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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023060774
(43)【公開日】2023-04-28
(54)【発明の名称】蓋付き化粧液容器
(51)【国際特許分類】
   A45D 34/04 20060101AFI20230421BHJP
   B65D 50/10 20060101ALI20230421BHJP
   B65D 50/08 20060101ALI20230421BHJP
   B65D 47/34 20060101ALI20230421BHJP
【FI】
A45D34/04 525B
B65D50/10
B65D50/08
B65D47/34 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021170566
(22)【出願日】2021-10-18
(71)【出願人】
【識別番号】000145862
【氏名又は名称】株式会社コーセー
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 浩司
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AB09
3E084BA02
3E084CB02
3E084DB12
3E084DB13
3E084FB01
3E084FC07
3E084GA08
3E084GB12
3E084GB14
3E084JA20
3E084KA20
(57)【要約】
【課題】閉蓋時に蓋体をポンプ体に確実に装着して保持するとともに開蓋時に蓋体を容器本体に対して引き上げるだけで容易に開蓋するばかりでなく、蓋体を容器本体に対して回動させてもポンプ体と蓋体との共回りを抑止して容器本体内の化粧液も漏出させずに容易に開蓋し、開蓋時における内容物の不用意な漏出を防止する蓋付き化粧液容器を提供すること。
【解決手段】
ポンプ体120が、蓋体130と係合する球面状の係合突起123を有する円筒状外側壁面を備えているとともに、蓋体が、蓋体の内周円に沿って断続的に延設してポンプ体の係合突起と係合する一筋の周方向リブ133と、一筋の周方向リブの断続的な隙間領域で周方向リブの稜線よりも下方へ垂下させた迫上げ部を設けてポンプ体の係合突起と係合する母線方向リブ135とを円筒状内側壁面に備えている蓋付き化粧液容器100。
【選択図】図7B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧液を収容する容器本体と、該容器本体の上端開口部分に螺着して前記容器本体内の化粧液を放出するポンプ体と、該ポンプ体に対して着脱自在に被嵌する不透明の蓋体とからなる蓋付き化粧液容器であって、
前記ポンプ体が、前記蓋体と係合する球面状の係合突起を有する円筒状外側壁面を備えているとともに、
前記蓋体が、該蓋体の内周円に沿って断続的に延設して前記ポンプ体の係合突起と係合する一筋の周方向リブと、該一筋の周方向リブの断続的な隙間領域で前記周方向リブの稜線よりも下方へ垂下させた迫上げ部を設けて前記ポンプ体の係合突起と係合する母線方向リブとを円筒状内側壁面に備えていることを特徴とする蓋付き化粧液容器。
【請求項2】
前記母線方向リブの迫上げ部が、第一の曲率半径からなる略逆ハの字状の一組の誘導辺部分と該一組の誘導辺部分をつないで前記第一の曲率半径よりも小さい第二の曲率半径からなる下端辺部分とを有していることを特徴とする請求項1に記載の蓋付き化粧液容器。
【請求項3】
前記蓋体が、弾性変形する素材から形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の蓋付き化粧液容器。
【請求項4】
前記蓋体の内方に指向する母線方向リブ突出高さが、前記蓋体の内方に指向する周方向リブ突出高さよりも大きく設定されていることを特徴とする請求項3に記載の蓋付き化粧液容器。
【請求項5】
前記蓋体の母線方向リブが、前記蓋体の半分以上の高さまで抜差し方向に延在していることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の蓋付き化粧液容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧液容器に関するものであって、特に、開蓋時に蓋体を容器本体に対して引き上げても回動させても開蓋可能な蓋付き化粧液容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ポンプで吐出する蓋付き容器として、内容物を収容する容器本体とこの容器本体の口部に螺着されて内容物を吐出するポンプ部を有する吐出器とこの吐出器を保護するために容器本体に着脱自在に嵌合するキャップとで構成したものと、内容物を収容する容器本体とこの容器本体の口部に螺着されて内容物を吐出するポンプ部を有する吐出器とこの吐出器に着脱自在に嵌合されるポンプキャップとで構成したものとの2通りの構成があるが、前者の蓋付きキャップよりもキャップ着脱時にキャップの外観的変形が少なく、容器本体にキャップとの嵌合構造を要しないこともあって見栄えの良い後者の蓋付き容器が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-105533号公報(特に、図9図25参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような吐出器に着脱自在に嵌合されるポンプキャップを用いた蓋付き容器は、ポンプキャップが吐出器に対して着脱自在に嵌合されていることによって、通常、開蓋操作時には容器本体に対してポンプキャップを上方に引き上げて開蓋するが、ポンプキャップを回動させながら上方に引き上げた場合には吐出器がポンプキャップと供回りするため、吐出器と容器本体との螺着が緩み、容器本体から内容物が不用意に漏出するという問題があった。
【0005】
しかも、化粧液の変質を避けて遮光性を高める場合、ポンプキャップを不透明にする必要があり、このような不透明なポンプキャップでは外部から嵌合状態が確認できないため、開蓋時に使用者がポンプキャップを上方に引き上げるべきなのか回動させるべきなのか判断できず、上述した問題をさらに頻発させてしまうという開蓋操作上の厄介な問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、前述したような従来技術の問題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、閉蓋時に蓋体をポンプ体に確実に装着して保持するとともに開蓋時に蓋体を容器本体に対して引き上げるだけで容易に開蓋するばかりでなく、蓋体を容器本体に対して回動させてもポンプ体と蓋体との共回りを抑止して容器本体内の化粧液も漏出させずに容易に開蓋し、開蓋時における内容物の不用意な漏出を防止する蓋付き化粧液容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本請求項1に係る発明は、化粧液を収容する容器本体と、該容器本体の上端開口部分に螺着して前記容器本体内の化粧液を放出するポンプ体と、該ポンプ体に対して着脱自在に被嵌する不透明の蓋体とからなる蓋付き化粧液容器であって、前記ポンプ体が、前記蓋体と係合する球面状の係合突起を有する円筒状外側壁面を備えているとともに、前記蓋体が、該蓋体の内周円に沿って断続的に延設して前記ポンプ体の係合突起と係合する一筋の周方向リブと、該一筋の周方向リブの断続的な隙間領域で前記周方向リブの稜線よりも下方へ垂下させた迫上げ部を設けて前記ポンプ体の係合突起と係合する母線方向リブとを円筒状内側壁面に備えていることにより、前述した課題を解決するものである。
【0008】
本請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の構成に加えて、前記母線方向リブの迫上げ部が、第一の曲率半径からなる略逆ハの字状の一組の誘導辺部分と該一組の誘導辺部分をつないで前記第一の曲率半径よりも小さい第二の曲率半径からなる下端辺部分とを有していることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0009】
本請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に係る発明の構成に加えて、前記蓋体が、弾性変形する素材から形成されていることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0010】
本請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明の構成に加えて、前記蓋体の内方に指向する母線方向リブ突出高さが、前記蓋体の内方に指向する周方向リブ突出高さよりも大きく設定されていることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0011】
本請求項5に係る発明は、請求項3又は請求項4に係る発明の構成に加えて、前記蓋体の母線方向リブが、前記蓋体の半分以上の高さまで抜差し方向に延在していることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【発明の効果】
【0012】
本願発明に係る蓋付き化粧液容器は、化粧液を収容する容器本体と、この容器本体の上端開口部分に螺着して容器本体内の化粧液を放出するポンプ体と、このポンプ体に対して着脱自在に被嵌する不透明の蓋体とからなることにより、ポンプ体と蓋体とが開蓋状態または閉蓋状態となるだけでなく、以下の本願発明に特有の構成により、本願発明に特有の効果を奏することができる。
【0013】
本発明の請求項1に係る発明の蓋付き化粧液容器によれば、ポンプ体が、蓋体と係合する係合突起を有する円筒状外側壁面を備えているとともに、蓋体が、この蓋体の内周円に沿って一筋の周方向リブを円筒状内側壁面に備えていることにより、蓋体でポンプ体を閉蓋する際には、蓋体の円筒状内側壁面がポンプ体の円筒状外側壁面に被嵌することによって、ポンプ体の係合突起が蓋体の内周円に沿った周方向リブの少なくともいずれかの当接個所で係合して抜け止めし、他方、蓋体を容器本体に対して引き上げてポンプ体を蓋体から解放する際には、蓋体の周方向リブがその引き上げ方向に向かって球面状の係合突起を乗り越えることによって蓋体の周方向リブとポンプ体の係合突起との係合が解除されるため、閉蓋時には蓋体をポンプ体に確実に装着して保持することができるばかりでなく、開蓋時には蓋体を容器本体に対して回動させずに引き上げるだけで蓋体をポンプ体から容易に開蓋することができる。
【0014】
また、本発明の請求項1に係る発明の蓋付き化粧液容器によれば、ポンプ体が、蓋体と係合する球面状の係合突起を有しているとともに、蓋体が、この蓋体の内周円に沿って断続的に延設してポンプ体の係合突起と係合する一筋の周方向リブとこの一筋の周方向リブの断続的隙間領域でポンプ体の係合突起と係合する母線方向リブとを有していることにより、蓋体を容器本体に対して回動させてポンプ体と蓋体とを開蓋する際には、蓋体の母線方向リブの迫上げ部がポンプ体の係合突起に当接しながら蓋体がポンプ体から迫上がる方向に誘導され、周方向リブの断続的な隙間領域で蓋体の周方向リブとポンプ体の係合突起との係合が解除されるため、開蓋時に蓋体を容器本体に対して回動させてもポンプ体が蓋体と共回りせずに容易に開蓋可能となり、開蓋時における容器本体内の化粧液が漏出することを防止することができる。
【0015】
さらに、本発明の請求項1に係る発明の蓋付き化粧液容器によれば、蓋体の母線方向リブが、蓋体の周方向リブの稜線よりも下方へ垂下させていることにより、蓋体がポンプ体に対して迫上がる方向に誘導される際に、蓋体の周方向リブがポンプ体の係合突起よりも上方まで誘導されるため、仮に勢いよく蓋体を回動させても、蓋体が回動し過ぎて再び蓋体の周方向リブとポンプ体の係合突起とが係合して閉蓋状態に戻ることを防止することができる。
【0016】
加えて、本発明の請求項1に係る発明の蓋付き化粧液容器によれば、蓋体の母線方向リブが、一筋の周方向リブの断続的な隙間領域で周方向リブの稜線よりも下方へ垂下させた迫上げ部を設けていることにより、蓋体をポンプ体に被嵌して閉蓋状態にする際に、蓋体の母線方向リブがポンプ体の係合突起の真上から押し当てられても、ポンプ体の係合突起に当接している母線方向リブの迫上げ部に沿って左右に回動して逃げるように蓋体が誘導されるため、蓋体をポンプ体に被嵌して下向きに押圧するだけで、蓋体の向きに関わらず容易に閉蓋状態とすることができる。
【0017】
しかも、本発明の請求項1に係る発明の蓋付き化粧液容器によれば、ポンプ体の係合突起が、球面状に形成されていることにより、蓋体の母線方向リブとの係合が点接触となって摩擦が少ないため、蓋体の抜差し操作により開閉する際に小さい力で操作することができ、さらに、蓋体の回動操作により開蓋状態とする際に小さい力で操作することができる。
【0018】
その上、本発明の請求項1に係る発明の蓋付き化粧液容器によれば、ポンプ体が、閉蓋時に蓋体の周方向リブに係合する球面状の係合突起を円筒状外側壁面に備えていることにより、円筒状外側壁面が円筒形状と球面状突起形状のみからなる単純で滑らかな形状であるため、化粧液がポンプ体に付着しても容易に拭き取ることができる。
【0019】
本発明の請求項2に係る発明の蓋付き化粧液容器によれば、請求項1に係る発明が奏する効果に加えて、母線方向リブの迫上げ部が、第一の曲率半径からなる略逆ハの字状の一組の誘導辺部分と一組の誘導辺部分をつないで第一の曲率半径よりも小さい第二の曲率半径からなる下端辺部分とを有していることにより、迫上げ部を単純な半円形状にする場合と比較して、誘導辺部分の曲率半径がより大きく、傾斜がより急峻になって迫上げ部の高低差が大きくなり、閉蓋状態において蓋体を回動させて蓋体の母線方向リブをポンプ体の係合突起に当接させさらに回動させると、母線方向リブの迫上げ部に沿って蓋体が迫上がる方向に確実に誘導されるため、閉蓋状態において蓋体を回動させるだけで、蓋体を引き上げる力を加えることなく確実に開蓋することができ、さらに、回動させ過ぎて再び閉蓋状態に戻ることを確実に防止することができる。
【0020】
さらに、一組の誘導辺部分と下端辺部分とを同一の曲率半径とする半円形で形成する場合と比較して、下端辺部分の曲率半径がより小さくなり、蓋体をポンプ体に被嵌して閉蓋状態にしようとする際に、蓋体の母線方向リブがポンプ体の係合突起の真上から押し当てられても、蓋体が母線方向リブの下向き凸形状に沿って左右に回動して逃げるように自然に誘導されるため、蓋体をポンプ体に被嵌して下向きに押圧するだけで、蓋体の向きに関わらず自然に閉蓋状態とすることができる。
【0021】
本発明の請求項3に係る発明の蓋付き化粧液容器によれば、請求項1又は請求項2に係る発明が奏する効果に加えて、蓋体が、弾性変形する素材から形成されていることにより、閉蓋状態における蓋体の形状が、母線方向リブの下向き凸形状に沿って蓋体が迫上がる方向に誘導されている際には変形し、開蓋状態では元の形状に戻るため、蓋体の開閉操作を円滑に行うことができ、また、蓋体の開閉操作を繰り返しても蓋体の周方向リブが摩耗、変形せず、閉蓋状態における蓋体の緩みを防止することができる。
【0022】
本発明の請求項4に係る発明の蓋付き化粧液容器によれば、請求項3に係る発明が奏する効果に加えて、蓋体の内方に指向する母線方向リブ突出高さが、蓋体の内方に指向する周方向リブ突出高さよりも大きく設定されていることにより、閉蓋状態において蓋体を回動させて蓋体の母線方向リブをポンプ体の係合突起に当接させさらに回動させ、母線方向リブの下向き凸形状に沿って蓋体が迫上がる方向に誘導する際に、蓋体が弾性変形しても母線方向リブの係合突起への当接が維持されるため、蓋体が弾性変形した際にも、ポンプ体の係合突起に母線方向リブの迫上げ部を添わせて、蓋体を迫上げる方向にいっそう確実に誘導することができる。
【0023】
さらに、蓋体をポンプ体に被嵌して閉蓋状態にする際に、蓋体の母線方向リブがポンプ体の係合突起の真上から押し当てられて蓋体が弾性変形しても、母線方向リブの係合突起への当接が維持され、蓋体が母線方向リブの迫上げ部に沿って左右に逃げるように確実に誘導されるため、蓋体をポンプ体に被嵌して下向きに押圧するだけで、蓋体の向きに関わらずいっそう確実に閉蓋状態とすることができる。
【0024】
本発明の請求項5に係る発明の蓋付き化粧液容器によれば、請求項3又は請求項4に係る発明が奏する効果に加えて、蓋体の母線方向リブが、蓋体の半分以上の高さまで抜差し方向に延在していることにより、ポンプ体の係合突起から受ける力が母線方向リブの高さ方向にわたって分散されて蓋体の部分的変形が抑制されるため、蓋体が優れた保形性を発揮し、その結果、閉蓋時の蓋体の緩みを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の蓋付き化粧液容器の蓋体を開ける際の操作方向を示す模式図。
図2A】本発明の蓋付き化粧液容器の閉蓋状態を示す模式的正面図。
図2B】本発明の蓋付き化粧液容器の回動操作による開蓋状態を示す模式的正面図。
図3】本発明のポンプ体を示す模式図。
図4】本発明の蓋体を示す模式的断面図。
図5図4における蓋体の構造上の主要部を示す拡大図。
図6】本発明の蓋体がポンプ体に係合している状態を示す内部構造を簡略化した模式的断面図。
図7A】回動操作により本発明の蓋体を開蓋状態とするプロセスを示す模式的説明図。
図7B】回動操作により本発明の蓋体を開蓋状態とするプロセスを示す模式的説明図。
図7C】回動操作により本発明の蓋体を開蓋状態とするプロセスを示す模式的説明図。
図7D】回動操作により本発明の蓋体を開蓋状態とするプロセスを示す模式的説明図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、化粧液を収容する容器本体と、容器本体の上端開口部分に螺着して容器本体内の化粧液を放出するポンプ体と、ポンプ体に対して着脱自在に被嵌する不透明の蓋体とからなる蓋付き化粧液容器であって、ポンプ体が、蓋体と係合する球面状の係合突起を有する円筒状外側壁面を備えているとともに、蓋体が、蓋体の内周円に沿って断続的に延設してポンプ体の係合突起と係合する一筋の周方向リブと、一筋の周方向リブの断続的な隙間領域で前記周方向リブの稜線よりも下方へ垂下させた迫上げ部を設けてポンプ体の係合突起と係合する母線方向リブとを有する円筒状内側壁面に備えていることにより、閉蓋時に蓋体をポンプ体に確実に装着して保持するとともに開蓋時に蓋体を容器本体に対して引き上げるだけで容易に開蓋するばかりでなく、蓋体を容器本体に対して回動させてもポンプ体と蓋体との共回りを抑止して容器本体内の化粧液も漏出させずに容易に開蓋し、開蓋時における内容物の不用意な漏出を防止するものであれば、その具体的な実施態様は、如何なるものであっても構わない。
【0027】
すなわち、本発明の蓋体が備える母線方向リブの下端辺部分は、周方向リブの上端線よりも下に配置されるように構成すれば、閉蓋状態において蓋体を回動させるだけで、ポンプ体が共回りして緩むことを防止しつつ、蓋体を引き上げる力を加えることなく開蓋することができるため好ましい。
【0028】
また、本発明のポンプ体が備える係合突起は、蓋体の素材よりも固い材料により形成することが好ましく、金属性その他の硬質材料で構成すれば、蓋体について繰り返し開閉操作を行っても摩耗することがないためいっそう好ましい。
【0029】
さらに、本発明のポンプ体の円筒状外側壁面の係合突起は、中心からの角度が相互に120度離れた対称な位置に3つ設ければ、3点支持により蓋体とポンプ体とを同軸状に回動させることができて好ましいが、例えば中心からの角度が相互に90度離れた対称な位置に4つ設けてもよく、同様に5つ以上設けてもよい。この場合は、蓋体の内壁の周方向リブについても、周方向リブ側端部を終端として突条がなくなる部位を、係合突起の配置、個数に対応させることが好ましく、さらに、これらの部位に対応する位置に、母線方向リブを配置することが好ましい。
【0030】
なお、ここで言う「化粧液」とは、液状の化粧品、化粧料を意味している。
【実施例0031】
以下に、本発明の一実施例である蓋付き化粧液容器100について、図1乃至図7Dに基づいて説明する。
【0032】
ここで、図1は、本発明の蓋付き化粧液容器の蓋体を開ける際の操作方向を示す模式図であり、図2Aは、本発明の蓋付き化粧液容器の閉蓋状態を示す模式的正面図であり、図2Aは、本発明の蓋付き化粧液容器の回動操作による開蓋状態を示す模式的正面図であり、図3は、本発明のポンプ体を示す模式図であり、図4は、本発明の蓋体を示す模式的断面図であり、図5は、図4における蓋体の構造上の主要部を示す拡大図であり、図6は、本発明の蓋体がポンプ体に係合している状態を示す内部構造を簡略化した模式的断面図であり、図7A乃至図7Dは、回動操作により本発明の蓋体を開蓋状態とするプロセスを示す模式的説明図である。
【0033】
本実施例に係る蓋付き化粧液容器100は、化粧液を収容する容器本体110と、容器本体110の上端開口部分に螺着して前記容器本体内の化粧液を放出するポンプ体120と、このポンプ体120に対して着脱自在に被嵌する不透明の蓋体130とから構成されている。
【0034】
蓋付き化粧液容器100は、図1乃至図2Bに示すように、容器本体110に対してR方向に蓋体130を回動させることによって開蓋することができる。
【0035】
また、蓋付き化粧液容器100は、図1に示すように、容器本体110に対してP方向に蓋体130を引き上げることによっても開蓋することができ、押下することによって閉蓋することができる。
【0036】
容器本体110は、図1乃至図2Bに示すように、有底中空の略円筒体で上側に上端口部が開口しており、内部に液状の化粧品を貯留することができる。
【0037】
また、容器本体110は、上端開口部分にポンプ体120が螺着するための不図示の螺子構造を備えている。
【0038】
なお、本体基準線110aは、蓋体130との相対的な位置関係を説明するための仮想的な線である。
【0039】
ポンプ体120は、図3等に示すように、略円盤状の鍔部121と、鍔部121の上側に連なる略円筒状の円筒状外側壁面122と、円筒状外側壁面122の側面に配置された球面状の係合突起123と、円筒状外側壁面122の最上部天面に配置された押圧部124と円筒状外側壁面122の内側に嵌装しているポンプ本体125とから構成されている。押圧部124及びポンプ本体125は樹脂製である。鍔部121、円筒状外側壁面122及び係合突起123は金属製であり、一体に形成している。
【0040】
鍔部121は、その上面に鍔部上面部121tを備えており、ポンプ体120を容器本体110の上端口部に上から被せて螺号した際に、ポンプ体120の円筒形状と略面一となる円盤状の寸法形状をしている。
【0041】
係合突起123は、円筒状外側壁面122の下部に、円筒状外側壁面122を基準とした外向きの突出高さbの球面状に構成されており、金属製である。
【0042】
押圧部124は、ポンプ本体125を貫通して容器本体110の底部まで延在する不図示のチューブにより、容器本体110内に貯留されている液状化粧品に連絡しており、使用者が押圧部124を指で押下することにより、液状化粧品を吐出する構成となっている。
【0043】
蓋体130は、図1乃至図2B図4及び図5等に示すように、上面部が閉塞している中空の略円筒体であり、円筒状の外側壁131と、その内側に外側壁131よりも小さい半径で天井面を共有する円筒状の円筒状内側壁面132を有しており、外側壁131と円筒状内側壁面132との間が空隙となっている。
【0044】
外側壁131は、その最下部に細幅で円形の平坦面である外側壁底面部131bを備えている。
【0045】
また、蓋体130は、円筒状内側壁面132に、内周円に沿って断続的に延設した一筋の周方向リブ133と、突起受入れ部134と、母線方向リブ135とを備えており、弾性変形する素材である樹脂から形成されている。
【0046】
周方向リブ133は、内側壁内面部132aの下部において、内側壁内面部132aを基準として内向きに周方向リブ突出高さtの、円周方向に延在する断面円弧状の突条として構成されており、周方向リブ稜線133aにおいて内向きの突出高さが最も大きくなっている。
【0047】
周方向リブ133は、蓋体130の円筒形状の中心から相互に120度をなす回転対称な3か所においては、周方向リブ側端部133eを終端として突条がなくなる部位が生じるように構成されている。
【0048】
また、突起受入れ部134は、周方向リブ上端部133tと内側壁内面部132aとを緩やかに連絡して円周方向に延在する領域である。
【0049】
母線方向リブ135は、上述の周方向リブ133の断続的な3か所の隙間領域に対応する位置において、内側壁内面部132aに内向きに突出して、蓋体130の半分以上の高さまで抜差し方向Pに、すなわち上下に延在している。また、母線方向リブ135は、周方向リブ稜線133aよりも下方へ垂下させた迫上げ部135gを備えており、下端辺部分135tにおける内側壁内面部132aを基準として内向きに母線方向リブ突出高さTの突条として構成されている。
【0050】
母線方向リブ135は、図5に示すように、迫上げ部135gにおいて下向き凸形状をなしているが、この下向き凸形状は、第一の曲率半径r1からなる略逆ハの字状の一組の誘導辺部分135eと、これら一組の誘導辺部分135eをつないで第一の曲率半径r1よりも小さい第二の曲率半径r2からなる下端辺部分135tとにより形成されている。
【0051】
母線方向リブ135は、周方向リブ上端部133tより高い位置から、周方向リブ上端部133tより低い位置まで延在しているので、下端辺部分135tは周方向リブ上端部133tよりも下に位置している。
【0052】
さらに言えば、下端辺部分135tは、周方向リブ稜線133aよりも下に位置している。
【0053】
図5に示すように、下端辺部分135tは、向かい合った二つの周方向リブ側端部133eの間に位置し、かつ、所定の距離だけ離れて配置されており、下端辺部分135tと周方向リブ側端部133eとの間の隙間は、突起受入れ部134と連続している。
【0054】
なお、蓋体基準線130aは、容器本体110との相対的な位置関係を説明するための仮想的な線であり、図1及び図2Aのように蓋体基準線130aが本体基準線110aの延長線上にない配置関係において閉蓋状態であり、図2Aに示す矢印のR方向に蓋体130を回動させて、図2Bに示すように、蓋体基準線130aが本体基準線110aの延長線上になった際に、ポンプ体120と蓋体130との係合が解除されて開蓋状態となるため、蓋体130を矢印のP方向に軽く持ち上げるだけで蓋体130を取り去ることができる。
【0055】
閉蓋状態においては、図6に示すように、ポンプ体120と蓋体130とが係合している。このとき、蓋体130の内側壁内面部132aが、ポンプ体120の円筒状外側壁面122に外側直近で対向し、蓋体130の外側壁底面部131bがポンプ体120の鍔部上面部121tに上側直近で対向しており、ポンプ体120の3か所に設けられている係合突起123が蓋体130の周方向リブ133に係合して点接触で摺接している。また、ポンプ体120の係合突起123は、蓋体130の突起受入れ部134に対向している。
【0056】
この際、係合突起の突出高さbが周方向リブ突出高さtより大きい寸法に設定されているため、円筒状外側壁面122と内側壁内面部132aとの間に隙間ができて、円筒面同士が面接触することによる摩擦が生じないため、小さい力で蓋体130の回動操作が可能である。
【0057】
次に、図7A乃至図7Dを参照して、閉蓋状態にある蓋体130を回動させて開蓋状態とするまでの過程を説明する。なお、図7A乃至図7Dは、説明の都合上、視点を蓋体130に固定して作成している。
【0058】
図7Aは、閉蓋状態を模式的に示しており、閉蓋状態ではポンプ体120の円筒状外側壁面122に設けられた球面上の係合突起123が、蓋体130の円筒状内側壁面132に設けられた周方向リブ133の周方向の任意の位置で周方向リブ133に係合しており、周方向リブ133に点接触で摺接している。
【0059】
この状態で、蓋付き化粧液容器の使用者が蓋体130の外側壁131を持って回動させると、図7Bに示すように、蓋体130の回動に伴って、係合突起123が周方向リブ133と点接触状態のまま摺動し、母線方向リブ135の迫上げ部135gの下向き凸形状を形成している誘導辺部分135eが、係合突起123に突き当たる位置まで回動する。
【0060】
この位置からさらに蓋体130を回動させようとすると、母線方向リブ135が母線方向リブ突出高さTで内向きに突出しているため、係合突起123が迫上げ部135gに乗り上げることができず、蓋体130全体が誘導辺部分135eの傾斜に沿って迫上がる方向の力を受ける。
【0061】
この際、係合突起123は周方向リブ側端部133eの近傍に到達しているため、蓋体130全体が誘導辺部分135eの傾斜に沿って迫上がるときには、図7Cに示すように、係合突起123と周方向リブ133との係合が解放されて、迫上げ部135gの下端辺部分135tが係合突起123に当接する位置まで蓋体130全体が迫上がる。
【0062】
この際、母線方向リブ突出高さTが周方向リブ突出高さtよりも大きい寸法に設置されているため、使用者が蓋体130を回動操作する力が、係合突起123への誘導辺部分135eの当接、摺動により、蓋体130を迫上げる向きの力に確実に変換される。
【0063】
蓋体130を基準としてこの様子を描写するならば、周方向リブ133に点接触で摺接している係合突起123は、誘導辺部分135eに当接した後にその傾斜に沿って誘導され、誘導辺部分135eと周方向リブ側端部133eとの隙間に対応する部位を移動して、周方向リブ133との係合から離脱するということになる。
【0064】
下端辺部分135tが係合突起123に当接する位置まで蓋体130が迫上がったときには、周方向リブ133と係合突起123との係合が解消した開蓋状態となっているので、図7Dに示すように、以後、蓋体130を真上に持ち上げることにより完全に蓋体130を取り去ることができる。
【0065】
逆に、開蓋状態から閉蓋状態とする際には、蓋体130をポンプ体120に被せて上から軽く押圧するだけで、係合突起123が周方向リブ133を乗り越えて係合することにより実現する。
【0066】
この際、蓋体130の角度によっては、図7Dに示すように母線方向リブ135がポンプ体120の係合突起123の真上から押し当てられる場合が生じるが、この場合は、係合突起123に迫上げ部135gの下端辺部分135tが当接した後、誘導辺部分135eに沿って左右に回動して逃げるように蓋体130が誘導されるため、開蓋操作とちょうど逆の過程を経て閉蓋状態となる。
【0067】
以上説明したように、本実施例に係る蓋付き化粧液容器100によれば、ポンプ体120が、蓋体130と係合する係合突起123を有する円筒状外側壁面122を備えているとともに、蓋体130が、この蓋体130の内周円に沿って一筋の周方向リブ133を円筒状内側壁面132に備えていることにより、蓋体130でポンプ体120を閉蓋する際には、蓋体130の円筒状内側壁面132がポンプ体120の円筒状外側壁面122に被嵌することによって、ポンプ体120の係合突起123が蓋体130の内周円に沿った周方向リブ133の少なくともいずれかの当接個所で係合して抜け止めし、他方、蓋体130を容器本体110に対して引き上げてポンプ体120を蓋体130から解放する際には、蓋体130の周方向リブ133がその引き上げ方向に向かって球面状の係合突起123を乗り越えることによって蓋体130の周方向リブ133とポンプ体120の係合突起123との係合が解除されるため、閉蓋時には蓋体130をポンプ体120に確実に装着して保持することができるばかりでなく、開蓋時には蓋体130を容器本体110に対して回動させずに引き上げるだけで蓋体130をポンプ体120から容易に開蓋することができる。
【0068】
また、ポンプ体が、蓋体130と係合する球面状の係合突起123を有しているとともに、蓋体130が、この蓋体130の内周円に沿って断続的に延設してポンプ体120の係合突起123と係合する一筋の周方向リブ133とこの一筋の周方向リブ133の断続的隙間領域でポンプ体120の係合突起123と係合する母線方向リブ135とを有していることにより、蓋体130を容器本体110に対して回動させてポンプ体120と蓋体130とを開蓋する際には、蓋体130の迫上げ部135gがポンプ体120の係合突起123に当接しながら蓋体130がポンプ体120から迫上がる方向に誘導され、周方向リブ133の断続的な隙間領域で蓋体130の周方向リブ133とポンプ体120の係合突起123との係合が解除されるため、開蓋時に蓋体130を容器本体110に対して回動させてもポンプ体120が蓋体130と共回りせずに容易に開蓋可能となり、開蓋時における容器本体110内の化粧液が漏出することを防止することができる。
【0069】
さらに、蓋体130の母線方向リブ135が、蓋体130の周方向リブ稜線133aよりも下方へ垂下させていることにより、蓋体130がポンプ体120に対して迫上がる方向に誘導される際に、蓋体130の周方向リブ133がポンプ体120の係合突起123よりも上方まで誘導されるため、仮に勢いよく蓋体130を回動させても、蓋体130が回動し過ぎて再び蓋体130の周方向リブ133とポンプ体120の係合突起123とが係合して閉蓋状態に戻ることを防止することができる。
【0070】
加えて、蓋体130の母線方向リブ135が、一筋の周方向リブ133の断続的な隙間領域で周方向リブ稜線133aよりも下方へ垂下させた迫上げ部135gを設けていることにより、蓋体130をポンプ体120に被嵌して閉蓋状態にする際に、蓋体130の母線方向リブ135がポンプ体120の係合突起123の真上から押し当てられても、ポンプ体120の係合突起123に当接している母線方向リブ135の迫上げ部135gに沿って左右に回動して逃げるように蓋体130が誘導されるため、蓋体130をポンプ体に被嵌して下向きに押圧するだけで、蓋体130の向きに関わらず容易に閉蓋状態とすることができる。
【0071】
しかも、ポンプ体120の係合突起123が、球面状に形成されていることにより、蓋体130の母線方向リブ135との係合が点接触となって摩擦が少ないため、蓋体130の抜差し操作により開閉する際に小さい力で操作することができ、さらに、蓋体130の回動操作により開蓋状態とする際に小さい力で操作することができる。
【0072】
その上、ポンプ体120が、閉蓋時に蓋体130の周方向リブ133に係合する球面状の係合突起123を円筒状外側壁面122に備えていることにより、円筒状外側壁面122が円筒形状と球面状突起形状のみからなる単純で滑らかな形状であるため、化粧液がポンプ体120に付着しても容易に拭き取ることができる。
【0073】
母線方向リブ135の迫上げ部135gが、第一の曲率半径r1からなる略逆ハの字状の一組の誘導辺部分135eとこの一組の誘導辺部分135eをつないで第一の曲率半径r1よりも小さい第二の曲率半径r2からなる下端辺部分135tとを有していることにより、迫上げ部135gを単純な半円形状にする場合と比較して、誘導辺部分135eの曲率半径がより大きく、傾斜がより急峻になって迫上げ部135gの高低差が大きくなり、閉蓋状態において蓋体を回動させて蓋体の母線方向リブ135をポンプ体120の係合突起123に当接させさらに回動させると、母線方向リブ135の迫上げ部135gに沿って蓋体130が迫上がる方向に確実に誘導されるため、閉蓋状態において蓋体130を回動させるだけで、蓋体130を引き上げる力を加えることなく確実に開蓋することができ、さらに、回動させ過ぎて再び閉蓋状態に戻ることを確実に防止することができ、さらに、一組の誘導辺部分135eと下端辺部分135tとを同一の曲率半径とする半円形で形成する場合と比較して、下端辺部分135tの曲率半径がより小さくなり、蓋体130をポンプ体120に被嵌して閉蓋状態にしようとする際に、蓋体130の母線方向リブ135がポンプ体120の係合突起123の真上から押し当てられても、蓋体130が母線方向リブ135の下向き凸形状に沿って左右に回動して逃げるように自然に誘導されるため、蓋体130をポンプ体120に被嵌して下向きに押圧するだけで、蓋体130の向きに関わらず自然に閉蓋状態とすることができる。
【0074】
蓋体130が、弾性変形する素材から形成されていることにより、閉蓋状態における蓋体130の形状が、母線方向リブ135の下向き凸形状に沿って蓋体130が迫上がる方向に誘導されている際には変形し、開蓋状態では元の形状に戻るため、蓋体130の開閉操作を円滑に行うことができ、また、蓋体130の開閉操作を繰り返しても蓋体130の周方向リブ133が摩耗、変形せず、閉蓋状態における蓋体130の緩みを防止することができる。
【0075】
蓋体130の内方に指向する母線方向リブ突出高さTが、蓋体の内方に指向する周方向リブ突出高さtよりも大きく設定されていることにより、閉蓋状態において蓋体130を回動させて蓋体130の母線方向リブ135をポンプ体120の係合突起123に当接させさらに回動させ、母線方向リブ135の下向き凸形状に沿って蓋体130が迫上がる方向に誘導する際に、蓋体130が弾性変形しても母線方向リブ135の係合突起123への当接が維持されるため、蓋体130が弾性変形した際にも、ポンプ体120の係合突起123に母線方向リブ135の迫上げ部135gを添わせて、蓋体130を迫上げる方向にいっそう確実に誘導することができ、さらに、蓋体130をポンプ体120に被嵌して閉蓋状態にする際に、蓋体130の母線方向リブ135がポンプ体120の係合突起123の真上から押し当てられて蓋体130が弾性変形しても、母線方向リブ135の係合突起123への当接が維持され、蓋体130が母線方向リブ135の迫上げ部135gに沿って左右に逃げるように確実に誘導されるため、蓋体130をポンプ体120に被嵌して下向きに押圧するだけで、蓋体130の向きに関わらずいっそう確実に閉蓋状態とすることができる。
【0076】
蓋体130の母線方向リブ135が、蓋体130の半分以上の高さまで抜差し方向に延在していることにより、ポンプ体120の係合突起123から受ける力が母線方向リブ135の高さ方向にわたって分散されて蓋体130の部分的変形が抑制されるため、蓋体130が優れた保形性を発揮し、その結果、閉蓋時の蓋体130の緩みを防ぐことができる。
【0077】
なお、本発明は、化粧液を収容する容器本体と、この容器本体の上端開口部分に螺着して容器本体内の化粧液を放出するポンプ体と、このポンプ体に対して着脱自在に被嵌する不透明の蓋体とからなる蓋付き化粧液容器であるが、ポンプ体に替えて、化粧液を収容する容器本体と、この容器本体の上端開口部分に螺着して容器本体内の化粧液を封止する中蓋と、この中蓋に対して着脱自在に被嵌する不透明の蓋体とからなる蓋付き化粧液容器であっても適用できることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0078】
100 蓋付き化粧液容器
110 容器本体
110a 本体基準線
120 ポンプ体
121 鍔部
121t 鍔部上面部
122 円筒状外側壁面
123 係合突起
124 押圧部
125 ポンプ本体
130 蓋体
130a 蓋体基準線
131 外側壁
131b 外側壁底面部
132 円筒状内側壁面
132a 内側壁内面部
133 周方向リブ
133a 周方向リブ稜線
133e 周方向リブ側端部
133t 周方向リブ上端部
134 突起受入れ部
135 母線方向リブ
135g 迫上げ部
135e 誘導辺部分
135t 下端辺部分
b 係合突起の突出高さ
T 母線方向リブ突出高さ
t 周方向リブ突出高さ
r1 誘導部曲率半径(第一の曲率半径)
r2 下端部曲率半径(第二の曲率半径)
P 抜差し操作方向
R 回動操作方向
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D