(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023060797
(43)【公開日】2023-04-28
(54)【発明の名称】フラットカーテン用保持部材及びフラットカーテン装置
(51)【国際特許分類】
A47H 13/16 20060101AFI20230421BHJP
A47H 13/04 20060101ALI20230421BHJP
【FI】
A47H13/16
A47H13/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021206323
(22)【出願日】2021-12-20
(31)【優先権主張番号】P 2021170379
(32)【優先日】2021-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】392026833
【氏名又は名称】株式会社米澤物産
(74)【代理人】
【識別番号】100085246
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 清一郎
(72)【発明者】
【氏名】米澤 稔喜
(72)【発明者】
【氏名】竹嶌 佳孝
(72)【発明者】
【氏名】酒井 宗蔵
【テーマコード(参考)】
2E182
【Fターム(参考)】
2E182AB01
2E182AC01
2E182BB03
2E182BB14
2E182DE01
2E182DG01
2E182DG07
2E182EE01
(57)【要約】
【課題】多様形態のウエーブを形成可能とするフラットカーテン用保持部材を提供する。
【解決手段】山部2と谷部3が交互に連なったウエーブ5が形成されてなるフラットカーテン6を形成するために用いられるフラットカーテン用保持部材である。フラットカーテン6の上端側の部分の後面部9においてその延長方向に配置される可撓性を有する線状部材10に、所要間隔で、前記谷部3の後面側の部分11に止着される止着部12が設けられている。止着部12は、後面部9に設けられている第2の係合部20と係合して後面部9に止着される第1の係合部21を以て構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
山部と谷部が交互に連なったウエーブが形成されてなるフラットカーテンを形成するために用いられるフラットカーテン用保持部材であって、
該フラットカーテンの上端側の部分の後面部においてその延長方向に配置される可撓性を有する線状部材に、所要間隔で、前記谷部の後面側の部分に止着される止着部が設けられていることを特徴とするフラットカーテン用保持部材。
【請求項2】
前記線状部材は、所要長さに設定された定寸線状部材であり、該定寸線状部材の延長方向で見た両端部に前記止着部が設けられていることを特徴とする請求項1記載のフラットカーテン用保持部材。
【請求項3】
前記止着部は、前記後面部に設けられている第2の係合部と係合して該後面部に止着される第1の係合部を以て構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のフラットカーテン用保持部材。
【請求項4】
前記止着部は、前記線状部材の対向する上下の側縁で突出し、又は何れか一方の側縁で突出する突出軸部を以て構成されており、該突出軸部が、前記後面部に設けられている挿入部に挿入乃至挿通状態となることによって、或いは掛着状態となることによって、該止着部が該後面部に止着されることを特徴とする請求項1又は2記載のフラットカーテン用保持部材。
【請求項5】
前記止着部は、前記線状部材の対向する上下の側縁で該線状部材の延長方向と直交する方向に突出する両端の突出軸部を具えた軸体を以て構成されており、該両端の突出軸部が、前記後面部に設けられている上下方向挿入部に挿入乃至挿通状態となることによって、或いは掛着状態となることによって、該止着部が該後面部に止着されることを特徴とする請求項1又は2記載のフラットカーテン用保持部材。
【請求項6】
前記止着部は、前記線状部材の対向する上下の側縁の夫々で該線状部材の延長方向と直交する方向に突出する両端の突出軸部を具えた軸体を以て構成されており、該軸体が、前記後面部に設けられている左右方向挿入部に挿通し、該両端の突出軸部が、該左右方向挿入部の左右方向で見た外側の縁部に当接状態に係合して該軸体の該左右方向で見た内方向への移動が阻止されることによって、該止着部が前記後面部に止着されることを特徴とする請求項1又は2記載のフラットカーテン用保持部材。
【請求項7】
山部と谷部が交互に連なったウエーブが形成されてなるフラットカーテンを形成するために用いられるフラットカーテン用保持部材であって、
該フラットカーテンの上端側の部分の後面部においてその延長方向に配置される可撓性を有する線状部材に、前記谷部の後面側の部分に止着される止着部が設けられており、
該止着部は、前記線状部材の前記延長方向と直交する下方向に突設され、前記後面部に設けられている上下方向挿入部に挿通される止着部材を以て構成されており、
該止着部材には、該挿通状態で見て、前記上下方向挿入部の、前記挿通方向で見た先側縁部に係合して該止着部材の抜け方向(前記挿通方向とは逆方向)への移動を阻止する抜け止め係合部が設けられていることを特徴とするフラットカーテン用保持部材。
【請求項8】
山部と谷部が交互に連なったウエーブが形成されてなるフラットカーテンを形成するために用いられるフラットカーテン用保持部材であって、
該フラットカーテンの上端側の部分の後面部おいてその延長方向に配置される可撓性を有する線状部材に、前記谷部の後面側の部分に止着される止着部が設けられており、
該止着部は、前記線状部材の前記延長方向と直交する上方向に突設され、前記後面部に設けられている上下方向挿入部に挿通される止着部材を以て構成されており、
該止着部材には、該挿通状態で見て、前記上下方向挿入部の、前記挿通方向で見た先側縁部に係合して該止着部材の抜け方向(前記挿通方向とは逆方向)への移動を阻止する抜け止め係合部が設けられていることを特徴とするフラットカーテン用保持部材。
【請求項9】
前記線状部材は、所要長さに設定された定寸線状部材であり、該定寸線状部材の両端部で、前記止着部材からなる止着部が設けられていることを特徴とする請求項7又は8記載のフラットカーテン用保持部材。
【請求項10】
山部と谷部が交互に連なったウエーブが形成されてなるフラットカーテンを形成するために用いられるフラットカーテン用保持部材であって、
該フラットカーテンの上端側の部分の後面部においてその延長方向に配置される可撓性を有する線状部材に、前記後面部に止着されるループ状係合片からなる止着部が所要間隔で設けられていることを特徴とするフラットカーテン用保持部材。
【請求項11】
フラットカーテンの上端側の部分を棒状カーテンレールのレール本体に取り付けるために用いられるフラットカーテン用保持部材であって、
該フラットカーテンの該上端側の部分の後面部においてその上下方向に配置される可撓性を有する線状部材の上下端部に、該後面部に止着される止着部が設けられており、該止着部を該後面部に止着した状態で、該後面部と該線状部材との間に形成される挿通保持部に、或いは、該線状部材が形成するループ状保持部に、前記レール本体を挿通状態となし得るように構成されていることを特徴とするフラットカーテン用保持部材。
【請求項12】
前記線状部材の上下端部に設けられている前記止着部は、前記線状部材の上下端部において、対向する左右の側縁で該線状部材の延長方向と直交する方向に突出する両端突出軸部を具えた軸体を以て構成されており、前記後面部に設けられている上下方向挿入部に該軸体が挿通状態となることによって、該両端突出軸部が、該上下方向挿入部の、前記挿通方向で見た先側の縁部に係合して該止着部材の抜け方向(前記挿通方向とは逆方向)への移動が阻止されることを特徴とする請求項11記載のフラットカーテン用保持部材。
【請求項13】
山部と谷部が交互に連なったウエーブが形成されてなるフラットカーテンを用いるフラットカーテン装置であって、
請求項1~10の何れかに記載の前記フラットカーテン用保持部材を用い、前記線状部材に設けられている隣り合う2つの止着部が、隣り合う前記谷部の夫々の後面側の部分に止着されており、
該フラットカーテンは、前記ウエーブを構成する前記山部と前記谷部との接続部で、カーテンフックを介して、カーテンレールを摺動するランナーに吊下されることを特徴とするフラットカーテン装置。
【請求項14】
請求項11又は12記載のフラットカーテン用保持部材を用いて構成されたフラットカーテン装置であって、
フラットカーテンの上端側の部分が棒状カーテンレールのレール本体に取り付けられており、
該レール本体が、前記上下端部に設けられている前記止着部が前記後面部に止着されてなる前記線状部材と前記上端側の部分の後面部との間に形成される挿通保持部に挿通されており、或いは、該線状部材が形成するループ状保持部に挿通されていることを特徴とするフラットカーテン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフラットカーテン用保持部材に関するものであり、又、これを用いるフラットカーテン装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
山部と谷部が交互に連なったウエーブが形成されてなるフラットカーテンの一例として、特許文献1、特許文献2が開示するものが提供されている。
【0003】
特許文献1が開示するフラットカーテンは、吊られた状態で、見た目に自然なウエーブを形成せんとして、カーテン地の上縁部に沿って複数の吊り具が所定の取付間隔で装着されており、隣り合う吊り具と吊り具とが連結具で連結される連結区間と、隣り合う吊り具と吊り具とが連結されない非連結区間とが交互に設けられている。又特許文献2が開示するフラットカーテンの一態様は、カーテン生地に形成している波形の大きさ、カーテン生地自体の幅を自由に設定できるようにするため、カーテン用フックの固定杆を生地幅調節帯の挿通孔用湾出部に挿通させる構成を採用している。
しかしながら、特許文献1 、2に係るフラットカーテンにあっては、次のような問題点があった。即ち、
【0004】
(1)特許文献1が開示するフラットカーテンにあっては、隣り合う吊り具と吊り具とを連結具で連結するため、隣り合う吊り具と吊り具とが連結具で連結される連結区間の間に、隣り合う吊り具と吊り具とが連結されない非連結区間が生じ、該非連結区間においてカーテン地の上縁部の湾曲状態が間延びした状態になってしまい、特許文献1 が目的とする、前記「見た目に自然なウエーブ」を形成できない場合が生してしまう。
【0005】
(2)又特許文献1が開示するフラットカーテンによるときは、隣り合う吊り具と吊り具とを連結具で連結するため、該連結具が、ランナーの走行性を阻害する恐れがあった。この点については特許文献1 の明細書の段落0017に、「連結具に引っ張られて吊り具の本体が回転する」ことを前提として、「本考案のフラットカーテンによれば、吊り具の本体をフック体に対して相対回転可能に設けることで、連結具に引っ張られて吊り具の本体が回転するにしても、または、湾曲するカーテン地の上縁部に合わせるように吊り具の本体が回転するにしても、ランナーには回転力が働かず、ランナーの走行性を阻害しない。」と記載されている。
【0006】
(3)前記ウエーブの形態を決定する手段として、特許文献1 が開示するフラットカーテンにあっては、隣り合う吊り具と吊り具とを連結具で連結することとしており、又特許文献2が開示するフラットカーテンにあっては、カーテン用フックの固定杆を生地幅調節帯の挿通孔用湾出部に挿通させることとしている。そのため、特許文献1 、特許文献2にあっては、カーテンのウエーブの形態が、カーテンフックの取り付け位置に制約される問題があり、カーテンに形成できるウエーブの形態に制約があった。
【0007】
(4)前記特許文献1、2が開示するフラットカーテンにあっては、フラットカーテンにウエーブを形成するために、前記連結具(特許文献1)や生地幅調節帯(特許文献2)を前記吊下用フックに取り付けていたため、カーテンの洗濯に際して前記吊下用フックをフラットカーテンから取り外したとすると、それと同時に前記ウエーブの形態が崩れた。そのため洗濯後において、改めてピッチを所要に設定してウエーブを形成し直さなければならないという面倒な作業を要する問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実用新案登録第3125248号
【特許文献2】特許平9-10094号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は前記従来の問題点に鑑みて開発されたものであり、カーテンレールを摺動するランナーに対するカーテンフックの、フラットカーテンの上端側の部分の後面部に対する取り付け位置に制約されることなく多様形態のウエーブを形成可能とするフラットカーテン用保持部材の提供を課題とするものであり、又、ウエーブを形成するために該フラットカーテンに取り付けられる「フラットカーテン用保持部材」が、フラットカーテンが掛着される前記ランナーの走行性を阻害しないフラットカーテン用保持部材の提供を課題とするものである。
【0010】
又本発明は、水平状態に配置される棒状レールにフラットカーテンを簡易に取り付けるために使用できるフラットカーテン用保持部材の提供を課題とする。
【0011】
又本発明は、前記後面部に対するカーテンフックの取り付け位置に制約されることなく多様形態のウエーブを形成でき、しかもフラットカーテンが掛着されるランナーの走行性を阻害しないフラットカーテン装置の提供を課題とするものである。
【0012】
又本発明は、水平状態に配置される棒状カーテンレールにフラットカーテンを簡易に取り付けることのできるフラットカーテン装置の提供を課題とするものである。
【0013】
又本発明は、カーテンの洗濯に際して、フラットカーテン吊下用のフックを該フラットカーテンから取り外しても前記ウエーブの形態が崩れることのないフラットカーテン装置の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するため本発明は以下の手段を採用する。
即ち、本発明に係るフラットカーテン用保持部材の第1の態様は、山部と谷部が交互に連なったウエーブが形成されてなるフラットカーテンを形成するために用いられるフラットカーテン用保持部材であって、該フラットカーテンの上端側の部分の後面部においてその延長方向に配置される可撓性を有する線状部材に、所要間隔で、前記谷部の後面側の部分に止着される止着部が設けられていることを特徴とするものである。
【0015】
本発明に係るフラットカーテン用保持部材の第2の態様は、前記第1の態様において、前記線状部材は、所要長さに設定された定寸線状部材であり、該定寸線状部材の延長方向で見た両端部に前記止着部が設けられていることを特徴とするものである。
【0016】
本発明に係るフラットカーテン用保持部材の第3の態様は、前記第1の態様又は前記第2の態様において、前記止着部は、前記後面部に設けられている第2の係合部と係合して該後面部に止着される第1の係合部を以て構成されていることを特徴とするものである。
【0017】
本発明に係るフラットカーテン用保持部材の第4の態様は、前記第1の態様又は前記第2の態様において、前記止着部は、前記線状部材の対向する上下の側縁で突出し、又は何れか一方の側縁で突出する突出軸部を以て構成されており、該突出軸部が、前記後面部に設けられている挿入部に挿入乃至挿通状態となることによって、或いは掛着状態となることによって、該止着部が該後面部に止着されることを特徴とするものである。
【0018】
本発明に係るフラットカーテン用保持部材の第5の態様は、前記第1の態様又は前記第2の態様において、前記止着部は、前記線状部材の対向する上下の側縁で該線状部材の延長方向と直交する方向に突出する両端の突出軸部を具えた軸体を以て構成されており、該両端の突出軸部が、前記後面部に設けられている上下方向挿入部に挿入乃至挿通状態となることによって、或いは掛着状態となることによって、該止着部が該後面部に止着されることを特徴とするものである。
【0019】
本発明に係るフラットカーテン用保持部材の第6の態様は、前記第1の態様又は前記第2の態様において、前記止着部は、前記線状部材の対向する上下の側縁の夫々で該線状部材の延長方向と直交する方向に突出する両端の突出軸部を具えた軸体を以て構成されており、該軸体が、前記後面部に設けられている左右方向挿入部に挿通し、該両端の突出軸部が、該左右方向挿入部の左右方向で見た外側の縁部に当接状態に係合して該軸体の該左右方向で見た内方向への移動が阻止されることによって、該止着部が前記後面部に止着されることを特徴とするものである。
【0020】
本発明に係るフラットカーテン用保持部材の第7の態様は、山部と谷部が交互に連なったウエーブが形成されてなるフラットカーテンを形成するために用いられるフラットカーテン用保持部材であって、該フラットカーテンの上端側の部分の後面部においてその延長方向に配置される可撓性を有する線状部材に、前記谷部の後面側の部分に止着される止着部が設けられており、該止着部は、前記線状部材の前記延長方向と直交する下方向に突設され、前記後面部に設けられている上下方向挿入部に挿通される止着部材を以て構成されている。そして該止着部材には、該挿通状態で見て、前記上下方向挿入部の、前記挿通方向で見た先側縁部に係合して該止着部材の抜け方向(前記挿通方向とは逆方向)への移動を阻止する抜け止め係合部が設けられていることを特徴とするものである。
【0021】
本発明に係るフラットカーテン用保持部材の第8の態様は、山部と谷部が交互に連なったウエーブが形成されてなるフラットカーテンを形成するために用いられるフラットカーテン用保持部材であって、該フラットカーテンの上端側の部分の後面部おいてその延長方向に配置される可撓性を有する線状部材に、前記谷部の後面側の部分に止着される止着部が設けられている。該止着部は、前記線状部材の前記延長方向と直交する上方向に突設され、前記後面部に設けられている上下方向挿入部に挿通される止着部材を以て構成されており、該止着部材には、該挿通状態で見て、前記上下方向挿入部の、前記挿通方向で見た先側縁部に係合して該止着部材の抜け方向(前記挿通方向とは逆方向)への移動を阻止する抜け止め係合部が設けられていることを特徴とするフラットカーテン用保持部材。
【0022】
本発明に係るフラットカーテン用保持部材の第9の態様は、前記第7の態様又は前記第8の態様において、前記線状部材は、所要長さに設定された定寸線状部材であり、該定寸線状部材の両端部で、前記止着部材からなる止着部が設けられていることを特徴とするものである。
【0023】
本発明に係るフラットカーテン用保持部材の第10の態様は、山部と谷部が交互に連なったウエーブが形成されてなるフラットカーテンを形成するために用いられるフラットカーテン用保持部材であって、該フラットカーテンの上端側の部分の後面部においてその延長方向に配置される可撓性を有する線状部材に、前記後面部に止着されるループ状係合片からなる止着部が所要間隔で設けられていることを特徴とするものである。
【0024】
本発明に係るフラットカーテン用保持部材の第11の態様は、フラットカーテンの上端側の部分を棒状カーテンレールのレール本体に取り付けるために用いられるフラットカーテン用保持部材であって、該フラットカーテンの該上端側の部分の後面部においてその上下方向に配置される可撓性を有する線状部材の上下端部に、該後面部に止着される止着部が設けられている。そして、該止着部を該後面部に止着した状態で、該後面部と該線状部材との間に形成される挿通保持部に、或いは、該線状部材が形成するループ状保持部に、前記レール本体を挿通状態となし得るように構成されていることを特徴とするものである。
【0025】
本発明に係るフラットカーテン用保持部材の第12の態様は、前記第11の態様において、前記線状部材の上下端部に設けられている前記止着部は、前記線状部材の上下端部において、対向する左右の側縁で該線状部材の延長方向と直交する方向に突出する両端突出軸部を具えた軸体を以て構成されており、前記後面部に設けられている上下方向挿入部に該軸体が挿通状態となることによって、該両端突出軸部が、該上下方向挿入部の、前記挿通方向で見た先側の縁部に係合して該止着部材の抜け方向(前記挿通方向とは逆方向)への移動が阻止されることを特徴とするものである。
【0026】
本発明に係るフラットカーテン装置の第1の態様は、山部と谷部が交互に連なったウエーブが形成されてなるフラットカーテンを用いるフラットカーテン装置であって、前記第1~10の何れかの態様に係る前記フラットカーテン用保持部材を用いて構成されており、フラットカーテンの上端側の部分が棒状カーテンレールのレール本体に取り付けられており、該レール本体が、前記上下端部に設けられている前記止着部が前記後面部に止着されてなる前記線状部材と前記上端側の部分の後面部との間に形成される挿通保持部に挿通されており、或いは、該線状部材が形成するループ状保持部に挿通されていることを特徴とするものである。
【0027】
本発明に係るフラットカーテン装置の第2の態様は、前記第11の態様又は前記第12の態様に係るフラットカーテン用保持部材を用いて構成されたフラットカーテン装置であって、フラットカーテンの上端側の部分が棒状カーテンレールのレール本体に取り付けられており、該レール本体が、前記上下端部に設けられている前記止着部が前記後面部に止着されてなる前記線状部材と前記上端側の部分の後面部との間に形成される挿通保持部に挿通されており、或いは、該線状部材が形成するループ状保持部に挿通されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0028】
本発明によるときは、カーテンレールを摺動するランナーに対するカーテンフックの、フラットカーテンの上端側の部分の後面部に対する取り付け位置に制約されることなく多様形態のウエーブを形成できると共に、ウエーブを形成するために該フラットカーテンに取り付けられる「フラットカーテン用保持部材」が、該フラットカーテンが掛着される前記ランナーの走行性を阻害しないフラットカーテン用保持部材を提供できる。
【0029】
又本発明によるときは、水平状態に配置される棒状カーテンレールにフラットカーテンの上端側の部分を簡易に取り付けるために使用できるフラットカーテン用保持部材を提供できる。これによって、前記カーテンフックを介してフラットカーテンをカーテンレールに取り付けてなるフラットカーテン装置を、フラットカーテンを棒状カーテンレールに取り付けてなるフラットカーテン装置に簡易に変更でき、又、その逆の変更も容易である。これによってカーテンの模様替えを楽しむことができる。
【0030】
又本発明によるときは、カーテンレールを摺動するランナーに対するカーテンフックの、フラットカーテンの上端側の部分の後面部に対する取り付け位置に制約されることなく多様形態のウエーブを形成でき、しかもフラットカーテンが掛着されるランナーの走行性を阻害しないフラットカーテン装置を提供できる。
【0031】
又本発明によるときは、棒状カーテンレールに、フラットカーテンを簡易に取り付けることのできるフラットカーテン装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】ウエーブを有するフラットカーテンを用いて構成されたフラットカーテン装置を説明する斜視図である。
【
図2】ウエーブを有するフラットカーテンを説明する説明図である。
【
図3】本発明に係るフラットカーテン装置を説明する側面図である。
【
図4】本発明に係るフラットカーテン用保持部材を説明する斜視図である。
【
図5】カーテン本体の上縁側の部分に縫着される止着テープの一例を示す部分正面図とその部分拡大図である。
【
図6】カーテン本体の上縁側の部分に縫着される止着テープの他の例を示す部分正面図である。
【
図7】本発明に係るフラットカーテン用保持部材の他の態様をその使用状態と共に説明する説明図である。
【
図8】その止着部材を説明する斜視図と側面図である。
【
図9】本発明に係るフラットカーテン用保持部材のその他の態様を説明する説明図である。
【
図10】本発明に係るフラットカーテン用保持部材のその他の態様をその使用状態と共に説明する説明図である。
【
図11】棒状カーテンレールにフラットカーテンの上端側の部分を取り付けてなるフラットカーテン装置を説明する斜視図である。
【
図12】棒状カーテンレールにフラットカーテンの上端側の部分を取り付けてなるフラットカーテン装置の他の態様を説明する斜視図である。
【
図13】棒状カーテンレールにフラットカーテンの上端側の部分を取り付けてなるフラットカーテン装置のその他の態様を説明する斜視図である。
【
図14】ウエーブの形態を決めるウエーブ形態要素を説明する説明図である。
【
図15】フラットカーテンのウエーブ形態を例示するウエーブ説明図である。
【
図16】本発明に係るフラットカーテン用保持部材のその他の態様をその使用状態と共に示す説明図である。
【
図17】本発明に係るフラットカーテン用保持部材のその他の態様を示す斜視図である。
【
図18】カーテン本体の上縁側の部分に縫着される止着テープのその他の例を示す部分正面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例0033】
図1~2において本発明に係るフラットカーテン用保持部材(以下、保持部材ともいう)1は、山部2と谷部3が交互に連なったウエーブ5が形成されてなるフラットカーテン6を形成するために用いられるものであって、該フラットカーテン6の上端側の部分7の後面部9でその延長方向に配置される可撓性を有する線状部材10に、所要間隔で、前記谷部3の後面側の部分(前記後面部9の一部分)11に止着される止着部12が設けられている。
【0034】
図1、
図3は、前記フラットカーテン6を、前記後面部9に装着されたカーテンフック13を介して、カーテンレール15をその長さ方向で摺動するランナー16の吊環17に掛着することによって構成されたフラットカーテン装置18を示している。
【0035】
前記線状部材10は、本実施例においては
図1~2、
図4に示すように、所要長さに設定された定寸線状部材10aであり、該定寸線状部材10aの延長方向F1で見た両端部分19,19に前記止着部12が設けられている。該止着部12は、前記後面部9に設けられている第2の係合部20と係合して該後面部9に止着される第1の係合部21を以て構成されている。以下、これを具体的に説明する。
【0036】
前記フラットカーテン6は、
図1、
図3に示すようにカーテン本体22の上縁側の部分23の本体後面部25に、例えば
図5又は
図6に示す止着テープ26を当接させ、該止着テープ26の上下縁部を該上縁側の部分23に縫着することによって構成されている。このように縫着された該止着テープ26は、前記フラットカーテン6の前記上端側の部分7を構成するものであり、該上端側の部分7の剛性を向上させて前記ウエーブ5の形態安定性をより向上させるためにも寄与する。
【0037】
該止着テープ26は、例えば
図1、
図3、
図5~6に示すように、等幅の織物テープや編物テープ等として形成されたテープ基材30の表面31の上下縁側32,33に、上下対向する状態で設けられた、前記カーテンフック13の上下のフック端部分35,36を挿入させるための上下のフック端部分挿入部37,39の組が、該テープ基材30の延長方向に並設されている。該上下のフック端部分挿入部37,39は同様の構成を有している。
【0038】
該上下のフック端部分挿入部37,39を形成する要領の一例を、
図5~6に基づいて説明すれば、該テープ基材30の該表面31で、該テープ基材30の長さ方向に延長する、フック端部分の挿入部形成用テープ40を配置し、該挿入部形成用テープ40を、その長さ方向に10~20mmの間隔で該テープ基材30に製織や編成、溶着、縫製等により一体化し、例えば製織により一体化し、上下対向する仕切り縁41,41を形成する。これによって、隣り合う仕切り縁41,41と前記テープ基材30と該挿入部形成用テープ40との間で前記上下のフック端部分挿入部37,39を形成できる。
【0039】
該テープ基材30が、その裏面42が前記カーテン本体22の前記本体後面部25に当接された状態で該本体後面部25に縫着されることによって、前記後面部9が形成される(
図1、
図3)。そして
図1、
図3に示すように、前記カーテンレール15に摺動可能に吊下されている前記ランナー16の前記吊環17に掛着される前記カーテンフック13の前記上下のフック端部分35,36が前記上下のフック端部分挿入部37,39の所要の組に挿入されることによって、該カーテンフック13が前記フラットカーテン6の前記後面部9に所要間隔で取り付けられることとなる。
【0040】
図5には、左右端が開放された、前記第2の係合部20としての左右方向挿入部44が示されている。該左右方向挿入部44は、テープ基材30の前記表面31の長さ方向中央部分38に、該テープ基材30の延長方向に所要間隔で並設されている。
図5(B)は、前記左右方向挿入部44の構成の一例を示すものであり、両端部45,45が該テープ基材30に止着され且つ該テープ基材30の前記表面31で浮いた状態にある浮かし糸46の複数本、例えば2~10本で構成されている。その上下方向での長さは前記線状部材10の幅に応じて所要に設定されるものであり、例えば10~20mmに、本実施例においては18mmに設定されている。
【0041】
図6には、上下端が開放された、前記第2の係合部20としての上下方向挿入部43,43が示されている。該上下方向挿入部43,43は、前記テープ基材30の前記表面31の長さ方向に延長する前記中央部分38の上下部位の夫々に、上下対向する状態で、該テープ基材30の延長方向に所要間隔で並設されている。本実施例おいては、前記上下のフック端部分挿入部37,39間において、前記延長方向F1に所要間隔で並設されている。
【0042】
図6は、前記上下方向挿入部43,43の組の形成要領の一例を示すものであり、前記テープ基材30の前記表面31の、前記中央部分38の上下部位の夫々で、前記延長方向F1に延長して配置された挿入部形成テープ48,48が、該長さ方向に5~10mmの間隔で該テープ基材30に製織により一体化されて仕切り縁47が形成され、隣り合う仕切り縁47,47と該テープ基材30と前記挿入部形成テープ48との間で前記上下方向挿入部43が形成されている。
【0043】
前記線状部材10(
図4)は本実施例においては、例えば、幅が5~30mmで長さが60~300mm(好ましく80~150mmであり、本実施例においては120mm)、厚さが0.5~1.5mmの織物製テープ又は編物製テープとして構成された前記定寸線状部材10aとして構成されている。その延長方向F1で見た両端部分19,19に設けられている前記第1の係合部21としての前記止着部12は、
図4に示すように、該定寸線状部材10aの対向する上下の側縁49a,49bで該定寸線状部材10aの延長方向と直交する方向に突出する突出軸部50を具えた合成樹脂製の軸体51(前記第1の係合部21)を以て構成されている。該軸体51は例えば、長軸が3. 3mmで短軸が2. 5mmの断面楕円形状を呈し、全長が25mmに設定されており、前記定寸線状部材10aの両端部分19,19の夫々が、該軸体51に、その射出成形時に埋入されている。
図4においては、該端部分19が該軸体51の短軸方向に配置されている。
【0044】
そして、前記第2の係合部20が前記左右方向挿入部44を以て構成されている場合(
図5(A))は、前記軸体51が、前記後面部9に設けられている該左右方向挿入部44に挿通し、
図5(B)に一点鎖線で示すように、前記突出軸部50,50が、該左右方向挿入部44の、左右方向で見た外側の縁部(上下の縁部)54,54に当接状態に係合して、該軸体51の左右方向で見た内方向F2への移動が阻止され、これによって、該軸体51としての前記止着部( 前記第1の係合部21)12が前記左右方向挿入部44としての前記第2の係合部20に止着される。
【0045】
又、前記第2の係合部20が前記上下方向挿入部43,43を以て構成されている場合は、
図6に示すように、前記軸体51の上下の該突出軸部(前記第1の係合部)50,50が、前記後面部9に設けられている上下方向挿入部43,43(前記第2の係合部20,20)に挿入乃至挿通状態となることによって、上下の前記突出軸部(前記止着部12,12の一部分)50,50が前記後面部9に止着されるようになされている。
【0046】
図6に示すA部には、前記線状部材10が前記後面部9の延長方向に延長するように該後面部9で配置された状態で、前記軸体51の該両突出軸部50,50が、前記上下方向挿入部43、43に挿入状態となることによって、前記止着部12が前記後面部9に止着された状態が図示されている。又
図6に示すB部には、前記線状部材10が同様に配置された状態で、前記軸体51の該突出軸部50,50が、前記上下方向挿入部43、43に挿通状態となることによって、該止着部12が前記後面部9に止着された状態が図示されている。このように挿通状態とするためには、前記上下方向挿入部43、43の上下方向長さを短く設定するか、或いは、前記上下の突出軸部50,50の長さを長く設定する。
【0047】
該挿通状態や該挿入状態は、前記両端突出軸部50,50が前記上下方向挿入部43,43から容易には抜け出さない密接状態とするのがよい。そのために、前記上下方向挿入部43,43の隣り合う前記仕切り縁47,47間の間隔を小さく形成し、前記両端突出軸部50,50が該上下方向挿入部43,43に窮屈に挿入乃至挿通されるようになされている。
【0048】
図7~8は、フラットカーテン用保持部材1の他の態様を示すものであり、山部2と谷部3が交互に連なったウエーブ5が形成されてなる前記フラットカーテン6を形成するために用いられるものであって、該フラットカーテン6の上端側の部分7の後面部9においてその延長方向に配置される可撓性を有する線状部材10に、前記谷部3の後面側の部分11(
図1)に止着される止着部12が設けられている。該線状部材10は、テープ状を呈するものでも、紐状を呈するものであってもよい。
図7~8においては紐状を呈している。該止着部12は、前記線状部材10の前記延長方向F1と直交する下方向F3に突設されて前記上下方向挿入部43(
図6、
図7(B))を下向きに挿通される止着部材53を以て構成されている。該止着部材53には、該挿通状態で見て、前記上下方向挿入部43の、前記挿通の方向で見た先側縁部(前記の隣り合う仕切り縁41,41)55, 55に係合して該止着部材53の抜け方向(該挿通の方向とは逆方向)への移動を阻止する抜け止め係合部56が設けられている。
【0049】
図9においては、前記止着部12が、前記線状部材10の前記延長方向F1と直交する上方向F4に突出されている。かかる上方向への突出は、前記線状部材10を上下反転させれば得られる。この場合は、前記止着部材53を前記上下方向挿入部43に、前記延長方向F1と直交する上向きに挿通させる。これによって、前記下向きに挿通させた場合と同様の作用効果が得られ、該止着部材53の抜け方向(前記挿通方向とは逆方向)への移動が阻止される。
【0050】
紐状を呈する前記線状部材10の両端部に設けられている前記第1の係合部21としての前記止着部材53の構成を
図7~8に基づいてより具体的に説明すれば、前記上下方向挿入部43に挿入状態となり得る矩形板状部57の先端に三角形板状部59を突設してなる矢印板状を呈し、射出成形によって、前記線状部材10の前記端部分19と一体化されている。該三角形板状部59の基端側の両側部分60,60は前記抜け止め係合部56,56を構成するものであり、該矩形板状部57の先端両側で突出している。又、該三角形板状部59と該矩形板状部57とに亘って、該三角形板状部59の先端中央部で開口する割溝58が設けられている。
【0051】
該止着部材53を、その先端側から前記上下方向挿入部43に挿通させると、該止着部材53は、必要時には前記割溝58の溝幅を弾性的に縮小させつつ、該三角形板状部57が前記上下方向挿入部43を押し拡げてその先端から突出し、該三角形板状部59の両側部分60,60に設けられている両側の係合段差部61,61が、該上下方向挿入部43の先側の両端縁部(前記の隣り合う仕切り縁)41,41に係合する。これによって、該止着部材53の抜け方向(前記挿通方向とは逆方向)への移動が阻止され、前記止着部材53が前記谷部3の前記後面側の部分11に止着される。
【0052】
図10(A)(B)は、前記フラットカーテン用保持部材1のその他の態様を示すものであり、山部2と谷部3が交互に連なったウエーブ5が形成されてなる前記フラットカーテン6を形成するために用いられるフラットカーテン用保持部材である。該保持部材1は、該フラットカーテン6の上端側の部分7の後面部9においてその延長方向に配置される可撓性を有する定寸線状部材10aとしての線状部材10に、前記谷部3の後面側の部分11(
図1)に止着されるループ状係合片63(前記第1の係合部21)からなる止着部12が設けられている。
図10(B)は、該ループ状係合片63を、前記上下方向挿入部43に掛着される掛着部材64、例えばS字環64aを用いて、前記止着部12を、例えば前記上下方向挿入部43に止着した状態を示している。
図10(C)は、該ループ状係合片63の他の態様を示すものであり、テープ状物65の表面に、該テープ状物65の長さ方向に所要間隔で設けた、両端が該テープ状物に連結されることによって中間部分が該テープ状物65から浮いた浮かし片66を以て構成されており、該テープ状物65と該浮かし片66とによって前記ループ状係合片63が構成されている。この場合も前記と同様に、例えば前記S字環を用いて、該ループ状係合片63としての止着部12を前記上下方向挿入部43に止着できる。
【0053】
図4(A),
図7(A)、
図8、
図10(A)において、一点鎖線で延長する状態に表示されたフラットカーテン用保持部材1は、前記線状部材10が長尺のものである。該線状部材10には、前記谷部3の前記後面側の部分11に止着される前記止着部12が、所要間隔で多数設けられている。
【0054】
該線状部材10に設ける該止着部12は、その使用に際しては、使用者の欲するウエーブ5の形態に応じて選択された特定の谷部3の前記後面側の部分11で設定された前記第2の係合部20に止着されるものであり、全ての谷部の前記後面側の部分11に止着されるとは限らない。
【0055】
かかる長尺のフラットカーテン用保持部材1を用いる場合は、前記線状部材10が前記のように定寸である場合に比べて、前記フラットカーテン6の上端側の部分7の前記後面部9に対する止着のための作業回数を減少させ得る効果がある。
【0056】
図11~13は、本発明に係るフラットカーテン用保持部材1のその他の態様を示すものであり、前記フラットカーテン6の上端側の部分7を棒状カーテンレール67のレール本体69に取り付けるために用いられる。該カーテン用保持部材1は、該フラットカーテン6の該上端側の部分7の後面部9においてその上下方向に配置される可撓性を有する線状部材10の両端部70,71に、該後面部9に止着される止着部12が設けられている。該止着部12、12を該後面部9に止着した状態で、該後面部9と該線状部材10との間に形成される挿通保持部72(
図11、
図12)に、或いは、該線状部材10が形成するループ状部73(
図13)に、前記レール本体69を挿通状態に保持させ得るようになされている。該挿通状態に保持することによって、前記フラットカーテン6が前記棒状カーテンレール67に吊下状態に取り付けられる。
【0057】
前記線状部材10は本実施例においては、前記と同様に、幅が5~30mm、厚さが0.5~1.5mmに設定されており、その長さは、該棒状カーテンレール67の径に応じて所要に(例えば120mm)設定される。
【0058】
図11~13には、前記止着部12の一例が示されている。該止着部12は、例えば前記ウエーブ5を形成する場合におけると同様に構成されており、該線状部材10の上下端部70,71において、対向する左右の側縁75,75で該線状部材10の延長方向と直交する方向に突出する突出軸部76,76を具えた前記と同様構成の軸体77を以て構成されている。本実施例に係る保持部材1は、前記フラットカーテン形成用の前記保持部材1の前記線状部材10を、前記した左右方向ではなく上下方向にして使用するものである。
【0059】
図11に示す前記止着部12の止着状態にあっては、前記上下の軸体77,77を、例えば前記上下のフック端部分挿入部37,39に、その内側からその外側に向けて挿通状態とし、前記突出軸部76,76を該フック端部分挿入部37,39の、前記挿通方向で見た先側縁部(前記の隣り合う仕切り縁41,41)55,55に係合状態とされてなる。
図12に示す前記止着部12の止着状態にあっては、前記上下の軸体77,77(前記軸体51,51と同様に機能する)を、上下の前記フック端部分挿入部37,39に、その外側からその内側に向けて挿通状態とし、前記の両突出軸部76,76を前記フック端部分挿入部37,39の、前記挿通方向で見た前記先側縁部(前記の隣り合う仕切り縁41,41)55,55に係合状態とされてなる。
【0060】
又
図13に示す前記止着部12の止着状態にあっては、前記上下の軸体77,77の前記両突出軸部76,76を共に、例えば前記の上のフック端部分挿入部37に、その内側からその外側に向けて挿通状態とし、該両突出軸部76,76を該フック端部分挿入部37の、前記挿通方向で見た先側縁部(前記の隣り合う仕切り縁41,41)55,55に係合状態とされてなる。
【0061】
図1~2は、前記山部2と谷部3が交互に連なったウエーブ5が形成されてなるフラットカーテン6を用いてなるフラットカーテン装置18の一例を示すものであって、該ウエーブ5は、前記例示の保持部材1を所要数用いて構成されている。これらの保持部材1は共に、前記山部2と前記谷部3が交互に連なったウエーブ5が形成されてなるフラットカーテン6を形成するために用いられものであり、該保持部材1の隣り合う前記止着部12, 12が隣り合う前記谷部3, 3の夫々の前記後面側の部分(
図1においては、該谷部3の底端部3aの近傍部分)11, 11に止着されている。これにより、前記山部2, 2の基端幅(ピッチ)が前記線状部材10の両止着部12,12間の長さによって規制されることとなる。
【0062】
ここで、前記ウエーブ5の形態を決めるウエーブ形態要素の主なものを、
図2、
図14~15に基づいて説明する。
(1)隣り合う谷部3, 3の前記後面側の部分11, 11相互の全部又は一部を、前記保持部材1で連結する(
図2、
図15参照)。
(2)ウエーブ形態は、該ウエーブ5の前記山部2の幅(ピッチP)と山高さHによって決まる(
図14(A)(B)参照)。
(3)前記後面部9における、前記第2の係合部20の位置を所要に設定することにより、ピッチPを同一にしながら前記山部2の高さHを変更できる(
図14(A)参照)。例えば、ピッチを同一にしながら前記山部2の高さをH1とH2に変更できる。
(4)前記後面部9における、前記第2の係合部20の位置を所要に設定することにより、山部2の高さHを同一にしながらピッチPを変更できる(
図14(B)参照)。例えば、前記山部2の高さを同一にしながら、前記ピッチPをピッチP1, ピッチP 2に変更できる。
(5)前記保持部材1に設けられている前記止着部12は、前記谷部3の後面側の部分11に止着されるものである。該止着部12は、該谷部3の底端部3aに止着されるものには限られず、例えば
図15(D)(E)(F)に示すように該底端部3aから水平方向で見て稍離れた部位に止着することができる。又、後述する接続部79の位置や該接続部79に近接した部位に止着することもある。
【0063】
本発明によるときは、これらのウエーブ形態要素の所要の組み合わせによって、特許文献1、2によっては得られない、前記フラットカーテン6の上端側の部分7の後面部9に対する前記カーテンフックの取り付け位置に制約されることのない多様形態のウエーブ5を形成可能となる。
【0064】
図15は、前記ウエーブ形態要素の所要のものの組み合わせによって得られるフラットカーテン6のウエーブ5の形態を例示するものである。
【0065】
又本発明においては、前記フラットカーテン用保持部材1を前記カーテンフック13に取り付けるものではないため、前記ランナー16の走行性が阻害されることがない所望形態のウエーブ5を有するフラットカーテン装置18(
図1)を構成できる。そして該フラットカーテン装置18によるときは、前記した保持部材1は前記後面部9に配置されるため、該保持部材1が目視されることはない。特に、前記ウエーブ5を構成する前記山部2と前記谷部3との接続部(図に示す白丸部)79(
図15)を、前記カーテンフック13を介して前記ランナー16に吊下してフラットカーテン装置18を構成するときは、該カーテンフック13の列の前後両側で前記山部2と前記谷部3が形成された見栄えのよいフラットカーテン装置18を構成可能である。
【0066】
又該フラットカーテン装置18によるときは、前記線状部材10を前記カーテンフック13に止着するものではないため、カーテンの洗濯に際して前記カーテンフック13を前記フラットカーテン6から取り外しても前記ウエーブ5の形態が崩れることはない。これに対して前記特許文献1、2にあっては、フラットカーテン6にウエーブ5を形成する手段として、前記連結具(特許文献1)や生地幅調節帯(特許文献2)を前記カーテンフックに取り付けていたため、カーテンの洗濯に際して前記カーテンフックをフラットカーテン6から取り外した場合、それと同時に前記ウエーブの形態が崩れた。そのためこの場合は、洗濯後において、改めてピッチを所要に設定してウエーブ形成を行わなければならないという面倒な作業を要した。本発明によるときは、かかる問題点を解決できる。
【0067】
本発明に係るフラットカーテン装置18の他の態様は、例えば
図11、
図12、
図13に係るフラットカーテン用保持部材1を用いて、フラットカーテン6の上端側の部分7を前記棒状カーテンレール67のレール本体69に取り付けるものである。このように、本発明に係るフラットカーテン用保持部材1は、該棒状カーテンレール67に前記フラットカーテン6を簡易に取り付けるためにも使用できる。かかることから、前記フラットカーテン6を、前記カーテンフック13を介して前記カーテンレール15に取り付けてなる前記フラットカーテン装置18を、前記フラットカーテン6を前記棒状カーテンレール67に取り付けてなるフラットカーテン装置18に簡易に変更でき、又、その逆の変更も容易である。これによってフラットカーテンの模様替えを楽しむことができる。
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
(1)可撓性を有する前記線状部材10は、テープ状を呈するものや紐状を呈するもの、チェーン状を呈するもの等、前記ウエーブ5を形成したり、或いは前記棒状カーテンレール67を用いるフラットカーテン装置を構成するのに支障のない、可撓性を有する各種の線状を呈する部材であればよい。
(2)前記フラットカーテン6の上端側の部分7の後面部9には前記第2の係合部20が設けられるが、該後面部9は、前記した止着テープ26を用いないで直接に構成されることもある。
(14)前記止着部12を前記ループ状係合片63として構成する場合において前記掛着部材64を掛着するための被掛着部は、前記した上下方向挿入部43の他、該掛着部材64を掛着させ得るループ状やリング状、フック状を呈するもの等、所要に構成できる。
(15)前記フラットカーテン6を前記棒状カーテンレール67に取り付けるために用いられる前記フラットカーテン用保持部材1が前記軸体77を有する場合、該軸体77を前記上下方向挿入部に挿通状態とする際、前記した上下のフック端部分挿入部37,39を利用するのではなく、それ専用のものとして構成してもよい。
(16)棒状カーテンレール67として伸縮可能のテンションバーを用いることとすれば、該棒状カーテンレール67を用いてなるフラットカーテン装置を、部屋の間仕切りを形成するために用いるもできる。