(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023059514
(43)【公開日】2023-04-27
(54)【発明の名称】遊技場用景品交換システム及び遊技場用景品交換装置
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20230420BHJP
【FI】
A63F7/02 329
A63F7/02 328
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021169574
(22)【出願日】2021-10-15
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】端地 大樹
(72)【発明者】
【氏名】赤阪 竜
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BC80
2C088CA02
2C088CA28
2C088CA35
(57)【要約】
【課題】従業員の練習操作が可能な景品交換装置における誤操作を抑制可能とする。
【解決手段】POSにおける練習モード中に、通常記録媒体としてのカード或いはレシートが読取られた場合に景品交換処理を制限するため、練習モードから通常モードへの切替えを失念する等して練習モードで営業してしまうといった誤操作を抑制することができる。
【選択図】
図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
営業中に景品交換処理を行うための通常操作を可能にする通常モードと、従業員による景品交換処理の練習操作を可能にする練習モードとに切替え可能な遊技場用景品交換システムにおいて、
遊技者が遊技の結果により獲得した遊技媒体の数を計数可能な計数手段と、
前記計数手段により計数された前記遊技媒体の数を対応付けた通常記録媒体を発行する通常発行手段と、
前記練習モードにおいて仮想の遊技媒体の数を対応付けた練習用記録媒体を発行する練習用発行手段と、
前記通常記録媒体及び前記練習用記録媒体を読取る記録媒体読取手段と、
前記記録媒体読取手段により前記通常記録媒体及び前記練習用記録媒体を読取ることで前記景品交換処理を実行可能な景品交換処理実行手段と、
前記景品交換処理実行手段により実行された前記景品交換処理に関する情報を記憶する記憶手段と、
前記通常モードと前記練習モードとの何れであるか判定するモード判定手段と、
前記記録媒体読取手段により読取られた記録媒体が、前記通常記録媒体及び前記練習用記録媒体の何れであるか判定する記録媒体判定手段と、
を備え、
前記景品交換処理実行手段は、前記モード判定手段により前記練習モードと判定され、前記記録媒体判定手段により前記練習用記録媒体であると判定された場合は前記練習操作による前記景品交換処理を実行する一方、前記通常記録媒体であると判定された場合は前記景品交換処理を制限する遊技場用景品交換システム。
【請求項2】
前記景品交換処理実行手段は、前記モード判定手段により前記通常モードと判定され、前記記録媒体判定手段により前記通常記録媒体であると判定された場合は前記景品交換処理を実行する一方、前記練習用記録媒体であると判定された場合は前記景品交換処理を制限する請求項1に記載の遊技場用システム。
【請求項3】
前記モード判定手段により前記通常モードと判定され、前記記録媒体判定手段により前記練習用記録媒体であると判定された場合に、当該練習用記録媒体に対応付けられている前記仮想の遊技媒体の数を削除する記録媒体数削除手段を備えた請求項1または2に記載の遊技場用システム。
【請求項4】
前記記憶手段は、前記モード判定手段により前記練習モードと判定された場合は、当該練習モードであることを識別可能に前記景品交換処理に関する情報を記憶する請求項1から3の何れか一項に記載の遊技場用システム。
【請求項5】
前記モード判定手段により前記練習モードと判定され、前記記録媒体判定手段により前記通常記録媒体であると判定された場合に従業員に対して報知を行う報知手段を備えた請求項1から4のいずれか一項に記載の遊技場用システム。
【請求項6】
営業中に景品交換処理を行うための通常操作を可能にする通常モードと、従業員による景品交換処理の練習操作を可能にする練習モードとに切替え可能な遊技場用景品交換装置において、
前記練習モードにおいて仮想の遊技媒体の数を対応付けた練習用記録媒体を発行する練習用発行手段と、
遊技者の遊技の結果により得られる遊技媒体の数を対応付けた通常記録媒体及び前記練習用記録媒体を読取る記録媒体読取手段と、
前記記録媒体読取手段により前記通常記録媒体及び前記練習用記録媒体を読取ることで前記景品交換処理を実行可能な景品交換処理実行手段と、
前記景品交換処理実行手段により実行された前記景品交換処理に関する情報を記憶する記憶手段と、
前記通常モードと前記練習モードとの何れであるか判定するモード判定手段と、
前記記録媒体読取手段により読取られた記録媒体が、前記通常記録媒体及び前記練習用記録媒体の何れであるか判定する記録媒体判定手段と、
を備え、
前記景品交換処理実行手段は、前記モード判定手段により前記練習モードと判定され、前記記録媒体判定手段により前記練習用記録媒体であると判定された場合は前記練習操作による前記景品交換処理を実行する一方、前記通常記録媒体であると判定された場合は前記景品交換処理を制限する遊技場用景品交換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場用景品交換システム及び遊技場用景品交換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、遊技場における景品交換カウンタには、所謂POS(景品交換装置)が設置されており、従業員によりPOSを用いた景品交換処理が行われている。この種のPOSでは、従業員が景品交換処理に慣れるために、練習用のモードを搭載することが考えられている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記構成のPOSでは、実践的な練習を当該POSにて行うことができる反面、営業中に練習用のモードのまま実際の景品交換処理を行ってしまう虞がある。
即ち、POSにおいて計上の対象となるのは、営業中に遊技者が持参したICカード等の記録媒体であり、その記録媒体には、実際に獲得された玉やメダルの計数値を含む情報が記録されている。それ故、従業員が不用意に練習用のモードのまま誤って遊技者の記録媒体を読取る操作をしてしまうと、その景品交換履歴が蓄積されず(当該履歴が残らず)、その誤操作の検証や計数値等の特定も困難となる。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、従業員の練習操作が可能な景品交換装置における誤操作を抑制可能な遊技場用景品交換システム及び遊技場用景品交換装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、営業中に景品交換処理を行うための通常操作を可能にする通常モードと、従業員による景品交換処理の練習操作を可能にする練習モードとに切替え可能な遊技場用景品交換システムにおいて、
遊技者が遊技の結果により獲得した遊技媒体の数(例えば計数玉数)を計数可能な計数手段(例えば計数部を有する計数貸出ユニット2や島端計数装置8)と、前記計数手段により計数された前記遊技媒体の数を対応付けた通常記録媒体(例えばカード10A,10B或いはレシート11)を発行する通常発行手段(例えばカードRWを有する計数貸出ユニット2や、発行部8cを有する島端計数装置8)と、前記練習モードにおいて仮想の遊技媒体の数を対応付けた練習用記録媒体(例えばカード10A´,10B´或いはレシート11´)を発行する練習用発行手段(例えばカードRW35やプリンタ36を有するPOS6)と、前記通常記録媒体及び前記練習用記録媒体を読取る記録媒体読取手段(例えばカードRW35やスキャナ34を有するPOS6)と、前記記録媒体読取手段により前記通常記録媒体及び前記練習用記録媒体を読取ることで前記景品交換処理を実行可能な景品交換処理実行手段(例えばPOS6の制御部37)と、前記景品交換処理実行手段により実行された前記景品交換処理に関する情報を記憶する記憶手段(例えば記憶部37m,5c)と、前記通常モードと前記練習モードとの何れであるか判定するモード判定手段(例えば制御部37)と、前記記録媒体読取手段により読取られた記録媒体が、前記通常記録媒体及び前記練習用記録媒体の何れであるか判定する記録媒体判定手段(例えば制御部37)と、を備え、
前記景品交換処理実行手段は、前記モード判定手段により前記練習モードと判定され(例えば
図15のS10)、前記記録媒体判定手段により前記練習用記録媒体であると判定された場合は前記練習操作による前記景品交換処理を実行する(例えばS15,S16)一方、前記通常記録媒体であると判定された場合は前記景品交換処理を制限する(例えばS12,S13)。
【0007】
請求項1の発明によれば、練習モード中に通常記録媒体が読取られた場合に景品交換処理を制限するため、練習モードから通常モードへの切替えを失念する等して営業中に練習モードのまま通常の景品交換の処理をしてしまうといった誤操作を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態における遊技場用景品交換システムを概略的に示す全体構成図
【
図5】POSの従業員側モニタにおける待機画面を示す図
【
図7】練習モードに切替えるときの確認画面を示す図
【
図9】練習用記録媒体作成時のカードの読取り画面を示す図
【
図10】練習用記録媒体作成時の種別の選択画面を示す図
【
図11】練習用記録媒体作成時の遊技媒体数の入力画面を示す図
【
図12】通常記録媒体及び練習用記録媒体の一例としてレシートを示す図
【
図13】従業員側モニタにおけるポップアップ表示の一例を示す図
【
図14】景品交換処理に伴いPOSや管理装置で記憶される情報の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示す遊技場用景品交換システムにおいて、同遊技場内には複数の遊技機1が設置されており、それら遊技機1各々と1対1で対応して、計数貸出ユニット2及び情報表示装置3が付設されている。
遊技機1、計数貸出ユニット2及び情報表示装置3は、2台ずつ中継装置4に接続され、中継装置4は、LANを介して管理装置5と接続されている。中継装置4は、遊技機1の稼動状況や計数貸出ユニット2及び情報表示装置3の情報を収集する。管理装置5は、こうした遊技機1、計数貸出ユニット2等の遊技機側の機器から送信される情報(信号)を受信することにより、遊技機1毎の遊技情報や会員登録された会員遊技者毎の個人データ等を管理する。
【0010】
なお、
図1の情報表示装置3は、遊技機1の稼動に応じた遊技情報遊技場からのお知らせ等を表示するデータ表示部3a、図示しない周知の呼出釦等を備える。また、
図1の「パチンコ島」は、前記遊技機側の機器が設置される遊技機島を示しており、遊技場内には例えば、遊技媒体の貸出単価(玉の貸単価)が4円の遊技機島と1円の遊技機島とを含む複数の遊技機島が形成されるものとする。
【0011】
遊技場内には、POS6、精算装置7、及び島端計数装置8も設置されており、これらの装置6~8もLANを介して管理装置5と接続されている。
POS6は、遊技者が遊技価値を景品と交換するための景品交換コーナー(景品交換カウンタ)に複数台設置されている。POS6は、
図4に示す一般カード10Aや会員カード10BといったICカード10或いはレシート11(
図12参照)の処理等を行うための付属装置9を備えている。
【0012】
詳しくは後述するように、POS6は、ICカード10やレシート11に記録されている情報を付属装置9にて読取ることで、特定される遊技価値(計数玉数・貯玉数(会員の場合))に基づき景品交換処理を実行する。即ちPOS6は、景品交換処理において、当該遊技価値(遊技媒体の数)をICカード10やレシート11から読取ったり、景品交換を希望する会員を特定することで当該会員としての遊技者が遊技場へ預入れた貯蓄価値(貯玉等)を管理装置5からオンラインで取得することで景品交換可能な遊技価値を特定したりする。
なお、POS6は、管理装置5に対して出力する場合、景品交換カウンタにおける複数台のPOS6のうちの何れの装置から出力された信号であるかを識別可能なPOSNo.(装置ID)を付加する。
【0013】
精算装置7は、ICカード10が挿入されるカード挿入口7a、その挿入されたカード10に記録されている入金残高を読取るカードRW(カードリーダライタ、図示略)を備えており、その読取った入金残高(貨幣価値、以下「残高」と略す)を紙幣や硬貨といった現金で返却口7bから払い戻す返却処理を実行する。
【0014】
島端計数装置8は、遊技機1で遊技者が遊技の結果により獲得したパチンコ玉(獲得玉)を計数可能な計数手段であり、遊技場内の複数箇所(例えば遊技機島の島端)に設置されている。遊技者の獲得玉は玉箱に収納した上で、遊技機1から遊技機島の島端まで運んで島端計数装置8を用いて計数する必要があり、その計数に係る作業は従業員により行われる。
図1に示すように、島端計数装置8は、獲得玉用の投入部8a、計数情報等の各種情報を表示する表示機能及び操作入力の受付機能を有するタッチパネル式の液晶表示部8b、レシート11を発行するためのレシート発行部8c、カードRW(同図で挿入口8dのみ図示)等を備える。
【0015】
島端計数装置8は、投入部8aへ獲得玉が投入されると、自装置8の計数部(図示略)で当該獲得玉の計数処理を行う。また、島端計数装置8は、計数処理を終了したときに、例えば会員カード10BがカードRWの挿入口8dに挿入されていれば、その獲得玉の計数値(計数玉数)を貯玉預入数(当日貯玉数)として、当該会員IDと対応付けた当該貯玉数を含む情報を管理装置5へ送信するとともに、会員カード10Bを挿入口8d外側へ繰出して発行する(発行処理)。
一方、島端計数装置8は、計数処理を終了したときに、会員カード10BがカードRWの挿入口8dに挿入されていなければ、計数玉数を特定する2次元コードを記録した(対応付けた)レシート11を発行部8cから発行する発行処理を行う。
【0016】
また、島端計数装置8は計数処理を終了したときに、例えば一般カード10AがカードRWの挿入口8dに挿入されていれば、或いは自装置8に搭載されたカードストック部(図示略)のカード10AをカードRW側に繰出すことにより、計数玉数を記録した一般カード10Aを挿入口8d外側へ繰出して発行することが可能である。
こうして、島端計数装置8(通常発行手段)は、計数部で計数された計数玉数(遊技媒体の数)を対応付けたICカード10やレシート11をレシート発行部8cから発行する。
【0017】
ここで、ICカード10及びレシート11について説明しておく。
図4に示すように、ICカード10は、一般カード10Aと会員カード10Bの何れもICチップが内蔵され、少なくとも遊技媒体の数を特定可能に対応付けた通常記録媒体(以下「カード10A,10B」とも称する)である。
一般カード10Aは、当日限り有効なカードとして不特定多数の遊技者に対し発行され、当該カード10AのICチップ10aには、一般ID(Identification)が記録されるとともに、前記残高や計数玉数(当日中に獲得された遊技者の獲得玉の計数値)を特定可能な情報が貸単価毎に記録される。
【0018】
一方、会員カード10Bは、予め設定されている有効期限(例えば3年間)まで有効なカードであり、予め会員登録した遊技者に対し発行される。会員カード10Bに対応付けられる貯玉数(当日貯玉数及び前日貯玉数)は、管理装置5の会員口座に貸単価毎に記憶される一方、当該カード10BのICチップ10bには、前記残高が記録されるとともに、前記会員口座の遊技価値を特定可能な、当該会員の会員IDが記録されている。
【0019】
レシート11は、
図12中、上側に示す紙片で形成されており、その紙片に計数玉数に関する情報を付与する(対応付ける)2次元コード11d等が印字された通常記録媒体である。同図に示すように、レシート11には、パチンコホール名11a、計数時刻(発行時刻)11b、計数玉数11c、それら計数玉数を含む情報をPOS6で読取らせるための2次元コード11d(バーコードでもよい)、当該レシート11の景品交換が当日のみ有効という注意を促すメッセージ11eが印刷されている。
なお、カード10A,10Bやレシート11に対応付けられる「計数玉数に関する情報」は、後述する
図14の「総玉数」と「4P」の如く、遊技媒体の数と当該遊技媒体の種別(パチンコ玉とメダルとの別、及び貸単価)を含むものとする。
【0020】
図1に示す管理装置5は、遊技場内の例えば事務室等に設置されており、図示しないCPUや記憶部を含む制御部、送受信部、キーボード5aやマウス等の入力部、モニタ5bやプリンタ等の出力部を備えている。
管理装置5は、遊技機側の機器や各種装置6~8等の稼動状況を管理するようになっており、例えばPOS6により実行された前記景品交換処理に関する情報を、自装置5の記憶部5c(
図4にのみ図示)に記憶し蓄積する。
【0021】
続いて、遊技機側の機器としての遊技機1及び計数貸出ユニット2について説明する。なお、遊技機島(パチンココーナー)には、島端計数装置8の有無に対応して、所謂各台計数機能を有する計数貸出ユニット2が付設されたコーナーと、各台計数機能の無い計数貸出ユニット2が付設されたコーナーとが存在するが、各台計数機能を有する計数貸出ユニット2を中心に説明する。
【0022】
図1に示す遊技機1はCRパチンコ機であり、盤面1aに玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル12、上部受皿13、下部受皿14を有するとともに、盤面1aに、液晶表示部15、始動口16、大入賞口17を有する。遊技者が操作ハンドル12を操作すると、玉が盤面1aに発射され、そのパチンコ玉が始動口16に入賞すると、当該入賞に応じた玉数のパチンコ玉を払い出したり、大当たり抽選を行う。大当たり抽選では、液晶表示部15にて所謂特別図柄による図柄変動を実行し、停止表示された図柄が大当たり図柄の場合に大当たりが発生する。大当たりが発生すると、例えば15ラウンド分だけ大入賞口17を開放する。
【0023】
前記遊技機側の機器からは、遊技者による玉の打ち込みや始動口16への始動入賞等の遊技の進行に応じて、遊技機1に投入された遊技媒体の数を示すアウト玉数を特定可能なアウト信号、遊技機1から入賞により払い出された遊技媒体の数を示すセーフ玉数を特定可能なセーフ信号、遊技機1で発生した大当たり状態等を特定可能な状態信号等の各種の遊技信号を送信する。
【0024】
また、
図1に示す計数貸出ユニット2は、現在の運用状態を示す状態表示部22、紙幣が投入される紙幣投入口23、遊技者からの操作入力を受け付けるとともに、残高、計数玉数及び貯玉数の情報等の各種データを表示するタッチパネル式の液晶表示部24、1単位分(500円相当)の玉を払い出すための払出釦25、払い出された玉が通過する払出ノズル26、一般カード10A或いは会員カード10Bが挿入されるカード挿入口27、遊技機1の下部受皿14に着脱可能に連接された計数受皿28等を有する。
【0025】
なお、計数貸出ユニット2は、遊技機1に設けられている貸出釦1b及び返却釦1cの操作を検知可能となっている。また、図示は省略するが、計数貸出ユニット2の内部には、例えば最大10枚の一般カード10Aをストック可能なカードストック部や、各カード10A,10Bに記録されている各種の情報を読取ったり書き込んだりするカードRW、計数受皿28から流入する玉を計数する計数部等が設けられている。
【0026】
計数貸出ユニット2は、以下に示す機能を備えている。
(1)紙幣が紙幣投入口23に投入されると、その投入された紙幣の金額(1000円単位)を記憶するとともに、投入金額(残高)を液晶表示部24に表示する。
(2)遊技機1の貸出釦1bが操作されると、その貸出釦1bの操作に応じて残高の範囲内で1度数(500円)に相当する玉数の玉を遊技機1内部の払出機構から貸し出す貸出処理を行う。4円パチンコ島に設置されている計数貸出ユニット2であれば125玉を払い出し、1円パチンコ島に設置されている計数貸出ユニット2であれば500玉を払い出す。このとき、遊技機1から計数貸出ユニット2に1度数分の玉を払い出したことを示す信号が送信されるので、液晶表示部24に表示されている残高から1度数(500円)を減額するとともに、貸し出した玉数を示す貸出玉数を特定可能な売上信号を送信する。この売上信号は1度数分の玉を払い出す毎に1パルスが送信されるので、1パルスを500円分の売上額として特定する。
【0027】
(3)遊技機1の下部受皿14から落下した玉が計数受皿28で受けられると、その計数受皿28で受けられた玉が前記計数部に流入することで遊技媒体である玉を計数する計数処理を行い、その計数玉数を液晶表示部24に表示する。
(4)払出釦25が操作されると、その払出釦25の操作に応じて計数玉数又は貯玉数の範囲内で1度数(500円)に相当する玉数の玉を遊技機1内部の払出機構から払い出す。
【0028】
(5)遊技機1の返却釦1cが操作されると、その返却釦1cの操作に応じて残高や計数玉数に関する情報を一般カード10Aに記録し、又は残高を会員カード10Bに記録して発行する。それらカード10A,10Bの何れも挿入口27に挿入されていない場合は、前記カードストック部にストックしている一般カード10Aに、前記カードRWにより残高及び計数玉数に関する情報を記録して発行する。会員カード10Bが挿入口27に挿入されている場合は、残高を会員カード10Bに記録し、暗証番号の入力を条件として計数玉数に関する情報を管理装置5に送信して会員カード10Bを発行する。そして、一般カード10A又は会員カード10Bを発行すると、一般IDや会員IDとともに、当該カード10A,10Bに記録した情報(残高や計数玉数に関する情報)を特定可能な発行信号を管理装置5に送信することで、管理装置5側でも当該カード10A,10Bに記録した情報を記憶する。
【0029】
(6)一般カード10Aが挿入口27に挿入されると、一般カード10Aに記録されている残高及び計数玉数を前記カードRWにより読み出して液晶表示部24に表示する。一般カード10Aが受け付けられたときは、その一般カード10Aに記録されている残高及び計数玉数の範囲内で貸出・返却(発行)処理を行う。
(7)会員カード10Bが挿入口27に挿入されると、会員カード10Bに記録されている残高を前記カードRWにより読み出して液晶表示部24に表示するとともに、暗証番号の入力を条件として管理装置5の会員口座に記憶されている貯玉数(計数玉数)も表示する。会員カード10Bが受け付けられたときは、会員カード10Bに記録されている残高、並びに会員口座の計数玉数及び貯玉数の範囲内で貸出・返却(発行)処理を行う。
【0030】
なお、図示は省略するが、計数貸出ユニット2は、遊技者の顔を含む上半身を撮影する周知のカメラを備えており、その遊技者の顔画像の認証結果に応じて遊技媒体の貸出が可能とされている。
上記のように、計数貸出ユニット2は、遊技者が遊技の結果により獲得した遊技媒体の数を前記計数処理により計数可能な計数手段として機能し、又、当該計数された遊技媒体の数を対応付けた一般カード10Aや会員カード10Bを通常記録媒体として発行する通常発行手段として機能する。
【0031】
次に、POS6の構成について、
図2以降の図面も参照しながら詳述する。
ここで、
図2及び
図3は、POS6を従業員側及び遊技者側から見た外観斜視図を示している。同図に示すように、POS6は、モニタ31,32を有する本体部30、並びにこの本体部30とは別体の付属装置9及び遊技者用操作部39を備える。POS6は、本体部30と相互に背を向けた一対のモニタ31,32とが一体的に構成されており、モニタ31,32のうちの一方は、景品交換カウンタにおいて従業員の位置する方向D1を向くようにして配置される従業員側モニタ31とされている。
【0032】
従業員側モニタ31は、例えば液晶ディスプレイからなり、従業員向けの表示内容を表示する。従業員側モニタ31は、その前面にタッチパネル33を有し、従業員は、モニタ31を見ながら手指でタッチパネル33の操作(以下、タッチ操作と略す)を行うことが可能である。
【0033】
付属装置9は、従業員側から見て(
図2参照)POS6の左側の位置に従業員に向けて設置され、本体部30との通信が可能である。付属装置9は、
図4に示すスキャナ34、カードRW35、及びプリンタ36としての各機能を備えた1つの装置として構成されている。付属装置9は、
図2に示すように矩形ブロック状をなしており、その上面側には、従業者の手前側から順にスキャナ34の読取面34a、カード挿入口35a、プリンタ36の発行口36aが並ぶように配置されている。
付属装置9のカード挿入口35aは、カードRW35での読取対象となるカード10A,10B等の挿入が可能とされ、読取面34aは、スキャナ34で読取対象となるレシート11等をかざして読取らせるためのものである。プリンタ36は、その発行口36aから後述のレシート11´等を発行するようになっている。
【0034】
また、遊技者用操作部39は、遊技者側から見て(
図3参照)POS6の右側の位置に遊技者に向けて設置され、本体部30との通信が可能である。遊技者用操作部39には、その左右と後方の縁部にわたって立設された囲い部39aと、囲い部39aで囲われたテンキー39bとを備える。遊技者は、テンキー39bを操作することで、POS6にて暗証番号を入力することができる。
POS6における他方のモニタ32は、例えば景品交換カウンタにおいて、従業員側モニタ31と背中合わせの状態で、遊技者の位置する方向D2を向くように配置され、遊技者向けの表示内容を表示する。遊技者側モニタ32も例えば液晶ディスプレイで構成されている。
【0035】
図4は、POS6の機能ブロック図を示している。POS6の制御部37は、CPU37a、ROM37bやRAM37c等の記憶部37m、I/O37dを有するマイクロコンピュータを主体に構成されている。制御部37と接続された周辺部としては、上記した従業員側モニタ31、タッチパネル33及び遊技者側モニタ32の他、管理装置5等との間で各種の信号や各種の情報を送受信するI/F部38を含む。また、周辺部としては、付属装置9のスキャナ34、カードRW35及びプリンタ36、並びに遊技者用操作部39のテンキー39bを含む。
【0036】
POS6の制御部37は、カードRW35で受付けたカード10A,10Bやスキャナ34で受付けたレシート11を読取ることで景品交換処理を以下の手順で実行する。なお、景品交換処理を実行するにあたり、予め担当従業員の認証を行うものとする。これは、カード挿入口35aに挿入された従業員カード(図示略)のオペレータ情報をカードRW35で読取り、そのオペレータ情報(担当従業員のIDや名前等)と記憶部37mに予め記憶された全従業員IDテーブルとを照合することにより行われる。
【0037】
(a)カード挿入口35aに、従業員カードに代えて一般カード10A又は会員カード10Bが挿入されると、一般ID又は会員IDといったID情報を含むカード10A,10Bの情報(以下「カード情報」と称する)をカードRW35によって読取り、管理装置5へカード情報を送信して、ID情報に対応する計数玉数(当日貯玉数)の照合を要求(依頼)する。なお、一般カード10Aが挿入口35aに挿入されている場合、カードRW35で読取られるカード情報には計数玉数に関する情報も含まれる。
また、スキャナ34の読取面34aにレシート11が翳されると、そのレシート11の2次元コード11dの情報(以下「レシート情報」と称する)をスキャナ34によって読取り、管理装置5へレシート情報を送信して、対応する計数玉数の照合を要求する。
【0038】
(b)管理装置5から送信される照合結果に基づき、計数玉数に関する情報の取り扱いを有効とする場合、その計数玉数で交換可能な特殊景品数を貸単価毎に算出して、各モニタ31,32に計数玉数と特殊景品数とを夫々表示する一方、照合結果に基づき計数玉数に関する情報を有効としない場合、これを「エラー」として少なくとも従業員側モニタ31に表示させることで、担当従業員に当該カード10A,10B或いはレシート11の真偽確認を促す。
【0039】
(c)会員カード10Bで貯玉の景品交換を行う場合において、遊技者用操作部39のテンキー39bでの操作により暗証番号が入力されると、管理装置5へ該当する会員の貯玉数を要求し、その管理装置5から送信された貯玉数を表示する。この貯玉数の表示は、当日貯玉数と前日貯玉数とを合算した合算玉数を、各モニタ31,32に表示させることにより行う。
(d)景品の選択に関して、従業員側モニタ31(タッチパネル33)でのタッチ操作による操作入力に基づき係る景品の種類を特定し、或いはスキャナ34で景品の識別コード(例えばバーコード)の読取り操作による操作入力に基づき、遊技者が交換を希望する景品の種類を特定する。また、特定した景品に相当する玉数(景品価値)を特定する演算処理を行う。
【0040】
(e)交換する景品を確定し、その景品に相当する玉数を計数玉数(或いは合算玉数)から減算した結果を、残り計数玉数として算出する。POS6により当該景品が確定された後、担当従業員による景品の手渡しが行われる。また、カード10A,10Bに残り計数玉数又は残高がある場合には、その残り計数玉数又は残高をカードRW35によりカード10A,10Bに記録(会員カードの場合、残高のみ記録)する。その後、カード10A,10Bは、担当従業員により遊技者へ返却されることとなる。
【0041】
本実施形態の景品として、上記の特殊景品と一般景品とが設定されている。特殊景品には、特殊景品大(以下、「大」とも称する)、特殊景品中(以下、「中」とも称する)、特殊景品小(以下、「小」とも称する)の3種類が用意されている(後述の
図14参照)。各特殊景品の対応金額(遊技場外の替場にて買取られる金額)は例えば、特殊景品大が5000円、特殊景品中が1000円、特殊景品小が200円に夫々設定されている。一般景品は、例えば菓子類等の一般の景品(以下、単に景品と称する)であり、各種の景品が景品交換カウンタに用意されている。
【0042】
こうした特殊景品と一般景品の交換等に際し、POS6において景品交換処理を行うためにタッチパネル33やスキャナ34、カードRW35等を用いて営業中に行われる従業員の操作を通常操作と称する。通常操作は、上記(a)~(e)における従業員の操作の他、景品交換処理に付随して行われる操作も含み、係る一連の操作履歴は、景品交換処理に関する情報として管理装置5へ送信され、記憶される。
例えば、POS6において会員カード10Bが挿入口35aに挿入されている場合に、読取られた前記レシート情報(計数玉数)に基づいて、特殊景品への交換を行うことなく貯玉の預入操作が行われたケースでは、そのカード10Bの会員IDと対応付けた当該貯玉預入数が管理装置5へ送信される。この場合、管理装置5の記憶部5cには、特殊景品の交換数は零「0」として当該貯玉に関する情報が記憶される(後述する
図14の「貯玉:〇」、「大」~「小」の「0」の欄参照)。
【0043】
さて、本実施形態のPOS6(遊技場用景品交換装置)は、営業中に景品交換処理を行うための通常操作を可能にする通常モードと、従業員による景品交換処理の練習操作を可能にする練習モードとに切替え可能に構成されるとともに、練習モードにおいて仮想の遊技媒体の数を対応付けた練習用記録媒体の発行が可能である。
【0044】
また、POS6では、係る通常モードと練習モードとの設定に起因する誤操作等を抑制するために、練習モードにおいて、カードRW35或いはスキャナ34で読取られた記録媒体が練習用記録媒体であると判定された場合は練習操作による景品交換処理を実行する一方、通常記録媒体であると判定された場合は景品交換処理を制限する制御を行うようになっている。以下では、係る制御主体(景品交換処理実行手段)たる制御部37を単に「POS6」と称し、「1.通常モードと練習モード」「2.練習モード用記録媒体の発行と履歴の管理」「3.景品交換処理の流れ」について
図5~
図15も参照しながら説明する。なお、
図5~
図11は、POS6における従業員側モニタ31の画面を表すものとする。
【0045】
<1.通常モードと練習モード>
図5は、POS6の通常モードにおける待機画面50を示している。景品交換の担当従業員は、予め従業員カードをPOS6のカードRW35で読取らせておく。これにより、待機画面50の最上欄51には、「年月日(時刻)」の表示と併せて、「担当」従業員のID等(同図では「担当者4」)が従業員表示部51aに自動的に表示される。また、最上欄51には、「待機中」として通常モードでの待機画面であることを特定する表示部51bが設けられている。
【0046】
待機画面50には、通常記録媒体としてのカード10A,10B或いはレシート11から読取った計数玉数や合算玉数に係る合計値を表す「総数」、当該総数のうち特殊景品と交換が可能な遊技価値の大きさを表す「交換可能数」、当該総数から交換可能数を減算した「端数(総数-交換可能数)」を表示する欄52が設けられている。また、「大」「中」「小」の夫々の特殊景品の個数を表す欄53、並びに上記した景品に係る「景品名」「単価」「個数」を一種類ずつ表す欄54が設けられている。
【0047】
待機画面50における右側の欄55には、メニュー画面を表示させるための「メニュー」釦55a、テンキー55b、「貯玉」に関する釦を含む各種釦群が表示される。
POS6は、「メニュー」釦55aがタッチ操作されると、待機画面50から
図6のメニュー画面60に遷移し、同画面60の「開閉店」釦61aがタッチ操作されると、開閉店メニュー一覧62を表示する。
【0048】
即ち、
図6のメニュー画面60中、右側の欄61では、「開閉店」「在庫」「ICカード」「設定」「データ」「会員」「特殊操作」「メンテナンス情報」の各釦61a~61hが設けられており、その何れかの釦61a~61hのタッチ操作により、対応する内容を左側のメニュー一覧62で表示させることができる。
開閉店メニュー一覧62には、開閉店の際などに「開店」「締・記憶」「当日クリア」「練習開始」「データ再記憶」「シフト交代」の各処理を行うための釦62a~62fが設けられており、その何れかの釦62a~62fのタッチ操作により、対応する処理を行うことができる。
【0049】
例えば「練習開始」は、従業員がPOS6の操作に慣れていない場合、その景品交換処理に慣れるための練習操作を行うときに操作される釦62dである。つまり、従業員がPOS6での景品交換処理に不慣れであれば、景品交換処理に時間を要して客を待たせることになるから、従業員はPOS6の操作に慣れる必要がある。この「練習開始」に際して、同
図6の従業員表示部51aに例示するように「担当」マネージャー等と一緒に行うようにしてもよい。
【0050】
POS6は、「練習開始」釦62dがタッチ操作されると、メニュー画面60から
図7の確認画面70に遷移する。そして、確認画面70において「練習処理を開始します。よろしいですか?」とのメッセージとともに、「実行」釦71aと「キャンセル」釦71bを示す確認欄71を表示し、「実行」釦71aがタッチ操作されると、
図8の練習モード画面80に遷移して、通常モードから練習モードに切替える。
練習モード画面80では、その最上欄81に「練習中」として練習モード中であることを特定する表示部81bと、練習モードから通常モードに戻すときに操作される「練習終了」釦81cが設けられている。なお、POS6は、「練習終了」釦81cのタッチ操作に伴い、メニュー画面60或いは待機画面50に遷移して、練習モードから通常モードに切替える。
【0051】
練習モード画面80では、待機画面50と同様、「総数」「交換可能数」「端数」を表示する欄52と、「大」「中」「小」の夫々の特殊景品の個数を表す欄53と、「景品名」「単価」「個数」を表す欄54とが設けられており、練習モードにおいて、専用のレシート及びカードを用いた景品交換処理を練習することができる。
なお、
図8の練習モード画面80は、「メニュー(閉じる)」釦55aのタッチ操作により、そのメニュー欄が閉じられて
図5の待機画面50と同様のテンキー55bや「貯玉」に関する釦を含む各種釦群が表示されるようになっている。
【0052】
練習モード画面80では、確認画面70から遷移する際つまりは通常モードから練習モードに移行するときに、練習モード専用のレシートがプリンタ36の発行口36aから自動で発行される。このとき発行される練習用記録媒体を「レシート11´」と称し、通常記録媒体としてのレシート11と区別する。
また、練習モード画面80右側の欄61には、「練習用カード作成」釦61iが設けられており、POS6は、「練習用カード作成」釦61iのタッチ操作に伴い、練習モード画面80から
図9の練習カード作成画面90に遷移して、練習モード専用の一般カード或いは会員カードを発行することが可能となる。これにより発行される練習用記録媒体を「一般カード10A´」或いは「会員カード10B´」と称し(何れも図示略)、通常記録媒体としての一般カード10A或いは会員カード10Bと区別する。
【0053】
<2.練習モード用記録媒体の発行と履歴の管理>
レシート11´は、
図12中、下側に示す紙片で形成されており、その紙片には、パチンコホール名11a等のレシート11と同じ情報11a,11b,11c,11eが印刷されるとともに、「練習用レシート」の表記αと2次元コード11d´とが印刷されている。
図12のレシート11´とレシート11の対比から、両者11´,11は「練習用レシート」の表記αを除き外観上略同一であるが、夫々の2次元コード11d´,11dにより付与される情報が相違する。
【0054】
即ち、レシート11は、営業中に島端計数装置8のレシート発行部8cから発行され、2次元コード11dは、遊技者の獲得した計数玉数に関する情報や当該レシート11の発行時刻等の読取りが可能に印刷される。
これに対し、レシート11´は、練習モードへの切替えに際して(つまり営業中か否かにかかわらず)POS6のプリンタ36から自動的に発行されることから、2次元コード11d´は、言わば仮想の計数玉数(仮想の遊技媒体の数)として、これを特定するための情報の読取りが可能に印刷される。それ故、2次元コード11d´は、仮想の計数玉数に関する情報と、当該レシート11´の発行時刻と、練習モードで発行されたことを示す識別情報(
図14の「練習」参照)との識別が可能である。このように、POS6とプリンタ36は、練習モードにおいてレシート11´を発行する練習用発行手段として機能する。
【0055】
一般カード10A´及び会員カード10B´は、次のようにして発行される。
即ち先ず、
図9の練習カード作成画面90には、その左側の「練習用カード作成」の欄91に「ICカードを読取ってください」とのメッセージが表示される。この場合、POS6のカード挿入口35aに、データ(計数玉数)が記録されていない一般カード10A或いは会員カード10Bを挿入する。これにより、POS6は、カードRW35で一般カード10A或いは会員カード10Bを受付けると、練習カード作成画面90から
図10の種別選択画面100に遷移する。
【0056】
種別選択画面100には、「練習用カード作成」の欄101に「実行する種別を選択してください」とのメッセージとともに、前記種別を示す「4パチ」釦102と「20スロ」釦103が表示される。なお、図示は省略するが、例えば当該遊技場にて設定された貸単価が1円のパチンコ機や5円のスロットマシンに対応させて他の種別(1パチや5スロ)を表示しうることは勿論である。
また、種別選択画面100には、右側の「メニュー(閉じる)」釦55aの欄に位置させて、「メニューに戻る」釦55dが表示される。POS6は、「メニューに戻る」釦55dがタッチ操作されると、種別選択画面100から元の練習モード画面80に戻る。一方、例えば「4パチ」釦102のタッチ操作により種別が選択されると、種別選択画面100から
図11の遊技媒体数入力画面110に遷移する。
【0057】
遊技媒体数入力画面110には、「練習用カード作成」の欄111にて「玉数を入力してください」とのメッセージと、選択された「4パチ」の種別と、受付けたカードの一般ID或いは会員IDの「番号」並びに「日時」と、「練習モード」の「状態」とが表示されるとともに、当該一般カード10A或いは会員カード10Bに現在対応付けられている「現在玉数」と、仮想の遊技媒体の数として対応付ける「書換玉数」とが表示される。
【0058】
また、遊技媒体数入力画面110には、右側の「メニュー(閉じる)」釦55aの欄に位置させて、「メニューに戻る」釦55d、テンキー55b、「メニューに戻る」釦55d、「キャンセル」釦55e、「書き換え」釦55fが表示される。
そして、POS6は、同入力画面110における「書換玉数」がテンキー55bでのタッチ操作により入力され、且つ「書き換え」釦55fがタッチ操作されると、選択された種別「4パチ」、当該「書換玉数」としての仮想の計数玉数、練習モードで発行されたことを示す識別情報を、カードRW35により一般カード10A或いは会員カード10Bに対応付ける(記録する)ことにより、当該カード10A或いは10Bを、一般カード10A´或いは会員カード10B´として発行する。このように、POS6とカードRW35は、練習モードにおいてカード10A´,10B´を発行する練習用発行手段として機能する。
【0059】
なお、POS6は、「キャンセル」釦55eがタッチ操作されると、「書換玉数」を含む情報の書き換えをキャンセルし(ゼロリセットし)、「メニューに戻る」釦55dがタッチ操作されると、種別選択画面100から練習モード画面80に戻ることから、同画面80を表示させつつ、練習モードでの景品交換処理の練習操作を行うことができる。
この練習操作は、一般カード10A´や会員カード10B´或いはレシート11´を読取り対象として(読取ることで)景品交換処理を実行させるための操作であって、前記通常操作と同様の、操作手段(タッチパネル33等)乃至記録媒体読取手段(スキャナ34、カードRW35)を用いた実践的な練習を行うことができる。
【0060】
また、本実施形態では、POS6により実行された景品交換処理に関する情報を自装置6の記憶部37m(記憶手段)に記憶するとともに、当該情報を管理装置5へ送信して、その記憶部5c(記憶手段)に記憶する。ここで、
図14は、管理装置5で記憶・管理される景品交換処理に関する情報の一例を示しており、当該情報は以下のものを含む。
【0061】
・営業日:景品交換処理の履歴を参照する日付であり、営業日毎に任意に選択可能
・時刻 :景品交換処理が実行された時刻
・号機 :前記装置IDにより特定されるPOS6の号機
・担当 :景品交換処理を実行した従業員ID
・種別 :景品交換処理時に読取った記録媒体10A,10B,10A´,10B´,11,11´に記憶されている遊技媒体の種別
・券枚数:景品交換処理時に読取ったレシート11,11´の合計枚数
・カードID/会員ID:景品交換処理時に読取ったカード10A,10B,10A´,10B´の一般ID又は会員ID
・特殊景品交換数:景品交換処理の結果、払い出される特殊景品の「大」「中」「小」毎の数
・練習 :景品交換処理時のモードであり、前記識別情報に基づき識別される練習モードを「○」で特定
・貯玉 :景品交換処理時に貯玉への移行が行われた場合に、その貯玉の預入を「○」で特定
【0062】
POS6は、従業員側モニタ31に上記の景品交換処理に係る情報を履歴として表示させる。これにより、同
図14の景品交換処理は、何れも一の担当従業員「1」により行われているが、時刻「9:59」と「10:01」での景品交換処理は練習モード中に行われ、その余の景品交換処理は通常モード中に行われたことが把握される。このうち、POS6にて練習モード中に交換された特殊景品については「大」「中」「小」の何れも在庫から減算しない(計上対象としない)。これは、時刻「9:59」に読取られたレシート11´及び「10:01」に読取られたカード10A´(或いは10B´)について何れも仮想の遊技媒体を扱う練習操作が行われているにすぎないことから、練習モードの識別情報に基づき、計上対象から除外するようにしている。
【0063】
通常モードでの通常操作により、時刻「10:03」ではレシート11が読取られて「大」1個、「中」1個、「小」4個の特殊景品が遊技者へ手渡され、時刻「10:05」ではカード10A或いは10Bが読取られて「大」3個、「中」3個の特殊景品が遊技者へ手渡されたことが判る。また、時刻「10:07」ではレシート11が読取られて、特殊景品への交換を行うことなく貯玉の預入操作が行われたことが判る。
なお、POS6の従業員側モニタ31に、
図14の「特殊景品交換数」と併せて菓子類等の景品の交換数を表示してもよく、又、従業員側モニタ31と同様の表示を管理装置5のモニタ5bでも行うことができる。
【0064】
<3.景品交換処理の流れ>
図15のフローチャートは、POS6においてカードRW35によりカード10A,10B,10A´,10B´が読取られ,或いはスキャナ34によりレシート11,11´が読取られた際に実行される処理の流れを示しており、同図のS1,S2,…は各ステップを示している。
【0065】
本実施形態では、POS6におけるモードの切替えに起因する誤操作を抑制すべく、従業員側モニタ31の画面でポップアップの表示を行うようになっている。例えば、POS6のモードが練習モードに切替えられている状態でカード10Aが読取られた場合に(S10且つS12)、係るポップアップ表示103として
図13に例示するように「注意!! 通常のICカードです。練習モード中は通常のICカードは利用できません。」とのメッセージと「確認」釦131とが表示され、従業員に対してモードに対応した記録媒体が扱われていない旨の報知を行うものとする。
【0066】
即ち先ず、POS6はモード判定手段として、現在のモードが通常モードと練習モードとの何れであるか判定する(S1)。POS6は、「練習開始」釦62dのタッチ操作に応じて現在のモードが通常モードに切替えられていると判定した場合(S1:YES,S2)、カードRW35或いはスキャナ34により読取られた記録媒体が通常記録媒体及び練習用記録媒体の何れであるか判定する(S3)。
【0067】
ここで、POS6(記録媒体判定手段)は、カードRW35或いはスキャナ34による読取り結果に基づき、練習モードの識別情報が記録されていない通常記録媒体(カード10A,10B或いはレシート11)であると判定した場合(S3:YES、S4)、景品交換処理を実行する(S5)。
この場合、例えば
図5の画面50において、読取られた計数玉数たる「総数」等を表示するとともに交換可能な特殊景品数を算出して「大」~「小」各々の特殊景品数を表示する。或いは、タッチ操作による操作入力に基づき遊技者が交換を希望する景品の種類を特定し、その景品に相当する玉数を計数玉数から減算した結果(残りの計数玉数)を表示する。また、カード10A,10Bに残り計数玉数又は残高がある場合には、その残り計数玉数又は残高をカードRW35によりカード10A,10Bに対応付けて記録し(残り計数玉数として更新し)、この景品交換処理を終了する(リターンする)。
【0068】
一方、POS6は、前記S3において練習モードの識別情報が記録されている練習用記録媒体(カード10A´,10B´或いはレシート11´)であると判定した場合(S3:NO、S6)、通常モードにおける景品交換処理を制限する(S7)。この場合、POS6において特殊景品やその他の景品の交換(景品の実際の払い出し)はもとより、その交換に伴う計数玉数の減算も行われることはない。
【0069】
そして、POS6は、例えばカード10A´が読取り対象であったとき
図5の画面50で「注意!! 練習用のICカードです。通常モード中は練習用のICカードは利用できません。」とのメッセージと「確認」釦を含むポップアップ表示(図示略、
図13参照)により、従業員に対して報知を行う報知処理を実行する(S8)。
この場合、POS6は、「確認」釦がタッチ操作されると、カード10A´に記録されている計数玉数を削除し(仮想の遊技媒体の数をゼロリセットし)、この処理を終了する(リターンする)。
【0070】
一方、POS6は、前記S1において現在のモードが練習モードに切替えられていると判定した場合(S1:NO,S10)、カードRW35或いはスキャナ34により読取られた記録媒体が通常記録媒体及び練習用記録媒体の何れであるか判定する(S11)。
このときPOS6は、カードRW35或いはスキャナ34による読取り結果に基づき、練習モードの識別情報が記録されていない通常記録媒体であると判定した場合(S11:YES、S12)、景品交換処理を制限するとともに(S13)、報知処理を実行する(S14)。
【0071】
即ち、POS6は例えば、練習モードの状態でカード10Aが読取られた場合(S12)、
図8の画面80で練習操作として景品交換処理が行われることがないよう、当該練習操作を受付けず、又、そのカード10Aに記録されている計数玉数の減算を行うことなく(S13)、同画面80で
図13のポップアップ表示103を行うことにより従業員に対して報知を行う(S14)。
これにより、従業員にカード10Aが通常記録媒体と練習用記録媒体の何れの種類であるのかを確認するような注意喚起を行い、この処理を終了する(リターンする)。これに応じて従業員は、ポップアップ表示103の「確認」釦131をタッチ操作し、又、同画面80上側の「練習終了」釦81cのタッチ操作により練習モードから通常モードに切替える等して対処することができる。
【0072】
他方、POS6は、現在のモードが練習モードで且つ読取られた記録媒体が練習用記録媒体であると判定した場合(S10且つS11:NO、S15)、練習操作により景品交換処理を実行する(S16)。
この場合、POS6は例えば、カード10A´に記録されている遊技媒体の数に応じて交換可能な特殊景品数を表示し或いは、練習操作に応じて他の景品の数等を表示するが、実際に特殊景品が払い出されたり(特殊景品の実際の交換がなされたり)、他の景品の在庫が減算されたりすることはない。また、POS6において練習操作が行われてもカード10A´に記録されている遊技媒体数が減算されることはなく、何度でも景品交換処理を実行することができ、練習モードで実行された景品交換処理に関する交換履歴の情報は練習モードであることの識別が可能に記憶される(
図14の「練習:〇」参照)。
【0073】
以上に説明したように本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
POS6は、モード判定手段により練習モードと判定された場合に(S10)、記録媒体判定手段により判定された読取対象が例えばカード10A´,10B´或いはレシート11´といった練習用記録媒体であるとき(S15)練習操作による景品交換処理を実行する一方、例えばカード10A,10B或いはレシート11といった通常記録媒体であるとき(S12)景品交換処理を制限する。
これによれば、POS6における練習モード中に、例えばカード10A,10B或いはレシート11が読取られた場合に景品交換処理を制限するため、練習モードから通常モードへの切替えを失念する等して営業中に練習モードのまま通常の景品交換の処理をしてしまうといった誤操作を抑制することができる。
【0074】
POS6は、モード判定手段により通常モードと判定された場合に(S2)、記録媒体判定手段により判定された読取対象が通常記録媒体であるとき(S4)景品交換処理を実行する一方、練習用記録媒体であるとき(S6)景品交換処理を制限する。
これによれば、POS6における通常モード中に、例えば練習モードにて発行されたカード10A´,10B´或いはレシート11´が読取られた場合に景品交換処理を制限するため、それら練習用記録媒体を通常モードで処理してしまうといった誤操作を抑制することができ、実際に計数されていない遊技媒体に対して景品交換処理をしてしまい誤差が出てしまうといった問題を解消することができる。
【0075】
POS6は、モード判定手段により通常モードと判定され(S2)、記録媒体判定手段により判定された読取対象が練習用記録媒体である場合に(S6)、当該練習用記録媒体に対応付けられている仮想の遊技媒体の数を削除する(S9)記録媒体数削除手段として構成されている。
これによれば、例えば通常モードにおけるカード10A´,10B´或いはレシート11´の読取り時に、その練習用記録媒体に記録されている遊技媒体数が削除されるため、通常モードにも関わらず仮想の遊技媒体で景品交換処理が行われることを未然に防ぐことができる。
【0076】
POS6は、モード判定手段により練習モードと判定された場合は(S10)、当該練習モードであることを識別可能に前記景品交換処理に関する情報を記憶手段(例えば記憶部37m或いは記憶部5c)に記憶させる。これによれば、景品交換処理に関する情報について、練習モードで実行されたものであるかを識別可能となり、仮に、不具合等で練習モードであるにも関わらず通常カードを読取って景品交換処理を実行してしまった場合でも、あとからデータを復旧するといった対応が可能となる。
【0077】
POS6は、モード判定手段により練習モードと判定され(S10)、記録媒体判定手段により判定された読取対象が通常記録媒体である場合に(S12)、従業員に対して報知を行う報知手段として構成されている(S14)。
これによれば、例えばカード10A,10B或いはレシート11について、不用意に練習モードで景品交換処理を行ってしまうといった事態を抑制することができ、係る誤操作を確実に解消することができる。なお、報知手段は、
図13のポップアップ表示103の如く表示手段を含むものに限らず、音声等により注意喚起を行う音声手段を含む構成としてもよい。
【0078】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張したり、各変形例を上記した実施形態と組み合せたり、各変形例を組み合わせたりしてもよい。
練習モードへの切替えは、任意の従業員により切替可能としているが、例えば前記従業員カードによる認証を必要としてもよいし、練習モードへの切替えに必要な権限を所定のICカードに設定してもよい。
また、練習モードから通常モードへ切替えた際、練習用記録媒体(カード10A´,10B´等)に記録されている遊技媒体数を削除するようにしてもよい。
【0079】
練習モードで記録媒体を読取った場合に、これが通常記録媒体であれば景品交換処理を制限するようにしたが、制限することに代えて又は加えて、通常記録媒体を異なるモードで読取った旨を従業員に報知するようにしてもよい。
発行される練習用記録媒体の枚数や種別はどのように設定してもよく、例えば交換頻度が高い種別の内上位2種別であったり、全ての種別分のレシート11を発行してもよい。
【0080】
また、練習用記録媒体に記録される遊技媒体数はどのように設定してもよく、例えば予め設定された遊技媒体数であったり、練習モードに切り替えた時刻に基づいて時刻の秒数を定数倍した数を遊技媒体数とする等、適宜変更してもよい。
練習用記録媒体としてカード10A´,10B´を発行する場合に、従業員によって種別、遊技媒体数を選択するようにしたが、予めどの種別がどれだけの数の遊技媒体数を記録するか設定しておき、カードを挿入することで自動的に記録されるようにしてもよい。
なお、上記の記載中における「記憶」について、例えば「記憶手段」を「記録手段」と称する等、「記録」と意味を同じくするものとして把握することができる。
【0081】
対象となる遊技機1としてパチンコ機を例示したが、スロットマシン等を採用してもよいし、遊技媒体をデータのみで管理する所謂封入式のスロットマシンやパチンコ機等にも適用することができる。
練習モードへの移行はPOS6(自装置)における切替操作によるものとしたが、管理装置5から練習モードへの移行を指示する信号を送信するようにしてもよい。さらに、本実施形態の如くPOS6が複数ある場合、一括して複数のPOS6を練習モードに移行させるように構成してもよい。
【符号の説明】
【0082】
図面中、2は計数貸出ユニット(計数手段、通常発行手段)、5cは記憶部(記憶手段)6はPOS(遊技場用景品交換装置、練習用発行手段、記録媒体読取手段、景品交換処理実行手段、モード判定手段、記録媒体判定手段、記録媒体数削除手段、報知手段)、8は島端計数装置(計数手段、通常発行手段)、10Aは一般カード(通常記録媒体)、10A´は一般カード(練習用記録媒体)、10Bは会員カード(通常記録媒体)、10B´は会員カード(練習用記録媒体)、31はモニタ(報知手段)、34はスキャナ(記録媒体読取手段)、35はカードRW(練習用発行手段、記録媒体読取手段、記録媒体数削除手段)、36はプリンタ(練習用発行手段)、37は制御部(練習用発行手段、記録媒体読取手段、景品交換処理実行手段、モード判定手段、記録媒体判定手段、記録媒体数削除手段、報知手段)、37mは記憶部(記憶手段)である。