(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023059656
(43)【公開日】2023-04-27
(54)【発明の名称】椅子用パーティション及びパーティションが取り付けられた椅子
(51)【国際特許分類】
A47C 7/62 20060101AFI20230420BHJP
【FI】
A47C7/62 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021169774
(22)【出願日】2021-10-15
(71)【出願人】
【識別番号】520322587
【氏名又は名称】株式会社アークハウス
(74)【代理人】
【識別番号】100194467
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 健文
(72)【発明者】
【氏名】今道 栄治
【テーマコード(参考)】
3B084
【Fターム(参考)】
3B084JA04
(57)【要約】
【課題】椅子の背凭れに対して、ユーザが簡単に、パーティションを取り付けることができることを目的とする。
【解決手段】椅子用パーティション1は、椅子9の背凭れ91に取付け可能な取付け部2と、前記取付け部2に設けられ、前記取付け部2から上方向に延び出た支持部5と、前記支持部5の上部から水平面に沿って延び、遮蔽部材7を吊り下げるアーム部6と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
椅子の背凭れに取付け可能な取付け部と、
前記取付け部に設けられ、前記取付け部から上方向に延び出た支持部と、
前記支持部の上部から水平面に沿って延び、遮蔽部材を吊り下げるアーム部と、
を備える、
椅子用パーティション。
【請求項2】
前記取付け部は、
前記背凭れの外面に沿うように配置される取付け部材と、
前記取付け部材を前記背凭れに固定する固定部材と、
を有する、
請求項1記載の椅子用パーティション。
【請求項3】
前記固定部材が、前記取付け部材に取り付けられたベルトを含む、
請求項2記載の椅子用パーティション。
【請求項4】
前記取付け部材は、
前記背凭れの外面に沿うように変形可能であり、前記ベルトが取り付けられる保持部材と、
前記保持部材に取り付けられ、前記支持部を支持する台座と、
を有する、
請求項2又は請求項3に記載の椅子用パーティション。
【請求項5】
前記支持部は、前記台座に対して、前記背凭れの外面に沿うように水平方向に延びた回転軸で回転可能に取り付けられている、
請求項4記載の椅子用パーティション。
【請求項6】
前記支持部は、長手方向に伸縮可能に構成されている、
請求項1~5のいずれか一項に記載の椅子用パーティション。
【請求項7】
前記支持部は、折り畳み可能に構成されている、
請求項1~6のいずれか一項に記載の椅子用パーティション。
【請求項8】
前記取付け部に取り付けられ、折り畳んだ状態の前記支持部を収納する収納ケースを更に備える、
請求項7記載の椅子用パーティション。
【請求項9】
前記アーム部は、平面視において、前記支持部に対して可動である、
請求項1~8のいずれか一項に記載の椅子用パーティション。
【請求項10】
前記アーム部は、折り畳み可能に構成されている、
請求項1~9のいずれか一項に記載の椅子用パーティション。
【請求項11】
背凭れを有する椅子と、
前記背凭れに取付け可能な取付け部と、
前記取付け部に設けられ、前記背凭れよりも上方に延び出た支持部と、
前記支持部の上部から水平面に沿って延び、遮蔽部材を吊り下げるアーム部と、
を備える、
パーティションが取り付けられた椅子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、椅子用パーティション及びパーティションが取り付けられた椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、従来のパーティション(特許文献1では、透過視認性制御パネル)が開示されている。特許文献1記載のパーティションは、開口率が40~60%で穴径1~3mmの孔が穿たれた金属パネルであり、平面視円弧状に曲げられて、椅子の背凭れ部分に固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1では、金属パネルを背凭れに取り付ける際、金属パネルを持ち上げながら、固定用の金具や接着等によって、背凭れに対して固定する。このため、特許文献1のパーティションは、椅子に対して、ユーザが簡単に取り付けられるものではなかった。
本発明は、椅子の背凭れに対して、ユーザが簡単に、パーティションを取り付けることができることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る一態様の椅子用パーティションは、椅子の背凭れに取付け可能な取付け部と、前記取付け部に設けられ、前記取付け部から上方向に延び出た支持部と、前記支持部の上部から水平面に沿って延び、遮蔽部材を吊り下げるアーム部と、を備える。
【0006】
本発明に係る一態様の椅子は、背凭れを有する椅子本体と、前記背凭れに取付け可能な取付け部と、前記取付け部に設けられ、前記背凭れよりも上方に延び出た支持部と、前記支持部の上部から水平面に沿って延び、遮蔽部材を吊り下げるアーム部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る上記態様の椅子用パーティションは、椅子の背凭れに対して、ユーザが簡単に、パーティションを取り付けることができる、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る椅子用パーティションを椅子に取り付けた状態の斜視図である。
【
図2】
図2は、同上の椅子用パーティションの斜視図である。
【
図3】
図3は、同上の椅子用パーティションの分解斜視図である。
【
図4】
図4(a)~(d)は、同上の椅子用パーティションの支持部を、伸長位置から収納位置まで変形させた説明図である。
【
図5】
図5は、同上の実施形態における収納ケースを取り付けた状態の斜視図である。
【
図6】
図6(a)(b)は、アーム部の動きを説明する平面図である。
【
図7】
図7は、変形例に係る椅子用パーティションの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<実施形態>
以下、本実施形態に係る椅子用パーティション1について、詳細に説明する。
【0010】
本実施形態に係る椅子用パーティション1は、
図1に示すように、椅子に取り付けられることで、着座したユーザの周囲にパーティションを形成する装置である。椅子用パーティション1は、椅子9の背凭れ91に取り付けられる。ここでいう「ユーザの周囲」とは、ユーザを上方から見て(以下「平面視」)、前方を除く周囲、すなわち、左方、右方及び後方の領域を意味する。椅子用パーティション1は、取付け部2と、支持部5と、アーム部6と、遮蔽部材7と、を備える。
【0011】
以下では、説明の便宜上、椅子9に着座した人の向きを基準に「前方向」「後方向」を定義し、前方向及び後方向に平行な方向を「前後方向」として定義する。また、前後方向に直交しかつ水平面に沿う方向を「左右方向」として定義する。
(1)取付け部
【0012】
取付け部2は、椅子用パーティション1において、背凭れ91に取り付けられる部分である。取付け部2は、
図1に示すように、取付け部材3と、固定部材4と、を備える。本実施形態に係る固定部材4は、背凭れ91に対して、取付け部材3を取外し可能に固定するベルト41を有するが、本発明では、背凭れ91に対し、例えば、ねじ止め、接着等によって取り外しできないように固定する固定具により構成されてもよい。
【0013】
取付け部材3は、背凭れ91の外面に沿うようにして配置される部材である。取付け部材3は、
図2に示すように、支持部5の下端部に取り付けられ、支持部5を支持することができる。取付け部材3は、
図3に示すように、保持部材31と、台座32と、を備える。
【0014】
保持部材31は、背凭れ91の外面に接触した状態で、固定部材4によって、位置保持される部材である。保持部材31は、弾性変形可能に構成されており、背凭れ91の外面が曲面である場合には、背凭れ91の外面に沿って変形することができる。これによって、保持部材31は、背凭れ91の外面に対して、しっかりと固定されやすく、位置ずれしにくい。
【0015】
保持部材31の材料としては、例えば、合成樹脂、金属、パルプ、木、カーボン、皮革、布等が挙げられるが、製造性の観点から合成樹脂で形成されることが好ましい。また、保持部材31は、全体が同じ材料で構成されている必要はなく、例えば、金属材料で主体を構成し、部分的に弾性変形可能な部材を設けて、全体として弾性変形可能に構成されてもよい。
保持部材31は、
図3に示すように、複数(ここでは四つ)のベルト装着部311と、ベルト装着部311同士をつなぐフレーム部313と、を備える。
【0016】
ベルト装着部311は、ベルト41が取り付けられる部分である。各ベルト装着部311は、略円盤状に形成されており、ベルト41が通される複数の挿通穴312が形成されている。なお、ベルト装着部311は円盤状でなくてもよく、例えば、略矩形状、略三角形状、略五角形状等で形成されてもよい。挿通穴312に対してベルト41が通されることで、ベルト装着部311にはベルト41が取り付けられる。このベルト41を背凭れ91に巻き付けることで、保持部材31は、背凭れ91の外面に接触した状態で位置保持される。
【0017】
フレーム部313は、保持部材31の骨格となる部分である。フレーム部313は、複数のベルト装着部311同士をつなぐ。フレーム部313は、左右方向に並ぶベルト装着部311をつなぐ一対の横連結部314と、一対の横連結部314をつなぐ縦連結部315と、を備える。横連結部314と縦連結部315は、弾性変形可能に構成されている。横連結部314と縦連結部315とが変形することによって、保持部材31は、背凭れ91の外面に沿うように変形することができる。縦連結部315には、台座32を固定するための台座取付部316が形成されている。
【0018】
台座32は、支持部5を支持する部材である。台座32は、台座取付部316に固定されており、すなわち、保持部材31に対して固定されている。台座32は、台座取付部316に取り付けられる基台321と、一対の軸受322と、を備える。基台321と一対の軸受322とは一体に成形されている。
【0019】
基台321は、台座32において、保持部材31に固定される部分である、基台321は、左右方向に延びている。基台321と台座取付部316との固定方法としては、特に制限はなく、例えば、ねじ止め、溶接、溶着、スナップフィット構造、ピン留め、嵌め込み、ねじ込み等によって実現される。
【0020】
一対の軸受322は、支持部5を回転可能に支える部分である。一対の軸受322は、左右方向に離れて基台321に固定されており、本実施形態では、基台321の長手方向の両端部に設けられている。支持部5の回転軸(第一回転軸54という場合がある)は、左右方向に延びている。したがって、一対の軸受322は、支持部5を、左右方向に延びた回転軸を中心に回転可能に支持することができる。
【0021】
固定部材4は、取付け部材3を背凭れ91に取り付けるための部材である。固定部材4は、本実施形態では、取付け部材3に取り付けられた複数のベルト41と、各ベルト41の長手方向の一部同士を連結する固着部42と、を備える。
【0022】
ベルト41は、一方向に長尺な部材である。ベルト41は、扁平な帯状に形成されているが、紐状であってもよく、形状には特に制限はない。ベルト41の材料としては、特に制限はなく、例えば、布、皮革、軟質合成樹脂、エラストマ等の柔軟性を有する材料や、ワイヤー、形状記憶合金等の可とう性を有する金属材料等が挙げられる。
【0023】
ベルト41は、
図3に示すように、背凭れ91に対し、左右方向に沿って巻き付けることができる。ただし、背凭れ91の形状によっては、背凭れ91に対して、上下方向に沿って巻き付けてもよい。
【0024】
固着部42は、ベルト41を背凭れ91に巻き付けた状態で、この状態から緩まないようにベルト41の重なった部分同士を相互に固定する部分である。固着部42としては、例えば、ボタン、面ファスナ、ホック、バックル等が挙げられる。本実施形態に係る固着部42は、面ファスナで構成されている。
(2)支持部
【0025】
支持部5は、取付け部2に取り付けられ、取付け部2から上方向に延び出ている。支持部5の上端は、好ましくは、椅子9に着座したユーザの頭よりも上方に位置するが、ユーザの目よりも上方に位置していればよい。支持部5は、
図3に示すように、一対の第一レール部51と、一対の第二レール部52と、一対の第三レール部53と、を備える。
【0026】
第一レール部51は、長手方向の一端部が台座32に取り付けられている。一対の第一レール部51は、左右方向に離れている。各第一レール部51は、長手方向に沿って形成されたスリット511を有する。スリット511は、第一レール部51の長手方向において中央よりも下側に形成されている。スリット511には回転軸(第一回転軸54)が通される。これによって、第一レール部51は、台座32に対して、第一回転軸54を介して、回転可能に取り付けられている。また、第一レール部51は、第一回転軸54に対して、第一レール部51の長手方向に移動可能に構成されている。第一回転軸54には、ナット等のねじ込み部材57がねじ込まれており、これによって、第一レール部51の長手方向の位置及び角度を保持することができる。
【0027】
第二レール部52は、第一レール部51の長手方向の端部のうちの台座32とは反対側の端部に取り付けられている。一対の第二レール部52は、左右方向に離れている。各第二レール部52は、長手方向に沿って形成されたスリット512を有する。スリット512は、第二レール部52の長手方向において中央よりも下側に形成されている。スリット512には回転軸(第二回転軸55)が通される。第二回転軸55は、左右方向に延びている。これによって、第二レール部52は、第一レール部51の一端部に対し、第二回転軸55を介して、回転可能に取り付けられている。また、第二レール部52は、第二回転軸55に対して、第二レール部52の長手方向に移動可能に構成されている。第二回転軸55には、ねじ込み部材57がねじ込まれており、これによって、第二レール部52の長手方向の位置及び角度を保持することができる。
【0028】
第三レール部53は、第二レール部52の長手方向の端部のうちの第一レール部51とは反対側の端部に取り付けられている。一対の第三レール部53は、左右方向に離れている。第三レール部53は、第二レール部52の一端部に対し、回転軸(「第三回転軸56」という場合がある)を介して、回転可能に取り付けられている。第三回転軸56は、左右方向に延びている。第三レール部53の上部には、後述のアーム部6が取り付けられている。
【0029】
支持部5は、支持部5の長手方向に沿って伸縮可能に構成されている。上述したように、第二レール部52は、第一レール部51に対して、長手方向に沿って移動し得る。また、第一レール部51は、台座32に対して、第一レール部51の長手方向に沿って移動し得る。これによって、支持部5は、アーム部6の高さ位置を調節することができる。
【0030】
また、支持部5は、折り畳み可能に構成されている。
図4に示すように、支持部5は、伸長した位置(伸長位置)から折り畳まれた位置(収納位置)まで変形することができる。伸長位置にある支持部5(
図4(a))から、第三レール部53を、第二レール部52に対して、前方向に回転させると、
図4(b)に示すように、第三レール部53の一部が第二レール部52に重なる。この後、第二レール部52を後方向に回転させると、
図4(c)に示すように、第二レール部52と第一レール部51が重なる。この後、台座32に対し、第一レール部51を下方向に移動させると、支持部5は収納位置に移動する。収納位置にある支持部5は、
図5に示すように、収納ケース8に収納される。収納ケース8は、中空の箱であり、椅子9の背凭れ91に取外し可能に取付けられる。ここでは、収納ケース8は、支持部5及びアーム部6を内部に収納することで、背凭れ91に沿って保持される。
(3)アーム部
【0031】
アーム部6は、
図1に示すように、遮蔽部材7を吊り下げ可能な部材であり、支持部5の上部から水平面に沿って延びている。ここでいう「支持部5の上部」とは、支持部5の上端から全長の1/3下方までの範囲を意味する。したがって、「支持部5の上部」には、支持部5の上端だけでなく、上端からやや下方に位置する部分も含む。
【0032】
アーム部6は、平面視略C字状に形成されている。アーム部6は、
図6に示すように、平面視において、遮蔽位置(
図6(a)の実線)から開放位置(
図6(b)の想像線)まで可動する。また、アーム部6は、開放位置から折り畳み位置(
図6(b)の実線)まで可動する。アーム部6は、支持部5に固定された第一アーム61と、一対の第二アーム62と、一対の第三アーム63と、を備える。
【0033】
第一アーム61は、左右方向に延びており、第三レール部53の上部に対して固定されている。第一アーム61は、平面視において、曲率中心が、第一アーム61の厚さ方向の内側(ユーザ側)に位置するような円弧状に形成されている。
【0034】
第二アーム62は、第一アーム61の長手方向の端部に対して、回転可能に取り付けられている。第二アーム62の回転軸は、第一アーム61の端部に取り付けられており、上下方向に延びている。第二アーム62は、平面視において、曲率中心が、第二アーム62の厚さ方向の外側に位置するような円弧状に形成されている。第二アーム62は、第一アーム61と同一形状に形成されており、折り畳み位置では、第一アーム61に重なる。
【0035】
第三アーム63は、第二アーム62の長手方向の端部のうちの第一アーム61とは反対側の端部に対して、回転可能に取り付けられている。第三アーム63の回転軸は、第二アーム62の端部に取り付けられており、上下方向に延びている。第三アーム63は、平面視において、曲率中心が、第三アーム63の厚さ方向の内側に位置するような円弧状に形成されている。第三アーム63は、第二アーム62と同一形状に形成されており、折り畳み位置では、第二アーム62に重なる。
【0036】
図6(a)に示すように、第三アーム63は、第二アーム62に対して回転し得るため、第三アーム63をユーザに近付けたり、遠ざけたりすることができる。また、
図6(b)に示すように、アーム部6は、開放位置に位置させると、第一アーム61、一対の第二アーム62及び一対の第三アーム63が一直線上に位置する(この場合、厳密には波型状を呈する)。
【0037】
また、アーム部6は、第三アーム63を第二アーム62に重ね、第二アーム62を第一アーム61に重ねることで、
図6(b)に示すように、折り畳み位置に移動させることができる。この状態で、支持部5を収納位置に位置させることによって、
図5に示すように、椅子用パーティション1をコンパクトな状態に位置させることができる。
(4)遮蔽部材
【0038】
遮蔽部材7は、
図1に示すように、アーム部6に吊り下げられて、ユーザの周囲を囲む。遮蔽部材7は、ユーザと周囲の環境との間を遮蔽して、ユーザからの飛沫等が飛散したり、周囲の環境からの飛沫等がユーザに届いたりするのを防止することができる上に、周囲の環境にいる人からの視界を遮ったり、ある程度の雑音を遮ったりすることができる。ユーザは周囲の動きや音によって気が散ることを防ぐことができるため、作業に集中しやすくなる。また、遮蔽部材7として、遮光性の高い材料を使用すれば、短時間の睡眠を取ることもできる。このように、遮蔽部材7は、ユーザが求める機能に応じて適宜選択されることが好ましく、例えば、遮光性、遮音性等の機能を有していることが好ましい。
【0039】
遮蔽部材7としては、例えば、カーテン、遮蔽板、磨りガラス板、防音板等が挙げられる。カーテンとしては、遮光性の高いカーテンであってもよいが、レースカーテンであってもよいし、デザイン性の高いカーテンであってもよく、ユーザの好みに応じて適宜選択可能である。また、ユーザの好みの色のカーテンを用いたり、アロマの香りがするカーテンを用いたりすることもできる。遮蔽部材7の材料としては、特に制限はなく、例えば、布、合成樹脂、金属、木、ガラス、皮革、パルプ、カーボン、ゴム、ビニール等が挙げられる。
【0040】
遮蔽部材7は、例えば、フック状の金具や、リング状の金具等を介して、アーム部6に吊り下げられる。遮蔽部材7の下端は、椅子9の設置面に接触していてもよいし、
図1に示すように、設置面よりも上方に位置していてもよい。
(5)効果
【0041】
以上説明したように、本実施形態に係る椅子用パーティション1は、背凭れ91に取付け可能な取付け部2と、支持部5と、遮蔽部材7を吊り下げるアーム部6とを備えるため、背凭れ91に対して取付け部2を取り付けるだけで、ユーザは簡単にパーティションを取り付けることができる。
また、固定部材4がベルト41を含むため、ベルト41を背凭れ91に巻き付けるだけで簡単に、背凭れ91に対して、取付け部材3を固定することができる。
【0042】
また、変形可能な保持部材31と、支持部5を支持する台座32とが別部材であるため、保持部材31を背凭れ91の外面に合わせて変形させることができながらも、この変形による、支持部5の支持状態に対する影響を抑制することができる。
【0043】
また、支持部5は台座32に対して、回転可能に取り付けられているため、背凭れ91をリクライニング等の傾倒動作を行なっても、遮蔽部材7の位置に影響を与えにくくできる。また、支持部5は複数の部材で構成されているため、背凭れ91の傾倒動作に合わせて変形させやすい。
また、支持部5は伸縮可能に構成されているため、ユーザの座高に合わせて、遮蔽部材7の高さ調節を行うことができる。
また、支持部5は折り畳み可能に構成されているため、椅子用パーティション1の収納時にコンパクトに収納することができる。
【0044】
また、アーム部6が平面視において可動であるため、ユーザの好みに応じて、遮蔽部材7を配置できる。特に、アーム部6は折り畳み可能であるため、椅子用パーティション1の収納時にコンパクトに収納することができる。
<変形例>
【0045】
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0046】
上記実施形態に係る取付け部材3は、保持部材31と台座32とが別部材で構成されたが、
図7に示すように、取付け部材3は、上記実施形態での保持部材31の機能と台座32の機能とを有していてもよい。取付け部材3は、第一回転軸54を回転可能に支持する長穴331を有する一対の起立部33を備える。長穴331は、上下方向に延びている。長穴331に第一回転軸54を通すことで、取付け部材3は、支持部5を上下方向に移動可能でかつ回転可能に支持することができる。
上記実施形態に係る椅子用パーティション1では、取付け部2と支持部5とが別部材であったが、取付け部2と支持部5とは一体であってもよい。
【0047】
上記実施形態に係る椅子用パーティション1は、椅子9として、デスク用の椅子に取り付けられたが、本発明に係る椅子用パーティション1は、例えば、座椅子、ソファー、長椅子等にも取り付けることができる。
【0048】
上記実施形態に係る取付け部2は、背凭れ91に対して、ベルト41によって取付け部材3が固定されたが、本発明に係る取付け部2は、台座32がねじ等の固定具によって取り付けられてもよい。この場合、固定部材4は固定具である。
【0049】
上記実施形態に係る椅子では、背凭れ91がヘッドレストを有していないが、ヘッドレストを有する背凭れ91に対して、椅子用パーティション1が取り付けられてもよい。この場合、椅子用パーティション1は、ヘッドレストに取り付けられてもよい。
【0050】
本明細書にて、「略平行」、又は「略直交」のように「略」を伴った表現が、用いられる場合がある。例えば、「略平行」とは、実質的に「平行」であることを意味し、厳密に「平行」な状態だけでなく、数度程度の誤差を含む意味である。他の「略」を伴った表現についても同様である。
【0051】
また、本明細書において「前端部」及び「前端」などのように、「…部」の有無で区別した表現が用いられている。例えば、「前端部」とは、「前端」を含む一定の範囲を持つ部分を意味する。前端部は、この一定の範囲内にある位置であれば、どの位置でも「前端部」である。他の「…部」を伴った表現についても同様である。
【符号の説明】
【0052】
1 椅子用パーティション
2 取付け部
3 取付け部材
31 保持部材
32 台座
4 固定部材
41 ベルト
5 支持部
6 アーム部
7 遮蔽部材
8 収納ケース
9 椅子
91 背凭れ