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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023059855
(43)【公開日】2023-04-27
(54)【発明の名称】展開可能なキャノピーを備えたテント
(51)【国際特許分類】
   E04H 15/48 20060101AFI20230420BHJP
   E04H 15/06 20060101ALI20230420BHJP
   E04H 15/38 20060101ALI20230420BHJP
【FI】
E04H15/48
E04H15/06
E04H15/38
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022165209
(22)【出願日】2022-10-14
(31)【優先権主張番号】2110967
(32)【優先日】2021-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】508372593
【氏名又は名称】デカスロン
【氏名又は名称原語表記】DECATHLON
【住所又は居所原語表記】4 BOULEVARD DE MONS, 59650 VILLENEUVE D’ASCQ, FRANCE
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】バンジャマン・ラフー
(72)【発明者】
【氏名】エミリアン・ブリュヌトー
【テーマコード(参考)】
2E141
【Fターム(参考)】
2E141AA08
2E141BB03
2E141CC01
2E141DD12
2E141DD25
2E141GG01
2E141GG06
2E141GG08
2E141GG18
2E141GG19
(57)【要約】
【課題】展開式テントを提供する。
【解決手段】第一のポールと、折り畳み位置と展開位置の間で旋回する第一および第二のベース部(22)とを備えるフレーム(20)を備えている展開式テントであって、テントが、第一および第二の接続ライン部(44、144、48、148)を有する接続ライン(38、138)によってキャンバス本体から画定された第一のキャノピー(36、136)を備え、第一のキャノピーが、第一および第二の縁部(68、168、70、170)を有する自由遠位端縁(37、137)をさらに備え、テントが、第一のキャノピーを展開するために、フレームが展開されている場合に、展開位置に旋回するように構成された第一の補強部(60、160)を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
展開式テント(10、100)であって、
該テント用のベース(25)を形成するように、第一のベース部(22)と、第二のベース部(24)が該第一のベース部の上に載っている折り畳み位置と、該第一のベース部および該第二のベース部がベース平面(P)内で隣り合って延在している展開位置との間で、旋回軸(X)周りに、該第一のベース部に対して旋回自在に取付けられた第二のベース部(24)とを備えるフレーム(20)であって、該フレームは、該第一のベース部および該第二のベース部のうちの少なくとも一方に対して、前記旋回軸(X)と平行な第一の回転軸周りに旋回自在に取付けられた少なくとも一つの第一のポール(26)をさらに備え、前記第一のポールは、該フレームが前記展開位置にある場合には、前記ベース平面を横切って延在するように、および該フレームが前記折り畳み位置にある場合には、該第一のベース部と該第二のベース部との間に延在するように構成される、前記フレームと、
前記フレームと相互に作用するテントキャンバス(30)であって、
a.少なくとも前記テントキャンバスの第一の壁(34、134)を備えるキャンバス本体(32)と、
b.前記第一の壁の第一の側部(41、141)に配設された第一の側方頂点(40、140)と、該第一の側部と反対側の、該第一の壁の第二の側部(43、143)に配設された第二の側方頂点(42、142)との間に延在する接続ライン(38、138)によって、前記キャンバス本体から画定された少なくとも一つの第一のキャノピー(36、136)であって、該接続ラインは、前記接続ラインの第一の上方頂点(46、146)と該第一の側方頂点との間に延在する第一の接続ライン部(44、144)と、前記第一の上方頂点と前記第二の側方頂点との間に延在する第二の接続ライン部(48、148)とを備え、前記第一のキャノピーは、該接続ラインから離れ、および前記第一の側方頂点と前記第二の側方頂点との間に延在する自由遠位端縁(37、137)をさらに備え、該自由遠位端縁は、該自由遠位端縁の第一の遠位頂点(66、166)と該第一の側方頂点との間に延在する第一の端縁部(68、168)と、前記第一の遠位頂点と該第二の側方頂点との間に延在する第二の端縁部(70、170)とを備え、前記テントは、少なくとも、該第一の遠位頂点と前記キャンバス本体との間に延在する第一の補強部(60、160)をさらに備え、前記第一の補強部はさらに、前記フレームが展開されている場合に、該第一の補強部が前記第一のキャノピーの下に延在するように、少なくとも、前記第一の上方頂点の下に配置された一つの第一の下方部(72、172)において、前記テントキャンバスの前記第一の壁に対して旋回自在に関節結合され、前記第一の補強部は、展開位置と、前記フレームが前記折り畳み位置に置かれている場合に、該第一の補強部が前記キャンバス本体に当たって延在する折り畳み位置とを取ることができ、該フレームが前記展開位置になったときに、前記第一の接続ライン部および前記第二の接続ライン部と前記第一の端縁部および前記第二の端縁部は、前記折り畳み位置から、該キャンバス本体に対して該第一のキャノピーを展開するように該第一の補強部が該テントキャンバスの該第一の壁を横切って突出する前記展開位置へ、該ベース平面に向かって該キャンバス本体に対して前記第一の補強部を旋回させるように、緊張されて該第一の補強部に力を及ぼす、前記第一のキャノピーと、
を備える、前記テントキャンバス(30)と、
を備える、展開式テント。
【請求項2】
前記第一のベース部(22)および前記第二のベース部(24)は、前記フレーム(20)が前記展開位置になっている場合に、前記テントのための床を画定するプレートの形態を取る、請求項1に記載の展開式テント。
【請求項3】
前記第一のベース部(22)に対する前記第二のベース部(24)の前記旋回軸(X)は、該第一ベース部および該第二のベース部のうちの少なくとも一方に対する前記第一のポール(26)の第一の回転軸(X1)と同一線上にある、請求項1に記載の展開式テント。
【請求項4】
前記フレーム(20)は、前記旋回軸(X)に平行な第二の回転軸(X2)周りに、前記第一のベース部(22)および前記第二のベース部(24)のうちの少なくとも一方に対して旋回自在に取付けられた第二のポール(26’)をさらに備え、前記第二のポールは、該フレームが前記展開位置にある場合に、前記第一のポールと前記ベース平面(P)との間に延在する、請求項1に記載の展開式テント。
【請求項5】
前記第一の補強部(60、160)は、前記第一のキャノピー(36、136)の前記自由遠位端縁(37、137)の前記第一の遠位頂点(66、166)と、前記第一の下方部(72、172)との間に延在する少なくとも一つのロッドを備え、前記ロッドは、前記キャンバス本体(32)に対して旋回自在に関節結合される、請求項1に記載の展開式テント。
【請求項6】
前記第一の補強部(60、160)は、前記フレーム(20)が前記折り畳み位置にある場合に、前記第一のポール(26)に沿って延在する、請求項1に記載の展開式テント。
【請求項7】
前記第一のキャノピー(36、136)は、例えば縫い目によって、前記接続ライン(38、138)の実質的に全長にわたって、前記キャンバス本体(32)に取付けられる、請求項1に記載の展開式テント。
【請求項8】
前記第一のキャノピー(36、136)は、前記第一の補強部(60、160)が前記展開位置にされた場合に、前記第一の上方頂点(46、146)と前記第一の遠位頂点(66、166)との間で緊張される、請求項1に記載の展開式テント。
【請求項9】
前記第一の接続ライン部(44、144)は、前記第一の上方頂点(46、146)と、該第一の上方頂点から離れた第二の上方頂点(50、150)との間に延在する第一の近位頂点(44a、144a)と、前記第二の上方頂点と前記第一の側方頂点(40、140)との間に延在する第二の近位頂点(44b、144b)とを備え、および前記第一の端縁部(68、168)は、前記第一の遠位頂点(66、166)と該第一の遠位頂点から離れた前記自由遠位端縁(37、137)の第二の遠位頂点(74、174)との間に延在する第一の遠位頂点(68a、168a)と、前記第二の遠位頂点と前記第一の側方頂点(40)との間に延在する第二の遠位頂点(68b)とを備え、前記テントは、該第二の遠位頂点と前記キャンバス本体(32)との間に延在する第二の補強部(62、162)をさらに備え、前記第二の補強部はさらに、前記フレームが展開されている場合に、該第二の補強部が前記第一のキャノピー(36、136)の下に延在するように、少なくとも、前記第二の上方頂点の下に配置された第二の下方部(76、176)において、前記テントキャンバス(30)の前記第一の壁(34、134)に対して旋回自在に関節結合され、前記第二の補強部は、展開位置と、前記フレーム(20)が前記折り畳み位置に置かれている場合に、該第二の補強部が前記キャンバス本体に当たって延在する折り畳み位置とを取ることができ、該フレームが前記展開位置になったときに、前記第一の接続ライン部の前記第一の近位頂点および前記第二の近位頂点と、前記第一の端縁部の前記第一の遠位頂点および前記第二の遠位頂点は、前記折り畳み位置から、該キャンバス本体に対して該第一のキャノピーを展開するように該第二の補強部が該テントキャンバスの該第一の壁を横切って突出する前記展開位置へ、該ベース平面(P)に向かって該キャンバス本体に対して前記第二の補強部を旋回させるように、緊張されて該第二の補強部に力を及ぼす、請求項1に記載の展開式テント。
【請求項10】
前記キャンバス本体(32)は、前記テント(10、100)の内部容積を形成するように、少なくとも前記第一のポール(26)と相互に作用する主要部(35)と、該主要部に接続された屋根部(39)とを備え、前記第一のキャノピー(36、136)は、前記屋根部に接続されている、請求項1に記載の展開式テント。
【請求項11】
前記テントキャンバス(30)の前記第一の壁(34)は、前記第一のベース部(22)に対する前記第二のベース部(24)の前記旋回軸(X)を横切って延在する側方壁である、請求項1に記載の展開式テント。
【請求項12】
前記第一の補強部(60)は、前記第一のポール(26)を含む平面内で、前記テントキャンバス(30)の前記第一の壁(36)に対して旋回する、請求項11に記載の展開式テント。
【請求項13】
前記第一の側方頂点(40)および前記第二の側方頂点(42)は、前記第一のポール(26)のいずれかの側に延在する、請求項11に記載の展開式テント。
【請求項14】
前記第一の側方頂点(40)および前記第二の側方頂点(42)は、前記テント(10)の長手方向端部(10a、10b)に近接して配置される、請求項11に記載の展開式テント。
【請求項15】
前記テントキャンバス(30)の前記第一の壁(136)は、前記第一のベース部(22)に対する前記第二のベース部(24)の前記旋回軸(X)に実質的に平行に延在する前方または後方の壁である、請求項1に記載の展開式テント(100)。
【請求項16】
前記テントキャンバス(30)の前記第一の壁(136)は、前記第一のベース部(22)に対する前記第二のベース部(24)の前記旋回軸(X)に実質的に平行に延在する前方または後方の壁であり、前記第一および第二の補強部(160、162)は、全く同じ部材を構成する、請求項9に記載の展開式テント。
【請求項17】
前記第一および第二の補強部(160、162)は、接続部(161)によって相互に接続され、前記接続部は、前記第一の遠位頂点(162)と前記第二の遠位頂点との間で、前記第一のキャノピー(136)の前記自由遠位端縁(137)と相互に作用する、請求項16に記載の展開式テント。
【請求項18】
開口部(86)が、前記テント(100)の前記第一の壁(134)に形成され、前記第一のキャノピー(136)は前記開口部の上に延在している、請求項15に記載の展開式テント。
【請求項19】
前記キャンバス本体(32)は、少なくとも、前記第一の壁(36)を横切り且つ前記第一のベース部(22)に対する前記第二のベース部(24)の前記旋回軸(X)に実質的に平行に延在する第二の壁(134)をさらに備え、前記テントキャンバス(30)は、少なくとも、前記第二の壁の第一の側部(141)に配設された第一の側方頂点(140)と、該第一の側部と反対側の、該第二の壁の第二の側部(143)に配設された第二の側方頂点(142)との間に延在する接続ライン(138)によってキャンバス本体から画定された第二のキャノピー(136)をさらに備え、
前記接続ラインは、前記接続ラインの第一の上方頂点(146)と前記第一の側方頂点との間に延在する第一の接続ライン部(144)と、前記第一の上方頂点と前記第二の側方頂点との間に延在する第二の接続ライン部(148)とを備え、前記第二のキャノピーは、該接続ラインから離れ、および前記第一の側方頂点と第二の側方頂点との間に延在する自由遠位端縁(170)をさらに備え、該自由遠位端縁は、該自由遠位端縁の第一の遠位頂点(166)と該第一の側方頂点との間に延在する第一の端縁部(168)と、前記第一の遠位頂点と前記第二の側方頂点との間に延在する第二の端縁部とを備え、前記テントは、少なくとも、前記第二のキャノピーの該第一の遠位頂点と前記キャンバス本体との間に延在する第一の補助補強部(160)をさらに備え、前記第一の補助補強部はさらに、前記第一の補助補強部が前記第二のキャノピーの下に延在するように、少なくとも、前記第一の上方頂点の下に配置された第一の下方部(172)において、前記テントキャンバスの前記第二の壁に対して旋回自在に関節結合され、前記第一の補助補強部は、展開位置と、前記フレームが前記折り畳み位置に置かれている場合に、該第一の補助補強部が前記キャンバス本体に当たって延在する折り畳み位置とを取ることができ、該フレームが前記展開位置になったときに、前記第一の接続ライン部および前記第二の接続ライン部と、前記第二のキャノピーの前記第一の端縁部および前記第二の端縁部は、前記折り畳み位置から、該キャンバス本体に対して該第二のキャノピーを展開するように、該第一の補助補強部が該テントキャンバスの該第二の壁を横切って突出する前記展開位置へ、該ベース平面に向かって該キャンバス本体に対して前記第一の補助補強部を旋回させるように、緊張されて該第一の補助補強部に力を及ぼす、請求項11に記載の展開式テント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、フレームと、該フレームと相互に作用するテントキャンバスとを備えた、キャンピング用の展開式テントの技術分野に関する。このようなテントは、該テントを利用できるようになっている展開位置と、該テントを保管できる折り畳み位置を取ることができるため、展開式として知られている。
【0002】
この発明は、より正確には、地面に置くように、または、車両の屋根の上に置くように構成され、および扇状に展開できる二つのベース部を備えているフレームを有するテントに関し、それらのテントは、太陽または雨からユーザを守るための少なくとも一つのキャノピーをさらに備えている。
【背景技術】
【0003】
米国特許第9567767(B2)号に記載されているような、車両の該屋根の上に配置されるように構成されたテントが公知である。このテントは、二つのベース部を備えたフレームと、扇状に展開できる複数のポールとを備えている。この特許文書の該テントは、該フレームと相互に作用し、且つキャンバス本体と、該キャンバス本体に接続されたキャノピーとを含むテントキャンバスをさらに備えている。該ユーザを保護するように該キャノピーを展開するために、該ユーザによって、該キャンバス本体と、該キャノピーの端部との間に、挿入式金属ロッドが配置される。
【0004】
このテントに関する一つの欠点は、該キャノピーをぴんと張って展開するのに用いられる該金属ロッドは、該テントを展開した後に、手で設置しなければならないということである。特に、該金属ロッドの該端部を、該キャンバス本体および該キャノピーに配置された小穴に挿入することが望ましい。金属ロッドを取付けるというこのステップは、特に長くかかり、かつ根気がいる可能性が有り、および形成しなければならないキャノピーの数に従って、複数回繰り返さなければならない。さらに、該金属ロッドの取付けは、該ロッドを緊張させる限りにおいては危険であり、該ロッドが間違って配置された場合には、該ユーザの方向に飛ばされる危険性があると判明する可能性がある。さらに、該テントが車両の該屋根に配置される場合には、それらの配置ステップは、高い所で行わなければならず、その場合、該ユーザは、落下やけがの危険を冒すことになる。
【0005】
したがって、該発明によるこのテントの該キャノピーの形成は、特に長くかかりかつ複雑であり、および該ユーザのけがの原因である。
【0006】
また、該ユーザが、このテントを保管したい場合、該ロッドは、取り外さなければならず、該ロッドが適切に保管されない場合には、紛失するリスクが有る。また、該テントが、一旦、折り畳まれてしまわれると、扱い難くなってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明の一つの目的は、上述した問題を改善する展開式テントを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このため、本発明は、
展開式テントであって、
該テント用のベースを形成するように、第一のベース部と、第二のベース部が該第一のベース部の上に載っている折り畳み位置と、該第一のベース部および該第二のベース部がベース平面内で隣り合って延在している展開位置との間で、旋回軸周りに、該第一のベース部に対して旋回自在に取付けられた該第二のベース部とを備えるフレームであって、該フレームは、該第一のベース部および該第二のベース部のうちの少なくとも一方に対して、前記旋回軸と平行な第一の回転軸周りに旋回自在に取付けられた少なくとも一つの第一のポールをさらに備え、前記第一のポールは、該フレームが前記展開位置にある場合には、前記ベース平面を横切って延在するように、および該フレームが前記折り畳み位置にある場合には、該第一のベース部と該第二のベース部との間に延在するように構成される、前記フレームと、
前記フレームと相互に作用するテントキャンバスであって、
a.少なくとも前記テントキャンバスの第一の壁を備えるキャンバス本体と、
b.前記第一の壁の第一の側部に配設された第一の側方頂点と、該第一の側部と反対側の、該第一の壁の第二の側部に配設された第二の側方頂点との間に延在する接続ラインによって、前記キャンバス本体から画定された少なくとも一つの第一のキャノピーであって、該接続ラインは、前記接続ラインの第一の上方頂点と該第一の側方頂点との間に延在する第一の接続ライン部と、前記第一の上方頂点と前記第二の側方頂点との間に延在する第二の接続ライン部とを備え、前記第一のキャノピーは、該接続ラインから離れ、および前記第一の側方頂点と前記第二の側方頂点との間に延在する自由遠位端縁をさらに備え、該自由遠位端縁は、該自由遠位端縁の第一の遠位頂点と該第一の側方頂点との間に延在する第一の端縁部と、前記第一の遠位頂点と該第二の側方頂点との間に延在する第二の端縁部とを備え、前記テントは、少なくとも、該第一の遠位頂点と前記キャンバス本体との間に延在する第一の補強部をさらに備え、前記第一の補強部はさらに、前記フレームが展開されている場合に、該第一の補強部が前記第一のキャノピーの下に延在するように、少なくとも、前記第一の上方頂点の下に配置された第一の下方部において、前記テントキャンバスの前記第一の壁に対して旋回自在に関節結合され、前記第一の補強部は、展開位置と、前記フレームが前記折り畳み位置に置かれている場合に、該補強部が前記キャンバス本体に当たって延在する折り畳み位置とを取ることができ、該フレームが前記展開位置になったときに、前記第一の接続ライン部および前記第二の接続ライン部と前記第一の端縁部および前記第二の端縁部は、前記折り畳み位置から、該キャンバス本体に対して該第一のキャノピーを展開するように、該第一の補強部が該テントキャンバスの該第一の壁を横切って突出する前記展開位置へ、該ベース平面に向かって該キャンバス本体に対して前記第一の補強部を旋回させるように、緊張されて該第一の補強部に力を及ぼす、前記第一のキャノピーと、
を備える、前記テントキャンバスと、
を備える、展開式テントに関する。
【0009】
好ましくは、この発明による該テントは、車両を傷つけることなく、自動車やバンなどの車両の該屋根に載せるのに特に適しているルーフテントである。また、該テントは、例えば、屋外の該地面に、および特に平坦ではない地面に配置することもできる。
【0010】
前記テントは、有利には、長手方向に沿って延在し、および第一および第二の長手方向端部を有している。
【0011】
該第一および第二のベース部は、前記屋根に、または、前記地面に置くように構成されている。好ましくは、該第一のベース部に対する該第二のベース部の該旋回軸は、該テントが載り、および好ましくは、水平方向のままである面に平行に延在する。該ベース平面は、有利には、水平方向に延在する。
【0012】
好ましくは、該第一のポールは、該第一のベース部に対して、または、該第二のベース部に対して、該第一のベース部に対する該第二のベース部の前記旋回軸周りに旋回自在に取付けられる。該第一のポールは、好ましくは、該第一および第二のベース部に対して旋回自在に取付けられる。
【0013】
限定するものではないが、前記第一のポールは、有利には、前記第一のまたは第二のベース部の第一の側方縁部に対して旋回自在に取付けられた第一の端部と、該第一の側方縁部と反対側の、前記第一のまたは第二のベース部の第二の側方縁部に対して旋回自在に取付けられた第二の端部とを有する。
【0014】
該第一のベース部に対する該第二のベース部の旋回は、例えば、前記ポールおよび前記ベース部と相互に作用する該テントキャンバスの構造を考慮して、該第一のベース部または該第二のベース部に対する該第一のポールの旋回を駆動する。
【0015】
有利には、前記第一および第二のベース部ならびに前記少なくとも一つの第一のポールを備える該フレームは、扇状に展開する。
【0016】
該第一のポールは、有利には、「U」字状であり、および第一の側方部と、第二の側方部と、該第一の側方部と第二の側方部を接続する中央部とを備えている。
【0017】
好ましくは、該キャンバス本体および/または該第一のキャノピーは柔らかい。それらは、有利には、巻き取ることができる。
【0018】
相互的には、該キャンバス本体は、該ユーザが風雨を凌ぐことができる該テントの内部容積を形成するように、前記フレームが該展開位置に置かれている場合に前記キャンバス本体が緊張されるように、該フレームと、および具体的には、少なくとも一つの前記第一のポールと相互に作用する。
【0019】
該第一の壁は、該テントの側方壁とすることができ、すなわち、該第一のベース部に対する該第二のベース部の該旋回軸を横切る壁とすることができる。別法として、該第一の壁は、該テントの前方壁または後方壁とすることができ、すなわち、前記旋回軸に平行な壁とすることができる。
【0020】
該接続ラインは、該キャンバス本体と該第一のキャノピーとの境界に形成される。好ましくは、該第一のキャノピーは、該接続ラインによって該キャンバス本体に接続される。さらに好ましくは、限定するものではないが、該第一のキャノピーは、該接続ラインの全長を越えて該キャンバス本体に接続される。該接続ラインは、有利には、該第一のキャノピーの非自由縁部を形成している。該接続ラインは、該当する場合には、互いにある角度を形成するいくつかの部分およびいくつかの頂点を備えていてもよい。該接続ラインは、湾曲させまたは直線状にすることができる。
【0021】
該キャノピーの該自由遠位端縁は、有利には、該キャンバス本体に接続されない。該端縁は、該当する場合には、間にある角度を形成するいくつかの部分およびいくつかの頂点を備えていてもよい。該自由遠位端縁は、湾曲させまたは直線状にすることができる。
【0022】
該第一の上方頂点は、該接続ライン上に形成される。該第一のキャノピーは、好ましくは、少なくとも、前記第一の上方頂点のレベルにおいて、該キャンバス本体に接続される。該第一のキャノピーは、該テントのウィンドウまたは入口の上に配置することができる。
【0023】
有利には、該第一の側方頂点は、該テントの該第一の壁の第一の下方角部に近接して延在し、一方、該第二の側方頂点は、該第一の下方角部と反対側の、該テントの該第一の壁の第二の下方角部に近接して延在する。
【0024】
該第一の補強部は、有利には堅い。限定するものではないが、該補強部は、プラスチック、金属、木製または複合材料とすることができる。該補強部は、わずかに柔軟であってもよい。該第一の補強部は、有利には、該第一の遠位頂点の該レベルにおいて、該キャノピーの該自由遠位端縁に取付けられる。
【0025】
該フレームが、該テントの保管位置に対応する該折り畳み位置になっている場合、該キャンバス本体と該第一のキャノピーは、該第一のベース部と該第二のベース部との間に延在している。それらは緊張されておらず、および有利には、巻き取られている。前記第一の補強部は、該折り畳み位置にあり、および前記第一のベース部と第二のベース部との間に延在している。該折り畳み位置において、該第一の補強部は、有利には、該第一のポールに沿って延在している。該補強部が該折り畳み位置になっている場合、前記第一の補強部は、有利には、該第一および第二のベース部の該縁部を越えて延在していない。
【0026】
本発明により、該フレームが折り畳まれている場合、前記第一の補強部は、該テントキャンバスとの相互作用を保持することができ、このことは、前記第一の補強部の紛失のリスクを低減する。該折り畳み位置において、前記第一の補強部はさらに、一旦、保管されると該テントが占める空間を制限する、低減された容積を有する。該補強部は、好ましくは、該第一の下方部の上に延在する。
【0027】
好ましくは、限定するものではないが、該第一の補強部は、該テントの該第一の壁に、および/または該第一のキャノピーの該自由遠位端縁に着脱可能に取付けられる。有利には、該第一の補強部は、シース、例えば、繊維シース内に配置される。一つの利益は、ユーザのけがのリスクを低減しながら、前記第一の補強部を保護することである。
【0028】
該テントを展開するためには、該フレームを該展開位置にすることが望ましい。このため、該ユーザは、該第二のベース部を該第一のベース部に対して該旋回軸周りに旋回させる。このことは、ユーザが前記第一のポールに対して何らかの操作をすることなく、該第一のポールが該ベース平面を横切って延在するまで、該第一のベース部に対する、または、該第二のベース部に対する、該第一のポールの該旋回を駆動する。
【0029】
好ましくは、限定するものではないが、該テントは、前記第二のベース部の下に、該第二のベース部に対して旋回自在に取付けられた梯子を備えている。該梯子は、該ユーザが、該梯子をレバーとして利用して、該第二のベース部を該第一のベース部に対して旋回させることを可能にする。該梯子を傾けることにより、該第二のベース部は、該第一のベース部に対して回転駆動される。
【0030】
該フレームの該折り畳み位置において、該梯子は、有利には、該第二のベース部に当たって置かれ、およびより具体的には、前記地面に置かれること、または車両の前記屋根に載せられることを目的として該第二のベース部の下方面に当たって置かれる。
【0031】
前記梯子は、有利には伸縮自在である。
【0032】
該フレームが該折り畳み位置から該展開位置にされた場合、少なくとも一つの該第一のポールと相互に作用する該キャンバス本体は、前記少なくとも一つの第一の壁を形成して、該テントの該内部容積を画定するように緊張される。該第一の側方頂点と該第二の側方頂点は、有利には、互いに離される。さらに、該第一の上方頂点と該第二の側方頂点を隔てる距離、および該第一の上方頂点と該第二の側方頂点を隔てる該距離が増加する。その結果として、該接続ラインひいては該第一および第二の接続ライン部が緊張されて、該第一のキャノピーのための緊張ラインを形成する。同様に、該第一の遠位頂点と該第一の側方頂点を隔てる該距離、および該第一の遠位頂点と該第二の側方頂点を隔てる該距離が増加する。該自由遠位端縁およびより正確には、該第一および第二の端縁部も結果として緊張されて、該第一のキャノピーのための緊張ラインを形成する。
【0033】
緊張された該第一および第二の接続ライン部と該第一および第二の端縁部は、そのときに、該第一の遠位頂点の該レベルにおいて、該第一の補強部に力を及ぼす。この力を前提として、該第一の補強部は、該キャンバス本体に対して旋回させることにより、その折り畳み位置から、その展開位置にされる。該第一の補強部は下げられて、該ベース平面の方向において、下方へ旋回する。同様に、該第一の遠位頂点は、該ベース平面に近付けられる。
【0034】
この展開位置において、該第一の補強部は、該テントの該第一の壁を横切って延在し、および該テントの前記第一の壁に当たる。該第一の補強部は、前記キャノピーを緊張させて展開する、該テントの外部に向かう力を該第一のキャノピーに及ぼす。この力は、前記第一の補強部の方向に沿って及ぼされる。さらに、該力は、該第一のキャノピーが、該第一の壁に対して突出する該展開位置に該第一のキャノピーを保持することを可能にし、およびユーザを雨または太陽から守ることを可能にする。
【0035】
さらに、該第一の遠位頂点は、該第一の補強部によって、該キャンバス本体に対して実質的に静止した状態に保持される。該第一および第二の接続ライン部および該第一および第二の端縁部によって該第一の補強部に及ぼされる該力は、前記第一の補強部を該展開位置に有効に保持することを可能にする。一つの利益は、特に、風があっても該キャノピーを展開した状態に保つということである。
【0036】
本発明により、該フレームを該展開位置に置くことは、該ユーザの何らかの追加の操作を要することなく、該第一のキャノピーを展開させることを可能にする。本発明は、該キャノピーまたは複数のキャノピーを支持するように、該金属ロッドの手による配置の工程を省くことを可能にし、該テントの設置時間、および特に該テントキャノピーの形成を容易にし、結果としてそれらを低減する。該テントを設置する際のユーザのけがのリスクも低減される。
【0037】
該フレームの該展開位置において、該第一の上方頂点は、有利には、該テントの該第一の壁を含む平面内に延在する。該第一の下方部は、好ましくは、前記第一の上方頂点の下の、該第一の上方頂点の垂線まで実質的に延在する。
【0038】
展開された場合、該第一の上方頂点と該第一の遠位頂点との間で考えられる該第一のキャノピーの横断寸法は、有利には、該第一の側方頂点と第二の側方頂点との間で考えられる該第一のキャノピーの長さよりも小さく、好ましくは、少なくとも半分である。
【0039】
該テントが車両の該屋根に取付けられた場合、有利には、該テントは、該展開位置にある場合に、前記屋根に対して片持ち梁状に延在する。その場合、好ましくは、該梯子は、該第二のベース部を支持する、該テントのための支柱を構成する。
【0040】
有利には、該第一の補強部は、該第一のキャノピーによって該第一の補強部に及ぼされる力と、該第一のテント壁によって該第一の補強部に及ぼされる相対的な力が、該第一の補強部が当たる該テントの該第一の壁に垂直に向けられているおかげで、該補強部が該展開位置にある場合に、該テントの該第一の壁に直角に延在する。これらの力は、前記第一の補強部を該展開位置に保持する傾向があり、例えば、風が有る場合に、都合の悪い方法で折り畳むことをより効果的に防ぐ。
【0041】
好ましくは、該第一および第二のベース部は、該フレームが該展開位置にある場合、該テント用の床を画定するプレートの形を取る。一つの利益は、該テントが上に載る地形または屋根にユーザが直接接触しないようにすることである。このことは、特に、該ユーザが、前記ベース部によって形成される平らな面に彼のマットレスを配置することを可能にする。また、このことは、該テントが載る面からの湿気の浸入も低減する。そのため、該ユーザの快適さが向上する。
【0042】
有利には、該第一のベース部に対する該第二のベース部の該旋回軸は、該第一のベース部および第二のベース部のうちの少なくとも一方に対する該第一のポールの第一の回転軸と同一線上にある。その結果として、該フレームは、扇状に展開する。
【0043】
有利には、該フレームは、該第一のベース部および第二のベース部のうちの少なくとも一方に対して、前記旋回軸に平行な第二の回転軸周りに旋回自在に取付けられた第二のポールをさらに備え、前記第二のポールは、該フレームが該展開位置にある場合に、該第一のポールと該ベース平面との間に延在する。
【0044】
この第二のポールは、該テントのより大きな内部容積を画定することを可能にし、該ユーザの該快適さを向上させる。該第二のポールは、有利には、該フレームが該展開位置にある場合に、該ベース平面を横断して延在するように、および該フレームが該折り畳み位置にある場合には、該第一のベース部と該第二のベース部との間に延在するように構成される。
【0045】
該フレームのこの展開位置において、該第二のポールは、好ましくは、15°~80°の角度で、好ましくは該ベース平面に対して傾斜されている。好ましくは、該第二のポールは、該第二のベース部に対して旋回自在に取付けられ、および該フレームが展開されている場合には、この第二のベース部に対して傾斜される。
【0046】
好ましくは、前記第一の補強部は、該第一のキャノピーの該自由遠位端縁の該第一の遠位頂点と、該第一の下方部との間に延在する少なくとも一つのロッドを備え、前記ロッドは、該キャンバス本体に対して旋回自在に関節結合されている。
【0047】
前記ロッドは、該第一の遠位頂点の該レベルにおいて、該第一のキャノピーに接続された第一の端部と、該第一の下方部の該レベルにおいて、該キャンバス本体に対して関節結合された第二の端部とを備えている。前記ロッドは、一定の長さである。その長さは、該ロッドが該展開位置にある場合に、該第一のキャノピーの緊張を可能にするように選択される。
【0048】
好ましくは、該第一の補強部は、該フレームが該折り畳み位置にある場合に、前記第一のポールに沿って延在する。一つの利益は、一旦、保管されると、該テントの容積が低減されるということである。その場合、前記第一の補強部は、もはや該第一の壁を横切って突出していないことは理解されるであろう。
【0049】
有利には、該第一のキャノピーは、例えば、縫い目によって、該接続ラインの実質的に全長にわたって該キャンバス本体に取付けられる。一つの利益は、該第一のキャノピーを該キャンバス本体に接続するという工程が省かれることであり、該テントの該設置を容易にする。別の利益は、雨が該第一のキャノピーと、該テントの該第一の壁との間に入り込むことが回避されるということである。
【0050】
好ましくは、該第一のキャノピーは、前記第一の補強部が該展開位置にされた場合に、前記第一の上方頂点と前記少なくとも一つの第一の遠位頂点との間で緊張される。換言すると、緊張ラインが、前記第一の上方頂点と前記第一の遠位頂点との間に形成される。一つの利益は、前記第一のキャノピーを越える雨の流出を改善するために、それら二つの頂点間で該キャノピーをより効果的に緊張させるということである。このことはさらに、該第一のキャノピーが、該雨をそこに溜めることができるであろうボウルを形成するのを回避することを可能にする。
【0051】
本発明の特に有利な態様によれば、前記第一の接続ライン部は、前記第一の上方頂点と、該第一の上方頂点から離れた第二の上方頂点との間に延在する第一の近位頂点と、前記第二の上方頂点と前記第一の側方頂点との間に延在する第二の近位頂点とを備え、および前記第一の端縁部は、前記第一の遠位頂点と、該第一の遠位頂点から離れた前記自由遠位端縁の第二の遠位頂点との間に延在する第一の遠位頂点と、前記第二の遠位頂点と前記第一の側方頂点との間に延在する第二の遠位頂点とを備え、前記テントは、該第二の遠位頂点と前記キャンバス本体との間に延在する第二の補強部をさらに備え、前記第二の補強部はさらに、前記フレームが展開されている場合に、該第二の補強部が前記第一のキャノピーの下に延在するように、少なくとも、前記第二の上方頂点の下に配置された第二の下方部において、前記テントキャンバスの前記第一の壁に対して旋回自在に関節結合され、前記第二の補強部は、展開位置と、該フレームが前記折り畳み位置に置かれている場合に、該第二の補強部が前記キャンバス本体に当たって延在する折り畳み位置とを取ることができ、該フレームが前記展開位置になったときに、前記第一の接続ライン部の前記第一および第二の近位頂点と、前記第一の端縁部の前記第一および第二の遠位頂点は、前記折り畳み位置から、該キャンバス本体に対して該第一のキャノピーを展開するように、該第二の補強部が該テントキャンバスの該第一の壁を横切って突出する前記展開位置へ、該ベース平面に向かって該キャンバス本体に対して前記第二の補強部を旋回させるように、緊張されて該第二の補強部に力を及ぼす。該第二の補強部は、該第二の遠位頂点の該レベルにおいて、該第一のキャノピーに追加的な力を及ぼして、形成されるシェルターを改善するために、前記第一のキャノピーをより効果的に緊張させることを可能にする。前記第二の補強部はさらに、特に風により効果的に耐えるために、該キャノピーを該展開位置に、より有効に保つことを可能にする。
【0052】
該第二の補強部は、有利には、該第一の補強部と実質的に同一であり、および該フレームが該展開位置になった場合に、該キャンバス本体に対して同様に旋回する。該第一の下方部と該第二の下方部は、互いに離れている。有利には、該第一の補強部と該第二の補強部は、これらが該展開位置にある場合に、互いに対して平行に延在する。該第二の補強部は、有利には、該第一の補強部と同じ長さであり、または、わずかに短い。
【0053】
限定するものではないが、該テントは、第三の補強部を備えることができるであろう。
【0054】
有利には、該キャンバス本体は、該テントの内部容積を形成するように、少なくとも前記第一のポールと相互に作用する該主要部と、該主要部に接続された屋根部とを備え、前記第一のキャノピーは、前記屋根部に接続されている。そのため、この非限定的構成において、該キャンバス本体は、互いに接続された二つの部材状になっている。前記屋根部は、デュアルルーフとも呼ばれる、該テント用のオーバールーフを構成する。一つの利益は、キャノピーを形成するための選択肢を保持しながら、該テントの防水性を向上させるということである。限定するものではないが、該第一のキャノピーと該屋根部は、全く同一の部分を形成することができる。
【0055】
好ましくは、限定するものではないが、該第一の上方頂点と該第一の遠位頂点との間に考えられる該第一のキャノピーの横断寸法は、該第一の下方部と該第一の遠位頂点との間に考えられる該第一の補強部の該長さよりも大きい。その場合、該第一の上方頂点と、該第一の下方部と、該第一の遠位頂点は、三角形、好ましくは正三角形を有利に画定し、その斜辺は、該第一の上方頂点と該第一の遠位頂点との間の該長さである。この構成は、該展開位置での該第一の補強部のより良好な保持を可能にし、および該第一の上方頂点と該第一の遠位頂点との間に、該第一のキャノピーのより良好な緊張をもたらす。
【0056】
第一の有利な実施形態によれば、該テントキャンバスの前記第一の壁は、該第一のベース部に対する該第二のベース部の該旋回軸を横切って延びる側方壁である。その場合、前記第一の壁は、該ベースの側方端縁から延在する。その場合、該第一のキャノピーは、該テントのための側方キャノピーを構成する。
【0057】
該フレームが折り畳まれた場合、該第一および第二の側方頂点は互いに近付く。該フレームが展開された場合には、該第一の側方頂点と第二の側方頂点は互いに離れて、該接続ラインおよび該自由遠位端縁の該緊張と、該第一の補強部の該展開位置への配置とを可能にする。
【0058】
好ましくは、該第一の補強部は、該第一のポールを含む平面内で、該テントキャンバスの該第一の壁に対して旋回する。該第一の補強部は、有利には、該ベース平面と平行な軸周りに旋回する。
【0059】
有利には、該第一の側方頂点と該第二の側方頂点は、該第一のポールのどちらかの側部に延在する。
【0060】
好ましくは、該第一の側方頂点と該第二の側方頂点は、該テントの長手方向端部に近接して配置される。一つの利益は、より大きなシェルターを該ユーザに提供するために、該テントの該長手方向に沿って考えられる該第一のキャノピーの該寸法が増加するということである。
【0061】
第二の有利な実施形態によれば、該テントキャンバスの該第一の壁は、該第一のベース部に対する該第二のベース部の前記旋回軸に実質的に平行に延在する前方または後方の壁である。
【0062】
その場合、該第一のキャノピーは、例えば、該テントの入口を形成する開口部を見渡す、該テント用の後方キャノピーまたは前方キャノピーを構成する。
【0063】
有利には、該第一の補強部と第二の補強部は、全く同一の部分を構成する。そのため、該第一および第二の補強部は、該テント本体に対して共同で旋回し、従って、同時に該展開位置または該折り畳み位置にされる。一つの利益は、該キャノピーを該展開位置に、より有効に保持するということである。
【0064】
好ましくは、該テントは、前記第一および第二の補強部から成る緊張要素を備えている。
【0065】
好ましくは、該第一の補強部と第二の補強部は、接続部によって相互に接続され、前記接続部は、該第一の遠位頂点と該第二の遠位頂点との間で、該第一のキャノピーの該自由遠位端縁と相互に作用する。該接続部は、該第一の遠位頂点と該第二の遠位頂点との間で、該第一のキャノピーの該自由遠位端縁を補強することを可能にする。このことは、雨の場合に、または、ユーザが押下した場合に、それがたるむことを回避することを可能にする。
【0066】
好ましくは、該第一および第二の補強部と、該接続部は、「U」字状の緊張要素を構成し、該第一の補強部と第二の補強部は、該「U」の枝部を形成し、一方、該接続部は、該「U」の底部を構成する。
【0067】
好ましくは、該テントの前記第一の壁に開口部が形成され、前記第一のキャノピーは、前記開口部の上に延在する。
【0068】
有利には、該テントは、少なくとも、前記第一の壁を横切り且つ前記第一のベース部に対する前記第二のベース部の前記旋回軸に実質的に平行に延在する第二の壁をさらに備え、前記テントキャンバスは、少なくとも、前記第二の壁の第一の側部に配設された第一の側方頂点と、該第一の側部と反対側の、該第二の壁の第二の側部に配設された第二の側方頂点との間に延在する接続ラインによってキャンバス本体から画定された第二のキャノピーをさらに備え、前記接続ラインは、前記接続ラインの第一の上方頂点と前記第一の側方頂点との間に延在する第一の接続ライン部と、前記第一の上方頂点と前記第二の側方頂点との間に延在する第二の接続ライン部とを備え、前記第二のキャノピーは、該接続ラインから離れ、および前記第一の側方頂点と第二の側方頂点との間に延在する自由遠位端縁をさらに備え、該自由遠位端縁は、該自由遠位端縁の第一の遠位頂点と該第一の側方頂点との間に延在する第一の端縁部と、前記第一の遠位頂点と前記第二の側方頂点との間に延在する第二の端縁部とを備え、前記テントは、少なくとも、前記第二のキャノピーの該第一の遠位頂点と前記キャンバス本体との間に延在する第一の補助補強部をさらに備え、前記第一の補助補強部はさらに、前記第一の補助補強部が前記第二のキャノピーの下に延在するように、少なくとも、前記第一の上方頂点の下に配置された第一の下方部において、前記テントキャンバスの前記第二の壁に対して旋回自在に関節結合され、前記第一の補助補強部は、展開位置と、前記フレームが前記折り畳み位置に置かれている場合に、該第一の補助補強部が前記キャンバス本体に当たって延在する折り畳み位置とを取ることができ、該フレームが前記展開位置になったときに、前記第一および第二の接続ライン部と、前記第二のキャノピーの前記第一および第二の端縁部は、前記折り畳み位置から、該キャンバス本体に対して該第二のキャノピーを展開するように、該第一の補助補強部が該テントキャンバスの該第二の壁を横切って突出する前記展開位置へ、該ベース平面に向かって該キャンバス本体に対して前記第一の補助補強部を旋回させるように、緊張されて該第一の補助補強部に力を及ぼす。
【0069】
そのため、この変形例においては、該テントは、二つのキャノピーを備え、一方は、該テントの側方壁を形成する該第一の壁から延在し、他方は、該テントの前方または後方の壁を形成する該第二の壁から延在している。該二つのキャノピーは、該フレームが展開された場合に展開される。
【図面の簡単な説明】
【0070】
本発明は、添付図面を参照して、非限定的な例として提示された本発明の実施形態の以下の説明を読めば、良好に理解されるであろう。
図1】該フレームが折り畳み位置になっている、本発明によるテントの第一の実施形態を示す。
図2】該フレームが展開する途中にある、図1の該テントを示す。
図3】該展開位置における、図1の該テントの該フレームを示す。
図4】該フレームが該展開位置にある、図1の該テントを示す。
図5】別の角度から見たときの図4の該テントを示す。
図6】該フレームが該展開位置にある場合の本発明によるテントの第二の実施形態を示す。
図7】別の角度から見たときの図6の該テントを示す。
図8】本発明によるテントの第三の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0071】
本発明は、少なくとも一つの展開式キャノピーを備えた展開式テントに関する。
【0072】
次に、本発明によるテントの第一の実施形態について、図1図5を用いて説明する。図1は、該地面または自動車の該屋根とすることができる面Sに配置されるように構成された、本発明による展開式テント10の第一の実施形態を示す。この図1において、該テントは、車両V、この場合は自動車の該屋根Sに載っており、および保管位置になっている。
【0073】
本発明によれば、該テント10は、フレーム20と、該フレームと相互に作用するように構成されたテントキャンバス30とを備えている。この非限定的な実施例において、該フレームは、第一のベース部22と、該第一のベース部に対して旋回軸X周りに旋回自在に取付けられた第二のベース部24とを備えている。
【0074】
該第一および第二のベース部22、24は、堅いプレートの形態を取り、および実質的に同一である。該第二のベース部は、該第一のベース部22の前縁22aに対して旋回自在に取付けられた前縁24aを有する。該テント10が前記屋根Sに載っている場合、前記旋回軸Xは、前記屋根と平行に水平方向に延在している。
【0075】
該フレームは、図3に見える、第一のポール26と、第二のポール26’と、第三のポール26”とをさらに備え、各々は、該第一および第二のベース部22、24の一方に対して旋回自在に取付けられている。
【0076】
該テントキャンバス30は、該フレーム20と相互に作用し、および該第一および第二のベース部22、24に取付けられている。
【0077】
この非限定的な実施例において、該テントは、該第二のベース部24の下に旋回自在に取付けられた第一の端部Eを有する伸縮自在の梯子Eをさらに備えている。該梯子は、該梯子の自由端を形成している第二の端部Eをさらに備えている。
【0078】
該テント10が、図1に示す該保管位置になっている場合、該フレーム20は、該折り畳み位置になっている。該第二のベース部24は、前記第一のベース部と実質的に平行に、該第一のベース部22の上に載っている。該テントキャンバス30は、緊張されておらず、および第一のベース部22と第二のベース部24との間に延在している。同様に、該第一、第二および第三のポール26、26’、26”は、互いに接触して、および互いに平行に、該第一のベース部と第二のベース部との間に延在している。該梯子Eは、該第二のベース部24に接触して延在し、および長さが短くなるように、引込み位置になっている。
【0079】
テントを使用位置に配置するために、該ユーザは、図2に示すように、該第一のベース部22に対して該旋回軸X周りに該第二のベース部24を旋回させることによって、該フレーム20を展開する。この非限定的な実施例において、該ユーザは、まず、該伸縮自在な梯子Eをその長さを増加させるように展開し、そのとき、該梯子は、水平方向に延在し、および該車両の該屋根に対して片持ち梁状に突出する。次に、該ユーザは、該梯子を実質的に垂直な方向に傾けるように、該車両Vが載っている該地面の方向に、該梯子の該自由端Eを引き寄せる。次いで、該梯子は、レバーの役割を果たし、および図2を見て分かるように、該第一のベース部22に対する、該第二のベース部24の該旋回を駆動する。
【0080】
そして、該梯子は、その自由端Eが該地面に載るまで引っ張られる。該第二のベース部24は、図3および図4を見て分かるように、該第一のベース部22に隣接して延在するまで旋回される。
【0081】
図3は、該展開位置の該テント10の該フレーム20を示す。該テントキャンバス30は、該フレーム20をより明確に見ることができるように図示されていない。この展開位置において、該第一および第二のベース部22、24は、ベース25と、該テントのための床を構成するように、同じベース平面P内に隣り合って延在している。その場合、該テント10は、長手方向Yに沿って延在している。
【0082】
この図3においては、該フレームは、該ベースの第一の長手方向端部25aに取付けられた第一のプレート27を備えていることが分かる。該第一のプレート27は、該第一のベース部22に固定された第一のプレート部分27aと、該第二のベース部24に固定された第二のプレート部分27bとを備えている。該第二のプレート部分27bは、該第一のプレート部分27aに対して、該旋回軸X周りに旋回自在に取付けられている。該フレームは、該ベース25の第二の長手方向端部25bに取付けられた第二のプレート27’をさらに備えている。また、該第二のプレート27’は、第一のプレート部と、該第一のプレート部に対して、該旋回軸X周りに旋回自在に取付けられた第二のプレート部とを備えている。前記第一および第二のプレート27、27’は、該第一のベース部22に対する該第二のベース部24の旋回自在取付けを可能にしている。
【0083】
該第一、第二および第三のポール26、26’、26”は同一である。前記ポール26、26’、26”の各々は、該ベース25の該第一の側方縁25aと第二の側方縁25bとの間に延在している。該ポールは「U」字状であり、およびそれぞれ、該ベース25の該第一の側方縁25aに対して旋回自在に取付けられた第一の端部26a、26’a、26”aと、該ベースの該第二の側方縁25bに対して旋回自在に取付けられた、該第一の端部と反対側の第二の端部26b、26’b、26”bとを備えている。さらに、それらは、それぞれ、第一の側方部26dと、第二の側方部26eと、該第一の側方部と第二の側方部を接続する中央部26cとを備えている。
【0084】
該第一のポール26は、該第一および第二のベース部22、24に対して、該旋回軸Xと同一線上の第一の回転軸X周りに旋回自在に取付けられている。より正確には、該第一のポール26の該第一の端部26aは、該第一のプレート27の第一および第二の部分27a、27bに旋回自在に取付けられ、および該第一のポール26の該第二の端部26bは、該第一の回転軸Xに沿って、該第二のプレート27’の該第一および第二の部分に旋回自在に取付けられている。
【0085】
該第二のポール26’は、該第二のベース部24に対して、該旋回軸Xに平行な第二の回転軸X周りに旋回自在に取付けられている。より正確には、該第二のポール26’の該第一の端部26’aは、該第一のプレート27の該第二の部分27bに対して旋回自在に取付けられ、および該第二のポール26’の該第二の端部26’bは、該第二の回転軸Xに沿って、該第二のプレート27’の該第二の部分に対して旋回自在に取付けられている。
【0086】
該第三のポール26”は、該第一のベース部に対して、該旋回軸Xと平行な第三の回転軸X周りに旋回自在に取付けられている。より正確には、該第三のポール26”の該第一の端部26”aは、該第一のプレート27の該第一の部分27aに対して旋回自在に取付けられ、該第三のポール26”の該第二の端部26”bは、該第二のプレート27’の該第一の部分に対して、該第三の回転軸Xに沿って旋回自在に取付けられている。
【0087】
図4に図示されているように、該フレーム20が展開された場合、該テントは、該第一のベース部22のみが該屋根に載るとともに、該第二のベース部24は、前記屋根に載らないように、該車両Vの該屋根Sから片持ち梁状に突出して延在する。その場合、該梯子Eは、該地面に載って、前記第二のベース部を、ひいては該テントを部分的に支持するように構成された支柱を構成する。
【0088】
図4を見ても分かるように、該テントキャンバス30は、該フレーム20と相互に作用するキャンバス本体32を備えている。より正確には、該キャンバス本体32は、該第一のベース部22および該第二のベース部24に取付けられた主要部35を備え、および第一のポール26、第二のポール26’および第三のポール26”に接続されている。
【0089】
該第一のベース部22に対して該第二のベース部24を旋回させることによって、該フレーム20が、該折り畳み位置から該展開位置にされた場合、該キャンバス本体32は、その該ポールおよび該ベース部との相互作用によって緊張される。その結果として、緊張ライン33が、それぞれ、該第二のベース部24と該第二のポール26’との間の、該第二のポール26’と該第一のポール26との間の、該第一のポール26と該第三のポール26”との間の、および該第三のポール26”と該第一のベース部22との間の、該キャンバス本体32上に形成される。これらの緊張ラインは、図3に点線で図示されている。それらの緊張ラインは、該第一、第二および第三のポールの各々が該ベースおよび該ベース平面Pに対して横断方向に延在するまで、該旋回軸X周りの該第一、第二および第三のポールの該旋回を引き起こす。
【0090】
この非限定的な実施例において、該フレーム20の該展開位置においては、該第一のポール26は、実質的に垂直な面内において、該ベース平面Pに実質的に垂直に延在している。この展開位置において、該第二のポール26’は、該第一のポール26と該ベース平面Pとの間に、およびより正確には、該第一のポールと該第二のベース部24との間に延在している。同様に、この展開位置において、該第三のポール26”は、該第一のポール26と該ベース平面Pとの間に、およびより正確には、該第一のポールと該第一のベース部22との間に延在している。この非限定的な実施例において、該第一のポール26と該第二のポール26’との間の角度、および該第一のポール26と該第三のポール26”との間の該角度は約45°に等しい。さらに、該フレームの該展開位置において、該第二のポール26’は、限定するものではないが、約45°に等しい角度だけ、該第二のベース部24に対して傾斜している。同様に、該第三のポール26”は、限定するものではないが、45°に等しい角度だけ、該第一のベース部22に対して傾斜している。
【0091】
該フレーム20が該展開位置にある場合、該キャンバス本体32、特に該主要部35は、該フレーム20と、特に該ポールと、緊張されて、該テントの内部容積を画定するように相互に作用する。
【0092】
この第一の実施形態において、および図4に図示されているように、該キャンバス本体32は、該テント10の側壁を構成する第一の壁34を備えている。この第一の壁34は、該旋回軸Xに対して実質的に垂直かつ直角に延在している。該テントキャンバス30は、第一の側方頂点40と第二の側方頂点42との間に延在している接続ライン38によって、該キャンバス本体32から画定されている第一のキャノピー36をさらに備えている。
【0093】
この非限定的な実施例において、該第一のキャノピー36は、連続する縫い目によって、該第一の側方頂点40から該第二の側方頂点42まで、該接続ライン38の全長にわたって、該キャンバス本体32および該第一の壁34に取付けられている。該第一の側方頂点40は、該第一の壁34の第一の側部41に配設され、一方、該第二の側方頂点42は、該第一の側部41と反対側の、該第一の壁の第二の側部43に配設されている。この非限定的な実施例において、該第一および第二の側方頂点40、42は、該第一のポール26のいずれかの側に延在している。さらに、該第一の側方頂点40は、該テント10の第一の長手方向端部10aに近接して配置され、一方、該第二の側方頂点42は、該テントの第二の長手方向端部10bに近接して配置されている。
【0094】
該接続ライン38は、該接続ラインの第一の上方頂点46と、該第一の側方頂点40との間に延在する第一の接続ライン部44を備えている。該接続ライン38は、前記第一の上方頂点46と前記第二の側方頂点42との間に延在する第二の接続ライン部48をさらに備えている。
【0095】
該第一の接続ライン部44は、該第一の上方頂点46と第二の上方頂点50との間に延在する第一の近位頂点44aと、前記第二の上方頂点50と前記第一の側方頂点40との間に延在する第二の近位頂点44bとを備えている。該第二の上方頂点50は、該接続ライン38上に形成され、および該第一の上方頂点46から離れている。該第二の上方頂点は、該第一の上方頂点46よりもわずかに低く、該第一の壁34の該第一の側部41に延在している。該第二の上方頂点は、該第二のポール26’に実質的に対向して延在している。
【0096】
さらに、図5に図示されているように、該第二の接続ライン部48は、該第一の上方頂点46と第三の上方頂点52との間に延在する第一の近位頂点48aと、前記第三の上方頂点52と前記第二の側方頂点42との間に延在する第二の近位頂点48bとを備えている。該第三の上方頂点52は、第一および第二の上方頂点46、50から離れており、および該第一の上方頂点46よりもわずかに低く、該第一の壁34の該第二の側部43に延在している。該第三の上方頂点は、該第三のポール26”に実質的に対向して延在している。
【0097】
さらに、該第一のキャノピー36は、該接続ライン38および該キャンバス本体32から離れている自由遠位端縁37を備えている。該自由遠位端縁37は、前記第一の側方頂点40と第二の側方頂点42との間に延在している。該自由遠位端縁37は、該自由遠位端縁の第一の遠位頂点66と、該第一の側方頂点40との間に延在している第一の端縁部68を備えている。該自由遠位端縁は、前記第一の遠位頂点66と該第二の側方頂点42との間に延在している第二の端縁部70をさらに備えている。前記第一および第二の端縁部は、特に図5において視認できる。
【0098】
該第一の端縁部68は、前記第一の遠位頂点66と、該第一の遠位頂点66から離れている、該自由遠位端縁37の第二の遠位頂点74との間に延在する第一の遠位頂点68aをさらに備えている。該第一の端縁部は、前記第二の遠位頂点74と該第一の側方頂点40との間に延在する第二の遠位頂点68bも備えている。該第一の遠位頂点66は、該第一の上方頂点46に対向して配置されている。該第二の遠位頂点74は、該第二の上方頂点50に対向して配置されている。
【0099】
該第二の端縁部70は、前記第一の遠位頂点66と、該第一の遠位頂点66から離れている、該自由遠位端縁37の第三の遠位頂点76との間に延在する第一の遠位頂点70aをさらに備えている。該第三の遠位頂点76と該第二の遠位頂点74は、該第一の遠位頂点66のいずれかの側に延在している。また、該第二の端縁部70は、前記第三の遠位頂点76と該第二の側方頂点42との間に延在する第二の遠位頂点70bも備えている。
【0100】
本発明によれば、該テント10は、この非限定的な実施例においては、第一のロッド60から成る第一の補強部60を備えている。この非限定的な実施例において、該フレームは、該第二のロッド62から成る第二の補強部62と、第三のロッド64から成る第三の補強部64とをさらに備えている。前記補強部60、62、64は堅く、および一定の長さである。限定するものではないが、それらはさらに、実質的に同一であり、同じ長さである。本発明の範囲から逸脱することなく、該第二および第三の補強部は、該第一の補強部よりもわずかに短くすることができるであろう。この非限定的な実施例において、前記補強部は、繊維シース内に配置される。
【0101】
該第一の補強部60は、該第一の遠位頂点66と該キャンバス本体32との間に、およびより正確には、この非限定的な実施例においては、該第一の遠位頂点と該第一の壁34との間に延在している。該第一の補強部60は、該第一のキャノピー36の該自由遠位端縁37の該第一の遠位頂点66に取付けられた第一の端部60aを備えている。該第一のロッド60は、第一の下方部72において、該第一のポール26に対向して該テントキャンバス30の該第一の壁34に旋回自在に関節結合(articulated pivotably)された第二の端部60bをさらに備えている。該第一の下方部72は、前記第一の上方頂点46の下に配置されている。
【0102】
同様に、該第二の補強部62は、該第二の遠位頂点74と、該キャンバス本体32との間に、より正確には、この非限定的な実施例においては、該第二の遠位頂点と該第一の壁34との間に延在している。該第二の補強部62は、該第一のキャノピー36の該自由遠位端縁37の該第二の遠位頂点74に取付けられた第一の端部62aを備えている。該第二の補強部62は、第二の下方部76において、該第二のポール26’に対向して該テント10の該第一の壁34に旋回自在に関節結合された第二の端部62bをさらに備えている。該第二の下方部76は、前記第二の上方頂点50の下に配置されている。
【0103】
該第三の補強部64は、該第三の遠位頂点76と、該キャンバス本体32との間に、より正確には、この非限定的な実施例においては、該第三の遠位頂点と該第一の壁34との間に延在している。該第三の補強部64は、該第一のキャノピー36の該自由遠位端縁37の該第三の遠位頂点76に取付けられた第一の端部64aを備えている。該第三の補強部64は、第三の下方部80において、該第三のポール26”に対向して該テント10の該第一の壁34に旋回自在に関節結合された第二の端部64bをさらに備えている。該第三の下方部80は、前記第三の上方頂点52の下に配置されている。
【0104】
該補強部20が該展開位置にある場合、該第一、第二および第三の補強部60、62、64は、前記第一のキャノピー36の下に延在している。該第一、第二および第三の補強部60、62、64は、該第一のポール26、第二のポール26’および第三のポール26”をそれぞれ含む平面内で、該第一の壁34に対して旋回する。この非限定的な実施例において、該第一、第二および第三の補強部60、62、64は、該第一の壁34および該第一のキャノピー36に着脱可能に取付けられている。
【0105】
該旋回軸Xに直角な平面を考えると、該旋回軸Xと、該第一の下方部72と、該第一の上方頂点46は、一直線上にある。同様に、前記平面を考えると、該旋回軸Xと、該第二の下方部76と、該第二の上方頂点50は一直線上にあり、および該旋回軸Xと、該第三の下方部80と、該第三の上方頂点52は、一直線上にある。
【0106】
図1に示す該フレーム20の該折り畳み位置において、および図2の中間位置を見て分かるように、該第一、第二および第三の補強部60、62、64は、該折り畳み位置にあり、および該キャンバス本体32に沿って延在している。該キャンバス本体32は、部分的に透明であり、また、該キャンバス本体が、該第一、第二および第三の補強部60、62、64を隔てているが、これらの補強部がそれぞれ該第一、第二および第三のポール26、26’、26”に沿って延在していることも図2を見て分かる。
【0107】
図2の該中間位置を介した、図1から図3への変移によって図示されているように、該フレーム20を該展開位置にするように、該ユーザが該第二のベース部24を旋回させると、該キャンバス本体32が緊張されて、該第一の側方頂点40と該第二の側方頂点42との間の距離が増加する。その結果として、該第一および第二の接続ライン部44、48および該第一および第二の端縁部68、70が緊張される。より正確には、該第一および第二の接続ライン部44、48の該第一の近位頂点44a、48aおよび第二の近位頂点44b、48b、および該第一および第二の端縁部68、70の該第一の遠位頂点68a、70aおよび第二の遠位頂点68b、70bが緊張されて、緊張ラインを画定する。これらの緊張ラインは、直線状にすることができ、または湾曲させることができる。
【0108】
該第一および第二の接続ライン部44、48、および該第一および第二の端縁部68、70は、緊張された場合、該第一の補強部60の該第一の端部60aに力を及ぼす。そして、該第一の補強部60は、図1および図2の該折り畳み位置から、図3の該展開位置へ、該ベース平面Pに向かって該キャンバス本体32に対して旋回する。該展開位置において、該第一の補強部60は、該テントキャンバスの該第一の壁34を横切って突出している。
【0109】
同様に、該第一の接続ライン部44の該第一および第二の近位頂点44a、44b、および該第一の端縁部68の該第一および第二の遠位頂点68a、68bは、緊張されると、該第二の補強部62の該第一の端部62aに力を及ぼす。該第二の補強部62は、該折り畳み位置から、該補強部が該テントキャンバスの該第一の壁34を横切って突出する該展開位置へ、該ベース平面Pに向かって該キャンバス本体32に対して旋回する。該第二の接続ライン部48の該第一および第二の近位頂点48a、48b、および該第二の端縁部70の該第一および第二の遠位頂点70a、70bは、緊張されると、該第三の補強部64の該第一の端部64aに力を及ぼす。該第三の補強部64は、該折り畳み位置から、該補強部が該テントキャンバスの該第一の壁34を横切って突出する該展開位置へ、該ベース平面Pに向かって該キャンバス本体32に対して旋回する。
【0110】
限定するものではないが、該第一、第二および第三の補強部60、62、64は、該展開位置に向かって、実質的に同時に旋回する。
【0111】
この非限定的な実施例においては、該展開位置において、該第一、第二および第三の補強部60、62、64は、該テント30の該第一の壁34に対して直角に延在している。これらの補強部の各々は、該テントの該第一の壁34に当たって、それぞれ該第一の遠位頂点66、第二の遠位頂点74および第三の遠位頂点76のレベルにおいて、該第一のキャノピー36に力を及ぼす。これらの力は、該第一の壁34に直角に前記補強部に沿って向けられ、および該テントの該内部容積の外部に向けられている。該第一、第二および第三の補強部によって及ぼされるこれらの力は、該第一のキャノピー36を揚げることおよび該キャノピーを展開することを可能にする。該第一のキャノピー36は、展開された場合、該第一の壁34から突出して延在する。該第一のキャノピー36は、特に該第一の上方頂点46と該第一の遠位頂点66との間で、該第二の上方頂点50と該第二の遠位頂点74との間で、および該第三の上方頂点52と該第一の遠位頂点76との間でさらに緊張され、そこにそれぞれ三つの緊張ライン82、83、84が形成される。
【0112】
したがって、該第一のキャノピー36は、該フレーム20が展開されると、該ユーザが、該補強部を取付けるか、または手で展開する必要性を伴うことなく、自動的に展開される。
【0113】
該展開位置において、前記第一、第二および第三の補強部は、該第一のキャノピー36および該キャンバス本体32によって前記補強部に及ぼされる相対的力を考慮して、該キャンバス本体に対して実質的に固定保持される。したがって、該第一のキャノピーは、効果的な方法で該展開位置に保持される。
【0114】
該ユーザが、該テントを保管することを望む場合、彼は、該フレーム20を該折り畳み位置にするように、該第一のベース部22に向かって該第二のベース部24を旋回させるように該梯子Eを持ち上げる。次に、該第一、第二および第三のポール26、26’、26”は、前記第一のベース部に当たって延在するまで、該第一のベース部22に向かって旋回する。そして、該第一および第二の接続ライン部と、該第一および第二の端縁ライン部は、該第一、第二および第三の補強部60、62、64が、該第一の壁34に対して旋回して、それらの補強部が該ポールおよび該キャンバス本体32に沿って延在する中間位置に対応する該折り畳み位置になっているため、もはや緊張されていない。したがって、該第一のキャノピーも、該ユーザの直接的な介在なしで、自動的に折り畳まれて、該キャンバス本体に沿って延在する。
【0115】
図6および図7は、該展開位置における、本発明による展開式テント100の第二の実施形態を示す。図1図5の該第一の実施形態と共通する要素は、値を100だけ増した同じ参照数字を有している。図6を見て分かるように、該キャンバス本体32は、ここでは二つの部材になっており、および該主要部35に加えて、該主要部の上に配置され、および該主要部に接続された屋根部39を備えている。該屋根部39は、該テント用のオーバールーフを構成する。この第二の実施形態による該テントの該補強部20は、該第一の実施形態の該テントの該補強部20と同一である。
【0116】
この第二の実施形態において、および図6に図示されているように、該キャンバス本体32は、およびより正確には、該主要部35は、該テント100の前方壁を構成する第一の壁134を備えている。この第一の壁134は、該旋回軸Xに平行に延在している。該テントキャンバス30は、第一の上方頂点140と第二の側方頂点142との間に延在する接続ライン138によって該キャンバス本体32から画定される第一のキャノピー136をさらに備えている。
【0117】
前記第一の壁134には開口部86が形成されており、該第一のキャノピー136は、該開口部の上に延在している。この開口部は、該テントの入口を構成している。
【0118】
この非限定的な実施例において、該第一のキャノピー136は、該第一の側方頂点140から該第二の側方頂点142まで、連続する縫い目によって、該接続ライン138の該全長にわたって、該キャンバス本体32の該屋根部39に接続されて取付けられている。前記接続ライン138は、該第一のキャノピー136を、該キャンバス本体32の該屋根部39から画定している。また、該第一のキャノピーは、該第一の側方頂点と第二の側方頂点との間に延在する自由遠位端縁137も備えている。
【0119】
この第二の実施形態において、該テント100は、二つの補強部、すなわち、各々が一つのロッドから成る、第一の補強部160および第二の補強部162のみを備えている。前記第一の補強部160と第二の補強部162は、全く同じ部材を構成し、および接続部161によって相互に接続されている。この非限定的な実施例において、該接続部161は、該第一の補強部の遠位端と第二の補強部の遠位端を接続するロッドから成る。該第一および第二の補強部160、162は、該接続部161とともに、「U」字状の緊張要素を構成している。該接続部161は、該第一の遠位頂点166と該第二の遠位頂点174との間で、該第一のキャノピー136の該自由遠位端縁137と相互に作用する。
【0120】
該第一の実施形態の場合のように、該接続ライン138は、第一および第二の接続ライン部144、148を備え、該自由遠位端縁137は、第一および第二の端縁部168、170を備えている。該第一の接続ライン部144は、該第一の上方頂点146と該第二の上方頂点150との間に延在する第一の近位頂点144a、および前記第二の上方頂点150と前記第一の側方頂点140との間に延在する第二の近位頂点144bを備えている。該第一の端縁部168は、該自由遠位端縁137の該第一の遠位頂点166と該第二の遠位頂点174との間に延在する第一の遠位頂点168a、および前記第二の遠位頂点174と該第一の側方頂点140との間に延在する第二の遠位頂点168bを備えている。
【0121】
該第一の実施形態と同じ方法で、該ユーザが該フレーム20を該展開位置にすると、該キャンバス本体32が緊張され、および該第一および第二の接続ライン部144、148と、該第一および第二の端縁部168、170が緊張されて、該第一の補強部160に力を及ぼす。同様に、該第一の接続ライン部144の該第一および第二の近位頂点144a、144bと、該第一の端縁部168の該第一および第二の遠位頂点168a、168bは、緊張されると、該第二の補強部162に力を及ぼす。
【0122】
そして、該第一および第二の補強部160、162は、該折り畳み位置から、図6および図7に示す該展開位置へ、該ベース平面Pに向かって、該キャンバス本体32の該第一の壁134および該主要部35に対して旋回する。この展開位置において、該第一および第二の補強部160、162は、該第一のキャノピー136が展開されるように、該テントキャンバスの該第一の壁134を横切って突出している。
【0123】
換言すると、該第一の補強部160ひいては該第一のキャノピー136は、該補強部が展開されると、自動的に該展開位置にされる。
【0124】
図8は、該第一の実施形態の該第一のキャノピー36と同様の第一のキャノピー36と、該第二の実施形態の該第一のキャノピーと同様の第二のキャノピー136とを備えている、本発明による展開式テント10’の第三の実施形態を示す。前記第一のキャノピー36および第二のキャノピー136は、前述したように、該フレーム20が展開されると展開される。このため、該テントは、該第一のキャノピーと相互に作用し、および第一、第二および第三の補強部が、該キャンバス本体32に対して該第一のキャノピー136を展開するように、該テントキャンバスの該第一の壁34に対して横方向に突出する展開位置を特に取ることができる、該補強部60、62、64を備えている。該テント10’は、該第二のキャノピーと相互に作用し、および該キャンバス本体に対して旋回自在に取付けられた第一および第二の補助補強部160、162をさらに備えている。これらの補助補強部は、該キャンバス本体に対して該第二のキャノピー136を展開するように、該テントキャンバスの該第二の壁134を横切って突出する展開位置を取ることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【外国語明細書】