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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023060534
(43)【公開日】2023-04-28
(54)【発明の名称】電子部品接合装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20230421BHJP
   H05K 13/04 20060101ALI20230421BHJP
   H05K 13/08 20060101ALI20230421BHJP
【FI】
H01L21/60 311T
H05K13/04 B
H05K13/08 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021170185
(22)【出願日】2021-10-18
(71)【出願人】
【識別番号】592141488
【氏名又は名称】アスリートFA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002697
【氏名又は名称】めぶき弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100104709
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 誠剛
(72)【発明者】
【氏名】小竹 利幸
(72)【発明者】
【氏名】上島 直人
【テーマコード(参考)】
5E353
5F044
【Fターム(参考)】
5E353EE88
5E353GG21
5E353JJ13
5E353JJ21
5E353JJ48
5E353KK02
5E353MM04
5E353MM08
5E353QQ12
5F044PP15
5F044PP16
5F044PP17
(57)【要約】
【課題】電子部品と基板の平行度合わせを簡単な構造で実現し、電子部品の電極と基板の電極との位置合わせ及び接合を高精度で行うことが可能な電子部品接合装置を実現する。
【解決手段】電子部品接合装置1は、ステージ13に対してボンディングツール33を昇降移動させる電子部品昇降機構11を有している。電子部品昇降機構11は、電子部品Mの電極70と基板Pの電極71との間の距離が所定の距離D1になるまでボンディングツール33を移動させる高速移動機構20と、高速移動機構20より低い速度でボンディングツール33を移動させる低速移動機構21とを有している。低速移動機構21は、ステージ13のステージ面13aに対しボンディングツール33の電子部品保持面33aの平行度合わせが可能な平行度調整機構44を有している。平行度調整機構44は、凸状球面部材65の半球面65aと凹状球面部材66の半球面66aとで接続されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を吸着保持するステージに対して電子部品を吸着保持するボンディングツールを昇降移動させる電子部品昇降機構を有し、前記基板の電極と前記電子部品の電極とを熱溶融可能な接合材を介して接合することが可能な電子部品接合装置であって、
前記電子部品昇降機構は、
前記電子部品の前記電極と前記基板の前記電極との間の距離が所定の距離になるまで前記ボンディングツールを移動させる高速移動機構と、
前記高速移動機構より低い速度で前記ボンディングツールを移動させる低速移動機構と、
前記低速移動機構に備えられ、前記ステージのステージ面に対し前記ボンディングツールの電子部品保持面の平行度合わせが可能な平行度調整機構と、を有し、
前記平行度調整機構は、凸状球面部材の半球面と凹状球面部材の半球面とで接続されている、
ことを特徴とする電子部品接合装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電子部品接合装置において、
前記低速移動機構は、ピエゾ素子を駆動源とするピエゾ駆動機構を有し、
前記平行度調整機構は、前記ピエゾ駆動機構の直上部に取り付けられている、
ことを特徴とする電子部品接合装置。
【請求項3】
請求項1に記載の電子部品接合装置において、
前記高速移動機構と前記低速移動機構とを連結する移動部と、
前記凸状球面部材の側面と前記移動部との間に懸架され、前記凹状球面部材の前記半球面に前記凸状球面部材の前記半球面を付勢するための複数のバネと、
をさらに有している、
ことを特徴とする電子部品接合装置。
【請求項4】
請求項1記載の電子部品接合装置において、
前記ステージ面と前記電子部品保持面との平行度合わせの際には、前記高速移動機構によって前記ステージ面と前記電子部品保持面とを密着させ、前記凹状球面部材の前記半球面に前記凸状球面部材の前記半球面を付勢する際の荷重を制御することが可能な高荷重センサをさらに有している、
ことを特徴とする電子部品接合装置。
【請求項5】
請求項1に記載の電子部品接合装置において、
前記凸状球面部材及び前記凹状球面部材の前記半球面の曲率半径の中心は、前記ステージ面と前記電子部品保持面の密着面の中心にある、
ことを特徴とする電子部品接合装置。
【請求項6】
請求項1に記載の電子部品接合装置において、
前記ステージに配置され、前記接合材を熱溶融するためのヒータと、
前記ステージと前記ボンディングツールとの間を進退可能に配置される上下2視野カメラユニットと、
前記ステージと前記上下2視野カメラユニットとの間に配置され、かつ、前記ステージの上方を覆う位置と前記ステージから退避する位置とに移動可能な断熱板と、
をさらに有している、
ことを特徴とする電子部品接合装置。
【請求項7】
請求項6に記載の電子部品接合装置において、
前記上下2視野カメラユニットは、X軸駆動部、Y軸駆動部及びZ軸駆動部を介して前記電子部品昇降機構及び前記ステージを支持する下部ベースから独立したベースプレートに取り付けられている、
ことを特徴とする電子部品接合装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品接合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品の電極を基板の電極に接合材を介して押圧し、接合材を溶融して電子部品を基板に接合する電子部品接合装置が知られている。このような電子部品接合装置においては、電子部品と基板との平行に圧接すること、電子部品の電極位置と基板の電極位置とを高精度に位置合わせすることが要求される。電子部品と基板との平行度合わせが可能な電子部品接合装置としては、基板を保持するステージ側に平行度調整機構を有し、電子部品を吸着保持するボンディングツールの電子部品保持部面に対してステージの基板保持面の平行度合わせが可能な電子部品接合装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、電子部品の電極位置と基板の電極位置とを上下2視野カメラユニットによって同時に撮像し、高精度に両者の位置合わせを行うことが可能な電子部品接合装置がある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-84740号公報
【特許文献2】特開2017-183451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の平行度調整機構は、基板保持面を有する凸状球面部材と凸状球面部材に嵌合する凹状球面部材とから構成されている。平行度合わせは、電子部品保持面の高さ位置を高さ検出手段で検出し、ボンディングツールの電子部品保持面を基板保持面に押し付けた状態で駆動手段によって基板保持面の傾斜を変化させ、電子部品保持面の高さ位置が最下点となる位置で制御手段によって基板保持面の傾斜位置を保持するというものである。平行度合わせには、基板保持面の傾斜を変化させるための駆動手段を複数備え、傾斜位置を保持するための制御手段をさらに有しているために平行度調整機構が大型化し複雑になってしまうという課題がある。
【0006】
また、特許文献2に記載の電子部品接合装置においては、上下2視野カメラユニットで電子部品の電極と基板の電極との位置合わせを高精度に行うことが可能である。しかし、ステージ及びボンディングツールが接合材を溶融する際の熱の影響によって、上下2視野ユニットの光軸がずれてしまうことが考えられ、安定した位置合わせができなくなる虞がある。また、上下2視野カメラユニットは、ステージ及びボンディングツールが固定されるベース板に移動可能に固定されている。このことによって、上下2視野カメラユニットが検出位置と退避位置とに移動する際や接合に関わるボンディングツールの動作などによって、ステージ、ボンディングツール及び上下2視野カメラユニットが動作時の振動を総合に影響を与えることがあり、電子部品の電極と基板の電極との高精度な位置合わせ及び接合の高速化は難しくなることが考えられる。
【0007】
そこで、本発明は、このような課題の少なくとも一つを解決するためになされたものであり、電子部品と基板との接合において、電子部品と基板との平行度調整機構を小型、かつ簡単な構造によって実現し、電子部品の電極と基板の電極との高精度な位置合わせをすることが可能な電子部品接合装置を実現しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[1]本発明の電子部品接合装置は、基板を吸着保持するステージに対して電子部品を吸着保持するボンディングツールを昇降移動させる電子部品昇降機構を有し、前記基板の電極と前記電子部品の電極とを熱溶融可能な接合材を介して接合することが可能な電子部品接合装置であって、前記電子部品昇降機構は、前記電子部品の前記電極と前記基板の前記電極との間の距離が所定の距離になるまで前記ボンディングツールを移動させる高速移動機構と、前記高速移動機構より低い速度で前記ボンディングツールを移動させる低速移動機構と、前記低速移動機構に備えられ、前記ステージのステージ面に対し前記ボンディングツールの電子部品保持面の平行度合わせが可能な平行度調整機構と、を有し、前記平行度調整機構は、凸状球面部材も半球面と凹状球面部材の半球面とで接続されていることを特徴とする。
【0009】
[2]本発明の電子部品接合装置においては、前記低速移動機構は、ピエゾ素子を駆動源とするピエゾ駆動機構を有し、前記平行度調整機構は、前記ピエゾ駆動機構の直上部に取り付けられていることが好ましい。
【0010】
[3]本発明の電子部品接合装置においては、前記高速移動機構と前記低速移動機構とを連結する移動部と、前記凸状球面部材の側面と前記移動部との間に懸架され、前記凹状球面部材の前記半球面に前記凸状球面部材の前記半球面を付勢するための複数のバネと、をさらに有していることが好ましい。
【0011】
[4]本発明の電子部品接合装置においては、前記ステージ面と前記電子部品保持面との平行度合わせの際には、前記高速移動機構によって前記ステージ面と前記電子部品保持面とを密着させ、前記凹状球面部材の前記半球面に前記凸状球面部材の前記半球面を付勢する際の荷重を制御することが可能な高荷重センサをさらに有していることが好ましい。
【0012】
[5]本発明の電子部品接合装置においては、前記凸状球面部材及び前記凹状球面部材の前記半球面の曲率半径の中心は、前記ステージ面と前記電子部品保持面の密着面の中心にあることが好ましい。
【0013】
[6]本発明の電子部品接合装置においては、前記ステージに配置され、前記接合材を熱溶融するためのヒータと、前記ステージと前記ボンディングツールとの間を進退可能に配置される上下2視野カメラユニットと、前記ステージと前記上下2視野カメラユニットとの間に配置され、かつ、前記ステージの上方を覆う位置と前記ステージから退避する位置とに移動可能な断熱板と、をさらに有していることが好ましい。
【0014】
[7]本発明の電子部品接合装置においては、前記上下2視野カメラユニットは、X軸駆動部、Y軸駆動部及びZ軸駆動部を介して前記電子部品昇降機構及び前記ステージを支持する下部ベースから独立したベースプレートに取り付けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
以上説明した電子部品接合装置は、凸状球面部材と凹状球面部材とを有し、凸状球面部材と凹状球面部材の相互の半球面との間をバネで付勢する平行度調整機構を有している。平行度調整機構は、ボンディングツールの上部側に配置されている。ボンディングツール交換後において、ステージ面に電子部品保持面をと当接させ所定の荷重を加えると、凹状球面部材に対して凸状球面部材が相互の半球面に倣って揺動し、固定されているステージ面に対してボンディングツール側の電子部品保持面が密着する。このことによって、ステージ面と電子部品保持面とが平行となる。このように構成される電子部品接合装置は、平行度合わせのための制御手段や駆動手段を設けなくても、電子部品と基板との平行度合わせを簡単な構造で行うことが可能となる。
【0016】
また、電子部品接合装置は、ステージと上下2視野カメラユニットとの間に断熱板を有している。断熱板を設けることによって、ステージに配置されるヒータからの熱が上下2視野ユニットに伝達し、この熱の影響で上下2視野ユニットの光軸のずれが発生することを防止している。また、上下2視野カメラユニットは、電子部品昇降機構及びステージを支持する下部ベースから独立したベースプレートに配置されている。このために、電子部品昇降機構の動作による振動が上下2視野カメラユニットに伝わったり、逆に、上下2視野カメラユニットの動作による振動が電子部品昇降機構に伝わったりすることによる影響を抑制することが可能となる。
【0017】
以上のように構成される本発明の電子部品接合装置によれば、電子部品と基板との接合において、電子部品と基板との平行度調整機構を小型、かつ簡単な構造によって実現し、電子部品の電極と基板の電極との高精度な位置合わせをすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】電子部品接合装置1の全体構成を示す断面図である。
図2】電子部品接合装置1をY軸方向から見た正面図である。
図3】平行度調整機構44によるステージ面13aに対して電子部品保持面33aを平行に調整する状況を示す説明図である。
図4】電子部品Mの1例を示す図である。
図5】基板Pの1例を示す図である。
図6】電子部品Mと基板Pとの接合後の状態を示す図である。
図7】電子部品接合の主工程を示す工程フロー図である。
図8】電子部品Mと基板Pとの位置合わせの状況を示す断面図である。
図9】電子部品接合装置1の接合動作を説明する模式図である。
図10】電子部品接合装置1が電子部品Mと基板Pとを接合しているときの状況を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(電子部品接合装置1の構成)
以下、本発明の実施の形態に係る電子部品接合装置1について、図1図10を参照して説明する。
【0020】
図1は、電子部品接合装置1の全体構成を示す断面図である。図2は、電子部品接合装置1をY軸方向から見た正面図である。なお、図1は、稼働直前の電子部品接合装置1を示し、図2は、断熱板57と上下2視野カメラユニット12の位置関係を簡略化して示す説明図である。図1において、図面の横方向をY軸、紙面に垂直方向をX軸、X-Y平面に垂直方向をZ軸又は上下方向とする。電子部品接合装置1は、ステージ機構10、電子部品昇降機構11、及び上下2視野カメラユニット12を有している。ステージ機構10は、被接合材である基板Pを吸着保持するステージ13、ステージ13をX軸方向に移動するX軸駆動テーブル14、ステージ13をY軸方向に移動するY軸駆動テーブル15を有している。
【0021】
ステージ13は、電子部品Mを基板Pに接合する際に、主として基板P側の接合材としての半田層H2(図5参照)を熱溶融させるためのヒータ16を有している。ステージ13は、X軸駆動テーブル14及びY軸駆動テーブル15を介して下部ベース17に固定されている。ステージ13のステージ面13aは、真空吸引穴(図示は省略)を有し、基板Pを真空吸着することが可能である。X軸駆動テーブル14及びY軸駆動テーブル15は、基板PのX-Y方向の位置を微調整することが可能な構成である。
【0022】
電子部品昇降機構11は、高速移動機構20及び低速移動機構21で構成される。高速移動機構20は、モータ22、ボールねじ23、ボールねじナット24を有している。ボールねじナット24は、連結部25を介してモータ22の出力軸26に結合されている。ボールねじナット24は、連結移動部27に固定されている。また、ボールねじナット24は、ボールねじ23にねじ結合している。連結移動部27は、第1ガイド部29、第2ガイド部30及び側板31を介して電子部品昇降機構11の上部に配置される上部ベース28に取り付けられている。第1ガイド部29及び第2ガイド部30は、上部ベース28に対して連結移動部27を上下方向に移動可能にガイドする。つまり、高速移動機構20は、モータ22の駆動により連結移動部27を上下方向に移動させることが可能な構成である。
【0023】
高速移動機構20は変位センサ32を有し、変位センサ32は連結移動部27の上下方向の移動量、すなわち、高速移動機構20によるボンディングツール33の上下方向の移動量を検出する。変位センサ32は、例えば、リニアエンコーダによって構成することができる。
【0024】
連結移動部27には、高荷重センサ40を介して移動部41が支持されている。連結移動部27と移動部41との間には、付勢手段としての大荷重バネ42が備えられている。大荷重バネ42は、連結移動部27に対して反力を発生し移動部41を下方側に付勢している。第1ガイド部29及び第2ガイド部30は、例えば、クロスローラーガイドやエアスライドガイドを用いることが可能である。高速移動機構20は、移動部41を介して低速移動機構21を昇降させる。
【0025】
移動部41に下方側(ボンディングツール33側)から押し上げ力が作用すると、移動部41は連結移動部27に対し相対的に上方に偏倚しボンディングツール33を介して移動部41に作用する押し上げ力を高荷重センサ40によって測定することができる。
【0026】
低速移動機構21は、高速移動機構20の中心軸Cpに沿って高速移動機構20側から順に、モータ43、平行度調整機構44、ピエゾ駆動機構45、低荷重センサ46、変位センサ47、及び、ボンディングツール33が連結されている。平行度調整機構44は、ピエゾ駆動機構45の直上部に取り付けられている。ボンディングツール33は、電子部品Mを基板Pに接合する際に、主として電子部品M側の接合材としての半田層H1(図4参照)を熱溶融させるためのヒータ48を有している。低速移動機構21は、中心軸Cp上を上下方向に移動する。平行度調整機構44の構成は、図3を参照して説明する。
【0027】
ピエゾ駆動機構45は、駆動源としてピエゾ素子(図示は省略)を有し、ピエゾ素子に印加される電圧信号に応じてボンディングツール33を下方側に移動させる。なお、ピエゾ駆動機構45は、ピエゾ素子の変形量をそのままボンディングツール33に伝える構成にしてもよく、変位拡大機構を用いて変位量を拡大してボンディングツール33に伝える構成にすることも可能である。
【0028】
変位センサ47は、ボンディングツール33の変位量を検出する。検出精度は約0.01μmであり、例えば、静電容量式変位センサを用いることができる。低荷重センサ46は、ボンディングツール33に対して下方側から加えられる荷重を検出する。すなわち、電子部品Mと基板Pとの接合時に加えられる荷重を検出することができる。ボンディングツール33は電子部品保持面33aに真空吸引孔(図示は省略)を有し、電子部品Mをステージ面13aに真空吸着することが可能である。
【0029】
モータ43は、平行度調整機構44に連結され、平行度調整機構44を介してボンディングツール33を水平面内で回転させる。すなわち、モータ43は、中心軸Cpを回転軸として電子部品Mを回転し、基板Pに対する電子部品Mの回転方向の位置の微調整を行う。以上説明したように構成される電子部品昇降機構11は上部ベース28に垂下されるように固定され、上部ベース28は剛性を有する柱状フレーム49を介して下部ベース17に固定される。
【0030】
上下2視野カメラユニット12は、公知のものを採用することが可能であるため、詳細な説明は省略する。上下2視野カメラユニット12は、本体である撮像部50、撮像部50に設けられる電子部品Mの電極70(図4参照)からの反射光を入力する上開口部51、基板Pの電極71(図5参照)からの反射光を入力する下開口部52を有している。撮像部50は内部に、入力された反射光の光軸を切換えるプリズム(図示は省略)、電極70を撮像する撮像カメラ及び電極71を撮像する撮像カメラ(図示は省略)によって構成されている。上下2視野カメラユニット12は、Z軸駆動部53、X軸駆動部54及びY軸駆動部55を介してベースプレート56側に垂下された姿勢で固定されている。
【0031】
ベースプレート56は、電子部品昇降機構11とは独立した剛性を有する柱状フレーム49によって下部ベース17に固定されている。このことによって、電子部品昇降機構11やステージ機構10を動作する際の振動が、上下2視野カメラユニット12に伝わりにくくしている。逆に、上下2視野カメラユニット12が動作する際の振動が電子部品昇降機構11やステージ機構10に伝わりにくくしている。
【0032】
図1及び図2に示すように、ステージ13と上下2視野カメラユニット12との間には、断熱板57が配置されている。図1は、電子部品接合装置1が稼働直前の状態であり、上下2視野カメラユニット12が、Y軸方向にボンディングツール33から退避している状況を表している。断熱板57は、支持フレーム58及びリニア駆動部59を介してY軸駆動テーブル15に取り付けられている。すなわち、断熱板57は、上下2視野カメラユニット12の移動方向(Y軸方向)にY軸駆動テーブル15に対して移動可能であって、上下2視野カメラユニット12とステージ13と間を遮るようにステージ13の上方を覆う位置とボンディングツール33から平面方向に離間する位置との間を移動することが可能に構成されている。電子部品Mと基板Pとの位置合わせの際には、上下2視野カメラユニット12の上開口部51及び下開口部52の中心位置が、中心軸Cpまで移動する。上下2視野カメラユニット12が電子部品M及び基板Pの電極70,71(図4図5参照)を撮像可能な位置に移動する際には、断熱板57は少なくともボンディングツール33の動作を妨げない位置までY軸方向に退避する。
【0033】
図2は、上下2視野カメラユニット12が、電子部品M及び基板Pを撮像可能な位置に移動した後の状況を示している。このとき、上開口部51及び下開口部52の中心位置は、中心軸Cp上にある。断熱板57は、紙面の奥方向のステージ13から離れた位置に退避している。断熱板57は、2本の支持フレーム58で支持され、リニア駆動部59によってY軸駆動テーブル15に対してY軸方向に移動可能に構成されている。なお、低速移動機構21は、側方を側板31で囲まれている。
【0034】
(平行度調整機構44の構成)
図3は、平行度調整機構44によるステージ面13aに対して電子部品保持面33aが平行になるように調整する状況を示す説明図である。図3(a)は、電子部品接合装置1の断面図、図3(b)は、図3(a)のA-A切断面を上方から見た平面図である。図3(a)に示すように、平行度調整機構44は、凸状球面部材65、凹状球面部材66及びバネ67で構成されている。凸状球面部材65は凸状の半球面65aを有している。凹状球面部材66は凹状の半球面66aを有している。凸状の半球面65aは、バネ67によってエアベアリング68を介して凹状の半球面66aに付勢されている。図示は省略するが、平行度調整機構44には、エアベアリング68を構成するために圧空を供給する圧空供給装置が接続されている。なお、電子部品Mと基板Pとの接合動作の際には、エアベアリング68から空気を吸引し凸状球面部材65と凹状球面部材66との接続部を真空密着させる。
【0035】
図3(a)に示すように、凹状球面部材66は、モータ43に固定され、凸状球面部材65には、ピエゾ駆動機構45が固定されている。また、図3(a)、図3(b)に示すように、凸状球面部材65の外径は四角形であり、4辺それぞれの側面65bと移動部41の端面41aとの間にはバネ67が懸架されている。4個のバネ67は、凹状の半球面65aに凸状の半球面66aを常に付勢している。すなわち、凸状球面部材65、ピエゾ駆動機構45、低荷重センサ46、変位センサ47及びボンディングツール33は一体化された状態でバネ67によって移動部41に凹状球面部材66を介して保持されている。従って、バネ67は、平行度調整機構44からボンディングツール33に至る構成要素を保持しつつ、凸状球面部材65と凹状球面部材66とを密着させることが可能な付勢力を有している。
【0036】
続いて、平行度調整機構44の作用について図3(a)を参照して説明する。ボンディングツール33は、電子部品Mを吸着保持するためのものであって、電子部品Mの品種ごとに交換される。従って、ボンディングツール33を交換する際には、ボンディングツール33の電子部品保持面33aとステージ13のステージ面13aとの平行度合わせが重要となる。平行度合わせは、まず、高速移動機構20を駆動し、ボンディングツール33の電子部品保持面33aとステージ13のステージ面13aとを当接させる。凹状球面部材66は、移動部41に支持されている。凸状球面部材65は、バネ67によって引張力で凹状球面部材66に付勢されている。高速移動機構20によって、凹状球面部材66は中心軸Cpに沿って凸状球面部材65を押動する。凹状球面部材66と凸状球面部材65との間には、圧空供給装置(図示は省略)から圧空を供給することによってエアベアリング68が形成されている。エアベアリング68を設けることによって、凸状球面部材65が半球面66aに倣って自在に揺動し、電子部品保持面33aが水平面であるステージ面13aに密着する。つまり、電子部品保持面33aとステージ面13aとが平行になる。
【0037】
なお、凸状球面部材65及び凹状球面部材66の曲率半径Rの中心Rcは、ボンディングツール33の電子部品保持面33aとステージ13のステージ面13aとの密着面の平面中心となるように設定されている。つまり、中心Rcは中心軸Cp上にあるため、凸状球面部材65は、凹状球面部材66に倣って自在に揺動することが可能となる。なお、電子部品保持面33aとステージ面13aとの平行度合わせが済んだところで、エアベアリング68から空気を真空吸引する。すると、凸状の半球面65aと凹状の半球面66aとが真空吸着されたときと同じ状態となるため、凸状球面部材65と凹状球面部材66とが相対的に揺動することがなく、平行姿勢を維持できる。平行姿勢にある状態で電子部品Mと基板Pとを接合する。なお、4個のバネ67は、平行度合わせによって付勢力にばらつきが出るが、無視できる程度の差である。
【0038】
(電子部品接合方法)
続いて、電子部品Mと基板Pとの接合方法について図7に示す工程フロー図に従い説明する。まず、接合対象の電子部品M及び基板Pについて説明する。図4は電子部品Mの1例を示す図である。図5は基板Pの1例を示す図である。図6は電子部品Mと基板Pとの接合後の状態を示す図である。図4(a)はボンディングツール33側から見た電子部品Mの平面図、図4(b)は側面図である。電子部品Mは多数の電極70を有し、電極70の表面には半田層H1などの接合材(図示は省略)が形成されている。図5(a)は基板Pをボンディングツール33側から見た平面図、図5(b)は側面図である。基板Pは、多数の電極71を有し、電極71の表面には半田層H2などの接合材(図示は省略)が形成されている。電子部品M及び基板Pは、それぞれの電極70,71の位置を合わせた後に、半田層H1,H2を溶融しながら圧接することによって、電子部品Mと基板Pとが電極70,71によって電気的及び機械的に接合される。
【0039】
図7は、電子部品接合の主工程を示す工程フロー図である。図8は、電子部品Mと基板Pとの位置合わせの状況を示す断面図である。準備工程として、図3に示すように、ボンディングツール33を電子部品接合装置1に取り付け、ボンディングツール33の電子部品保持面33aと、ステージ13のステージ面13aとの平行度合わせをしておく。平行度合わせの際には、凸状球面部材65と凹状球面部材66との間にエアベアリング68を形成し、平行度合わせ後には、エアベアリング68から空気を吸引し、凸状球面部材65と凹状球面部材66を密着させ、平行度を維持する。電子部品接合装置1は、平行度を維持した状態で接合動作を実行する。まず、断熱板57をステージ13上から移動しボンディングツール33が駆動可能な位置(図8に示す位置)に退避させる(ステップS1)。このとき、上下2視野カメラユニット12は、図1に示すように、初期位置であるボンディングツール33が駆動可能な位置に退避している。
【0040】
次いで、基板Pをステージ13に搬送し真空吸着し(ステップS2)、電子部品Mをボンディングツール33に搬送し真空吸着する(ステップS3)。そして、上下2視野カメラユニット12を電子部品M及び基板Pの両方を認識可能位置に移動させる(S4)。次いで、図8に示すように、電子部品Mと基板Pの位置を上下2視野カメラユニット12によって検出し(ステップS5)、電子部品Mと基板Pとの位置合わせを行う(ステップS6)。
【0041】
電子部品Mと基板Pとの位置合わせは、上下2視野カメラユニット12によって行う。ボンディングツール33は、可動範囲の最上部に位置している。上下2視野カメラユニット12は、上開口部51が電子部品Mの電極70(又はアライメントマーク)の像を取り込むことが可能なX-Y-Z方向のそれぞれの位置を合わせる。基板Pは、下開口部52が基板Pの電極71(又はアライメントマーク)を検出可能な位置になるまでX-Y方向の位置を調整する。この際、電子部品Mの電極70の中心C1と基板Pの電極71の中心C2は、中心軸Cp上にある。上撮像カメラと下撮像カメラの検出データから、低速移動機構21のモータ43を駆動してボンディングツール33(電子部品M)を中心軸Cp上で回転させ電子部品Mの基板Pに対する回転方向のずれを合わせる。なお、この回転による調整は微調整であって、回転に伴う平行度調整機構44のバネ67の変位は、平行度合わせに影響がでない無視できる程度である。
【0042】
次いで、上下2視野カメラユニット12を初期位置(図1に示す位置)まで移動し(ステップS7)、図8図9に示すように、電子部品Mを基板Pに向かって降下させ、電子部品Mを基板Pに接合する(ステップS8)。この際、ボンディングツール33が有するヒータ48及びステージ13が有するヒータ16は、半田層H1,S2などの接合材を熱溶融するのに十分な温度に加熱されている。ヒータ16,48はセラミックヒータなどであって、電子部品接合装置1を稼働している間は常時加熱しておくことが望ましい。なお、電子部品Mと基板Pとの接合動作は2ステップで行われる。まず、接合動作について図9を参照して説明する。
【0043】
図9は、電子部品接合装置1の接合動作を説明する模式図である。図10は、電子部品接合装置1が電子部品Mと基板Pとを接合しているときの状況を示す断面図である。電子部品接合装置1は、高速移動機構20及び低速移動機構21を有している。高速移動機構20が有するモータ22は、高トルク用モータであり、大荷重バネ42を介して低速移動機構21を押動する。従って、高速移動機構20で接合動作を行うと、電子部品M及び基板Pを変形させたり、電極70,71を破壊したりする虞がある。そこで、図9に示すように、高速移動機構20は、電子部品Mの電極70と基板Pの電極71との間の距離が所定の距離D1になるまでボンディングツール33を基板P側に移動させて停止し、その後、低速移動機構21による駆動に移行する。所定の距離D1としては、概ね100μm程度とする。
【0044】
低速移動機構21は、電子部品Mの電極70と基板Pの電極70との間の距離が所定の距離D1になった後、低速移動機構21で高速移動機構20より低速度でボンディングツール33を移動させる。低速移動機構21は、電子部品Mの電極70の半田層H1と基板Pの電極71の半田層H2を介して接触させる。接触したことは、低荷重センサ46及び変位センサ47によって検出することができる。低速移動機構21の駆動源はピエゾ駆動機構45であって、電子部品Mと基板Pとが接触したことを検出した後、さらにピエゾ駆動機構45によって、低荷重センサ46及び変位センサ47の検出データに基づき電子部品Mを基板Pに所定の荷重を加え接合する。次いで、図10を参照して、電子部品Mと基板Pとの接合しているときの電子部品接合装置1の状況を説明する。
【0045】
電子部品接合装置1は、電子部品Mと基板Pとの接合時においては、上下2視野カメラユニット12及び断熱板57は、ボンディングツール33の動作を妨げない位置に退避している。ボンディングツール33は、ピエゾ駆動機構45によって降下され、電子部品Mと基板Pとを接合する。接合時のボンディングツール33の移動速度及び電子部品Mと基板Pとに加えられる荷重は、変位センサ47及び低荷重センサ46によって管理される。
【0046】
図7に戻って、電子部品Mを基板Pに接合した後の動作について説明する。電子部品Mを基板Pに接合した後、ボンディングツール33を初期位置(図1に示す位置)に移動させる(ステップS9)。この動作をしている間、上下2視野カメラユニット12及び断熱板57は、ボンディングツール33の動作を妨げない位置に退避している。ボンディングツール33が初期位置まで移動した後、電子部品Mが接合された基板Pをステージ13上から搬出する(ステップS10)。搬出後、断熱板57をステージ13上に移動させる(ステップS11)。以上説明したように、断熱板57は、電子部品Mと基板Pとの接合に関わる動作(ステップS2~ステップS10の動作)以外の時間帯は、ステージ13の上方を覆っている。
【0047】
以上説明した電子部品接合装置1は、凸状球面部材65と凹状球面部材66それぞれの半球面65a,66aとで接続される平行度調整機構44を有している。平行度調整機構44は、ボンディングツール33の上部側に配置されている。ボンディングツール交換後において、高速移動機構20によってステージ面13aに電子部品保持面33aを当接させ所定の荷重を加えると、凹状球面部材66に対して凹状の半球面66aに倣って揺動する。ボンディングツール33側の電子部品保持面33aは、水平に固定されているステージ面13aに密着する。このことによって、ステージ面13aと電子部品保持面33aとが平行となる。このように構成される電子部品接合装置1は、記述した従来技術のように、平行度合わせのための制御手段や駆動手段を設けなくても、小型、かつ簡単な構造で電子部品Mと基板Pとの高精度な平行度合わせが可能となる。従って、電子部品Mと基板Pとの良好な接合品質を得ることが可能となる。
【0048】
なお、平行度調整機構44は、凸状球面部材65と凹状球面部材66との間にエアベアリング68が構成されている。平行度合わせの際にはエアベアリング68を使用することによって、低負荷で凸状球面部材65を揺動させることが可能となる。また、平行度合わせ後に、エアベアリング68の空気を吸引して真空状態にすることによって、凸状球面部材65と凹状球面部材66とを真空密着させることができ、平行度を長時間にわたって維持することが可能となる。
【0049】
また、平行度調整機構44は、ボンディングツール33側に配置されている。従来技術のように、平行度調整機構44をステージ13側に配置することも可能である。しかし、基板Pは、チップ状の電子部品Mよりも大判サイズになることが一般的であるため、平行度調整機構44が大型化し、ステージ機構10は勿論、電子部品接合装置1が大型化してしまう。
【0050】
低速移動機構21は、ピエゾ素子を駆動源とするピエゾ駆動機構45を有し、平行度調整機構44は、ピエゾ駆動機構45の直上部に取り付けられている。このことによって、ピエゾ駆動機構45は、平行度調整機構44の質量の影響を受けることなく、電子部品Mと基板Pとを低荷重で高精度に接合することが可能となる。
【0051】
電子部品接合装置1においては、複数(図5(b)の例では4個)のバネ67の付勢力で凹状球面部材66の半球面66aに凸状球面部材65の半球面65aを密着させている。このようにすることによって、半球面65aと半球面66aとの間に遊びがなく、ステージ面13aと電子部品保持面33aとの平行度を高精度に調整することが可能となる。但し、平行度合わせ動作の際には、凸状球面部材65と凹状球面部材66との間にはエアベアリング68が構成されているため、半球面65aと半球面66aとの間に遊びをなくしつつエアベアリング効果を発揮させるためには、バネ67は、凸状球面部材65及び下部の構成要素を吊り下げ、凹状球面部材66に凸状球面部材65を密着させるのに必要な荷重、及び、凹状球面部材66に凸状球面部材65を密着拘束させるのに必要な数N程度の荷重とを合わせた付勢力を有している。
【0052】
また、電子部品接合装置1は、高荷重センサ40を有している。高速移動機構20によってステージ面13aと電子部品保持面33aと密着させ前記平行度合わせの際には、付勢する荷重を高荷重センサ40によって管理している。適切な荷重管理をすることによって、高精度な平行度を得ることが可能となるとともに、過荷重が加わることによる他の構成部品が損傷することを防止できる。
【0053】
また、平行度調整機構44において、凸状球面部材65及び凹状球面部材66それぞれの半球面65a,66aの曲率半径Rの中心Rcは、ステージ面13aと電子部品保持面33aの密着面の中心になるように設定されている。すなわち、電子部品Mの中心C1(電極70の配置の中心位置)、基板Pの中心C2(電極71の配置の中心位置)、及び曲率半径Rの中心Rcは、中心軸Cp上に配置される。このように構成することによって、凹状球面部材66に対して凸状球面部材65の正確な倣い動作が可能となる。
【0054】
また、電子部品接合装置1は、ステージ13に配置されて半田層H1,H2などの接合材を熱溶融するためのヒータ16、及び、ステージ13とボンディングツール33との間を進退可能に配置される上下2視野カメラユニット12を有している。断熱板57は、ステージ13と上下2視野カメラユニット12との間に配置され、かつ、ステージ13の上方を覆う位置とステージ13から退避する位置とに移動可能に構成されている。断熱板57によってステージ13からの熱を上下2視野カメラユニット12に伝わりにくくしている。接合材が半田層H1,H2の場合、溶融温度は140℃~260℃になる。断熱板57を設けることによって、この熱の影響で上下2視野カメラユニット12自体に影響を与えることや、光軸のずれなどを抑えることができ、電子部品Mと基板Pとの高精度な位置合わせを行うことが可能となる。
【0055】
また、上下2視野カメラユニット12は、電子部品昇降機構11とは独立した剛性を有する柱状フレーム49によって下部ベース17に固定されている。このことによって、電子部品昇降機構11やステージ機構10を動作する際の振動が、上下2視野カメラユニット12に伝わりにくくしている。逆に、上下2視野カメラユニット12が動作する際の振動が電子部品昇降機構11やステージ機構10に伝わりにくくしている。このように、互いの振動の影響を抑えることによって高精度で安定した位置合わせ、及び接合を可能にしている。また、相互に振動が伝わることを抑えることによって、電子部品昇降機構11、ステージ機構10及び上下2視野カメラユニット12の各動作の高速化、及び、各機構の動作を図7で示した各工程の一部を同時並行で実行することができ、タクトタイムを短縮することが可能となる。
【0056】
以上説明した電子部品接合装置1は、電子部品Mと基板Pとの平行度調整機構44を小型、かつ簡単な構造で実現し、電子部品Mの電極70と基板Pの電極71との高精度な位置合わせをすることが可能となる。
【符号の説明】
【0057】
1…電子部品接合装置、10…ステージ機構、11…電子部品昇降機構、12…上下2視野カメラユニット、13…ステージ、13a…ステージ面、14…X軸駆動テーブル、15…Y軸駆動テーブル、16,48…ヒータ、17…下部ベース、20…高速移動機構、21…低速移動機構、28…上部ベース、32,47…変位センサ、33…ボンディングツール、33a…電子部品保持面、40…高荷重センサ、41…移動部、42…大荷重バネ、44…平行度調整機構、45…ピエゾ駆動機構、46…低荷重センサ、53…Z軸駆動部、54…X軸駆動部、55…Y軸駆動部、56…ベースプレート、57…断熱板、59…断熱板駆動機構、65…凸状球面部材、65a…凸状の半球面、65b…側面、66…凹状球面部材、66a…凹状の半球面、67…バネ、68…エアベアリング、59…リニア駆動部、70、71…電極、C1…電子部品Mの中心、C2…基板Pの中心、Cp…中心軸、D1…所定の距離、H1,H2…半田層(接合材)、M…電子部品、P…基板、R…曲率半径、Rc…曲率半径の中心
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10