(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023059886
(43)【公開日】2023-04-27
(54)【発明の名称】高密度導体を有するPCB製品を調製するための装置及び感光性インク
(51)【国際特許分類】
C09D 11/30 20140101AFI20230420BHJP
C09D 11/38 20140101ALI20230420BHJP
B41M 5/00 20060101ALI20230420BHJP
【FI】
C09D11/30
C09D11/38
B41M5/00 120
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015923
(22)【出願日】2023-02-06
(62)【分割の表示】P 2021547478の分割
【原出願日】2020-02-11
(31)【優先権主張番号】62/805,318
(32)【優先日】2019-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】501005438
【氏名又は名称】オルボテック リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シパイスマン ナヴァ
(72)【発明者】
【氏名】グロス アブラハム
(72)【発明者】
【氏名】グラザー アリー
(57)【要約】
【課題】液体フォトレジスト材料のインクジェットに基づくプリント回路板(PCB)製造のための改善されたシステムを提供する。
【解決手段】装置は、光散乱するPCB基板支持面を含むことを特徴とする共通ステージ112と、ビアスルーホールを通ってPCB基板支持面に到達するレーザー光が散乱させられるところのPCB基板支持面の上にレーザー光を衝突させることにより、更にビアスルーホールの側壁上に衝突させ、それによりビアスルーホールの内部でフォトレジストの重合を生じさせるレーザー光発生器180とを備える。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクジェットプリンタにおいて用いるための感光性インクであって、前記感光性インクは、
前記感光性インクのうちの33~64重量%を構成するフォトレジストと、
前記感光性インクのうちの19.99~59.99重量%を構成する溶媒と、
前記感光性インクのうちの1~10重量%を構成する湿潤剤と、
前記感光性インクのうちの0.01~0.1重量%を構成する界面活性剤と、
前記感光性インクのうちの1~3重量%を構成する接着促進剤であって、前記接着促進剤は、1700~70000Daの分子量を有する、接着促進剤と、
前記感光性インクのうちの2~3重量%を構成する塩基性溶液であって、前記接着促進剤が、前記塩基性溶液中に溶解されている、塩基性溶液と、
を含む、感光性インク。
【請求項2】
前記接着促進剤は、前記感光性インクが上に印刷される銅成分のウェットエッチング処理の異方性を増大させるように作用する、請求項1に記載の感光性インク。
【請求項3】
前記感光性インクは、30dyn/cm未満の表面張力を有する、請求項1に記載の感光性インク。
【請求項4】
前記感光性インクは、5μm未満の高さを有する印刷特徴を形成するように作用する、請求項1に記載の感光性インク。
【請求項5】
ビアスルーホールを含むPCB製品を調製する際に用いるための装置であって、前記装置は、
光散乱するPCB基板支持面を含むことを特徴とする共通ステージと、
前記ビアスルーホールを通って前記PCB基板支持面に到達するレーザー光が散乱させられるところの前記PCB基板支持面の上にレーザー光を衝突させることにより、更に前記ビアスルーホールの側壁上に衝突させ、それにより前記ビアスルーホールの内部でフォトレジストの重合を生じさせるレーザー光発生器と、
を備える、装置。
【請求項6】
前記PCB基板支持面はレーザー光拡散する、請求項5に記載のビアスルーホールを含む、PCB製品を調製する際に用いるための装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体フォトレジスト材料のインクジェットに基づくプリント回路板(PCB)製造に関する。
【背景技術】
【0002】
PCBを製造するための様々なシステム及び方法が、該技術分野において公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2018/0192521号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、液体フォトレジスト材料のインクジェットに基づくプリント回路板(PCB)製造のための改善されたシステム及び方法の提供を追及する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明の好ましい実施形態に従って、高密度導体を有するPCB製品を調製するための方法を提供し、該方法は、導電層を含むPCB基板を提供することと、PCB基板の上に未露光感光性パターンを選択的に印刷するためにインクジェットプリンタを使用することであって、未露光感光性パターンは、5μm未満の厚さを有する、ことと、露光パターンを画定するための放射に感光性パターンを露光することであって、露光パターンは、20μm未満のピッチを有する、ことと、30μm未満のピッチを有する高密度導体を画定するための露光パターンによって画定されたパターンに従って導電層をウェットエッチングすることと、を含む。
【0006】
好ましくは、高密度導体は、25μm未満のピッチを有する。より好ましくは、高密度導体は、20μm未満のピッチを有する。
【0007】
本発明の好ましい実施形態に従うと、導電層は、銅層である。
【0008】
本発明の好ましい実施形態に従うと、該方法は、また、未露光感光性パターンを選択的に印刷するためにインクジェットプリンタを利用した後で、感光性パターンを露光する前に、非酸素透過性パターンを選択的に印刷するためにインクジェットプリンタを使用することを含む。それに加えて、非酸素透過性パターンは、3μm未満の高さを有する。それに加えて又は代替として、非酸素透過性パターンは、放射に対して透明である。好ましくは、非酸素透過性パターンの印刷は、露光パターンのピッチを増加させない。
【0009】
本発明の好ましい実施形態に従うと、方法は、また、未露光感光性パターン及び非酸素透過性パターンの放射への露光の前に、未露光感光性パターン及び非酸素透過性パターンのうちの少なくとも1つを検査することを含む。
【0010】
本発明の好ましい実施形態に従うと、方法は、また、未露光感光性パターンを選択的に印刷するためにインクジェットプリンタを利用する前に、PCB基板のレジストレーションを含む。
【0011】
好ましくは、未露光感光性パターンは、感光性インクによって印刷され、該感光性インクは、感光性インクのうちの33~64重量%を構成するフォトレジストと、感光性インクのうちの19.99~59.99重量%を構成する溶媒と、感光性インクのうちの1~10重量%を構成する湿潤剤と、感光性インクのうちの0.01~0.1重量%を構成する界面活性剤と、感光性インクのうちの1~3重量%を構成する接着促進剤であって、接着促進剤は、1700~70000Daの分子量を有する、接着促進剤と、感光性インクのうちの2~3重量%を構成する塩基性溶液であって、接着促進剤が、塩基性溶液中に溶解されている、塩基性溶液と、を含む。
【0012】
本発明の好ましい実施形態に従うと、接着促進剤は、感光性インクが上に印刷される銅成分のウェットエッチング処理の異方性を増大させるように作用する。それに加えて又は代替として、感光性インクは、30dyn/cm未満の表面張力を有する。
【0013】
本発明の好ましい実施形態に従うと、非酸素透過性パターンは、非酸素透過性インクによって印刷され、該非酸素透過性インクは、非酸素透過性インクのうちの10~15重量%を構成するポリマーであって、ポリマーは7000Daの最小分子量を有する、ポリマーと、非酸素透過性インクの合計63.9~68.99重量%を構成する1つ又は複数の溶媒と、非酸素透過性インクのうちの20重量%を構成する増粘剤溶媒と、非酸素透過性インクのうちの1重量%を構成する湿潤剤と、非酸素透過性インクのうちの0.01~0.1重量%を構成する界面活性剤と、を含む。
【0014】
好ましくは、非酸素透過性インクは、355~460nmの波長を有する光に対して透明である。それに加えて又は代替として、非酸素透過性インクは、30dyn/cm未満の表面張力を有する。
【0015】
また、本発明の別の好ましい実施形態に従って、高密度導体を有するPCB製品を調製する際に用いるための装置を提供し、該装置は、共通シャシーと、共通シャシーの上に装着され、PCB基板の上に未露光感光性パターンを選択的に印刷するように作用するインクジェットプリンタであって、未露光感光性パターンは、5μm未満の厚さを有する、インクジェットプリンタと、共通シャシーの上に装着され、露光パターンを画定するための放射に感光性パターンを露光するように作用するパターン露光機であって、露光パターンは、20μm未満のピッチを有する、パターン露光機と、を含む。
【0016】
本発明の好ましい実施形態に従うと、インクジェットプリンタは、感光性インクの未露光感光性パターンを印刷するように作用する第1インクジェットヘッドと、非酸素透過性インクの非酸素透過性パターンを印刷するように作用する第2インクジェットヘッドと、を含む。それに加えて、インクジェットヘッドのノズルプレートは、感光性インク及び非酸素透過性インクの最適粘性を求めて40~60℃まで加熱されるように作用する。
【0017】
本発明の好ましい実施形態に従うと、装置は、共通シャシー、インクジェットプリンタ、及びパターン露光機を少なくとも部分的に囲むフードを含む。それに加えて、フード内の環境は、パターン露光機による露光中の未露光感光性パターンの酸化を防止するように作用する不活性ガス流れによって特徴付けられる。
【0018】
好ましくは、装置は、また、未露光感光性パターンを乾燥させるように作用する少なくとも第1インク乾燥器を含む。それに加えて、第1インクジェットヘッド、少なくとも第1インク乾燥器、及び第2インクジェットヘッドは、共通シャシーに沿ったPCB基板の段階的前進が、第2インクジェットヘッドが非酸素透過性パターンを印刷する前に、未露光感光性パターンが少なくとも第1インク乾燥器によって乾燥させられることを可能にするように配列されている。
【0019】
好ましくは、装置は、また、未露光感光性パターン及び非酸素透過性パターンのうちの少なくとも1つを検査するように作用するカメラを含む。
【0020】
本発明の好ましい実施形態に従うと、パターン露光機は、355~460nmの範囲内の光を放出する少なくとも1つの光源を含む。好ましくは、パターン露光機は、レーザー直接描画露光機である。その代替として、パターン露光機は、LED露光機である。
【0021】
本発明の好ましい実施形態に従うと、装置は、また、PCB基板をレジスターするように作用するカメラを含む。
【0022】
本発明の好ましい実施形態に従うと、装置は、また、共通ステージを含む。それに加えて、共通ステージは、感光性インク及び非酸素透過性インクのうちの少なくとも1つの乾燥を助けるために80℃の最高温度まで加熱される。
【0023】
本発明の好ましい実施形態に従うと、未露光感光性パターンは、感光性インクによって印刷され、該感光性インクは、感光性インクのうちの33~64重量%を構成するフォトレジストと、感光性インクのうちの19.99~59.99重量%を構成する溶媒と、感光性インクのうちの1~10重量%を構成する湿潤剤と、感光性インクのうちの0.01~0.1重量%を構成する界面活性剤と、感光性インクのうちの1~3重量%を構成する接着促進剤であって、接着促進剤は1700~70000Daの分子量を有する、接着促進剤と、感光性インクのうちの2~3重量%を構成する塩基性溶液であって、接着促進剤が、塩基性溶液中に溶解されている、塩基性溶液と、を含む。
【0024】
本発明の好ましい実施形態に従うと、接着促進剤は、感光性インクが上に印刷される銅成分のウェットエッチング処理の異方性を増大させるように作用する。それに加えて又は代替として、感光性インクは、30dyn/cm未満の表面張力を有する。
【0025】
本発明の好ましい実施形態に従うと、非酸素透過性パターンは、非酸素透過性インクによって印刷され、非酸素透過性インクは、非酸素透過性インクのうちの10~15重量%を構成するポリマーであって、ポリマーは7000Daの最小分子量を有する、ポリマーと、非酸素透過性インクのうちの合計63.9~68.99重量%を構成する1つ又は複数の溶媒と、非酸素透過性インクのうちの20重量%を構成する増粘剤溶媒と、非酸素透過性インクのうちの1重量%を構成する湿潤剤と、非酸素透過性インクのうちの0.01~0.1重量%を構成する界面活性剤と、を含む。
【0026】
好ましくは、非酸素透過性インクは、355~460nmの波長を有する光に対して透明である。それに加えて又は代替として、非酸素透過性インクは、30dyn/cm未満の表面張力を有する。
【0027】
本発明の更なる別の好ましい実施形態に従って、高密度導体を有するPCB製品を調製する際に用いるための装置が更に提供され、装置は、共通ステージと、ステージの上のPCB基板の上に未露光パターンを選択的に印刷するように作用するインクジェットプリンタであって、未露光パターンは、8μm未満の厚さを有する、インクジェットプリンタと、露光パターンを画定するための放射にステージ上のPCB基板上のパターンを露光するように作用するパターン露光機であって、露光パターンは、20μm未満のピッチを有する、パターン露光機と、を含む。
【0028】
本発明の好ましい実施形態に従うと、インクジェットプリンタは、感光性インクの未露光感光性パターンを印刷するように作用する第1インクジェットヘッドと、非酸素透過性インクの非酸素透過性パターンを印刷するように作用する第2インクジェットヘッドと、を含む。それに加えて、インクジェットヘッドのノズルプレートは、感光性インク及び非酸素透過性インクの最適粘性を求めて40~60℃まで加熱されるように作用する。
【0029】
好ましくは、装置は、また、共通ステージ、インクジェットプリンタ、及びパターン露光機を少なくとも部分的に囲むフードを含む。それに加えて、フード内の環境は、パターン露光機による露光中の未露光感光性パターンの酸化を防止するように作用する不活性ガス流れによって特徴付けられる。
【0030】
本発明の好ましい実施形態に従うと、装置は、また、未露光感光性パターンを乾燥させるように作用する少なくとも第1インク乾燥器を含む。それに加えて、第1インクジェットヘッド、少なくとも第1インク乾燥器、及び第2インクジェットヘッドは、共通ステージによるPCB基板の段階的前進が、第2インクジェットヘッドが非酸素透過性パターンを印刷する前に、未露光感光性パターンが少なくとも第1インク乾燥器によって乾燥させられることを可能にするように配列されている。
【0031】
好ましくは、装置は、また、未露光感光性パターン及び非酸素透過性パターンのうちの少なくとも1つを検査するように作用するカメラを含む。
【0032】
本発明の好ましい実施形態に従うと、パターン露光機は、355~460nmの範囲内の光を放出する少なくとも1つの光源を含む。好ましくは、パターン露光機は、レーザー直接描画露光機である。その代替として、パターン露光機は、LED露光機である。
【0033】
本発明の好ましい実施形態に従うと、装置は、また、PCB基板をレジスターするように作用するカメラを含む。
【0034】
好ましくは、装置は、また、共通シャシーを含む。
【0035】
本発明の好ましい実施形態に従うと、共通ステージは、80℃の最高温度まで加熱されて、未露光感光性インク及び非酸素透過性インクのうちの少なくとも1つの乾燥を助ける。
【0036】
本発明の好ましい実施形態に従うと、未露光感光性パターンは、感光性インクによって印刷され、感光性インクは、感光性インクのうちの33~64重量%を構成するフォトレジストと、感光性インクのうちの19.99~59.99重量%を構成する溶媒と、感光性インクのうちの1~10重量%を構成する湿潤剤と、感光性インクのうちの0.01~0.1重量%を構成する界面活性剤と、感光性インクのうちの1~3重量%を構成する接着促進剤であって、接着促進剤は、1700~70000Daの分子量を有する、接着促進剤と、感光性インクのうちの2~3重量%を構成する塩基性溶液であって、接着促進剤が、塩基性溶液中に溶解されている、塩基性溶液と、を含む。
【0037】
好ましくは、接着促進剤は、感光性インクが上に印刷される銅成分のウェットエッチング処理の異方性を増大させるように作用する。それに加えて又は代替として、感光性インクは、30dyn/cm未満の表面張力を有する。
【0038】
本発明の好ましい実施形態に従うと、非酸素透過性パターンは、非酸素透過性インクによって印刷され、非酸素透過性インクは、非酸素透過性インクのうちの10~15重量%を構成するポリマーであって、ポリマーは7000Daの最小分子量を有する、ポリマーと、非酸素透過性インクのうちの合計63.9~68.99重量%を構成する1つ又は複数の溶媒と、非酸素透過性インクのうちの20重量%を構成する増粘剤溶媒と、非酸素透過性インクのうちの1重量%を構成する湿潤剤と、非酸素透過性インクのうちの0.01~0.1重量%を構成する界面活性剤と、を含む。
【0039】
好ましくは、非酸素透過性インクは、355~460nmの波長を有する光に対して透明である。それに加えて又は代替として、非酸素透過性インクは、30dyn/cm未満の表面張力を有する。
【0040】
本発明の更に別の好ましい実施形態に従って、インクジェットプリンタにおいて用いるための感光性インクがなお更に提供され、感光性インクは、感光性インクのうちの33~64重量%を構成するフォトレジストと、感光性インクのうちの19.99~59.99重量%を構成する溶媒と、感光性インクのうちの1~10重量%を構成する湿潤剤と、感光性インクのうちの0.01~0.1重量%を構成する界面活性剤と、感光性インクのうちの1~3重量%を構成する接着促進剤であって、接着促進剤は1700~70000Daの分子量を有する、接着促進剤と、感光性インクのうちの2~3重量%を構成する塩基性溶液であって、接着促進剤が塩基性溶液中に溶解されている、塩基性溶液と、を含む。
【0041】
好ましくは、接着促進剤は、感光性インクが上に印刷される銅成分のウェットエッチング処理の異方性を増大させるように作用する。それに加えて又は代替として、感光性インクは、30dyn/cm未満の表面張力を有する。
【0042】
本発明の好ましい実施形態に従うと、感光性インクは、5μm未満の高さを有する印刷特徴を形成するように作用する。
【0043】
本発明の別の好ましい実施形態に従って、インクジェットプリンタにおいて用いるための非酸素透過性インクがなお更に提供され、非酸素透過性インクは、非酸素透過性インクのうちの10~15重量%を構成するポリマーであって、ポリマーは7000Daの最小分子量を有する、ポリマーと、非酸素透過性インクのうちの合計63.9~68.99重量%を構成する1つ又は複数の溶媒と、非酸素透過性インクのうちの20重量%を構成する増粘剤溶媒と、非酸素透過性インクのうちの1重量%を構成する湿潤剤と、非酸素透過性インクのうちの0.01~0.1重量%を構成する界面活性剤と、を含む。
【0044】
本発明の好ましい実施形態に従うと、非酸素透過性インクは、355~460nmの波長を有する光に対して透明である。それに加えて又は代替として、非酸素透過性インクは、30dyn/cm未満の表面張力を有する。
【0045】
好ましくは、非酸素透過性インクは、3μm未満の高さを有する印刷特徴を形成するように作用する。
【0046】
本発明の更に別の好ましい実施形態に従って、PCB製品を調製するための方法が、また提供され、方法は、導電層を含むPCB基板を提供することと、PCB基板上の未露光感光性パターンを選択的に印刷するためのインクジェットプリンタを使用することと、露光パターンを画定するための放射に感光性パターンを露光することと、を含み、未露光感光性パターンを印刷することは、層がそれの後続の層を印刷する前に乾燥させられることにより、ピンホールの生成を低減又は除去するように、複数の層を層毎に印刷及び乾燥させることを含むことを特徴とする。
【0047】
本発明の更に別の好ましい実施形態に従って、PCB製品を調製するための方法が更に提供され、方法は、導電層を含むPCB基板を提供することと、液体フォトレジストインク溶媒によって導電層を拭き取ることと、その後に、PCB基板の上に未露光感光性パターンを選択的に印刷するためにインクジェットプリンタを使用することと、を含む。
【0048】
本発明の更に別の好ましい実施形態に従うと、PCB製品を調製するための方法がなお更に提供され、方法は、導電層を含むPCB基板を提供することと、PCB基板の上の選択された場所においてスルーホールビア充填材料インクを選択的に印刷するためにインクジェットプリンタを使用することと、を含む。
【0049】
本発明の更に別の好ましい実施形態に従って、ビアスルーホールを含むPCB製品を調製する際に用いるための装置が、また提供され、装置は、光散乱しているPCB基板支持面を含むことを特徴とする共通ステージと、ビアスルーホールを通ってPCB基板支持面に到達するレーザー光が散乱させられるところのPCB基板支持面の上にレーザー光を衝突させることにより、更にビアスルーホールの側壁上に衝突させ、それによりビアスルーホールの内部でフォトレジストの重合を生じさせるレーザー光発生器と、を含む。
【0050】
好ましくは、PCB基板支持面は、レーザー光拡散している。
本発明は、次の図面に関連して、以下の詳細な説明からより完全に理解され認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1A】本発明の好ましい実施形態に従って構成されて作用するコンピュータ制御製品調製ミニ環境(CCPPME)の2つの二者択一の実施形態についての簡略概略図である。
【
図1B】本発明の好ましい実施形態に従って構成されて作用するコンピュータ制御製品調製ミニ環境(CCPPME)の2つの二者択一の実施形態についての簡略概略図である。
【
図2A】
図1のCCPPMEによって調製されたプリント回線板(PCB)製品についての簡略図であって、調製の様々な段階を示す。
【
図2B】
図1のCCPPMEによって調製されたプリント回線板(PCB)製品についての簡略図であって、調製の様々な段階を示す。
【
図2C】
図1のCCPPMEによって調製されたプリント回線板(PCB)製品についての簡略図であって、調製の様々な段階を示す。
【
図3】
図1A又は
図1BのCCPPMEを用いて
図2A~2CのPCB製品を調製する際に有用な典型的な印刷及び露光調製方法を示す簡略フローチャートである。
【
図4A】光学顕微鏡によって撮られた
図2A~2CのPCB製品についての画像である。
【
図4B】光学顕微鏡によって撮られた
図2A~2CのPCB製品についての画像である。
【
図4C】光学顕微鏡によって撮られた
図2A~2CのPCB製品についての画像である。
【
図4D】光学顕微鏡によって撮られた
図2A~2CのPCB製品についての画像である。
【
図4E】光学顕微鏡によって撮られた
図2A~2CのPCB製品についての画像である。
【
図4F】光学顕微鏡によって撮られた
図2A~2CのPCB製品についての画像である。
【
図4G】光学顕微鏡によって撮られた
図2A~2CのPCB製品についての画像である。
【
図4H】光学顕微鏡によって撮られた
図2A~2CのPCB製品についての画像である。
【
図5A】スルーホールビアを具備するPCB製品を調製する方法についての簡略図であって、該製品は、
図1BのCCPPMEを用いて調製されてもよい。
【
図5B】スルーホールビアを具備するPCB製品を調製する方法についての簡略図であって、該製品は、
図1BのCCPPMEを用いて調製されてもよい。
【
図5C】スルーホールビアを具備するPCB製品を調製する方法についての簡略図であって、該製品は、
図1BのCCPPMEを用いて調製されてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0052】
ここで、
図1Aに参照がなされ、この図は、本発明の好ましい実施形態に従って構成されて作用するコンピュータ制御製品調製ミニ環境(CCPPME)100の簡略概要図である。留意されるのは、
図1Aは、正確な縮尺率ではなく、破線が、本発明のいくつかの実施形態にだけ存在するサブシステムの周りに引かれていることである。更に留意されるのは、CCPPME100は、とりわけ、屈曲性板、多孔性板、及びロールツーロールを含む様々な基板上に感光性特徴を印刷及び露光するように作用することである。CCPPME100は、好ましくは、米国特許出願公開第2017/0225447号又は2018/0229516号に記載されたロールツーロール処理システム等のロールツーロール処理システム(図示せず)を含み、それらの開示内容が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0053】
図1Aに見られるように、CCPPME100は、好ましくはフード102を含み、該フードは、共通ステージ112を有する共通シャシー110の上方に装着されている。共通ステージ112は、基板を、典型的にはプリント回路板(PCB)基板114を、CCPPME100の様々なサブシステム116を通して前進させるように作用し、該基板は、
図2A~2Cを参照して以下に示され説明される。典型的な共通ステージ112は、譲受人の米国特許第8,770,563号に記載されるように構成されて作用し、該特許の開示内容が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0054】
好ましくは、共通ステージ112は、高度な平坦度、例えば、800mmの長さに対する50μm未満の勾配を有する。更に、ステージ112の内部に生成された真空が、好ましくは、0.05mm~10mmの厚さを有するPCB基板を保持するのに十分な強さである。
【0055】
好ましくは、CCPPME100の第1サブシステム116は、独国、IlmenauにあるTechnoTeam Bildverarbeitung GmbHから商業的に入手可能なTTDCMOS120等のカメラ118を含む。カメラ118は、CCPPME100による更なる処理の前に、PCB基板114をレジスターするように作用する。共通ステージ112は、不変の態様でPCB基板114を前進させることにより、カメラ118によるPCB基板114のレジストレーションの後には、PCB基板114が共通ステージ112によって支持されている間、更なるレジストレーションが必要でないことがわかる。更に、共通ステージ112は、好ましくは100℃の最高温度まで好ましくは加熱されることにより、インクが印刷されるとすぐのインクの乾燥を助ける。より好ましくは、共通ステージ112は、80℃の最高温度まで加熱されことにより、インクが印刷されるとすぐのインクの乾燥を助ける。更に好ましくは、共通ステージ112は、50℃の最高温度まで加熱されることにより、インクが印刷されるとすぐのインクの乾燥を助ける。
【0056】
好ましくは、CCPPME100の別のサブシステム116が、高処理能力圧電インクジェットプリンタ(HTPIJ)120を含み、該プリンタは、感光性インクを印刷するように作用する少なくとも1つの第1高処理能力双方向圧電インクジェットヘッド(HTBPIH)130と、第1HTBPIH130によってPCB基板114上に印刷された感光性インクを乾燥させるように作用する少なくとも1つの第1インク乾燥器140と、を含む。HTPIJ120は、非酸素透過性インクを印刷するように作用する第1HTBPIH130と同一であってもよい第2HTBPIH150と、第2HTBPIH150によってPCB基板114上に印刷される非酸素透過性インクを乾燥させるように作用する第2インク乾燥器160と、を随意に含んでもよい。
【0057】
好ましくは、第1HTBPIH130と第2HTBPIH150の両方は、以下で説明される本発明のインクに用いられる溶媒内に可溶でない材料から形成される。第1HTBPIH130及び第2HTBPIH150のそれぞれは、好ましくは、5~100kHzの周波数で作用し、そして、それぞれ容積が6~60pLの複数のノズルと、好ましくは感光性インク及び非酸素透過性インクの最適粘性を求めて25~80℃の温度まで加熱されるように作用するノズルプレートと、を含む。より好ましくは、インクジェットヘッドのノズルプレートは、感光性インク及び非酸素透過性インクの最適粘性を求めて40~60℃まで加熱されるように作用する。その代替として、インクジェットヘッドのノズルプレートは、感光性インク及び非酸素透過性インクの最適粘性を求めて25~50℃まで加熱されるように作用する。
【0058】
HTPIJ120は、米国特許第7,757,628号、9,085,157号、及び9,221,265号に記載されているように構成されて作用してもよく、それらの開示内容が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0059】
第1HTBPIH130、第1インク乾燥器140、及び第2HTBPIH150は、PCB基板114の段階的前進により、第2HTBPIH150によって上重ね印刷される前に、第1HTBPIH130によって印刷された感光性インクが第1インク乾燥器140によって乾燥させられるように配列されていることが、本発明の一実施形態についての特有の特徴である。
【0060】
層毎に印刷及び乾燥させることは、ピンホール形成を回避することに役に立ち、さもなければ、該ピンホール形成が、様々なインク成分の蒸発速度の相違に起因して生じることがわかる。典型的には、インク内の高い蒸気圧の溶媒が最初に蒸発することにより、インクの粘性を増加させ、それで薄い高分子膜の生成をもたらすことがある。その後に蒸発するより低い蒸気圧の溶媒は、蒸発したガスが薄いポリマー層を通過するときにピンホールを生成することがある。後続の非酸素透過性インク層を印刷するステップの前に、以前に印刷された感光性インク層を乾燥させるステップが、薄い高分子膜の形成を防止し、それでピンホールを防止する。
【0061】
第1インク乾燥器140及び第2インク乾燥器160は、それぞれ、気流乾燥器、線形IRランプ、走査IRランプ、フラッシュランプ、真空乾燥器、加熱ステージ乾燥器、又はそのいずれかの組合せ等のいずれかの好適な乾燥器であってもよい。用いられる印刷設定及びインクを変更することによって、HTPIJ120は、50μm程の小さい長さ及び幅寸法、並びに0.5~5μmの高さを有する特徴の印刷を提供する。
【0062】
CCPPME100の更なる随意のサブシステム116は、独国、IlmenauにあるTechnoTeam Bildverarbeitung GmbHから商業的に入手可能であるTTDCMOS120等の第2カメラ170を含む。第2カメラ170は、印刷特徴を検査するように作用する。
【0063】
いくつかの実施形態では、CCPPME100内の、特にそのフード102内部の環境は、露光中の印刷特徴の酸化を防止するように作用する流動N2等の不活性ガス流れ172を含む。留意されるのは、CCPPME100内部の圧力は、不活性ガス流れ172がCCPPME100内に含まれるか否かに関係なく、又は、不活性ガス流れ172が含まれないか否かに関係なく、周囲圧力のままであることである。
【0064】
いくつかの実施形態では、CCPPME100内の、具体的にはそのフード102内部の環境は、クリーンエアを含むことにより、陽圧において清浄環境、例えばクラス<100,000を提供する。
【0065】
CCPPME100の更なるサブシステム116は、第1HTBPIH130によって印刷された感光性インクの部分を選択的に露光するように作用する、パターン露光機180、好ましくはレーザー直接描画(LDI)サブシステムを含む。パターン露光機180は、5/5μm程の小さいライン/スペース(L/S)を有する露光パターンを画定する、感光性印刷パターンをレーザー放射に露光するように作用する。典型的なパターン露光機180は、少なくとも1つの光源を含み、該光源は、355~460nmの範囲内の光を放出し、そして、米国特許第8,531,751号に記載されたように構成されて作用してもよく、その開示内容は参照によって本明細書に組み込まれる。
【0066】
1つのL/S測定の2つの値の合計が、反復パターンのピッチに等しいことがわかる。したがって、5/5μmのL/Sは、10μmのピッチに等しい。L/S測定の第1値は、反復特徴の規則的な長さ又は幅寸法を表し、L/S測定の第2値は、反復特徴同士の間のスペースの規則的な長さ又は幅寸法を表す。
【0067】
その代替として、パターン露光機180は、LED露光機等の別の好適な露光システムであってもよい。かかる露光に適用されてもよい典型的なLED露光機は、イスラエル、YavneにあるOrbotechから商業的に入手可能なOrbotech Diamond(商標)8である。
【0068】
ここで
図1Bを参照すると、該図は、
図1Aの実施形態の代替を示し、以上に記載されたようなそれの要素のすべてを含む。
図1Bに見られるように、追加のHTBPIH190が、スルーホールビア充填材料インクを印刷するように提供されて作用する。追加のインク硬化装置191が提供されて、追加のHTBPIH190によってPCB基板のスルーホールビア内部に堆積させられたスルーホールビア充填材料インクを硬化させるように作用する。
【0069】
好ましくは、共通ステージ112は、光拡散層でコーティングされるか、又は例えば、スクラブ若しくは薬品粗面化等の別の方法で光散乱するように処理される。このようにビアスルーホールを通って光拡散層上に衝突するレーザー光は、また、ビアスルーホールの側壁上に衝突するように散乱させられる。この散乱させられたレーザー光は、ビアスルーホール内部でフォトレジストの重合を生じさせる。特に、散乱させられたレーザー光は、重合させられるのに十分な直接レーザー光を受け取らなかった、ビアスルーホールの側壁上のフォトレジストの重合を生じさせる。
【0070】
好ましくは、ビアスルーホール内側で散乱させられた光は、内部ビアスルーホール表面全体を露光する。周知のように、フォトレジストは、完全に重合させられるための特定の露光光エネルギを必要とし、ビアスルーホール内面がビアスルーホール円形領域よりも大きいことがあるので、露光がビアスルーホール領域上に衝突しているときはいつでも、露光光強度を増加させることが必要とされてもよい。ビアスルーホール内側の露光光強度を増加させる別の理由は、ビアスルーホールの底部の反射率減少、又は表面からの不均一散乱に起因することがある。ビアスルーホールに対する露光強度を増加させるために、直接画像光は、例えば、対応するビアスルーホール領域での変調レーザー走査スポット電力を増大させることによって、それに応じて増加させられなければならない。
【0071】
ネガ型とポジ型フォトレジストの両方が、本発明の実施形態において用いられてもよいことがわかる。
【0072】
CCPPME100の第1HTBPIH130と連携した使用に適している感光性インクは、好ましくは、溶媒、湿潤剤、界面活性剤、及び接着促進剤を添加されているフォトレジストを含む。界面活性剤を含むフォトレジストを用いるとき、更なる界面活性剤の使用が回避されてもよい。いくつかの実施形態では、バンキング剤が、感光性インクに添加されてもよい。その代替として、接着促進剤が、また、バンキング剤として機能してもよい。
【0073】
上記のように、感光性インクは、好ましくはフォトレジストを含む。好ましくは、本発明の感光性インク内に用いられるフォトレジストは、ネガ型フォトレジストであり、該ネガ型フォトレジストは、スイス国BaselにあるHTP HiTech Photopolymere AGから商業的に入手可能であるDiaetch 100及びDET 765.12、若しくは米国のDоw Inc.から商業的に入手可能であるPHOTOPOSIT(商標) SN68H等のラジカル重合フォトレジスト、又は、スイス国BaselにあるHTP HiTech Photopolymere AGから商業的に入手可能であるDET 539.72及びDET 539.21等の光二量化重合フォトレジストのいずれかである。その代替として、本発明の感光性インク内に用いられるフォトレジストは、台湾台中市にあるGreat Eastern Resins Industrial Co.Ltd.から商業的に入手可能であるLP7609H、LP7803D1及びLP7901V、台湾のChang Chun Groupから商業的に入手可能であるLonglite(登録商標)、英国のElectra Polymers LTDからのPHOTRAK(商標)、及び日本のTaiyo Inkから商業的に入手可能であるX-77のうちの1つであってもよい。
【0074】
上記のように、感光性インクは、好ましくは溶媒を含む。溶媒は、典型的にノズルからの放出に適していない、フォトレジストの粘性由来の、感光性インクの粘性をインクジェット式印刷の必要に応じて、ノズルからの放出により適した粘性に低減する。感光性インクの粘性は、好ましくはプリンタ動作温度において5~15cpsの範囲内にある。好ましくは、溶媒は、感光性インクの高速乾燥を助ける、100℃以下の沸点を有する。それに加えて、溶媒は、好ましくはヒト及び環境に対してローリスクのものであって、とりわけ、比較的低い毒性、引火性、及び反応特性を有する。典型的な溶媒は、n-プロパノール、2-メトキシ-2-プロパノール、イソブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、及びイソプロピルアルコールを含む。
【0075】
上記のように、感光性インクは、好ましくは湿潤剤を含む。湿潤剤は、感光性インクが第1HTBPIH130からの放出前にノズルプレート上で凝固することを防止する。典型的な湿潤剤は、グリセリン(1~3重量%)、プロピレングリコール(5~10重量%)、ジプロピレングリコール(1~3重量%)、トリエチレングリコール(5~10重量%)等のグリコール、及びジエチレングリコールジエチルエーテル(5~10重量%)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(5~15重量%)、エチレングリコールモノブチルエーテル(5~10重量%)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(2~6重量%)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(2~6重量%)等のグリコールエーテルを含む。
【0076】
上記のように、感光性インクは、好ましくは界面活性剤を含む。界面活性剤は、感光性インクの表面張力を調節して、それの液滴サイズと湿潤性の両方に影響を及ぼす。感光性インクの表面張力は、好ましくは20~30dyn/cmの範囲内にある。第1HTBPIH130によって放出された感光性インクの液滴サイズは、好ましくは6~60pLの範囲内にある。湿潤性は、好ましくは、感光性インク液滴が広がって、最小ドーミングによってPCB基板114上に平坦な堆積を形成するほどのものである。典型的な界面活性剤は、独国、WeselにあるBYK-Chemie GmbHから商業的に入手可能であるBYK-345(0.1~0.3重量%)、BYK-310(0.1~0.5重量%)、BYK-3760(0.1~0.5重量%)等のシリコンポリマー、及び米国のDuPont Inc.から商業的に入手可能であるCapstone(商標)1157(0.01~0.05重量%)、Capstone(商標)1460(0.05~0.1重量%)、Capstone(商標)1475(0.01~0.05重量%)等のフルオロポリマーを含む。
【0077】
上記のように、感光性インクは、好ましくは接着促進剤を含む。接着促進剤は、感光性インクのPCB基板114への接着を促進し、より滑らかな印刷特徴をもたらす。接着促進剤、特に高い酸価を有する接着促進剤は、開発中の非露光フォトポリマーの溶解性を向上させ、そして、5μm程の小さい長さ及び幅寸法を有する特徴についてさえ、そのエッチング中の感光性インクによって印刷された特徴の安定性を改善することがわかる。接着促進剤の分子量は、好ましくは1000~70000Daにある。8000~70000Daの範囲内の分子量を有する、接着促進剤のいくつかのポリマー鎖が、印刷される感光性インク特徴の幅を越えて延在してもよい。かかる場合、延在するポリマー鎖の大部分は、エッチングステップ中に、基板上にスプレーされる液体エッチャントの圧力によって除去される。残りの延在するポリマー鎖は、エッチングされる材料の側壁に吸着して、それの望ましくない等方性エッチングを防止するバンキング剤として作用する。典型的な接着促進剤は、高い酸価を有し、独国、LudwigshafenにあるBASFから商業的に入手可能であるJoncryl(登録商標)682、Joncryl(登録商標)ECO684、Joncryl(登録商標)680、Joncryl(登録商標)ECO 675、Joncryl(登録商標)678、Joncryl(登録商標)HPD 696、及びJoncryl(登録商標)HPD 671を含む。接着促進剤は、好ましくは塩基性溶液、例えば、2-アミノ-2-メチル 1-プロパノール(0.5~4重量%)、2-ジメチルアミノエタノール(0.5~4重量%)、又はエタノールアミン中に溶解されている。
【0078】
CCPPME100の第1HTBPIH130と連携した使用に適した感光性インクを調製するための一般手順は、以下のようである。第1ステップにおいて、溶媒、塩基性溶液、及び接着促進剤が、好ましくは10分間、低せん断混合器(<500rpm)内で一緒に混合される。第2ステップにおいて、界面活性剤及び湿潤剤が、混合器に添加され、そして、溶液は好ましくは追加の5分間混合される。最後の混合ステップにおいて、フォトレジスト溶液が混合器に添加され、そして、好ましくは追加の10分の間、混合される。その後に、溶液は、好ましくは約0.2μmの細孔サイズを有する膜を通してフィルタリングされる。留意されるのは、感光性インクの調製は、黄色光条件下で実行されることである。
【0079】
感光性インク配合の例
表1~5は、CCPPME100の第1HTBPIH130と連携した使用に適した感光性インク配合の例を示す。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【0080】
CCPPME100の第2HTBPIH150と連携した使用に適した非酸素透過性インクは、パターン露光機180の露光に対して透明であり、そして、好ましくは、7000Daの最小分子量を有するポリマー、溶媒、増粘剤溶媒、湿潤剤、及び界面活性剤を含む。
【0081】
非酸素透過性インク内のポリマーは、露光処理の間、酸素から感光性インクを保護する。酸素から感光性インクを保護することは、感光性インク内の重合剤が、その露光の間に感光性インクを重合させる代わりに、酸素と反応することを防止する。典型的なポリマーは、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヘミセルロース、及びポリ(ブチルメタクリレート-コ-(2-ジメチルアミノエチル) メタクリレート-コ-メタクリル酸メチル)を含む。
【0082】
上記のように、非酸素透過性インクは、好ましくは溶媒と、増粘剤溶媒と、を含む。増粘剤溶媒は、インクジェット式印刷の必要に応じて、非酸素透過性インクの粘性をノズルからの放出に適した粘性に調節する。非酸素透過性インクの粘性は、好ましくはプリンタ動作温度において5~15cpsの範囲内にある。好ましくは、溶媒は、100℃以下の沸点を有する非酸素透過性インクの高速乾燥を助ける。それに加えて、溶媒は、好ましくは、とりわけ、比較的低い毒性、引火性、及び反応特性を有する、ヒト及び環境に対してローリスクのものである。典型的な溶媒は、水、n-プロパノール、2-メトキシ-2-プロパノール、及びイソブタノールを含む。典型的な増粘剤溶媒は、プロピレングリコール(10~20重量%)、ジプロピレングリコール(10~20重量%)、及びトリエチレングリコール(10~20重量%)を含む。
【0083】
上記のように、非酸素透過性インクは、好ましくは湿潤剤を含む。湿潤剤は、非酸素透過性インクが、第2HTBPIH150からの放出の前にノズルプレート上で凝固することを防止する。典型的な湿潤剤は、グリセリン(1~3重量%)等のグリコールと、エチレングリコールモノブチルエーテル(5~10重量%)及びジプロピレングリコールジメチルエーテル(2~6重量%)等のグリコールエーテルと、を含む。
【0084】
上記のように、非酸素透過性インクは、好ましくは界面活性剤を含む。界面活性剤は、液滴サイズとその湿潤性の両方に影響を及ぼす、非酸素透過性インクの表面張力を調節する。非酸素透過性インクの表面張力は、好ましくは20~30dyn/cmの範囲内にある。第2HTBPIH150によって放出される非酸素透過性インクの液滴サイズは、好ましくは6~60pLの範囲内にある。湿潤性は、好ましくは非酸素透過性インク液滴が広がって、最小ドーミングによってPCB基板114上に平坦な堆積を形成するほどのものである。典型的な界面活性剤は、独国、WeselのBYK-Chemie GmbHから商業的に入手可能であるBYK-345(0.1~0.3重量%)、BYK-310(0.1~0.5重量%)、及びBYK-3760(0.1~0.5重量%)等のシリコンポリマー、及び米国のDuPont,Inc.から商業的に入手可能であるCapstone(商標)1157(0.01~0.05重量%)、Capstone(商標)1460(0.05~0.1重量%)、及びCapstone(商標)1475(0.01~0.05重量%)等のフルオロポリマー、を含む。
【0085】
CCPPME100の第2HTBPIH150との連携した使用に適した非酸素透過性インクを調製するための一般手順は、以下の通りである。第1ステップにおいて、溶媒、増粘剤溶媒、湿潤剤、及び界面活性剤が、好ましくは5分間、低せん断混合器(<500rpm)内で一緒に混合され、次いで、混合せん断が増加させられ、ポリマーが、低速で添加され、次いで好ましくは追加の30分間混合される。その後に、溶液は、好ましくは約0.2μmの細孔サイズを有する膜を通してフィルタリングされる。
【0086】
非酸素透過性インク配合の例
表6~7が、CCPPME100の第2HTBPIH150と連携した使用に適した非酸素透過性インク配合の例を表す。
【表6】
【表7】
【0087】
図1BのCCPPME100の追加のHTBPIH190と関連した使用に適しているスルーホールビア充填材料インクは、好ましくは、それらが成長及びエッチング中に安定しており、剥離によって除去可能であることを特徴とする。スルーホールビア充填材料インクの硬化は、熱硬化又は化学固定によって実行されてもよい。スルーホールビア充填材料インクは、例えば、NOVOLAC(登録商標)等のポジ型フォトレジスト、又は熱硬化可能であるポリイミド配合であってもよい。更に、スルーホールビア充填は、高酸価アクリルポリマー、好ましくはpH<10において安定しており、pH=14において選択的に除去可能であるプロピオナート又はブチラートを利用することによって達成されてもよい。
【0088】
PCB製造において、エッチング処理中にコーティング及び保護されるのに必要である様々なタイプのビア、例えばスルーホールビア及びマイクロビア等が存在する。スルーホールビアは、液体フォトレジストを用いてコーティングされてもよいけれども、露光処理において、バイアの側壁の中央領域は、照明によって重合されなくてもよい。その結果、スルーホールの領域は、無保護のままでもよく、そしてエッチング処理中に洗い落とされてもよい。この問題を解決するために、スルーホールビア充填材料インクが、その硬化が後に続く、スルーホールビア内部に直接的及び選択的に堆積させられてもよい。
【0089】
図1BのCCPPME100の追加のHTBPIH190と関連した使用に適したスルーホールビア充填材料インクは、好ましくは、溶媒及び増粘剤溶媒だけでなく、湿潤剤及び界面活性剤を含む。増粘剤溶媒は、インクジェット式印刷の必要に応じて、スルーホールビア充填材料インクの粘性をノズルからの放出に適した粘性に調節する。スルーホールビア充填材料インクの粘性は、好ましくはプリンタ動作温度において5~15cpsの範囲内にある。好ましくは、溶媒は、スルーホールビア充填材料インクの高速乾燥を助ける、100℃以下の沸点を有する。それに加えて、溶媒は、好ましくは、とりわけ、比較的低い毒性、引火性、及び反応特性を有する、ヒト及び環境に対してローリスクのものである。スルーホールビア充填材料インクの後硬化処理は、好ましくは200℃以下の温度において生じる。典型的な溶媒は、水、n-プロパノール、2-メトキシ-2-プロパノール、及びイソブタノールを含む。典型的な増粘剤溶媒は、プロピレングリコール(10~20重量%)、ジプロピレングリコール(10~20重量%)、及びトリエチレングリコール(10~20重量%)を含む。
【0090】
上記のように、スルーホールビア充填材料インクは、好ましくは湿潤剤を含む。湿潤剤は、スルーホールビア充填材料インクが、追加のHTBPIH190からの放出の前にノズルプレート上で凝固することを防止する。典型的な湿潤剤は、グリセリン(1~3重量%)等のグリコールと、エチレングリコールモノブチルエーテル(5~10重量%)及びジプロピレングリコールジメチルエーテル(2~6重量%)等のグリコールエーテルと、を含む。
【0091】
上記のように、スルーホールビア充填材料インクは、好ましくは界面活性剤を含む。界面活性剤は、液滴サイズとその湿潤性の両方に影響を及ぼす、スルーホールビア充填材料インクの表面張力を調節する。スルーホールビア充填材料インクの表面張力は、好ましくは20~30dyn/cmの範囲内にある。追加のHTBPIH190によって放出されたスルーホールビア充填材料インクの液滴サイズは、好ましくは6~60pLの範囲内にある。典型的な界面活性剤が、独国、WeselのBYK-Chemie GmbHから商業的に入手可能であるBYK-345(0.1~0.3重量%)、BYK-310(0.1~0.5重量%)、及びBYK-3760(0.1~0.5重量%)等のシリコンポリマーと、米国のDuPont Inc.から商業的に入手可能であるCapstone(商標)1157(0.01~0.05重量%)、Capstone(商標)1460(0.05~0.1重量%)、及びCapstone(商標)1475(0.01~0.05重量%)等のフルオロポリマーと、を含む。
【0092】
ここで、
図2A~2Cを参照し、該図は、調製の様々な段階を示す、CCPPME100(
図1)によって調製されたPCB製品200についての簡略図である。留意されるのは、
図2A~2Cが正確な縮尺率ではないことである。
図2Aは、PCB製品200を示し、該製品は、その上面を覆う銅層210とともに形成されたPCB基板114を含み、銅層210は、典型的に0.2~36μmの厚さを有する。
図2Aに示すPCB製品200は、また、選択的に第1HTBPIH130によって、随意に第2HTBPIH150によって銅層210上に印刷された少なくとも1つの印刷パターン212を含む。留意されるのは、1対の矢印214及び216によって示されるように、印刷パターン212は、50μm程の小さい長さ及び幅寸法を有することである。
【0093】
印刷パターン212は、0.5~5μmの典型的な厚さを有する、第1HTBPIH130によって印刷された感光性印刷パターンを含み、そして、0.1~3μmの厚さを有する、第2HTBPIH150によって印刷された非酸素透過性印刷パターンを随意に含む。上記のように、随意の非酸素透過性印刷パターンは、感光性印刷パターンの上に印刷される。
【0094】
図2Bは、露光パターン220及び222を生成するパターン露光機180によって選択的に露光された後の印刷パターン212を有するPCB製品200を示す。
図2Bに見られるように、露光パターン220の幅は、露光パターン222とは桁が異なるものであることがわかる。留意されるのは、露光パターン222は、矢印224によって示されるように、5/5μm程の小さいL/Sを有することである。
【0095】
図2Cは、印刷パターン212並びに露光パターン220及び222の成長後で、後続の銅層210のエッチング後のPCB製品200を示す。留意されるのは、銅層210のエッチング後に、露光パターン222が、10/10μm程の小さい、矢印230によって示されるようなL/Sを有することである。
【0096】
ここで
図3を参照すると、該図は、CCPPME100(
図1)を用いてPCB製品200(
図2A~2C)を調製する際に有用である、典型的な印刷及び露光調製方法300を示す簡略フローチャートである。CCPPME100は、好ましくは、より大きい製造処理の一部分として、別のツールと連携して用いられる。留意されるのは、印刷及び露光調製方法300が、除去製造処理の部分であることに特に適しているが、それとの使用に限定されないことである。
【0097】
以下の実施形態説明は、その上面上に銅層210を伴って形成されたPCB基板114を含み、銅層210が典型的には0.5~36μmの厚さを有する、PCB製品200を調製するために用いられている印刷及び露光調製方法300を説明するが、印刷及び露光調製方法300は、また、異なる材料及び/又は厚さの導電性層あるいは非導電性上層を有する基板を用いて実行されてもよいことがわかる。典型的には、PCB基板114が、クロム酸保護層等の一時的保護層を含むとき、保護層は、印刷及び露光調製方法300の前に処理の一部分として除去される。
【0098】
液体フォトレジストコーティングを使用することは、好ましくはマイクロエッチング処理に対する必要性を除去し、該マイクロエッチング処理は、液体フォトレジストコーティングが化学的に銅層に接着されるので、表面粗度を増加させること、及びそれによる銅層と乾燥フォトレジスト膜との間の物理接着を増加させることが必要とされることがわかる。液体フォトレジストコーティングは、好ましくは比較的滑らかな表面上に印刷される。液体フォトレジストコーティングの使用は、処理ステップ及び材料廃棄物を低減することに有益であってもよい。更に、液体フォトレジストの使用は、高周波用途に用いられる1つ又は複数の屈曲性材料等の滑らかな表面で作用するときに有益である。
【0099】
好ましくは、銅表面は、インク溶媒内に浸漬されたワイプによって拭き取られて、インク湿潤性及びコーティング品質を増大させる。酸化によって銅表面から保護用クロム酸層を除去することは、高い反応性及び疎水性銅表面を提供し、同時に好適な溶媒をこの反応性表面に適用してそれが典型的には数秒を要して蒸発することを可能にし、そして、銅表面を液体フォトレジストインクに対してより反応性でなく、より相溶性を有する状態にする。
【0100】
図3に見られるように、第1ステップ308において、ユーザは、処理されるべきPCB基板114の所望の印刷及び露光のための命令を含む、適切にフォーマットされたコンピュータ支援製造(CAM)ファイルをCCPPME100にアップロードする。次のステップ310において、処理されるべきPCB基板114は、CCPPME100のステージ112上に置かれ、そして、レジストレーションステップ311において見られるように、PCB基板114のレジストレーションのためにカメラ118まで進行させられる。有難いことに、共通ステージ112が変わらない態様でPCB基板114を前進させることにより、ステップ311におけるカメラ118によるPCB基板114のレジストレーションに続いて、PCB基板114は、印刷及び露光調製方法300中に共通ステージ112によって支持されている間、更なるレジストレーションが必要とされないことがわかる。
【0101】
次のステップ312において、
図1BのCCPPME100を用いるときに、方法300は、スルーホールビアが印刷される必要があるならば、参照するためのCAMファイルをチェックする。好ましくは、スルーホールビアを印刷するとき、CAMファイルは、正確なビアの位置についての座標及びサイズ並びにビアの望ましい印刷及び露光についての命令を含む。
【0102】
スルーホールビアが印刷される必要があるならば、PCB基板114は、ステップ313において見られるように、ビア充填インクの印刷のためにHTBPIH190まで前進させられる。PCB基板114は、その後にインク硬化ステップ314までステージ112によって進行させられ、そこで、ビア充填インクは、下流側の成長及びエッチング処理に影響されなくなる。
【0103】
レジストレーションステップ311に続いて、
図1AのCCPPME100を用いるとき、又は、スルーホールビアが印刷される必要がないときにステップ312に続いて、若しくはスルーホールビアが印刷される必要があるときにインク硬化ステップ314に続いて
図1BのCCPPME100を用いるとき、感光性インク印刷ステップ315に見られるように、処理されているPCB基板114の部分が、感光性インクの選択的な印刷のために概して第1HTBPIH130まで進行させられる。留意されるのは、第1HTBPIH130が、感光性インクを印刷して、印刷パターン212等の印刷パターンを形成し、該印刷パターンは、材料を含有するPCB基板114の全ての領域をカバーし、該材料は、印刷及び露光調製方法300に続くエッチング段階中、保持されるようになることである。処理されているPCB基板114の部分は、次いで第1インク乾燥器140までステージ112によって進行させられ、そこで、第1乾燥ステップ316に見られるように、感光性インク内に存在する溶媒が蒸発させられる。第1乾燥ステップ316での溶媒蒸発に続いて、用いられる印刷設定及びインクを変えることによって、感光性インク印刷ステップ315において印刷される特徴の長さ及び幅寸法は、50μm程小さくてもよく、そして、感光性インク印刷ステップ315において印刷される特徴の高さは、0.5~5μmの範囲内にある。
【0104】
ステップ318、320、及び322に見られるように、本発明のいくつかの実施形態では、感光性インク印刷ステップ315において印刷された特徴は、非酸素透過性コーティングを用いてコーティングすることを必要とする。感光性インクのための非酸素透過性コーティングは、感光性インクがラジカル重合を利用するフォトレジストを含み、感光性インクが酸素の面前で露光されるときに必要である。
【0105】
非酸素透過性コーティングが必要なとき、非酸素透過性インク印刷ステップ320において見られるように、処理されているPCB基板114の部分は、非酸素透過性インクの選択的な印刷のために第2HTBPIH150まで進行させらる。留意されるのは、非酸素透過性インクが、好ましくは、印刷パターン212の全ての上に印刷され、PCB製品200の別の領域には印刷されないことである。
【0106】
非酸素透過性コーティングが必要なとき、処理されているPCB基板114の部分は、次いで第2インク乾燥器160まで進行させられ、第2乾燥ステップ322において見られるように、非酸素透過性インク内に存在する溶媒が蒸発させられる。第2乾燥ステップ322に続いて、用いられる印刷設定及びインクを変更することによって、非酸素透過性インク印刷ステップ320において印刷される特徴の長さ及び幅寸法は、50μmからPCB基板114の最大寸法までの範囲内にあってもよく、非酸素透過性インク印刷ステップ320において印刷される特徴の高さは、0.1~3μmの範囲内にある。
【0107】
ステップ315~322の間、PCB製品200は、好ましくは
図2Aに対応することがわかる。本発明の実施形態の具体的な特徴として、非酸素透過性インク印刷ステップ320において印刷される非酸素透過性インクは、感光性インクの上に印刷されて、露光中での酸化から感光性インクを保護するように作用するけれども、非酸素透過性インク印刷ステップ320において印刷される非酸素透過性インクは、露光パターン220の最小の長さ及び幅寸法を増加させないことが挙げられる。
【0108】
処理は、ステップ324及び326に見られるように、非酸素透過性コーティングが必要とされないときには第1乾燥ステップ316、又は非酸素透過性コーティングが必要とされるときには第2乾燥ステップ322のいずれかに続いて、随意の検査ステップを続ける。検査が必要な場合には、処理されているPCB基板114の部分が、カメラ170まで進行させられ、そして、PCB基板114は、ステップ326に見られるように最小のピンホールが印刷パターン内にあることを確認するために検査される。印刷されたインクの液体組成は、印刷パターン212の高さとともに、PCB基板114へのインクの接着を促進することがわかる。
【0109】
処理は、次のステップ328を続行し、該ステップにおいて、処理されているPCB基板114の部分は、パターン露光機180まで進行させられ、そして、印刷パターン212が選択的に露光されて、露光パターン220を形成する。ステップ328の後では、PCB製品200は、好ましくは
図2Bに対応することがわかる。露光パターン220は、5/5μm程の小さいL/Sによって特徴付けられる。留意されるのは、印刷パターン212が選択的に露光されて、材料上に横たわる露光パターン220を形成し、該材料は、印刷及び露光調製方法300に続くエッチングステップの間、保持されるようになることである。ステップ328の後に、PCB基板114は、印刷及び露光調製方法300に続く更なる処理に対する準備ができている。
【0110】
留意するのは、印刷及び露光調製方法300が、好ましくは高密度導体を有するPCB製品を調製するための方法の部分を形成することである。印刷及び露光調製方法300に続いて、印刷パターン212が、現像され洗浄されて、感光性印刷パターンの未露光部分及び非酸素透過性印刷パターンの全てを除去し、一方が用いられるならば、PCB基板114をマスクする露光パターン220だけを残す。本発明の具体的な特徴は、現像されたパターンが5/5μm程の小さいL/Sによって特徴付けられることである。本発明の実施形態の更なる特徴は、
図2A~3を参照して上記で説明したように、印刷パターン212の高さ、したがって露光パターン220の高さに起因して、CCPPME100と印刷及び露光調製方法300とを用いて作成される印刷パターン212が、典型的な既知の写真平版方法を用いて製作された同様のパターンについてあり得る時間よりも短い時間で現像され洗浄されてもよいことである。
【0111】
ここで
図4A~4Hを参照するが、これらの図は、光学顕微鏡で撮られたPCB製品200(
図2A~2C)等のPCB製品についての画像である。
図4A~4Hの倍率が、スケールバー410によって示されている。留意されるのは、
図4A~4Hは、現像された後の露光パターン220であることである。更に留意されるのは、
図4A~4Dに示す露光パターン220は、接着促進剤を伴わない感光性インクから形成され、
図4E~4Hに示す露光パターン220は、接着促進剤を含む感光性インクから形成されることである。
【0112】
ここで
図5Aを参照するが、この図は、スルーホールビア502を含むPCB板500の2つの簡略断面画像を含む。
図5Aは、スルーホールビア502の形成中に生じ得る問題を示す。
図5Aに見られるように、PCBボード500とスルーホールビア502の両方は、誘電体コア510上に薄い銅層520によってコーティングされる。PCBボード500及び銅層520は、次いでフォトレジストインク530によってコーティングされ、該フォトレジストインクは、ボード全体の銅層520をカバーする。銅層520を含む、コーティングされたPCBボード500は、次いで、矢印540によって示されるようなパターン露光機、典型的にはLDI露光機を用いて露光される。露光ステップ中に、スルーホールビア502の縁の近くのフォトレジストインク530を光重合させるけれども、スルーホールビア502の内壁の中心を重合させない。現像処理の後に、重合されなかったフォトレジストインク530が洗い落とされて、下にある銅層520の一部分を、後続のエッチング処理において保護されていない状態にする。このことが、スルーホールビア502内に非導電性領域503をもたらしてもよい。
【0113】
ここで
図5Bを参照するが、この図は、
図5Aにおいて説明された問題を解決する第1方法を示す。
図5Bに見られるように、フォトレジストインク530を適用すること及び後続のフォトレジストインク530の露光540前に、スルーホールビア502内にビア充填インク550を印刷することが、現像及びエッチング処理中に、スルーホールビア内の銅表面上に保護層を提供する。
【0114】
ここで
図5Cを参照すると、この図は、
図5Aにおいて説明された問題を解決する第2方法を示す。
図5Cは、拡散層560を含むステージ上でのPCBボードの生成を示す。露光処理の間、拡散層に到達するレーザー光は、矢印570が示すように後方散乱させられて、スルーホールビア502内部のフォトレジストインク530全体の重合をもたらし、その結果、エッチング処理中に銅層520を保護する。
【0115】
上記の
図3で説明された処理に続いて、印刷パターン212を現像した後に、より大きい製造処理が進行する。有り難いことに、以下に説明されるより大きい製造処理の次のステップは、銅表層ウェットエッチングステップであり、一方、当業者に公知であるように、より大きい製造処理の次のステップは、とりわけ、ドライエッチングステップ、非電導性表面エッチングステップ、又はイオン注入ステップを含むリソグラフィ処理に続くいずれかの好適なステップであってもよいことがわかる。
【0116】
銅層210は、ウェットエッチング等の任意の好適なエッチング処理を用いてエッチングされてもよい。ウェットエッチングに適した典型的なエッチング溶液は、以下の成分、CuCl2等の銅塩、FeCl3等の第二鉄塩、クロム硫酸、過硫酸塩、亜塩素酸ナトリウム、及び過酸化水素のうちの1つを含む。典型的なエッチング処理は、銅層210上にエッチング溶液にスプレーすることを含む。
【0117】
エッチングステップの後には、PCB製品200は、好ましくは
図2Cに対応することがわかる。
図2A~3を参照して上記されたような印刷パターン212の厚さだけでなく、感光性インクに関して上記されたような印刷パターン内のバンキング剤の存在に起因して、エッチングの異方性、従って、導体の直線性が、増加させられて、導体がより密な間隔にされることを可能にする。
【0118】
留意されるのは、本発明の印刷及び露光調製方法300は、様々な寸法を有するエッチングされた導体の製造に利用されてもよいことである。10/10μmのL/Sを有するエッチングされた導体が、本発明の印刷及び露光調製方法300と連携して製造されてもよいことが、本発明の実施形態の具体的な特徴である。例として、18μmの高さを有する銅層は、25/25μm程の小さいL/Sを有する高密度導体を形成するように上記されたようにエッチングされてもよく、一方、5μmの高さを有する銅層が、上記のようにエッチングされて、10/10μm程の小さいL/Sを有する高密度導体を形成する。
【0119】
露光パターン220の下の層をエッチングした後に、露光パターン220が、随意に剥離されてもよい。印刷パターン212の厚さ、したがって露光パターン220の厚さに起因して、
図2A~3を参照して上記したように、CCPPME100並びに印刷及び露光調製方法300を用いて作成された露光パターン220は、典型的な既知の写真平版方法を用いて作成される同様のパターンについてあり得るものよりも、より容易及びより短時間で分離されてもよい。更に、露光パターン220の剥離は、場合によっては不要にされてもよく、処理は、適所の露光パターン220によって処理されてもよい。
【0120】
本発明は、本明細書に具体的に説明され示されてきたものに限定されないけれども、先行技術の範囲内にない本明細書に記載された特徴及びその改良の組合せ及び部分的組合せを含むことを当業者であれば理解するであろう。