(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023059639
(43)【公開日】2023-04-27
(54)【発明の名称】人力駆動車用の燃料電池および人力駆動車
(51)【国際特許分類】
B62M 6/80 20100101AFI20230420BHJP
H01M 8/00 20160101ALI20230420BHJP
H01M 8/04 20160101ALI20230420BHJP
B62M 6/55 20100101ALI20230420BHJP
B62M 6/90 20100101ALI20230420BHJP
B62J 43/13 20200101ALI20230420BHJP
B62J 43/28 20200101ALI20230420BHJP
B62K 19/30 20060101ALI20230420BHJP
B60K 8/00 20060101ALI20230420BHJP
B60L 50/75 20190101ALI20230420BHJP
B60L 50/71 20190101ALI20230420BHJP
【FI】
B62M6/80
H01M8/00 Z
H01M8/00 A
H01M8/04 Z
B62M6/55
B62M6/90
B62J43/13
B62J43/28
B62K19/30
B60K8/00
B60L50/75
B60L50/71
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021169752
(22)【出願日】2021-10-15
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】中倉 正裕
(72)【発明者】
【氏名】三木 良晃
【テーマコード(参考)】
3D212
3D235
5H125
5H127
【Fターム(参考)】
3D212BH06
3D235AA23
3D235BB17
3D235CC12
3D235CC15
3D235CC23
3D235CC24
3D235CC33
3D235FF02
5H125AA17
5H125AB03
5H125AC07
5H125AC12
5H125FF04
5H125FF09
5H127AB04
5H127AB29
5H127BA02
5H127BA22
5H127BB02
5H127BB12
5H127BB37
(57)【要約】
【課題】設計の自由度に貢献できる人力駆動車用の燃料電池および人力駆動車を提供する。
【解決手段】人力駆動車用の燃料電池は、燃料貯蔵部、燃料貯蔵部に接続された発電部、および、発電部に接続された蓄電部を備え、燃料貯蔵部、発電部、および、蓄電部のうちの1つは、ヘッドチューブ、トップチューブ、ダウンチューブ、シートチューブ、シートステイ、チェーンステイ、ステム、フロントフォーク、マッドガード、キャリア、サドル、および、シートポストの1つである第1部位に設けられるように構成され、燃料貯蔵部、発電部、および、蓄電部のうちのその他の2つは、ヘッドチューブ、トップチューブ、ダウンチューブ、シートチューブ、シートステイ、チェーンステイ、ステム、フロントフォーク、マッドガード、キャリア、サドル、および、シートポストにおいて、第1部位以外の少なくとも1つに設けられるように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車用の燃料電池であって、
前記人力駆動車は、ヘッドチューブ、トップチューブ、ダウンチューブ、シートチューブ、シートステイ、チェーンステイ、ステム、フロントフォーク、マッドガード、キャリア、サドル、および、シートポストの少なくとも1つを含み、
前記トップチューブ、前記ダウンチューブ、および、前記シートチューブの少なくとも1つと、前記シートステイ、および、前記チェーンステイの少なくとも1つと、前記ヘッドチューブと、前記フロントフォークと、は、前記人力駆動車の車体を構成し、
燃料貯蔵部、前記燃料貯蔵部に接続された発電部、および、前記発電部に接続された蓄電部を備え、
前記燃料貯蔵部、前記発電部、および、前記蓄電部のうちの1つは、前記ヘッドチューブ、前記トップチューブ、前記ダウンチューブ、前記シートチューブ、前記シートステイ、前記チェーンステイ、前記ステム、前記フロントフォーク、前記マッドガード、前記キャリア、前記サドル、および、前記シートポストの1つである第1部位に設けられるように構成され、
前記燃料貯蔵部、前記発電部、および、前記蓄電部のうちのその他の2つは、前記ヘッドチューブ、前記トップチューブ、前記ダウンチューブ、前記シートチューブ、前記シートステイ、前記チェーンステイ、前記ステム、前記フロントフォーク、前記マッドガード、前記キャリア、前記サドル、および、前記シートポストにおいて、前記第1部位以外の少なくとも1つに設けられるように構成される、燃料電池。
【請求項2】
前記燃料貯蔵部、前記発電部、および、前記蓄電部のうちの前記1つは、前記その他の2つから所定間隔を空けて配置されるように構成される、請求項1の燃料電池。
【請求項3】
前記燃料貯蔵部および前記発電部は、前記ダウンチューブに設けられるように構成され、
前記蓄電部は、前記トップチューブに設けられるように構成される、請求項1または2に記載の燃料電池。
【請求項4】
前記燃料貯蔵部は、前記シートチューブまたは前記シートポストに設けられるように構成され、
前記発電部および前記蓄電部は、前記ダウンチューブに設けられるように構成される、請求項1または2に記載の燃料電池。
【請求項5】
前記その他の2つのうちの一方は、前記ヘッドチューブ、前記トップチューブ、前記ダウンチューブ、前記シートチューブ、前記シートステイ、前記チェーンステイ、前記ステム、前記フロントフォーク、前記マッドガード、前記キャリア、前記サドル、および、前記シートポストにおいて、前記第1部位以外の1つである第2部位に設けられるように構成され、
前記その他の2つのうちの他方は、前記ヘッドチューブ、前記トップチューブ、前記ダウンチューブ、前記シートチューブ、前記シートステイ、前記チェーンステイ、前記ステム、前記フロントフォーク、前記マッドガード、前記キャリア、前記サドル、および、前記シートポストにおいて、前記第1部位以外かつ前記第2部位以外の1つである第3部位に設けられるように構成される、請求項1または2に記載の燃料電池。
【請求項6】
前記燃料貯蔵部は、前記シートチューブまたは前記シートポストに設けられるように構成され、
前記発電部は、前記ダウンチューブに設けられるように構成され、
前記蓄電部は、前記トップチューブに設けられるように構成される、請求項5に記載の燃料電池。
【請求項7】
前記発電部は、前記ダウンチューブのうちの上半分に設けられるように構成される、請求項6に記載の燃料電池。
【請求項8】
前記燃料貯蔵部は、前記ダウンチューブに設けられるように構成され、
前記発電部は、前記トップチューブに設けられるように構成され、
前記蓄電部は、前記シートチューブまたは前記シートポストに設けられるように構成される、請求項5に記載の燃料電池。
【請求項9】
前記燃料貯蔵部は、前記車体の内部に収容されるように構成される、請求項1から8のいずれか一項に記載の燃料電池。
【請求項10】
前記発電部は、前記車体の内部に収容されるように構成される、請求項1から9のいずれか一項に記載の燃料電池。
【請求項11】
前記蓄電部は、前記車体の内部に収容されるように構成される、請求項1から10のいずれか一項に記載の燃料電池。
【請求項12】
前記燃料電池は、前記燃料貯蔵部と前記発電部とを接続する燃料配管を備え、
前記燃料配管は、前記車体の内部に収容されるように構成される、請求項1から11のいずれか一項に記載の燃料電池。
【請求項13】
前記燃料電池は、前記発電部と前記蓄電部とを接続する電気ケーブルを備え、
前記電気ケーブルは、前記車体の内部に収容されるように構成される、請求項1から12のいずれか一項に記載の燃料電池。
【請求項14】
人力駆動車用の燃料電池であって、
前記人力駆動車は、前記燃料電池が設けられる車体を備え、
前記車体は、シートポストを含み、
燃料貯蔵部、前記燃料電池に接続された発電部、および、前記発電部に接続された蓄電部、を備え、
前記燃料貯蔵部、前記発電部、および、前記蓄電部のうちの1つの少なくとも一部は、前記シートポストの内部に収容されるように構成される、燃料電池。
【請求項15】
前記車体は、シートチューブを含み、
前記燃料貯蔵部は、前記シートチューブに設けられるように構成される、請求項14に記載の燃料電池。
【請求項16】
前記車体は、ダウンチューブを含み、
前記発電部は、前記ダウンチューブに設けられるように構成される、請求項15に記載の燃料電池。
【請求項17】
前記発電部は、前記ダウンチューブのうちの上半分に設けられるように構成される、請求項3、4、または、16に記載の燃料電池。
【請求項18】
人力駆動車であって、
請求項1から17のいずれか一項に記載の燃料電池を含む、人力駆動車。
【請求項19】
前記車体は、前記発電部に空気を送るための吸気口を含む、請求項18に記載の人力駆動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、人力駆動車用の燃料電池および人力駆動車に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に開示されている人力駆動車は、燃料電池を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的の1つは、設計の自由度に貢献できる人力駆動車用の燃料電池および人力駆動車を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1側面に従う燃料電池は、人力駆動車用の燃料電池であって、前記人力駆動車は、ヘッドチューブ、トップチューブ、ダウンチューブ、シートチューブ、シートステイ、チェーンステイ、ステム、フロントフォーク、マッドガード、キャリア、サドル、およびシートポストの少なくとも1つを含み、前記トップチューブ、前記ダウンチューブ、および、前記シートチューブの少なくとも1つと、前記シートステイ、および、前記チェーンステイの少なくとも1つと、前記ヘッドチューブと、前記フロントフォークと、は、前記人力駆動車の車体を構成し、燃料貯蔵部、前記燃料貯蔵部に接続された発電部、および、前記発電部に接続された蓄電部を備え、前記燃料貯蔵部、前記発電部、および、前記蓄電部のうちの1つは、前記ヘッドチューブ、前記トップチューブ、前記ダウンチューブ、前記シートチューブ、前記シートステイ、前記チェーンステイ、前記ステム、前記フロントフォーク、前記マッドガード、前記キャリア、前記サドル、および、前記シートポストの1つである第1部位に設けられるように構成され、前記燃料貯蔵部、前記発電部、および、前記蓄電部のうちのその他の2つは、前記ヘッドチューブ、前記トップチューブ、前記ダウンチューブ、前記シートチューブ、前記シートステイ、前記チェーンステイ、前記ステム、前記フロントフォーク、前記マッドガード、前記キャリア、前記サドル、および、前記シートポストにおいて、前記第1部位以外の少なくとも1つに設けられるように構成される。
第1側面の燃料電池によれば、燃料貯蔵部、発電部、および、蓄電部のうちの1つを、燃料貯蔵部、発電部、および、蓄電部のうちのその他の2つとは異なる第1部位に設けることによって、燃料電池が人力駆動車の特定の部位に偏って配置されないため、設計の自由度に貢献できる。第1側面の燃料電池によれば、燃料電池が人力駆動車の特定の部位に偏って配置されないため、人力駆動車の荷重バランスが偏りにくい。
【0006】
本開示の第1側面に従う第2側面の燃料電池において、前記燃料貯蔵部、前記発電部、および、前記蓄電部のうちの前記1つは、前記その他の2つから所定間隔を空けて配置されるように構成される。
第2側面の燃料電池によれば、燃料貯蔵部、発電部、および、蓄電部のうちの1つは、その他の2つから所定間隔を空けて配置されるため、人力駆動車の荷重バランスが偏りにくい。
【0007】
本開示の第1または第2側面に従う第3側面の燃料電池において、前記燃料貯蔵部および前記発電部は、前記ダウンチューブに設けられるように構成され、前記蓄電部は、前記トップチューブに設けられるように構成される。
第3側面の燃料電池によれば、発電部がダウンチューブに設けられるため、発電部へ空気を取り込みやすくなる。
【0008】
本開示の第1または第2側面に従う第4側面の燃料電池において、前記燃料貯蔵部は、前記シートチューブまたは前記シートポストに設けられるように構成され、前記発電部および前記蓄電部は、前記ダウンチューブに設けられるように構成される。
第4側面の燃料電池によれば、燃料貯蔵部が人力駆動車の車体のうちの走行方向の中間部に設けられるシートチューブまたはシートポストに設けられるため、石等の障害物等から燃料貯蔵部を保護しやすくなる。第4側面の燃料電池によれば、発電部がダウンチューブに設けられるため、発電部へ空気を取り込みやすくなる。第4側面の燃料電池によれば、発電部および蓄電部を近い位置に配置できるため、発電部と蓄電部との電気配線を短くできる。
【0009】
本開示の第1または第2側面に従う第5側面の燃料電池において、前記その他の2つのうちの一方は、前記ヘッドチューブ、前記トップチューブ、前記ダウンチューブ、前記シートチューブ、前記シートステイ、前記チェーンステイ、前記ステム、前記フロントフォーク、前記マッドガード、前記キャリア、前記サドル、および、前記シートポストにおいて、前記第1部位以外の1つである第2部位に設けられるように構成され、前記その他の2つのうちの他方は、前記ヘッドチューブ、前記トップチューブ、前記ダウンチューブ、前記シートチューブ、前記シートステイ、前記チェーンステイ、前記ステム、前記フロントフォーク、前記マッドガード、前記キャリア、前記サドル、および、前記シートポストにおいて、前記第1部位以外かつ前記第2部位以外の1つである第3部位に設けられるように構成される。
第5側面の燃料電池によれば、燃料貯蔵部、発電部、および、蓄電部の全てがそれぞれ別の部位に設けられるため、より燃料電池が人力駆動車の特定の部位に偏って配置されない。
【0010】
本開示の第5側面に従う第6側面の燃料電池において、前記燃料貯蔵部は、前記シートチューブまたは前記シートポストに設けられるように構成され、前記発電部は、前記ダウンチューブに設けられるように構成され、前記蓄電部は、前記トップチューブに設けられるように構成される。
第6側面の燃料電池によれば、発電部がダウンチューブに設けられるため、発電部へ空気を取り込みやすくなる。第6側面の燃料電池によれば、燃料貯蔵部が人力駆動車の車体のうちの走行方向の中間部に設けられるシートチューブまたはシートポストに設けられるため、石等の障害物等から燃料貯蔵部を保護しやすくなる。
【0011】
本開示の第6側面に従う第7側面の燃料電池において、前記発電部は、前記ダウンチューブのうちの上半分に設けられるように構成される。
第7側面の燃料電池によれば、発電部がダウンチューブのうちの上半分に設けられるため、発電部の排水がライダの足およびクランク軸の周辺にかかりにくくなる。
【0012】
本開示の第5側面に従う第8側面の燃料電池において、前記燃料貯蔵部は、前記ダウンチューブに設けられるように構成され、前記発電部は、前記トップチューブに設けられるように構成され、前記蓄電部は、前記シートチューブまたは前記シートポストに設けられるように構成される。
第8側面の燃料電池によれば、発電部がトップチューブに設けられるため、発電部の前方から発電部へ空気を取り込みやすくなる。
【0013】
本開示の第1から第8側面のいずれか1つに従う第9側面の燃料電池において、前記燃料貯蔵部は、前記車体の内部に収容されるように構成される。
第9側面の燃料電池によれば、燃料貯蔵部が車体の内部に収容されるため、外観の向上に貢献できる。
【0014】
本開示の第1から第9側面のいずれか1つに従う第10側面の燃料電池において、前記発電部は、前記車体の内部に収容されるように構成される。
第10側面の燃料電池によれば、発電部が車体の内部に収容されるため、外観の向上に貢献できる。
【0015】
本開示の第1から第10側面のいずれか1つに従う第11側面の燃料電池において、前記蓄電部は、前記車体の内部に収容されるように構成される。
第11側面の燃料電池によれば、蓄電部が車体の内部に収容されるため、外観の向上に貢献できる。
【0016】
本開示の第1から第11側面のいずれか1つに従う第12側面の燃料電池において、前記燃料電池は、前記燃料貯蔵部と前記発電部とを接続する燃料配管を備え、前記燃料配管は、前記車体の内部に収容されるように構成される。
第12側面の燃料電池によれば、燃料配管が車体の内部に収容されるため、外観の向上に貢献できる。
【0017】
本開示の第1から第12側面のいずれか1つに従う第13側面の燃料電池において、前記燃料電池は、前記発電部と前記蓄電部とを接続する電気ケーブルを備え、前記電気ケーブルは、前記車体の内部に収容されるように構成される。
第13側面の燃料電池によれば、電気ケーブルが車体の内部に収容されるため、外観の向上に貢献できる。
【0018】
本開示の第14側面に従う燃料電池は、人力駆動車用の燃料電池であって、前記人力駆動車は、前記燃料電池が設けられる車体を備え、前記車体は、シートポストを含み、燃料貯蔵部、前記燃料電池に接続された発電部、および、前記発電部に接続された蓄電部、を備え、前記燃料貯蔵部、前記発電部、および、前記蓄電部のうちの1つの少なくとも一部は、前記シートポストの内部に収容されるように構成される。
第14側面の燃料電池によれば、燃料貯蔵部、発電部、および、蓄電部のうちの1つの少なくとも一部がシートポストの内部に収容されるため、シートポストを車体から取り外すことによって、燃料貯蔵部、発電部、および、蓄電部のうちの1つのメンテナンスを行える。
【0019】
本開示の第14側面に従う第15側面の燃料電池において、前記車体は、シートチューブを含み、前記燃料貯蔵部は、前記シートチューブに設けられるように構成される。
第15側面の燃料電池によれば、燃料貯蔵部が人力駆動車の車体のうちの走行方向の中間部に設けられるシートチューブに設けられるため、石等の障害物等から燃料貯蔵部を保護しやすくなる。第15側面の燃料電池によれば、燃料貯蔵部がシートチューブに設けられるため、シートポストに配置される発電部または蓄電部と近い位置に配置できる。
【0020】
本開示の第15側面に従う第16側面の燃料電池において、前記車体は、ダウンチューブを含み、前記発電部は、前記ダウンチューブに設けられるように構成される。
第16側面の燃料電池によれば、発電部がダウンチューブに設けられるため、発電部へ空気を取り込みやすくなる。
【0021】
本開示の第3、第4、または、第16側面に従う第17側面の燃料電池において、前記発電部は、前記ダウンチューブのうちの上半分に設けられるように構成される。
第17側面の燃料電池によれば、発電部がダウンチューブのうちの上半分に設けられるため、発電部の排水がライダの足およびクランク軸の周辺にかかりにくくなる。
【0022】
本開示の第18側面に従う燃料電池は、人力駆動車であって、第1から第17側面のいずれか1つに記載の燃料電池を含む。
第18側面の人力駆動車によれば、設計の自由度に貢献できる。
【0023】
本開示の第18側面に従う第19側面の人力駆動車において、前記車体は、前記発電部に空気を送るための吸気口を含む。
第19側面の人力駆動車によれば、吸気口によって発電部へ空気を取り込みやすくなる。
【発明の効果】
【0024】
本開示の人力駆動車用の燃料電池および人力駆動車によれば、設計の自由度に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】第1実施形態の人力駆動車用の燃料電池を含む人力駆動車の側面図。
【
図2】第2実施形態の人力駆動車用の燃料電池を含む人力駆動車の側面図。
【
図3】第3実施形態の人力駆動車用の燃料電池を含む人力駆動車の側面図。
【
図4】第4実施形態の人力駆動車用の燃料電池を含む人力駆動車の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
<第1実施形態>
図1を参照して、第1実施形態に係る人力駆動車用の燃料電池および人力駆動車について説明する。
図1に示される人力駆動車10は、少なくとも1つの車輪を有し、少なくとも人力駆動力によって駆動できる乗り物である。人力駆動車10は、例えばマウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、ハンドバイク、および、リカンベント等種々の種類の自転車を含む。人力駆動車10が有する車輪の数は限定されない。人力駆動車10は、例えば1輪車および2輪以上の車輪を有する乗り物も含む。人力駆動車10は、人力駆動力のみによって駆動できる乗り物に限定されない。人力駆動車10は、人力駆動力だけではなく、電気モータの駆動力を推進に利用するイーバイク(e-bike)を含む。イーバイクは、電気モータによって推進が補助される電動アシスト自転車を含む。以下、実施形態において、人力駆動車10を電動アシスト自転車として説明する。
【0027】
本明細書において、以下の方向を示す用語「前(フロント)」、「後ろ(リア)」、「前方」、「後方」、「左」、「右」、「横」、「上方」、および、「下方」、並びに任意の他の類似の方向を示す用語は、人力駆動車10の基準位置(例えば、サドルまたはシート上)においてハンドルバーを向いたライダを基準に決定されるそれらの方向を指す。
【0028】
人力駆動車10は、ヘッドチューブ12、トップチューブ14、ダウンチューブ16、シートチューブ18、シートステイ20、チェーンステイ22、ステム24、フロントフォーク26、マッドガード28、キャリア30、サドル32、および、シートポスト34の少なくとも1つを含む。トップチューブ14、ダウンチューブ16、および、シートチューブ18の少なくとも1つと、シートステイ20、および、チェーンステイ22の少なくとも1つと、ヘッドチューブ12と、フロントフォーク26と、は、人力駆動車10の車体36を構成する。
【0029】
人力駆動車10は、前輪38、後輪40、ハンドル42、および、駆動機構44を備える。駆動機構44は、クランク46、ペダル48、および、チェーン50を含む。クランク46は、クランク軸46Aおよびクランクアーム46Bを含む。人力駆動車10は、ペダル48に加えられた人力駆動力が、クランク46およびチェーン50を介して後輪40に伝達されることによって走行する。
【0030】
ヘッドチューブ12、トップチューブ14、ダウンチューブ16、シートチューブ18、シートステイ20、および、チェーンステイ22は、人力駆動車10のフレームを構成する。ヘッドチューブ12には、トップチューブ14の前方の端部が接続される。ヘッドチューブ12には、ダウンチューブ16の上方の端部が接続される。トップチューブ14の後方の端部には、シートチューブ18の上方の端部およびシートステイ20の上方の端部が接続される。シートチューブ18の下方の端部には、ダウンチューブ16の下方の端部、および、チェーンステイ22の前方の端部が接続される。シートステイ20の下方の端部には、チェーンステイ22の後方の端部が接続される。
【0031】
ヘッドチューブ12の上方の端部には、ステム24が接続される。ステム24には、フロントフォーク26が接続される。ステム24には、ハンドル42が接続される。フロントフォーク26は、前輪38を支持する。シートポスト34にはサドル32が取り付けられる。シートポスト34の下方の端部は、シートチューブ18に挿入される。後輪40は、チェーンステイ22の後方の端部とシートステイ20の下方の端部との接続部分に設けられるリアエンドに支持される。
【0032】
マッドガード28は、前輪38および後輪40によって跳ね上げられた泥等がライダまたは車体36にかかることを防止する。キャリア30は、荷物を載せるために用いられる。サドル32は、ライダが着座できるように構成される。
【0033】
人力駆動車10は、燃料電池60を含む。燃料電池60は、燃料貯蔵部62、燃料貯蔵部62に接続された発電部64、および、発電部64に接続された蓄電部66を備える。燃料貯蔵部62は、例えば、水素等の燃料を圧縮して貯蔵するボンベである。燃料貯蔵部62と発電部64とは、燃料を燃料貯蔵部62から発電部64に供給することが可能なように、互いに接続される。例えば、燃料電池60は、燃料貯蔵部62と発電部64とを接続する燃料配管68を備える。発電部64は、燃料貯蔵部62から供給される燃料と空気中の酸素とを反応させることによって、発電する。発電部64と蓄電部66とは、電力を発電部64から蓄電部66に送ることが可能なように、互いに接続される。例えば、燃料電池60は、発電部64と蓄電部66とを接続する電気ケーブル70を備える。発電部64によって発電される電力は、蓄電部66に送られて、蓄電部66に蓄えられる。蓄電部66は、例えば、リチウムイオン電池等の二次電池である。
【0034】
例えば、燃料貯蔵部62は、柱体形状に形成される。例えば、燃料貯蔵部62の最大径は、100mm以下である。例えば、燃料貯蔵部62は、一般的な人力駆動車10の車体36の内部に挿入可能な寸法に形成される。例えば、燃料貯蔵部62の柱体形状の軸方向における長さは、燃料貯蔵部62の最大径よりも長い。例えば、燃料貯蔵部62の軸方向の一方の端部は、燃料配管68が取り付けられるように構成される。
【0035】
例えば、発電部64は、柱体形状に形成される。例えば、発電部64の最大径は、100mm以下である。例えば、発電部64は、一般的な人力駆動車10の車体36の内部に挿入可能な寸法に形成される。例えば、発電部64の柱体形状の軸方向における長さは、発電部64の最大径よりも長い。
【0036】
例えば、発電部64は、スタックを備える。スタックは、複数のセルが積層されることによって構成される。複数のセルは、互いに電気的に直列接続される。例えば、各セルは、シート状の膜電極ガス拡散層接合体(MEGA:Membrane Electrode Gas-diffusion Assembly)と、膜電極ガス拡散層接合体の周縁部に接合される樹脂プレートと、導電性を有する板状の一対のセパレータと、を備える。セパレータは、膜電極ガス拡散層接合体および樹脂プレートを厚さ方向に挟む。スタックの種類および材料は、適宜変更できる。スタックの形状、数、および、セルの積層方向は、発電部64の外形に応じて適宜変更できる。
【0037】
発電部64は、スタックに酸素を含む空気を供給するコンプレッサを備えていてもよい。燃料貯蔵部62から供給される水素と、コンプレッサから供給される酸素とがスタック内において化学反応することによって、電気エネルギが生成される。コンプレッサは、発電部64から生成される電気エネルギによって駆動するように構成されてもよい。例えば、発電部64は、コンプレッサがスタックよりも人力駆動車10の前方に設けられるように構成される。燃料貯蔵部62からスタックまでの燃料の供給経路には、水素の供給量を調整する電磁弁が設けられてもよい。発電部64は、スタックを冷却する冷却部を備えていてもよい。例えば、冷却部は、冷媒または水を循環させる流路を備える。発電部64には、スタックの排気を排出する排出経路が設けられてもよい。例えば、スタックは、DC/DCコンバータを介して蓄電部66と電気的に接続される。DC/DCコンバータは、発電部64に設けられてもよく、蓄電部66に設けられてもよい。スタックによって発電された直流電力は、DC/DCコンバータによって所定の電圧まで降圧された後、蓄電部66に供給される。
【0038】
例えば、蓄電部66は、柱体形状に形成される。例えば、蓄電部66の最大径は、100mm以下である。例えば、蓄電部66は、一般的な人力駆動車10の車体36の内部に挿入可能な寸法に形成される。例えば、蓄電部66の柱体形状の軸方向における長さは、蓄電部66の最大径よりも長い。
【0039】
例えば、燃料配管68は、中心部にエチレン・ビニルアルコール共重合体などの高いガスバリア性と可撓性を有する樹脂管と、樹脂管の周囲に設けられた複数の繊維強化層と、を含む。
【0040】
例えば、人力駆動車10は、ドライブユニット52をさらに備える。ドライブユニット52は、人力駆動車10の推進をアシストするように構成される。例えば、ドライブユニット52は、クランク46の周辺に設けられる。例えば、ドライブユニット52は、駆動機構44に駆動力を伝達する。ドライブユニット52は、燃料電池60から供給される電力によって駆動されるように構成される。ドライブユニット52は、電気モータ等の駆動源を含む。蓄電部66に蓄えられた電力は、ドライブユニット52に供給される。ドライブユニット52は、蓄電部66から供給される電力によって駆動力を発生する。
【0041】
例えば、燃料電池60は通信部を含む。通信部は、例えば、蓄電部66に設けられる。例えば、通信部は、既存の人力駆動車用の二次電池と同一の通信方式を用いて通信を行うように構成される。例えば、通信部は、電力線通信(PLC;Power Line Communication)、CAN(Controller Area Network)、または、UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)等の通信方式によって、ドライブユニット52および人力駆動車10が備える他のコンポーネントの少なくとも1つと通信可能である。通信部は、型番等に関する認証情報、および、燃料残量等の情報をドライブユニット52等のコンポーネントに送信できる。
【0042】
例えば、人力駆動車10は、燃料電池60と、ドライブユニット52とを接続する電気ケーブル54を備える。例えば、電気ケーブル54は、燃料電池60からドライブユニット52へ電力を供給する電力供給線を含む。例えば、電気ケーブル54は、燃料電池60の通信部とドライブユニット52とを通信可能に接続する通信線を含む。
【0043】
燃料貯蔵部62、発電部64、および、蓄電部66のうちの1つは、ヘッドチューブ12、トップチューブ14、ダウンチューブ16、シートチューブ18、シートステイ20、チェーンステイ22、ステム24、フロントフォーク26、マッドガード28、キャリア30、サドル32、および、シートポスト34の1つである第1部位に設けられるように構成される。燃料貯蔵部62、発電部64、および、蓄電部66のうちのその他の2つは、ヘッドチューブ12、トップチューブ14、ダウンチューブ16、シートチューブ18、シートステイ20、チェーンステイ22、ステム24、フロントフォーク26、マッドガード28、キャリア30、サドル32、および、シートポスト34において、第1部位以外の少なくとも1つに設けられるように構成される。
【0044】
本実施形態では、燃料貯蔵部62、発電部64、および、蓄電部66のうちのその他の2つのうちの一方は、ヘッドチューブ12、トップチューブ14、ダウンチューブ16、シートチューブ18、シートステイ20、チェーンステイ22、ステム24、フロントフォーク26、マッドガード28、キャリア30、サドル32、および、シートポスト34において、第1部位以外の1つである第2部位に設けられるように構成される。本実施形態では、燃料貯蔵部62、発電部64、および、蓄電部66のうちのその他の2つのうちの他方は、ヘッドチューブ12、トップチューブ14、ダウンチューブ16、シートチューブ18、シートステイ20、チェーンステイ22、ステム24、フロントフォーク26、マッドガード28、キャリア30、サドル32、および、シートポスト34において、第1部位以外かつ第2部位以外の1つである第3部位に設けられるように構成される。
【0045】
本実施形態では、第1部位は、シートチューブ18またはシートポスト34、ダウンチューブ16、および、トップチューブ14のうちの1つであり、第2部位は、シートチューブ18またはシートポスト34、ダウンチューブ16、および、トップチューブ14のうちの第1部位以外の1つであり、第3部位は、シートチューブ18またはシートポスト34、ダウンチューブ16、および、トップチューブ14のうちの第1部位および第2部位以外の1つである。例えば、第1部位、第2部位、および、第3部位のそれぞれには、燃料電池60を保持するための保持機構が設けられてもよい。
【0046】
本実施形態では、燃料貯蔵部62は、シートチューブ18またはシートポスト34に設けられるように構成される。例えば、燃料貯蔵部62は、シートチューブ18に設けられるように構成される。燃料貯蔵部62は、シートチューブ18およびシートポスト34にまたがって設けられるように構成されてもよい。例えば、燃料貯蔵部62は、車体36の内部に収容されるように構成される。本実施形態では、燃料貯蔵部62は、シートチューブ18の内部、または、シートポスト34の内部に収容されるように構成される。
【0047】
本実施形態では、発電部64は、ダウンチューブ16に設けられるように構成される。例えば、発電部64は、ダウンチューブ16のうちの上半分に設けられるように構成される。例えば、発電部64は、車体36の内部に収容されるように構成される。本実施形態では、発電部64は、ダウンチューブ16の内部に収容されるように構成される。
【0048】
例えば、車体36は、発電部64に空気を送るための吸気口36Aを含む。本実施形態では、吸気口36Aは、ダウンチューブ16に設けられる。例えば、吸気口36Aは、車体36のうちの、人力駆動車10の前方を向く部分に設けられる。吸気口36Aは、車体36に設けられる1つ以上のスリットであってもよい。吸気口36Aには、ファン、ルーバー、および、シャッタの少なくとも1つが設けられてもよい。ファン、ルーバー、および、シャッタの少なくとも1つは、電動アクチュエータによって動作するものであってもよい。電動アクチュエータが動作することによって、ファン、ルーバー、および、シャッタの少なくとも1つの状態が、吸気口36Aを閉鎖する状態および吸気口36Aを解放する状態の一方から他方に変更される。吸気口36Aと発電部64との間には、フィルタが設けられてもよい。フィルタは、発電部64に向かう空気から異物を除去するように構成される。
【0049】
例えば、車体36は、発電部64から空気を排出するための排出口36Bを含む。本実施形態では、排出口36Bは、ダウンチューブ16に設けられる。例えば、排出口36Bは、車体36のうちの、人力駆動車10の後方を向く部分、または、下方を向く部分に設けられる。排出口36Bは、車体36に設けられる1つ以上のスリットであってもよい。
【0050】
本実施形態では、蓄電部66は、トップチューブ14に設けられるように構成される。例えば、蓄電部66は、車体36の内部に収容されるように構成される。本実施形態では、蓄電部66は、トップチューブ14の内部に収容されるように構成される。
【0051】
例えば、燃料貯蔵部62、発電部64、および、蓄電部66のうちの1つは、その他の2つから所定間隔を空けて配置されるように構成される。例えば、燃料貯蔵部62、発電部64、および、蓄電部66のうちの1つは、その他2つと接触しない。例えば、燃料貯蔵部62、発電部64、および、蓄電部66のうちの1つのハウジングは、その他の2つのハウジングとは各別に構成さる。
【0052】
本実施形態では、燃料貯蔵部62、発電部64、および、蓄電部66のそれぞれは、他の2つから所定間隔を空けて配置されるように構成される。例えば、燃料貯蔵部62、発電部64、および、蓄電部66のそれぞれは、他の2つと接触しない。例えば、燃料貯蔵部62は、発電部64から第1所定間隔を空けて配置されるように構成される。例えば、燃料貯蔵部62は、蓄電部66から第2所定間隔を空けて配置されるように構成される。例えば、発電部64は、蓄電部66から第3所定間隔を空けて配置されるように構成される。第1所定間隔は、第2所定間隔と異なってもよく、同じであってもよい。第1所定間隔は、第3所定間隔と異なっていてもよく、同じであってもよい。第2所定間隔は、第3所定間隔と異なっていてもよく同じであってもよい。
【0053】
例えば、燃料配管68は、車体36の内部に収容されるように構成される。燃料配管68は、少なくとも一部が、車体36の外部に配置されるように構成されてもよい。本実施形態では、燃料配管68は、シートチューブ18の内部において燃料貯蔵部62の下方の端部からシートチューブ18の下方に向かって延び、ダウンチューブ16の内部を下方に向かって延び、発電部64の上方の端部に接続される。
【0054】
例えば、電気ケーブル70は、車体36の内部に収容されるように構成される。電気ケーブル70は、少なくとも一部が、車体36の外部に配置されるように構成されてもよい。本実施形態では、電気ケーブル70は、ダウンチューブ16の内部において発電部64の上方の端部からダウンチューブ16の上方に向かって延び、トップチューブ14の内部を後方に向かって延び、蓄電部66の前方の端部に接続される。
【0055】
<第2実施形態>
図2を参照して、第2実施形態について説明する。第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0056】
本実施形態では、燃料貯蔵部62、発電部64、および、蓄電部66のうちのその他の2つのうちの両方は、ヘッドチューブ12、トップチューブ14、ダウンチューブ16、シートチューブ18、シートステイ20、チェーンステイ22、ステム24、フロントフォーク26、マッドガード28、キャリア30、サドル32、および、シートポスト34において、第1部位以外の1つである第2部位に設けられるように構成される。
【0057】
本実施形態では、第1部位は、シートチューブ18またはシートポスト34、ダウンチューブ16、および、トップチューブ14のうちの1つであり、第2部位は、シートチューブ18またはシートポスト34、ダウンチューブ16、および、トップチューブ14のうちの第1部位以外の1つである。
【0058】
本実施形態では、燃料貯蔵部62および発電部64は、ダウンチューブ16に設けられるように構成される。本実施形態では、蓄電部66は、トップチューブ14に設けられるように構成される。
【0059】
本実施形態では、燃料貯蔵部62は、ダウンチューブ16の内部に収容されるように構成される。本実施形態では、発電部64は、ダウンチューブ16の内部に収容されるように構成される。本実施形態では、蓄電部66は、トップチューブ14の内部に収容されるように構成される。
【0060】
例えば、発電部64は、ダウンチューブ16のうちの上半分に設けられるように構成される。例えば、ダウンチューブ16の内部において、発電部64は、燃料貯蔵部62よりもドライブユニット52に近い位置に配置される。例えば、ダウンチューブ16の内部において、発電部64は、燃料貯蔵部62よりも下方に配置される。
【0061】
本実施形態では、吸気口36Aは、ダウンチューブ16のうちの発電部64に吸気を送り込みやすい位置に設けられる。本実施形態では、排出口36Bは、ダウンチューブ16のうちの発電部64から排気しやすい位置に設けられる。
【0062】
本実施形態では、発電部64は、燃料貯蔵部62と接触するように配置されてもよい。発電部64が、燃料貯蔵部62と接触するように配置される場合、第1所定間隔は、ゼロである。本実施形態では、発電部64のハウジング、および、燃料貯蔵部62のハウジングは、一体に形成されていてもよい。本実施形態においても、燃料貯蔵部62、発電部64、および、蓄電部66のそれぞれは、他の2つから所定間隔を空けて配置されるように構成されてもよい。
【0063】
本実施形態では、燃料配管68は、シートチューブ18の内部において燃料貯蔵部62の上方の端部からシートチューブ18の上方に向かって延び、発電部64の下方の端部に接続される。
【0064】
本実施形態では、電気ケーブル70は、シートチューブ18の内部において発電部64の上方の端部からダウンチューブ16の上方に向かって延び、トップチューブ14の内部を後方に向かって延び、蓄電部66の前方の端部に接続される。
【0065】
<第3実施形態>
図3を参照して、第3実施形態について説明する。第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0066】
本実施形態では、第1部位は、シートチューブ18またはシートポスト34、ダウンチューブ16、および、トップチューブ14のうちの1つであり、第2部位は、シートチューブ18またはシートポスト34、ダウンチューブ16、および、トップチューブ14のうちの第1部位以外の1つであり、第3部位は、シートチューブ18またはシートポスト34、ダウンチューブ16、および、トップチューブ14のうちの第1部位および第2部位以外の1つである。例えば、第1部位、第2部位、および、第3部位のそれぞれには、燃料電池60を保持するための保持機構が設けられてもよい。
【0067】
本実施形態では、燃料貯蔵部62は、ダウンチューブ16に設けられるように構成される。本実施形態では、燃料貯蔵部62は、ダウンチューブ16の内部に収容されるように構成される。
【0068】
本実施形態では、発電部64は、トップチューブ14に設けられるように構成される。本実施形態では、発電部64は、トップチューブ14の内部に収容されるように構成される。
【0069】
本実施形態では、吸気口36Aは、トップチューブ14のうちの発電部64よりも前方に設けられる。本実施形態では、排出口36Bは、ダウンチューブ16のうちの発電部64よりも後方に設けられる。
【0070】
本実施形態では、蓄電部66は、シートチューブ18またはシートポスト34に設けられるように構成される。例えば、蓄電部66は、シートチューブ18に設けられるように構成される。蓄電部66は、シートチューブ18およびシートポスト34にまたがって設けられるように構成されてもよい。本実施形態では、蓄電部66は、シートチューブ18の内部に収容されるように構成される。
【0071】
本実施形態では、燃料配管68は、ダウンチューブ16の内部において燃料貯蔵部62の上方の端部からダウンチューブ16の上方に向かって延び、トップチューブ14の内部を発電部64に向かって延び、発電部64の前方の端部に接続される。
【0072】
本実施形態では、電気ケーブル70は、トップチューブ14の内部において発電部64の後方の端部からトップチューブ14の後方に向かって延び、シートチューブ18の内部を蓄電部66に向かって下方に延び、蓄電部66の上方の端部に接続される。
【0073】
<第4実施形態>
図4を参照して、第4実施形態について説明する。第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0074】
本実施形態では、燃料貯蔵部62、発電部64、および、蓄電部66のうちのその他の2つのうちの両方は、ヘッドチューブ12、トップチューブ14、ダウンチューブ16、シートチューブ18、シートステイ20、チェーンステイ22、ステム24、フロントフォーク26、マッドガード28、キャリア30、サドル32、および、シートポスト34において、第1部位以外の1つである第2部位に設けられるように構成される。
【0075】
本実施形態では、第1部位は、シートチューブ18またはシートポスト34、ダウンチューブ16、および、トップチューブ14のうちの1つであり、第2部位は、シートチューブ18またはシートポスト34、ダウンチューブ16、および、トップチューブ14のうちの第1部位以外の1つである。
【0076】
本実施形態では、燃料貯蔵部62は、シートチューブ18またはシートポスト34に設けられるように構成される。例えば、燃料貯蔵部62の少なくとも一部は、シートポスト34に設けられるように構成される。燃料貯蔵部62は、シートチューブ18およびシートポスト34にわたって設けられるように構成される。本実施形態では、発電部64および蓄電部66は、ダウンチューブ16に設けられるように構成される。
【0077】
本実施形態では、発電部64は、ダウンチューブ16の内部に収容されるように構成される。本実施形態では、蓄電部66は、ダウンチューブ16の内部に収容されるように構成される。
【0078】
例えば、発電部64は、ダウンチューブ16のうちの上半分に設けられるように構成される。例えば、ダウンチューブ16の内部において、蓄電部66は、発電部64よりもドライブユニット52に近い位置に配置される。例えば、ダウンチューブ16の内部において、蓄電部66は、発電部64よりも下方に配置される。蓄電部66が発電部64よりもドライブユニット52に近い位置に配置されることによって、電気ケーブル54を短くできる。
【0079】
本実施形態では、吸気口36Aは、ダウンチューブ16のうちの発電部64に吸気を送り込みやすい位置に設けられる。本実施形態では、排出口36Bは、ダウンチューブ16のうちの発電部64から排気しやすい位置に設けられる。
【0080】
本実施形態では、発電部64は、蓄電部66と接触するように配置されてもよい。発電部64が、蓄電部66と接触するように配置される場合、第3所定間隔は、ゼロである。本実施形態では、発電部64のハウジング、および、蓄電部66のハウジングは、一体に形成されていてもよい。本実施形態においても、燃料貯蔵部62、発電部64、および、蓄電部66のそれぞれは、他の2つから所定間隔を空けて配置されるように構成されてもよい。
【0081】
本実施形態では、燃料配管68は、シートチューブ18の内部において燃料貯蔵部62の下方の端部からシートチューブ18の下方に向かって延び、ダウンチューブ16の内部において上方に延び、発電部64の下方の端部に接続される。燃料配管68は、シートチューブ18の内部において燃料貯蔵部62の上方の端部からトップチューブ14の内部を経由して、ダウンチューブ16の下方に向かって延び、発電部64の上方の端部に接続されてもよい。
【0082】
本実施形態では、電気ケーブル70は、ダウンチューブ16の内部において発電部64の下方の端部からダウンチューブ16の下方に向かって延び、蓄電部66の上方の端部に接続される。
【0083】
<変形例>
各実施形態に関する説明は、本開示に従う人力駆動車用の燃料電池および人力駆動車が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に従う人力駆動車用の燃料電池および人力駆動車は、例えば以下に示される各実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変形例において、実施形態の形態と共通する部分については、実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0084】
・燃料貯蔵部62、発電部64、および、蓄電部66は、全て第1部位に配置されるように構成されてもよい。要するに、人力駆動車10は、燃料電池60が設けられる車体36を備え、車体36は、シートポスト34を含み、燃料電池60は、燃料貯蔵部62、燃料電池60に接続された発電部64、および、発電部64に接続された蓄電部66、を備え、燃料貯蔵部62、発電部64、および、蓄電部66のうちの1つの少なくとも一部は、シートポスト34の内部に収容されるように構成されれば、他の構成は省略してもよい。この場合、車体36は、シートチューブ18を含み、燃料貯蔵部62は、シートチューブ18に設けられるように構成されてもよい。この場合、例えば、車体36は、ダウンチューブ16を含み、発電部64は、ダウンチューブ16に設けられるように構成されてもよい。
【0085】
・燃料貯蔵部62、発電部64、および、蓄電部66の少なくとも1つは、少なくとも一部が車体36の外部に配置されるように構成されてもよい。燃料貯蔵部62の少なくとも一部が車体36の外部に配置される場合、燃料貯蔵部62の交換が容易になる。発電部64の少なくとも一部が車体36の外部に配置される場合、発電部64の空気の取入れが容易になる。
【0086】
・人力駆動車10は、蓄電部66とドライブユニット52とを接続する電気ケーブル54に代えてまたは加えて、発電部64とドライブユニット52とを接続する電気ケーブルを備えてもよい。この場合、燃料電池60の通信部は、発電部64に設けられてもよい。
【0087】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【符号の説明】
【0088】
10…人力駆動車、12…ヘッドチューブ、14…トップチューブ、16…ダウンチューブ、18…シートチューブ、20…シートステイ、22…チェーンステイ、24…ステム、26…フロントフォーク、28…マッドガード、30…キャリア、32…サドル、34…シートポスト、36…車体、36A…吸気口、60…燃料電池、62…燃料貯蔵部、64…発電部、66…蓄電部、68…燃料配管、70…電気ケーブル。