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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023059824
(43)【公開日】2023-04-27
(54)【発明の名称】手すり装置
(51)【国際特許分類】
   E04F 11/18 20060101AFI20230420BHJP
【FI】
E04F11/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134506
(22)【出願日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】P 2021169940
(32)【優先日】2021-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮尾 怜佳
(72)【発明者】
【氏名】吉本 あすか
(72)【発明者】
【氏名】小森 崇稔
(72)【発明者】
【氏名】坂口 智彦
【テーマコード(参考)】
2E301
【Fターム(参考)】
2E301HH00
2E301JJ04
2E301JJ06
2E301JJ10
2E301LL01
2E301MM03
(57)【要約】
【課題】手すりが設けられた場所の通過をスムーズに行うことができる手すり装置を提供する。
【解決手段】手すり装置1は、上下方向に延びる支柱部(例えば、第1支柱部11)と、手すり13と、取付部14と、を備える。手すり13は、上下方向と交差する方向に延びた状態で支柱部に支持される。取付部14は、支柱部の先端部に設けられる。取付部14では、手すり13が取り付けられる。取付部14は、手すり13が取り付けられる手すり保持部142を有している。手すり保持部142は、上下方向及び手すり保持部142の軸に交差する軸を中心に支柱部に対して回転可能に構成され、かつ手すり保持部142の内部において手すり保持部142の軸に沿って手すり13が移動可能となるように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に延びる支柱部と、
前記上下方向と交差する方向に延びた状態で前記支柱部に支持される手すりと、
前記支柱部の先端部に設けられ、前記手すりが取り付けられる取付部と、を備え、
前記取付部は、前記手すりが取り付けられる手すり保持部を有し、
前記手すり保持部は、前記上下方向及び前記手すり保持部の軸に交差する軸を中心に前記支柱部に対して回転可能に構成され、かつ前記手すり保持部の内部において前記手すり保持部の前記軸に沿って前記手すりが移動可能となるように構成されている、
手すり装置。
【請求項2】
前記上下方向に延び、前記支柱部としての第1支柱部とは異なる第2支柱部を、更に備え、
前記手すりの一端は、前記手すり保持部に挿入され、
前記第2支柱部は、前記第2支柱部の先端部に設けられ、前記手すりの他端との結合及び非結合を切替可能に構成された保持部を有している、
請求項1に記載の手すり装置。
【請求項3】
上下方向に延びる第1支柱部及び第2支柱部と、
前記上下方向と交差する方向に延び、前記第1支柱部及び前記第2支柱部に取り付けられる手すりと、を備え、
前記手すりは、第1手すり部材と、第2手すり部材と、を含み、
前記第1手すり部材の一端は、前記第1支柱部に取り付けられ、
前記第2手すり部材の一端は、前記第2支柱部に取り付けられ、
前記第1手すり部材の他端と、前記第2手すり部材の他端とは、結合及び非結合を切り替え可能に構成されており、
前記第1手すり部材と前記第2手すり部材とが非結合である場合には、前記第1手すり部材は、前記第1手すり部材の前記一端を支点とし前記上下方向に沿う軸を回転軸として回転可能に構成され、前記第2手すり部材は、前記第2手すり部材の前記一端を支点とし前記上下方向に沿う軸を回転軸として回転可能に構成されている、
手すり装置。
【請求項4】
上下方向に延びる支柱部と、
手すりと、
前記支柱部に設けられ、前記手すりを前記上下方向と交差する方向に延びた状態で保持する手すり保持部と、を備え、
前記手すり保持部は、前記上下方向に沿う軸を回転軸として回転可能に構成されている、
手すり装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に手すり装置に関し、より詳細には上下方向に延びる支柱部を備える手すり装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、可動式手摺が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1で記載されている可動式手摺は、使用者が把持可能な棒状の回動手摺バーを有している。回動手摺バーは、片端に設けられた回動ジョイントを中心として鉛直方向へ回動可能であるとともに、他端に設けられた掛止ジョイントが第二支持ジョイントで支持されることによって略水平姿勢を維持する。回動ジョイントは第一固定手摺バーに取り付けられた第一支持ジョイントに回動可能に枢支され、掛止ジョイントは第二固定手摺バーに取り付けられた第二支持ジョイントに着脱可能に連結して下方から支持され、これによって回動手摺バーが略水平姿勢に維持されている。第一固定手摺バー及び第二手摺バーは、設置面に立設された支柱によって水平姿勢に保たれている。特許文献1の可動式手摺では、回動手摺バーが第二支持ジョイントより下方へ回動可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-275383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
使用者が2つの支柱の間、すなわち回動手摺バーが設けられた場所を通過しようとする際には、回動手摺バー(手すり)の他端を上方に持ち上げて、回動手摺バーの他端を持ち上げたまま通過する、又は回動手摺バーを下方へ回動させて通過することが考えられる。
【0005】
回動手摺バーの他端を持ち上げたまま通過する場合には、回動手摺バーの他端を持ち上げたままの状態が使用者には負担となる。また、回動手摺バーを下方へ回動させる場合には、回動手摺バーが障害物となり通過の妨げとなる可能性がある。そのため、手すりが設けられた場所の通過をスムーズに行えない可能性がある。
【0006】
本開示は上記課題に鑑みてなされ、手すりが設けられた場所の通過をスムーズに行うことができる手すり装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る手すり装置は、上下方向に延びる支柱部と、手すりと、取付部と、を備える。前記手すりは、前記上下方向と交差する方向に延びた状態で前記支柱部に支持される。前記取付部は、前記支柱部の先端部に設けられている。前記取付部では、前記手すりが取り付けられる。前記取付部は、前記手すりが取り付けられる手すり保持部を有している。前記手すり保持部は、前記上下方向及び前記手すり保持部の軸に交差する軸を中心に前記支柱部に対して回転可能に構成され、かつ前記手すり保持部の内部において前記手すり保持部の前記軸に沿って前記手すりが移動可能となるように構成されている。
【0008】
本開示の一態様に係る手すり装置は、上下方向に延びる第1支柱部及び第2支柱部と、手すりと、を備える。前記手すりは、前記上下方向と交差する方向に延び、前記第1支柱部及び前記第2支柱部に取り付けられる。前記手すりは、第1手すり部材と、第2手すり部材と、を含む。前記第1手すり部材の一端は、前記第1支柱部に取り付けられている。前記第2手すり部材の一端は、前記第2支柱部に取り付けられている。前記第1手すり部材の他端と、前記第2手すり部材の他端とは、結合及び非結合を切り替え可能に構成されている。前記第1手すり部材と前記第2手すり部材とが非結合である場合には、前記第1手すり部材は、前記第1手すり部材の前記一端を支点とし前記上下方向に沿う軸を回転軸として回転可能に構成されている。前記第1手すり部材と前記第2手すり部材とが非結合である場合には、前記第2手すり部材は、前記第2手すり部材の前記一端を支点とし前記上下方向に沿う軸を回転軸として回転可能に構成されている。
【0009】
本開示の一態様に係る手すり装置は、上下方向に延びる支柱部と、手すりと、手すり保持部と、を備える。前記手すり保持部は、前記支柱部に設けられ、前記手すりを前記上下方向と交差する方向に延びた状態で保持する。前記手すり保持部は、前記上下方向に沿う軸を回転軸として回転可能に構成されている。
【発明の効果】
【0010】
本開示によると、手すりが設けられた場所の通過をスムーズに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態1に係る手すり装置の外観を示す図である。
図2図2は、同上の手すり装置の要部拡大図である。
図3図3A図3Cは、同上の手すり装置が備える手すりと、第2支柱部との結合及び非結合の切り替えを示す図である。
図4図4は、同上の手すり装置の手すりを上方にあげた場合の外観を示す図である。
図5図5は、同上の手すり装置の手すりを上方にあげた場合の手すりの最終の状態を示す図である。
図6図6は、同上の手すり装置に他の手すり装置を連結した場合の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態1の変形例1に係る手すり装置の要部拡大図である。
図8図8Aは、同上の手すり装置において手すりと第2支柱部との結合がロックされた状態の要部断面図である。図8Bは、同上の手すり装置において手すりと第2支柱部との結合のロックが解除された状態の要部断面図である。
図9図9は、実施形態1の変形例2に係る手すり装置の外観を示す図である。
図10図10は、同上の手すり装置に他の手すり装置を連結した場合の一例を示す図である。
図11図11は、実施形態2に係る手すり装置の外観を示す図である。
図12図12は、同上の手すり装置の手すりが開状態である場合の外観を示す図である。
図13図13は、同上の手すり装置の手すりが開状態である場合の要部拡大図である。
図14図14は、同上の手すり装置の手すりが閉状態である場合の要部断面図である。
図15図15は、同上の手すり装置に他の手すり装置を連結した場合の一例を示す図である。
図16図16は、実施形態2の変形例1に係る手すり装置において第1手すり部材と第2手すり部材との結合のロックが解除された状態であり、かつケースの移動が抑止された状態における要部断面図である。
図17図17は、同上の手すり装置において第1手すり部材と第2手すり部材との結合のロックが解除された状態であり、かつケースの移動の抑止が解除された状態における要部断面図である。
図18図18は、同上の手すり装置において第1手すり部材と第2手すり部材との結合がロックされた状態における要部断面図である。
図19図19は、実施形態2の変形例2に係る手すり装置の外観を示す図である。
図20図20は、同上の手すり装置に他の手すり装置を連結した場合の一例を示す図である。
図21図21は、実施形態2の変形例3に係る手すり装置の外観を示す図である。
図22図22は、同上の手すり装置に他の手すり装置を連結した場合の一例を示す図である。
図23図23は、実施形態2の変形例3における別の例に係る手すり装置の外観を示す図である。
図24図24は、同上の手すり装置に他の手すり装置を連結した場合の一例を示す図である。
図25図25は、実施形態3に係る手すり装置の外観を表す図である。
図26図26は、同上の手すり装置の要部の分解図である。
図27図27は、同上の手すり装置においてカバー部を除く要部拡大図である。
図28図28は、同上の手すり装置の第1手すり保持部材が有する保持部材の斜視図である。
図29図29は、同上の手すり装置においてカバー部及び保持部材を除く要部拡大図である。
図30図30は、同上の手すり装置の手すりを上方に移動させた場合の要部拡大図である。
図31図31は、第1状態における同上の手すり装置の上方からの斜視図である。
図32図32は、第1状態における同上の手すり装置の下方からの斜視図である。
図33図33は、第2状態における同上の手すり装置の上方からの斜視図である。
図34図34は、第2状態における同上の手すり装置の下方からの斜視図である。
図35図35は、同上の手すり装置の使用例を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に説明する実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、実施形態及び変形例に限定されない。以下の実施形態及び変形例以外であっても、本開示に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0013】
(実施形態1)
以下、実施形態1に係る手すり装置1について、図1図6を用いて説明する。
【0014】
(1)概要
実施形態1において、手すり装置1に対して、図1に示すように、左右方向、上下方向を規定する。例えば、図1において、手すり装置1が備える後述する第1支柱部11及び後述する第2支柱部12が並ぶ方向を左右方向、第1支柱部11及び第2支柱部12が延びる方向を上下方向と規定する。図1図4図6図8A図10には、これらの方向(上、下、左、右)を表す矢印を示すが、この矢印は、単に説明を補助する目的で記載しているに過ぎず、実体を伴わない。また、上記の方向の規定は、実施形態1の手すり装置1の使用形態を限定する趣旨ではない。
【0015】
実施形態1に係る手すり装置1は、例えばユーザの歩行動作を補助する。手すり装置1は、図1に示すように、上下方向に延びる支柱部(例えば、第1支柱部11)と、手すり13と、取付部14と、を備える。手すり13は、上下方向と交差する方向に延びた状態で上記支柱部に支持される。取付部14は、上記支柱部の先端部に設けられる。取付部14では、手すり13が取り付けられる。取付部14は、手すり13が取り付けられる手すり保持部142を有している。手すり保持部142は、上下方向及び手すり保持部142の軸C1(図2参照)に交差する軸C2(図2参照)を中心に上記支柱部に対して回転可能に構成され、かつ手すり保持部142の内部において手すり保持部142の軸C1に沿って手すり13が移動可能となるように構成されている。
【0016】
この構成によると、手すり13が設けられた場所の通過をスムーズに行うことができる。
【0017】
また、手すり装置1は、図1に示すように、上下方向に延び、支柱部としての第1支柱部11とは異なる第2支柱部12を、更に備える。手すり13の一端(第1端部131)は、手すり保持部142に挿入される。第2支柱部12は、第2支柱部12の先端部に設けられた、手すり13の他端(第2端部132)との結合及び非結合を切替可能に構成された保持部(例えば、第2保持部122)を有している。
【0018】
この構成によると、手すり13の他端と保持部との結合及び非結合の切替可能を行いつつ、手すり13が設けられた場所の通過をスムーズに行うことができる。
【0019】
(2)構成
実施形態1に係る手すり装置1は、図1に示すように、ベース10と、第1支柱部11と、第2支柱部12と、手すり13と、取付部14と、を備える。
【0020】
ベース10は、例えば、60cm×90cmの大きさで矩形板状に形成されている。なお、これらの数値は、一例であり、これらの数値に限定する趣旨ではない。ベース10の大きさは、大人が歩行する際に両足がベース10上に収まる大きさであればよい。両足がベース10にのるため、ユーザは、歩行時に安定感を得ることができる。
【0021】
実施形態1では、第1支柱部11及び第2支柱部12の双方は、1つのベース10に取り付けられる。
【0022】
第1支柱部11は、上下方向に延びる。第1支柱部11の下端部は、ベース10に取り付けられる。第1支柱部11は、図1に示すように、第1本体部111と、第1保持部112と、第1連結部材113と、を有している。
【0023】
第1本体部111は、上下方向に延びる。第1本体部111の下端部は、ベース10に取り付けられる。第1本体部111の上端部に、第1連結部材113が設けられている(図2参照)。
【0024】
第1連結部材113は、第1支柱部11の上端部、すなわち第1本体部111の上端部に設けられる。第1連結部材113は、上下方向において、互いに対向する第1部材113aと第2部材113bとを有している。さらに、第1連結部材113は、第1部材113aと第2部材113bとを連結する円柱状の軸部を有している。
【0025】
第1連結部材113には、第2連結部材15が連結される(図2参照)。第2連結部材15は、第3部材151と、第3部材151に連結可能に構成された第4部材152と、を有している。第3部材151と第4部材152とを連結すると、第2連結部材15の先端において上下方向に沿って開口された円環状になる。当該円環状の内径は、第1連結部材113が有する軸部の径と略同一である。
【0026】
第2連結部材15を第1連結部材113に連結させる場合には、第3部材151と第4部材152とを、第1連結部材113の軸部を挟み込むように連結させる。これにより、第2連結部材15は、第1連結部材113の軸部を回転軸として回転可能となる。すなわち、第1連結部材113の軸部と第3部材151及び第4部材152とは、ヒンジ部とも言える。第1連結部材113と連結された第2連結部材15は、第1連結部材113の軸部を回転軸として、所定の角度(例えば5度)単位で回転可能に構成されていることが好ましい。
【0027】
第2連結部材15と他の手すり装置2とを連結する際には、例えば、第2連結部材15の先端部と他の手すり装置2の手すりと、をボルトとナットとで結合することで、第2連結部材15と他の手すり装置2とが連結される。図6は、第1支柱部11に連結された第2連結部材15、及び第2支柱部12に連結された第2連結部材15のそれぞれに、他の手すり装置2が連結された場合を示す。
【0028】
第1保持部112は、第1連結部材113の第2部材113bの下方に設けられている(図1図2参照)。第1保持部112は、取付部14が軸C2を回転軸として回転可能に取付部14を保持する。第1保持部112の両端部のうち一方の端部である第1端部において、取付部14が保持される。第1保持部112の両端部のうち他方に端部である第2端部は上下方向に沿った貫通孔を有している。第1本体部111は、当該貫通孔に挿入される。第1保持部112は、U字形状に形成されている。第1保持部112の第1端部と第2端部との間には、空間SP1が形成されている。第1端部と第2端部との間に位置し、空間SP1と面する側面部112aは、テーパ状に形成されている。具体的には、側面部112aは、下方に向かうにつれて第2端部、すなわち貫通孔に近づくように形成されている。
【0029】
第2支柱部12は、上下方向に延びる。第2支柱部12の下端部は、ベース10に取り付けられる。第2支柱部12は、図1図4及び図5に示すように、第2本体部121と、第2保持部122と、第3連結部材123と、を有している。
【0030】
第2本体部121は、上下方向に延びる。第2本体部121の下端部は、ベース10に取り付けられる。第2本体部121の上端部に、第3連結部材123が設けられている。
【0031】
第3連結部材123は、第2支柱部12の上端部、すなわち第2本体部121の上端部に設けられる。第3連結部材123は、第1連結部材113と同様の構成を有している。第3連結部材123は、上下方向において、互いに対向する第5部材と第6部材とを有している。さらに、第3連結部材123は、第5部材と第6部材とを連結する円柱状の軸部を有している。第3連結部材123には、第2連結部材15が連結される(図4図5参照)。第2連結部材15と第3連結部材123との連結は、第2連結部材15と第1連結部材113との連結と同様であるので、ここでの説明は省略する。第3連結部材123と連結された第2連結部材15は、第3連結部材123の軸部を回転軸として、所定の角度(例えば5度)単位で回転可能に構成されていることが好ましい。
【0032】
第2保持部122は、第3連結部材123の第5部材及び第6部材と一体形成されており、上下方向に交差する方向に延びている。すなわち、第2保持部122は、第2支柱部12の先端部に設けられている。第2保持部122は、手すり13との結合及び非結合を切替可能に構成されている。
【0033】
取付部14は、第1支柱部11の先端部に設けられる。具体的には、取付部14は、第1保持部112に取り付けられる(図2参照)。取付部14では、手すり13が取り付けられる。
【0034】
取付部14は、被保持部材141と、手すり保持部142と、を有している。
【0035】
被保持部材141は、軸C2を中心に第1支柱部11に対して回転可能に第1保持部112に取り付けられる。
【0036】
手すり保持部142は、被保持部材141と一体成型されている。すなわち、手すり保持部142は、軸C2を中心に第1支柱部11に対して回転可能に構成されている。手すり保持部142は、手すり13が取り付けられる。具体的には、手すり13の両端のうち一端である第1端部131が、手すり保持部142に挿入される。また、手すり保持部142は、手すり保持部142の内部において軸C1に沿って手すり13が移動可能となるように構成されている。手すり保持部142は、手すり13を保持可能な構成であればよい。例えば、手すり保持部142は、筒状であってもよいし、C字状であってもよい。本実施形態では、手すり保持部142は、筒状である。
【0037】
手すり13は、ユーザの歩行動作の補助に用いられる。手すり13は、上下方向と交差する方向に延びた状態で第1支柱部11に支持される。さらに、手すり13は、上下方向と交差する方向に延びた状態で第2支柱部12に支持される。手すり13の両端のうち一端である第1端部131は、手すり保持部142に挿入される。手すり13の両端のうち他端である第2端部132は、第2保持部122と結合される。
【0038】
上述したように、第2保持部122は、手すり13の他端(第2端部132)との結合及び非結合を切替可能に構成されている。例えば、手すり13の第2端部132は手すり13の軸と交差する方向に突出した凸部132aを有し、第2保持部122は凸部132aの少なくとも一部が嵌め込まれる凹部122aを有している。凹部122a内において凸部132aが左方向に移動可能となるように、凸部132aの少なくとも一部が凹部122a嵌め込まれた場合に、凹部122aにおいて凸部133aに対して左側に隙間SP2が設けられている。
【0039】
(3)動作例
手すり13の開閉動作について、説明する。なお、ここでは、第1支柱部11及び第2支柱部12は、左右方向に並んでいる。すなわち、手すり13は左右方向に沿って設けられている。第1支柱部11は、第2支柱部12に対して右側に位置している。
【0040】
上述したように、手すり13の第2端部132の設けられた凸部132aの少なくとも一部が第2保持部122の設けられた凹部122aに嵌め込まれることで、第2保持部122と手すり13とが結合されている。さらに、凸部132aの少なくとも一部が第2保持部122の設けられた凹部122aに嵌め込まれた場合、隙間SP2が設けられている。また、手すり13の第1端部131は、手すり保持部142に挿入されているので、軸C1に沿って移動可能である。
【0041】
隙間SP2が設けられていること、及び手すり13が軸C1に沿って移動可能であることから、手すり13の状態が第2保持部122と手すり13とが結合された状態である閉状態において、手すり13を左方向に移動させることが可能になる。ユーザは、閉状態において、手すり13を左方向に移動させつつ、手すり13を上方に持ち上げることができる。その結果、手すり13の状態を、第2保持部122と手すり13とが非結合の状態である開状態に切り替えられる(図3A図3C図4参照)。
【0042】
手すり13の状態が閉状態から開状態へと切り替わると(図4参照)、第1端部131から第2端部132に向かう方向とは反対の方向(移動方向)に手すり13を、移動させることが可能となる。手すり13が移動方向に沿って移動すると、手すり13の第1端部131は、第1保持部112の側面部112aに点接触又は線接触する。手すり13の第1端部131が第1保持部112の側面部112aに点接触又は線接触した後、側面部112aは、手すり13の第1端部131を移動方向に移動させつつ、下方にガイドする。その結果、手すり13を上下方向に沿った状態とすることができる(図5参照)。
【0043】
したがって、手すりが設けられた場所をユーザが通過する際には、ユーザは、手すり13を持ち上げたままの状態で通過する必要はなく、さらには、手すり13が障害物となることもない。つまり、ユーザは、手すり13が設けられた場所の通過をスムーズに行うことができる。
【0044】
(4)効果
以上説明したように、実施形態1に係る手すり装置1は、上下方向に延びる支柱部(例えば、第1支柱部11)と、手すり13と、取付部14と、を備える。手すり13は、上下方向と交差する方向に延びた状態で上記支柱部に支持される。取付部14は、上記支柱部の先端部に設けられる。取付部14では、手すり13が取り付けられる。取付部14は、手すり13が取り付けられる手すり保持部142を有している。手すり保持部142は、上下方向及び手すり保持部142の軸C1に交差する軸C2を中心に上記支柱部に対して回転可能に構成され、かつ手すり保持部142の内部において軸C1に沿って手すり13が移動可能となるように構成されている。
【0045】
この構成によると、軸C2を中心に上記支柱部に対して手すり13を回転させつつ、手すり保持部142の内部において軸C1に沿って手すり13を移動させる。その結果、手すり13を上下方向に沿って保持させることができるので、手すり13を持ち上げたまま通過する必要はない。また、手すり保持部142の軸C1が上下方向に沿うように手すり保持部142を回転させることで、手すり13は下方に移動して、手すり13が上下方向に沿った状態で維持される。その結果、手すり13が障害物となることもない。そのため、手すり13が設けられた場所の通過をスムーズに行うことができる。
【0046】
また、手すり装置1は、上下方向に延び、前記支柱部としての第1支柱部11とは異なる第2支柱部12を、更に備える。手すり13の一端(第1端部131)は、手すり保持部142に挿入される。第2支柱部12は、第2支柱部12の先端部に設けられ、手すり13の他端(第2端部132)との結合及び非結合を切替可能に構成された保持部(例えば、第2保持部122)を有している。
【0047】
この構成によると、手すり13の他端と保持部との結合及び非結合の切替可能を行いつつ、手すり13が設けられた場所の通過をスムーズに行うことができる。
【0048】
(5)変形例
以下に、変形例について説明する。なお、以下に説明する変形例は、上記実施形態と適宜組み合わせて適用可能である。
【0049】
(5.1)変形例1
手すり装置1は、以下に説明するロック機構を有してもよい。以下、実施形態1と異なる点と中心に説明する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一も符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0050】
変形例1の手すり装置1の手すり13は、第2端部132Aを有する(図7参照)。変形例1の手すり装置1の第2支柱部12は、第2保持部122Aを有する(図7参照)。変形例1の手すり装置1は、ロック部16を有している。
【0051】
ロック部16は、手すり13と第2保持部122Aの結合の状態をロック状態、非ロック状態のいずれかに切り替える。ロック部16は、U字形状に形成されており、第2保持部122Aに収容されている(図8A参照)。手すり13と第2保持部122Aの結合をロック状態である場合には、ロック部16の第1端部161は第2保持部122Aから突出している(図8A参照)。
【0052】
第2保持部122Aは、第2支柱部12の先端部に設けられ、手すり13の第2端部132Aとの結合及び非結合を切替可能に構成されている。第2保持部122Aは、ロック部16を収容する第1収容部171を有している。ロック部16は、第1収容部171において左右方向に移動可能に収容されている。第2保持部122Aは、第1収容部171の底面(左端の面)から更に左方向に窪んだ第2収容部172を有している。第2収容部172には、圧縮ばね181が収容される。圧縮ばね181の両端のうち一端は第2収容部172の底面部173(図8A参照)に接続されている。圧縮ばね181の両端のうち他端はロック部16の側面部163(図8A参照)に接続されている。ロック部16に対して力が加わっていない状態である場合には、ロック部16は、圧縮ばね181の復元力により右方向に押し出される。その結果、ロック部16の第1端部161は、第2保持部122Aの開口部、すなわち第1収容部171の第1端部175から突出する。
【0053】
手すり13の第2端部132Aは、手すり13の軸と交差する方向(例えば、上下方向)に突出した凸部133を有している。凸部133は、手すり13の軸に沿った貫通孔134を有している。手すり13と第2保持部122Aとを結合する場合には、凸部133は、第2保持部122Aに設けられ、上下方向に沿った貫通孔1221(図8A参照)に挿入される。
【0054】
ロック部16の第1端部161が第1収容部171の第1端部175から突出している場合、ロック部16の第2端部162は、第1収容部171の第2端部176から突出し、かつ凸部133の貫通孔134に挿入される(図8A参照)。ロック部16の第2端部162が凸部133の貫通孔134に挿入されることにより、手すり13と第2保持部122Aとの結合状態がロックされる。
【0055】
ロック状態を解除する場合には、ロック部16の第1端部161を左方向に押し込むことで、ロック部16の第2端部162が凸部133の貫通孔134に対して非挿入となる(図8B参照)。したがって、手すり13は、取付部14(図1参照)を支点として回転可能となる。
【0056】
(5.2)変形例2
実施形態1では、第1支柱部11及び第2支柱部12は、同一のベース10に取り付けられる構成としているが、この構成に限定されない。
【0057】
第1支柱部11及び第2支柱部12は、互いに異なるベース10に取り付けられてもよい(図9参照)。なお、変形例2の手すり装置1は、図10に示すように、少なくとも1つ(図示例では、2つ)の他の手すり装置2と連結が可能である。
【0058】
(5.3)変形例3
第1支柱部11の第1本体部111及び第2支柱部12の第2本体部121は、高さ(上下方向の長さ)が調節可能に構成されてもよい。
【0059】
(実施形態2)
実施形態2では、手すりの開閉方向が実施形態1とは異なる。以下、異なる点を中心に実施形態2に係る手すり装置1Bについて、図11図15を用いて説明する。なお、実施形態1と同様の構成要素については同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0060】
(1)概要
実施形態2において、手すり装置1Bに対して、図11に示すように実施形態1と同様に、左右方向、上下方向を規定する。例えば、図11において、手すり装置1Bが備える後述する第1支柱部11及び後述する第2支柱部12が並ぶ方向を左右方向、第1支柱部11及び第2支柱部12が延びる方向を上下方向と規定する。図11図12図15図19図24には、これらの方向(上、下、左、右)を表す矢印を示すが、この矢印は、単に説明を補助する目的で記載しているに過ぎず、実体を伴わない。また、上記の方向の規定は、実施形態1の手すり装置1の使用形態を限定する趣旨ではない。
【0061】
実施形態2に係る手すり装置1Bは、例えばユーザの歩行動作を補助する。手すり装置1Bは、図11に示すように、上下方向に延びる第1支柱部11B及び第2支柱部12Bと、手すり13Bと、を備える。手すり13Bは、上下方向と交差する方向に延び、第1支柱部11B及び第2支柱部12Bに取り付けられる。手すり13Bは、第1手すり部材201と、第2手すり部材202と、を含む。第1手すり部材201の一端は、第1支柱部11Bに取り付けられる。第2手すり部材202の一端は、第2支柱部12Bに取り付けられる。第1手すり部材201の他端と、第2手すり部材202の他端とは、結合及び非結合を切り替え可能に構成されている。第1手すり部材201と第2手すり部材202とが非結合である場合には、第1手すり部材201は、第1手すり部材201の上記一端を支点とし上下方向に沿う軸を回転軸として回転可能に構成されている。第1手すり部材201と第2手すり部材202とが非結合である場合には、第2手すり部材202は、第2手すり部材202の上記一端を支点とし上下方向に沿う軸を回転軸として回転可能に構成されている。
【0062】
この構成によると、手すり13Bが設けられた場所の通過をスムーズに行うことができる。
【0063】
(2)構成
実施形態2に係る手すり装置1Bは、図11に示すように、ベース10と、第1支柱部11Bと、第2支柱部12Bと、手すり13Bと、を備える。さらに、手すり装置1Bは、図11に示すように、複数(図示例では、2つ)の第1回転制御部材210と、複数(図示例では、2つ)の第2回転制御部材211と、を備える。
【0064】
実施形態2では、第1支柱部11B及び第2支柱部12Bの双方は、1つのベース10に取り付けられる。
【0065】
第1支柱部11Bは、上下方向に延びる。第1支柱部11Bの下端部は、ベース10に取り付けられる。第1支柱部11Bは、図11に示すように、第1本体部111と、第1連結部材113と、を有している。
【0066】
第1本体部111は、上下方向に延びる。第1本体部111の下端部は、ベース10に取り付けられる。第1本体部111の上端部に、第1連結部材113が設けられている。第1連結部材113には、第2連結部材15が連結される(図11参照)。第1連結部材113及び第2連結部材15の構成は、実施形態1で説明しているので、ここでの説明は省略する。
【0067】
第2支柱部12Bは、上下方向に延びる。第2支柱部12Bの下端部は、ベース10に取り付けられる。第2支柱部12Bは、図11に示すように、第2本体部121と、第3連結部材123と、を有している。
【0068】
第2本体部121は、上下方向に延びる。第2本体部121の下端部は、ベース10に取り付けられる。第2本体部121の上端部に、第3連結部材123が設けられている。第3連結部材123には、第2連結部材15が連結される(図11参照)。実施形態2の第3連結部材123は、第1連結部材113と同様の構造である。
【0069】
実施形態2の手すり装置1Bは、手すり装置1と同様に、他の手すり装置と連結が可能である。図15は、第1支柱部11Bに連結された第2連結部材15、及び第2支柱部12Bに連結された第2連結部材15のそれぞれに、他の手すり装置2が連結された場合を示す。
【0070】
複数の第1回転制御部材210は、第1支柱部11B及び第2支柱部12Bに、一対一に対応している。複数の第1回転制御部材210は、筒形状に形成されている。複数の第1回転制御部材210のそれぞれには、第1支柱部11B及び第2支柱部12Bのうち対応する支柱部が挿入される。複数の第1回転制御部材210のそれぞれは、上下方向に沿う軸を回転軸として、挿入された支柱部に対して相対的に回転可能に構成されている。
【0071】
複数の第2回転制御部材211は、第1支柱部11B及び第2支柱部12Bに、一対一に対応している。複数の第2回転制御部材211は、複数の第1回転制御部材210に、一対一に対応している。複数の第2回転制御部材211は、筒形状に形成されている。複数の第2回転制御部材211には、第1支柱部11B及び第2支柱部12Bのうち対応する支柱部が挿入され、複数の第1回転制御部材210のうち対応する第1回転制御部材210の下方で固定される。
【0072】
複数の第2回転制御部材211のそれぞれの内周面において、所定の位置を起点として内周面を右回りに沿って上方に傾斜する第1傾斜面、及び所定の位置を起点として内周面を左回りに沿って上方に傾斜する第2傾斜面が設けられている。
【0073】
複数の第1回転制御部材210の下方先端部は、第1支柱部11B及び第2支柱部12Bのうち対応する支柱部の外周面と、複数の第2回転制御部材211のうち対応する第2回転制御部材211の内周面との間に嵌め込まれ、上記所定の位置、第1傾斜面及び第2傾斜面に点接触又は線接触している。第1手すり部材201と第2手すり部材202とが結合している状態では、複数の第1回転制御部材210の下方先端部は、複数の第2回転制御部材211のうち対応する第2回転制御部材211における所定の位置で点接触又は線接触している。複数の第1回転制御部材210の各々について、当該第1回転制御部材210が回転することで、当該第1回転制御部材210の下方先端部が第1傾斜面又は第2傾斜面に沿って移動するので、当該第1回転制御部材210が上方に移動する。第1回転制御部材210の回転が止まると、第1回転制御部材210の自重により下方に移動しようとするので、第1回転制御部材210の下方先端部が第1傾斜面又は第2傾斜面に沿って下方に移動する。すなわち、第1回転制御部材210は、回転しながら下方に移動する。
【0074】
手すり13Bは、上下方向と交差する方向に延び、第1支柱部11B及び第2支柱部12Bに取り付けられる。手すり13Bは、図11に示すように、第1手すり部材201と、第2手すり部材202と、を含む。第1手すり部材201の一端は、第1支柱部11Bの端部(ここでは、先端部)に取り付けられる。第2手すり部材202の一端は、第2支柱部12Bの端部(ここでは、先端部)に取り付けられる。第1手すり部材201の他端と、第2手すり部材202の他端とは、結合及び非結合を切り替え可能に構成されている。第1手すり部材201と第2手すり部材202とが非結合である場合には、第1手すり部材201は、第1手すり部材201の上記一端を支点とし上下方向に沿う軸を回転軸として回転可能に構成されている。第1手すり部材201と第2手すり部材202とが非結合である場合には、第2手すり部材202は、第2手すり部材202の上記一端を支点とし上下方向に沿う軸を回転軸として回転可能に構成されている。
【0075】
第1手すり部材201は、直線形状である。第1手すり部材201は、第1取付部材204を有している。第1取付部材204は、第1手すり部材201の両端のうち一端に設けられている。第1取付部材204は、第1部材205と、第1部材205と連結可能に構成された第2部材206とを有している。第1部材205と第2部材206とを連結すると、第1取付部材204の先端において上下方向に沿って開口された円環状になる。当該円環状の内径は、第1本体部111の径と略同一である。
【0076】
第1取付部材204を、第1支柱部11B(第1本体部111)に連結させる場合には、第1部材205と第2部材206とを、第1本体部111を挟み込むように連結させる。これにより、第1取付部材204は、上下方向に沿う軸を回転軸として回転可能となる。すなわち、第1手すり部材201は、第1手すり部材201の一端に設けられた第1取付部材204を支点とし上下方向に沿う軸を回転軸として回転可能となる。
【0077】
第1取付部材204は、複数の第1回転制御部材210のうち第1支柱部11Bに設けられた第1回転制御部材210と、連結部材215を介して連結されている。すなわち、第1手すり部材201が上下方向に沿う軸を回転軸として回転すると、その回転に応じて第1支柱部11Bに設けられた第1回転制御部材210も回転する。
【0078】
第2手すり部材202は、直線形状である。第2手すり部材202は、第2取付部材207を有している。第2取付部材207は、第2手すり部材202の両端のうち一端に設けられている。第2取付部材207は、第3部材208と、第3部材208と連結可能に構成された第4部材209とを有している。第3部材208と第4部材209とを連結すると、第2取付部材207の先端において上下方向に沿って開口された円環状になる。当該円環状の内径は、第2本体部121の径と略同一である。
【0079】
第2取付部材207を、第2支柱部12B(第2本体部121)に連結させる場合には、第3部材208と第4部材209とを、第2本体部121を挟み込むように連結させる。これにより、第2取付部材207は、上下方向に沿う軸を回転軸として回転可能となる。すなわち、第2手すり部材202は、第2手すり部材202の一端に設けられた第2取付部材207を支点とし上下方向に沿う軸を回転軸として回転可能となる。
【0080】
第2取付部材207は、複数の第1回転制御部材210のうち第2支柱部12Bに設けられた第1回転制御部材210と、連結部材216を介して連結されている。すなわち、第2手すり部材202が上下方向に沿う軸を回転軸として回転すると、その回転に応じて第2支柱部12Bに設けられた第1回転制御部材210も回転する。
【0081】
上述したように、第1手すり部材201の一端は、第1支柱部11Bの端部(ここでは、先端部)に取り付けられる。第2手すり部材202の一端は、第2支柱部12Bの端部(ここでは、先端部)に取り付けられる。第1手すり部材201の他端と、第2手すり部材202の他端とは、結合及び非結合を切り替え可能に構成されている。
【0082】
第1手すり部材201は、第1結合部材220を有している(図12参照)。第1結合部材220は、第1手すり部材201の他端に設けられている。第1結合部材220の先端には上下方向において互いに対向する板状の一対の先端部221が設けられている(図13参照)。すなわち、第1結合部材220の先端は、U字形状に形成されている。一対の先端部221を結合する結合部位222の中央部に貫通孔223が設けられている(図14参照)。第1結合部材220は、第1手すり部材201の軸に沿った突起部材240の少なくとも一部を収容している。突起部材240の一端の縁は、R面取りされている。突起部材240の他端には、突起部材240が第1手すり部材201の軸に沿って移動可能となるように圧縮ばね225が接続されている(図14参照)。突起部材240に力が加わってない状態では、突起部材240に接続された圧縮ばね225の復元力により突起部材240の一端が結合部位222の貫通孔223から突出している。突起部材240に力が加わると、突起部材240は、第1手すり部材201の軸に沿って押し込まれ、突起部材240の一端の突出量が少なくなる。
【0083】
第2手すり部材202は、第2結合部材230を有している(図12参照)。第2結合部材230は、第2手すり部材202の他端に設けられている。第2結合部材230の先端には上下方向と交差する方向において互いに対向する板状の一対の先端部231が設けられている。すなわち、第2結合部材230の先端は、U字形状に形成されている。一対の先端部231の内面は、先端に近づくにつれてその厚さは薄くなるようにテーパ状に形成されている。
【0084】
第1手すり部材201の他端と第2手すり部材202の他端とが結合している状態である場合、すなわち手すり13Bが閉状態である場合には、第2結合部材230の一対の先端部231の間に突起部材240が存在している。手すり13Bの状態を閉状態から開状態と変位する際には、上下方向に沿う軸を回転軸として第1手すり部材201及び第2手すり部材202のそれぞれを回転させると、一対の先端部231のうち一方の先端部231と突起部材240の一端とが点接触する。第1手すり部材201及び第2手すり部材202のそれぞれを更に回転させると、先端部231の内面の形状により、突起部材240は押し込まれ、突起部材240の一端の突出量が少なくなる。そして、第1手すり部材201及び第2手すり部材202のそれぞれを更に回転させると、第1手すり部材201と第2手すり部材202とは離れる。すなわち、手すり13Bの状態は開状態となる(図12参照)。
【0085】
さらに、手すり装置1Bは、図11に示すようにカバー300を備える。カバー300は、筒形状である。カバー300は、手すり13Bに沿って移動可能に、手すり13Bに設けられる。カバー300は、手すり13Bの状態が閉状態である場合には、第1結合部材220の一対の先端部221及び第2結合部材230の一対の先端部231を覆う位置に設けられる。これにより、上下方向に沿う軸を回転軸として第1手すり部材201及び第2手すり部材202のそれぞれが回転することを防止することができる。
【0086】
手すり13Bの状態を閉状態から開状態へと変更する場合には、カバー300をスライドさせることで、上下方向に沿う軸を回転軸として第1手すり部材201及び第2手すり部材202のそれぞれを回転させることが可能となる。
【0087】
(3)効果
以上説明したように、実施形態2に係る手すり装置1Bは、上下方向に延びる第1支柱部11B及び第2支柱部12Bと、手すり13Bと、を備える。手すり13Bは、上下方向と交差する方向に延び、第1支柱部11B及び第2支柱部12Bに取り付けられる。手すり13Bは、第1手すり部材201と、第2手すり部材202と、を含む。第1手すり部材201の一端は、第1支柱部11Bに取り付けられる。第2手すり部材202の一端は、第2支柱部12Bに取り付けられる。第1手すり部材201の他端と、第2手すり部材202の他端とは、結合及び非結合を切り替え可能に構成されている。第1手すり部材201と第2手すり部材202とが非結合である場合には、第1手すり部材201は、第1手すり部材201の上記一端を支点とし上下方向に沿う軸を回転軸として回転可能に構成されている。第1手すり部材201と第2手すり部材202とが非結合である場合には、第2手すり部材202は、第2手すり部材202の上記一端を支点とし上下方向に沿う軸を回転軸として回転可能に構成されている。
【0088】
この構成によると、第1手すり部材201及び第2手すり部材202は、上下方向を軸として回転するので、手すり13Bを持ち上げる必要はない。そのため、手すり13Bを持ち上げたまま通過する必要はない。第1手すり部材201及び第2手すり部材202は、上下方向を軸として回転するので、通過する際に手すり13Bが障害物となることもない。そのため、手すり13Bが設けられた場所の通過をスムーズに行うことができる。
【0089】
(4)変形例
以下に、変形例について説明する。なお、以下に説明する変形例は、上記実施形態と適宜組み合わせて適用可能である。
【0090】
(4.1)変形例1
手すり装置1Bは、以下に説明するロック機構を有してもよい。以下、実施形態2と異なる点と中心に説明する。なお、実施形態2と同様の構成要素には同一も符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0091】
変形例1の手すり装置1Bが備える第1手すり部材201は、第1結合部材220Cを有している、第1結合部材220Cは、第1手すり部材201の他端に設けられている。第1結合部材220Cの先端には上下方向において互いに対向する板状の一対の先端部221が設けられている。すなわち、第1結合部材220Cの先端は、U字形状に形成されている。一対の先端部221を結合する結合部位222の中央部に貫通孔223が設けられている(図16参照)。第1結合部材220Cは、第1手すり部材201の軸に沿った突起部材240Cの少なくとも一部を収容している。突起部材240Cの一端の縁は、R面取りされている。突起部材240Cの他端には、突起部材240Cが第1手すり部材201の軸に沿って移動可能となるように圧縮ばね225が接続されている(図16参照)。突起部材240Cに力が加わってない状態では、突起部材240Cに接続された圧縮ばね225の復元力により突起部材240Cの一端が結合部位222の貫通孔223から突出している。突起部材240Cに力が加わると、突起部材240は、第1手すり部材201の軸に沿って押し込まれ、突起部材240の一端の突出量が少なくなる。また、第1結合部材220Cは、溝部241を有している。
【0092】
第1結合部材220Cは、ロック部250を収容している。ロック部250は、圧縮ばね260により上下方向に沿って移動可能に配置されている。ロック部250に力が加わっていない場合には圧縮ばね260の復元力により、ロック部250は上方に移動する。ここで、圧縮ばね260の復元力は、圧縮ばね225の復元力よりも小さい。
【0093】
突起部材240Cに力が加わってなく、圧縮ばね225の復元力により、突起部材240が結合部位222の貫通孔223から突出している場合、ロック部250は、突起部材240Cの外周面242の一部と接触している。これにより、ロック部250の上方への移動が抑制される。
【0094】
変形例1の手すり装置1Bは、カバー300Cを備える(図16参照)。カバー300Cは、筒形状である。カバー300Cは、手すり13Bに沿って移動可能に、手すり13Bに設けられる。カバー300Cは、手すり13Bの状態が閉状態である場合には、第1結合部材220Cの一対の先端部221及び第2結合部材230(図13参照)の一対の先端部231を覆う位置に設けられる。これにより、上下方向に沿う軸を回転軸として第1手すり部材201及び第2手すり部材202のそれぞれが回転することを防止することができる。手すり13Bの状態を閉状態から開状態へと変更する場合には、カバー300Cをスライドさせることで、上下方向に沿う軸を回転軸として第1手すり部材201C及び第2手すり部材202のそれぞれを回転させることが可能となる。
【0095】
カバー300Cは、カバー300Cの下方に貫通孔301及びスリット部302を有している。突起部材240Cに力が加わってなく、圧縮ばね225の復元力により、突起部材240が結合部位222の貫通孔223から突出している場合、ロック部250の先端部251は、貫通孔301から露出している(図16参照)。すなわち、ロック部250の先端部251は、第1結合部材220Cの外周面から突出する。突起部材240Cに力が加わってなく、圧縮ばね225の復元力により、突起部材240が結合部位222の貫通孔223から突出している場合、ロック部250の先端部251は、スリット部302からも露出可能である。ロック部250の先端部251が貫通孔301から露出している場合には、カバー300Cのスライドは不可となっている。ロック部250の先端部251がスリット部302から露出している場合には、カバー300Cはスリット部302に沿ってスライド可能となっている。
【0096】
カバー300Cは、図示しない移動ばねと接続されている。移動ばねは、カバー300Cに左に移動しようとする力を加える。
【0097】
以下、変形例1の手すり13Bの状態が開状態から閉状態へと変化する際の変形例1の手すり装置1Bの動作について、説明する。
【0098】
手すり13Bの状態が開状態である場合には、ロック部250の先端部251が貫通孔301から露出している(図16参照)。ロック部250の先端部251が貫通孔301から露出している場合には、移動ばねによるカバー300Cの左への移動は、ロック部250の先端部251が貫通孔301から露出していることにより抑止される。
【0099】
上下方向に沿う軸を回転軸として第1手すり部材201及び第2手すり部材202を回転させることで、第2結合部材230の一対の先端部231のうち一方の先端部231と、突起部材240Cの一端とが接触する。これにより、突起部材240Cに力が加わって突起部材240Cが右に移動し、突起部材240Cの溝部241がロック部250の上方に移動すると、圧縮ばね260によりロック部260が上方に移動する。その結果、ロック部260の一部は突起部材240Cの溝部241に嵌る(図17参照)。このとき、突起部材240Cの溝部241に設けられた第1テーパ面243とロック部250に設けられた第2テーパ面252とが重なっている。
【0100】
ロック部260の一部が突起部材240Cの溝部241に嵌ると、移動ばねによるカバー300Cの左への移動の抑止は解除され、カバー300Cは左に移動する。カバー300Cが左に移動することにより、ロック部250の先端部251は、カバー300Cのスリット部302の上方に位置する。
【0101】
上下方向に沿う軸を回転軸として第1手すり部材201及び第2手すり部材202を更に回転させると、第2結合部材230の一対の先端部231のうち上記一方の先端部231と、突起部材240Cの一端とが非接触となる。その結果、突起部材240Cに力が加わらなくなる。突起部材240Cに力が加わらなくなると、ロック部250がカバー300Cよる押し上げる力が加わってなく、かつ圧縮ばね260の復元力が圧縮ばね225の復元力よりも小さいので、突起部材240は左に移動する。その結果、突起部材240の先端は、一対の先端部231の間に嵌め込まれる(図18参照)。さらに、突起部材240Cの第1テーパ面243とロック部250の第2テーパ面252とが重なっている状態で、突起部材240は左に移動するので、ロック部250は下方に押し込まれる。その結果、ロック部250の先端部251は、スリット部302から露出する(図18参照)。すなわち、ロック部250の先端部251は、第1結合部材220Cの外周面から突出する。
【0102】
(4.2)変形例2
実施形態2では、第1支柱部11B及び第2支柱部12Bは、同一のベース10に取り付けられる構成としているが、この構成に限定されない。
【0103】
第1支柱部11B及び第2支柱部12Bは、互いに異なるベース10に取り付けられてもよい(図19参照)。なお、変形例2の手すり装置1Bは、図20に示すように、少なくとも1つ(図示例では、2つ)の他の手すり装置2と連結が可能である。
【0104】
(4.3)変形例3
変形例3では、手すりを回転可能とする部材が回転の制御を兼ね備えている点が、実施形態2の手すり装置2Bとは異なる。以下、異なる点を中心に説明する。なお、実施形態2の構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0105】
変形例3に係る手すり装置1Dは、図21に示すように、ベース10と、第1支柱部11Dと、第2支柱部12Dと、手すり13Dと、を備える。さらに、手すり装置1Dは、図21に示すように、上述した第1回転制御部材210(図11参照)に相当する複数(図示例では、2つ)の第1取付部材204D及び第2取付部材207Dと、複数(図示例では、2つ)の第2回転制御部材211と、を備える。
【0106】
変形例3では、第1支柱部11D及び第2支柱部12Dの双方は、1つのベース10に取り付けられる。
【0107】
第1支柱部11Dは、上下方向に延びる。第1支柱部11Dの下端部は、ベース10に取り付けられる。第1支柱部11Dは、図21に示すように、第1本体部111と、第1連結部材113と、を有している。
【0108】
第2支柱部12Dは、上下方向に延びる。第2支柱部12Dの下端部は、ベース10に取り付けられる。第2支柱部12Dは、図21に示すように、第2本体部121と、第3連結部材123と、を有している。
【0109】
手すり13Dは、上下方向と交差する方向に延び、第1支柱部11D及び第2支柱部12Dに取り付けられる。手すり13Dは、図21に示すように、第1手すり部材201Dと、第2手すり部材202Dと、を含む。第1手すり部材201Dの一端は、第1支柱部11Dに取り付けられる。第2手すり部材202Dの一端は、第2支柱部12Dに取り付けられる。第1手すり部材201Dの他端と、第2手すり部材202Dの他端とは、結合及び非結合を切り替え可能に構成されている。第1手すり部材201Dと第2手すり部材202Dとが非結合である場合には、第1手すり部材201Dは、第1手すり部材201Dの上記一端を支点とし上下方向に沿う軸を回転軸として回転可能に構成されている。第1手すり部材201Dと第2手すり部材202Dとが非結合である場合には、第2手すり部材202Dは、第2手すり部材202Dの上記一端を支点とし上下方向に沿う軸を回転軸として回転可能に構成されている。
【0110】
第1手すり部材201Dは、第1取付部材204Dを有している。第1取付部材204Dは、第1手すり部材201Dの両端のうち一端に設けられている。第1取付部材204Dは、筒形状に形成された筒部2041を有している。筒部2041には、第1支柱部11Dが挿入される。第1取付部材204Dは、上下方向に沿う軸を回転軸として、第1支柱部11Dに対して相対的に回転可能に構成されている。
【0111】
第2手すり部材202Dは、第2取付部材207Dを有している。第2取付部材207Dは、第2手すり部材202Dの両端のうち一端に設けられている。第2取付部材207Dは、筒形状に形成された筒部2071を有している。筒部2071には、第2支柱部12Dが挿入される。第2取付部材207Dは、上下方向に沿う軸を回転軸として、第2支柱部12Dに対して相対的に回転可能に構成されている。
【0112】
複数の第2回転制御部材211は、第1支柱部11D及び第2支柱部12Dに、一対一に対応している。複数の第2回転制御部材211は、第1取付部材204D及び第2取付部材207Dに、一対一に対応している。複数の第2回転制御部材211は、筒形状に形成されている。複数の第2回転制御部材211には、第1支柱部11D及び第2支柱部12Dのうち対応する支柱部が挿入され、第1取付部材204D及び第2取付部材207Dのうち対応する取付部の下方で固定される。
【0113】
複数の第2回転制御部材211のそれぞれの内周面において、所定の位置を起点として内周面を右回りに沿って上方に傾斜する第1傾斜面、及び所定の位置を起点として内周面を左回りに沿って上方に傾斜する第2傾斜面が設けられている。
【0114】
第1取付部材204Dの下方先端部は、第1支柱部11Dの外周面と、複数の第2回転制御部材211のうち対応する第2回転制御部材211の内周面との間に嵌め込まれ、上記所定の位置、第1傾斜面及び第2傾斜面に点接触又は線接触している。第1手すり部材201Dと第2手すり部材202Dとが結合している状態では、第1取付部材204Dの下方先端部は、複数の第2回転制御部材211のうち対応する第2回転制御部材211における所定の位置で点接触又は線接触している。第1取付部材204Dが回転することで、当該第1取付部材204Dの下方先端部が第1傾斜面又は第2傾斜面に沿って移動するので、当該第1取付部材204Dが上方に移動する。第1取付部材204Dの回転が止まると、第1取付部材204Dの自重により下方に移動しようとするので、第1取付部材204Dの下方先端部が第1傾斜面又は第2傾斜面に沿って下方に移動する。すなわち、第1取付部材204Dは、回転しながら下方に移動する。
【0115】
第2取付部材207Dの下方先端部は、第2支柱部12Dの外周面と、複数の第2回転制御部材211のうち対応する第2回転制御部材211の内周面との間に嵌め込まれ、上記所定の位置、第1傾斜面及び第2傾斜面に点接触又は線接触している。第1手すり部材201Dと第2手すり部材202Dとが結合している状態では、第2取付部材207Dの下方先端部は、複数の第2回転制御部材211のうち対応する第2回転制御部材211における所定の位置で点接触又は線接触している。第2取付部材207Dが回転することで、当該第2取付部材207Dの下方先端部が第1傾斜面又は第2傾斜面に沿って移動するので、当該第2取付部材207Dが上方に移動する。第2取付部材207Dの回転が止まると、第2取付部材207Dの自重により下方に移動しようとするので、第2取付部材207Dの下方先端部が第1傾斜面又は第2傾斜面に沿って下方に移動する。すなわち、第2取付部材207Dは、回転しながら下方に移動する。
【0116】
上述したように、第1手すり部材201Dの両端のうち一端には、第1取付部材204Dが設けられている。第2手すり部材202Dの両端のうち一端には、第2取付部材207Dが設けられている。
【0117】
第1手すり部材201Dは、第1手すり部材201Dの両端のうち他端と第1取付部材204Dの下端部2042とを接続する接続部材215Dを有している。すなわち、第1手すり部材201Dは、閉領域217Dを形成するように構成されている。第2手すり部材202Dは、第2手すり部材202Dの両端のうち他端と第2取付部材207Dの下端部2072とを接続する接続部材216Dを有している。すなわち、第2手すり部材202Dは、閉領域218Dを形成するように構成されている。閉領域217D及び閉領域218Dが形成されることで、手すり装置1Dを利用するユーザ(歩行者)の袖に第1手すり部材201D及び第2手すり部材202Dの端部が入り込むことを防ぐことができる。すなわち、ユーザの袖に第1手すり部材201D及び第2手すり部材202Dの端部が入り込むことによるユーザの転倒を防ぐことができる。なお、閉領域217D及び閉領域218Dに、板状の部材が嵌め込まれてもよい。
【0118】
さらに、手すり装置1Dは、図21に示すようにカバー300Dを備える。カバー300Dは、手すり13Dに沿って移動可能に、手すり13Dに設けられる。カバー300Dは、ストッパー301Dを有している。ストッパー301Dが接続部材215Dと接触することで、左方向への移動を抑止する。カバー300Dは、手すり13Dの状態が閉状態である場合には、第1手すり部材201Dの他端及び第2手すり部材202Dの他端を覆う位置に設けられる。これにより、上下方向に沿う軸を回転軸として第1手すり部材201及び第2手すり部材202のそれぞれが回転することを防止することができる。
【0119】
手すり13Dの状態を閉状態から開状態へと変更する場合には、カバー300Dをスライドさせて、上下方向に沿う軸を回転軸として第1手すり部材201D及び第2手すり部材202Dのそれぞれを回転させることが可能となる。
【0120】
なお、変形例3の手すり装置1Dは、手すり装置1,1Bと同様に、他の手すり装置と連結が可能である。図22は、第1支柱部11Dに連結された第2連結部材15、及び第2支柱部12Dに連結された第2連結部材15のそれぞれに、他の手すり装置2が連結された場合を示す。
【0121】
また、変形例3では、第1支柱部11D及び第2支柱部12Dは、同一のベース10に取り付けられる構成としているが、この構成に限定されない。第1支柱部11D及び第2支柱部12Dは、互いに異なるベース10に取り付けられてもよい(図23参照)。なお、変形例3の手すり装置1Dは、図24に示すように、少なくとも1つ(図示例では、2つ)の他の手すり装置2と連結が可能である。
【0122】
(4.4)変形例4
第1支柱部11Bの第1本体部111及び第2支柱部12Bの第2本体部121は、高さ(上下方向の長さ)が調節可能に構成されてもよい。
【0123】
(実施形態3)
実施形態3では、手すりが支柱の軸を回転軸として回転する点で実施形態2の変形例3と同じであるが、手すり部材が他の手すり部材と結合及び非結合とを切り替える必要がない点で変形例3と異なる。以下、異なる点を中心に説明する。なお、実施形態2の構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0124】
実施形態3に係る手すり装置1Eは、図25に示すように、ベース10と、第1支柱部11Eと、第2支柱部12Eと、一対の手すり13Eと、を備える。さらに、手すり装置1Eは、図25に示すように、一対の第1手すり保持部410と、一対の第2手すり保持部420と、一対の結合部材430と、を備える。
【0125】
第1支柱部11E及び第2支柱部12Eは、上下方向に延びる。第1支柱部11Eは第1本体部111を、第2支柱部12Eは第2本体部121を、それぞれ有している。また、第1支柱部11E及び第2支柱部12Eのそれぞれは、回転軸部材440を有している。
【0126】
手すり装置1Eの一対の手すり13Eは、第1支柱部11E及び第2支柱部12Eと一対一に対応している。すなわち、一対の手すり13Eのうち一方の手すり13Eは第1支柱部11Eに設けられ、一対の手すり13Eのうち他方の手すり13Eは第2支柱部12Eに設けられる。
【0127】
また、一対の手すり13Eは、一対の第1手すり保持部410、一対の第2手すり保持部420、及び一対の結合部材430と一対一に対応している。すなわち、一対の手すり13Eのうち一方の手すり13Eは、一対の第1手すり保持部410の一方と、一対の第2手すり保持部420の一方と、一対の結合部材430の一方と、それぞれ対応している。一対の手すり13Eのうち他方の手すり13Eは、一対の第1手すり保持部410の他方と、一対の第2手すり保持部420の他方と、一対の結合部材430の他方と、それぞれ対応している。
【0128】
一対の手すり13Eは、上下方向と交差する方向(例えば、左右方向)に延びた状態で手すり保持部(第1手すり保持部410、第2手すり保持部420)に保持される。言い換えると、手すり保持部(第1手すり保持部410、第2手すり保持部420)は、上下方向と交差する方向(例えば、左右方向)に延びた状態で手すり13Eを保持する。手すり保持部(第1手すり保持部410、第2手すり保持部420)は、上下方向に沿う軸を回転軸として回転可能に構成されている。
【0129】
以下、手すり装置1Eの構成について説明する。
【0130】
手すり13Eは、第1手すり401及び第2手すり402を有する。第1手すり401及び第2手すり402は、上下方向に沿って配置されている。具体的には、第1手すり401は、第2手すり402に対して上方に配置されている。第1手すり401の一端は、第2手すり保持部420に結合される。第1手すり401は、第2手すり保持部420に結合される一端から上下方向に直交する方向に沿って延在する。第2手すり402の一端は、第1手すり保持部410に結合される。第2手すり402は、第1手すり保持部410に結合される一端から上下方向に直交する方向に沿って延在する。第1手すり401の他端は、第2手すり402の他端と結合する。すなわち、第1手すり401及び第2手すり402は、矩形状の領域R1を形成する。
【0131】
第2手すり保持部420は、凸部421と、突出部422と、結合部423と、を有する。凸部421は、下方に突出しており、回転軸部材440の先端に嵌め込まれる。突出部422は、上下方向と直交する方向に突出しており、第1手すり401の先端に嵌め込まれる。突出部422が第1手すり401の先端に嵌め込まれると、ネジ止め等により突出部422と第1手すり401とは結合される。これにより、第1手すり401が第2手すり保持部420に保持される。結合部423は、結合部材430と結合する。
【0132】
結合部材430は、第1結合部材431と、第2結合部材432と、を有する。第1結合部材431及び第2結合部材432は、第2手すり保持部420の一部の周囲を囲むように、第2手すり保持部420に取り付けられる。第1結合部材431及び第2結合部材432が第2手すり保持部420に取り付けられた際に、第1結合部材431の一端部433と第2結合部材432の一端部434との間には隙間が形成される。この隙間に第2手すり保持部420の結合部423が嵌め込まれる。
【0133】
第1手すり保持部410は、第1カバー部410a(図26参照)と、第2カバー部410b(図26参照)と、保持部材411(図27図28参照)と、を有する。
【0134】
第1カバー部410a及び第2カバー部410bは、上下方向に沿って組み合わされる。第1カバー部410a及び第2カバー部410bは、組み合わされることで、保持部材411の一部を覆う。第1カバー部410a及び第2カバー部410bは、略円筒状に形成されている。第1カバー部410a及び第2カバー部410bは、ネジ止め等により保持部材411と結合されている。
【0135】
保持部材411は、本体部411aと突出部412とを有する。本体部411aは、略円筒状に形成されている。本体部411aの開口部415に、第1支柱部11E及び第2支柱部12Eのうち対応する支柱部が挿入される。具体的には、第1支柱部11E及び第2支柱部12Eのうち対応する支柱部の本体部(例えば、第1本体部111)の上端部及び回転軸部材440の一部が、本体部411aの開口部415に挿入される。
【0136】
本体部411aは、本体部411aの上端部の内周面において本体部411aの径方向に沿って内側に突出する複数(図示例では、3つ)の第1凸部413が設けられている。3つの第1凸部413は等間隔(ここでは120度の間隔)で本体部411aの上端部の内周面に設けられている。本体部411aは、複数の第1凸部413に対して下方の内周面において、本体部411aの径方向に沿って内側に突出する複数(例えば4つ)の第2凸部414が設けられている。なお、図28では、3つの第2凸部414が図示されている。4つの第2凸部414は等間隔(ここでは90度の間隔)で本体部411aの内周面に設けられている。
【0137】
突出部412は、上下方向と直交する方向に本体部411aから突出しており、第2手すり402の先端に嵌め込まれる。突出部412が第2手すり402の先端に嵌め込まれると、ネジ止め等により突出部412と第2手すり402とは結合される。これにより、第2手すり402が第1手すり保持部410に保持される。
【0138】
回転軸部材440は、図29に示すように、第1回転軸部材441と、第2回転軸部材442と、を有する。第1回転軸部材441は、第2回転軸部材442の先端部に取り付けられる。
【0139】
第1回転軸部材441は、図26に示すように、第1円柱部位443及び第2円柱部位444を有する。第1円柱部位443の上に第2円柱部位444が配置されている。第1円柱部位443及び第2円柱部位444は、互いに径が異なる円柱形状に形成されている。ここでは、第1円柱部位443の径が第2部材の径より大きい。また、第1円柱部位443の下方では、開口されている。第1円柱部位443の下方における内周面の径は、第2カバー部410bの外周面の径より大きい。第2円柱部位444の先端には凹部445が形成されている。凹部445に第2手すり保持部420の凸部421が嵌め込まれる。
【0140】
第2回転軸部材442は、円柱形状に形成されている。第2回転軸部材442の下端部は、第1支柱部11E及び第2支柱部12Eのうち対応する支柱部の本体部(第1本体部111又は第2本体部121)の上端部に嵌め込まれる。図29は、第2回転軸部材442の下端部は、第1支柱部11Eの第1本体部11の上端部に嵌め込まれている例を示す。
【0141】
第2回転軸部材442には、第1規制部450及び第2規制部460が設けられている。第1規制部450は、第2規制部460に対して上方に第2回転軸部材442に設けられている。第1規制部450及び第2規制部460は、上述した本体部411aの開口部415に挿入される。このとき、本体部411aの各第2凸部414は、第1規制部450と第2規制部460との間に設けられる。これにより、第1手すり保持部410の保持部材411は、第1規制部450と第2規制部460との間で上下に移動可能に構成される。
【0142】
また、本体部411aの開口部415に、第1支柱部11E及び第2支柱部12Eのうち対応する支柱部の本体部(例えば、第1本体部111)の上端部、及び第1規制部450及び第2規制部460が挿入される。しかしながら、本体部411aは、挿入される部材に対して固定されていない。したがって、本体部411a、すなわち第1手すり保持部410は、上下方向に沿う軸を回転軸として回転可能に構成される。
【0143】
第2規制部460は、第2回転軸部材442の下端よりも上方に設けられている。第2規制部460は、図29に示すように、係止部461と、複数(ここでは、8つ)の回転規制部462とを有する。
【0144】
係止部461は、第2回転軸部材442の径方向に沿って外側に向けて突出している。係止部461の下面は、第1支柱部11E及び第2支柱部12Eのうち対応する支柱部の本体部(第1本体部111又は第2本体部121)の上端と当接している。これにより、第2回転軸部材442が下方に移動することを防止することができる。
【0145】
複数(ここでは、8つ)の回転規制部462は、係止部461の上面、すなわち第1支柱部11E及び第2支柱部12Eのうち対応する支柱部の本体部の上端と当接する面と反対側の面に、上方に突出するように設けられている。さらに、複数(ここでは、8つ)の回転規制部462は、等間隔(ここでは45度の間隔)で係止部461の上面に設けられている。これにより、隣接する2つの回転規制部462で形成される溝部463が、合計8つ、等間隔(ここでは45度の間隔)で形成される。また、各回転規制部462の先端の幅は、徐々に狭くなるよう形成されている。また、複数(ここでは、8つ)の溝部463のうち等間隔(ここでは、120度)に配置される3つの溝部463に、本体部411aの3つの第2凸部414が一対一に嵌め込まれる。
【0146】
第1回転軸部材441は、移動係止部451と、複数(ここでは、8つ)の回転ガイド部452とを有する。
【0147】
移動係止部451は、第2回転軸部材442の径方向に沿って外側に向けて突出し、保持部材411の移動範囲を規制する。具体的には、保持部材411が上方に移動する際に、本体部411aの各第2凸部414が、移動係止部451の下面に当接することで、更なる上方への移動を防止する。
【0148】
複数(ここでは、8つ)の回転ガイド部452は、移動係止部451の下面に、下方に突出するように設けられている。さらに、複数(ここでは、8つ)の回転ガイド部452は、等間隔(ここでは45度の間隔)で係止部461の上面に設けられている。また、各回転ガイド部452は、先端の幅が徐々に狭くなるようテーパ面が形成されている。複数の回転ガイド部452は、複数の溝部463の上方にそれぞれ設けられている。
【0149】
第1手すり保持部410を回転させる際には、第1手すり保持部410を上方に移動させる。このとき、各第2凸部414は、上方に設けられた回転ガイド部452に接触する。その後、第1手すり保持部410を右又は左回りに回転させると、回転ガイド部452はテーパ面に沿って第2凸部414が移動し、その後、移動係止部451の下面に接触する。さらに回転させることで隣の回転ガイド部452に第2凸部414を接触させる。さらに、隣の回転ガイド部452のテーパ面に沿って第2凸部414を移動させて隣の溝部463に嵌め込ませることができる。これにより、第1手すり保持部410を45度回転させることができる。なお、第1手すり保持部410を45度より更に大きく回転させる場合は、第2凸部414を隣の溝部463に嵌め込ませるのではなく、更に回転させて、所望の回転位置に対応する溝部463に嵌め込ませる。
【0150】
移動係止部451には、複数(ここでは、3つ)の隙間453が設けられている。各隙間453は、等間隔(ここでは120度の間隔)で設けられている。隙間453は、第1手すり保持部410を、第1支柱部11E及び第2支柱部12Eのうち対応する支柱部に取り付ける際に、第2凸部414を通すための隙間である。第2回転軸部材442を本体部411aの開口部415に挿入した後、第1回転軸部材441を第2回転軸部材442に取り付ける。第1手すり保持部410を回転させる際に、第2凸部414が隙間453を通って上方に移動する可能性がある。このような場合に備えて、第1凸部413が本体部411aに設けられている。第2凸部414が隙間453を通って上方に移動する場合、第1凸部413が、第1回転軸部材441の内部と接触することで、第1手すり保持部410の上方への移動を抑止する。
【0151】
以上述べたように、手すり13Eは、第1手すり保持部410及び第2手すり保持部420と結合している。具体的には、手すり13Eの第1手すり401は第2手すり保持部420と結合し、手すり13Eの第2手すり402は第1手すり保持部410と結合している。また、第1手すり保持部410及び第2手すり保持部420は、第1支柱部11E及び第2支柱部12Eのうち対応する支柱部に対してネジ止めなどで固定されておらず、上下方向に沿った軸に対して回転可能に構成されている。また、第1手すり保持部410及び第2手すり保持部420は、上下方向に沿って所定の範囲(第1規制部450と第2規制部460との間の範囲)で移動可能に構成されている。
【0152】
したがって、手すり13Eを上方に移動させると、それに連動して第1手すり保持部410及び第2手すり保持部420も上方に移動する。さらに、手すり13Eを回転させると、それに連動して第1手すり保持部410及び第2手すり保持部420も上方に移動する。手すり13Eを下方に移動させると、それに連動して第1手すり保持部410及び第2手すり保持部420も下方に移動する。すなわち、手すり13Eを操作することで、手すり13Eを回転させることができる。
【0153】
手すり装置1Eでは、通常、第2凸部414は、溝部463に嵌め込まれているので、手すり13Eを回転させることができない。すなわち、手すり装置1Eでは、通常、回転がロックされた状態となっている。回転がロックされた状態で手すり13Eを上方に移動させると、第2凸部414は回転規制部462の先端より上方に移動する。これにより、回転のロックが解除され回転可能となる。つまり、手すり13Eを上方に移動させる操作は、回転がロックされた状態を解除する操作でもある。
【0154】
手すり13Eを上方に移動させた場合、第2手すり保持部420も連動して上方に移動する。このとき、上下方向及び左右方向の双方に直交する方向から手すり装置1Eを見た場合、第2手すり保持部420の結合部423の一部は、結合部材430の第2結合部材432の一端部434と重なる(図30参照)。同様に、上下方向及び左右方向の双方に直交する方向から手すり装置1Eを見た場合、第2手すり保持部420の結合部423の一部は、結合部材430の第1結合部材431の一端部433と重なる。したがって、第2手すり保持部420が回転すると、それに連動して結合部材430も回転する。これにより、手すり13Eの回転後の位置が決まった後、第2手すり保持部420の結合部423を、第1結合部材431の一端部433と第2結合部材432の一端部434との間の隙間に嵌め込みやすくなる。
【0155】
また、第1円柱部位443の下方における内周面の径は第2カバー部410bの外周面の径より大きいので、手すり13Eを上方に移動させる際には、第2カバー部410bの上端部は、第1円柱部位443の下方に収納される。そのため、手すり13Eの上方への移動をスムーズに行うことができる。
【0156】
手すり保持部(第1手すり保持部410、第2手すり保持部420)は、上下方向に沿う軸を回転軸として回転可能に構成されている。すなわち、手すり13Eは、上下方向に沿う軸を回転軸として回転可能に構成されている。例えば、一対の手すり13Eが第1支柱部11Eと第2支柱部12Eとの間で延びるように設けられている第1状態(図31図32参照)から、一対の手すり13Eのそれぞれが第1支柱部11Eから第2支柱部12Eへ至る方向に直交する方向に延びるように設けられている第2状態(図33図34参照)へと変更可能である。
【0157】
第1状態では、ベース10の長手方向に沿って歩行する際の手すりとして手すり装置1Eを利用可能である。また、第2状態では、ベース10の短手方向に沿って歩行する際の手すりとして手すり装置1Eを利用可能である。
【0158】
また、第2手すり402とベース10との間の空間は、実施形態2の変形例3の手すり装置1Dと比較して広い。例えば、手すり装置1Eを利用者のベッドの脇に設置した場合、第2手すり402とベース10との間の空間があるので、利用者はベッドの脇に座ったときでも利用者の両足を第2手すり402の下方のベース10に置くことができる。そして、手すり装置1Eを第2状態とし、手すり13Eを利用者が立ち上がる際の支えとして手すり装置1Eを利用することができる。つまり、手すり装置1Eを利用者が立ち上がる際の補助装置として利用することも可能である。このとき、第2状態での一対の手すり13Eの間隔が利用者の脇が若干広がる程度となるように、第1支柱部11Eと第2支柱部12Eとがベース10に設置されることが好ましい。例えば、第2状態での一対の手すり13Eの間隔が550mm程度であることが好ましい。第2状態での一対の手すり13Eの間隔が利用者の脇が若干広がる程度とすることで、脇を締めた状態で立ち上がる場合と比較して、立ち上がりの際に両腕に力を入れることができる。
【0159】
例えば、2つの手すり13Eのうち一方の手すり13Eをベース10の長手方向に沿った方向に延びる状態とし、他方の手すり13Eをベース10の短手方向に沿った方向に延びる状態とすることも可能である(図35参照)。つまり、2つの手すり13Eについいて互いに延びる方向を異ならせることができる。このように、2つの手すり13Eについいて互いに延びる方向を異ならせることで、例えば、利用者がベッドからベッドサイドに設置する介護用トイレへ移動する場合、利用者は、一方の手すり13Eをベッドからの立ち上がりに利用し、他方の手すり13Eをトイレからの立ち上がりに利用することができる。
【0160】
また、2つの手すり13Eについいて互いに延びる方向を異ならせることで、利用者は、一方の手すり13Eに寄りかかりつつ(すなわち体の重みを預けつつ)、他方の手すり13Eを持ちながら立った状態を維持することができる。これにより、介助者は、利用者の衣類の着脱を容易に行うことができる。
【0161】
なお、手すり装置1Eは、上述した手すり装置1,1B,1Dと同様に、他の手すり装置と連結が可能である。
【0162】
実施形態3では、第1支柱部11E及び第2支柱部12Eは、同一のベース10に取り付けられる構成としているが、この構成に限定されない。第1支柱部11E及び第2支柱部12Eは、互いに異なるベース10に取り付けられてもよい。なお、第1支柱部11E及び第2支柱部12Eは、互いに異なるベース10に取り付けられる場合であっても、手すり装置1Eは、少なくとも1つの他の手すり装置と連結が可能である。
【0163】
また、第1支柱部11Eの第1本体部111及び第2支柱部12Eの第2本体部121は、高さ(上下方向の長さ)が調節可能に構成されてもよい。
【0164】
第1支柱部11E及び第2支柱部12Eのそれぞれの高さを変更可能とすることで、第1支柱部11Eの高さを第2支柱部12Eの高さより低くすることができる。例えば、ベッドから立ち上がる際には、高さが低い第1支柱部11Eを利用し、立ち上がり後の歩行開始時には第2支柱部12Eを利用することで、立ち上がりからの歩行をサポートすることができる。
【0165】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様の手すり装置(1)は、上下方向に延びる支柱部(例えば、第1支柱部11)と、手すり(13)と、取付部(14)と、を備える。手すり(13)は、上下方向と交差する方向に延びた状態で支柱部に支持される。取付部(14)は、支柱部の先端部に設けられる。取付部(14)では、手すり(13)が取り付けられる。取付部(14)は、手すり(13)が取り付けられる手すり保持部(142)を有している。手すり保持部(142)は、上下方向及び手すり保持部(142)の軸(C1)に交差する軸(C2)を中心に支柱部に対して回転可能に構成され、かつ手すり保持部(142)の内部において手すり保持部(142)の軸(C1)に沿って手すり(13)が移動可能となるように構成されている。
【0166】
この構成によると、手すり(13)を持ち上げたまま通過する必要はなく、更には、通過する際に手すり(13)が障害物となることもない。そのため、手すり(13)が設けられた場所の通過をスムーズに行うことができる。
【0167】
第2の態様の手すり装置(1)は、第1の態様において、上下方向に延び、支柱部としての第1支柱部(11)とは異なる第2支柱部(12)を、更に備える。手すり(13)の一端(第1端部131)は、手すり保持部(142)に挿入される。第2支柱部(12)は、第2支柱部(12)の先端部に設けられ、手すり(13)の他端(第2端部132)との結合及び非結合を切替可能に構成された保持部(例えば、第2保持部122)を有している。
【0168】
この構成によると、手すり(13)の他端と保持部との結合及び非結合の切替可能を行いつつ、手すり(13)が設けられた場所の通過をスムーズに行うことができる。
【0169】
第3の態様の手すり装置(1B,1D)は、上下方向に延びる第1支柱部(11B,11D)及び第2支柱部(12B,12D)と、手すり(13B,13D)と、を備える。手すり(13B,13D)は、上下方向と交差する方向に延び、第1支柱部(11B,11D)及び第2支柱部(12B,12D)に取り付けられる。手すり(13B,13D)は、第1手すり部材(201,201C,201D)と、第2手すり部材(202,202D)と、を含む。第1手すり部材(201,201C,201D)の一端は、第1支柱部(11B,11D)に取り付けられる。第2手すり部材(202,202D)の一端は、第2支柱部(12B,12D)に取り付けられる。第1手すり部材(201,201C,201D)の他端と、第2手すり部材(202,202D)の他端とは、結合及び非結合を切り替え可能に構成されている。第1手すり部材(201,201C,201D)と第2手すり部材(202,202D)とが非結合である場合には、第1手すり部材(201,201C,201D)は、第1手すり部材(201,201C,201D)の上記一端を支点とし上下方向に沿う軸を回転軸として回転可能に構成されている。第1手すり部材(201,201C、201D)と第2手すり部材(202,202D)とが非結合である場合には、第2手すり部材(202,202D)は、第2手すり部材(202,202D)の上記一端を支点とし上下方向に沿う軸を回転軸として回転可能に構成されている。
【0170】
この構成によると、手すり(13B,13D)を持ち上げたまま通過する必要はなく、更には、通過する際に手すり(13B,13D)が障害物となることもない。そのため、手すり(13B,13D)が設けられた場所の通過をスムーズに行うことができる。
【0171】
第4の態様の手すり装置(1E)は、上下方向に延びる支柱部(例えば、第1支柱部11E,第2支柱部12E)と、手すり(13E)と、手すり保持部(例えば、第1手すり保持部410、第2手すり保持部420)と、を備える。手すり保持部は、支柱部に設けられ、手すり(13E)を上下方向と交差する方向に延びた状態で保持する。手すり保持部は、上下方向に沿う軸を回転軸として回転可能に構成されている。
【0172】
この構成によると、手すり(13E)を持ち上げたまま通過する必要はなく、更には、通過する際に手すり(13E)が障害物となることもない。そのため、手すり(13E)が設けられた場所の通過をスムーズに行うことができる。
【符号の説明】
【0173】
1,1B,1D,1E 手すり装置
11,11B,11D,11E 第1支柱部(支柱部)
12,12B,12D,12E 第2支柱部
13,13B,13D,13E 手すり
14 取付部
112 第1保持部
122,122A 第2保持部
131 第1端部(一端)
132,132A 第2端部(他端)
142 手すり保持部
201,201C,201D 第1手すり部材
202,202D 第2手すり部材
410 第1手すり保持部(手すり保持部)
420 第2手すり保持部(手すり保持部)
C1,C2 軸
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