(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023005962
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】ワイパ包装袋用クリップ、ワイパ包装体、及びワイパ包装袋
(51)【国際特許分類】
B65D 83/08 20060101AFI20230111BHJP
A47K 7/00 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
B65D83/08 B
A47K7/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021108284
(22)【出願日】2021-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000183462
【氏名又は名称】日本製紙クレシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 光
(72)【発明者】
【氏名】大岡 康伸
(72)【発明者】
【氏名】藤田 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】大篭 幸治
【テーマコード(参考)】
3E014
【Fターム(参考)】
3E014LB02
(57)【要約】
【課題】大きさを抑え、容易に着脱可能なワイパ包装袋用クリップを提供する。
【解決手段】本開示は、ワイパ包装袋用クリップ30であって、互いに傾動可能に連結された一端部35と、互いに分離した他端部36とを有する2本の挟持体32a,32bと、挟持体32a,32bに一体的に設けられるワイパ取出部33a,33bと、挟持体32a,32bを保持可能な係止爪34とを備え、挟持体32a,32bは、ワイパ取出部33a,33bを支持する取出部支持部38a,38bと閉止部39a,39bとを有し、ワイパ取出部33a,33bは、ワイパ取出口31を有し、閉止部39a,39bは、クリップ取付状態でワイパ包装袋の開口端部を両側から挟持してワイパ包装袋の開口の一部を除く領域を閉止し、ワイパ取出口31は、クリップ取付状態で、ワイパ包装袋の開口の一部から取り出されるワイパの挿通を許容する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイパを出し入れ可能な開口が設けられた開口端部を有するワイパ包装袋に対して着脱可能なワイパ包装袋用クリップであって、
互いに傾動可能に連結され又は互いに分離した一端部と、互いに分離した他端部とをそれぞれ有し、前記一端部から前記他端部へ延びる2本の挟持体と、
前記2本の挟持体のそれぞれに一体的に設けられる2つのワイパ取出部と、
前記2本の挟持体の前記他端部同士、又は前記2本の挟持体の両端部同士が互いに離間しないように、前記2本の挟持体を保持可能な保持手段と、を備え、
前記2本の挟持体は、前記保持手段によって前記2本の挟持体を保持した保持状態で、互いに対向する位置に配置されて互いに離間する方向へ膨出するように延びて前記ワイパ取出部を支持する取出部支持部と、互いに対向する位置に配置されて前記取出部支持部から連続して延びる閉止部とをそれぞれ有し、
前記2つのワイパ取出部は、前記保持状態で前記ワイパを取り出し可能なワイパ取出口を有し、
前記2本の挟持体の前記閉止部は、前記2本の挟持体の間に前記ワイパ包装袋の前記開口端部を配置して前記保持状態にしたクリップ取付状態で、前記ワイパ包装袋の前記開口端部を両側から挟持して前記ワイパ包装袋の前記開口の一部を除く領域を閉止し、
前記2つのワイパ取出部の前記ワイパ取出口は、前記クリップ取付状態で、前記ワイパ包装袋の前記開口の前記一部から取り出される前記ワイパの挿通を許容する、ワイパ包装袋用クリップ。
【請求項2】
前記保持状態の前記2つのワイパ取出部の間には、間隙が設けられ、
前記保持状態の前記2つのワイパ取出部の前記間隙は、前記ワイパ取出口として機能する、請求項1に記載のワイパ包装袋用クリップ。
【請求項3】
ワイパを出し入れ可能な開口が設けられた開口端部を有するワイパ包装袋に対して着脱可能なワイパ包装袋用クリップであって、
互いに傾動可能に連結され又は互いに分離した一端部と、互いに分離した他端部とをそれぞれ有し、前記一端部から前記他端部へ延びる2本の挟持体と、
前記2本の挟持体とは別体に形成されるワイパ取出部と、
前記2本の挟持体の前記他端部同士、又は前記2本の挟持体の両端部同士が互いに離間しないように、前記2本の挟持体を保持可能な保持手段と、を備え、
前記2本の挟持体は、前記保持手段によって前記2本の挟持体を保持した保持状態で、互いに対向する位置に配置されて互いに離間する方向へ膨出するように延びて前記ワイパ取出部を挟持する取出部支持部と、互いに対向する位置に配置されて前記取出部支持部から連続して延びる閉止部とをそれぞれ有し、
前記ワイパ取出部は、前記ワイパを取り出し可能なワイパ取出口を有し、
前記2本の挟持体の前記閉止部は、前記ワイパ包装袋の前記開口端部の前記開口内に前記ワイパ取出部を配置した後、前記2本の挟持体の間に前記ワイパ包装袋の前記開口端部及び前記ワイパ取出部を配置して前記保持状態にしたクリップ取付状態で、前記ワイパ包装袋の前記開口端部を両側から挟持して前記ワイパ包装袋の前記開口の一部を除く領域を閉止し、
前記クリップ取付状態の前記2本の挟持体の前記取出部支持部は、前記ワイパ取出部との間に前記ワイパ包装袋の前記開口端部を介在させた状態で前記ワイパ取出部を両側から挟持して、前記ワイパ取出部と前記ワイパ包装袋の前記開口端部との間を閉止し、
前記ワイパ取出部の前記ワイパ取出口は、前記クリップ取付状態で、前記ワイパ包装袋の前記開口の前記一部から取り出される前記ワイパの挿通を許容する、ワイパ包装袋用クリップ。
【請求項4】
前記ワイパ取出部は、第1係止部を有し、
前記2本の挟持体の少なくとも一方の挟持体の前記取出部支持部は、前記ワイパ取出部の前記第1係止部を係止可能な第2係止部を有する、請求項3に記載のワイパ包装袋用クリップ。
【請求項5】
前記ワイパ取出部は、板状に形成されて、可撓性を有する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のワイパ包装袋用クリップ。
【請求項6】
前記保持状態の前記2本の挟持体の前記取出部支持部間の領域を覆い、前記ワイパ取出部の前記ワイパ取出口を閉止可能な蓋部を備える、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のワイパ包装袋用クリップ。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のワイパ包装袋用クリップと、
前記クリップ取付状態にした前記ワイパ包装袋と、を備える、ワイパ包装体。
【請求項8】
請求項4に記載のワイパ包装袋用クリップと、
ワイパを収納する袋本体と、前記袋本体の開口端部に設けられて前記ワイパを出し入れ可能な開口と、前記袋本体の前記開口端部に設けられる袋側係止部とを有するワイパ包装袋と、を備え、
前記ワイパ包装袋用クリップと前記ワイパ包装袋とは、前記ワイパ包装袋用クリップを前記袋本体の前記開口端部に取り付けたクリップ取付状態となっており、
前記袋側係止部は、前記クリップ取付状態で、前記ワイパ包装袋用クリップの前記第1係止部及び前記第2係止部の少なくとも一方に係止される、ワイパ包装体。
【請求項9】
請求項4に記載のワイパ包装袋用クリップを着脱可能なワイパ包装袋であって、
ワイパを収納する袋本体と、
前記袋本体の開口端部に設けられて前記ワイパを出し入れ可能な開口と、
前記袋本体の前記開口端部に設けられる袋側係止部と、を備え、
前記袋側係止部は、前記ワイパ包装袋用クリップを前記袋本体の前記開口端部に取り付けたクリップ取付状態で、前記ワイパ包装袋用クリップの前記第1係止部及び前記第2係止部の少なくとも一方に係止される、ワイパ包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ワイパ包装袋用クリップ、ワイパ包装体、及びワイパ包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェットティシュー製品には、不織布等の原反をポップアップ可能に積層した積層体や、ロール状に巻き取ったロール体があり、これらをプラスチックフィルム製の包装袋(ガゼット袋、ピロー袋等)やプラスチック製の容器(ボトル)等に収納して使用する。例えば、ウェットティシューのロール体は、薬液を含浸したロール体を包装袋に封入した詰め替え用製品を、専用の容器に詰め替えて使うボトルタイプとして繰り返し使用できる。
【0003】
特許文献1には、収納されたウェットティシューを袋から1枚づつ順次引き出すことのできる包装用袋が記載されている。このウェットティシューの包装用袋は、開口辺側に開閉用のファスナを設け、ファスナよりも下方にフィルム片を設け、フィルム片に切れ目ないし小孔からなる隘路を設けている。
【0004】
また、一般家庭用向けに比べて大型の業務用(例えば、清拭作業の業務用)のウェットティシューのロール体などのように、大径のロール体をバケツ型容器に入れて使用するものもある。例えば、特許文献2には、バケツ型の容器内部にワイパーロールまたはウェットワイパーロールを縦に収容して、容器蓋の中心部よりワイパーのロールミシン目毎にワイパーシートとして順次取り出すようにしたワイパー用バケツ型容器が記載されている。このワイパー用バケツ型容器の容器蓋は、外周の環状蓋と内周蓋とを有し、外周の環状蓋の内周に沿って内周蓋を気密かつ着脱可能に取付けて内外周二重の容器蓋構成とし、内周蓋にワイパーシート取り出し口を設けている。なお、同公報には、外周の環状蓋と内周蓋とを螺合させている状態が図示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-131904号公報
【特許文献2】特許第4922695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載のウェットティシューの包装用袋(ワイパ包装袋)では、切れ目ないし小孔からなる隘路を有するフィルム片を包装用袋内に設けるので、包装用袋自体の構造が複雑になってしまう可能性がある。包装用袋の構造の複雑化を防止するために、ウェットティシュー(ワイパ)を取り出し可能な着脱式のキャップを、包装用袋に対して取り付けることが考えられる。しかし、包装用袋に対してキャップを着脱するためには、特許文献2に記載の容器蓋のように外周の環状蓋と内周蓋とを螺合させるなど、キャップの着脱作業が煩雑になってしまうおそれがある。
【0007】
また、特許文献2に記載のウェットティシューのロール体のように、大型のウェットティシュー(ワイパ)のロール体の詰め替え用包装袋(ワイパ包装袋)に対して上記特許文献1に記載のような着脱式キャップを利用しようとすると、ロール径に見合うサイズのキャップが必要となるので、キャップ自体が大型化してしまう可能性があり、経済性に劣る。また、プラスティック使用量が多くなるため、環境配慮の観点から好ましくない。
【0008】
そこで、本開示は、容易に着脱可能であり、大きさを抑えることが可能なワイパ包装袋用クリップ、ワイパ包装体、及びワイパ包装袋の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、ワイパを出し入れ可能な開口が設けられた開口端部を有するワイパ包装袋に対して着脱可能なワイパ包装袋用クリップであって、互いに傾動可能に連結され又は互いに分離した一端部と、互いに分離した他端部とをそれぞれ有し、前記一端部から前記他端部へ延びる2本の挟持体と、前記2本の挟持体のそれぞれに一体的に設けられる2つのワイパ取出部と、前記2本の挟持体の前記他端部同士、又は前記2本の挟持体の両端部同士が互いに離間しないように、前記2本の挟持体を保持可能な保持手段と、を備え、前記2本の挟持体は、前記保持手段によって前記2本の挟持体を保持した保持状態で、互いに対向する位置に配置されて互いに離間する方向へ膨出するように延びて前記ワイパ取出部を支持する取出部支持部と、互いに対向する位置に配置されて前記取出部支持部から連続して延びる閉止部とをそれぞれ有し、前記2つのワイパ取出部は、前記保持状態で前記ワイパを取り出し可能なワイパ取出口を有し、前記2本の挟持体の前記閉止部は、前記2本の挟持体の間に前記ワイパ包装袋の前記開口端部を配置して前記保持状態にしたクリップ取付状態で、前記ワイパ包装袋の前記開口端部を両側から挟持して前記ワイパ包装袋の前記開口の一部を除く領域を閉止し、前記2つのワイパ取出部の前記ワイパ取出口は、前記クリップ取付状態で、前記ワイパ包装袋の前記開口の前記一部から取り出される前記ワイパの挿通を許容する。
【0010】
本発明の第2の態様は、上記第1の態様のワイパ包装袋用クリップであって、前記保持状態の前記2つのワイパ取出部の間には、間隙が設けられ、前記保持状態の前記2つのワイパ取出部の前記間隙は、前記ワイパ取出口として機能する。
【0011】
本発明の第3の態様は、ワイパを出し入れ可能な開口が設けられた開口端部を有するワイパ包装袋に対して着脱可能なワイパ包装袋用クリップであって、互いに傾動可能に連結され又は互いに分離した一端部と、互いに分離した他端部とをそれぞれ有し、前記一端部から前記他端部へ延びる2本の挟持体と、前記2本の挟持体とは別体に形成されるワイパ取出部と、前記2本の挟持体の前記他端部同士、又は前記2本の挟持体の両端部同士が互いに離間しないように、前記2本の挟持体を保持可能な保持手段と、を備え、前記2本の挟持体は、前記保持手段によって前記2本の挟持体を保持した保持状態で、互いに対向する位置に配置されて互いに離間する方向へ膨出するように延びて前記ワイパ取出部を挟持する取出部支持部と、互いに対向する位置に配置されて前記取出部支持部から連続して延びる閉止部とをそれぞれ有し、前記ワイパ取出部は、前記ワイパを取り出し可能なワイパ取出口を有し、前記2本の挟持体の前記閉止部は、前記ワイパ包装袋の前記開口端部の前記開口内に前記ワイパ取出部を配置した後、前記2本の挟持体の間に前記ワイパ包装袋の前記開口端部及び前記ワイパ取出部を配置して前記保持状態にしたクリップ取付状態で、前記ワイパ包装袋の前記開口端部を両側から挟持して前記ワイパ包装袋の前記開口の一部を除く領域を閉止し、前記クリップ取付状態の前記2本の挟持体の前記取出部支持部は、前記ワイパ取出部との間に前記ワイパ包装袋の前記開口端部を介在させた状態で前記ワイパ取出部を両側から挟持して、前記ワイパ取出部と前記ワイパ包装袋の前記開口端部との間を閉止し、前記ワイパ取出部の前記ワイパ取出口は、前記クリップ取付状態で、前記ワイパ包装袋の前記開口の前記一部から取り出される前記ワイパの挿通を許容する。
【0012】
本発明の第4の態様は、上記第3の態様のワイパ包装袋用クリップであって、前記ワイパ取出部は、第1係止部を有し、前記2本の挟持体の少なくとも一方の挟持体の前記取出部支持部は、前記ワイパ取出部の前記第1係止部を係止可能な第2係止部を有する。
【0013】
本発明の第5の態様は、上記第1の態様から上記第4の態様のいずれかのワイパ包装袋用クリップであって、前記ワイパ取出部は、板状に形成されて、可撓性を有する。
【0014】
本発明の第6の態様は、上記第1の態様から上記第5の態様のいずれかのワイパ包装袋用クリップであって、前記保持状態の前記2本の挟持体の前記取出部支持部間の領域を覆い、前記ワイパ取出部の前記ワイパ取出口を閉止可能な蓋部を備える。
【0015】
本発明の第7の態様は、ワイパ包装体であって、上記第1の態様から上記第6の態様のいずれかのワイパ包装袋用クリップと、前記クリップ取付状態にした前記ワイパ包装袋と、を備える。
【0016】
本発明の第8の態様は、ワイパ包装体であって、上記第4の態様のワイパ包装袋用クリップと、ワイパを収納する袋本体と、前記袋本体の開口端部に設けられて前記ワイパを出し入れ可能な開口と、前記袋本体の前記開口端部に設けられる袋側係止部とを有するワイパ包装袋と、を備え、前記ワイパ包装袋用クリップと前記ワイパ包装袋とは、前記ワイパ包装袋用クリップを前記袋本体の前記開口端部に取り付けたクリップ取付状態となっており、前記袋側係止部は、前記クリップ取付状態で、前記ワイパ包装袋用クリップの前記第1係止部及び前記第2係止部の少なくとも一方に係止される。
【0017】
本発明の第9の態様は、上記第4の態様のワイパ包装袋用クリップを着脱可能なワイパ包装袋であって、ワイパを収納する袋本体と、前記袋本体の開口端部に設けられて前記ワイパを出し入れ可能な開口と、前記袋本体の前記開口端部に設けられる袋側係止部と、を備え、前記袋側係止部は、前記ワイパ包装袋用クリップを前記袋本体の前記開口端部に取り付けたクリップ取付状態で、前記ワイパ包装袋用クリップの前記第1係止部及び前記第2係止部の少なくとも一方に係止される。
【発明の効果】
【0018】
本開示によれば、ワイパ包装袋用クリップを容易に着脱可能であり、大きさを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るワイパ包装体の斜視図である。
【
図5】本発明の第2実施形態に係るワイパ包装体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
【0021】
なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
【0022】
さらに、本明細書において、「略」を付した用語は、当業者の技術常識の範囲内でその「略」を除いた用語の意味を示すものであり、「略」を除いた意味自体をも含むものとする。
【0023】
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において、上下方向は、
図1及び
図3の上下方向に対応する。
【0024】
図1は、本発明の第1実施形態に係るワイパ包装体10の斜視図である。
図2は、ワイパ包装袋20の斜視図である。
図3は、ワイパ包装袋用クリップ30の斜視図である。
図4は、ワイパ包装袋用クリップ30の平面図である。
【0025】
図1に示すように、本実施形態に係るワイパ包装体10は、ワイパ1を収納するワイパ包装袋20と、ワイパ包装袋20に着脱可能に取り付けられたワイパ包装袋用クリップ30とを備える。ワイパ包装袋用クリップ30は、ワイパ包装袋20に対して着脱可能である。
【0026】
ワイパ1は、汚れ等を拭き取る際に使用する不織布等である。本実施形態では、ワイパ1は、薬液を含浸したウェットティシューである。薬液としては、ウェットティシューに使用可能なものであればよく、特に限定されないが、例えば、エタノール等のアルコール類、除菌剤、抗菌剤、メントール等の清涼剤等が挙げられる。
【0027】
ワイパ1は、ワイパ包装袋用クリップ30の後述するワイパ取出口31から取り出し可能な形状であればよい。例えば、不織布等からなる原反をシート状に積層したワイパ1の積層体、あるいは不織布等からなる原反をロール状に巻き取ったワイパ1のロール体等が挙げられる。これらの中でも、連続して取り出すことが容易である観点から、ワイパ1のロール体(
図1参照)であることが好ましい。なお、図示はしないが、ワイパ1のロール体には、1回あたりの使用分を切り取ることができるよう、ミシン目を連続形成してもよい。また、本実施形態では、ワイパ1を、ウェットティシューとしたが、これに限定されるものではなく、ドライタイプのティシューであってもよい。
【0028】
図1及び
図2に示すように、ワイパ包装袋20は、ワイパ1を収納する袋本体21と、袋本体21の上端部(開口端部)21aに設けられる開口22とを有する。ワイパ包装袋20の開口22は、ワイパ1を出し入れ可能な大きさに形成される。本実施形態では、ワイパ1は、専用のボトル型容器に入れて使用することが想定されたワイパ1であり、ワイパ包装袋20は、詰め替え用のワイパ1が収納されたワイパ包装袋20である。なお、
図2には、ワイパ包装袋20の上端部21aの開口22が開放された状態が図示されているが、製品としての詰め替え用のワイパ1のワイパ包装袋20は、袋本体21の上端部21a側が塞がれており、袋本体21の上端部21a側の一部(図示省略)を切り取ることによって、
図2に示すように、開口22を形成してもよい。また、ワイパ包装袋20の開口22内に、開閉可能なチャック等が設けられていてもよい。
【0029】
ワイパ包装袋20の袋本体21の包装形式としては、例えば、ガゼット袋、ピロー袋、合掌袋、三方袋、スタンド袋等が挙げられる。これらの中でも、袋の側面や底面にマチ(折り込み)を設けることにより、袋の厚みや自立を確保できるといった利点を有するガゼット袋、袋の自立を確保できるといった利点を有するスタンド袋、1枚の原反フィルムを背中合わせでシールする等の簡便な手法によって製造できるといった利点を有するピロー袋等を好適に選択することができる。
【0030】
ワイパ包装袋20の袋本体21の材料は、特に限定されないが、ワイパ1に含浸させる薬液の揮発を防止できる程度の密閉性を有するとともに、ワイパ包装袋用クリップ30を装着する際に破れない程度の強度を有するものであることが好ましい。このような観点から、例えば、プラスチックを含むフィルム(プラスチックフィルム)製のワイパ包装袋20であることが好ましく、軟質のプラスチックフィルム製のワイパ包装袋20であることがより好ましい。かかるプラスチックフィルムを用いてワイパ包装袋20を製袋する場合、原反フィルムを所望の包装形式となるよう袋状に加工する手法を採用することができる。
【0031】
プラスチックフィルムの構成は特に限定されず、単層フィルムであってもよいし、2層以上の複層フィルムであってもよい。例えば、シーラントとしては、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、CPP(無延伸ポリプロピレン)等が好ましい。バリア層としては、アルミ、アルミ蒸着PET(ポリエチレンテレフタレート)、透明蒸着PET、アルミ蒸着LLDPE等が好ましい。さらに、最外層に、美粧性や耐傷性を向上させる観点から、OPP(二軸延伸ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等を用いることが好ましい。積層フィルムの好適な具体例としては、上述した密閉性及び強度の観点から、OPP/アルミ蒸着PET/LLDPE、PET/アルミ蒸着PET/LLDPE等が挙げられる。
【0032】
図1、
図3、及び
図4に示すように、ワイパ包装袋用クリップ30は、ワイパ包装袋20の袋本体21の上端部21aに取り付けられて使用されるクリップであって、2本の挟持体32a,32bと、2本の挟持体32a,32bのそれぞれに一体的に設けられる2つのワイパ取出部33a,33bと、一方の挟持体32aに設けられる係止爪(保持手段)34と、一方の挟持体32aに設けられる蓋部37と、を備える。ワイパ包装袋用クリップ30は、ワイパ包装袋20の袋本体21の上端部21aに取り付けたクリップ取付状態(
図1に図示した状態)のまま、ワイパ包装袋20内のワイパ1を取り出して使用可能なクリップである。
【0033】
ワイパ包装袋用クリップ30の2本の挟持体32a,32bは、クリップ取付状態でワイパ包装袋20の袋本体21の上端部21aを両側から挟む部材であって、本実施形態では、棒状に形成される。2本の挟持体32a,32bは、双方の一端部35が傾動可能に互いに連結されたヒンジ状に形成される。すなわち、2本の挟持体32a,32bは、互いに傾動可能に連結された一端部35と、互いに分離した他端部36とをそれぞれ有し、一端部35から他端部36へ延びる。
【0034】
2本の挟持体32a,32bのうちの一方の挟持体32aの他端部36には、他方の挟持体32bの他端部36を係止可能な係止爪(保持手段)34が設けられる。一方の挟持体32aの他端部36の係止爪34は、他方の挟持体32bの他端部36を係止することによって、2本の挟持体32a,32bの他端部36同士が互いに離間しないように、2本の挟持体32a,32bを保持可能である。すなわち、2本の挟持体32a,32bは、その他端部36同士が互いに離間しないように係止爪34によって係止されて保持された保持状態(
図3に図示した状態)と、係止爪34による係止を解除した解除状態(
図4に図示した状態)にすることができる。2本の挟持体32a,32b間にワイパ包装袋20の袋本体21の上端部21aを配置し、2本の挟持体32a,32bを係止爪34によって保持状態にすると、ワイパ包装袋用クリップ30をワイパ包装袋20の上端部21aに取り付けたクリップ取付状態となる(
図1参照)。なお、本実施形態では、一方の挟持体32aの他端部36に係止爪(保持手段)34を設けたが、これに限定されるものではなく、他方の挟持体32bの他端部36に係止爪(保持手段)34を設けてもよい。あるいは、2本の挟持体32a,32bとは別体に形成された保持手段(例えば、2本の挟持体32a,32bを互いに離間しないように保持可能なリングやバンド)を設けてもよい。
【0035】
2本の挟持体32a,32bは、保持状態で、互いに対向する位置に配置されて互いに離間する方向へ膨出するように延びてワイパ取出部33a,33bを支持する取出部支持部38a,38bと、互いに対向する位置に配置されて取出部支持部38a,38bから連続して延びる閉止部39a,39bとをそれぞれ有する。なお、2本の挟持体32a,32bの取出部支持部38a,38b及び閉止部39a,39bは、ワイパ包装袋用クリップ30に対称的に設けられ、略同様の構成を有するため、以下では、一方の挟持体32aの取出部支持部38a及び閉止部39aについて説明し、他方の挟持体32bの説明を省略する。また、以下の説明において、ワイパ包装袋用クリップ30に関する方向は、特に説明のない限り、保持状態における方向を示す。
【0036】
挟持体32aの取出部支持部38aは、ワイパ取出部33aを支持するための部分であって、本実施形態では、挟持体32aの延設方向の略中央部に配置され、他方の挟持体32bから離間する方向へ円弧状に膨出する。保持状態では、2本の挟持体32a,32bの取出部支持部38a,38bは、ワイパ取出部33a,33bを配置する1つの空間(領域)40を、径方向の内側に区画する。クリップ取付状態で、ワイパ包装袋20の開口22のうち2本の挟持体32a,32bの取出部支持部38a,38b間に位置する一部の領域は、ワイパ1を挿通可能に開口している。
【0037】
挟持体32aの閉止部39aは、取出部支持部38aの両側に1対設けられる。取出部支持部38aの両側の閉止部39aは、互いに一直線上に配置され、取出部支持部38aの両端から連続して互いに離間する方向へ延びる。保持状態では、一方の挟持体32aの閉止部39aは、他方の挟持体32bの閉止部39bに密接する。2本の挟持体32a,32bの閉止部39a,39bは、クリップ取付状態で、ワイパ包装袋20の上端部21aを両側から挟持して、ワイパ包装袋20の開口22の一部(取出部支持部38a,38b間に位置する部分)を除く領域(閉止部39a,39b間に位置する領域)を閉止する。
【0038】
ワイパ包装袋用クリップ30の2つのワイパ取出部33a,33bは、クリップ取付状態でワイパ包装袋20内からワイパ1を取り出すための部分であって、2本の挟持体32a,32bの取出部支持部38a,38bが区画する径方向の内側の空間40に配置される。ワイパ取出部33a,33bは、上下方向と交叉する板状に形成され、可撓性を有する。ワイパ取出部33a,33bは、2本の挟持体32a,32bの上下方向の厚さよりも薄板状に形成される。ワイパ取出部33a,33bは、本実施形態では、半円状にそれぞれ形成される。ワイパ取出部33a,33bの円弧部41は、取出部支持部38a,38bの内周面に一体的に設けられる。ワイパ取出部33a,33bの弦部42は、保持状態で、互いに離間する。すなわち、保持状態のワイパ取出部33a,33bの弦部42間には、2本の挟持体32a,32bの閉止部39a,39bの延設方向に沿って延びる間隙43が設けられる(
図3参照)。ワイパ取出部33a,33bには、弦部42の略中央から上記間隙43と交叉する方向へ延びる切欠部44が設けられる。保持状態では、ワイパ取出部33a,33bの切欠部44と上記間隙43とは、十字形状のワイパ取出口31を構成する(
図3参照)。
【0039】
一方の挟持体32aには、蓋部37が設けられる。蓋部37は、保持状態の取出部支持部38a,38b間の空間40を上方から閉止可能な蓋部37であって、本実施形態では、円形状に形成され、一方の挟持体32aの取出部支持部38aに傾動可能(
図3に示す矢印方向に傾動可能)に支持される。蓋部37は、保持状態の取出部支持部38a,38b間の空間40を上方から覆う閉止状態と、取出部支持部38a,38b間の空間40を上方へ開放する開放状態とにすることができる。閉止状態の蓋部37は、ワイパ取出部33a,33bのワイパ取出口31を閉止し、開放状態の蓋部37は、ワイパ取出部33a,33bのワイパ取出口31を開放する。
図1に示すように、ワイパ取出部33a,33bのワイパ取出口31は、クリップ取付状態で、ワイパ包装袋20の開口22から取り出されるワイパ1の挿通を許容する。なお、本実施形態では、一方の挟持体32aの取出部支持部38aに支持される蓋部37を設けたが、これに限定されるものではなく、例えば、蓋部37は、一方の挟持体32aの閉止部39a、他方の挟持体32bの取出部支持部38b、又は他方の挟持体32bの閉止部39bに支持されてもよい。あるいは、蓋部37は、2本の挟持体32a,32bとは別体に形成され、2本の挟持体32a,32bに対して着脱可能であってもよい。
【0040】
ワイパ包装袋用クリップ30を構成する部材(2本の挟持体32a,32b、ワイパ取出部33a,33b、係止爪34、及び蓋部37)の材料は、例えば、射出成型可能なプラスチックであれば使用可能であり、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)等のプラスチックであることが好ましい。また、バイオマス由来の樹脂、紙や木粉等のコンパウンドを使用及び併用することもできる。これら部材は、通常のプラスチックの射出成型に用いる公知の技術及び装置を用いて成型することができる。
【0041】
次に、ワイパ包装袋20に対するワイパ包装袋用クリップ30の着脱について説明する。ワイパ包装袋用クリップ30を、ワイパ包装袋20に取り付ける(装着する)場合には、ワイパ包装袋用クリップ30の係止爪34を解除状態(
図4に図示した状態)にして、2本の挟持体32a,32bの間にワイパ包装袋20の袋本体21の上端部21aを配置する。次に、ワイパ包装袋20内からワイパ1を引き出して、ワイパ取出部33a,33bのワイパ取出口31に挿通させる。次に、2本の挟持体32a,32bを互いに近接させる方向へ閉じて、一方の挟持体32aの係止爪34を他方の挟持体32bの他端部36に係止して保持状態にする。これにより、ワイパ包装袋用クリップ30を、ワイパ包装袋20に取り付けたクリップ取付状態となる。ワイパ取出部33a,33bのワイパ取出口31は、クリップ取付状態で、ワイパ包装袋20の開口22の一部から取り出されるワイパ1の挿通を許容する。
【0042】
クリップ取付状態のワイパ包装袋20からワイパ包装袋用クリップ30を取り外す場合には、ワイパ包装袋用クリップ30の係止爪34を解除状態にして、2本の挟持体32a,32bを互いに離間する方向へ開き、ワイパ包装袋用クリップ30をワイパ包装袋20から取り外す。
【0043】
上記のように構成されたワイパ包装袋用クリップ30では、2本の挟持体32a,32bは、保持状態で、互いに対向する位置に配置されて互いに離間する方向へ膨出するように延びてワイパ取出部33a,33bを支持する取出部支持部38a,38bと、互いに対向する位置に配置されて取出部支持部38a,38bから連続して延びる閉止部39a,39bとをそれぞれ有する。2本の挟持体32a,32bの閉止部39a,39bは、クリップ取付状態で、ワイパ包装袋20の開口22をの一部を閉止し、2本の挟持体32a,32bの取出部支持部38a,38bは、クリップ取付状態で、ワイパ包装袋20の開口22の一部を開放する。そして、ワイパ包装袋用クリップ30のワイパ取出部33a,33bのワイパ取出口31は、クリップ取付状態で、ワイパ包装袋20の開口22から取り出されるワイパ1の挿通を許容する。このため、ワイパ包装袋用クリップ30をワイパ包装袋20の袋本体21の上端部21aに取り付けたクリップ取付状態(
図1に図示した状態)のまま、ワイパ包装袋20内のワイパ1を取り出して使用可能である。
【0044】
また、ワイパ包装袋用クリップ30をワイパ包装袋20に取り付けることによって、ワイパ包装袋20内のワイパ1を取り出して使用可能である。このため、詰め替え用のワイパ1が収納されたワイパ包装袋20の上端部21aを開封し、その開口22を有する上端部21aにワイパ包装袋用クリップ30を取り付けて、ワイパ包装体10とすることができる。したがって、詰め替え用のワイパ1が収納されたワイパ包装袋20からワイパ1を取り出して専用のボトル型容器に詰め替えることなく、詰め替え用のワイパ1が収納されたワイパ包装袋20に対してワイパ包装袋用クリップ30を取り付けることによって、詰め替え用のワイパ1が収納されたワイパ包装袋20からワイパ1を取り出して使用することができる。これにより、従来使用されている専用のボトル型容器等を別途用意しなくてもよいため、簡便である。さらには、携帯性、収納性、及び経済性にも優れる。
【0045】
また、ワイパ包装袋用クリップ30をワイパ包装袋20に取り付ける際には、2本の挟持体32a,32bの間にワイパ包装袋20の袋本体21の上端部21aを配置した状態で、一方の挟持体32aの係止爪34を他方の挟持体32bの他端部36に係止して保持状態にすることによって、ワイパ包装袋用クリップ30をワイパ包装袋20に対して簡単に取り付けることができる。また、ワイパ包装袋20からワイパ包装袋用クリップ30を取り外す際には、ワイパ包装袋用クリップ30の係止爪34を解除状態にすることによって、ワイパ包装袋用クリップ30をワイパ包装袋20から簡単に取り外すことができる。このように、ワイパ包装袋用クリップ30は、ワイパ包装袋20に対して容易に着脱可能である。
【0046】
また、ワイパ包装袋用クリップ30の2本の挟持体32a,32bの間に、ワイパ包装袋20の袋本体21の上端部21aを挟むことによって、ワイパ包装袋用クリップ30をワイパ包装袋20に取り付ける。このため、業務用等の大型の詰め替え用のワイパ1のロール体が収納された大きなワイパ包装袋20に対してワイパ包装袋用クリップ30を取り付ける場合であっても、例えば、ワイパ包装袋20の上端部21aの角部を切り取ってワイパ1が挿通可能な開口22を確保し、係る部分(角部)にワイパ包装袋用クリップ30を取り付けることができる。したがって、ワイパ包装袋用クリップ30の大きさを、ワイパ1のロール体の大きさに応じた大きさにする必要がないので、ワイパ包装袋用クリップ30の大きさを小さく抑えることができる。
【0047】
また、上記のように構成されたワイパ包装体10では、ワイパ包装袋用クリップ30の大きさを小さく抑えることができるので、ワイパ包装体10の全体としての大きさを抑えることができる。
【0048】
このように、本実施形態によれば、ワイパ包装袋用クリップ30をワイパ包装袋20に対して容易に着脱可能であり、ワイパ包装袋用クリップ30及びワイパ包装体10の大きさを抑えることができる。
【0049】
また、ワイパ包装袋用クリップ30及びワイパ包装体10の大きさを抑えることができるので、材料コストを抑えることができ、経済性の向上を図ることができる。
【0050】
また、ワイパ包装袋用クリップ30及びワイパ包装体10の大きさを抑えることができるので、プラスティック使用量を抑えることができ、環境配慮の観点からも好ましい。
【0051】
また、保持状態のワイパ包装袋用クリップ30のワイパ取出部33a,33bの弦部42間には、2本の挟持体32a,32bの閉止部39a,39bの延設方向に沿って延びる間隙43が設けられ、係る間隙43は、ワイパ取出口31として機能する。このため、クリップ取付状態にしても、ワイパ包装袋用クリップ30のワイパ取出部33a,33bがワイパ包装袋20の開口22を挟持しないので、ワイパ包装袋20の開口22からのワイパ1の取り出しを容易に行うことができる。
【0052】
また、ワイパ包装袋用クリップ30のワイパ取出部33a,33bは、板状(本実施形態では薄板状)に形成されて、可撓性を有するので、ワイパ取出口31からワイパ1を取り出す際に、ワイパ取出部33a,33bを容易に弾性変形させることができる。このため、ワイパ取出部33a,33bのワイパ取出口31から容易にワイパ1を取り出すことができる。また、ワイパ取出部33a,33bによってワイパ1を好適に保持することができる。また、ワイパ取出部33a,33bのワイパ取出口31が十字形状に形成されるので、ワイパ取出部33a,33bの角部によって、ワイパ包装袋20内へのワイパ1の戻りを防止することができる。
【0053】
また、ワイパ包装袋用クリップ30は、ワイパ取出部33a,33bのワイパ取出口31を開閉可能な蓋部37を備え、閉止状態の蓋部37は、ワイパ取出口31を閉止する。このため、ワイパ1の使用後に蓋部37を閉止状態にすることによって、ワイパ取出口31よりも上方のワイパ1及びワイパ包装袋20内の乾燥を防止することができる。
【0054】
また、ワイパ包装袋20を、自立可能なガゼット袋やスタンド袋にした場合には、ワイパ包装袋20を自立させることができるので、ワイパ包装袋20を、ワイパ包装体10として安定的に使用することができる。
【0055】
なお、本実施形態では、ワイパ包装袋用クリップ30に蓋部37を設けたが、蓋部37を設けなくてもよい。
【0056】
また、本実施形態では、ワイパ取出部33a,33bを、可撓性を有する板状に形成したが、これに限定されるものではなく、少なくともワイパ取出口31を有していればよい。
【0057】
また、本実施形態では、ワイパ取出部33a,33bのワイパ取出口31を十字形状としたが、ワイパ取出口31の形状はこれに限定されるものではなく、ワイパ1を取り出し可能であれば、他の形状であってもよい。
【0058】
また、本実施形態では、保持状態のワイパ取出部33a,33bの間に間隙43を設けたが、これに限定されるものではなく、保持状態のワイパ取出部33a,33bの弦部42同士が当接していてもよい。
【0059】
また、本実施形態では、2本の挟持体32a,32bの取出部支持部38a,38bを、互いに離間する方向へ円弧状に膨出させたが、取出部支持部38a,38bの形状は円弧状に限定されるものではない。例えば、2本の挟持体32a,32bの取出部支持部38a,38bを、互いに離間する方向へコ字状に膨出させてもよい。
【0060】
また、本実施形態では、挟持体32a,32bの閉止部39a,39bを、取出部支持部38a,38bの両側に設けたが、これに限定されるものではなく、例えば、1本の閉止部39a,39bを、取出部支持部38a,38bの一方側のみに設けてもよい。
【0061】
また、本実施形態では、2本の挟持体32a,32bを棒状に形成したが、これに限定されるものではなく、ワイパ包装袋20の袋本体21の上端部21aを挟持可能であれば、他の形状であってもよい。
【0062】
また、本実施形態では、2本の挟持体32a,32bの一端部35同士を傾動可能に互いに連結したが、これに限定されるものではなく、2本の挟持体32a,32bの一端部35も、他端部36と同様に分離していてもよい。この場合、ワイパ包装袋用クリップ30は、2本の挟持体32a,32bの他端部36側の保持手段(本実施形態では係止爪34)に加えて、2本の挟持体32a,32bの一端部35同士の互いに離間する方向への移動を規制するための保持手段(例えば、リング等)を備える。
【0063】
また、本実施形態では、ワイパ包装袋20を、詰め替え用のワイパ1が収納されたワイパ包装袋20としたが、これに限定されるものではなく、ワイパ包装袋用クリップ30を取り付けて使用するための専用のワイパ包装袋20であってもよい。
【0064】
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態のワイパ包装体50は、ワイパ包装袋60の形状、及びワイパ包装袋用クリップ70を複数の部品を組み合わせて構成している点で第1実施形態と相違する。なお、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。また、以下の説明において、上下方向は、
図5の上下方向に対応する。
【0065】
図5は、本発明の第2実施形態に係るワイパ包装体50の斜視図である。
【0066】
図5に示すように、本実施形態に係るワイパ包装体50は、ワイパ1を収納するワイパ包装袋60と、ワイパ包装袋60に着脱可能に取り付けられたワイパ包装袋用クリップ70とを備える。ワイパ包装袋用クリップ70は、ワイパ包装袋60に対して着脱可能である。
【0067】
ワイパ包装袋60は、ワイパ1を収納する袋本体21と、袋本体21の上端部(開口端部)21aに設けられる開口22と、袋本体21の上端部21aに設けられる係止孔(袋側係止部)61と、を備える。本実施形態では、ワイパ包装袋60は、詰め替え用のワイパ1が収納されたワイパ包装袋60である。なお、
図5には、ワイパ包装袋60の上端部21aの開口22が開放された状態が図示されているが、製品としての詰め替え用のワイパ1のワイパ包装袋60は、袋本体21の上端部21a側が塞がれており、袋本体21の上端部21a側の一部(図示省略)を切り取ることによって、
図5に示すように、開口22を形成してもよい。また、ワイパ包装袋60の開口22内に、開閉可能なチャック等が設けられていてもよい。
【0068】
ワイパ包装袋用クリップ70は、ワイパ包装袋60の袋本体21の上端部21aに取り付けられて使用されるクリップであって、2本の挟持体71a,71bと、2本の挟持体71a,71bとは別体に形成されるワイパ取出部72と、1対のリング(保持手段)73a,73bとを備える。ワイパ包装袋用クリップ70は、ワイパ包装袋60の袋本体21の上端部21aに取り付けたクリップ取付状態のまま、ワイパ包装袋60内のワイパ1を取り出して使用可能なクリップである。
【0069】
ワイパ包装袋用クリップ70の2本の挟持体71a,71bは、クリップ取付状態でワイパ包装袋60の袋本体21の上端部21aを両側から挟む部材であって、本実施形態では、棒状に形成される。2本の挟持体71a,71bは、互いに分離した一端部74と、互いに分離した他端部75とをそれぞれ有し、一端部74から他端部75へ延びる。
【0070】
2本の挟持体71a,71bの一端部74は、リング73aを取付可能となっている。具体的には、2本の挟持体71a,71bの一端部74を、リング73a内に挿通させることによって、リング73aを2本の挟持体71a,71bの一端部74に取り付ける。この状態で、2本の挟持体71a,71bの一端部74の互いに離間する方向への移動は、リング73aによって規制される。また、2本の挟持体71a,71bの他端部75は、リング73bを取付可能となっている。具体的には、2本の挟持体71a,71bの他端部75を、リング73b内に挿通させることによって、リング73bを2本の挟持体71a,71bの他端部75に取り付ける。この状態で、2本の挟持体71a,71bの他端部75の互いに離間する方向への移動は、リング73bによって規制される。すなわち、本実施形態では、2本の挟持体71a,71bの両端部同士(一端部74同士及び他端部75同士)が互いに離間しないように、2本の挟持体71a,71bを保持可能な保持手段(リング73a,73b)を備える。2本の挟持体71a,71bは、その一端部74同士及び他端部75同士が互いに離間しないようにリング73a,73bによって保持した保持状態と、リング73a,73bによる保持を解除した解除状態(
図5に図示した状態)にすることができる。なお、本実施形態では、2本の挟持体71a,71bを互いに分離可能としたが、これに限定されるものではなく、上記第1実施形態のように、2本の挟持体71a,71bの一端部74を、互いに傾動可能に連結してもよい。
【0071】
2本の挟持体71a,71bは、保持状態で、互いに対向する位置に配置されて互いに離間する方向へ膨出するように延びてワイパ取出部72を挟持する取出部支持部76a,76bと、互いに対向する位置に配置されて取出部支持部76a,76bから連続して延びる閉止部77a,77bとをそれぞれ有する。なお、2本の挟持体71a,71bの取出部支持部76a,76b及び閉止部77a,77bは、ワイパ包装袋用クリップ70に対称的に設けられ、略同様の構成を有するため、以下では、一方の挟持体71aの取出部支持部76a及び閉止部77aについて説明し、他方の挟持体71bの説明を省略する。また、以下の説明において、ワイパ包装袋用クリップ70に関する方向は、特に説明のない限り、保持状態における方向を示す。
【0072】
挟持体71aの取出部支持部76aは、ワイパ取出部72を挟持するための部分であって、本実施形態では、挟持体71aの延設方向の略中央部に配置され、他方の挟持体71bから離間する方向へ円弧状に膨出する。取出部支持部76aは、その内周面から径方向の内側へ突出する係止凸部(第2係止部)78を有する。保持状態では、2本の挟持体71a,71bの取出部支持部76a,76bは、ワイパ取出部72を配置する1つの空間(領域)を、径方向の内側に区画する。ワイパ包装袋用クリップ70をワイパ包装袋60に取り付けたクリップ取付状態では、ワイパ包装袋60の開口22のうち2本の挟持体71a,71bの取出部支持部76a,76b間に位置する一部の領域は、ワイパ1を挿通可能に開口している。
【0073】
挟持体71aの閉止部77aは、取出部支持部76aの両側に1対設けられる。取出部支持部76aの両側の閉止部77aは、互いに一直線上に配置され、取出部支持部76aの両端から連続して互いに離間する方向へ延びる。保持状態では、一方の挟持体71aの閉止部77aは、他方の挟持体71bの閉止部77bに密接する。2本の挟持体71a,71bの閉止部77a,77bは、クリップ取付状態では、ワイパ包装袋60の上端部21aを両側から挟持して、ワイパ包装袋60の開口22の一部(取出部支持部76a,76b間に位置する部分)を除く領域(閉止部77a,77b間に位置する領域)を閉止する。
【0074】
ワイパ包装袋用クリップ70のワイパ取出部72は、クリップ取付状態でワイパ包装袋60内からワイパ1を取り出すための部分であって、ワイパ取出口79を有する。本実施形態では、ワイパ取出部72は、有底円筒状に形成される。ワイパ取出口79は、有底円筒状のワイパ取出部72の底板部72aに(本実施形態では、スリット状に)形成される。ワイパ取出部72の底板部72aは、上下方向と交叉する板状に形成され、可撓性を有する。ワイパ取出部72の底板部72aは、ワイパ取出部72の周壁部72bの厚さよりも薄い薄板状に形成される。ワイパ取出部72は、その周壁部72bの外周面から径方向の内側へ凹む係止凹部(第1係止部)80を有する。ワイパ取出部72の係止凹部80は、ワイパ取出部72を2本の挟持体71a,71bの取出部支持部76a,76b間に配置した際に、2本の挟持体71a,71bの係止凸部78に対向する位置に配置され、係止凸部78の挿入を許容し、係止凸部78に係止される。すなわち、2本の挟持体71a,71bの取出部支持部76a,76b間にワイパ取出部72を配置して、2本の挟持体71a,71bを保持状態にすると、ワイパ取出部72の係止凹部80が2本の挟持体71a,71bの係止凸部78に係止され、2本の挟持体71a,71bからのワイパ取出部72の脱落を防止することができる。なお、
図5には、他方の挟持体71bの係止凸部78に対応する係止凹部80が図示されており、一方の挟持体71aの係止凸部78に対応する係止凹部80の図示を省略している。
【0075】
ワイパ包装袋用クリップ70を構成する部材(2本の挟持体71a,71b、ワイパ取出部72、リング73a,73b)の材料は、例えば、射出成型可能なプラスチックであれば使用可能であり、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)等のプラスチックであることが好ましい。また、バイオマス由来の樹脂、紙や木粉等のコンパウンドを使用及び併用することもできる。これら部材は、通常のプラスチックの射出成型に用いる公知の技術及び装置を用いて成型することができる。
【0076】
次に、ワイパ包装袋60に対するワイパ包装袋用クリップ70の着脱について説明する。ワイパ包装袋用クリップ70を、ワイパ包装袋60に取り付ける(装着する)場合には、先ず、ワイパ取出部72を、底板部72aを上側に配置した状態で、ワイパ包装袋60の袋本体21の上端部21aの開口22内に配置する。この際に、ワイパ包装袋60内からワイパ1を引き出して、ワイパ取出部72のワイパ取出口79に挿通させる。次に、ワイパ取出部72の係止凹部80の位置とワイパ包装袋60の上端部21aの係止孔61の位置とを合わせる(
図5参照)。次に、解除状態の2本の挟持体71a,71bを、ワイパ包装袋60の上端部21aの両側に配置し、挟持体71a,71bの係止凸部78を、ワイパ包装袋60の係止孔61を介してワイパ取出部72の係止凹部80に挿入する。最後に、2本の挟持体71a,71bの両端部(一端部74及び他端部75)にリング73a,73bを取り付けて保持状態にする。すなわち、2本の挟持体71a,71bの間にワイパ包装袋60の上端部21a及びワイパ取出部72を配置して保持状態にする。これにより、ワイパ包装袋用クリップ70を、ワイパ包装袋60に取り付けたクリップ取付状態となる。すなわち、ワイパ包装袋60の係止孔61は、クリップ取付状態で、ワイパ包装袋用クリップ70の2本の挟持体71a,71bの係止凸部78に係止される。クリップ取付状態の2本の挟持体71a,71bの取出部支持部76a,76bは、ワイパ取出部72の外周面との間にワイパ包装袋60の上端部21aを介在させた状態でワイパ取出部72を両側から挟持して、ワイパ取出部72とワイパ包装袋60の上端部21aとの間を閉止する。ワイパ取出部72のワイパ取出口79は、クリップ取付状態で、ワイパ包装袋60の開口22の一部から取り出されるワイパ1の挿通を許容する。なお、本実施形態では、クリップ取付状態のワイパ取出部72の底板部72aを上側に配置したが、底板部72aを下側に配置してもよい。
【0077】
クリップ取付状態のワイパ包装袋60からワイパ包装袋用クリップ70を取り外す場合には、ワイパ包装袋用クリップ70のリング73a,73bを取り外して解除状態にして、2本の挟持体71a,71bをワイパ包装袋60から取り外し、ワイパ取出部72をワイパ包装袋60から取り外す。
【0078】
上記のように構成されたワイパ包装袋用クリップ70では、2本の挟持体71a,71bは、保持状態で、互いに対向する位置に配置されて互いに離間する方向へ膨出するように延びてワイパ取出部72を挟持する取出部支持部76a,76bと、互いに対向する位置に配置されて取出部支持部76a,76bから連続して延びる閉止部77a,77bとをそれぞれ有する。クリップ取付状態の2本の挟持体71a,71bの取出部支持部76a,76bは、ワイパ取出部72の外周面との間にワイパ包装袋60の上端部21aを介在させた状態でワイパ取出部72を両側から挟持して、ワイパ取出部72とワイパ包装袋60の上端部21aとの間を閉止する。また、クリップ取付状態の2本の挟持体71a,71bの閉止部77a,77bは、ワイパ包装袋60の上端部21aを両側から挟持して、ワイパ包装袋60の開口22の一部(取出部支持部76a,76b間に位置する部分)を除く領域(閉止部77a,77b間に位置する領域)を閉止する。そして、ワイパ取出部72のワイパ取出口79は、クリップ取付状態で、ワイパ包装袋60の開口22の一部から取り出されるワイパ1の挿通を許容する。このため、ワイパ包装袋用クリップ70をワイパ包装袋60の袋本体21の上端部21aに取り付けたクリップ取付状態のまま、ワイパ包装袋60内のワイパ1を取り出して使用可能である。
【0079】
また、ワイパ包装袋用クリップ70をワイパ包装袋60に取り付けることによって、ワイパ包装袋60内のワイパ1を取り出して使用可能である。このため、詰め替え用のワイパ1が収納されたワイパ包装袋60に対してワイパ包装袋用クリップ70を取り付けることによって、詰め替え用のワイパ1が収納されたワイパ包装袋20からワイパ1を取り出して使用することができる。これにより、従来使用されている専用のボトル型容器等を別途用意しなくてもよいため、簡便である。さらには、携帯性、収納性、及び経済性にも優れる。
【0080】
また、ワイパ包装袋用クリップ70をワイパ包装袋60に取り付ける際には、ワイパ取出部72を、ワイパ包装袋60の袋本体21の上端部21aの開口22内に配置し、2本の挟持体71a,71bの間にワイパ包装袋60の上端部21a及びワイパ取出部72を配置して保持状態にすることによって、ワイパ包装袋用クリップ70をワイパ包装袋60に対して簡単に取り付けることができる。また、クリップ取付状態のワイパ包装袋60からワイパ包装袋用クリップ70を取り外す場合には、ワイパ包装袋用クリップ70のリング73a,73bを取り外して解除状態にすることによって、ワイパ包装袋用クリップ70をワイパ包装袋60から簡単に取り外すことができる。このように、ワイパ包装袋用クリップ70は、ワイパ包装袋60に対して容易に着脱可能である。
【0081】
また、ワイパ包装袋用クリップ70の2本の挟持体71a,71bの間に、ワイパ包装袋60の袋本体21の上端部21a及びワイパ取出部72を挟むことによって、ワイパ包装袋用クリップ70をワイパ包装袋60に取り付ける。このため、業務用等の大型の詰め替え用のワイパ1のロール体が収納された大きなワイパ包装袋60に対してワイパ包装袋用クリップ70を取り付ける場合であっても、例えば、ワイパ包装袋60の上端部21aの角部を切り取ってワイパ1が挿通可能な開口22を確保し、係る部分(角部)にワイパ包装袋用クリップ70を取り付けることができる。したがって、ワイパ包装袋用クリップ70の大きさを、ワイパ1のロール体の大きさに応じた大きさにする必要がないので、ワイパ包装袋用クリップ70の大きさを小さく抑えることができる。
【0082】
また、上記のように構成されたワイパ包装袋60では、クリップ取付状態で、ワイパ包装袋用クリップ70側の第1係止部及び第2係止部の少なくとも一方(本実施形態では、2本の挟持体71a,71bの係止凸部(第2係止部)78)に係止される係止孔61を備える。このため、クリップ取付状態にした後、ワイパ包装袋60からのワイパ包装袋用クリップ70の離脱を防止することができる。このように、ワイパ包装袋60は、ワイパ包装袋用クリップ70の取り付けに適したワイパ包装袋60であるので、クリップ取付状態のままワイパ包装袋60内のワイパ1を取り出して使用するというワイパ包装袋用クリップ70の機能を好適に発揮させることができる。
【0083】
また、上記のように構成されたワイパ包装体50では、ワイパ包装袋用クリップ70の大きさを小さく抑えることができるので、ワイパ包装体50の全体としての大きさを抑えることができる。
【0084】
このように、本実施形態によれば、ワイパ包装袋用クリップ70をワイパ包装袋60に対して容易に着脱可能であり、ワイパ包装袋用クリップ70及びワイパ包装体50の大きさを抑えることができる。
【0085】
また、ワイパ包装袋用クリップ70及びワイパ包装体50の大きさを抑えることができるので、材料コストを抑えることができ、経済性の向上を図ることができる。
【0086】
また、ワイパ包装袋用クリップ70及びワイパ包装体50の大きさを抑えることができるので、プラスティック使用量を抑えることができ、環境配慮の観点からも好ましい。
【0087】
また、ワイパ包装袋用クリップ70のワイパ取出部72の底板部72aは、板状(本実施形態では薄板状)に形成されて、可撓性を有するので、ワイパ取出口79からワイパ1を取り出す際に、ワイパ取出部72の底板部72aを容易に弾性変形させることができる。このため、ワイパ取出部72のワイパ取出口79から容易にワイパ1を取り出すことができる。また、ワイパ取出部72の底板部72aによってワイパ1を好適に保持することができる。また、ワイパ取出部72のワイパ取出口79がスリット状に形成されるので、ワイパ1をワイパ取出口79の両側から支持することができ、ワイパ包装袋60内へのワイパ1の戻りを防止することができる。
【0088】
また、ワイパ包装袋60を、自立可能なガゼット袋やスタンド袋にした場合には、ワイパ包装袋60を自立させることができるので、ワイパ包装袋60を、ワイパ包装体50として安定的に使用することができる。
【0089】
なお、本実施形態では、ワイパ包装袋用クリップ70に蓋部を設けていないが、上記第1実施形態の蓋部37と同様に、保持状態の2本の挟持体71a,71bの取出部支持部76a,76b間の領域を覆い、ワイパ取出部72の前記ワイパ取出口79を閉止可能な蓋部を備えてもよい。
【0090】
また、本実施形態では、ワイパ取出部72の底板部72aを、可撓性を有する板状に形成したが、これに限定されるものではなく、少なくともワイパ取出口79を有していればよい。
【0091】
また、本実施形態では、ワイパ取出部72のワイパ取出口79をスリット状としたが、ワイパ取出口79の形状はこれに限定されるものではなく、ワイパ1を取り出し可能であれば、他の形状であってもよい。
【0092】
また、本実施形態では、2本の挟持体71a,71bの取出部支持部76a,76bを、互いに離間する方向へ円弧状に膨出させたが、取出部支持部76a,76bの形状は円弧状に限定されるものではない。例えば、2本の挟持体71a,71bの取出部支持部76a,76bを、互いに離間する方向へコ字状に膨出させてもよい。この場合、ワイパ取出部72の外形を、矩形状にしてもよい。
【0093】
また、本実施形態では、挟持体71a,71bの閉止部77a,77bを、取出部支持部76a,76bの両側に設けたが、これに限定されるものではなく、例えば、1本の閉止部77a,77bを、取出部支持部76a,76bの一方側のみに設けてもよい。
【0094】
また、本実施形態では、2本の挟持体71a,71bを棒状に形成したが、これに限定されるものではなく、ワイパ包装袋60の袋本体21の上端部21a及びワイパ取出部72を挟持可能であれば、他の形状であってもよい。
【0095】
また、本実施形態では、2本の挟持体71a,71bの取出部支持部76a,76bの双方に、第2係止部としての係止凸部78を設けたが、これに限定されるものではなく、2本の挟持体71a,71bの取出部支持部76a,76bのいずれか一方のみに第2係止部を設けてもよい。
【0096】
また、本実施形態では、挟持体71a,71b側に係止凸部(第2係止部)78を設け、ワイパ取出部72側に係止凹部(第1係止部)80を設けたが、これに限定されるものではない。例えば、挟持体71a,71b側に係止凹部(第2係止部)を設け、ワイパ取出部72側に係止凸部(第1係止部)を設けてもよい。この場合、ワイパ包装袋60の係止孔61は、クリップ取付状態で、ワイパ取出部72側の係止凸部(第1係止部)に係止されてもよい。あるいは、挟持体71a,71b側に係止凹部(第2係止部)及び係止凸部(第2係止部)の双方を設け、ワイパ取出部72側に係止凸部(第1係止部)及び係止凹部(第1係止部)の双方を設けてもよい。この場合、ワイパ包装袋60の係止孔61は、クリップ取付状態で、ワイパ包装袋用クリップ70の第1係止部及び第2係止部の双方に係止されてもよい。
【0097】
また、本実施形態では、挟持体71a,71b側の第2係止部、及びワイパ取出部72側の第1係止部を、凸部又は凹部としたが、第1係止部及び第2係止部の形状はこれに限定されるものではなく、互いに係止可能な形状であれば、他の様々な形状を適用することができる。
【0098】
また、本実施形態では、ワイパ包装袋用クリップ70に第1係止部及び第2係止部を設けたが、これに限定されるものではなく、ワイパ包装袋用クリップ70に第1係止部及び第2係止部を設けなくてもよい。この場合、ワイパ包装袋60に袋側係止部を設けなくてもよい。
【0099】
また、本実施形態では、ワイパ包装袋60に袋側係止部としての係止孔61を設けたが、袋側係止部の形状は孔に限定されるものではなく、例えば、袋側係止部の形状はスリット状であってもよい。
【0100】
また、本実施形態では、ワイパ包装袋60に係止孔61を設けたが、これに限定されるものではない。例えば、係止孔61を備えないワイパ包装袋に対してワイパ包装袋用クリップ70を取り付けてもよいし、係止孔61を備えないワイパ包装袋にワイパ包装袋用クリップ70を取り付けたワイパ包装体であってもよい。
【0101】
また、本実施形態では、ワイパ包装袋60を、詰め替え用のワイパ1が収納されたワイパ包装袋60としたが、これに限定されるものではなく、ワイパ包装袋用クリップ70を取り付けて使用するための専用のワイパ包装袋60であってもよい。
【0102】
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0103】
1:ワイパ
10,50:ワイパ包装体
20,60:ワイパ包装袋
21:袋本体
21a:袋本体の上端部(開口端部)
22:開口
30,70:ワイパ包装袋用クリップ
31,79:ワイパ取出口
32a,32b,71a,71b:2本の挟持体
33a,33b:2つのワイパ取出部
34:係止爪(保持手段)
35,74:2本の挟持体の一端部
36,75:2本の挟持体の他端部
37:蓋部
38a,38b,76a,76b:取出部支持部
39a,39b,77a,77b:閉止部
43:間隙
61:係止孔(袋側係止部)
72:ワイパ取出部
73a,73b:リング(保持手段)
78:係止凸部(第2係止部)
80:係止凹部(第1係止部)