IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 朋和産業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-包装袋 図1
  • 特開-包装袋 図2
  • 特開-包装袋 図3
  • 特開-包装袋 図4
  • 特開-包装袋 図5
  • 特開-包装袋 図6
  • 特開-包装袋 図7
  • 特開-包装袋 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023060073
(43)【公開日】2023-04-27
(54)【発明の名称】包装袋
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/34 20060101AFI20230420BHJP
【FI】
B65D81/34 U
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023031507
(22)【出願日】2023-03-02
(62)【分割の表示】P 2018237974の分割
【原出願日】2018-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000241186
【氏名又は名称】朋和産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114421
【弁理士】
【氏名又は名称】薬丸 誠一
(72)【発明者】
【氏名】神谷 知毅
(57)【要約】
【課題】加熱されても、持ちやすく、開封もしやすい包装袋を提供する。
【解決手段】本発明に係る包装袋は、シート1aで構成される袋体1Aの所定部位に隔離接合部20が形成されることにより、内容物Fを収容する収容部21と、内容物Fが収容されない非収容部22とが、相互に気体が流通できないように区画され、隔離接合部20は、電子レンジ等の加熱手段による加熱に伴う収容部21内の内圧上昇によっても剥離しない接合強度を有し、非収容部22は、保持可能な大きさに形成されるとともに、開封起点24を備え、開封起点24から隔離接合部20を横切って収容部21に至る開封予定線が設定される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートで構成される袋体の所定部位に隔離接合部が形成されることにより、内容物を収容する収容部と、内容物が収容されない非収容部とが、相互に気体が流通できないように区画され、
前記隔離接合部は、電子レンジ等の加熱手段による加熱に伴う前記収容部内の内圧上昇によっても剥離しない接合強度を有し、
前記非収容部は、保持可能な大きさに形成されるとともに、開封起点を備え、
該開封起点から前記隔離接合部を横切って前記収容部に至る開封予定線が設定される
包装袋。
【請求項2】
前記袋体の一つの角部を囲うように前記隔離接合部が形成されることにより、前記非収容部は、前記袋体の前記角部に形成される
請求項1に記載の包装袋。
【請求項3】
前記非収容部は、前記袋体の一端部側の開口縁部を封止する接合部と、前記袋体の一方の側縁部における前記シートの折返し部と、前記隔離接合部とにより、外周が封止される
請求項2に記載の包装袋。
【請求項4】
前記開封予定線は、前記袋体の前記角部から隣の角部に向かう方向に沿って設定される
請求項2又は3に記載の包装袋。
【請求項5】
前記袋体の一端部において横断するように前記隔離接合部が形成されることにより、前記非収容部は、前記袋体の前記一端部に形成され、
前記開封予定線は、前記袋体の前記一端部から他端部に向かう方向に沿って設定される
請求項1に記載の包装袋。
【請求項6】
前記非収容部は、前記収容部の前記一端部側を下にして包装体を載置する際の台座部となる大きさに形成される
請求項5に記載の包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子レンジ等の加熱手段を用いて加熱され得る食品の包装に適した包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
包装袋に収容された食品を加熱するために、包装体のまま電子レンジの中に入れて加熱することは一般的に行われていることである。しかし、包装体を電子レンジで加熱すると、包装袋内が蒸気で充満されて、包装袋全体が高温となるため、持ちにくく、電子レンジから取り出しにくいという問題がある。
【0003】
特許文献1に記載された包装袋は、この問題を解決しようとしたものであり、包装袋の上部に幅広の熱溶着部を形成するとともに、その左右いずれか一方の角部に握持箇所表示を付した構成とされる。幅広の熱溶着部は、加熱しても高温とならないため、握持箇所表示の箇所を持てば、熱くはなく、持ちやすいということになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3047708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記包装袋においては、幅広の熱溶着部よりも下方に開封起点のノッチが形成されるため、包装袋を開封するためには、ノッチよりも下方の包装袋が高温となっている部分を持たなければならない。そのため、上記包装袋においては、加熱後、持つことは容易にできても、開封は容易ではないという問題が残る。
【0006】
そこで、本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、加熱されても、持ちやすく、開封もしやすい包装袋を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る包装袋は、
シートで構成される袋体の所定部位に隔離接合部が形成されることにより、内容物を収容する収容部と、内容物が収容されない非収容部とが、相互に気体が流通できないように区画され、
隔離接合部は、電子レンジ等の加熱手段による加熱に伴う収容部内の内圧上昇によっても剥離しない接合強度を有し、
非収容部は、保持可能な大きさに形成されるとともに、開封起点を備え、
開封起点から隔離接合部を横切って収容部に至る開封予定線が設定される
包装袋である。
【0008】
また、この場合、
袋体の一つの角部を囲うように隔離接合部が形成されることにより、非収容部は、袋体の角部に形成される
との構成を採用することができる。
【0009】
また、この場合、
非収容部は、袋体の一端部側の開口縁部を封止する接合部と、袋体の一方の側縁部におけるシートの折返し部と、隔離接合部とにより、外周が封止される
との構成を採用することができる。
【0010】
また、これらの場合、
開封予定線は、袋体の角部から隣の角部に向かう方向に沿って設定される
との構成を採用することができる。
【0011】
また、本発明に係る包装袋の別の態様として、
袋体の一端部において横断するように隔離接合部が形成されることにより、非収容部は、袋体の一端部に形成され、
開封予定線は、袋体の一端部から他端部に向かう方向に沿って設定される
との構成を採用することができる。
【0012】
また、この場合、
非収容部は、収容部の一端部側を下にして包装体を載置する際の台座部となる大きさに形成される
との構成を採用することができる。
【発明の効果】
【0013】
以上の如く、本発明に係る包装袋によれば、包装体が電子レンジ等の加熱手段により加熱されても、非収容部は、熱くならないため、持ちやすく、また、開封起点が非収容部にあり、非収容部を持ったまま包装体を開封することができるため、高温となっている部分を持つ必要はなく、開封もしやすい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1(a)は、本発明の第1実施形態に係る包装袋により包装された包装体の正面斜視図であり、図1(b)は、同包装体の背面斜視図である。
図2図2(a)は、同包装体の正面図であり、図2(b)は、食品が収容されていない状態における図2(a)のA-A線断面図であり、図2(c)は、図2(a)のA-A線断面図である。
図3図3は、同包装体の製造工程の説明図である。
図4図4(a)は、非収容部を持って加熱された包装体を保持する様子の斜視図であり、図4(b)は、一方の手で非収容部を持ち、他方の手で開封起点を持って、包装体を開封する様子の斜視図である。
図5図5(a)ないし(f)は、それぞれ別の実施形態に係る包装袋により包装された包装体の部分正面図である。
図6図6(a)は、本発明の第2実施形態に係る包装袋により包装された包装体の正面図であり、図6(b)は、別の実施形態に係る包装袋により包装された包装体の正面図である。
図7図7は、同包装体の製造工程の説明図である。
図8図8(a)は、同包装体を縦に載置して自立させた状態の正面斜視図であり、図8(b)は、図8(a)のB-B線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態に係る電子レンジ用の包装袋について、図1ないし図4を参酌して説明する。
【0016】
本実施形態に係る包装袋1は、ピロー包装機により製造されるピロー包装袋の形態であり、図1及び図2に示す如く、一枚のシート1aの端縁部同士が接合されて背貼り部10を有する筒状であり、一端部側の開口縁部11及び他端部側の開口縁部11がそれぞれ接合部12により封止されて構成される。一方の側縁部(上縁部)13は、接合部ではなく、シート1aの折返し部14である。他方の側縁部(下縁部)15も、接合部ではなく、シート1aの折返し部16であるが、ガゼット(底ガゼット)16aが設けられる。ただし、ガゼット16aを設けないようにしてもよい。あるいは、上縁部13の折返し部14にもガゼットを設けるようにしてもよい。これにより、包装袋1は、端縁部同士が接合されて背貼り部10を有する筒状であり、外縁部11,11,13,15が接合部12又は折返し部14,16により封止された一枚のシートで構成される袋体1Aからなる。
【0017】
シート1aは、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の熱溶着性を有するプラスチックシートからなり、筒状にした状態で内容物である食品Fを包み込める大きさの矩形状ないし略矩形状(長方形状ないし略長方形状)を有する。本実施形態においては、背貼り部10は、一枚のシート1aの端縁部同士をヒートシールすることにより形成され、接合部12は、筒状の開口縁部11をヒートシールすることにより形成される。
【0018】
袋体1Aの上側の両角部の一方の角部には、角部を囲うように隔離接合部20が形成される。本実施形態においては、隔離接合部20は、表側のシート1aと裏側のシート1aをヒートシールすることにより形成される。隔離接合部20は、開口縁部11と上縁部13とを結び、収容部21側に凸となる凸曲線状に形成される。隔離接合部20により、袋体1Aには、食品Fを収容する収容部21と、食品Fが収容されない非収容部22とが区画される。
【0019】
これにより、非収容部22は、袋体1Aの上側の一方の角部に形成され、人の手(指)で保持可能な大きさを有する。また、非収容部22における表側(裏側でもよい)のシート1aには、切込線23が形成される。切込線23は、全切線、半切線(ハーフカット)、ミシン目等によってU字形、半円形、V字形、X字形、十字形、-字形等に形成され、切込線23の形成によって開封起点としての摘み部24が形成される。
【0020】
そして、摘み部24を起点としてシート1aの内面には、開封誘導手段としての帯状又は線状の開封用条体25が設けられる。開封用条体25は、袋体1Aの上側の一方の角部から他方の角部に向かう方向に沿って設けられ、袋体1Aの上縁部13に沿って設けられる。すなわち、開封用条体25は、シート1aの流れ方向(延伸方向)に沿って設けられる。開封用条体25は、例えば、シート1aの内面に貼着されるカットテープや糸等である。これにより、袋体1Aには、摘み部24から隔離接合部20を横切って収容部21に至る開封予定線が設定され、摘み部24を袋体1Aの他方の角部に向かって引くことにより、開封用条体25が所定の幅でシート1aを切断し、袋体1Aを開封することができる。
【0021】
以上の構成からなる包装袋1は、上述のとおり、ピロー包装によって製造される。図3に示す如く、製造工程は、i)長手方向(流れ方向)に沿って内面に開封用条体25が貼着された長尺なシート原反1aを供給・搬送する工程、ii)単位ピッチで切込線23を形成する工程、iii)単位ピッチで食品Fをシート原反1aの内面側に供給する工程、iv)食品Fを包むようにシート原反1aの端縁部同士を重ね合わせて筒状にし、端縁部同士をヒートシールして背貼り部10を形成する工程、v)単位ピッチでシート原反1aを幅方向にヒートシールして接合部12を形成する工程、vi)単位ピッチで該当部位をヒートシールして隔離接合部20を形成する工程、vii)包装袋(食品包装体)1を分離する工程、からなる。なお、図3(b)は、図3(a)の搬送工程下流側を反対面側から見た図である。
【0022】
このようにして製造された包装体1は、食品Fを加熱して食したいときは、例えば電子レンジで加熱する。あるいは、湯煎等、他の加熱手段であってもよい。電子レンジにかけると、食品Fの水分が蒸気となり、食品Fはもちろんのこと、蒸気で充満された収容部21全体が熱くなる。そのため、収容部21を持って電子レンジの中から包装体1を取り出そうとしても、熱くて持ちにくく、電子レンジから取り出しにくい。しかし、本実施形態に係る包装体1は、蒸気が発生しないために熱くならない非収容部(保持部)22を備えるため、図4(a)に示す如く、非収容部22を持てば、持ちやすく、電子レンジから取り出しやすい。
【0023】
また、開封する際は、図4(b)に示す如く、一方の手で非収容部(保持部)22を持ち、他方の手で摘み部(開封起点)24を持って、開封用条体25を引き、包装体1を開封することができるため、開封時も包装体1の熱くなっている部分を持つ必要はなく、開封もしやすくなっている。
【0024】
このように、本実施形態に係る包装袋1によれば、加熱されても、持ちやすく、開封もしやすいものとすることができる。
【0025】
また、隔離接合部20のシール強度が弱かったり、隔離接合部20が形成されるシート1a,1a間の部位にパートコート剤が塗布される等して、剥離接合部20が弱シールであると、隔離接合部20は、電子レンジ等による加熱に伴う収容部21内の内圧上昇によって剥離し、そうなると、非収容部22にも蒸気が侵入して非収容部22も熱くなってしまう。しかし、剥離接合部20の接合強度は十分であり、剥離するようなことはないため、かかる問題は生じない。
【0026】
また、剥離接合部20は、凸曲線状に形成されるが、開封用条体25とは直交ないし略直交するように交差する。これにより、開封が剥離接合部を横切る際に、開封ラインが剥離接合部の傾斜に引きずられて斜めに逸れていき、適切に開封できない、という問題も生じない。なお、この観点から、開封用条体25ないし開封予定線と剥離接合部20との交差角は、45度以上、好ましくは70度以上、より好ましくは80度以上である。
【0027】
また、剥離接合部20は、直線ではなく、中間部が一端と他端とを結ぶ線よりもはみ出る曲線に形成される。これにより、剥離接合部20で折れ曲がって非収容部22が垂れたり、傾いたりするようなことはなく、常に起立した姿勢を保ち、保持性に優れる。なお、非収容部22の起立性を向上するために、剥離接合部20は、ヒートシールに際して凹凸形状のシーラーを用い、断面形状(剥離接合部20を横切る断面形状)が凹凸形状(正弦波状、矩形波状、三角波状等)となるようにすることができる。
【0028】
また、剥離接合部20は、収容部21側に凸となる凸曲線状に形成される。これにより、食品Fが収容部21内で不必要に動いてしまうのを抑制するという食品位置規制部としての効果がある。ただし、剥離接合部20により開封口の幅が狭まり、食品Fの排出性が阻害されることがないよう、開封予定線は、収容部21の開封口の大きさが食品Fを通過可能な大きさとなるように設定されるのが好ましい。
【0029】
また、開封起点となる切込線(開封ノッチ)23は、収容部21と隔離された非収容部22に設けられる。これにより、異物等が切込線23を介して収容部21に侵入するという問題も生じない。
【0030】
なお、本実施形態に係る包装袋1は、各種の形態を採用することができる。たとえば、隔離接合部20の形状は、図5(a)及び(b)に示す如く、複数の直線又は曲線(図では二本の直線)で構成される交点に不連続部分を有する凸曲線状であってもよい。また、同図(c)に示す如く、一つの直線で構成されるものであってよい。
【0031】
また、開封起点は、同図(d)に示す如く、袋体1Aの端縁から内方に切り込まれた線状の開封ノッチ26であってもよく、また、同図(e)に示す如く、袋体1Aの端縁に切り込まれたV字状やU字状の開封ノッチ27であってもよい。
【0032】
また、開封用条体25は必須ではなく、例えばシートの方向性を利用して、シート1aを開封予定線に沿って切断することができるのであれば、同図(f)に示す如く、開封用条体25は設けなくてもよい。
【0033】
<第2実施形態>
以下、本発明の第2実施形態に係る電子レンジ用の包装袋について、図6ないし図8を参酌して説明する。
【0034】
本実施形態に係る包装袋1も、基本的には第1実施形態に係る包装袋1と同じ構成である。そのため、同じないし共通する構成には同じ符号を付している。異なる点は、隔離接合部20の形成態様と、これに伴う袋体1Aの形状である。
【0035】
隔離接合部20は、袋体1Aの一端部において接合部12と平行ないし略平行に袋体1Aを横断するように形成される。これにより、非収容部22は、袋体1Aの一端部に、収容部21と同じ幅に形成される。
【0036】
切込線23及び摘み部24は、袋体1Aの幅方向中央部に形成される。しかし、一方の側縁部13に寄った位置あるいは他方の側縁部15に寄った位置に形成されてもよい。開封用条体25は設けていないが、設けるようにしてもよい。
【0037】
図6(b)に示す如く、隔離接合部20の端縁のうち、開封起点24側の端縁は、直線ではなく、凹凸形状(正弦波状、矩形波状、三角波状等)としてもよい。このようにすれば、開封線が谷部に誘導されて隔離接合部20を通過する際の抵抗を少なくすることができる。これは、もちろん第1実施形態に係る包装袋1にも採用可能である。
【0038】
本実施形態に係る包装袋1も、ピロー包装によって製造される。図7に示す如く、製造工程は、i)長手方向(流れ方向)に沿って長尺なシート原反1aを供給・搬送する工程、ii)単位ピッチで切込線23を形成する工程、iii)単位ピッチで食品Fをシート原反1aの内面側に供給する工程、iv)食品Fを包むようにシート原反1aの端縁部同士を重ね合わせて筒状にし、端縁部同士をヒートシールして背貼り部10を形成する工程、v)単位ピッチで該当部位をヒートシールして隔離接合部20を形成する工程、vi)単位ピッチでシート原反1aを幅方向にヒートシールして接合部12を形成する工程、vii)包装袋(食品包装体)1を分離する工程、からなる。なお、図7(b)は、図7(a)の搬送工程下流側を反対面側から見た図である。
【0039】
本実施形態に係る包装袋1も、第1実施形態に係る包装袋1の上記した作用効果を同じく奏する。また、これに加え、本実施形態に係る包装袋1によれば、図8に示す如く、非収容部22は、収容部21の一端部側を下にして包装体1を載置する際、収容部21の一端部側の底部となる部分の大部分が載る台座部となる。これにより、包装体1の自立性を安定させることができるという効果がある。なお、非収容部22は、収容部21の一端部側の底部となる部分の50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上が載るようになる大きさに形成されていればよい。また、このとき、摘み部24は、非収容部22から起こして非収容部22を倒す側とは反対側に突出させるようにしてもよい。
【0040】
以上のとおりであるが、本発明に係る包装袋は、上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0041】
例えば、開封起点の形態、開封用条体を設けるか否か、シート(フィルム)の方向性を利用するか否か等、上述した各要素技術は、各実施形態間で相互に適用可能である。
【0042】
また、上記実施形態においては、切込線23及び摘み部24は、袋体1Aの表裏のシートの一方に設けた。しかし、開封起点は、両シートに設けるようにしてもよい。開封用条体も、両シートに設けるようにしてもよい。
【0043】
また、上記実施形態においては、非収容部22は、袋体1Aの一箇所に設けた。しかし、非収容部22は、複数箇所に設けるようにしてもよい。たとえば、第1実施形態の別の実施形態としては、袋体1Aの上側の両方の角部に非収容部22を設けるとともに、各非収容部22に開封起点を設けるようにし、どちらからでも開封できるようにしてもよい。第2実施形態の別の実施形態としては、袋体1Aの他端部にも非収容部22を設けるともに、この非収容部22にも開封起点を設けるようにし、一端部側、他端部側のどちらからでも開封できるようにしてもよい。
【0044】
また、上記実施形態においては、包装袋1はピロー包装袋であった。しかし、本発明に係る包装袋はピロー包装袋に限定されない。三方袋、合掌袋等の平袋やガゼット袋であって、製袋されたものに内容物を収容した後、口を封止するものであってよい。
【0045】
また、上記実施形態においては、包装袋1を構成するシート1aは、単一のプラスチックシートからなるものであった。しかし、シートの材質は、プラスチックシートに限定されず、たとえば紙又は紙質シート等、その他の材質のシートであってもよい。また、シートは、たとえば、二枚のシートを端部同士を接合して一枚のシートにしたものや、三枚のシートを順次端部同士を接合して一枚のシートにしたもののように、複数枚のシートを用いて一枚のシートに形成したものであってもよい。また、この場合、各シートの材質は異なるものであってもよい。たとえば、一部のシートには、プラスチックシートではなく、紙又は紙質シートを用いるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0046】
1…包装袋(包装体)、1A…袋体、1a…シート、10…背貼り部、11…開口縁部、12…接合部、13…一方の側縁部(上縁部)、14…折返し部、15…他方の側縁部(下縁部)、16…折返し部、16a…ガゼット(底ガゼット)、20…隔離接合部、21…収容部、22…非収容部、23…切込線、24…摘み部(開封起点)、25…開封用条体、26、27…ノッチ、F…食品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8