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特開2023-60135医療機器を再処理するための装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023060135
(43)【公開日】2023-04-27
(54)【発明の名称】医療機器を再処理するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/12 20060101AFI20230420BHJP
【FI】
A61B1/12 510
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032666
(22)【出願日】2023-03-03
(62)【分割の表示】P 2021172280の分割
【原出願日】2017-05-17
(31)【優先権主張番号】15/157,800
(32)【優先日】2016-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】591286579
【氏名又は名称】エシコン・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ETHICON, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】サンウク・ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ダン・ミン・ゴー
(57)【要約】
【課題】 医療機器を再処理するための装置及び方法を提供する。
【解決手段】 医療機器を再処理するための装置及び方法は、汚染除去ベースン、第1のフラッシュ導管、第2のフラッシュ導管、及びマニホールドを含む。第1及び第2のフラッシュ導管は、汚染除去ベースン内に位置付けられた医療機器に流体接続するように構成されている、対応の第1及び第2の連結ポートを有する。マニホールドは、第1及び第2のフラッシュ導管に流体接続されており、それに応じて、内部に受容された流体を分配するように構成されている。装置はまた、第1のバルブと、第2のバルブと、既定の供給流量で流体をマニホールドに放出するように構成されている一次ポンプと、を含む。第1及び第2のバルブは、それぞれ第1及び第2のフラッシュ導管に位置付けられ、そこから第1の既定の導管流量及び第2の既定の導管流量で放出される対応の流量のバランスを取る。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消毒剤を用いて医療機器を再処理する方法であって、
(a)汚染除去ベースンに流体接続され、前記汚染除去ベースンから前記消毒剤を受容するように構成された一次ポンプを用いて、循環相又は収集相のうちの少なくとも1つに沿って前記消毒剤を方向付けることであって、前記汚染除去ベースンが、前記医療機器を受容するように構成されている、ことと、
(b)前記一次ポンプから前記循環相にある前記汚染除去ベースンに向かって前記消毒剤を方向付けることと、
(c)消毒剤ポンプから、前記汚染除去ベースンと前記消毒剤ポンプとの間に流体接続された中和タンクに向かって、前記消毒剤を方向付けることと、
(d)前記中和タンク内の前記消毒剤を中和することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記消毒剤ポンプから前記中和タンクに向かって前記消毒剤を方向付けることが、中和バルブを作動させて前記消毒剤ポンプから前記中和タンクに向かって前記消毒剤を方向付けることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
消毒剤を用いて医療機器を再処理するための装置であって、
(a)内部に前記医療機器を受容するように構成されている汚染除去ベースンと、
(b)前記汚染除去ベースンに流体接続され、前記消毒剤を収容するように構成されている消毒剤貯蔵リザーバと、
(c)前記消毒剤貯蔵リザーバと前記汚染除去ベースンとの間で流体連通する消毒剤ポンプであって、前記消毒剤ポンプが、前記消毒剤貯蔵リザーバから前記汚染除去ベースンに向かって前記消毒剤をポンプ圧送するように構成されている、消毒剤ポンプと、
(d)前記汚染除去ベースンに流体接続され、前記汚染除去ベースンから前記消毒剤を受容し、循環相又は収集相のうちの少なくとも1つに沿って前記消毒剤を方向付けるように構成されている、一次ポンプと、
(e)前記汚染除去ベースン、前記消毒剤貯蔵リザーバ、及び前記一次ポンプのそれぞれと流体連通する消毒バルブであって、前記消毒バルブが、循環状態と収集状態との間で遷移するように構成されている、消毒バルブと、を含み、
前記消毒剤貯蔵リザーバが、前記医療機器の再処理時に、前記収集相にある前記一次ポンプから再使用のために前記消毒剤を収集するように構成されている、装置。
【請求項4】
前記循環状態の前記消毒バルブが、前記一次ポンプから前記循環相にある前記汚染除去ベースンに向かって前記消毒剤を方向付けるように構成されており、前記収集状態の前記消毒バルブが、前記一次ポンプから前記消毒剤貯蔵リザーバに向かって前記消毒剤を方向付けるように構成されている、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
(a)前記汚染除去ベースン及び前記消毒剤ポンプと流体連通する中和バルブであって、ベースン状態と中和状態との間を遷移するように構成されている、中和バルブと、
(b)前記中和バルブに流体接続され、内部に受容された前記消毒剤を中和するように構成されている中和タンクと、を更に含み、
前記ベースン状態の前記中和バルブが、前記消毒剤を前記消毒剤ポンプから前記汚染除去ベースンに向かって方向付けるように構成されており、前記中和状態の前記中和バルブが、前記中和タンク内への収集用に前記消毒剤を前記消毒剤ポンプから前記中和タンクに向かって方向付けるように構成されている、請求項3に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
以下の論考は、医療処置に使用される内視鏡及び他の器具の再処理(すなわち、汚染除去)に関する。とりわけ、以下の論考は、内視鏡など、医療機器を後の医療処置で安全に使用し得るように、医療機器を最初の医療処置で使用した後、医療機器を再処理するのに使用し得る装置及び方法に関する。以下の論考は主に内視鏡に関して論じているが、この論考は特定の他の医療機器にも同様に適用され得ることを理解されたい。
【0002】
内視鏡は、内視鏡の長さの少なくとも一部に沿って延在する、1つ又は2つ以上のワーキングチャネル又はルーメンを有し得る。かかるチャネルは、患者内部の解剖学的領域へ、他の医療機器などを通すための経路を提供するように構成され得る。これらのチャネルは、特定の初期の洗浄及び/又は消毒技術を使用して洗浄する及び/又は消毒することが困難な場合がある。したがって、内視鏡は、内視鏡内のチャネルを含めて内視鏡を洗浄するよう、特に構成されている再処理システムに配置され得る。かかる内視鏡再処理システムは、内視鏡を洗浄し、消毒することができる。かかる内視鏡再処理システムは、内視鏡を受容するように構成されたベースンを含み得、ベースン内の内視鏡の外面にわたって洗浄液を流すポンプを備える。システムはまた、内視鏡のワーキングチャネルに連結したポートと、内視鏡のワーキングチャネルを通って洗浄液を流す関連ポンプと、を含んでよい。このような専用の内視鏡再処理システムによって実行されるプロセスは、洗剤洗浄サイクル、その後の濯ぎサイクル、その後の滅菌又は消毒サイクル、その後の更なる濯ぎサイクルを含み得る。滅菌又は消毒サイクルには、消毒剤及び水洗浄が用いられ得る。プロセスは、必要に応じて、水の置換を助けるためにアルコールフラッシュを含んでよい。濯ぎサイクルの後には、乾燥及び貯蔵のためにエアフラッシュを行ってもよい。
【0003】
使用した内視鏡の再処理に用いられ得るシステム及び方法の例は、参照により、開示が本明細書で援用される2006年1月17日付け発行の「Automated Endoscope Reprocessor Connection with Integrity Testing」と題する米国特許第6,986,736号;参照により、開示が本明細書で援用される2009年1月20日付け発行の「Automated Endoscope Reprocessor Solution Testing(自動化内視鏡リプロセッサ・ソリューション試験)」と題する米国特許第7,479,257号;参照により、開示が本明細書で援用される2010年3月30日付け発行の「Method of Detecting Proper Connection of an Endoscope Reprocessor」と題する米国特許第7,686,761号;及び参照により、開示が本明細書で援用される2012年8月21日付け発行の「Automated Endoscope Reprocessor Germicide Concentration Monitoring System and Method」と題する米国特許第8,246,909号に記載されている。市販の内視鏡再処理の例は、カリフォルニア州アーバインのAdvanced Sterilization ProductsによるEVOTECH(登録商標)内視鏡洗浄再処理装置(ECR)システムである。
【0004】
これまでに様々な装置及び方法が、医療機器を再処理するために作製され、使用されてきたが、本発明者より以前に、本明細書に記載される技術を作った者又はこれを用いた者は誰もいないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本明細書に組み込まれると共にその一部をなす添付の図面は、本発明の実施形態を示すものであり、上記の本発明の一般的説明、及び以下の実施形態の詳細な説明と共に、本発明の原理を説明する役割を果たすものである。
図1】第1の例示的な再処理システムの正面図である。
図2】分かりやすく単一の汚染除去ベースンのみを示した、図1の再処理システムの概略図である。
図3図1の再処理システムを使用して汚染除去され得る、内視鏡の近位部分及び遠位部分の断面側面図である。
図4】第2の例示的な再処理システムの概略図である。
図5】第3の例示的な再処理システムの概略図である。
図6】第4の例示的な再処理システムの概略図である。
図7】第5の例示的な再処理システムの概略図である。
図8】第6の例示的な再処理システムの概略図である。
【0006】
図面は、いかなる意味においても限定を目的としたものではなく、図面に必ずしも描写されていないものを含め、本発明の様々な実施形態は他の様々な形で実施し得るものと考えられる。本明細書に援用され、その一部をなす添付図面は、本発明のいくつかの態様を図示したものであり、本説明文と共に本発明の原理を説明する役割を果たすものである。しかしながら、本発明が図示される正確な構成に限定されない点は理解されなければならない。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本技術の特定の実施例に関する以下の説明は、本技術の範囲を限定するために使用されるべきではない。本技術のその他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、実例として、本技術を実施するために企図される最良の形態の1つである以下の説明から、当業者には明らかとなろう。理解されるように、本明細書で説明される本技術は、全て本技術から逸脱することなく、その他種々の明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明を、限定的ではなく、例示的な性質のものとみなすべきである。
【0008】
本明細書に述べられる教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ又は2つ以上のものを、本明細書に述べられる他の教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ又は2つ以上のものと組み合わせることができる点も更に理解されたい。したがって、以下に述べられる教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して分離して考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる様々な適当な方法が、当業者には明らかとなろう。かかる改変例及び変形例は、特許請求の範囲内に含まれるものとする。
【0009】
I.例示的な医療機器再処理装置
図1~2は、内部を通って形成されるチャネル又はルーメンを含む内視鏡及び他の医療機器の汚染除去に使用され得る、例示的な再処理システム(2)を示す。この例のシステム(2)は概ね、第1のステーション(10)と、第2のステーション(12)と、を含む。ステーション(10、12)は、2つの異なる医療機器の汚染除去を同時に又は順次に提供するため、あらゆる点で少なくとも実質的に類似している。第1及び第2の汚染除去ベースン(14a、14b)は、汚染された装置を受容する。それぞれのベースン(14a、14b)は、対応の蓋(16a、16b)によって選択的に密閉される。本例では、蓋(16a、16b)は対応のベースン(14a、14b)と協働して微生物遮断相関をもたらし、汚染除去操作時に、ベースン(14a、14b)内に環境微生物が入ることを防止する。単なる例示として、蓋(16a、16b)は、脱気用に内部に形成される微生物除去又はHEPA空気フィルタを含んでよい。
【0010】
制御システム(20)は、汚染除去及びユーザーインターフェイス操作を制御するための、1つ又は2つ以上のマイクロコントローラ、例えば、プログム可能論理制御装置(PLC)を含む。本明細書においては、1つの制御システム(20)が汚染除去ステーション(10、12)の双方を制御するものとして図示されているが、それぞれのステーション(10、12)は専用の制御システムを含み得ることを、当業者は理解されよう。視覚的ディスプレー(22)は、汚染除去パラメーター及び機械の状態を操作者に表示し、少なくともの1台のプリンター(24)が、記録をファイルする又は汚染除去装置若しくはその保管パッケージに添付するための、汚染除去パラメーターのハードコピー出力を印刷する。プリンター(24)は単に任意のものであることを理解されたい。一部の形態では、視覚的ディスプレー(22)は、タッチスクリーン入力装置と組み合わされている。加えて又は選択的に、キーパッド及び/又は他のユーザー入力機構が、汚染除去プロセスパラメーターの入力用及び機械制御用に提供される。圧力メーターなどの他の視覚的ゲージ(26)は、汚染除去のデジタル若しくはアナログ出力、又は医療機器の漏洩検査データを提供する。
【0011】
図2は、再処理システム(2)の1つの汚染除去ステーション(10)だけを図示しているが、汚染除去ステーション(12)が、汚染除去ステーション(10)のように構成され、動作可能になることを、当業者は理解されよう。また、再処理システム(2)には、単一の汚染除去ステーション(10、12)のみ又は2つ以上の汚染除去ステーション(10、12)が提供され得ることを理解されたい。
【0012】
汚染除去ベースン(14a)は、その内部に内視鏡(200)(図3を参照のこと)又は他の医療機器を汚染除去用に受容する。内視鏡(200)の任意の内部チャネルは、フラッシュライン(30)などのフラッシュ導管に接続される。この例では、それぞれのフラッシュライン(30)が専用のポンプ(32)を有するように、それぞれのフラッシュライン(30)は、対応するポンプ(32)の排出口に接続される。本例のポンプ(32)は、液体及び空気などの流体を、フラッシュライン(30)及び内視鏡(200)の任意の内部チャネルを通してポンプ圧送する蠕動ポンプを含む。あるいは、他の任意の好適な種類のポンプ(複数可)を使用することも可能である。本例では、ポンプ(32)は、ベースン(14a)からフィルタ式排水管(34)及びバルブ(S1)を通して液体を出す、又は給気システム(36)からバルブ(S2)を通して汚染除去された空気を出すことが可能である。本例の給気システム(36)は、ポンプ(38)と、病原菌除去空気フィルタ(40)と、を含み、病原菌除去空気フィルタは、流入する空気流から病原菌を濾過する。
【0013】
圧力スイッチ又はセンサ(42)は、フラッシュライン内の過剰圧力を感知するため、それぞれのフラッシュライン(30)と流体連通する。感知された任意の過剰圧力又は流量不足は、関連するフラッシュライン(30)が接続されている内視鏡(200)チャネル内の部分的又は完全な遮断物(例えば、身体の組織又は乾燥した体液による)を示している可能性がある。どのセンサ(42)が過剰圧力又は流量不足を感知するかにより、他のフラッシュライン(30)に対してそれぞれのフラッシュライン(30)を隔離することで、特定の遮断されたチャネルを簡単に識別し、隔離することができる。
【0014】
ベースン(14a)は、温水口及び冷水口を含むユーティリティ又は水道水接続部などの給水設備(50)、及びブレイクタンク(56)内へ流す混合バルブ(52)と流体連通する。0.2μm以下の絶対孔径フィルタなどの病原菌除去フィルタ(54)は、流入する水を汚染除去し、その水は、逆流を防止するためにエアギャップを通してブレイクタンク(56)内に送達される。センサ(59)は、ベースン(14a)内の液面を監視する。適切な温水源が使用できない場合は、任意の水加熱器(53)が提供されてもよい。フィルタ(54)の状態は、内部を通る水の流量を直接監視することにより、又はフロートスイッチなどを使用してベースン充填時間を監視することによって間接的に、監視され得る。流量が特定の閾値より降下した場合、これは、フィルタ要素の部分的な詰まりを示しており、交換が必要とされる。
【0015】
ベースン排水管(62)は、内視鏡(200)の細長い部分が挿入され得る、拡張された螺旋状の管(64)を介してベースン(14a)から液体を排出する。排水管(62)は、再循環ポンプ(70)及び排水ポンプ(72)と流体連通している。再循環ポンプ(70)は、ベースン排水管(62)からスプレーノズル組立体(60)へ流体を再循環させ、スプレーノズル組立体(60)は、液体をベースン(14a)及び内視鏡(200)上へ噴霧する。粗目スクリーン(71)及び細目スクリーン(73)は、再循環する流体内の粒子を濾過して取り除く。排水ポンプ(72)は、ベースン排水管(62)からユーティリティ排水管(74)へ液体をポンプ圧送する。レベルセンサ(76)は、ポンプ(72)からユーティリティ排水管(74)への液体の流れを監視する。ポンプ(70、72)は、ベースン(14a)が排出させられている間に、液体がベースン(14a)に噴霧されるように同時に動作して、ベースン(14a)からの及び内視鏡(200)からの残留物の流れを促進し得る。言うまでもなく、単一ポンプ及びバルブ組立体は、二重ポンプ(70、72)に置換し得る。
【0016】
温度センサ(82)を備えた、再循環ポンプ(70)の上流のインラインヒーター(80)は、洗浄及び/又は消毒に最適な温度まで液体を加熱する。圧力スイッチ又はセンサ(84)は、循環ポンプ(70)の下流の圧力を測定する。一部の変形例では、圧力センサ(84)の代わりに流れセンサを使用して、循環ポンプ(70)の下流で流体の流れを測定する。洗剤液(86)は、定量ポンプ(88)を介して循環ポンプ(70)の下流の流れの中に計量される。フロートスイッチ(90)は、使用可能な洗剤(86)のレベルを示す。消毒剤(92)は、定量ポンプ(94)を介して循環ポンプ(70)の上流の流れの中に計量される。消毒剤(92)をより正確に計量するため、調剤ポンプ(94)は、流体レベルスイッチ(98)及び制御システム(20)の制御下にある計量予備チャンバを充填する。単なる例示として、消毒剤液(92)は、カリフォルニア州アーバインのAdvanced Sterilization ProductsによるCIDEX(著作権)Activated Glutaraldehyde Solutionを含み得る。更に単なる例示として、消毒剤液(92)は、オルトフタルアルデヒド(OPA)を含み得る。更に単なる例示として、消毒剤液(92)は、過酢酸(PAA)を含み得る。
【0017】
一部の内視鏡(200)は、内視鏡(200)の内部チャネル及び他の部分を形成する個々の管状部材などを取り囲む、可撓性のある外部筐体又はシースを含む。この筐体は、閉鎖された内部空間を画定し、閉鎖された内部空間は、医療処置時に患者の組織及び流体から隔離される。シースは、シースの下の内部空間を汚染させるであろう切断部分又は他の穴のない、無傷の状態で維持されることが重要であり得る。したがって、本例の再処理システム(2)は、かかるシースの完全性を検査するための手段を含む。特に、エアポンプ(例えば、ポンプ(38)又は別のポンプ(110))は、導管(112)及びバルブ(S5)を介して、内視鏡(200)のシースによって画定される内部空間を加圧する。本例では、HEPA又は他の病原菌除去フィルタ(113)は、加圧する空気から病原菌を除去する。圧力調節器(114)は、シースの偶発的な過剰加圧を防止する。完全加圧時に、バルブ(S5)は閉鎖され、圧力センサ(116)は導管(112)内の圧力の降下をチェックする。圧力の降下は、内視鏡(200)のシースを介して空気の漏れを示す。検査手順が完了すると、バルブ(S6)は、任意のフィルタ(118)を介して導管(112)及び内視鏡(200)のシースを選択的に脱気する。空気バッファー(120)は、空気ポンプ(110)からの圧力の脈動を平滑化する。
【0018】
本例では、それぞれのステーション(10、12)はまた、操作者に潜在的な漏洩を警告するための滴下ベースン(130)及び漏水センサ(132)を含む。
【0019】
バルブ(S3)によって制御されるアルコール供給部(134)は、濯ぎ工程後にチャネルポンプ(32)にアルコールを供給することで、内視鏡(200)のチャネル(210、212、213、214、217、218)から水を除去する助けとなり得る。
【0020】
供給ライン(30)内の流量は、チャネルポンプ(32)及び圧力センサ(42)を介して監視され得る。圧力センサ(42)のうちの1つがあまりにも高い圧力を検出すると、関連するポンプ(32)が非活性化される。ポンプ(32)の流量及びその活性化期間は、関連するライン(30)における流量の適度な指標をもたらす。これらの流量は、内視鏡(200)のチャネルのいずれかにおける遮断物をチェックするために、プロセス時に監視される。あるいは、ポンプ(32)のサイクルがオフになる時間からの圧力の低下を用いて、より速い低下率をより高い流量に関連付けた状態で流量を推定することもできる。
【0021】
より微細な漏洩を検出するため、個々のチャネルにおける流量のより正確な測定が望ましい場合がある。その目的のために、複数のレベル指示センサ(138)を有する計量管(136)が、チャネルポンプ(32)の入力部に流体接続する。一部の形態では、計量管(136)の低い箇所に基準接続部が提供され、複数のセンサ(138)が基準接続部の上に垂直に配置される。基準点から流体を通してセンサ(138)まで電流を通過させることにより、どのセンサが浸漬されるかが判別され、それによって計量管(136)内のレベルが判別され得る。加えて又は選択的に、任意の他の好適な構成要素及び技術を使用して、流体レベルを感知することができる。バルブ(S1)を閉じて脱気バルブ(S7)を解放することにより、チャネルポンプ(32)は計量管(136)からのみ汲み上げを行う。汲み上げられる流体の量は、センサ(138)に基づき非常に正確に決定され得る。各チャネルポンプ(32)を隔離状態で実行することにより、内部を通る流量は、計量管(136)から移された時間及び流体の体積に基づいて、正確に決定され得る。
【0022】
上述の入力及び出力装置に加え、示されている全ての電気及び電子機械装置は、制御システム(20)に動作可能に接続され、それによって制御される。特に、制限なく、スイッチ及びセンサ(42、59、76、84、90、98、114、116、132、136)はマイクロコントローラ(28)に入力(I)を提供し、マイクロコントローラ(28)は、洗浄及び/又は消毒サイクル並びにそれに従った他の機械操作を制御する。例えば、マイクロコントローラ(28)は、ポンプ(32、38、70、72、88、94、100、110)、バルブ(S1、S2、S3、S5、S6、S7)、及び加熱器(80)に動作可能に接続された出力(O)を含み、有効な洗浄及び/又は消毒サイクル並びに他の操作についてこれらの装置を制御する。
【0023】
図3に示すように、内視鏡(200)はヘッド部分(202)を有する。ヘッド部分(202)は、その中に形成される開口部(204、206)を含む。開口部(204、206)には、内視鏡(200)の通常使用時に、空気/水バルブ(図示せず)及び吸引バルブ(図示せず)が配置される。可撓性の挿入管(208)は、ヘッド部分(202)に装着される。結合型の空気/水チャネル(210)及び結合型の吸引/生検チャネル(212)は、挿入管(208)に収容される。また、別個の空気チャネル(213)及び水チャネル(214)がヘッド部分(202)に配置され、接合ポイント(216)の場所にある空気/水チャネル(210)に併合する。本明細書で使用する用語「接合ポイント」は、幾何学的ポイントに限られたものではなく、交差する接合部を指すものであり、この用語は互換的に使用され得ることが理解されよう。更に、別個の吸引チャネル(217)及び生検チャネル(218)は、ヘッド部分(202)に収容され、接合ポイント(220)の場所にある吸引/生検チャネル(212)に併合する。
【0024】
ヘッド部分(202)では、空気チャネル(213)及び水チャネル(214)が、空気/水バルブ(図示せず)の開口部(204)へ通じている。吸引チャネル(217)は、吸引バルブ(図示せず)の開口部(206)へ通じている。更に、可撓性の給送ホース(222)はヘッド部分(202)に接続してチャネル(213’、214’、217’)を収容し、チャネル(213’、214’、217’)は、対応の開口部(204、206)を介して空気チャネル(213)、水チャネル(214)、吸引チャネル(217)に接続される。実際に、給送ホース(222)は、光導体ケーシングとも呼ばれ得る。相互に接続する空気チャネル(213、213’)を、以下、集合的に空気チャネル(213)と呼ぶ。相互に接続する水チャネル(214、214’)を、以下、集合的に水チャネル(214)と呼ぶ。相互に接続する吸引チャネル(217、217’)を、以下、集合的に吸引チャネル(217)と呼ぶ。空気チャネル(213)の接続部(226)、水チャネル(214)の接続部(228、228a)、及び吸引チャネル(217)の接続部(230)は、可撓性ホース(222)の端部(224)(光導体コネクタとも呼ばれる)上に配置される。接続部(226)が使用中である場合、接続部(228a)は閉鎖される。生検チャネル(218)の接続部(232)は、ヘッド部分(202)に配置される。
【0025】
開口部(204、206)に挿入されたチャネルセパレータ(240)が示されている。チャネルセパレータ(240)は、本体(242)とプラグ部材(244、246)とを含み、プラグ部材(244、246)は対応する開口部(204、206)を閉塞する。プラグ部材(244)の同軸インサート(248)は、開口部(204)の内側へ延在し、環状フランジ(250)内で終端し、それにより、開口部(204)の一部を閉塞して、チャネル(214)からチャネル(213)を切り離す。開口部(226、228、228a、230、232)にライン(30)を接続することによって、洗浄及び消毒用の液体は、内視鏡チャネル(213、214、217、218)を通り、チャネル(210、212)経由で内視鏡(220)の遠位先端(252)から流され得る。チャネルセパレータ(240)は、かかる液体が、開口部(204、206)から漏れることなく、内視鏡(200)の端から端まで流れることを確実にし、かつ、それぞれのチャネル(213、214)がその独自の独立流路を有するように、チャネル(213、214)を互いに隔離する。異なる構成のチャネル及び開口部を有する様々な内視鏡が、そのような差異に適応すると同時に、それぞれのチャネルが他のチャネルとは無関係にフラッシュ洗浄され得るように、ヘッド(202)内のポートを閉塞し、チャネルを互いに切り離した状態で維持するよう、チャネルセパレータ(240)に対する改良が必要であり得ることが、当業者には理解されよう。そうでなければ、1つのチャネルの遮断物によって、単に、接続されたブロック解除チャネルへ流れを方向付け直すことができる。
【0026】
端部(224)にある漏出ポート(254)は、内視鏡(200)の内部(256)に通じており、その物理的一体性をチェックするため、即ち、いずれかのチャネルと内部(256)との間、又は外部から内部(256)まで、一切の漏洩が形成されていないことを確実にするために使用される。
【0027】
II.例示的な医療機器再処理の方法
図1~3に示すように、再処理システム(2)の例示的な使用では、操作者は、フットペダル(図示せず)を作動させてベースンの蓋(16a)を開くことにより、開始することができる。蓋(16a、16b)はそれぞれ、独自のフットペダルを有してよい。一部の形態では、フットペダルから圧力が除去されると、蓋(16a、16b)の運動が停止する。蓋(16a)が開いた状態で、操作者は内視鏡(200)の挿入管(208)を螺旋状循環管(64)に挿入する。内視鏡(200)の端部(224)及びヘッド部(202)は、ベースン(14a)内に位置付けられ、給送ホース(222)は、可能な限り広い直径でベースン(14a)内に渦巻き状に巻かれる。次に、フラッシュライン(30)が、対応の内視鏡開口部(226、228、228a、230、232)に装着される。また、空気ライン(112)は、本明細書ではコネクタとも呼ばれ得る漏出ポート(254)に接続される。一部の形態では、フラッシュライン(30)は色分けされており、ステーション(10)上にある案内は、色分けされた接続部の参照を提供する。
【0028】
顧客選択可能な構成によって、制御システム(20)は、ユーザーコード、患者ID、内視鏡コード、及び/又は専門医コードを入力するように操作者を促し得る。この情報は、手動でも(例えば、タッチスクリーン(22)を通じて)、自動でも(例えば、装着されたバーコードリーダーを使用して)、又は他の任意の好適な様式でも入力され得る。情報が入力され状態で(必要な場合)、操作者は蓋(16a)を閉じることができる。一部の形態では、蓋(16a)を閉じるには、操作者が、ハードウェアボタン及びタッチスクリーン(22)ボタンを同時に押して、操作者の手が閉鎖するベースンの蓋(16a)に引っ掛かる又は挟まることを防止するための安全装置機構を提供する必要がある。蓋(16a)を閉鎖する途中で、ハードウェアボタン又はソフトウェアボタンが解放されると、蓋(16a)の運動は停止する。
【0029】
蓋(16a)が閉鎖されると、操作者はタッチスクリーン(22)のボタンを押して、洗浄/消毒プロセスを開始する。洗浄/消毒プロセスの開始時に、空気ポンプ(38)が活性化され、内視鏡(200)の本体内の圧力が監視される。圧力が既定のレベル(例えば、250mbar)に達すると、ポンプ(38)が非活性化され、圧力は特定の安定期間(例えば、6秒)、安定することが可能になる。圧力が、特定の期間(例えば、45秒)、特定の圧力(例えば、250mbar)に達していないと、プログラムが停止され、操作者に漏洩が通知される。圧力が安定期間中に閾値よりも低下すると(例えば、100mbar未満)、プログラムが停止され、操作者に状態が通知される。圧力がいったん安定すると、圧力低下は、特定の期間(例えば、60秒)にわたって監視される。圧力低下が既定の速度よりも速くなると(例えば、60秒以内に10mbarを超える)、プログラムが停止され、操作者に状態が通知される。圧力低下が既定の速度よりも遅くなると(例えば、60秒内に10mbar未満)、再処理システム(2)は次の工程に進む。流体の漏洩を防止するため、残りのプロセス時に、わずかな正圧が内視鏡(200)の本体内に保持される。
【0030】
第2の漏洩検査では、各種のポート(226、228、228a、230、232)への接続の妥当性と、チャネルセパレータ(240)の適切な配置をチェックする。螺旋管(64)内に内視鏡(200)の遠位端を沈ませるように、ある量の水がベースン(14a)に入れられる。バルブ(S1)が閉鎖され、バルブ(S7)が開放される。また、ポンプ(32)が逆に動作して真空に引き、最終的に液体を内視鏡チャネル(210、212)内に引き込む。圧力センサ(42)が監視され、いずれか1つのチャネル(210、212)内の圧力が、所定の時間枠内に既定の量を超える分の低下及び/又は上昇がないことが確認される。既定の量を超える分の低下及び/又は上昇がある場合、接続のいずれかが正しく行われておらず、空気がチャネル(210、212)内に漏れていることを示している可能性が高い。いずれにしても、許容されない圧力低下が存在する場合、制御システム(20)はサイクルを取り消し、おそらくは欠陥のある接続部を示し、好ましくはどのチャネル(210、212)が失敗したかも一緒に示す。
【0031】
漏洩検査に合格した場合は、再処理システム(2)は予濯ぎサイクルに進む。この工程の目的は、内視鏡(200)の洗浄及び消毒の前に、チャネル(210、212、213、214、217、218)を介して水を流し、廃棄材料を除去することである。予濯ぎサイクルを開始するため、ベースン(14a)は濾過された水で充填され、水位はベースン(14a)の下の圧力センサ(59)によって検出される。水は、ポンプ(32)を経由してチャネル(210、212、213、214、217、218)の内側を通り、排水管(74)へ直接ポンプ圧送される。この水は、この段階では内視鏡(200)の外面周りには再循環されない。水がチャネル(210、212、213、214、217、218)を通ってポンプ圧送されると、排水ポンプ(72)が活性化されて、ベースン(14a)も確実に空にされる。排水プロセスが完了したことを排水スイッチ(76)が検出すると、排水ポンプ(72)はオフに切り換わることになる。排出プロセスの間、無菌の空気が、空気ポンプ(38)経由で全ての内視鏡チャネル(210、212、213、214、217、218)を通って同時に吹き出し、潜在的な持ち越し汚染が最小化される。
【0032】
予濯ぎサイクルが完了すると、再処理システム(2)は洗浄サイクルに進む。洗浄サイクルを開始するため、ベースン(14a)は温水(例えば、約35℃)で充填される。水温は、加熱された水及び非加熱の水の混合を制御することによって制御される。水位は、圧力センサ(59)によって検出される。再処理システム(2)は次いで、蠕動性定量ポンプ(88)を用いて、再処理システム(2)で循環する水に酵素洗剤を添加する。体積は、送達時間、ポンプ速度、及びポンプ(88)の管の内径を制御することによって制御される。洗剤液(86)は、既定の期間(例えば1~5分、又はより具体的には約3分)、チャネルポンプ(32)及び外部循環ポンプ(70)によって、内部の内視鏡チャネル(210、212、213、214、217、218)全体に及び内視鏡(200)の外表面にわかって、活発にポンプ圧送される。インラインヒーター(80)は、既定の温度(例えば、約35℃)に温度を保つ。
【0033】
洗剤液(86)が、特定の期間(例えば、2~3分)循環した後に、チャネル(210、212、213、214、217、218)を通った流量が測定される。任意のチャネル(210、212、213、214、217、218)を通る流量が、そのチャネル(210、212、213、214、217、218)に対する既定の量を下回る場合、チャネル(210、212、213、214、217、218)は遮断されていると識別され、プログラムが停止され、操作者に状態が通知される。蠕動ポンプ(32)は、それらの既定の流量で動作し、関連付けられた圧力センサ(42)において許容不可能な高圧力測定値が存在する場合にサイクルをオフにする。チャネル(210、212、213、214、217、218)が遮断されている場合、既定の流量によって圧力センサ(42)をトリガされるが、これは流量を適切に通過させられないことを示す。本例ではポンプ(32)が蠕動性であるため、それらが操作する流量と、圧力によってポンプのサイクルがオフにされる時間の割合との組み合わせが、実際の流量をもたらすことになる。流量はまた、ポンプ(32)のサイクルがオフになる時間からの圧力の低下に基づいて推定され得る。
【0034】
洗浄サイクルの最後に、排水ポンプ(72)が活性化されて、ベースン(14a)及びチャネル(210、212、213、214、217、218)から洗剤液(86)が除去される。排水レベルセンサ(76)が、排液が完了したことを示したときに、排水ポンプ(72)はオフになる。排水プロセスの間、無菌の空気が、内視鏡(200)の全てのチャネル(210、212、213、214、217、218)を通って同時に吹き出し、潜在的な持ち越し汚染が最小化される。
【0035】
洗浄サイクルが完了すると、再処理システム(2)は濯ぎサイクルに進む。この濯ぎサイクルを開始するため、ベースン(14a)が再び温水(例えば、約35℃)で満たされる。水温は、加熱された水及び非加熱の水の混合を制御することによって制御される。水位は、圧力センサ(59)によって検出される。濯ぎ水は、特定の期間(例えば、1分間)、チャネルポンプ(32)経由で内視鏡(200)のチャネル(210、212、213、214、217、218)内で、また、循環ポンプ(70)及びスプリンクラーアーム(60)経由で内視鏡(200)の外部にわたって、循環される。濯ぎ水はチャネル(210、212、213、214、217、218)を通ってポンプ圧送されると、チャネル(210、212、213、214、217、218)を通る流量が測定され、その流量が任意の所定のチャネル(210、212、213、214、217、218)に対する既定の量を下回る場合、そのチャネル(210、212、213、214、217、218)は遮断されていると識別され、プログラムが停止され、操作者に状態が通知される。
【0036】
濯ぎサイクルの最後に、排水ポンプ(72)が活性化されて、ベースン(14a)及びチャネル(210、212、213、214、217、218)から濯ぎ水(86)が除去される。排水レベルセンサ(76)が、排液が完了したことを示したときに、排水ポンプ(72)は停止する。排水プロセスの間、無菌の空気が、内視鏡(200)の全てのチャネル(210、212、213、214、217、218)を通って同時に吹き出し、潜在的な持ち越し汚染が最小化される。一部の形態では、内視鏡(200)及びベースン(14a)の表面から洗剤液(86)を最大限に濯ぐことを保証するため、上述の濯ぎ及び排水サイクルが少なくとももう1回繰り返される。
【0037】
再処理システム(2)が、所望の回数の濯ぎ及び乾燥サイクルを完了した後、再処理システム(2)は消毒サイクルに進む。消毒サイクルを開始するため、ベースン(14a)に高温水(例えば、約53℃)が充填される。水温は、加熱された水及び非加熱の水の混合を制御することによって制御される。水位は、圧力センサ(59)によって検出される。充填プロセス中は、ベースン(14a)内の消毒剤液(92)が、内視鏡(200)のチャネル(210、212、213、214、217、218)を通って循環する前に使用濃度であることを確実にするため、チャネルポンプ(32)はオフになる。
【0038】
次に、測定された体積の消毒剤液(92)が消毒用計量予備チャンバ(96)から引き出され、定量ポンプ(100)経由でベースン(14a)内の水中に送達される。消毒剤液(92)の体積は、計量予備チャンバ(96)の底部に対する充填レベルスイッチ(98)の位置決めによって制御される。計量予備チャンバ(96)は、充填レベルスイッチ(98)が液体を検出するまで充填される。計量予備チャンバ(96)内の消毒剤液(92)のレベルが、計量予備チャンバ(96)の先端の真下になるまで、消毒剤液(92)が計量予備チャンバ(96)から引き出される。必要な体積が分配された後、計量予備チャンバ(96)は、消毒剤液(92)の瓶から再充填される。ベースン(14a)が充填されるまで消毒剤液(92)は添加されないため、給水に問題が生じた場合、濃縮された消毒剤が、消毒剤を洗い流す水がない状態で内視鏡(200)上に残されることはない。消毒剤液(92)が添加されている間は、ベースン(14a)内の消毒剤液(92)が、内視鏡(200)のチャネル(210、212、213、214、217、218)を通って循環する前に、所望の使用濃度であることを確実にするため、チャネルポンプ(32)はオフになる。
【0039】
使用消毒剤液(92)は、ポンプ(32)によって内部チャネル(210、212、213、214、217、218)全体に、また循環ポンプ(70)によって内視鏡(200)の外表面にわたって、活発にポンプ圧送される。これは、任意の好適な期間(例えば、少なくとも5分)実行され得る。消毒剤(92)の温度は、一貫した温度(例えば、約52.5℃)に留まるように、インラインヒーター(80)によって制御され得る。消毒プロセス中に、内視鏡(200)のそれぞれのチャネル(210、212、213、214、217、218)を通る流量は、チャネル(210、212、213、214、217、218)を通って測定された量の溶液を送達する時間を計ることによって検証される。バルブ(S1)が閉鎖され、バルブ(S7)が開放され、次いでそれぞれのチャネルポンプ(32)が既定の体積を、計量管(136)から関連するチャネル(210、212、213、214、217、218)に送達する。この体積と、体積を送達するための所要時間と、は、チャネル(210、212、213、214、217、218)を介した非常に正確な流量を提供する。その直径及び長さのチャネル(210、212、213、214、217、218)に対して予期される流量の異常は、制御システム(20)によってフラグ付けされ、プロセスが停止される。使用消毒剤液(92)がチャネル(210、212、213、214、217、218)を通ってポンプ圧送されると、前述のように、チャネル(210、212、213、214、217、218)を通る流量も測定される。
【0040】
消毒サイクルの最後に、排水ポンプ(72)が活性化されて、ベースン(14a)及びチャネル(210、212、213、214、217、218)から消毒剤液が除去される。排出プロセスの間、無菌の空気が、内視鏡(200)の全てのチャネル(210、212、213、214、217、218)を通って同時に吹き出し、潜在的な持ち越し汚染が最小化される。
【0041】
消毒剤液(92)がベースン(14a)から排出された後、再処理システム(2)は最終濯ぎサイクルを開始する。このサイクルを開始するため、フィルタ(例えば、0.2μmフィルタ)を通された無菌の温水(例えば、約45℃)がベースン(14a)に充填される。濯ぎ水は、ポンプ(32)によってチャネル(210、212、213、214、217、218)内で、また、好適な期間(例えば、1分)、循環ポンプ(70)及びスプリンクラーアーム(60)を介して内視鏡(200)の外部にわたって、循環される。濯ぎ水がチャネル(210、212、213、214、217、218)を通ってポンプ圧送されると、前述のように、チャネル(210、212、213、214、217、218)を通る流量も測定される。排水ポンプ(72)が活性化されて、ベースン(14a)及びチャネル(210、212、213、214、217、218)から濯ぎ水(86)が除去される。排出プロセスの間、無菌の空気が、内視鏡(200)の全てのチャネル(210、212、213、214、217、218)を通って同時に吹き出し、潜在的な持ち越し汚染が最小化される。一部の形態では、内視鏡(200)及びベースン(14a)の表面から消毒剤液(92)の残留を最大限に濯ぐことを保証するため、上述の濯ぎ及び排出サイクルが少なくとも更に2回繰り返される。
【0042】
最終濯ぎサイクルが完了すると、再処理システム(2)は最終漏洩検査を開始する。とりわけ、再処理システム(2)は、内視鏡(200)の本体を加圧して、上述のように漏洩率を測定する。最終漏洩検査が成功すると、再処理システム(2)は、タッチスクリーン(22)を介してサイクルの正常な完了を示す。プログラムの完了時から、蓋(16a)が開放される時間まで、内視鏡(200)の本体内の圧力は、既定の速度で脱気バルブ(S5)を開くことにより(例えば、1分毎に10秒間バルブ(S5)が開かれる)、大気圧に正規化される。
【0043】
顧客が選択する構成によって、再処理システム(2)は、有効なユーザー識別コードが入力されるまで、蓋(16a)が開かれないようにし得る。ユーザーID、内視鏡ID、専門医ID、及び患者IDを含む、完了したプログラムに関する情報は、プログラム全体を通して取得されたセンサデータと共に格納される。プリンタが再処理システム(2)に接続されている場合、かつ、操作者が要求した場合、消毒プログラムの記録が印刷されることになる。有効なユーザー識別コードが入力された後は、蓋(16a)を開放することができる(例えば、上述のようにフットペダルを使用)。内視鏡(200)は次いで、フラッシュライン(30)から切断され、ベースン(14a)から取り出される。蓋(16a)は次いで、上述のようにハードウェアボタン及びソフトウェアボタンの両方を使用して閉鎖され得る。
【0044】
III.様々な放出流量を用いる例示的なフラッシュ導管
一部の事例では、全体コスト、また一部の事例では再処理システム(2)の複雑さを削減しながら、上で参照されるサイクルのそれぞれに対する性能をなお維持するために、再処理システム(2)内のポンプ(32)の数を減らすことが望ましい場合がある。例えば、ポンプ(32)の数を減らすことは、再処理システム(2)の製造コストを削減するばかりでなく、再処理システム(2)の継続的な使用に関連付けられた、予期されるポンプ維持費も削減し得る。図4に関連して以下に説明する、1つのかかる例示的な再処理システム(310)は、フラッシュライン(30)に流体連通された1つのかかるポンプ(312)を含む。このように、それぞれの対応のフラッシュライン(30)に対して別個のポンプ(32)ではなく、1つの単一ポンプ(312)が、それぞれのフラッシュライン(30)に同時に流体を提供する。
【0045】
様々な医療機器に適応するための一部の既定の差異において異なり得る、フラッシュライン(30)を介して上に参照されている流量を実現するため、再処理システム(310)は、ポンプ(312)を介して送達される既定の供給流量に対して、流体の流れのバランスを取るように構成されているフラッシュバルブ(314、316、318、320)など、付加的なバルブを更に含む。このように、フラッシュバルブ(314、316、318、320)は、それぞれの対応のフラッシュライン(30)を通って流れを分配し、上に論じた複数のポンプ(32)に類似した、流体の流れの何らかの望ましい既定の分配に従って、類似した及び/又は異なる流量を実現する。既定の流量の何らかの望ましい組み合わせが、任意のかかるシステム、例えばフラッシュライン(30)で使用され得ることが理解されよう。このように、本明細書に記載の本発明は、特定のポンプ(312)及びフラッシュバルブ(314、316、318、320)などのバルブの構成に不必要に制限することを意図しない。本明細書に記載の再処理システム(310’、410、510、610)の別の実施形態も、かかるバルブ流量制御を含む。バルブ流量制御の様々な態様が、再処理システム(2、310、310’、410、510、610)のいずれかに対して、また本明細書に記載されているような任意の組み合わせにおいて使用され得ることが理解されよう。
【0046】
図4は、ベースン(14a、14b)を備えるステーション(10、12)(図1を参照のこと)に組み込まれ得る、第2の例示の再処理システム(310)の概略を示す。このように、上述のとおり、図4に示されているベースン(14a)は、給水設備(50)から水を受容し、そこから排水管(74)を経由して全ての水を放出する。例示のベースン(14a)は、その中で延在する複数のフラッシュライン(30)と、複数のノズル(324)を有するノズル組立体(322)を含む。フラッシュライン(30)及びノズル(324)はそれぞれ、水及び/又は任意の添加剤(概ね流体と呼ばれ得る)を、再処理の目的でベースン(14a)内の内視鏡(200)(図3を参照のこと)に向かって方向付けるように構成されている。上述のように、フラッシュライン(30)は、それぞれの対応のチャネル(210、212、217、218)(図3を参照のこと)用に特に構成された、対応の既定の導管流量で、対応のチャネル(210、212、217、218)(図3を参照のこと)内に流体を放出するように構成されている。この目的のために、一次ポンプ(312)は、流体の既定の供給流量を、間に流体連結されている共通のマニホールド(326)を介してフラッシュライン(30)に集合的にポンプ圧送する。
【0047】
複数のフラッシュバルブ(314、316、318、320)は、それぞれのフラッシュライン(30)にそれぞれに位置付けられ、それぞれのフラッシュライン(30)が対応の既定の導管流量で流体を放出するように、一次ポンプ(312)からの流体の流れのバランスを取るように集合的に構成されている。一部の形態では、フラッシュライン(30)は、4つの異なる、流体の対応する既定の導管流量をチャネル(210、212、217、218)(図3を参照のこと)に送達する。一部の他の形態では、代替の医療機器に適応するため、対応する既定の導管流量の1つ又は2つ以上がほぼ等量である。いずれにせよ、任意の既定の導管流量で流体を送達するように構成された任意の数のフラッシュライン(30)が、1つ又は2つ以上のタイプの医療機器に適応するために使用され得る。
【0048】
給水設備(50)は、水を3ウェイ導入バルブ(328)に送達し、3ウェイ導入バルブ(328)は、水をフィルタ(54)、チェックバルブ(330)、及び2ウェイバルブ(332)を通してベースン(14a)内に方向付ける。再処理システム(2)(図2を参照のこと)と同様に、水はレベルセンサ(59a、59b、76)によって検出される所望の量まで収集され得る。水は、ベースン(14a)から排出され、フラッシュライン(30)及びノズル組立体(322)に向かって分配するため、加熱器(80)及び2ウェイバルブ(334)を通過して一次ポンプ(312)に到達し得る。より具体的には、2ウェイバルブ(336、338、340、342、344)の集合が一次ポンプ(312)の下流に流体接続され、内部を通る流体の流れを本明細書に論じられている様々なサイクルに対して許可又は阻止する。例えば、フラッシュバルブ(336)及びノズルバルブ(338)は、それぞれにフラッシュライン(30)及びノズル組立体(322)に向かった流れを制御するように構成される。
【0049】
加えて、消毒剤バルブ(340)、排水バルブ(342)、及びリターンバルブ(344)はそれぞれ、内視鏡(200)(図1を参照のこと)の消毒、再処理システム(310)からの排出、及び再処理システム(310)の自己消毒を提供するように構成されている。特に、消毒及び自己消毒は、以下に更に詳細に論じられる。本例では、開放されたフラッシュバルブ(336)及びノズルバルブ(338)を介して、流体の既定の供給流量全体を方向付けるように、消毒バルブ(340)、排水バルブ(342)、及びリターンバルブ(344)は完全に閉鎖されていると仮定する。ただし、再処理のサイクルを完了するために、複数の望ましい割合のうちのいずれか1つで流体を方向付けるよう、バルブ(336、338、340、342、344)の集合は、完全に開放する、部分的に開放する、及び/又は完全に閉鎖することが可能である。このように、本発明は、本明細書に記載するように、開放された及び/又は閉鎖されたバルブの組み合わせに特に限定されることを意図しない。
【0050】
フラッシュバルブ(336)の下流では、洗剤及びアルコール貯蔵部(86、134)などの添加剤貯蔵部、及び洗剤定量ポンプ(88)、アルコール定量ポンプ(346)、並びにガスポンプ(38)が、フラッシュライン(30)に向かって流れる水と一緒に又はその代わりに受容されるように流体接続する。一連の任意の2ウェイバルブ(348)は、様々な添加剤の流れを更に制御するため、ポンプ(88、346、38)の下流に流体接続され得る。いずれにせよ、水などの流体は、既定の供給流量でマニホールド(326)内に受容される。図4の例示の再処理システム(310)に示すように、4つのフラッシュライン(30)はそれぞれ、マニホールド(326)に流体接続し、内視鏡(200)のチャネル(210、212、217、218)(図3を参照のこと)と接続するためにベースン(14a)内に延在する。より具体的には、それぞれのフラッシュライン(30)は、チャネル(210、212、217、218)(図3を参照のこと)を対応のフラッシュライン(30)と流体連結するため、内視鏡(200)に対して流体シールを施すように構成されている連結ポート(350)を、ベースン(14a)内に含む。
【0051】
上に簡単に論じているように、それぞれのフラッシュライン(30)は、既定の導管流量に応じて、フラッシュライン(30)に沿った流体の流れのバランスを取るように構成されている、対応のフラッシュバルブ(314、316、318、320)を含む。一部の形態では、既定の供給流量に応じて流体入口マニホールド(326)に既定の制限を設けるため、フラッシュバルブ(314、316、318、320)は、互いに相対的な(relative to each to each other)大きさに設定されたオリフィスバルブの形状になっている。マニホールド(326)内の圧力がフラッシュライン(30)を通って均等に分配されると、既定の導管流量の流体が、対応のフラッシュバルブ(314、316、318、320)のそれぞれを貫流し、連結ポート(350)から放出される。あるいは、フラッシュバルブ(314、316、318、320)はそれぞれ、操作者が様々な流量を調節して、再処理システム(310)にて異なる医療機器に適応し得るよう、別個の既定の流量を提供するように構成された可変バルブを含み得る。
【0052】
更に、ノズルバルブ(338)はまた、一次ポンプ(312)から水などの流体を受容し、ノズル組立体(322)に向かって流体を方向付ける。それぞれのノズル(324)は、本例では概ね同一であり、ほぼ同等の既定のノズル流量でベースン(14a)内の内視鏡(200)(図3を参照のこと)の外側上に流体を放出するように構成されている。この目的のため、それぞれのノズル(324)及び流体ライン(30)が、その既定の導管流量及び既定のノズル流量のそれぞれに従って流体を放出するように、ノズルバルブ(338)は、フラッシュバルブ(314、316、318、320)と共に更に既定の供給流量のバランスを取るように構成される。フラッシュバルブ(314、316、318、320)のように、ノズルバルブ(338)も、操作者が様々な流量を調節して、再処理システム(310)で異なる医療機器に適応し得るよう、別個の既定の流量に設定するように構成された可変バルブであってよい。あるいは、開放位置にあるノズルバルブ(338)は、様々な既定の流量が、それぞれの対応のノズル(324)における制限によって簡単にバランスが取られるように、軽微な抵抗性をもたらし得る。
【0053】
使用中、再処理システム(310)は、給水設備(50)からベースン(14a)内に水を受容する。あるいは、ベースン(14a)は、1つの添加剤のみ又は水との組み合わせを受容し得る。いずれにせよ、ベースン(14a)内に収集された流体は、一次ポンプ(312)内に受容され、そこから既定の供給流量でポンプ圧送される。バルブ(338、340、342、344)の集合は概ね、マニホールド(326)及びノズル組立体(322)に向かって既定の供給流量で流体を方向付けるように構成される。上で更に詳細に論じているように、マニホールド(326)に向かって流れる流体はまた、洗剤などの添加剤の1つを受容し得る。
【0054】
流体の既定の部分がマニホールド(326)に流れ込み、一方、流体の残りの既定の部分は、ノズルバルブ(338)を貫流する。フラッシュバルブ(336)及びノズルバルブ(338)は、少なくとも2つの異なる対応の既定の導管流量で、それぞれのフラッシュライン(30)に沿って流体の流れを方向付けるため、対応のフラッシュライン(30)それぞれに既定の制限を生じさせる。かかる既定の制限及び制限(and restriction)は、フラッシュバルブ(336)及びノズルバルブ(338)に、様々な既定の流量に従って貫流する流体の配分をもたらす。例えば、フラッシュバルブ(336)及びノズルバルブ(338)は、4つの異なる対応の既定の導管流量で、4つのフラッシュライン(30)に沿って流体を方向付けるように構成され得る。それに応じてバランスが取られると、内視鏡(200)(図3を参照のこと)を再処理するための既定の導管流量を用いて、それぞれの連結ポート(350)から対応のチャネル(210、212、217、218)内に流体が放出される。バルブ(336、338)を介したかかる既定の流量を生成することは、本明細書に記載された再処理の任意のサイクルで使用され得るものであり、本発明を何らかの特定の再処理サイクルに制限することを意図しないことが理解されよう。
【0055】
本例の再処理システム(310)は、それぞれのフラッシュライン(30)及びノズル(324)に既定の供給流量の流体を供給する、1つの一次ポンプ(312)のみを含む。ただし、任意の数のポンプを直列又は並列などの組み合わせで使用して、上述のように流体を方向付け得ることが理解されよう。したがって、本発明は、1つの一次ポンプ(312)のみに不必要に制限されることを意図しないことが理解されよう。
【0056】
IV.例示的な医療機器再処理装置及び再利用可能な消毒剤
一部の事例では、1回の利用毎に消毒剤を排出し、処分するのではなく、消毒剤を収集して1回又は2回以上再使用することが望ましい場合がある。例えば、消毒剤を再使用すると、再処理システム(2)の耐用年数にわたって使用する合計洗剤量が減り、それ故、運用コスト全体が減少し得る。加えて、消毒剤貯蔵部(92)から提供される消毒剤などの濃縮消毒剤は、所望の濃度の消毒剤液として水と混合されるまで、再処理システム(2)に又はその複数の部分に悪影響を及ぼし得る。したがって、消毒剤を貯蓄して再使用すると、濃縮消毒剤の存在が減少し、それ故、再処理システム(2)の耐用年数が増大し得る。
【0057】
1つのかかる例示的な再処理システム(310)は、ベースン(14a)から消毒剤をポンプ圧送し、消毒サイクルの完了後に消毒剤を収集するための、消毒剤貯蔵リザーバ(360)を有する。本明細書で論じられている再処理システム(310’、410、510、610)の別の形態も、例示の消毒剤貯蔵リザーバ(360)を含む。消毒剤の再使用の様々な態様は、再処理システム(2、310、310’、410、510、610)のいずれかに関して、また本明細書に記載されているような任意の組み合わせで使用され得ることが理解されよう。
【0058】
第2の例示の再処理システム(310)は、水及び/又は消毒剤などの流体を受容する一次ポンプ(312)を含み、様々なサイクルに関して上述のようにバルブ(336、338、340、342、344)の集合に向かって流体をポンプ圧送する。より具体的には、消毒バルブ(340)は、消毒サイクル中の循環状態と収集状態との間を遷移するように構成される。消毒バルブ(340)が循環状態にある場合、バルブ(336、338、340、342、344)の集合は、再処理時の継続的な循環を保つため、フラッシュライン(30)及びノズル組立体(322)に向かって消毒剤を戻すように構成される。消毒サイクルの終わりに、消毒バルブ(340)は循環状態から収集状態に遷移し、バルブ(336、338、340、342、344)の残りの集合と共に、将来的な消毒サイクルでの再使用のために、消毒剤を消毒剤貯蓄リザーバ(360)へ方向付ける。本明細書で使用するように、用語「消毒剤」は、濃縮消毒剤、又は任意の濃度での消毒剤を含む任意の溶液を指す。用語「消毒剤」は、このように、本発明を特定の溶液の消毒剤に不必要に制限することを意図しない。
【0059】
再処理システム(310)は、消毒剤貯蔵リザーバ(360)とベースン(14a)との間で流体連通する消毒剤ポンプ(94)を更に含む。消毒剤ポンプ(94)は、このように、消毒剤を直接ベースン(14a)にポンプ圧送する。チェックバルブ(330)はまた、ベースン(14a)と消毒剤ポンプ(94)との間で流体連通し、流体をベースン(14a)内からポンプ(94)に向かって逆流させないように構成される。一例では、消毒剤貯蔵リザーバ(360)はブレイクタンクの形状であり、一次ポンプ(312)及び消毒剤ポンプ(94)は、消毒剤貯蔵リザーバ(360)と個別に及び/又は同時に相互作用するように構成される。ただし、代替的な連結具及び他の機構を使用して、消毒剤を収集して再使用するために、再処理システム(310)内で任意の形状の消毒剤貯蔵リザーバ(360)を流体結合させ得ることが理解されよう。本発明は、このように、特定の消毒剤貯蔵リザーバ(360)に制限されることを意図しない。
【0060】
図5に示すように、第3の例示の再処理システム(310’)は、消毒剤バルブ(340)とポンプ(94)との間で流体接続された別の例示の消毒剤貯蔵リザーバ(360’)を有する。消毒剤貯蔵リザーバ(360’)は、消毒剤貯蔵リザーバ(360)(図4を参照のこと)に概ね似ているが、再処理用の消毒剤を更に準備して維持するための付加的な機構も含む。特に、消毒剤貯蔵リザーバ(360’)は、再処理用の消毒剤を加熱するように構成された消毒剤加熱器(361’)を含む。一例では、消毒剤加熱器(361’)は、以下に更に詳細に論じられている理由から、再処理システム(310’)を循環する流体をより迅速に加熱するため、使用を見越して消毒剤を予熱するように構成される。あるいは又は加えて、消毒剤加熱器(361’)は、使用の目的で消毒剤貯蔵リザーバ(360’)からポンプ(94)に向かって流れる間に消毒剤を加熱し得る。いずれの場合も、消毒剤加熱器(361’)は、流体が再処理システム(310’)を貫流するときに流体を集合的に加熱するため、加熱器(80)と共に流体を加熱するように構成され得る。
【0061】
消毒剤貯蔵リザーバ(360’)は、消毒剤貯蔵リザーバ(360’)を貫流する及び/又はその内部に収容される消毒剤を監視するため、最大レベルセンサ(362’)、最小レベルセンサ(363’)、及び温度センサ(364’)を更に含む。最大及び最小レベルセンサ(362’、363’)は、消毒剤貯蓄リザーバ(360’)内に収容される消毒剤の量を見積もり、制御システム(20)(図1を参照のこと)などの別のシステムと通信するように構成される。例えば、最大及び最小レベルセンサ(362’、363’)並びに制御システム(20)(図1を参照のこと)は、最大レベルを超える、最小レベルを下回る、又は概ね動作に望ましい最大レベルと最小レベルとの間にある消毒剤の量を集合的に監視する。温度センサ(364’)はまた、制御システム(20)(図1を参照のこと)などの別のシステムと通信して、消毒剤の温度を監視する。
【0062】
消毒剤を更に監視するため、再処理システム(310’)はまた、消毒剤濃度測定サブシステム(365’)を含み、消毒剤濃度測定サブシステム(365’)は、再処理システム(310’)内の少なくとも1つの場所から、試料採取及び検査のために消毒剤を受容するように構成される。この目的のため、本例の消毒剤濃度測定サブシステム(365’)は、フィルタ(54)から及び少なくとも1つのフラッシュライン(30)から、消毒剤試料を受容する。消毒剤濃度測定サブシステム(365’)は、内部を貫流する流体内に存在する消毒剤の濃度について、フィルタ(54)及びフラッシュライン(30)から受容された消毒剤試料を検査するように構成される。測定された消毒剤の濃度が、濃度の既定の範囲内にない、又は既定の最小濃度を下回る場合、それに応じて消毒剤濃度測定サブシステム(365’)は操作者に通知する。かかる測定及び通知は、上により詳細に論じられている制御システム(20)(図1を参照のこと)との通信によって更に促進され得る。試料採取及び検査の完了時に、消毒剤濃度測定サブシステム(365’)が更に使用可能になるように、消毒剤が排水サンプ(130)に排出される。同時に、流体が消毒剤濃度測定サブシステム(365’)に向かって方向付けられない場合、フィルタ(54)は直接排水サンプ(130)に排出する。本明細書に記載されているとおり、消毒剤濃度を測定し、操作者に通知する様々な装置及び方法が使用され得、そのように、本発明は、任意の特定の消毒剤濃度測定サブシステム(365’)に不必要に制限されることを意図しないことが理解されよう。単に更なる例として、消毒剤濃度測定サブシステム(365’)は、参照により、開示が本明細書で援用される、本願と同日出願の「Apparatus and Method to Measure Concetration of Disinfectant in Medical Device Reprocessing System」と題する米国特許出願[代理人整理番号ASP5112USNP.0635890]の教示の少なくとも一部に従って構成され、動作可能になり得る。
【0063】
再処理システム(310’)での追加の監視は、ベースン温度センサ(366’)、排水サンプオーバーフローセンサ(367’)、及び複数の流れセンサ(368’)によって提供される。ベースン温度センサ(366’)は概ね、その中の流体の温度を測定するように構成される一方、排水サンプオーバーフローセンサ(367’)は、操作者に警告するため、排水サンプ(130)内に収集された過剰な流体を測定するように構成される。それぞれの流れセンサ(368’)は、再処理システム(310’)を介した流体の循環全体を監視するため、内部を貫流する流体の体積流量を測定するように構成される。温度センサ(366’)、排水サンプオーバーフローセンサ(367’)、及びフローセンサ(368’)はそれぞれ、再処理システム(310)を使用するために、本明細書に論じられている1つ又は2つ以上の任意のセンサで集合的に動作するよう、制御システム(20)(図1を参照のこと)と通信し得る。ただし、再処理システム(310’)を監視する代替の装置及び方法を使用することができ、本明細書に記載の本発明は、再処理システム(310’)に不必要に制限されることを意図しないことが理解されよう。
【0064】
更なる例として、第4の例示の再処理システム(410)が図6に示されている。この例の再処理システム(410)は概ね、ベースン(14a)と消毒剤バルブ(340)との間で流体接続された消毒剤リザーバ(360)、消毒剤ポンプ(94)、及びチェックバルブ(330)を含む。加えて、3ウェイ中和バルブ(412)は、チェックバルブ(330)と消毒剤ポンプ(98)との間で流体接続され、中和タンク(414)と流体連通する。中和タンク(414)は、消毒剤を受容し、様々な規定及び規則によって決められているように処分するため、その滅菌特性の一部又は全てを中和するように構成される。中和タンク(414)はまた、操作者が中和された消毒剤に容易にアクセスして適切に処分できるよう、再処理システム(410)から取り外し可能である。
【0065】
図4に示された再処理システム(310)の消毒サイクルを開始するため、消毒ポンプ(94)は、消毒剤貯蔵リザーバ(360)からベースン(14a)に向かって消毒剤をポンプ圧送する。消毒剤貯蔵リザーバ(360)に収容される消毒剤は、所望の濃度まで事前に混合させることも、再処理システム(2)(図2を参照のこと)に関する上述のように、ベースン(14a)内で水と混合させることもできる。ベースン(14a)からの消毒剤は、一次ポンプ(312)経由で内視鏡(200)(図3を参照のこと)を消毒するために、フラッシュライン(30)及びノズル組立体(322)を通って循環される。加えて、加熱器(80)は、消毒用の消毒剤を加熱する。
【0066】
内視鏡(200)(図3を参照のこと)を消毒した後に消毒剤を必然的に処分するのではなく、一次ポンプ(312)が消毒剤を消毒剤貯蔵リザーバ(360)に方向付けるように、消毒バルブ(340)が開放される。消毒バルブ(340)は次いで、再処理の他のサイクルが完了され得るよう、他の流体が消毒剤貯蔵リザーバ(360)に入ることを阻止するために閉鎖される。消毒剤は、消毒剤貯蔵リザーバ(360)内に収容され、将来的な消毒サイクルでの再使用が可能となる。汚染、既定の濃度を下回る消毒剤の稀釈、又は既定の使用回数後など、消毒剤を交換する必要がある場合、操作者は、収集及び適切な処分を行うため、排水管(74)に流体連通する排水ホース(図示せず)を操作して、排水ホースを中和タンク(414)(図6を参照のこと)などの別の容器内へ方向付ける。
【0067】
対照的に、図6に示されている再処理システム(410)は、概ね上述のように消毒サイクルを操作するが、代わりに、消毒剤は中和タンク(414)内にポンプ圧送される。より具体的には、中和バルブ(412)は、ベースン状態と中和状態との間を遷移するように構成される。ベースン状態では、中和バルブ(412)は消毒剤をベースン(14a)へ方向付ける。中和状態では、中和バルブ(412)は消毒剤を中和タンク(414)へ方向付ける。消毒剤ポンプ(94)はこのようにして、中和、除去、及び適切な処分を行うため、消毒剤貯蔵リザーバ(360)から中和タンク(414)内へ消毒剤をポンプ圧送する。
【0068】
V.自己消毒サイクルを使用する例示的な医療機器再処理装置
一部の事例では、「自己消毒サイクル」を実行するために、化学消毒及び/又は(and/or and)熱消毒用の消毒剤及び/又は加熱水で再処理システム(2)を滅菌することが望ましい場合がある。ただし、再処理システム(2)を完全に消毒するため、流体(すなわち、消毒剤及び/又は加熱水)は、内視鏡(200)及び/又は廃棄材料と接触し得る再処理システム(2)全体に好ましくは流され得る。化学消毒及び/又は熱消毒がこのような完全な接触をもたらす場合でも、再処理システム(2)は、自己消毒用として相対的に有意な量の流体を必要とし得、運用コストの増加をもたらす。更に、自己消毒サイクルの操作は、消毒剤を提供するため、及び効果的な化学滅菌及び熱滅菌用の消毒剤を十分に加熱するために、様々なバルブ及び導管の手動操作を含み得る。かかるコスト及び操作者にとっての不便さが、操作者が自己消毒サイクルを実行する可能性を減少させ得るため、再処理システム(2)が内視鏡(200)の再処理に先立って完全に滅菌され得ない可能性が増大する。このように、便利な化学消毒及び/熱消毒を実行しながら、更に消毒剤及び/又は加熱水など、自己消毒サイクルの完了後に処分される流体を減少させるように構成された、1つ又は2つ以上の機構を備える再処理システム(2)を提供することが望ましい場合がある。
【0069】
図4~6で示すように、例示の再処理システム(310、310’、410)は、消毒剤及び/又は加熱水などの流体を、一次ポンプ(312)から導入バルブ(328)まで導くように構成されている、リターン流路(370)を含む。再処理システム(310、310’、410)はこのように、内視鏡(200)及び/又は内視鏡(200)から除去される廃棄材料に接触し得る部分のいたるところに流体を方向付けるように構成される。再処理システム(310、310’、410)はまた、コストの削減及び操作者の更なる利便性のために消毒剤を収集して再使用するよう、少なくとも1つの消毒貯蔵リザーバ(360、360’)を含む。
【0070】
更なる操作者の利便性は、図7に示された第5の例示の再処理システム(510)に関して表示及び記載されており、この図は、リターン流路(370)に位置付けられた加熱器(512)と上流の温度センサ(514)と、を含む。リターン流路(370)に加熱器(512)及びセンサ(514)を位置付けることによって、温度センサ(514)は再処理システム(510)における最小の流体温度を正確に感知すると同時に、操作者による様々なバルブ及び導管の手動操作の必要なく、流体を効果的かつ便宜的に加熱する。図8に関連して本明細書に論じられている、第6の例示の再処理システム(610)などの選択的な形態は、また、例示のリターン流路(370)、加熱器(512)、及び温度センサ(514)を含み得る。自己滅菌の様々な態様は、再処理システム(2、310、310’、410、510、610)のいずれかに関して、また本明細書に記載されているような任意の組み合わせで使用され得ることが理解されよう。
【0071】
A.自己消毒用のリターン流路を備える例示的な医療機器再処理装置
図4~6にそれぞれに示されている再処理システム(310、310’、410)に関連して、再処理システム(310、310’、410)の隅から隅まで完全に循環する、消毒剤などの流体について上に簡単に記載されているとおり、リターン流路(370)は一次ポンプ(312)を導入バルブ(328)に流体接続させる。少なくとも一部の事例では、より具体的に自己消毒流路と呼ばれ得る、それぞれのリターン流路(370)はまた、水などの流体が、リターン流路(370)に沿って一次ポンプ(312)に向かって逆流することを阻止するためのチェックバルブ(330)を含む。再処理システム(310)は、そこに沿って流れる流体を更に制御するためのリターンバルブ(344)を更に含む。例として、リターンバルブ(344)は、開放状態と閉鎖状態との間を遷移して、流体の流れをそれぞれに許可及び阻止するように構成される。あるいは、リターンバルブ(344)は、一部の望ましい既定の動作における再処理システム(310)のバランスを取るため、開放状態と閉鎖状態との間の1つ又は2つ以上の別個の状態へ遷移し得る。リターンバルブ(344)は可変状態を有し得るが、そのような状態は、残りのバルブ(336、338、340、342)と共に再処理システム(310)の動作に影響し得ることが理解されよう。したがって、本明細書に記載されている本発明は、例示のリターンバルブ(344)に不必要に制限されることを意図しない。例えば、代替の再処理システム(310’、410)は、チェックバルブ(330)の上流にリターンバルブ(344)を含まず、代わりに、少なくとも一部の流体が継続的に再処理システム(310’、410)内を循環する。
【0072】
図4~6に示されている、再処理システム(310、310’、410)それぞれの導入バルブ(328)は、供給状態と再循環状態との間で遷移するように構成される。供給状態では、導入バルブ(328)は、給水設備(50)からの全ての水をベースン(14a)へ方向付けながら、いずれの流体もリターン流路(370)を介して水に導入されないようにする。対照的に、再循環状態の導入バルブ(328)は、給水設備(50)からの水が再処理システム(310、310’、410)に入ることを阻止するが、リターン流路(370)を介して流れ込む流体が、継続的な使用のためにベースン(14a)に向かって方向付け直されるようにする。リターン流路(370)は概ね、内視鏡(200)(図3を参照のこと)を再処理するための任意のサイクルで使用され得、一方、消毒剤貯蔵リザーバ(360)とリターン流路(370)との組み合わせは、有効な自己消毒を提供する。
【0073】
B.改善された熱自己消毒用の例示的な医療機器再処理装置
図7は、上に簡単に論じられている、加熱器(512)を備えた例示的な再処理システム(510)を示す。この目的のため、流体(例えば、水)は、ベースン(14a)内に導入するため、導入バルブ(328)を経由して給水ノズル(516)及びノズル組立体(322)に向かって方向付けられる。ベースン(14a)からの流体は、バルブ(334)を通って排出され、一次ポンプ(312)を経由してフラッシュライン(30)及びリターン流路(370)に向かってポンプ圧送される。加熱器(512)は、再処理システム(510)を介して再循環される直前に流体(例えば、水)を加熱するため、導入バルブ(328)の直上流側に位置付けられる。加えて、温度センサ(514)は、再処理システム(510)内の最小流体温度を収集するため、加熱器(512)の直上流で加熱される前の流体(例えば、水)の温度を測定する。加熱器(512)は、最小流体温度が、再処理システム(510)を熱消毒するように構成されている既定の消毒温度などの、既定の温度に達するまで、内部を貫流する流体(例えば、水)を加熱するように構成される。本例では、水はリターン流路(370)に沿って方向付けられ、自己消毒用の既定の消毒温度まで加熱され、熱自己消毒用に再処理システム(510)内を循環される。ただし、一部の別の形態では、自己消毒サイクル中に加熱器(512)を使用して消毒剤を加熱し得ることを理解されたい。
【0074】
再処理システム(510)は、一次ポンプ(312)、フラッシュバルブ(314、316、318、320)、及び消毒剤貯蔵リザーバ(360)など、再処理システム(2、310、310’、410)(図1~6を参照のこと)との様々な類似性を共有する一方、この例の再処理システム(510)はまた、流体を方向付けるための少なくともいくつかの別個の機構を含む。より具体的には、再処理システム(510)は、本明細書で述べられている様々なサイクルを生成するために流れを方向付けるように構成されている、上流の3ウェイバルブ(518)と下流の3ウェイバルブ(520)とを含む。
【0075】
一次ポンプ(312)は、ベースン(14a)から上流バルブ(518)へ直接流体をポンプ圧送し、上流バルブ(518)は流体を収集して再使用するために消毒剤貯蔵リザーバ(360)に向かって、又は下流バルブ(520)へ方向付ける。下流バルブ(520)は、排水管(74)に向かって又は流体接合部(522)に向かって流体を方向付けるように構成され、流体接合部(522)は、リターン流路(370)沿いに、フラッシュライン(30)及びノズル組立体(322)に向かって方向付けられた別の既定の供給流量内に、同時に流体の既定の供給流量を分配する。
【0076】
図7に示されているとおり、消毒剤貯蔵リザーバ(360)は消毒サイクルで、上述のように使用するための消毒剤を収集するように構成される。消毒剤ポンプ(94)は、消毒剤を再処理システム(510)の残部に導入するため、マニホールド(326)に向かってポンプ圧送する。実際、流体接合部(522)によって分配されるように、消毒剤は再処理システム(510)中を流れる。言うまでもなく、再処理システム(510)は、上流バルブ(518)を介して適宜に消毒剤を方向付けることにより、消毒サイクル及び自己消毒サイクルの最後に消毒剤を収集するように構成される。
【0077】
更に、下流バルブ(520)及び流体接合部(522)に関して、一次ポンプ(312)は流体を所望の温度まで加熱するために、流体をリターン流路(370)に沿って温度センサ(514)、加熱器(512)、及び導入バルブ(328)に向かって方向付ける。流体接合部(522)は、流体の既定の供給流量を2つの一般流路沿いに同時に、効果的に方向付ける。第1の流路の流体は、ベースン(14a)内で内視鏡(200)を再処理するが、第2の流路の流体は加熱されてから、再処理システム(510)の残部を貫流する流体に再び混合される。このように、流体が消毒用又は自己消毒用に加熱されているかどうかにかかわらず、リターン流路(370)は常にフラッシュライン(30)で使用される。言うまでもなく、選択的に配置される再処理システム(510)内で流体を方向付けるために、代替の流路が使用され得ることが理解されよう。したがって、本発明は、本明細書に記載されている流れの構成に不必要に制限されることを意図しない。
【0078】
図8に関して、例示の再処理システム(610)は、再処理システム(510)に類似しているが、更に中和バルブ(412)及び中和タンク(414)を含む。特に、中和バルブ(412)は、消毒剤の栓(412)と消毒剤ポンプ(94)との間に流体接続される。消毒剤ポンプ(412)は、それによって、中和、除去、及び適切な処分を行うために、消毒剤貯蔵リザーバ(360)から中和バルブ(412)を通って中和タンク(414)内へ消毒剤を方向付けるように構成される。
【0079】
C.再処理システムを自己消毒する例示的な方法
使用中、再処理システム(310、310’、410)は、2つの別個の段階において濾過された水をポンプ圧送することにより、自己消毒する。第1の段階では、水は、給水設備(50)からベースン(14a)内へ方向付けられる。本例において、ベースン(14a)からの水は、加熱器(80)を循環し、自己消毒経路(370)に沿って一次ポンプ(312)のみによりポンプ圧送されて、ベースン(14a)に戻される。水の循環は、水が既定の消毒温度まで加熱されるように継続され、それによって、給水経路を消毒して、フィルタ(54)での生物汚染度を減少させる。水が既定の消毒温度に達すると、水は、有効な熱自己消毒に対する既定量の時間で循環し続ける。
【0080】
自己消毒の第2の段階は、自己消毒経路(370)から循環する水をベースン(14a)内に放出するため、マニホールド(326)及び複数のノズル(324)に向かって方向付け直すことにより、開始される。水は、第2の段階で循環し続けながら、既定の消毒温度を維持するために加熱され続け、それによって、内視鏡(200)(図3を参照のこと)に接続される様々な構成要素が熱消毒される。結局、本例では、内視鏡(200)は自己消毒時にベースン(14a)に存在しない。水は、熱自己消毒が完了するまで、第2の段階で別の既定量の時間で循環し続ける。
【0081】
内視鏡(200)(図3を参照のこと)を含み得る追加の消毒は、消毒剤貯蔵リザーバ(360)からベースン(14a)内へ消毒剤をポンプ圧送することによって実行される。一次ポンプ(312)は次いで、消毒剤がリターン流路(370)に沿ってフラッシュライン(30)及びノズル組立体(322)を貫流するように、消毒剤をバルブの集合(336、338、340、342、344)に向かってポンプ圧送する。リターン流路(370)の消毒剤は、導入バルブ(328)内に受容され、フラッシュライン(30)及びノズル組立体(322)からの消毒剤と一緒にベースン(14a)へ戻るように循環される。消毒剤は次いで、更なる消毒用に再循環されるか、又は化学的消毒の完了時に消毒剤貯蔵リザーバ(360)に戻され得る。加熱器(80)はまた、自己消毒時の消毒剤の循環時に、更なる熱消毒用に消毒剤を加熱するために使用され得る。
【0082】
図7~8に示されている再処理システム(510、610)は、消毒剤貯蔵リザーバ(360)からフラッシュライン(30)に向かい、ベースン(14a)に導入するために消毒剤をポンプ圧送することにより、消毒を行う。一次ポンプ(312)は、ベースン(14a)から消毒剤を受容して、上流バルブ(518)及び下流バルブ(520)を通って流体接合部(522)内へ消毒剤をポンプ圧送する。流体接合部(522)は、通過する消毒剤の流れを分割し、流れの一部をフラッシュライン(30)及びノズル組立体(322)へ方向付け、流れのもう一部をリターン流路(370)沿いに方向付ける。消毒剤は導入バルブ(328)を通ってベースン(14a)内へ流れ、消毒剤の残りの部分は、再処理システム(510、610)を化学的に消毒するために流れて、内視鏡(200)(図3を参照のこと)及び/又はそこから除去される廃棄材料に接触し得る。
【0083】
熱消毒は、流体がリターン流路(370)に沿って加熱器(512)を通って流れると同時に開始され、加熱器(512)は、消毒時に流れる流体を加熱し始める。加熱された流体は、全ての流体が既定の消毒温度に達するまで、再処理システム(510、610)を通り、ベースン(14a)内のより低温の流体と混合される。加熱器(512)の上流に位置付けられた温度センサ(514)は、相対的に最も低温の場所の局所的な流体温度を有効に感知する。したがって、測定された温度が既定の消毒温度に到達したとき、残りの流体の温度も、少なくとも既定の消毒温度であると推定される。
【0084】
上の説明は、再処理システム(310、310’、410、510、610)の自己消毒及び更なる消毒に適用されるが、任意の流体がそのように循環されて、導入バルブ(328)を介して加熱及び/又は再導入され得ることが理解されよう。リターン流路(370)及び他の様々な構成要素は、したがって、上述のシステムで水及び/又は消毒剤に使用することに不必要に制限されることを意図しない。
【0085】
VI.例示の組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願の後の出願におけるどの時点でも提示され得るいずれの請求項の適用範囲をも限定することを目的としたものではない点は理解されるべきである。一切の放棄を意図するものではない。以下の実施例は単なる例示の目的で与えられるものにすぎない。本明細書の様々な教示は他の多くの方法で構成及び適用が可能であると思料される。また、幾つかの変形例では、以下の実施例において言及される特定の要素を省略してもよいことも思料される。したがって、本発明者によって、又は本発明者の利益となる継承者によって、後日、そうである旨が明示的に示されない限り、以下に言及される態様又は要素のいずれも重要なものとしてみなされるべきではない。以下に言及される要素以外の更なる要素を含む請求項が本出願において、又は本出願に関連する後の出願において示される場合、これらの更なる要素は、特許性に関連するいずれの理由によって追加されたものとしても仮定されるべきではない。
【実施例0086】
(実施例1)
第1の機器チャネル及び第2の機器を有する医療機器を再処理するための装置であって、(a)内部に医療機器を受容するように構成された汚染除去ベースンと、(b)第1のフラッシュ導管及び第2のフラッシュ導管であって、第1のフラッシュ導管が、第1の機器チャネルに流体接続するように構成されている第1の連結ポートを有し、第2のフラッシュ導管が、第2の機器チャネルに流体接続するように構成された第2の連結ポートを有し、第1及び第2の連結ポートが汚染除去ベースン内に位置付けられるように構成されるよう、第1及び第2のフラッシュ導管が汚染除去ベースン内に延在している、第1及び第2のフラッシュ導管と、(c)第1及び第2のフラッシュ導管に流体接続されたマニホールドであって、マニホールドが、内部に受容された流体を第1及び第2のフラッシュ導管のそれぞれに分配するように構成されている、マニホールドと、(d)マニホールドに流体接続され、既定の供給流量で流体をマニホールドに放出するように構成されている一次ポンプと、(e)第1のフラッシュ連結部と流体連通している第1のフラッシュ導管に位置付けられた第1のバルブと、第2のフラッシュ連結部と流体連通している第2のフラッシュ導管内の第2のバルブと、であって、医療機器の再処理時に第1及び第2の機器チャネルをフラッシュ洗浄するために、第1及び第2の連結ポートから、第1の既定の導管流量及び第2の既定の導管流量でそれぞれ流体が放出されるように、第1及び第2のバルブが、既定の供給流量でマニホールドに導入される流体のバランスを取るように構成されている、第1及び第2のバルブと、を含む、装置。
【0087】
(実施例2)
医療用装置が第2の機器チャネル及び第4の機器チャネルを有し、装置が、(a)第3のフラッシュ導管及び第4のフラッシュ導管であって、第3のフラッシュ導管が、第3の機器チャネルに流体接続するように構成されている第3の連結ポートを有し、第4のフラッシュ導管が、第4の機器チャネルに流体接続するように構成されている第4の連結ポートを有し、第3及び第4の連結ポートが汚染除去ベースン内に位置付けられるように構成されるよう、第3及び第4のフラッシュ導管が汚染除去ベースン内に延在している、第3及び第4のフラッシュ導管と、(b)第3及び第4のフラッシュ導管に流体接続され、受容された流体を第3及び第4のフラッシュ導管のそれぞれに分配するように構成されているマニホールドと、(c)第3のフラッシュ連結部と流体連通している第3のフラッシュ導管に位置付けられた第3のバルブと、第4のフラッシュ連結部と流体連通している第4のフラッシュ導管内の第4のバルブと、であって、医療機器の再処理時に第3及び第4の機器チャネルをフラッシュ洗浄するために、第3及び第4の連結ポートから、第3の既定の導管流量及び第4の既定の導管流量でそれぞれ流体が放出されるよう、第3及び第4のバルブが、既定の供給流量でマニホールドに導入される流体のバランスを取るように構成されている、第3及び第4のバルブと、を更に含む、実施例1に記載の装置。
【0088】
(実施例3)
第1の既定の導管流量及び第2の既定の導管流量がほぼ等量である、実施例1~2のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【0089】
(実施例4)
(a)汚染除去ベースン内に位置付けられ、汚染除去ベースンから流体を受容するために一次ポンプと流体連通しているノズル組立体であって、ノズル組立体が、汚染除去ベースン内の医療機器上に流体を放出するように構成されている、ノズル組立体と、(b)ノズル組立体と一次ポンプとの間に流体接続されたノズルバルブであって、医療機器の再処理時に流体が既定のノズル流量でノズル組立体から放出されるよう、ノズルバルブが、既定の供給流量で一次ポンプから方向付けられている流体のバランスを取るように構成されている、ノズルバルブと、を更に含む、実施例1~3のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【0090】
(実施例5)
ノズル組立体が複数のノズルを含み、複数のノズルのそれぞれが、流体を汚染除去ベースン内の医療機器上に放出するように構成されている、実施例4に記載の装置。
【0091】
(実施例6)
(a)流体と一緒に使用する添加剤を収容するように構成されている添加剤貯蔵部と、(b)第1及び第2のフラッシュ導管に向かって添加剤をポンプ圧送するように構成されている添加剤ポンプであって、第1及び第2のフラッシュ導管に向かって流体及び添加剤を集合的に方向付けるため、添加剤ポンプが添加剤をマニホールドと一次ポンプとの間で前記流体に導入するように構成されるよう、添加剤ポンプが、マニホールドと一次ポンプとの間に流体接続されている、添加剤ポンプと、を更に含む、実施例1~5のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【0092】
(実施例7)
(a)汚染除去ベースンに流体接続されており、消毒剤を収容するように構成されている消毒剤貯蔵リザーバと、(b)消毒剤貯蔵リザーバと汚染除去ベースンとの間で流体連通する消毒剤ポンプであって、消毒剤ポンプが、汚染除去ベースンに向かって消毒剤貯蔵リザーバから消毒剤をポンプ圧送するように構成されており、一次ポンプが、汚染除去ベースンから消毒剤を受容し、循環相及び収集相のうちの少なくとも1つに沿って消毒剤を方向付けるように構成されている、消毒剤ポンプと、(c)汚染除去ベースン、消毒剤貯蔵リザーバ、及び一次ポンプのそれぞれと流体連通する消毒バルブであって、消毒バルブが、循環状態と収集状態との間で遷移するように構成されており、循環状態の消毒バルブが、一次ポンプから循環相にある汚染除去ベースンに向かって消毒剤を方向付けるように構成されており、かつ、収集状態の消毒バルブが、一次ポンプから消毒剤貯蔵リザーバに向かって消毒剤を方向付けるように構成されている、消毒バルブと、を更に含み、消毒剤貯蔵リザーバが、医療機器の再処理時に、収集相にある一次ポンプから再使用のために消毒剤を収集するように構成されている、実施例1~6のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【0093】
(実施例8)
(a)汚染除去ベースン及び消毒剤ポンプと流体連通する中和バルブであって、中和バルブが、ベースン状態と中和状態との間を遷移するように構成されている、中和バルブと、(b)中和バルブに流体接続され、内部に受容された消毒剤を中和するように構成されている中和タンクと、を更に含み、ベースン状態の中和バルブが、消毒剤を消毒剤ポンプから汚染除去ベースンに向かって方向付けるように構成されており、中和状態の中和バルブが、中和タンク内への収集用に消毒剤を消毒剤ポンプから中和タンクに向かって方向付けるように構成されている、実施例7に記載の装置。
【0094】
(実施例9)
中和バルブが汚染除去ベースンと消毒剤ポンプとの間に流体接続されている、実施例8に記載の装置。
【0095】
(実施例10)
(a)汚染除去ベースンと流体連通し、汚染除去ベースンから方向付けられた流体を受容するように構成されている再循環導管と、(b)再循環導管に流体接続され、流体供給設備に流体接続するように構成されている導入バルブであって、導入バルブが、汚染除去ベースンと流体連通し、供給状態と再循環状態との間で遷移するように構成されている、導入バルブと、を更に含み、供給状態の導入バルブが、流体供給設備から流体を受容して、流体を汚染除去ベースンに向かって方向付けるように構成され、再循環状態の導入バルブが、流体を再循環導管から受容し、流体を汚染除去ベースンに向かって方向付けるように構成されている、実施例7~9のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【0096】
(実施例11)
(a)再循環導管内に位置付けられ、再循環導管を貫流する消毒剤の温度を測定するように構成されている温度センサと、(b)再循環状態の導入バルブを用いて、加熱された消毒剤を汚染除去ベースンに向かって循環させるため、内部を貫流する消毒剤を所望の温度まで加熱するように構成されている加熱器と、を更に含む、実施例10に記載の装置。
【0097】
(実施例12)
再循環導管に位置付けられ、開放状態と閉鎖状態との間で遷移するように構成されているリターンバルブを更に含み、開放状態のリターンバルブが、再循環導管に沿って消毒剤を受容するように構成され、かつ、閉鎖状態のリターンバルブは、消毒剤が再循環導管に沿って流れることを阻止し、消毒剤をマニホールドに向かって付勢するように構成されている、実施例10~11のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【0098】
(実施例13)
一次ポンプ、マニホールド、及び再循環導管が流体連通し、それによって、ポンプが再循環導管及びマニホールドに沿って消毒剤を同時に方向付けるように構成されている、実施例10~12のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【0099】
(実施例14)
自己消毒経路を更に含み、自己消毒経路が、装置を通して流体を伝達し、それによって装置を自己消毒するように構成されている、実施例1~13のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【0100】
(実施例15)
汚染除去ベースンと一次ポンプとの間に流体接続されている加熱器を更に含み、加熱器が、加熱された流体をマニホールドに向かって循環させるため、加熱器を貫流する流体を既定の温度まで加熱するように構成されている、実施例1~14のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【0101】
(実施例16)
消毒剤で医療機器を再処理するための装置であって、(a)内部に医療機器を受容するように構成された汚染除去ベースンと、(b)汚染除去ベースンに流体接続され、消毒剤を収容するように構成されている消毒剤貯蔵リザーバと、(c)消毒剤貯蔵リザーバと汚染除去ベースンとの間で流体連通する消毒剤ポンプであって、消毒剤ポンプが、消毒剤貯蔵リザーバから汚染除去ベースンに向かって消毒剤をポンプ圧送するように構成されている、消毒剤ポンプと、(d)汚染除去ベースンに流体接続され、汚染除去ベースンから消毒剤を受容し、循環相又は収集相のうちの少なくとも1つに沿って消毒剤を方向付けるように構成されている、第1のポンプと、(e)汚染除去ベースン、消毒剤貯蔵リザーバ、及び第1のポンプのそれぞれと流体連通する消毒バルブであって、消毒バルブが、循環状態と収集状態との間で遷移するように構成されており、循環状態の消毒バルブが、第1のポンプから循環相にある汚染除去ベースンに向かって消毒剤を方向付けるように構成されており、かつ、収集状態の消毒バルブが、第1のポンプから消毒剤貯蔵リザーバに向かって消毒剤を方向付けるように構成されている、消毒バルブと、を含み、医療機器の再処理時に、消毒剤貯蔵リザーバが、再使用のための消毒剤を収集相にある第1のポンプから収集するように構成されている、装置。
【0102】
(実施例17)
(a)汚染除去ベースン及び消毒剤ポンプと流体連通する中和バルブであって、中和バルブが、ベースン状態と中和状態との間を遷移するように構成されている、中和バルブと、(b)中和バルブに流体接続され、内部に受容された消毒剤を中和するように構成されている中和タンクと、を更に含み、ベースン状態の中和バルブが、消毒剤を消毒剤ポンプから汚染除去ベースンに向かって方向付けるように構成されており、中和状態の中和バルブが、中和タンク内への収集用の消毒剤を消毒剤ポンプから中和タンクに向かって方向付けるように構成されている、実施例16に記載の装置。
【0103】
(実施例18)
(a)汚染除去ベースンと流体連通し、汚染除去ベースンから方向付けられた流体を受容するように構成されている再循環導管と、(b)再循環導管に流体接続され、流体供給設備に流体接続するように構成されている導入バルブであって、導入バルブが、汚染除去ベースンと流体連通し、供給状態と再循環状態との間で遷移するように構成されている、導入バルブと、を更に含み、供給状態の導入バルブが、流体供給設備から流体を受容して、流体を汚染除去ベースンに向かって方向付けるように構成されており、再循環状態の導入バルブが、流体を再循環導管から受容して、流体を汚染除去ベースンに向かって方向付けるように構成されている、実施例16~17のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【0104】
(実施例19)
(a)再循環導管内に位置付けられ、再循環導管を貫流する消毒剤の温度を測定するように構成されている温度センサと、(b)再循環状態の導入バルブを用いて、加熱された消毒剤を汚染除去ベースンに向かって循環させるため、内部を貫流する消毒剤を所望の温度まで加熱するように構成されている加熱器と、を更に含む、実施例18に記載の装置。
【0105】
(実施例20)
内部を通って延在する第1のチャネルと第2のチャネルとを有する医療機器を再処理する方法であって、(a)ポンプから、ポンプと流体連通する第1のフラッシュ導管及び第2のフラッシュ導管を有するマニホールドへ既定の供給流量で一次の流体の流れをポンプ圧送することと、(b)一次の流体の流れから第1のバルブへ第1のフラッシュ導管沿いに第1の流体の流れを方向付けることと、(c)一次の流体の流れから第2のバルブへ第2のフラッシュ導管沿いに第2の流体の流れを方向付けることと、(d)第1の流体の流れが第1の既定の導管流量を有し、第2の流体の流れが第2の既定の導管流量を有するように、第1及び第2のバルブを用いて第1及び第2の流体の流れのバランスを取ることと、(e)医療機器の再処理のために、第1及び第2の流体の流れを第1及び第2の既定の導管流量で、医療機器の対応の第1及び第2のチャネル内へ放出することと、を含む、方法。
【0106】
VII.その他
本明細書の教示はいずれも、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、本願と同日出願の「Apparatus and Method to Identify Endoscope Type and Provide Tailored Reprocessing」と題する米国特許出願[代理人整理番号ASP5111USNP.0635888]の教示と容易に組み合わされ得ることを理解されたい。とりわけ、本明細書に記載のシステムは、米国特許出願[代理人整理番号ASP5111USNP.0635888]に教示されている機構を組み入れるように容易に改良され得る。本明細書の教示を米国特許出願号[代理人整理番号ASP5111USNP.0635888]の教示と組み合わせ得る様々な好適な方法は、当業者には明らかになるであろう。
【0107】
同様に、本明細書の教示はいずれも、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、本願と同日出願の「Apparatus and Method to Measure Concetration of Disinfectant in Medical Device Reprocessing System」と題する米国特許出願[代理人整理番号ASP5112USNP.0635890]の教示と容易に組み合わせ得ることを理解されたい。とりわけ、本明細書に記載されたシステムは、米国特許出願[代理人整理番号ASP5112USNP.0635890]に教示されている機構を組み入れるように容易に改良され得る。本明細書の教示を米国特許出願番号[代理人整理番号ASP5112USNP.0635890]の教示と組み合わせ得る様々な好適な方法は、当業者には明らかになるであろう。
【0108】
本明細書に参照により組み込まれると言及されたいかなる特許、刊行物、又は他の開示内容も、全体的に又は部分的に、組み込まれた内容が現行の定義、見解、又は本開示に記載された他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれることを認識されたい。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれるものとするが、既存の定義、記載、又は本明細書に記載される他の開示文献と矛盾する任意の文献、又はそれらの部分は、援用文献と既存の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ組み込まれるものとする。
【0109】
以上、本発明の様々な実施形態を図示及び説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者による適切な改変により、本明細書に記載される方法及びシステムの更なる適合化を実現することができる。そのような可能な改変のうちのいくつかについて述べたが、別の改変も当業者には明らかになるであろう。例えば、上記で論じた実施例、実施形態、形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであって必須のものではない。したがって、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面において図示、説明した構造及び動作の細部に限定されないものとして理解される。
【0110】
〔実施の態様〕
(1) 第1の機器チャネル及び第2の機器を有する医療機器を再処理するための装置であって、
(a)内部に前記医療機器を受容するように構成されている汚染除去ベースンと、
(b)第1のフラッシュ導管及び第2のフラッシュ導管であって、前記第1のフラッシュ導管が、前記第1の機器チャネルに流体接続するように構成されている第1の連結ポートを有し、前記第2のフラッシュ導管が、前記第2の機器チャネルに流体接続するように構成されている第2の連結ポートを有し、前記第1の連結ポート及び第2の連結ポートが前記汚染除去ベースン内に位置付けられるように構成されるよう、前記第1のフラッシュ導管及び第2のフラッシュ導管が前記汚染除去ベースン内に延在している、第1のフラッシュ導管及び第2のフラッシュ導管と、
(c)前記第1のフラッシュ導管及び第2のフラッシュ導管に流体接続されているマニホールドであって、内部に受容された前記流体を前記第1のフラッシュ導管及び第2のフラッシュ導管のそれぞれに分配するように構成されている、マニホールドと、
(d)前記マニホールドに流体接続され、既定の供給流量で流体を前記マニホールドに放出するように構成されている、一次ポンプと、
(e)前記第1のフラッシュ連結部と流体連通している前記第1のフラッシュ導管に位置付けられた第1のバルブ、及び前記第2のフラッシュ連結部と流体連通している前記第2のフラッシュ導管内の第2のバルブであって、前記医療機器の再処理時に前記第1の機器チャネル及び第2の機器チャネルをフラッシュ洗浄するために、前記第1の連結ポート及び第2の連結ポートから、第1の既定の導管流量及び第2の既定の導管流量でそれぞれ前記流体が放出されるように、前記第1のバルブ及び第2のバルブが、前記既定の供給流量で前記マニホールドに導入される前記流体のバランスを取るように構成されている、第1のバルブ及び第2のバルブと、を含む、装置。
(2) 前記医療機器が、第2の機器チャネル及び第4の機器チャネルを有し、前記装置が、
(a)第3のフラッシュ導管及び第4のフラッシュ導管であって、前記第3のフラッシュ導管が、前記第3の機器チャネルに流体接続するように構成されている第3の連結ポートを有し、前記第4のフラッシュ導管が、前記第4の機器チャネルに流体接続するように構成されている第4の連結ポートを有し、前記第3の連結ポート及び第4の連結ポートが前記汚染除去ベースン内に位置付けられるように構成されるよう、前記第3のフラッシュ導管及び第4のフラッシュ導管が前記汚染除去ベースン内に延在している、第3のフラッシュ導管及び第4のフラッシュ導管と、
(b)前記第3のフラッシュ導管及び第4のフラッシュ導管に流体接続され、内部に受容された前記流体を前記第3のフラッシュ導管及び第4のフラッシュ導管のそれぞれに分配するように構成されている、前記マニホールドと、
(c)前記第3のフラッシュ連結部と流体連通している前記第3のフラッシュ導管に位置付けられた第3のバルブ、及び前記第4のフラッシュ連結部と流体連通している前記第4のフラッシュ導管内の第4のバルブであって、前記医療機器の再処理時に前記第3の機器チャネル及び第4の機器チャネルをフラッシュ洗浄するために、前記第3の連結ポート及び第4の連結ポートから、第3の既定の導管流量及び第4の既定の導管流量でそれぞれ前記流体が放出されるように、前記第3のバルブ及び第4のバルブが、前記既定の供給流量で前記マニホールドに導入される前記流体のバランスを取るように構成されている、第3のバルブ及び第4のバルブと、を更に含む、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記第1の既定の導管流量及び前記第2の既定の導管流量がほぼ等量である、実施態様1に記載の装置。
(4) (a)前記汚染除去ベースン内に位置付けられ、前記一次ポンプから前記流体を受容するために前記一次ポンプと流体連通しているノズル組立体であって、前記汚染除去ベースン内の前記医療機器上に前記流体を放出するように構成されている、ノズル組立体と、
(b)前記ノズル組立体と前記一次ポンプとの間に流体接続されたノズルバルブであって、前記医療機器の再処理時に、前記流体が既定のノズル流量で前記ノズル組立体から放出されるように、前記ノズルバルブが、前記既定の供給流量で前記一次ポンプから方向付けられている前記流体のバランスを取るように構成されている、ノズルバルブと、を更に含む、実施態様1に記載の装置。
(5) 前記ノズル組立体が複数のノズルを含み、前記複数のノズルのそれぞれが、前記流体を前記汚染除去ベースン内の前記医療機器上に放出するように構成されている、実施態様4に記載の装置。
【0111】
(6) (a)前記流体と一緒に使用する添加剤を収容するように構成された添加剤貯蔵部と、
(b)前記第1のフラッシュ導管及び第2のフラッシュ導管に向かって前記添加剤をポンプ圧送するように構成されている添加剤ポンプであって、前記第1のフラッシュ導管及び第2のフラッシュ導管に向かって前記流体及び前記添加剤を集合的に方向付けるため、前記添加剤ポンプが、前記添加剤を前記マニホールドと前記一次ポンプとの間で前記流体に導入するように構成されるよう、前記添加剤ポンプが、前記マニホールドと前記一次ポンプとの間に流体接続されている、添加剤ポンプと、を更に含む、実施態様1に記載の装置。
(7) (a)前記汚染除去ベースンに流体接続され、消毒剤を収容するように構成されている消毒剤貯蔵リザーバと、
(b)前記消毒剤貯蔵リザーバと前記汚染除去ベースンとの間で流体連通する消毒剤ポンプであって、前記消毒剤ポンプが、前記消毒剤貯蔵リザーバから前記汚染除去ベースンに向かって前記消毒剤をポンプ圧送するように構成されており、前記一次ポンプが、前記汚染除去ベースンから前記消毒剤を受容し、循環相及び収集相の少なくとも1つに沿って前記消毒剤を方向付けるように構成されている、消毒剤ポンプと、
(c)前記汚染除去ベースン、前記消毒剤貯蔵リザーバ、及び前記一次ポンプのそれぞれと流体連通する消毒バルブであって、前記消毒バルブが、循環状態と収集状態との間で遷移するように構成されており、前記循環状態の前記消毒バルブが、前記一次ポンプから前記循環相内の前記汚染除去ベースンに向かって前記消毒剤を方向付けるように構成されており、前記収集状態の前記消毒バルブが、前記一次ポンプから前記消毒剤貯蔵リザーバに向かって前記消毒剤を方向付けるように構成されている、消毒バルブと、を更に含み、
前記消毒剤貯蔵リザーバが、前記医療機器の再処理時に、前記収集相にある前記一次ポンプから再使用のために前記消毒剤を収集するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(8) (a)前記汚染除去ベースン及び前記消毒剤ポンプと流体連通する中和バルブであって、ベースン状態と中和状態との間を遷移するように構成されている、中和バルブと、
(b)前記中和バルブに流体接続され、内部に受容された前記消毒剤を中和するように構成されている中和タンクと、を更に含み、
前記ベースン状態の前記中和バルブが、前記消毒剤を前記消毒剤ポンプから前記汚染除去ベースンに向かって方向付けるように構成されており、前記中和状態の前記中和バルブが、前記中和タンク内への収集用に前記消毒剤を前記消毒剤ポンプから前記中和タンクに向かって方向付けるように構成されている、実施態様7に記載の装置。
(9) 前記中和バルブが前記汚染除去ベースンと前記消毒剤ポンプとの間に流体接続されている、実施態様8に記載の装置。
(10) (a)前記汚染除去ベースンと流体連通し、前記汚染除去ベースンから方向付けられた前記流体を受容するように構成されている再循環導管と、
(b)前記再循環導管に流体接続され、流体供給設備に流体接続するように構成されている導入バルブであって、前記導入バルブが、前記汚染除去ベースンと流体連通し、供給状態と再循環状態との間で遷移するように構成されている、導入バルブと、を更に含み、
前記供給状態の前記導入バルブが、前記流体供給設備から前記流体を受容して、前記流体を前記汚染除去ベースンに向かって方向付けるように構成されており、
前記再循環状態の前記導入バルブが、前記再循環導管から前記流体を受容して、前記流体を前記汚染除去ベースンに向かって方向付けるように構成されている、実施態様7に記載の装置。
【0112】
(11) (a)前記再循環導管内に位置付けられ、前記再循環導管を貫流する前記消毒剤の温度を測定するように構成されている、温度センサと、
(b)前記再循環状態の前記導入バルブを用いて、加熱された消毒剤を前記汚染除去ベースンに向かって循環させるため、内部を貫流する前記消毒剤を所望の温度まで加熱するように構成されている加熱器と、を更に含む、実施態様10に記載の装置。
(12) 前記再循環導管に位置付けられ、開放状態と閉鎖状態との間で遷移するように構成されているリターンバルブを更に含み、前記開放状態の前記リターンバルブが、前記再循環導管に沿って前記消毒剤を受容するように構成され、前記閉鎖状態の前記リターンバルブは、前記消毒剤が前記再循環導管に沿って流れることを阻止し、前記消毒剤を前記マニホールドに向かって付勢するように構成されている、実施態様10に記載の装置。
(13) 前記一次ポンプ、前記マニホールド、及び前記再循環導管が流体連通し、それによって、前記ポンプが、前記再循環導管及び前記マニホールドに沿って消毒剤を同時に方向付けるように構成されている、実施態様10に記載の装置。
(14) 自己消毒経路を更に含み、前記自己消毒経路が、前記装置を通して流体を伝達し、それによって前記装置を自己消毒するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(15) 前記汚染除去ベースンと前記一次ポンプとの間に流体接続された加熱器を更に含み、前記加熱器が、加熱された流体を前記マニホールドに向かって循環させるため、前記加熱器を貫流する前記流体を既定の温度まで加熱するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
【0113】
(16) 消毒剤を用いて医療機器を再処理するための装置であって、
(a)内部に前記医療機器を受容するように構成されている汚染除去ベースンと、
(b)前記汚染除去ベースンに流体接続され、前記消毒剤を収容するように構成されている消毒剤貯蔵リザーバと、
(c)前記消毒剤貯蔵リザーバと前記汚染除去ベースンとの間で流体連通する消毒剤ポンプであって、前記消毒剤ポンプが、前記消毒剤貯蔵リザーバから前記汚染除去ベースンに向かって前記消毒剤をポンプ圧送するように構成されている、消毒剤ポンプと、
(d)前記汚染除去ベースンに流体接続され、前記汚染除去ベースンから前記消毒剤を受容し、循環相又は収集相のうちの少なくとも1つに沿って前記消毒剤を方向付けるように構成されている、第1のポンプと、
(e)前記汚染除去ベースン、前記消毒剤貯蔵リザーバ、及び前記第1のポンプのそれぞれと流体連通する消毒バルブであって、前記消毒バルブが、循環状態と収集状態との間で遷移するように構成されており、前記循環状態の前記消毒バルブが、前記第1のポンプから前記循環相にある前記汚染除去ベースンに向かって前記消毒剤を方向付けるように構成されており、前記収集状態の前記消毒バルブが、前記第1のポンプから前記消毒剤貯蔵リザーバに向かって前記消毒剤を方向付けるように構成されている、消毒バルブと、を含み、
前記消毒剤貯蔵リザーバが、前記医療機器の再処理時に、前記収集相にある前記第1のポンプから再使用のために前記消毒剤を収集するように構成されている、装置。
(17) (a)前記汚染除去ベースン及び前記消毒剤ポンプと流体連通する中和バルブであって、ベースン状態と中和状態との間を遷移するように構成されている、中和バルブと、
(b)前記中和バルブに流体接続され、内部に受容された前記消毒剤を中和するように構成されている中和タンクと、を更に含み、
前記ベースン状態の前記中和バルブが、前記消毒剤を前記消毒剤ポンプから前記汚染除去ベースンに向かって方向付けるように構成されており、前記中和状態の前記中和バルブが、前記中和タンク内への収集用に前記消毒剤を前記消毒剤ポンプから前記中和タンクに向かって方向付けるように構成されている、実施態様16に記載の装置。
(18) (a)前記汚染除去ベースンと流体連通し、前記汚染除去ベースンから方向付けられた前記流体を受容するように構成されている再循環導管と、
(b)前記再循環導管に流体接続され、流体供給設備に流体接続するように構成されている導入バルブであって、前記導入バルブが、前記汚染除去ベースンと流体連通し、供給状態と再循環状態との間で遷移するように構成されている、導入バルブと、を更に含み、
前記供給状態の前記導入バルブが、前記流体供給設備から前記流体を受容して、前記流体を前記汚染除去ベースンに向かって方向付けるように構成されており、
前記再循環状態の前記導入バルブが、前記再循環導管から前記流体を受容して、前記流体を前記汚染除去ベースンに向かって方向付けるように構成されている、実施態様16に記載の装置。
(19) (a)前記再循環導管内に位置付けられ、前記再循環導管を貫流する前記消毒剤の温度を測定するように構成されている、温度センサと、
(b)前記再循環状態の前記導入バルブを用いて、加熱された消毒剤を前記汚染除去ベースンに向かって循環させるため、内部を貫流する前記消毒剤を所望の温度まで加熱するように構成されている加熱器と、を更に含む、実施態様18に記載の装置。
(20) 内部を通って延在する第1のチャネル及び第2のチャネルを有する医療機器を再処理するための方法であって、
(a)ポンプから、前記ポンプと流体連通する第1のフラッシュ導管及び第2のフラッシュ導管を有するマニホールドへ既定の供給流量で一次の流体の流れをポンプ圧送することと、
(b)前記一次の流体の流れから第1のバルブへ前記第1のフラッシュ導管沿いに第1の流体の流れを方向付けることと、
(c)前記一次の流体の流れから第2のバルブへ前記第2のフラッシュ導管沿いに第2の流体の流れを方向付けることと、
(d)前記第1の流体の流れが第1の既定の導管流量を有し、前記第2の流体の流れが第2の既定の導管流量を有するように、前記第1のバルブ及び第2のバルブを用いて前記第1の流体の流れ及び第2の流体の流れのバランスを取ることと、
(e)前記医療機器の再処理のために、前記第1の流体の流れ及び第2の流体の流れを前記第1の既定の導管流量及び第2の既定の導管流量で、前記医療機器の前記対応の第1のチャネル及び第2のチャネル内へ放出することと、を含む、方法。
図1
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図8