(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023060537
(43)【公開日】2023-04-28
(54)【発明の名称】外装部材取付装置
(51)【国際特許分類】
B65B 61/20 20060101AFI20230421BHJP
F16H 25/14 20060101ALI20230421BHJP
【FI】
B65B61/20
F16H25/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021170190
(22)【出願日】2021-10-18
(71)【出願人】
【識別番号】000141886
【氏名又は名称】株式会社京都製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 祥之
(72)【発明者】
【氏名】南 陽太
(72)【発明者】
【氏名】徳網 大哲
(72)【発明者】
【氏名】田中 敦
(72)【発明者】
【氏名】北浦 寛斗
(72)【発明者】
【氏名】野村 祐裕
【テーマコード(参考)】
3E056
3J062
【Fターム(参考)】
3E056AA06
3E056BA01
3E056CA04
3E056DA05
3E056EA05
3E056FE17
3J062AA27
3J062AB27
3J062AC07
3J062BA14
3J062CC13
(57)【要約】
【課題】本発明は、搬送中の物品の外面に物品の速度を落とすことなく外装部材を正確かつ確実に取り付ける。
【解決手段】外周面で外装部材Thを保持するとともに、外周面が物品Pcの移動方向に沿って回転する保持筒部32と、保持筒部32に保持された前記外装部材を取り外すとともに保持する凹部333を有する爪部33と、リンク機構34と、を有する。リンク機構34は、少なくとも3つの可動リンクを有し、凹部333が外装部材Thを物品Pcに押し付けつつ物品の搬送方向に移動するように爪部33を移動させるように形成され、前記制御装置800は、物品の搬送速度に応じて保持筒部32の回転速度及び前記リンク機構の動作速度を変更するように制御する。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品搬送部にて搬送される物品に外装部材を取り付ける外装部材取付装置であって、
前記物品搬送部と隣接して配置されて搬送中の前記物品の外側面に前記外装部材を取り付ける取付部と、
前記物品搬送部及び前記取付部を制御する制御部と、
を有し、
前記取付部は、
外周面で前記外装部材を保持するとともに、前記外周面が前記物品の移動方向に沿って回転する保持筒部と、
前記保持筒部に保持された前記外装部材を取り外すとともに保持する凹部を有する爪部と、
前記爪部を動作させるリンク機構と、を有し、
前記リンク機構は、少なくとも3つの可動リンクを有し、前記凹部が前記外装部材を前記物品に押し付けつつ前記物品の搬送方向に移動するように前記爪部を移動させるように形成され、
前記制御部は、前記物品の搬送速度に応じて前記保持筒部の回転速度及び前記リンク機構の動作速度を変更するように制御する外装部材取付装置。
【請求項2】
前記リンク機構は、
前記保持筒部の中心線と平行な第1軸を含む第1節点と、
平面視において前記第1節点から前記第1軸と直交する方向に延びる第1リンクアームと、
前記第1軸とは別途配置されて前記第1軸と平行な第2軸を含む第2節点と、
平面視において前記第2節点から前記第2軸と直交する方向に延びる第2リンクアームと、
前記第1リンクアームの前記第1節点と反対側の端部に設けられて前記第1軸を中心に回転する第3節点と、
前記第2リンクアームの前記第2節点と反対側の端部に設けられて前記第2軸を中心に揺動する第4節点と、
前記第3節点で前記第1リンクアームに対して回転可能に接続され、前記第4節点で前記第2リンクアームに対して回転可能に接続される第3リンクアームと、を有し、
前記爪部は、前記第3節点と前記凹部の中心とを結んだ線と前記第3リンクアームとの角度が常に同じになるように配置される請求項1に記載の外装部材取付装置。
【請求項3】
前記第1軸を中心に回転可能な出力シャフトと、
前記出力シャフトを回転させる駆動部と、
前記出力シャフトに取り付けられて前記第1軸と交差する方向に延びて前記第1リンクアームを含む偏心回転部と、
前記第2節点に回転可能に支持されて前記第2リンクアームを含む揺動部と、
前記第3リンクアームを含む従動部と、を有し、
前記爪部は、前記従動部に固定されている請求項2に記載の外装部材取付装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記物品搬送部における前記物品の位置情報を取得しており、
前記外装部材が取り付けられる前記物品の位置及び速度に基づいて前記駆動部の回転速度を制御する請求項3に記載の外装部材取付装置。
【請求項5】
前記物品の状態を検査する検査部をさらに有し、
前記制御部は、前記検査部にて良品と判定された前記物品にのみ前記外装部材が取り付けられるように、前記駆動部を制御する請求項3又は請求項4のいずれかに記載の外装部材取付装置。
【請求項6】
前記保持筒部の軸方向の中間部分には、周方向に連続する周溝が形成されており、
前記周溝は、保持している前記外装部材よりも径方向内側に前記爪部を配置可能な深さである請求項1から請求項5のいずれかに記載の外装部材取付装置。
【請求項7】
前記物品搬送部は、
ループ状に連結されたレールと、
前記物品を保持するとともに前記レールに沿って移動する搬送シャトルと、を有し、
前記レールは、搬送方向に並んで配置されたコイルを有する固定子と、
前記搬送シャトルに配置された永久磁石を有する可動子と、を有する請求項1から請求項6のいずれかに記載の外装部材取付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送されている物品の外表面に外装部材を取り付ける外装部材取付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、搬送されている包装容器にストローを取り付けるストロー取付装置がある。このストロー取付装置では、溶融した取付媒体を包装容器に付着させ、ストローを溶融した取付媒体を介して包装容器に押し付けることが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のストロー取付装置では、搬送中の包装容器の側面にストローを搬送方向と交差する方向に押し付けるため、ストローがずれたり、ストローの取り付けが不十分になったりする虞がある。
【0005】
そこで、搬送中の物品の側面の正確な位置に確実に外装部材を取り付けることができる外装部材取付装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明の外装部材取付装置は、物品搬送部にて搬送される物品に外装部材を取り付ける。外装部材取付装置は、前記物品搬送部と隣接して配置されて搬送中の前記物品の外側面に前記外装部材を取り付ける取付部と、前記物品搬送部及び前記取付部を制御する制御部と、を有する。前記取付部は、外周面で前記外装部材を保持するとともに、前記外周面が前記物品の移動方向に沿って回転する保持筒部と、前記保持筒部に保持された前記外装部材を取り外すとともに保持する凹部を有する爪部と、前記爪部を動作させるリンク機構と、を有する。前記リンク機構は、少なくとも3つの可動リンクを有する。前記凹部が前記外装部材を前記物品に押し付けつつ前記物品の搬送方向に移動するように前記爪部を移動させるように形成される。前記制御部は、前記物品の搬送速度に応じて前記保持筒部の回転速度及び前記リンク機構の動作速度を変更するように制御する。
【0007】
上記構成において、前記リンク機構は、前記保持筒部の中心線と平行な第1軸を含む第1節点と、平面視において前記第1節点から前記第1軸と直交する方向に延びる第1リンクアームと、前記第1軸とは別途配置されて前記第1軸と平行な第2軸を含む第2節点と、平面視において前記第2節点から前記第2軸と直交する方向に延びる第2リンクアームと、前記第1リンクアームの前記第1節点と反対側の端部に設けられて前記第1軸を中心に回転する第3節点と、前記第2リンクアームの前記第2節点と反対側の端部に設けられて前記第2軸を中心に揺動する第4節点と、一端が前記第3節点で前記第1リンクアームに対して回転可能に接続され、他端が第4節点で前記第2リンクアームに対して回転可能に接続される第3リンクアームと、を有する。前記爪部は、前記第3節点と前記凹部とを結んだ線と前記第3リンクアームとの角度が常に同じになるように配置される。
【0008】
上記構成において、前記第1軸を中心に回転可能な出力シャフトと、前記出力シャフトを回転させる駆動部と、前記出力シャフトに取り付けられて前記第1軸と交差する方向に延びて前記第1リンクアームを含む偏心回転部と、前記第2節点に回転可能に支持されて前記第2リンクアームを含む揺動部と、前記第3リンクアームを含む従動部と、を有する。前記爪部は、前記従動部に固定されている。
【0009】
上記構成において、前記制御部は、前記物品搬送部における前記物品の位置情報を取得しており、前記外装部材が取り付けられる前記物品の位置及び速度に基づいて前記駆動部の回転速度を制御する。
【0010】
上記構成において、前記物品の状態を検査する検査部をさらに有する。前記制御部は、前記検査部にて良品と判定された前記物品にのみ前記外装部材が取り付けられるように、前記駆動部を制御する。
【0011】
上記構成において、前記保持筒部の軸方向の中間部分には、周方向に連続する周溝が形成される。前記周溝は、保持している前記外装部材よりも径方向内側に前記爪部を配置可能な深さである。
【0012】
上記構成において、前記物品搬送部は、ループ状に連結されたレールと、前記物品を保持するとともに前記レールに沿って移動する搬送シャトルと、を有する。前記レールは、搬送方向に並んで配置されたコイルを有する固定子と、前記搬送シャトルに配置された永久磁石を有する可動子と、を有する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、搬送中の物品の側面の正確な位置に確実に外装部材を取り付けることができる外装部材取付装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図3】物品を保持した搬送シャトル及び単体の搬送シャトルが直線状のレールに沿って移動している状態を外側から見た図である。
【
図5】搬送シャトルの搬送方向の後側から見た図である。
【
図6】図は、第2搬送ルートの分岐レールを移動する搬送シャトルを搬送方向後側から見た図である。
【
図7】物品を保持した搬送シャトルが第1曲線レールを移動している状態を示す平面図である。
【
図8】複数の物品を複数の搬送シャトルで搬送している状態を外側から見た図である。
【
図9】搬送される物品と外装部材取付装置とを示す平面図である。
【
図10】外装部材取付装置を内側から見た正面図である。
【
図11】外装部材取付装置が外装部材を取り外す状態を示す概略平面図である。
【
図12】外装部材取付装置の爪部が物品に外装部材を最も奥に押し込んだ状態の概略平面図である。
【
図13】保持筒部から取り外された直後の外装部材の位置を示す概略図である。
【
図14】外装部材を物品の外面に最も深く押し付けている状態の外装部材の位置を示す概略図である。
【
図15】取り付け終了時の外装部材の位置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、本実施形態において、
図1に示す物品処理装置Aを基準として、方向を定義する。後述する物品搬送装置100の物品搬送部10において、時計回り方向を後述の搬送シャトル14の移動方向、すなわち、搬送方向Trとする。さらに、第1搬送ルート11のループを基準として、外側Os、内側Isを定義する。また、物品Pc、搬送シャトル14、箱搬送シャトル702、箱体Bxの移動方向において、前側及び後側は、次のとおり定義する。現在の位置に対して未来に到達する側を前側する。逆に、現在の位置に対して過去に位置していた側を後側とする。また、物品Pcにおいて、物品搬送装置100の物品搬送部10にて搬送されている状態を基準として、各面を定義する。つまり、搬送方向Trの前側の面が前面Pcf、後側の面が後面Pcr、外側の面が外面PcO、内側の面が内面PcIである。また、物品Pcの底部の面を底面Pctとする。
【0016】
<物品処理装置A>
図1は、物品処理装置Aの概略配置図である。物品処理装置Aは、例えば、紙等で形成され、内部に液体の収容物が充填された略直方体状の物品(被搬送物ともいう)Pcを搬送する。そして搬送しつつ、搬送しつつ外装等の検査を行う。そして、検査に合格した物品Pcを搬送しつつストロー等の外装部材を取り付ける。その後、物品Pcを所定数ずつ集積して、箱体に収納する。そして、物品Pcが収納された箱体Bxを、外部に搬出する。
【0017】
物品処理装置Aは、物品搬送装置100と、物品送出装置200と、外装部材取付装置300と、物品取出装置400と、物品収納装置500と、箱体供給装置600と、物品梱包装置700と、制御装置800と、を有する。
【0018】
<制御装置800>
ここで制御装置800の詳細について説明する。
図2は、物品処理装置Aの機能ブロック図である。
図2に示すように、制御装置800は、処理回路801と、記憶回路802とを有する。処理回路801は、各種情報を処理する回路であり、CPU、MPU等の演算回路を有する。また、処理回路801は、処理結果に基づいて、物品搬送装置100、物品送出装置200、外装部材取付装置300、物品取出装置400、物品収納装置500及び箱体供給装置600と接続され、各装置を制御する。
【0019】
記憶回路802は、ROM、RAM等の半導体メモリー、フラッシュメモリー等の可搬性を有するメモリーおよびハードディスク等の記憶媒体を含むまたは接続される回路である。記憶回路802で、制御プログラムまたは処理プログラム等の各種プログラムを記憶しておき、必要に応じて処理に対応したプログラムを呼び出すとともに処理回路801でプログラムを動作させて、処理を行うようにしてもよい。制御装置800に接続される要素およびその制御については、各要素の説明時に説明する。
【0020】
<物品搬送装置100>
物品搬送装置100の詳細について説明する。
図3は、物品Pcを保持した搬送シャトル14及び単体の搬送シャトル14が直線状のレール13に沿って移動している状態を外側Osから見た図である。
図4は、
図3に示す搬送シャトル14の平面図である。
図5は、搬送シャトルの搬送方向Trの後側から見た図である。
図6は、第2搬送ルート12の分岐レール121を移動する搬送シャトル14を搬送方向後側から見た図である。物品搬送装置100は、第1搬送ルート11及び第2搬送ルート12を含む物品搬送部10と、搬送シャトル14と、を有する。
【0021】
<第1搬送ルート11>
第1搬送ルート11は、第1直線レール111と、第2直線レール112と、第1曲線レール113と、第2曲線レール114とを有する。第1直線レール111及び第2直線レール112は、並んで配置される。第1搬送ルート11では、第1直線レール111と第2直線レール112の両端を、それぞれ、第1曲線レール113及び第2曲線レール114で連結して、環状に形成される。第1直線レール111、第2直線レール112、第1曲線レール113及び第2曲線レール114は、同一の構造を有しており、これらを代表してレール13と称する場合がある。
【0022】
第1搬送ルート11において、搬送シャトル14は、第1搬送ルート11の第1直線レール111、第2直線レール112、第1曲線レール113及び第2曲線レール114の外側Osの面に配置される。そして、搬送シャトル14は、環状の第1搬送ルート11に沿って移動可能である。
【0023】
第1直線レール111及び第2直線レール112は、搬送方向Trに直線短レール13sを連結して形成されている。直線短レール13sの連結数を変更することで、第1直線レール111及び第2直線レール112の長さを変更できる。
【0024】
さらに、第1曲線レール113及び第2曲線レール114は、円弧状としているが、これに限定されない。たとえば、一部が曲線状に形成されていてもよい。また、曲線状の部分として、円弧状に限らず、いわゆる、クロソイド曲線状であってもよい。また、これら以外の曲線状であってもよい。第1曲線レール113及び第2曲線レール114は、曲線短レール13cを連結して形成されている。曲線短レール13cとして、異なる形状、長さのものを準備しておき、物品搬送部10のループ形状に合わせて組み合わせることで、多様な形状に対応可能である。
【0025】
<レール13>
レール13は、メインレール131と、溝付きレール132と、平面レール133とを有する(
図3、
図5参照)。メインレール131は、搬送方向Trと直交する面で切断した切断面が長方形状の筒体である。メインレール131は、例えば、一部のステンレス鋼、アルミニウムおよびその合金を挙げることができるが、これに限定されない。
【0026】
溝付きレール132は、メインレール131の上部に固定される。溝付きレール132は、搬送方向Trと交差する方向の外面から凹んだ溝部134を有する。溝付きレール132は、2個の溝部134を有する。2個の溝部134は、上下に並んで配置される。
【0027】
なお、メインレール131と溝付きレール132との固定は、溶接、ねじ止め等を採用できるが、これに限定されない。メインレール131と溝付きレール132とを一体的に形成してもよい。第1搬送ルート11の全周において、溝部134は、外側Osに配置される。
図3及び
図5に示すように、メインレール131と溝付きレール132との間には、隙間135が形成される。
【0028】
平面レール133は、メインレール131の下部に固定される。なお、メインレール131と平面レール133との固定は、溶接、ねじ止め等を採用できるが、これに限定されない。メインレール131と平面レール133とを一体的に形成してもよい。
【0029】
第1直線レール111及び第2直線レール112は、直線短レール13sを連結して形成されているが、1つのレールで形成されてもよい。同様に、第1曲線レール113及び第2曲線レール114も、1つのレールで形成されてもよい。
【0030】
<第2搬送ルート12>
図1に示すとおり、第2搬送ルート12は、第1搬送ルート11の第1直線レール111から分岐し、折り返した後、第1搬送ルート11の第2直線レール112に合流する。
図1に示すとおり、第2搬送ルート12は、分岐レール121と、合流レール122と、帰還レール123とを有する。
【0031】
分岐レール121及び合流レール122とは、直線であり、溝部134が内側Isに配置される以外、第1直線レール111及び第2直線レール112と同様の構成を有する。そのため、レール13の構成について同様の構成の部分の詳細な説明は省略し、同じ符号を付す。
【0032】
分岐レール121の搬送方向Trの後側の端部は、第1搬送ルート11の第1直線レール111の搬送方向Trの前側の端部の外側Osに対向して配置される。分岐レール121と第1直線レール111とが対向する部分が分岐点P1である。
【0033】
合流レール122の搬送方向Trの前側の端部は、第1搬送ルート11の第2直線レール112の搬送方向Trの後側の端部の外側Osに対向して配置される。合流レール122と第2直線レール112とが対向する部分が合流点P2である。
【0034】
帰還レール123は、第1曲線レール113及び第2曲線レール114と同じ構成である。帰還レール123の搬送方向Trの後側の端部は、分岐レール121の搬送方向Trの前側端部の内側Isに対向して配置される。同様に、帰還レール123の搬送方向Trの前側の端部は、合流レール122の搬送方向Trの後側端部の内側Isに対向して配置される。
【0035】
<搬送シャトル14>
次に、搬送シャトル14について説明する。
【0036】
搬送シャトル14は、本体部140と、物品保持部16とを有する。本体部140には、搬送リニアモーター機構15のマグネット152が配置される。なお、マグネット152は本体部140の内部に収容され、メインレール131に配置されたコイル151と搬送方向Trと交差する方向に対向する。
【0037】
搬送シャトル14の本体部140は、第1面144と、第2面145とを有する。また、本体部140は、凸部143を有する。凸部143は、メインレール131と溝付きレール132との間に形成された隙間135に嵌る。凸部143が隙間135に嵌ることで、本体部140のずれが抑制される。
【0038】
本体部140には、2個の上ローラー141が配置される。2個の上ローラー141は、本体部140に回転可能に支持される。詳しく説明すると、上ローラー141は、搬送方向Trと直交するとともに、レール13の外面と平行な回転軸周りに回転可能に配置される。2個の上ローラー141は、搬送方向Trに離れているとともに、上下方向に異なる位置に配置される。本実施形態における本体部140では、搬送方向Trの前側の上ローラー141(
図3参照)が、上になるように配置される。
【0039】
本体部140には、2個の下ローラー142が配置される。2個の下ローラー142は、本体部140に回転可能に支持される。下ローラー142は円柱状である。2個の下ローラー142は、搬送方向Trに離れているとともに、上下方向に異なる位置に配置される。本実施形態における本体部140では、搬送方向Trの前側の下ローラー142(
図3参照)が、下になるように配置される。
【0040】
物品保持部16は、本体部140の上部に固定される。物品保持部16は、保持板部161と、物品係合部162と、物品支持部163とを有する。保持板部161は、板状であり、本体部140よりも内側Isに配置され、上方に延びる。保持板部161の搬送方向Tr前側は、前側に向かって内側に傾斜した傾斜面164を有する。また、保持板部161には、貫通孔1611と、搬送方向Trの両端に設けられた凹部1612とを有する。凹部1612は、貫通孔1611よりも下に搬送方向に並んで配置される。
【0041】
物品保持部16は、2個の物品係合部162を有し、上下に並んで保持板部161に固定される。各物品係合部162の一方は保持板部161の上方に配置され、他方は貫通孔1611を貫通して、保持板部161よりも外側Osに突出する。
【0042】
物品係合部162は、搬送方向前部に設けられる後面押圧部165と、搬送方向後部に設けられる前面押圧部166とを有する。後面押圧部165及び前面押圧部166は、突出方向の中間部分が搬送方向Trに膨らんだ曲面状である(
図4等参照)。
【0043】
物品支持部163は、保持板部161に固定される。物品支持部163は、後部支持部167と、前部支持部168とを有する。後部支持部167は、搬送方向Trにおいて、後面押圧部165よりも前側に配置される。また、前部支持部168は前面押圧部166よりも後側に配置される。後部支持部167及び前部支持部168の上面は、同じ高さである。なお、後部支持部167と前部支持部168とが一体に形成されていてもよい。搬送シャトル14は以上示した形状を有する。
【0044】
<搬送リニアモーター機構15>
物品搬送装置100において、複数の搬送シャトル14は、搬送リニアモーター機構15によって、それぞれ、独立して駆動される。搬送リニアモーター機構15は、複数のコイル151と、マグネット152と、リニアドライバ153と、を有する。複数のコイル151は、第1搬送ルート11を構成するレール13の内部及び第2搬送ルート12を構成するレール13の内部に配列されている。
【0045】
マグネット152は、永久磁石であり搬送シャトル14の本体部140に配置される。
図5に示すように、マグネット152は、本体部140の内部に配置される。本体部140は、磁石に引っ付かない材料で形成されている。そのため、マグネット152の磁力は、本体部140の外部に漏れる。そして、マグネット152は、コイル151と磁力を付与しあうことができるように配置される。本体部140に配置されたマグネット152と、レール13の内部に配置された複数のコイル151とでリニアモーターが形成される。
【0046】
リニアドライバ153は、各コイル151と接続される(
図2参照)。リニアドライバ153は、不図示の電源回路に接続されている。リニアドライバ153は、コイル151に供給する電力を制御する回路であり、演算処理回路、各コイル151に供給する電圧および電流を調整する電力供給回路等の回路を含む。リニアドライバ153は、制御装置800からの指示に基づいて、各コイル151に適切な電流を供給する。
【0047】
制御装置800は、搬送シャトル14を独立して移動させることができる。なお、制御装置800は、複数の搬送シャトル14を個別に動作をさせることができるとともに、同期して動作させることも可能である。また、制御装置800は、搬送シャトル14の位置を取得できる。
【0048】
搬送シャトル14において、物品保持部16は、本体部140の上方に配置される。このことから、本体部140の第1面144の内側及び第2面145の外側には、構成部材が配置されない。そのため、上ローラー141及び下ローラー142の径方向外縁部が、第1面144よりも内側Is及び第2面145よりも外側Osに突出する。
【0049】
これにより、第1搬送ルート11において、搬送シャトル14は、第1直線レール111、第2直線レール112、第1曲線レール113及び第2曲線レール114の外側Osに沿って移動できる。また、搬送シャトル14は、第2搬送ルート12において、分岐レール121及び合流レール122の内面に沿って移動できる。また、搬送シャトル14は、第2搬送ルート12において、帰還レール123の外面に沿って移動できる。
【0050】
さらに詳しく説明すると、搬送シャトル14は、第1搬送ルート11において、レール13の外側Osに沿って移動可能である。本体部140は、例えば、マグネット152の磁力によって、第1搬送ルート11のレール13の外側Osに吸着されている。なお、レール13に磁石を吸着する鉄等の金属で形成された吸着部を備えていてもよいし、コイル151に備えられた鉄心とマグネット152との磁力によって吸着されてもよい。
【0051】
第1搬送ルート11において、上ローラー141および下ローラー142がレール13と接触することで、本体部140の第1面144がレール13の外面と一定の間隔を開けて配置される。つまり、本体部140は、上下を上ローラー141及び下ローラー142でレール13の外面に移動可能に支持される。
【0052】
搬送シャトル14は、搬送方向Trに配列された上ローラー141および下ローラー142が上下にずれている。このため、搬送シャトル14が、搬送方向Trに接近した場合でも、上ローラー141同士または下ローラー142同士が干渉しにくい。そのため、搬送シャトル14を搬送方向Trに前後に接近して配置可能及び接近した状態で移動可能である。
【0053】
図6に示すように、搬送シャトル14は、第2搬送ルート12において、分岐レール121及び合流レール122の内側Isに沿って移動可能である。本体部140は、内部に配置されたマグネット152の磁力によって、分岐レール121及び合流レール122の内面に吸着されている。なお、レール13に磁石を吸着する鉄等の金属で形成された吸着部を備えていてもよいし、コイル151に備えられた鉄心とマグネット152との磁力によって吸着されてもよい。
【0054】
上ローラー141及び下ローラー142が分岐レール121及び合流レール122と接触することで、本体部140の第2面145が分岐レール121及び合流レール122の内面と一定の間隔を開けて対向して配置される。つまり、本体部140は、上下を上ローラー141及び下ローラー142で分岐レール121及び合流レール122の内面に移動可能に支持される。
【0055】
このような構成とすることで、第1直線レール111、第2直線レール112、分岐レール121及び合流レール122に配置されるコイル151の制御で、搬送シャトル14を分岐点P1で分岐可能であるとともに、合流点P2で合流可能である。つまり、簡単な構成であるとともに、簡単な制御で、搬送シャトル14を分岐、合流させることができる。
【0056】
つまり、制御装置800は、第1直線レール111を移動する搬送シャトル14を、分岐点P1で、第1曲線レール113又は分岐レール121のどちらかに分岐可能である。また、制御装置800は、第2搬送ルート12の合流レール122を移動する搬送シャトル14を、合流点P2で、第2直線レール112に合流可能である。
【0057】
<搬送シャトル14による物品Pcの保持>
次に、搬送シャトル14による物品Pcの保持について説明する。物品Pcは、搬送方向Trに並んで配置された2つの搬送シャトル14にて、搬送方向Trの前後から保持される。
【0058】
搬送方向Tr前側に配置された搬送シャトル14の前部支持部168が物品Pcの底面の前部の内側を支持し、前面押圧部166が物品Pcの前面Pcfを押圧する。物品Pcの搬送方向Tr前側に配置された搬送シャトル14の後部支持部167が物品Pcの底面Pctの後部の内側を支持し、後面押圧部165が物品Pcの後面Pcrを押圧する。このとき、物品Pcの内面PcIは保持板部161と接触する。
【0059】
ここで物品Pcが、内部に液体の収容物が充填された略直方体状の場合、物品Pcの前面Pcfは、前面押圧部166に押圧されて中間部分が凹む。同様に、物品Pcの後面Pcrは、後面押圧部165に押圧されて中間部分が凹む。このように、前面Pcf及びPcrがそれぞれ、前面押圧部166及び後面押圧部165に押圧されて凹むことで、物品Pcの外側Osへの移動が制限される。また、物品Pcの内面PcIが保持板部161と接触することで、物品Pcの内側Isへの移動も制限される。これにより、2つの搬送シャトル14で、物品Pcをしっかり保持できる。なお、物品Pcの搬送方向Trの前後に配置される搬送シャトル14は、同じ形状である。
【0060】
図7は、物品Pcを保持した搬送シャトル14が第1曲線レール113を移動している状態を示す平面図である。後面押圧部165及び前面押圧部166が各々、外側に膨らんだ、略曲面状であるので、物品係合部162の突出方向が平行でない場合にも物品Pcの前面Pcf及び後面Pcrを適度に押圧できる。そのため、
図7に示すような、第1曲線レール113のような曲線部を移動する場合であっても、搬送シャトル14が物品Pcを保持できる。なお、搬送シャトル14が物品Pcを保持して移動可能な曲線部の曲率は、後面押圧部165及び前面押圧部166の形状によって変わる。
【0061】
図8は、複数の物品Pcを複数の搬送シャトル14で搬送している状態を外側Osから見た図である。
図8は、搬送方向Trに並んだ3つの搬送シャトル14によって、2つの物品を保持している状態を示している。
図8に示すように、搬送方向Trの前側の搬送シャトル14の前部支持部168が前側の物品Pcの底部の前部の内側を支持し、前面押圧部166が前側の物品Pcの前面Pcfを押圧する。また、搬送方向Trの中央の搬送シャトル14の後部支持部167が前側の物品Pcの底部の後部の内側を支持し、後面押圧部165が前側の物品Pcの後面Pcrを押圧する。これにより、前側の物品Pcが保持される。
【0062】
さらに、搬送方向Trの中央の搬送シャトル14の前部支持部168が後側の物品Pcの底部の前部の内側を支持し、前面押圧部166が後側の物品Pcの前面Pcfを押圧する。また、搬送方向Trの後側の搬送シャトル14の後部支持部167が後側の物品Pcの底部の後部の内側を支持し、後面押圧部165が後側の物品Pcの後面Pcrを押圧する。これにより、後側の物品Pcが保持される。
図8に示すように、搬送シャトル14は、周方向に3個並べることで、2個の物品Pcを保持できる。なお、保持できる物品Pcは、2個に限定されず、3個以上であってもよい。すなわち、物品Pcの数+1の搬送シャトル14を用意することで、複数の物品Pcを保持することができる。
【0063】
物品処理装置Aにおいて、第2搬送ルート12の分岐レール121にあるとき、複数の搬送シャトル14が、複数の物品Pcを保持して搬送方向Trに移動できる。なお、第1搬送ルート11の第1直線レール111にあるとき、複数の搬送シャトル14が複数の物品Pcを保持していてもよい。また、分岐点P1で第1搬送ルート11から第2搬送ルート12に移動するとき、所定数の物品Pcをまとめるようにしてもよい。1つ又は少数の物品Pcをまとめることを集約すると称する。なお、
図1に示すように、物品搬送装置100において、分岐レール121の分岐点P1から後述する物品集積部124の間の部分に集約領域Ar1が設定されている。
【0064】
<物品送出装置200>
図1に示すように、物品送出装置200は、物品供給部20と、物品送出部21と、乗換レーン22と、を有する。物品Pcは物品供給部20によって、例えば、収容物充填工程等の前工程から、物品処理装置Aに搬入される。物品供給部20は、略直方体状の物品Pcを搬送するコンベヤである。物品供給部20の上面に物品Pcを載置した状態で、上面を移動させることで、物品Pcは、物品供給部20に沿って移動する。なお、物品供給部20における物品Pcの移動方向を、供給方向Tsとする。
【0065】
物品供給部20は、ベルトコンベヤやトップチェーンコンベヤなど、一般的な搬送コンベヤを用いることができる。ここでは、物品供給部20は、ベルトコンベヤを用いた供給コンベヤ201を有する(
図1等参照)。物品供給部20は、供給コンベヤ201は、制御装置800に接続されており、制御装置800からの指示に従って駆動される。通常、供給コンベヤ201は、一定速度で物品を搬送できるように駆動される。
【0066】
物品送出部21は、物品供給部20の搬送方向Trの前側端部に配置される。物品送出部21は、対をなして配置される複数のニップローラー211と、乗換レーン22とを有する。
図1に示すように、ニップローラー211は、物品供給部20の供給方向Tsと直交する方向に対をなして配置され、物品Pcの側面(ここでは、内面PcI及び外面PcO)と接触する。なお、ニップローラー211の表面は、物品Pcの表面との摩擦が高くなる材料で形成されている。物品送出部21では、3対のニップローラー211が供給コンベヤ201に沿って等間隔で並んで配置される。
【0067】
ニップローラー211は、制御装置800に接続されたローラーモーター212(
図2参照)によって回転される。制御装置800によってローラーモーター212の回転が制御され、ニップローラー211の回転速度が調整される。これにより、物品Pcが供給方向Tsに加減速される。そして、対をなすニップローラー211で加減速された物品Pcは、乗換レーン22に移動する。
【0068】
物品Pcは、乗換レーン22上を供給方向Tsに移動する。乗換レーン22の供給方向Tsの前側の端部は、乗換部R1である。物品Pcは、乗換部R1において、供給方向Tsに並んだ搬送シャトルに保持される。物品Pcは、搬送シャトル14に保持された状態で、第1搬送ルート11に沿って搬送される。
【0069】
<外装部材取付装置300>
外装部材取付装置300は、物品搬送装置100の物品搬送部10の外側Osに配置されて、物品Pcの外面PcOに外装部材Thを取り付ける(
図3参照)。外装部材Thは、ここではストローであるが、これに限定されない。外装部材取付装置300は、樹脂製の袋に収納された状態で物品Pcの外面PcOに貼り付けられる。外装部材取付装置300は、第1搬送ルート11の第1直線レール111の外側Osに配置される。そして、第1直線レール111に沿って移動する搬送シャトル14にて保持される物品Pcの外面PcOに外装部材Thを取り付ける(貼付する)。
【0070】
外装部材取付装置300は、検査部30と、取付部31とを有する。検査部30は、物品Pcの状態を検査する。検査部30は、例えば、不図示の撮像部で撮像画像を取得し、撮像画像の画像処理結果に基づいて、物品Pcの状態の可否を判断する。物品Pcが、紙基材の略直方体形状の容器の場合、検査部30は、接着部の状態、接着時の加熱による焦げ等の確認を行う。
【0071】
取付部31は、装置を駆動する駆動モーター310(
図2参照)を有する。外装部材取付装置300は、駆動モーター310の動作によって、外装部材Thを移動している物品Pcの外側Osの側面に貼付する。
【0072】
図2に示すように、外装部材取付装置300の、検査部30、駆動モーター310は、制御装置800に接続される。制御装置800は、検査部30で合格となった物品にのみ外装部材Thを添付するように、駆動モーター310を動作させる。また、制御装置800は、例えば、リニアドライバ153からの情報に基づいて、搬送シャトル14の位置を取得する。搬送シャトル14の位置に基づいて、駆動モーター310を駆動する。これにより、制御装置800は、搬送シャトル14の搬送方向Trの速度に同期して、駆動モーター310を駆動する。その結果、搬送シャトル14、つまり、物品Pcの移動速度を維持した状態で、外装部材Thを取り付けることができる。
【0073】
制御装置800が、物品Pcの位置、換言すると、移動速度を取得し、物品Pcの位置に基づいて、駆動モーター310を動作させるため、外装部材Thを取り付けない物品Pcが含まれる場合でも、物品Pcの搬送速度を低下させなくてもよい。これにより、物品処理装置Aの生産効率の低下を抑制できる。
【0074】
なお、検査部30で不良品であると判定された物品Pcは、搬送シャトル14で挟んだ状態を維持しつつ、分岐点P1から第1曲線レール113を経由して、第2直線レール112に搬送する。そして、第2直線レール112に近接して配置された、不図示の不良品回収部にて不良品と判定された物品を回収する。不良品と判定された物品Pcは、下方に落下させることで回収する構成を採用できるが、これに限定されない。
【0075】
<取付部31の詳細について>
以下に、取付部31の詳細について説明する。
図9は、搬送される物品Pcと外装部材取付装置300とを示す平面図である。
図10は、外装部材取付装置300を内側から見た正面図である。
図11は、外装部材取付装置300が外装部材Thを保持筒部32から取り外す状態を示す概略平面図である。
図12は、外装部材取付装置300の爪部33が物品Pcに外装部材Thを最も奥に押し込んだ状態の概略平面図である。なお、
図11及び
図12では、説明を容易にするため、保持筒部32の中心軸Cxpを鉛直方向に延びる軸として示している。
【0076】
図9、
図10に示すとおり、取付部31は、保持筒部32と、爪部33と、リンク機構34と、を有する。保持筒部32は、中心軸Cxpを中心に回転可能な円筒状である。中心軸Cxpは、搬送方向Trに対して傾いて配置される。さらに説明すると、搬送シャトル14に保持された物品Pcに対して傾いて配置される。
【0077】
図9、
図10に示すとおり、保持筒部32は、保持溝321と、環状溝322とを有する。保持溝321は、保持筒部32の外周面に形成されて、中心軸Cxpと平行に延びる。保持筒部32において、保持溝321は、周方向に隣り合うように配列される。外装部材Thは、保持溝321に収容されることで、換言すると、嵌ることで保持溝321に保持される。
【0078】
外装部材取付装置300には、不図示の外装部材供給部が備えられており、外装部材供給装置から保持筒部32に外装部材Thが供給される。外装部材供給部から供給される外装部材Thは、保持筒部32の保持溝321が保持するように供給される。保持溝321に供給された外装部材Thの径方向外側の部分には、物品Pcの外面PcOに固定するための固定剤(例えば、接着剤、ホットメルト等)が塗布される。固定剤の塗布は、保持筒部32の保持溝321に保持された後に行われてもよいし、外装部材供給部で行われてもよい。なお、固定剤としてホットメルトを用いる場合、爪部33にホットメルトを昇温させる加熱機能が含まれていてもよい。
【0079】
環状溝322は、保持筒部32の外周面の軸方向中間部に設けられる。本実施形態の取付部31において、環状溝322は、軸方向に離れて配置されている。環状溝322には、爪部33が挿入される。そのため、環状溝322は、爪部33の個数と同数設けられている。環状溝322は、保持溝321に保持された外装部材Thの保持筒部32の径方向内側に爪部33が挿入可能な深さである。
【0080】
爪部33は、リンク機構34によって動作される。爪部33は、固定部331と、突出部332と、凹部333とを有する。固定部331は中心軸Cxpと直交する方向に拡がる板材であり、リンク機構34の後述する従動部345に固定される。
【0081】
突出部332は板材であり、固定部331と一体に形成される。突出部332は、固定部331から保持筒部32にむって延びる。突出部332は、中心軸Cxpに沿う方向から見て、先端が細くなる形状を有する。突出部332の細くなった先端は、環状溝322に進入し、外装部材Thよりも径方向内側に進入できる大きさである。
【0082】
凹部333は、突出部332の第1搬送ルート11と対向する側面に形成される。突出部332が環状溝322に進入したとき、凹部333は、外装部材Thと径方向に重なる位置に配置される。この状態で、爪部33が保持筒部32から離れる方向に移動することで、保持溝321に保持されていた外装部材Thが、爪部33の凹部333に保持されて、保持筒部32から離れる。爪部33の動作の詳細については後述する。
【0083】
リンク機構34は、リンクモーター340と、リンクシャフト341と、偏心回転部342と、揺動シャフト343と、揺動部344と、従動部345と、を有する。リンクモーター340は、リンクシャフト341を回転させる駆動部の一例である。
【0084】
リンクシャフト341は、中心が中心軸Cxpと重なるように配置される。リンクシャフト341は、中心軸Cxpを中心に回転可能である。リンクシャフト341は、リンクモーター340によって回転駆動される。本実施形態のリンク機構34において、リンクモーター340は、電力にて動作する電動モーターである。リンクモーター340は、制御装置800に接続され(
図2参照)、制御装置800からの指示に基づいて動作する。リンクモーター340は、駆動モーター310と同期し回転するように制御される。
【0085】
なお、駆動部としてリンクモーター340に替えて、例えば、駆動モーター310からの出力トルクをリンクシャフト341に伝達する構成を採用してもよい。駆動モーター310の出力をリンクシャフト341に伝達させる場合、保持筒部32とリンク機構34とを同期させやすい。
【0086】
リンクシャフト341は、中心軸Cxpと平行な第1軸Cx1を中心に回転可能に配置される。上述のとおり、リンクシャフト341は、リンクモーター340によって回転される。
図10~
図12に示すように、偏心回転部342は、リンクシャフト341の上端部に固定される。偏心回転部342は、円板状であり、中心線が第1軸Cx1と重なるように、リンクシャフト341に固定される。偏心回転部342は、リンクシャフト341の回転によって第1軸Cx1を中心に回転する。なお、本実施形態において、偏心回転部342は、円板状であるが、これに限定されない。例えば、第1軸Cx1と直交する方向に拡がる長尺弊繁盛であってもよい。
【0087】
偏心回転部342の第1軸Cx1から離れた位置には、第1ピン346が配置される。第1ピン346は、第1可動軸Cx11を中心とする円柱状である。第1可動軸Cx11は、第1軸Cx1と平行であり、偏心回転部342が回転するとき第1軸Cx1を中心に回転される。
【0088】
揺動シャフト343は、中心軸Cxpに沿う方向から見てリンクシャフト341とは別の位置、すなわち、リンクシャフト341から離れた位置に配置される。揺動シャフト343は、中心軸Cxpと平行な第2軸Cx2を中心とする円柱状である。揺動部344は、揺動シャフト343の上部に取り付けられる。揺動部344は、第2軸Cx2を中心として揺動可能である。なお、揺動シャフト343が、例えば、外装部材取付装置300の筐体等に固定され、揺動部344だけが揺動シャフト343に対して揺動してもよい。また、揺動シャフト343に揺動部344を固定し、揺動シャフト343と揺動部344とが一体的に、第2軸Cx2を中心に揺動してもよい。
【0089】
図11、
図12に示すように、揺動部344は、長尺状の板材である。揺動部344は一端で揺動シャフト343に取り付けられている。また、揺動部344の他端には、第2ピン347が配置される。第2ピン347は、第2ピン347は、第2可動軸Cx21を中心とする円柱状である。第2可動軸Cx21は、第2軸Cx2と平行であり、揺動部344が回転するとき第2軸Cx2を中心に揺動される。
【0090】
従動部345は長尺平板状の部材である。従動部345の一端が第1ピン346を介して偏心回転部342に回転可能に取り付けられ、他端が第2ピン347を介して揺動部344に回転可能に取り付けられる。なお、本実施形態では、第1ピン346は偏心回転部342に固定され、第2ピン347は揺動部344に固定されているが、これに限定されない。
【0091】
従動部345には、爪部33が固定されている。
図10に示すように、爪部33は、固定部331を2本のねじBtで従動部345に留めることで、固定される。なお、爪部33の従動部345に対する固定は、ねじBtに限定されず、例えば、溶接、接着、リベット留め等の確実に固定できる固定方法を広く採用することができる。
【0092】
<リンク機構34の動作>
制御装置800は、搬送シャトル14の移動(位置及び速度)及び駆動モーター310と同期させてリンクモーター340を動作させる。リンクモーター340によってリンクシャフト341が第1軸Cx1を中心に回転する。リンクシャフト341の回転により、偏心回転部342が第1軸Cx1周りに回転する。なお、回転方向は、第1軸Cx1に沿う方向から見たときに、反時計回り方向である。
【0093】
これにより、第1ピン346を介して、偏心回転部342に取り付けられた従動部345の一端が偏心回転部342の回転に従って移動する。すなわち、従動部345は、偏心回転部342の回転に連動して移動する。
【0094】
従動部345の他端には第2ピン347を介して揺動部344が回転可能に連結されている。そのため、従動部345の移動に連動して揺動部344が揺動シャフト343、すなわち、第2軸Cx2を中心に揺動する。このように、従動部345は、一端が第1軸Cx1を中心に回転するとともに、他端が第2軸Cx2を中心に揺動する。
【0095】
リンク機構34の構成は、以下のように説明することも可能である。中心軸Cxpに沿う方向から見て、第1軸Cx1を第1節点Nd1、第2軸Cx2を第2節点Nd2、第1可動軸Cx11を第3節点Nd3及び第2可動軸Cx21を第4節点Nd4とする。そして、第1節点Nd1と第3節点Nd3とを繋ぐリンクを第1リンクアームLm1、第2節点Nd2と第4節点Nd4とを繋ぐリンクを第2リンクアームLm2、第3節点Nd3と第4節点Nd4とを繋ぐリンクを第3リンクアームLm3とする。
【0096】
このとき、第1リンクアームLm1は、第1節点Nd1を中心に回転可能である。また、第2リンクアームLm2は、第2節点Nd2を中心に揺動可能である。
【0097】
リンク機構34において、第1リンクアームLm1が第1節点Nd1を中心に回転する。これにより、第1リンクアームLm1によって第3節点Nd3が第1節点Nd1を中心に回転する。第3節点Nd3に接続された第3リンクアームLm3は、第3節点Nd3の回転に従って移動する。また、第3リンクアームLm3の移動に従って、第3リンクアームLm3と第4節点Nd4で繋がれている第2リンクアームLm2は、第2節点Nd2を中心に揺動する。これにより、第3リンクアームLm3は、一端が第1節点Nd1を中心に回転し、他端が第2節点Nd2を中心に揺動する。
【0098】
以上のことより、リンク機構34において、偏心回転部342として第1リンクアームLm1が含まれる形状を広く採用できる。揺動部344として第2リンクアームLm2が含まれる形状を広く採用できる。さらに、従動部345として第3リンクアームLm3が含まれる形状を広く採用できる。
【0099】
そして、取付部31において、従動部345に爪部33が固定されている。これにより、第3節点Nd3と凹部333の中心とを繋いだ線Lnと、第3リンクアームLm3とがなす角αは、従動部345の位置にかかわらず一定である。
【0100】
リンク機構34が上述のように動作することで、爪部33の凹部333は保持筒部32の保持溝321に保持された外装部材Thを取り外すとともに、第1直線レール111に沿って搬送される物品Pcの外面PcOに貼り付ける。ここで、物品Pcの外面PcOに外装部材Thを張り付けるときの凹部333の軌跡Tjについて図面を参照して説明する。
【0101】
図13は、保持筒部32取り外された直後の外装部材Thの位置を示す概略図である。
図14は、外装部材Thを物品Pcの外面PcOに最も深く押し付けている状態を示す概略図である。
図15は、外装部材Thの物品Pcの外面PcOへの取り付けが終了した状態を示す概略図である。
【0102】
図13~
図15には、リンク機構34の動作による凹部333の中心の軌跡Tjを一点鎖線で示す。ここで、軌跡Tjについて説明する。
【0103】
図11に示すように、第1節点Nd1が中心軸Cxpから最も離れているとき、爪部33の凹部333は、保持筒部32の環状溝322に進入し、保持溝321から外装部材Thを取り外す。そして、リンクシャフト341が回転されることで、凹部333は、第1直線レール111に向かって移動する。このときの凹部333の軌跡を第1軌跡Tj1とする。
図12~
図15に示すとおり、第1軌跡Tj1は、保持筒部32から第1直線レール111に向かって接近するとともに、搬送方向Trに移動する。第1軌跡Tj1では、第1直線レール111に急激に接近するとともに、搬送方向Trに緩やかに移動する。
【0104】
そして、
図12に示すように、第3節点Nd3が中心軸Cxpに最接近したとき、凹部333は、第1直線レール111に最接近する。爪部33によって外装部材Thが物品Pcの外面PcOに押し付ける。このとき、物品Pcの外面PcOはたわむ。そのため、外装部材Thを物品Pcの外面PcOにしっかり固定できる。
【0105】
この状態からリンクシャフト341が回転することで、凹部333は、搬送方向Trに移動するとともに第1直線レール111から離れる第2軌跡Tj2に沿って移動する。第2軌跡Tj2では、搬送方向Trに物品Pcの移動と同期して移動するとともに、第1直線レール111から緩やかに離れる。
【0106】
そして、爪部33が物品Pcから離間した後、凹部333は、第3軌跡Tj3に沿って移動する。第3軌跡Tj3は、略直線の軌跡である。第3軌跡Tj3に沿って移動することで、凹部333は環状溝322に進入し、保持溝321に保持された外装部材Thの径方向内側に移動する。その後、再度、第1軌跡Tj1に沿って移動する。
【0107】
リンク機構34の動作によって爪部33が動かされることで、凹部333は、略三角形状の軌跡Tj上を移動する。これにより、外装部材Thを物品Pcの外面PcOにしっかり押し付けるとともに、搬送方向Trに移動する。そのため、搬送方向Trに移動している物品Pcの外面PcOに一定の時間接触して、外装部材Thの取付(貼り付け)を張り付けることができる。これにより、物品Pcの外面PcOの正確な位置に確実に取り付けることができる。
【0108】
また、制御装置800が、駆動モーター310及びリンクモーター340を搬送シャトル14の第1搬送ルート11における位置及び搬送方向Trの速度に基づいて、搬送シャトル14と同期して動作させる。これにより、一定の速度で移動している物品Pcの外面PcOに正確かつ確実に外装部材Thを取り付けることができる。また、物品Pcを保持しない搬送シャトル14が移動してきたとき、検査部30で不可と判定された物品Pcが搬送されてきたとき等、外装部材Thを取り付けない動作にも正確に対応することができる。
【0109】
外装部材取付装置300では、搬送方向Trに移動中の物品Pcに対して外装部材Thを接近させるとともに、外装部材Thを押し付けた状態で搬送方向Trに移動させて、外装部材Thを物品Pcに取り付ける。このように外装部材Thを物品Pcに取り付けるため、爪部33の凹部333の軌跡Tjは、
図13~
図15に示すような、略三角形であることが好ましい。
【0110】
略三角形の軌跡Tjは、第3リンクアームの一端が回転し、他端が揺動することで形成される。そのため、本実施形態の外装部材取付装置300のリンク機構34は、少なくとも3つの可動リンクを有する。そして、軌跡Tjの形状は、各リンクの長さにて決まる。リンク機構34では、上述のとおり、第1リンクアームLm1が回転し、第2リンクアームLm2が揺動する。少なくとも以下の条件を満たす。
【0111】
第1リンクアームLm1は、第2リンクアームの長さよりも短い。そして、第1節点Nd1と第2節点Nd2との距離は、第1リンクアームLm1、第2リンクアームLm2及び第3リンクアームLm3の長さの和よりも短く、第1リンクアームLm1と第2リンクアームLm2の長さの和よりも長い。
【0112】
<箱体供給装置600>
物品Pcを収納する箱体Bxは、段ボール等の紙製のシートShを折り曲げて形成される。箱体供給装置600は、シートShを折り曲げつつ接着固定することで箱体Bxを成形する。このとき、取出方向Puの分岐レール121側の面以外の面を形成する。箱体Bxの分岐レール121側の面は、物品Pcを収納するための収納面である。
【0113】
箱体供給装置600は、シート蓄積部61と、シート取出部62と、成形部63と、シート送り部64と、箱体移動部65とを有する。シート蓄積部61には、シートShが蓄積される。シート蓄積部61は、シートレール610によって移動される。シート蓄積部61に蓄積されたシートShが、シート取出部62にて取り出される。そして、シートShは、シート送り部64によって、成形部63に送られる。成形部63では、シートShの一部を折り曲げるとともに接着して、物品集積部124に近い側の壁部以外の壁部を形成した箱体Bxを形成する。そして、成形部63で形成された箱体Bxは、箱体移動部65にて物品梱包装置700の後述する収納領域70sに送られる。
【0114】
箱体供給装置600は、制御装置800に接続されている。箱体供給装置600は、制御装置800の指示に基づいて動作する。例えば、制御装置800は、成形部63に箱体Bxがないことを確認すると、シート取出部62を動作させて、シートShを取り出すとともに、シート送り部64を動作させてシートShを成形部63に送り、成形部63を動作させて箱体Bxを成形する。そして、箱体搬送部70の後述する箱搬送シャトル702が収納領域70sに移動した後、箱体移動部65を動作させて成形部63にある箱体Bxを収納領域70sに移動させる。
【0115】
分岐レール121の外側Osには、分岐レール121に隣接して配置される物品集積部124が設けられる。物品集積部124には、分岐レール121に沿って搬送される物品Pcを配置する。なお、物品集積部124には、複数の物品Pcが一時的に留め置かれる。このように、複数の物品Pcを集めて一次的に留め置く動作を、物品の集積と称する。物品集積部124には、ガイド壁部1241と、留め壁部1242とを有する。
【0116】
ガイド壁部1241は、物品を取り出す取出方向Puに沿って延びる。ガイド壁部1241は、物品集積部124に配置され、搬送方向に移動可能であるとともに固定可能である。留め壁部1242は、物品集積部124の取出方向Puの後方の先端に配置される留め壁部1242は、物品集積部124の床面1240の下方に隠れることができるとともに上方に突出可能である。
【0117】
<物品取出装置400及び物品収納装置500>
物品取出装置400は、搬送方向Trに並んだ物品Pcを搬送方向Trと交差する取出方向Puに移動させて物品集積部124に集積する。なお、物品処理装置Aにおいて、取出方向Puは、搬送方向Trと直交する外向きである。
【0118】
物品取出装置400は、物品後押部41と、物品当接部42とを有する。物品後押部41が物品Pcの内面PcIと接触し、物品当接部42が物品Pcの外面PcOと接触した状態で物品Pcを支持する。このように、物品Pcを支持した状態を維持して、物品後押部41及び物品当接部42が取出方向Puに移動する。すなわち、物品取出装置400は、集積されて搬送された物品Pcを、分岐レール121から物品集積部124に移動させる。
【0119】
図2に示すように、物品取出装置400は、制御装置800に接続されている。物品取出装置400は、制御装置800の指示に基づいて動作する。例えば、制御装置800は、分岐レール121の取出位置に搬送シャトル14が到達したことを確認した後、物品取出装置400を動作させる。なお、制御装置800は、搬送シャトル14の位置以外の情報に基づいて、物品取出装置400を動作させてもよい。
【0120】
物品収納装置500は、物品集積部124に集積された一定数の物品Pcをまとめて、箱体Bxに移動させる。なお、複数の物品Pcをまとめて箱体Bxに移動させる動作を物品の収納と称する。
【0121】
物品収納装置500は、後部当接部51と、側部当接部52と、前部当接部53と、を有する。後部当接部51は、最も内側Isに配置された物品Pcの内面PcIと接触する。側部当接部52は、物品Pcの搬送方向Trの前端に配置された物品Pcの前面Pcf及び後端に配置された物品Pcの後面Pcrと当接する。前部当接部53は、前端の最も外側Osに配置された物品Pcの外面PcOと当接する。
【0122】
後部当接部51、側部当接部52及び前部当接部53は、隣り合う物品Pc同士が接触した状態で、外端の物品Pcの外面PcO、前端の物品Pcの前面Pcf、後端の物品Pcの後面Pcr及び内端の物品Pcの内面PcIと接触した状態を維持し、取出方向Puに移動する。これにより、集積された複数の物品Pcは、箱体Bxに収容される。
【0123】
図2に示すように、物品収納装置500は、制御装置800に接続されている。物品収納装置500は、制御装置800の指示に基づいて動作する。例えば、制御装置800は、物品取出装置400の動作に基づいて、物品集積部124に所定数の物品Pcが集積されたことを確認した後、物品収納装置500を動作させる。さらに説明すると、物品取出装置400が予め決められた回数、物品Pcを物品集積部124に移動させ、物品取出装置400が退避した後に物品収納装置500を動作させるようにしてもよい。なお、制御装置800は、物品取出装置400の動作情報に基づいて、物品収納装置500を動作させてもよい。
【0124】
物品処理装置Aは、1つ又は複数の物品集積部124を有する。そして、物品集積部124には、それぞれ、1つずつの物品取出装置400及び物品収納装置500が配置される。
【0125】
押え壁部55は、箱体Bxの取出方向Puの前端部と接触して、物品Pcを収納するときの箱体Bxの移動を抑制する。押え壁部55は、上下に移動可能である。
【0126】
<物品梱包装置700>
物品処理装置Aは、物品梱包装置700を有する。物品梱包装置700は、物品集積部124に集積された物品Pcを箱体Bxに梱包する。なお、梱包とは、所定数の物品Pcを箱体Bxに収納した後、箱体Bxを完成させるまでの動作を指す。
【0127】
図1に示すように、物品梱包装置700は、箱体搬送部70と、物品取出装置400と、物品収納装置500と、箱体供給装置600と、箱体送出部7と、を有する。
【0128】
箱体供給装置600は、シートShを折り曲げて箱体Bxを形成し、箱体Bxを箱体搬送部70に供給する。箱体搬送部70は、分岐レール121の外側Osに配置される。箱体搬送部70は、箱体リニアモーター機構を利用した構成を有し、リニアレール701と、箱搬送シャトル702と、を有する。
【0129】
箱体搬送部70において、リニアレール701が延びる方向が箱体Bxの搬送方向、すなわち、箱搬送方向Tbである。リニアレール701は、少なくとも一部が分岐レール121と平行に配置される。
【0130】
箱搬送シャトル702は、箱搬送方向Tbの前側及び後側から箱体Bxを保持して、箱搬送方向Tbに移動することで、箱体Bxを箱搬送方向Tbに搬送する。箱体搬送部70は、箱搬送方向Tbに沿って配置される箱ガイドレール76を有する(
図1参照)。自箱体搬送部70は、複数本の箱ガイドレール76を有し、箱ガイドレール76の上部に箱体Bxが配置される。箱体Bxは、箱搬送シャトル702に搬送されるときに、箱ガイドレール76の上部に摺動可能に配置される。つまり、箱ガイドレール76は、箱体Bxを下方から支持する。
【0131】
箱体搬送部70において、箱体Bxを受け取る収納領域70sで箱搬送シャトル702が停止される。箱搬送シャトル702が停止した状態において、収納領域70sに箱体供給装置600からの箱体Bxが送られる。そして、箱搬送シャトル702が箱搬送方向Tbの前後を保持した状態で、箱搬送シャトル702が箱体Bxを箱搬送方向Tbに搬送する。箱搬送シャトル702は、物品集積部124に近接した受取領域70tに、箱体Bxが配置されるように停止する。
【0132】
箱体搬送部70において、複数の箱搬送シャトル702は、箱リニアモーター機構72によって、それぞれ、独立して駆動される。
図2等に示すように、箱リニアモーター機構72は、複数のコイル721と、マグネット722と、箱搬送リニアドライバ723と、を有する。複数のコイル721は、リニアレール701の内部に箱搬送方向Tbに配列されている。制御装置800は、箱搬送リニアドライバ723に接続されており、制御装置800が箱搬送リニアドライバ723を制御する。これにより、箱搬送シャトル702がリニアレール701に沿って移動する。なお、制御装置800は、箱搬送シャトル702を、それぞれ、独立して制御可能である。
【0133】
物品取出装置400及び物品収納装置500は、物品集積部124の近傍に配置される。物品取出装置400は、分岐レール121に搬送された物品Pcを物品集積部124に移動させて、物品Pcを集積する。物品収納装置500は、物品集積部124に集積させた物品Pcを受取領域70tに移動した箱体Bxに物品Pcを収納させる。
【0134】
<蓋折り部77>
物品梱包装置700では、箱体Bxの物品集積部124側の蓋部を折り曲げる蓋折り部77を有する。箱体Bxは、物品Pcの収納完了時に箱閉じ機構127で箱の扉部を閉じる。扉部は、側壁と一体的に形成されて、内側に折り曲げられる部分である。箱体Bxは扉部を閉じた状態で箱体搬送部70に沿って移動される。扉部を閉じた状態の箱体Bxは、蓋折り部77に移動する。蓋折り部77は、扉部の外側に蓋部を折り曲げ、扉部と蓋部とを接着して、物品Pcが梱包された梱包体Cxを完成させる。蓋折り部77は、下方から箱体Bxの蓋部を押して、折り曲げるとともに蓋部を扉部に接着する。
【0135】
<箱体送出部7>
箱体送出部7は、箱体搬送部70の箱搬送方向Tbの後方の端部の搬出領域70xに配置される。箱体送出部7は、押し出し部78を有する。蓋折り部77で完成された梱包体Cxを検査し、検査で合格になった場合、梱包体Cxの外側Osを押し出し部78で押してOK側(
図1中上方)に送出する。検査で不合格になった場合、梱包体Cxの内側Isを押し出し部78で押してNG側(
図1下方)に送出する。OK側に送られた梱包体Cxは、次の工程に搬出される。
【0136】
物品処理装置Aにおいて箱体送出部7の検査では、主に箱の検査、物品Pcの入り状態を検査する。物品Pc自体は、外装部材取付装置300で合格になっているものである。つまり、箱体送出部7の検査で不合格となった場合でも、収納されている物品Pc自体は、合格品であることが多い。そのため、梱包体CxがNG側に送出される場合であっても、梱包体Cx内の物品Pcが傷まないように取り扱われる。
【0137】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこの内容に限定されるものではない。また本発明の実施形態は、発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の改変を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0138】
A 物品処理装置
Bx 箱体
Cx 梱包体
Pc 物品
Pcf 前面
Pcr 後面
PcI 内面
PcO 外面
Pct 底面
100 物品搬送装置
11 第1搬送ルート
111 第1直線レール
112 第2直線レール
113 第1曲線レール
114 第2曲線レール
12 第2搬送ルート
121 分岐レール
122 合流レール
123 帰還レール
124 物品集積部
13 レール
131 メインレール
132 溝付きレール
133 平面レール
134 溝部
135 隙間
13c 曲線短レール
13s 直線短レール
14 搬送シャトル
140 本体部
141 上ローラー
142 下ローラー
143 凸部
144 内面
145 外面
15 搬送リニアモーター機構
151 コイル
152 マグネット
153 リニアドライバ
16 物品保持部
161 保持板部
1611 貫通孔
1612 凹部
162 物品係合部
163 物品支持部
164 傾斜面
165 後面押圧部
166 前面押圧部
167 後部支持部
168 前部支持部
200 物品送出装置
20 物品供給部
21 ニップローラー
211 ローラーモーター
22 乗換レーン
300 外装部材取付装置
30 検査部
31 取付部
310 駆動モーター
32 保持筒部
33 爪部
333 凹部
34 リンク機構
400 物品取出装置
41 物品後押部
42 物品当接部
500 物品収納装置
51 後部当接部
52 側部当接部
53 前部当接部
600 箱体供給装置
61 シート蓄積部
62 シート取出部
63 成形部
64 シート送り部
65 箱体移動部
Sh シート
700 物品梱包装置
70 箱体搬送部
701 リニアレール
702 箱搬送シャトル
70s 収納領域
70t 受取領域
7 箱体送出部
800 制御装置
801 処理回路
802 記憶回路
Cxp 中心軸
Cx1 第1軸
Cx2 第2軸
Cx11 第1可動軸
Cx21 第2可動軸
Lm1 第1リンクアーム
Lm2 第2リンクアーム
Lm3 第3リンクアーム
Nd1 第1節点
Nd2 第2節点
Nd3 第3節点
Nd4 第4節点
Pc 物品