(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023059634
(43)【公開日】2023-04-27
(54)【発明の名称】排煙装置
(51)【国際特許分類】
F24F 7/06 20060101AFI20230420BHJP
【FI】
F24F7/06 101
F24F7/06 101A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021169746
(22)【出願日】2021-10-15
(71)【出願人】
【識別番号】521342348
【氏名又は名称】王 洪
(74)【代理人】
【識別番号】100134072
【弁理士】
【氏名又は名称】白浜 秀二
(72)【発明者】
【氏名】龍 麗ナ
【テーマコード(参考)】
3L058
【Fターム(参考)】
3L058BH01
3L058BK02
3L058BK07
(57)【要約】
【課題】排煙を効果的に行うことができる排煙装置を提供する。
【解決手段】煙を捕集するフード3と、フード3内から煙を排出する排出装置6と、煙をフード3の開口縁部からフード3内に導く排煙補助装置9とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
煙を捕集するフードと、
該フード内から煙を排出する排出装置と、
煙を前記フードの開口縁部から前記フード内に導く排煙補助装置と、
を備えたことを特徴とする排煙装置。
【請求項2】
前記排煙補助装置は、前記フードの開口縁部から煙を導入する導入口および前記フード内に煙を導出する導出口を有する導煙ダクトを備えたことを特徴とする請求項1に記載の排煙装置。
【請求項3】
前記導煙ダクトは、煙に含まれる油分を溜める油溜め部を備えたことを特徴とする請求項2に記載の排煙装置。
【請求項4】
前記導入口は、前記導出口側程狭く形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の排煙装置。
【請求項5】
煙を捕集するフードと該フード内から煙を排出する排出装置とを有する排煙装置に装着される排煙補助装置であって、
煙を前記フードの開口縁部から前記フード内に導く導煙ダクトと、
該導煙ダクトを前記フードに装着する装着具と、
を備えたことを特徴とする排煙補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえばレンジフードなどの排煙フードを備える排煙装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の排煙装置としては、種々のものが提案されている。
【0003】
たとえば特許文献1には、煙の吸引排出管と外気の強制給気管にそれぞれ接続する内外二重構成のフードを焼肉テーブル上の空間に配設し、該フード間の下端輪形間隙より強制給気する外気にて焼肉テーブル上を囲みながら焼肉に伴う煙を吸引排出するようにした焼肉テーブルの排煙装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、煙捕集フードの作用領域の外側にスリット状の噴射ノズルを有する噴射ヘッドを噴射空気およびそれに誘引される空気が煙捕集フード内に流入するように配することにより煙捕集フードと噴射ヘッド間に空気カーテンを形成するようにした排煙補助装置が開示されている。
【0005】
さらに、特許文献3には、吸引フードの開口端部に、吐出した空気がフードの内側面に沿って排気ダクト内へと流れるように吐出口を向けて送風機を取付けた排煙装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001-235159号公報
【特許文献2】特開昭60-155839号公報
【特許文献3】実開昭57-46730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、これらはいずれも、空気を噴出する構成であるため、煙が攪拌され、排煙が効果的に行えない場合がある。
【0008】
本発明は、上記事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、排煙を効果的に行うことができる排煙装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係る排煙装置は、煙を捕集するフードと、フード内から煙を排出する排出装置と、煙をフードの開口縁部からフード内に導く排煙補助装置とを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明に係る排煙補助装置は、煙を捕集するフードとフード内から煙を排出する排出装置とを有する排煙装置に装着される排煙補助装置であって、煙をフードの開口縁部からフード内に導く導煙ダクトと、導煙ダクトをフードに装着する装着具とを備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る排煙装置によれば、排煙を効果的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図面は、本発明の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
【
図1】本発明の第1実施形態に係る排煙装置の設置状態を示す斜視図。
【
図6】本発明の第2実施形態に係る排煙装置を上側から見た斜視図。
【
図9】同排煙装置の排煙補助装置を示す分解斜視図。
【
図10】本発明の第3実施形態に係る排煙装置を上側から見た斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0014】
【0015】
この排煙装置1は、煙発生源であるたとえば調理器具2などからの煙を捕集するフード3を有している。
【0016】
このフード3は、たとえば箱状に形成され、背面側が壁4の側面に取付けられるように構成されている。
【0017】
また、このフード3は、下面が開口し、この開口部5が調理器具2の上方に位置するように配置されている。
【0018】
このフード3の上部には、
図2にも示すように、フード3内の煙を外部へ排出する排出装置6が設けられている。
【0019】
この排出装置6は、フード3内から煙を排出する排煙ファン7と、この排煙ファン7により排出された煙を外部へ導く排煙ダクト8を有している。
【0020】
また、フード3の開口縁部には、煙をフード3の開口縁部からフード3内に導く排煙補助装置9が配設されている。
【0021】
この排煙補助装置9は、フード3の壁2側を除く開口縁部に沿って設けられた導煙ダクト10を有している。
【0022】
この導煙ダクト10は、フード3内の前側に位置する前側ダクト11と、右側に位置する右側ダクト12と、左側に位置する左側ダクト13とを備え、これら前側ダクト11、右側ダクト12および左側ダクト13は、内部が連通した構成となっている。
【0023】
右側ダクト12の壁4側には、導煙ダクト10から煙をフード3内に導出する導出ファン14がファン取付具15によって導煙ダクト10に取付けられている。
【0024】
なお、ファン取付具15は、フード3に取付けてもよい。また、ファン取付具15の構成は、特に限定されることはなく、導煙ダクト10またはフード3に固定できるものであればよい。
【0025】
この導出ファン14は、右側ダクト12の壁4側に設けられた導出口16に蛇腹ダクト17を介して連通されている。
【0026】
導出口16は、右側ダクト12の前側、前側ダクト11の中央部、左側ダクト13の壁側と前側にも設けられ、導出ファン14の取付位置を変更できるようになっている。
【0027】
なお、導出ファン14は、複数台取付けることも可能になっている。
【0028】
また、導出ファン14が取り付けられていない導出口16には、蓋18が取り付けられている。
【0029】
導煙ダクト10は、
図3および
図4に示すように、底面部に長さ方向に沿って凹状部19が形成され、この凹状部19の底に煙の導入口20が形成されている。
【0030】
すなわち、この凹状部19は、
図5に示すように、導煙ダクト10の内側上方に向けて凹む形状となっていて、これにより導煙ダクト10内の凹状部19両側に煙に含まれる油分を溜める油溜め部21が形成されている。
【0031】
また、導煙ダクト10の底面部には、油溜り部21に溜まった油を排出する排出栓22が取付けられている。
【0032】
また、導煙ダクト10に設けられる複数の導入穴20の開口は、導出穴16側程狭く形成され、複数の導入口20から煙を均一に導入することができるようになっている。なお、複数の導入口20は、連続したスリット形状としてもよい。
【0033】
しかして、調理器具2から発生した煙は、排煙ファン7の稼動によりフード3に捕集され、排煙ダクト8から外部へ排出される。
【0034】
このとき、導出ファン14の稼動により、フード3の開口縁部に設けられた導煙ダクト10の導入口20からも煙が導入され、フード3内に導かれる。
【0035】
したがって、フード3の開口縁部周辺で煙が攪拌することなくスムーズにフード3内に捕集されるので、排煙を効果的に行うことができる。
【0036】
<第2実施形態>
以下、本発明の第2実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0037】
本実施形態では、
図6~
図9に示すように、導煙ダクト10は、フード3の開口縁部に着脱可能に取付けた構成となっている。
【0038】
すなわち、前側ダクト11,右側ダクト12、左側ダクト13は、端部同士が雄螺子23や雌螺子24などによって連結されている。なお、25はパッキンである。
【0039】
また、前側ダクト11,右側ダクト12、左側ダクト13は、コ字状部材(装着具)26および固定螺子(装着具)27により、フード3の開口端縁の内側に着脱可能に装着されている。
【0040】
このように構成することにより、排煙補助装置9をフード3に後付けすることができ、しかも、清掃を容易に行うことができる。
【0041】
<第3実施形態>
以下、本発明の第3実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0042】
本実施形態では、
図10~
図12に示すように、導煙ダクト10は、フレキシブルホース28をフード3の右側、前側、左側に張り巡らせた構成となっている。
【0043】
すなわち、フレキシブルホース28は、円筒部29と蛇腹状の可撓部30が交互に設けられ、円筒部29に導出口16,導入口20が設けられている。
【0044】
また、フレキシブルホース28は、円筒部29でコ字状部材26および固定螺子27によってフード3に着脱可能に取付けられている。
【0045】
このように構成することにより、構造が非常に簡単になり、しかも取付を容易に行うことができる。
【0046】
以上に記載した本発明に関する開示は、少なくとも下記事項に要約することができる。
【0047】
すなわち、本発明に係る排煙装置は、煙を捕集するフードと、フード内から煙を排出する排出装置と、煙をフードの開口縁部からフード内に導く排煙補助装置とを備えたことを特徴とするものである。
【0048】
また、本発明に係る排煙補助装置は、煙を捕集するフードとフード内から煙を排出する排出装置とを有する排煙装置に装着される排煙補助装置であって、煙をフードの開口縁部からフード内に導く導煙ダクトと、導煙ダクトをフードに装着する装着具とを備えたことを特徴とするものである。
【0049】
上記本発明は、少なくとも下記実施形態を含むことができる。該実施形態は、分離して又は互いに組み合わせて採択することができる。
【0050】
(1)排煙補助装置は、フードの開口縁部から煙を導入する導入口およびフード内に煙を導出する導出口を有する導煙ダクトを備える。
(2)導煙ダクトは、煙に含まれる油分を溜める油溜め部を備える。
(3)導入口は、排出口側程狭く形成されている。
【符号の説明】
【0051】
1 排煙装置
3 フード
6 排出装置
9 排煙補助装置
10 導煙ダクト
16 導出口
20 導入口
21 油溜め部
26 装着具(コ字状部材)
27 装着具(固定螺子)