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特開2023-59865商標活用支援装置、商標活用支援方法、およびコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023059865
(43)【公開日】2023-04-27
(54)【発明の名称】商標活用支援装置、商標活用支援方法、およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/18 20120101AFI20230420BHJP
【FI】
G06Q50/18 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166431
(22)【出願日】2022-10-17
(31)【優先権主張番号】P 2021169608
(32)【優先日】2021-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】300092334
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(72)【発明者】
【氏名】正林 真之
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC33
(57)【要約】
【課題】商標の活用に適した出願内容を提示する。
【解決手段】商標活用支援装置は、法人又は個人にかかる情報と、法人又は個人において使用している商標または使用予定の商標とを取得する取得手段と、前記法人又は個人にかかる情報と、前記法人又は個人において使用している商標または前記使用予定の商標とに基づいて、商標登録出願のための商標、指定商品もしくは指定役務、または出願人の候補を提示する提示手段と、を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
法人又は個人にかかる情報と、法人又は個人において使用している商標または使用予定の商標とを取得する取得手段と、
前記法人又は個人にかかる情報と、前記法人又は個人において使用している商標または前記使用予定の商標とに基づいて、商標登録出願のための商標、指定商品もしくは指定役務、または出願人の候補を提示する提示手段と、
を有する商標活用支援装置。
【請求項2】
前記提示手段は、商標を使用する法人又は個人とは異なる法人又は個人を出願人として提示する、
請求項1に記載の商標活用支援装置。
【請求項3】
前記法人又は個人にかかる情報は、法人又は個人にかかる属性情報、事業内容、および事業形態を含む、
請求項1に記載の商標活用支援装置。
【請求項4】
商標の候補、指定商品もしくは指定役務の候補、及び、出願人の候補のうち少なくとも一つの候補の経済的な評価値、法的な評価値、マーケティングに関する評価値のうち少なくともいずれか1つの評価値を算出するスコア算出手段をさらに有し、
前記提示手段は、前記評価値に基づいて、商標登録出願に適した商標、指定商品もしくは指定役務、または出願人の候補における評価を行う、
請求項1に記載の商標活用支援装置。
【請求項5】
前記提示手段は、前記スコア算出手段によって算出された評価値の高い順に、商標登録出願に適した商標、指定商品もしくは指定役務、または出願人の候補を提示する、
請求項4に記載の商標活用支援装置。
【請求項6】
前記商標に関するライセンス料徴収範囲を抽出する抽出手段をさらに有し、
前記提示手段は、前記ライセンス料徴収範囲、前記法人又は個人にかかる情報と、前記法人又は個人において使用している商標または前記使用予定の商標とに基づいて、商標登録出願に適した商標、指定商品もしくは指定役務、または出願人の候補を提示する、
請求項1に記載の商標活用支援装置。
【請求項7】
前記法人又は個人にかかる情報に基づいて、前記法人又は個人が商標を活用するための適性パターンを判定する適性パターン判定手段をさらに有し、
前記提示手段は、前記適性パターンを提示する、
請求項1に記載の商標活用支援装置。
【請求項8】
前記適性パターン判定手段は、少なくとも前記法人又は個人の所定の利益に基づいて、前記適性パターンを判定する、
請求項7に記載の商標活用支援装置。
【請求項9】
法人又は個人にかかる情報と、法人又は個人において使用している商標または使用予定の商標とを取得する取得ステップと、
前記法人又は個人にかかる情報と、前記法人又は個人において使用している商標または前記使用予定の商標とに基づいて、商標登録出願に適した商標、指定商品もしくは指定役務、または出願人の候補を提示する提示ステップと、
を有する商標活用支援方法。
【請求項10】
法人又は個人にかかる情報と、法人又は個人において使用している商標または使用予定の商標とを取得する取得ステップと、
前記法人又は個人にかかる情報と、前記法人又は個人において使用している商標または前記使用予定の商標とに基づいて、商標登録出願に適した商標、指定商品もしくは指定役務、または出願人の候補を提示する提示ステップと、
をコンピュータによって実行させるためのコンピュータプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商標活用支援装置、商標活用支援方法、およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商標登録出願を支援する技術として、入力された検索キーワードに対応する商品および役務の区分に属するすべての商品又は役務を表示する技術が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-34671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ユーザが商標の活用を考慮した際に、どの商標をどのような出願内容で出願すればよいかを提示することは困難であった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、商標の活用に適した出願内容を提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様は、
法人又は個人にかかる情報と、法人又は個人において使用している商標または使用予定の商標とを取得する取得手段と、
前記法人又は個人にかかる情報と、前記法人又は個人において使用している商標または前記使用予定の商標とに基づいて、商標登録出願のための商標、指定商品もしくは指定役務、または出願人の候補を提示する提示手段と、
を有する商標活用支援装置である。
【0007】
また、前記提示手段は、商標を使用する法人又は個人とは異なる法人又は個人を出願人として提示するとよい。
これにより、ライセンス料の発生により商標権の財産的活用の効果を高めることができる。
【0008】
また、前記法人又は個人にかかる情報は、法人又は個人にかかる属性情報、事業内容、および事業形態を含むとよい。
これにより、例えば、適切な者に商標権を取得させることにより、事業承継時における事業安定性や、コスト削減、節税効果を見込むこともできる。
【0009】
また、商標の候補、指定商品もしくは指定役務の候補、及び、出願人の候補のうち少なくとも一つの候補の経済的な評価値、法的な評価値、マーケティングに関する評価値のうち少なくともいずれか1つの評価値を算出するスコア算出手段をさらに有し、前記提示手段は、前記評価値に基づいて、商標登録出願に適した商標、指定商品もしくは指定役務、または出願人の候補における評価を行うとよい。
これにより、経済的スコア、法的スコア、マーケティングスコアを顧客端末に提示することで、これらの評価を参考にして、顧客が商標登録出願に適した組合せを選択(決定)しやすくすることができる。
【0010】
また、前記提示手段は、前記スコア算出手段によって算出された評価値の高い順に、商標登録出願に適した商標、指定商品もしくは指定役務、または出願人の候補を提示するとよい。
これにより、複数の組合せの中から顧客が商標登録出願に適した組合せを選択(決定)しやすくすることができる。
【0011】
また、前記商標に関するライセンス料徴収範囲を抽出する抽出手段をさらに有し、前記提示手段は、前記ライセンス料徴収範囲、前記法人又は個人にかかる情報と、前記法人又は個人において使用している商標または前記使用予定の商標とに基づいて、商標登録出願に適した商標、指定商品もしくは指定役務、または出願人の候補を提示するとよい。
これにより、ライセンス料徴収範囲に応じた商標権の財産的な活用を促すことができる。
【0012】
また、前記法人又は個人にかかる情報に基づいて、前記法人又は個人が商標を活用するための適性パターンを判定する適性パターン判定手段をさらに有し、前記提示手段は、前記適性パターンを提示するとよい。
これにより、商標の活用スキームのうち、顧客にとって最適な活用パターンを適性パターンとして容易に提示することができる。
【0013】
また、前記適性パターン判定手段は、少なくとも前記法人又は個人の所定の利益に基づいて、前記適性パターンを判定するとよい。
これにより、商標の活用スキームのうち、顧客の利益を考慮した活用パターンを適性パターンとして提示することができる。
【0014】
また、本発明の一態様は、
法人又は個人にかかる情報と、法人又は個人において使用している商標または使用予定の商標とを取得する取得ステップと、
前記法人又は個人にかかる情報と、前記法人又は個人において使用している商標または前記使用予定の商標とに基づいて、商標登録出願に適した商標、指定商品もしくは指定役務、または出願人の候補を提示する提示ステップと、
を有する商標活用支援方法である。
【0015】
また、本発明の一態様は、
法人又は個人にかかる情報と、法人又は個人において使用している商標または使用予定の商標とを取得する取得ステップと、
前記法人又は個人にかかる情報と、前記法人又は個人において使用している商標または前記使用予定の商標とに基づいて、商標登録出願に適した商標、指定商品もしくは指定役務、または出願人の候補を提示する提示ステップと、
をコンピュータによって実行させるためのコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、商標の活用に適した出願内容を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】商標権者と商標の使用者の例を示す図である。
図2】システムの構成の概略を示す図である。
図3】サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】サーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図5】スコア算出の一例を示す図である。
図6】提示処理の動作を示すフローチャートである。
図7】サーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図8】適性パターン判定処理の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1実施形態)
<概要>
以下、本実施形態について、図面を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る商標活用の事例を示す図である。本実施形態では、商標の使用者と商標権者とが異なる例について説明する。
【0019】
図1の例では、商標TM1~TM4の使用者である事業会社TUと、商標TM1~TM4それぞれの商標権者が示されている。図1では商標と商標権者の組合せとして、4つのパターンが示されている。
【0020】
1つ目のパターンとして、事業会社TUの創業者であるオーナーTR1が商標TM1の商標権者である例が示されている。1つ目のパターンでは、オーナーTR1は、事業会社TUに商標TM1の使用許諾を行う代わりに、商標TM1の権利使用料(ロイヤリティ)を得る例が示されている。
【0021】
2つ目のパターンとして、上述のオーナーTR1の家族TR2が商標TM2の商標権者である例が示されている。2つ目のパターンでは、上述と同様に、家族TR2は、事業会社TUに商標TM2の使用許諾を行う代わりに、商標TM2の権利使用料(ロイヤリティ)を得る例が示されている。
【0022】
3つ目のパターンとして、上述の事業会社TUとは異なる会社である資産管理会社TR3が商標TM3の商標権者である例が示されている。3つ目のパターンでは、上述と同様に、資産管理会社TR3は、事業会社TUに商標TM3の使用許諾を行う代わりに、商標TM3の権利使用料(ロイヤリティ)を得る例が示されている。
【0023】
4つ目のパターンとして、上述の事業会社TUの親会社TR4が商標TM4の商標権者である例が示されている。4つ目のパターンでは、上述と同様に、親会社TR4は、事業会社TUに商標TM4の使用許諾を行う代わりに、商標TM4の権利使用料(ロイヤリティ)を得る例が示されている。
【0024】
このように、商標登録出願において、対象とする商標や、商標権者の組合せは複数存在する。また、指定商品や指定役務も考慮すると、さらに多くの組合せが存在する。しかし、ライセンス料を取得するような財産的な商標活用に着目した場合に、どの組合せが最も適しているかをユーザ自身が決定することは困難であった。そこで、本実施形態では、商標活用に適した商標、指定商品(指定役務)、商標権者の候補を提示する例について説明する。なお、本実施形態では、使用されている商標は、出願されていない商標である例について説明するが、これに限定されず、出願済みの商標であってもよい。例えば、出願済の商標である場合、出願済の商標登録出願に係る出願内容に関わらず、商標活用に適した商標、指定商品(指定役務)、商標権者の候補が提示される。なお、事業会社は、一般的な企業を示す広い概念であって、法人又は個人(個人事業主)を含むものとする。なお、出願人の候補は、上記のパターン1~4に限定されず、例えば、事業会社等の社員(例えば、役員)等であってもよい。
【0025】
<システム構成>
図2は、本実施形態に係る候補提示システムのシステム構成の概要を示す図である。本実施形態に係る候補提示システムは、処理を行うサーバ1(商標活用支援装置)と、当該候補提示システムを使用するユーザが操作する顧客端末2とが、インターネット等の所定のネットワークNを介して相互に接続されることで構成される。サーバ1は、顧客端末2の各動作と協働して各種処理を実行する。顧客端末2は、例えば、上述のオーナーTR1が操作する端末である。
【0026】
<ハードウェア構成>
図3は、本実施形態に係るサーバ1のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、を備えている。
【0027】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14には、入出力インターフェース15も接続されている。
【0028】
入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。出力部16は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、各種情報を画像や音声として出力する。入力部17は、キーボードやマウス等で構成され、各種情報を入力する。記憶部18は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置との間で通信を行う。
【0029】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア21が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア21から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0030】
なお、図示はしないが、顧客端末2は、図3に示すハードウェア構成を有する。
【0031】
<機能構成>
図4は、本実施形態に係るサーバ1における機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。サーバ1のCPU11においては、動作する際に、取得部31、抽出部32、選択部33、スコア算出部34および提示部35が機能する。
【0032】
取得部31は、属性情報、事業内容、事業形態、使用している商標、使用予定の商標を取得する。取得部31は、上述の情報を顧客端末2から取得してもよく、一般的な企業データベースや企業のホームページ等から自動で取得してもよい。本実施形態では、取得された顧客の情報(属性情報、事業内容、事業形態等)は、記憶部18内の顧客情報DB41に記録されるものとする。また、本実施形態では、取得された商標に関する情報(使用している商標、使用予定の商標)は、記憶部18内の商標情報DB42に記録されるものとする。なお、取得部31は、上述の事業会社の社員や、オーナーの家族に関する情報を取得してもよい。以下、属性情報、事業内容、事業形態、使用している商標、使用予定の商標について説明する。
【0033】
属性情報は、上述の事業会社における売上規模や利益の規模を示す情報である。属性情報としては、例えば、上述の事業会社の所在地、資本金、従業員数、創業年、沿革等が挙げられる。
【0034】
事業内容は、上述の事業会社における事業の内容を示す情報である。事業内容(事業分野)としては、例えば、企業データベースや企業のホームページから取得できる情報や業種(例えば、不動産業、電気・ガス・熱供給・水道業、教育・学習支援業、飲食業、宿泊業、卸売・小売業、IT・インターネット関連、サービス業、コンサルティング業、建設業、医療・福祉、金融・保険業、運送関連等)等が挙げられる。
【0035】
事業形態は、上述の事業会社における将来性を示す情報である。事業形態としては、例えば、事業計画、経営計画等が挙げられる。
【0036】
使用している商標は、上述の事業会社において使用している商標である。本実施形態では、出願していない商標を例に説明するが、出願済の商標や、登録済の商標であってもよい。これは、出願済の商標や、登録済の商標であっても、同様の商標を新たに出願することが考えられるためである。なお、使用している商標は、顧客端末2から取得する代わりに、上述の属性情報や事業内容等に基づいて取得してもよい。例えば、事業会社のホームページ等に基づいて、使用している商標を取得してもよい。
【0037】
使用予定の商標は、上述の事業会社において、使用を予定している商標である。本実施形態では、出願していない商標を例に説明するが、上述と同様に出願済の商標や、登録済の商標であってもよい。なお、使用予定の商標は、顧客端末2から取得する代わりに。上述の事業形態等に基づいて取得してもよい。例えば、事業計画に記載の商標を取得してもよい。
【0038】
なお、商標が出願済みであるか否か、または登録済であるか否かについては、商標情報検索サイト等に基づいて取得部31によって判定されてもよく、顧客端末2から(ユーザから)取得部31が受け付けてもよい。
【0039】
抽出部32は、ライセンス料徴収範囲を抽出する。
ライセンス料徴収範囲は、商標権を取得した場合に、商標権者が商標の使用者からライセンス料を徴収可能な事業の範囲を示す。
例えば、抽出部32は、使用している商標の場合、事業内容と業界での一般的料率のリストに基づいて、実際に徴収可能な事業を抽出する。
また、例えば、抽出部32は、使用予定の商標の場合、事業計画書等の資料に基づいて、業種、品目を抽出して、業界での一般料率のリストと照合して抽出する。
すなわち、抽出部32は、事業会社(法人又は個人(個人事業主))が当該商標を使用する商品・サービスの範囲も考慮してライセンス料徴収範囲を抽出する。
なお、ライセンス料には、本実施形態では、料率×売上(または利益)等の売上(または利益)に応じたいわゆるランニングロイヤリティや、最初に支払ういわゆるイニシャルフィー等が含まれるものとする。
なお、ライセンス料徴収範囲は、取得部31によって顧客端末2等から取得されてもよい。
【0040】
選択部33は、事業会社に関連する出願人に対応する指定商品(指定役務)を選択する。換言すると、選択部33は、出願人の情報を取得して、事業会社に関連する出願人において、個人または法人では商標権を取得できない指定商品(指定役務)を除いて、上述の指定商品(指定役務)を選択する。例えば、特定の士業や銀行等に関する指定役務については、当該特定の士業や銀行等以外は指定することができない。よって、選択部33は、事業会社に関連する出願人が指定可能な指定商品(指定役務)を選択する。なお、出願人の情報は、取得部31によって取得されてもよく、選択部33によって取得されてもよい。
【0041】
スコア算出部34は、取得部31によって取得された商標、当該商標や事業内容に対応する指定商品(指定役務)、および事業会社に関連する出願人のそれぞれまたは組合せに対して、スコア(評価値)を算出する。具体的には、スコア算出部34は、ライセンス料徴収範囲、属性情報、事業内容、事業形態、取得部31によって取得された使用している商標、当該商標の使用状況または使用予定の商標等に基づいて、スコアを算出する。本実施形態では、スコア算出部34は、経済的スコア(経済的な評価値)、法的スコア(法的な評価値)、マーケティングスコア(マーケティングに関する評価値)のうち少なくともいずれか1つに基づいて上述のスコアを算出する。例えば、スコア算出部34は、経済的スコア、法的スコア、マーケティングスコアの合計値を上述のスコアとして算出する。
なお、スコア算出部34は、上述のスコア算出において経済的スコアの比重を高くするなど、スコアの種類毎に重み付けを行ってもよい。なお、スコア算出部34は、経済的スコア、法的スコア、マーケティングスコアそのものを上述のスコアとして算出してもよい。
なお、指定商品(指定役務)、出願人の情報は、取得部31によって取得されてもよく、抽出部32によって各種情報から抽出されてもよい。また、指定商品(指定役務)は、選択部33によって選択された指定商品(指定役務)とするとよい。
【0042】
経済的スコアは、予想されるライセンス料(金額)や、商標権者等に基づく金銭的価値を示すスコアである。例えば、適切な者に商標権を取得させることにより、事業承継時における事業安定性や、コスト削減、節税効果を見込むこともできる。例えば、経済的スコアは、1から5の5段階で評価されるスコアであって、金銭的価値が高いほど経済的スコアが高くなるものとする。経済的スコアの評価方法は特に限定されず種々の方法が適用可能である。例えば、価値評価額に応じて経済的スコアの評価を行ってもよく、機械学習により生成した分類器を用いて、経済的スコアの評価を行ってもよい。経済的スコアに基づいて、商標、当該商標や事業内容に対応する指定商品(指定役務)、および事業会社に関連する出願人のそれぞれまたは組合せに対する評価を行うことで、例えば、コスト削減や、節税効果を見込むこともできる。
【0043】
法的スコアは、商標登録の可能性を評価したスコアである。例えば、法的スコアは、1から5の5段階で評価されるスコアであって、商標登録の可能性が高いほど法的スコアが高くなるものとする。法的スコアの評価方法は特に限定されず種々の方法が適用可能である。例えば、検索サイト等で商標を検索した際のヒット数に応じて法的スコアの評価を行ってもよく、機械学習により生成した分類器を用いて、法的スコアの評価を行ってもよい。
【0044】
マーケティングスコアは、マーケティングにおいての有用性(例えば、覚えやすいネーミングであるか否か)を評価したスコアである。例えば、マーケティングスコアは、1から5の5段階で評価されるスコアであって、有用性が高いほどマーケティングスコアが高くなるものとする。マーケティングスコアの評価方法は特に限定されず種々の方法が適用可能である。例えば、商標が文字である場合、文字の長さが短いほどスコアが高くなるようにマーケティングスコアの評価を行ってもよく、機械学習により生成した分類器を用いて、マーケティングスコアの評価を行ってもよい。
【0045】
提示部35は、上述の各スコアに基づいて、商標登録出願に適した商標、指定商品(指定役務)、および出願人の候補を提示する。例えば、提示部35は、上述のスコア算出部34によって算出されたスコアに基づいて、当該スコアの高い順に、商標登録出願に適した商標、指定商品もしくは指定役務、または出願人の候補を提示する。なお、本実施形態では、提示部35は、スコアの高い上位3パターンのみ提示するものとするが、提示するパターンの数は特に限定されない。
【0046】
ここで、商標登録出願に適した商標としては、屋号、ブランド名(商品名、サービズ名等)が挙げられる。
また、商標登録出願に適した指定商品(指定役務)としては、使用している商標の場合、商標登録出願に適した商標を使用している指定商品(指定役務)が挙げられる。
また、商標登録出願に適した指定商品(指定役務)としては、使用予定の商標の場合、商標登録出願に適した商標において将来的に売り上げが見込まれる指定商品(指定役務)が挙げられる。
さらに、商標登録出願に適した出願人とは、事業会社のオーナー、当該オーナーの家族、社員、法人との間に資本関係がある個人(例えば、その法人に出資している個人)、親会社、兄弟会社、子会社、持ち株会社、資産管理会社、資本関係のない企業等が挙げられる。
【0047】
<スコア算出例>
図5Aから図5Cは、上述のスコア算出部34によって行われる、スコア算出の一例を示す図である。図5Aは、取得部31によって商標1から商標3の3つの商標が取得された場合に、各商標について算出された経済的スコア、法的スコア、マーケティングスコアの例を示す図である。
具体的には例えば、図5Aでは、商標1の経済的スコアが5、法的スコアが3、マーケティングスコアが5、これらの合計スコアが13である例を示している。
同様に、商標2の経済的スコアが3、法的スコアが5、マーケティングスコアが3、これらの合計スコアが11である例を示している。
同様に、商標3の経済的スコアが1、法的スコアが3、マーケティングスコアが3、これらの合計スコアが7である例を示している。
図5Aに示すスコアの場合、提示部35は、商標1、商標2、商標3の順に顧客端末2に提示する。このように、提示部35は、商標、指定商品(指定役務)、出願人のいずれかのみについて候補を提示してもよい。
なお、本実施形態では、スコア算出において、複数の商標の候補、指定商品(指定役務)の候補、出願人の候補のすべてを組み合わせて、上述の合計スコアを算出するものとするが、これに限定されない。例えば、ユーザによって指定(選択)された1つまたは複数の商標の候補、指定商品(指定役務)の候補、出願人の候補を組み合わせて、スコア算出を行ってもよい。
また、本実施形態では、スコア算出において、商標の候補、指定商品もしくは指定役務の候補、及び、出願人の候補のうち少なくとも一つの候補の各種スコア(一種類以上のスコア)を算出してもよい。以下、商標の候補、指定商品もしくは指定役務の候補、及び、出願人の候補の組合せに対して、各種スコアを算出する例について説明する。
【0048】
図5Bは、取得部31によって商標1から商標3の3つの商標が取得された場合に、下記の組合せパターン1から組合せパターン3のそれぞれについて算出された経済的スコア、法的スコア、マーケティングスコアの例を示す図である。
組合せパターン1:「商標1、指定商品・役務1、出願人1」
組合せパターン2:「商標2、指定商品・役務2、出願人2」
組合せパターン3:「商標3、指定商品・役務3、出願人3」
具体的には例えば、図5Bでは、組合せパターン1の経済的スコアが5、法的スコアが3、マーケティングスコアが5、これらの合計スコアが13である例を示している。
同様に、組合せパターン2の経済的スコアが3、法的スコアが5、マーケティングスコアが3、これらの合計スコアが11である例を示している。
同様に、組合せパターン3の経済的スコアが1、法的スコアが3、マーケティングスコアが3、これらの合計スコアが7である例を示している。
図5Bに示すスコアの場合、提示部35は、組合せパターン1、組合せパターン2、組合せパターン3の順に顧客端末2に提示する。このように、提示部35は、商標、指定商品(指定役務)、出願人の組合せごとに候補を提示してもよい。
【0049】
図5Cは、取得部31によって商標1から商標3の3つの商標が取得された場合に、下記の組合せパターン4から組合せパターン6のそれぞれについて算出された経済的スコア、法的スコア、マーケティングスコアの例を示す図である。
組合せパターン4:「商標1、指定商品・役務2、出願人3」
組合せパターン5:「商標2、指定商品・役務3、出願人1」
組合せパターン6:「商標3、指定商品・役務2、出願人3」
具体的には例えば、図5Cでは、組合せパターン4の経済的スコアが3、法的スコアが5、マーケティングスコアが5、これらの合計スコアが13である例を示している。
同様に、組合せパターン5の経済的スコアが1、法的スコアが3、マーケティングスコアが3、これらの合計スコアが7である例を示している。
同様に、組合せパターン6の経済的スコアが3、法的スコアが5、マーケティングスコアが3、これらの合計スコアが11である例を示している。
図5Cに示すスコアの場合、提示部35は、組合せパターン4、組合せパターン6、組合せパターン5の順に顧客端末2に提示する。
【0050】
ここで、組合せパターンごとの各スコアの算出方法については特に限定されない。
商標については、例えば、図5Aを用いて説明したように、商標の活用の有用性(例えば、ロイヤリティ額)に基づいて、有用性が高いほど各種スコアを高く、有用性が低いほど各種スコアを低くしてもよい。
指定商品(指定役務)については、例えば、事業内容等に基づいて商標と親和性が高い指定商品等については経済的スコア、法的スコア、マーケティングスコア等の各種スコアを高く設定することができる。
出願人については、ライセンス料を発生させるため、例えば、使用者と異なる出願人であれば各種スコアを高くして、使用者と同じ出願人であれば各種スコアを低くすることができる。また、例えば、出願人については、個人であれば各種スコアを高くして、法人であれば各種スコアを低くしてもよい。
なお、本実施形態では、経済的スコア、法的スコア、マーケティングスコアのすべてに基づいて合計スコアを算出しているが、これに限定されず、上述の各スコアのうち少なくとも1つ以上のスコアに基づいて合計スコアを算出してもよい。例えば、経済的スコアのみを用いて合計スコア(=経済的スコア)を算出してもよい。なお、この場合、合計スコアの算出に用いられるスコア以外の各スコア(例えば、法的スコア、マーケティングスコア)については、算出されなくてもよい。
【0051】
<処理内容>
図6は、本実施形態に係る提示処理の動作を示すフローチャートである。
【0052】
ステップS1では、取得部31は、顧客端末2から顧客の会社情報を取得する。本実施形態では、顧客の会社情報には、属性情報、事業内容、事業形態等が含まれる。
【0053】
ステップS2では、取得部31は、顧客端末2から顧客の商標に関する情報を取得する。本実施形態では、顧客の商標に関する情報は、顧客が使用している商標、または使用予定の商標が含まれる。
【0054】
ステップS3では、抽出部32は、ライセンス料徴収範囲を抽出する。なお、ライセンス料徴収範囲は、上述のとおり、取得部31によって顧客端末2等から取得されるとよい。
【0055】
ステップS4では、選択部33は、事業会社に関連する出願人に対応する指定商品(指定役務)を選択する。
【0056】
ステップS5では、スコア算出部34は、経済的スコア(経済的な評価値)、法的スコア(法的な評価値)、マーケティングスコア(マーケティングに関する評価値)を算出する。本実施形態では、スコア算出部34は、上述の3種類のスコアを求める例について説明するが、スコア算出部34によって算出されるスコアの種類や数は特に限定されない。
【0057】
ステップS6では、スコア算出部34は、経済的スコア、法的スコア、マーケティングスコアの合計スコアを算出する。なお、スコア算出部34は、上述のとおり上述の3種類のスコアの合計スコア(または各スコアの平均スコア等の統計値)を算出してもよく、経済的スコアの比重を高くするなど、スコアの種類毎に重み付けを行ってもよい。また、スコア算出部34は、経済的スコア、法的スコア、マーケティングスコアそのものを提示部35に出力してもよい。
なお、上述のとおり、各スコアのうち少なくとも1つ以上のスコアに基づいて合計スコアを算出してもよい。例えば、経済的スコアのみを用いて合計スコア(=経済的スコア)を算出してもよい。
【0058】
ステップS7では、提示部35は、合計スコアの高い順に、商標、指定商品(指定役務)、出願人の候補を顧客端末2に提示する。
【0059】
<本実施形態の有利な効果>
上述の実施形態によれば、商標権のライセンス料を得るような財産的な活用を望む顧客に対して、商標登録出願に適した商標、指定商品(指定役務)、出願人のいずれか、またはこれらの組合せを提示することができる。
【0060】
上述の実施形態によれば、商標の使用者と異なる法人または個人を出願人の候補として提示することで、ライセンス料の発生により商標権の財産的活用の効果を高めることができる。
【0061】
上述の実施形態によれば、例えば、事業会社のオーナーが事業承継を考えた際に、ブランドを適切に保護するための商標登録出願を支援することができる。ブランドを将来に渡って守る(ブランド価値の棄損を防ぐ)ためには、適切な者に商標権を取得させることが望ましいため、企業価値を高め、商標権の財産的な活用を望む顧客に対して特に有用である。また、適切な者に商標権を取得させることにより、コスト削減や、節税効果を見込むこともできる。
【0062】
上述の実施形態によれば、商標権の管理会社(資産管理会社;商標権者と当該商標を使用して事業を行う者との仲介会社)において、どの商標をどの出願人や指定商品(指定役務)で保護するべきかを考慮する際に、適切な出願内容を提示することができる。
【0063】
上述の実施形態によれば、顧客の属性情報、事業内容、事業形態等を考慮することで、より顧客の事業に適した商標、指定商品(指定役務)、出願人の候補を提示することができる。
【0064】
上述の実施形態によれば、顧客端末に対して、スコアの高い順に商標、指定商品(指定役務)、出願人を提示することで、複数の組合せの中から顧客が商標登録出願に適した組合せを選択(決定)しやすくすることができる。また、上述の実施形態によれば、経済的スコア、法的スコア、マーケティングスコアを顧客端末に提示することで、これらの評価を参考にして、顧客が商標登録出願に適した組合せを選択(決定)しやすくすることができる。
【0065】
上述の実施形態によれば、ライセンス料徴収範囲に基づいて、商標登録出願に適した組合せを提示することで、当該ライセンス料徴収範囲に応じた商標権の財産的な活用を促すことができる。なお、上述のように、ライセンス料徴収範囲は、顧客端末から取得してもよく、サーバによって抽出されてもよい。
【0066】
上述の実施形態によれば、例えば、以下のような事例で特に有用である。すなわち、ある商標Aを商品H(売上:年間3億円、ライセンス料の相場は3%)に使用し、事業αを行っている企業Xがあるとする。ここで、企業Xは、この度、企業Xのオーナーである甲から、甲の家族である乙にいわゆる事業承継を行い、乙が企業Xの社長になることとなったとする。乙は、企業Xとしては事業αを行う事業会社として存続させつつ、企業Xの親会社として財産管理等を行うホールディング会社Zを設立するとともに、事業αで使用する商標を商標Aから商標B,C,D等に変更し、商品も商品Hだけでなく、商品I(ライセンス料の相場は2%)等に拡大しようと思っているとする。このような場合に、商標を有効活用するために、どのような商標、指定商品(指定役務)、出願人で商標登録出願を行えばよいのかを決定するための候補を提示することができる。
【0067】
(第2実施形態)
<概要>
上述の第1実施形態では、商標活用の事例として、商標の活用に適した出願内容を提示する例について説明した。本実施形態では、商標活用の事例として、商標の活用スキームにおける適性パターンを判定する例について説明する。商標の活用スキームにおけるパターンとして、例えば、3つのパターンに分けることができる。なお、上述の適性パターンの判定は、第1実施形態で特定した商標登録出願、または当該商標登録出願に基づく商標権に対して適用してもよいし、その他の商標登録出願または商標権に対して適用してもよい。
【0068】
1つ目のパターン(活用パターン1)として、例えば、顧客A(法人又は個人の一例)が、自身が商標権者となる商標権を顧客B(法人又は個人の一例)にライセンスして、当該顧客Bからライセンス料(ロイヤリティ)を受け取るパターンである。
【0069】
2つ目のパターン(活用パターン2)として、例えば、上述の顧客Aが、自身が商標権者となる商標権を上述の顧客Bに売却して、償却資産とするパターンである。
【0070】
3つ目のパターン(活用パターン3)として、例えば、上述の持株会社Cが、自身が商標権者となる商標権を、所定の関係を有する事業会社Dにライセンスして、当該事業会社Dからライセンス料(ロイヤリティ)を受け取るパターンである。
所定の関係は、本実施形態では、持株会社Cと事業会社Dとが、支配関係にあることを示す。支配関係としては、例えば、持株会社Cと事業会社Dとが、下記の適格要件1-1、適格要件1-2、適格要件2、適格要件3のいずれかを満たすこと等が挙げられるが、これに限定されない。
【0071】
≪適格要件1-1:企業グループ内の組織再編成(100%関係の法人間で行う組織再編成)≫
・100%関係の継続(例えば、持株会社Cが事業会社Dの株を100%保有する等、持株会社Cが事業会社Dを100%支配する関係)
【0072】
≪適格要件1-2:企業グループ内の組織再編成(50%超関係の法人間で行う組織再編成)≫
・50%超関係の継続(例えば、持株会社Cが事業会社Dを50%超支配する関係)
・主要な資産・負債の移転
・移転事業従業者の概ね80%が移転先業務に従事(株式交換等・株式移転の場合は完全子法人の従業者の継続従事)
・移転事業の継続(株式交換等・株式移転の場合は完全子法人の事業の継続)
【0073】
≪適格要件2:共同事業を行うための組織再編成≫
・(例えば、持株会社Cと事業会社Dにおいて)事業の関連性があること
・(イ)(例えば、事業会社Dの)事業規模(売上、従業員、資本金等)が概ね5倍以内、又は、(ロ)特定役員への就任(株式交換・株式移転の場合は完全子法人の特定役員の継続)
・主要な資産・負債の移転
・移転事業従業者の概ね80%が移転先業務に従事(株式交換等・株式移転の場合は完全子法人の従業者の継続従事)
・移転事業の継続(株式交換等・株式移転の場合は完全子法人の事業の継続)
・支配株主(分社型分割・現物出資の場合は分割法人・現物出資法人)(例えば、持株会社C)による(例えば、事業会社Dの)対価株式の継続保有
・関係の継続(株式交換・株式移転のみ)
【0074】
≪適格要件3:(例えば、事業会社Dが)独立して事業を行うための分割・株式分配(スピンオフ)≫
・他の者による支配関係がないことの継続
・特定役員への就任(株式分配の場合は完全子法人の特定役員の継続)
・主要な資産・負債の移転
・移転事業従業者の概ね80%が移転先業務に従事(株式分配の場合は完全子法人の従業者の継続従事)
・移転事業の継続(株式分配の場合は完全子法人の事業の継続)
【0075】
本実施形態では、法人又は個人にかかる情報に基づいて、当該法人又は個人が商標を活用するための適性パターンを判定する。
なお、本実施形態では、上述の第1実施形態と同様の内容(機能部等)については、同様の符号を付し、説明を省略する。また、本実施形態におけるシステム構成、サーバ1のハードウェア構成については、上述の第1実施形態と同様のため、説明を省略する。
【0076】
<機能構成>
図7は、本実施形態に係るサーバ1における機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。サーバ1のCPU11においては、動作する際に、取得部31、抽出部32、選択部33、スコア算出部34、提示部35、適性パターン判定部36等が機能する。
なお、取得部31、抽出部32、選択部33、スコア算出部34、提示部35の機能については、上述の実施形態と同様のため説明は省略する。
【0077】
適性パターン判定部36は、顧客(法人又は個人)にかかる情報に基づいて、当該顧客が商標を活用するための適性パターンを判定する。本実施形態では、適性パターン判定部36は、少なくとも顧客(法人又は個人)の所定の利益(例えば、営業利益)に基づいて、適性パターンを判定する。
なお、判定された適性パターンは、提示部35によって提示されるとよい。
【0078】
<処理内容>
ステップS11では、取得部31は、上述のステップS1で取得された属性情報、事業内容に基づいて、顧客(法人又は個人の一例)の関連会社を取得する。
【0079】
ステップS12では、適性パターン判定部36は、顧客および上述の関連会社におけるホームページ等に基づいて、顧客等の関連会社との関係を示す関係情報を取得する。
関係情報としては、例えば、持株比率、事業の関連性等が挙げられるが、上述の適格要件の判断に必要な項目が含まれるとよい。
なお、適性パターン判定部36は、例えば、ホームページ等からテキストを取得し、機械学習アルゴリズム等を用いて生成された識別機(AI等)を用いて、当該テキストから上述の関係情報を取得するとよいが、これに限定されない。
【0080】
ステップS13では、適性パターン判定部36は、顧客および上述の関連会社が所定の関係を満たすか否かを判定する。本実施形態では、適性パターン判定部36は、例えば、上述のいずれかの適格要件を満たすか否かを判断する。所定の関係を満たす場合(S13-YES)はステップS15に進み、そうでない場合(S13-NO)はステップS14に進む。
【0081】
ステップS14では、適性パターン判定部36は、顧客の売上情報GP、営業利益OI、ライセンス料率RRを取得する。売上情報GP、営業利益OIは、属性情報、事業内容等から取得されるとよい。また、ライセンス料率RRは、上述と同様、業界での一般的料率のリストから取得されるとよい。
【0082】
ステップS15では、適性パターン判定部36は、顧客における商標の活用スキームとして、上述の活用パターン3を適性パターンとして判定する。判定された適性パターンは、提示部35によって、顧客端末2に提示されるものとする。
【0083】
ステップS16では、適性パターン判定部36は、ステップS14において取得された各項目が、以下の式(1)を満たすか否かを判定する。符号αは、0以上の自然数であって、例えば、0としてもよく、営業利益OIと同じ値としてもよく、任意の数値を設定することができる。式(1)を満たす場合(S16-YES)はステップS18に進み、そうでない場合(S16-NO)はステップS17に進む。
営業利益OI+α>売上情報GP×ライセンス料率RR ・・・(1)
【0084】
ステップS17では、適性パターン判定部36は、顧客における商標の活用スキームとして、上述の活用パターン1を適性パターンとして判定する。判定された適性パターンは、提示部35によって、顧客端末2に提示されるものとする。
【0085】
ステップS18では、適性パターン判定部36は、顧客における商標の活用スキームとして、上述の活用パターン2を適性パターンとして判定する。判定された適性パターンは、提示部35によって、顧客端末2に提示されるものとする。
【0086】
<本実施形態の有利な効果>
本実施形態によれば、商標の活用スキームのうち、顧客にとって最適な活用パターンを適性パターンとして容易に提示することができる。
【0087】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0088】
(変形例)
上述の実施形態では、顧客の企業情報として、属性情報、事業内容、事業形態を取得する例について説明したが、顧客の売上情報(売上規模)または利益情報(利益規模)が把握できればよく、例えば、顧客の企業情報として、属性情報のみを取得してもよい。
【0089】
上述の実施形態では、商標の財産的活用の有用性を高めるため、商標の使用者とは異なる法人又は個人を出願人として提示する例について説明したが、これに限定されず、商標の使用者を出願人として提示してもよい。
【0090】
上述の実施形態では、提示部35によって提示される商標が登録済(または出願済)であるか否かについては、特に区別されなかったが、登録済(または出願済)か否かに応じて処理を異ならせてもよい。
例えば、提示部35は、登録済(または出願済)の商標を含めた商標について、算出されたスコアに基づいて、当該スコアの高い順に商標等を提示してもよい。
また、例えば提示部35は、登録済(または出願済)の商標を除いた商標について、算出されたスコアに基づいて、当該スコアの高い順に商標等を提示してもよい。
【0091】
上述の実施形態では、商標登録出願のための商標、指定商品もしくは指定役務、または出願人の候補を提示する例について説明したが、出願人を必須として、出願人、または出願人を含む上記の組合せに対して、スコアを算出するとよい。上述のように、ブランドを適切に保護するためには、適切な者(出願人)に商標権を取得させることが望ましいため、出願人を必須項目として提示内容に含めるとよい。
【0092】
また例えば、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。換言すると、図4の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図4の例に限定されない。また、機能ブロックの存在場所も、図4に特に限定されず、任意でよい。例えば、サーバの機能ブロックを他の装置等に移譲させてもよい。逆に他の装置の機能ブロックをサーバ等に移譲させてもよい。また、一つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0093】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0094】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザ等にプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザ等に提供される記録媒体等で構成される。
【0095】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【符号の説明】
【0096】
1:サーバ 2:顧客端末 11:CPU
18:記憶部 19:通信部 31:取得部
32:抽出部 33:選択部 34:スコア算出部
35:提示部 36:適性パターン判定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8