IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パイオニア株式会社の特許一覧

特開2023-59939サーバ装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び記憶媒体
<>
  • 特開-サーバ装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び記憶媒体 図1
  • 特開-サーバ装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び記憶媒体 図2
  • 特開-サーバ装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び記憶媒体 図3
  • 特開-サーバ装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び記憶媒体 図4
  • 特開-サーバ装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び記憶媒体 図5
  • 特開-サーバ装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び記憶媒体 図6
  • 特開-サーバ装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び記憶媒体 図7
  • 特開-サーバ装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び記憶媒体 図8
  • 特開-サーバ装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び記憶媒体 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023059939
(43)【公開日】2023-04-27
(54)【発明の名称】サーバ装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20230420BHJP
   G01C 21/32 20060101ALI20230420BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20230420BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20230420BHJP
   G16Y 40/50 20200101ALI20230420BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20230420BHJP
【FI】
G08G1/00 A
G01C21/32
G08G1/16 A
G01C21/26 A
G16Y40/50
G16Y10/40
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025310
(22)【出願日】2023-02-21
(62)【分割の表示】P 2020569553の分割
【原出願日】2020-01-23
(31)【優先権主張番号】P 2019015659
(32)【優先日】2019-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】田村 雄一
(57)【要約】
【課題】経時的に変化する走行条件を運転支援に反映させるためのデータを作成すること
ができるサーバ装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び記憶媒体を提供する。
【解決手段】複数の移動体1のうちの一の移動体1に配置された移動体通信手段113から、一の移動体の位置情報と、一の移動体により使用されている運転支援機能を示す情報と、がそれぞれ互いに対応付けられた処理対象情報を取得するサーバ通信手段211と、サーバ通信手段211で取得された処理対象情報に対して統計処理を行い、地図データが示す地図における位置又は領域において、運転支援機能を実行すべきか否かを示す統計情報を地図データに埋め込む処理手段212と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の移動体のそれぞれに配置された通信装置から取得したデータに対して統計処理を行い、地図データに情報を埋め込むためのサーバ装置であって、
前記複数の移動体のうちの一の移動体に配置された通信装置から、前記一の移動体の位置情報と、前記一の移動体により使用されている運転支援機能を示す情報と、がそれぞれ互いに対応付けられた処理対象情報を取得する取得手段と、
前記取得手段で取得された前記処理対象情報に対して統計処理を行い、前記地図データが示す地図における位置又は領域において、運転支援機能を実行すべきか否か又は当該運転支援機能を実行しないべきか否かを示す統計情報を前記地図データに埋め込む処理手段と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体の運転支援に関するデータ作成を行うサーバ装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び情報処理プログラムを記憶した記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、移動体における例えばハンドル操作や加減速等の運転操作を支援する運転支援の技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。運転支援については、例えばハンドル操作や加減速等のいずれか1つあるいは複数を支援する等というように様々な手法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-106854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、運転支援については、道路や周辺環境等といった走行条件によって、支障なく行える場合や、手動操作のみで運転を行った方が望ましい場合、等といった様々な場合が存在する。そこで、走行条件を反映させた適切な運転支援を行うことが望まれている。このとき、運転支援に影響を与える走行条件は、例えば道路工事や周辺の建築工事等によって経時的に変化する可能性がある。しかしながら、このように経時的に変化する走行条件を運転支援に適宜に反映させるのに有効な手法については、未だ提案がなされていないのが現状である。
【0005】
したがって、本発明の課題は、経時的に変化する走行条件を運転支援に反映させるためのデータを作成することができるサーバ装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び記憶媒体を提供すること等が一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した課題を解決し目的を達成するために、本発明のサーバ装置は、複数の移動体のそれぞれに配置された通信装置から取得したデータに対して統計処理を行い、地図データに情報を埋め込むためのサーバ装置であって、前記複数の移動体のうちの一の移動体に配置された通信装置から、前記一の移動体の位置情報と、前記一の移動体により使用されている運転支援機能を示す情報と、がそれぞれ互いに対応付けられた処理対象情報を取得する取得手段と、前記取得手段で取得された前記処理対象情報に対して統計処理を行い、前記地図データが示す地図における位置又は領域において、運転支援機能を実行すべきか否か又は当該運転支援機能を実行しないべきか否かを示す統計情報を前記地図データに埋め込む処理手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、前述した課題を解決し目的を達成するために、本発明の情報処理方法は、複数の移動体のそれぞれに配置された通信装置から取得したデータに対して統計処理を行い、地図データに情報を埋め込む情報処理方法であって、前記複数の移動体のうちの一の移動体に配置された通信装置から、前記一の移動体の位置情報と、前記一の移動体により使用されている運転支援機能を示す情報と、がそれぞれ互いに対応付けられた処理対象情報を取得する取得工程と、前記取得工程で取得された前記処理対象情報に対して統計処理を行い、前記地図データが示す地図における位置又は領域において、運転支援機能を実行すべきか否か又は当該運転支援機能を実行しないべきか否かを示す統計情報を前記地図データに埋め込む処理工程と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、前述した課題を解決し目的を達成するために、本発明の情報処理プログラムは、上述した本発明の情報処理方法を、コンピュータにより実行させることを特徴とする。
【0009】
また、前述した課題を解決し目的を達成するために、本発明の記憶媒体は、上述した本発明の情報処理プログラムを記憶したことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】複数の移動体とサーバとを示す模式図である。
図2図1に示されている移動体及びサーバそれぞれにおける装置構成を示す模式的なブロック図である。
図3図2に示されているサーバ記憶装置に記憶されている地図データのデータ構造を示す模式図である。
図4図3に示されている埋込み情報をテーブル形式で示す図である。
図5図2に示されている情報処理装置において行なわれる情報処理方法の処理の流れを示すフローチャートである。
図6図5のフローチャートが表す情報処理方法の処理が繰り返されることでサーバに送られるデータのデータ構造をテーブル形式で示す図である。
図7図2に示されているサーバ装置において行なわれる情報処理方法の処理の流れを示すフローチャートである。
図8】移動体における各種挙動と、運転支援機能の安全性を評価するための安全性ポイントの加減値を対応付けた評価テーブルを示す図である。
図9】安全性ポイントの累積値に基づいて運転支援機能に対する統計的な安全性が評価されたときの評価結果の一例をテーブル形式で示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を説明する。本発明の実施形態に係るサーバ装置は、複数の移動体のそれぞれに配置された通信装置から取得したデータに対して統計処理を行い、地図データに情報を埋め込むためのサーバ装置であって、取得手段と、処理手段と、を備えている。取得手段は、複数の移動体のうちの一の移動体に配置された通信装置から、一の移動体の位置情報と、一の移動体により使用されている運転支援機能を示す情報と、がそれぞれ互いに対応付けられた処理対象情報を取得する。処理手段は、取得手段で取得された処理対象情報に対して統計処理を行い、地図データが示す地図における位置又は領域において、運転支援機能を実行すべきか否か又は当該運転支援機能を実行しないべきか否かを示す統計情報を地図データに埋め込む。
【0012】
本実施形態のサーバ装置によれば、一の移動体から取得された位置情報及び運転支援機能を示す情報に基づいて統計処理が行われ、地図における位置又は領域に、運転支援機能を実行すべきか否か又は当該運転支援機能を実行しないべきか否かを示す統計情報が埋め込まれる。移動体における位置情報及び運転支援機能を示す情報は、例えば道路工事や周辺の建築工事等によって経時的に変化する走行条件に応じて、任意の走行位置で実際にどのような運転支援が行われたかを表している。このような情報から、地図における位置又は領域に、運転支援機能を実行すべきか否か又は当該運転支援機能を実行しないべきか否かを示す統計情報が埋め込まれるので、経時的に変化する走行条件を運転支援に反映させることができる。
【0013】
ここで、本実施形態では、取得手段が、処理対象情報として、一の移動体の挙動を示す情報が位置情報及び運転支援機能を示す情報に対応付けられた情報を取得することとなっている。
【0014】
運転支援中の移動体の挙動は、例えば道路工事や周辺の建築工事等によって経時的に変化する走行条件が、移動体の運転支援にどのような影響を及ぼしたかを端的に表している。本実施形態によれば、このような移動体の挙動も統計情報の埋込みに利用されるので、経時的に変化する走行条件を運転支援にきめ細かく反映させることができる。
【0015】
また、本実施形態では、処理手段は、移動体の挙動を示す情報に基づいて、地図における位置又は領域において、運転支援機能を実行して安全に移動が可能か否かを判断し、統計情報を生成する。
【0016】
本実施形態によれば、移動体の挙動に基づいて判断された運転支援機能についての安全性が上記の統計情報の生成に反映されるので、経時的に変化する走行条件を安全性の観点から運転支援にきめ細かく反映させることができる。
【0017】
また、本実施形態では、取得手段が、処理対象情報として、次のような情報が位置情報及び運転支援機能を示す情報に対応付けられたものを取得する。即ち、取得手段は、運転支援に関わるプログラムの種別に関する情報、プログラムのバージョンに関する情報、及び一の移動体の種別に関する情報、のうちの少なくとも1つが、位置情報及び運転支援機能を示す情報に対応付けられた情報を取得する。
【0018】
運転支援機能が同じであっても、その運転支援に関わるプログラムの種別や、プログラムのバージョン、及び移動体の種別が異なるといった場合がある。本実施形態によれば、このような情報も統計情報の作成に利用されるので、経時的に変化する走行条件を運転支援にきめ細かく反映させることができる。
【0019】
また、本実施形態のサーバ装置は、処理手段が作成した統計情報を所定の移動体に提供する提供手段を備えている。
【0020】
本実施形態によれば、作成された統計情報が移動体に提供されるので、その移動体における運転支援に、経時的に変化する走行条件を効果的に反映させることができる。
【0021】
また、本発明の実施形態に係る情報処理方法は、複数の移動体のそれぞれに配置された通信装置から取得したデータに対して統計処理を行い、地図データに情報を埋め込む情報処理方法であって、取得工程と、処理工程と、を備えている。取得工程は、複数の移動体のうちの一の移動体に配置された通信装置から、一の移動体の位置情報と、一の移動体により使用されている運転支援機能を示す情報と、がそれぞれ互いに対応付けられた処理対象情報を取得する工程である。処理工程は、取得工程で取得された処理対象情報に対して統計処理を行い、地図データが示す地図における位置又は領域において、運転支援機能を実行すべきか否か又は当該運転支援機能を実行しないべきか否かを示す統計情報を地図データに埋め込む工程である。
【0022】
本実施形態の情報処理方法によれば、一の移動体から取得された位置情報及び運転支援機能を示す情報に基づいて統計処理が行われ、地図における位置又は領域に、運転支援機能を実行すべきか否か又は当該運転支援機能を実行しないべきか否かを示す統計情報が埋め込まれる。移動体における位置情報及び運転支援機能を示す情報は、例えば道路工事や周辺の建築工事等によって経時的に変化する走行条件に応じて、任意の走行位置で実際にどの程度で運転支援が行われたかを表している。このような情報から、地図における位置又は領域に、運転支援機能を実行すべきか否か又は当該運転支援機能を実行しないべきか否かを示す統計情報が埋め込まれるので、経時的に変化する走行条件を運転支援に反映させることができる。
【0023】
また、本発明の実施形態に係る情報処理プログラムは、上述した情報処理方法を、コンピュータにより実行させる。
【0024】
本実施形態に係る情報処理プログラムによれば、上述した情報処理方法を、コンピュータにより実行させることで、経時的に変化する走行条件を運転支援に反映させることができる。
【0025】
また、本発明の実施形態に係る記憶媒体は、上述した情報処理プログラムを記憶したものとなっている。
【0026】
本実施形態の記憶媒体によれば、記憶されている情報処理プログラムにより、上述した情報処理方法をコンピュータで実行させることができる。これにより、経時的に変化する走行条件を運転支援に反映させることができる。
【実施例0027】
以下、経時的に変化する走行条件を運転支援に反映させるという課題、あるいは、きめ細かな運転支援に資するという課題を解決するための実施例について図を参照して具体的に説明する。
【0028】
図1は、複数の移動体とサーバとを示す模式図であり、図2は、図1に示されている移動体及びサーバそれぞれにおける装置構成を示す模式的なブロック図である。
【0029】
本実施例では、図1に示されているように、各々が乗用車である複数台の移動体1が、1台のサーバ装置2に無線接続されている。サーバ装置2には、個々の移動体1において運転支援機能を使用した運転を実行すべきか否か、即ち、運転支援機能の許可/不許可を判断するために用いられる地図データを記憶するサーバ記憶装置220が設けられている。また、サーバ装置2には、サーバ記憶装置220に記憶させる地図データを作成するデータ作成装置210が設けられている。
【0030】
他方、各移動体1には、運転支援に関する情報処理を行う情報処理装置110が設けられている。ここで、本実施例では、複数の移動体1には、運転支援を実行する運転支援装置120が配置された運転支援可能な移動体1aと、運転支援装置120が配置されていない運転支援不能な移動体1bと、が含まれているものとする。
【0031】
また、各移動体1には、移動体記憶装置130が配置されている。移動体記憶装置130には、運転支援可能な移動体1aにおいて、運転支援装置120による運転支援に用いられる地図データが記憶される。この地図データは、上記のサーバ記憶装置220に記憶されている地図データがサーバ装置2から適宜に提供されるものである。また、移動体記憶装置130には、情報処理装置110での情報処理に用いられる後述の各種情報も記憶されている。
【0032】
情報処理装置110は、サーバ装置2において地図データを作成するための情報取得を行う装置である。
【0033】
本実施例では、情報処理装置110及び運転支援装置120の構成要素は、その一部を除いて、移動体1に配置されたナビゲーション装置に構築されている。運転支援装置120は、このナビゲーション装置における構築要素と、不図示の各種センサと、で構成される。
【0034】
移動体1の情報処理装置110、及びサーバ装置2のデータ作成装置210の各構成要素について説明する前に、まず、サーバ記憶装置220に記憶される地図データのデータ構造について説明する。
【0035】
図3は、図2に示されているサーバ記憶装置に記憶されている地図データのデータ構造を示す模式図である。
【0036】
図3に示されているデータ構造3は、次のような埋込み情報310を含んだデータ構造となっている。埋込み情報310は、移動体1での運転支援に関する情報であって、所定の地図における位置又は領域においてある運転支援機能を統計的に実行すべきか否か(即ち、運転支援機能の許可/不許可)を示す統計情報314を含んでいる。データ構造3では、この埋込み情報310が、地図における位置又は領域に対応付けられている。地図における位置又は領域とは、道路ネットワーク320を構成する道路リンク321や、複数の道路リンク321を含む領域322のことである。
【0037】
図4は、図3に示されている埋込み情報を、領域Ar11を例に挙げてテーブル形式で示す図である。
【0038】
このデータ構造3における埋込み情報310は、メーカ/運転支援プログラムの種別情報311、移動体種別情報312、運転支援プログラムのバージョン情報313、及び統計情報314を含んだ情報となっている。
【0039】
メーカ/運転支援プログラムの種別情報311は、移動体1が有する運転支援機能に関わる運転支援プログラムの種別と、その運転支援プログラム及び移動体1のメーカと、に関する情報である。ここにいう運転支援機能としては、ACC(Adaptive Cruise Control)機能や、LKAS(Lane Keeping Assist System)機能や、自動ブレーキ機能等が挙げられる。図4では、これらの機能のうちACC機能が例示されている。ACC機能は、前方走行中の移動体との車間距離を一定に保ちつつ走行する機能である。また、LKAS機能は、車線を維持しつつ走行する機能である。
【0040】
移動体種別情報312は、移動体1の種別(車種)に関する情報である。
【0041】
運転支援プログラムのバージョン情報313は、移動体1が有する運転支援プログラムのバージョンに関する情報である。
【0042】
そして、統計情報314は、上述したように運転支援機能を使用した運転を実行すべきか否か(即ち、運転支援機能の許可/不許可)を示す情報である。
【0043】
図4の例では、メーカ/運転支援プログラムの種別情報311として、A社製のAプログラム、B社製のBプログラム、及びC社製のCプログラム、という3種類のプログラムに関する情報が例示されている。また、移動体種別情報312として、A社製の移動体種別A1、A2、B社製の移動体種別B1、B2、及びC社製の移動体種別C1、C2、という6種類の種別に関する情報が例示されている。また、運転支援プログラムのバージョン情報313として、AプログラムについてはVer1.0とVer1.5、BプログラムについてはVer1.0とVer1.3、CプログラムについてはVer1.0とVer2.0に関する情報が例示されている。
【0044】
そして、統計情報314として、A社製の移動体種別A1が有するA社製のAプログラムについて、Ver1.0ではACC機能の使用が不許可であり、Ver1.5ではACC機能の使用が許可されていることが例示されている。同様に、移動体種別A2が有するA社製のAプログラムについても、Ver1.0ではACC機能の使用が不許可であり、Ver1.5ではACC機能の使用が許可されている。B社製の移動体種別B1が有するB社製のBプログラムについては、Ver1.0とVer1.3の双方ともにACC機能の使用が不許可であることが例示されている。また、C社製の移動体種別C1が有するC社製のCプログラムについては、Ver1.0とVer2.0の双方ともにACC機能の使用が許可されていることが例示されている。
【0045】
図4の例では、これらの情報を有する埋込み情報310が、領域Ar11に対応付けられたデータ構造3で地図データに埋め込まれている。
【0046】
以上に説明したデータ構造3を有する地図データが、サーバ装置2においては、データ作成装置210で作製されてサーバ記憶装置220に記憶される。このサーバ記憶装置220は、サーバ装置2に設けられた記憶装置としてのハードディスク装置となっている。尚、上記のデータを記憶するものはハードディスク装置に限るものではなく、書込み/読み出しが可能な他の記憶装置であってもよく、あるいは、公知の可搬型記憶媒体であってもよい。可搬型記憶媒体にデータを記憶しておく場合、上記のサーバ記憶装置220は、可搬型記憶媒体の設置と取外しが可能なリーダ/ライタ装置となる。
【0047】
また、サーバ記憶装置220の地図データは、適宜に移動体1に提供される。移動体1においては、サーバ装置2から提供された地図データが移動体記憶装置130に記憶されて、運転支援装置120によって読み出されて運転支援に用いられる。移動体記憶装置130は、移動体1に設けられた記憶装置としてのハードディスク装置となっている。尚、上記のデータを記憶するものはハードディスク装置に限るものではなく、書込み/読み出しが可能な他の記憶装置であってもよく、あるいは、公知の可搬型記憶媒体であってもよい。可搬型記憶媒体にデータを記憶しておく場合、上記の移動体記憶装置130は、可搬型記憶媒体の設置と取外しが可能なリーダ/ライタ装置となる。
【0048】
これらの記憶装置に記憶される地図データを作成するために、図2に示されているように移動体1には情報処理装置110が設けられ、サーバ装置2にはデータ作成装置210が設けられている。
【0049】
まず、移動体1の情報処理装置110について説明する。情報処理装置110は、サーバ装置2においてデータ構造3の地図データを作成するための情報取得を行う装置であって、第1取得手段111と、第2取得手段112と、移動体通信手段113と、を備えている。これらの構成要素によって、情報処理装置110では、以下の情報処理方法における処理の流れに則って情報取得が行われる。
【0050】
図5は、図2に示されている情報処理装置において行なわれる情報処理方法の処理の流れを示すフローチャートである。
【0051】
このフローチャートが表す処理は、移動体1のナビゲーション装置に電源が投入されるとスタートし、通常のナビゲーション処理と並行して実行される。
【0052】
処理がスタートすると、まず、第1取得手段111によって、移動体1において実行中の運転支援機能に関する情報を運転支援装置120から取得する第1取得工程(ステップS11)が実行される。尚、ここで取得される情報には、運転支援は行われずに手動運転が行われている場合も含まれる。
【0053】
ここで、本実施例では、第1取得工程(ステップS11)において、第1取得手段111が、このフローチャートの情報処理方法を実行している情報処理装置110が配置された移動体1に関する次の情報も取得する。即ち、第1取得手段111は、この移動体1が有する運転支援プログラム及び移動体1のメーカ、運転支援プログラムの種別、及びバージョン、更にこの移動体1の種別、それぞれに関する情報を、移動体記憶装置130から読み出して取得する。
【0054】
また、本実施例では、第1取得工程(ステップS11)において、第1取得手段111が、移動体1の挙動を移動体1のブレーキ装置やハンドル装置等から取得する。
【0055】
以上の第1取得工程(ステップS11)に続いて、第2取得手段112によって、移動体1の走行位置を取得する第2取得工程(ステップS12)が実行される。第2取得手段112は、GNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)等の測位システムを用いて移動体1の走行位置を取得する。
【0056】
このようにして各種情報が取得されると、移動体通信手段113によって、送信工程(ステップS13)が実行される。移動体通信手段113は、サーバ装置2に、実行中の運転支援機能、運転支援プログラム及び移動体1のメーカ、運転支援プログラムの種別、バージョン、移動体1の種別、走行位置、及び挙動、それぞれに関する情報を互いに対応付けて送信する。この送信工程(ステップS13)が終了すると、処理がステップS11に戻って以降の処理が繰り返される。
【0057】
図5のフローチャートが表す情報処理方法の処理は、ナビゲーション装置の電源がオフされるまで実行され続ける。
【0058】
この図5のフローチャートで表される情報処理方法をコンピュータにより実行させる情報処理プログラムが、ナビゲーション装置の記憶媒体や、ナビゲーション装置とは別体の車載コンピュータ装置の記憶媒体に記憶されている。また、この情報処理プログラムを記憶する記憶媒体は、これらの装置の記憶媒体に限らず、公知の可搬記憶媒体や、ネットワークを介してこれらの装置に接続されるサーバに設置された記憶媒体であってもよい。
【0059】
この図5のフローチャートが表す情報処理方法の処理が繰り返されることで、以下に説明するデータ構造を有するデータがサーバ装置2に送られることとなる。
【0060】
図6は、図5のフローチャートが表す情報処理方法の処理が繰り返されることでサーバに送られるデータのデータ構造をテーブル形式で示す図である。
【0061】
この図6に示されているデータ構造4では、次の6種の情報が互いに対応付けられている。即ち、6種の情報には、移動体1の走行位置を示す位置情報41と、実行中の運転支援機能を示す運転支援機能情報42と、移動体1の挙動を示す挙動情報43と、が含まれている。更に、運転支援プログラム及び移動体1のメーカや運転支援プログラムの種別を示すメーカ/運転支援プログラムの種別情報44と、移動体1の種別を示す移動体種別情報45と、運転支援プログラムのバージョンを示すバージョン情報46とが、含まれている。そして、以上の6種の情報からなる情報セット47が、図5のフローチャートが表す情報処理方法の処理が1サイクル実行される度に1セットずつ、移動体通信手段113によってサーバ装置2に送信される。
【0062】
図6の例について説明すると、まず、A社製でVer1.0のAプログラムを有する移動体種別A1の移動体1が、位置Pt11において運転支援非実行の状態で通常走行していることを示す情報セット47が送信される。同様の情報セット47の送信が続いた後で位置Pt12においてACC機能の実行が開始され、位置Pt12においてACC機能の下で通常走行していることを示す情報セット47が送信される。そして、位置Pt13を含む区間においてACC機能の下での通常走行が続いた後、図6の例では、位置Pt14において所謂ヒヤリハット相当の軽度危険挙動としての急ブレーキが発生したことを示す情報セット47が送信される。次サイクルに当る位置Pt15以降は通常走行を示す情報セット47の送信が続くが、位置Pt16に至った段階で、縁石乗り上げ事故発生に伴う重度危険挙動としての急ブレーキが発生したことを示す情報セット47が送信されている。移動体1は、この地点で停止し、情報セット47の送信も、ここで停止している。
【0063】
図6はデータ構造4を有するデータの送信の一例であるが、このような一連のデータ送信が、図2に示されている複数の移動体1それぞれにおいて行なわれ、各移動体1からのデータに基づいてサーバ装置2のデータ作成装置210が地図データの作成を行う。
【0064】
次に、サーバ装置2のデータ作成装置210について説明する。データ作成装置210は、移動体1からの情報に基づいて図3及び図4に示されているデータ構造3の地図データを作成する装置であって、図2に示されているように、サーバ通信手段211(取得手段)と、処理手段212と、提供手段213と、を備えている。これらの構成要素によって、データ作成装置210では、以下の情報処理方法における処理の流れに則って地図データの作成が行われる。
【0065】
図7は、図2に示されているサーバ装置において行なわれる情報処理方法の処理の流れを示すフローチャートである。
【0066】
この処理は、サーバ装置2に電源が投入されるとスタートする。すると、まず、サーバ通信手段211によって、複数の移動体1のうちの一の移動体1について、走行位置を示す位置情報41と、実行中の運転支援機能情報42等と、が互いに対応付けられた処理対象情報を取得する取得工程(ステップS21)が実行される。この取得工程(ステップS21)では、移動体1から、図6に示されているテーブルの1行分に相当する情報セット47が処理対象情報として取得される。即ち、ここでは、処理対象情報として、一の移動体1の位置情報41、運転支援機能情報42、挙動情報43、メーカ/運転支援プログラムの種別情報44、移動体種別情報45、及びバージョン情報46、が取得される。
【0067】
次に、取得された情報セット47に基づいて、処理手段212によって、次のような安全性ポイント加減工程(ステップS22)が実行される。即ち、安全性ポイント加減工程(ステップS22)は、情報セット47における移動体1の位置情報41が属する地図における位置又は領域に対応付けられた評価対象の運転支援機能について、安全性を評価するための安全性ポイントを加減する工程である。この安全性ポイントの加減値は、次のような評価テーブルを用い、情報セット47における移動体1の挙動情報43に基づいて決定される。
【0068】
図8は、移動体における各種挙動と、運転支援機能の安全性を評価するための安全性ポイントの加減値を対応付けた評価テーブルを示す図である。
【0069】
この図8に示されている評価テーブル5では、通常走行にはプラスN11の加減値が対応付けられ、ヒヤリハット相当の軽度危険挙動としての急ブレーキにはマイナスN12の加減値が対応付けられている。また、軽度危険挙動としての急ハンドルには、上記のマイナスN12の加減値と同程度のマイナスN13の加減値が対応付けられている。更に、縁石乗り上げ事故発生に伴う重度危険挙動としての急ブレーキには、上記のマイナスN12の加減値やマイナスN13の加減値よりも絶対値の大きいマイナスN14の加減値が対応付けられている。この評価テーブル5は、図2に示されているサーバ記憶装置220に記憶されている。
【0070】
図7の安全性ポイント加減工程(ステップS22)では、処理手段212が上記の評価テーブル5を参照し、取得された情報セット47における挙動情報43が示す移動体1の挙動に対応付けられた安全性ポイントの加減値を求める。そして、処理手段212は、情報セット47における位置情報41が属する地図における位置又は領域について、求めた加減値を用いて、評価対象の運転支援機能に対応付けて安全性ポイントの加減を行う。
【0071】
このようにして、1つの情報セット47について取得工程(ステップS21)と安全性ポイント加減工程(ステップS22)とが実行されると、処理手段212は、これら2つの工程が一定期間に亘って実行されたか否かを判定する(ステップS23)。未だ一定期間に満たない場合(ステップS23のNo判定)、処理がステップS21に戻って以降の処理が繰り返される。この繰り返しによって、地図における位置又は領域において、運転支援機能等に対する安全性ポイントが累積される。上記の2つの工程が一定期間に亘って実行された場合(ステップS23のYes判定)、処理手段212によって、次のような安全性評価工程(ステップS24)が実行される。安全性評価工程(ステップS24)は、地図における位置又は領域について、安全性ポイントの累積値に基づいて運転支援機能に対する統計的な安全性の評価を行う工程である。
【0072】
図9は、安全性ポイントの累積値に基づいて運転支援機能に対する統計的な安全性が評価されたときの評価結果の一例をテーブル形式で示した図である。
【0073】
この図9に一例として示されている評価結果テーブル6では、地図における位置又は領域61について、運転支援機能62に対する統計的な安全性が評価されたときの評価結果が、図3に示されている地図の領域Ar11を例に挙げて示されている。ここでの評価では、まず、一の移動体1から1つの情報セット47が取得されると、情報セット47における位置情報41が属する位置又は領域61が求められる。ここでは、この位置情報41が領域Ar11に属するものとする。
【0074】
次に、領域Ar11に、情報セット47の運転支援機能情報42、メーカ/運転支援プログラムの種別情報44、移動体種別情報45、及びバージョン情報46が、既に評価対象の運転支援機能情報62、メーカ/運転支援プログラムの種別情報63、移動体種別情報64、及びバージョン情報65として対応付けられているか否かが判断される。対応付けられていない場合、情報セット47における上記の各情報が、評価対象として領域Ar11に対応付けられる。更に、情報セット47における挙動情報43に基づいて求められた安全性ポイントの加減値が、安全性ポイントの初期値として領域Ar11に対応付けられる。
【0075】
他方、領域Ar11に、情報セット47における上記の各種情報が既に評価対象として対応付けられている場合、次のように安全性ポイントの加減工程(ステップS22)が行われる。まず、情報セット47における移動体1の挙動情報43に基づいて安全性ポイントの加減値が求められる。次に、既に領域Ar11に上記の評価対象とともに対応付けられている安全性ポイントに、求められた加減値が加算あるいは減算される。
【0076】
以上の処理が一定期間の間に、複数の移動体1のうちの各一の移動体1から情報セット47が取得される度に実行され、安全性ポイントの累積が行われる。
【0077】
そして、一定期間が経過した後、処理手段212によって、地図における評価対象の位置又は領域61に、評価対象の各情報とともに対応付けられた安全性ポイントの累積値66が、所定の閾値と比較される。閾値以上であれば、評価結果67は、その位置又は領域(ここでは、領域Ar11)61において、評価対象のメーカ、運転支援プログラムの種別、移動体の種別、バージョンについて、評価対象の運転支援機能の実行が統計的に安全上可能というものとなる。
【0078】
図9の例では、領域Ar11において、安全性ポイントの累積値Cn11,Cn13に対応するメーカ、運転支援プログラムの種別、移動体の種別、バージョンについてはACC機能での運転支援を実行すべきでない(不許可)と評価されている。他方、安全性ポイントの累積値Cn12,Cn14,Cn15に対応するメーカ、運転支援プログラムの種別、移動体の種別、バージョンについてはACC機能での運転支援を実行すべきである(許可)と評価されている。
【0079】
図7のフローチャートにおける安全性評価工程(ステップS24)において、図9に一例として示されているような評価が行われると、その評価結果に基づいた地図データ作成工程(ステップS25)が処理手段212によって行われる。地図データ作成工程(ステップS25)では、領域Ar11や道路リンクL11といった地図における位置又は領域ごとに、上記の評価結果を統計情報314として含む埋込み情報310(図3及び図4)が作成される。そして、作成された埋込み情報310が、評価結果に対応する位置又は領域に改めて対応付けられることで、図3に示されているデータ構造3の地図データに埋め込まれる。
【0080】
続いて、このような埋め込みによって作成された地図データをサーバ記憶装置220に記憶させる記憶工程(ステップS26)が処理手段212によって行われる。記憶工程(ステップS26)の終了後、処理がステップS21に戻って以降の処理が繰り返される。この繰り返しにより、一定期間が経過する度に、その期間中に複数の移動体1の各一の移動体1から取得された情報セット47に基づいて安全性ポイントの累積が行われ、その累積値66に対する評価結果に基づいて地図データが作成、記憶される。つまり、図7のフローチャートによる情報処理方法の処理によって、サーバ記憶装置220の地図データが、一定期間ごとに更新されることとなる。この地図データが、提供手段213によって、適宜に移動体1に提供されて、その提供先の移動体1における運転支援機能の決定の際に参照されることとなる。
【0081】
本実施例では、図7のフローチャートが表す情報処理方法の処理は、サーバの電源がオフされるまで実行され続ける。
【0082】
本実施例では、この図7のフローチャートで表される情報処理方法をコンピュータにより実行させる情報処理プログラムが、サーバ記憶装置220の一部をなす記憶媒体や、このサーバ記憶装置220とは別体の記憶媒体に記憶されている。また、この情報処理プログラムを記憶する記憶媒体は、サーバ装置2に設置された記憶媒体に限らず、公知の可搬記憶媒体や、ネットワークを介してサーバ装置2に接続される更に別のサーバに設置された記憶媒体であってもよい。
【0083】
以上に説明した実施例によれば以下のような効果を得ることができる。まず、図1及び図2に示されている情報処理装置110、図5のフローチャートで表される情報処理方法、情報処理プログラム、及び記憶媒体によれば、次のような処理が行われる。即ち、移動体1における運転支援機能情報42及び位置情報41が互いに対応付けられた情報セット47がサーバ装置2に送信される。移動体1における運転支援機能情報42及び位置情報41は、例えば道路工事や周辺の建築工事等によって経時的に変化する走行条件に応じて、任意の走行位置で実際にどのように運転支援が行われたかを表している。このような情報セット47が移動体1からサーバ装置2に送信され、所定の地図における位置又は領域に対応する、運転支援機能を実行すべきか否か(許可/不許可)を示す統計情報314を含む埋込み情報310の作成に供されるので、経時的に変化する走行条件を運転支援に反映させることができる。
【0084】
ここで、本実施例では、図6に一例が示されているように、次のような情報が運転支援機能情報42とともに取得される。即ち、メーカ/運転支援プログラムの種別情報44、移動体種別情報45、及びバージョン情報46、の各情報が取得される。そして、これらの情報が、運転支援機能情報42及び位置情報41に更に対応付けられて送信される。
【0085】
実行中の運転支援機能が同じであっても、その運転支援機能の実行に関わる移動体1や運転支援プログラムのメーカ、運転支援プログラムの種別、移動体1の種別、運転支援プログラムのバージョン等が異なるといった場合がある。本実施例によれば、このような情報もサーバ装置2に送信されて埋込み情報310の作成に供されるので、経時的に変化する走行条件を運転支援にきめ細かく反映させることができる。
【0086】
尚、移動体1で取得されてサーバ装置2に運転支援機能情報42及び位置情報41に更に対応付けられて送られる情報は、メーカ/運転支援プログラムの種別情報44、移動体種別情報45、バージョン情報46のうちの少なくとも1つを含むのであればよい。即ち、これらの情報は、本実施例とは異なり、これらのうちの何れか1つ又は複数としてもよく、或いは、更に別の情報を含めてもよい。
【0087】
また、本実施例では、移動体1の挙動情報43が運転支援機能情報42とともに取得され、その挙動情報43が、運転支援機能情報42及び位置情報41に更に対応付けられて送信される。
【0088】
運転支援中の移動体1の挙動情報43は、例えば道路工事や周辺の建築工事等によって経時的に変化する走行条件が、移動体1の運転支援にどのような影響を及ぼしたかを端的に表している。本実施例によれば、このような移動体1の挙動情報43がサーバ装置2に送信されて埋込み情報310の作成に供されるので、経時的に変化する走行条件を運転支援にきめ細かく反映させることができる。
【0089】
また、本実施形態では、移動体1の挙動を示す情報に基づいて、地図における位置又は領域において、運転支援機能を実行して安全に移動が可能か否かが判断され、統計情報314が生成される。
【0090】
本実施形態によれば、移動体1の挙動に基づいて判断された運転支援機能についての安全性が上記の統計情報314の生成に反映されるので、経時的に変化する走行条件を安全性の観点から運転支援にきめ細かく反映させることができる。
【0091】
次に、図1及び図2に示されているデータ作成装置210、図7のフローチャートで表される情報処理方法、情報処理プログラム、及び記憶媒体による効果について説明する。
【0092】
本実例のデータ作成装置210、情報処理方法、情報処理プログラム、及び記憶媒体によれば、複数の移動体1それぞれから取得された運転支援機能情報42及び位置情報41に基づいて、図8及び図9に示されている統計的な安全性評価が統計処理として行われる。そして、その評価結果に基づいて、図3及び図4に示されているように、所定の地図における位置又は領域に対応する統計情報314を含む埋込み情報310が作成される。図6に示されている移動体1から取得される情報セット47における運転支援機能情報42及び位置情報41は、上述したように走行条件に応じてどのように運転支援が行われたかを表している。このような情報セット47から、所定の地図における位置又は領域に対応する埋込み情報310が作成されるので、経時的に変化する走行条件を運転支援に反映させることができる。
【0093】
ここで、本実施例では、移動体の挙動情報43が運転支援機能情報42及び位置情報41とともに更に取得され、この移動体1の挙動情報43も統計処理としての安全性評価の対象に含めることとなっている。
【0094】
運転支援中の移動体の挙動情報43は、上述したように走行条件が移動体1の運転支援にどのような影響を及ぼしたかを端的に表している。本実施例によれば、このような移動体1の挙動も埋込み情報310の作成に供されるので、経時的に変化する走行条件を運転支援にきめ細かく反映させることができる。
【0095】
また、本実施例では、メーカ/運転支援プログラムの種別情報44、移動体種別情報45、及びバージョン情報46が、運転支援機能情報42及び位置情報41とともに取得され、安全性評価の対象に含められる。
【0096】
本実施例によれば、運転支援機能情報42とともに取得される各情報も埋込み情報310の作成に供されるので、経時的に変化する走行条件を運転支援にきめ細かく反映させることができる。
【0097】
また、本実施例では、処理手段が作成した埋込み情報310が、地図データとして移動体1に提供される。
【0098】
本実施例によれば、作成された埋込み情報310が移動体1に提供されるので、その移動体1における運転支援に、経時的に変化する走行条件を効果的に反映させることができる。
【0099】
次に、図3及び図4に示されている地図データのデータ構造3や、このデータ構造3を有する地図データを記憶した記憶媒体や記憶装置による効果について説明する。
【0100】
本実施例のデータ構造3では、道路リンク321や領域322等といった地図における位置又は領域に、移動体1のメーカ/運転支援プログラムの種別情報311だけでなく運転支援プログラムのバージョン情報313も対応付けられている。これにより、地図データを参照する特定の移動体1においては、このデータ構造3を有する地図データを用い、バージョン情報313も参照しつつ運転支援機能を実行すべきか否か(許可/不許可)を決定する等といったきめ細かな運用を行うことができる。このように、本実施例のデータ構造3によれば、このデータ構造3を有する地図データを用いたきめ細かな運転支援を行うことができる。
【0101】
ここで、本実施例では、移動体種別情報312も、運転支援機能を実行すべきか否か(許可/不許可)の決定に利用される。これにより、一層きめ細かな運転支援を行うことができる。
【0102】
次に、移動体1からサーバ装置2に送られるデータにおける、図6に示されているデータ構造4や、このデータ構造4を有するデータを送信する移動体通信手段113による効果について説明する。
【0103】
本実施例のデータ構造4によれば、移動体通信手段113によって運転支援機能情報42及び位置情報41が互いに対応付けられて情報セット47として送信される。移動体1における運転支援機能情報42及び位置情報41は、上述したように走行条件に応じてどのように運転支援が行われたかを表している。このような情報セット47が移動体1からサーバ装置2に送信され、所定の地図における位置又は領域に対応する埋込み情報310の作成に供されるので、経時的に変化する走行条件を運転支援に反映させることができる。
【0104】
ここで、本実施例では、情報セット47において、上述したメーカ/運転支援プログラムの種別情報44等が運転支援機能情報42及び位置情報41に更に対応付けられている。
【0105】
本実施例によれば、このメーカ/運転支援プログラムの種別情報44等もサーバ装置2に送信されて埋込み情報310の作成に供されるので、経時的に変化する走行条件を運転支援にきめ細かく反映させることができる。
【0106】
また、本実施例では、情報セット47において、移動体1の挙動情報43が、運転支援機能情報42及び位置情報41に更に対応付けられている。
【0107】
運転支援中の移動体1の挙動情報43は、走行条件が移動体1の運転支援にどのような影響を及ぼしたかを端的に表している。本実施例によれば、このような移動体1の挙動情報43がサーバ装置2に送信されて埋込み情報310の作成に供されるので、経時的に変化する走行条件を運転支援にきめ細かく反映させることができる。
【0108】
尚、本発明は、以上に説明した実施例に限定されるものではなく、本発明の目的が達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
【0109】
例えば、上述した実施例では、乗用車としての移動体1が例示されている。しかしながら、移動体は、乗用車に限るものではなく、トラックやバス等の大型車両等であってもよく、移動体の具体的な種類を問うものではない。
【0110】
また、上述した実施例では、移動体1に配置されたナビゲーション装置に構築された情報処理装置110が例示されている。しかしながら、移動体で処理を行う情報処理装置は、これらに限るものではなく、ナビゲーション装置とは別体に設けられたコンピュータに構築された構成要素を備えるもの等であってもよい。
【0111】
また、上述した実施例では、移動体1からは、運転支援機能情報42とともに移動体1の挙動情報43を含む情報セット47が送られ、サーバ装置2では、統計処理として挙動情報43に基づいた安全性評価が行われる形態が例示されている。しかしながら、移動体1からの情報セットに移動体1の挙動は含めず、サーバ装置2では、統計処理として、地図における位置又は領域について、例えば同種の運転支援機能が行われた回数がカウントされる等といった形態であってもよい。任意の運転支援機能が行われた回数は、その回数がカウントされた位置又は領域で、その回数がカウントされた運転支援機能がどれくらい問題なく実行可能であるかを反映したものと言える。この場合、地図データにおいて地図における位置又は領域に対応付けられる統計情報は、所定の閾値を超えた回数がカウントされた運転支援機能の実行が許可されることを示す情報等となる。
【0112】
また、上述した実施例では、サーバ装置2において、移動体1で運転支援機能を使用した運転を実行すべきか否か、即ち、運転支援機能の許可/不許可を示す統計情報が地図データに埋め込まれる形態が例示されている。しかしながら、サーバ装置で作成される地図データは、移動体1で運転支援機能を使用した運転を実行しないべきか否か、即ち、運転支援機能の禁止/非禁止を示す統計情報が埋め込まれたものであってもよい。
【符号の説明】
【0113】
1,1a,1b 移動体
2 サーバ装置
3 データ構造
4 データ構造
5 評価テーブル
6 評価結果テーブル
41 位置情報
42,62 運転支援機能情報
43 挙動情報
44,63,311 メーカ/運転支援プログラムの種別情報
45,64,312 移動体種別情報
46,65,313 バージョン情報
47 情報セット
61 地図における位置又は領域
66 安全性ポイントの累積値
67 評価結果
110 情報処理装置
111 第1取得手段
112 第2取得手段
113 移動体通信手段
120 運転支援装置
130 移動体記憶装置
210 データ作成装置
211 サーバ通信手段
212 処理手段
213 提供手段
220 サーバ記憶装置
310 埋込み情報
314 統計情報
320 道路ネットワーク
321 道路リンク
322 領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9