(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023059710
(43)【公開日】2023-04-27
(54)【発明の名称】通信装置、制御方法、及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 48/02 20090101AFI20230420BHJP
H04W 72/563 20230101ALI20230420BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20230420BHJP
【FI】
H04W48/02
H04W72/06
H04W84/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021169875
(22)【出願日】2021-10-15
(71)【出願人】
【識別番号】390040187
【氏名又は名称】株式会社バッファロー
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 裕基
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 英人
(72)【発明者】
【氏名】谷川 昌也
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
(57)【要約】
【課題】意図しない広告表示の終了を抑制すること。
【解決手段】通信システム10は、無線アクセスポイント11及び通信端末12を含む。無線アクセスポイント11は、通信端末12とネットワーク2との通信を中継する。また、無線アクセスポイント11は、接続した通信端末12に特定ページを表示させた後、所定条件が充足されるまで、通信端末12がネットワーク2との疎通確認に用いる疎通確認サーバ15と通信端末12との通信を阻害する阻害制御を行う。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信端末とネットワークとの通信を中継する通信装置であって、
接続した前記通信端末に特定ページを表示させた後、
所定条件が充足されるまで、前記通信端末が前記ネットワークとの疎通確認に用いる通信先と前記通信端末との通信を阻害する阻害制御を行う、
制御部を備える通信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の通信装置であって、
前記制御部は、特定のオペレーティングシステムを有する通信端末が前記ネットワークとの疎通確認に用いる通信先のリストを取得し、取得したリストに基づいて前記阻害制御を行う、
通信装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の通信装置であって、
前記制御部は、前記通信端末のオペレーティングシステムが特定のオペレーティングシステムであるか否かを判定し、前記通信端末のオペレーティングシステムが前記特定のオペレーティングシステムである場合に前記阻害制御を行う、
通信装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の通信装置であって、
前記制御部は、前記阻害制御として、前記通信端末から受信した前記通信先に対する疎通確認用パケットを前記通信先へ向けて転送しない制御を行う、
通信装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の通信装置であって、
前記制御部は、前記阻害制御として、前記通信端末から前記通信先に対する疎通確認用パケットを受信した場合に、前記通信先と異なるサーバ装置が提供するページを前記通信端末に表示させる制御を行う、
通信装置。
【請求項6】
請求項1から3のいずれか1項に記載の通信装置であって、
前記制御部は、前記阻害制御として、前記通信端末が送信した前記通信先に対する疎通確認用パケットに応じて前記通信先から受信した応答パケットを前記通信端末へ向けて転送しない制御を行う、
通信装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の通信装置であって、
前記所定条件は、前記通信端末による前記特定ページの表示時間が所定時間以上となったことを含む、
通信装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の通信装置であって、
前記所定条件は、前記通信端末がユーザから特定操作を受け付けたことを含む、
通信装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の通信装置であって、
前記制御部は、前記阻害制御を行っている状態にて、前記通信先以外の通信先と前記通信端末との通信を中継する、
通信装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の通信装置であって、
前記通信端末は、前記特定ページを表示した後、前記通信先に対する疎通確認用パケットを送信し、前記通信先からの応答パケットを受信すると前記特定ページを閉じる動作を行う、
通信装置。
【請求項11】
請求項10に記載の通信装置であって、
前記動作は、特定のオペレーティングシステムを有する通信端末が実行する動作である、
通信装置。
【請求項12】
通信端末とネットワークとの通信を中継する通信装置が、
接続した前記通信端末に特定ページを表示させた後、
所定条件が充足されるまで、前記通信端末が前記ネットワークとの疎通確認に用いる通信先と前記通信端末との通信を阻害する阻害制御を行う、
制御方法。
【請求項13】
通信端末とネットワークとの通信を中継する通信装置のプロセッサに、
接続した前記通信端末に特定ページを表示させた後、
所定条件が充足されるまで、前記通信端末が前記ネットワークとの疎通確認に用いる通信先と前記通信端末との通信を阻害する阻害制御を行う、
処理を実行させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、制御方法、及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、屋外や商業施設等で、無線LAN(Local Area Network)ルータにより無線LANを構成し、パーソナルコンピュータやスマートフォン等の通信端末がインターネット等のネットワークに接続できるようにする、公衆無線LANと呼ばれるサービスが知られている。
【0003】
公衆無線LANで用いられる無線LANルータには、通信端末からウェブリクエストを受けると、ウェブリクエストで指定された宛先装置とは異なる広告サーバに通信端末をリダイレクトさせ、通信端末に広告表示を実行させるものがある。特許文献1には、通信端末からのパケットを中継する中継装置において、認証サービスが通信端末に提供されていない場合にはリダイレクト通信を実行させ、認証サービスが通信端末に提供されている場合にはパケットの中継を実行させることが記載されている。
【0004】
また、通信端末が、公衆無線LANに接続した際に、自動的にキャプティブポータルブラウザを起動し、キャプティブポータルブラウザ上に認証ページや広告ページを表示させる技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、通信端末に搭載されるオペレーティングシステムの中には、キャプティブポータルブラウザによって広告ページ等を表示した後、特定の疎通確認サーバに対する疎通確認用パケットを送信し、疎通確認サーバからの応答パケットを受信するとキャプティブポータルブラウザを閉じる動作を行うものがある。このため、認証が完了して通信端末がネットワークと疎通すると、仮に通信端末のユーザが意図していなくても広告表示が瞬時に終了してしまうという問題がある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、意図しない広告表示の終了を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の通信装置は、通信端末とネットワークとの通信を中継する通信装置であって、接続した前記通信端末に特定ページを表示させた後、所定条件が充足されるまで、前記通信端末が前記ネットワークとの疎通確認に用いる通信先と前記通信端末との通信を阻害する阻害制御を行う、制御部を備えるものである。
【0009】
本発明の制御方法は、通信端末とネットワークとの通信を中継する通信装置が、接続した前記通信端末に特定ページを表示させた後、所定条件が充足されるまで、前記通信端末が前記ネットワークとの疎通確認に用いる通信先と前記通信端末との通信を阻害する阻害制御を行うものである。
【0010】
本発明の制御プログラムは、通信端末とネットワークとの通信を中継する通信装置のプロセッサに、接続した前記通信端末に特定ページを表示させた後、所定条件が充足されるまで、前記通信端末が前記ネットワークとの疎通確認に用いる通信先と前記通信端末との通信を阻害する阻害制御を行う、処理を実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、意図しない広告表示の終了を抑制することのできる通信装置、制御方法、及び制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施例である通信システム10の一例を示す図である。
【
図2】無線アクセスポイント11のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】通信端末12のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】無線アクセスポイント11による処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】特定のオペレーティングシステムを有する通信端末12による処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】無線アクセスポイント11及び通信端末12の動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図7】通信端末12による広告表示の一例を示す図である。
【
図8】通信端末12による広告表示の他の一例を示す図である。
【
図9】無線アクセスポイント11及び通信端末12の動作の他の一例を示すシーケンス図である。
【
図10】通信端末12による広告表示の他の一例を示す図である。
【
図11】無線アクセスポイント11による処理の他の一例を示すフローチャートである。
【
図12】通信システム10の他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0014】
(実施形態)
<本発明の一実施例である通信システム10>
図1は、本発明の一実施例である通信システム10の一例を示す図である。
図1に示す通信システム10は、例えば、無線アクセスポイント11と通信端末12を含む。無線アクセスポイント11は、本発明の通信装置の一例である。
【0015】
無線アクセスポイント11は、無線LANを形成する基地局である。無線アクセスポイント11が形成する無線LANは、ユーザが外出先や旅行先等で利用可能な公衆無線LANである。無線アクセスポイント11は、無線LANのアクセスポイントとしての機能に加えてルータの機能を有する、いわゆる無線LANルータであってもよい。無線アクセスポイント11は、直接、又はLAN等を介してネットワーク2に接続されている。
【0016】
ネットワーク2は、例えばインターネット等のWAN(Wide Area Network)である。
【0017】
通信端末12は、無線アクセスポイント11が形成する無線LANに無線接続することにより、無線アクセスポイント11との間で無線通信を行う機能を有する通信機器である。また、通信端末12は、無線LAN(すなわち無線アクセスポイント11)を介してネットワーク2に接続する。
図1に示す例では、通信端末12はスマートフォンである。
【0018】
また、通信端末12は、特定のOS(Operating System:オペレーティングシステム)を有する。特定のOSとは、公衆無線LANに接続した際に、キャプティブポータルブラウザによって広告ページ等を表示し、特定の疎通確認サーバに対する疎通確認用パケットを送信し、疎通確認サーバからの応答パケットを受信するとキャプティブポータルブラウザを閉じる動作を行うOSである。このようなOSの一例としてはAndroid(登録商標)がある。
【0019】
認証サーバ13は、通信端末12などの通信端末が、無線アクセスポイント11を介してネットワーク2に接続するための認証を行うサーバである。認証サーバ13はネットワーク2に接続されており、通信端末12は無線アクセスポイント11及びネットワーク2を介して認証サーバ13と通信を行う。
【0020】
広告サーバ14は、無線アクセスポイント11を介してネットワーク2に接続する通信端末12などの通信端末に表示させるための広告コンテンツを提供するサーバである。広告サーバ14はネットワーク2に接続されており、通信端末12は無線アクセスポイント11及びネットワーク2を介して広告サーバ14と通信を行う。
【0021】
疎通確認サーバ15は、通信端末12などの特定のOSを有する通信端末が、ネットワーク2への疎通を確認するために用いるサーバである。疎通確認サーバ15はネットワーク2に接続されており、通信端末12は無線アクセスポイント11及びネットワーク2を介して疎通確認サーバ15と通信を行う。
【0022】
認証サーバ13、広告サーバ14、及び疎通確認サーバ15のそれぞれは、クラウドコンピューティングサービスにおいて実現される仮想的なサーバ(クラウドサーバ)であってもよいし、1個の装置として実現された物理的なサーバであってもよい。
【0023】
<無線アクセスポイント11のハードウェア構成例>
図2は、無線アクセスポイント11のハードウェア構成の一例を示す図である。
図1に示した無線アクセスポイント11は、例えば、プロセッサ21と、メモリ22と、無線通信インタフェース23と、有線通信インタフェース24と、を備える。これらの無線アクセスポイント11の構成は、例えばバス29によって互いに接続される。
【0024】
プロセッサ21は、信号処理を行う回路であり、例えば無線アクセスポイント11の全体の制御を行うCPU(Central Processing Unit)である。なお、プロセッサ21は、FPGA(Field Programmable Gate Array)やDSP(Digital Signal Processor)などの他のデジタル回路により実現されてもよい。また、プロセッサ21は、複数のデジタル回路を組み合わせて実現されてもよい。
【0025】
メモリ22には、例えばメインメモリ及び補助メモリが含まれる。メインメモリは、例えばRAM(Random Access Memory)である。メインメモリは、プロセッサ21のワークエリアとして使用される。
【0026】
補助メモリは、例えば磁気ディスク、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリである。補助メモリには、無線アクセスポイント11を動作させる各種のプログラムが記憶されている。補助メモリに記憶されたプログラムは、メインメモリにロードされてプロセッサ21によって実行される。
【0027】
また、補助メモリは、無線アクセスポイント11から取り外し可能な可搬型のメモリを含んでもよい。可搬型のメモリには、USB(Universal Serial Bus)フラッシュドライブやSD(Secure Digital)メモリカードなどのメモリカードや、外付けハードディスクドライブなどがある。
【0028】
無線通信インタフェース23は、無線アクセスポイント11の外部(例えば通信端末12)との間で無線通信を行う通信インタフェースである。無線通信インタフェース23は、プロセッサ21によって制御される。
【0029】
有線通信インタフェース24は、無線アクセスポイント11の外部(例えばネットワーク2)との間で有線通信を行う通信インタフェースである。有線通信インタフェース24は、プロセッサ21によって制御される。
【0030】
<通信端末12のハードウェア構成例>
図3は、通信端末12のハードウェア構成の一例を示す図である。
図1に示した通信端末12は、例えば、プロセッサ31と、メモリ32と、無線通信インタフェース33と、ユーザインタフェース34と、を備える。これらの通信端末12の構成は、例えばバス39によって互いに接続される。
【0031】
プロセッサ31、メモリ32、及び無線通信インタフェース33については、それぞれ
図2に示したプロセッサ21、メモリ22、及び無線通信インタフェース23と同様の構成である。
【0032】
ユーザインタフェース34は、ユーザからの操作入力を受け付ける入力デバイスや、ユーザへ情報を出力する出力デバイスなどを含む。入力デバイスは、例えばキー(例えばキーボード)やリモコンなどにより実現することができる。出力デバイスは、例えばディスプレイやスピーカなどにより実現することができる。また、タッチパネルなどによって入力デバイス及び出力デバイスの両方を実現してもよい。ユーザインタフェース34は、プロセッサ31によって制御される。
【0033】
<無線アクセスポイント11による処理>
図4は、無線アクセスポイント11による処理の一例を示すフローチャートである。無線アクセスポイント11は、無線アクセスポイント11に無線接続した通信端末のそれぞれについて、例えば
図4に示す処理を実行する。ここでは無線アクセスポイント11に無線接続した通信端末12について説明する。
【0034】
まず、無線アクセスポイント11は、通信端末12からパケットを受信したか否かを判断し(ステップS41)、通信端末12からパケットを受信するまで待つ(ステップS41:Noのループ)。通信端末12からパケットを受信すると(ステップS41:Yes)、無線アクセスポイント11は、無線アクセスポイント11を介したネットワーク2への接続について通信端末12が認証済みか否かを判断する(ステップS42)。
【0035】
ステップS42において、通信端末12が認証済みでない場合(ステップS42:No)は、無線アクセスポイント11は、通信端末12から受信したパケットが、認証サーバ13へのパケットであるか否かを判断する(ステップS43)。
【0036】
ステップS43において、認証サーバ13へのパケットでない場合(ステップS43:No)は、無線アクセスポイント11は、通信端末12に対して、認証サーバ13へのリダイレクト応答を行い(ステップS44)、ステップS41へ戻る。認証サーバ13へのパケットである場合(ステップS43:Yes)は、無線アクセスポイント11は、通信端末12から受信したパケットを認証サーバ13へ向けて転送し(ステップS45)、ステップS41へ戻る。
【0037】
ステップS42において、通信端末12が認証済みである場合(ステップS42:Yes)は、無線アクセスポイント11は、通信端末12から受信したパケットが、特定のOS用の疎通確認サーバ(例えば疎通確認サーバ15)への疎通確認用パケットか否かを判断する(ステップS46)。
【0038】
例えば、無線アクセスポイント11は、特定のOS(例えばAndroid)の通信端末(例えば通信端末12)が疎通確認に用いる疎通確認サーバのURL(Uniform Resource Locator)のリストを取得する。このリストは、無線アクセスポイント11のメモリに記憶されたものでもよいし、無線アクセスポイント11がネットワーク2等を介して他のサーバから受信したものでもよい。そして、無線アクセスポイント11は、受信したパケットの宛先として指定されたURLが、取得したリストに含まれるか否かを判定することによってステップS46の判断を行う。
【0039】
ステップS46において、特定のOS用の疎通確認サーバへの疎通確認用パケットでない場合(ステップS46:No)は、無線アクセスポイント11は、通信端末12から受信したパケットを、そのパケットの宛先へ向けて転送し(ステップS47)、ステップS41へ戻る。
【0040】
ステップS46において、特定のOS用の疎通確認サーバへの疎通確認用パケットである場合(ステップS46:Yes)は、無線アクセスポイント11は、通信端末12について広告表示終了のための所定条件を充足したか否かを判断する(ステップS48)。広告表示終了のための所定条件は、例えば広告の表示時間が所定時間以上となることである。
【0041】
ステップS48において、所定条件を充足していない場合(ステップS48:No)は、無線アクセスポイント11は、通信端末12に対して、広告サーバ14へのリダイレクト応答を行い(ステップS49)、ステップS41へ戻る。
【0042】
ステップS48において、所定条件を充足した場合(ステップS48:Yes)は、無線アクセスポイント11は、ステップS47へ移行し、通信端末12から受信した疎通確認用パケットを、そのパケットの宛先である疎通確認サーバ15へ向けて転送する。
【0043】
また、
図4に示した処理とは別に、無線アクセスポイント11は、通信端末12以外の装置(例えば認証サーバ13、広告サーバ14、疎通確認サーバ15)から受信した、通信端末12を宛先とするパケットを通信端末12へ転送する処理を行う。
【0044】
<特定のオペレーティングシステムを有する通信端末12による処理>
図5は、特定のオペレーティングシステムを有する通信端末12による処理の一例を示すフローチャートである。通信端末12は、無線アクセスポイント11に無線接続した状態で、例えば
図5に示す処理を実行する。
図5に示す処理は、通信端末12が有する特定のOSによって実行される。
【0045】
まず、通信端末12は、疎通確認サーバ15を宛先とする疎通確認用パケットを無線アクセスポイント11へ送信する(ステップS51)。次に、通信端末12は、無線アクセスポイント11からパケットを受信したか否かを判断し(ステップS52)、無線アクセスポイント11からパケットを受信するまで待つ(ステップS52:Noのループ)。
【0046】
ステップS52において、無線アクセスポイント11からパケットを受信すると(ステップS52:Yes)、通信端末12は、無線アクセスポイント11から受信したパケットが、認証サーバ13又は広告サーバ14へのリダイレクト応答か否かを判断する(ステップS53)。
【0047】
ステップS53において、受信したパケットがリダイレクト応答である場合(ステップS53:Yes)は、通信端末12は、キャプティブポータルブラウザ(CPB)によってリダイレクト先のウェブページを表示し(ステップS54)、ステップS51へ戻る。
【0048】
ステップS54において、通信端末12は、キャプティブポータルブラウザを起動していなければキャプティブポータルブラウザを起動し、起動したキャプティブポータルブラウザによって、リダイレクト応答が示すリダイレクト先(認証サーバ13又は広告サーバ14)へのリクエストを送信し、送信したリクエストに応じて受信したウェブページ(認証ページ又は広告ページ)を表示する。一方、通信端末12は、キャプティブポータルブラウザを起動済みである場合、そのキャプティブポータルブラウザの表示内容を維持する。
【0049】
キャプティブポータルブラウザによるウェブページの表示は、例えば
図3に示したユーザインタフェース34に含まれるディスプレイやタッチパネルによって行われる。認証ページや広告ページなどのウェブページは、例えばHTML(HyperText Markup Language)等のマークアップ言語によって表される。
【0050】
ステップS53において、受信したパケットがリダイレクト応答でない場合(ステップS53:No)は、通信端末12は、受信したパケットが疎通確認サーバ15からの応答パケットであるか否かを判断する(ステップS55)。
【0051】
ステップS55において、受信したパケットが疎通確認サーバ15からの応答パケットである場合(ステップS55:Yes)は、通信端末12は、起動中のキャプティブポータルブラウザを閉じ(ステップS56)、無線接続時の一連の処理を終了する。なお、キャプティブポータルブラウザを閉じるとは、ユーザインタフェース34におけるキャプティブポータルブラウザによる表示を停止することであり、必ずしもキャプティブポータルブラウザの処理を終了させなくてもよい。
【0052】
なお、ステップS55において、受信したパケットが疎通確認サーバ15からの応答パケットでない場合(ステップS55:No)は、通信端末12は、受信したパケットに応じた処理を実行し(ステップS57)、ステップS52へ戻る。
【0053】
通信端末12は、ステップS56によってキャプティブポータルブラウザを閉じた後、無線アクセスポイント11を介してネットワーク2に疎通した状態であり、ネットワーク2を介した各種の通信を行うことができる。
【0054】
<無線アクセスポイント11及び通信端末12の動作>
図6は、無線アクセスポイント11及び通信端末12の動作の一例を示すシーケンス図である。
【0055】
まず、無線アクセスポイント11と通信端末12との間で無線接続が行われる(ステップS601)。この無線接続は、例えば通信端末12から無線アクセスポイント11へのリクエストに基づいて行われる。ステップS601において、通信端末12が無線アクセスポイント11に無線接続するための認証処理が行われてもよい。
【0056】
次に、通信端末12が、疎通確認サーバ15を宛先とする疎通確認用パケットを無線アクセスポイント11へ送信する(ステップS602)。次に、無線アクセスポイント11が、通信端末12に関する広告表示終了のための後述の所定条件が充足されていないため、ステップS602によって受信した疎通確認用パケットに応じて、認証サーバ13の認証ページへのリダイレクト応答を通信端末12に対して行う(ステップS603)。
【0057】
次に、通信端末12が、ステップS603により行われたリダイレクト応答に応じて、認証サーバ13を宛先とする認証ページのリクエストを無線アクセスポイント11へ送信する(ステップS604)。この認証ページのリクエストは、特定のOS用の疎通確認サーバ(例えば疎通確認サーバ15)への疎通確認用パケットではないため、無線アクセスポイント11によって認証サーバ13へ転送される。
【0058】
次に、認証サーバ13が、ステップS604により受信したリクエストに応じて、キャプティブポータルとして認証ページを通信端末12へ送信する(ステップS605)。通信端末12は、無線アクセスポイント11を介してこの認証ページを受信する。
【0059】
次に、通信端末12が、ステップS605により受信した認証ページがキャプティブポータルであるため、キャプティブポータルブラウザ(CPB)を起動し、受信した認証ページをキャプティブポータルブラウザにより表示する(ステップS606)。これにより、通信端末12のユーザインタフェース34により認証ページが表示された状態となる。
【0060】
次に、通信端末12と認証サーバ13との間で認証処理が行われる(ステップS607)。認証処理は、例えば、ステップS606によって表示された認証ページに対して通信端末12のユーザが入力したユーザ名やパスワード等を通信端末12から認証サーバ13へ送信すること等により行われる。ステップS607の認証処理による認証が成功すると、通信端末12は、キャプティブポータルブラウザにより認証完了ページを表示する(ステップS609)。この認証完了ページには、広告サーバ14の広告ページへのリンクが広告として含まれている。
【0061】
次に、通信端末12が、ステップS601によって送信した疎通確認用パケットに対する疎通確認サーバ15からの応答パケットを未受信であるため、疎通確認サーバ15を宛先とする疎通確認用パケットを無線アクセスポイント11へ再度送信する(ステップS609)。
【0062】
次に、無線アクセスポイント11が、通信端末12に関する広告表示終了のための後述の所定条件が充足されておらず、かつ無線アクセスポイント11と認証サーバ13との間の認証処理は終了しているため、ステップS609によって受信した疎通確認用パケットに応じて、広告サーバ14の広告ページへのリダイレクト応答を通信端末12に対して行う(ステップS610)。これに対して、通信端末12は、ステップS606によってキャプティブポータルブラウザを起動済みであるため、キャプティブポータルブラウザによる表示内容(広告ページへのリンクを含む認証完了ページ)を維持する。
図6の例において、通信端末12に関する広告表示終了のための所定条件とは、通信端末12による広告の表示時間が所定時間以上となったことであるとする。広告の表示時間とは、広告ページ、又は広告ページへのリンクを含むページ(例えば上記の認証完了ページ)の表示時間である。例えば、無線アクセスポイント11は、広告の表示時間を、ステップS608による、広告ページへのリンクを含む認証完了ページの表示からの経過時間によって算出する。また、無線アクセスポイント11は、ステップS608によって広告ページへのリンクを含む認証完了ページを表示した旨の通知を通信端末12から受信し、この通知を受信してからの経過時間によって広告の表示時間を算出してもよい。
【0063】
広告の表示時間が所定時間以上となるまで、ステップS609,S610が繰り返される。すなわち、通信端末12は、疎通確認用パケットを繰り返し送信し、それによって行われる広告ページへのリダイレクト応答を受信するが、キャプティブポータルブラウザの表示内容(認証完了ページ)を維持する。ただし、この期間に、キャプティブポータルブラウザにより表示している認証完了ページの広告ページへのリンクの指示操作がユーザによって行われると、通信端末12は、広告サーバ14を宛先とする広告ページのリクエストを無線アクセスポイント11へ送信し、広告サーバ14から広告ページを受信する。この広告ページのリクエスト等は、特定のOS用の疎通確認サーバへの疎通確認用パケットではないため、無線アクセスポイント11によって転送される。
【0064】
この場合、通信端末12は、広告サーバ14から受信した広告ページをキャプティブポータルブラウザにより表示した状態となる。この状態においても、通信端末12は、疎通確認用パケットを繰り返し送信し、それによって行われる広告ページへのリダイレクト応答を受信するが、キャプティブポータルブラウザの表示内容(広告ページ)を維持する。
【0065】
広告の表示時間が所定時間以上となると、無線アクセスポイント11は、通信端末12から受信した疎通確認用パケットを、その宛先である疎通確認サーバ15へ向けて転送する(ステップS611)。
【0066】
次に、疎通確認サーバ15が、ステップS611により受信した疎通確認用パケットに対する応答パケットを通信端末12へ送信する(ステップS612)。通信端末12は、無線アクセスポイント11を介してこの応答パケットを受信する。
【0067】
次に、通信端末12が、疎通確認サーバ15からの応答パケットを受信したため、ネットワーク2に疎通したと判断し、キャプティブポータルブラウザを閉じる(ステップS613)。これにより、通信端末12のユーザインタフェース34を用いたキャプティブポータルブラウザによる広告(広告ページへのリンクを含む認証完了ページ又は広告ページ)の表示が終了する。
【0068】
<通信端末12による広告表示>
図7は、通信端末12による広告表示の一例を示す図である。タッチパネル34aは、例えば
図3に示した通信端末12のユーザインタフェース34に含まれるタッチパネルである。例えば
図6に示したステップS608によって、通信端末12は、キャプティブポータルブラウザによりタッチパネル34aに認証完了ページ70を表示させる。認証完了ページ70は、例えば認証サーバ13からHTMLデータとして送信されたコンテンツである。
【0069】
認証完了ページ70は、ステップS607の認証処理が完了したことを示す「認証が完了しました」とのメッセージと、広告リンク71と、を含む。広告リンク71は、広告サーバ14の広告ページへのリンクが設定された領域である。広告リンク71には、広告リンク71が広告であることを示す「<PR>」との文字列が含まれている。広告リンク71は、リンクが設定された文字列であってもよいし、リンクが設定された画像であってもよい。
【0070】
<通信端末12による広告表示>
図8は、通信端末12による広告表示の別の一例を示す図である。
図7に示した認証完了ページ70の広告リンク71の指示操作(例えばタッチ操作)が行われると、通信端末12は、例えば広告サーバ14から広告ページ80を受信し、キャプティブポータルブラウザによりタッチパネル34aに広告ページ80を表示させる。
【0071】
広告ページ80は、例えば広告サーバ14からHTMLデータとして送信された広告コンテンツである。広告ページ80には、広告ページ80が広告コンテンツであることを示す「<PR>」との文字列や、広告コンテンツの表示終了までの残り時間を示すカウントダウン情報81が含まれている。
【0072】
カウントダウン情報81は、例えば上記の所定時間のうち残り時間を示す。
図8の例では、カウントダウン情報81は、広告ページ80の表示が残り3秒であることを示している。カウントダウン情報81が示す残り時間が0より大きい間は、通信端末12が送信する疎通確認用パケットに対して広告サーバ14へのリダイレクト応答が行われ、広告ページ80の表示が継続される(
図6に示したステップS609,S610の繰り返し)。
【0073】
カウントダウン情報81が示す残り時間が0になると、すなわち広告の表示時間が所定時間以上となると、通信端末12は送信した疎通確認用パケットに対する疎通確認サーバ15からの応答パケットを受信することになり、キャプティブポータルブラウザを閉じる(
図6に示したステップS613~S613)。これにより、タッチパネル34aによる広告ページ80の表示が終了する。
【0074】
以上に説明したように、無線アクセスポイント11は、無線アクセスポイント11に接続した通信端末12に特定ページ(例えばキャプティブポータルによる認証ページや広告ページ)をリダイレクトにより表示させた状態にて、特定ページの表示終了のための所定条件が充足されるまで、通信端末12がネットワーク2との疎通確認に用いる通信先(例えば疎通確認サーバ15)と通信端末12との通信を阻害する阻害制御を行う。表示終了のための所定条件は、例えば、上記のように、通信端末12による特定ページの表示時間が所定時間以上となったことである。
【0075】
通信先(例えば疎通確認サーバ15)と通信端末12との通信を阻害する阻害制御として、無線アクセスポイント11は、例えば、通信端末12から受信した通信先に対する疎通確認用パケットを通信先へ向けて転送しない制御を行う。具体的には、無線アクセスポイント11は、上記のように、通信端末12から疎通確認用パケットを受信した場合に、通信先と異なるサーバ装置が提供するウェブページ(例えば認証サーバ13の認証ページや広告サーバ14の広告ページ)を通信端末12に表示させるリダイレクト応答を行う。ただし、疎通確認用パケットを通信先へ向けて転送しない制御は、これに限らず、疎通確認用パケットを破棄する制御であってもよい。
【0076】
又は、通信先(例えば疎通確認サーバ15)と通信端末12との通信を阻害する阻害制御として、無線アクセスポイント11は、通信端末12が送信した疎通確認用パケットを通信先に転送するが、その疎通確認用パケットに応じて通信先から送信された応答パケットを、通信端末12へ向けて転送しない制御を行ってもよい。
【0077】
上記の阻害制御により、通信端末12が、広告ページ等の特定ページを表示した状態にて、疎通確認用の通信先に対する疎通確認用パケットを送信し、その通信先からの応答パケットを受信すると特定ページを閉じる動作を行う場合でも、所定条件が充足されるまでは特定ページが閉じないようにすることができる。このため、認証が完了して通信端末12がネットワーク2と疎通すると通信端末12のユーザが意図していなくても広告表示が瞬時に終了してしまうといった、意図しない広告表示の終了を抑制することができる。
【0078】
一方で、無線アクセスポイント11は、特定のOSでないOSを有する通信端末については上記の阻害制御を行わないことで、上記の阻害制御によって通信端末が意図しない動作をすることを抑制することができる。
【0079】
なお、
図4に示した処理のように、無線アクセスポイント11は、通信端末12と疎通確認サーバ15との通信を阻害する阻害制御を行っている状態にて、疎通確認サーバ15以外の通信先と通信端末12との通信を中継してもよい。例えば、通信端末12にインストールされた電子メールのアプリケーションは、阻害制御によってキャプティブポータルブラウザで広告が表示されている間も、電子メールサーバからの通知等を受信することができる。又は、ユーザは、阻害制御によってキャプティブポータルブラウザで広告が表示されている間も、キャプティブポータルブラウザではない通常のウェブブラウザを立ち上げて任意のウェブページを表示することが可能である。
【0080】
(表示終了のための所定条件の他の例)
表示終了のための所定条件が、通信端末12による特定ページの表示時間が所定時間以上となったことである場合について説明したが、これに限らない。例えば、表示終了のための所定条件は、通信端末12がユーザから特定操作を受け付けたことであってもよい。
【0081】
図9は、無線アクセスポイント11及び通信端末12の動作の他の一例を示すシーケンス図である。
図9に示すステップS901~S910は、
図6に示したステップS601~S610と同様である。
【0082】
図9の例において、通信端末12に関する広告表示終了のための所定条件とは、通信端末12がユーザから特定操作を受け付けたことであるとする。例えば、無線アクセスポイント11は、通信端末12がユーザから特定操作を受け付けたことを、通信端末12からの通知によって認識する。特定操作の例については後述する(例えば
図10参照)。
【0083】
図9の例では、通信端末12がユーザから特定操作を受け付けるまで、ステップS909,S910が繰り返される。この処理の繰り返しについてはステップS609,S610の繰り返しと同様である。
【0084】
通信端末12がユーザから特定操作を受け付けると、無線アクセスポイント11は、ステップS911へ移行する。
図9に示すステップS911~S913は、
図6に示したステップS611~S613と同様である。
【0085】
図10は、通信端末12による広告表示の他の一例を示す図である。例えば
図9に示したステップS912によって、通信端末12は、キャプティブポータルブラウザにより、タッチパネル34aに
図10に示す広告ページ80を表示させる。
【0086】
図10に示す広告ページ80には、
図8に示した広告ページ80のカウントダウン情報81に代えて表示終了ボタン101が含まれている。表示終了ボタン101は、「閉じる」との文字列が付されたボタンであり、広告ページ80の表示を終了させるためのボタンである。表示終了のための所定条件としての特定操作は、この表示終了ボタン101の指示操作(例えばタッチ操作)であってもよい。
【0087】
例えば、ユーザが表示終了ボタン101のタッチ操作を行うまでは、通信端末12が送信する疎通確認用パケットに対して広告サーバ14へのリダイレクト応答が行われ、広告ページ80の表示が継続される(
図9に示したステップS909,S910の繰り返し)。
【0088】
ユーザが表示終了ボタン101のタッチ操作が行うと、通信端末12は表示終了ボタン101のタッチ操作が行われた旨の通知を無線アクセスポイント11へ送信し、無線アクセスポイント11はその通知によって所定条件が充足されたと判断する。これにより、通信端末12は送信した疎通確認用パケットに対する疎通確認サーバ15からの応答パケットを受信し、キャプティブポータルブラウザを閉じる(
図9に示したステップS911~S913)。これにより、タッチパネル34aによる広告ページ80の表示が終了する。
【0089】
表示終了のための所定条件としての特定操作は、表示終了ボタン101の指示操作に限らない。例えば、広告ページ80がユーザ操作によりスクロール可能な広告コンテンツである場合、表示終了のための所定条件としての特定操作は、広告ページ80の最下部までスクロールするユーザ操作であってもよい。その他、表示終了のための所定条件としての特定操作は、任意の操作とすることができる。
【0090】
また、
図7に示した認証完了ページ70にも、表示終了ボタン101と同様の表示終了ボタンを設けてもよい。この場合、表示終了のための所定条件としての特定操作は、この認証完了ページ70の表示終了ボタンの指示操作(例えばタッチ操作)であってもよい。
【0091】
(表示終了のための所定条件のさらに他の例)
表示終了のための所定条件は、通信端末12による特定ページの表示時間が所定時間以上となり、かつ通信端末12がユーザから特定操作を受け付けたことであってもよい。例えば、通信端末12は、まず
図8に示したカウントダウン情報81を含む広告ページ80を表示し、カウントダウン情報81が示す残り時間が0になると、
図10に示した表示終了ボタン101を広告ページ80に表示する。
【0092】
そして、ユーザが表示終了ボタン101のタッチ操作が行うと、通信端末12は、表示終了ボタン101のタッチ操作が行われた旨の通知を無線アクセスポイント11へ送信する。これにより、通信端末12は送信した疎通確認用パケットに対する疎通確認サーバ15からの応答パケットを受信し、キャプティブポータルブラウザを閉じる。
【0093】
このように、表示終了のための所定条件は、複数の条件を含んでもよい。
【0094】
(特定のOSを有する通信端末について阻害制御を行う方法の他の例)
特定のOSを有する通信端末(例えば通信端末12)について無線アクセスポイント11が上記の阻害制御を行う方法として、特定のOSを有する通信端末がネットワーク2との疎通確認に用いる通信先のリストを取得し、受信した疎通確認用パケットの宛先がそのリストに含まれている場合に阻害制御を行う方法について説明したが(例えば
図4参照)、このような方法に限らない。
【0095】
図11は、無線アクセスポイント11による処理の他の一例を示すフローチャートである。無線アクセスポイント11は、無線アクセスポイント11に無線接続した通信端末のそれぞれについて、例えば
図4に示す処理に代えて
図11に示す処理を実行してもよい。ここでは無線アクセスポイント11に無線接続した通信端末12について説明する。
【0096】
図11のステップS111~S115は、
図4のステップS41~S45と同様である。ステップS112において、通信端末12が認証済みである場合(ステップS112:Yes)は、無線アクセスポイント11は、パケットの送信元の通信端末12のOSが特定のOS(例えばAndroid)であるか否かを判断する(ステップS116)。例えば、無線アクセスポイント11は、通信端末12から受信したパケットのヘッダ情報(宛先を除く)に基づいてステップS116の判断を行う。又は、無線アクセスポイント11は、通信端末12と通信を行うことによって通信端末12のOSを問い合わせ、通信端末12からの応答に基づいてステップS116の判断を行ってもよい。
【0097】
ステップS116において、パケットの送信元の通信端末12のOSが特定のOSである場合(ステップS116:Yes)は、無線アクセスポイント11は、通信端末12から受信したパケットを、そのパケットの宛先へ向けて転送し(ステップS117)、ステップS111へ戻る。パケットの送信元の通信端末12のOSが特定のOSでない場合(ステップS116:No)は、ステップS118へ移行する。ステップS118,S119は、
図4に示したステップS48,S49と同様である。
【0098】
このように、無線アクセスポイント11は、通信端末12のOSが特定のOSであるか否かを、通信端末12との通信等によって判定し、通信端末12のOSが特定のOSである場合に上記の阻害制御を行ってもよい。なお、通信端末12は、ステップS116において、通信端末12のOSが特定のOSである場合でも、受信したパケットが疎通確認用パケットでない場合は、ステップS117へ移行し、パケットを転送してもよい。
【0099】
(通信端末12の変形例)
通信端末12がスマートフォンである場合について説明したが、通信端末12は、スマートフォンに限らず、無線アクセスポイント11を介してネットワーク2に接続する各種の通信機器とすることができる。例えば、通信端末12は、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、ウェアラブル端末などの情報端末であってもよい。
【0100】
(通信装置の変形例)
通信装置の例として無線アクセスポイント11について説明したが、通信装置は無線アクセスポイントに限らず、通信端末12とネットワーク2との間の通信を中継する各種の通信機器(例えば無線LANの中継器や子機、中継装置、ファイアウォール装置、ハブ・有線装置)とすることができる。
【0101】
<通信システム10の他の例>
図12は、通信システム10の他の一例を示す図である。
図12に示す通信システム10においては、無線アクセスポイント11が中継装置16を介してネットワーク2に接続されている。本発明の通信装置は、
図12に示す中継装置16に適用することもできる。
【0102】
中継装置16は、例えば有線通信により通信の中継を行う中継装置である。中継装置16は、ルータ、ファイアウォール装置、スイッチングハブなど各種の中継装置とすることができる。中継装置16のハードウェア構成は、
図2に示した無線アクセスポイント11のハードウェア構成と同様である。ただし、中継装置16は無線通信インタフェース23を備えていなくてもよい。
【0103】
(プログラムについて)
無線アクセスポイント11のメモリ22のROMに記憶されるプログラムや、通信端末12のメモリ32のROMに記憶されるプログラムは、これらのプログラムをコンピュータが読取可能な一時的でない(non-transitory)記憶媒体に記憶される。このような「コンピュータ読取可能な記憶媒体」は、例えば、CD-ROM(Compact Disc-ROM)等の光学媒体や、USBメモリ又はメモリカード等の磁気記憶媒体等である。また、このようなプログラムを、ネットワークを介したダウンロードによって提供することもできる。
【0104】
以上のように本明細書には以下の事項が開示されている。
【0105】
開示された通信装置は、通信端末とネットワークとの通信を中継する通信装置であって、接続した前記通信端末に特定ページを表示させた後、所定条件が充足されるまで、前記通信端末が前記ネットワークとの疎通確認に用いる通信先と前記通信端末との通信を阻害する阻害制御を行う、制御部を備えるものである。
【0106】
開示された通信装置は、前記制御部が、特定のオペレーティングシステムを有する通信端末が前記ネットワークとの疎通確認に用いる通信先のリストを取得し、取得したリストに基づいて前記阻害制御を行うものである。
【0107】
開示された通信装置は、前記制御部が、前記通信端末のオペレーティングシステムが特定のオペレーティングシステムであるか否かを判定し、前記通信端末のオペレーティングシステムが前記特定のオペレーティングシステムである場合に前記阻害制御を行うものである。
【0108】
開示された通信装置は、前記制御部が、前記阻害制御として、前記通信端末から受信した前記通信先に対する疎通確認用パケットを前記通信先へ向けて転送しない制御を行うものである。
【0109】
開示された通信装置は、前記制御部が、前記阻害制御として、前記通信端末から前記通信先に対する疎通確認用パケットを受信した場合に、前記通信先と異なるサーバ装置が提供するページを前記通信端末に表示させる制御を行うものである。
【0110】
開示された通信装置は、前記制御部が、前記阻害制御として、前記通信端末が送信した前記通信先に対する疎通確認用パケットに応じて前記通信先から受信した応答パケットを前記通信端末へ向けて転送しない制御を行うものである。
【0111】
開示された通信装置は、前記所定条件が、前記通信端末による前記特定ページの表示時間が所定時間以上となったことを含むものである。
【0112】
開示された通信装置は、前記所定条件が、前記通信端末がユーザから特定操作を受け付けたことを含むものである。
【0113】
開示された通信装置は、前記制御部が、前記阻害制御を行っている状態にて、前記通信先以外の通信先と前記通信端末との通信を中継するものである。
【0114】
開示された通信装置は、前記通信端末が、前記特定ページを表示した後、前記通信先に対する疎通確認用パケットを送信し、前記通信先からの応答パケットを受信すると前記特定ページを閉じる動作を行うものである。
【0115】
開示された通信装置は、前記動作が、特定のオペレーティングシステムを有する通信端末が実行する動作であるものである。
【0116】
開示された制御方法は、通信端末とネットワークとの通信を中継する通信装置が、接続した前記通信端末に特定ページを表示させた後、所定条件が充足されるまで、前記通信端末が前記ネットワークとの疎通確認に用いる通信先と前記通信端末との通信を阻害する阻害制御を行うものである。
【0117】
開示された制御プログラムは、通信端末とネットワークとの通信を中継する通信装置のプロセッサに、接続した前記通信端末に特定ページを表示させた後、所定条件が充足されるまで、前記通信端末が前記ネットワークとの疎通確認に用いる通信先と前記通信端末との通信を阻害する阻害制御を行う、処理を実行させるためのものである。
【符号の説明】
【0118】
2 ネットワーク
10 通信システム
11 無線アクセスポイント
12 通信端末
13 認証サーバ
14 広告サーバ
15 疎通確認サーバ
21,31 プロセッサ
22,32 メモリ
23,33 無線通信インタフェース
24 有線通信インタフェース
29,39 バス
34 ユーザインタフェース
34a タッチパネル
70 認証完了ページ
71 広告リンク
80 広告ページ
81 カウントダウン情報
101 表示終了ボタン