(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023060544
(43)【公開日】2023-04-28
(54)【発明の名称】青果物の非破壊測定装置
(51)【国際特許分類】
G01N 21/27 20060101AFI20230421BHJP
【FI】
G01N21/27 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021170198
(22)【出願日】2021-10-18
(71)【出願人】
【識別番号】593201028
【氏名又は名称】千代田電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149320
【弁理士】
【氏名又は名称】井川 浩文
(74)【代理人】
【識別番号】110001324
【氏名又は名称】特許業務法人SANSUI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原田 昌幸
(72)【発明者】
【氏名】山本 裕也
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 摩梨
(72)【発明者】
【氏名】小野 浩
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA01
2G059AA05
2G059BB09
2G059BB11
2G059EE02
2G059FF06
2G059JJ03
2G059JJ17
2G059KK03
2G059MM03
2G059MM04
2G059MM12
2G059PP04
2G059PP10
(57)【要約】
【課題】 測定部周辺に限定した範囲における青果物の内部で拡散する拡散光を検出し、数回の計測値から所望の測定値を得ることができる非破壊測定装置を提供する。
【解決手段】 筐体は、光センサによって検出される特定波長帯域における光強度の計測値から測定すべき特定要素に応じた値を算出する処理部82と、処理部における換算のための検量線データおよび処理部による算出結果を記憶する記憶部81と、処理部によって換算される測定対象の値を表示する表示部3とを備える。処理部は、複数回の計測がなされた場合において、最新の計測値に基づく算出結果と、少なくとも直前の1以上の計測値に基づく算出結果とを平均した平均値、またはこれらの複数の算出結果から選択される最大値もしくは最小値の中から選択される1以上を演算し、表示部に出力する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象である青果物の表面に対して光を照射する発光部と、前記発光部から隔絶されつつ該発光部の近傍において前記青果物から放出される拡散光を受光する受光部と、前記受光部によって受光される光を適宜分岐しつつ導光する導光部と、前記導光部の末端において分岐されつつ導光される光ごとに光学フィルタを介して特定波長帯域の光強度を検出する複数の光センサと、前記発光部、前記受光部、前記導光部および前記光センサを内蔵する筐体とを備える青果物の非破壊測定装置において、
前記筐体は、光センサによって検出される特定波長帯域における光強度の計測値から測定すべき特定要素に応じた値を算出する処理部と、該処理部における換算のための検量線データおよび該処理部による算出結果を記憶する記憶部と、前記処理部によって換算される測定対象の値を表示する表示部とを備え、
前記処理部は、複数回の計測がなされた場合において、最新の計測値に基づく算出結果と、少なくとも直前の1以上の計測値に基づく算出結果とを平均した平均値、またはこれらの複数の算出結果から選択される最大値もしくは最小値の中から選択される1以上を演算するものであり、
前記表示部は、測定対象の青果物、測定すべき特定要素、計測回数、最新の計測値に基づく算出結果および前記処理部による演算後の値を含む各種情報のうち任意の情報を同時または順次に表示するものであることを特徴とする青果物の非破壊測定装置。
【請求項2】
さらに、測定開始および測定終了を前記処理部に入力する入力部を備え、測定開始が入力されてから測定終了が入力されるまでを1個に対する測定値として、前記記憶部に記憶されるものである請求項1に記載の青果物の非破壊測定装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記記憶部に記憶される1個ごとの平均値または最大値もしくは最小値に基づき、測定された複数個における平均値または最大値もしくは最小値をさらに演算するものであり、前記表示部は、当該演算結果を表示可能とするものである請求項2に記載の青果物の非破壊測定装置。
【請求項4】
前記筐体は、本体部と把手部とに区分され、前記本体部は、前記発光部および前記受光部を有する測定側端面と、表示部を有する表示端面とを有し、前記把手部は、操作のための操作スイッチを有している請求項1~3のいずれかに記載の青果物の非破壊測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、青果物を破壊することなく糖度、酸度、熟度その他の評価のための特定要素を測定することができる非破壊測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
青果物の非破壊測定装置としては、青果物に光を透過させ、その透過光を検出することにより青果物によって吸収された光強度(吸光度)を計測する光透過型の測定装置があった(特許文献1および2参照)。この種の光透過型の測定装置にあっては、発光部と受光部とが対向する状態に設けられ、その中間に青果物を設置する構成となっていた。そのため、装置全体が固定化し、容易に移動することができるものではないうえ、青果物を順次装置に設置するなどの手間を要していた。
【0003】
他方、青果物の表面に光を照射し、その表面で反射する反射光を受光する反射型の測定装置(特許文献3参照)または青果物の内部で拡散する拡散光を受光する拡散型の測定装置(特許文献4参照)が開発されており、これらの装置は移動可能な構成とするものであった。この種の装置は、光照射のための光源として、LEDが使用されるものであり、特定波長の光(近赤外光)を照射し、その反射率または透過率等から糖度その他の特定要素に換算するものであった。そのため、測定すべき特定要素に応じて異なる波長の光を照射する必要があり、同一装置によって複数の特定要素を測定するには、複数の波長帯域を発光し得る光源を備えることを要し、また、単一光による光源を備える装置を用いる場合は、測定すべき特定要素ごとに複数回の測定を要するものとなっていた。
【0004】
そこで、本願の出願人は、単一光(波長帯域の広範な光)を照射し、受光される光を複数の光センサで検知するものとしつつ、各光センサには光学フィルタによって特定波長帯域の光を受光させる非破壊測定装置を開発した(特許文献5参照)。この非破壊測定装置は、同時に受光する拡散光を、異なる種類の光学フィルタを介した状態で複数の光センサにより検出する構成としているので、複数の波長帯域における拡散光の強度を検出可能とするものであった。従って、任意の光センサによる検出値を選択することにより、特定要素を測定できるものとなっていた。また、ハンディ型であることから移動可能であるとともに、場所を選ばないことから小売店等においても使用できるものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6-186159号公報
【特許文献2】特開2002-122536号公報
【特許文献3】特開平5-288674号公報
【特許文献4】特開2000-88747号公報
【特許文献5】実用新案登録第3162945号公報
【特許文献6】特開2018-4645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前掲の特許文献5に示す技術は、青果物に照射した光が青果物の内部で拡散した光(拡散光)を受光するものであり、また周辺の光による影響を抑えるため、光を照射する位置から近距離の範囲において拡散する光を検出するものとしていた。そのため、同じ青果物であっても、測定部分(発光部および受光部を当接する部分)が異なる場合には、その測定値が異なる結果となり得るものとなっていた。そこで、これまでは、使用者(特に小売店従業員)の経験から、熟度が中間的な部分を選択することにより、その測定値をもって特定要素の中間的な値として把握されていた。
【0007】
ところが、近年では、使用者(特に小売店従業員)の経験年数が僅少化していることから、上述のような中間的な測定値を得ることが困難になる傾向が顕著となってきた。また、複数の青果物がまとめられている場合、その一纏めにされた青果物が全て同じ熟度でないこともあるため、全体としての平均的な熟度を知ることができないという問題点があった。この点につき、複数の青果物を一度に撮影した画像に基づいて熟度を検出する装置が開発されている(特許文献6参照)。しかしながら、この装置は、複数の青果物の表面を撮影し、その色彩を分析することにより熟度を判断するものであり、内部の状態まで判定するものではなかった。
【0008】
本発明は、上記諸点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、測定部周辺に限定した範囲における青果物の内部で拡散する拡散光を検出し、数回の計測値から所望の測定値を得ることができる非破壊測定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明は、測定対象である青果物の表面に対して光を照射する発光部と、前記発光部から隔絶されつつ該発光部の近傍において前記青果物から放出される拡散光を受光する受光部と、前記受光部によって受光される光を適宜分岐しつつ導光する導光部と、前記導光部の末端において分岐されつつ導光される光ごとに光学フィルタを介して特定波長帯域の光強度を検出する複数の光センサと、前記発光部、前記受光部、前記導光部および前記光センサを内蔵する筐体とを備える青果物の非破壊測定装置において、前記筐体は、光センサによって検出される特定波長帯域における光強度の計測値から測定すべき特定要素に応じた値を算出する処理部と、該処理部における換算のための検量線データおよび該処理部による算出結果を記憶する記憶部と、前記処理部によって換算される測定対象の値を表示する表示部とを備え、前記処理部は、複数回の計測がなされた場合において、最新の計測値に基づく算出結果と、少なくとも直前の1以上の計測値に基づく算出結果とを平均した平均値、またはこれらの複数の算出結果から選択される最大値もしくは最小値の中から選択される1以上を演算するものであり、前記表示部は、測定対象の青果物、測定すべき特定要素、計測回数、最新の計測値に基づく算出結果および前記処理部による演算後の値を含む各種情報のうち任意の情報を同時または順次に表示するものであることを特徴とする。
【0010】
上記構成によれば、青果物の表面に対して照射される発光部の近傍において受光部により拡散光が受光されることから、測定部の周辺における範囲に限定した範囲の測定を可能としている。そして、各測定結果は特定要素としての値に換算された状態で記憶部に記憶され、複数回の測定によるとき、その複数回の測定結果(特定要素の値に換算した算出結果)から平均値その他の所望の演算結果を得ることができることから、測定部の位置を数ヶ所とすることにより、青果物の全体的な特定要素を得ることができる。すなわち、メロンやリンゴのような球状の青果物の場合には、上下、前後、左右の6点を測定部として特定すれば、また小型の青果物にあっては上下の2点を測定部とすれば、各方向における近傍内部の特定要素を測定することができる。また、バナナのような長尺な青果物の場合には、長手方向に沿った数ヶ所および各所の表裏を測定部と特定すれば、その各部分の近傍内部の特定要素を測定することができる。そして、その平均値を演算する場合には、全体の平均的な状態を把握し、最大値を演算する場合は、過熟の程度を把握し、最小値を演算する場合は、未熟の程度を把握することが可能となる。また、これらの各演算結果を総合することにより、食べ頃であるのか否かを判断することも可能となる。
【0011】
ここで、特定要素とは、糖度、酸度、熟度などを例示することができるが、これに限らず、青果物として特徴的な味覚上の要素とすることができる。各要素の程度は、予め拡散光に含まれる特定波長帯域における光強度の強弱に対する特定要素の大小に基づく検量線が作成され、当該検量線を数式により表現することによりデータ(検量線データ)化できるものである。そして、当該検量線データを記憶部に記憶させておくことにより、特定波長帯域の光強度の検出値に応じて特定要素の程度を算出することができるものである。なお、いずれかの特定波長帯域の検出値を選択すべきかについては、測定対象となる青果物の種類および特定要素を選択することによって、容易に決定することが可能である。
【0012】
上記構成の発明においては、さらに、測定開始および測定終了を前記処理部に入力する入力部を備え、測定開始が入力されてから測定終了が入力されるまでを1個に対する測定値として、前記記憶部に記憶されるものとすることができる。
【0013】
このような構成の場合には、同時に複数個の青果物について測定する場合、測定対象とすべき1個の青果物の測定値に他の青果物の計測値が混入することを防止し、また、測定開始から測定終了を繰り返すことにより、1個ずつの測定結果を個別に記憶させることも可能となる。
【0014】
さらに、上記のような構成において、前記処理部は、前記記憶部に記憶される1個ごとの平均値または最大値もしくは最小値に基づき、測定された複数個における平均値または最大値もしくは最小値をさらに演算するものであり、前記表示部は、当該演算結果を表示可能とするものとすることができる。
【0015】
1個ごとに測定された結果を使用することにより、一纏めにされている複数の青果物について、その全体の平均的な状態等を検査することも可能となる。このような構成により、例えば、一つの箱に収容される青果物の全体に対して、食べ頃となる時期を示すことができ、特に贈答用において贈り先へ提示すべき情報に利用することができる。
【0016】
なお、上記各構成に発明において、前記筐体は、本体部と把手部とに区分され、前記本体部は、前記発光部および前記受光部を有する測定側端面と、表示部を有する表示端面とを有し、前記把手部は、操作のための操作スイッチを有しているものとすることができる。このような構成によれば、ハンディ型として持ち運びが容易となり、また、手元の操作によって各種のモード変更等を可能にすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の非破壊測定装置によれば、発光部の近傍において拡散光を受光し、この拡散光の光強度に基づいて特定要素の状態を検出するものであることから、測定部周辺に限定した範囲における青果物の状態を把握することができる。また、同一の青果物に対して、異なる測定部における複数回の計測値から演算結果を表示させることから、青果物の全体的な測定結果を得ることができるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態の概略を示す説明図である。
【
図2】(a)は
図1のIIA-IIA線による断面図であり、(b)は
図1のIIB-IIBによる断面図である。
【
図4】処理装置における処理フローを示す説明図である。
【
図5】処理装置における処理フローを示す説明図である。
【
図6】処理装置における処理フローを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
<非破壊測定装置の概要>
まず、本発明の実施形態である非破壊測定装置の概要を説明する。
図1は非破壊測定装置Aの外観を示す図であり、
図2は、
図1に示すIIA-IIA線およびIIB-IIb線による各断面図である。これらの図に示されているように、本実施形態の非破壊測定装置Aは、測定対象(青果物)Fに対向させるべき側に向かって面状に形成される部分(計測領域)Aaと、これとは異なる方向に向かって面状に形成される部分(表示領域)Abとを有するものであり、計測領域Aaにおいては、光を照射する発光部1と、拡散光を受光する受光部2が設けられ、表示領域Abには、表示部3が設けられている。
【0020】
発光部1、受光部2および表示部3はいずれも筐体Bに内蔵されるものであるが、この筐体Bは空洞となっており、発光部1が内蔵される表面側は、少なくとも発光すべき光の波長帯域を透過できる透過板(ガラスなど)1Aによって保護され、受光部2の表面側も同様の透過板2Aによって保護されている。表示部3が内蔵される筐体Bの表面には表示部3の表示面が透視可能となるように開口させている。
【0021】
また、筐体Bの空洞部分には、受光部2に接続される適宜長さの導光部4と、この導光部4の末端に接続される光学フィルタ群5および光センサ群6が内蔵されるものである(
図2(a)参照)。導光部4は、複数に分岐された光ファイバ群41,42,・・・が束ねられた構成であり、受光部2によって受光される光を個々の光ファイバ群41,42,・・・によって分岐させつつ、複数の光学フィルタ51,52,・・・および光センサ61,62,・・・に導光することができるものである。光ファイバ群41,42,・・・とは、細い光ファイバを数十本から数千本を単位として一つの導光路を形成するものであり、これらの集合体によって単一の導光部4が形成されている。
【0022】
上記の光ファイバ群41,42,・・・の末端は、光学フィルタ51,52,・・・を介して光センサ61,62,・・・に接続される。光学フィルタ51,52,・・・は、複数の波長帯域に区分するものであり、相互に異なる波長帯域の光を透過し得るものが使用されている。従って、複数に区分された特定波長帯域ごとの光強度を計測することができるものである。
【0023】
例示する非破壊測定装置の計測領域Aaは、発光領域部10(発光部1を設置する区画)の内側に受光領域部20(受光部2、導光部4、光学フィルタ群5および光センサ群6を設置する区画)を配置する形態としている。発光部1および受光部2はいずれも青果物Fに当接させることから、発光部1の外周には柔軟な材料による円環状の当接部11が設けられ、受光部2の周囲にも柔軟なパラボラ状(円環状)の当接部21が設けられている。受光部2に設けられる当接部21の外周円は、発光部1の当接部11の外周円と同心に形成されることにより、受光部2は発光部1の中央に配置させることができる。
【0024】
ここで、発光部1、受光部2、導光部4、光学フィルタ群5および光センサ群6は、いずれも同一の筐体Bの内部に設置されるところ、発光領域部10から受光領域部20への光が漏れ出ることを防止するため、両者の間には隔壁12が設けられ、受光部2を発光部1から隔絶させている。また、発光部1の周囲に設けられる当接部21が青果物Fに当接することによって、発光部1から青果物Fへ照射される光が当該青果物Fの外側において受光部2が受光しないようになっている。
【0025】
従って、拡散光の計測の際には、受光部2の当接部21を青果物Fの表面に当接させることにより、当該受光部2を含む受光領域部20には、発光部1を発光領域部10の光が混入することがなく、当該受光部2を含む受光領域部20は、青果物Fの内部において拡散される拡散光のみを受光し、当該拡散光の光強度のみを計測することができるものである。
【0026】
上記の発光部1としては、タングステンハロゲンランプを3個使用するものを例示している。この種のハロゲンランプは、波長が100nm付近~1100nm付近の光を安定的に放出することができるため、必要な特定波長帯域含む広範囲の波長帯域の光を照射することができるものである。そして、このような広範囲の波長帯域における光を青果物Fに照射することで、青果物Fの内部で拡散した光を受光部2で受光し、導光部4が分岐した個々の光ファイバ群41,42,・・・および光学フィルタ51,52,・・・を介して特定波長の光強度を光センサ61,62,・・・が計測するものとなるのである。なお、光センサ群6は、基板7に実装されるものであり、計測される光強度は電流値として検出されるものである。
【0027】
<非破壊測定装置の実施形態>
本発明に係る非破壊測定装置の実施形態は、筐体Bの内部に処理装置8が設けられ、前述の基板7が、この処理装置8に電気的に接続され、処理装置8において計測値として処理されるものである。処理装置8には、記憶部81および処理部82が設けられており、計測値の処理とともに、青果物Fにおける特定要素の値に換算し、これらの数値が記憶されるものとなっている。なお、記憶部81および処理部82の詳細については後述する。
【0028】
他方、表示領域Abには、表示部としてのモニタ3が設けられており、画像処理部31を介して処理装置8に電気的に接続され、前記処理部82による処理結果を、画像処理部31によって表示画像情報に変換したうえでモニタ3に表示することができるものとしている。モニタ3は、対象物や要素などに関する情報とともに、測定結果(換算値)および特定演算結果などを表示させるものであり、特定演算結果とは、例えば平均値や最大値または最小値などがある。なお、処理装置8は、前述の基板7とモニタ3との中間に配置され、基板7から出力される計測値を処理した後、モニタ3に出力するものとされている。
【0029】
また、本実施形態は、発光部1により照射される照射光は比較的低強度としている。例えば、発光部1に使用されるタングステンハロゲンランプ3個について、1個当たりの光量(光線束)を100ルーメン以上とし、発光部1の全体としても200ルーメン以上に調整することが好ましく、概ね1個当たりの光量(光線束)を200ルーメンとすることを基準に調整することができる。その結果、青果物Fの全体を照射光が透過するものではなく、内部で拡散する程度となっている。すなわち、受光部2は、発光部1の近傍に配置され、発光部1から照射される光が発光部分の近傍で拡散し、その近傍に放出されるものを計測するのである。これは、透過させた光の強度を計測する場合には、発光部1に対向させた位置で受光することが要求されるが、ハンディ型(携行タイプ)の小型測定装置とする場合には、透過光の強度を計測することが困難なためである。
【0030】
そこで、例えば果物に対して特定要素を測定する場合には、発光部1から照射される光が表皮を通過し、発光部1の近傍の内部で拡散させるものであり、その近傍内部で拡散した光が再び表皮を透過して発光部1の近傍において放出される拡散光を受光部2によって受光し、その強度を計測するのである。
【0031】
そして、このようなハンディ型(携行タイプ)として使用するため、筐体Bは、上述のような発光部1や受光部2およびその他の計測要素を内蔵する本体部Baと、操作者が把持し得る形状とした把手部Bbとで構成するものとしている。
【0032】
また、本体部Baは、専ら計測および表示に必要な要素を内蔵するものとするものとし、把手部Bbには、バッテリCを内蔵させている。電源操作のための電源スイッチS1は本体部Baに設けられ、計測操作のための計測スイッチS2は把手部Bbに設けられている。なお、青果物Fの種類およびモニタ3への表示形態を選択するための切り替えは、表示部3におけるタッチパネルによって操作可能としている。タッチパネルによる入力は前述の画像処理部31によって処理されるものである。このようなタッチパネル操作を可能とするために、筐体B(本体部Ba)の表示領域Abを開口させているのである。なお、処理装置8には、外部からの電源供給(バッテリCの充電等)のため、または外部とのデータの入出力のために、接続部Dが設けられており、本体部Baの一部を開口させて当該接続部Dとの接続を可能にしているものである。
【0033】
電源スイッチS1は、単純に装置の電源のON・OFFを操作するものであり、計測スイッチS2は、計測の実行、すなわち発光部1の発光と受光部2から受光された光強度の計測を操作するものである。計測の実行は、ONの状態で発光部1の発光が継続し、当該照射時間中の受光された光強度を計測するものであり、当該計測時間中の最大値を計測値とするものである。なお、発光部1によって発光されると受光部2による拡散光の受光が可能となるため、瞬時に計測結果を得ることができるものである。
【0034】
画面の表示切り替えスイッチは、各種のモードの切り替えを行うためのものである。例えば、青果物Fの種類を選択し、後述の処理装置8における処理の形態を選択するものである。処理の形態としては、1個に対する複数(所定回数)の測定値を使用する処理か、または1個に対する1回の測定結果から一塊の青果物Fの全体を測定するのかの選択のほか、測定回数の選択、さらには、複数回の計測値に基づいて換算される換算値(測定結果)から平均値を算出するのか、その他の計算結果を演算させるのかなどがある。1個に対する測定回数は青果物Fの種類に応じて予め決定させておくものであってもよく、個別に選択できるものとしてもよい。
【0035】
このように、電源スイッチをONにし、把手部Bbを操作者が把持した状態で、本体部Baの向きを調整しつつ計測スイッチS2を操作することにより、所望の測定結果を得ることができ、これらをモニタ3に表示させることができるのである。
【0036】
<処理装置>
上記のように、実測値は処理装置8によって所望の演算処理がなされ、モニタ(表示部)3に表示されるものであるところ、当該処理装置8の構成を
図3に示す。この処理装置8は、上記のように、記憶部81および処理部(演算部)82を備えるものである。また、入力部83と出力部84を有している。入力部83は、計測値を入力することができるものであり、光センサ群6によって検出される光強度の値が入力される。出力部84は、専らモニタ3への出力を可能にするものである。また、入力部83には、操作部9による操作信号の入力も可能であり、この操作部9は、具体的には前述の切り替えスイッチである。すなわち、操作部9の操作は、青果物Fの種類や要素などの各種の切り替え、および演算の内容(平均値または最大値もしくは最小値等の演算の種類)の選択を行うものである。
【0037】
処理部(演算部)82は、上記のような操作部9から入力させる入力信号を受けて、各種の演算を実行するとともに、モニタ3へ表示させる情報を処理するものである。演算に際しては、予め記憶部81に記憶させている検量線データを参照しつつ、特定波長帯域における光強度の実測値から特定要素(糖度や酸度など)の値に換算するものである。また、操作部9による演算内容が例えば平均値である場合には、数ヶ所における換算値(演算結果)を記憶部81に記憶させておき、適宜平均値を算出することができるものとなっている。その他に最大値または最小値を算出する場合においても複数の換算値(演算結果)を記憶させておき、これらの中から最大または最小を示す値を選択することにより、処理することができるものである。
【0038】
モニタ3は、測定対象の青果物、測定すべき特定要素、計測回数、最新の計測値に基づく換算値(演算結果)および処理部82による演算後の値を含む各種情報などを表示できるものとしており、これらを一括表示する場合のほか、任意の情報を選択的に表示させることができるものとすることができる。また、表示の方法としては、各データを同時に表示してもよく、所定の順序にそって、順次表示させるものとしてもよい。
【0039】
このように、複数回の換算値(演算結果)を利用することにより、例えば、比較的大きい果実(例えばスイカやメロンなど)の糖度を計測する場合において、一回の計測では、全体の糖度を把握することができないとしても、異なる部分による複数回の測定を総合することで、全体的な糖度を計測することができることとなる。
【0040】
<使用形態>
本実施形態は上記のような構成としたことから、特定要素(糖度、酸度、熟度等)に応じて、複数の方向から計測することができることとなり、これらを総合して全体の特定要素を検出することができる。これは、青果物に対して計測されるべき範囲が、計測地点の近傍における拡散光の強度を計測して、これを特定要素に換算するからである。すなわち、光透過型の測定装置の場合には、特定部位における特定要素の検出はできず、青果物の全体的な状態が一度に測定されるものであるが、青果物の種類に応じて特定部位における特定要素の状態を把握することができる。また、ハンディ型としているため、測定したい青果物のみについて、その保存場所等において測定することも可能となる。
【0041】
このような使用形態は、例えば、青果物が果物の場合、特に効果的である。すなわち、果物は、その種類に応じて、果梗側から熟するものや萼側から熟すものがあるほか、または果梗側の糖度が高いものや萼側の糖度が高いものなど様々であり、また、酸度が軽減する部分も異なるなど、特定要素を計測しようとする際には、計測点によって計測値が大きく左右することとなる。そして、例えば、最も熟するだろう部分を測定したうえで、全体を評価するとしても、果物の種類ごとの全てについて把握しているわけではない場合には、特定部分のみの計測では不安である。そこで、果梗側と萼側の双方を計測し、その平均値を表示できるとなれば、全体の糖度を知ることができることとなる。
【0042】
また、最も糖度が高い値を知ることができれば、食べ頃を経過することなく消費者に提供することができ、または食べ頃までに期間があることを前提に消費者に提供することもできることとなる。
【0043】
さらに、平均値等の演算にあっては、1個の青果物(果物など)ごとに複数箇所での計測値による換算値(演算結果)を算出する場合のほか、複数の青果物(果物など)における全体の換算値(演算結果)を算出し、その結果を表示させることもできる。このような場合には、個々の青果物(果物など)同じ部分を計測して算出させることも可能であるが、個々の青果物(果物など)に対する複数計測点による平均値を、複数の青果物(果物など)において算出したうえ、所定の個数に関する範囲でさらに平均値を算出させることも可能である。これは、箱詰めされた複数の青果物(果物など)について、箱ごとの平均的な要素を測定することができるものとなる。
【0044】
<処理方法>
ここで、上記処理部82による測定値算出のための処理方法を簡単に説明する。
図4~
図6は、処理フローを示すものである。電源投入(電源スイッチS1をONにする)により、測定可能な状態となるが、
図4に示されているように、処理モードを切り替えが可能となっている(S101)。処理モードとしては、デフォルト設定のほか、各種モード(処理モード1~5を例示)が用意されており、前述の切り替えスイッチの操作によって選択できるものとしている。
【0045】
処理モードの例示としては、デフォルトとして、最新の測定値と直前の測定値との平均値を算出し、表示させるモードがあり、処理モード1としては、1個の青果物に対する複数回測定の平均値を算出・表示するものである。また、処理モード2は、1個の青果物に対して複数回の測定値を平均したうえで、同種の青果物の複数個における測定値をさらに平均した値を算出・表示するものであり、処理モード3は、単純に測定した回数を制限せず、全ての測定値について平均値を算出・表示するものである。
【0046】
なお、処理モード4および5が、平均値に変えて最大値を算出・表示する場合を示すものであり、処理モード4は、1個の青果物について、または測定結果全部についての最大値を算出できるものであり、処理モード5は、個々の最大値をまとめて再演算(最大値または平均値の算出)を可能とするものを例示している。これらの処理モードは、一例であり、他のモードを追加することも可能である。例えば、複数回の測定値を演算する場合には、平均値および最大値の双方を算出・表示するものとしてもよく、最小値を算出・表示させるような処理モードであってもよい。そして、これらの各処理モードは、ステップ101(S101)における処理モードの入力によって処理されるが、そのモード入力が変更することにより、デフォルトならびに処理モード1~5へ順次選択モードが変更されるものとしている。
【0047】
<デフォルト処理>
次に、デフォルトにおける処理モードについて説明する。処理モードをデフォルトとして選択し、または処理モードを選択しなかったときは、当該処理モードがデフォルト設定であるものとして処理が開始される(S102)。いずれもモードにおいても共通であるが、処理モードが決定したのち、青果物と特定要素(測定すべき糖度等の要素)を選択することが必要となる(S103)。これで、測定前の準備が完了する。
【0048】
そこで、計測スイッチS2を操作して、発光部から光を照射させる(発光部1をONにする)ことにより(S104)、計測が開始される。計測スイッチS2を操作しない間は待機状態として、発光部がONになるまで計測可能な状態が継続することとなる。そして、発光部がONとなった時点で、受光部を介して導光される拡散光の強度を光センサ群によって計測され、その光強度の値が処理部に入力されることとなる(S105)。このときの光強度の値は、特定波長帯域における光強度(電柱値)であるため、これを検量線データに基づいて特定要素の測定値に換算するのである(S106)。
【0049】
この換算値は、特定要素の値(例えば糖度)として、モニタ3に表示されるとともに(S107)、当該換算値が記憶部81に一時保存される(S108)。引き続き、当該測定が初回である場合か2回目以降である場合かが判断される(S109)。そして、初回である場合には次の測定のための待機状態となり、2回目以降である場合には、直前の換算値との間で平均値が演算される(S110)。この演算による平均値は、モニタ3に出力され(S111)、さらに測定を継続するか否かが判断される(S112)。この場合の測定の継続の是非は、実質的には電源スイッチS1のON・OFFの状態によるため、継続しない場合には電源スイッチS1のOFFによって処理が終了することとなる。継続する場合には、待機状態となるものであり、引き続き計測スイッチS2が操作されれば次順位の測定値を処理することとなる。
【0050】
<処理モード1>
次に、処理モード1における処理方法について説明する。前述のとおり、処理モードの選択が入力され(S101)処理モード1が選択されると(S202)処理モード1による処理が開始される。処理モード1は、前述のとおり、1個の青果物に対する複数回測定の平均値を算出・表示するものである。そのため、1回の測定については、デフォルト処理を同じである(S203~S208)。
【0051】
各回における測定が終了すると、その測定が所定回数(設定回)に到達したか否かが判断され(S209)、設定回数に満たない場合は、次回の測定へ移行し、設定回数に到達した場合には、各回の測定結果(換算値)から全体の平均値を演算し(S210)、その結果をモニタ3に表示する(S211)。その後、他の青果物についても測定を継続するか否かが判断され(S212)、2個目の青果物について計測し、電源スイッチS1をOFFにすれば処理を終了する。
【0052】
<処理モード2および3>
前述のとおり、処理モード2は、1個の青果物に対して複数回の測定値を平均したうえで、同種の青果物の複数個における測定値をさらに平均した値を算出・表示するものであり、処理モード3は、単純に測定した回数を制限せず、全ての測定値について平均値を算出・表示するものである。
【0053】
これらの処理モードを
図5に示す。モードの選択(S101)は各モードに移行する前に選択されるものであり(
図4参照)、これらのモードが選択されると(S302,S402)、個々のモードによる処理が開始される。そして、1回の測定は、デフォルト処理の場合と同様である(S303~S308,S403~S408)。
【0054】
ここで、処理モード2の場合には、所定の測定回数になるまで処理モード1と同様に、複数回の測定を繰り返し、設定回数に到達すると、保存される換算値が平均されることとなる(S309,S310)。ここで演算された平均値は、次の青果物の測定後に利用するため一時保存される(S311)。そして、次の青果物について測定を行う場合は、上記処理が繰り返され(S304~S311)、終了する場合は、一時保存された全ての平均値を再演算し(S313)、モニタ3に表示する(S314)。ここで、再演算は、一時保存されている1個ごとの平均値をさらに平均する場合のほか、平均値の中から最大値や最小値を算出するものであってもよい。
【0055】
なお、上記の場合の測定終了は、電源スイッチS1の操作によるものであるが、この場合の電源スイッチS1には、電源のON・OFFのほかに、測定終了を示す接点を設けるものとしている。すなわち、電源をONとする状態のうち、さらに、測定操作についてのON・OFFの操作を可能にするものである。そして、このような電源スイッチS1による測定終了を操作することで、測定の一時的な終了(演算開始)を操作させることとなる。
【0056】
他方、処理モード3は、単純に測定した結果の換算値を保存し、これらの複数の換算値を用いて累積的な平均値を算出し(S409)、その結果をモニタ3に表示する(S410)ものである。処理モード3についての測定継続か否かの判断(S411)は、処理モード2のような処理は重要であり、デフォルト処理と同様に電源のON・OFFによって処理させることができる。
【0057】
<処理モード4および5>
処理モード4および5は、前述のとおり、平均値に変えて最大値を算出・表示する場合を示すものであり、処理モード4は1個の測定対象について、処理モード5は複数の青果物について演算する形態を例示するものである。
【0058】
これらの処理モードを
図6に示す。モードの選択(S101)は各モードに移行する前に選択されるものであり(
図4参照)、これらの処理モードが選択されると(S502,S602)、個々の処理モードによる処理が開始される。そして、1回の測定は、デフォルト処理の場合と同様である(S503~S508,S603~S608)。
【0059】
ここで、処理モード4の場合には、測定回数を制限せずに、1個の青果物に対して適宜な回数だけ測定することができる。そのため、測定を継続するか否かが判断され(S509)、継続する場合は、さらに上記処理が繰り返され(S504~S508)、複数回数の換算値が蓄積されることとなる。そして、測定を終了するときには、全ての換算値の中から最大値を演算し(S510)、その結果をモニタ3に表示することとなる(S511)。このときの処理の終了については、操作モード2の場合と同様に、電源スイッチS1の操作によって、測定操作についてのOFFとするものである。
【0060】
他方、処理モード5の場合には、複数の測定対象に対する測定であるため、1個の青果物に対する測定回数を予め決定しておき、その回数に到達したか否かが判断されるものとしている(S609)。そして、設定回数に達するまでには測定のための処理が繰り返される(S604~S608)。そして、所定回数に到達すると、その回数の換算値の中から最大値を演算し(S610)、その最大値を一時的に保存する(S611)。
【0061】
続けて他の青果物についても測定を行うか否かが判断され(S612)、測定を継続する場合には、上述のような各回の測定(S604~S608)と、所定の回数の測定終了後には、最大値が演算されることとなる(S610)。そして、全ての個数についての測定が終了したとき(S612)には、保存されていた全ての最大値に基づいて、所望の数値について再演算することとなる(S613)。この再演算には、最大値の算出のほか、各最大値の平均値を算出することも可能である。そして、再換算が終了すると、その算出結果がモニタ3に表示されるものである(S614)。なお、この場合の測定の終了は処理モード4の場合と同様である。
【0062】
<まとめ>
上記のように、本発明の実施形態は、ハンディ型として、敢えて青果物の表面から近い範囲における拡散光の強度を計測するものであるから、第1に、計測部分の近傍における限定的な特定要素を検出することができる。そして、第2に、単一の青果物に対して異なる地点における複数箇所を測定し、これを演算処理することにより、青果物の全体的な特定要素を把握することができる。また、第3に、複数の青果物が一纏めにされている場合の全体的な特定要素のバランスについても把握することを可能にするものである。さらに、第4に、近距離での拡散光を利用するため、小型の特定対象についても特定要素の測定可能となり、大型の青果物についても複数の角度からの計測によって全体的な特定要素の測定を可能とするから、青果物の大きさを問うことなく測定できることとなる。
【0063】
本実施形態は、以上のとおりであるが、本発明が上記の実施形態に限定されるものではない。従って、本実施形態の要素を変更し、他の要素を追加するものであってもよい。例えば、本実施形態は、計測領域Aaと表示領域Abの位置を逆向きとして設けたものを例示しているが、これらの相対的な位置関係は適宜変更可能である。
【0064】
また、本実施形態の受光部2は、発光部1の側方において近接して設けられている状態を例示しているが、例えば、前掲の特許文献5に開示されるように、受光部2の周辺に発光部1を設け、同心円の発光領域と受光領域とによって構成するものであってもよい。同様に、導光部としては、光ファイバに代えて他の導光路を使用してもよい。
【0065】
さらに、本実施形態においては、筐体Bを本体部Baと把手部Bbとに区分し、計測に必要な要素を本体部Baに内蔵する構成としているが、把手部Bbの内部を利用してもよい。例えば、処理装置8は、本体部Baに配置する必然性はないので、本体部Baの大きさ(内部空間の大きさ)によっては、把手部Bbに設けてもよい。各種のスイッチS1,S2についても、その存在および構成を容易に理解できるように、本体部Baおよび把手部Bbの目立つ位置にボタン状として設けた形態としているが、本体部Baおよび把手部Bbに設けることに限定されず、タッチパネルとしている表示部(モニタ)3に各種のスイッチ類を表示させ、操作可能としてもよい。
【0066】
なお、処理装置によって処理される処理モードは、一部のモードを例示するものであって、これらに限定されるものではない。例えば、平均値や最大値などの単一の処理とするのではなく、複数の処理を実行するものとし、表示部(モニタ)3に表示するものを選択するようにしてもよく、また、表示部(モニタ)3の表示画面の大きさによっては、全ての結果を表示させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0067】
1 発光部
1A 透過板
2 受光部
2A 透過板
3 表示部(モニタ)
3A 保護板
4 導光部
5 光学フィルタ群
6 光センサ群
7 基板
8 処理装置
9 操作部
10 発光領域部
11 当接部
12 隔壁
20 受光領域部
21 当接部
41,42 光ファイバ群
51,52 光学フィルタ
61,62 光センサ
81 記憶部
82 処理部(演算部)
83 入力部
84 出力部
A 非破壊測定装置
Aa 計測領域
Ab 表示領域
B 筐体
Ba 本体部
Bb 把手部
S1,S2 スイッチ