0024】
この開示によると、サーバ装置は、ユーザ情報の変更を受け付けた場合、変更後のユーザ情報および契約プラン選択基準に基づいて、複数のサービス提供会社による複数の契約プランからユーザの契約プランを選択する。これにより、転居など、ユーザに事情変更が生じた場合、変更受付部が事情変更後のユーザ情報を受け付けることで、複数のサービスについて、ユーザの契約プランが選択される。したがって、複数のサービスについて、ユーザの事情変更に伴う契約の見直しを容易にすることができる。
【0025】
また、本開示の他の実施形態に係る契約プラン選択プログラムは、コンピュータに上記契約プラン選択方法を実行させる。
【0026】
この開示によると、コンピュータに上記契約プラン選択方法を実行させることができる。
【発明の効果】
【0027】
本開示によると、複数のサービスについて、ユーザの事情変更に伴う契約の見直しを容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本実施形態に係る契約プラン選択システムの構成を示すブロック図。
図2】本実施形態に係る電気料金プラン管理サーバに格納されている電気料金プランDBの概念図。
図3】本実施形態に係るガス料金プラン管理サーバに格納されているガス料金プランDBの概念図。
図4】本実施形態に係る記憶部に格納されているユーザDBの概念図。
図5】本実施形態に係る契約プラン選択システムの動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0030】
本開示に係る契約プラン選択装置および契約プラン選択方法は、本実施形態に係る契約プラン選択システムとして実現されている。
【0031】
また、以下の実施形態では、ユーザは、小売電気事業者およびガス小売事業者(複数のサービス提供会社)と契約し、それぞれから電気およびガス(複数のサービス)を供給(提供)されている場合を例にして説明する。小売電気事業者およびガス小売事業者は、契約中の需要者の電力使用量およびガス使用量をそれぞれ測定(検針)し、ユーザに対して、所定期間(例えば、1ヶ月)ごとに電気料金およびガス料金をそれぞれ請求する。
【0032】
(実施形態)
図1は、本実施形態に係る契約プラン選択システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、本契約プラン選択システムは、サーバ装置1を備える。サーバ装置1は、通信ネットワークNを介して、携帯端末P、電気料金プラン管理サーバF1、小売電気事業者サーバR1、ガス料金プラン管理サーバF2およびガス小売事業者サーバR2と通信可能に構成されている。
【0033】
携帯端末P(入力受付部)は、スマートフォンなどの通信機器であり、電気料金プランおよびガス料金プランの変更を希望するユーザによって操作される端末である。携帯端末Pは、例えば、無線通信などにより、通信ネットワークNと接続されている。
【0034】
具体的に、携帯端末Pは、ユーザから契約プランの選択基準の入力を受け付ける。この契約プランの選択基準とは、ユーザが契約プラン(ここでは、電気料金プランおよびガス料金プラン)の見直し(契約プランの締結および解除)を行う場合、その基準となる事項を指す。ユーザは、携帯端末Pを操作することにより、例えば、料金が最安値となる契約プラン(最安値プラン)、ユーザの住所に近い小売電気事業者およびガス小売事業者を選択する契約プラン(地産地消プラン)、契約すると小売電気事業者およびガス小売事業者から商品などが付与される契約プラン(特典付与プラン)などに、契約プランの選択基準を設定することが可能である。
【0035】
また、携帯端末Pは、ユーザからユーザに関する情報であるユーザ情報の変更を受け付ける。詳しくは後述するが、サーバ装置1の記憶部12には、予めユーザ情報が格納されている。このユーザ情報は、例えば、ユーザの属性情報を示すものである。ユーザの属性情報として、例えば、ユーザの住所、家族構成、生年月日、年齢、および、所有する機器などの情報が含まれる。ここで、機器には家電および電気設備が含まれる。機器の例としては、人物が建物にいるときに特に使用される家電、例えば空調機および照明器具等、人物が建物に不在のときに特に使用される家電、例えば監視カメラなどの防犯装置および掃除ロボット等、人物の在不在にかかわらず使用される家電、例えば冷蔵庫等、ならびに太陽光発電設備、オール電化設備、蓄電池、および電気自動車等の電気関連設備および車両等が挙げられる。
【0036】
電気料金プラン管理サーバF1は、小売電気事業者が提供している電気料金プランを管理するものである。
【0037】
電気料金プラン管理サーバF1には、図2に示すような電気料金プランDB(データベース)が構成されている。この電気料金プランDBには、各小売電気事業者から提供された電気料金プランが格納されており、小売電気事業者ごとに、電気料金プランに関するデータが関連付けられている。
【0038】
図2の例では、一の小売電気事業者が1つの電気料金プランを提供している。具体的に、図2では、小売電気事業者ごとに、電気料金プランにおける基本料金、昼間・夜間電気使用料金、買取料金、所在地、契約特典が関連付けられている。買取料金は、需要者が電力会社に対して、余剰電力を売電した場合の電力の買取料金を示すものである。契約特典は、ユーザが小売電気事業者と契約している場合、ユーザに付与される特典を示すものである。
【0039】
なお、図2では、一の小売電気事業者が1つの電気料金プランを提供しているが、一の小売電気事業者が複数の電気料金プランを提供してもよい。また、電気料金プランには、前述した項目(基本料金など)の以外の料金項目が含まれてもよい。
【0040】
電気料金プラン管理サーバF1は、例えば、複数の小売電気事業者サーバR1と通信ネットワークNを介して接続されており、各小売電気事業者サーバR1から電気料金プランの更新の通知を受けると、電気料金プランDBの更新を行う。なお、電気料金プラン管理サーバF1は、小売電気事業者が管理する端末からの入力に応じて、電気料金プランを更新してもよい。電気料金プラン管理サーバF1は、サーバ装置1の要求に応じて、電気料金プランDBに格納された電気料金プランに関する各種情報を提供する。
【0041】
小売電気事業者サーバR1は、小売電気事業者が管理するサーバである。なお、小売電気事業者サーバR1は、小売電気事業者が管理するPCなどの端末であってもよい。
【0042】
小売電気事業者サーバR1は、サーバ装置1から、変更情報を受信する。この変更情報には、ユーザの氏名、住所などの小売電気事業者を切り替える(契約の締結および解除)手続きを行う際に必要となる、ユーザに関する情報が含まれている。
【0043】
小売電気事業者サーバR1が変更情報を受信した場合、小売電気事業者は、小売電気事業者の切り替え(スイッチング)に必要となる手続きを行う。具体的に、スイッチング支援システム(図示省略)に対して、変更情報に含まれるユーザに関する情報を入力する。
【0044】
スイッチング支援システム(https://www.occto.or.jp/system/sw_system/)は、電力広域的運営推進機関によって運用されているものであり、ユーザが小売電気事業者の切り替え(スイッチング)を行う際の各種手続きの取り次ぎを行う。
【0045】
具体的に、ユーザが小売電気事業者の切り替えを行う場合、契約の締結を行う小売電気事業者は、ユーザが契約している小売電気事業者に対しては、ユーザとの契約を廃止する旨の通知を行い、一般送配電事業者に対しては、小売電気事業者を切り替える旨の通知を行う必要がある。スイッチング支援システムは、小売電気事業者同士の間、および、小売電気事業者と一般送配電事業者との間の取り次ぎを行う。小売電気事業者が、スイッチング支援システムに対して、変更情報に含まれる、ユーザに関する情報を入力することで、小売電気事業者の切り替えが行われる。
【0046】
ガス料金プラン管理サーバF2は、ガス小売事業者が提供しているガス料金プランを管理するものである。
【0047】
ガス料金プラン管理サーバF2には、図3に示すようなガス料金プランDB(データベース)が構成されている。このガス料金プランDBには、各ガス小売事業者から提供されたガス料金プランが格納されており、ガス小売事業者ごとに、ガス料金プランに関するデータが関連付けられている。
【0048】
図3の例では、一のガス電気事業者が1つのガス料金プランを提供している。具体的に、図3では、ガス小売事業者ごとに、ガス料金プランにおける基本料金、従量料金、所在地、契約特典が関連付けられている。契約特典は、ユーザがガス小売事業者と契約している場合、ユーザに付与される特典を示すものである。
【0049】
なお、図3では、一のガス小売事業者が1つのガス料金プランを提供しているが、一のガス小売事業者が複数のガス料金プランを提供してもよい。また、ガス料金プランには、前述した項目(基本料金など)の以外の料金項目が含まれてもよい。
【0050】
ガス料金プラン管理サーバF2は、例えば、複数のガス小売事業者サーバR2と通信ネットワークNを介して接続されており、各ガス小売事業者サーバR2からガス料金プランの更新の通知を受けると、ガス料金プランDBの更新を行う。なお、ガス料金プラン管理サーバF2は、ガス小売事業者が管理する端末からの入力に応じて、ガス料金プランを更新してもよい。
【0051】
また、ガス料金プラン管理サーバF2は、サーバ装置1の要求に応じて、ガス料金プランDBに格納されたガス料金プランに関する各種情報を提供する。
【0052】
ガス小売事業者サーバR2は、ガス小売事業者が管理するサーバである。なお、ガス小売事業者サーバR2は、ガス小売事業者が管理するPCなどの端末であってもよい。
【0053】
サーバ装置1は、ガス小売事業者サーバR2に、変更情報を送信する。この変更情報には、ユーザの氏名、住所などの変更事業者を切り替える手続きを行う際に必要となる、ユーザに関する情報が含まれている。ガス小売事業者は、ガス小売事業者サーバR2が受信した変更情報に基づいて、当該ユーザとの契約(契約の締結および解除)を行う。
【0054】
(サーバ装置1の構成について)
図1に示すように、サーバ装置1は、通信部11、記憶部12および制御部13を備える。
【0055】
通信部11は、例えば、電気回路などで構成され、通信ネットワークNを介して、携帯端末P、電気料金プラン管理サーバF1、小売電気事業者サーバR1、ガス料金プラン管理サーバF2およびガス小売事業者サーバR2と通信を行う。
【0056】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)およびSSD(Solid State Drive)等によって構成される記憶媒体である。記憶部12には、制御部13によって実行される各種プログラムが記憶されている。
【0057】
また、記憶部12には、本契約プラン選択システムを利用している各ユーザのユーザ情報を示すユーザDB(データベース)が格納されている。図4に示すように、ユーザDBには、例えば、各ユーザの住所、家族構成、生年月日、年齢、所有する機器、契約プランの選択基準、契約中の小売電気事業者、契約中のガス小売事業者などの情報などが格納されている。
【0058】
また、ユーザDBには、各ユーザの電気使用量およびガス使用量が格納されている。図示は省略するが、サーバ装置1は、各ユーザの建物に設けられた電気およびガスのスマートメータと通信可能に接続されており、これらのスマートメータから、各ユーザの電気使用量およびガス使用量を検出し、ユーザDBに格納する。なお、サーバ装置1は、ユーザの、携帯端末Pに対する入力によって、ユーザの電気使用量およびガス使用量を取得してもよい。また、サーバ装置1は、各ユーザの電気使用量およびガス使用量を管理するサーバから、ユーザの電気使用量およびガス使用量を取得してもよい。
【0059】
なお、サーバ装置1は、随時、電気料金プラン管理サーバF1およびガス料金プラン管理サーバF2と通信を行い、電気料金プランDBおよびガス料金プランDBに含まれる情報を取得し、記憶部12に格納している。すなわち、記憶部12には、各小売電気事業者が提供している料金プラン、および、各ガス小売事業者が提供している料金プランが格納されている。
【0060】
制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)および半導体メモリ等を含むマイクロコンピュータで構成される。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムなどを実行することにより、サーバ装置1の各部を制御する。
【0061】
また、制御部13は、契約プラン選択基準設定部131、変更受付部132および契約プラン選択部133を備える。
【0062】
契約プラン選択基準設定部131は、携帯端末Pがユーザから受け付けた料金プランの選択基準を、当該ユーザの料金プランの選択基準として設定する。なお、図4では、電気およびガスにおける料金プランの選択基準は、共通して設定されているが、サービスごと(電気およびガスごと)に料金プランの選択基準を設定できてもよい。
【0063】
変更受付部132は、携帯端末Pがユーザから受け付けたユーザ情報に基づいて、記憶部12のユーザDBに格納されたユーザ情報を変更する。
【0064】
契約プラン選択部133は、変更受付部132によってユーザ情報が変更された場合、ユーザが設定した契約プランの選択基準にしたがって、各小売電気事業者から提供されている電気料金プランの中から、ユーザに最適な電気料金プランの選択を行う。
【0065】
また、契約プラン選択部133は、変更受付部132によってユーザ情報が変更された場合、ユーザが設定した契約プランの選択基準にしたがって、各ガス電気事業者から提供されているガス料金プランの中から、ユーザに最適なガス料金プランの選択を行う。
【0066】
契約プラン選択部133は、電気料金プランおよびガス料金プランの選択を行うと、小売電気事業者サーバR1およびガス小売事業者サーバR2に変更情報を送信する。上述したように、変更情報には、ユーザが小売電気事業者およびガス小売事業者を切り替える際に必要となるユーザに関する情報(住所など)が含まれる。小売電気事業者およびガス小売事業者は、小売電気事業者サーバR1およびガス小売事業者サーバR2がそれぞれ受信した変更情報にしたがって、当該ユーザとの契約の変更(契約の締結および解除)を行う。
【0067】
本実施形態では、ユーザDBには、ユーザの属性情報として、ユーザの住所、家族構成、生年月日、年齢、所有する機器などの情報が格納されている。ユーザの属性情報として、ユーザが契約の見直しを考える契機となる事項を規定することにより、ユーザの事情変更があった場合、契約プラン選択部133は、ユーザの契約の見直しを自動的に行う。これにより、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0068】
(契約プラン選択システムの動作について)
図5は第1実施形態に係る契約プラン選択システムの動作を示すフローチャートである。具体的に、図4図1のサーバ装置1の動作を示す。
【0069】
携帯端末Pは、ユーザの操作に応じて、ユーザから契約プランの選択基準を受け付けると、サーバ装置1に当該選択基準を示す情報を送信する。サーバ装置1の契約プラン選択基準設定部131は、選択基準を示す情報を受信する(ステップS1)と、当該選択基準を示す情報をユーザDBに格納する(ステップS2)。
【0070】
携帯端末Pは、ユーザからユーザ情報の変更を受け付けると、当該変更を示す情報をサーバ装置1に送信する。サーバ装置1の変更受付部132は、当該変更を示す情報を受信する(ステップS3)と、当該情報をユーザDBに格納する(ステップS4)。
【0071】
契約プラン選択部133は、変更受付部132によってユーザ情報が変更された場合、ユーザが設定した契約プランの選択基準にしたがって、各小売電気事業者から提供されている電気料金プランの中から、ユーザに最適な電気料金プランの選択を行う(ステップS5)。
【0072】
契約プラン選択部133は、変更受付部132によってユーザ情報(ユーザDB)が変更された場合、ユーザが設定した契約プランの選択基準にしたがって、各ガス電気事業者から提供されているガス料金プランの中から、ユーザに最適なガス料金プランの選択を行う(ステップS6)。
【0073】
例えば、図4のユーザU003が、関西(兵庫県)から関東(東京)に転居したとする。この場合、ユーザDBにおけるユーザU003の住所が関東に変更される。図4では、ユーザU003は、関西が所在地の小売電気事業者C社およびガス小売事業者G社と契約しているが、転居に伴い、小売電気事業者C社およびガス小売事業者G社と契約できなくなり、新たに関東が所在地の小売電気事業者およびガス小売事業者と契約しなければならなくなったとする。
【0074】
この場合、契約プラン選択部133は、ステップS5において、ユーザDBにおける契約プランの選択基準(最安値プラン)および電気使用量を参照して、ユーザU003に最適な電気料金プランを選択する。例えば、契約プラン選択部133は、ユーザの電力使用量が多い場合には、小売電気事業者B社が提供している電気料金プランを選択し、ユーザの電力使用量が少ない場合には、小売電気事業者D社が提供している電気料金プランを選択する。
【0075】
また、契約プラン選択部133は、ステップS6において、ユーザDBにおける契約プランの選択基準(最安値プラン)およびガス使用量を参照して、ユーザU003に最適なガス料金プランを選択する。例えば、契約プラン選択部133は、ユーザのガス使用量が多い場合には、ガス小売事業者F社が提供しているガス料金プランを選択し、ユーザのガス使用量が少ない場合には、ガス小売事業者H社が提供しているガス料金プランを選択する。
【0076】
契約プラン選択部133は、電気料金プランおよびガス料金プランの選択を行うと、小売電気事業者サーバR1およびガス小売事業者サーバR2に変更情報を送信する(ステップS7)。ステップS7の後、小売電気事業者およびガス小売事業者は、小売電気事業者サーバR1およびガス小売事業者サーバR2がそれぞれ受信した変更情報にしたがって、当該ユーザとの契約の変更(契約の締結および解除)を行う。
【0077】
以上のように、本実施形態に係る契約プラン選択システムは、電気およびガス(複数のサービス)のそれぞれについて、複数の小売電気事業者および複数のガス小売事業者(複数のサービス提供会社)による複数の電気料金プランおよび複数のガス料金プラン(複数の契約プラン)からユーザが電気料金プランおよびガス料金プランを選択するために用いられる契約プラン選択基準を設定する契約プラン選択基準設定部131と、ユーザに関する情報であるユーザ情報を電気およびガスのそれぞれに関連付けて記憶する記憶部12と、記憶部12に記憶されたユーザ情報の変更を受け付ける変更受付部132と、ユーザ情報の変更を受け付けた場合、記憶部12においてユーザ情報と関連付けられた電気およびガスのそれぞれについて、変更後のユーザ情報および契約プラン選択基準に基づいて、小売電気事業者およびガス小売事業者による複数の電気料金プランおよび複数のガス料金プランからユーザの電気料金プランおよびガス料金プランを選択する契約プラン選択部133とを備える。
【0078】
契約プラン選択部は、変更受付部132がユーザ情報の変更を受け付けた場合、変更後のユーザ情報および契約プラン選択基準に基づいて、複数の小売電気事業者および複数のガス小売事業者による複数の電気料金プランおよび複数のガス料金プランからユーザの契約プランを選択する。これにより、転居などの事情変更が生じた場合、変更受付部が事情変更後のユーザ情報を受け付けることで、電気およびガスについて、ユーザの契約プランが選択される。したがって、電気およびガスなどの複数のサービスについて、ユーザの事情変更に伴う契約の見直しを容易にすることができる。
【0079】
また、本契約プラン選択システムは、ユーザからユーザ情報の入力を受け付ける携帯端末P(入力受付部)を備える。これにより、転居など、ユーザに事情変更が発生した場合に、ユーザからユーザ情報の変更を受け付けることができる。
【0080】
また、ユーザ情報には、ユーザの属性情報が含まれる。ユーザが契約の見直しを考える契機となる事項をユーザの属性情報として規定することにより、ユーザの事情変更があった場合、契約プラン選択部133がユーザの契約の見直しを自動的に行うため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0081】
(その他の実施形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施形態について説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用可能である。
【0082】
なお、上記実施形態では、契約プラン選択部133は、ユーザ情報におけるユーザの住所の変更に基づいて契約プランを選択する場合を例にして説明しているが、ユーザの住所以外の、ユーザ情報に含まれるユーザの属性情報(ユーザの家族構成、生年月日、年齢および所有する機器など)に基づいて、契約プランを選択してもよい。
【0083】
また、上記実施形態では、複数のサービスが、電気およびガスの場合を例にして説明しているが、複数のサービスはこれらに限られない。例えば、複数のサービスには、ユーザの生活に必要なインフラを提供する第1サービス、および、ユーザの生活を向上させる第2サービスの中から2以上のサービスが含まれてもよい。第1サービスとしては、例えば、電力、ガス、水道、通信回線および保険などが挙げられる。また、第2サービスとしては、例えば、銀行業務、ウェブショッピング、教育などの知識の教授、および広告業務などが挙げられる。この場合、本契約プラン選択システムに、各サービス提供会社が提供する契約プランを管理する契約プラン管理サーバと、各サービス提供会社が管理するサーバとが、適宜備えられる。
【0084】
また、上記実施形態では、契約プランの選択基準の例として、最安値プラン、地産地消プラン、特典付与プランなどを挙げたが、これ以外を契約プランの選択基準としてもよい。例えば、契約プランの選択基準には、各契約プランにキャンペーン割引の有無を考慮した最安値プランが含まれてもよい。当該契約プランの選択基準の場合、キャンペーン割引の有無を考慮しない場合の最安値プランと比較して、キャンペーン割引が適用されてさらに価格が安くなった最安値プランが選択されてよい。また、契約プランの選択基準には、社会課題貢献プランが含まれてもよい。当該契約プランの選択基準の場合、例えば気候変動対策において最も温室効果ガスの排出量の削減またはオフセット事業への投資などができる契約プランが選択されてよい。さらに、契約プランの選択基準には、上述の契約プランの選択基準の2以上を組み合わせたものであってもよい。例えば、地産地消プランおよび最安値プランをこの順で優先して組み合わせた契約プランの選択基準の場合、住所に応じた地産地消プランのうち、最も安値のプランを選択することができる。
【0085】
また、上記実施形態では、契約プラン選択部133は、変更受付部132によってユーザ情報が変更された場合、ユーザが設定した契約プランの選択基準にしたがって各契約プランから選択を行うが、あらかじめ定められたユーザ情報が変更された場合に複数のサービスのうち所定のサービスについて契約プランの選択を行う、としてもよい。これにより、例えば電気使用量が一定の閾値を超えた場合、当該電気使用量をユーザ情報の変更として受け付け、複数のサービスのうち電気についてのみ電気料金プランの選択を行うことができ、複数のサービスのすべての選択を行わないことで計算コストを低減させることができる。
【0086】
以下、ユーザ情報が変更された場合の実施例(1)~(3)について説明する。
【0087】
(1)ユーザ情報における住所が変更された場合
ユーザ情報における住所が変更された場合、ユーザは、契約プランの選択基準として、料金が最安値となる契約プラン(最安値プラン)を選択可能である。また、ユーザは、サービス提供会社が、電力、ガス、水道、通信回線などの少なくともいずれか1つのサービスを提供する事業者である場合、ユーザの住所に近い事業者を選択する契約プラン(地産地消プラン)を選択可能である。また、ユーザは、サービス提供会社が、保険および第2サービスなどの少なくとも1つのサービスを提供する事業者である場合、契約すると、ユーザの住所付近のエリアにおける特有の商品が付与される契約プランを選択可能である。
【0088】
(2)ユーザ情報における家族構成、年齢が変更された場合
ユーザ情報における家族構成が変更された場合、ユーザは、契約プランの選択基準として、料金が最安値となる契約プラン(最安値プラン)や、家族構成によって料金の割引率などが定められている契約プラン(家族応援プラン)などを選択可能である。また、ユーザは、サービス提供会社が、保険および第2サービスなどを提供する事業者である場合、契約すると、ユーザの家族構成によって特有の商品が付与される契約プランを選択可能である。
【0089】
また、サーバ装置1は、ユーザ情報に含まれる生年月日を参照して、ユーザの年齢を自動的に変更してもよい。この場合、ユーザは、サービス提供会社が、保険および第2サービスなどを提供する事業者である場合、ユーザのライフステージ(幼稚園、小中高校・大学、成人、シニアなど)に合わせて料金の割引率などが定められている契約プランや、ライフステージ特有の契約プランを優先する契約プランなどを、契約プランの選択基準として選択可能である。
【0090】
なお、(2)の場合、ユーザ自身に加えて、ユーザの家族の構成員ごとに、生年月日や年齢をユーザDBに格納しておき、ユーザ情報における年齢が変更された場合、契約プラン選択部133は、契約プランを選択してもよい。
【0091】
(3)ユーザ情報における所有する機器に関する情報(機器情報)が変更された場合
ユーザ情報における機器情報が変更された場合、ユーザは、所有する機器の電気料金やガス料金、通信料金などが最安値となる契約プラン(最安値プラン)を選択することができる。また、ユーザは、所有する機器の電気使用量やガス使用量などの消費が抑えられる契約プラン(エコプラン)を選択可能である。さらに、ユーザは、所有する機器の発電および蓄電機能の少なくとも1つによる電気料金の変動を考慮して電気料金が最安値となる契約プランを選択することができる。
【0092】
また、サーバ装置1は、ユーザのサービスごとのサービス使用量を検出する検出部をさらに備えてもよい。上記実施形態において、この検出部は、ユーザDBから電気使用量およびガス使用量を随時検出する。この場合、変更受付部132は、検出部が検出したサービス使用量(ここでは、電気使用量およびガス使用量)に基づいて、ユーザの情報を変更してもよい。例えば、変更受付部132は、電気使用量またはガス使用量が所定の閾値を超えた場合、ユーザの家族構成が変化したと推定して、記憶部12のユーザ情報(ユーザの属性情報)を変更する。または、ユーザ情報は、サービス使用量(ここでは、電気使用量およびガス使用量)を含んでよい。この場合、例えば変更受付部132は、電気使用量またはガス使用量が所定の閾値を超えた場合、当該電気使用量またはガス使用量を新たなユーザ情報として記憶部12のユーザ情報を変更する。ここで、変更受付部132は、検出部が検出したサービス使用量があらかじめ定められた期間連続で所定の閾値を超えた場合、直近のサービス使用量に基づいてユーザの情報を変更してもよい。これにより、契約プラン選択部133が変更後のユーザ情報および契約プラン選択基準に基づいて、ユーザの契約プランを選択するため、ユーザ情報の入力だけではなく、サービスの使用量の変化によってもユーザの契約プランが選択される。したがって、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0093】
また、ユーザ情報には、選択されている契約プランについての契約プラン関連情報が含まれてもよい。この契約プラン関連情報は、例えば、他のサービスと合わせて契約した場合の割引率や、契約時の保証内容など、契約プランにおけるサービス使用料以外の、契約プランのサービス内容を示すデータである。例えば、サービス提供会社が電気とガスとを提供しており、電気とガスとをセットで契約すると割引される場合、契約プラン選択部133は、この割引を考慮して、契約プランの選択を行う。また、サービス提供会社が保険を提供している場合、契約プランの保証内容が充実しているもの(例えば、賠償金額が高く設定されているなど)を優先的に選択してもよい。
【0094】
なお、上記実施形態において、契約プラン選択部133は、ユーザの契約プランを選択した場合、契約プランの契約の締結および解除を、各サービス提供会社に自動的に通知(変更情報を送信)しているが、これに限られない。例えば、契約プラン選択部133は、選択した契約プランを、ユーザ(携帯端末P)に通知し、ユーザの合意を得た上で、各サービス提供会社に自動的に通知してもよい。この場合、契約プラン選択部133は、複数の契約プランを選択して、ユーザに契約を締結する契約プランを選択させてもよい。
【0095】
また、サーバ装置1、携帯端末P、電気料金プラン管理サーバF1、小売電気事業者サーバR1、ガス料金プラン管理サーバF2およびガス小売事業者サーバR2は、それぞれが複数の装置であってもよいし、1台であってもよい。サーバ装置1の各機能に対して1つのサーバ装置が設けられてもよい。
【0096】
本実施形態に係る契約プラン選択システムを、クレジットカード決済システムや口座振替システムなどと連携させてもよい。この場合、例えば、携帯端末Pによって、ユーザのクレジットカードの番号や口座番号などの決済情報を受け付けて、クレジットカード決済システムや口座振替システムに決済情報の登録をおこなってもよい。これにより、契約プラン選択システムによって、ユーザの決済情報の管理を行うことができる。
【0097】
また、本実施形態に係る契約プラン選択システムのサーバ装置1に、クレジットカードを撮影した画像から、クレジットカードに関する情報を検出できる機能を備えてもよい。例えば、サーバ装置1を携帯端末Pと、クレジットカードの決済システムとに通信可能に構成する。サーバ装置1は、ユーザの通信端末から、ユーザのクレジットカードの画像を受信し、受信した当該画像から、例えば、OCR(Optical character recognition)などの文字読取技術により、ユーザのクレジットカードの番号などの情報を読み取り、クレジットカードの決済システムに当該情報を通知してもよい。これにより、決済情報の入力を行う手間を省くことができる。
【0098】
なお、上記実施形態では、記憶部12に構成されたユーザDBに、ユーザの住所および電力使用量などのユーザ情報が格納されているが、サーバ装置1の外部に設けられたサーバなどにユーザ情報を格納してもよい。また、例えば、ブロックチェーンなどの分散型台帳技術を用いて、複数の記憶装置によって、ユーザ情報を管理してもよい。この場合、複数の記憶装置はサーバ装置1、携帯端末P、電気料金プラン管理サーバF1、小売電気事業者サーバR1、ガス料金プラン管理サーバF2、ガス小売事業者サーバR2および他の端末装置のそれぞれに含まれてもよい。例えば、1の端末が、スマートコントラクトに従ってトランザクションを生成した場合、他の端末が、コンセンサスアルゴリズムに従って合意を行うと、当該トランザクションがブロックチェーン(分散型台帳)に記録される。これにより、情報の改ざん防止や、情報のトレーサビリティを確保することができる。
【0099】
また、サーバ装置1、携帯端末P、電気料金プラン管理サーバF1、小売電気事業者サーバR1、ガス料金プラン管理サーバF2、ガス事業者サーバR2には、それぞれ、上記実施形態に係る機能を実現するための契約プラン選択プログラムがインストールされている。サーバ装置1、携帯端末P、電気料金プラン管理サーバF1、小売電気事業者サーバR1、ガス料金プラン管理サーバF2、ガス事業者サーバR2は、インストールされた契約プラン選択プログラムを実行することにより、上記実施形態に係る各種機能を実現する。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本実施形態に係る契約プラン選択システムは、複数のサービスについて、ユーザの事情変更に伴う契約の見直しを容易にすることができるため、有用である。
【符号の説明】
【0101】
1 サーバ装置
12 記憶部
13 制御部
131 契約プラン選択基準設定部
132 変更受付部
133 契約プラン選択部
C 顧客情報管理サーバ
F1 電気料金プラン管理サーバ
F2 ガス料金プラン管理サーバ
R1 小売電気事業者サーバ
R2 ガス小売事業者サーバ
P 携帯端末
図1
図2
図3
図4
図5