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特開2023-608コンピュータプログラム、それに用いるゲームシステム、及び制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023000608
(43)【公開日】2023-01-04
(54)【発明の名称】コンピュータプログラム、それに用いるゲームシステム、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/55 20140101AFI20221222BHJP
   A63F 13/812 20140101ALI20221222BHJP
【FI】
A63F13/55
A63F13/812 B
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021101538
(22)【出願日】2021-06-18
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100161090
【弁理士】
【氏名又は名称】小田原 敬一
(72)【発明者】
【氏名】土谷 晋
(72)【発明者】
【氏名】中村 真喜
(72)【発明者】
【氏名】尾島 正敏
(72)【発明者】
【氏名】熊川 晋太郎
(72)【発明者】
【氏名】小林 昭太
(72)【発明者】
【氏名】山下 暁
(57)【要約】
【課題】自動制御によるキャラクタの動作にユーザの技量差を反映することができるコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】コンピュータプログラムPGは、選手PL、ボールBI、及びフィールドFDを含むマッチアップ画面60を表示するモニタ7と、コントローラ6とに接続され、サッカーゲームを提供するゲーム装置2の制御ユニット21を次のような手段として機能させる。すなわち、コンピュータプログラムPGは、選手PLの移動先の目標とされるべき目標位置の初期位置Pを、フィールドFDに設定されるゴールGOの位置としての基準位置RPに基づいて算出するとともに、その選手PLの移動を指示する操作がコントローラ6を介して実行された場合には、その操作に基づいて初期位置Pを修正後の位置P’に修正し、その修正後の位置P’に向かって自動制御にて移動するように、選手PLの動作を制御する手段として制御ユニット21を機能させる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザのプレイ行為を入力するための入力装置と、前記ユーザに関連付けられるキャラクタとしてのユーザキャラクタ、及び当該ユーザキャラクタが動作する領域としてのフィールドを含むゲーム画面を表示する表示装置とに接続され、所定の規則に従った自動制御の動作を含む前記ユーザキャラクタの動作を通じて進行するゲームを提供するゲームシステムに組み込まれるコンピュータを、
前記自動制御にて前記ユーザキャラクタが移動する場合に、当該ユーザキャラクタの移動先の目標とされるべき目標位置の初期位置を、前記フィールドに設定される基準位置に基づいて算出する目標算出手段、
前記自動制御における前記ユーザキャラクタの移動を指示する移動指示行為が前記プレイ行為として実行された場合に、当該移動指示行為に基づいて前記初期位置を修正後位置に修正する目標修正手段、及び
前記目標位置として前記修正後位置に向かって前記自動制御にて移動するように、前記ユーザキャラクタの動作を制御するキャラクタ制御手段、
として機能させる、コンピュータプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータを、前記プレイ行為として実行される操作行為に応じて前記ユーザキャラクタを動作させる操作モードと、前記自動制御にて前記ユーザキャラクタが動作する自動モードとが前記ゲームで実行されるように、前記操作モードにおいて前記プレイ行為として切替指示行為が実行された場合に前記操作モードを前記自動モードに切り替えるモード切替手段として更に機能させる、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
前記目標算出手段は、前記自動モードにおいて前記移動指示行為が実行されない場合に前記ユーザキャラクタの現在位置が前記基準位置として機能するように、前記ユーザキャラクタの現在位置を前記初期位置として算出する、請求項2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記ゲーム画面は、前記ユーザキャラクタとは別に移動するオブジェクトとしての移動オブジェクトを更に含み、
前記目標算出手段は、前記基準位置と前記移動オブジェクトの現在位置とに基づいて、前記基準位置と前記移動オブジェクトの現在位置と間の所定位置を前記初期位置として算出する、請求項2又は3に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記ゲーム画面は、前記ユーザの対戦者に関連付けられるキャラクタとしての対戦者キャラクタを更に含み、
前記ゲームは、前記ユーザキャラクタと前記対戦者キャラクタとの間で前記移動オブジェクトを移動させる動作を実行する攻撃側と、前記移動オブジェクトの移動を妨げる動作を実行する防御側とに分かれて対戦する対戦型のゲームとして構成される、請求項4に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記キャラクタ制御手段は、前記対戦者キャラクタによって前記攻撃側として前記移動オブジェクトに対する所定のイベント動作が実行された場合に、前記修正後位置への移動中において前記イベント動作に対抗する対抗動作を前記自動制御にて前記防御側として実行するように、前記ユーザキャラクタの動作を制御する、請求項5に記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記対戦型のゲームは、複数のユーザキャラクタとしてのユーザチームと、複数の対戦者キャラクタとしての対戦者チームとの間で対戦するチーム対戦型のゲームとして構成され、
前記モード切替手段は、前記複数のユーザキャラクタのうち前記切替指示行為の際に操作中のユーザキャラクタと、前記複数の対戦者キャラクタのうち前記移動オブジェクトの移動に関連付けられる対戦者キャラクタとの間の1対1の対戦として前記自動モードが提供されるように、前記操作モードを前記自動モードに切り替える、請求項6に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
前記入力装置には、前記移動指示行為として方向を指示するように前記ユーザによって操作される方向操作部が設けられ、
前記目標修正手段は、前記方向操作部への操作を介して指示された方向が前記修正後位置に反映されるように、前記目標位置を修正する、請求項1~7のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
前記入力装置には、前記移動指示行為として方向を指示するように前記ユーザによって操作される方向操作部が設けられ、
前記目標修正手段は、前記方向操作部に対する操作量に応じて前記修正後位置が変化するように前記方向操作部に対する操作量に基づいて前記目標位置を修正する、請求項1~8のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項10】
ユーザのプレイ行為を入力するための入力装置と、前記ユーザに関連付けられるキャラクタとしてのユーザキャラクタ、及び当該ユーザキャラクタが動作する領域としてのフィールドを含むゲーム画面を表示する表示装置とに接続され、所定の規則に従った自動制御の動作を含む前記ユーザキャラクタの動作を通じて進行するゲームを提供するゲームシステムであって、
前記自動制御にて前記ユーザキャラクタが移動する場合に、当該ユーザキャラクタの移動先の目標とされるべき目標位置の初期位置を、前記フィールドに設定される基準位置に基づいて算出する目標算出手段と、
前記自動制御における前記ユーザキャラクタの移動を指示する移動指示行為が前記プレイ行為として実行された場合に、当該移動指示行為に基づいて前記初期位置を修正後位置に修正する目標修正手段と、
前記目標位置として前記修正後位置に向かって前記自動制御にて移動するように、前記ユーザキャラクタの動作を制御するキャラクタ制御手段と、
を備える、ゲームシステム。
【請求項11】
ユーザのプレイ行為を入力するための入力装置と、前記ユーザに関連付けられるキャラクタとしてのユーザキャラクタ、及び当該ユーザキャラクタが動作する領域としてのフィールドを含むゲーム画面を表示する表示装置とに接続され、所定の規則に従った自動制御の動作を含む前記ユーザキャラクタの動作を通じて進行するゲームを提供するゲームシステムに組み込まれるコンピュータに、
前記自動制御にて前記ユーザキャラクタが移動する場合に、当該ユーザキャラクタの移動先の目標とされるべき目標位置の初期位置を、前記フィールドに設定される基準位置に基づいて算出する目標算出手順と、
前記自動制御における前記ユーザキャラクタの移動を指示する移動指示行為が前記プレイ行為として実行された場合に、当該移動指示行為に基づいて前記初期位置を修正後位置に修正する目標修正手順と、
前記目標位置として前記修正後位置に向かって前記自動制御にて移動するように、前記ユーザキャラクタの動作を制御するキャラクタ制御手順と、
を実行させる、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザのプレイ行為を入力するための入力装置と、ユーザに関連付けられるキャラクタとしてのユーザキャラクタ、及びそのユーザキャラクタが動作する領域としてのフィールドを含むゲーム画面を表示する表示装置とに接続され、所定の規則に従った自動制御の動作を含むユーザキャラクタの動作を通じて進行するゲームを提供するゲームシステムに組み込まれるコンピュータに適用されるコンピュータプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザのプレイ行為を入力するための入力装置と、ユーザに関連付けられるキャラクタとしてのユーザキャラクタ、及びそのユーザキャラクタが動作する領域としてのフィールドを含むゲーム画面を表示する表示装置とに接続され、所定の規則に従った自動制御の動作を含むユーザキャラクタの動作を通じて進行するゲームを提供するゲームシステムが存在する。例えば、このようなユーザキャラクタとしての選手を含むサッカーゲームを提供するビデオゲーム機が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3145064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のサッカーゲームでは、タックルを指示する操作が実行されると、攻守にそれぞれ対応する二体のキャラクタ間の位置関係に応じて守備側のキャラクタにタックル動作が自動制御にて実行される。このタックル動作のために守備側のキャラクタは自動制御にて移動するが、その移動先(タックル先)は位置関係に応じて自動で設定される。このため、タックル動作の精度にユーザの技量が反映される余地は少なく、精度が高くなり過ぎてしまう可能性がある。また、タックル動作の精度が一定に抑えられるとしても、結果の予測性が高くなる傾向にある。これらはいずれも興趣性の低下を招く可能性がある。
【0005】
サッカーゲームでは、タックル動作等のボールを積極的に奪いに行くプレイだけでなく、一定の距離を保ちつつ攻撃側のキャラクタの移動に合わせて守備側のキャラクタを移動させることにより攻撃側のキャラクタにプレッシャーを与え続けるプレイが求められる場合がある。このようなプレイが仮に完全な自動制御にて実現されると、やはりユーザの技量が反映される余地が少なくなってしまい、同様に興趣性の低下を招いてしまう可能性がある。
【0006】
そこで、本発明は、自動制御によるキャラクタの動作にユーザの技量差を反映することができるコンピュータプログラム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のコンピュータプログラムは、ユーザのプレイ行為を入力するための入力装置と、前記ユーザに関連付けられるキャラクタとしてのユーザキャラクタ、及び当該ユーザキャラクタが動作する領域としてのフィールドを含むゲーム画面を表示する表示装置とに接続され、所定の規則に従った自動制御の動作を含む前記ユーザキャラクタの動作を通じて進行するゲームを提供するゲームシステムに組み込まれるコンピュータを、前記自動制御にて前記ユーザキャラクタが移動する場合に、当該ユーザキャラクタの移動先の目標とされるべき目標位置の初期位置を、前記フィールドに設定される基準位置に基づいて算出する目標算出手段、前記自動制御における前記ユーザキャラクタの移動を指示する移動指示行為が前記プレイ行為として実行された場合に、当該移動指示行為に基づいて前記初期位置を修正後位置に修正する目標修正手段、及び前記目標位置として前記修正後位置に向かって前記自動制御にて移動するように、前記ユーザキャラクタの動作を制御するキャラクタ制御手段、として機能させるものである。
【0008】
一方、本発明のゲームシステムは、ユーザのプレイ行為を入力するための入力装置と、前記ユーザに関連付けられるキャラクタとしてのユーザキャラクタ、及び当該ユーザキャラクタが動作する領域としてのフィールドを含むゲーム画面を表示する表示装置とに接続され、所定の規則に従った自動制御の動作を含む前記ユーザキャラクタの動作を通じて進行するゲームを提供するゲームシステムであって、前記自動制御にて前記ユーザキャラクタが移動する場合に、当該ユーザキャラクタの移動先の目標とされるべき目標位置の初期位置を、前記フィールドに設定される基準位置に基づいて算出する目標算出手段と、前記自動制御における前記ユーザキャラクタの移動を指示する移動指示行為が前記プレイ行為として実行された場合に、当該移動指示行為に基づいて前記初期位置を修正後位置に修正する目標修正手段と、前記目標位置として前記修正後位置に向かって前記自動制御にて移動するように、前記ユーザキャラクタの動作を制御するキャラクタ制御手段と、を備えるものである。
【0009】
また、本発明の制御方法は、ユーザのプレイ行為を入力するための入力装置と、前記ユーザに関連付けられるキャラクタとしてのユーザキャラクタ、及び当該ユーザキャラクタが動作する領域としてのフィールドを含むゲーム画面を表示する表示装置とに接続され、所定の規則に従った自動制御の動作を含む前記ユーザキャラクタの動作を通じて進行するゲームを提供するゲームシステムに組み込まれるコンピュータに、前記自動制御にて前記ユーザキャラクタが移動する場合に、当該ユーザキャラクタの移動先の目標とされるべき目標位置の初期位置を、前記フィールドに設定される基準位置に基づいて算出する目標算出手順と、前記自動制御における前記ユーザキャラクタの移動を指示する移動指示行為が前記プレイ行為として実行された場合に、当該移動指示行為に基づいて前記初期位置を修正後位置に修正する目標修正手順と、前記目標位置として前記修正後位置に向かって前記自動制御にて移動するように、前記ユーザキャラクタの動作を制御するキャラクタ制御手順と、を実行させる、ものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成の一例を示す図。
図2】コントローラの具体的な構成の一例を示す図。
図3】全体画面の一例を模式的に示す図。
図4】マッチアップ画面の一例を模式的に示す図。
図5】基準位置、及びその基準位置に基づく初期目標位置の一例を説明するための説明図。
図6】ユーザの操作に基づく初期目標位置の修正の一例を説明するための説明図。
図7】ユーザの操作の操作方向及び操作量と初期目標位置の修正との関係の一例を説明するための説明図。
図8】ユーザの操作が実行されない場合に設定される目標位置の一例を説明するための説明図。
図9】ゲーム装置の制御系の要部を示す機能ブロック図。
図10】モード切替処理の手順の一例を示すフローチャート。
図11】マッチアップ処理の手順の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一形態に係るゲームシステムについて説明する。図1は、本発明の一形態に係るゲームシステム1の全体構成の一例を示している。ゲームシステム1は、クライアントとしての複数のゲーム装置2と、ゲーム装置2とネットワークNT(一例としてインターネット)を介して接続されるサーバ3とを含んだクライアントサーバ型のシステムとして構成されている。
【0012】
ゲーム装置2は、ユーザによるゲームのプレイに供される装置であって、ネットワークNTを介した情報通信機能を備えた情報通信端末装置の一種である。ゲーム装置2として、ゲームを提供する適宜のコンピュータ装置が利用されてよい。例えば所定のプレイ料金の支払いと引き換えに、そのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせる商業用のゲーム装置(所定の施設に設置される場合が多い)がゲーム装置2として利用されてもよいが、図1の例ではユーザ端末装置がゲーム装置2として利用されている。
【0013】
ユーザ端末装置は、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供されるコンピュータ装置である。例えば、そのようなコンピュータ装置には、据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ、あるいは携帯電話(スマートフォンを含む)、携帯型ゲーム機、携帯型タブレット端末装置といったモバイル端末装置が含まれる。このような各種のコンピュータ装置が適宜にゲーム装置2として利用されてよいが、図1の例では据置型の家庭用ゲーム機が利用されている。このようなゲーム装置2は適宜に構成されてよいが、一例として据置型のゲーム機本体5と、そのゲーム機本体5に接続される入力装置の一例としてのコントローラ6と、出力装置の一例としてのモニタ7とを含んでいる。
【0014】
ゲーム機本体5は、ゲームの提供を主たる目的として構成され、コンシューマゲーム機あるいはゲームコンソールと呼ばれることもある。入力装置はコントローラ6に限定されず、例えばユーザのプレイ行為としての動作を入力するためのカメラ等、各種のプレイ行為を入力するための適宜の入力装置であってよい。出力装置は、モニタ7に加えて、音声出力用のスピーカユニット等を含んでよいが、その図示は省略した。複数のモニタ7がゲーム機本体5に接続されてもよい。
【0015】
サーバ3は、複数台のサーバユニットを適宜に組み合わせて構成されてもよいし、単一のサーバユニットによって構成されてもよい。クラウドコンピューティング技術を利用したクラウドサーバとしてサーバ3が構成されてもよい。サーバ3は、ゲームに関連した各種のサービス、例えばゲームにて対戦すべきプレイヤ同士をマッチングするサービス、ゲーム装置2間で共有されるべきゲームの情報を中継するサービス等をゲーム装置2に提供する。なお、ゲームシステム1には、携帯電話、スマートフォン、業務用のゲーム機といった各種の情報通信端末装置が適宜に追加されてもよい。例えば、業務用のゲーム機は、ゲーム装置2にて提供されるゲームと連携したゲームを提供するクライアントとして利用されてもよい。
【0016】
図2は、コントローラ6の具体的な構成の一例を示している。コントローラ6は、ユーザが両手で持つことを前提として形状及びサイズが選定された本体ハウジング10を有している。本体ハウジング10は左右の手で把持するためのグリップ11L、11Rを備えている。左側のグリップ11Lの正面上部には4つの方向キー12が、右側のグリップ11Rの正面上部には4つの操作ボタン13がそれぞれ設けられ、グリップ11L、11Rの間には一対のスティック14L、14Rが設けられている。スティック14L、14Rは無操作状態を中立位置として、その中立位置から全方向、すなわち360°のいずれの方向にも操作可能である。さらに、左側のグリップ11Lの上方の端面には2つの操作ボタン15L1、15L2が、右側のグリップ11Rの上方の端面には2つの操作ボタン15R1、15R2が設けられている。以下において、左側のスティック14LをLスティック14Lと、右側のスティック14RをRスティック14Rと呼び、左側の操作ボタン15L1、15L2をコントローラ6の正面側から順にL1ボタン15L1、L2ボタン15L2と呼び、右側の操作ボタン15R1、15R2をコントローラ6の正面側から順にR1ボタン15R1、R2ボタン15R2と呼んで区別することがある。一方、スティック14L、14Rをスティック14と総称し、操作ボタン15L1、15L2、15R1、15R2を操作ボタン15と総称する場合もある。
【0017】
コントローラ6の方向キー12、操作ボタン13、スティック14、操作ボタン15のそれぞれは、入力装置の操作部の一例として機能する。これらの操作部のうち、少なくとも一部の操作部は、ユーザによる操作量が検出対象とされ、その操作量に応じて出力信号が変化する操作量検出型の操作部として設けられている。例えば、スティック14及び操作ボタン15がその種の操作部として設けられている。したがって、スティック14の操作に関しては、その操作方向及び操作量(中立位置から傾斜の角度)が検出されて出力信号に反映される。操作ボタン15の操作に関しては、その押し込み操作量が検出されて出力信号に反映される。一方、方向キー12及び操作ボタン13は、いずれも押し込み操作の有無が検出対象とされ、その操作の有無が出力信号に反映されるオンオフ型の操作部として設けられている。ただし、それらの区別は一例であって、適宜の設定が可能である。操作量検出型の操作部であっても、例えばユーザの設定により、操作の有無のみが検出対象とされるオンオフ型の操作部として機能するようにソフトウエア上で切り替え可能であってもよい。
【0018】
次に、図3及び図4を参照して、ゲーム装置2を介して提供されるゲームについて説明する。本形態のゲームシステム1では、ゲーム装置2のユーザが対戦相手(対戦者)のユーザとサッカーを通じて対戦する対戦型のサッカーゲームが提供される。対戦相手は、いずれかのゲーム装置2を利用する実在のユーザであってもよいし、ゲーム装置2又はサーバ3のコンピュータによって制御される仮想的な存在であってもよい。対戦は1対1であることを必ずしも要しない。例えば、少なくとも一人のユーザを含んだグループが、他のグループと対戦するいわゆるグループ対戦の形式でサッカーがプレイされてもよい。
【0019】
図3は、全体画面の一例を模式的に示す図である。サッカーゲームでは各種のゲーム画面が適宜に使用され得るが、全体画面50はサッカーゲームのフィールド全体を表示するためのゲーム画面である。具体的には、サッカーゲームでは対戦の状況に応じて自動的に最適な位置に視点が切り替えられ、その視点に応じたゲーム画面がモニタ7に表示され得るが、全体画面50はフィールド全体の様子が収まる所定の視点から観察したものである。この場合、図3に示すように、全体画面50は、選手(参照符号は一部の選手のみに付してある。)PL、ボールBI、及びフィールドFDを含んでいる。
【0020】
選手PL及びボールBIは、いずれもゲームの仮想的な空間内で動作するオブジェクトの一例であるが、選手PLはサッカーのチームを構成する各選手に対応する。各チームにはそれぞれ複数の選手PLが含まれ、ユーザに関連付けられるユーザチームと、対戦相手に関連付けられる対戦者チームとが形成される。このため、サッカーゲームはユーザチームと対戦者チームとの間で対戦するチーム対戦型のゲームとして構成される。
【0021】
一方、ボールBIは、サッカーにおけるボールに相当するオブジェクトであり、選手PLの動作に応じて移動等するように操作される。フィールドFDは、サッカーのフィールド(ピッチ)に対応する領域であり、選手PLの主な活動範囲である。フィールドFDはタッチライン、或いはゴールラインといった各種のラインで区切られる。選手PLは、これらのラインの外で活動する場合もあるが、多くの場合フィールドFDを活動範囲として利用する。そして、周知のように、サッカーゲームでは、ユーザ及び対戦相手のそれぞれの選手PLが仮想的なフィールドFD内で現実のサッカーと同様に行動することにより対戦が進行する。この例において、ボールBIが本発明の移動オブジェクトとして機能する。
【0022】
フィールドFDの選手の一部は、ユーザによる操作対象の選手PLとして設定される。一人のユーザに対して一の選手PLが操作対象として選定される。例えば、ユーザが攻撃側である場合は、ボールBIを支配すべき選手PLがそのユーザの操作対象として設定され、守備側のユーザに対しては、ボールBIを支配する選手PLに対する守備を担うべき選手PLが操作対象として設定される。また、操作対象の選手PLはユーザの操作(対象変更の指示)に応じて適宜に切り替えられる。操作対象の選手PLの操作には、適宜の操作部に対する各種の操作が含まれ得るが、一例としてスティック14Lによる操作が含まれる。具体的には、操作対象の選手PLは全体画面50においてスティック14Lが操作された方向に移動する。全体画面50において、操作対象の選手PLは、例えばカーソル52によって識別可能である。この例において、全体画面50におけるスティック14Lに対する操作が本発明の操作指示行為として機能する。
【0023】
カーソル52は現在操作対象の選手PLにのみ表示されてもよいが、一例として現在操作対象の選手PL、及び対象変更の指示により次に操作対象に変化する予定の選手PLに表示される。これらのカーソル52は適宜に識別されてよいが、図3の例では現在操作対象の選手PLのカーソル52が白塗りに、次に操作対象に変化予定の選手PLを示すカーソル52が黒塗りに表示されている。つまり、これらのカーソル52は配色の相違に識別可能に表示されている。また、操作対象の選手PLの名前等を示す情報部53が全体画面50に付加されてもよい。操作対象の選手PLは、コントローラ6に対するユーザの操作に基づいてその動作が制御される。一方、操作対象外の選手PLの動作は試合の状況に応じて自動的に制御される。
【0024】
また、全体画面50は、その他にも各種のオブジェクト、或いは情報を適宜に含んでいてよいが、図3の例ではマップ54を含んでいる。マップ54は、フィールドFDの全体における選手PLの位置を示す画像(情報)である。マップ54は全体画面50の適宜の位置に配置されてよいが、図3の例では下部中央に配置されている。さらに、全体画面50には、ユーザ及び対戦相手のチーム名、得点、経過時間といった対戦の状況を示す情報が適宜の位置に表示されてもよい。
【0025】
図4は、マッチアップ画面の一例を模式的に示す図である。マッチアップ画面60は、オフェンス(攻撃側)とディフェンス(守備型)とが1対1で対戦するかのような様子を表示するためのゲーム画面である。マッチアップ画面60は適宜に提供されてよく、例えば試合の展開等に基づいて自動的に提供されてもよいが、一例として所定の切替操作(切替指示)が実行された場合に提供される。このような切替操作としてコントローラ6の適宜の操作部に対する操作が利用され得るが、一例として四つの操作ボタン13の上下に並ぶ二つの操作ボタン13のうち、下側に位置する操作ボタン13(以下、下操作ボタン13と呼ぶ場合がある)に対する保持操作(押しっぱなしにする操作)が利用される。つまり、下操作ボタン13への保持操作に伴い、全体画面50はマッチアップ画面60に切り替えられる。この例において下操作ボタン13に対する保持操作が本発明の切替指示行為として機能する。
【0026】
また、マッチアップ画面60への切替指示は、オフェンス側、及びディフェンス側の両ユーザ、或いはいずれか一方のユーザに適宜に許容されてよく、例えばオフェンス側のユーザによる下操作ボタン13への保持操作に基づいてマッチアップ画面60への切替が実行されてもよいが、一例としてマッチアップ画面60への切替指示はディフェンス側のユーザにのみ許容される。つまり、ディフェンス側のユーザによって下操作ボタン13に対する保持操作が実行された場合に、ゲーム画面は全体画面50からマッチアップ画面60に切り替えられる。図4の例は、このような場合におけるディフェンス側のユーザに提供されるマッチアップ画面60を示している。この場合、図4に示すように、マッチアップ画面60は、全体画面50と比べて、マッチアップ(対戦)の対象のオフェンス側の選手PL、及びディフェンス側の選手PLの二人の選手が拡大されるように表示される。
【0027】
オフェンス側の選手PLは、現在対戦相手が操作中の選手PL(対戦相手による操作対象の選手PL)である。オフェンス側のチームでは、上述のようにボールBIを支配する(操作する)選手PLが操作対象となる。このため、マッチアップ画面60では、オフェンス側のチーム(対戦者チーム)のうちボールBIを支配している選手PLがオフェンス側の選手PLとして拡大されて表示される。同様に、ディフェンス側の選手PLは、ユーザチームに属する選手PLである。ユーザチームに属する適宜の選手PLがマッチアップ画面60に表示されてよく、例えば操作対象の選手PLとは無関係に切替指示の際にボールBIを支配する選手PLの最も近くに居る選手PLがマッチアップ画面60においてそのボールBIを支配するオフェンス側の選手PLとマッチアップされてもよいが、一例として操作対象の選手PLがディフェンス側の選手PLとしてオフェンス側の選手PLとマッチアップされる。つまり切替指示の際に操作中の選手PLがディフェンス側の選手PLとしてマッチアップ画面60に拡大されて表示される。
【0028】
オフェンス側の選手PL、及びディフェンス側の選手PLは適宜に動作してよく、例えば全体画面50と同様の対戦相手(コンピュータを含む)或いはユーザによる操作に基づいて動作しても、全体画面50とは異なる自動制御(コンピュータ制御)によって動作してもよい。あるいは、オフェンス側の選手PL、及びディフェンス側の選手PLは、ユーザの操作に基づく動作及び自動制御の動作の組合せによって動作してもよい。このようにオフェンス側の選手PL、及びディフェンス側の選手PLは、マッチアップ画面60において適宜に動作してよいが、一例としてオフェンス側の選手PLは全体画面50と同様に対戦相手の操作に基づいて動作する。つまり、つまり、オフェンス側の選手PLは、シュート、パス、或いはドリブルといった各種の動作を実行するように対戦相手によって操作される。この例において、オフェンス側の選手PLが本発明の対戦者キャラクタとして機能する。
【0029】
一方、ディフェンス側の選手PLは、マッチアップ画面60では全体画面50と異なり、所定の規則に従った自動制御にて動作する。結果的にサッカーゲームには、ディフェンス側の選手PLがユーザの操作に基づいて動作する全体画面50と、自動制御にて動作するマッチアップ画面60とが設けられる。自動制御を実現する所定の規則は適宜に設定されてよいが、一例として所定のディフェンス動作を実行するように設定される。また、所定のディフェンス動作には各種の動作が適宜に含まれ得るが、一例として目標位置に向かって自動で移動する移動動作が含まれる。移動動作は、適宜の規則に従って実現されてよいが、一例としてオフェンス側の選手PLとの間に一定の距離を保ちつつ、オフェンス側の選手PLの移動に合わせてディフェンス側の選手PLを移動させるように実現される。移動動作の詳細は後述する。この例においてディフェンス側の選手PLが本発明のユーザキャラクタ、及び操作中のユーザキャラクタとして機能する。また、全体画面50、及びマッチアップ画面60が、本発明の操作モード、及び自動モードとしてそれぞれ機能する。
【0030】
また、自動制御のディフェンス動作には、例えばその他にもブロック動作が含まれる。ブロック動作は、パス或いはシュートをブロックするための動作である。ブロック動作はユーザの操作に基づいて実行されてもよいが、一例としてオフェンス側の選手PLのパス、或いはシュートの動作に合わせてそのパス等に対抗するように自動制御にて実行される。このため、例えばディフェンス側の選手PLが移動動作の実行中であっても、オフェンス側の選手PLがパス、或いはシュートを実行した場合には、ディフェンス側の選手PLはそのパス等をブロックするように自動制御にてブロック動作を実行する。ただし、オフェンス側の選手PLには例えばパス等の動作をキャンセルする操作によりパス等の動作のフェイントが実現されてよく、一例としてこのようなフェイントにも反応するように自動制御にてブロック動作が実行される。ブロック動作中は他の動作への反応が遅れるため、このようなフェイントに反応するブロック動作に伴いディフェンス側の選手PLの動作に隙が形成される。つまり、オフェンス側の選手PLは、フェイントを利用してディフェンス側の選手PLをドリブル等で抜くための余地を生じさせることができる。この例においてオフェンス側の選手PLのパス、或いはシュートの動作が本発明のイベント動作として、ディフェンス側の選手PLのブロック動作が本発明の対抗動作として、それぞれ機能する。
【0031】
マッチアップ画面60においてディフェンス側の選手PLは、自動動作だけでなく、適宜にユーザの操作に応じた動作を実行してよく、例えばそのような動作にはタックル動作が含まれる。タックル動作は、オフェンス側の選手PLに接近し、積極的にボールBIを奪いに行く動作である。タックル動作は適宜の操作により指示されてよいが、一例として切替指示と同様の下操作ボタン13への操作により実現される。また、下操作ボタン13への適宜の操作がタックル動作の指示として機能してよいが、一例として下操作ボタン13を連続して二回押す操作(二連打)がタックル動作の指示として機能する。つまり、マッチアップ画面60において下操作ボタン13が二連打された場合には、ディフェンス側の選手PLは積極的にボールBIを奪いに行く動作を実行する。マッチアップ画面60は適宜の終了条件に基づいて終了し、元の全体画面50等に切り替えられてよく、例えばパスやシュート等によりオフェンス側の選手PLからボールBIが離れた場合に終了条件が満たされ、全体画面50に戻ってもよい。このようにマッチアップ画面60は適宜に終了し得るが、一例として下操作ボタン13への保持操作が終了した場合にも終了条件が満たされ、ゲーム画面は全体画面50に戻る。この場合、タックル動作の指示は保持操作の終了に該当するため、タックル動作の実行後はディフェンス側の選手PLがボールBIを奪えたか否かにかかわらず、マッチアップ画面60は終了する。
【0032】
次に、図5図8を参照して、移動動作の詳細について説明する。移動動作はユーザの指示が反映される余地のない完全な自動制御によって実現されてもよいが、一例としてユーザの指示が反映されるように実現される。具体的には、まずフィールドFDに設定される基準位置に基づいてディフェンス側の選手PLの移動先として初期目標位置が設定されるが、ユーザによってディフェンス側の選手PLの移動が指示された場合にはその初期目標位置はその指示を反映するように修正される。そして、その修正後の位置がディフェンス側の選手PLの移動先として設定され、その修正後の位置を目標位置としてディフェンス側の選手PLは実際に移動動作を実行する。一例として、このような流れで移動動作は実行される。
【0033】
図5は、基準位置、及びその基準位置に基づく初期目標位置の一例を説明するための説明図である。図5に示すように、基準位置RP(ゴールGOの位置)とボールBI(一例としてボールBIの中央付近)との間の所定位置に初期目標位置Pが設定される。基準位置RPは適宜に設定されてよいが、図5の例ではディフェンス側の選手PLが守るべき自陣側のゴールGOを示す位置としてゴールラインGLの中央付近に設定されている。また、ゴールGOの位置は例えばゴールGOの内部等の適宜に設定されてよく、その場合そのゴールGOの内部の位置等が基準位置RPとして機能する。同様に、目標位置の初期位置としての初期目標位置Pも適宜に設定されてよく、例えばペナルティエリアを区切るラインPAの中央、或いはゴールエリアを区切るラインALの中央といった絶対的な位置(この場合、これらの位置が本発明の基準位置として機能する)に設定されてもよいが、図5の例ではボールBIの位置に応じた相対的な位置に設定されている。
【0034】
また、所定位置として基準位置RP(ゴールGOの位置)とボールBIとの間の適宜の位置が利用されてよいが、一例としてボールBIから一定の距離離れた位置が利用される。つまり、初期目標位置Pは、オフェンス側の選手PLとディフェンス側の選手PLとの間に一定の距離が形成されるように、基準位置RPとボールBIとを結ぶ直線上においてボールBIから一定の距離離れた位置に設定される。また、一定の距離は適宜に設定されてよく、例えば基準位置RPとボールBIとを結ぶ直線の中央付近の位置であってもよいが、一例としてオフェンス側の選手PLのパス等に対抗するブロック動作に適した位置に設定される。
【0035】
図6は、ユーザの操作(移動を指示する操作)に基づく初期目標位置Pの修正の一例を説明するための説明図である。移動を指示する操作(換言すれば初期目標位置Pを修正するための指示)はコントローラ6の各種の操作部を通じて適宜に実現されてよいが、図6の例はLスティック14Lへの操作がディフェンス側の選手PLに対する移動を指示する操作として機能する場合を示している。この場合、図6に示すように、マッチアップ画面60ではマッチアップ画面60への切替(換言すれば自動制御の移動動作の実現)のために下操作ボタン13に保持操作が実行されているが、その保持操作と合わせてユーザがLスティック14Lを操作した場合に、その操作に基づいて初期目標位置Pが修正後の位置P’に移動(変化)する。この例において修正後の位置P’が本発明の修正後位置として機能する。
【0036】
Lスティック14Lは、上述のとおり操作方向及び操作量を検出可能に構成されているが、これらの操作方向及び操作量が適宜に初期目標位置Pの修正に利用されてよい。例えば、Lスティック14Lの操作方向だけが利用され、初期目標位置Pの修正はその操作方向に操作量にかかわらず一定量だけ初期目標位置Pが移動するように実行されてもよい。あるいいは、操作方向にかかわらず、操作量に応じて基準位置RPとボールBIとを結ぶ直線に沿って後方、或いは前方といった所定方向に初期目標位置Pが移動するように修正が実行されてもよい。このようにLスティック14Lへの操作に応じて適宜に初期目標位置Pの修正が実行されてよいが、一例として修正は操作方向に対応する方向に操作量に応じた量だけ移動するように実行される。つまり、初期目標位置Pの修正には、Lスティック14Lに対する操作の操作方向及び操作量の両方が反映される。この例においてマッチアップ画面60におけるLスティック14Lに対する操作が本発明の移動指示行為として機能する。
【0037】
初期目標位置Pが修正されると、ディフェンス側の選手PLはその修正後の位置P’を目標位置としてその修正後の位置P’に向かって移動するように移動動作を実行する。ただし、初期目標位置PはボールBIの位置を基準に相対的に設定される。このため、ボールBIの位置が変化すれば、初期目標位置Pも変化し、Lスティック14Lに基づく修正後の位置P’も同様に変化する。具体的には、ボールBIの位置が変化すると、その位置に合わせて新しく初期目標位置Pが設定される。この際にボールBIの位置が変化する前と同様の操作方向及び操作量の操作がLスティック14Lに実行されている(変化前と同様の操作が維持されている)場合、ボールBIの位置が変化する前と同様の修正が実行される。つまり、ボールBIの位置の変化に合わせてスライドするように修正後の位置P’も変化する。
【0038】
Lスティック14Lへの操作が変化した場合も同様である。具体的には、ボールBIの位置が変化しなくても、Lスティック14Lへの操作が変化した場合にはその修正を反映するように修正後の位置P’が設定される。つまり、Lスティック14Lへの操作が変化した場合には、その変化後の操作を反映するように初期目標位置Pへの修正が再度実行され、新たしく修正後の位置P’が設定される。このようにボールBIの位置、或いはLスティック14Lへの操作が変化する毎に初期目標位置Pの設定、及びその修正は繰り返し実行される。このため、ディフェンス側の選手PLが移動動作を開始した時の移動先(目標位置)と移動動作により実際にディフェンス側の選手PLが到達する位置とは相違している可能性がある。
【0039】
図7は、Lスティック14Lに対する操作の操作方向及び操作量と初期目標位置Pの修正との関係の一例を説明するための説明図である。初期目標位置Pの修正はLスティック14Lに対する操作のみが反映されてもよいが、一例として他の操作部に対する操作も反映される場合を示している。また、このような操作部として適宜の操作部が利用されてよいが、一例としてR2ボタン15R2が利用される。つまり、初期目標位置Pの修正にはR2ボタン15R2への操作も反映される。全体画面50等における選手PLへの操作には各種の操作が含まれるが、一例としてR2ボタン15R2は選手PLの移動速度を上昇させるダッシュの指示のために操作される。移動動作も、このようなダッシュの指示に基づいて移動速度が上昇するように構成され、その移動速度の上昇が反映されるように初期目標位置Pの移動範囲が変化する。図7の例は、このような場合の各操作と初期目標位置Pの修正との関係を示している。また、図7の例では、左右方向に延びるX軸が図6の例における左右方向(フィールドFDのゴールラインGL等が延びる短辺方向)に、Y軸が図6の例における上下方向(フィールドFDのタッチライン等が延びる長辺方向)に、X軸及びY軸の交点が初期目標位置Pに、それぞれ対応する。この場合、図7に示すように、R2ボタン15R2に押す操作が実行されない場合の初期目標位置Pの移動範囲C1(以下、第1移動範囲C1と呼ぶ場合がある)に比べて、R2ボタン15R2に押す操作Aが実行された場合の初期目標位置Pの移動範囲C2(以下、第2移動範囲C2と呼ぶ場合がある)の方が大きくなるように、修正が実行される。
【0040】
具体的には、Lスティック14Lはスティック状に形成され、全方向(360度)に対して倒し込む操作が実行される。そして、このLスティック14Lを倒し込む方向(操作方向)が、フィールドFDにおける初期目標位置Pの移動方向にそのまま反映される。このため、第1移動範囲C1及び第2移動範囲C2のいずれも、その全方向に対応する円形に形成される。
【0041】
一方、操作方向(倒し込む操作の方向)に対する操作量(Lスティック14Lの倒し込み角度)は、その操作方向に対する初期目標位置Pの移動量に反映される。操作量はブロック動作の影響等が考慮された係数等に基づいて適宜に移動量に換算されてよいが、いずれにしても移動量は操作量(無段階に設定されても、多段階に設定されていてもよい)に応じて徐々に増加するように変化する。このため、第1移動範囲C1の半径r1に相当する位置、及び第2移動範囲C2の半径r2に相当する位置が、いずれも最大操作量に対応する初期目標位置Pの移動位置(修正後の位置P’)として算出される。つまり、Lスティック14Lが最大量まで倒し込まれた場合、その倒し込み方向に対応する第1移動範囲C1、或いは第2移動範囲C2の円周上の位置が、初期目標位置Pの移動位置(修正後の位置P’)として算出される。一方で、最大操作量未満の場合は、各移動範囲C1、C2の内部の操作方向及び操作量に対応する座標位置が初期目標位置Pの移動位置(修正後の位置P’)として算出される。なお、移動量には、例えばその他にも各選手PLのパラメータ等が適宜に反映されてよい。
【0042】
また、R2ボタン15R2は操作の有無を検出可能に構成されるため、操作の有無に応じて初期目標位置Pの移動量は変化する。この移動量の変化は適宜に設定されてよいが、一例として2倍に設定される。つまり、R2ボタン15R2が操作された場合には、Lスティック14Lの操作量に係数2が積算された値が移動量(あるいは操作量)として算出される。結果として、第2移動範囲C2の半径r2は第1移動範囲C1の半径r1の二倍に相当する。一例として、Lスティック14L等への操作は、このように初期目標位置Pの移動(修正)に反映される。この例において、Lスティック14Lが本発明の方向操作部として機能する。
【0043】
図8は、Lスティック14Lに操作が実行されない場合に設定される目標位置の一例を説明するための説明図である。Lスティック14Lに操作が実行されない場合の初期目標位置Pは、Lスティック14Lに操作が実行された場合と同様に設定されてもよいが、一例としてそれとは別の位置に設定される。具体的には、図5の例において設定される初期目標位置Pはオフェンス側の選手PLの動作を牽制するのに好ましい位置の可能性が高い。このような位置にユーザの操作を介在させずに自動制御にてディフェンス側の選手PLが配置されると、ディフェンスが比較的容易になってしまう可能性がある。このため、Lスティック14Lに操作が実行されない場合には、Lスティック14Lに操作が実行された場合とは別の基準位置RPに基づいて初期目標位置Pが設定される。
【0044】
図8の例は、上述のような場合にディフェンス側の選手PLの移動先として設定される目標位置を示している。この場合、図8に示すように、ディフェンス側の選手PLの現在位置が基準位置RPとして機能し、その現在位置に初期目標位置Pが設定される。一方で、Lスティック14Lへの操作がないため、初期目標位置Pの修正は実行されない。結果として、ディフェンス側の選手PLの現在位置がそのまま移動動作の目標位置として機能する。この場合、目標位置としての現在位置において移動を停止するようにディフェンス側の選手PLは動作する。また、このような現在位置において移動を停止する動作には、ディフェンス側の選手PLの動作が不自然にならないように、目標位置を通り過ぎた後にその目標位置に戻る動作が含まれていてもよい。つまり、目標位置として設定された際の現在位置と実際に移動を停止した際の現在位置との相違は許容され、そのような相違が生じた場合にはディフェンス側の選手PLは移動を停止した際の現在位置から目標位置に向かって戻る動作を実行してもよい。また、移動を停止する動作には、移動速度に応じた適宜の減速動作が含まれていてよい。つまり、選手PLは不自然な停止とならないように目標位置で停止するように目標位置に近づくに従って徐々に移動速度を減速する動作を実行してよい。さらに、このような現在位置において移動を停止する動作には、ディフェンス側の選手PLの動作が不自然にならない範囲で、目標位置から所定範囲内でうろうろしたり徘徊したりする動作が含まれていてもよい。つまり、選手PLは、必ずしも目標位置において停止せず(移動速度をゼロにせず)、目標位置を行き過ぎては戻り、行き過ぎては戻るといった動作を実行してもよい。
【0045】
マッチアップ画面60では、一例として上述のような移動動作が実行される。このため、ユーザには自動制御の選手PLに対しても適宜の操作が要求される。例えば、ディフェンス側の選手PLが初期目標位置Pから比較的離れた場所に位置している場合、操作方向及び操作量が仮に大きくても初期目標位置Pから修正後の位置P’への移動先の変化によって移動動作における移動方向が受ける影響は比較的少ない。一方、ディフェンス側の選手PLが初期目標位置Pの比較的近くに居る場合、修正後の位置P’への変化に伴いて移動動作における移動方向が受ける影響は比較的大きい。このため、図5の例の初期目標位置Pの比較的近くにディフェンス側の選手PLを配置するためには、遠くでは大胆な操作が、近くでは慎重な操作がユーザには要求される。同様に、ボールBIの動き(オフェンス側の選手PLの動き)に合わせてLスティック14Lを前後、左右等の適切な方向に適切な量だけ傾ける操作も随時要求される。また、オフェンス側の選手PLが比較的ゆっくり動いているか、素早く動いているかといった動きの速度等に合わせて、R2ボタン15R2への操作を通じて移動動作をゆっくり行うか素早く行うかといった判断も要求される。さらには、オフェンス側の選手PLのフェイント等に対応するために、Lスティック14Lへの操作の中止を通じて適宜にディフェンス側の選手PLの動作を停止させる操作も要求される。
【0046】
次に、図9を参照してゲーム装置2の制御系の要部を説明する。ゲーム装置2には、コンピュータとしての制御ユニット21と、記憶手段としての記憶部22とが設けられる。制御ユニット21は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の処理を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。制御ユニット21には、制御ユニット21のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのゲームプログラムPGとの組合せによって実現される各種の論理的装置が設けられるが、図9の例では、マッチング部23、進行制御部24、及び表示制御部25が示されている。
【0047】
マッチング部23は、ユーザと対選相手との間のマッチングに関連する各種の処理を実行する論理的装置である。例えば、ユーザが他のゲーム装置2を使用してサッカーゲームをプレイする他のユーザ(対戦相手)と対戦する場合、サーバ3を介したマッチングが必要になるが、マッチング部23はそのマッチングに関連する各種の周知な処理を実行する。
【0048】
進行制御部24は、ゲームの進行を制御するための各種の処理を実行する論理的装置である。このような処理には、サッカーゲームをプレイするための各種のゲーム画面を適宜に切り替えたり、各種の時間を計測したり、或いは各種ルール等の判定を実行したりする処理が含まれる。例えば、進行制御部24は、プレイ用にモニタ7に表示されるゲーム画面を切り替えるための処理の一例として、モード切替処理を実行する。モード切替処理の手順の詳細は後述する。
【0049】
表示制御部25は、ゲーム画面に含まれる各種のオブジェクトの表示を制御するための各種の処理を実行する論理的装置である。このような処理には、例えば全体画面50においてユーザの操作結果に応じた動作をユーザの操作対象の選手PLに実行させたり、サーバ3を介して対戦相手の操作結果を取得してその操作結果に基づく動作を対戦相手の操作対象の選手PLに実行させたりする処理が含まれる。また、表示制御部25が実行する処理には、選手PLが自動制御で動作するマッチアップ画面60等において各種の規則に従って選手PLを自動制御にて動作させる処理も含まれる。つまり、表示制御部25は、移動動作、或いはブロック動作といった自動制御の動作をディフェンス側の選手PLに実行させるための各種の処理も実行する。例えば、表示制御部25は、このような処理の一例として、マッチアップ処理を実行する。マッチアップ処理の手順の詳細は後述する。
【0050】
記憶部22は、ハードディスク、半導体記憶装置といった不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部22には、上述したゲームプログラムPGとともに、各種のデータが記録されるが、図9の例ではゲームデータGDが示されている。ゲームデータGDは、ゲームプログラムPGに従ってユーザにサッカーゲームをプレイさせるためデータである。ゲームデータGDは、例えばサッカーゲーム用の各種の画像を表示するための画像データ、各種のBGMを再生するためのBGMデータといった各種のデータを含んでいてよいが、図9の例では選手データGD1が示されている。
【0051】
選手データGD1は、サッカーゲームに含まれる各種のキャラクタを定義するためのデータである。このようなキャラクタには選手PLが含まれ、選手データGD1には一例として各選手PLを定義する各種のパラメータが記録される。また、そのようなパラメータには、例えば名前、画像、走力、或いはキック力等が含まれる。
【0052】
記憶部22には、例えばその他にもプレイデータ、或いはIDデータといった各種のデータが適宜に記憶されていてよい。プレイデータは、各ユーザの過去のプレイ実績に関する情報が記述されたデータである。プレイデータは、例えば、前回までのプレイ結果(過去の実績)を次回以降に引き継ぐため、或いは各ユーザに固有の設定内容を引き継ぐために使用される。例えば、サッカーゲームの各選手PLがプレイ状況に応じて成長する場合、その成長分のパラメータの情報は、適宜に管理されてよいが、一例として過去の実績としてプレイデータによって管理される。この場合、各選手PLのパラメータはプレイデータ(変化分)、及び選手データGD1(初期値)との組合せにより再現される。IDデータは各種のIDを管理するためのデータである。このようなデータには、各ユーザを識別するためのユーザIDが含まれる。プレイデータはユーザIDを介して管理されるため、ユーザIDはプレイデータの生成、或いは取得等のために使用される。プレイデータ及びIDデータ等は適宜に記憶部22に記憶されてよいが、一例として必要な部分を含むようにサーバ3から提供される。
【0053】
制御ユニット21には各種の出力装置及び入力装置が適宜に接続され得るが、図9の例では上述のコントローラ6、及びモニタ7が示されている。モニタ7は、全体画面50、或いはマッチアップ画面60といったサッカーゲームのための各種のゲーム画面を表示するための周知の表示装置である。モニタ7は、制御ユニット21からの出力信号に従ってサッカーゲームを提供するための各種のゲーム画面(画像)を表示する。同様に、コントローラ6は、各種操作部が設けられた周知の入力装置である。コントローラ6は、各操作部への各種操作に応じた信号を制御ユニット21に出力する。
【0054】
次に、図10図11を参照して、モード切替処理、及びマッチアップ処理について説明する。モード切替処理は、サッカーゲームのプレイにおいてモードを切り替えるための処理である。サッカーゲームは適宜のモードを含んでいてよいが、一例として移動方向等の指示を通じてユーザが直接的に選手PLを操作する操作モード、及び選手PLが自動制御にて上述の移動動作等の動作を実行する自動モードを含んでいる。図10の例は、操作モードから自動モードへの切替が実行される場合のモード切替処理を示している。また、一例として上述のように操作モードは全体画面50において、自動モードはマッチアップ画面60において、それぞれ提供される。このため、モード切替処理は、全体画面50からマッチアップ画面60にゲーム画面を切り替えるための処理としても機能する。この場合、進行制御部24は、操作モード(例えば全体画面50)において切替指示(一例として下操作ボタン13に対する保持操作)が実行される毎に図10のモード切替処理を開始し、まずその切替指示を取得する(ステップS101)。
【0055】
続いて進行制御部24は、操作モードから自動モードにモードを切り替える(ステップS102)。一例として操作モード、及び自動モードはそれぞれ全体画面50、及びマッチアップ画面60において提供される。このため、モードの切替は一例として全体画面50からマッチアップ画面60にゲーム画面を切り替えることにより実現される。具体的には、進行制御部24は、全体画面50の代わりにマッチアップ画面60が表示されるようにモニタ7の表示を制御する。そして、この切替の後に進行制御部24は今回のモード切替処理を終了する。これにより、切替指示に基づいて操作モードから自動モードにサッカーゲームのモードが切り替えられる。つまり、操作モードから自動モードへの切替が切替指示に基づいて実現される。より具体的には、操作モードから自動モードに切り替わるように、ゲーム画面が全体画面50からマッチアップ画面60に切り替えられる。つまり、全体画面50からマッチアップ画面60への切替が切替指示に基づいて実現される。
【0056】
マッチアップ処理は、マッチアップ画面60におけるディフェンス側の選手PLの自動制御を実現するための処理である。マッチアップ画面60では各種の自動制御が実行され得るが、図11の例は移動動作及びブロック動作が実行される場合のマッチアップ処理の一例を示している。この場合、表示制御部25は、マッチアップ画面60において所定の周期(例えば、1/60秒ごと)で繰り返し図11のマッチアップ処理を開始し、まずオフェンス側の選手PLによるイベント動作があるか否か判別する(ステップS201)。オフェンス側の選手PLは各種のイベント動作を実行してよいが、一例としてそのイベント動作にはパス、或いはシュートの動作が含まれる。また、オフェンス側の選手PLは対戦相手によって操作されるため、パス等のイベント動作は対戦相手のパス等を指示する操作により実行される。このため、表示制御部25は、ステップS201においてイベント動作の有無としてパス等を指示する操作が対戦相手によって実行されているか否か判別する。なお、パス等の指示は上述のようにその指示から一定期間はキャンセル(取消)可能である。
【0057】
イベント動作がある場合、つまり対戦相手によるパス等の指示がある場合、表示制御部25は、以降の処理をスキップしてステップS207に進む。一方、イベントの動作がない場合、つまり対戦相手によるパス等の指示がない場合、表示制御部25は、ユーザによる移動の指示があるか否か判別する(ステップS202)。ユーザの移動の指示は、一例としてLスティック14Lへの操作により実現される。このため、表示制御部25は、ステップS202において移動指示の有無としてLスティック14Lが操作されているか否か判別する。
【0058】
移動指示がない場合、つまりLスティック14Lが操作されていない場合、表示制御部25は、ディフェンス側の選手PLの現在位置を取得し、その現在位置をディフェンス側の選手PLの移動先として機能する目標位置に設定する(ステップS203)。そして、その設定の後に表示制御部25はステップS207に進む。
【0059】
一方、移動指示がある場合、つまりLスティック14Lが操作されている場合、表示制御部25は、初期目標位置Pを算出する(ステップS204)。初期目標位置Pの算出は基準位置RP等により適宜に実現され得るが、例えば図5の例の初期目標位置Pが算出される場合、まず表示制御部25はボールBIの位置、及びゴールGOの位置としての基準位置RPを取得する。続いて表示制御部25は、ボールBIの位置と基準位置RPとを結ぶ直線上においてボールBIから一定の距離離れた位置を初期目標位置Pとして算出する。一例として、表示制御部25は、このように初期目標位置Pを算出する。
【0060】
続いて表示制御部25は、移動指示の詳細を判別する(ステップS205)。例えばLスティック14Lへの操作が移動指示として利用される場合、表示制御部25は、Lスティック14Lの操作方向及び操作量を移動指示の詳細として判別する。また、R2ボタン15R2が移動指示の一部として利用される場合、表示制御部25はR2ボタン15R2への操作の有無も移動指示の詳細として判別する。
【0061】
次に表示制御部25は、ユーザの移動指示に基づいてステップS204で算出した初期目標位置Pを修正する(ステップS206)。例えば、この修正は図7の例のような操作と移動量との関係に応じて実現される。具体的には、表示制御部25は、Lスティック14Lの操作方向に対応する方向にその方向への操作量に応じた移動量で初期目標位置Pを移動させる。また、R2ボタン15R2が操作されている場合、表示制御部25はその移動量に所定の係数(例えば二倍の場合には2)を積算した後に、その積算後の移動量で初期目標位置Pを移動させる。一例として、表示制御部25は、このような移動を通じて初期目標位置Pの位置を修正し、修正後の位置P’を取得する。
【0062】
また、表示制御部25は、イベント動作の指示がある場合(ステップS201:Yes)、ステップS203で現在位置を目標位置として設定した後、或いはステップS206で修正後の位置P’を取得した後に、マッチアップ画面60に表示されるディフェンス側の選手PL(キャラクタ)の動作を制御する(ステップS207)。具体的には、イベント動作の指示がある場合、表示制御部25はそのイベント動作に対抗するブロック動作を実行するように、ディフェンス側の選手PLの動作を制御する。また、表示制御部25は、現在位置を目標位置として設定した場合、その目標位置において移動を停止するようにディフェンス側の選手PLの動作を制御する。この場合において、目標位置として設定した現在位置とディフェンス側の選手PLが実際に位置する現在位置とが相違しているときには、目標位置まで移動する動作が目標位置で移動を停止する動作に含まれる。同様に、移動を停止する動作には徐々に移動速度を減速させる減速動作、或いは目標位置で停止せずその近辺をうろうろする動作が含まれる。あるいは、表示制御部25は、修正後の位置P’を取得した場合には、その修正後の位置P’に向かって移動するようにディフェンス側の選手PLの動作を制御する。この場合において、R2ボタン15R2の有無に応じてディフェンス側の選手PLの移動速度が変化するように動作が制御される。そして、これらのような制御の後に表示制御部25は今回のマッチアップ処理を終了する。
【0063】
図11の手順により、マッチアップ画面60において自動制御にて移動動作が実行されるものの、その移動動作におけるディフェンス側の選手PLの移動先としての目標位置の設定、或いは移動動作の停止にはユーザの操作(指示)が反映される。また、オフェンス側の選手PLによるパス等の動作が対戦相手によって指示された場合には、移動の途中(移動動作の途中)であってもそのパス等の動作に対抗するためのブロック動作を実行するように自動制御にてディフェンス側の選手PLが動作する。
【0064】
以上に説明したように、この形態によれば、ユーザによって各選手PLが直接的に操作される全体画面50と、自動制御にてディフェンス側の選手PLが動作するマッチアップ画面60とが設けられる。また、マッチアップ画面60では、全体画面50でのプレイとは異なり、オフェンス側の選手PLとディフェンス側の選手PLとの間の1対1の対戦をしているかのような様子が実現される。これにより、全体画面50とマッチアップ画面60とを通じて異なる形式のプレイを提供することができる。
【0065】
また、マッチアップ画面60では、自動制御にてディフェンス側の選手PLが移動する場合においてその移動の目標位置として基準位置RPに基づく初期目標位置Pが算出されるが、Lスティック14Lへの操作(移動指示)がユーザによって実行された場合にはその操作方向及び操作量に基づいて初期目標位置Pが修正後の位置P’に修正される。つまり、ディフェンス側の選手PLの移動先にLスティック14Lへの操作が反映される。そして、ディフェンス側の選手PLはその修正後の位置P’、つまりLスティック14Lへの操作が反映された位置に向かって移動するように動作する。このため、同じ自動制御にてディフェンス側の選手PLが移動する場合であっても、Lスティック14Lへの操作に応じて実際にディフェンス側の選手PLが移動する移動先を相違させることができる。これにより、このようなLスティック14Lへの操作を通じて、自動制御によるディフェンス側の選手PLの動作にユーザの技量差を反映することができる。
【0066】
一方で、マッチアップ画面60においてLスティック14Lへの操作が実行されない場合には、ディフェンス側の選手PLの現在位置(処理実行時)が目標位置として設定され、その現在位置においてディフェンス側の選手PLの移動が停止する。例えば、図5の例の基準位置RPとボールBIとの間の所定位置は移動先として最も効果な位置として機能する可能性がある。例えば、このような初期目標位置Pであれば、オフェンス側の選手PLが自陣側(ディフェンス側の選手PLのゴールGOの反対側)に向かってドリブル等を実行した場合、オフェンス側の選手PLとボールBIとの間に割り込むという非常に効果的な動作も自動制御にて実現される。このため、その最も効果的な位置が初期目標位置Pとして利用されると、Lスティック14Lを操作せずとも(むしろ操作しない方が)好ましい位置にディフェンス側の選手PLを配置することができるかもしれない。結果として、Lスティック14Lへの操作の低下につながり、ユーザの技量差が反映される余地が少なくなってしまう可能性がある。Lスティック14Lへの操作が実行されない場合の初期目標位置Pとしてディフェンス側の選手PLの現在位置を利用することにより、このような低下を抑制することができる。これらにより、ゲームの興趣性の向上を図ることができる。
【0067】
以上の形態において、ゲーム装置2の進行制御部24が、図10の手順のステップS102を実行することにより本発明のモード切替手段として機能する。また、ゲーム装置2の表示制御部25が、図11の手順を実行することにより本発明の目標算出手段、目標修正手段、及びキャラクタ制御手段として機能する。具体的には、表示制御部25が、図11のステップS204を実行することにより目標算出手段として、図11のステップS206を実行することにより目標修正手段として、図11のステップS207を実行することによりキャラクタ制御手段として、それぞれ機能する。
【0068】
本発明は上述した形態に限定されず、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、上述の形態では、サッカーゲームが提供されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。ゲーム装置2は、自動制御で動作するキャラクタを含む限り、シミュレーションゲーム、ロールプレイングゲーム、アクションゲームといった各種のゲームを適宜に提供してよい。
【0069】
上述の形態では、自動制御による移動動作等の動作はマッチアップ画面60で実行されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。自動制御はサッカーゲームの各種の状況において適宜に提供されてよく、例えば所定の切替指示に基づいて全体画面50において提供されてよい。つまり、ユーザが選手PLの移動方向等を指定して直接的に操作する操作モードと、自動制御にて選手PLが上述の移動動作等を実行する自動モーとが、いずれも同じ全体画面50に形成されてもよい。つまり、上述の移動動作等を実行する自動モードはマッチアップ画面60に限定されず、サッカーゲームの一部に適宜に形成されてよい。
【0070】
また、上述の形態では、ゲーム装置2が図10図11の処理を実行している。結果として、ゲーム装置2の単体(あるいはゲーム装置2の制御ユニット21単体)が本発明のゲームシステムとして機能している。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、ゲーム装置2の役割(例えば図10図11の処理等)の全部或いは一部をサーバ3が実行してもよい。このため、例えば図10図11の処理の全部をサーバ3が実行する場合、サーバ3単体(複数のサーバ装置の組み合わせにより実現される場合を含む)が本発明のゲームシステムとして機能してもよい。あるいは、その反対にサーバ3の役割の全部、又は一部をゲーム装置2が実行してもよい。この場合、サーバ3は省略されてもよい。
【0071】
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0072】
本発明のコンピュータプログラム(PG)は、ユーザのプレイ行為を入力するための入力装置(6)と、前記ユーザに関連付けられるキャラクタ(PL)としてのユーザキャラクタ、及び当該ユーザキャラクタが動作する領域としてのフィールド(FD)を含むゲーム画面(60)を表示する表示装置(7)とに接続され、所定の規則に従った自動制御の動作を含む前記ユーザキャラクタの動作を通じて進行するゲームを提供するゲームシステム(2)に組み込まれるコンピュータ(21)を、前記自動制御にて前記ユーザキャラクタが移動する場合に、当該ユーザキャラクタの移動先の目標とされるべき目標位置の初期位置(P)を、前記フィールドに設定される基準位置(RP)に基づいて算出する目標算出手段、前記自動制御における前記ユーザキャラクタの移動を指示する移動指示行為が前記プレイ行為として実行された場合に、当該移動指示行為に基づいて前記初期位置を修正後位置(P’)に修正する目標修正手段、及び前記目標位置として前記修正後位置に向かって前記自動制御にて移動するように、前記ユーザキャラクタの動作を制御するキャラクタ制御手段、として機能させるものである。
【0073】
本発明によれば、自動制御にてユーザキャラクタが移動する場合の目標位置として基準位置に基づいて初期位置が算出されるが、移動指示行為がユーザによって実行された場合にはその移動指示行為に基づいて初期位置が修正後位置に修正される。つまり、ユーザキャラクタの移動先にユーザの移動指示行為が反映される。そして、ユーザキャラクタはその修正後位置、つまりユーザの移動指示行為が反映された位置に向かって移動するように動作する。このため、同じ自動制御にてユーザキャラクタが移動する場合であっても、ユーザの移動指示行為に応じて実際にユーザキャラクタが移動する移動先を相違させることができる。これにより、このような移動指示行為を通じて、自動制御によるユーザキャラクタの動作にユーザの技量差を反映することができる。
【0074】
ゲーム内においてユーザキャラクタは適宜に動作してよい。例えば、ユーザキャラクタの動作はユーザの操作行為に応じて直接的に操作される動作を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。つまり、ユーザキャラクタは自動制御の動作のみを実行してもよいし、適宜にユーザの操作行為に応じて直接的に操作されてもよい。例えば、本発明のコンピュータプログラムの一態様において、前記コンピュータを、前記プレイ行為として実行される操作行為に応じて前記ユーザキャラクタを動作させる操作モード(50)と、前記自動制御にて前記ユーザキャラクタが動作する自動モード(60)とが前記ゲームで実行されるように、前記操作モードにおいて前記プレイ行為として切替指示行為が実行された場合に前記操作モードを前記自動モードに切り替えるモード切替手段として更に機能させてもよい。
【0075】
基準位置はフィールドの適宜の位置に設定されてよい。例えば、基準位置は現在位置等のユーザキャラクタの位置等に応じて変化する相対的な位置であってもよいし、ユーザキャラクタの位置等に影響を受けない絶対的な位置であってもよい。同様に、目標位置の初期位置も、そのような基準位置に基づいて適宜に算出されてよい。また、初期位置は基準位置のみに基づいて算出されても、基準位置及びその他の各種の情報に基づいて算出されてもよい。つまり、初期位置の算出には基準位置の他に各種の情報が考慮されてもよい。このような各種の情報として、例えば対戦型のゲームにおける対戦相手のキャラクタ等、ユーザキャラクタと同様にプレイ中に適宜に移動するオブジェクトがゲームに含まれる場合には、そのようなオブジェクトの位置が利用されてもよい。具体的には、例えば、本発明のコンピュータプログラムの一態様において、前記ゲーム画面は、前記ユーザキャラクタとは別に移動するオブジェクトとしての移動オブジェクト(BI)を更に含み、前記目標算出手段は、前記基準位置と前記移動オブジェクトの現在位置とに基づいて、前記基準位置と前記移動オブジェクトの現在位置と間の所定位置を前記初期位置として算出してもよい。
【0076】
また、例えば、自動モードが形成される態様において、前記目標算出手段は、前記自動モードにおいて前記移動指示行為が実行されない場合に前記ユーザキャラクタの現在位置が前記基準位置として機能するように、前記ユーザキャラクタの現在位置を前記初期位置として算出してもよい。この場合、移動指示行為がないときにはユーザキャラクタの現在位置が目標位置として設定されるため、その現在位置においてユーザキャラクタの移動を停止させることができる。あるいは、ユーザキャラクタの移動中において目標位置が設定される場合には、目標位置として設定された現在位置と、その後の移動に伴い実際にユーザキャラクタが位置する現在位置との間に差が生じる場合があるが、その場合は目標位置に向かって戻るような動作をユーザキャラクタに実行させることができる。例えば、移動オブジェクトが利用される態様では基準位置と移動オブジェクトの現在位置と間の所定位置が移動先として最も効果な位置として機能する場合があるが、このような場合にその最も効果的な位置が初期位置として利用されると、移動指示行為の低下につながり、結果的にユーザの技量差が反映される余地が少なくなってしまう可能性がある。初期位置としてユーザキャラクタの現在位置を利用することにより、このような低下を抑制することができる。
【0077】
ゲームとして各種のゲームが適宜に利用されてよい。例えば、ゲームはユーザキャラクタが単体で動作するシミュレーションゲーム等として構成されてもよい。或いは、ロールプレイングゲームに登場する適宜のキャラクタがユーザキャラクタとして機能してもよい。あるいは、ゲームは複数のユーザ間における協力型、或いは対戦型のゲームとして構成されてもよい。例えば、本発明のコンピュータプログラムの一態様において、前記ゲーム画面は、前記ユーザの対戦者に関連付けられるキャラクタ(PL)としての対戦者キャラクタを更に含み、前記ゲームは、前記ユーザキャラクタと前記対戦者キャラクタとの間で前記移動オブジェクトを移動させる動作を実行する攻撃側と、前記移動オブジェクトの移動を妨げる動作を実行する防御側とに分かれて対戦する対戦型のゲームとして構成されてもよい。
【0078】
ユーザキャラクタの自動制御による動作には各種の動作が適宜に含まれてよい。例えば、ユーザキャラクタは目標位置に移動する移動動作のみを自動制御にて実行してもよいし、その他の適宜の動作を自動制御にて実行してもよい。例えば、対戦型のゲームでは、対戦相手のキャラクタの動作によっては移動動作よりも好ましい動作が生じる場合がある。この場合、そのような好ましい動作が適宜に自動制御にて実行されてもよい。例えば、対戦型のゲームが提供される態様において、前記キャラクタ制御手段は、前記対戦者キャラクタによって前記攻撃側として前記移動オブジェクトに対する所定のイベント動作が実行された場合に、前記修正後位置への移動中において前記イベント動作に対抗する対抗動作を前記自動制御にて前記防御側として実行するように、前記ユーザキャラクタの動作を制御してもよい。
【0079】
対戦型のゲームにおいて対戦は適宜に実現されてよい。例えば、対戦型のゲームは二体のキャラクタが1対1で対戦するように構成されてもよいし、チーム対戦として構成されてもよい。また、対戦型のゲームがチーム対戦として構成される場合において、操作モードと自動モードとは、いずれも同様のチーム対戦形式で提供されてもよいし、適宜の一方が1対1で対戦する形式で提供されてもよい。例えば、対戦型のゲームが提供される態様において、前記対戦型のゲームは、複数のユーザキャラクタとしてのユーザチームと、複数の対戦者キャラクタとしての対戦者チームとの間で対戦するチーム対戦型のゲームとして構成され、前記モード切替手段は、前記複数のユーザキャラクタのうち前記切替指示行為の際に操作中のユーザキャラクタと、前記複数の対戦者キャラクタのうち前記移動オブジェクトの移動に関連付けられる対戦者キャラクタとの間の1対1の対戦として前記自動モードが提供されるように、前記操作モードを前記自動モードに切り替えてもよい。この場合、操作モード及び自動モードを通じて異なる形式のプレイを提供することができる。
【0080】
移動指示行為、或いは切替指示行為といったプレイ行為として、操作部に対する操作、或いはユーザの動作といった各種の行為が利用されてよい。例えば、入力装置としてユーザの動作を検出するカメラが設けられ、右腕を上げる等の所定の行為が移動指示行為等のプレイ行為として利用されてもよい(この場合において、右腕を上げる方向、及び右腕を上げる量が操作方向、及び操作量としてそれぞれ機能してもよい)。あるいは、入力装置にはユーザによって操作される各種の操作部が設けられ、その操作部への操作が移動指示行為等のプレイ行為として利用されてもよい。例えば、本発明のコンピュータプログラムの一態様において、前記入力装置には、前記移動指示行為として方向を指示するように前記ユーザによって操作される方向操作部(14L)が設けられ、前記目標修正手段は、前記方向操作部への操作を介して指示された方向が前記修正後位置に反映されるように、前記目標位置を修正してもよい。あるいは、本発明のコンピュータプログラムの一態様において、前記入力装置には、前記移動指示行為として方向を指示するように前記ユーザによって操作される方向操作部(14L)が設けられ、前記目標修正手段は、前記方向操作部に対する操作量に応じて前記修正後位置が変化するように前記方向操作部に対する操作量に基づいて前記目標位置を修正してもよい。
【0081】
一方、本発明のゲームシステムは、ユーザのプレイ行為を入力するための入力装置(6)と、前記ユーザに関連付けられるキャラクタ(PL)としてのユーザキャラクタ、及び当該ユーザキャラクタが動作する領域としてのフィールド(FD)を含むゲーム画面(60)を表示する表示装置(7)とに接続され、所定の規則に従った自動制御の動作を含む前記ユーザキャラクタの動作を通じて進行するゲームを提供するゲームシステム(2)であって、前記自動制御にて前記ユーザキャラクタが移動する場合に、当該ユーザキャラクタの移動先の目標とされるべき目標位置の初期位置(P)を、前記フィールドに設定される基準位置(RP)に基づいて算出する目標算出手段(25)と、前記自動制御における前記ユーザキャラクタの移動を指示する移動指示行為が前記プレイ行為として実行された場合に、当該移動指示行為に基づいて前記初期位置を修正後位置(P’)に修正する目標修正手段(25)と、前記目標位置として前記修正後位置に向かって前記自動制御にて移動するように、前記ユーザキャラクタの動作を制御するキャラクタ制御手段(25)と、を備えるものである。
【0082】
また、本発明の制御方法は、ユーザのプレイ行為を入力するための入力装置(6)と、前記ユーザに関連付けられるキャラクタ(PL)としてのユーザキャラクタ、及び当該ユーザキャラクタが動作する領域としてのフィールド(FD)を含むゲーム画面(60)を表示する表示装置(7)とに接続され、所定の規則に従った自動制御の動作を含む前記ユーザキャラクタの動作を通じて進行するゲームを提供するゲームシステム(2)に組み込まれるコンピュータ(21)に、前記自動制御にて前記ユーザキャラクタが移動する場合に、当該ユーザキャラクタの移動先の目標とされるべき目標位置の初期位置(P)を、前記フィールドに設定される基準位置(RP)に基づいて算出する目標算出手順と、前記自動制御における前記ユーザキャラクタの移動を指示する移動指示行為が前記プレイ行為として実行された場合に、当該移動指示行為に基づいて前記初期位置を修正後位置(P’)に修正する目標修正手順と、前記目標位置として前記修正後位置に向かって前記自動制御にて移動するように、前記ユーザキャラクタの動作を制御するキャラクタ制御手順と、実行させる、ものである。本発明のコンピュータプログラム、或いは制御方法が実行されることにより、本発明のゲームシステムを実現することができる。
【符号の説明】
【0083】
2 ゲーム装置(ゲームシステム)
6 コントローラ(入力装置)
7 モニタ(表示装置)
21 制御ユニット(コンピュータ)
24 進行制御部(モード切替手段)
25 表示制御部(目標算出手段、目標修正手段、キャラクタ制御手段)
50 全体画面(操作モード)
60 マッチアップ画面(ゲーム画面、自動モード)
P 初期目標位置(初期位置)
P’ 修正後の位置(修正後位置)
BI ボール(移動オブジェクト)
FD フィールド
PG ゲームプログラム(コンピュータプログラム)
PL 選手(キャラクタ)
RP 基準位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2021-11-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザのプレイ行為を入力するための入力装置と、前記ユーザに関連付けられるキャラクタとしてのユーザキャラクタ、及び当該ユーザキャラクタが動作する領域としてのフィールドを含むゲーム画面を表示する表示装置とに接続され、所定の規則に従った自動制御の動作を含む前記ユーザキャラクタの動作を通じて進行するゲームを提供するゲームシステムに組み込まれるコンピュータを、
前記自動制御にて前記ユーザキャラクタが移動する場合に、当該ユーザキャラクタの移動先の目標とされるべき目標位置の初期位置を、前記フィールドに設定される基準位置に基づいて算出する目標算出手段、
前記自動制御における前記ユーザキャラクタの移動を指示する移動指示行為が前記プレイ行為として実行された場合に、当該移動指示行為を反映するように前記初期位置を基準に当該初期位置を移動させた位置としての修正後位置に前記初期位置を修正する目標修正手段、及び
前記目標位置として前記修正後位置に向かって前記自動制御にて移動するように、前記ユーザキャラクタの動作を制御するキャラクタ制御手段、
として機能させる、コンピュータプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータを、前記プレイ行為として実行される操作行為に応じて前記ユーザキャラクタを動作させる操作モードと、前記自動制御にて前記ユーザキャラクタが動作する自動モードとが前記ゲームで実行されるように、前記操作モードにおいて前記プレイ行為として切替指示行為が実行された場合に前記操作モードを前記自動モードに切り替えるモード切替手段として更に機能させる、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
前記目標算出手段は、前記自動モードにおいて前記移動指示行為が実行されない場合に前記ユーザキャラクタの現在位置が前記基準位置として機能するように、前記ユーザキャラクタの現在位置を前記初期位置として算出する、請求項2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記ゲーム画面は、前記ユーザキャラクタとは別に移動するオブジェクトとしての移動オブジェクトを更に含み、
前記目標算出手段は、前記基準位置と前記移動オブジェクトの現在位置とに基づいて、前記基準位置と前記移動オブジェクトの現在位置と間の所定位置を前記初期位置として算出する、請求項2又は3に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記ゲーム画面は、前記ユーザの対戦者に関連付けられるキャラクタとしての対戦者キャラクタを更に含み、
前記ゲームは、前記ユーザキャラクタと前記対戦者キャラクタとの間で前記移動オブジェクトを移動させる動作を実行する攻撃側と、前記移動オブジェクトの移動を妨げる動作を実行する防御側とに分かれて対戦する対戦型のゲームとして構成される、請求項4に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記キャラクタ制御手段は、前記対戦者キャラクタによって前記攻撃側として前記移動オブジェクトに対する所定のイベント動作が実行された場合に、前記修正後位置への移動中において前記イベント動作に対抗する対抗動作を前記自動制御にて前記防御側として実行するように、前記ユーザキャラクタの動作を制御する、請求項5に記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記対戦型のゲームは、複数のユーザキャラクタとしてのユーザチームと、複数の対戦者キャラクタとしての対戦者チームとの間で対戦するチーム対戦型のゲームとして構成され、
前記モード切替手段は、前記複数のユーザキャラクタのうち前記切替指示行為の際に操作中のユーザキャラクタと、前記複数の対戦者キャラクタのうち前記移動オブジェクトの移動に関連付けられる対戦者キャラクタとの間の1対1の対戦として前記自動モードが提供されるように、前記操作モードを前記自動モードに切り替える、請求項6に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
前記入力装置には、前記移動指示行為として方向を指示するように前記ユーザによって操作される方向操作部が設けられ、
前記目標修正手段は、前記方向操作部への操作を介して指示された方向が前記修正後位置に反映されるように、前記目標位置を修正する、請求項1~7のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
前記入力装置には、前記移動指示行為として方向を指示するように前記ユーザによって操作される方向操作部が設けられ、
前記目標修正手段は、前記方向操作部に対する操作量に応じて前記修正後位置が変化するように前記方向操作部に対する操作量に基づいて前記目標位置を修正する、請求項1~8のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項10】
ユーザのプレイ行為を入力するための入力装置と、前記ユーザに関連付けられるキャラクタとしてのユーザキャラクタ、及び当該ユーザキャラクタが動作する領域としてのフィールドを含むゲーム画面を表示する表示装置とに接続され、所定の規則に従った自動制御の動作を含む前記ユーザキャラクタの動作を通じて進行するゲームを提供するゲームシステムであって、
前記自動制御にて前記ユーザキャラクタが移動する場合に、当該ユーザキャラクタの移動先の目標とされるべき目標位置の初期位置を、前記フィールドに設定される基準位置に基づいて算出する目標算出手段と、
前記自動制御における前記ユーザキャラクタの移動を指示する移動指示行為が前記プレイ行為として実行された場合に、当該移動指示行為を反映するように前記初期位置を基準に当該初期位置を移動させた位置としての修正後位置に前記初期位置を修正する目標修正手段と、
前記目標位置として前記修正後位置に向かって前記自動制御にて移動するように、前記ユーザキャラクタの動作を制御するキャラクタ制御手段と、
を備える、ゲームシステム。
【請求項11】
ユーザのプレイ行為を入力するための入力装置と、前記ユーザに関連付けられるキャラクタとしてのユーザキャラクタ、及び当該ユーザキャラクタが動作する領域としてのフィールドを含むゲーム画面を表示する表示装置とに接続され、所定の規則に従った自動制御の動作を含む前記ユーザキャラクタの動作を通じて進行するゲームを提供するゲームシステムに組み込まれるコンピュータに、
前記自動制御にて前記ユーザキャラクタが移動する場合に、当該ユーザキャラクタの移動先の目標とされるべき目標位置の初期位置を、前記フィールドに設定される基準位置に基づいて算出する目標算出手順と、
前記自動制御における前記ユーザキャラクタの移動を指示する移動指示行為が前記プレイ行為として実行された場合に、当該移動指示行為を反映するように前記初期位置を基準に当該初期位置を移動させた位置としての修正後位置に前記初期位置を修正する目標修正手順と、
前記目標位置として前記修正後位置に向かって前記自動制御にて移動するように、前記ユーザキャラクタの動作を制御するキャラクタ制御手順と、
を実行させる、制御方法。
【手続補正書】
【提出日】2022-03-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザのプレイ行為を入力するための入力装置と、前記ユーザに関連付けられるキャラクタとしてのユーザキャラクタ、及び当該ユーザキャラクタが動作する領域としてのフィールドを含むゲーム画面を表示する表示装置とに接続され、所定の規則に従った自動制御の動作を含む前記ユーザキャラクタの動作を通じて進行するゲームを提供するゲームシステムに組み込まれるコンピュータを、
前記自動制御にて前記ユーザキャラクタが移動する場合に、当該ユーザキャラクタの移動先の目標とされるべき目標位置の初期位置を、前記フィールドに設定される基準位置に基づいて算出する目標算出手段、
前記自動制御における前記ユーザキャラクタの移動を指示する移動指示行為が前記プレイ行為として実行された場合に、当該移動指示行為を反映するように前記初期位置を基準に当該初期位置を移動させた位置としての修正後位置に前記初期位置を修正する目標修正手段
記目標位置として前記修正後位置に向かって前記自動制御にて移動するように、前記ユーザキャラクタの動作を制御するキャラクタ制御手段、及び
前記プレイ行為として実行される操作行為に応じて前記ユーザキャラクタを動作させる操作モードと、前記自動制御にて前記ユーザキャラクタが動作する自動モードとが前記ゲームで実行されるように、前記操作モードにおいて前記プレイ行為として切替指示行為が実行された場合に前記操作モードを前記自動モードに切り替えるモード切替手段、
として機能させる、コンピュータプログラム。
【請求項2】
前記目標算出手段は、前記自動モードにおいて前記移動指示行為が実行されない場合に前記ユーザキャラクタの現在位置が前記基準位置として機能するように、前記ユーザキャラクタの現在位置を前記初期位置として算出する、請求項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
前記ゲーム画面は、前記ユーザキャラクタとは別に移動するオブジェクトとしての移動オブジェクトを更に含み、
前記目標算出手段は、前記基準位置と前記移動オブジェクトの現在位置とに基づいて、前記基準位置と前記移動オブジェクトの現在位置と間の所定位置を前記初期位置として算出する、請求項又はに記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記ゲーム画面は、前記ユーザの対戦者に関連付けられるキャラクタとしての対戦者キャラクタを更に含み、
前記ゲームは、前記ユーザキャラクタと前記対戦者キャラクタとの間で前記移動オブジェクトを移動させる動作を実行する攻撃側と、前記移動オブジェクトの移動を妨げる動作を実行する防御側とに分かれて対戦する対戦型のゲームとして構成される、請求項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記キャラクタ制御手段は、前記対戦者キャラクタによって前記攻撃側として前記移動オブジェクトに対する所定のイベント動作が実行された場合に、前記修正後位置への移動中において前記イベント動作に対抗する対抗動作を前記自動制御にて前記防御側として実行するように、前記ユーザキャラクタの動作を制御する、請求項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記対戦型のゲームは、複数のユーザキャラクタとしてのユーザチームと、複数の対戦者キャラクタとしての対戦者チームとの間で対戦するチーム対戦型のゲームとして構成され、
前記モード切替手段は、前記複数のユーザキャラクタのうち前記切替指示行為の際に操作中のユーザキャラクタと、前記複数の対戦者キャラクタのうち前記移動オブジェクトの移動に関連付けられる対戦者キャラクタとの間の1対1の対戦として前記自動モードが提供されるように、前記操作モードを前記自動モードに切り替える、請求項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記入力装置には、前記移動指示行為として方向を指示するように前記ユーザによって操作される方向操作部が設けられ、
前記目標修正手段は、前記方向操作部への操作を介して指示された方向が前記修正後位置に反映されるように、前記目標位置を修正する、請求項1~のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
前記入力装置には、前記移動指示行為として方向を指示するように前記ユーザによって操作される方向操作部が設けられ、
前記目標修正手段は、前記方向操作部に対する操作量に応じて前記修正後位置が変化するように前記方向操作部に対する操作量に基づいて前記目標位置を修正する、請求項1~のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
ユーザのプレイ行為を入力するための入力装置と、前記ユーザに関連付けられるキャラクタとしてのユーザキャラクタ、及び当該ユーザキャラクタが動作する領域としてのフィールドを含むゲーム画面を表示する表示装置とに接続され、所定の規則に従った自動制御の動作を含む前記ユーザキャラクタの動作を通じて進行するゲームを提供するゲームシステムであって、
前記自動制御にて前記ユーザキャラクタが移動する場合に、当該ユーザキャラクタの移動先の目標とされるべき目標位置の初期位置を、前記フィールドに設定される基準位置に基づいて算出する目標算出手段と、
前記自動制御における前記ユーザキャラクタの移動を指示する移動指示行為が前記プレイ行為として実行された場合に、当該移動指示行為を反映するように前記初期位置を基準に当該初期位置を移動させた位置としての修正後位置に前記初期位置を修正する目標修正手段と、
前記目標位置として前記修正後位置に向かって前記自動制御にて移動するように、前記ユーザキャラクタの動作を制御するキャラクタ制御手段と、
前記プレイ行為として実行される操作行為に応じて前記ユーザキャラクタを動作させる操作モードと、前記自動制御にて前記ユーザキャラクタが動作する自動モードとが前記ゲームで実行されるように、前記操作モードにおいて前記プレイ行為として切替指示行為が実行された場合に前記操作モードを前記自動モードに切り替えるモード切替手段と、
を備える、ゲームシステム。
【請求項10】
ユーザのプレイ行為を入力するための入力装置と、前記ユーザに関連付けられるキャラクタとしてのユーザキャラクタ、及び当該ユーザキャラクタが動作する領域としてのフィールドを含むゲーム画面を表示する表示装置とに接続され、所定の規則に従った自動制御の動作を含む前記ユーザキャラクタの動作を通じて進行するゲームを提供するゲームシステムに組み込まれるコンピュータに、
前記自動制御にて前記ユーザキャラクタが移動する場合に、当該ユーザキャラクタの移動先の目標とされるべき目標位置の初期位置を、前記フィールドに設定される基準位置に基づいて算出する目標算出手順と、
前記自動制御における前記ユーザキャラクタの移動を指示する移動指示行為が前記プレイ行為として実行された場合に、当該移動指示行為を反映するように前記初期位置を基準に当該初期位置を移動させた位置としての修正後位置に前記初期位置を修正する目標修正手順と、
前記目標位置として前記修正後位置に向かって前記自動制御にて移動するように、前記ユーザキャラクタの動作を制御するキャラクタ制御手順と、
前記プレイ行為として実行される操作行為に応じて前記ユーザキャラクタを動作させる操作モードと、前記自動制御にて前記ユーザキャラクタが動作する自動モードとが前記ゲームで実行されるように、前記操作モードにおいて前記プレイ行為として切替指示行為が実行された場合に前記操作モードを前記自動モードに切り替えるモード切替手順と、
を実行させる、制御方法。