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特開2023-60621カラーホイールユニット、光源装置、及び、投写型画像表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023060621
(43)【公開日】2023-04-28
(54)【発明の名称】カラーホイールユニット、光源装置、及び、投写型画像表示装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/14 20060101AFI20230421BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20230421BHJP
【FI】
G03B21/14 A
G03B21/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021170315
(22)【出願日】2021-10-18
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】上山 浩平
(72)【発明者】
【氏名】山田 修一郎
【テーマコード(参考)】
2K203
【Fターム(参考)】
2K203FA06
2K203FA07
2K203FA25
2K203FA32
2K203FA44
2K203FA54
2K203GA25
2K203GA32
2K203GA35
2K203HA25
2K203HA30
2K203HA52
2K203HA87
2K203HB09
2K203KA10
2K203KA60
2K203MA35
(57)【要約】
【課題】カラーホイールとロッドインテグレータとの組み立て性を向上させた、カラーホイールユニット、光源装置、及び、投写型画像表示装置を提供する。
【解決手段】カラーホイールユニットは、カラーホイールアッセンブリと、ロッドインテグレータと、ホルダーと、を備える。ホルダーは、ロッドインテグレータが取り付けられる第3ベース部を備える。第3ベース部は、カラーホイールアッセンブリを案内する第1ガイド壁及び第2ガイド壁を有する。カラーホイールアッセンブリは、カラーホイールと、カラーホイールを回転駆動するモータと、カラーホイールを回転可能に支持する支持部と、を備える。支持部は、カラーホイールアッセンブリをホルダーに取り付ける際に、第1ガイド壁に移動を規制されて案内される第1規制部と、第2ガイド壁に移動を規制されて案内される第2規制部と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラーホイールを有する、カラーホイールアッセンブリと、
前記カラーホイールを通過した光が入射するロッドインテグレータと、
前記カラーホイールアッセンブリと前記ロッドインテグレータとが取り付けられるホルダーと、を備え、
前記ホルダーは、
投写型画像表示装置の筐体に取り付けられる第1ベース部と、
前記第1ベース部から突出した第2ベース部と、
前記第2ベース部からさらに突出し、前記ロッドインテグレータが取り付けられる第3ベース部と、を備え、
前記第3ベース部は、前記カラーホイールアッセンブリを前記ホルダーに取り付ける際に案内する第1ガイド壁及び第2ガイド壁を有し、
前記カラーホイールアッセンブリは、
前記カラーホイールに結合され、前記カラーホイールを回転駆動するモータと、
前記カラーホイールを回転可能に支持する支持部と、を備え、
前記支持部は、前記カラーホイールアッセンブリを前記ホルダーに取り付ける際に、前記第1ガイド壁に移動を規制されて案内される第1規制部と、前記第2ガイド壁に移動を規制されて案内される第2規制部と、を有する、
カラーホイールユニット。
【請求項2】
前記第1規制部は平板であり、
前記第1ガイド壁は、前記第1規制部と平行な平面である、
請求項1に記載のカラーホイールユニット。
【請求項3】
前記第2規制部は、凸部であり、
前記第2ガイド壁は、前記第2規制部と嵌合する凹部である。
請求項1または2に記載のカラーホイールユニット。
【請求項4】
前記カラーホイールユニットは、前記投写型画像表示装置の筐体に形成されたガイド部に挿入されるガイド片を有する、
請求項1から3のいずれか1つに記載のカラーホイールユニット。
【請求項5】
前記ホルダーは、投写型画像表示部の筐体の予め定められた面側に配置された取り付け用の開口部を蓋する、
請求項1から4のいずれか1つに記載のカラーホイールユニット。
【請求項6】
前記ホルダーの前記支持部が取り付けられた側と反対側に、前記ホルダーを把持するための把手部が形成されている、
請求項1から5のいずれか1つに記載のカラーホイールユニット。
【請求項7】
前記第1ベース部において、前記投写型画像表示装置の前記筐体に取り付けられる側に、前記筐体の開口部の周辺に対応した位置にシートが配置されている、
請求項1から6のいずれか1つに記載のカラーホイールユニット。
【請求項8】
前記カラーホイールアッセンブリは、前記モータの回転位相を検出するセンサを備え、
前記支持部は、前記ロッドインテグレータと前記センサとの間に遮光壁を有する、
請求項1から7のいずれか1つに記載のカラーホイールユニット。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1つに記載のカラーホイールユニットを備える、
投写型画像表示装置。
【請求項10】
第1の色光の励起光により励起されて、第2の色光の蛍光光を出射する第1蛍光体セグメントと、第1の色光である励起光により励起されて、第3の色光の蛍光光を出射する第2蛍光体セグメントと、第1の色光の励起光を通過させる領域と、を有する蛍光体ホイールと、
前記蛍光体ホイールからの前記第2の色光の蛍光光と前記第3の色光の蛍光光を透過可能な第1セグメントを有する、カラーホイールと、
前記蛍光体ホイールに対する前記カラーホイールの回転位相位置として第1回転モードと第2回転モードとの2つの回転モードのいずれかで、前記蛍光体ホイールと前記カラーホイールの回転位相位置を制御する制御部と、を備え、
前記第1セグメントは、
前記第1回転モードにおいて前記第2の色光の蛍光光と前記第3の色光の蛍光光が予め定められた第1比率で透過し、
前記第2回転モードにおいて、前記第2の色光の蛍光光と前記第3の色光の蛍光光が前記第1比率と異なる、予め定められた第2比率で透過させ、
前記第1セグメントには前記第1の色光をカットする処理が施されている、
光源装置。
【請求項11】
前記第1の色光の励起光は青色レーザー光であり、
前記第1蛍光体セグメントは、前記第2の色光である緑色の蛍光光を出射する緑色蛍光体セグメントであり、
前記第2蛍光体セグメントは、前記第3の色光である黄色の蛍光光を出射する黄色蛍光体セグメントである、
請求項10に記載の光源装置。
【請求項12】
青色レーザー光により励起されて緑色の蛍光光を出射する第1蛍光体セグメントと、青色レーザー光により励起されて黄色の蛍光光を出射する第2蛍光体セグメントと、前記第1蛍光体セグメント及び前記第2蛍光体セグメントが配置された基板と、を有する蛍光体ホイールと、
前記蛍光体ホイールからの前記緑色の蛍光光と前記黄色の蛍光光を透過可能な第1セグメントを有する、カラーホイールと、
前記蛍光体ホイールに対する前記カラーホイールの回転位相位置として第1回転モードと第2回転モードとの2つの回転モードのいずれかで、前記蛍光体ホイールと前記カラーホイールの回転位相位置を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記第1セグメントにおいて、
前記第1回転モードにおいて、前記緑色の蛍光光と前記黄色の蛍光光の両方を透過させ、
前記第2回転モードにおいて、前記緑色の蛍光光を透過させるように制御し、
前記第1セグメントは、青色の光をカットする処理が施されている、
光源装置。
【請求項13】
前記カラーホイールは、
黄色の蛍光光が入射すると赤色の光として透過させ、青色の励起光が入射すると青色の光として透過させる、マゼンタフィルターが配置された第2セグメントと、
黄色の蛍光光が入射すると赤色の光として透過させる、赤フィルターが配置された第3セグメントと、を有し、
前記蛍光体ホイールが1周すると2シーケンスの時分割の光を出射するように、前記蛍光体ホイールに緑色蛍光体セグメント及び黄色蛍光体セグメントが配置され、
前記カラーホイールは1周すると2シーケンスの時分割の光を出射するように、前記カラーホイールに第1、第2、及び第3セグメントが配置されている、
請求項10から12のいずれか1つに記載の光源装置。
【請求項14】
前記制御部は、前記第2セグメントにおいて、
前記第1回転モードにおいて、前記青色の励起光を透過させ、
前記第2回転モードにおいて、前記黄色の蛍光光を透過させるように制御する、
請求項13に記載の光源装置。
【請求項15】
前記制御部は、前記第3セグメントにおいて、
前記第1回転モード及び前記第2回転モードにおいて、前記黄色の励起光を透過させる、
請求項14に記載の光源装置。
【請求項16】
請求項10から15のいずれか1つに記載の光源装置を備える、
投写型画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラーホイールユニット、光源装置、及び、投写型画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カラーホイールとロッドインテグレータとの位置合わせをするために、これらを一体化したカラーホイールユニットが提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1は、カラーホイールとライトガイドとが一体化されたカラーホイールアッセンブリが考案されている。
【0004】
また、特許文献2において、カラーホイールには、青色光を反射するダイクロイック膜が配置され、青色光をカットする光源装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3099869号公報
【特許文献2】特開2017-167528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、カラーホイールとライトガイドであるロッドインテグレータとを組み立てる際に、両者を接触させてしまい、損傷させてしまう場合がある。
【0007】
本開示は、カラーホイールとロッドインテグレータとの組み立て性を向上させた、カラーホイールユニット、光源装置、及び、投写型画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係るカラーホイールユニットは、カラーホイールを有する、カラーホイールアッセンブリと、カラーホイールを通過した光が入射するロッドインテグレータと、カラーホイールアッセンブリとロッドインテグレータとが取り付けられるホルダーと、を備える。ホルダーは、投写型画像表示装置の筐体に取り付けられる第1ベース部と、第1ベース部から突出した第2ベース部と、第2ベース部からさらに突出し、ロッドインテグレータが取り付けられる第3ベース部と、を備える。第3ベース部は、カラーホイールアッセンブリをホルダーに取り付ける際に案内する第1ガイド壁及び第2ガイド壁を有する。カラーホイールアッセンブリは、カラーホイールに結合され、カラーホイールを回転駆動するモータと、カラーホイールを回転可能に支持する支持部と、を備える。支持部は、カラーホイールアッセンブリをホルダーに取り付ける際に、第1ガイド壁に移動を規制されて案内される第1規制部と、第2ガイド壁に移動を規制されて案内される第2規制部と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本開示は、カラーホイールとロッドインテグレータとの組み立て性を向上させた、カラーホイールユニット、光源装置、及び、投写型画像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に係る投写型画像表示装置の構成を示す図
図2】カラーホイールユニットの外観斜視図
図3】カラーホイールユニットの下面図
図4】カラーホイールユニットの側面図
図5】カラーホイールユニットの外観斜視図
図6】カラーホイールユニットの外観斜視図
図7】投写型画像表示装置の筐体の部分斜視図
図8】筐体へのカラーホイールユニットの取り付けを説明する斜視図
図9】筐体にカラーホイールユニットが取り付けられた状態を示す説明図
図10】蛍光体ホイールの正面図
図11】カラーホイールの正面図
図12】第1回転モードを説明する説明図
図13】第2回転モードを説明する説明図
図14】緑色光におけるスペクトル変化を示すグラフ
図15】赤色光におけるスペクトル変化を示すグラフ
図16】CIExy色度図における、青、赤、緑の色域を示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0012】
なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために、提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0013】
(実施の形態1)
【0014】
[1-1.投写型画像表示装置の構成]
(実施の形態1)
図1を参照して、実施の形態1の投写型画像表示装置1を説明する。図1は、実施の形態1に係る投写型画像表示装置1の構成を示す図である。
【0015】
実施の形態1の光源装置3は、図1に示すように、例えば、DMD(Digital Micromirror Device)を1つ使用する1チップDMD方式の投写型画像表示装置用の光源装置である。光源装置3は、レーザー光源11と、蛍光体ホイール5と、カラーホイールユニット20と、制御部7とを備える。複数のレーザー光源11から出射した青色の波長域のレーザー光は、レーザー光源11のそれぞれに対応して設けられた複数のコリメータレンズ(図示省略)でコリメートされる。コリメートされた青色光は、後段の凸レンズ13に入射し、その光束幅が小さくされ、続く拡散板14に入射し拡散されて光の均一度が改善される。光の均一度を改善された青色光は、後段の凹レンズ15に入射し平行光束化される。
【0016】
凹レンズ15で平行化された青色光は、光軸に対して略45度傾けて配置された選択反射素子16に入射し、そのまま直進して、凸レンズ17へと入射する。選択反射素子16は、レーザー光源11から出射する青色光の波長域の光を通過し、蛍光体ホイール5でレーザー光源11からの青色光を励起光として波長変換される蛍光の波長域の光を反射する分光特性を有する。選択反射素子16は、例えば、ダイクロイックミラーである。
【0017】
凸レンズ17に入射した青色光は、後段の凸レンズ18との組み合わせで、後段の蛍光体ホイール5(図10参照)の基板91上に環状領域にそれぞれ配置された波長変換素子92または通過領域93へと入射する。蛍光体ホイール5は、その回転軸を中心に、凸レンズ17、18で集光された青色の励起光が、環状の波長変換素子92または通過領域93へと入射するように配置されている。蛍光体ホイール5は、蛍光体ホイール5を回転駆動するモータの回転位相を検出するセンサ(図示省略)が設けられている。このセンサが検出した検出信号は制御部7へ送られる。
【0018】
凸レンズ17、18で、蛍光体ホイール5の波長変換素子92上に集光された青色光は、図1に示すように、蛍光に波長変換されるとともに、光の進行方向を180度変えて、再び、凸レンズ18、17にこの順で入射し、平行光化される。ここでの波長変換される蛍光は、例えば、緑色光及び黄色光である。
【0019】
凸レンズ17を出射し平行光化された蛍光は、選択反射素子16へと再び入射する。選択反射素子16は、前述の通り、蛍光の波長領域の光を反射する特性を有しているので、蛍光の波長領域の光の方向を90度変更させて凸レンズ39へ入射させる。
【0020】
次に、蛍光体ホイール5の通過領域93に集光されたレーザー光源11からの青色光は、蛍光体ホイール5を通過し、その後段の凸レンズ31、32で平行光化される。その後、後段に設けられた、3枚の反射ミラー33、35、37と3枚の凸レンズ34、36、38で構成されるリレーレンズ系によって、選択反射素子16に、レーザー光源11からの光が入射する方向とは90度の方向から平行光化されて入射するように導光される。なお、ここでは、3枚のミラーと3枚の凸レンズにてリレー光学系を構成したが、同様の性能を有するのであれば、他の構成でも良い。
【0021】
凸レンズ38から、選択反射素子16に入射した青色光は、選択反射素子16を通過してそのまま直進する。
【0022】
上記構成によって、蛍光と青色光が、時分割されて凸レンズ39に入射する。
【0023】
選択反射素子16から凸レンズ39に入射する、時分割された蛍光と青色光は、凸レンズ39で集光され後段のカラーホイールユニット20のカラーホイール22に入射する。カラーホイール22は、制御部7によって蛍光体ホイール5と同期回転するように制御されており、光学系の特性に合わせて、青色光および蛍光の一部もしくは全波長域を透過するような特性を有する複数のフィルターが取り付けられている。制御部7は、半導体素子などで実現可能である。制御部7は、例えば、マイコン、CPU、MPU、GPU、DSP、FPGA、またはASICで構成することができる。制御部7は、内蔵する記憶部(図示省略)に格納されたデータやプログラムを読み出して種々の演算処理を行うことで、予め定められた機能を実現する。記憶部は、例えば、ハードディスク(HDD)、SSD、RAM、DRAM、強誘電体メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスク、またはこれらの組み合わせによって実現できる。
【0024】
蛍光体ホイール5から、例えば黄色の蛍光が発光されている時間帯に対して、蛍光の波長域をそのまま透過する領域、蛍光の中で赤色の部分の光を反射し緑色光を透過する領域、蛍光の中で緑色の部分の光を反射し赤色光を透過する領域などのうち、少なくとも一つの領域を有するカラーホイール22が同期して回転している。また、蛍光体ホイール5の通過領域を通過してきた青色光には、蛍光の波長域をそのまま透過する領域が対応することで、ロッドインテグレータ23の入射端近傍に、時系列に光の波長域の異なる色光が集光する。
【0025】
カラーホイールユニット20のロッドインテグレータ23に入射した光は、ロッドインテグレータ23で均一化され、その出射端からは均一化された光が出射される。
【0026】
なお、実施の形態1では、カラーホイール22は、ロッドインテグレータ23の前に配置されているが、ロッドインテグレータ23の後に配置されていても良い。
【0027】
実施の形態1の投写型画像表示装置1は、図1に示すように、例えば、DMDを1つ使用するいわゆる1チップ方式のDMDプロジェクターである。投写型画像表示装置1は、光源装置3を備える。
【0028】
ロッドインテグレータ23を出射した光は、凸レンズ41、42、43で構成されるリレーレンズ系で、後述するDMD51へと写像する。
【0029】
凸レンズ41、42、43を通過して全反射プリズム44に入射した光は、全反射プリズム44の微小ギャップ45に全反射角以上の角度で入射し、反射することで光の進行方向を変えてDMD51に入射する。
【0030】
DMD51は、蛍光体ホイール5とカラーホイール22の組み合わせで出射される色光に同期した図示しない画像回路からの信号に応じて、微小ミラーの方向を変えて光の進行方向を変えて出射する。
【0031】
DMD51で画像信号に応じて光の進行方向が変わった光は、全反射プリズム44に入射し、全反射プリズム44の微小ギャップ45に全反射角度以下の角度で入射することで、そのまま透過して、投写レンズユニット55に入射し、図示しないスクリーンに投写される。
【0032】
[1-2.カラーホイールユニットの構成]
以下、図2から図6を参照して実施の形態1におけるカラーホイールユニット20を説明する。図2は、カラーホイールユニット20の外観斜視図である。図3はカラーホイールユニット20の下面図である。図4はカラーホイールユニット20の側面図である。図5及び図6は、カラーホイールユニットの外観斜視図である。なお、各図において、カラーホイール22が光を受光する平面をXY平面とし、XY平面と直交する方向をZ方向とする。
【0033】
カラーホイールユニット20は、カラーホイール22を有するカラーホイールアッセンブリ21と、カラーホイール22を通過した光が入射するロッドインテグレータ23と、カラーホイールアッセンブリ21とロッドインテグレータ23とが取り付けられるホルダー24とを備える。カラーホイールユニット20は、図7または図8に示されるように投写型画像表示装置1の筐体2に形成された開口部2aからカラーホイールアッセンブリ21とロッドインテグレータ23が筐体2内に収容されるように、筐体2に開口部2aの蓋として取り付けられる。
【0034】
ホルダー24は、金属製であり、例えばアルミダイキャストにより形成される。ホルダー24は、投写型画像表示装置1の筐体2に取り付けられる第1ベース部71と、第1ベース部71から一方側、すなわち、ホルダー24が取り付けられる筐体2の内側へ突出した第2ベース部72と、第2ベース部72からさらに一方側に突出し、ロッドインテグレータ23が取り付けられる第3ベース部73と、を備える。
【0035】
第3ベース部73は、上部に2段構成の台形形状を有する。第3ベース部73は、ロッドインテグレータ23の一面が載置される平面状の載置部73aと、載置部73aから起立する第1壁部73bとを有する。第1壁部73bのカラーホイール22側の壁面は、第2ベース部72から起立している。カラーホイール22と反対側の第1壁部73bの側面の一部に、ロッドインテグレータ23の側面が当接する。ロッドインテグレータ23が載置部73aと第1壁部73bとに押し当てられて、留め具76により第3ベース部73に固定される。
【0036】
第3ベース部73は、カラーホイールアッセンブリ21をホルダー24に取り付ける際にカラーホイールアッセンブリ21を案内する第1ガイド壁74及び第2ガイド壁75を有する。第1ガイド壁74は、第1壁部73bのカラーホイール22のモータ81の回転軸Ar側に形成されている。第1ガイド壁74は、ほとんどが傾斜面である第1壁部73bの回転軸Ar側の一部が垂直な面に形成された面である。
【0037】
第2ガイド壁75は、第3ベース部73がカラーホイール22側に延びた第2壁部73cに形成されている。第2ガイド壁は、半円筒状の形状を有しており、X方向及びZ方向の移動を規制する。
【0038】
カラーホイールアッセンブリ21は、カラーホイール22に結合され、カラーホイール22を回転駆動するモータ81と、カラーホイール22を回転可能に支持する支持部82と、を備える。カラーホイール22はモータ81と一体化されており、支持部82はモータ81の回転軸81aを支持することで、カラーホイール22を支持している。
【0039】
支持部82は、第2ベース部72に取り付けられる底面82aと、底面82aから起立した壁部82bと、壁部82bから底面82aと平行に延びる上面82cとを有する。また、支持部82は、カラーホイールアッセンブリ21をホルダー24に取り付ける際に、第1ガイド壁74に移動を規制されて案内される第1規制部83と、第2ガイド壁75に移動を規制されて案内される第2規制部84と、を有する、
【0040】
第1規制部83は、例えば、逆L字形状の平板であり、第1ガイド壁74は、第1規制部83と対向する平行な平面である。したがって、第1規制部83を第1ガイド壁74に押し当てることで、カラーホイールアッセンブリ21がX軸の負の方向に移動するのを規制することができる。
【0041】
第2規制部84は、凸部形状を有し、例えば、半円形状を有する。第2ガイド壁75は、第2規制部84と嵌合する凹部形状を有するので、第2規制部84が第2ガイド壁75に嵌合することで、カラーホイールアッセンブリ21がX軸方向及びZ軸の正の方向に移動するのを規制することができる。
【0042】
このように、第1ガイド壁74と第1規制部83との組み合わせ及び、第2ガイド壁75と第2規制部84との組み合わせにより、カラーホイールアッセンブリ21がホルダー24に適切に案内されるので、カラーホイール22とロッドインテグレータ23とが接触するのを防止することができる。したがって、カラーホイールアッセンブリ21をホルダー24に取り付ける際に、カラーホイール22が接触により破損するのを防止することができる。
【0043】
カラーホイールアッセンブリ21は、モータ81の回転位相を検出するセンサ85を備える。センサ85は、支持部82の上面82cのモータ81側に取り付けられている。センサ85は、例えば、反射型光センサであり、センサ85からモータ81の回転軸81aに赤外光を照射し、回転軸81aで反射した光を検出する。モータ81の回転軸81aには、黒色のマーカーシール81bが貼り付けられている。センサ85は、回転軸81aにおいてマーカーシール81bが貼り付けられていない箇所に対して反射光をON信号として検出し、マーカーシール81bが貼り付けられている箇所に対して反射光を検出することができないのでOFF信号として検出することで、モータ81の回転位相を検出することができる。センサ85が検出した検出信号が制御部7へ送られる。
【0044】
支持部82は、上面82cの下方で、ロッドインテグレータ23とセンサ85との間に遮光壁86を備える。遮光壁86により、ロッドインテグレータ23のカラーホイール22側の端部で、入射する光が散乱したとしても、この散乱光がセンサ85に入射する光量を低減することができ、センサ85の誤検出を低減することができる。
【0045】
遮光壁86は、支持部82のロッドインテグレータ23側だけでなく、その反対側に配置することで、散乱光がセンサ85に入射するのをさらに低減してもよい。
【0046】
カラーホイールアッセンブリ21は、投写型画像表示装置1の筐体2に取り付けられた際に、筐体2の開口部2aから塵の侵入を低減する防塵用の蓋の機能を有する。カラーホイール22は、ホルダー24の第1ベース部71の内側に第2ベース部72の周囲を囲むように防塵用のシート87が配置されている。シート87は、例えばスポンジである。これにより、シート87を介してカラーホイールアッセンブリ21が筐体2に取り付けられるので、カラーホイールアッセンブリ21と筐体2との間の隙間から塵が筐体2内に侵入するのを低減することができる。
【0047】
カラーホイールアッセンブリ21を投写型画像表示装置1の筐体2に取り付ける際に、投写型画像表示装置1の筐体2に形成されたガイド部2b(図7参照)に挿入されるガイド片88を有する。ガイド片88は、支持部82の壁部82bのロッドインテグレータ23の逆側から、カラーホイール22と反対側に延びた金属片である。
【0048】
図8及び図9に示すように、ガイド片88が筐体2のガイド部2bに挿入されることで、カラーホイールアッセンブリ21がX軸方向及びZ軸方向に移動するのを規制され、カラーホイール22やロッドインテグレータ23の端部が筐体2に接触して損傷するのを防止することができる。筐体2のガイド部2bは、筐体2の内側面2ba及び筐体2から延びる2つの壁部2bb、2bcによって形成される。壁部2bbの内側面は逆L字形状を有しており、筐体2の内側面2baと壁部2bbの一面が対向しており、壁部2bbの他面と壁部2bcとが対向している。これら、内側面2baと、壁部2bbと、壁部2bcに囲まれた空間にガイド片88が案内される。筐体2の内側面2baと壁部2bbの一面とによって、ガイド片88のZ方向の移動が規制され、壁部2bbの他面と壁部2bcとによって、ガイド片88のX方向の移動が規制される。
【0049】
図6に示すように、カラーホイールアッセンブリ21を投写型画像表示装置1の筐体2に取り付ける際に、ユーザーが持ちやすいように、カラーホイールアッセンブリ21の外側に、把持部89が形成されている。ユーザーはこの把持部89を握ることでカラーホイールアッセンブリ21を筐体2へ取り付けやすくなるので、組み立て性を向上させることができる。第3ベース部73の内部に、壁部89aと、壁部89aを挟んで2つの空間89b及び89cが形成されており、これらの壁部89aと空間89b及び89cとで把持部89を構成する。
【0050】
[1-3.効果等]
以上のように、実施の形態1において、カラーホイールユニット20は、カラーホイール22を有する、カラーホイールアッセンブリ21と、カラーホイール22を通過した光が入射するロッドインテグレータ23と、カラーホイールアッセンブリ21とロッドインテグレータ23とが取り付けられるホルダー24と、を備える。ホルダー24は、投写型画像表示装置1の筐体2に取り付けられる第1ベース部71と、第1ベース部71から突出した第2ベース部72と、第2ベース部72からさらに突出し、ロッドインテグレータ23が取り付けられる第3ベース部73と、を備える。第3ベース部73は、カラーホイールアッセンブリ21をホルダー24に取り付ける際に案内する第1ガイド壁74及び第2ガイド壁75を有する。カラーホイールアッセンブリ21は、カラーホイール22に結合され、カラーホイール22を回転駆動するモータ81と、カラーホイール22を回転可能に支持する支持部82と、を備える。支持部82は、カラーホイールアッセンブリ21をホルダー24に取り付ける際に、第1ガイド壁74に移動を規制されて案内される第1規制部83と、第2ガイド壁75に移動を規制されて案内される第2規制部84と、を有する。
【0051】
このような構成により、カラーホイールアッセンブリ21をホルダー24に取り付ける際に、2つのガイド壁を有することで、カラーホイール22とロッドインテグレータ23との接触を防止し、それぞれが損傷するリスクを低減することができる。また、カラーホイールユニット20は、交換頻度の高いカラーホイール22とロッドインテグレータ23とを一体化しているので、メンテナンス性を向上させることができる。
【0052】
[1-4.蛍光体ホイールの構成]
次に、図10を参照して、蛍光体ホイールの蛍光体セグメントの配置についてさらに説明する。図10は、蛍光体ホイールの正面図である。
【0053】
蛍光体ホイール5は、例えば金属製の基板91の円環領域91a上に環状の波長変換素子92が配置され、さらに、円環領域91aの一部領域において光が通過する通過領域93が設けられている。基板91の通過領域93には開口が形成されている。このように、蛍光体ホイール5は、セグメント形状の波長変換素子92を有する。
【0054】
波長変換素子92は、入射した青色の励起光を緑色の蛍光光に波長変換して出射する第1蛍光体セグメント94と、入射した青色の励起光を黄色の蛍光光に波長変換して出射する第2蛍光体セグメント95と、を有する。
【0055】
[1-5.カラーホイールの構成]
次に、図11を参照して、カラーホイール22のフィルターの配置についてさらに説明する。図11は、カラーホイール22の正面図である。
【0056】
カラーホイール22は、基板100、第1セグメント101、第2セグメント102、第3セグメント103、及び第4セグメント104を備える。第1セグメント101、第2セグメント102、第3セグメント103、及び第4セグメント104は、それぞれ扇形をなしたガラス板の表面に所定の光学処理が施されたものであり、基板100上に円環状に順に配置されている。この円盤状をした基板100は金属製であり、カウンターバランスとも呼ばれ、例えばアルミニウムからなる。そして、扇形の各セグメント101~104は基板100の裏面に接着剤で貼り付けられている。
【0057】
第1セグメント101は、蛍光体ホイール5からの緑色の蛍光光と黄色の蛍光光を透過する。第1セグメント101は、例えば、青色の光が透過しないように青色の光をカットする処理が施されており、例えば、青色カットのダイクロイック膜が形成されている。
【0058】
第2セグメント102は、黄色の蛍光光が入射すると赤色の光として透過させ、青色の励起光が入射すると青色の光として透過させる。第2セグメントは、例えば、マゼンタフィルターが基板100に貼られている。
【0059】
第3セグメント103は、黄色の蛍光光が入射すると赤色の光として透過させる。第3セグメントは、例えば、赤フィルターが基板100に貼られている。
【0060】
第4セグメント104は、全波長透過のガラスであって、反射防止膜が施されている。したがって、第4セグメント104に入射した光は、第4セグメントをそのまま通過する。
【0061】
[1-6.制御部による回転制御]
制御部7は、蛍光体ホイール5に対するカラーホイール22の回転位相位置として第1回転モードと第2回転モードとの2つの回転モードのいずれかで、蛍光体ホイール5とカラーホイール22の回転位相位置を制御する。第1回転モードは、カラーホイール22から出射される光の明るさを優先するモードである。第2回転モードは、カラーホイール22から出射される光の色度と色輝度を優先するモードである。
【0062】
図12を参照して、第1回転モードについて説明する。図12は第1回転モードを説明する説明図である。第1回転モードにおいて、蛍光体ホイール5の通過領域93から出射した青色の励起光は、カラーホイール22の第2セグメント102に入射し、青色の光としてカラーホイール22から出射する。次に、蛍光体ホイール5及びカラーホイール22が同期した状態で回転し、青色の励起光が照射するセグメントが変わる。励起光により励起され、蛍光体ホイール5の第1蛍光体セグメント94から出射した緑色の蛍光光は、先に一部がカラーホイール22の第4セグメント104に入射して緑色の光としてカラーホイール22から出射し、次に残りの緑色の蛍光光がカラーホイール22の第1セグメント101に入射して緑色の光としてカラーホイール22から出射する。
【0063】
次に、蛍光体ホイール5及びカラーホイール22がさらに同期した状態で回転する。励起光により励起されて、蛍光体ホイール5の第2蛍光体セグメント95から出射した黄色の蛍光光は、先に一部がカラーホイール22の第1セグメント101に入射して黄色の光としてカラーホイール22から出射し、次に残りの黄色の蛍光光がカラーホイール22の第3セグメント103に入射して赤色の光としてカラーホイール22から出射する。
【0064】
このような光の変換を、蛍光体ホイール5及びカラーホイール22がそれぞれ半回転するごとに行われるので、蛍光体ホイール5及びカラーホイール22がそれぞれ1回転すると、2シーケンスの時分割の色光を得ることができる。
【0065】
第1回転モードでは、カラーホイール22の第1セグメント101において、蛍光体ホイール5の第1蛍光体セグメント94から出射した緑色の蛍光光が透過する量と、第2蛍光体セグメント95から出射して黄色の蛍光光が透過する量との比率は、予め定められた第1比率となっている。この第1比率は、例えば緑色の蛍光光が55%で黄色の蛍光光が45%であり、第1回転モードにおいては、第1セグメント101が緑色の蛍光光と黄色の蛍光光の両方を透過させるようにカラーホイール22の回転位相が制御される。このようにカラーホイール22から出射する色光の割合として、後で説明する第2回転モードよりも、赤色光の割合が小さくその分黄色光が出射するので、補色の黄色を多く確保することができ、明るさを向上することができる。また、黄色光は、蛍光体ホイール5から出射した黄色の蛍光光に含まれる青色光が第1セグメント101においてカットされているので、黄色の純度を向上させることができる。ここで、黄色の蛍光光に含まれる青色光とは、青色の励起光が黄色の蛍光体で吸収されず、このため蛍光光に波長変換されずに、蛍光体ホイールで反射して出射される未変換の励起光を意味する。
【0066】
次に、図13を参照して、第2回転モードについて説明する。図13は第2回転モードを説明する説明図である。第2回転モードでは、第1回転モードにおける蛍光体ホイール5に対するカラーホイール22の回転位相を図13に示すように変化させている。
【0067】
第2回転モードにおいて、蛍光体ホイール5の通過領域93から出射した青色の励起光は、カラーホイール22の第4セグメント104に入射し、青色の光としてカラーホイール22から出射する。次に、蛍光体ホイール5及びカラーホイール22が同期した状態で回転すると、励起光により励起されて、蛍光体ホイール5の第1蛍光体セグメント94から出射した緑色の蛍光光は、カラーホイール22の第1セグメント101に入射し、緑色の光としてカラーホイール22から出射する。
【0068】
次に、蛍光体ホイール5及びカラーホイール22がさらに同期した状態で回転すると、励起光により励起されて、蛍光体ホイール5の第2蛍光体セグメント95から出射した黄色の蛍光光は、先に一部がカラーホイール22の第3セグメント103に入射して赤色の光としてカラーホイール22から出射し、次に残りの黄色の蛍光光がカラーホイール22の第2セグメント102に入射して赤色の光としてカラーホイール22から出射する。
【0069】
第2回転モードにおいても、第1回転モードと同様に、このような光の変換を、蛍光体ホイール5及びカラーホイール22がそれぞれ半回転するごとに行われるので、蛍光体ホイール5及びカラーホイール22がそれぞれ1回転すると、2シーケンスの時分割の色光を得ることができる。これにより、カラーブレーキングを低減することができる。
【0070】
第2回転モードでは、カラーホイール22の第1セグメント101において、蛍光体ホイール5の第1蛍光体セグメント94から出射した緑色の蛍光光が透過する量と、第2蛍光体セグメント95から出射して黄色の蛍光光が透過する量との比率は、上記した第1比率とは異なる予め定められた第2比率であり、この第2比率は、例えば緑色の蛍光光が100%で黄色の蛍光光が0%である。すなわち、本実施の形態における第2回転モードでは、カラーホイール22の第1セグメント101は、緑色の蛍光光のみを透過させるように蛍光体ホイールとカラーホイール22の回転位相が制御される。このようにカラーホイール22から出射する色光の割合として、第1回転モードと比較して、黄色光を出射させず、その分、赤色光の割合が大きくしているので、赤色光を多く確保することができ、光の色輝度を向上することができる。これにより、赤の発色が良く、鮮やかな赤色の画像を投写することができる。さらに、緑色光は、蛍光体ホイール5から出射した緑色の蛍光光に含まれる未変換の励起光である青色光が第1セグメント101によってカットされているので、緑色の純度を向上させることができる。なお、上述では、第2比率は緑色の蛍光光が100%で黄色の蛍光光が0%としているが、これに限らず赤色光の割合が大きくなるような最適な比率にすればよく、黄色の蛍光光が0%より少許大きな比率、例えば1%になるように設定してもよい。
【0071】
図14は、緑色光におけるスペクトル変化を示すグラフである。グラフGr1は、カラーホイール22から出射する従来の緑色光のスペクトル変化を示すグラフである。Gr2は、本実施の形態の第1回転モードによる緑色光のスペクトル変化を示すグラフである。Gr3は、本実施の形態の第2回転モードによる緑色光のスペクトル変化を示すグラフである。
【0072】
図14に示すように、第1回転モード及び第2回転モードにより生成した緑色光において、従来よりも青色の光のスペクトル成分が低減しており、緑色の純度を向上することができている。
【0073】
図15は、赤色光におけるスペクトル変化を示すグラフである。グラフGr4は、カラーホイール22から出射する従来の赤色光のスペクトル変化を示すグラフである。Gr5は、本実施の形態の第1回転モードによる赤色光のスペクトル変化を示すグラフである。Gr6は、本実施の形態の第2回転モードによる赤色光のスペクトル変化を示すグラフである。
【0074】
図15に示すように、第1回転モード及び第2回転モードにより生成した赤色光において、従来よりも青色の光のスペクトル成分が低減しており、赤色の純度を向上することができている。
【0075】
図16は、CIExy色度図における、青、赤、緑の色域を示すグラフである。グラフGr7は、カラーホイール22から出射する従来の光の色域を示すグラフである。Gr8は、本実施の形態の第1回転モードによる光の色域を示すグラフである。Gr9は、本実施の形態の第2回転モードによる光の色域を示すグラフである。
【0076】
図16に示すように、第1回転モード及び第2回転モードにより生成した光の色域は、従来の光の色域よりも広くなっている。赤色のx値について、従来のグラフGr7では0.636であったのが、第1回転モードのグラフGr8では0.650、第2回転モードのグラフGr9では0.651にそれぞれ向上している。また、緑色のy値について、従来のグラフGr7では0.585であったのが、第1回転モードのグラフGr8では0.591、第2回転モードのグラフGr9では0.597にそれぞれ向上している。
【0077】
[1-7.効果等]
以上のように、実施の形態1において、光源装置3は、蛍光体ホイール5と、カラーホイール22と、制御部7とを備える。蛍光体ホイール5は、青色光の励起光により励起されて、緑色光の蛍光光を出射する第1蛍光体セグメント94と、青色光である励起光により励起されて、黄色光の蛍光光を出射する第2蛍光体セグメント95と、青色光の励起光を通過させる通過領域93と、を有する。カラーホイール22は、蛍光体ホイール5からの緑色光の蛍光光と黄色光の蛍光光を透過可能な第1セグメント101を有する。制御部7は、蛍光体ホイール5に対するカラーホイール22の回転位相位置として第1回転モードと第2回転モードとの2つの回転モードのいずれかで、蛍光体ホイール5とカラーホイール22の回転位相位置を制御する。第1セグメント101は、第1回転モードにおいて緑色光の蛍光光と黄色光の蛍光光が予め定められた第1比率で透過し、第2回転モードにおいて、緑色光の蛍光光と黄色光の蛍光光が第1比率と異なる、予め定められた第2比率で透過させる。第1セグメント101には青色光をカットする処理が施されている。
【0078】
蛍光体ホイール5とカラーホイール22の回転モードに応じて第1セグメント101を透過する緑色光の蛍光光と黄色光の蛍光光の比率を変えることで、回転モードに応じて明るさの優先と色の鮮やかさの優先をより向上することができる。また、緑色光の蛍光光と黄色光の蛍光光が透過する第1セグメント101に青色光をカットする処理が施されているので、第1セグメント101を透過した光の色度を向上させることができる。
【0079】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、上記実施の形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
【0080】
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面及び詳細な説明を提供した。したがって、添付図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。したがって、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0081】
また、上述の実施形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【0082】
(実施の形態の概要)
(1)本開示のカラーホイールユニットは、カラーホイールを有する、カラーホイールアッセンブリと、カラーホイールを通過した光が入射するロッドインテグレータと、カラーホイールアッセンブリとロッドインテグレータとが取り付けられるホルダーと、を備える。ホルダーは、投写型画像表示装置の筐体に取り付けられる第1ベース部と、第1ベース部から突出した第2ベース部と、第2ベース部からさらに突出し、ロッドインテグレータが取り付けられる第3ベース部と、を備える。第3ベース部は、カラーホイールアッセンブリをホルダーに取り付ける際に案内する第1ガイド壁及び第2ガイド壁を有する。カラーホイールアッセンブリは、カラーホイールに結合され、カラーホイールを回転駆動するモータと、カラーホイールを回転可能に支持する支持部と、を備える。支持部は、カラーホイールアッセンブリをホルダーに取り付ける際に、第1ガイド壁に移動を規制されて案内される第1規制部と、第2ガイド壁に移動を規制されて案内される第2規制部と、を有する。
【0083】
これにより、カラーホイールアッセンブリをホルダーに取り付ける際に、2つのガイド壁を有することで、カラーホイールとロッドインテグレータとの接触を防止し、それぞれが損傷するリスクを低減することができる。また、カラーホイールユニットは、交換頻度の高いカラーホイールとロッドインテグレータとを一体化しているので、メンテナンス性を向上させることができる。
【0084】
(2)(1)のカラーホイールユニットにおいて、第1規制部は平板であり、第1案内部は、第1規制部と平行な平面である。
【0085】
(3)(1)または(2)のカラーホイールユニットにおいて、第2規制部は、凸部であり、第2案内部は、第2規制部と嵌合する凹部である。
【0086】
(4)(1)から(3)のいずれか1つのカラーホイールユニットにおいて、カラーホイールユニットは、投写型画像表示装置の筐体に形成されたガイド部に挿入されるガイド片を有する。
【0087】
これにより、ユーザーは筐体のガイド部にカラーホイールユニットのガイド片を挿入すればよいので、組み立て性を向上することができる。
【0088】
(5)(1)から(4)のいずれか1つのカラーホイールユニットにおいて、ホルダーは、投写型画像表示部の筐体の予め定められた面側に配置された取り付け用の開口部を蓋する。
【0089】
(6)(1)から(5)のいずれか1つのカラーホイールユニットにおいて、ホルダーの支持部が取り付けられた側と反対側に、ホルダーを把持するための把手部が形成されている。
【0090】
これにより、ユーザーがカラーホイールユニットを握りやすいので、組み立て性を向上することができる。
【0091】
(7)(1)から(6)のいずれか1つのカラーホイールユニットにおいて、第1ベース部において、投写型画像表示装置の筐体に取り付けられる側に、開口部の周辺に対応した位置にシートが配置されている。
【0092】
これにより、筐体にカラーホイールユニットが取り付けられた際に、シートが配置されたホルダー自体が防塵用の蓋として機能することができる。
【0093】
(8)(1)から(7)のいずれか1つのカラーホイールユニットにおいて、カラーホイールアッセンブリは、モータの回転位相を検出するセンサを備える。支持部は、ロッドインテグレータとセンサとの間に遮光壁を有する。
【0094】
これにより、遮光壁により散乱光がセンサに入射するのを低減することができ、センサの誤検出を低減することができる。
【0095】
(9)本開示の投写型画像表示装置は、(1)から(8)のいずれか1つのカラーホイールユニットを備える。
【0096】
また、励起光の光量が多くなると、励起光の色の光量が他の色の光量よりも増えてしまい、投写光における色域が狭くなる課題もある。
【0097】
したがって、本開示は、色域を広くすることができる、光源装置、及び、投写型画像表示装置を提供することも目的とする。
【0098】
(10)本開示の光源装置は、第1の色光の励起光により励起されて、第2の色光の蛍光光を出射する第1蛍光体セグメントと、第1の色光である励起光により励起されて、第3の色光の蛍光光を出射する第2蛍光体セグメントと、第1の色光の励起光を通過させる領域と、を有する蛍光体ホイールと、蛍光体ホイールからの第2の色光の蛍光光と第3の色光の蛍光光を透過可能な第1セグメントを有する、カラーホイールと、蛍光体ホイールに対するカラーホイールの回転位相位置として第1回転モードと第2回転モードとの2つの回転モードのいずれかで、蛍光体ホイールとカラーホイールの回転位相位置を制御する制御部と、を備える。第1セグメントは、第1回転モードにおいて第2の色光の蛍光光と第3の色光の蛍光光が予め定められた第1比率で透過し、第2回転モードにおいて、第2の色光の蛍光光と第3の色光の蛍光光が第1比率と異なる、予め定められた第2比率で透過させる。第1セグメントには第1の色光をカットする処理が施されている。
【0099】
蛍光体ホイール5とカラーホイール22の回転モードに応じて第1セグメント101を透過する緑色光の蛍光光と黄色光の蛍光光の比率を変えることで、回転モードに応じて明るさの優先と色の鮮やかさの優先をより向上することができる。また、緑色光の蛍光光と黄色光の蛍光光が透過する第1セグメント101に青色光をカットする処理が施されているので、第1セグメント101を透過した光の色度を向上させることができ、色域を広くすることができる。
【0100】
(11)(10)の光源装置において、第1の色光の励起光は青色レーザー光である。第1蛍光体セグメントは、第2の色光である緑色の蛍光光を出射する緑色蛍光体セグメントである。第2蛍光体セグメントは、第3の色光である黄色の蛍光光を出射する黄色蛍光体セグメントである。
【0101】
(12)本開示の光源装置は、青色レーザー光により励起されて緑色の蛍光光を出射する第1蛍光体セグメントと、青色レーザー光により励起されて黄色の蛍光光を出射する第2蛍光体セグメントと、緑色蛍光体セグメント及び黄色蛍光体セグメントが配置された基板と、を有する蛍光体ホイールと、蛍光体ホイールからの緑色の蛍光光と黄色の蛍光光を透過可能な第1セグメントを有する、カラーホイールと、蛍光体ホイールに対するカラーホイールの回転位相位置として第1回転モードと第2回転モードとの2つの回転モードのいずれかで、蛍光体ホイールとカラーホイールの回転位相位置を制御する制御部と、を備える。制御部は、第1セグメントにおいて、第1回転モードにおいて、緑色の蛍光光と黄色の蛍光光の両方を透過させ、第2回転モードにおいて、緑色の蛍光光を透過させるように制御する。第1セグメントは、青色の光をカットする処理が施されている。
【0102】
(13)(10)から(12)のいずれか1つの光源装置において、カラーホイールは、黄色の蛍光光が入射すると赤色の光として透過させ、青色の励起光が入射すると青色の光として透過させる、マゼンタフィルターが配置された第2セグメントと、黄色の蛍光光が入射すると赤色の光として透過させる、赤フィルターが配置された第3セグメントと、を有する。蛍光体ホイールが1周すると2シーケンスの時分割の光を出射するように、蛍光体ホイールに緑色蛍光体セグメント及び黄色蛍光体セグメントが配置されている。カラーホイールは1周すると2シーケンスの時分割の光を出射するように、カラーホイールに第1、第2、及び第3セグメントが配置されている、
【0103】
(14)(13)の光源装置において、制御部は、第2セグメントにおいて、第1回転モードにおいて、青色の励起光を透過させ、第2回転モードにおいて、黄色の蛍光光を透過させるように制御する。
【0104】
(15)(14)の光源装置において、制御部は、第3セグメントにおいて、第1回転モード及び第2回転モードにおいて、黄色の励起光を透過させる。
【0105】
(16)本開示の投写型画像表示装置は、(10)から(15)のいずれか1つの光源装置を備える。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本開示は、照明光を照射させて光を波長変換させる蛍光体ホイール、蛍光体ホイールで波長変換させた光を用いる光源装置、及び投写型画像表示装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0107】
1 投写型画像表示装置
2 筐体
2a 開口部
2b ガイド部
3 光源装置
5 蛍光体ホイール
6 基板
7 制御部
11 レーザー光源
14 拡散板
15 凹レンズ
16 選択反射素子
17、19 凸レンズ
20 カラーホイールユニット
21 カラーホイールアッセンブリ
22 カラーホイール
23 ロッドインテグレータ
24 ホルダー
31、32、34、36、38 凸レンズ
33、35、37 反射ミラー
41、42,43 凸レンズ
44 全反射プリズム
45 微小ギャップ
51 DMD
55 投写レンズユニット
71 第1ベース部
72 第2ベース部
73 第3ベース部
73a 載置部
73b 第1壁部
73c 第2壁部
74 第1ガイド壁
75 第2ガイド壁
76 留め具
81 モータ
81a 回転軸
81b マーカーシール
82 支持部
82a 底面
82b 壁部
82c 上面
83 第1規制部
84 第2規制部
85 センサ
86 遮光壁
87 シート
88 ガイド片
89 把持部
91 基板
91a 円環領域
92 波長変換素子
93 通過領域
94 第1蛍光体セグメント
95 第2蛍光体セグメント
101 第1セグメント
102 第2セグメント
103 第3セグメント
104 第4セグメント
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16