(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023059788
(43)【公開日】2023-04-27
(54)【発明の名称】ジョイスティック及び端末装置
(51)【国際特許分類】
G05G 9/047 20060101AFI20230420BHJP
G05G 25/00 20060101ALI20230420BHJP
G05G 5/04 20060101ALI20230420BHJP
【FI】
G05G9/047
G05G25/00 C
G05G5/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022004221
(22)【出願日】2022-01-14
(31)【優先権主張番号】202122486607.3
(32)【優先日】2021-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521021281
【氏名又は名称】鴻富錦精密電子(煙台)有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】500080546
【氏名又は名称】鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HON HAI PRECISION INDUSTRY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】66,Chung Shan Road,Tu-Cheng New Taipei,236(TW)
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲ホウ▼ ▲イク▼翔
(72)【発明者】
【氏名】陳 建亨
(72)【発明者】
【氏名】孫 成業
(72)【発明者】
【氏名】▲ボウ▼ 耀哲
【テーマコード(参考)】
3J070
【Fターム(参考)】
3J070AA04
3J070BA10
3J070BA51
3J070CB03
3J070CB37
3J070CC71
3J070CD13
3J070CD15
3J070CD21
3J070DA61
(57)【要約】 (修正有)
【課題】センサのカーボン材料が摩耗する可能性がなく、センシング感度が高いジョイスティック及び端末装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るジョイスティックは、ハウジングと、ハウジングに挿通されたハンドルと、ハンドルに固定連結され、且つハウジングと可動に係合される第1ストッパ50と、ハンドルと可動に連結され、且つハウジングと可動に係合される第2ストッパ60と、第1ストッパ、第2ストッパ及びハウジングに接続される弾性部材70と、磁石と、磁気センサと、を備え、第2ストッパは、ハンドルに突き当てられ、磁石は、ハンドル及びハウジングの一方に固定され、磁気センサは、ハンドル及びハウジングの他方に固定される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングに挿通されたハンドルと、
前記ハンドルに固定連結され、且つ前記ハウジングと可動に係合される第1ストッパと、
前記ハンドルと可動に連結され、且つ前記ハウジングと可動に係合される第2ストッパと、
前記第1ストッパ、前記第2ストッパ及び前記ハウジングに接続される弾性部材と、
磁石と、
磁気センサと、を備え、
前記第2ストッパは、前記ハンドルに突き当てられ、
前記磁石は、前記ハンドル及び前記ハウジングの一方に固定され、前記磁気センサは、前記ハンドル及び前記ハウジングの他方に固定されることを特徴とするジョイスティック。
【請求項2】
前記ハウジングは台座とカバーとを含み、前記台座と前記カバーとで収容空間が形成され、
前記ハンドル、前記第1ストッパ、前記第2ストッパ及び前記弾性部材は、前記収容空間に収容されることを特徴とする請求項1に記載のジョイスティック。
【請求項3】
前記カバーは、天井壁、第1側壁、第3側壁、第2側壁及び第4側壁を備え、前記第1側壁、前記第3側壁、前記第2側壁及び前記第4側壁は、順次に隣接して設けられ、且つ前記天井壁の周縁に沿って前記台座に向かって延びていることを特徴とする請求項2に記載のジョイスティック。
【請求項4】
前記天井壁には、第1貫通孔が開設されており、前記ハンドルは、前記第1貫通孔を貫通することを特徴とする請求項3に記載のジョイスティック。
【請求項5】
前記ハンドルは、順次に固定連接されている操作部、レバー部及び固定部を含み、
前記操作部は、前記収容空間の外に位置し、前記レバー部は、前記第1貫通孔に挿通され、前記固定部は、前記収容空間の中に位置することを特徴とする請求項4に記載のジョイスティック。
【請求項6】
前記第1側壁には第1開口が開けられ、前記第2側壁には第2開口が開けられ、前記第1ストッパは、第1主体部と、前記第1主体部の両側に設けられた第1係止部とを含み、前記第1係止部は、前記第1開口と前記第2開口の中に位置することを特徴とする請求項5に記載のジョイスティック。
【請求項7】
前記第1開口及び前記第2開口の前記台座に向かう一端の開口幅は、前記台座から離隔する一端の開口幅よりも大きいことを特徴とする請求項6に記載のジョイスティック。
【請求項8】
前記第1主体部の前記第1係止部と連接するための表面と前記第1側壁及び/又は前記第2側壁との間には第1間隙を有することを特徴とする請求項6に記載のジョイスティック。
【請求項9】
前記第1主体部には、収容溝が開口され、前記固定部は、前記収容溝に収容されることを特徴とする請求項6に記載のジョイスティック。
【請求項10】
前記固定部は、扁平な楕円球状であり、前記収容溝の形状は、前記固定部の形状に適合していることを特徴とする請求項9に記載のジョイスティック。
【請求項11】
前記第3側壁には、第3開口が開口され、前記第4側壁には、第4開口が開口され、前記第2ストッパは、第2主体部と、前記第2主体部の両側に設けられた第2係止部とを含み、
前記第2係止部は、前記第3開口及び前記第4開口の中に位置することを特徴とする請求項5に記載のジョイスティック。
【請求項12】
前記第3開口及び前記第4開口の前記台座に向かう一端の開口幅は、前記台座から離隔する一端の開口幅よりも大きいことを特徴とする請求項11に記載のジョイスティック。
【請求項13】
前記第2主体部には第2貫通孔が開設されており、前記レバー部は前記第2貫通孔を貫通することを特徴とする請求項11に記載のジョイスティック。
【請求項14】
前記第2貫通孔は、長さと幅とを有し、前記長さの寸法は前記幅の寸法よりも大きいことを特徴とする請求項13に記載のジョイスティック。
【請求項15】
前記第2主体部の前記第2係止部と連接するための表面と、前記第3側壁及び/又は前記第4側壁との間には第2間隙を有することを特徴とする請求項11に記載のジョイスティック。
【請求項16】
前記弾性部材は、一方側が前記台座に連結され、他方側が前記第2主体部に連結され、且つ圧縮された状態となり、
前記固定部は、前記第2主体部に突き当てられることを特徴とする請求項11に記載のジョイスティック。
【請求項17】
前記弾性部材は、一方側が前記台座に接続され、他方側が前記第1ストッパに接続され、且つ圧縮された状態となっていることを特徴とする請求項2に記載のジョイスティック。
【請求項18】
前記台座の前記カバーから離隔する表面には、凹所が設けられ、前記磁気センサは、前記凹所に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のジョイスティック。
【請求項19】
請求項1から18のいずれか一項に記載のジョイスティックを備える端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、非接触式センシング分野に関し、特に、ジョイスティック及び端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のジョイスティックは、通常、接触抵抗式である。具体的には、カーボンブラシによってカーボン膜の異なる位置で異なる抵抗値を発生させ、ジョイスティックのリアルタイム状態を算出する。しかしながら、カーボンブラシとカーボン膜とが互いに接触したセンシングモードにより、複数回使用した後にカーボンブラシやカーボン膜が損耗し、さらにセンシングが不正確になり、引いては使用できなくなることを招く。また、カーボンブラシとカーボン膜が精密部品に属し、製作コストが高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、上記の課題を解決できるようなジョイスティック及び端末装置を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
ジョイスティックであって、ハウジングと、前記ハウジングに挿通されたハンドルと、前記ハンドルに固定連結され、且つ前記ハウジングと可動に係合される第1ストッパと、前記ハンドルと可動に連結され、且つ前記ハウジングと可動に係合される第2ストッパと、前記第1ストッパ、前記第2ストッパ及び前記ハウジングに接続される弾性部材と、磁石と、磁気センサと、を備え、前記第2ストッパは、前記ハンドルに突き当てられ、前記磁石は、前記ハンドル及び前記ハウジングの一方に固定され、前記磁気センサは、前記ハンドル及び前記ハウジングの他方に固定される。
【0005】
幾つかの態様において、前記ハウジングは台座とカバーとを含み、前記台座と前記カバーとで収容空間が形成され、前記ハンドル、前記第1ストッパ、前記第2ストッパ及び前記弾性部材は、前記収容空間に収容される。
【0006】
幾つかの態様において、前記カバーは、天井壁、第1側壁、第3側壁、第2側壁及び第4側壁を備え、前記第1側壁、前記第3側壁、前記第2側壁及び前記第4側壁は、順次に隣接して設けられ、且つ前記天井壁の周縁に沿って前記台座に向かって延びている。
【0007】
幾つかの態様において、前記天井壁には、第1貫通孔が開設されており、前記ハンドルは、前記第1貫通孔を貫通する。
【0008】
幾つかの態様において、前記ハンドルは、順次に固定連接されている操作部、レバー部
及び固定部を含み、前記操作部は、前記収容空間の外に位置し、前記レバー部は、前記第1貫通孔に挿通され、前記固定部は、前記収容空間の中に位置する。
【0009】
幾つかの態様において、前記第1側壁には第1開口が開けられ、前記第2側壁には第2開口が開けられ、前記第1ストッパは、第1主体部と、前記第1主体部の両側に設けられた第1係止部とを含み、前記第1係止部は、前記第1開口と前記第2開口の中に位置する。
【0010】
幾つかの態様において、前記第1開口及び前記第2開口の前記台座に向かう一端の開口幅は、前記台座から離隔する一端の開口幅よりも大きい。
【0011】
幾つかの態様において、前記第1主体部の前記第1係止部と連接するための表面と前記第1側壁及び/又は前記第2側壁との間には第1間隙を有する。
【0012】
幾つかの態様において、前記第1主体部には、収容溝が開口され、前記固定部は、前記収容溝に収容される。
【0013】
幾つかの態様において、前記固定部は、扁平な楕円球状であり、前記収容溝の形状は、前記固定部の形状に適合している。
【0014】
幾つかの態様において、前記第3側壁には、第3開口が開口され、前記第4側壁には、第4開口が開口され、前記第2ストッパは、第2主体部と、前記第2主体部の両側に設けられた第2係止部とを含み、前記第2係止部は、前記第3開口及び前記第4開口の中に位置する。
【0015】
幾つかの態様において、前記第3開口及び前記第4開口の前記台座に向かう一端の開口幅は、前記台座から離隔する一端の開口幅よりも大きい。
【0016】
幾つかの態様において、前記第2主体部には第2貫通孔が開設されており、前記レバー部は前記第2貫通孔を貫通する。
【0017】
幾つかの態様において、第2貫通孔は、長さ及び幅を含み、長さの寸法は、幅の寸法よりも大きく、第2貫通孔は、ハンドルが長さの方向に沿って揺動することを規制する。
【0018】
幾つかの態様において、前記第2主体部の前記第2係止部と連接するための表面と、前記第3側壁及び/又は前記第4側壁との間には第2間隙を有する。
【0019】
幾つかの態様において、前記弾性部材は、一方側が前記台座に連結され、他方側が前記第2主体部に連結され、且つ圧縮された状態となり、前記固定部は前記第2主体部に突き当てられる。
【0020】
幾つかの態様において、前記弾性部材は、一方側が前記台座に接続され、他方側が前記第1ストッパに接続され、且つ圧縮された状態となっている。
【0021】
幾つかの態様において、前記台座の前記カバーから離隔する表面には、凹所が設けられ、前記磁気センサは、前記凹所に設けられている。
【0022】
また、本発明に係る端末装置は、上記のようなジョイスティックを備える。
【発明の効果】
【0023】
本発明によるジョイスティックは、ハウジングと、第1ストッパと、第2ストッパと、弾性部材との相互作用によって、ハンドルが所定の方向に揺動可能となり、ハンドルに外力が作用しなくなると、弾性部材によってハンドルが初期状態に復帰する。また、磁石と磁気センサをそれぞれハウジングとハンドルに設置し、磁石と磁気センサとの非接触式のセンシングモードにより、従来のカーボンブラシとカーボン膜との接触式のセンシングモードを根本的に代替することにより、炭素材料が摩耗する可能性がなく、カーボンブラシ、カーボン膜等の精密部品を使用する数も低減される。また、磁石と磁気センサが協働することにより、センシング感度が高い。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本願実施例による端末装置の構成を示す図である。
【
図2】本願実施例によるジョイスティックの構成を示す図である。
【
図3】
図2に示したジョイスティックのある視点から見た分解図である。
【
図4】
図2に示したジョイスティックの他の視点から見た分解図である。
【
図5】
図2に示したジョイスティックのV-V方向に沿う断面図である。
【
図6】
図2に示したジョイスティックのVI-VI方向に沿う断面図である。
【
図7】カバーとハンドルとが組み立てられた後の構造模式図である。
【
図8】
図7に示した構成に第2ストッパを組み付けた後の概略構成図である。
【
図9】
図8に示した構造に第1ストッパを組み付けた後の構造を示す図である。
【
図10】
図9に示した構成に弾性部材を組み付けた構成を示す図である。
【
図11】
図10に示した構造に台座を組み立てた後の構造を示す模式図である。
【
図12】
図11に示した構成に磁気センサを組み込んで得られたジョイスティックの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本願の上記の目的、特徴及び利点をより明確に理解できるように、以下、本願について、図面及び具体的な実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、矛盾しない場合、本願の実施形態及び実施形態における特徴は、互いに組み合わせることができる。以下の説明では、本願を十分に理解するために、多くの詳細な内容が述べられているが、記載された実施形態は、すべての実施形態ではなく、本願の一部の実施形態に過ぎない。
【0026】
本明細書において用いられる技術及び科学の用語は、特に定義されない限り、本願の技術分野に属する当業者が通常理解する意味合いと同義である。本願明細書において使用される用語は、具体的な実施形態を記述する目的のみであり、本願を制限することを意図するものではない。本文で使用される「及び/又は」という用語は、1つまたは複数の関連する項目のすべて及び任意の組み合わせを含む。
【0027】
本願の各実施例において、記述の便宜のために、本願の明細書及び特許請求の範囲において使用されている用語「連接」は、物理的又は機械的な連接に限定されるものではなく、直接的又は間接的に問わない。「上」、「下」、「上方」、「下方」、「左」、「右」等は、相対的な位置関係を示すためだけのものであり、被記述対象の絶対位置が変化すると、この相対位置関係もそれに応じて変化する。
【0028】
図1及び
図2に示すように、本願の実施例に係る端末装置200は、ゲーム機、ハンドル、つまみボタン等であってよい。端末装置200は、ジョイスティック100及びプロセッサ210を含み、ジョイスティック100は、プロセッサ210と電気的に接続される。ジョイスティック100におけるハンドル40は、変位可能である。プロセッサ210は、ハンドル40の変位情報を取得して算出するために用いられる。
【0029】
図3、
図4、
図5及び
図6を併せて参照すると、ジョイスティック100は、ハウジング10と、ハンドル40と、第1ストッパ50と、第2ストッパ60と、弾性部材70と、磁石20と、磁気センサ30とを備える。ハンドル40は、360°方向の揺動が可能であり、第1ストッパ50は、ハンドル40と固定的に接続されて、ハンドル40の揺動に伴って揺動する。第2ストッパ60は、ハウジング10と協働してハンドル40を移動せずに揺動可能に保持するためのものである。スイング支点は、第2ストッパ60とハンドル40との接触点によって定められる。
【0030】
本実施形態では、第1ストッパ50の延在方向をX軸、第2ストッパ60の延在方向をY軸として定義する。X軸方向は、Y軸方向に対して垂直である。X軸方向及びY軸方向のいずれにも垂直な方向をZ軸と定義する。X軸方向とY軸方向とが規定する平面は、XY平面である。他の実施形態では、第1ストッパ50の延在方向と第2ストッパ60の延在方向とは、他の角度であってもよく、それぞれの機能を実現できればよい。
【0031】
ハウジング10は、台座11とカバー13とを含む。台座11とカバー13は、収容空間15を形成する。第1ストッパ50、第2ストッパ60及び弾性部材70は、収容空間15に収容可能である。ハウジング10の材質は、透磁性を有する材質であり、磁石20及び磁気センサ30への外磁界の干渉を低減又は回避することができる。
【0032】
本実施形態では、台座11のカバー13から離隔する表面には、凹所112(
図4を参照)が凹設されている。この凹所112には、磁気センサ30が固設される。磁石20が台座11と比べて変位可能なハンドル40に固着されることで、磁気センサ30が磁石20の位置を検知して、磁気センサ30と電気的に接続されたプロセッサ210によってハンドル40の位置を算出する。
【0033】
具体的には、ハンドル40が初期状態のときに、磁気センサ30は、磁石20の初期磁界成分を取得する。ハンドル40がハウジング10に対して揺動した後に、磁石20と磁気センサ30とが相対変位を発生する。磁気センサ30は、磁石20のX軸、Y軸及びZ軸方向での磁界成分と初期磁界成分との差を認識する。ハンドル40の初期状態に対する変位量を、磁気センサ30が外接されたプロセッサ210によって演算して得ることで、磁石20の姿勢情報を取得し、さらに、ハンドル40の姿勢情報を解析して得る。
【0034】
幾つかの態様において、磁気センサ30の取り付け位置は、凹所112に設けられることに限定されず、磁気センサ30の位置は、台座11のカバー13に向く表面、又はカバー13の表面又は内部に位置してもよい。幾つかの態様において、磁気センサ30と磁石20の位置は、互いに入れ替えられてもよい。即ち、磁気センサ30がハンドル40に固定的に接続され、磁石20がハウジング10に固定的に接続され、磁気センサ30と磁石20との相対的な変位を実現できればよい。ただし、磁気センサ30が台座11に設けられ、且つハンドル40に対応して設けられる方が、プロセッサ210の演算及び認識に有利である。
【0035】
カバー13は、天井壁131、第1側壁133、第3側壁135、第2側壁137及び第4側壁139を備える。第1側壁133、第3側壁135、第2側壁137及び第4側壁139は、順次に隣接して設けられ且つ天井壁131の周縁に沿って台座11に向かって延設される。即ち、第1側壁133は第2側壁137に対向して設けられ、第3側壁135は第4側壁139に対向して設けられる。
【0036】
天井壁131には、天井壁131を貫通する第1貫通孔1312が開口している。第1貫通孔1312の開口方向は、Z軸方向に沿う。第1貫通孔1312は、ハンドル40が天井壁131を貫通して収容空間15の中まで伸びるように収容空間15と連通している。第1側壁133、第3側壁135、第2側壁137及び第4側壁139には、それぞれ第1開口1332、第3開口1352、第2開口1372及び第4開口1392が設けられている。第1開口1332は、第2開口1372に対応して設けられる。第1開口1332と第2開口1372との開口方向は、X軸方向に沿っている。第3開口1352は、第4開口1392に対応して設けられる。また、第3開口1352と第4開口1392との開口方向は、Y軸方向に沿っている。第1開口1332及び第2開口1372は、第1ストッパ50を規制するために用いられる。第3開口1352及び第4開口1392は、第2ストッパ60を規制するために用いられる。
【0037】
第1開口1332、第3開口1352、第2開口1372及び第4開口1392は、いずれも下端開口が大きい逆U字状を呈する。即ち、第1開口1332、第3開口1352、第2開口1372及び第4開口1392の台座11に向かう一端の開口幅は、台座11から離隔する一端の開口幅よりも大きい。逆U型の第1開口1332、第3開口1352、第2開口1372及び第4開口1392は、ジョイスティック100の組み立てを容易にするためのものであるとともに、ハンドル40が360°に柔軟に揺動して、第1ストッパ50と第2ストッパ60に動き可能な空間を提供することを図る。
【0038】
ハンドル40は、順次に固定して接続される操作部41と、レバー部43と、固定部45とを含む。即ち、レバー部43は、操作部41と固定部45とを連接している。操作部41は、円形体、矩形体、直方体あるいはその他の形状であってもよく、ユーザーの手操作を容易にするものであればよい。本実施例において、操作部41は円形体であり、操作部41の横断面寸法はレバー部43及び固定部45の横断面寸法よりも大きい。ハンドル40に外力が作用していないときに、ハンドル40は、Z軸方向に沿って延伸して第1貫通孔1312を貫通する。ただし、操作部41は、ハウジング10が形成する収容空間15の外に位置し、ユーザがハンドル40を操作することを容易にする。レバー部43は、天井壁131の第1貫通孔1312から収容空間15の中に挿通されている。本実施例において、磁石20はレバー部43の内部に位置してレバー部43に固定接続されている。固定部45は、すべて収容空間15に収容され、第1ストッパ50と固定接続するためのものである。ここで、固定部45は、扁平な楕円球状である。
【0039】
第1ストッパ50は、第1主体部51と、第1主体部51の両側に設けられた第1係止部53とを含む。第1係止部53は、X軸方向に延在している。第1主体部51は、ハンドル40に対応している。第1主体部51には、固定部45とマッチングする収容溝515が開設されている。固定部45は、収容溝515の中に収容されて、ハンドル40を固定して支持する。本実施形態では、収容溝515は、略扁平な楕円球形状の溝であり、固定部45が収容溝515に収容される際に、ハンドル40が第1ストッパ50に対して回転して無効な動きが発生して、ユーザ体験に影響を及ぼすことが防止される。幾つかの態様において、ハンドル40を他の形態で固定して支持することも可能であり、例えば粘着の形態を採用することも可能である。
【0040】
第1係止部53は、柱体であり、第1主体部51の反対側の両端に沿って延びる。第1主体部51は、収容空間15の中に位置し、第1主体部51の両端に位置する第1係止部53は、第1開口1332と第2開口1372との中に位置する。第1ストッパ50が収容空間15の中で移動空間を有するように、第1主体部51の第1係止部53と連接するための表面と第1側壁133及び/又は第2側壁137との間には一定の第1間隙535を有する。第1開口1332と第2開口1372と第1間隙535との組み合せによって、第1ストッパ50がXY平面内で移動可能な空間を有する。
【0041】
第2ストッパ60は、第2主体部61と、第2主体部61の両側に設けられた第2係止部63と、を含む。第2係止部63は、Y軸方向に沿って延在している。第2主体部61には、長手状、例えば矩形状である第2貫通孔615が開設されている。第2貫通孔615には、ハンドル40のレバー部43が挿通されている。ここで、固定部45は扁平な楕円体であり、ハンドル40が第2貫通孔615に挿通されることに有利である。第2貫通孔615は、X軸方向に幅を有し、Y軸方向に長さを有する。長さの寸法は、幅の寸法よりも大きく、且つ固定部45のX軸方向に沿った寸法よりも大きく、固定部45が第2貫通孔615を通過することを容易にする。幅の寸法は、レバー部43の直径よりも僅かに大きく、且つ固定部45のZ軸方向に沿った寸法よりも小さく、固定部45が第2貫通孔615を通り抜けて回転した後に第2主体部61に当止されることが容易となる。第2主体部61は、固定部45の表面から離隔して凹む略凹状に形成されている。これにより、第1主体部51が第2主体部61が凹んで形成された空間に収容されるとともに、第2主体部61が弾性部材70と連結可能となっている。第2係止部63は、柱体であり、第2主体部61の反対する両端に沿って延びている。第2主体部61は、収容空間15の中に位置する。第2主体部61の両端に位置する第2係止部63は、第3開口1352と第4開口1392との中に位置する。第2ストッパ60が収容空間15の中で移動空間を有するように、第2主体部61の第2係止部63と連接するための表面と第3側壁135及び/又は第4側壁139との間には一定の第2間隙635を有する。第3開口1352と第4開口1392と第2間隙635とが互いに協力することによって、第2ストッパ60がXY平面内で移動可能な空間を有するようになる。
【0042】
弾性部材70は、台座11のカバー13に向かう表面に位置し、且つ収容空間15の中に収容される。弾性部材70は、一方側が台座11に接続され、他方側が第1ストッパ50及び第2ストッパ60に接続されている。本実施形態では、弾性部材70は圧縮パネである。
【0043】
具体的には、第1ストッパ50の第1主体部51は弾性部材70に接続され、第2ストッパ60の第2主体部61は弾性部材70に接続され、弾性部材70は圧縮された状態となっている。弾性部材70の弾性作用により、第1ストッパ50の第1係止部53が第1開口1332及び第2開口1372の中に、第2ストッパ60の第2係止部63が第3開口1352及び第4開口1392の中に、それぞれ係止可能となる。一方、固定部45の台座11から離隔する側を第2主体部61に当接させることで、ハンドル40をXY平面に対して垂直に保持し、ハンドル40をZ軸方向に沿って延在させることができる。また、固定部45が第2主体部61と接続する接触点は、ハンドル40のスイング支点を特定する。本実施例では、接触点が2つであり、2つの接触点の中心をスイング支点として捉えることができる。
【0044】
第1ストッパ50と第1開口1332、第2開口1372との位置関係及び第2ストッパ60と第2貫通孔615、第3開口1352及び第4開口1392との位置関係によって、ハンドル40がZ軸方向に沿ってスイングモーションすることが規制される。ここで、ハンドル40が揺動中に第2ストッパ60の運動を連れ回ることで、スイングモーションの支点が三次元空間においても相応に変化する。
【0045】
ハンドル40の操作部41にX軸方向に外力が作用すると、ハンドル40の固定部45が第1ストッパ50に固定連結されることにより、(固定部45がレバー部43に向かう側に位置する)スイング支点が操作部41と固定部45との間に位置する。第1開口1332と第2開口1372とに第1ストッパ50が可動可能に係止されると、第1ストッパ50がX軸と反対方向に揺動しながら弾性部材70が変形する。外力が作用しなくなると、弾性部材70が弾性復帰し、弾性部材70によって第1ストッパ50が初期位置に復帰すると同時に、ハンドル40を動かして初期位置に復帰させる。弾性部材70が変形する過程において、第2ストッパ60が連動して変位する。
【0046】
ハンドル40の操作部41にY軸方向に外力が作用するときに、ハンドル40の固定部45が第1ストッパ50に固定連結されるため、スイング支点が操作部41と固定部45との間に位置し、第1ストッパ50がY軸方向に運動する傾向を有し、第1開口1332と第2開口1372が下端開口の大きい逆U字状をなし、第1係止部53がY軸に沿って運動する空間を有し、第1ストッパ50がY軸とは反対方向に沿って揺動し、ハンドル40が第1ストッパ50を動かしてY軸方向に沿って運動させ、ハンドル40もY軸方向に沿って揺動可能となり、第1ストッパ50の運動が弾性部材70を変形させる。外力が作用しなくなると、弾性部材70が弾性復帰し、弾性部材70によって第1ストッパ50が初期位置に復帰すると同時に、ハンドル40が連動して初期位置に復帰する。弾性部材70が変形する過程において、第2ストッパ60が連動して変位する。
【0047】
Z軸に垂直な方向、且つX軸方向とY軸方向を除く任意の方向に沿ってハンドル40の操作部41に外力が作用すると、ハンドル40の固定部45が第1ストッパ50と固定連接され、スイング支点が操作部41と固定部45との間に位置し、第1ストッパ50が外力方向とは反対方向に沿って動き、第1ストッパ50と第1開口1332、第2開口1372、第1間隙535との協働によって、第1ストッパ50がXY平面内で移動可能な空間を有するので、ハンドル40が外力の作用方向に沿って揺動可能となる。外力が作用しなくなると、弾性部材70が弾性復帰し、弾性部材70によって第1ストッパ50は初期位置に復帰すると同時に、ハンドル40を動かして初期位置に復帰させる。弾性部材70が変形する過程において、第2ストッパ60も変位を生じる。
【0048】
以上により、第1ストッパ50、第2ストッパ60、ハウジング10及び弾性部材70の相互作用によって、ハンドル40がZ軸方向を軸心とする360°のスイングモーションをすることができる。
【0049】
また、幾つかの態様において、第1ストッパ50の延在方向と第2ストッパ60の延在方向が別の角度であるときに、第1ストッパ50と第2ストッパ60と互いに協力するハウジング10における第1開口1332、第3開口1352、第2開口1372及び第4開口1392の向きも相応に調整され得る。
【0050】
以下、本実施形態により提供されるジョイスティック100の装着手順について詳細に説明する。
【0051】
ステップS1では、
図7に示すように、カバー13とハンドル40とを組み立てる。ハンドル40の固定部45を天井壁131の第1貫通孔1312の中から挿通させる。この時、固定部45は、天井壁131、第1側壁133、第3側壁135、第2側壁137及び第4側壁139が形成する空間に位置する。なお、磁石20は、ハンドル40の中に位置している。
【0052】
ステップS2では、
図8に示すように、第2ストッパ60を組み立てる。第2ストッパ60の第2貫通孔615に固定部45が挿通され、第2係止部63が第3開口1352及び第4開口1392に掛止される。ここで、第2ストッパ60の第2貫通孔615に固定部45を貫通させた後に、ハンドル40を90°回転させて、第2ストッパ60がY軸方向に延在し、扁平な固定部45がX軸方向に延在するようにする。
【0053】
ステップS3では、
図9に示すように、第1ストッパ50を組み立てる。第1ストッパ50は、X軸方向に沿って延び、第1係止部53を第1開口1332及び第2開口1372の中に掛止し、固定部45を第1ストッパ50の収容溝515の中に収容する。即ち、第1ストッパ50と第2ストッパ60との延伸方向は互いに直交する。
【0054】
ステップS4では、
図10に示すように、弾性部材70を組み立てる。具体的には、弾性部材70を、第1ストッパ50の第1主体部51及び第2ストッパ60の第2主体部61と締結する。
【0055】
ステップS5では、
図11に示すように、台座11を組み立てる。台座11と弾性部材70とを固定的に連接し、且つ弾性部材70を圧縮した状態にする。台座11とカバー13とを固定接続することにより、台座11とカバー13とによって形成される収容空間15にハンドル40、第1ストッパ50、第2ストッパ60及び弾性部材70を収容する。
【0056】
ステップS6では、
図12に示すように、台座11の凹所112に磁気センサ30を固定して、ジョイスティック100を形成する。
【0057】
本願が提供するジョイスティック100は、ハウジング10、第1ストッパ50、第2ストッパ60及び弾性部材70の相互作用によって、ハンドル40が所定の方向に揺動可能であり、ハンドル40の外力が作用しなくなると、ハンドル40が弾性部材70によって初期状態に復帰する。磁石20と磁気センサ30をそれぞれハウジング10とハンドル40とに設け、磁石20と磁気センサ30との非接触式のセンシングモードによって、従来のカーボンブラシとカーボン膜との接触式のセンシングモードに根本的を代替することで、カーボン材料が摩耗する可能性がなく、カーボンブラシ、カーボン膜等の精密部品を使用する数も低減する。また、磁石20と磁気センサ30とが協働することにより、センシング感度が高い。
【0058】
以上の実施形態は、本願の技術案を限定するものではなく、単に説明するためのものである。以上の好ましい実施形態を参照して本願を詳細に説明してきたが、本願の技術案を修正または均等に置換することも本願の技術案の精神と範囲から逸脱しないものとなることは、当業者が理解するであろう。
【符号の説明】
【0059】
200 端末装置
210 プロセッサ
100 ジョイスティック
10 ハウジング
11 台座
112 凹所
13 カバー
131 天井壁
1312 第1貫通孔
133 第1側壁
1332 第1開口
135 第3側壁
1352 第3開口
137 第2側壁
1372 第2開口
139 第4側壁
1392 第4開口
15 収容空間
20 磁石
30 磁気センサ
40 ハンドル
41 操作部
43 レバー部
45 固定部
50 第1ストッパ
51 第1主体部
515 収容溝
53 第1係止部
535 第1間隙
60 第2ストッパ
61 第2主体部
615 第2貫通孔
63 第2係止部
635 第2間隙
70 弾性部材