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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023060540
(43)【公開日】2023-04-28
(54)【発明の名称】箱体供給装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 5/02 20060101AFI20230421BHJP
【FI】
B65B5/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021170193
(22)【出願日】2021-10-18
(71)【出願人】
【識別番号】000141886
【氏名又は名称】株式会社京都製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 祥之
(72)【発明者】
【氏名】南 陽太
(72)【発明者】
【氏名】田中 敦
(72)【発明者】
【氏名】北浦 寛斗
(72)【発明者】
【氏名】野村 祐裕
(72)【発明者】
【氏名】大道 亮太
【テーマコード(参考)】
3E003
【Fターム(参考)】
3E003AA01
3E003AB01
3E003BA01
3E003BB02
3E003BC04
3E003BD05
3E003BE02
3E003DA04
(57)【要約】
【課題】簡単な変更で大きさ、形状が異なる箱体の供給に対応可能な箱体供給装置を提供する。
【解決手段】シートShを重ねて蓄積するシート蓄積部61と、シートShを1枚ずつ取り出すシート取出部62と、シートShの一部を折り曲げ固定して物品集積部124と対向する面以外の側面を立ち上げた箱体Bxを成形する成形部63と、シートShを成形部63に送るシート送り部64と、箱体Bxを箱体搬送部70に設けられた収納領域70sに箱体Bxを移動させる箱体移動部65と、を有する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収納する箱体を供給する箱体供給装置であって、
前記箱体を構成するシートを重ねて蓄積するシート蓄積部と、
前記シート蓄積部から前記シートを1枚ずつ取り出すシート取出部と、
前記シート取出部から取り出された前記シートの一部を折り曲げ固定して前記物品が集積される物品集積部と対向する面以外の側面を立ち上げて前記箱体を成形する成形部と、
前記シート取出部から取り出された前記シートを前記成形部に送るシート送り部と、
前記箱体を搬送するための箱体搬送部に設けられた収納領域に前記箱体を移動させる箱体移動部と、を有する箱体供給装置。
【請求項2】
前記シート取出部は、前記シート蓄積部の上端に配置された前記シートを保持して当該シートを取り出す請求項1に記載の箱体供給装置。
【請求項3】
前記シート送り部は、前記シートに接触して前記シートを送る送りローラーを有し、
前記シート送り部は、前記シートの前記箱体を成形するときに接着される部分に接着剤を塗布する請求項1又は請求項2に記載の箱体供給装置。
【請求項4】
前記成形部は、上方に突出して前記シートの前記箱体の側面部を構成する部分を折り曲げる請求項1から請求項3のいずれかに記載の箱体供給装置。
【請求項5】
前記箱体移動部は、前記箱体の底部の上面に上方から接触して前記底部を保持する底部保持部を有し、
前記箱体移動部は、前記底部保持部が前記底部を保持した状態で前記収納領域に移動する請求項1から請求項4のいずれかに記載の箱体供給装置。
【請求項6】
前記箱体移動部は、前記箱体の底部の上面に上方から接触して前記底部を保持する底部保持部を有し、
前記成形部は、上下に移動可能なステージを有し、
前記ステージは、前記箱体移動部の底部保持部が前記箱体の底部と接触した状態で下方に移動可能であり、
前記ステージが下方に移動した後、前記箱体移動部は、前記底部保持部が前記底部を保持した状態で前記収納領域に移動する請求項4に記載の箱体供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品が収納される箱体を供給する箱体供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2005―145558号公報に記載の箱詰装置では、シートを箱状に組み立てた後、搬送した後、開口から物品を横方向に挿入して箱詰めを行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005―145558号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような箱詰装置の場合、箱の大きさに合わせた箱移動部が設けられるため、箱の大きさが変化すると、それに合わせて箱移動部を変更しなくてはならず、装置の組み替えが大掛かりになる。
【0005】
そこで、簡単な変更で大きさ、形状が異なる箱体の供給に対応可能な箱体供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明の箱体供給装置は、物品を収納する箱体を供給する箱体供給装置である。箱体供給装置は、前記箱体を構成するシートを重ねて蓄積するシート蓄積部と、前記シート蓄積部から前記シートを1枚ずつ取り出すシート取出部と、前記シート取出部から取り出された前記シートの一部を折り曲げ固定して前記物品が集積される物品と対向する面以外の側面を立ち上げて前記箱体を成形する成形部と、前記シート取出部から取り出された前記シートを前記成形部に送るシート送り部と、前記箱体を搬送するための箱体搬送部に設けられた収納領域に前記箱体を移動させる箱体移動部と、を有する。
【0007】
上記構成において、前記シート取出部は、前記シート蓄積部の上端に配置された前記シートを保持して当該シートを取り出す請求項1に記載の箱体供給装置。
【0008】
上記構成において、前記シート送り部は、前記シートに接触して前記シートを送る送りローラーと、前記シートの前記箱体を成形するときに接着される部分に接着剤を塗布する接着剤塗布部と、を有する。
【0009】
上記構成において、前記成形部は、上方に突出して前記シートの前記箱体の側面部を構成する部分を折り曲げる折曲部を有する。
【0010】
上記構成において、前記箱体移動部は、前記箱体の底部の上面に上方から接触して前記底部を保持する底板保持部を有する。前記箱体移動部は、前記底部保持部が前記底部を保持した状態で前記収納領域に移動する。
【0011】
上記構成において、前記箱体移動部は、前記箱体の底部の上面に上方から接触して前記底部を保持する底部保持部を有する。前記成形部は、上下に移動可能なステージを有しする。前記ステージは、前記箱体移動部の底部保持部が前記箱体の底部と接触した状態で下方に移動可能である。前記ステージが下方に移動した後、前記箱体移動部は、前記底部保持部が前記底部を保持した状態で前記収納領域に移動する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、簡単な変更で大きさ、形状が異なる箱体の供給に対応可能な箱体供給装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】物品処理装置の概略配置図である。
図2】物品処理装置の機能ブロック図である。
図3】物品を保持した搬送シャトル及び単体の搬送シャトルが直線状のレールに沿って移動している状態を外側から見た図である。
図4】図に示す搬送シャトルの平面図である。
図5】搬送シャトルの搬送方向の後側から見た図である。
図6】図は、第2搬送ルートの分岐レールを移動する搬送シャトルを搬送方向後側から見た図である。
図7】物品を保持した搬送シャトルが第1曲線レールを移動している状態を示す平面図である。
図8】複数の物品を複数の搬送シャトルで搬送している状態を外側から見た図である。
図9】箱体供給装置の概略配置図である。
図10】シートを取り出した状態の箱体供給装置の概略配置図である。
図11】シートの扉部を折り曲げた状態の箱体供給装置の概略配置図である。
図12】扉部が折り曲げられた状態のシートを示す平面図である。
図13】側壁部が折り曲げた状態の箱体供給装置の概略配置図である。
図14】側壁部が折り曲げられた状態のシートを示す平面図である。
図15】蓋部が折り曲げられた状態の箱体供給装置の概略配置図である。
図16】形成された箱体の平面図である。
図17】箱体を収納領域に移動させた状態の箱体供給装置の概略配置図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、本実施形態において、図1に示す物品処理装置Aを基準として、方向を定義する。後述する物品搬送装置100の物品搬送部10において、時計回り方向を後述の搬送シャトル14の移動方向、すなわち、搬送方向Trとする。さらに、第1搬送ルート11のループを基準として、外側Os、内側Isを定義する。また、物品Pc、搬送シャトル14、箱搬送シャトル702、箱体Bxの移動方向において、前側及び後側は、次のとおり定義する。現在の位置に対して未来に到達する側を前側する。逆に、現在の位置に対して過去に位置していた側を後側とする。また、物品Pcにおいて、物品搬送装置100の物品搬送部10にて搬送されている状態を基準として、各面を定義する。つまり、搬送方向Trの前側の面が前面Pcf、後側の面が後面Pcr、外側の面が外面PcO、内側の面が内面PcIである。また、物品Pcの底部の面を底面Pctとする。
【0015】
<物品処理装置A>
図1は、物品処理装置Aの概略配置図である。物品処理装置Aは、例えば、紙等で形成され、内部に液体の収容物が充填された略直方体状の物品(被搬送物ともいう)Pcを搬送する。そして搬送しつつ、搬送しつつ外装等の検査を行う。そして、検査に合格した物品Pcを搬送しつつストロー等の外装部材を取り付ける。その後、物品Pcを所定数ずつ集積して、箱体に収納する。そして、物品Pcが収納された箱体Bxを、外部に搬出する。
【0016】
物品処理装置Aは、物品搬送装置100と、物品送出装置200と、外装部材取付装置300と、物品取出装置400と、物品収納装置500と、箱体供給装置600と、物品梱包装置700と、制御装置800と、を有する。
【0017】
<制御装置800>
ここで制御装置800の詳細について説明する。図2は、物品処理装置Aの機能ブロック図である。図2に示すように、制御装置800は、処理回路801と、記憶回路802とを有する。処理回路801は、各種情報を処理する回路であり、CPU、MPU等の演算回路を有する。また、処理回路801は、処理結果に基づいて、物品搬送装置100、物品送出装置200、外装部材取付装置300、物品取出装置400、物品収納装置500及び箱体供給装置600と接続され、各装置を制御する。
【0018】
記憶回路802は、ROM、RAM等の半導体メモリー、フラッシュメモリー等の可搬性を有するメモリーおよびハードディスク等の記憶媒体を含むまたは接続される回路である。記憶回路802で、制御プログラムまたは処理プログラム等の各種プログラムを記憶しておき、必要に応じて処理に対応したプログラムを呼び出すとともに処理回路801でプログラムを動作させて、処理を行うようにしてもよい。制御装置800に接続される要素およびその制御については、各要素の説明時に説明する。
【0019】
<物品搬送装置100>
物品搬送装置100の詳細について説明する。図3は、物品Pcを保持した搬送シャトル14及び単体の搬送シャトル14が直線状のレール13に沿って移動している状態を外側Osから見た図である。図4は、図3に示す搬送シャトル14の平面図である。図5は、搬送シャトルの搬送方向Trの後側から見た図である。図6は、第2搬送ルート12の分岐レール121を移動する搬送シャトル14を搬送方向後側から見た図である。物品搬送装置100は、第1搬送ルート11及び第2搬送ルート12を含む物品搬送部10と、搬送シャトル14と、を有する。
【0020】
<第1搬送ルート11>
第1搬送ルート11は、第1直線レール111と、第2直線レール112と、第1曲線レール113と、第2曲線レール114とを有する。第1直線レール111及び第2直線レール112は、並んで配置される。第1搬送ルート11では、第1直線レール111と第2直線レール112の両端を、それぞれ、第1曲線レール113及び第2曲線レール114で連結して、環状に形成される。第1直線レール111、第2直線レール112、第1曲線レール113及び第2曲線レール114は、同一の構造を有しており、これらを代表してレール13と称する場合がある。
【0021】
第1搬送ルート11において、搬送シャトル14は、第1搬送ルート11の第1直線レール111、第2直線レール112、第1曲線レール113及び第2曲線レール114の外側Osの面に配置される。そして、搬送シャトル14は、環状の第1搬送ルート11に沿って移動可能である。
【0022】
第1直線レール111及び第2直線レール112は、搬送方向Trに直線短レール13sを連結して形成されている。直線短レール13sの連結数を変更することで、第1直線レール111及び第2直線レール112の長さを変更できる。
【0023】
さらに、第1曲線レール113及び第2曲線レール114は、円弧状としているが、これに限定されない。たとえば、一部が曲線状に形成されていてもよい。また、曲線状の部分として、円弧状に限らず、いわゆる、クロソイド曲線状であってもよい。また、これら以外の曲線状であってもよい。第1曲線レール113及び第2曲線レール114は、曲線短レール13cを連結して形成されている。曲線短レール13cとして、異なる形状、長さのものを準備しておき、物品搬送部10のループ形状に合わせて組み合わせることで、多様な形状に対応可能である。
【0024】
<レール13>
レール13は、メインレール131と、溝付きレール132と、平面レール133とを有する(図3図5参照)。メインレール131は、搬送方向Trと直交する面で切断した切断面が長方形状の筒体である。メインレール131は、例えば、一部のステンレス鋼、アルミニウムおよびその合金を挙げることができるが、これに限定されない。
【0025】
溝付きレール132は、メインレール131の上部に固定される。溝付きレール132は、搬送方向Trと交差する方向の外面から凹んだ溝部134を有する。溝付きレール132は、2個の溝部134を有する。2個の溝部134は、上下に並んで配置される。
【0026】
なお、メインレール131と溝付きレール132との固定は、溶接、ねじ止め等を採用できるが、これに限定されない。メインレール131と溝付きレール132とを一体的に形成してもよい。第1搬送ルート11の全周において、溝部134は、外側Osに配置される。図3及び図5に示すように、メインレール131と溝付きレール132との間には、隙間135が形成される。
【0027】
平面レール133は、メインレール131の下部に固定される。なお、メインレール131と平面レール133との固定は、溶接、ねじ止め等を採用できるが、これに限定されない。メインレール131と平面レール133とを一体的に形成してもよい。
【0028】
第1直線レール111及び第2直線レール112は、直線短レール13sを連結して形成されているが、1つのレールで形成されてもよい。同様に、第1曲線レール113及び第2曲線レール114も、1つのレールで形成されてもよい。
【0029】
<第2搬送ルート12>
図1に示すとおり、第2搬送ルート12は、第1搬送ルート11の第1直線レール111から分岐し、折り返した後、第1搬送ルート11の第2直線レール112に合流する。図1に示すとおり、第2搬送ルート12は、分岐レール121と、合流レール122と、帰還レール123とを有する。
【0030】
分岐レール121及び合流レール122とは、直線であり、溝部134が内側Isに配置される以外、第1直線レール111及び第2直線レール112と同様の構成を有する。そのため、レール13の構成について同様の構成の部分の詳細な説明は省略し、同じ符号を付す。
【0031】
分岐レール121の搬送方向Trの後側の端部は、第1搬送ルート11の第1直線レール111の搬送方向Trの前側の端部の外側Osに対向して配置される。分岐レール121と第1直線レール111とが対向する部分が分岐点P1である。
【0032】
合流レール122の搬送方向Trの前側の端部は、第1搬送ルート11の第2直線レール112の搬送方向Trの後側の端部の外側Osに対向して配置される。合流レール122と第2直線レール112とが対向する部分が合流点P2である。
【0033】
帰還レール123は、第1曲線レール113及び第2曲線レール114と同じ構成である。帰還レール123の搬送方向Trの後側の端部は、分岐レール121の搬送方向Trの前側端部の内側Isに対向して配置される。同様に、帰還レール123の搬送方向Trの前側の端部は、合流レール122の搬送方向Trの後側端部の内側Isに対向して配置される。
【0034】
<搬送シャトル14>
次に、搬送シャトル14について説明する。
【0035】
搬送シャトル14は、本体部140と、物品保持部16とを有する。本体部140には、搬送リニアモーター機構15のマグネット152が配置される。なお、マグネット152は本体部140の内部に収容され、メインレール131に配置されたコイル151と搬送方向Trと交差する方向に対向する。
【0036】
搬送シャトル14の本体部140は、第1面144と、第2面145とを有する。また、本体部140は、凸部143を有する。凸部143は、メインレール131と溝付きレール132との間に形成された隙間135に嵌る。凸部143が隙間135に嵌ることで、本体部140のずれが抑制される。
【0037】
本体部140には、2個の上ローラー141が配置される。2個の上ローラー141は、本体部140に回転可能に支持される。詳しく説明すると、上ローラー141は、搬送方向Trと直交するとともに、レール13の外面と平行な回転軸周りに回転可能に配置される。2個の上ローラー141は、搬送方向Trに離れているとともに、上下方向に異なる位置に配置される。本実施形態における本体部140では、搬送方向Trの前側の上ローラー141(図3参照)が、上になるように配置される。
【0038】
本体部140には、2個の下ローラー142が配置される。2個の下ローラー142は、本体部140に回転可能に支持される。下ローラー142は円柱状である。2個の下ローラー142は、搬送方向Trに離れているとともに、上下方向に異なる位置に配置される。本実施形態における本体部140では、搬送方向Trの前側の下ローラー142(図3参照)が、下になるように配置される。
【0039】
物品保持部16は、本体部140の上部に固定される。物品保持部16は、保持板部161と、物品係合部162と、物品支持部163とを有する。保持板部161は、板状であり、本体部140よりも内側Isに配置され、上方に延びる。保持板部161の搬送方向Tr前側は、前側に向かって内側に傾斜した傾斜面164を有する。また、保持板部161には、貫通孔1611と、搬送方向Trの両端に設けられた凹部1612とを有する。凹部1612は、貫通孔1611よりも下に搬送方向に並んで配置される。
【0040】
物品保持部16は、2個の物品係合部162を有し、上下に並んで保持板部161に固定される。各物品係合部162の一方は保持板部161の上方に配置され、他方は貫通孔1611を貫通して、保持板部161よりも外側Osに突出する。
【0041】
物品係合部162は、搬送方向前部に設けられる後面押圧部165と、搬送方向後部に設けられる前面押圧部166とを有する。後面押圧部165及び前面押圧部166は、突出方向の中間部分が搬送方向Trに膨らんだ曲面状である(図4等参照)。
【0042】
物品支持部163は、保持板部161に固定される。物品支持部163は、後部支持部167と、前部支持部168とを有する。後部支持部167は、搬送方向Trにおいて、後面押圧部165よりも前側に配置される。また、前部支持部168は前面押圧部166よりも後側に配置される。後部支持部167及び前部支持部168の上面は、同じ高さである。なお、後部支持部167と前部支持部168とが一体に形成されていてもよい。搬送シャトル14は以上示した形状を有する。
【0043】
<搬送リニアモーター機構15>
物品搬送装置100において、複数の搬送シャトル14は、搬送リニアモーター機構15によって、それぞれ、独立して駆動される。搬送リニアモーター機構15は、複数のコイル151と、マグネット152と、リニアドライバ153と、を有する。複数のコイル151は、第1搬送ルート11を構成するレール13の内部及び第2搬送ルート12を構成するレール13の内部に配列されている。
【0044】
マグネット152は、永久磁石であり搬送シャトル14の本体部140に配置される。図5に示すように、マグネット152は、本体部140の内部に配置される。本体部140は、磁石に引っ付かない材料で形成されている。そのため、マグネット152の磁力は、本体部140の外部に漏れる。そして、マグネット152は、コイル151と磁力を付与しあうことができるように配置される。本体部140に配置されたマグネット152と、レール13の内部に配置された複数のコイル151とでリニアモーターが形成される。
【0045】
リニアドライバ153は、各コイル151と接続される(図2参照)。リニアドライバ153は、不図示の電源回路に接続されている。リニアドライバ153は、コイル151に供給する電力を制御する回路であり、演算処理回路、各コイル151に供給する電圧および電流を調整する電力供給回路等の回路を含む。リニアドライバ153は、制御装置800からの指示に基づいて、各コイル151に適切な電流を供給する。
【0046】
制御装置800は、搬送シャトル14を独立して移動させることができる。なお、制御装置800は、複数の搬送シャトル14を個別に動作をさせることができるとともに、同期して動作させることも可能である。また、制御装置800は、搬送シャトル14の位置を取得できる。
【0047】
搬送シャトル14において、物品保持部16は、本体部140の上方に配置される。このことから、本体部140の第1面144の内側及び第2面145の外側には、構成部材が配置されない。そのため、上ローラー141及び下ローラー142の径方向外縁部が、第1面144よりも内側Is及び第2面145よりも外側Osに突出する。
【0048】
これにより、第1搬送ルート11において、搬送シャトル14は、第1直線レール111、第2直線レール112、第1曲線レール113及び第2曲線レール114の外側Osに沿って移動できる。また、搬送シャトル14は、第2搬送ルート12において、分岐レール121及び合流レール122の内面に沿って移動できる。また、搬送シャトル14は、第2搬送ルート12において、帰還レール123の外面に沿って移動できる。
【0049】
さらに詳しく説明すると、搬送シャトル14は、第1搬送ルート11において、レール13の外側Osに沿って移動可能である。本体部140は、例えば、マグネット152の磁力によって、第1搬送ルート11のレール13の外側Osに吸着されている。なお、レール13に磁石を吸着する鉄等の金属で形成された吸着部を備えていてもよいし、コイル151に備えられた鉄心とマグネット152との磁力によって吸着されてもよい。
【0050】
第1搬送ルート11において、上ローラー141および下ローラー142がレール13と接触することで、本体部140の第1面144がレール13の外面と一定の間隔を開けて配置される。つまり、本体部140は、上下を上ローラー141及び下ローラー142でレール13の外面に移動可能に支持される。
【0051】
搬送シャトル14は、搬送方向Trに配列された上ローラー141および下ローラー142が上下にずれている。このため、搬送シャトル14が、搬送方向Trに接近した場合でも、上ローラー141同士または下ローラー142同士が干渉しにくい。そのため、搬送シャトル14を搬送方向Trに前後に接近して配置可能及び接近した状態で移動可能である。
【0052】
図6に示すように、搬送シャトル14は、第2搬送ルート12において、分岐レール121及び合流レール122の内側Isに沿って移動可能である。本体部140は、内部に配置されたマグネット152の磁力によって、分岐レール121及び合流レール122の内面に吸着されている。なお、レール13に磁石を吸着する鉄等の金属で形成された吸着部を備えていてもよいし、コイル151に備えられた鉄心とマグネット152との磁力によって吸着されてもよい。
【0053】
上ローラー141及び下ローラー142が分岐レール121及び合流レール122と接触することで、本体部140の第2面145が分岐レール121及び合流レール122の内面と一定の間隔を開けて対向して配置される。つまり、本体部140は、上下を上ローラー141及び下ローラー142で分岐レール121及び合流レール122の内面に移動可能に支持される。
【0054】
このような構成とすることで、第1直線レール111、第2直線レール112、分岐レール121及び合流レール122に配置されるコイル151の制御で、搬送シャトル14を分岐点P1で分岐可能であるとともに、合流点P2で合流可能である。つまり、簡単な構成であるとともに、簡単な制御で、搬送シャトル14を分岐、合流させることができる。
【0055】
つまり、制御装置800は、第1直線レール111を移動する搬送シャトル14を、分岐点P1で、第1曲線レール113又は分岐レール121のどちらかに分岐可能である。また、制御装置800は、第2搬送ルート12の合流レール122を移動する搬送シャトル14を、合流点P2で、第2直線レール112に合流可能である。
【0056】
<搬送シャトル14による物品Pcの保持>
次に、搬送シャトル14による物品Pcの保持について説明する。物品Pcは、搬送方向Trに並んで配置された2つの搬送シャトル14にて、搬送方向Trの前後から保持される。
【0057】
搬送方向Tr前側に配置された搬送シャトル14の前部支持部168が物品Pcの底面の前部の内側を支持し、前面押圧部166が物品Pcの前面Pcfを押圧する。物品Pcの搬送方向Tr前側に配置された搬送シャトル14の後部支持部167が物品Pcの底面Pctの後部の内側を支持し、後面押圧部165が物品Pcの後面Pcrを押圧する。このとき、物品Pcの内面PcIは保持板部161と接触する。
【0058】
ここで物品Pcが、内部に液体の収容物が充填された略直方体状の場合、物品Pcの前面Pcfは、前面押圧部166に押圧されて中間部分が凹む。同様に、物品Pcの後面Pcrは、後面押圧部165に押圧されて中間部分が凹む。このように、前面Pcf及びPcrがそれぞれ、前面押圧部166及び後面押圧部165に押圧されて凹むことで、物品Pcの外側Osへの移動が制限される。また、物品Pcの内面PcIが保持板部161と接触することで、物品Pcの内側Isへの移動も制限される。これにより、2つの搬送シャトル14で、物品Pcをしっかり保持できる。なお、物品Pcの搬送方向Trの前後に配置される搬送シャトル14は、同じ形状である。
【0059】
図7は、物品Pcを保持した搬送シャトル14が第1曲線レール113を移動している状態を示す平面図である。後面押圧部165及び前面押圧部166が各々、外側に膨らんだ、略曲面状であるので、物品係合部162の突出方向が平行でない場合にも物品Pcの前面Pcf及び後面Pcrを適度に押圧できる。そのため、図7に示すような、第1曲線レール113のような曲線部を移動する場合であっても、搬送シャトル14が物品Pcを保持できる。なお、搬送シャトル14が物品Pcを保持して移動可能な曲線部の曲率は、後面押圧部165及び前面押圧部166の形状によって変わる。
【0060】
図8は、複数の物品Pcを複数の搬送シャトル14で搬送している状態を外側Osから見た図である。図8は、搬送方向Trに並んだ3つの搬送シャトル14によって、2つの物品を保持している状態を示している。図8に示すように、搬送方向Trの前側の搬送シャトル14の前部支持部168が前側の物品Pcの底部の前部の内側を支持し、前面押圧部166が前側の物品Pcの前面Pcfを押圧する。また、搬送方向Trの中央の搬送シャトル14の後部支持部167が前側の物品Pcの底部の後部の内側を支持し、後面押圧部165が前側の物品Pcの後面Pcrを押圧する。これにより、前側の物品Pcが保持される。
【0061】
さらに、搬送方向Trの中央の搬送シャトル14の前部支持部168が後側の物品Pcの底部の前部の内側を支持し、前面押圧部166が後側の物品Pcの前面Pcfを押圧する。また、搬送方向Trの後側の搬送シャトル14の後部支持部167が後側の物品Pcの底部の後部の内側を支持し、後面押圧部165が後側の物品Pcの後面Pcrを押圧する。これにより、後側の物品Pcが保持される。図8に示すように、搬送シャトル14は、周方向に3個並べることで、2個の物品Pcを保持できる。なお、保持できる物品Pcは、2個に限定されず、3個以上であってもよい。すなわち、物品Pcの数+1の搬送シャトル14を用意することで、複数の物品Pcを保持することができる。
【0062】
物品処理装置Aにおいて、第2搬送ルート12の分岐レール121にあるとき、複数の搬送シャトル14が、複数の物品Pcを保持して搬送方向Trに移動できる。なお、第1搬送ルート11の第1直線レール111にあるとき、複数の搬送シャトル14が複数の物品Pcを保持していてもよい。また、分岐点P1で第1搬送ルート11から第2搬送ルート12に移動するとき、所定数の物品Pcをまとめるようにしてもよい。1つ又は少数の物品Pcをまとめることを集約すると称する。なお、図1に示すように、物品搬送装置100において、分岐レール121の分岐点P1から後述する物品集積部124の間の部分に集約領域Ar1が設定されている。
【0063】
<物品送出装置200>
図1に示すように、物品送出装置200は、物品供給部20と、物品送出部21と、乗換レーン22と、を有する。物品Pcは物品供給部20によって、例えば、収容物充填工程等の前工程から、物品処理装置Aに搬入される。物品供給部20は、略直方体状の物品Pcを搬送するコンベヤである。物品供給部20の上面に物品Pcを載置した状態で、上面を移動させることで、物品Pcは、物品供給部20に沿って移動する。なお、物品供給部20における物品Pcの移動方向を、供給方向Tsとする。
【0064】
物品供給部20は、ベルトコンベヤやトップチェーンコンベヤなど、一般的な搬送コンベヤを用いることができる。ここでは、物品供給部20は、ベルトコンベヤを用いた供給コンベヤ201を有する(図1等参照)。物品供給部20は、供給コンベヤ201は、制御装置800に接続されており、制御装置800からの指示に従って駆動される。通常、供給コンベヤ201は、一定速度で物品を搬送できるように駆動される。
【0065】
物品送出部21は、物品供給部20の搬送方向Trの前側端部に配置される。物品送出部21は、対をなして配置される複数のニップローラー211と、乗換レーン22とを有する。図1に示すように、ニップローラー211は、物品供給部20の供給方向Tsと直交する方向に対をなして配置され、物品Pcの側面(ここでは、内面PcI及び外面PcO)と接触する。なお、ニップローラー211の表面は、物品Pcの表面との摩擦が高くなる材料で形成されている。物品送出部21では、3対のニップローラー211が供給コンベヤ201に沿って等間隔で並んで配置される。
【0066】
ニップローラー211は、制御装置800に接続されたローラーモーター212(図2参照)によって回転される。制御装置800によってローラーモーター212の回転が制御され、ニップローラー211の回転速度が調整される。これにより、物品Pcが供給方向Tsに加減速される。そして、対をなすニップローラー211で加減速された物品Pcは、乗換レーン22に移動する。
【0067】
物品Pcは、乗換レーン22上を供給方向Tsに移動する。乗換レーン22の供給方向Tsの前側の端部は、乗換部R1である。物品Pcは、乗換部R1において、供給方向Tsに並んだ搬送シャトルに保持される。物品Pcは、搬送シャトル14に保持された状態で、第1搬送ルート11に沿って搬送される。
【0068】
<外装部材取付装置300>
外装部材取付装置300は、物品搬送装置100の物品搬送部10の外側Osに配置されて、物品Pcの外面PcOに外装部材Thを取り付ける(図3参照)。外装部材Thは、ここではストローであるが、これに限定されない。外装部材取付装置300は、樹脂製の袋に収納された状態で物品Pcの外面PcOに貼り付けられる。外装部材取付装置300は、第1搬送ルート11の第1直線レール111の外側Osに配置される。そして、第1直線レール111に沿って移動する搬送シャトル14にて保持される物品Pcの外面PcOに外装部材Thを取り付ける(貼付する)。
【0069】
外装部材取付装置300は、検査部30と、取付部31とを有する。検査部30は、物品Pcの状態を検査する。検査部30は、例えば、不図示の撮像部で撮像画像を取得し、撮像画像の画像処理結果に基づいて、物品Pcの状態の可否を判断する。物品Pcが、紙基材の略直方体形状の容器の場合、検査部30は、接着部の状態、接着時の加熱による焦げ等の確認を行う。
【0070】
取付部31は、装置を駆動する駆動モーター310(図2参照)を有する。外装部材取付装置300は、駆動モーター310の動作によって、外装部材Thを移動している物品Pcの外側Osの側面に貼付する。
【0071】
図2に示すように、外装部材取付装置300の、検査部30、駆動モーター310は、制御装置800に接続される。制御装置800は、検査部30で合格となった物品にのみ外装部材Thを添付するように、駆動モーター310を動作させる。また、制御装置800は、例えば、リニアドライバ153からの情報に基づいて、搬送シャトル14の位置を取得する。搬送シャトル14の位置に基づいて、駆動モーター310を駆動する。これにより、制御装置800は、搬送シャトル14の搬送方向Trの速度に同期して、駆動モーター310を駆動する。その結果、搬送シャトル14、つまり、物品Pcの移動速度を維持した状態で、外装部材Thを取り付けることができる。
【0072】
制御装置800が、物品Pcの位置、換言すると、移動速度を取得し、物品Pcの位置に基づいて、駆動モーター310を動作させるため、外装部材Thを取り付けない物品Pcが含まれる場合でも、物品Pcの搬送速度を低下させなくてもよい。これにより、物品処理装置Aの生産効率の低下を抑制できる。
【0073】
なお、検査部30で不良品であると判定された物品Pcは、搬送シャトル14で挟んだ状態を維持しつつ、分岐点P1から第1曲線レール113を経由して、第2直線レール112に搬送する。そして、第2直線レール112に近接して配置された、不図示の不良品回収部にて不良品と判定された物品を回収する。不良品と判定された物品Pcは、下方に落下させることで回収する構成を採用できるが、これに限定されない。
【0074】
<箱体供給装置600>
図9は、箱体供給装置600の概略配置図である。図10は、シートShを取り出した状態の箱体供給装置600の概略配置図である。図11は、シートShの扉部Sh3を折り曲げた状態の箱体供給装置600の概略配置図である。図12は、扉部Sh3が折り曲げられた状態のシートShを示す平面図である。図13は、側壁部Sh2が折り曲げた状態の箱体供給装置600の概略配置図である。図14は、側壁部Sh2が折り曲げられた状態のシートShを示す平面図である。図15は、蓋部Sh4が折り曲げられた状態の箱体供給装置600の概略配置図である。図16は、形成された箱体Bxの平面図である。図17は、箱体Bxを収納領域70sに移動させた状態の箱体供給装置600の概略配置図である。
【0075】
物品Pcを収納する箱体Bxは、段ボール等の紙製のシートShを折り曲げて形成される。箱体供給装置600は、シート蓄積部61に蓄積されたシートShを取出し、折り曲げつつ接着固定することで箱体Bxを成形する。箱体Bxは、取出方向Puの分岐レール121側の面以外の面を形成した収容体である。箱体Bxの分岐レール121側の面は、物品Pcを収納するための収納面である。
【0076】
図9等に示すように、箱体供給装置600は、シート蓄積部61と、シート取出部62と、成形部63と、シート送り部64と、箱体移動部65とを有する。シート蓄積部61は、箱体Bxを構成するシートShを重ねて蓄積する。シート蓄積部61は、シートレール610に配置され、シートレール610上を移動する(図1参照)。なお、本実施形態の箱体供給装置600において、シートレール610は、物品梱包装置700の後述するリニアレール701に沿って配置されるが、これに限定さない。シート蓄積部61は、蓄積されるシートShの枚数にかかわらず、最も上に配置されたシートShの上面が同じ位置になるように、上下に移動可能である。
【0077】
シート取出部62は、シート蓄積部61に蓄積されたシートShを1枚ずつ取り出す。さらに説明すると、シート取出部62は、本体部621と、スライド部622と、吸着部623とを有する。本体部621は、シート蓄積部61の上部に配置される。スライド部622は、本体部621に対して摺動可能である。摺動方向は、本体部621から物品梱包装置700の後述する収納領域70sに接近及び離間する方向である。
【0078】
吸着部623は、例えば、吸盤等のシートShを吸着可能な構成を有する。吸着部623は、シート蓄積部61の最も上に配置されたシートShを吸着するとともに、シート蓄積部61から持ち上げる。
【0079】
シート送り部64は、下面に送りローラー641を有する。送りローラー641はシートShの上面と接触する。そして、送りローラー641が回転することで、シートShが送られる。
【0080】
成形部63は、シートShの一部を折り曲げて箱体Bxを形成する。ここで、シートShについて説明する。図12等に示すように、シートShは、長方形状の底部Sh1と、底部Sh1の箱搬送方向Tbの辺と隣接する長方形状の側壁部Sh2と、側壁部Sh2の分岐レール121の箱搬送方向Tbと直交する方向の両辺と隣接する扉部Sh3と、シートShの底部Sh1の箱搬送方向Tbと直交する方向の両辺と隣接する蓋部Sh4と、とを有する。
【0081】
図9図17に示すように、成形部63は、ステージ631と、扉折り部632と、蓋折り部633と、側部折り部634とを有する。ステージ631は、シートShの底部Sh1が配置される。なお、シート送り部64は、底部Sh1がステージ631の上部に配置されるようにシートShを送る。
【0082】
扉折り部632は、上下に移動可能であり、分岐レール121と反対側の扉部Sh3を側壁部Sh2に対して折り曲げる。蓋折り部633は、上下に移動可能であり蓋部Sh4を底部Sh1に対して折り曲げる。側部折り部634は、側壁部Sh2を底部Sh1に対して折り曲げる。ステージ631は、箱体Bxの形成時に下方に移動する。ステージ631が下方に移動することで、シートShの側壁部Sh2の位置決めを行うことができる。
【0083】
箱体移動部65は、成形部63で形成された箱体Bxの底部を保持し、箱体Bxを収納領域70sに移動させる。箱体移動部65は、例えば、箱体Bxの底部に設けられた孔部に係合可能な突起を有し、突起を係合させた状態で移動することで箱体Bxを移動させる底部保持部651を有する。
【0084】
なお、図9等に示すように、箱体移動部65は、2アームのロボットとしているが、これに限定されない。上下方向及び箱体Bxを供給する方向に直線移動可能な構成を広く採用することができる。また、底部保持部651は、箱体Bxの底部を保持する構成であるが、これに限定されない。例えば、箱体Bxの一部、例えば、底部を吸着する構成であってもよい。
【0085】
図2に示すように、箱体供給装置600は、制御装置800に接続されている。箱体供給装置600は、制御装置800の指示に基づいて動作する。例えば、制御装置800は、箱体搬送部70の箱搬送シャトル702が収納領域70sに移動した後、箱体移動部65が成形部63で成形された箱体Bxを収納領域70sに移動させる。
【0086】
分岐レール121の外側Osには、分岐レール121に隣接して配置される物品集積部124が設けられる。物品集積部124には、分岐レール121に沿って搬送される物品Pcを配置する。なお、物品集積部124には、複数の物品Pcが一時的に留め置かれる。このように、複数の物品Pcを集めて一次的に留め置く動作を、物品の集積と称する。物品集積部124には、ガイド壁部1241と、留め壁部1242とを有する。
【0087】
ガイド壁部1241は、物品を取り出す取出方向Puに沿って延びる。ガイド壁部1241は、物品集積部124に配置され、搬送方向に移動可能であるとともに固定可能である。留め壁部1242は、物品集積部124の取出方向Puの後方の先端に配置される留め壁部1242は、物品集積部124の床面1240の下方に隠れることができるとともに上方に突出可能である。
【0088】
箱体供給装置600による箱体Bxの供給動作の詳細について説明する。制御装置800は、シート取出部62を動作させて、シート蓄積部61の上端のシートShを吸着部623で吸着する。そして、スライド部622をスライドさせ、シートShをシート送り部64に受け渡す。具体的には、シートShをシート送り部64の送りローラー641とシートShとを接触させる(図10参照)。
【0089】
制御装置800は、シート送り部64の送りローラー641を制御して、シートShを成形部63に送る。具体的には、シートShの底部Sh1がステージ631の決められた位置に停止するように、シートShを送る(図11参照)。このとき、ステージ631は、シート送り部64の送りローラー641と上下に対向する支持面と同じ高さになるように上昇した位置に配置される。
【0090】
この状態で、制御装置800は、箱体移動部65を移動させて、シートShの底部Sh1を上方から押える(図11参照)。これにより、シートShは、ステージ631と箱体移動部65とによって、保持される。制御装置800は、扉折り部Sを上昇させる(図11参照)このとき、まず扉折り部632がシートShの分岐レール121と反対側の扉部Sh3と接触し、扉部Sh3を上方に折り曲げる(図11図12参照)。
【0091】
扉部Sh3の折り曲げが行われた後、制御装置800は、側部折り部634を上昇させる(図13参照)。これにより、扉部Sh3が折り曲げられた状態の側壁部Sh2が側部折り部634と接触し、側壁部Sh2が底部Sh1に対して上方に折り曲げられる(図14参照)。これにより、底部Sh1から側壁部Sh2が上方に突出し、さらに側壁部Sh2の分岐レール121と反対側の扉部Sh3が内側に折り曲げられた状態に形成される(図14参照)。
【0092】
そして、蓋折り部633が上昇することで蓋部Sh4が底部Sh1に対して上方に折り曲げられる。このとき、制御装置800は、ステージ631及び箱体移動部65を下方に移動させる。これにより、側壁部Sh2及び蓋部Sh4が確実に折り曲げられる。なお、シート送り部64でシートを送るときに、蓋折り部633に接着剤が塗布される。そして、蓋部Sh4が折り曲げられるときに、扉部Sh3に接着される。なお、蓋部Sh4が扉部Sh3に接着されるとき、扉部Sh3は、箱体移動部65に押圧される。これにより、蓋部Sh4が確実に扉部Sh3に接着される。これにより、分岐レール121側の面が開いた箱体Bxが形成される(図16参照)。
【0093】
そして、箱体移動部65を分岐レール121側に移動することで、箱体Bxが収納領域70sに移動される(図17参照)。
【0094】
箱体供給装置600では、箱体移動部65が成形部63で形成された箱体Bxの一部と係合して、箱体Bxを移動させる。そのため、箱体移動部65が係合可能な範囲において、異なる形状及び大きさの箱体Bxを移動可能である。
【0095】
また、図17に示すような、次工程につなげるための移動においては、箱体Bxは基準位置へ移動させることが要求される場合があるが、そのような場合であってもフレキシブルに移動可能であるので、異なる形状及び大きさの箱体Bxであっても対応可能である。
【0096】
すなわち、本実施形態の箱体供給装置600は、成形部63のステージ631、扉折り部632、蓋折り部633及び側部折り部634の位置を変更するだけで、異なる大きさ、形状の箱体Bxの供給に採用することができる。換言すると、本実施形態の箱体供給装置600は、多種の箱体Bxに対応可能であり、汎用性が高い。
【0097】
<物品取出装置400及び物品収納装置500>
物品取出装置400は、搬送方向Trに並んだ物品Pcを搬送方向Trと交差する取出方向Puに移動させて物品集積部124に集積する。なお、物品処理装置Aにおいて、取出方向Puは、搬送方向Trと直交する外向きである。
【0098】
物品取出装置400は、物品後押部41と、物品当接部42とを有する。物品後押部41が物品Pcの内面PcIと接触し、物品当接部42が物品Pcの外面PcOと接触した状態で物品Pcを支持する。このように、物品Pcを支持した状態を維持して、物品後押部41及び物品当接部42が取出方向Puに移動する。すなわち、物品取出装置400は、集積されて搬送された物品Pcを、分岐レール121から物品集積部124に移動させる。
【0099】
図2に示すように、物品取出装置400は、制御装置800に接続されている。物品取出装置400は、制御装置800の指示に基づいて動作する。例えば、制御装置800は、分岐レール121の取出位置に搬送シャトル14が到達したことを確認した後、物品取出装置400を動作させる。なお、制御装置800は、搬送シャトル14の位置以外の情報に基づいて、物品取出装置400を動作させてもよい。
【0100】
物品収納装置500は、物品集積部124に集積された一定数の物品Pcをまとめて、箱体Bxに移動させる。なお、複数の物品Pcをまとめて箱体Bxに移動させる動作を物品の収納と称する。
【0101】
物品収納装置500は、後部当接部51と、側部当接部52と、前部当接部53と、を有する。後部当接部51は、最も内側Isに配置された物品Pcの内面PcIと接触する。側部当接部52は、物品Pcの搬送方向Trの前端に配置された物品Pcの前面Pcf及び後端に配置された物品Pcの後面Pcrと当接する。前部当接部53は、前端の最も外側Osに配置された物品Pcの外面PcOと当接する。
【0102】
後部当接部51、側部当接部52及び前部当接部53は、隣り合う物品Pc同士が接触した状態で、外端の物品Pcの外面PcO、前端の物品Pcの前面Pcf、後端の物品Pcの後面Pcr及び内端の物品Pcの内面PcIと接触した状態を維持し、取出方向Puに移動する。これにより、集積された複数の物品Pcは、箱体Bxに収容される。
【0103】
図2に示すように、物品収納装置500は、制御装置800に接続されている。物品収納装置500は、制御装置800の指示に基づいて動作する。例えば、制御装置800は、物品取出装置400の動作に基づいて、物品集積部124に所定数の物品Pcが集積されたことを確認した後、物品収納装置500を動作させる。さらに説明すると、物品取出装置400が予め決められた回数、物品Pcを物品集積部124に移動させ、物品取出装置400が退避した後に物品収納装置500を動作させるようにしてもよい。なお、制御装置800は、物品取出装置400の動作情報に基づいて、物品収納装置500を動作させてもよい。
【0104】
物品処理装置Aは、1つ又は複数の物品集積部124を有する。そして、物品集積部124には、それぞれ、1つずつの物品取出装置400及び物品収納装置500が配置される。
【0105】
押え壁部55は、箱体Bxの取出方向Puの前端部と接触して、物品Pcを収納するときの箱体Bxの移動を抑制する。押え壁部55は、上下に移動可能である。
【0106】
<物品梱包装置700>
物品処理装置Aは、物品梱包装置700を有する。物品梱包装置700は、物品集積部124に集積された物品Pcを箱体Bxに梱包する。なお、梱包とは、所定数の物品Pcを箱体Bxに収納した後、箱体Bxを完成させるまでの動作を指す。
【0107】
図1に示すように、物品梱包装置700は、箱体搬送部70と、物品取出装置400と、物品収納装置500と、箱体供給装置600と、箱体送出部7と、を有する。
【0108】
箱体供給装置600は、シートShを折り曲げて箱体Bxを形成し、箱体Bxを箱体搬送部70に供給する。箱体搬送部70は、分岐レール121の外側Osに配置される。箱体搬送部70は、箱体リニアモーター機構を利用した構成を有し、リニアレール701と、箱搬送シャトル702と、を有する。
【0109】
箱体搬送部70において、リニアレール701が延びる方向が箱体Bxの搬送方向、すなわち、箱搬送方向Tbである。リニアレール701は、少なくとも一部が分岐レール121と平行に配置される。
【0110】
箱搬送シャトル702は、箱搬送方向Tbの前側及び後側から箱体Bxを保持して、箱搬送方向Tbに移動することで、箱体Bxを箱搬送方向Tbに搬送する。箱体搬送部70は、箱搬送方向Tbに沿って配置される箱ガイドレール76を有する(図1参照)。自箱体搬送部70は、複数本の箱ガイドレール76を有し、箱ガイドレール76の上部に箱体Bxが配置される。箱体Bxは、箱搬送シャトル702に搬送されるときに、箱ガイドレール76の上部に摺動可能に配置される。つまり、箱ガイドレール76は、箱体Bxを下方から支持する。
【0111】
箱体搬送部70において、箱体Bxを受け取る収納領域70sで箱搬送シャトル702が停止される。箱搬送シャトル702が停止した状態において、収納領域70sに箱体供給装置600からの箱体Bxが送られる。そして、箱搬送シャトル702が箱搬送方向Tbの前後を保持した状態で、箱搬送シャトル702が箱体Bxを箱搬送方向Tbに搬送する。箱搬送シャトル702は、物品集積部124に近接した受取領域70tに、箱体Bxが配置されるように停止する。
【0112】
箱体搬送部70において、複数の箱搬送シャトル702は、箱リニアモーター機構72によって、それぞれ、独立して駆動される。図2等に示すように、箱リニアモーター機構72は、複数のコイル721と、マグネット722と、箱搬送リニアドライバ723と、を有する。複数のコイル721は、リニアレール701の内部に箱搬送方向Tbに配列されている。制御装置800は、箱搬送リニアドライバ723に接続されており、制御装置800が箱搬送リニアドライバ723を制御する。これにより、箱搬送シャトル702がリニアレール701に沿って移動する。なお、制御装置800は、箱搬送シャトル702を、それぞれ、独立して制御可能である。
【0113】
物品取出装置400及び物品収納装置500は、物品集積部124の近傍に配置される。物品取出装置400は、分岐レール121に搬送された物品Pcを物品集積部124に移動させて、物品Pcを集積する。物品収納装置500は、物品集積部124に集積させた物品Pcを受取領域70tに移動した箱体Bxに物品Pcを収納させる。
【0114】
<蓋折り部77>
物品梱包装置700では、箱体Bxの物品集積部124側の蓋部を折り曲げる蓋折り部77を有する。箱体Bxは、物品Pcの収納完了時に箱閉じ機構127で箱の扉部を閉じる。扉部は、側壁と一体的に形成されて、内側に折り曲げられる部分である。箱体Bxは扉部を閉じた状態で箱体搬送部70に沿って移動される。扉部を閉じた状態の箱体Bxは、蓋折り部77に移動する。蓋折り部77は、扉部の外側に蓋部を折り曲げ、扉部と蓋部とを接着して、物品Pcが梱包された梱包体Cxを完成させる。蓋折り部77は、下方から箱体Bxの蓋部を押して、折り曲げるとともに蓋部を扉部に接着する。
【0115】
<箱体送出部7>
箱体送出部7は、箱体搬送部70の箱搬送方向Tbの後方の端部の搬出領域70xに配置される。箱体送出部7は、押し出し部78を有する。蓋折り部77で完成された梱包体Cxを検査し、検査で合格になった場合、梱包体Cxの外側Osを押し出し部78で押してOK側(図1中上方)に送出する。検査で不合格になった場合、梱包体Cxの内側Isを押し出し部78で押してNG側(図1下方)に送出する。OK側に送られた梱包体Cxは、次の工程に搬出される。
【0116】
物品処理装置Aにおいて箱体送出部7の検査では、主に箱の検査、物品Pcの入り状態を検査する。物品Pc自体は、外装部材取付装置300で合格になっているものである。つまり、箱体送出部7の検査で不合格となった場合でも、収納されている物品Pc自体は、合格品であることが多い。そのため、梱包体CxがNG側に送出される場合であっても、梱包体Cx内の物品Pcが傷まないように取り扱われる。
【0117】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこの内容に限定されるものではない。また本発明の実施形態は、発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の改変を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0118】
A 物品処理装置
Bx 箱体
Cx 梱包体
Pc 物品
Pcf 前面
Pcr 後面
100 物品搬送装置
11 第1搬送ルート
111 第1直線レール
112 第2直線レール
113 第1曲線レール
114 第2曲線レール
12 第2搬送ルート
121 分岐レール
122 合流レール
123 帰還レール
124 物品集積部
13 レール
131 メインレール
132 溝付きレール
133 平面レール
134 溝部
135 隙間
13c 曲線短レール
13s 直線短レール
14 搬送シャトル
140 本体部
141 上ローラー
142 下ローラー
143 凸部
144 内面
145 外面
15 搬送リニアモーター機構
151 コイル
152 マグネット
153 リニアドライバ
16 物品保持部
161 保持板部
1611 貫通孔
1612 凹部
162 物品係合部
163 物品支持部
164 傾斜面
165 後面押圧部
166 前面押圧部
167 後部支持部
168 前部支持部
200 物品送出装置
20 物品供給部
21 ニップローラー
211 ローラーモーター
22 乗換レーン
300 外装部材取付装置
30 検査部
31 駆動モーター
Th ストロー
400 物品取出装置
41 物品後押部
42 物品当接部
500 物品収納装置
51 後部当接部
52 側部当接部
53 前部当接部
600 箱体供給装置
61 シート蓄積部
610 シートレール
62 シート取出部
621 本体部
622 スライド部
623 吸着部
63 成形部
631 ステージ
632 扉折り部
633 蓋折り部
634 側部折り部
64 シート送り部
641 送りローラー
65 箱体移動部
Sh シート
Sh1 底部
Sh2 側壁部
Sh3 扉部
Sh4 蓋部
700 物品梱包装置
70 箱体搬送部
701 リニアレール
702 箱搬送シャトル
70s 収納領域
70t 受取領域
7 箱体送出部
800 制御装置
801 処理回路
802 記憶回路
図1
図2
図3
図4
図5
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