(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023059717
(43)【公開日】2023-04-27
(54)【発明の名称】特典付与システム、特典付与プログラム及び特典付与方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20230420BHJP
【FI】
G06Q30/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021169884
(22)【出願日】2021-10-15
(71)【出願人】
【識別番号】520159042
【氏名又は名称】前田 悠
(74)【代理人】
【識別番号】110001782
【氏名又は名称】弁理士法人ライトハウス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 悠
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】
店舗や事業者が意図しないかたちでの利用客による特典の利用又は取得を防ぐことのできる特典付与システムを提供する。
【解決手段】
ユーザが携帯するユーザ端末と、ユーザ端末と通信接続が可能なサーバ装置とを備える特典付与システムであって、ユーザ端末が、店舗にて利用可能な特典の付与を要求するための特典付与要求をサーバ装置へ送信する特典付与要求送信手段と、ユーザ端末の位置を特定する位置特定手段とを備え、サーバ装置が、特典付与要求を受信する特典付与要求受信手段と、特典付与要求を受信すると、ユーザ端末に特典を付与する特典付与手段とを備え、特典付与手段が、特典付与要求を送信した際のユーザ端末の位置が所定の関係にない場合に、ユーザ端末に特典を付与せず、特典付与要求を送信した際のユーザ端末の位置が店舗の位置と所定の関係にある場合に、ユーザ端末に特典を付与する、特典付与システムに関する。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが携帯するユーザ端末と、ユーザ端末と通信接続が可能なサーバ装置とを備える特典付与システムであって、
ユーザ端末が、
店舗にて利用可能な特典の付与を要求するための特典付与要求をサーバ装置へ送信する特典付与要求送信手段と、
ユーザ端末の位置を特定する位置特定手段と
を備え、
サーバ装置が、
特典付与要求を受信する特典付与要求受信手段と、
特典付与要求を受信すると、特典を付与するための特典情報をユーザ端末に送信する、又は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報に特典情報を関連付けることで、ユーザに特典を付与する特典付与手段と
を備え、
特典付与手段が、特典付与要求を送信した際のユーザ端末の位置が店舗の位置と所定の関係にない場合に、ユーザに特典を付与せず、特典付与要求を送信した際のユーザ端末の位置が店舗の位置と所定の関係にある場合に、ユーザに特典を付与する、特典付与システム。
【請求項2】
特典付与手段が、特典付与要求を送信した際のユーザ端末の位置が店舗の位置から所定の範囲内である場合に、ユーザに特典を付与せず、特典付与要求を送信した際のユーザ端末の位置が所定の範囲内ではない場合に、ユーザに特典を付与する、請求項1に記載の特典付与システム。
【請求項3】
ユーザが携帯するユーザ端末と、ユーザ端末と通信接続が可能なサーバ装置とを備える特典付与システムにおけるサーバ装置において実行される特典付与プログラムであって、
サーバ装置を、
ユーザ端末からの特典付与要求を受信する特典付与要求受信手段、
特典付与要求を受信すると、特典を付与するための特典情報をユーザ端末に送信する、又は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報に特典情報を関連付けることで、ユーザに特典を付与する特典付与手段
として機能させ、
特典付与手段が、特典付与要求を送信した際のユーザ端末の位置が所定の関係にない場合に、ユーザに特典を付与せず、特典付与要求を送信した際のユーザ端末の位置が店舗の位置と所定の関係にある場合に、ユーザに特典を付与する、特典付与プログラム。
【請求項4】
ユーザが携帯するユーザ端末と、ユーザ端末と通信接続が可能なサーバ装置とを備える特典付与システムにおいて実行される特典付与方法であって、
ユーザ端末において、
店舗にて利用可能な特典の付与を要求するための特典付与要求をサーバ装置へ送信する特典付与要求送信ステップと、
ユーザ端末の位置を特定する位置特定ステップと
を有し、
サーバ装置において、
特典付与要求を受信する特典付与要求受信ステップと、
特典付与要求を受信すると、特典を付与するための特典情報をユーザ端末に送信する、又は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報に特典情報を関連付けることで、ユーザに特典を付与する特典付与ステップと
を有し、
特典付与ステップが、特典付与要求を送信した際のユーザ端末の位置が所定の関係にない場合に、ユーザに特典を付与せず、特典付与要求を送信した際のユーザ端末の位置が店舗の位置と所定の関係にある場合に、ユーザに特典を付与する、特典付与方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特典付与システム、特典付与プログラム及び特典付与方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、実際の店舗を利用してサービスや商品を提供する事業者が、インターネット上のグルメ情報サイトやホテル予約サイトなどの情報掲載サイトに店舗におけるサービスや商品の情報、あるいは、サービスや商品の購入時に利用可能な割引クーポン等を掲載し、集客やマーケティングに利用することは広く行われている。しかし、大多数の情報掲載サイトは、インターネットに接続可能な通信環境さえあれば、ユーザは、いつでも、どこからでも情報掲載サイトにアクセスし、情報掲載サイトに掲載されている割引クーポン等の特典を自由にダウンロードして利用することができる。そのため、利用する店舗にすでに入店してしまっているユーザが、店舗内から情報掲載サイトにアクセスして店舗情報を閲覧し、掲載された割引クーポン等をダウンロードして利用することも可能であり、本来、店舗または事業者が想定する、インターネットを利用したマーケティングという目的にかなった形では、利用客が割引クーポン等を利用しないケースが少なからずあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものである。すなわち、本発明は、店舗や事業者が意図しないかたちでの利用客による特典の利用又は取得を防ぐことのできる特典付与システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、上記目的は、
[1]ユーザが携帯するユーザ端末と、ユーザ端末と通信接続が可能なサーバ装置とを備える特典付与システムであって、ユーザ端末が、店舗にて利用可能な特典の付与を要求するための特典付与要求をサーバ装置へ送信する特典付与要求送信手段と、ユーザ端末の位置を特定する位置特定手段とを備え、サーバ装置が、特典付与要求を受信する特典付与要求受信手段と、特典付与要求を受信すると、特典を付与するための特典情報をユーザ端末に送信する、又は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報に特典情報を関連付けることで、ユーザに特典を付与する特典付与手段とを備え、特典付与手段が、特典付与要求を送信した際のユーザ端末の位置が所定の関係にない場合に、ユーザに特典を付与せず、特典付与要求を送信した際のユーザ端末の位置が店舗の位置と所定の関係にある場合に、ユーザに特典を付与する、特典付与システム;
[2]特典付与手段が、特典付与要求を送信した際のユーザ端末の位置が店舗の位置から所定の範囲内である場合に、ユーザに特典を付与せず、特典付与要求を送信した際のユーザ端末の位置が所定の範囲内ではない場合に、ユーザに特典を付与する、前記[1]に記載の特典付与システム;
[3]ユーザが携帯するユーザ端末と、ユーザ端末と通信接続が可能なサーバ装置とを備える特典付与システムにおけるサーバ装置において実行される特典付与プログラムであって、サーバ装置を、ユーザ端末からの特典付与要求を受信する特典付与要求受信手段、特典付与要求を受信すると、特典を付与するための特典情報をユーザ端末に送信する、又は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報に特典情報を関連付けることで、ユーザに特典を付与する特典付与手段として機能させ、特典付与手段が、特典付与要求を送信した際のユーザ端末の位置が所定の関係にない場合に、ユーザに特典を付与せず、特典付与要求を送信した際のユーザ端末の位置が店舗の位置と所定の関係にある場合に、ユーザに特典を付与する、特典付与プログラム;
[4]ユーザが携帯するユーザ端末と、ユーザ端末と通信接続が可能なサーバ装置とを備える特典付与システムにおいて実行される特典付与方法であって、ユーザ端末において、店舗にて利用可能な特典の付与を要求するための特典付与要求をサーバ装置へ送信する特典付与要求送信ステップと、ユーザ端末の位置を特定する位置特定ステップとを有し、サーバ装置において、特典付与要求を受信する特典付与要求受信ステップと、特典付与要求を受信すると、特典を付与するための特典情報をユーザ端末に送信する、又は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報に特典情報を関連付けることで、ユーザに特典を付与する特典付与ステップとを有し、特典付与ステップが、特典付与要求を送信した際のユーザ端末の位置が所定の関係にない場合に、ユーザに特典を付与せず、特典付与要求を送信した際のユーザ端末の位置が店舗の位置と所定の関係にある場合に、ユーザに特典を付与する、特典付与方法;
を提供することにより達成される。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、店舗や事業者が意図しないかたちでの利用客による特典の利用又は取得を防ぐことのできる特典付与システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の実施の形態にかかるユーザ端末の構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施の形態にかかるサーバ装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施の形態にかかる特典付与システムの概要を表す図の一例である。
【
図4】本発明の実施の形態にかかる特典付与システムにおける特典付与の実行処理のフローチャートを表す図である。
【
図5】本発明の実施の形態にかかる特典付与システムにおける特典付与の実行処理のフローチャートを表す図である。
【
図6】本発明の実施の形態にかかる履歴情報データベースの一例を示す図である。
【
図7】本発明の実施の形態にかかる特典付与システムにおける特典付与の実行処理のフローチャートを表す図である。
【
図8】は、本発明の実施の形態にかかる特典付与システムにおける特典付与の実行処理のフローチャートを表す図である。
【
図9】本発明の実施の形態にかかる特典付与システムにおける、ユーザ端末への特典付与の通知の実行処理のフローチャートを表す図である。
【
図10】本発明の実施の形態にかかる特典付与システムにおける、特典付与の実行処理のフローチャートを表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下、各実施の形態における効果に関する記載は、本発明の効果の一側面であり、ここに記載するものに限定されない。また、以下で説明するフローチャートを構成する各処理の順序は、処理内容に矛盾や不整合が生じない範囲で順不同である。
【0008】
[第一の実施の形態]
本発明の特典付与システムは、ユーザが携帯するユーザ端末と、ユーザ端末と通信接続が可能なサーバ装置とを備える。
【0009】
図1は、本発明の実施の形態にかかるユーザ端末の構成を示すブロック図である。ユーザ端末1は、制御部11、RAM12、ストレージ部13、センサ部14、グラフィック処理部15、表示部18、通信インタフェース16、及びインタフェース部17からなり、それぞれ内部バスにより接続されている。
【0010】
制御部11は、CPUやROMから構成される。制御部11は、ストレージ部13に格納されたプログラムを実行し、ユーザ端末1の制御を行う。RAM12は、制御部11のワークエリアである。ストレージ部13は、プログラムやデータを保存するための記憶領域である。
【0011】
制御部11は、プログラム及びデータをRAM12から読み出して処理を行う。制御部11は、RAM12にロードされたプログラム及びデータを処理することで、描画命令をグラフィック処理部15に出力する。
【0012】
センサ部14は、GPSセンサを備えている。また、その他の各種センサを備えていてもよく、各種センサとしては、例えば、指紋認証センサ、近接センサ等が挙げられる。
【0013】
グラフィック処理部15は、表示部18に接続されている。表示部18は、表示画面18aを有している。制御部11が描画命令をグラフィック処理部15に出力すると、グラフィック処理部15は、表示画面18a上に画像を表示するためのビデオ信号を出力する。ここで、表示部18は、タッチ入力部18bを備えるタッチパネルの画面であっても良い。
【0014】
通信インタフェース16は、無線又は有線により通信ネットワーク2に接続が可能であり、通信ネットワーク2を介して、サーバ装置3とデータを送受信することが可能である。通信インタフェース16を介して受信したデータは、外部メモリから読み込まれたデータと同様に、RAM12にロードされ、制御部11により演算処理が行われる。
【0015】
インタフェース部17には、識別情報取得部19として、識別情報等に関するコード、文字情報、画像を取得可能にする装置(例えば、カメラ、OCR、バーコードやQRコード(登録商標)等の二次元コードリーダ等)が接続され得る。ユーザによる識別情報取得部19からの取得情報はRAM12に格納され、制御部11は取得情報をもとに各種の演算処理を実行する。あるいは、インタフェース部17に記憶媒体読取装置を接続し、外部メモリ等からプログラム及びデータ等を読み込むことも可能である。
【0016】
ユーザ端末1は、特に限定されないが、ユーザが携帯をして持ち歩くことができるものであることが好ましい。ユーザ端末1としては、例えば、従来型の携帯電話、タブレット型端末、スマートフォンなどが挙げられる。
【0017】
図2は、本発明の実施の形態にかかるサーバ装置の構成を示すブロック図である。サーバ装置3は、制御部31、RAM32、ストレージ部33及び通信インタフェース34を少なくとも備え、それぞれ内部バスにより接続されている。
【0018】
制御部31は、CPUやROMから構成され、ストレージ部33に格納されたプログラムを実行し、サーバ装置3の制御を行う。また、制御部31は時間を計時する内部タイマを備えている。RAM32は、制御部31のワークエリアである。ストレージ部33は、プログラムやデータを保存するための記憶領域である。制御部31は、プログラム及びデータをRAM32から読み出し、ユーザ端末1から受信した情報等をもとに、プログラム実行処理を行う。
【0019】
通信インタフェース34は、無線又は有線により通信ネットワーク2に接続が可能であり、通信ネットワーク2を介してデータを送受信することが可能である。通信インタフェース32を介して受信したデータは、例えば、RAM32にロードされ、制御部31により演算処理が行われる。
【0020】
図3を用いて、本発明の特典付与システムの概要を説明する。
図3は、本発明の実施の形態にかかる特典付与システムの概要を表す図の一例である。以下では、ユーザが店舗外の場所である、(a)に示す領域においてウェブサイトの店舗情報を閲覧した後、実際の店舗である(b)に示す場所へ移動し、特典付与要求をユーザ端末からサーバ装置へ送信する場合を説明する。
【0021】
図3において、(a)に示す店舗外の領域101は、店舗のユーザ4が店舗情報をユーザ端末1で閲覧する時の場所であり、ユーザ4は、店舗外の領域101において、携帯するユーザ端末1を使用して店舗情報が掲載されているサーバ装置3上のウェブサイトにアクセスし、店舗情報を閲覧する。また、店舗外の領域101は、店舗から所定の範囲外に位置する店舗外の場所であり、ユーザ端末1が通信ネットワーク2を介してサーバ装置3と通信可能な場所であれば、特に限定されず、屋外であってもよいし、屋内であってもよく、また、地下道や地下の商業施設等であってもよい。
【0022】
図3の(b)に示す店舗102は、店舗のユーザ4がサーバ装置3上のウェブサイトの店舗情報の閲覧した後に向かう移動先であり、店舗102の位置から所定の範囲外に位置する店舗外の領域101とは、異なる場所である。ユーザ端末1は、ユーザ4が店舗外の領域101から店舗102へ移動する間、常にユーザ4により携帯されるため、ユーザ4が店舗外の領域101から店舗102へ移動すると、ユーザ端末1の位置も店舗外の領域101から店舗102内へと移動することになる。
【0023】
ユーザ端末1は、ユーザ4の操作によってサーバ装置3と各種情報の送受信を行い、ユーザ4がサーバ装置3上のウェブサイトに掲載された店舗情報を閲覧したり、店舗102に設けられた特典を受け取るための特典要求情報をサーバ装置3に送信したりするための端末装置である。ユーザ端末1は、店舗情報の閲覧要求、及び、ユーザ又はユーザ端末1を識別することが可能なユーザ識別情報をサーバ装置へ送信する閲覧要求送信機能を備える。ユーザ識別情報としては、例えば、端末識別情報としてのMACアドレスや、予めユーザが本特典付与システムを利用したサービスのユーザとして登録されている場合の、ユーザIDなどが挙げられる。また、ユーザ端末1は、サーバ装置3から店舗情報を受信する店舗情報受信機能を備える。店舗情報としては、例えば、該当する店舗が販売するサービスや商品についての情報、該店舗にてサービスや商品を購入する際に利用可能な割引クーポン情報などの特典情報、該店舗の営業時間や住所等の情報が含まれていてもよい。また、ユーザ端末1は、店舗102に設けられた特典を受け取るための特典要求情報を取得する特典要求情報取得機能と、取得した特典要求情報、及び、ユーザ識別情報をサーバ装置3へ送信する特典要求情報送信機能を備える。特典要求情報としては、例えば、本特典付与システムを利用してユーザ4にクーポン等の特典を付与する店舗に設けられた、店舗毎のQRコード(登録商標)や、該店舗が提供するサービスや商品に設けられた、サービス毎または商品毎のバーコード等が挙げられる。
【0024】
ユーザ端末1は、ユーザ4が携帯して移動可能であれば特に限定されず、例えば、従来型の携帯電話、タブレット型端末、スマートフォンなどが含まれる。ユーザ端末1には、あらかじめ、サーバ装置3上に設けられたウェブサイトを閲覧したり、サーバ装置3に特典要求情報を送信したりできるように、公知のウェブブラウザや専用のアプリケーションがインストールされていてもよい。
【0025】
また、ユーザ端末1は、ユーザ端末の位置を特定する位置特定機能を備えている。例えば、ユーザ端末1はGPSセンサを備え、GPS衛星5からの信号に基づいて、ユーザ端末1の位置を測定する。位置特定機能は、GPSセンサを用いたものに限らず、ユーザ端末1の位置を特定できればいかなるものでも良く、例えば、Wi-Fi電波の受信状況に基づいて、位置を特定することも可能である
【0026】
また、ユーザ端末1は、閲覧要求送信機能により店舗情報の閲覧要求をサーバ装置3に送信した際における、特定されたユーザ端末1の位置に関する位置情報をサーバ装置3に送信する位置情報送信機能を備えるように構成してもよい。具体的には、例えば、ユーザ端末1のGPSセンサにより特定した位置情報をウェブサイト上の店舗情報の閲覧時にサーバ装置3において記録し、次に、ユーザ4が店舗102から特典を受け取るための特典要求情報としての、店舗102に設けられたQRコード(登録商標)等を特典要求情報取得機能(例えば、ユーザ端末1に備えられたカメラや、QRコード(登録商標)等を読み取り可能な二次元コードリーダ等)により取得し、取得した特典要求情報を特典要求情報送信機能によりサーバ装置3に送信した際に、サーバ装置3において予め登録されていた店舗102の位置情報をデータベース等から呼び出し、サーバ装置3において店舗外の領域101の位置情報と店舗102の位置情報とを比較することで、ユーザ4が店舗外の領域101から店舗102に移動したことをサーバ装置3において特定することが可能となる。
【0027】
サーバ装置3は、ユーザ端末1から送信された閲覧要求及びユーザ識別情報を受信し、店舗情報をユーザ端末1へ送信する。
【0028】
また、サーバ装置3は、閲覧要求及びユーザ識別情報をユーザ端末1から受信する閲覧要求受信機能と、店舗情報をユーザ端末1へ送信する店舗情報送信機能と、ユーザ端末1からの閲覧要求の受信、又は、ユーザ端末1への店舗情報の送信に関する履歴を、該ユーザ端末1に対応するユーザ識別情報に関連付けて記憶する履歴情報データベースを備える。このとき、閲覧要求を受信した際における、ユーザ端末1の位置特定機能によって特定されたユーザ端末1の位置に関する位置情報をユーザ端末1から受信し、前記履歴に関連付けて記憶するように構成してもよい。また、ユーザ端末1から閲覧要求を受信した時間、又は、ユーザ端末1へ店舗情報を送信した時間を、前記履歴に関連付けて記憶するようにしてもよい。
【0029】
また、サーバ装置3は、ユーザ端末1から特典要求情報及びユーザ識別情報を受信する特典要求情報受信機能と、受信したユーザ識別情報に対応する履歴が、後述する履歴情報データベースにおいて記憶されているか否かを判定する履歴判定機能を有する。また、サーバ装置3は、履歴判定機能により、受信したユーザ識別情報に対応する履歴が履歴情報データベースに記憶されていると判定された場合に、ユーザに対して特典を付与可能とする特典付与可能化機能を備える。
【0030】
また、サーバ装置3は、ユーザ端末1から位置情報を受信する位置情報受信機能と、ユーザ端末1から閲覧要求を受信する際に位置情報受信機能により受信した位置情報が、店舗の位置情報、又は、ユーザ端末1の特典要求情報送信機能により送信された特典要求情報を受信した際における、ユーザ端末1の位置特定機能によって特定された位置に関する位置情報に対して所定の範囲外であるか否かを判定する位置判定機能を備えるように構成してもよい。このとき、位置判定機能により、ユーザ端末1が閲覧要求を送信した店舗外の領域101が、店舗102から所定の範囲外にあると判定された場合で、且つ、履歴判定機能により、受信したユーザ識別情報に対応する履歴が履歴情報データベースに記憶されていると判定された場合に、特典付与可能化機能が店舗のユーザ4に対して特典を付与可能とするように構成することが好ましい。このように構成することで、利用する店舗に該店舗の店舗情報を閲覧する前にすでに入店してしまっているユーザが、店舗内から情報掲載サイトにアクセスして店舗情報を閲覧し、掲載された割引クーポン等をダウンロードして利用するのを防止することができ、インターネットを利用したマーケティングという目的に沿った形で割引クーポンなどの特典を店舗のユーザに付与し、集客に反映させることが可能となる。
【0031】
また、サーバ装置3は、履歴情報データベースにおいて、ユーザ端末から閲覧要求を受信した時間、又は、ユーザ端末へ店舗情報を送信した時間を履歴として記憶できるように構成してもよい。この場合、特典付与システムが、ユーザ端末1から閲覧要求を受信した時間、又は、ユーザ端末1へ店舗情報を送信した時間から、ユーザ端末1から特典要求情報を受信した時間までの経過時間が所定の時間内であるか否かを判定する時間判定機能を備え、サーバ装置3が、特典付与可能化機能において、前記時間判定機能により、前記経過時間が所定の範囲内であると判定された場合で、且つ、サーバ装置3の履歴判定機能により、受信したユーザ識別情報に対応する履歴が履歴情報データベースに記憶されていると判定された場合に、ユーザに対して特典を付与可能とするように構成することが好ましい。このように構成することで、ユーザに対して特典を付与可能とする際の条件に、ユーザが店舗情報を店舗外において閲覧した後、該当する店舗に移動し、店舗において特典要求情報をユーザ端末1により取得するまでの経過時間を加味することができるため、ユーザが事前に店舗情報を閲覧していることを、より高い確度で証明することができる。したがって、特典の付与によるマーケティング効果を、より正確に本特典付与システムに反映させることが可能となる。
【0032】
本発明にかかる特典付与システムにおいては、サーバ装置を運用する事業体と、サーバ装置に店舗情報を登録した店舗や事業者が相互に連携することで、特典付与によるユーザの購買意欲の刺激と本特典付与システムの利用率の向上により、集客効果において相乗効果を得ることが可能である。よって、例えば、本特典付与システムのサーバ装置にウェブを通じてアクセス可能な環境を観光地の宿泊施設等に導入し、宿泊施設の周囲の土産物ショップや飲食店等の店舗情報やサービスまたは商品に関する情報を閲覧可能にすることで、本特典付与システムを地域活性化や観光客の誘致等に利用することができる。
【0033】
次に、本実施の形態にかかる特典付与システムにおける特典付与の実行処理について、説明する。
図4及び
図5は、本発明の実施の形態にかかる特典付与システムにおける特典付与の実行処理のフローチャートを表す図である。
【0034】
まず、
図4を用いて、サーバ装置においてユーザ端末から店舗情報の閲覧要求を受信し、閲覧要求の受信、又は、ユーザ端末への店舗情報の送信に関する履歴を、該ユーザ端末に対応するユーザ識別情報に関連付けて記憶するための実行処理のフローについて説明する。店舗のユーザは、ユーザ端末1を操作し、ユーザ又はユーザ端末1を識別することが可能なユーザ識別情報を用いて本特典付与システムにログインする(ステップS101)。
【0035】
次に、ユーザの操作により、ユーザ端末1は、店舗情報の閲覧要求、及び、ユーザ又はユーザ端末1を識別することが可能なユーザ識別情報をサーバ装置3へ送信する(ステップS102)。また、ユーザ端末1は、GPS等の位置特定機能によって特定されたユーザ端末1の位置に関する位置情報をサーバ装置3に送信する(ステップS103)。
【0036】
サーバ装置3は、閲覧要求及びユーザ識別情報をユーザ端末1から受信する(ステップS104)。また、サーバ装置3は、ユーザ端末1から、店舗情報の閲覧要求、及び、ユーザ識別情報受信時のユーザ端末1の位置に関する位置情報を受信する(ステップS105)。
【0037】
次に、サーバ装置3は、受信した閲覧要求に基づいて、店舗情報をユーザ端末1へ送信する(ステップS106)。ここでユーザ端末1へ送信される店舗情報は、サーバ装置3に予め登録されており、ユーザ端末1からの閲覧要求に応じて、サーバ装置3からユーザ端末1に対して閲覧可能に送信されるものである。また、ステップS106においては、店舗情報として、店舗毎、サービス毎または商品毎に設定されたクーポン等の特典に関する特典情報(より具体的には、例えば、クーポンを利用した場合の商品毎の割引率等の情報)は含まれていてもよいが、店舗毎、サービス毎または商品毎に利用可能な特典そのもの(より具体的には、例えば、商品等の購入時に利用可能な割引クーポン等)は、含まれていないものとする。
【0038】
次に、サーバ装置3は、ユーザ端末1からの閲覧要求の受信、又は、ユーザ端末1への店舗情報の送信に関する履歴を、店舗情報毎、あるいはサービス毎や商品毎に、該ユーザ端末1に対応するユーザ識別情報に関連付けて、後述する履歴情報データベースに記憶する(ステップS107)。ステップS107では、ユーザ端末1からの店舗情報の閲覧要求、及び、該閲覧要求とともに送信されたユーザ識別情報の受信時における、ユーザ端末1の位置に関する位置情報についても、サーバ装置3によって受信し、前記履歴及びユーザ識別情報に店舗情報毎、あるいはサービス毎や商品毎に関連付けて、履歴情報データベースに記憶することが好ましい。また、ステップS107では、サーバ装置3がユーザ端末1から閲覧要求を受信した時間、又は、サーバ装置3がユーザ端末1へ店舗情報を送信した時間を、前記履歴及びユーザ識別情報に店舗情報毎、あるいはサービス毎や商品毎に関連付けて、履歴情報データベースに記憶することが好ましい。
【0039】
ユーザ端末1は、サーバ装置3から店舗情報を受信する(ステップS108)と、受信した店舗情報をユーザ端末1の表示画面18aに閲覧可能に表示し(ステップS109)、実行処理を終了する。
【0040】
ここで、本実施の形態にかかる履歴情報データベースについて、説明する。
図6は、本発明の実施の形態にかかる履歴情報データベースの一例を示す図である。履歴情報データベース200には、ユーザ識別情報201に関連付けて、閲覧要求日時202、位置情報203、店舗情報204、特典情報205、特典の付与済フラグ206などが記憶されている。閲覧要求日時202は、
図4に示す実行処理のステップS107における履歴が記憶又は更新された時点のサーバ装置3におけるシステム日時を表し、位置情報203はステップS107における特定した位置の座標を表す。店舗情報204及び特典情報205は、閲覧要求を行ったユーザ端末が閲覧した、または、閲覧要求に基づいてサーバ装置がユーザ端末に送信した店舗情報及び該店舗に関する特典情報を表す。発行済フラグ206は、すでにクーポンが発行されているか否かを示すものであり、すでにユーザ端末に対して特典が付与されている場合にはON(1)となり、まだ発行されていなければOFF(0)となる。
【0041】
ここで再度、本実施の形態にかかる特典付与システムにおける特典付与の実行処理について、説明する。以下では、
図5に示しながら、ユーザの操作により、ユーザ端末が備える特典要求情報取得機能を利用して店舗に設けられた特典要求情報を取得し、サーバ装置へ特典要求情報を送信することで、サーバ装置において、ユーザに対して特典を付与可能にするための実行処理のフローについて説明する。また、以下では、店舗毎に設けられた特典を受け取るための特典要求情報として、二次元コードを利用したコード情報が店舗毎に設けられている場合を例示して、説明する。また、履歴情報データベースに記憶される時間として、サーバ装置3がユーザ端末1から閲覧要求を受信した時間が記憶されるものと仮定する。
【0042】
図4に示された実行処理のフローにおいて、店舗から所定の範囲外の位置にある店舗外の領域において、ユーザ端末1により該店舗情報を閲覧したユーザは、続いて、前記店舗外の領域から移動し、閲覧した店舗情報に対応する店舗に来店する。店舗情報に対応する店舗に来店したユーザは、本特典付与システムにユーザ識別情報を用いてログインし(ステップS301)、ユーザ端末1の備える特典要求情報取得機能により、該店舗において予め設けられている、閲覧した店舗情報に関する特典を受け取るためのコード情報を取得する(ステップS302)。次に、ユーザ端末1は、取得したコード情報、及び、ユーザ識別情報をサーバ装置3へ送信する(ステップS303)。
【0043】
サーバ装置3は、ユーザ端末1からコード情報及びユーザ識別情報を受信する(ステップS304)と、受信したユーザ識別情報に対応する履歴が履歴情報データベースに記憶されているか否かを判定する(ステップS305)。ステップS305において、対応する履歴が履歴情報データベースに記憶されていない場合(ステップS305においてNo)、サーバ装置3は、ユーザ端末1に特典を付与することなく実行処理を終了する。ステップS305において、ステップS304で受信したユーザ識別情報に対応する履歴が履歴情報データベースに記憶されていた場合(ステップS305においてYes)、サーバ装置3は、続いて、該履歴について、ユーザ端末1から閲覧要求を受信した時間から、ユーザ端末1からコード情報を受信した時間までの経過時間が所定の時間内であるか否かを判定する(ステップS306)。所定の時間としては、例えば、5分以上であることが好ましく、10分以上であることが、より好ましい。また、所定の時間としては、48時間以内であることが好ましく、24時間以内であることが、より好ましい。このように構成することで、ユーザが該店舗に来店した理由が、該店舗に関する店舗情報を閲覧したことに動機づけられていることを、経過時間の観点から、より正確に把握することができる。
【0044】
ステップS306において、経過時間が所定の時間外であると判定された場合(ステップS306においてNo)には、特典を付与せずに実行処理を終了する。ステップS306において所定の時間内であると判定された場合(ステップS306においてYes)には、次の判定ステップに進む。
【0045】
ステップS306において、経過時間が所定の時間内であると判定された場合、すなわち、コード情報を送信したユーザ端末1のユーザ識別情報に対応する履歴が履歴情報データベースに記憶されており、且つ、前記経過時間が所定の時間内であった場合、サーバ装置3は、ユーザ端末1から受信したコード情報に対応する店舗について、予め登録されている該店舗の位置情報と、
図4のステップS105においてユーザ端末1から受信した、該店舗に関する店舗情報の閲覧要求時の位置情報とを比較する。そして、ステップS105で受信した位置情報が、店舗の位置情報に対して所定の範囲外であるか否かを判定する(ステップS307)。所定の範囲としては、例えば、店舗の位置から任意の距離以内の範囲を設定することができる。所定の範囲外としては、ステップS105で受信した位置情報が、店舗の位置情報に対して20m以上離れていることが好ましく、100m以上離れていることが、より好ましい。このように構成することで、位置特定の精度が不十分なGPS等の位置特定機能を利用する場合であっても、位置情報を利用して、店舗に来店する前に店舗情報を閲覧していないユーザが、該店舗に入店している状態または該店舗の近傍において該店舗のコード情報を送信して特典を入手するケースを排除し、特典の付与による集客効果をより正確に把握することができる。
【0046】
ステップS307において、店舗情報の閲覧要求時の位置情報が、店舗の位置情報に対して所定の範囲外ではないと判定された場合(ステップS307においてNo)には、サーバ装置3は、特典を付与せずに実行処理を終了する。
【0047】
ステップS307において、所定の範囲外であると判定された場合(ステップS307においてYes)、サーバ装置3は、該当する履歴に対応するユーザ端末1について、該ユーザ端末1のユーザ識別情報に対応する履歴における特典の付与済フラグを参照し、サーバ装置3からユーザ端末1に対して、受信したコード情報に対応する特典が付与済であるか否かを判定する(ステップS308)。該コード情報に対応する店舗毎または閲覧履歴毎の特典を、すでにユーザ端末1に対して付与済であった場合(ステップS308においてYes)、サーバ装置3はユーザ端末1に対してそれ以上特典を付与することなく実行処理を終了する。
【0048】
ユーザ端末1に対して特典をまだ付与していないと判定した場合(ステップS308においてNo)には、サーバ装置3は、ユーザ端末1に付与する店舗毎または閲覧履歴毎の特典を特定するために、複数の異なる特典の中から1以上の特典を抽選する(ステップS309)。そして、抽選により選ばれた、店舗毎の、または、閲覧履歴毎の特典を、ユーザ端末1に対して付与可能にする(ステップS310)。
【0049】
ステップS310において特典を付与可能に特定すると、サーバ装置3は、付与可能に特定した特典をユーザ端末1に送信する(ステップS311)。ユーザ端末1は、サーバ装置3から特典を受信し(ステップS312)、該特典を表示画面18aに表示する(ステップS313)。
【0050】
本実施の形態においては、特典を付与する形態や付与する特典の数は特に限定されず、ユーザ端末1に対して、店舗毎、履歴情報データベースに記録されたユーザ端末1の店舗情報の閲覧履歴毎、店舗情報毎、あるいは、サービス毎、商品毎に異なる特典(例えば、割引率の異なるクーポン等)を付与するように構成することができる。
【0051】
本実施の形態においては、特典の付与は、例えば、サーバ装置において、店舗で利用可能な特典をユーザ識別情報に関連付けて記憶することであってもよい。この場合、サーバ装置に記憶された特典は、店舗へのユーザの来店時に店舗端末が自動的に、またはユーザからの提示・提供によりユーザ識別情報を取得し、取得したユーザ識別情報をもとに店舗端末がサーバ装置に対して該特典の付与要求・適用要求等を行うことで、ユーザ端末を経由することなくサーバ装置と店舗端末との間で自動的に会計等に適用処理されるものであってもよい。また、サーバ装置に記憶された特典は、ユーザがユーザ識別情報をもとに、ユーザ端末とは異なる他の端末装置からサーバ装置に対して、該特典の付与要求・適用要求等を送信することで、ユーザ端末とは異なる他の端末装置において特典を利用できるように構成されていてもよい。
【0052】
本実施の形態においては、履歴情報データベースに記憶される時間として、サーバ装置がユーザ端末から閲覧要求を受信した時間の代わりとして、サーバ装置がユーザ端末へ店舗情報を送信した時間を採用してもよい。また、本実施の形態においては、位置情報受信手段により受信した位置情報が、店舗の位置情報の代わりに、ユーザ端末がサーバ装置に特典要求情報を送信した際における、ユーザ端末の位置特定機能によって特定された位置に関する位置情報に対して所定の範囲外であるか否かを判定するように構成してもよい。
【0053】
本実施の形態においては、店舗に設けられた特典を受け取るための特典要求情報は特に限定されず、従来公知の識別情報等に関するコード、文字情報、画像、あるいは、識別タグ等が採用可能である。
【0054】
[第二の実施の形態]
次に、本発明の第二の実施の形態の概要について説明をする。第二の実施の形態にかかる特典付与システムによれば、ユーザが店舗情報を閲覧した閲覧時間と、ユーザが該店舗情報に対応する店舗に入店した時間、または、該店舗において店舗情報の閲覧情報を表示した時間としての現時刻とを比較し、時間的な観点から所定の条件を満たすか否かを判定することで、ユーザに対しての特典付与の可否判定ができる。
【0055】
第二の実施の形態における特典付与の可否判定に関する記載は、第一の実施の形態に記載した内容を必要な範囲で採用できる。また、ユーザ端末及びサーバ装置(後述するWebサーバ及び管理サーバの両方を含む。)の具体的な構成については、第一の実施の形態で述べたユーザ端末及びサーバ装置に関する内容を必要な範囲で採用することができる。
【0056】
以下では、第二の実施の形態にかかる特典付与システムにおける特典付与の実行処理について、図示しながら説明する。
図7及び
図8は、本発明の実施の形態にかかる特典付与システムにおける特典付与の実行処理のフローチャートを表す図である。
【0057】
ここで、
図7を用いて、Webサーバにおいて、ユーザ端末からの店舗情報の閲覧要求を受信した場合に、ユーザ端末から閲覧要求のあった店舗の店舗情報、及び、ユーザがユーザ端末により店舗情報を閲覧したことに関する情報である閲覧情報を、ユーザ端末に送信する場合の実行処理のフローについて説明する。
【0058】
まず、ユーザは、ユーザ端末を操作し、閲覧を希望する店舗情報が掲載された、Webサーバ上のWebサイトへアクセスする。ユーザ端末は、Webサイトへのアクセス時に、閲覧を希望する店舗情報の閲覧要求、及び、ユーザ端末を識別することが可能な、IPアドレス等のユーザ識別情報をWebサーバへ送信する(ステップS401)。
【0059】
Webサーバは、ユーザ端末から、ユーザが閲覧を希望する店舗情報の閲覧要求、及び、IPアドレス等のユーザ識別情報を受信(ステップS402)すると、ユーザ端末から受信したユーザ識別情報、ユーザ端末がWebサーバ上の店舗情報へアクセス、または、Webサーバ上の店舗情報を閲覧した時間あるいは時刻を示す閲覧時間、ユーザ端末が閲覧要求をアクセスした店舗情報に対応する店舗の識別情報等の情報をもとに、ユーザが店舗情報を閲覧したことに関する閲覧情報としてコード情報を生成し、生成したコード情報と、ユーザの閲覧要求に応じた店舗情報とを、ユーザ端末に送信する(ステップS403)。
【0060】
ステップS403において、Webサーバからユーザ端末に送信されるコード情報は、例えば、ユーザ端末の表示画面上に表示される場合に、ユーザの閲覧要求に応じた店舗情報と同一画面上に並置して表示される形態のものであってもよいし、また、例えば、前記店舗情報が表示される際の表示画面の一部に、ユーザが操作入力によりクリックまたはタップすることでコード情報を生成することが可能なボタンを出現させ、ユーザが表示画面に表示された前記ボタンを、ユーザ端末への操作入力によりクリックまたはタップすることで、ユーザの閲覧要求に応じた店舗情報に関するコード情報が生成されるように構成してもよい。また、このようにして生成される、あるいは、表示画面上に表示されるコード情報としては、特に限定されないが、例えば、バーコードのような1次元コードや、QRコード(登録商標)のような2次元コードであることが好ましい。
【0061】
ユーザ端末は、Webサーバから、ステップS401において送信した閲覧要求に応じた店舗情報、あるいは、ユーザ端末が店舗情報を閲覧した閲覧時間を含む閲覧情報を受信すると(ステップS404)、受信した店舗情報及び/または閲覧情報をユーザ端末の表示画面上に閲覧可能に表示する(ステップS405)。閲覧情報の表示方法としては、特に限定されないが、例えば、ユーザ端末の表示画面上でブラウザを介して表示されるものであってもよいし、また、例えば、本システムを利用するための専用のアプリケーションを起動することで表示されるものであってもよい。
【0062】
ステップS403において、閲覧情報をユーザ端末に送信したWebサーバは、今度は、ユーザ端末から店舗情報へのアクセス又は閲覧要求があったことを示すユーザアクセス受信情報を生成し、管理サーバに向けて送信する(ステップS406)。ステップS406において管理サーバへ送信されたユーザアクセス受信情報には、例えば、前記ユーザ識別情報、前記閲覧時間、前記店舗の識別情報等が含まれる。
【0063】
一方、管理サーバは、Webサーバから前記ユーザアクセス受信情報を受信する(ステップS407)と、受信したユーザアクセス受信情報をもとに、前記ユーザ識別情報、前記閲覧時間、前記店舗の識別情報等を、ユーザ端末による店舗情報の閲覧履歴としてデータベースに記憶(ステップS408)して、実行処理を終了する。
【0064】
第二の実施の形態においては、閲覧情報とは、ユーザが店舗情報を閲覧したことに関する情報のことであるが、これに限定されない。閲覧情報とは、例えば、ユーザ端末がWebサーバへアクセスしたことを示すものであればよく、より具体的には、例えば、ユーザ端末がWebサーバへアクセスしたことに応じて生成されるものであり、ユーザが実際に店舗情報を閲覧していなくても、ユーザ端末がWebサーバへアクセスしたことに応じて生成されるもの、あるいは、ユーザ端末がWebサーバへアクセスすることで取得可能なものであってもよい。また、閲覧情報とは、例えば、ユーザが閲覧を希望する店舗の店舗情報、該店舗情報に対応する店舗の識別情報、ユーザが店舗情報を閲覧した際の閲覧時間等を含むものであってもよく、1次元コードや2次元コードからなるコード情報として構成されていてもよい。
【0065】
第二の実施の形態においては、閲覧時間として、ユーザが店舗情報を閲覧した時間を例示して説明したが、これに限定されない。閲覧時間としては、例えば、ユーザがユーザ端末を利用して店舗情報を閲覧した時刻であってもよいし、店舗情報を閲覧した時間の長さであってもよい。また、その両方が含まれるものであってもよい。また、閲覧した時刻とは、例えば、閲覧を開始した時刻、閲覧を終了した時刻、或いは、その開始時刻と終了時刻の間の時刻のいずれであってもよい。さらに、閲覧時間としては、例えば、ユーザ端末がWebサーバまたはWebサイトにアクセスした時間であってもよい。
【0066】
第二の実施の形態においては、ユーザが閲覧する店舗情報が掲載されている媒体としては、Webサーバ及び/またはWebサイトを例示して説明したが、Webサーバ及び/またはWebサイトに代えて、本システムのWebサーバとは異なる他のサーバ装置、該他のサーバ装置上のWebサイト、該他のサーバ装置上のWebサイトとは異なる、他のWeb広告を用いることもできる。他のWeb広告としては、例えば、本システムのWebサーバ上のWebサイトとは異なる他のWebサイトに掲載されたインターネット広告、インターネットメディアに掲載された記事広告、あるいは、街頭のデジタルサイネージ等を他のWeb広告として採用してもよい。
【0067】
また、第二の実施の形態においては、ユーザが閲覧する店舗情報が掲載されている媒体として、Web広告に代えて、Web広告以外の広告を用いることもできる。より具体的には、例えば、紙媒体広告、TV広告、街頭広告等を店舗情報やコード情報の掲載先として、本システムにおいて適宜採用できるようにしてもよい。
【0068】
また、第二の実施の形態においては、前記Web広告が設置されている場所または地点の位置情報を、前記Web広告に掲載された店舗情報及び/またはコード情報に含めてユーザ端末により取得可能にすることで、ユーザが前記Web広告に掲載された店舗情報の閲覧時の、ユーザ及び/またはユーザ端末の位置情報として利用可能である。このように構成する場合、店舗情報の閲覧時の位置情報としては、第一の実施の形態において記載した内容を必要な範囲で採用できる。
【0069】
また、第二の実施の形態においては、ユーザ端末により、Web広告に掲載された店舗情報及び/またはコード情報を取得した際に、店舗情報及び/またはコード情報をユーザ端末で読み込んだ時間、あるいは、店舗情報及び/またはコード情報を読み込んだ際に表示されたURLにユーザ端末でアクセスしたときのアクセス時間またはアクセス時刻を、ユーザが店舗情報を閲覧した際の閲覧時間として採用してもよい。このように構成する場合、前記閲覧時間は、ユーザ端末が備える計時タイマによって特定してもよいし、ユーザ端末が前記URLにアクセスした際のアクセス先のWebサーバ、または、アクセス先の他のサーバ装置が備える計時タイマによって特定してもよい。また、特定した前記閲覧時間は、ユーザ端末、Webサーバ、または他のサーバ装置から管理サーバに対して送信され、閲覧履歴として履歴情報データベースに記憶されるように構成してもよい。このように構成する場合、店舗情報の閲覧時間としては、第一の実施の形態及び第二の実施の形態において記載した内容を必要な範囲で採用できる。
【0070】
また、第二の実施の形態においては、前記Web広告が、例えば、デジタルサイネージのような有線または無線により通信ネットワークに接続可能なコンピュータ装置を利用したものである場合は、該コンピュータ装置がユーザ端末からユーザ識別情報を取得できるように構成し、取得したユーザ識別情報を、前記Web広告及び/または前記コンピュータ装置が設置された位置に関する位置情報や、前記Web広告に掲載された店舗情報、あるいは、ユーザが前記Web広告に掲載された店舗情報を閲覧した際の閲覧時間とともに管理サーバに送信できるようにしてもよい。また、前記Web広告及び/または前記コンピュータ装置は設置場所の位置情報を特定する手段を持たず、内部タイマによる計時も行わず、単にユーザ端末からユーザ識別情報、位置情報、閲覧時間を取得可能に構成し、ユーザ端末から取得したユーザ識別情報、位置情報、閲覧時間を、前記Web広告に掲載された店舗情報と合わせて、そのまま管理サーバに送信できるように構成してもよい。このように構成する場合、前記Web広告及び/または前記コンピュータ装置から受信したユーザ識別情報、位置情報、閲覧時間、及び前記Web広告に掲載された店舗情報を、管理サーバにおいて、閲覧履歴として履歴情報データベースに記憶できるように構成されていることが好ましい。また、このように構成する場合、閲覧履歴として履歴情報データベースに記憶されるユーザ端末のユーザ識別情報、位置情報、閲覧時間、及び店舗情報については、第一の実施の形態及び第二の実施の形態において記載した内容を必要な範囲で採用できる。
【0071】
また、第二の実施の形態においては、ユーザ端末により、Web広告に掲載された店舗情報に関連付けられたURLは、例えば、QRコード(登録商標)等のコード情報を読み込むことでユーザ端末の表示画面上で表示または特定することができるが、Web広告に掲載された店舗情報に関連付けられたURLの特定方法としては、これに限らない。Web広告に掲載された店舗情報に関連付けられたURLの特定方法としては、例えば、前記Web広告が、ユーザ端末において取得可能な音声・電波・光等の信号を発信する信号発信手段を備え、前記信号発信手段により発信された特定の波長の音声・電波・光等の信号をユーザ端末で受信することで特定できるようにしてもよい。
【0072】
続いて、本発明の第二の実施の形態における、ユーザによる閲覧した店舗情報に対応する店舗への入店の特定の概要について説明する。第二の実施の形態においては、ユーザが事前に閲覧した店舗情報に対応する店舗に入店したことを、該店舗において特定し、ユーザによる店舗情報の閲覧の履歴と、該店舗において特定した、ユーザの入店の事実とを比較することで、該ユーザに対して特典を付与可能か否かを判定することができる。
【0073】
以下では、
図8を用いて、店舗において、店舗端末を利用して、ユーザ端末から店舗情報を閲覧した際の閲覧時間を含む閲覧情報を取得し、前記店舗または本システムの発明にかかる管理サーバにおいて特典を付与可能か否かを判定する場合の実行処理のフローについて説明する。
【0074】
図7のステップS405において、閲覧した店舗情報及び/または、該店舗情報を閲覧した際の閲覧時間を含む閲覧情報を受信したユーザ端末は、続いて、閲覧した店舗情報に対応する店舗に入店する。店舗情報に対応する店舗に入店したユーザは、
図7のステップS405において受信した前記閲覧情報を、ユーザ端末の表示画面上に表示し(
図8のステップS501)、店舗において前記閲覧情報を提示する。
【0075】
次に、ユーザから閲覧情報の提示を受けた店舗、または、店員等の店舗のスタッフは、店舗の店舗端末を用いて、ユーザ端末から閲覧情報を読み取り(ステップS502)、読み取った閲覧情報を管理サーバへ送信する(ステップS503)。
【0076】
管理サーバでは、店舗端末が読み取った閲覧情報をもとに、ユーザに対して特典が付与可能か否かを判定する。まず、管理サーバは、店舗端末から前記閲覧情報を受信し(ステップS504)、受信した閲覧情報に対応する閲覧履歴が管理サーバのデータベースに記憶されているか否かを特定する(ステップS505)。
【0077】
閲覧情報に対応する閲覧履歴を特定する際、管理サーバは、ステップS505において、
図7のステップS408においてデータベースに記憶した閲覧履歴を含む複数の閲覧履歴のなかから、前記閲覧情報に含まれるユーザ識別情報及び店舗の識別情報と一致する、ユーザ識別情報及び店舗の識別情報を有する閲覧履歴が記憶されているか否かを特定する。
【0078】
ステップS505において、前記閲覧情報に対応する閲覧履歴が前記データベースに記憶されていた場合(ステップS505においてYes)、管理サーバは、次に、ユーザ端末が特典を付与するための条件を満たすか否かを判定する。ここで、もし前記閲覧情報に対応する閲覧履歴が前記データベースに記憶されていなかった場合には(ステップS505においてNo)、管理サーバは、後述する条件判定に移る前段階において、ユーザ端末への特典付与は不可であると判定する(ステップS506)。
【0079】
特典を付与するための条件を満たすか否かを判定する条件判定において、管理サーバは、ステップS505において特定した閲覧履歴に記憶されている、ユーザ端末によるWebサーバへのアクセス時間、あるいは、ユーザが店舗情報を閲覧した閲覧時間を、現時刻を比較して、所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS507)。
【0080】
ここで、第二の実施の形態における現時刻としては、例えば、ユーザによる店舗への入店時間、または、店舗におけるユーザによる商品やサービスの注文時間を、該店舗の業態等に応じて適宜採用することができる。また、第二の実施の形態における現時刻としては、例えば、店舗端末がユーザ端末から閲覧情報を読み取った時刻を、店舗への入店時間や店舗における商品やサービスの注文時間として採用してもよい。また、第二の実施の形態における現時刻としては、例えば、管理サーバがユーザ端末への特典付与の条件判定を行う直近に、管理サーバまたはユーザ端末の内部タイマ等において計時された時刻を採用してもよく、また、例えば、管理サーバが店舗端末からユーザ端末に関する閲覧情報を受信した時刻を採用してもよい。
【0081】
また、ステップS507における所定の条件としては、例えば、ユーザが店舗情報を閲覧した閲覧時間と前記現時刻を比較した際に、前記現時刻が前記閲覧時間から所定の時間を経過していることを、条件として採用することができる。ここで、「所定の時間を経過している」とは、例えば、前記閲覧時間と前記現時刻が単にずれている、あるいは、異なっている、という条件であっても良い。また、例えば、前記閲覧時間と前記現時刻を比較した際に、前記閲覧時間から前記現時刻までの経過時間が所定の時間内であることを、条件として採用してもよい。この場合、所定の時間としては、特に限定されないが、例えば、5分以上であることが好ましく、10分以上であることが、より好ましい。また、所定の時間としては、48時間以内であることが好ましく、24時間以内であることが、より好ましい。このように構成することで、ユーザが店舗情報に対応する店舗に入店した理由が、店舗に関する店舗情報を本発明の特典付与システムにかかるWebサイトにおいて閲覧したことに動機付けられていることを、前記閲覧時間と前記現時刻との比較により、定量的及び/または定性的に、正確に把握することができる。
【0082】
第二の実施の形態においては、このように構成することで、前記閲覧時間と前記現時刻との比較から、例えば、特典付与の条件を満たした利用者が統計的にどのような傾向にあるのかを測定することが可能になり、より効果的な集客手法の開発に生かしたりすることが可能となる。
【0083】
ここで
図8のフローに戻り、ステップS507において、前記閲覧時間と前記現時刻の関係が所定の条件を満たす場合には(ステップS507においてYes)、管理サーバは、ユーザ端末への特典付与が可能であると判定する(ステップS508)。ステップS507において前記閲覧時間と前記現時刻の関係が所定の条件を満たさない場合には(ステップS507においてNo)、管理サーバは、ユーザ端末への特典付与は不可であると判定する(ステップS506)。
【0084】
次に、管理サーバは、ステップS508またはステップS506における判定結果を、店舗端末に送信する(ステップS509)。
【0085】
次に、店舗端末は、管理サーバから判定結果を受信(ステップS510)した後、受信した判定結果を店舗端末に表示して(ステップS511)、実行処理を終了する。
【0086】
ステップS510において受信した判定結果が「特典付与が可能」であった場合には、店舗において前記閲覧情報を提示したユーザに対して、料金の割引やサービスの追加等の特典を付与する。ここで、特典付与の方法としては、特に限定されず、商品・サービスのオーダー機能や精算機能を有する店舗端末等のコンピュータ装置により自動で特典付与の処理を行うものであってもよいし、店員等の店舗のスタッフが判定結果を目視で確認し、会計時にレジ等に料金を手動で入力し、精算額に対して直接値引きを行うような形態であってもよい。
【0087】
ステップS510において受信した判定結果が「特典付与が不可」であった場合には、店舗において前記閲覧情報を提示したユーザは、特典付与の条件を満たしていないと判断し、店舗において料金の割引等の特典を受けることができない。
【0088】
第二の実施の形態においては、店舗において店舗端末でユーザ端末から閲覧情報を取得し、取得した閲覧情報を店舗端末が管理サーバに送信することで、管理サーバにおいて特典を付与するための条件判定を実行しているが、管理サーバに代えて、ユーザ端末や店舗端末を用いることもできる。つまり、管理サーバにおいて前記閲覧時間と、現時刻とを比較して条件判定を行わずとも、ユーザ端末、店舗端末、あるいは、本システムを構成するいずれかのデバイスにおいて条件判定を行うことも可能である。ユーザが店舗情報を閲覧した際の閲覧時間と、現時刻とを比較して、所定の条件を満たすか否かを判定可能に構成されていれば、いずれのデバイスを用いて特典付与の可否を判定してもよい。
【0089】
また、第二の実施の形態においては、例えば、店舗端末で閲覧情報を読み取った際に、閲覧情報に含まれる閲覧時間が店舗端末に表示されるように構成する、あるいは、ユーザ端末の表示画面上に、閲覧情報に含まれる閲覧時間が表示されるように構成することで、店舗のスタッフの目視により、所定の条件を満たすか否かの条件判定、及び、特典付与の可否判定を行うことができる。このように構成する場合、ユーザが店舗情報を閲覧した時間と、ユーザが店舗情報に対応する店舗に入店した時間、ユーザが該店舗で注文を行った時間、または、閲覧情報を店舗において提示した現時刻のいずれかとを比較することで、ユーザに対して特典付与が可能か否かを店舗のスタッフが判定可能である。また、ユーザ端末の表示画面上に閲覧時間が表示され、店舗のスタッフによる目視での判定ができるように構成した場合には、本システムによる特典付与において、店舗端末を構成要素から外して運用することも可能である。
【0090】
このように構成することで、POSシステムやレジシステム等の導入があまり進んでいない店舗であっても、店舗のスタッフやユーザ本人の目視を利用した特典付与の可否判定により、本特典付与システムを利用したユーザへの特典付与が可能となり、本特典付与システムの利用による集客効果の向上を期待することができる。
【0091】
第二の実施の形態においては、特典付与が可能と判定されたユーザへの特典付与のタイミングは、特に限定されない。特典付与のタイミングとしては、例えば、ユーザが閲覧した店舗情報に対応する店舗に入店したと特定されたタイミングで特典付与の可否判定を行い、同時に該店舗で利用することができる特典を付与してもよい。また、特典付与のタイミングとしては、例えば、該店舗において、ユーザが店舗または店舗スタッフに対して閲覧情報を表示または提示したタイミングであってもよい。また、特典付与のタイミングとしては、例えば、ユーザの該店舗への入店時、あるいは、ユーザによる店舗または店舗スタッフへの閲覧情報の表示時または提示時に特典付与の可否判定のみを先に行って起きユーザが店舗で代金の精算を行うタイミングで、該店舗で利用可能な特典を付与してもよい。また、特典付与のタイミングとしては、例えば、ユーザの該店舗への入店時、あるいは、ユーザによる店舗または店舗スタッフへの閲覧情報の表示時または提示時に管理サーバにおいて特典付与の可否判定を行い、該可否判定に基づいて、管理サーバからユーザが契約している決済会社に特典付与に関する情報を連絡または送信し、店舗における会計時に、ユーザが決済会社のカード等を利用して精算を行った時に、その決済に対して自動的に特典を付与するように構成してもよい。このように構成することで、ユーザと店舗双方にとって利便性の高い特典付与サービスを提供することができる。
【0092】
第二実施の形態においては、特典の付与は、例えば、サーバ装置において、店舗で利用可能な特典をユーザ識別情報に関連付けて記憶することであってもよい。この場合、サーバに記憶された特典は、ユーザの店舗への来店の際に、店舗端末がユーザ情報を自動的に、またはユーザからの提示・提供等により取得することで、取得したユーザ識別情報をもとに店舗端末からサーバ装置に対して該特典の送信要求・適用要求等を行い、ユーザ端末を経由することなくサーバ装置と店舗端末との間で自動的に会計等に適用処理できるように構成されていてもよい。また、サーバに記憶された特典は、ユーザがユーザ識別情報をもとに、ユーザ端末とは異なる他の端末装置からサーバ装置に対して該特典の送信要求・適用要求等を送信することで、ユーザ端末とは異なる他の端末装置において該特典を受信または取得し、利用できるように構成されていてもよい。
【0093】
第二の実施の形態においては、ユーザ端末による店舗情報の閲覧、および、コード情報や閲覧時間等の閲覧情報の取得は、ユーザ端末で本発明にかかるWebサーバ上のWebサイトに掲載された店舗情報にアクセスした場合、あるいは、該店舗情報を閲覧した場合に限定されない。例えば、ユーザ端末により、本特典付与システムにかかるWebサーバとは異なる、他のサーバ装置上に掲載された店舗情報にアクセスまたは閲覧し、ユーザ端末が前記他のサーバ装置から店舗情報を受信、または閲覧情報を取得した場合に、本特典付与システムにかかる管理サーバが、ユーザ端末が前記他のサーバ装置から、ユーザが店舗情報を閲覧したことに関する閲覧履歴情報を受信または取得できるように構成してもよい。そして、前記管理サーバが取得した、ユーザが店舗情報を閲覧したことに関する閲覧情報、及び/または、前記管理サーバが前記他のサーバ装置から受信した閲覧履歴情報をもとに、ユーザが特典を付与するための所定の条件を満たすか否かを判定してもよい。
【0094】
このように構成する場合、前記管理サーバが他のサーバ装置から受信する閲覧履歴情報としては、該他のサーバ装置に掲載された店舗情報にアクセスしたユーザ端末を識別できるユーザ識別情報、ユーザによる店舗情報の閲覧時間、該店舗情報に対応する店舗の識別情報等が含まれていることが好ましい。そして、前記管理サーバが他のサーバ装置から閲覧履歴情報を受信した場合、該閲覧履歴情報をもとに、前記ユーザ識別情報、前記閲覧時間、前記店舗の識別情報等の情報を閲覧履歴としてデータベースに記憶するように構成することが好ましい。
【0095】
さらに、第二の実施の形態においては、本特典付与システムにかかるWebサーバ上のWebサイトだけでなく、本システムとは異なる外部のWeb広告から、前記Webサーバに対して前記閲覧履歴情報を提供できるように構成してもよい。このように構成することで、例えば、店舗情報が掲載された外部のWeb広告をユーザが閲覧した場合であっても、提供された閲覧履歴情報をもとに閲覧履歴を作成し、管理サーバのデータベースに記憶するように構成することができる。
【0096】
このように構成することで、例えば、本特典付与システムを利用しながら、他のサーバ装置上のWebサイトや外部のWeb広告に店舗情報を含む該店舗の広告等が表示され、その店舗情報を閲覧したことでユーザが該店舗を訪れるような場合についても、本特典付与システムを利用しての集客やマーケティングの対象に含むことができるようになる。
【0097】
[第三の実施の形態]
次に、本発明の第三の実施の形態の概要について説明をする。第三の実施の形態にかかる特典付与システムによれば、時間的な条件としての所定の条件を満たすか否かによる特典付与の可否判定に代えて、位置情報の条件が所定の条件を満たすか否かに基づいて、特典付与の可否判定を行うことができる。
【0098】
第三の実施の形態における特典付与の可否判定に関する記載は、第一の実施の形態及び第二の実施の形態に記載した内容を必要な範囲で採用できる。また、ユーザ端末及びサーバ装置の具体的な構成については、第一の実施の形態及び第二の実施の形態で述べたユーザ端末及びサーバ装置に関する内容を必要な範囲で採用することができる。
【0099】
第二の実施の形態では、時間的な条件としての所定の条件を満たすか否かで特典付与の可否判定を行っているが、第三の実施の形態においては、時間的な条件に代えて、位置情報による特典付与の可否判定を行うことができる。つまり、ユーザが店舗情報を閲覧した時点の位置情報と、ユーザが店舗情報に対応する店舗に近付いた時点、または、ユーザが該店舗に入店した時点の位置情報とを比較し、2つの位置情報が所定の条件を満たすか否かで特典付与の可否判定を行うことができる。
【0100】
すなわち、第三の実施の形態においては、ユーザ端末の位置情報を特定する方法として、例えば、ユーザ端末が備えるGPSセンサや、移動通信ネットワークが備える基地局の位置情報を利用してユーザ端末の位置情報を特定し、本発明にかかる特典付与システムにおける条件判定を行うことができる。
【0101】
このように構成する場合、まず、ユーザが店舗情報を閲覧したことに関する閲覧情報として、店舗情報を閲覧した時の位置情報を、ユーザ端末が備えるGPSセンサや、移動通信ネットワークが備える基地局の位置情報を利用して特定し、閲覧履歴としてサーバ装置のデータベースに記憶する。続いて、同じく、前記GPSセンサや、前記基地局の位置情報を利用してユーザ端末の位置情報を特定し、今度は、ユーザが閲覧した店舗情報に含まれる、店舗情報に対応する該店舗の位置情報をもとに、ユーザ端末の位置情報が該店舗の位置情報に接近したこと、または、ユーザ端末の位置情報が該店舗の位置情報に対して、所定の範囲内(例えば、店舗の位置から所定の距離以内)に入ったこと条件として、ユーザが該店舗に入店したこと特定する。そして、該店舗に入店したユーザの所持するユーザ端末が、該店舗に入店する前に、該店舗の位置情報とは異なる位置において、該店舗に関する店舗情報を閲覧した時の位置情報を含む閲覧情報をサーバ装置の閲覧履歴としてデータベースに有していた場合には、該店舗情報を閲覧した時の閲覧情報に含まれる位置情報が、該店舗の店舗情報に含まれる該店舗の位置情報と所定の関係にあるかどうかを判定する。もし、該店舗情報を閲覧した時の閲覧情報に含まれる位置情報が、該店舗の店舗情報に含まれる該店舗の位置情報と所定の関係にある場合には、ユーザ端末について、該店舗において利用可能な特典の付与が可能であると判定する。もし、該店舗に入店したユーザの所持するユーザ端末が、該店舗情報を閲覧した時の閲覧情報に含まれる位置情報が、該店舗の店舗情報に含まれる該店舗の位置情報と所定の関係にないと判定された場合には、ユーザ端末について、該店舗において利用可能な特典の付与が不可であると判定する。
【0102】
第三の実施の形態においては、位置情報に関する所定の関係としては、特に限定されないが、例えば、第一の実施の形態に記載された位置情報の利用についての記載を、適宜採用することができる。また、位置情報に関する所定の関係としては、例えば、後述する第四の実施の形態における位置に関する所定の関係についての記載を、適宜採用することができる。
【0103】
第三の実施の形態においては、ユーザ端末の位置情報を特定する方法として、ユーザ端末が備えるGPSセンサ、及び、移動通信ネットワークが備える基地局の位置情報を利用する場合を例示して説明したが、GPSセンサ、及び、移動通信ネットワークが備える基地局の位置情報の利用に代えて、閲覧したWeb広告や、閲覧した店舗情報に対応する店舗の位置情報を利用して、ユーザ端末の位置情報を特定し、本発明にかかる特典付与システムにおける条件判定を行うことも可能である。
【0104】
具体的には、まず、例えば、店舗情報が掲載されたWeb広告が設置されている場所または地点の位置情報を、前記Web広告の位置情報として、掲載された店舗情報及び/またはコード情報に含めてユーザ端末により取得可能に構成する。次に、ユーザが前記Web広告に掲載された店舗情報の閲覧時に、ユーザ端末において前記店舗情報及び/またはコード情報を取得する。このとき、前記店舗情報及び/またはコード情報に含まれた前記Web広告の位置情報を、ユーザが店舗情報を閲覧した時の位置情報として、閲覧情報に含めて閲覧履歴としてデータベースに記憶する。次に、ユーザは、閲覧した店舗情報に対応する店舗に設置された店舗端末から、あるいは、該店舗に掲示された、該店舗の位置情報を含む二次元コード等のコード情報から、該店舗の位置情報を、ユーザ端末を用いて取得する。該店舗の位置情報を取得することで、ユーザ端末は、該店舗に入店したことを、位置情報から特定する。
【0105】
そして、該店舗に入店したと特定されたユーザの所持するユーザ端末が、該店舗に入店する前に、該店舗の位置情報とは異なる位置において、該店舗に関する店舗情報を閲覧した時の位置情報を含む閲覧情報をサーバ装置の閲覧履歴としてデータベースに有していた場合には、該店舗情報を閲覧した時の閲覧情報に含まれる位置情報が、該店舗の店舗情報に含まれる該店舗の位置情報と所定の関係にあるかどうかを判定する。もし、該店舗情報を閲覧した時の閲覧情報に含まれる位置情報が、該店舗の店舗情報に含まれる該店舗の位置情報と所定の関係にある場合には、ユーザ端末について、該店舗において利用可能な特典の付与が可能であると判定する。もし、該店舗に入店したユーザの所持するユーザ端末が、該店舗情報を閲覧した時の閲覧情報に含まれる位置情報が、該店舗の店舗情報に含まれる該店舗の位置情報と所定の関係にないと判定された場合には、ユーザ端末について、該店舗において利用可能な特典の付与が不可であると判定する。
【0106】
第三の実施の形態においては、ユーザ端末により、店舗情報に対応する店舗への入店時に、該店舗において掲示されているQRコード(登録商標)等のコード情報を読み込むことでユーザ端末により店舗の位置情報を取得し、ユーザが店舗に入店したことを特定することができるが、ユーザ端末による店舗の位置情報の取得方法としては、これに限らない。ユーザ端末による店舗の位置情報の取得方法としては、例えば、該店舗において、ユーザ端末が取得可能な音声・電波・光等の信号を発信する信号発信手段を備え、前記信号発信手段により発信された特定の波長の音声・電波・光等の信号をユーザ端末で受信することで、店舗の位置情報をユーザ端末において特定できるようにしてもよい。
【0107】
第三の実施の形態においては、特典の付与は、例えば、サーバ装置において、店舗で利用可能な特典をユーザ識別情報に関連付けて記憶することであってもよい。この場合、サーバに記憶された特典は、ユーザの店舗への来店の際に、店舗端末がユーザ情報を自動的に、またはユーザからの提示・提供等により取得することで、取得したユーザ識別情報をもとに店舗端末からサーバ装置に対して該特典の送信要求・適用要求等を行い、ユーザ端末を経由することなくサーバ装置と店舗端末との間で自動的に会計等に適用処理できるように構成されていてもよい。また、サーバに記憶された特典は、ユーザがユーザ識別情報をもとに、ユーザ端末とは異なる他の端末装置からサーバ装置に対して該特典の送信要求・適用要求等を送信することで、ユーザ端末とは異なる他の端末装置において該特典を受信または取得し、利用できるように構成されていてもよい。
【0108】
第三の実施の形態においては、特典付与のタイミングについては、特に限定されないが、例えば、第一の実施の形態、及び、第二の実施の形態における、特典付与のタイミングに関する記載を、必要な範囲で採用することができる。
【0109】
第三の実施の形態においては、位置情報による特典付与の可否判定を例示して説明したが、位置情報による特典付与の可否判定だけでなく、位置情報による特典付与の可否判定と時間的な条件による特典付与の可否判定とを併用して、ユーザに特典が付与可能か否かを判定することも可能である。
【0110】
第三の実施の形態においては、ユーザ端末で店舗情報を閲覧した位置に関する位置情報と、ユーザが該店舗情報に対応する店舗に入店する際、または入店した際の位置情報とをサーバ装置に送信し、サーバ装置において特典を付与するための条件判定を実行しているが、サーバ装置に代えて、ユーザ端末にインストールされた専用のアプリケーションを起動することで、ユーザ端末において特典を付与するための条件判定のための実行処理を行うようにすることも可能である。つまり、サーバ装置において前記条件判定を行わずとも、ユーザ端末において専用のアプリケーションによるバックグラウンド処理により、店舗情報を閲覧した時の位置情報をユーザ端末において記憶し、ユーザが該店舗情報に対応する店舗に入店したときのユーザ端末の位置情報または該店舗の位置情報と比較することで、特典付与の可否判定、及び、特典の付与を実行することができる。このように構成する場合、ユーザ端末からサーバ装置に向けて、店舗情報の閲覧時の位置情報、及び、店舗情報に対応する店舗への入店時の位置情報を送信することで、それぞれの位置情報を履歴として記憶し、ユーザ端末上の専用のアプリケーションによる条件判定をサーバ装置により補助できるようにしてもよい。また、ユーザ端末からサーバ装置に向けての位置情報の送信は行わず、単に特典付与の可否判定の結果に関する情報のみを送信し、サーバ装置側では特典付与の可否判定の結果のみを管理するよう構成しても良い。
【0111】
[第四の実施の形態]
次に、本発明の第四の実施の形態の概要について説明をする。第四の実施の形態にかかる特典付与システムによれば、ユーザが閲覧した店舗情報に対応する店舗に近づいた際に、ユーザ端末に対して、付与可能な特典が存在することを通知することができる。
【0112】
第四の実施の形態における特典付与の可否判定に関する記載は、第一の実施の形態、第二の実施の形態、及び第三の実施の形態に記載した内容を必要な範囲で採用できる。また、ユーザ端末及びサーバ装置の具体的な構成については、第一の実施の形態、第二の実施の形態、及び第三の実施の形態で述べたユーザ端末及びサーバ装置に関する内容を必要な範囲で採用することができる。
【0113】
以下では、本発明にかかる特典付与システムにおける、ユーザ端末への特典付与の通知の実行処理について、説明する。
図9は、本発明の実施の形態にかかる特典付与システムにおける、ユーザ端末への特典付与の通知の実行処理のフローチャートを表す図である。
【0114】
第四の実施の形態においては、本特典付与システムの備えるサーバ装置上の店舗情報を閲覧したユーザの所持するユーザ端末に対して、ユーザが店舗情報に対応する店舗の近くを訪れた際、あるいは、該店舗に入店した際に、店舗で利用可能な特典が付与されている旨、または、付与可能である旨を通知することができる。
【0115】
まず、サーバ装置において、サーバ装置上のWebサイトに掲載された店舗情報を閲覧したユーザの所有するユーザ端末について、ユーザまたはユーザ端末を特定するためのユーザ識別情報、ユーザ端末による店舗情報の閲覧時間、該店舗情報に対応する店舗の識別情報等を、事前に閲覧履歴として履歴記憶データベースに記憶しておく。
【0116】
以下では、履歴記憶データベースにユーザの閲覧履歴が記憶されていることを前提に、ユーザ端末への特典付与の通知を行う際の実行処理について、順を追って説明する。事前にサーバ装置上の店舗情報を閲覧したユーザのユーザ端末は、ユーザ端末の位置情報を、GPS等の位置特定手段により特定する(ステップS601)。次に、ユーザ端末は、特定した位置情報を、ユーザ識別情報とともにサーバ装置へ送信する(ステップS602)。
【0117】
上記の位置情報の特定及びサーバ装置への送信においては、本特典付与システムを利用するためのアプリケーションをユーザ端末にダウンロードし、ユーザ端末にダウンロードされたアプリケーションを起動することで、ユーザ端末から位置情報を、ユーザ識別情報とともにサーバ装置へ送信できるように構成することができる。また、ユーザ識別情報としては、例えば、ユーザ端末の端末識別情報としてのMACアドレスや、予めユーザが本特典付与システムを利用したサービスのユーザとして登録されている場合の、ユーザIDなどが挙げられる。また、ユーザ端末が本特典付与システムのサーバ装置とは異なる、他のサーバ装置上の店舗情報にアクセスする場合には、該店舗情報にアクセスする際のIPアドレス等をユーザ識別情報として利用できるように構成してもよい。
【0118】
サーバ装置は、ユーザ端末から位置情報及びユーザ識別情報を受信(ステップS603)すると、今度は、ステップS603で受信したユーザ識別情報に対応又は一致するユーザ識別情報を有する閲覧履歴が、事前に履歴記憶データベースに記憶されているか否かを特定する(ステップS604)。ステップS604において事前に履歴記憶データベースに該閲覧履歴が記憶されていた場合には(ステップS604においてYes)、次に、ユーザ端末が特典を付与するための条件を満たすか否かを判定する。ステップS604において、もし対応する履歴が前記データベースに記憶されていなかった場合には(ステップS604においてNo)、サーバ装置は、ユーザ端末への特典付与は不可であると判定し(ステップS605)、実行処理を終了する。
【0119】
ステップS604においてYesであった場合、サーバ装置は、特典を付与するための条件判定において、まず、ステップS604で特定した閲覧履歴に対応する、ユーザ端末によるサーバ装置へのアクセス時間、あるいは、ユーザが店舗情報を閲覧した閲覧時間を、現時刻と比較することで、所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS606)。
【0120】
ここで、ステップS606における現時刻としては、例えば、サーバ装置がステップS603において、ユーザ端末から位置情報及びユーザ識別情報を受信した時刻を採用することができる。また、例えば、サーバ装置がユーザ端末への特典付与の条件判定を行う直近の時刻を採用してもよい。
【0121】
また、ステップS606における所定の条件としては、例えば、前記閲覧時間と現時刻を比較した際に、現時刻が前記閲覧時間から所定の時間を経過していることを条件とすることができる。また、所定の条件及び所定の時間については、第一の実施の形態、及び、第二の実施の形態における所定の条件及び/または所定の時間に関する記載を、必要な範囲で採用することができる。
【0122】
ステップS606において所定の条件を満たす場合には(ステップS606においてYes)、サーバ装置は、ステップS604において特定した閲覧履歴をもとに、該閲覧履歴に対応する店舗情報及び/または店舗を特定する(ステップS607)。ステップS606において所定の条件を満たさない場合には(ステップS606においてNo)、ユーザ端末への特典付与は不可であると判定し(ステップS605)、実行処理を終了する。
【0123】
ステップS607における該閲覧履歴に対応する店舗情報及び/または店舗を特定について、より具体的には、例えば、サーバ装置は、該閲覧履歴に対応する店舗情報及び/または店舗について、予め登録されている該店舗の位置情報を特定する。
【0124】
ステップS607において前記店舗の位置情報を特定したサーバ装置は、続けて、ステップS603においてユーザ端末から受信した位置情報が、ステップS607において特定した店舗の位置情報に対して、所定の関係にあるか否かを判定する(ステップS608)。所定の関係としては、特に限定されないが、例えば、ステップS603において受信した位置情報が、ステップS607において特定した店舗の位置情報に対して所定の範囲内であることを条件として採用できる。所定の範囲としては、例えば、店舗の位置から任意の距離以内の範囲を設定することができる。また、所定の範囲内としては、特に限定されないが、ユーザが事前に閲覧した店舗情報に対応する、特典付与を受けることが可能な店舗に接近または入店したことを、該ユーザに認知させるという観点からは、例えば、ステップS603において受信した位置情報が、店舗の位置情報に対して20m以内であることが好ましく、10m以内であることが、より好ましい。
【0125】
ステップS608において、所定の関係にあると判定された場合には(ステップS608においてYes)、サーバ装置は、ユーザ端末への特典付与が可能である、あるいは、ユーザ端末に付与可能な特典が存在すると判定し(ステップS609)、ユーザ端末に、特典の付与が可能である旨を通知する付与可能情報を送信する(ステップS610)。
【0126】
ステップS608において、所定の関係にはないと判定された場合には(ステップS608においてNo)、サーバ装置は、ユーザ端末への特典付与は不可であると判定し(ステップS605)、付与可能情報を送信することなく実行処理を終了する。
【0127】
最後に、ユーザ端末において、付与可能情報をサーバ装置から受信し(ステップS611)、実行処理を終了する。
【0128】
第四の実施の形態においては、近接する店舗、あるいは入店した店舗で利用可能な特典がユーザまたはユーザ端末に対して付与されていることを、GPS等の位置特定機能を利用して通知することで、店舗情報の閲覧とそれによる付与特典の利用を促進し、本特典付与システムを利用した特典の付与による集客効果をより一層高めるができる。
【0129】
第四の実施の形態においては、ユーザ端末による位置情報の送信前に、ユーザがユーザ端末を利用してサーバ装置上の店舗情報を閲覧していることを、特典付与のための所定の条件としているが、所定の条件としては、店舗情報を閲覧していることのみに限定されない。例えば、ユーザ端末において店舗情報を表示画面に表示したことを特典付与のための所定の条件として採用してもよい。
【0130】
第四の実施の形態においては、特典の付与は、例えば、サーバ装置において、店舗で利用可能な特典をユーザ識別情報に関連付けて記憶することであってもよい。この場合、サーバに記憶された特典は、ユーザの店舗への来店の際に、店舗端末がユーザ情報を自動的に、またはユーザからの提示・提供等により取得することで、取得したユーザ識別情報をもとに店舗端末からサーバ装置に対して該特典の送信要求・適用要求等を行い、ユーザ端末を経由することなくサーバ装置と店舗端末との間で自動的に会計等に適用処理できるように構成されていてもよい。また、サーバに記憶された特典は、ユーザがユーザ識別情報をもとに、ユーザ端末とは異なる他の端末装置からサーバ装置に対して該特典の送信要求・適用要求等を送信することで、ユーザ端末とは異なる他の端末装置において該特典を受信または取得し、利用できるように構成されていてもよい。
【0131】
また、第四の実施の形態においては、特典を付与するための所定の条件に関して、店舗情報の閲覧時間については特に限定されないが、例えば、第二の実施の形態における閲覧時間に関する記載を、必要な範囲で採用することができる。また、例えば、店舗情報の閲覧位置については、特に限定されないが、例えば、本特典付与システムをテーマパーク等における集客促進に利用する場合には、閲覧位置をテーマパークの敷地内に限定するように構成してもよい。
【0132】
第四の実施の形態においては、コード情報として、1次元コードや2次元コードを一例として採用しているが、ユーザ端末によりサーバ装置または店舗情報にアクセスしたこと示す閲覧情報を特定できるものであれば、これらに限定されない。例えば、コード情報の代わりに、Webサイト上においてユーザ識別情報や閲覧時間、店舗情報等の特定が可能な音声パターンや周波数のパターン等を生成し、ユーザ端末に取得させ、閲覧情報として利用できるようにしてもよい。
【0133】
本発明にかかる特典付与システムは、一義的には、実際の店舗におけるサービスや商品の購入に利用可能な割引クーポン等による集客効果が期待できる業態、例えば、飲食店や商店等での利用が想定されている。しかし、本発明にかかる特典付与システムが適用可能な事業領域は、これらに限定されない。例えば、カラオケやアミューズメント施設等の遊興施設における、施設利用状況の向上やイベント等への集客においても、特典をユーザに付与することで集客効果を高めるような企画や事業において、適宜応用することが可能である。
【0134】
[第五の実施の形態]
次に、本発明の第五の実施の形態について説明をする。
【0135】
第五の実施の形態における特典付与システムに関する記載は、第一の実施の形態、第二の実施の形態、第三の実施の形態、及び第四の実施の形態に記載した内容を必要な範囲で採用できる。また、ユーザ端末及びサーバ装置の具体的な構成については、第一の実施の形態、第二の実施の形態、第三の実施の形態、第四の実施の形態で述べたユーザ端末及びサーバ装置に関する内容を必要な範囲で採用することができる。
【0136】
図10は、本発明の実施の形態にかかる特典付与システムにおける、特典付与の実行処理のフローチャートを表す図である。
図10を用いて、本実施の形態にかかる特典付与システムにおける、特典付与の実行処理について説明する。
【0137】
ショッピング等において店舗情報を閲覧し、店舗において利用可能な特典を入手したいと考える該店舗のユーザは、該店舗への来店前に、まず、ユーザ端末1を操作し、ユーザ又はユーザ端末1を識別することが可能なユーザ識別情報を用いて本特典付与システムにログインする(ステップS701)。
【0138】
次に、ユーザは、ユーザ端末1を操作することで、WEB検索などを利用して、来店前に閲覧したい店舗の店舗情報を探し、該店舗に関する店舗情報の閲覧要求をサーバ装置3へ送信する(ステップS702)。
【0139】
サーバ装置3は、ユーザ端末1から店舗情報の閲覧要求を受信する(ステップS703)と、閲覧要求がされた店舗情報をユーザ端末1に送信する(ステップS704)。このとき、店舗情報には、対象の店舗において利用可能な特典に関する特典情報、又は、特典の付与要求に関する情報が含まれている。特典の付与要求に関する情報としては、例えば、WEBサイトやWEB広告に設置された特典の付与を要求するためのボタン等が挙げられる。
【0140】
次に、ユーザ端末1は、店舗情報をサーバ装置3から受信し(ステップS705)、受信した店舗情報をユーザ端末1の表示画面に表示する(ステップS706)。ユーザは、ユーザ端末1を操作し、店舗情報とともに表示画面に表示された特典の付与要求に関する情報に基づいて、店舗で利用可能な特典の付与を要求するための特典の付与要求をサーバ装置3へ送信する(ステップS707)。つまり、特典の付与を要求するためのボタン等を押下する。ステップS707では、ユーザ端末1は、特典の付与要求の送信と共に、ユーザ端末1の位置情報をサーバ装置3に送信する。つまり、特典の付与要求をした際のユーザ端末1の位置情報をサーバ装置3へ送信することができる。なお、位置情報のサーバ装置3への送信は、特典付与要求のサーバ装置3への送信とともに実行してもよいが、サーバ装置3への特典の付与要求をした後に、実行してもよい。
【0141】
ユーザ端末1では、GPS機能等の位置特定手段によりユーザ端末1の位置情報が取得されており、取得は常時されてもよいし閲覧要求・付与要求などの要求をサーバに請求した際だけでもよく、この取得された位置情報が、ユーザ端末1からサーバ装置3へ送信される。
【0142】
次に、サーバ装置3は、ユーザ端末1から特典の付与要求及びユーザ端末1の位置情報を受信すると(ステップS708)、予めサーバ装置3に登録されている、店舗情報に対応する該店舗の位置情報を、受信したユーザ端末1の位置情報と比較する。そして、ステップS708で受信したユーザ端末1の位置情報が、店舗の位置情報に対して所定の範囲内であるか否かを判定する(ステップS709)。
【0143】
所定の範囲内としては、特に限定されないが、例えば、ユーザ端末1の位置情報が、店舗の位置情報に対して、所定の距離にして100m以内であることが好ましく、20m以内であることが、より好ましい。また、例えば、所定の範囲内が、店舗の規模や平面における床面積、あるいは、店舗の敷地面積等に応じて、適宜設定可能であることが、さらに好ましい。
【0144】
サーバ装置3は、ユーザ端末1の位置情報が店舗の位置情報に対して所定の範囲内であると判定した場合(ステップS709においてYes)、ユーザ端末1からの特典付与要求に対する返信として、ユーザ端末1に向けて、特典が付与できないことを通知するためにエラー情報を送信する(ステップS711)。ユーザ端末1は、サーバ装置3からエラー情報を受信すると、表示画面にエラー情報を表示して(ステップS711)、実行処理を終了する。この場合、ユーザ端末1には、店舗において利用可能な特典は付与されない。なお、店舗の位置情報は、サーバ装置3にて予め登録されており、ステップS709では、この登録された店舗の位置情報をもとに、ユーザ端末1の位置情報が店舗の位置情報に対して所定の範囲内であるか否かを判定することができる。
【0145】
一方、ユーザ端末1の位置情報が店舗の位置情報に対して所定の範囲内ではない、あるいは、所定の範囲外であると判定した場合には(ステップS709においてNo)、ユーザ端末1に対して、特典情報を送信する(ステップS713)。この場合、ユーザ端末1から特典付与要求が送信されたタイミングは、店舗情報に対応する店舗にユーザが来店するよりも前であると推測することができる。ユーザ端末1がサーバ装置3から特典情報を受信する(ステップS714)ことによって、ユーザまたはユーザ端末1に対して、該当の店舗において利用可能な特典が付与され、特典付与の実行処理が終了する。
【0146】
第五の実施の形態によれば、上記のように構成することで、位置情報を利用して、ユーザ端末から特典付与要求を送信したユーザが、店舗外から店舗情報を閲覧したか否かを判定することができる。ユーザが、店舗に入店した後や店舗の近傍に到達した時点で、店舗情報を検索し、該店舗で利用可能な特典を入手することを防止することができる。
【0147】
第五の実施の形態においては、「特典の付与」とは、特に限定されないが、例えば、サーバ装置からユーザ端末に向けて特典情報が送信されること、及び/又は、サーバ装置から送信された特典情報をユーザ端末において受信することをいう。この場合、ユーザに付与された特典は、該特典を利用可能な店舗に来店するまでの間、特典情報としてユーザ端末において保持され、ユーザが該店舗に来店した際にユーザ端末に特典情報を表示することで、店舗で利用できるものであってもよい。また、ユーザに付与された特典は、ユーザの保有するユーザ端末以外の記憶媒体や、ユーザが特典情報の保存先として利用可能な他のコンピュータ装置(例えば、本特典付与システムの外部のサーバ装置等)において記憶し、保持できるように構成されていてもよい。
【0148】
また、「特典の付与」とは、例えば、サーバ装置において、ユーザ識別情報に関連付けて特典情報を記憶することであってもよい。サーバ装置に記憶された特典情報は、ユーザが店舗に来店した際に、ユーザ端末からのサーバ装置への特典情報の送信要求に応じてサーバ装置からユーザ端末に送信され、ユーザ端末にて受信することで、該店舗において利用できるものであってもよい。また、サーバ装置に記憶された特典情報は、ユーザの店舗への来店の際に、店舗端末がユーザ識別情報を自動的に、またはユーザからの提示・提供等により取得することで、取得したユーザ識別情報をもとに店舗端末からサーバ装置に該特典情報の送信要求・適用要求等を行い、ユーザ端末を経由することなくサーバ装置と店舗端末との間で自動的に会計等に適用処理されるものであってもよい。また、サーバ装置に記憶された特典情報は、ユーザがユーザ識別情報をもとに、ユーザ端末とは異なる他の端末装置からサーバ装置に対して該特典情報の送信要求・適用要求等を送信することで、ユーザ端末とは異なる他の端末装置において該特典情報を受信または取得し、利用できるように構成されていてもよい。
【0149】
また、「特典の付与」とは、例えば、サーバ装置において、ユーザ端末からの特典付与要求が無くとも、ユーザ端末から店舗情報の閲覧要求を受信したタイミングで自動的に特典情報をユーザ識別情報に関連付けて記憶するものであってもよく、また、例えば、ユーザ端末から店舗情報の閲覧要求が送信されることに連動して特典付与要求が自動的に行われ、特典情報をユーザ識別情報に関連付けるものであってもよい。
【0150】
また、第五の実施の形態においては、特典情報の態様としては、店舗において特典が利用可能な態様であれば、ユーザ及び/または店員によって目視できるもののみに限定されず、電気・電波・音声・光等、通信技術として情報を記憶し、伝達できるものであれば、いかなる態様を採用してもよい。
【0151】
本発明の実施の形態においては、「特典の付与」は、店舗において利用可能な特典を付与するための特典情報をユーザ端末に送信する方法と、ユーザを識別するためのユーザ識別情報に該特典情報を関連付けて記憶する方法の、いずれの方法を採用してもよい。また、付与された利用可能な特典の利用は、処理内容に矛盾や不整合が生じない限り、第一から第五までの実施の形態において記載した内容のいずれを採用してもよい。
【符号の説明】
【0152】
1 ユーザ端末
2 通信ネットワーク
3 サーバ装置
4 ユーザ
5 GPS衛星
11 制御部
12 RAM
13 ストレージ部
14 センサ部
15 グラフィック処理部
16 通信インタフェース
17 インタフェース部
18 表示部
19 識別情報取得部
31 制御部
32 RAM
33 ストレージ部
34 通信インタフェース