(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023060413
(43)【公開日】2023-04-28
(54)【発明の名称】レンジフード
(51)【国際特許分類】
F24F 7/06 20060101AFI20230421BHJP
F24F 7/007 20060101ALI20230421BHJP
【FI】
F24F7/06 101Z
F24F7/007 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021170004
(22)【出願日】2021-10-18
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】関 政和
【テーマコード(参考)】
3L056
3L058
【Fターム(参考)】
3L056BD07
3L056BF02
3L058BA01
3L058BH00
3L058BK09
(57)【要約】
【課題】ユーザーに不快感を発生させずにレンジフード下方の除菌と脱臭とを行うレンジフードを提供する。
【解決手段】レンジフードDは、排気を行うレンジフードDであって、空気を吸込口4から排気口3に導く排気ファン9と、下方に向けて次亜塩素酸を放出する次亜塩素酸放出部5と、排気ファン9と次亜塩素酸放出部5とを制御する制御部6を備える。制御部6は、下方における調理終了を判定する調理判定部11を備え、調理判定部11により調理終了と判定された後に、次亜塩素酸放出部5により次亜塩素酸の放出を行う。これにより上記課題を解決するものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気を行うレンジフードであって、
空気を吸込口から排気口に導く排気ファンと、
下方に向けて次亜塩素酸を放出する次亜塩素酸放出部と、
前記排気ファンと前記次亜塩素酸放出部とを制御する制御部を備え、
前記制御部は、
前記下方における調理終了を判定する調理判定部を備え、
前記調理判定部により前記調理終了と判定された後に、前記次亜塩素酸放出部により前記次亜塩素酸の放出を行うレンジフード。
【請求項2】
前記調理判定部は、
さらに前記下方における調理開始を判定し、
前記制御部は、
前記調理判定部により前記調理開始と判定されると、前記排気ファンによる排気を開始し、
前記調理開始との判定後に、前記調理判定部により前記調理終了と判定されると、前記排気ファンによる排気を終了し、
前記次亜塩素酸放出部により前記次亜塩素酸の放出を行う請求項1記載のレンジフード。
【請求項3】
前記制御部は、
前記調理終了との判定後に、一定時間待機してから前記排気ファンによる排気を終了する請求項2記載のレンジフード。
【請求項4】
調理エリアの人を検知する人検知部を備え、
前記排気ファンによる排気終了後に、さらに前記人検知部によって人が検知されない場合に、前記次亜塩素酸放出部により前記次亜塩素酸の放出を行う請求項2または3に記載のレンジフード。
【請求項5】
赤外線を検知する赤外線センサを備え、
前記調理判定部は、
前記赤外線センサにより前記赤外線が検知されている状態から前記赤外線が検知されない状態に遷移すると、前記調理終了との判定を行う請求項1から4のいずれかに記載のレンジフード。
【請求項6】
他の機器から調理終了信号を受信可能な受信部を備え、
前記調理判定部は、
前記受信部が受信する前記調理終了信号に基づいて前記調理終了の判定を行う請求項1から4のいずれかに記載のレンジフード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレンジフードに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レンジフード内で洗浄水からミストを生成し、生成したミストをレンジフード内に送ることでレンジフード内を洗浄するレンジフードが知られている。生成したミストの一部は、レンジフード下方にも放出され、調理時に発生する臭いの消臭を行う(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のレンジフードではレンジフードから下方にミストを放出することが記載されているが詳細な制御内容については述べられていない。もし、調理中にレンジフードから下方にミストが放出されれば、調理中の料理にミストの洗浄成分が混入してしまう可能性がある。つまり、調理中の料理に洗浄成分が混入してしまい、人体に悪影響を及ぼす可能性があり、ユーザーにも不快感が発生する。
【0005】
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、ユーザーに不快感を発生させずにレンジフード下方の脱臭とさらに除菌とを行うレンジフードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そして、この目的を達成するために、本発明に係るレンジフードは、排気を行うレンジフードであって、空気を吸込口から排気口に導く排気ファンと、下方に向けて次亜塩素酸を放出する次亜塩素酸放出部と、排気ファンと次亜塩素酸放出部とを制御する制御部を備え、制御部は、下方における調理終了を判定する調理判定部を備え、調理判定部により調理終了と判定された後に、次亜塩素酸放出部により次亜塩素酸の放出を行う。これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザーに不快感を発生させずにレンジフード下方の除菌と脱臭とを行うレンジフードを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態に係るレンジフードの断面図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る制御部の概略機能ブロック図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係る制御部により実行される制御のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するために例示するものであって、本発明は以下のものに特定しない。特に実施の形態に記載されている材質、形状、構成要素、構成要素の配置及び相対的配置等は一例であって、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0010】
(実施の形態)
まず、本発明のレンジフードDについて、
図1を参照して説明する。
図1は本発明のレンジフードDの構成を示す側面断面図である。レンジフードDは、加熱調理機器2の上方に設置され、調理過程で発生する油煙や臭い等、を含む空気を屋内から屋外へ排出する排気装置の一種である。レンジフードDは、吸込口4と、排気口3と、排気ファン9と、次亜塩素酸放出部5と、制御部6と、を備える。
【0011】
吸込口4は、調理過程で発生する油煙や臭い等、を含む空気をレンジフードDへ取り入れるための取入口である。
【0012】
排気口3は、吸込口4から吸い込まれた空気をレンジフードDから屋外へ吐き出すための吐出口である。排気口3は、図示しないダクトと接続することで屋外と連通していてもよい。
【0013】
排気ファン9は、調理過程で発生する煙や臭い等、を含む空気を吸込口4から取り入れ、排気口3から吐き出すためのファンである。排気ファン9はシロッコファンなどの遠心羽根車である。排気ファン9は、図示しない排気用モータによって回動可能に軸支される。排気用モータは例えば交流モータ(ACモータ:Alternating Current Motor)、または直流モータ(DCモータ:Direct Current Motor)である。排気ファン9は、排気用モータの動力により回転する。制御部6により排気用モータが制御されて排気ファン9が回転することで、吸込口4から調理過程で発生する煙や臭い等、を含む空気が取り込まれ、取り込まれた空気が排気口3と吸込口4とを連通する風路内を流れ、排気口3よりレンジフードD外に吹き出される。シロッコファンが回転することで吸込口4から排気口3への空気の流れが発生する。排気ファン9は、空気を吸込口4から排気口3に導くファンともいえる。排気口3から吐き出された空気は屋外へと排出される。
【0014】
次亜塩素酸放出部5は、下方に向けて次亜塩素酸を放出する。言い換えると、次亜塩素酸放出部5は、加熱調理機器2の上方に向けて次亜塩素酸を放出するともいえる。一例として、本実施の形態では、次亜塩素酸放出部5は、次亜塩素酸水貯水部(図示せず)とミスト生成部(図示せず)とを備える。
【0015】
次亜塩素酸水貯水部は、次亜塩素酸水を貯水する。次亜塩素酸水貯水部への次亜塩素酸水の供給方法は、例えばユーザーが購入した次亜塩素酸水を次亜塩素酸水貯水部に投入することで行われる。また、次亜塩素酸水貯水部に貯水された水から次亜塩素酸水を生成してもよい。この場合、次亜塩素酸水貯水部に電極部材を備え、この電極部材が次亜塩素酸水貯水部内の水に浸漬されるように設置される。電極部材に通電することにより、次亜塩素酸水貯水部内の塩化物イオンを含む水を電気化学的に電気分解し、次亜塩素酸水を生成する。次亜塩素酸水貯水部に貯水される次亜塩素酸水は人体に影響がない濃度の次亜塩素酸水であることが好ましい。
【0016】
ミスト生成部は次亜塩素酸水貯水部に貯水された次亜塩素酸水よりミストを生成し、生成したミストを放出口10よりレンジフードDの下方に放出する。ミストは例えば超音波振動子による超音波振動により生成することができる。さらにミスト用送風ファンを備え、ミストの放出が確実にレンジフードDの下方に放出されるように補助してもよい。また、ミストの生成は超音波振動ではなく、遠心破砕で行っても良い。また、スチーム発生器や圧力噴霧器等を用いてミストを生成してもよい。
【0017】
また、次亜塩素酸放出部5の別の例として、次亜塩素酸放出部5は、次亜塩素酸水貯水部とフィルターと送風ファンとで構成されてもよい。この場合、フィルターは次亜塩素酸水貯水部に貯水された次亜塩素酸水と、送風ファンによって送風された空気とを接触させる円筒状の部材である。フィルターの円周部分には気液接触フィルターが配置され、空気が流通可能な孔が設けられている。フィルターは、その一端が次亜塩素酸水貯水部の水に浸漬され、保水されるように配置されている。フィルターは、気液接触フィルターの中心軸を回転中心として駆動部により回転され、次亜塩素酸水と空気を連続的に接触させる構造となっている。送風ファンが回転することにより次亜塩素酸水と接触した空気を放出口10よりレンジフードDの下方に放出することができる。即ち、次亜塩素酸を含む空気をレンジフードDの下方に放出することができる。
【0018】
制御部6は、レンジフードDの制御を行うが、その制御内容については後述する。
【0019】
また、レンジフードDは、人検知部7と、赤外線センサ8と、を備える。
【0020】
人検知部7は、調理エリア1の人を検知する。調理エリア1とは、加熱調理機器2にて調理を行うエリアであり、本実施の形態ではレンジフードDから半径約2m以内のエリアとする。人検知部7の一例は人感センサであり、人感センサは赤外線、超音波、可視光等を用いて人を検知することができる。
【0021】
赤外線センサ8は、赤外線を検知する。具体的には加熱調理機器2にて加熱を行う際に発せられる赤外線を検知する。加熱調理機器2は、本実施の形態では、内部に配置されるコイルに流れる電流により、所定の種類の金属製の調理器具を自己発熱させて加熱を行う電磁調理器(IH(INDUCTION HEATING)調理器)とする。電磁調理器にて加熱を行う際には特定の周波数の赤外線が発せられるため、その周波数の赤外線を検知することで、電気調理器にて加熱(調理)が行われているか否かを判定することができる。
【0022】
次に
図2を用いて、制御部6の各機能について説明する。
図2は本発明の実施の形態に係る制御部6の概略機能ブロック図である。
【0023】
制御部6は、調理判定部11と、決定部12と、放出制御部13と、排気ファン制御部14と、を備える。
【0024】
調理判定部11は、レンジフードD下方における調理開始と調理終了とを判定する。本実施の形態では、調理判定部11は、赤外線センサ8により赤外線が検知されない状態から赤外線が検知されている状態に遷移すると調理開始と判定する。また、調理判定部11は、赤外線センサ8により赤外線が検知されている状態から赤外線が検知されない状態に遷移すると調理終了と判定する。
【0025】
決定部12は、人検知部7による人検知情報と調理判定部11による調理判定情報の少なくとも一つの情報を基に、次亜塩素酸放出部5と排気ファン9の少なくとも一つの制御内容を決定する。
【0026】
具体的には、決定部12は、調理判定部11により調理開始と判定されると、排気ファン9による排気を開始することを決定する。これにより、調理過程で発生する油煙や臭い等、を含む空気を排気することができるので、レンジフードDが設置されている空間の空気の清浄度を向上させることができる。
【0027】
決定部12は、調理判定部11による調理開始との判定後に、調理判定部11により調理終了と判定されると、排気ファン9による排気を終了する。また、調理判定部11により調理終了と判定されると、一定時間経過後に排気ファン9による排気を終了してもよい。一定時間経過後に排気ファン9による排気を終了することで、調理終了後の余熱で発生する油煙や臭い等を含む空気も排気することができるので、レンジフードDが設置されている空間の空気の清浄度をさらに向上させることができる。
【0028】
決定部12は、排気ファン9による排気終了後に、次亜塩素酸放出部5により次亜塩素酸の放出を行うことを決定する。次亜塩素酸により、レンジフードD下方に存在する調理後に残った臭いの脱臭を行うことができる。さらに、次亜塩素酸により、レンジフードD下方の除菌を行うことができるので、加熱調理機器2の上面を清潔に維持することができる。また、調理後に次亜塩素酸の放出を行うため、次亜塩素酸が調理中の料理に混入することを防止することができ、ユーザーに不快感を与えることがない。
【0029】
決定部12は、排気ファン9による排気終了後に、さらに人検知部7によって人が検知されない場合に、次亜塩素酸放出部5により次亜塩素酸の放出を決定してもよい。例えば、調理終了後に調理エリア1内にユーザーが存在する場合、ミスト状の次亜塩素酸水がユーザーの肌に当たってしまうことでユーザーが不快となってしまう。本制御により、調理エリア1内にユーザーが存在しない際にミスト状の次亜塩素酸水が放出されるため、ミスト状の次亜塩素酸水がユーザーの肌に接触して、ユーザーが不快となることを防止できる。
【0030】
また、調理終了後に調理エリア1内にユーザーが存在する場合、調理後の料理の盛り付け等を行っている可能性があり、その場合、レンジフードD下方にはまだ調理済の料理が存在する。本制御により、ユーザーが調理後の料理の盛り付け完了後に次亜塩素酸が放出されるため、次亜塩素酸が調理済の料理に混入することを防止することができ、ユーザーに不快感を与えることがない。
【0031】
決定部12は、排気ファン9による排気終了後に、さらに人検知部7によって人が検知されない状態が一定時間(任意に設定可能で、例えば10分)続いた場合に、次亜塩素酸放出部5による次亜塩素酸の放出を決定してもよい。これにより、ユーザーが調理済の料理を盛り付けるために食器を取りに行く等、レンジフードD下方にはまだ調理済の料理が存在し、一時的にユーザーが調理エリア1外に出る場合等においても次亜塩素酸放出部5による次亜塩素酸の放出を行わない。結果として、次亜塩素酸が調理済の料理に混入することをさらに防止することができる。
【0032】
また、決定部12は、調理判定部11による調理終了との判定後から、次亜塩素酸放出部5による次亜塩素酸水の放出を決定するまで、排気ファン9による排気を継続してもよい。これにより、次亜塩素酸水が放出開始するまで排気ファン9による排気を行うことができるので、レンジフードDが設置されている空間の空気の清浄度を向上させることができる。
【0033】
決定部12は、次亜塩素酸放出部5による次亜塩素酸の放出開始から一定時間(任意に設定可能で、例えば10分)経過後に次亜塩素酸放出部5による次亜塩素酸の放出を終了することを決定する。
【0034】
放出制御部13は、決定部12の決定内容に従って次亜塩素酸放出部5による次亜塩素酸の放出開始と放出終了とを制御する。
【0035】
排気ファン制御部14は、決定部12の決定内容に従って排気ファン9の運転開始と運転終了とを制御する。
【0036】
ここで、制御部6はコンピュータを備えている。このコンピュータがプログラムを実行することによって、本開示における機能が実現される。コンピュータは、プログラムにしたがって動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、半導体集積回路(IC)、またはLSI(Large Scale Integration)を含む1つまたは複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。プログラムは、例えばコンピュータが読み取り可能な不揮発性メモリ等に記録される。
【0037】
上記構成において、制御部6により実行される制御について説明する。
図3は制御部6により実行される制御のフローチャートである。ここで、フローチャートではSを頭文字にして番号を割り振った。例えばS1などは処理ステップを指す。但し、処理ステップを示す数値の大小と処理順序は関係しない。
【0038】
まず、赤外線センサ8により赤外線が検知されていない状態を開始として説明を行う。調理判定部11は、赤外線センサ8により赤外線が検知されない場合、調理が開始されていないと判定し、赤外線が検知されるまで判定を継続する(S1のNo→S1)。調理判定部11は、赤外線センサ8により赤外線が検知された場合、調理開始と判定する(S1のYes→S2)。決定部12は、排気ファン9による排気を開始することを決定する。排気ファン制御部14は、排気ファン9の運転を開始する。
【0039】
調理判定部11は、赤外線センサ8により赤外線が検知されている状態であれば、調理中と判定し、赤外線センサ8により赤外線が検知されなくなるまで判定を継続する(S3のNo→S3)。
【0040】
調理判定部11は、赤外線センサ8により赤外線が検知されている状態から赤外線が検知されない状態に遷移すると調理終了と判定する(S3のYes→S4)。
【0041】
調理判定部11による調理終了判定が行われてから一定時間経過後に、排気ファン制御部14は排気ファン9の運転を終了する(S5)。調理終了判定後に一定時間、排気ファン9を運転させることで、調理終了後の余熱で発生する油煙や臭い等を含む空気も排気することができる。ここで、調理終了判定が行われてから一定時間経過するまでに再度、赤外線センサ8により赤外線が検知された場合は、ステップS2に戻っても良い。
【0042】
排気ファン9の運転終了後、決定部12は、人検知部7によって人が検知されない状態が一定時間続かない場合は、人が検知されない状態が一定時間続くまでステップS6を継続する(S6のNo→S6)。
【0043】
排気ファン9の運転停止後、決定部12は、人検知部7によって人が検知されない状態が一定時間続いた場合に、次亜塩素酸放出部5による次亜塩素酸の放出開始を決定する(S6のYes→S7)。放出制御部13は、次亜塩素酸放出部5による次亜塩素酸の放出を開始する。次亜塩素酸放出開始から一定時間経過後、放出制御部13は、次亜塩素酸放出部5による次亜塩素酸の放出を終了する(S8)。
【0044】
以上、本発明に係るレンジフードD及び制御部6について説明を行った。
【0045】
実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0046】
例えば、レンジフードDは赤外線センサ8に代わりに他の機器から調理終了信号を受信可能な受信部を備えてもよい。受信部は、さらに他の機器から調理開始信号を受信可能としてもよい。他の機器とは、例えば加熱調理機器2である。レンジフードDと加熱調理機器2とが有線通信または無線通信により接続され、受信部は加熱調理機器2から加熱調理開始の際に送信される調理開始信号と加熱調理終了の際に送信される調理終了信号とを受信する。調理判定部11は、受信部が受信する調理開始信号に基づいて調理開始の判定を行う。また、調理判定部11は、受信部が受信する調理終了信号に基づいて調理終了の判定を行う。
【0047】
また、他の機器は加熱調理機器2でなくても良い。例えば、レンジフードDおよび加熱調理機器2と有線通信または無線通信により接続可能なパソコン、スマートフォン、リモートコントローラ等でもよい。パソコン、スマートフォン、リモートコントローラ等が中継器となって、加熱調理機器2からレンジフードDへ調理開始信号および調理終了信号が送信される。これにより、加熱調理機器2は電磁調理器に限定されることなく、ガスを用いた加熱調理機器等でも本発明を実施することができる。
【0048】
また、人検知部7の別の例として、加熱調理機器2等の他の場所に人感センサを設けて、人感センサの検知情報を有線通信または無線通信により人検知部7が取得する構成でもよい。また、人検知部7は人感センサでなくても良い。一例として、カメラを用いて映像から調理エリア1に人が存在するか判定してもよい。これにより様々な構成で本発明を実施することができる。
【0049】
また、次亜塩素酸放出部5はレンジフードDの筐体と一体でなくても良い。これにより様々な構成で本発明を実施することができる。
【0050】
また、人検知部7は備えなくてもよい。この場合、放出制御部13は、調理判定部11により調理終了と判定された後に、次亜塩素酸放出部5により次亜塩素酸の放出を行う。これにより、より簡易な制御が可能となる。
【0051】
また、排気ファン9による排気運転開始と排気運転終了とを設定可能なボタンやスイッチ等をレンジフードDに備えてもよい。この場合、ユーザーにより排気運転開始が設定されると排気ファン9による排気運転が開始され、ユーザーにより排気運転終了が設定されると排気ファン9による排気運転が終了される。調理判定部11は、ユーザーにより排気運転開始が設定されると調理開始と判定する。また、調理判定部11は、ユーザーにより排気運転終了が設定されると調理終了と判定する。放出制御部13は、調理判定部11により調理終了と判定された後に、次亜塩素酸放出部5により次亜塩素酸の放出を行う。これにより、様々な構成で本発明を実施することができる。
【0052】
(発明の概要)
本発明に係るレンジフードは、排気を行うレンジフードであって、空気を吸込口から排気口に導く排気ファンと、下方に向けて次亜塩素酸を放出する次亜塩素酸放出部と、排気ファンと次亜塩素酸放出部とを制御する制御部を備え、制御部は、下方における調理終了を判定する調理判定部を備え、調理判定部により調理終了と判定された後に、次亜塩素酸放出部により前記次亜塩素酸の放出を行う。
【0053】
これにより、調理終了と判定された後に次亜塩素酸の放出を行うので、調理後に残った臭い等を脱臭することができる。さらに、レンジフード下方の除菌を行うことができる。さらに、次亜塩素酸が調理中の料理に混入することを防止することができ、ユーザーに不快感を与えることをなくすことができる。
【0054】
また、調理判定部は、さらに下方における調理開始を判定し、制御部は、調理判定部により調理開始と判定されると、排気ファンによる排気を開始し、調理開始との判定後に、調理判定部により調理終了と判定されると、排気ファンによる排気を終了し、次亜塩素酸放出部により次亜塩素酸の放出を行ってもよい。
【0055】
これにより、調理過程で発生する油煙や臭い等、を含む空気を排気することができるので、ユーザーの快適性を向上できる。
【0056】
また、制御部は、調理終了との判定後に、一定時間待機してから前記排気ファンによる排気を終了してもよい。
【0057】
これにより、調理終了後の余熱で発生する油煙や臭い等を含む空気も排気することができるので、ユーザーの快適性をさらに向上できる。
【0058】
また、調理エリアの人を検知する人検知部を備え、排気ファンによる排気終了後に、さらに人検知部によって人が検知されない場合に、次亜塩素酸放出部により次亜塩素酸の放出を行ってもよい。
【0059】
これにより、調理エリア内に人が存在するか否かを検知することができるので、例えばミスト状の次亜塩素酸水が放出された場合に、調理エリア内に存在するユーザーの肌に次亜塩素酸水が接触してユーザーが不快となることを防止できる。また、調理終了後に調理エリア内にユーザーが存在する場合、調理後の料理の盛り付け等を行っている可能性があり、次亜塩素酸が調理済の料理に混入することを防止することができ、ユーザーに不快感を与えることがない。
【0060】
また、赤外線を検知する赤外線センサを備え、調理判定部は、赤外線センサにより赤外線が検知されている状態から赤外線が検知されない状態に遷移すると、調理終了との判定を行ってもよい。
【0061】
これにより、電磁調理器により調理終了を把握することができる。
【0062】
また、他の機器から調理終了信号を受信可能な受信部を備え、調理判定部は、受信部が受信する調理終了信号に基づいて調理終了の判定を行ってもよい。
【0063】
これにより、他の機器から調理終了信号を受信することができるので、電磁調理器以外の加熱調理機器による調理終了も把握することができる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、換気を行うレンジフードとして有用である。
【符号の説明】
【0065】
D レンジフード
1 調理エリア
2 加熱調理機器
3 排気口
4 吸込口
5 次亜塩素酸放出部
6 制御部
7 人検知部
8 赤外線センサ
9 排気ファン
10 放出口
11 調理判定部
12 決定部
13 放出制御部
14 排気ファン制御部