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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023060741
(43)【公開日】2023-04-28
(54)【発明の名称】即湯式給湯装置
(51)【国際特許分類】
   F24D 17/00 20220101AFI20230421BHJP
【FI】
F24D17/00 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021170503
(22)【出願日】2021-10-18
(71)【出願人】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】長瀬 弘明
【テーマコード(参考)】
3L073
【Fターム(参考)】
3L073AA02
3L073AA13
3L073AC01
3L073AC06
3L073AD07
3L073AE04
3L073CC06
3L073DD07
(57)【要約】
【課題】使用者に不快感を与えることを回避しながらも、加熱エネルギーの損失を抑制できる即湯式給湯装置を提供する。
【解決手段】一日のうちで給湯栓1が開かれて給湯状態となる給湯頻度が高い高頻度時間帯と給湯頻度が低い低頻度時間帯とを設定する時間帯設定部Tが設けられ、運転制御部Cが、高頻度時間帯においては、即湯用加熱部Kの加熱作動を停止した状態で湯水温度検出センサMにて検出される加熱前検出温度が、設定目標温度よりも低く設定した基準加熱開始温度より低い場合には、即湯用加熱処理を実行し、かつ、低頻度時間帯においては、加熱前検出温度が、基準加熱開始温度より低い低頻度用加熱開始温度よりも低い場合には、即湯用加熱処理を実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水路からの湯水を加熱して給湯路に出湯する給湯用加熱部と、前記給湯路に接続される給湯栓と、少なくとも前記給湯路の給湯栓側部分を含んで構成される即湯用循環回路と、運転制御部とが設けられ、
前記即湯用循環回路に、循環ポンプ、即湯用加熱部、湯水温度検出センサが設けられ、
前記運転制御部が、前記即湯用加熱部の加熱作動を停止した状態において前記湯水温度検出センサにて検出される加熱前検出温度が設定目標温度よりも低い設定加熱開始温度よりも低下すると、前記循環ポンプを作動させた状態で、前記湯水温度検出センサの検出情報に基づいて前記即湯用循環回路内の湯水の温度を前記設定目標温度にすべく前記即湯用加熱部を加熱作動させる即湯用加熱処理を実行する即湯式給湯装置であって、
一日のうちで前記給湯栓が開かれて給湯状態となる給湯頻度が多い高頻度時間帯と前記給湯頻度が低い低頻度時間帯とを含む給湯頻度対応時間帯を設定する時間帯設定部が設けられ、
前記運転制御部が、前記高頻度時間帯においては、前記設定加熱開始温度を基準加熱開始温度に設定し、かつ、前記低頻度時間帯においては、前記設定加熱開始温度を、前記基準加熱開始温度より低い低頻度用加熱開始温度に設定する即湯式給湯装置。
【請求項2】
前記時間帯設定部が、前記給湯頻度対応時間帯として、前記高頻度時間帯を基準頻度時間帯と当該基準頻度時間帯よりも前記給湯頻度が高い多頻度時間帯とに区分して設定し、
前記運転制御部が、前記基準頻度時間帯においては、前記基準加熱開始温度として、当該基準加熱開始温度を設定し、かつ、前記多頻度時間帯においては、前記基準加熱開始温度として、当該基準加熱開始温度よりも高い多頻度用加熱開始温度を設定する請求項1に記載の即湯式給湯装置。
【請求項3】
前記運転制御部が、前記低頻度時間帯において、前記循環ポンプを作動させた状態で、前記湯水温度検出センサの検出情報に基づいて前記即湯用循環回路内の湯水の温度を前記設定目標温度よりも高い殺菌用温度にすべく前記即湯用加熱部を加熱作動させる殺菌用加熱処理を実行する請求項1又は2に記載の即湯式給湯装置。
【請求項4】
前記時間帯設定部が、一週間の各曜日について各別に、前記給湯頻度対応時間帯を設定する請求項1~3のいずれか1項に記載の即湯式給湯装置。
【請求項5】
前記時間帯設定部が、前記給湯状態となる回数を時間帯毎に学習し、当該学習の結果に基づいて前記給湯頻度対応時間帯を設定する請求項1~4のいずれか1項に記載の即湯式給湯装置。
【請求項6】
前記運転制御部が、前記即湯用加熱部の加熱作動を停止した状態で前記循環ポンプを作動させたときの前記湯水温度検出センサの検出温度を前記加熱前検出温度として検出する加熱前検出処理を、設定時間間隔を隔てて繰り返し実行する請求項1~5のいずれか1項に記載の即湯式給湯装置。
【請求項7】
前記運転制御部が、前記低頻度時間帯においては、前記設定時間間隔を前記高頻度時間帯よりも長く設定する請求項6に記載の即湯式給湯装置。
【請求項8】
前記運転制御部が、前記即湯用加熱部の加熱作動を停止した状態で前記循環ポンプを作動させたときの前記湯水温度検出センサの検出温度を前記加熱前検出温度として検出する加熱前検出処理を、設定時間間隔を隔てて繰り返し実行し、かつ、前記多頻度時間帯においては、前記設定時間間隔を前記基準頻度時間帯よりも短く設定する請求項2に記載の即湯式給湯装置。
【請求項9】
前記即湯用循環回路が、前記給湯路、当該給湯路の給湯栓側端部箇所と前記給水路とを接続する給水側戻り路、及び、前記給水路における前記給水側戻り路の接続箇所よりも下流側となる給水側下流路から構成され、
前記給湯用加熱部が、前記即湯用加熱部に兼用され、
前記給水側下流路に配置される給水温度センサが、前記湯水温度検出センサに兼用される請求項1~8のいずれか1項に記載の即湯式給湯装置。
【請求項10】
前記即湯用循環回路が、前記給湯路の給湯栓側端部箇所と前記給湯路における前記給湯栓側部分の上流側箇所とを接続する給湯側戻り路、及び、前記給湯路における前記給湯側戻り路の接続箇所よりも下流側となる前記給湯栓側部分から構成され、
前記循環ポンプ及び前記即湯用加熱部が、前記給湯側戻り路に配設され、
前記湯水温度検出センサとして、前記給湯側戻り路に配置される戻り温度センサが設けられている請求項1~8のいずれか1項に記載の即湯式給湯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給水路からの湯水を加熱して給湯路に出湯する給湯用加熱部と、前記給湯路に接続される給湯栓と、少なくとも前記給湯路の給湯栓側部分を含んで構成される即湯用循環回路と、運転制御部とが設けられ、
前記即湯用循環回路に、循環ポンプ、即湯用加熱部、湯水温度検出センサが設けられ、
前記運転制御部が、前記即湯用加熱部の加熱作動を停止した状態において前記湯水温度検出センサにて検出される加熱前検出温度が設定目標温度よりも低い設定加熱開始温度よりも低下すると、前記循環ポンプを作動させた状態で、前記湯水温度検出センサの検出情報に基づいて前記即湯用循環回路内の湯水の温度を前記設定目標温度にすべく前記即湯用加熱部を加熱作動させる即湯用加熱処理を実行する即湯式給湯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる即湯式給湯装置は、即湯用循環回路の湯水を設定目標温度に加熱しておくことにより、給湯用加熱部と給湯栓とが大きく離れている場合、つまり、給湯用加熱部と給湯栓との距離が大きい場合等においても、給湯栓を開いたときに高温の湯を出湯できるようにしたものである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1においては、給湯栓から出湯する出湯設定温度が設定目標温度として設定される場合について記載されているが、給湯栓として、高温(例えば、60℃)の湯水と常温の湯水を混合して目標とする温度の湯水を出湯する混合栓が用いられる場合等においては、設定目標温度として、高温(例えば、60℃)が適用される場合もある。
【0004】
また、特許文献1においては、即湯用加熱部として、給湯用加熱部を兼用する形態が記載されているが、即湯用加熱部として、暖房用の熱媒と即湯用循環回路の湯水とを熱交換する液々熱交換器が適用される場合があり(例えば、特許文献2参照)、また、即湯用加熱部として、電気ヒータが適用される場合がある(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
また、運転制御部が即湯用加熱処理を実行する形態として、特許文献1に記載の如く、運転制御部が、即湯用加熱部の加熱作動を停止し且つ循環ポンプを停止させた状態に維持しているときに、湯水温度検出センサにて検出される加熱前検出温度が設定加熱開始温度よりも低くなると、即湯用加熱処理を実行する形態がある。
その他、運転制御部が、設定時間間隔が経過する毎に、即湯用加熱部の加熱作動を停止させた状態で循環ポンプを作動させたときに、湯水温度検出センサにて検出される加熱前検出温度が設定加熱開始温度よりも低くなると、即湯用加熱処理を実行する形態がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7-269949号公報
【特許文献2】特開2001-193955号公報
【特許文献3】特開2000-18623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一日のうちには、給湯栓が開かれて出湯される出湯頻度が高い高頻度時間帯と、給湯栓が開かれて出湯される出湯頻度が低い低頻度時間帯(例えば、出湯されることが一度もない時間帯)とがある。
従来では、高頻度時間帯及び低頻度時間帯のいずれにおいても、湯水温度検出センサにて検出される加熱前検出温度が設定目標温度よりも低い設定加熱開始温度よりも低下すると、即湯用加熱処理が実行されるものであるため、加熱エネルギーを損失する不都合があり、改善が望まれている。
【0008】
つまり、高頻度時間帯においては、即湯用循環回路内の湯水の温度を的確に設定目標温度に近づけておくことにより、極力、出湯の開始時点から設定目標温度の湯水を出湯させるようにして、使用者の使用感の向上を適切に上昇させることが望まれる。
しかしながら、低頻度時間帯(例えば、出湯されることが一度もない時間帯)においては、即湯用循環回路内の湯水の温度を設定目標温度に近づけておかなくても、使用者の使用感を大きく低下させるものではないにも拘わらず、従来では、低頻度時間帯おいても高頻度時間帯と同様に、即湯用循環回路内の湯水の温度を的確に設定目標温度に近づけておくことが実行されるため、加熱エネルギーを損失する不都合があった。
【0009】
ただし、低頻度時間帯において、即湯用加熱処理を完全に停止させると、低頻度時間帯において出湯が存在した場合において、出湯の開始時点から長い時間に亘り、常温の冷たい湯水が出湯されるものとなって、使用者に不快感を与えることになるため、低頻度時間帯においても、即湯用加熱処理を実行させることは必要である。
【0010】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、使用者に不快感を与えることを回避しながらも、加熱エネルギーの損失を抑制できる即湯式給湯装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の即湯式給湯装置は、給水路からの湯水を加熱して給湯路に出湯する給湯用加熱部と、前記給湯路に接続される給湯栓と、少なくとも前記給湯路の給湯栓側部分を含んで構成される即湯用循環回路と、運転制御部とが設けられ、
前記即湯用循環回路に、循環ポンプ、即湯用加熱部、湯水温度検出センサが設けられ、
前記運転制御部が、前記即湯用加熱部の加熱作動を停止した状態において前記湯水温度検出センサにて検出される加熱前検出温度が設定目標温度よりも低い設定加熱開始温度よりも低下すると、前記循環ポンプを作動させた状態で、前記湯水温度検出センサの検出情報に基づいて前記即湯用循環回路内の湯水の温度を前記設定目標温度にすべく前記即湯用加熱部を加熱作動させる即湯用加熱処理を実行するものであって、その特徴構成は、
一日のうちで前記給湯栓が開かれて給湯状態となる給湯頻度が高い高頻度時間帯と前記給湯頻度が低い低頻度時間帯とを含む給湯頻度対応時間帯を設定する時間帯設定部が設けられ、
前記運転制御部が、前記高頻度時間帯においては、前記設定加熱開始温度を基準加熱開始温度に設定し、かつ、前記低頻度時間帯においては、前記設定加熱開始温度を、前記基準加熱開始温度より低い低頻度用加熱開始温度に設定する点にある。
【0012】
すなわち、一日のうちで給湯頻度が高い高頻度時間帯においては、湯水温度検出センサにて検出される加熱前検出温度が、設定目標温度よりも低く設定した基準加熱開始温度よりも低い場合に、即湯用加熱処理が実行される。
これに対して、一日のうちで給湯頻度が低い低頻度時間帯においては、湯水温度検出センサにて検出される加熱前検出温度が、基準加熱開始温度より低い低頻度用加熱開始温度よりも低い場合に、即湯用加熱処理が実行される。
【0013】
つまり、即湯用循環回路内の湯水の温度は、即湯用加熱処理により設定目標温度に加熱された後は、時間経過に伴って漸次低下することになり、高頻度時間帯においては、加熱前検出温度が基準加熱開始温度より低い場合には、即湯用加熱処理が実行される。
これに対して、低頻度時間帯においては、加熱前検出温度が基準加熱開始温度より低い低頻度用加熱開始温度よりも低い場合において、即湯用加熱処理が実行されることになるから、低頻度時間帯においては、即湯用加熱処理が実行される頻度を低下させることができる。
【0014】
したがって、低頻度時間帯においても即湯用加熱処理を実行することにより、使用者に不快感を与えることを回避できるようにしながらも、低頻度時間帯においては、即湯用加熱処理が実行される頻度を低下させることにより、加熱エネルギーの損失を抑制できる。
【0015】
要するに、本発明の即湯式給湯装置の特徴構成によれば、使用者に不快感を与えることを回避しながらも、加熱エネルギーの損失を抑制できる。
【0016】
本発明の即湯式給湯装置の更なる特徴構成は、前記時間帯設定部が、前記給湯頻度対応時間帯として、前記高頻度時間帯を基準頻度時間帯と当該基準頻度時間帯よりも前記給湯頻度が高い多頻度時間帯とに区分して設定し、
前記運転制御部が、前記基準頻度時間帯においては、前記基準加熱開始温度として、当該基準加熱開始温度を設定し、かつ、前記多頻度時間帯においては、前記基準加熱開始温度として、当該基準加熱開始温度よりも高い多頻度用加熱開始温度を設定する点にある。
【0017】
すなわち、高頻度時間帯のうちの基準頻度時間帯においては、湯水温度検出センサにて検出される加熱前検出温度が、設定目標温度よりも低く設定した基準加熱開始温度より低い場合には、即湯用加熱処理が実行される。
これに対して、高頻度時間帯のうちの基準頻度時間帯よりも給湯頻度が高い多頻度時間帯においては、湯水温度検出センサにて検出される加熱前検出温度が、基準加熱開始温度より高い多頻度用加熱開始温度よりも低い場合には、即湯用加熱処理が実行される。
【0018】
つまり、即湯用循環回路内の湯水の温度は、即湯用加熱処理により設定目標温度に加熱された後は、時間経過に伴って漸次低下することになり、基準頻度時間帯においては、加熱前検出温度が基準加熱開始温度より低い場合には、即湯用加熱処理が実行される。
これに対して、多頻度時間帯においては、加熱前検出温度が基準加熱開始温度より高い多頻度用加熱開始温度よりも低い場合において、即湯用加熱処理が実行されることになるから、多頻度時間帯においては、即湯用循環回路内の湯水の温度を設定目標温度に極力近づけた状態に維持して、給湯栓を開いて給湯する際の湯水温度の均一化を一層図ることができ、その結果、使用者の使用感を向上できる。
【0019】
説明を加えると、基準頻度時間帯においても、加熱前検出温度が基準加熱開始温度より高い多頻度用加熱開始温度よりも低い場合には、即湯用加熱処理が実行させるようにすると、加熱エネルギーの損失を招くものとなるが、給湯頻度が極めて高い多頻度時間帯においては、即湯用循環回路内の湯水の温度を設定目標温度に極力近づけた状態に維持させるようにして、加熱エネルギーの損失を抑制しながら、使用者の使用感を向上できる。
【0020】
要するに、本発明の即湯式給湯装置の更なる特徴構成によれば、加熱エネルギーの損失を抑制しながら、使用者の使用感を向上できる。
【0021】
本発明の即湯式給湯装置の更なる特徴構成は、前記運転制御部が、前記低頻度時間帯において、前記循環ポンプを作動させた状態で、前記湯水温度検出センサの検出情報に基づいて前記即湯用循環回路内の湯水の温度を前記設定目標温度よりも高い殺菌用温度にすべく前記即湯用加熱部を加熱作動させる殺菌用加熱処理を実行する点にある。
【0022】
すなわち、低頻度時間帯において、殺菌用加熱処理が実行されて、即湯用循環回路内の湯水の温度が設定目標温度よりも高い殺菌用温度(例えば、65℃)に上昇されるから、即湯用循環回路内の湯水にレジオネラ菌等の細菌類が発生することを抑制して、即湯用循環回路内の湯水を清潔な状態に適切に維持できる。
【0023】
そして、即湯用循環回路内の湯水が設定目標温度よりも高い殺菌用温度に上昇されて、その高温の湯水が給湯栓からの給湯に使用されると、給湯される湯水が高温になることにより使用者に違和感を与える虞があるが、低頻度時間帯においては、給湯栓が開かれて給湯状態となる給湯頻度が低いものであるから、使用者に違和感を与えることを極力回避できる。
【0024】
要するに、本発明の即湯式給湯装置の更なる特徴構成によれば、使用者に違和感を与えることを極力回避しながら、即湯用循環回路内の湯水を清潔な状態に適切に維持できる。
【0025】
本発明の即湯式給湯装置の更なる特徴構成は、前記時間帯設定部が、一週間の各曜日について各別に、前記給湯頻度対応時間帯を設定する点にある。
【0026】
すなわち、一週間の各曜日について各別に、給湯頻度対応時間帯が設定されるから、一週間の各曜日の夫々において、例えば、高頻度時間帯となる時間帯と低頻度時間帯となる時間帯とが大きく異なる場合においても、各曜日の夫々に対して、給湯頻度対応時間帯を適切に設定できる。
【0027】
要するに、本発明の即湯式給湯装置の更なる特徴構成によれば、一週間の各曜日の夫々に対して給湯頻度対応時間帯を適切に設定できる。
【0028】
本発明の即湯式給湯装置の更なる特徴構成は、前記時間帯設定部が、前記給湯状態となる回数を時間帯毎に学習し、当該学習の結果に基づいて前記給湯頻度対応時間帯を設定する点にある。
【0029】
すなわち、給湯栓が開かれて給湯状態となる回数が時間帯毎に学習され、当該学習の結果に基づいて、給湯頻度対応時間帯が設定されるものであるから、給湯頻度対応時間帯を、的確にしかも面倒な作業を行うことなく設定できる。
【0030】
つまり、例えば、高頻度時間帯と低頻度時間帯とを、使用者が入力して給湯頻度対応時間帯を設定する等、給湯頻度対応時間帯を使用者が入力して設定することが考えられるが、この場合には、面倒な作業を要するものとなるばかりでなく、入力ミスや勘違い等により、給湯頻度対応時間帯を的確に設定できない虞がある。
【0031】
要するに、本発明の即湯式給湯装置の更なる特徴構成によれば、給湯頻度対応時間帯を的確にしかも面倒な作業を行うことなく設定できる。
【0032】
本発明の即湯式給湯装置の更なる特徴構成は、前記運転制御部が、前記即湯用加熱部の加熱作動を停止した状態で前記循環ポンプを作動させたときの前記湯水温度検出センサの検出温度を前記加熱前検出温度として検出する加熱前検出処理を、設定時間間隔を隔てて繰り返し実行する点にある。
【0033】
すなわち、即湯用加熱部の加熱作動を停止した状態で循環ポンプを作動させたときの湯水温度検出センサの検出温度を加熱前検出温度として検出する加熱前検出処理が、設定時間間隔を隔てて繰り返し実行されて、その加熱前検出処理にて検出された加熱前検出温度が設定加熱開始温度よりも低下していると、即湯用加熱処理が実行されることになる。
【0034】
つまり、加熱前検出処理が設定時間間隔を隔てて繰り返し実行されることにより、結果的に、即湯用加熱処理も設定時間間隔を隔てた形態で繰り返し実行されることになるから、即湯用加熱処理が不必要に頻繁に行われることを抑制できる。
【0035】
また、加熱前検出処理にて湯水温度検出センサにて検出される加熱前検出温度は、即湯用加熱部の加熱作動を停止した状態で循環ポンプを作動させたときの湯水温度検出センサの検出温度であるから、即湯用循環回路の各部に位置する湯水の温度を検出することができるため、例えば、加熱前検出処理を実行する間に検出される検出温度のうちの最も低い温度を加熱前検出温度にする等、即湯用循環回路の各部に位置する湯水の温度が異なる場合等においても、即湯用循環回路の内部に位置する湯水の温度を適切に検出することができる。
【0036】
要するに、本発明の即湯式給湯装置の更なる特徴構成によれば、即湯用加熱処理が不必要に頻繁に行われることを抑制し、かつ、即湯用循環回路の内部位置する湯水の温度を適切に検出することができる。
【0037】
本発明の即湯式給湯装置の更なる特徴構成は、前記運転制御部が、前記低頻度時間帯においては、前記設定時間間隔を前記高頻度時間帯よりも長く設定する点にある。
【0038】
すなわち、低頻度時間帯においては、設定時間間隔が高頻度時間帯よりも長く設定されるから、低頻度時間帯においては、加熱前検出処理及び即湯用加熱処理が実行される頻度を低下させることができる。
【0039】
つまり、高頻度時間帯においては、設定時間間隔を短く設定して、即湯用循環回路の湯水が大きく低下する前に加熱前検出処理を行わせるようにすることにより、結果的に、即湯用循環回路の湯水の温度が設定目標温度から大きく離れることを回避するようにする。
これに対して、一日のうちで給湯頻度が低い低頻度時間帯においては、設定時間間隔を長く設定して、加熱前検出処理及び即湯用加熱処理が実行される頻度を低下させることにより、結果的に、即湯用加熱処理を行うことによるエネルギーの消費を一層抑制できる。
【0040】
要するに、本発明の即湯式給湯装置の特徴構成によれば、エネルギーの消費を一層抑制できる。
【0041】
本発明の即湯式給湯装置の更なる特徴構成は、前記運転制御部が、前記即湯用加熱部の加熱作動を停止した状態で前記循環ポンプを作動させたときの前記湯水温度検出センサの検出温度を前記加熱前検出温度として検出する加熱前検出処理を、設定時間間隔を隔てて繰り返し実行し、かつ、前記多頻度時間帯においては、前記設定時間間隔を前記基準頻度時間帯よりも短く設定する点にある。
【0042】
すなわち、上述の如く、加熱前検出処理が設定時間間隔を隔てて繰り返し実行されることにより、即湯用加熱処理が不必要に頻繁に行われることを抑制でき、また、即湯用循環回路の各部に位置する湯水の温度が異なる場合等においても、即湯用循環回路の内部位置する湯水の温度を適切に検出することができる。
【0043】
そして、多頻度時間帯においては、設定時間間隔が基準頻度時間帯よりも短く設定されるから、多頻度時間帯においては、加熱前検出処理が短い時間間隔で繰り返し実行されることになる。
【0044】
つまり、即湯用循環回路内の湯水の温度は、即湯用加熱処理により設定目標温度に加熱された後は、時間経過に伴って漸次低下することになるが、多頻度時間帯においては、加熱前検出処理が短い時間間隔で繰り返し実行されるから、即湯用循環回路内の湯水の温度が多頻度用加熱開始温度よりも大きく低下する前に、加熱前検出処理にて即湯用循環回路内の湯水の温度を検出させて、加熱前検出温度が多頻度用加熱開始温度よりも低い場合には即湯用加熱処理を実行させることができる。
【0045】
このように、即湯用循環回路内の湯水の温度が多頻度用加熱開始温度よりも大きく低下する前に、加熱前検出温度が多頻度用加熱開始温度よりも低い場合には即湯用加熱処理を実行させることができるから、即湯用循環回路内の湯水の温度を設定目標温度に近づけた状態を的確に維持させるようにして、使用者の使用感を一層向上できる。
【0046】
要するに、本発明の即湯式給湯装置の特徴構成によれば、多頻度時間帯において即湯用循環回路内の湯水の温度を設定目標温度に近づけた状態を的確に維持させるようにして、使用者の使用感を一層向上できる。
【0047】
本発明の即湯式給湯装置の更なる特徴構成は、前記即湯用循環回路が、前記給湯路、当該給湯路の給湯栓側端部箇所と前記給水路とを接続する給水側戻り路、及び、前記給水路における前記給水側戻り路の接続箇所よりも下流側となる給水側下流路から構成され、
前記給湯用加熱部が、前記即湯用加熱部に兼用され、
前記給水側下流路に配置される給水温度センサが、前記湯水温度検出センサに兼用される点にある。
【0048】
すなわち、即湯用加熱部として、給湯用加熱部を利用しながら、即湯用循環回路を、給湯用加熱部にて加熱された湯水を給湯栓に導く給湯路、当該給湯路の給湯栓側端部箇所と給水路とを接続する給水側戻り路、及び、給水路における給水側戻り路の接続箇所よりも下流側となる給水側下流路から構成するものであるから、給湯栓に給湯するための構成を利用した簡素な構成にて、即湯を行うことができる。
【0049】
また、給水路における給水側下流路には、給湯栓に給湯する湯水の温度制御を行うことを目的として、給水温度センサが配置されことになるが、その給水温度センサを、加熱前検出処理や即湯用加熱処理を実行する際に必要な湯水温度検出センサに利用するものであるから、この点からも、給湯栓に給湯するための構成を利用した簡素な構成にて、即湯を行うことができる。
【0050】
要するに、本発明の即湯式給湯装置の更なる特徴構成によれば、給湯栓に給湯するための構成を利用した簡素な構成にて、即湯を行うことができる。
【0051】
本発明の即湯式給湯装置の更なる特徴構成は、前記即湯用循環回路が、前記給湯路の給湯栓側端部箇所と前記給湯路における前記給湯栓側部分の上流側箇所とを接続する給湯側戻り路、及び、前記給湯路における前記給湯側戻り路の接続箇所よりも下流側となる前記給湯栓側部分から構成され、
前記循環ポンプ及び前記即湯用加熱部が、前記給湯側戻り路に配設され、
前記湯水温度検出センサとして、前記給湯側戻り路に配置される戻り温度センサが設けられている点にある。
【0052】
すなわち、即湯用循環回路が、給湯路の給湯栓側端部箇所と給湯路における給湯栓側部分の上流側箇所とを接続する給湯側戻り路、及び、給湯路における給湯側戻り路の接続箇所よりも下流側となる給湯栓側部分から構成されるものであるから、即湯用循環回路を、給湯用加熱部に湯水を供給する給水路とは切り離した状態で構成できる。
【0053】
そして、循環ポンプ及び即湯用加熱部を、給湯側戻り路に配設し、加えて、湯水温度検出センサとして、給湯側戻り路に配置される戻り温度センサを設けるものであるから、加熱前検出処理や即湯用加熱処理を、給湯用加熱部の加熱作動とは切り離した状態で行うことができる。
【0054】
従って、給湯用加熱部にて加熱された湯水の給湯形態に多様性を持たせることができるものとなる。つまり、例えば、浴槽等の別の給湯箇所に給湯する分岐路が給湯路における給湯側戻り路の接続箇所よりも上流側箇所から分岐されて、給湯路からの湯水が給湯栓に加えて、浴槽等の別の給湯箇所に給湯される場合において、給湯用加熱部にて加熱された湯水を浴槽等の別の箇所に給湯しながら、加熱前検出処理や即湯用加熱処理を行いながら即湯を行わせることができる等、給湯用加熱部にて加熱された湯水の給湯形態に多様性を持たせることができる。
【0055】
要するに、本発明の即湯式給湯装置の更なる特徴構成によれば、給湯用加熱部にて加熱された湯水の給湯形態に多様性を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
図1】即湯式給湯装置の全体構成を示す図である。
図2】学習テーブルを示す図である。
図3】即湯処理のフローチャートである。
図4】別実施形態の即湯式給湯装置の全体構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
〔実施形態〕
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(即湯式給湯装置の全体構成)
図1に示すように、即湯式給湯装置は、台所や洗面所の給湯栓1に給湯する熱源機G及び即湯ユニットHを備えている。本実施形態においては、給湯栓1は、湯と水とを混合する混合栓式の給湯栓である。
尚、熱源機Gは、給湯栓1に加えて浴槽(図示せず)に給湯する機能を備えることになるが、本実施形態においては、浴槽に給湯する構成についての詳細を省略する。
【0058】
熱源機Gは、運転を制御する熱源側制御部Cgを備え、即湯ユニットHは、運転を制御するユニット側制御部Chを備え、熱源側制御部Cgとユニット側制御部Chとが通信線Dにて各種情報を通信自在に接続されている。
そして、熱源側制御部Cgとユニット側制御部Chとから、後述する即湯処理を実行する運転制御部Cが構成されている。
【0059】
熱源側制御部Cgに対して各種制御指令を指令する手動操作式指令部としてのリモコンRが設けられている。ちなみに、リモコンRとしては、台所などに設置されるメインリモコンや浴室に設置される浴室リモコンが存在する。
リモコンRには、熱源機G及び即湯ユニットHの運転の開始と停止を指令する運転スイッチ、後述する即湯処理の開始と停止を指令する即湯スイッチ等の各種の指令を行う指令スイッチ類、給湯用の設定目標温度を設定する給湯温度設定スイッチ等の設定スイッチ類、及び、設定目標温度等の各種情報を表示する表示部が設けられている。
【0060】
図1に示すように、熱源機Gには、一般家庭用の水道管に接続された給水路2からの水を加熱して、加熱後の湯水を給湯路3に出湯する給湯用加熱部Aが設けられ、給湯路3における熱源機Gの外部に延出される外部給湯路3Aが、給湯栓1に接続されている。
また、給水路2における熱源機Gの外部に位置する外部給水路2Aから分岐する分岐給水路4が、給湯栓1に接続されている。
尚、外部給湯路3Aは、給湯路3における給湯栓側部分3aを含むことになる。
【0061】
(給湯用加熱部の構成)
給湯用加熱部Aは、入口側に給水路2が接続され且つ出口側に給湯路3が接続される給湯用熱交換器5、当該給湯用熱交換器5を加熱する給湯バーナ6、及び、当該給湯バーナ6に燃焼用空気を供給する給湯用送風ファン7を備えて、給湯用熱交換器5を流動する湯水を給湯バーナ6の燃焼ガスにて加熱するように構成されている。
【0062】
給湯用加熱部Aに装備された給湯バーナ6には、都市ガス等の燃料ガスを供給する給湯側ガス供給路8が接続されている。
給湯側ガス供給路8には、燃料ガス供給量を調整する電磁式のガス比例弁9、燃料ガスの供給を断続する断続弁10が設けられている。
尚、図示を省略するが、給湯バーナ6の近くには、点火用のイグナイタ及び着火を検出するフレームロッドが設けられることになる。
【0063】
(一般給湯用構成)
給水路2には、給水温度を検出する給水サーミスタ11(給水温度センサの一例)と給水量を検出する水量センサ12とが設けられている。
また、給湯路3には、湯水の温度を検出する給湯サーミスタ13(給湯温度センサの一例)が設けられている。
【0064】
(即湯用構成)
少なくとも給湯路3の給湯栓側部分3aを含んで構成される即湯用循環回路Jが設けられている。本実施形態においては、即湯用循環回路Jが、給湯栓側部分3aを含む給湯路3の全体、当該給湯路3の給湯栓側端部箇所(給湯栓1の近くに位置する箇所)と給水路2における外部給水路2Aとを接続する給水側戻り路14、及び、給水路2における給水側戻り路14の接続箇所よりも下流側となる給水側下流路から構成されている。
本実施形態においては、給水側戻り路14が、即湯ユニットHの内部を通過する状態で設けられている。
【0065】
そして、即湯用循環回路Jに、循環ポンプ15、即湯用加熱部K、湯水温度検出センサMが設けられている。
本実施形態では、即湯用加熱部Kが給湯用加熱部Aを兼用して構成され、湯水温度検出センサMが、給水路2における給水側戻り路14の接続箇所よりも下流側となる給水側下流路に配設される給水サーミスタ11を兼用して構成されている。
本実施形態では、循環ポンプ15が即湯ユニットHの内部に配置され、又、即湯ユニットHの内部に位置する給水側戻り路14における循環ポンプ15の下流側箇所に、逆流防止用のユニット側逆止弁16が設けられている。
【0066】
また、給水側戻り路14における給湯側端部箇所と循環ポンプ15との間に相当する流路部分に、空気放出弁17及び湯水の膨張を吸収するアキュームレータ18が設けられている。
さらに、外部給水路2Aにおける分岐給水路4の分岐箇所と給水側戻り路14の接続箇所との間に相当する流路部分に、逆流防止用の給水路側逆止弁19が設けられている。
【0067】
従って、循環ポンプ15を作動させて、即湯用循環回路Jの内部の湯水を循環させた状態において、給湯用加熱部Aを加熱作動させることにより、即湯用循環回路Jの内部の湯水を設定目標温度に昇温させることができるように構成されている。
【0068】
(一般給湯運転)
運転制御部Cにおける熱源側制御部Cgは、運転スイッチが入り操作されると制御可能な状態になり、給湯栓1が開操作されると給湯栓1から湯水を給湯する給湯運転を実行する。
すなわち、熱源側制御部Cgは、即湯処理における加熱前検出処理や即湯用加熱処理を実行していないときに、水量センサ12による検出水量が点火用所定量以上になると、給湯運転を実行する。
【0069】
また、運転制御部Cにおける熱源側制御部Cgは、後述の如く、ユニット側制御部Chにて循環ポンプ15が作動されて、即湯処理における加熱前検出処理や即湯用加熱処理を実行しているときには、水量センサ12による検出水量が点火用所定量に設定増加量を加えた設定判別量以上になると、給湯運転を実行する。ちなみに、熱源側制御部Cgは、給湯運転を実行するときには、ユニット側制御部Chに給湯信号を送信して、循環ポンプ15を停止させて、即湯処理における加熱前検出処理や即湯用加熱処理を停止することになる。
【0070】
つまり、運転制御部Cは、即湯処理における加熱前検出処理や即湯用加熱処理においては、循環ポンプ15を作動させて、水量センサ12による検出水量が点火用所定量になる状態で湯水を循環させることになるが、その循環状態において、水量センサ12による検出水量が点火用所定量に設定増加量を加えた設定判別量以上になる場合には、給湯栓1が開操作された状態であるとして、循環ポンプ15を停止させて、給湯運転を実行することになる。
【0071】
給湯運転においては、給湯用加熱部Aにおける給湯用送風ファン7を駆動した後、断続弁10を開弁してイグナイタにより給湯バーナ6に点火し、給湯温度設定スイッチにより設定された設定目標温度、水量センサ12の検出水量、給水サーミスタ11の検出水温及び給湯サーミスタ13の検出温度に基づいて、給湯サーミスタ13の検出温度が給湯温度設定スイッチにて設定された設定目標温度になるように、ガス比例弁9の開度を調節する処理が実行される。
そして、水量センサ12により通水が検出されなくなると、断続弁10を閉弁して給湯バーナ6の燃焼を停止し、給湯用送風ファン7を停止して、給湯運転が終了されることになる。
【0072】
(時間帯設定部について)
運転制御部Cは、一日のうちで給湯栓1が開かれて給湯状態となる給湯頻度が高い高頻度時間帯と給湯頻度が低い低頻度時間帯とを含む給湯頻度対応時間帯を設定する時間帯設定部Tとして機能するように構成されている。
また、本実施形態においては、時間帯設定部Tは、給湯頻度対応時間帯として、高頻度時間帯を基準頻度時間帯と当該基準頻度時間帯よりも給湯頻度が高い多頻度時間帯とに区分して設定するように構成されている。
【0073】
さらに、本実施形態においては、時間帯設定部Tは、一週間の各曜日について各別に、給湯頻度対応時間帯を設定するように構成されている。
また、時間帯設定部Tは、給湯状態となる回数を時間帯毎に学習し、当該学習の結果に基づいて給湯頻度対応時間帯を設定するように構成されている。
すなわち、運転制御部Cは、図2に示すように、一週間の各曜日について、一日を複数(本実施形では8個)の時間帯に区分けし、各時間帯について、給湯栓1が開かれて給湯状態となる回数を学習することを、繰り返すように構成されている。
【0074】
説明を加えると、本実施形態においては、ユニット側制御部Chが、図2に示す記憶テーブルを備えている。そして、熱源側制御部Cgが、給湯状態になることを示す給湯信号をユニット側制御部Chに送信し、ユニット側制御部Chが、熱源側制御部Cgからの給湯信号に基づいて、一週間の各曜日の複数(本実施形では8個)の時間帯について、給湯回数を記憶するように構成されている。
【0075】
そして、ユニット側制御部Chが、給湯状態になる回数が零である時間帯を、低頻度時間帯に設定し、給湯状態になる回数が1以上である時間帯を、高頻度時間帯に設定する。
さらに、ユニット側制御部Chが、高頻度時間帯のうちで、給湯状態になる回数が4回以下である時間帯を基準頻度時間帯に設定し、かつ、給湯状態になる回数が5回以上である時間帯を多頻度時間帯に設定するように構成されている。
【0076】
ちなみに、ユニット側制御部Chは、当日においては、1週間前に記憶テーブルに記憶した記憶内容に基づいて、その日の低頻度時間帯、基準頻度時間帯、多頻度時間帯を設定し、且つ、当日においては、熱源側制御部Cgからの給湯信号に基づいて、当日の各時間帯についての給湯回数を記憶するように構成されている。
【0077】
(即湯処理)
運転制御部Cは、運転スイッチが入り操作された状態で即湯スイッチにて即湯処理の開始が指令されると即湯処理を実行する。
運転制御部Cは、給湯用加熱部Aの加熱作動を停止した状態において給水サーミスタ11にて検出される加熱前検出温度が設定目標温度よりも低い設定加熱開始温度よりも低下すると、循環ポンプ15を作動させた状態で、給水サーミスタ11の検出情報に基づいて即湯用循環回路J内の湯水の温度を設定目標温度(例えば、60℃)にすべく給湯用加熱部Aを加熱作動させる即湯用加熱処理を繰り返し実行することになる。
【0078】
本実施形態においては、運転制御部Cは、給湯用加熱部Aの加熱作動を停止した状態で循環ポンプ15を作動させたときの給水サーミスタ11の検出温度を加熱前検出温度として検出する加熱前検出処理を、設定時間間隔(例えば、20分)を隔てて繰り返し実行する。
この加熱前検出処理は、少なくとも即湯用循環回路J内の湯水の全体が1循環するのに要する時間以上に設定した検出処理時間に亘って実行され、例えば、検出処理時間の間に検出される給水サーミスタ11の検出温度のうちの最も低い温度が加熱前検出温度として定められる。
そして、運転制御部Cは、加熱前検出温度が、設定目標温度よりも低く設定した加熱開始温度(例えば、55℃)より低い場合には、即湯用加熱処理を実行するように構成されている。
【0079】
そして、運転制御部Cは、高頻度時間帯における基準頻度時間帯においては、加熱前検出温度が、設定目標温度よりも低く設定した基準加熱開始温度(例えば、55℃)より低い場合には、即湯用加熱処理を実行し、かつ、低頻度時間帯においては、加熱前検出温度が、基準加熱開始温度より低い低頻度用加熱開始温度(例えば、50℃)よりも低い場合には、即湯用加熱処理を実行するように構成されている。
【0080】
さらに、運転制御部Cは、高頻度時間帯において、基準頻度時間帯においては、上述の如く、加熱前検出温度が、基準加熱開始温度(例えば、55℃)より低い場合には、即湯用加熱処理を実行し、かつ、多頻度時間帯においては、加熱前検出温度が、基準加熱開始温度よりも高い多頻度用加熱開始温度(例えば、58℃)より低い場合には、即湯用加熱処理を実行するように構成されている。
つまり、運転制御部Cが、基準頻度時間帯においては、基準加熱開始温度として、当該基準加熱開始温度を設定し、かつ、多頻度時間帯においては、基準加熱開始温度として、当該基準加熱開始温度よりも高い多頻度用加熱開始温度を設定することになる。
【0081】
本実施形態では、熱源側制御部Cgが、運転スイッチが入り操作された状態で即湯スイッチにて即湯処理の開始が指令されることにより、即湯開始信号を、設定時間間隔(例えば、20分)を隔ててユニット側制御部Chに送信することになり、ユニット側制御部Chが、即湯開始信号に基づいて、加熱前検出処理のために循環ポンプ15を作動させることになる。
熱源側制御部Cgが、循環ポンプ15が作動されている間における給水サーミスタ11の検出温度を加熱前検出温度として取得することになる。
【0082】
熱源側制御部Cgが、加熱前検出処理にて検出された加熱前検出温度が設定加熱開始温度よりも低くない場合には、即湯停止信号を、ユニット側制御部Chに送信することになり、ユニット側制御部Chが、即湯停止信号に基づいて、循環ポンプ15を停止させることになる。
【0083】
また、熱源側制御部Cgが、加熱前検出処理にて検出された加熱前検出温度が設定加熱開始温度よりも低い場合には、給湯用加熱部Aを加熱作動させ、その後、給水サーミスタ11にて検出される温度が設定目標温度になると給湯用加熱部Aの加熱作動を停止し、かつ、即湯停止信号を、ユニット側制御部Chに送信することになる。
ユニット側制御部Chが、即湯停止信号に基づいて、循環ポンプ15を停止させることになる。
【0084】
さらに、熱源側制御部Cgが、給湯運転を実行するときには、加熱前検出処理や即湯用加熱処理を実行しているときには、その処理を中断し、かつ、上述の如く、給湯信号をユニット側制御部Chに送信する。また、給湯運転を終了するときには、給湯終了信号をユニット側制御部Chに送信することになる。
【0085】
ユニット側制御部Chが、給湯信号に基づいて、加熱前検出処理や即湯用加熱処理を実行するために循環ポンプ15を作動させているときには、循環ポンプ15の作動を停止させ、かつ、当該給湯信号に基づいて、一週間の各曜日の複数(本実施形では8個)の時間帯についての給湯回数を記憶することになる。
【0086】
(設定時間間隔の調整)
また、運転制御部C(熱源側制御部Cg)が、低頻度時間帯においては、設定時間間隔を高頻度時間帯よりも長く設定し、かつ、高頻度時間帯における多頻度時間帯においては、設定時間間隔を基準頻度時間帯よりも短く設定するように構成されている。
【0087】
つまり、運転制御部C(熱源側制御部Cg)が、高頻度時間帯においては、設定時間間隔を基準時間間隔(例えば、20分)に設定し、低頻度時間帯においては、設定時間間隔を基準時間間隔よりも長い低頻度用時間間隔(例えば、60分)に設定するように構成されている。
さらに、運転制御部C(熱源側制御部Cg)が、高頻度時間帯において、基準頻度時間帯においては、設定時間間隔を基準時間間隔(例えば、20分)に設定し、多頻度時間帯においては、設定時間間隔を基準時間間隔よりも短い多頻度用時間間隔(例えば、10分)に設定するように構成されている。
【0088】
つまり、ユニット側制御部Chが、一日の各時間帯について、低頻度時間帯、基準頻度時間帯、多頻度時間帯のいずれであるかを示す時間帯情報を熱源側制御部Cgに送信し、熱源側制御部Cgが、時間帯情報に基づいて、加熱前検出処理を実行する設定時間間隔を変更設定するように構成されている。
【0089】
(殺菌処理)
運転制御部Cが、低頻度時間帯において、循環ポンプ15を作動させた状態で、給水サーミスタ11の検出情報に基づいて即湯用循環回路内の湯水の温度を設定目標温度よりも高い殺菌用温度(例えば、65℃)にすべく給湯用加熱部A(即湯用加熱部K)を加熱作動させる殺菌用加熱処理を実行するように構成されている。
【0090】
すなわち、ユニット側制御部Chが、低頻度時間帯において、循環ポンプ15を作動させ、且つ、熱源側制御部Cgに対して殺菌用加熱信号を送信することになり、熱源側制御部Cgが、給水サーミスタ11の検出温度を殺菌用温度(例えば、65℃)に昇温させるべく、給湯用加熱部A(即湯用加熱部K)を加熱作動させることになる。
ちなみに、殺菌用加熱処理を実行する時間帯は、低頻度時間帯のうちでも給湯状態になることが少ない可能性が高い時間帯が好ましいものであり、例えば、深夜の時間帯において、殺菌用加熱処理を実行することになる。
【0091】
(即湯処理の詳細)
次に、即湯処理における運転制御部Cの制御作動について、図3のフローチャートに基づいて説明を加える。
先ず、低頻度時間帯であるか否かが判別され(#1)、低頻度時間帯でない場合には、基準頻度時間帯であるか否かが判別される(#6)。
【0092】
#1の処理にて低頻度時間帯であると判別されると、時間経過が加熱前検出処理を実行するためタイミングであるか否か、つまり、低頻度用時間間隔(例えば、60分)であるか否かが判別され(#2)、低頻度用時間間隔でない場合には、#1の処理に移行する。
#2の処理にて、時間経過が低頻度用時間間隔である場合には、加熱前検出処理が実行され(#3)、続いて、加熱前検出温度が低頻度用加熱開始温度(例えば、50℃)よりも低いか否かが判別される(#4)。
【0093】
#4の処理にて加熱前検出温度が低頻度用加熱開始温度よりも低くない場合には、#1の処理に移行する。
#4の処理にて加熱前検出温度が低頻度用加熱開始温度よりも低い場合には、即湯用加熱処理が実行され(#5)、その後、#1の処理に移行する。
【0094】
#6の処理にて、基準頻度時間帯であると判別した場合には、時間経過が加熱前検出処理を実行するためのタイミングであるか否か、つまり、基準時間間隔(例えば、20分)であるか否かが判別され(#7)、基準時間間隔でない場合には、#1の処理に移行することになる。
#7の処理にて、時間経過が基準時間間隔である場合には、加熱前検出処理が実行され(#8)、続いて、加熱前検出温度が基準加熱開始温度(例えば、55℃)よりも低いかか否かが判別される(#9)。
【0095】
#9の処理にて加熱前検出温度が基準加熱開始温度よりも低くない場合には、#1の処理に移行する。
#9の処理にて加熱前検出温度が基準加熱開始温度よりも低い場合には、即湯用加熱処理が実行され(#5)、その後、#1の処理に移行する。
【0096】
#6の処理にて、基準頻度時間帯でないと判別した場合(多頻度時間帯である場合)には、時間経過が加熱前検出処理を実行するためのタイミングであるか否か、つまり、多頻度用時間間隔(例えば、10分)であるか否かが判別され(#10)、時間経過が多頻度用時間間隔でない場合には、#1の処理に移行することになる。
#10の処理にて、時間経過が多頻度用時間間隔である場合には、加熱前検出処理が実行され(#11)、続いて、加熱前検出温度が多頻度用加熱開始温度(例えば、58℃)よりも低いかか否かが判別される(#12)。
【0097】
#12の処理にて加熱前検出温度が多頻度用加熱開始温度よりも低くない場合には、#1の処理に移行する。
#12の処理にて加熱前検出温度が多頻度用加熱開始温度よりも低い場合には、即湯用加熱処理が実行され(#5)、その後、#1の処理に移行する。
【0098】
〔別実施形態〕
次に、図4により、別実施形態を説明するが、この別実施形態は、熱源機Gに、給湯用加熱部Aに加えて、床暖房用装置や浴室暖房乾燥機等の熱消費端末に供給する熱媒を加熱する熱媒用加熱部Bが備えられている場合を例示するものであって、上記実施形態と同様な構成については、上記実施形態と同様な符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0099】
(熱媒供給構成)
図4に示すように、熱源機Gは、熱消費端末に循環供給する熱媒を加熱する熱媒用加熱部Bを備え、即湯ユニットHには、即湯用加熱部Kとして、熱媒用加熱部Bにて加熱された熱媒が循環供給される液々熱交換器21が設けられている。
熱媒用加熱部Bと熱消費端末との間で熱媒を循環させる熱媒循環回路Lと、当該熱媒循環回路Lを通して熱媒を循環させる熱媒循環ポンプ22とが設けられている。
【0100】
熱媒用加熱部Bは、熱媒循環回路Lの熱媒戻り路23が入口側に接続され且つ熱媒循環回路Lの熱媒往き路24が出口側に接続される熱媒加熱用熱交換器25、当該熱媒加熱用熱交換器25を加熱する熱媒加熱バーナ26、及び、当該熱媒加熱バーナ26に燃焼用空気を供給する熱媒用送風ファン27を備えて、熱媒加熱用熱交換器25を流動する熱媒を熱媒加熱バーナ26の燃焼ガスにて加熱するように構成されている。
【0101】
熱媒用加熱部Bに装備された熱媒加熱バーナ26には、都市ガス等の燃料ガスを供給する熱媒側ガス供給路28が接続されている。
熱媒側ガス供給路28には、燃料ガス供給量を調整する電磁式の熱媒側ガス比例弁29、燃料ガスの供給を断続する熱媒側断続弁30が設けられている。
尚、図示を省略するが、熱媒加熱バーナ26の近くには、点火用のイグナイタ及び着火を検出するフレームロッドが設けられている。
【0102】
熱媒戻り路23の入口側端部には熱媒戻りヘッダ31が設けられ、熱媒往き路24の出口側端部には、熱媒往きヘッダ32が設けられている。そして、熱媒往きヘッダ32からの熱媒を液々熱交換器21に供給する熱媒端末往き路33が設けられ、液々熱交換器21からの熱媒を熱媒戻りヘッダ31に供給する熱媒端末戻り路34が設けられている。
熱媒端末往き路33には、熱媒の供給を断続する熱動弁35が設けられている。
【0103】
熱媒戻り路23には、膨張タンク36及び上述した熱媒循環ポンプ22が配設され、熱媒往き路24には、供給される熱媒の温度を検出する熱媒サーミスタ37が設けられている。
ちなみに、熱媒往きヘッダ32と熱媒戻りヘッダ31との間には、他の熱消費端末との間で熱媒を循環させる熱媒端末往き路33や熱媒端末戻り路34が設けられることになるが、本実施形態では詳細な説明を省略する。
また、熱動弁35を閉じたときに、熱媒往き路24の熱媒を熱媒戻り路23に短絡して流動させるための接続路が設けられることになるが、本実施形態では記載を省略する。
【0104】
(端末加熱運転)
熱源側制御部Cgは、リモコンRにて端末加熱運転の開始が指令されると、端末加熱運転を実行する。
端末加熱運転においては、熱媒循環ポンプ22を作動させて熱媒を循環させ、かつ、熱媒用送風ファン27を作動させながら熱媒加熱バーナ26を燃焼させることになり、加えて、熱媒サーミスタ37の検出温度が熱媒用供給温度(例えば、70℃)になるように、熱媒側ガス比例弁29の開度を調整することになる。
ちなみに、熱源側制御部Cgは、液々熱交換器21を加熱作動させる際には、熱動弁35を開いて、熱媒を液々熱交換器21に循環供給することになる。
【0105】
(即湯用構成)
少なくとも給湯路3の給湯栓側部分3aを含んで構成される即湯用循環回路Jが設けられている。本実施形態においては、外部給湯路3Aの大部分が給湯栓側部分3aを形成するように構成されている。
そして、即湯用循環回路Jが、外部給湯路3Aの給湯栓側端部箇所(給湯栓1の近くに位置する箇所)と給湯路3における給湯栓側部分3aの上流側箇所とを接続する給湯側戻り路38、及び、給湯路3の外部給湯路3Aにおける給湯側戻り路38の接続箇所よりも下流側となる給湯栓側部分3aから構成されている。
ちなみに、外部給湯路3Aにおける給湯側戻り路38の接続箇所よりも上流側箇所には、逆流を防止する給湯側逆止弁39が設けられている。
【0106】
循環ポンプ15、ユニット側逆止弁16、及び、即湯用加熱部Kとしての液々熱交換器21が、給湯側戻り路38における即湯ユニットHの内部に位置する部分に配設されている。
また、湯水温度検出センサMとして、給湯側戻り路38における即湯ユニットHの内部に位置する部分に配置される戻り温度センサ40が設けられている。
【0107】
(即湯処理)
運転制御部Cは、運転スイッチが入り操作された状態で即湯スイッチが操作されると即湯処理を実行する。
運転制御部Cは、液々熱交換器21の加熱作動を停止した状態において戻り温度センサ40にて検出される加熱前検出温度が設定加熱開始温度よりも低下すると、循環ポンプ15を作動させた状態で、戻り温度センサ40の検出情報に基づいて即湯用循環回路J内の湯水の温度を設定目標温度(例えば、60℃)にすべく液々熱交換器21を加熱作動させる即湯用加熱処理を繰り返し実行することになる。
【0108】
本実施形態では、運転制御部Cは、熱動弁35を閉じることにより液々熱交換器21の加熱作動を停止した状態で循環ポンプ15を作動させたときの戻り温度センサ40の加熱前検出温度を検出する加熱前検出処理を、設定時間間隔(例えば、20分)を隔てて繰り返し実行する。
この加熱前検出処理は、少なくとも即湯用循環回路J内の湯水の全体が1循環するのに要する時間以上に設定した検出処理時間に亘って実行され、例えば、検出処理時間の間に検出される戻り温度センサ40の検出温度のうちの最も低い温度が加熱前検出温度として定められる。
そして、運転制御部Cは、加熱前検出温度が、設定目標温度よりも低く設定した加熱開始温度(例えば、55℃)より低い場合には、即湯用加熱処理を実行するように構成されている。
【0109】
そして、運転制御部Cは、上述の実施形態と同様に、高頻度時間帯の基準頻度時間帯においては、加熱前検出温度が、設定目標温度よりも低く設定した基準加熱開始温度(例えば、55℃)より低い場合には、即湯用加熱処理を実行し、かつ、低頻度時間帯においては、加熱前検出温度が、基準加熱開始温度より低い低頻度用加熱開始温度(例えば、50℃)よりも低い場合には、即湯用加熱処理を実行するように構成されている。
【0110】
また、運転制御部Cは、上述の実施形態と同様に、高頻度時間帯において、基準頻度時間帯においては、上述の如く、加熱前検出温度が、基準加熱開始温度(例えば、55℃)より低い場合には、即湯用加熱処理を実行し、かつ、多頻度時間帯においては、加熱前検出温度が、基準加熱開始温度よりも高い多頻度用加熱開始温度(例えば、58℃)より低い場合には、即湯用加熱処理を実行するように構成されている。
【0111】
本実施形態では、熱源側制御部Cgが、運転スイッチが入り操作された状態で即湯スイッチが操作されると、即湯開始信号を、設定時間間隔(例えば、20分)を隔ててユニット側制御部Chに送信することになり、ユニット側制御部Chが、即湯開始信号に基づいて、加熱前検出処理のために循環ポンプ15を作動させることになる。
ユニット側制御部Chが、循環ポンプ15が作動されている間における戻り温度センサ40の検出温度を加熱前検出温度として取得し、その加熱前検出温度を熱源側制御部Cgに送信することになる。
【0112】
熱源側制御部Cgが、加熱前検出処理にて検出された加熱前検出温度が設定加熱開始温度よりも低くない場合には、即湯停止信号を、ユニット側制御部Chに送信することになり、ユニット側制御部Chが、即湯停止信号に基づいて、循環ポンプ15を停止させることになる。
【0113】
また、熱源側制御部Cgが、加熱前検出処理にて検出された加熱前検出温度が設定加熱開始温度よりも低い場合には、熱動弁35を開いて液々熱交換器21の加熱作動を開始させ、かつ、加熱開始信号をユニット側制御部Chに送信することになる。
ユニット側制御部Chが、加熱開始信号を受信した後において、戻り温度センサ40の検出温度が設定目標温度以上になると、加熱停止信号を熱源側制御部Cgに送信し、かつ、循環ポンプ15を停止させることになる。
熱源側制御部Cgが、加熱停止信号に基づいて、熱動弁35を閉じて液々熱交換器21の加熱作動を停止させることになる。
【0114】
さらに、熱源側制御部Cgが、水量センサ12による検出水量が点火用所定量以上になることにより給湯運転を実行するときには、加熱前検出処理や即湯用加熱処理を実行中の場合には、その処理を中断し、かつ、即湯用加熱処理を実行中の場合には、熱動弁35を閉じることになり、さらには、給湯信号をユニット側制御部Chに送信する。また、給湯運転を終了するときには、給湯終了信号をユニット側制御部Chに送信することになる。
【0115】
ユニット側制御部Chが、給湯信号に基づいて、加熱前検出処理や即湯用加熱処理を実行するために循環ポンプ15を作動させているときには、循環ポンプ15の作動を停止させ、かつ、当該給湯信号に基づいて、一週間の各曜日の複数(本実施形では8個)の時間帯についての給湯回数を記憶することになる。
【0116】
(設定時間間隔の調整)
また、運転制御部C(熱源側制御部Cg)が、低頻度時間帯においては、設定時間間隔を高頻度時間帯よりも長く設定し、かつ、高頻度時間帯における多頻度時間帯においては、設定時間間隔を基準頻度時間帯よりも短く設定するように構成されている。
【0117】
つまり、運転制御部C(熱源側制御部Cg)が、高頻度時間帯においては、設定時間間隔を基準時間間隔(例えば、20分)に設定し、低頻度時間帯においては、設定時間間隔を基準時間間隔よりも長い低頻度用時間間隔(例えば、60分)に設定するように構成されている。
さらに、運転制御部C(熱源側制御部Cg)が、高頻度時間帯において、基準頻度時間帯においては、設定時間間隔を基準時間間隔(例えば、20分)に設定し、多頻度時間帯においては、設定時間間隔を基準時間間隔よりも短い多頻度用時間間隔(例えば、10分)に設定するように構成されている。
【0118】
つまり、ユニット側制御部Chが、一日の各時間帯について、低頻度時間帯、基準頻度時間帯、多頻度時間帯のいずれであるかを示す時間帯情報を熱源側制御部Cgに送信し、熱源側制御部Cgが、時間帯情報に基づいて、加熱前検出処理を実行する設定時間間隔を変更設定するように構成されている。
【0119】
〔その他の別実施形態〕
次にその他の別実施形態を説明する。
(1)上記実施形態及び別実施形態においては、運転制御部Cが、熱源側制御部Cgとユニット側制御部Chとから構成される場合を例示したが、ユニット側制御部Chを省略して、熱源側制御部Cgにて運転制御部Cを構成する形態で実施してもよい。
【0120】
(2)上記実施形態及び別実施形態においては、ユニット側制御部Chが記憶テーブルを備える場合を例示したが、熱源側制御部Cgが記憶テーブルを備える形態で実施してもよい。この場合に、熱源側制御部Cgを主要部として、時間帯設定部Tを構成するとよい。
【0121】
(3)上記実施形態及び別実施形態においては、運転制御部Cにて時間帯設定部Tを構成する場合を例示したが、時間帯設定部Tを、専用の制御部にて構成する形態で実施してもよい。
【0122】
(4)上記別実施形態では、熱媒が循環供給される液々熱交換器21を即湯用加熱部Kとして設ける場合を例示したが、液々熱交換器21に代えて、電気ヒータにて加熱されるヒータ式加熱部を即湯用加熱部Kとして設ける形態で実施してもよい。
【0123】
(5)上記実施形態及び別実施形態においては、給湯栓1として、混合栓式の給湯栓を例示したが、給湯栓1として、単に、給湯路3からの湯水を給湯する給湯栓を適用してもよい。この場合には、即湯用加熱処理において、給湯栓1から給湯する温度(例えば、40℃)を設定目標温度として、即湯用循環回路Jの内部の湯水を加熱することになる。
【0124】
(6)上記実施形態及び別実施形態においては、運転制御部Cが、即湯用加熱処理に先立って、即湯用加熱部Kの加熱作動を停止した状態で循環ポンプ15を作動させたときの湯水温度検出センサMの検出温度を加熱前検出温度として検出する加熱前検出処理を、設定時間間隔を隔てて繰り返し実行する場合を例示したが、加熱前検出処理を実行することなく、即湯用加熱部Kの加熱作動を停止しかつ循環ポンプ15を停止させた状態で湯水温度検出センサMにて検出される検出温度を加熱前検出温度とする形態で実施してもよい。
この場合、時間の経過に伴って、湯水温度検出センサMにて検出される加熱前検出温度が設定加熱開始温度以下になると、即湯用加熱処理が実行されることになる。
【0125】
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【符号の説明】
【0126】
3 給湯路
3a 給水栓側部分
4 給水路
13 給水温度センサ
14 給水側戻り路
15 循環ポンプ
38 給湯側戻り路
40 戻り温度センサ
A 給湯用加熱部
C 運転制御部
K 即湯用加熱部
M 温水温度検出センサ
J 即湯用循環回路
T 時間帯設定部
図1
図2
図3
図4