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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023060178
(43)【公開日】2023-04-27
(54)【発明の名称】吸水性樹脂粒子の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08J 3/12 20060101AFI20230420BHJP
【FI】
C08J3/12 Z CER
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023033551
(22)【出願日】2023-03-06
(62)【分割の表示】P 2020510787の分割
【原出願日】2019-03-20
(31)【優先権主張番号】P 2018064138
(32)【優先日】2018-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】301023009
【氏名又は名称】SDPグローバル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104813
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 信也
(72)【発明者】
【氏名】松原 佑介
(72)【発明者】
【氏名】宮島 徹
(72)【発明者】
【氏名】松山 泰知
(57)【要約】
【課題】製造工程においてフィーダーでの供給量変動の少ない吸水性樹脂を提供する。
【構成】水溶性ビニルモノマー(a1)と架橋剤(b)とを必須構成単位とする架橋重合体(A)と、水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)とを含む吸水性樹脂粒子であって、走査型電子顕微鏡-エネルギー分散型X線分析により測定されるSi原子数濃度(atomic%)の分析点数20点での算術平均が0.5~5.0であり、Si原子数濃度の変動係数が0~40%である吸水性樹脂粒子を、架橋重合体(A)と、水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)を、乱流混合する縦型混合機を使用して、乱流混合により混合する工程を有する、製造方法。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶性ビニルモノマー(a1)と架橋剤(b)とを必須構成単位とする架橋重合体(A)と、水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)とを含む吸水性樹脂粒子であって、走査型電子顕微鏡-エネルギー分散型X線分析により測定されるSi原子数濃度(atomic%)の分析点数20点での算術平均が0.5~5.0であり、Si原子数濃度の変動係数が0~40%である吸水性樹脂粒子であって、水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)が平均一次粒子径1~100nmの球状又は不定形の粒子である、吸水性樹脂粒子の製造方法であって、水溶性ビニルモノマー(a1)と架橋剤(b)とを必須構成単位とする架橋重合体(A)と、水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)を、乱流混合する縦型混合機で、乱流混合により混合する混合工程を有する、製造方法。
【請求項2】
架橋重合体(A)の重量に基づいて、水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)の含有量が0.01~1重量%である請求項1に記載の吸水性樹脂粒子の製造方法。
【請求項3】
水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)を水及び/又は溶剤に分散した分散液を噴霧して添加する請求項1又は2に記載の吸水性樹脂粒子の製造方法。
【請求項4】
混合工程において、回転速度は1000~4000rpmで混合する請求項1~3のいずれかに記載の吸水性樹脂粒子の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は吸水性樹脂粒子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
紙おむつ、生理用ナプキン、失禁パット等の衛生材料には、パルプ等の親水性繊維とアクリル酸(塩)等とを主原料とする吸水性樹脂が吸収体として幅広く利用されている。近年のQOL(Quality Of Life)向上の観点からこれら衛生材料はより軽量かつ薄型のものへと需要が遷移しており、これに伴って親水性繊維の使用量低減が望まれるようになってきた。そのため、これまで親水性繊維が担ってきた吸収体中での液拡散性や初期吸収の役割を吸水性樹脂それ自体に求められるようになり、加重下での吸液性及び膨潤したゲル間の通液性の高い吸水性樹脂が必要とされるようになった。
【0003】
一方で、紙おむつや生理用ナプキン等の吸収性物品の製造工程においては、吸水性樹脂の添加量にばらつきが生じると、吸収性物品の性能が変動することから、供給装置(以下、フィーダーともいう)、例えば、スクリューフィーダーやスプリングフィーダー、での供給量の変動が少ないことが望まれている。
【0004】
ところで、粉体流動性を改良する手法として、滑剤を用いる方法(特許文献1)や特定のアスペクト比と粒子径とする方法(特許文献2)等が開示されている。しかしながら、フィーダーでの供給量変動については特許文献2はなんら言及、認識されておらず、また、その手法は供給量変動に関する性能を満足するものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014-237133号公報
【特許文献2】特開2016-055193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、製造工程においてフィーダーでの供給量変動の少ない吸水性樹脂を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、水溶性ビニルモノマー(a1)と架橋剤(b)とを必須構成単位とする架橋重合体(A)と、水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)とを含む吸水性樹脂粒子であって、走査型電子顕微鏡-エネルギー分散型X線分析により測定されるSi原子数濃度(atomic%)の分析点数20点での算術平均が0.5~5.0であり、Si原子数濃度の変動係数が0~40%である吸水性樹脂粒子であって、水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)が平均一次粒子径1~100nmの球状又は不定形の粒子である、吸水性樹脂粒子の製造方法であって、水溶性ビニルモノマー(a1)と架橋剤(b)とを必須構成単位とする架橋重合体(A)と、水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)を、乱流混合する縦型混合機で、乱流混合により混合する混合工程を有する、製造方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の吸水性樹脂粒子及び本発明の製造方法により得られる吸水性樹脂粒子は、その表面の水不溶性ケイ素化合物微粒子の、Si原子数濃度の変動係数が低く、フィード量の変動係数が低くなり、フィーダーの供給量変動を少なくする。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の吸水性樹脂粒子は、水溶性ビニルモノマー(a1)と架橋剤(b)を必須構成単位とする架橋重合体(A)と、水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)を含む。
【0010】
本発明における水溶性ビニルモノマー(a1)としては特に限定はなく、公知のモノマー、例えば、特許第3648553号公報の0007~0023段落に開示されている少なくとも1個の水溶性置換基とエチレン性不飽和基とを有するビニルモノマー(例えばアニオン性ビニルモノマー、非イオン性ビニルモノマー及びカチオン性ビニルモノマー)、特開2003-165883号公報の0009~0024段落に開示されているアニオン性ビニルモノマー、非イオン性ビニルモノマー及びカチオン性ビニルモノマー並びに特開2005-75982号公報の0041~0051段落に開示されているカルボキシ基、スルホ基、ホスホノ基、水酸基、カルバモイル基、アミノ基及びアンモニオ基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有するビニルモノマーが使用できる。
【0011】
これらの内、吸収性能等の観点から好ましいのはアニオン性ビニルモノマー、カルボキシ(塩)基、スルホ(塩)基、アミノ基、カルバモイル基、アンモニオ基又はモノ-、ジ-若しくはトリ-アルキルアンモニオ基を有するビニルモノマー、更に好ましいのはカルボキシ(塩)基又はカルバモイル基を有するビニルモノマー、特に好ましいのは(メタ)アクリル酸(塩)及び(メタ)アクリルアミド、とりわけ好ましいのは(メタ)アクリル酸(塩)、最も好ましいのはアクリル酸(塩)である。
【0012】
なお、「カルボキシ(塩)基」は「カルボキシ基」又は「カルボキシレート基」を意味し、「スルホ(塩)基」は「スルホ基」又は「スルホネート基」を意味する。また、(メタ)アクリル酸(塩)はアクリル酸、アクリル酸塩、メタクリル酸又はメタクリル酸塩を意味し、(メタ)アクリルアミドはアクリルアミド又はメタクリルアミドを意味する。また、塩としては、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム及びカリウム等)塩、アルカリ土類金属(マグネシウム及びカルシウム等)塩及びアンモニウム(NH)塩等が挙げられる。これらの塩の内、吸収性能等の観点から、アルカリ金属塩及びアンモニウム塩が好ましく、更に好ましいのはアルカリ金属塩、特に好ましいのはナトリウム塩である。
【0013】
架橋重合体(A)の構成単位として、水溶性ビニルモノマー(a1)の他に、これらと共重合可能なその他のビニルモノマー(a2)を構成単位とすることができる。その他のビニルモノマー(a2)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0014】
共重合可能なその他のビニルモノマー(a2)としては特に限定はなく、公知(例えば、特許第3648553号公報の0028~0029段落に開示されている疎水性ビニルモノマー、特開2003-165883号公報の0025段落及び特開2005-75982号公報の0058段落に開示されているビニルモノマー等)の疎水性ビニルモノマー等が使用でき、具体的には例えば下記の(i)~(iii)のビニルモノマー等が使用できる。
(i)炭素数8~30の芳香族エチレン性モノマー
スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン及びヒドロキシスチレン等のスチレン、並びにビニルナフタレン、並びにジクロルスチレン等のスチレンのハロゲン置換体等。
(ii)炭素数2~20の脂肪族エチレン性モノマー
アルケン(エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン及びオクタデセン等);並びにアルカジエン(ブタジエン及びイソプレン等)等。
(iii)炭素数5~15の脂環式エチレン性モノマー
モノエチレン性不飽和モノマー(ピネン、リモネン及びインデン等);並びにポリエチレン性ビニルモノマー[シクロペンタジエン、ビシクロペンタジエン及びエチリデンノルボルネン等]等。
【0015】
その他のビニルモノマー(a2)単位の含有量(モル%)は、吸収性能等の観点から、水溶性ビニルモノマー(a1)単位のモル数に基づいて、0~5が好ましく、更に好ましくは0~3、特に好ましくは0~2、とりわけ好ましくは0~1.5であり、吸収性能等の観点から、その他のビニルモノマー(a2)単位の含有量が0モル%であることが最も好ましい。
【0016】
架橋剤(b)としては特に限定はなく公知(例えば、特許第3648553号公報の0031~0034段落に開示されているエチレン性不飽和基を2個以上有する架橋剤、水溶性置換基と反応し得る官能基を少なくとも1個有してかつ少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する架橋剤及び水溶性置換基と反応し得る官能基を少なくとも2個有する架橋剤、特開2003-165883号公報の0028~0031段落に開示されているエチレン性不飽和基を2個以上有する架橋剤、エチレン性不飽和基と反応性官能基とを有する架橋剤及び反応性置換基を2個以上有する架橋剤、特開2005-75982号公報の0059段落に開示されている架橋性ビニルモノマー並びに特開2005-95759号公報の0015~0016段落に開示されている架橋性ビニルモノマー)の架橋剤等が使用できる。これらの内、吸収性能等の観点から、エチレン性不飽和基を2個以上有する架橋剤が好ましく、更に好ましいのは、炭素数2~40の多価アルコールのポリ(メタ)アリルエーテル、炭素数2~40の多価アルコールの(メタ)アクリレート、炭素数2~40の多価アルコールの(メタ)アクリルアミド、特に好ましいのは炭素数2~40の多価アルコールのポリアリルエーテル、最も好ましいのはペンタエリスリトールトリアリルエーテルである。架橋剤(b)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0017】
架橋剤(b)単位の含有量(モル%)は、水溶性ビニルモノマー(a1)単位の、その他のビニルモノマー(a2)を用いる場合は(a1)~(a2)の合計モル数に基づいて、0.001~5が好ましく、更に好ましくは0.005~3、特に好ましくは0.01~1である。この範囲であると、吸収性能が更に良好となる。
【0018】
架橋重合体(A)の製造方法としては、公知の溶液重合(断熱重合、薄膜重合及び噴霧重合法等;特開昭55-133413号公報等)や、公知の懸濁重合法や逆相懸濁重合(特公昭54-30710号公報、特開昭56-26909号公報及び特開平1-5808号公報等)によって得られる含水ゲル重合体(架橋重合体と水とからなる。)を必要により加熱乾燥、粉砕することで得ることができる。架橋重合体(A)は、1種単独でも良いし、2種以上の混合物であっても良い。
【0019】
重合方法の内、好ましいのは溶液重合法であり、有機溶媒等を使用する必要がなく生産コスト面で有利なことから、特に好ましいのは水溶液重合法であり、保水量が大きく、且つ水可溶性成分量の少ない吸水性樹脂が得られ、重合時の温度コントロールが不要である点から、水溶液断熱重合法が最も好ましい。
【0020】
水溶液重合を行う場合、水と有機溶媒とを含む混合溶媒を使用することができ、有機溶媒としては、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド及びこれらの2種以上の混合物を挙げられる。
水溶液重合を行う場合、有機溶媒の使用量(重量%)は、水の重量を基準として40以下が好ましく、更に好ましくは30以下である。
【0021】
重合に触媒を用いる場合、従来公知のラジカル重合用触媒が使用可能であり、例えば、アゾ化合物[アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシアノ吉草酸及び2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)ハイドロクロライド等]、無機過酸化物(過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム及び過硫酸ナトリウム等)、有機過酸化物[過酸化ベンゾイル、ジ-t-ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、コハク酸パーオキサイド及びジ(2-エトキシエチル)パーオキシジカーボネート等]及びレドックス触媒(アルカリ金属の亜硫酸塩又は重亜硫酸塩、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸アンモニウム及びアスコルビン酸等の還元剤とアルカリ金属の過硫酸塩、過硫酸アンモニウム、過酸化水素及び有機過酸化物等の酸化剤との組み合わせよりなるもの)等が挙げられる。これらの触媒は、単独で使用してもよく、これらの2種以上を併用しても良い。
ラジカル重合触媒の使用量(重量%)は、水溶性ビニルモノマー(a1)の、その他のビニルモノマー(a2)を用いる場合は(a1)~(a2)の、合計重量に基づいて、0.0005~5が好ましく、更に好ましくは0.001~2である。
【0022】
重合時には、必要に応じて連鎖移動剤等の重合コントロール剤を併用しても良く、これらの具体例としては、次亜リン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、アルキルメルカプタン、ハロゲン化アルキル、チオカルボニル化合物等が挙げられる。これらの重合コントロール剤は、単独で使用してもよく、これらの2種以上を併用しても良い。
重合コントロール剤の使用量(重量%)は、水溶性ビニルモノマー(a1)の、その他のビニルモノマー(a2)を用いる場合は(a1)~(a2)の、合計重量に基づいて、0.0005~5が好ましく、更に好ましくは0.001~2である。
【0023】
重合方法として懸濁重合法又は逆相懸濁重合法をとる場合は、必要に応じて、従来公知の分散剤又は界面活性剤の存在下に重合を行っても良い。また、逆相懸濁重合法の場合、従来公知のキシレン、ノルマルヘキサン及びノルマルヘプタン等の炭化水素系溶媒を使用して重合を行うことができる。
【0024】
重合開始温度は、使用する触媒の種類によって適宜調整することができるが、0~100℃が好ましく、更に好ましくは2~80℃である。
【0025】
重合に溶媒(有機溶媒及び水等)を使用する場合、重合後に溶媒を留去することが好ましい。溶媒に有機溶媒を含む場合、留去後の有機溶媒の含有量(重量%)は、架橋重合体(A)の重量に基づいて、0~10が好ましく、更に好ましくは0~5、特に好ましくは0~3、最も好ましくは0~1である。この範囲であると、吸水性樹脂粒子の吸収性能が更に良好となる。
【0026】
溶媒に水を含む場合、留去後の水分(重量%)は、架橋重合体(A)の重量に基づいて、0~20が好ましく、更に好ましくは1~10、特に好ましくは2~9、最も好ましくは3~8である。この範囲であると、吸収性能が更に良好となる。
【0027】
前記の重合方法により架橋重合体(A)が水を含んだ含水ゲル状物(以下、含水ゲルと略記する)を得ることができ、更に含水ゲルを乾燥することで架橋重合体(A)を得ることができる。
水溶性ビニルモノマー(a1)としてアクリル酸やメタクリル酸等の酸基含有モノマーを用いる場合、含水ゲルを塩基で中和しても良い。酸基の中和度は、50~80モル%であることが好ましい。中和度が50モル%未満の場合、得られる含水ゲル重合体の粘着性が高くなり、製造時及び使用時の作業性が悪化する場合がある。更に得られる吸水性樹脂粒子の保水量が低下する場合がある。一方、中和度が80%を超える場合、得られた樹脂のpHが高くなり人体の皮膚に対する安全性が懸念される場合がある。
なお、中和は、吸水性樹脂粒子の製造において、架橋重合体(A)の重合以降のいずれの段階で行ってもよく、例えば、含水ゲルの状態で中和する等の方法が好ましい例として例示される。
中和する塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物や、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩を通常使用できる。
【0028】
重合によって得られる含水ゲルは、必要に応じて細断することができる。細断後のゲルの大きさ(最長径)は50μm~10cmが好ましく、更に好ましくは100μm~2cm、特に好ましくは1mm~1cmである。この範囲であると、乾燥工程での乾燥性が更に良好となる。
【0029】
細断は、公知の方法で行うことができ、細断装置(例えば、ベックスミル、ラバーチョッパ、ファーマミル、ミンチ機、衝撃式粉砕機及びロール式粉砕機)等を使用して細断できる。
【0030】
なお、有機溶媒の含有量及び水分は、赤外水分測定器[例えば、(株)KETT社製JE400等:120±5℃、30分、加熱前の雰囲気湿度50±10%RH、ランプ仕様100V、40W]により加熱したときの測定試料の重量減量から求められる。
【0031】
含水ゲル中の溶媒(水を含む)を留去する方法としては、80~230℃の温度の熱風で留去(乾燥)する方法、100~230℃に加熱されたドラムドライヤー等による薄膜乾燥法、(加熱)減圧乾燥法、凍結乾燥法、赤外線による乾燥法、デカンテーション及び濾過等が適用できる。
【0032】
含水ゲルを乾燥して架橋重合体(A)を得た後、更に粉砕することができる。粉砕方法については、特に限定はなく、粉砕装置(例えば、ハンマー式粉砕機、衝撃式粉砕機、ロール式粉砕機及びシェット気流式粉砕機)等が使用できる。粉砕された架橋重合体は、必要によりふるい分け等により粒度調整できる。
【0033】
必要によりふるい分けされた架橋重合体(A)の重量平均粒子径(μm)は、100~800が好ましく、更に好ましくは200~700、次に好ましくは250~600、特に好ましくは300~500、最も好ましくは350~450である。この範囲であると、吸収性能が更に良好となる。
【0034】
なお、重量平均粒子径は、ロータップ試験篩振とう機及び標準ふるい(JIS Z8801-1:2006)を用いて、ペリーズ・ケミカル・エンジニアーズ・ハンドブック第6版(マックグローヒル・ブック・カンバニー、1984、21頁)に記載の方法で測定される。すなわち、JIS標準ふるいを、上から1000μm、850μm、710μm、500μm、425μm、355μm、250μm、150μm、125μm、75μm及び45μm、並びに受け皿、の順に組み合わせる。最上段のふるいに測定粒子の約50gを入れ、ロータップ試験篩振とう機で5分間振とうさせる。各ふるい及び受け皿上の測定粒子の重量を秤量し、その合計を100重量%として各ふるい上の粒子の重量分率を求め、この値を対数確率紙[横軸がふるいの目開き(粒子径)、縦軸が重量分率]にプロットした後、各点を結ぶ線を引き、重量分率が50重量%に対応する粒子径を求め、これを重量平均粒子径とする。
【0035】
また、架橋重合体(A)に含まれる微粒子の含有量は少ない方が吸収性能が良好となるため、架橋重合体(A)の合計重量に占める106μm以下(好ましくは150μm以下)の微粒子の含有率(重量%)は3以下が好ましく、更に好ましくは1以下である。微粒子の含有量は、上記の重量平均粒子径を求める際に作成するグラフを用いて求めることができる。
【0036】
架橋重合体(A)の形状については特に限定はなく、不定形破砕状、リン片状、パール状及び米粒状等が挙げられる。これらのうち、紙おむつ用途等での繊維状物とのからみが良く、繊維状物からの脱落の心配がないという観点から、不定形破砕状が好ましい。
【0037】
なお、架橋重合体(A)は、その性能を損なわない範囲で残留溶媒や残存架橋成分等の他の成分を多少含んでも良い。
【0038】
本発明の吸水性樹脂粒子は、架橋重合体(A)の表面が有機表面架橋剤(e)により架橋された構造を有することが好ましい。架橋重合体(A)の表面を架橋することにより吸水性樹脂粒子のゲル強度を向上させることができ、吸水性樹脂粒子の望ましい保水量と荷重下における吸収量とをより一層満足させることができる。有機表面架橋剤(e)としては、公知(特開昭59-189103号公報に記載の多価グリシジル化合物、多価アミン、多価アジリジン化合物及び多価イソシアネート化合物等、特開昭58-180233号公報及び特開昭61-16903号公報の多価アルコール、特開昭61-211305号公報及び特開昭61-252212号公報に記載のシランカップリング剤、特表平5-508425号公報に記載のアルキレンカーボネート、特開平11-240959号公報に記載の多価オキサゾリン化合物等)の有機表面架橋剤等が使用できる。これらの表面架橋剤のうち、経済性及び吸収特性の観点から、多価グリシジル化合物、多価アルコール及び多価アミンが好ましく、更に好ましいのは多価グリシジル化合物及び多価アルコール、特に好ましいのは多価グリシジル化合物、最も好ましいのはエチレングリコールジグリシジルエーテルである。有機表面架橋剤(e)は1種を単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0039】
表面架橋をする場合、有機表面架橋剤(e)の使用量(重量%)は、表面架橋剤の種類、架橋させる条件、目標とする性能等により種々変化させることができるため特に限定はないが、吸収特性の観点等から、吸水性樹脂粒子の重量に基づいて、0.001~3が好ましく、更に好ましくは0.005~2、特に好ましくは0.01~1.5である。
【0040】
架橋重合体(A)の表面架橋は、架橋重合体(A)と有機表面架橋剤(e)とを混合し、加熱することで行うことができる。架橋重合体(A)と有機表面架橋剤(e)との混合方法としては、円筒型混合機、スクリュー型混合機、スクリュー型押出機、タービュライザー(登録商標)、フレキソミックス型縦型混合機、ナウター型混合機、双腕型ニーダー、流動式混合機、V型混合機、ミンチ混合機、リボン型混合機、気流型混合機、回転円盤型混合機、コニカルブレンダー及びロールミキサー等の混合装置を用いて架橋重合体(A)と有機表面架橋剤(e)とを均一混合する方法が挙げられる。この際、有機表面架橋剤(e)は、水及び/又は任意の溶剤で希釈して使用しても良い。
【0041】
架橋重合体(A)と有機表面架橋剤(e)とを混合する際の温度は特に限定されないが、10~150℃が好ましく、更に好ましくは20~100℃、特に好ましくは25~80℃である。
【0042】
架橋重合体(A)と有機表面架橋剤(e)とを混合した後、通常、加熱処理を行う。加熱温度は、樹脂粒子の耐壊れ性の観点から好ましくは100~180℃、更に好ましくは110~175℃、特に好ましくは120~170℃である。180℃以下の加熱であれば蒸気を利用した間接加熱が可能であり設備上有利であり、100℃未満の加熱温度では吸収性能が悪くなる場合がある。また、加熱時間は加熱温度により適宜設定することができるが、吸収性能の観点から、好ましくは5~60分、更に好ましくは10~40分である。表面架橋して得られる吸水性樹脂を、最初に用いた有機表面架橋剤と同種又は異種の有機表面架橋剤を用いて、更に表面架橋することも可能である。
【0043】
架橋重合体(A)の表面を有機表面架橋剤(e)により架橋した後、必要により篩別して粒度調整される。得られた粒子の平均粒経は、好ましくは100~600μm、更に好ましくは200~500μmである。微粒子の含有量は少ない方が好ましく、100μm以下の粒子の含有量は3重量%以下であることが好ましく、150μm以下の粒子の含有量が3重量%以下であることが更に好ましい。
【0044】
本発明の吸水性樹脂粒子は、水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)を含む。水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)としては、フュームドシリカ、湿式シリカ、コロイダルシリカ、変性シリカ等の二酸化ケイ素や、タルク、カオリン、ゼオライトやモンモリロナイト等のケイ酸塩微粒子等が挙げられ、入手の容易性や扱いやすさ、吸収性能の観点から、フュームドシリカ及びコロイダルシリカが好ましい。(c)は1種を単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0045】
本発明における水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)は、平均一次粒子径1~100nmの球状又は不定形の粒子であることが好ましい。球状又は不定形の粒子であると、吸水性樹脂粒子の粉体流動性が良好となる。水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)の平均一次粒子径は、好ましくは2~80nmであり、更に好ましくは3~60nm、特に好ましくは5~50nmである。平均一次粒子径が1nmより小さいと吸水性樹脂粒子の荷重下での吸収特性が悪化する場合がある。また100nmより大きいと吸水性樹脂粒子の通液性が悪化する場合がある。
【0046】
なお、水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)の平均一次粒子径の測定は従来公知の方法で行えばよく、例えば、透過型電子顕微鏡での5万倍の画像から100個以上の粒子について個々の粒子の最長径と最短経との平均から粒子径を実測してその算術平均値を求める方法や、動的光散乱やレーザー回折法を用いた散乱式粒度分布測定装置を用いる方法、球状粒子である場合BET法による比表面積から算出する方法等が挙げられる。市販品を使用する場合には、そのカタログ値で代用できる。なお、測定により求める場合に測定方法により有意な相違がある場合は、上述の透過型電子顕微鏡を用いる方法による。
【0047】
本発明の吸水性樹脂粒子は、架橋重合体(A)と水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)とを混合することで得ることができる。混合方法としては、円筒型混合機、スクリュー型混合機、スクリュー型押出機、タービュライザー(登録商標)、フレキソミックス型縦型混合機、ナウター型混合機、双腕型ニーダー、流動式混合機、V型混合機、ミンチ混合機、リボン型混合機、気流型混合機、回転円盤型混合機、コニカルブレンダー及びロールミキサー等の公知の混合装置を用いて均一混合する方法が挙げられるが、Si原子数濃度の変動係数が低くなるという観点で、円筒状の混合層を持ち中央の軸を中心に回転する縦型混合機が好ましい。なお、縦型とは回転軸が上下方向(鉛直方向)であり横型とは回転軸が水平方向のものであり、縦型混合機の代表例としてフレキソミックス型縦型混合機(例えば、商品名:フレキソミックスFX、フレキソミックスFXD:いずれもホソカワミクロン社製)が挙げられ、横型混合機の代表例としてタービュライザー(登録商標)が挙げられる。フレキソミックス型縦型混合機では乱流混合効果が高く、混合が速やかに行われるため均一度が高くなると考えられる。横型混合機では混合槽の下部に吸水性樹脂粒子が溜まりやすく混合が不均一になりやすい。水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)は架橋重合体(A)の表面で広がりにくく高速かつ乱流で混ぜることにより均一に表面に混ぜることができると考えられる。
【0048】
フレキソミックス型縦型混合機での混合時の回転速度は1000~4000rpmが好ましく、2000~3000rpmが更に好ましい。1000rpmより低いと均一混合できず、4000rpmより高いと、衝撃により吸水性樹脂粒子が壊れ微粉が発生する場合がある。
【0049】
フレキソミックス型縦型混合機への吸水性樹脂粒子のフィード量は型式に応じた処理能力を超えない範囲が好ましい。例えば、フレキソミックスFXD100であれば50~100kg/hである。50kg/hより低いと単位時間当たりの処理量が少なく非効率であり、100kgを超えると閉塞等のトラブルが発生する。
【0050】
架橋重合体(A)と水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)との混合は、架橋重合体(A)の撹拌下に水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)を加えることが好ましい。加えられる水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)は、水及び/又は溶剤と同時に添加しても良い。水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)を水及び/又は溶剤と同時に添加する場合、水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)を水及び/又は溶剤に分散した分散液を添加することができ、作業性等の観点から分散液を添加することが好ましく、水分散液を添加することが更に好ましい。分散液を添加する場合、噴霧又は滴下して添加することが好ましい。
【0051】
水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)の分散液を用いる場合、分散液に含まれる水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)の含有量は、分散液の合計重量に対して5~70%重量%が好ましく、更に好ましくは10~60重量%である。
【0052】
水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)の分散液は、従来公知の方法により水及び/又は溶剤中で素原料を反応させ直接造粒して得られる分散液を用いてもよいし、微粒子を水及び/又は溶剤中に機械的に分散して得られる分散液を用いてもよい。
分散液の安定性の観点から、水及び/又は溶剤中で素原料を反応させ直接造粒して得られる分散液を用いることが好ましい。水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)の分散液は、水性コロイド液(ゾル)として市販品を入手することができる。
なお分散液には、必要に応じて任意の安定化剤等の添加剤が含まれていても良い。安定化剤としては、例えば、市販の界面活性剤や分散剤、市販の酸化合物[リン酸(塩)、ホウ酸(塩)、アルカリ金属(塩)及びアルカリ土類金属(塩)、ヒドロキシカルボン酸(塩)、脂肪酸(塩)等]が挙げられる。
【0053】
架橋重合体(A)と水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)を混合する際の温度は、吸収性能の観点から、10~150℃が好ましく、更に好ましくは20~100℃、特に好ましくは25~80℃である。
【0054】
架橋重合体(A)と水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)を混合した後、更に加熱処理を行ってもよい。加熱温度は、樹脂粒子の耐壊れ性の観点から好ましくは25~180℃、更に好ましくは30~175℃、特に好ましくは35~170℃である。180℃以下の加熱であれば蒸気を利用した間接加熱が可能であり設備上有利である。また、加熱を行わない場合、併用する水及び溶剤が吸水性樹脂中に過剰に残存することとなり、吸収性能が悪くなる場合がある。吸水性樹脂中に残存する水、溶剤の量としては、吸水性樹脂100重量部あたり、1~10重量部が好ましい。吸水性樹脂中に残存する水、溶剤の量は、JISK0067-1992(化学製品の減量及び残分試験法)に準拠し、加熱減量法により得ることができる。
【0055】
架橋重合体(A)と水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)との混合後に加熱する場合、加熱時間は加熱温度により適宜設定することができるが、吸収性能の観点から、好ましくは5~60分、更に好ましくは10~40分である。架橋重合体(A)と水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)とを混合して得られる吸水性樹脂を、最初に用いた水不溶性ケイ素化合物微粒子と同種又は異種の水不溶性ケイ素化合物微粒子を用いて、更に表面処理することも可能である。
【0056】
本発明の吸水性樹脂粒子は、架橋重合体(A)と水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)との混合後に、篩別して粒度調整して用いても良い。粒度調整して得られた粒子の平均粒経は、好ましくは100~600μm、更に好ましくは200~500μmである。微粒子の含有量は少ない方が好ましく、100μm以下の粒子の含有量は3重量%以下であることが好ましく、150μm以下の粒子の含有量が3重量%以下であることが更に好ましい。
【0057】
本発明の吸水性樹脂粒子において、水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)の含有量は、吸水性樹脂粒子の用途に応じて調整することができるが、架橋重合体(A)の重量に基づいて、0.01~1重量%が好ましく、更に好ましくは0.02~0.8重量%、特に好ましくは0.05~0.5重量%である。この範囲より多いと吸水性樹脂表面から剥がれおちる粉塵が発生し、この範囲より少ないと吸湿ブロッキングしやすくなる。
【0058】
本発明の吸水性樹脂粒子において、Si原子数濃度(atomic%)の算術平均は、水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)の含有量および添加方法により調整することができる。
【0059】
本発明における走査型電子顕微鏡-エネルギー分散型X線分析の測定による吸水性樹脂粒子表面のSi原子数濃度は無作為の20個の吸水性樹脂粒子を測定して求める。なお、吸水性樹脂粒子表面とは、走査型電子顕微鏡-エネルギー分散型X線分析で観察される表面であり、吸水性樹脂粒子が外気にさらされている部分から1μm程度の内部までの部分を示す。
【0060】
走査型電子顕微鏡-エネルギー分散型X線分析による測定では、加速電圧15eV、倍率を100倍の条件で電子ビームを絞り照射して、各元素について観測される特性X線の強度を検出することにより、測定している電子ビーム照射領域(吸水性樹脂粒子の表面)の組成を求めることができる。吸水性樹脂粒子表面のSi原子数濃度は、個々の吸水性樹脂粒子で変動する場合があるため、無作為の20個の吸水性樹脂粒子を測定して算術平均値として求めることが好ましい。
【0061】
本発明の分析点数20点における走査型電子顕微鏡-エネルギー分散型X線分析により測定されるSi原子数濃度(atomic%)の算術平均は、0.5~5.0であり、水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)の含有量および添加方法により調整することができる。フィード量の変動抑制、吸収性能の観点から、1.0~2.5が好ましい。5.0より多いと吸水性樹脂表面から剥がれおちる粉塵が発生し、0.5より少ないと吸湿ブロッキングしやすくなる。
【0062】
吸水性樹脂粒子への水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)の付着は、ファンデルワールス力等の粉体に働く力で付着するので、付着後に付着量を制御することは困難であり、乱流混合などにより均一に混合することがSi原子数濃度の平均を調整する観点から好ましい。
【0063】
本発明の吸水性樹脂粒子において、分析点数20点における走査型電子顕微鏡-エネルギー分散型X線分析により測定されるSi原子数濃度の変動係数は、水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)の添加方法により制御されるが、0~40%である。フィード量制御、生産効率の観点から1~30%が好ましく、1~25%が更に好ましく、10~25%が特に好ましい。Si原子数濃度の変動係数は吸水性樹脂粒子の表面におけるSi原子の均一性の指標であり、低いほど均一にSi原子つまり水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)が添加されていることを示す。変動係数が40%を超えると、フィード量のばらつきが発生し、吸収性物品の性能が変動するため好ましくない。
【0064】
本発明の吸水性樹脂粒子は、架橋重合体(A)と、水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)を混合することにより得ることができるが、架橋重合体(A)の表面が有機表面架橋剤(e)により架橋された構造を有する場合、水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)の添加は、前記の有機表面架橋剤(e)での表面架橋の前、後のいずれの段階で行ってもよいが、均一性の観点から、水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)は有機表面架橋剤(e)の添加と同時又は以前に添加することが好ましく、水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)を有機表面架橋剤(e)の添加と同時に添加することが更に好ましい。
【0065】
本発明の吸水性樹脂粒子は、更に炭素数4以下の多価アルコール(f)を含んでもよい。炭素数4以下の多価アルコール(f)としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、グリセリン、1,4-ブタンジオール等が挙げられる。これらの内、安全性や入手の容易さの観点から、プロピレングリコール及びグリセリンが好ましく、更に好ましいのはプロピレングリコールである。(f)は1種を単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0066】
炭素数4以下の多価アルコール(f)の使用量(重量%)は、吸収性能及び通液性の観点から架橋重合体(A)の重量に基づいて、0.05~5が好ましく、更に好ましくは0.1~3、特に好ましくは0.2~2である。
【0067】
炭素数4以下の多価アルコール(f)を含む場合、任意の工程で添加してもよいが、Si原子の均一性観点から、水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)及び有機表面架橋剤(e)を同時に添加することが好ましい。(f)を用いることにより、架橋重合体(A)に対する添加液のぬれ性や浸透性を改善され、Si原子を均一にすることができる。
【0068】
本発明の吸水性樹脂粒子は、更に疎水性物質(g)を含有してもよい。疎水性物質(g)としては、炭化水素基を含有する疎水性物質(g1)、フッ素原子をもつ炭化水素基を含有する疎水性物質(g2)及びポリシロキサン構造をもつ疎水性物質(g3)等が含まれる。
【0069】
炭化水素基を含有する疎水性物質(g1)としては、ポリオレフィン樹脂、ポリオレフィン樹脂誘導体、ポリスチレン樹脂、ポリスチレン樹脂誘導体、ワックス、長鎖脂肪酸エステル、長鎖脂肪酸及びその塩、長鎖脂肪族アルコール、長鎖脂肪族アミド及びこれらの2種以上の混合物等が含まれる。
【0070】
ポリオレフィン樹脂としては、炭素数2~4のオレフィン{エチレン、プロピレン、イソブチレン及びイソプレン等}を必須構成単量体(オレフィンの含有量はポリオレフィン樹脂の重量に基づいて、少なくとも50重量%)としてなる重量平均分子量1000~100万の重合体{たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ(エチレン-イソブチレン)及びイソプレン等}が挙げられる。
【0071】
ポリオレフィン樹脂誘導体としては、ポリオレフィン樹脂にカルボキシ基(-COOH)や1,3-オキソ-2-オキサプロピレン(-COOCO-)等を導入した重量平均分子量1000~100万の重合体{たとえば、ポリエチレン熱減成体、ポリプロピレン熱減成体、マレイン酸変性ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、マレイン酸変性ポリプロピレン、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-無水マレイン酸共重合体、イソブチレン-無水マレイン酸共重合体、マレイン化ポリブタジエン、エチレン-酢酸ビニル共重合体及びエチレン-酢酸ビニル共重合体のマレイン化物等}が挙げられる。
【0072】
ポリスチレン樹脂としては、重量平均分子量1000~100万の重合体等が使用できる。
【0073】
ポリスチレン樹脂誘導体としては、スチレンを必須構成単量体(スチレンの含有量は、ポリスチレン誘導体の重量に基づいて、少なくとも50重量%)としてなる重量平均分子量1000~100万の重合体{たとえば、スチレン-無水マレイン酸共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体及びスチレン-イソブチレン共重合体等}が挙げられる。
【0074】
ワックスとしては、融点50~200℃のワックス{たとえば、パラフィンワックス、ミツロウ、カルナウバワックス及び牛脂等}が挙げられる。
【0075】
長鎖脂肪酸エステルとしては、炭素数8~30の脂肪酸と炭素数1~12のアルコールとのエステル{たとえば、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、グリセリンラウリン酸モノエステル、グリセリンステアリン酸モノエステル、グリセリンオレイン酸モノエステル、ペンタエリスリットラウリン酸モノエステル、ペンタエリスリットステアリン酸モノエステル、ペンタエリスリットオレイン酸モノエステル、ソルビットラウリン酸モノエステル、ソルビットステアリン酸モノエステル、ソルビットオレイン酸モノエステル、ショ糖パルミチン酸モノエステル、ショ糖パルミチン酸ジエステル、ショ糖パルミチン酸トリエステル、ショ糖ステアリン酸モノエステル、ショ糖ステアリン酸ジエステル、ショ糖ステアリン酸トリエステル及び牛脂等}が挙げられる。
【0076】
長鎖脂肪酸及びその塩としては、炭素数8~30の脂肪酸{たとえば、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ダイマー酸及びベヘニン酸等}が挙げられ、その塩としては亜鉛、カルシウム、マグネシウム又はアルミニウム(以下、それぞれZn、Ca、Mg、Alと略す)との塩{たとえば、パルミチン酸Ca、パルミチン酸Al、ステアリン酸Ca、ステアリン酸Mg、ステアリン酸Al等}が挙げられる。
【0077】
長鎖脂肪族アルコールとしては、炭素数8~30の脂肪族アルコール{たとえば、ラウリルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等}が挙げられる。吸収性物品の耐モレ性の観点等から、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコールが好ましく、さらに好ましくはステアリルアルコールである。
【0078】
長鎖脂肪族アミドとしては、炭素数8~30の長鎖脂肪族一級アミンと炭素数1~30の炭化水素基を有するカルボン酸とのアミド化物、アンモニア又は炭素数1~7の1級アミンと炭素数8~30の長鎖脂肪酸とのアミド化物、炭素数8~30の脂肪族鎖を少なくとも1つ有する長鎖脂肪族二級アミンと炭素数1~30のカルボン酸とのアミド化物及び炭素数1~7の脂肪族炭化水素基を2個有する二級アミンと炭素数8~30の長鎖脂肪酸とのアミド化物が挙げられる。
【0079】
炭素数8~30の長鎖脂肪族一級アミンと炭素数1~30の炭化水素基を有するカルボン酸とのアミド化物としては、1級アミンとカルボン酸とが1:1で反応した物と1:2で反応した物に分けられる。1:1で反応した物としては、酢酸N-オクチルアミド、酢酸N-ヘキサコシルアミド、ヘプタコサン酸N-オクチルアミド及びヘプタコサン酸N-ヘキサコシルアミド等が挙げられる。1:2で反応したものとしては、二酢酸N-オクチルアミド、二酢酸N-ヘキサコシルアミド、ジヘプタコサン酸N-オクチルアミド及びジヘプタコサン酸N-ヘキサコシルアミド等が挙げられる。なお、1級アミンとカルボン酸とが1:2で反応した物の場合、使用するカルボン酸は、同一でも異なっていてもよい。
【0080】
アンモニア又は炭素数1~7の1級アミンと炭素数8~30の長鎖脂肪酸とのアミド化物としては、アンモニア又は1級アミンとカルボン酸とが1:1で反応した物と1:2で反応した物に分けられる。1:1で反応した物としては、ノナン酸アミド、ノナン酸メチルアミド、ノナン酸N-ヘプチルアミド、ヘプタコサン酸アミド、ヘプタコサン酸N-メチルアミド、ヘプタコサン酸N-ヘプチルアミド及びヘプタコサン酸N-ヘキサコシルアミド等が挙げられる。1:2で反応したものとしては、ジノナン酸アミド、ジノナン酸N-メチルアミド、ジノナン酸N-ヘプチルアミド、ジオクタデカン酸アミド、ジオクタデカン酸N-エチルアミド、ジオクタデカン酸N-ヘプチルアミド、ジヘプタコサン酸アミド、ジヘプタコサン酸N-メチルアミド、ジヘプタコサン酸N-ヘプチルアミド及びジヘプタコサン酸N-ヘキサコシルアミド等が挙げられる。なお、アンモニア又は1級アミンとカルボン酸とが1:2で反応した物としては、使用するカルボン酸は、同一でも異なっていてもよい。
【0081】
炭素数8~30の脂肪族鎖を少なくとも1つ有する長鎖脂肪族二級アミンと炭素数1~30のカルボン酸とのアミド化物としては、酢酸N-メチルオクチルアミド、酢酸N-メチルヘキサコシルアミド、酢酸N-オクチルヘキサコシルアミド、酢酸N-ジヘキサコシルアミド、ヘプタコサン酸N-メチルオクチルアミド、ヘプタコサン酸N-メチルヘキサコシルアミド、ヘプタコサン酸N-オクチルヘキサコシルアミド及びヘプタコサン酸N-ジヘキサコシルアミド等が挙げられる。
【0082】
炭素数1~7の脂肪族炭化水素基を2個有する二級アミンと炭素数8~30の長鎖脂肪酸とのアミド化物としては、ノナン酸N-ジメチルアミド、ノナン酸N-メチルヘプチルアミド、ノナン酸N-ジヘプチルアミド、ヘプタコサン酸N-ジメチルアミド、ヘプタコサン酸N-メチルヘプチルアミド及びヘプタコサン酸N-ジヘプチルアミド等が挙げられる。
【0083】
フッ素原子をもつ炭化水素基を含有する疎水性物質(g2)としては、パーフルオロアルカン、パーフルオロアルケン、パーフルオロアリール、パーフルオロアルキルエーテル、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルアルコール及びこれらの2種以上の混合物等が含まれる。
【0084】
ポリシロキサン構造をもつ疎水性物質(g3)としては、ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン{ポリオキシエチレン変性ポリシロキサン及びポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)変性ポリシロキサン等}、カルボキシ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、アルコキシ変性ポリシロキサン等及びこれらの混合物等が含まれる。
【0085】
疎水性物質(g)のHLB値は、1~10が好ましく、さらに好ましくは2~8、特に好ましくは3~7である。この範囲であると、初期膨潤時の耐ブロッキング性がさらに良好となる。なお、HLB値は、親水性-疎水性バランス(HLB)値を意味し、小田法(新・界面活性剤入門、197頁、藤本武彦、三洋化成工業株式会社発行、1981年発行)により求められる。
【0086】
疎水性物質(g)のうち、初期膨潤時の耐ブロッキング性の観点から、炭化水素基を含有する疎水性物質(g1)が好ましく、より好ましくは長鎖脂肪酸エステル、長鎖脂肪酸及びその塩、長鎖脂肪族アルコール並びに長鎖脂肪族アミドであり、さらに好ましくはソルビットステアリン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ステアリン酸、ステアリン酸Mg、ステアリン酸Ca、ステアリン酸Zn及びステアリン酸Al、特に好ましくはショ糖ステアリン酸エステル及びステアリン酸Mgであり、最も好ましくはショ糖ステアリン酸エステルである。
【0087】
疎水性物質(g)の使用量(重量%)は、吸収性能及び初期膨潤時の耐ブロッキング性の観点から架橋重合体(A)の重量に基づいて、0.001~1が好ましく、更に好ましくは0.005~0.5、特に好ましくは0.01~0.3である。
【0088】
疎水性物質(g)を含む場合、任意の工程で添加してもよいが、吸収性能の観点から水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)の添加より前に添加されることが好ましく、架橋重合体(A)の表面が有機表面架橋剤(e)により架橋された構造を有する場合、疎水性物質(g)は前記の有機表面架橋剤(e)での表面架橋の前に添加されることが更に好ましい。
【0089】
本発明の吸水性樹脂粒子は、必要に応じて、添加剤(例えば、公知(特開2003-225565号及び特開2006-131767号等に記載)の防腐剤、防かび剤、抗菌剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、着色剤、芳香剤、消臭剤、通液性向上剤及び有機質繊維状物等)を含むこともできる。これらの添加剤を含有させる場合、添加剤の含有量(重量%)は、架橋重合体(A)の重量に基づいて、0.001~10が好ましく、更に好ましくは0.01~5、特に好ましくは0.05~1、最も好ましくは0.1~0.5である。
【0090】
本発明の製造方法は、本発明の吸水性樹脂粒子の製造方法であって、水溶性ビニルモノマー(a1)と架橋剤(b)とを必須構成単位とする架橋重合体(A)と水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)とを、縦型混合機で乱流混合により混合する混合工程を有する。上記混合工程においては、好ましくはフレキソミックス型縦型混合機を使用する乱流混合により混合する。その際、前記架橋重合体(A)の表面が有機表面架橋剤(e)により架橋された構造を有する場合、前記架橋重合体(A)を、好ましくは、水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)または水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)の水性コロイド液と表面架橋剤を同時に添加する。水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)または水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)の水性コロイド液の具体例は前述の通りである。それらの添加量や添加方法等についても前述の通りであるが、通液性の観点から、架橋重合体(A)に水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)の水性コロイド液、有機表面架橋剤(e)、炭素数4以下の多価アルコールをフレキソミックス型縦型混合機で混合しながらスプレーで同時に添加した後、加熱処理を行うことが更に好ましい。
【0091】
本発明の吸水性樹脂粒子及び本発明の製造方法により得られる吸水性樹脂粒子(以下、これらを区別せず本発明の吸水性樹脂粒子と称す)の保水量(g/g)は、後述する方法で測定することができ、25~55が好ましく、30~50が更に好ましく、35~45が特に好ましい。保水量がこの範囲より低いとオムツの吸収量が低くなり、この範囲より高いと荷重下での吸収量が低くなる。保水量は、架橋剤(b)、有機表面架橋剤(e)の使用量(重量%)で適宜調整することができる。
【0092】
本発明の吸水性樹脂粒子のゲル通液速度(ml/分)は、WO2016/143736等に開示される方法で測定することができ、オムツの吸収速度の観点から好ましくは5~300であり、10~280が更に好ましく、特に好ましくは、15~250である。ゲル通液速度は保水量と相反することが経験的に知られており、オムツの構成により高保水量が求められる場合と高ゲル通液速度が求められる場合とがある。
【0093】
本発明の吸水性樹脂粒子の見掛け密度(g/ml)は、0.50~0.80が好ましく、更に好ましくは0.52~0.75、特に好ましくは0.54~0.70である。この範囲であると、吸収性物品の耐カブレ性が更に良好となる。吸水性樹脂粒子の見掛け密度は、JIS K7365:1999に準拠して、25℃で測定される。
【0094】
本発明の吸水性樹脂粒子の吸湿ブロッキング率は後述の方法で測定することができ、0~50%が好ましく、更に好ましくは0~30%、特に好ましくは0~20%である。この範囲であると、作業環境によらずブロッキングの問題が生じにくい。
【0095】
本発明の吸水性樹脂粒子を用いて吸収体を得ることができる。吸収体としては、吸水性樹脂粒子を単独で用いても良く、他の材料と共に用いて吸収体としても良い。
他の材料としては繊維状物等が挙げられる。繊維状物と共に用いた場合の吸収体の構造及び製造方法等は、公知のもの(特開2003-225565号公報、特開2006-131767号公報及び特開2005-097569号公報等)と同様である。
【0096】
上記繊維状物として好ましいのは、セルロース系繊維、有機系合成繊維及びセルロース系繊維と有機系合成繊維との混合物である。
【0097】
セルロース系繊維としては、例えばフラッフパルプ等の天然繊維、ビスコースレーヨン、アセテート及びキュプラ等のセルロース系化学繊維が挙げられる。このセルロース系天然繊維の原料(針葉樹及び広葉樹等)、製造方法(ケミカルパルプ、セミケミカルパルプ、メカニカルパルプ及びCTMP等)及び漂白方法等は特に限定されない。
【0098】
有機系合成繊維としては、例えばポリプロピレン系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリエステル系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリウレタン系繊維及び熱融着性複合繊維(融点の異なる上記繊維の少なくとも2種を鞘芯型、偏芯型、並列型等に複合化された繊維、上記繊維の少なくとも2種をブレンドした繊維及び上記繊維の表層を改質した繊維等)が挙げられる。
【0099】
これらの繊維状物の内で好ましいのは、セルロース系天然繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリエステル系繊維、熱融着性複合繊維及びこれらの混合繊維であり、更に好ましいのは、得られた吸水剤の吸水後の形状保持性に優れるという点で、フラッフパルプ、熱融着性複合繊維及びこれらの混合繊維である。
【0100】
上記繊維状物の長さ、太さについては特に限定されず、長さは1~200mm、太さは0.1~100デニールの範囲であれば好適に使用することができる。形状についても繊維状であれば特に限定されず、細い円筒状、スプリットヤーン状、ステープル状、フィラメント状及びウェブ状等が例示される。
【0101】
吸水性樹脂粒子を、繊維状物と共に吸収体とする場合、吸水性樹脂粒子と繊維の重量比率(吸水性樹脂粒子の重量/繊維の重量)は40/60~90/10が好ましく、更に好ましくは70/30~80/20である。
【0102】
本発明の吸水性樹脂を用いて吸収性物品を得ることができる。具体的には、上記吸収体を用いる。吸収性物品としては、紙おむつや生理用ナプキン等の衛生用品のみならず、後述する各種水性液体の吸収や保持剤用途、ゲル化剤用途等の各種用途に使用されるものとして適用可能である。吸収性物品の製造方法等は、公知のもの(特開2003-225565号公報、特開2006-131767号公報及び特開2005-097569号公報等に記載のもの)と同様である。
【実施例0103】
以下、実施例及び比較例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、部は重量部、%は重量%を示す。なお、吸水性樹脂粒子の生理食塩水に対する保水量、荷重下吸収量、吸湿ブロッキング率、表面Si量、表面Si量の変動係数、フィード量およびフィード量の変動係数は以下の方法により測定した。
【0104】
<保水量の測定方法>
目開き63μm(JIS Z8801-1:2006)のナイロン網で作製したティーバッグ(縦20cm、横10cm)に測定試料1.00gを入れ、生理食塩水(食塩濃度0.9%)1,000ml中に無撹拌下、1時間浸漬した後引き上げて、15分間吊るして水切りした。その後、ティーバッグごと、遠心分離器にいれ、150Gで90秒間遠心脱水して余剰の生理食塩水を取り除き、ティーバックを含めた重量(h1)を測定し次式から保水量を求めた。なお、使用した生理食塩水及び測定雰囲気の温度は25℃±2℃であった。
保水量(g/g)=(h1)-(h2)
なお、(h2)は、測定試料の無い場合について上記と同様の操作により計測したティーバックの重量である。
【0105】
<荷重下吸収量の測定方法>
目開き63μm(JIS Z8801-1:2006)のナイロン網を底面に貼った円筒型プラスチックチューブ(内径:25mm、高さ:34mm)内に、30メッシュふるいと60メッシュふるいを用いて250~500μmの範囲にふるい分けした測定試料0.16gを秤量し、円筒型プラスチックチューブを垂直にしてナイロン網上に測定試料がほぼ均一厚さになるように整えた後、この測定試料の上に分銅(重量:210.6g、外径:24.5mm、)を乗せた。この円筒型プラスチックチューブ全体の重量(M1)を計量した後、生理食塩水(食塩濃度0.9%)60mlの入ったシャーレ(直径:12cm)の中に測定試料及び分銅の入った円筒型プラスチックチューブを垂直に立ててナイロン網側を下面にして浸し、60分静置した。60分後に、円筒型プラスチックチューブをシャーレから引き上げ、これを斜めに傾けて底部に付着した水を一箇所に集めて水滴として垂らすことで余分な水を除去した後、測定試料及び分銅の入った円筒型プラスチックチューブ全体の重量(M2)を計量し、次式から荷重下吸収量を求めた。なお、使用した生理食塩水及び測定雰囲気の温度は25℃±2℃であった。
荷重下吸収量(g/g)={(M2)-(M1)}/0.16
【0106】
<吸湿ブロッキング率の測定法>
目開き850μmの金網(JIS Z8801-1:2001)をパスした測定試料10gを直径5cmのアルミ製の円柱皿に均一に入れ、40±1℃、相対湿度80±5%の恒温恒湿槽中で3時間静置した。3時間静置後の測定試料の総重量(a)を測定後、これを目開き1400μmの金網(JIS Z8801-1:2001)で5回タッピングして篩い、吸湿によりブロッキングして目開き1400μmの金網上に残った樹脂粒子の重量(b)を測定し、次式から吸湿ブロッキング率を求めた。
吸湿ブロッキング率(%)=(b/a)×100
【0107】
<Si原子数濃度の平均及びSi原子数濃度の変動係数の測定方法>
カーボンテープを貼った試料台に30メッシュふるいと60メッシュふるいを用いて250~500μmの範囲にふるい分けした測定試料を10粒以上、粒子同士が重ならないように固定し、アメテック社製エネルギー分散型X線分析(EDS分析)装置OctaneEliteを付属した、FEI社製電界放出型走査電子顕微鏡「QuantaFEG250FEG」にセットした。加速電圧15eV、倍率を100倍にし、粒子1粒を画面に表示し、粒子内の範囲を面分析でEDS分析を行った。
1種類の測定試料につき無作為に20粒の測定を行い、検出されたSi原子数%(atomic%)の算術平均値を測定試料のSi原子数濃度の平均とし、Si原子数%の標準偏差を平均値で除した値をSi原子数濃度の変動係数とした。
【0108】
<フィード量およびフィード量の変動係数の測定方法>
アキュレートフィーダー(モデル100、軸:スプリングタイプ、クマエンジニアリング社製)のホッパーに測定試料500gを入れた。サンプル供給口の先に金属トレイを乗せた電子天秤を設置し、FeedRateを900にセットしサンプル供給を開始した。トレイへの積算供給量が50gになった時点から10秒ごとに供給量を記録し200秒間フィード量を記録した。200秒間の間に供給された量を1分あたりに換算した値をフィード量(g/min)、10秒ごとの供給量の標準偏差を平均値で割った値をフィード量の変動係数とした。
【0109】
<実施例1>
アクリル酸(a1-1){三菱化学株式会社製、純度100%}131部、架橋剤(b-1){ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、株式会社大阪ソーダ製}0.44部及び脱イオン水362部を攪拌・混合しながら3℃に保った。この混合物中に窒素を流入して溶存酸素量を1ppm以下とした後、1%過酸化水素水溶液0.5部、2%アスコルビン酸水溶液1部及び2%の2,2’-アゾビスアミジノプロパンジハイドロクロライド水溶液1部を添加・混合して重合を開始させた。混合物の温度が80℃に達した後、80±2℃で約5時間重合することにより含水ゲルを得た。
【0110】
次にこの含水ゲルをミンチ機(ROYAL社製12VR-400K)で細断しながら、48.5%水酸化ナトリウム水溶液108部を添加して混合・中和し、中和ゲル(中和度:72%)を得た。更に中和した含水ゲルを通気型乾燥機{200℃、風速2m/秒}で乾燥し、乾燥体を得た。乾燥体をジューサーミキサー(Oster社製OSTERIZER BLENDER)にて粉砕した後、ふるい分けして、目開き710~150μmの粒子径範囲に調整して、架橋重合体(A-1)を得た。
【0111】
ついで、得られた架橋重合体(A-1)100部を高速攪拌(ホソカワミクロン社製フレキソミックスFXD100:回転数3000rpm、フィード速度50kg/h)しながら、これに水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)としてのKlebosol30cal25(メルク社製コロイダルシリカ、固形分30%、平均一次粒径25nm)1.0部、有機表面架橋剤(e)としてのエチレングリコールジグリシジルエーテル0.1部、炭素数4以下の多価アルコール(f)としてのプロピレングリコール1.0部、及び水1.6部を混合した液をスプレーノズルから噴霧添加し、均一混合した後、130℃で30分間加熱して、本発明の吸水性樹脂粒子(P-1)を得た。なお、(P-1)の見かけ密度は0.58g/mlであった。
【0112】
<実施例2>
実施例1と同様にして得られた架橋重合体(A-1)100部を高速攪拌(ホソカワミクロン社製フレキソミックスFXD100:回転数3000rpm、フィード速度50kg/h)しながら、これに、有機表面架橋剤(e)としてのエチレングリコールジグリシジルエーテル0.1部、炭素数4以下の多価アルコール(f)としてのプロピレングリコール1.0部、及び水1.6部を混合した液をスプレーノズルから噴霧添加し、均一混合した後、130℃で30分間加熱し、室温まで冷却した後、更に高速攪拌(ホソカワミクロン社製フレキソミックスFXD100:回転数3000rpm、フィード速度50kg/h)しながら水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)としてのKlebosol30cal25(メルク社製コロイダルシリカ、固形分30%、平均一次粒径25nm)1.0部、炭素数4以下の多価アルコール(f)としてのプロピレングリコール0.5部、及び水0.5部を混合した液をスプレーノズルから噴霧添加し均一混合した後、80℃30分加熱して、本発明の吸水性樹脂粒子(P-2)を得た。なお、(P-2)の見かけ密度は0.58g/mlであった。
【0113】
<実施例3>
実施例1と同様にして得られた架橋重合体(A-1)100部を高速攪拌(ホソカワミクロン社製フレキソミックスFXD100:回転数3000rpm、フィード速度50kg/h)しながら、これに、有機表面架橋剤(e)としてのエチレングリコールジグリシジルエーテル0.1部、炭素数4以下の多価アルコール(f)としてのプロピレングリコール1.0部、及び水1.6部を混合した液をスプレーノズルから噴霧添加し、均一混合した後、130℃で30分間加熱し、室温まで冷却した後、更に高速攪拌(ホソカワミクロン社製フレキソミックスFXD100:回転数3000rpm、フィード速度50kg/h)しながら水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)としてのAerosil200(日本アエロジル社製ヒュームドシリカ、平均一次粒径12nm)0.1部を炭素数4以下の多価アルコール(f)としてのプロピレングリコール0.5部及び水0.5部を混合した液に分散した液をスプレーノズルから噴霧添加し均一混合した後、80℃30分加熱して、本発明の吸水性樹脂粒子(P-3)を得た。なお、(P-3)の見かけ密度は0.59g/mlであった。
【0114】
<実施例4>
実施例1から有機表面架橋剤(e)としてのエチレングリコールジグリシジルエーテル0.1部を0.03部に、炭素数4以下の多価アルコール(f)としてのプロピレングリコール1.0部を0.60部に、水1.6部を0.80部に変更した以外は同様に本発明の吸水性樹脂粒子(P-4)を得た。なお、(P-4)の見かけ密度は0.58g/mlであった。
【0115】
<実施例5>
実施例1から水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)としてのKlebosol30cal25(メルク社製コロイダルシリカ、固形分30%、平均一次粒径25nm)1.0部を0.17部に、有機表面架橋剤(e)としてのエチレングリコールジグリシジルエーテル0.1部を0.01部に、炭素数4以下の多価アルコール(f)としてのプロピレングリコール1.0部を0.30部に、水1.6部を0.30部に変更した以外は同様に本発明の吸水性樹脂粒子(P-5)を得た。なお、(P-5)の見かけ密度は0.59g/mlであった。
【0116】
<実施例6>
実施例1から水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)としてのKlebosol30cal25(メルク社製コロイダルシリカ、固形分30%、平均一次粒径25nm)1.0部を1.5部に変更した以外は同様に本発明の吸水性樹脂粒子(P-6)を得た。なお、(P-6)の見かけ密度は0.58g/mlであった。
【0117】
<実施例7>
(P-1)100重量部をビニール袋に入れ、水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)としてのAerosil200(日本アエロジル社製ヒュームドシリカ、平均一次粒径12nm)0.1部を加えてで揉みこむことでよく混合し本発明の吸水性樹脂粒子(P-7)を得た。なお、(P-7)の見かけ密度は0.57g/mlであった。
【0118】
<実施例8>
アクリル酸(a1-1){三菱化学株式会社製、純度100%}155部、架橋剤(b-1){ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、株式会社大阪ソーダ製}0.54部及び脱イオン水335部を攪拌・混合しながら3℃に保った。この混合物中に窒素を流入して溶存酸素量を1ppm以下とした後、1%過酸化水素水溶液0.6部、2%アスコルビン酸水溶液1.2部及び2%の2,2’-アゾビスアミジノプロパンジハイドロクロライド水溶液8部を添加・混合して重合を開始させた。混合物の温度が90℃に達した後、90±2℃で約5時間重合することにより含水ゲルを得た。
【0119】
次にこの含水ゲルをミンチ機(ROYAL社製12VR-400K)で細断しながら、48.5%水酸化ナトリウム水溶液128部を添加して混合・中和し、中和ゲル(中和度:72%)を得た。更に中和した含水ゲルを通気型乾燥機{150℃、風速2m/秒}で乾燥し、乾燥体を得た。乾燥体をジューサーミキサー(Oster社製OSTERIZER BLENDER)にて粉砕した後、ふるい分けして、目開き710~150μmの粒子径範囲に調整して、架橋重合体(A-2)を得た。
【0120】
ついで、得られた架橋重合体(A-2)100部を高速攪拌(ホソカワミクロン社製フレキソミックスFXD100:回転数3000rpm、フィード速度50kg/h)しながら、これに水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)としてのKlebosol30cal25(メルク社製コロイダルシリカ、固形分30%、平均一次粒径25nm)1.0部、有機表面架橋剤(e)としてのエチレングリコールジグリシジルエーテル0.12部、炭素数4以下の多価アルコール(f)としてのプロピレングリコール1.6部、及び水2.3部を混合した液をスプレーノズルから噴霧添加し、均一混合した後、140℃で30分間加熱して、本発明の吸水性樹脂粒子(P-8)を得た。なお、(P-8)の見かけ密度は0.60g/mlであった。
【0121】
<比較例1>
実施例1と同様にして得られた架橋重合体(A-1)100部を高速攪拌(ホソカワミクロン社製高速攪拌タービュライザー(登録商標。以下おなじ):回転数2000rpm、フィード速度50kg/h)しながら、これに水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)としてのKlebosol30cal25(メルク社製コロイダルシリカ、固形分30%、平均一次粒径25nm)1.0部、有機表面架橋剤(e)としてのエチレングリコールジグリシジルエーテル0.1部、炭素数4以下の多価アルコール(f)としてのプロピレングリコール1.0部、及び水1.6部を混合した液を添加し、混合した後、130℃で30分間加熱して、比較用の吸水性樹脂粒子(R-1)を得た。なお、(R-1)の見かけ密度は0.57g/mlであった。
【0122】
<比較例2>
実施例1と同様にして得られた架橋重合体(A-1)100部を(ホソカワミクロン社製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm、フィード速度50kg/h)しながら、これに、有機表面架橋剤(e)としてのエチレングリコールジグリシジルエーテル0.1部、炭素数4以下の多価アルコール(f)としてのプロピレングリコール1.0部、及び水1.6部を混合した液を添加し、均一混合した後、130℃で30分間加熱し、室温まで冷却した後、更に高速攪拌(ホソカワミクロン社製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm、フィード速度50kg/h)しながら水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)としてのKlebosol30cal25(メルク社製コロイダルシリカ、固形分30%、平均一次粒径25nm)1.0部、炭素数4以下の多価アルコール(f)としてのプロピレングリコール0.5部、及び水0.5部を混合した液を混合した後、80℃30分加熱して、比較用の吸水性樹脂粒子(R-2)を得た。なお、(R-2)の見かけ密度は0.58g/mlであった。
【0123】
<比較例3>
実施例1と同様にして得られた架橋重合体(A-1)100部を高速攪拌(ホソカワミクロン社製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm、フィード速度50kg/h)しながら、これに、有機表面架橋剤(e)としてのエチレングリコールジグリシジルエーテル0.1部、炭素数4以下の多価アルコール(f)としてのプロピレングリコール1.0部、及び水1.6部を混合した液を添加し、均一混合した後、130℃で30分間加熱し、室温まで冷却した後、更に高速攪拌(ホソカワミクロン社製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm、フィード速度50kg/h)しながら水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)としてのAerosil200(日本アエロジル社製ヒュームドシリカ、平均一次粒径12nm)0.1部と、炭素数4以下の多価アルコール(f)としてのプロピレングリコール0.5部及び水0.5部を混合した液を混合した後、80℃30分加熱して、比較用の吸水性樹脂粒子(R-3)を得た。なお、(R-3)の見かけ密度は0.59g/mlであった。
【0124】
<比較例4>
実施例1と同様にして得られた架橋重合体(A-1)100部を高速攪拌(ホソカワミクロン社製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm、フィード速度50kg/h)しながら、これに、有機表面架橋剤(e)としてのエチレングリコールジグリシジルエーテル0.1部、炭素数4以下の多価アルコール(f)としてのプロピレングリコール1.0部、及び水1.6部を混合した液を添加し、均一混合した後、130℃で30分間加熱し、室温まで冷却した後、更に高速攪拌(ホソカワミクロン社製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm、フィード速度50kg/h)しながら水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)としてのAerosil200(日本アエロジル社製ヒュームドシリカ、平均一次粒径12nm)0.7部を混合した後、80℃30分加熱して、比較用の吸水性樹脂粒子(R-4)を得た。なお、(R-4)の見かけ密度は0.59g/mlであった。
【0125】
<比較例5>
実施例1と同様にして得られた架橋重合体(A-1)100部を高速攪拌(ホソカワミクロン社製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm、フィード速度50kg/h)しながら、これに、有機表面架橋剤(e)としてのエチレングリコールジグリシジルエーテル0.1部、炭素数4以下の多価アルコール(f)としてのプロピレングリコール1.0部、及び水1.6部を混合した液を添加し、均一混合した後、130℃で30分間加熱し、室温まで冷却した後、更に高速攪拌(ホソカワミクロン社製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm、フィード速度50kg/h)しながら水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)としてのKlebosol30cal25(メルク社製コロイダルシリカ、固形分30%、平均一次粒径25nm)0.1部を混合した後、80℃30分加熱して、比較用の吸水性樹脂粒子(R-5)を得た。なお、(R-5)の見かけ密度は0.58g/mlであった。
【0126】
<比較例6>
実施例1において水不溶性ケイ素化合物微粒子(c)としてのKlebosol30cal25を用いなかった以外は同様にして比較用吸水性樹脂粒子(R-6)を得た。なお、(R=6)の見かけ密度は0.60g/mlであった。
【0127】
【表1】
【0128】
表1の結果から、実施例1~3、6、7及び比較例を通して保水量は良好であり有意な差は見られないが、実施例はSi原子数濃度の変動係数が低く、フィード量の変動係数が低く良好であった。実施例と比較例で混合方法を変えてSi原子数濃度の変動係数を変えた。一方、Si原子数濃度の変動係数が高い比較例1~4は、いずれも、フィード量の変動係数が高くなり、Si原子数濃度の変動係数を低くすることがフィード量の変動係数を低くすることに重要であると言える。また、比較例5および6はSi原子数濃度が低く、吸湿ブロッキング率が高い。さらに、実施例4,5、8で示すとおり、本発明の吸水性微粒子は幅広い保水量域においても、Si原子数濃度の変動係数を低くすることでフィード量の変動係数を低くすることができる。
【0129】
本発明の吸水性樹脂粒子は、製造工程における供給装置(フィーダー)においてフィード量の変動が少ないため、各種の吸収体の製造に適用するに際して、生産が安定することから、紙おむつ(子供用紙おむつ及び大人用紙おむつ等)、ナプキン(生理用ナプキン等)、紙タオル、パッド(失禁者用パッド及び手術用アンダーパッド等)及びペットシート(ペット尿吸収シート)等の衛生用品に好適に用いられ、特に紙おむつに最適である。なお、本発明の吸水性樹脂粒子は衛生用品のみならず、ペット尿吸収剤、携帯トイレの尿ゲル化剤、青果物等の鮮度保持剤、肉類及び魚介類のドリップ吸収剤、保冷剤、使い捨てカイロ、電池用ゲル化剤、植物及び土壌等の保水剤、結露防止剤、止水材やパッキング材並びに人工雪等、種々の用途にも有用である。