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特開2023-6088ゲームシステム、ゲーム制御装置及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023006088
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】ゲームシステム、ゲーム制御装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20230111BHJP
   A63F 13/812 20140101ALI20230111BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20230111BHJP
   A63F 13/795 20140101ALI20230111BHJP
   A63F 13/65 20140101ALI20230111BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20230111BHJP
【FI】
A63F13/69 500
A63F13/812 A
A63F13/58
A63F13/795
A63F13/65
A63F13/79 500
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021108487
(22)【出願日】2021-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100140660
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 理恵
(74)【代理人】
【識別番号】100174148
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 和教
(72)【発明者】
【氏名】山口 剛
(72)【発明者】
【氏名】清水 明彦
(72)【発明者】
【氏名】北浦 幸治
(57)【要約】
【課題】対戦ゲームで使用されるオブジェクト等の使用対象の偏りを解消する。
【解決手段】受付部は対戦ゲームへの参加を受け付ける。管理部は受付部によって参加を受け付けられたユーザが前記対戦ゲームで使用可能な複数の使用対象を、記憶装置に記憶させて管理する。選出部は、互いに対戦相手となる各ユーザのユーザ識別情報に関連付けられる、前記対戦ゲームで使用可能な前記使用対象を、前記管理部に管理されている前記複数の使用対象の中から、同一の選出条件に基づいてランダムに選出する。
【選択図】図21

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の対戦ゲームにユーザが参加できるゲームを提供するゲームシステムであって、
前記対戦ゲームへの参加を受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって参加を受け付けられたユーザが前記対戦ゲームで使用可能な複数の使用対象を、記憶装置に記憶させて管理する管理手段と、
互いに対戦相手となる各ユーザのユーザ識別情報に関連付けられる、前記対戦ゲームで使用可能な前記使用対象を、前記管理手段に管理されている前記複数の使用対象の中から、同一の選出条件に基づいてランダムに選出する選出手段と、
を含むゲームシステム。
【請求項2】
前記使用対象は、前記対戦ゲーム中に前記ユーザによって使用され得るオブジェクトである請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記対戦ゲームは、2以上のオブジェクトで構成されるグループ間で対戦するゲームであり、
互いに対戦相手となる各ユーザの前記ユーザ識別情報には、前記管理手段に管理されている複数のオブジェクトの中から、前記2以上のオブジェクトが関連付けられ、
前記選出手段は、前記2以上のオブジェクトのそれぞれを選出するための前記選出条件を、選出するオブジェクト毎に設定する
請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記管理手段に管理されている複数の前記オブジェクトのそれぞれにはパラメータが関連付けられており、
前記選出条件は、前記パラメータに関する条件であり、
前記選出手段は、前記パラメータに関する条件に基づいて、前記管理手段に管理されている複数のオブジェクトのうちの当該条件を満たすオブジェクトの中から、前記対戦ゲームで使用可能な前記オブジェクトをランダムに選出する
請求項2又は3に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記パラメータには、前記オブジェクトの能力情報が含まれる請求項4に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記パラメータには、前記オブジェクトの役割情報が含まれる請求項4又は5に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記使用対象は、前記対戦ゲーム中に前記ユーザによって使用される2以上のオブジェクトからなるグループである請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項8】
前記オブジェクトは、実在の人物に対応するオブジェクトであり、
前記オブジェクトに関連付けられるパラメータは、当該オブジェクトに対応する前記実在の人物を模して設定されている
請求項2ないし7の何れか1項に記載のゲームシステム。
【請求項9】
各ユーザは前記対戦ゲームを所定の期間内に複数回行うことが可能であり、
前記選出手段は、前記所定の期間内で前記対戦ゲームが行われる毎に、前記同一の選出条件に基づいたランダムな選出を実行する
請求項1ないし8の何れか1項に記載のゲームシステム。
【請求項10】
特定の対戦ゲームにユーザが参加できるゲームを提供するゲーム制御装置であって、
前記対戦ゲームへの参加を受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって参加を受け付けられたユーザが前記対戦ゲームで使用可能な複数の使用対象を、記憶装置に記憶させて管理する管理手段と、
互いに対戦相手となる各ユーザのユーザ識別情報に関連付けられる、前記対戦ゲームで使用可能な前記使用対象を、前記管理手段に管理されている前記複数の使用対象の中から、同一の選出条件に基づいてランダムに選出する選出手段と、
を含むゲーム制御装置。
【請求項11】
請求項1ないし9の何れか1項に記載のゲームシステム又は請求項10に記載のゲーム制御装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲームシステム、ゲーム制御装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ユーザが複数のオブジェクトのグループを使用して、他のユーザと対戦するゲームが知られている。例えば、ユーザが、ゲーム内で所有している複数の選手キャラクタの中から自分の好きな選手キャラクタを選択してチームを編成し、対戦相手チームと対戦する野球ゲームが知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5612634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のゲームでは、各ユーザは、人気のオブジェクトや能力値の高いオブジェクトを優先して使用する傾向にあり、ゲームで使用されるオブジェクトに偏りがで易い。例えば、現実世界のスポーツを模したゲームでは、多くのユーザによって、実在する人気選手に対応するオブジェクトや、人気のある実在チームに対応するチームばかりが使用されるので、対戦ゲームで使用されるオブジェクトやチームに偏りが生じる。このため、人気選手同士の対戦や、人気チーム同士の対戦が量産されることになる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、対戦ゲームで使用されるオブジェクトの偏りや、複数のオブジェクトから構成されるグループの偏りを解消して興趣性の高いゲームを実現することができるゲームシステム、ゲーム制御装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によるゲームシステムは、特定の対戦ゲームにユーザが参加できるゲームを提供するゲームシステムであって、前記対戦ゲームへの参加を受け付ける受付手段と、前記受付手段によって参加を受け付けられたユーザが前記対戦ゲームで使用可能な複数の使用対象を、記憶装置に記憶させて管理する管理手段と、互いに対戦相手となる各ユーザのユーザ識別情報に関連付けられる、前記対戦ゲームで使用可能な前記使用対象を、前記管理手段に管理されている前記複数の使用対象の中から、同一の選出条件に基づいてランダムに選出する選出手段と、を含む。
【0007】
本発明の他の一態様によるゲーム制御装置は、特定の対戦ゲームにユーザが参加できるゲームを提供するゲーム制御装置であって、前記対戦ゲームへの参加を受け付ける受付手段と、前記受付手段によって参加を受け付けられたユーザが前記対戦ゲームで使用可能な複数の使用対象を、記憶装置に記憶させて管理する管理手段と、互いに対戦相手となる各ユーザのユーザ識別情報に関連付けられる、前記対戦ゲームで使用可能な前記使用対象を、前記管理手段に管理されている前記複数の使用対象の中から、同一の選出条件に基づいてランダムに選出する選出手段と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施の形態に係るゲームシステムの構成例を示す概略のブロック図である。
図2】ゲーム端末のハード構成の一例を示す概略のブロック図である。
図3】サーバのハード構成の一例を示す概略のブロック図である。
図4】大会情報テーブルの一例を示す説明図である。
図5】通信対戦モードのゲーム画面の一例を示す説明図である。
図6】大会選択画面の一例を示す説明図である。
図7】メッセージ画面の一例を示す説明図である。
図8】選手ランダム杯のメニュー画面の一例を示す図である。
図9】キャラクタ情報テーブルの一例を示す図である。
図10】チーム情報テーブルの一例を示す図である。
図11】投手キャラクタの選出条件の一例を示す図である。
図12】野手の選手キャラクタの選出条件の一例を示す図である。
図13】選手キャラクタの選出条件の他の一例を示す図である。
図14】選手キャラクタの選出条件の他の一例を示す図である。
図15】選手キャラクタの選出条件の他の一例を示す図である。
図16】ユーザチームテーブルの一例を示す図である。
図17】ユーザチームテーブルの他の一例を示す図である。
図18】対戦結果の集計画面の一例を示す図である。
図19】ゲーム端末の機能的な構成の一例を示す概略の機能ブロック図である。
図20】ユーザ情報テーブルの一例を示す図である。
図21】サーバの機能的な構成の一例を示す概略の機能ブロック図である。
図22】ユーザ管理テーブルの一例を示す図である。
図23】対戦管理テーブルの一例を示す説明図である。
図24】キャラクタ選出条件テーブルの一例を示す図である。
図25】ランダム選出キャラクタデータの一例を示す図である。
図26】チーム選出条件テーブルの一例を示す図である。
図27】ランダム選出チームデータの一例を示す図である。
図28】ゲームシステムの処理の一例を示すシーケンスチャートである。
図29】ゲームシステムの他の処理の一例を示すフローチャートである。
図30】ゲームシステムの処理の他の例を示すシーケンスチャートである。
図31】ゲームシステムの他の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しながら説明する。
【0010】
[1.ゲームシステムの構成]
図1は、本発明の実施の形態に係るゲームシステム1の構成例を示す概略のブロック図である。このゲームシステム1は、複数のゲーム端末10-n(nは正の整数。10-1、10-2、・・・)と、サーバ30とを含んでいる。ゲームシステム1内のゲーム端末10-n及びサーバ30は、インターネットなどのネットワークNを介して、相互にデータ通信可能に接続されている。ここで、複数のゲーム端末10-nは同様の構成であるため、特に区別しない場合には、単に「ゲーム端末10」と記載して説明する。
【0011】
本実施の形態のネットワークNは、インターネットに限定されるものではなく、ゲームシステム1内のゲーム端末10-n及びサーバ30を通信可能に相互に接続できるものであれば、例えば、専用回線、公衆回線(電話回線、移動体通信回線等)、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN等であってもよく、或いはインターネットとこれらを組み合わせたものであってもよい。
【0012】
ユーザが操作するゲーム端末10は、ユーザがゲームをプレイするために使用するコンピュータである。ゲーム端末10は、例えば、家庭用のゲーム機(据置型又は携帯型)、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯電話端末、PHS(Personal Handy-phone System)端末、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、タブレット型コンピュータ、多機能型テレビジョン受像機(いわゆるスマートテレビ)、遊戯施設等に設置される業務用(商業用)ゲーム機等である。
【0013】
サーバ30は、例えば、サーバコンピュータである。サーバ30は、各ユーザを一意に識別するためのユーザIDと関連付けて、ユーザのゲームに関する情報を、例えばデータベースDBに記憶して管理する。データベースDBはサーバ30内に構築されていてもよいし、サーバ30とは別のサーバコンピュータ内に構築されていてもよい。
【0014】
また、サーバ30は、ユーザ間で通信対戦(オンライン対戦)が行われる場合の対戦相手決定処理(いわゆるマッチング処理)等を実行する。通信対戦では、例えば、ゲーム端末10-1を操作するユーザAと、ゲーム端末10-2を操作するユーザBとが、ネットワークNを介して対戦ゲームを行うことができる。この通信対戦の場合、例えば、サーバ30によってマッチングされたゲーム端末10-1とゲーム端末10-2との間で、P2P(Peer to Peer)接続等により直接通信して対戦する方法がある。あるいは、ゲーム端末10-1とゲーム端末10-2との間のデータのやり取りを、サーバ30を経由して通信対戦する方法もある。何れの方法で通信対戦が行われてもよい。
【0015】
ゲーム端末10-nとサーバ30との間の通信は、例えば、ベースのプロトコルとしてTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)上で動作するHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)を使用し、本システムで規定するアプリケーションプロトコルを上位に実装することによって実現できる。
【0016】
一方、P2P等で接続されるゲーム端末10-1とゲーム端末10-2との間の通信は、例えば、OSI参照モデルのトランスポート層上の通信規約であって主にIPプロトコル上に実装されるUDP(User Datagram Protocol)によって実現できる。上記のUDPは、データの送達確認やエラー訂正を行わず、データを相手側の端末装置に送りっぱなしにする通信方式であるため、データの信頼度は低いがデータの転送速度が高いという利点がある。なお、ゲーム端末10-1とゲーム端末10-2との間の通信にUDP以外の他の既存プロトコルを用いたり、今後、新たに規定される新規プロトコルを用いたりすることも勿論可能である。
【0017】
また、例えば、所定の周波数帯(例えば2.4GHzの周波数帯)を用いた近距離無線通信機能を有するゲーム端末10-nでは、複数台のゲーム端末10-n間で、直接通信を行って対戦ゲーム等を実行することもできる。
【0018】
(ゲーム端末のハード構成)
図2は、ゲーム端末10のハード構成の一例を示す概略のブロック図である。ゲーム端末10は、主に、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、補助記憶装置14と、通信部15と、操作部16と、画像処理部17と、サウンド処理部18とを備え、これらはアドレスバス、データバス及びコントロールバス等を含むバスライン19を介して相互に接続されている。なお、バスライン19と各構成要素との間には必要に応じてインタフェース回路が介在しているが、ここではインタフェース回路の図示を省略している。また、ゲーム端末10は、表示部20及び音声出力部21を備えている。
【0019】
CPU11は、ゲームプログラムの命令を解釈して実行し、ゲーム端末10全体の制御を行う。ROM12は、ゲーム端末10の基本的な動作制御に必要なプログラムやデータ等を記憶している。RAM13は、各種プログラム及びデータを記憶し、CPU11に対する作業領域を確保する。
【0020】
補助記憶装置14は、ゲームプログラムや各種データ等を格納する記憶装置である。補助記憶装置14としては、例えば、不揮発性の半導体メモリ、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等を用いることができる。
【0021】
通信部15は、図示しない通信インタフェースを備え、ゲーム実行時にデータ通信するための通信制御機能を有している。ここで、データ通信用の通信制御機能には、例えば、インターネット接続機能、無線LAN(Local Area Network)接続機能、所定の周波数帯(例えば2.4GHzの周波数帯)を用いた近距離無線通信機能などが含まれる。通信部15は、CPU11からの命令に基づいてゲーム端末10をネットワークNに接続するための接続信号を発信するとともに、通信相手側から送信されてきた情報を受信してCPU11へ供給する。
【0022】
操作部16は、ユーザが種々の操作命令をゲーム端末10に入力するためのものである。操作部16の一例としては、タッチインターフェースを備えた位置入力部(タッチパネルの構成要素)、物理的なボタン、コントローラ、アナログスティック、キーボード、ポインティングデバイス等を挙げることができる。また、マイクロフォン等の音声入力部から入力された音声を識別することにより、音声入力可能な操作部16として構成してもよい。
【0023】
画像処理部17は、CPU11からの画像表示命令に基づいて表示部20を駆動し、ゲーム画面を表示させる。表示部20には、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の既知の種々の表示装置が適用できる。また、表示部20を、液晶ディスプレイ等の表示装置にタッチインターフェースを備えた位置入力部を組み合わせたタッチパネルとすることもできる。表示部20をタッチパネルとして構成した場合、画像処理部17は図示しないタッチ入力検出部を備える。このタッチ入力検出部は、指やペン等の指示体が画面に接触したとき、当該画面上の接触位置座標を検出して座標信号をCPU11へと供給する。これによって、表示部20の画面上の接触位置がCPU11に認識されるようになっている。表示部20は、ゲーム装置10と一体である必要はなく、例えば、ゲーム装置10に対して外部接続されるテレビジョンモニタ等であってもよい。
【0024】
サウンド処理部18は、CPU11からの発音指示に基づいてアナログ音声信号を生成して音声出力部21に出力する。
【0025】
(サーバのハード構成)
図3は、サーバ30のハード構成の一例を示す概略のブロック図である。サーバ30は、主に、CPU31と、ROM32と、RAM33と、補助記憶装置34と、通信部35とを備え、これらはアドレスバス、データバス及びコントロールバス等を含むバスライン36を介して相互に接続されている。なお、バスライン36と各構成要素との間には必要に応じてインタフェース回路が介在しているが、ここではインタフェース回路の図示を省略している。
【0026】
CPU31は、システムソフトウェアやアプリケーションソフトウェアの命令を解釈して実行し、サーバ30全体の制御を行う。ROM32は、サーバ30の基本的な動作制御に必要なプログラム等を記憶している。RAM13は、各種プログラム及びデータを記憶し、CPU31に対する作業領域を確保する。補助記憶装置34は、プログラムや各種データ等を格納する記憶装置である。補助記憶装置34としては、例えばハードディスクドライブなどを用いることができる。
【0027】
通信部35は、図示しない通信インタフェースを備え、ネットワークNを介した各ゲーム端末10-nとの間の通信を制御する。また、通信部35は、ネットワークNに接続されている図示しない他のサーバとの通信も制御するようになっている。例えば、サーバ30をソーシャルネットワーキングサービス(SNS)に組み込んだシステム構成とした場合、サーバ30の通信部35は、SNSサーバとの間の通信を制御する。また、例えば、サーバ30は、ユーザがプレイしたゲーム動画を、観戦者に配信する動画配信サーバとの間の通信を制御する。なお、サーバ30に動画配信機能を持たせることもできる。
【0028】
サーバ30は、単独のコンピュータで構成することもできるが、サーバ30の有する各機能を複数のサーバに分散して持たせる機能分散型の構成とすることもできる。あるいは、ネットワークN上に複数のサーバ30を設けて冗長化(多重化)を図ることにより、負荷分散型の構成としてもよい。また、サーバ30は、クラウドコンピューティング技術を利用したクラウドサーバとして構成されてもよい。
【0029】
プログラムやデータは、ネットワークNを介して遠隔地からゲーム端末10又はサーバ30に供給されて、RAM13、補助記憶装置14、RAM33又は補助記憶装置34に記憶される。なお、情報記憶媒体(例えば光ディスク又はメモリカード等)に記憶されたプログラムやデータを読み取るための構成要素(例えば光ディスクドライブ又はメモリーカードスロット等)がゲーム端末10又はサーバ30に備えられてもよい。そして、プログラムやデータが、前記情報記憶媒体を介してゲーム端末10又はサーバ30に供給されてもよい。
【0030】
[2.ゲームの一例の概要]
ゲームの一例の概要を、以下に説明する。
ゲームシステム1では、各種ゲームを実行できる。例えば、スポーツゲーム(野球、サッカー、テニス、アメリカンフットボール等を題材としたゲーム)、レースゲーム、格闘ゲーム、戦闘ゲーム、デジタルカードゲーム等、ゲーム形式・ジャンルを問わず様々なゲームを実行できる。なお、ゲームは、ゲーム端末10がサーバ30又は他のゲーム端末10との間でデータ通信を行うことによって実行されてもよいし、ゲーム端末10単体で実行されてもよい。
【0031】
例えば、野球ゲームでは、一又は複数のオブジェクト(例えば、ゲームキャラクタ、ゲームカード、又はゲームアイテム等)に基づいて、対戦ゲームをはじめとする種々のゲームモードが実行される。以下では、ゲームシステム1で実行されるゲームの一例として、野球を題材とした野球ゲームについて説明し、必要に応じてその他のゲームについても言及する。
【0032】
本実施形態の野球ゲームでは、ゲーム内で使用可能なキャラクタ(オブジェクトの一例)として実在の野球選手を模した選手キャラクタが提供される。すなわち、実在の野球選手の名前が設定され、かつ、当該野球選手の能力や実績に基づいて能力パラメータが設定された選手キャラクタが提供される。本実施形態の野球ゲームの例では、現実世界の日本のプロ野球12球団に支配下登録されている全ての野球選手にそれぞれ対応する複数の選手キャラクタが提供される。また、前記プロ野球12球団で新たに支配下登録される野球選手が生じれば、当該野球選手に対応する選手キャラクタがゲーム内に追加される。また、実在の野球選手に対応する選手キャラクタの能力パラメータは、実在の野球選手のシーズン中の成績に応じて、定期的(例えば、1カ月毎、1週間毎、試合毎等)に、又は不定期で更新されるようにしてもよい。また、例えば、現役を退いた実在のプロ野球選手に対応する選手キャラクタをゲーム内で使用可能としてもよい。
【0033】
なお、選手キャラクタは架空の野球選手を示す選手キャラクタであってもよい。また、本実施形態の野球ゲームには、オリジナルの選手キャラクタを育成するゲームモードが搭載されている。この育成モードで育成が完了したオリジナルの選手キャラクタを、実在の野球選手を模した選手キャラクタとともに、種々のゲームモードで使用できるようにしてもよい。
【0034】
本実施形態の野球ゲームには、前記育成モードの他にも様々なゲームモードが搭載されている。例えば、ユーザがコンピュータ(CPU)を相手に対戦を楽しむコンピュータ対戦モード(またはCPU対戦モードとも称される)がある。このコンピュータ対戦モードでは、ユーザが自分のチームの選手キャラクタの打撃操作、投球操作または守備操作等を行い、CPUが選手キャラクタを自動制御する対戦相手のチームと対戦する。また、例えば、複数の選手キャラクタの中から確率に基づく抽選によりユーザが選手キャラクタを獲得し、獲得した選手キャラクタで自らのチームを結成して監督の立場で対戦する監督プレイモードがある。この監督プレイモードでは、ユーザが選手キャラクタに対して、例えばバント、盗塁、ヒットエンドラン等の指示を与える操作をしてゲームを進める。この監督プレイモードの対戦相手は、他のユーザであってもよいし、コンピュータであってもよい。また、例えば、1台のゲーム端末10に2つ以上のコントローラを接続して2人のユーザが対戦できるオフライン対戦モードもある。また、本実施形態の野球ゲームには、ユーザが他のユーザと通信対戦できる通信対戦モードも搭載されている。この通信対戦モードでは、ユーザは、ネットワークNを介して、遠隔地の他のユーザと、オンラインでリアルタイム対戦が可能である。
【0035】
前記リアルタイム対戦では、例えば、ユーザのチームと、対戦相手のチーム(ネットワークN上の他のユーザの野球チーム)との試合が、それぞれのゲーム装置10における操作に基づいて、通信対戦で進行する。例えば、ユーザが守備側で、対戦相手のユーザが攻撃側であれば、対戦相手のユーザの操作(投球操作又は守備操作)に応じて選手キャラクタが投球又は守備を行い、ユーザの操作(打撃操作又は走塁操作)に応じて選手キャラクタが打撃又は走塁を行う。このようなアクションゲームでは、選手キャラクタに対する各ユーザの操作に基づいて、ゲーム内の試合の状況が更新されていく。このリアルタイム対戦は、eスポーツ(electronic sports)でも利用される対戦方式である。
【0036】
通信対戦モードには、「フリー対戦モード」と「オンライン大会モード」とがある。「フリー対戦モード」は、ユーザ自らが好きなチームや選手キャラクタを選び、且つ、対戦ルール(例えば試合のイニング数等)もユーザ自らが任意に設定して、他のユーザといつでも通信対戦が可能である。
【0037】
例えば、フリー対戦モードでは、ユーザが他のユーザとの対戦を行うためのルームと称されるフリー対戦のための設定(ルームの作成)を行う。ユーザがルームを新規で作成するときに、対戦ルールを任意に設定することができる。あるユーザが作成済みのルームがあれば、当該作成済みのルームにユーザが入る(例えば、ルームを選択する操作を行う)ことにより、ルームを設定したユーザとの通信対戦が可能である。つまり、各ユーザは、自分でルームを作成して他のユーザがルームに入ってくるのを待つか、他のユーザが作成したルームに入ることにより、対戦が可能となる。なお、ユーザがルームの作成時に、任意のパスコードを設定すれば、当該パスコードを知っている他のユーザだけが当該ルームに入って対戦できるようになる。
【0038】
オンライン大会モードでは、ゲーム運営側が公式大会として開催するオンライン対戦ゲームの大会に、ユーザが参加することができる。各ユーザは、定期的又は不定期で開催される様々な公式大会に参加して、全国(又は全世界)のユーザと、ネットワークNを介してリアルタイム対戦が可能である。様々な大会は、例えば、一定期間(例えば、1週間や3日間など)開催される。各ユーザは、各大会の開催期間中に、1以上の対戦ゲームに参加できる。大会の種類によっては、大会期間中に行うことができる対戦数の上限が定められている大会もあれば、大会期間中に上限なく何度でも対戦を行うことができる大会もある。また、例えば、大会期間中に各ユーザが実行すべき対戦数が指定されている大会があってもよい。
【0039】
ユーザが開催中の大会に参加して対戦ゲームを行うと、対戦結果に応じて報酬(例えば、ゲーム内で使用できるポイントやアイテム等)及び大会ポイントが付与される。オンライン大会モードの様々な大会に参加したユーザは、「通算の大会ポイント」、「週間の大会ポイント」、「各大会で獲得した大会ポイント」をそれぞれ保持する。大会ポイントは、試合結果によって減ることはなく、対戦ゲームを実行すればするほど増加する。また、各大会の終了後は、大会期間中に各ユーザが獲得した大会ポイントに応じたランキングが大会毎に発表される。また、各大会での順位に応じた報酬(例えば、ゲーム内で使用できるポイントやアイテム等)もユーザに付与される。また、通算の大会ポイントが一定以上になることで、報酬を獲得できる。オンライン大会モードの主なゲームサイクルは、「大会に参加→対戦→報酬を獲得→大会終了→ランキング発表→順位に応じた報酬を獲得→次大会に参加」である。オンライン大会モードでは様々な大会が定期的又は不定期で開催されているので、ユーザは興味のある大会にエントリーして報酬を入手したり、全国(又は全世界)のユーザとのリアルタイム対戦を楽しむことができる。
【0040】
オンライン大会モードにおいて開催される対戦ゲームの大会の一例を次に説明する。大会には、「レギューラー杯」、「ビギナー杯」、「マスター杯」、「リアルスピード杯」、「選手ランダム杯」、「チームランダム杯」等がある。それぞれの大会は、大会ルール、参加条件、大会開催期間、対戦で使用可能な選手キャラクタ等が相違する種類の違う大会である。これはあくまで一例であり、オンライン大会モードでその他の大会が開催されてもよい。
【0041】
図4は、サーバ30において管理されている大会情報テーブルTBL1の一例を示す。大会情報テーブルTBL1は、オンライン大会モードで開催される各大会を管理するためのデータテーブルである。大会情報テーブルTBL1は、「大会ID」、「大会名」、「開始時間」、「終了時間」、「参加条件」、「大会ルール」等のフィールドを含む。「大会ID」フィールドは、オンライン大会モードにおいて開催される各大会を一意に識別するための識別情報を示す。「大会名」フィールドは、大会の名前を示す。例えば「選手ランダム杯」について、開催期間が異なる「選手ランダム杯 第1回」、「選手ランダム杯 第2回」、・・・「選手ランダム杯 第n回」には、それぞれ異なる大会IDが付与されて個別に管理される。
【0042】
また、大会情報テーブルTBL1の「開始時間」フィールドは、大会の開始時間を示す。「終了時間」フィールドは、大会の終了時間を示す。「参加条件」フィールドは、大会に参加するための条件を示す。大会によって、参加条件が設定されている大会もあれば、参加条件が設定されていない(すなわち、誰でも参加可能である)大会もある。本実施形態の例では、各ユーザのユーザIDに関連付けられているマッチングレートMRに基づいた参加条件が設定されている。ここで、マッチングレートMRは、ユーザのゲームレベルの高さを示す指標である。例えば、ユーザが何れかの大会に参加して対戦を実行した結果、自分より高い(又は同程度)のマッチングレートのユーザに勝利した場合、ユーザのマッチングレートMRは向上する。一方、ユーザが自分より低い(又は同程度)のマッチングレートのユーザに負けた場合、ユーザのマッチングレートMRは低下する。なお、ユーザが自分より所定値以上高いマッチングレートのユーザに負けたり、所定値以上低いマッチングレートのユーザに勝ったりしても、ユーザのマッチングレートMRは変動しないようにしてもよい。大会の参加条件については、マッチングレートMR以外の条件を適用してもよい。例えば、ユーザが所有している選手キャラクタのレベル、対戦の通算勝利数、対戦の通算勝率等を大会の参加条件としてもよい。
【0043】
「大会ルール」フィールドは、大会で行われる試合のルールを示す。「大会ルール」フィールドには、例えば、イニング数、延長の有無、延長時の最長イニング数、球速レベル、操作の難易度(打撃操作、投球操作、守備操作、走塁操作のそれぞれの難易度)等についての設定情報を含めることができる。大会情報テーブルTBL1には、その他の情報フィールドも設けられている。例えば、大会に参加することにより得られる報酬、対戦に勝利した場合の報酬、ランキングの順位に応じた報酬などを示す報酬フィールドが設けられている。
【0044】
例えば、「レギューラー杯」という大会は、誰もが参加でき、球速レベルや操作の難易度の設定が標準的なレベルに設定されている大会とすることができる。例えば、「レギューラー杯」は、月曜日から日曜日の1週間の開催期間で、毎週、定期開催される。
【0045】
また、例えば、「ビギナー杯」という大会は、まだゲームの操作に慣れていないユーザ向けの大会である。「ビギナー杯」では、例えばマッチングレートMRは50未満に設定され、球速レベルや操作の難易度の設定も標準レベルよりも低い設定になっている。また、例えば、「マスター杯」という大会は、ゲームの操作に慣れたユーザ向けの大会である。「マスター杯」では、例えばマッチングレートMRは50以上に設定され、球速レベルや操作の難易度の設定は、標準レベル又は標準レベルより高い設定になっている。また、例えば、「リアルスピード杯」は、球速レベルが最高レベルのリアルスピードに設定されている大会とすることができる。
【0046】
上記の「レギューラー杯」、「ビギナー杯」、「マスター杯」及び「リアルスピード杯」の場合、何れの大会に参加するユーザも、対戦で使用するチーム及び選手キャラクタを、ユーザ自身が決定することができる。例えば、ユーザは、複数のチーム(本実施形態では日本のプロ野球12球団に対応する複数のチーム)の中から好きなチームを自由に選んで対戦することができる、また、ユーザは、例えば、自分が所有している選手キャラクタの中から、チームを構成する選手キャラクタを自由に選択して、自分のチームを編成することができる。
【0047】
一方、「選手ランダム杯」は、対戦毎に、ユーザが対戦で使用することができる1チーム分全員の選手キャラクタがランダムで割り当てられるという、「レギューラー杯」等の前述の大会とは相違する特別な大会である。また、「チームランダム杯」は、対戦毎に、ユーザが対戦で使用するチーム(デフォルトの複数の選手キャラクタで構成されるチーム)がランダムに割り当てられるという、「レギューラー杯」等の前述の大会とは相違する特別な大会である。以下に、通信対戦モードの概要説明と、主に「選手ランダム杯」及び「チームランダム杯」についてのゲーム説明を行う。
【0048】
図5のゲーム画面G100は、ユーザによって通信対戦モードが選択された場合のゲーム画面の一例を示す。ゲーム画面G100は、パーツP101~P109を含む。パーツP101は、「オンライン大会モード」を選択するためのパーツである。パーツP102は、「フリー対戦モード」を選択するためのパーツである。パーツP103は、ユーザの通算ランキングを確認するための画面に遷移するためのパーツである。パーツP104は、チーム編成を設定する画面に遷移するためのパーツである。ユーザは、通信対戦モードで対戦するためのチーム編成を、対戦前に予め設定しておくことができる。但し、このパーツP104を選択して行うことができるチーム編成は、「選手ランダム杯」及び「チームランダム杯」以外の対戦ゲームでのみ有効となっている。すなわち、「選手ランダム杯」及び「チームランダム杯」では、ユーザが対戦で使用するチーム及び選手キャラクタを、ユーザ自身が決定することができないので、パーツP104を選択して予め設定しておいたチーム編成は使用できない。
【0049】
パーツP105は、対戦履歴又は大会への参加履歴を確認できる画面へ遷移するためのパーツである。パーツP106は、通信対戦モードで得られた通算報酬を確認できる画面へ遷移するためのパーツである。パーツP107は、ユーザのプロフィールを設定及び変更できる画面へ遷移するためのパーツである。ユーザが設定できるプロフィールには、例えば、ニックネーム及びユーザのお気に入りチーム(例えば、日本プロ野球12球団の何れか)の設定がある。
【0050】
パーツP108は、ユーザ設定画面へ遷移するためのパーツである。ユーザ設定画面では、例えば、球速レベル等の設定を行うことができる。また、ユーザ設定画面では、対戦ゲームでユーザが使用するチームの設定(ペットマーク、チームアイコン、ユニフォーム、ホーム球場、応援曲等)を行うことができる。なお、このユーザ設定画面でユーザが予め独自に設定していたチーム設定は、「選手ランダム杯」及び「チームランダム杯」以外の対戦ゲームでのみ適用され、「選手ランダム杯」及び「チームランダム杯」では適用されない。パーツP109は、通信対戦モードで行われた全対戦を対象とした12球団勝敗表を確認できる画面へ遷移するためのパーツである。例えば、図18に例示する12球団勝敗表と類似する画面へ遷移する。
【0051】
ゲーム画面G100において、ユーザがパーツP101を選択する操作(操作部16による操作)を行うと、図6に示す大会選択画面G200に遷移する。大会選択画面G200は、オンライン大会モードの各種大会を選択するための画面の一例である。大会選択画面G100は、パーツP201~P205を含む。パーツP201は、大会の情報を示すパーツである。このパーツP201は、大会選択画面G200に表示されていないものも含めて、ユーザが選択可能な大会の数だけ存在する。パーツP202又はパーツP203を選択する操作により、様々な大会の情報を示すパーツP201を切り替えて大会選択画面G200に表示することができる。大会選択画面G200に表示されているパーツP201の大会が、現在、選択されている大会である。パーツP204は、ドットの数で大会一覧数を表すユーザインタフェースである。選択されている大会の部分のドットの色が変更される。パーツP205は、選択されている大会について、現在対戦中のユーザ数を示すパーツである。
【0052】
パーツP201には、その大会が開催されているのかどうかの情報(例えば、「開催中」、「終了」、「開催前」の何れか)が表示される。また、パーツP201には、大会名、開催期間、大会に参加している総ユーザー数、大会ルール、大会でもらえる報酬等が表示される。また、ユーザが大会に参加した後は、その大会でのユーザの順位も表示される。なお、パーツP201には、大会の参加条件を表示してもよい。また、参加条件が設定されている大会にのみ、参加条件を表示してもよい。
【0053】
図6の例では、大会選択画面G200において、開催中の「選手ランダム杯」が選択されている。この大会選択画面G200で、ユーザが決定の操作を行うことにより、「選手ランダム杯」の選択が決定され、図7のメッセージ画面G300に遷移する。メッセージ画面G300は、「選手ランダム杯」を選択したユーザに対して、大会への参加意思を確認するための画面の一例である。メッセージ画面G300は、パーツP301~P303を含む。パーツP301には、「この大会は、試合毎にランダムで選出された選手を使って試合を行う大会です。」という大会の概要説明が表示される。また、パーツP301には、「大会に参加しますか?」という大会への参加意思を確認するためのメッセージが表示される。パーツP302は、ユーザが大会への参加を選択するためのパーツであり、「はい」の文字が表示されている。パーツP303は、ユーザが大会へ参加しないことを選択するためのパーツであり、「いいえ」の文字が表示されている。
【0054】
図7のメッセージ画面G300では、選手ランダム杯がランダムで選出された選手キャラクタを使って試合を行うという、通常の大会(チームや選手キャラクタをユーザが好きに選べる大会)とは異なる大会であるため、その旨をユーザに報知して、大会への参加意思の最終確認をしている。このメッセージ画面G300は、省略することもできるし、選手ランダム杯を初めて選択したユーザに対してだけ表示するようにしてもよい。例えば、選手ランダム杯に既に参加しているユーザに対しては、メッセージ画面G300は表示されないようにしてもよい。
【0055】
メッセージ画面G300において、ユーザがパーツP303の「いいえ」を選択する操作をした場合、図6の大会選択画面G200へ遷移する。一方、ユーザがパーツP302の「はい」を選択する操作をした場合、図8の選手ランダム杯のメニュー画面G400へ遷移する。なお、メッセージ画面G300を省略する場合、図6の大会選択画面G200で「選手ランダム杯」がユーザに選択された場合、図8の選手ランダム杯のメニュー画面G400へ遷移する。
【0056】
選手ランダム杯のメニュー画面G400は、パーツP401~P406を含む。パーツP401は、選手ランダム杯に関する情報を表示するパーツである。パーツP401には、選手ランダム杯が開催されているのかどうかの情報(例えば、「開催中」、「終了」、「開催前」の何れか)が表示される。また、パーツP401には、大会名(例えば、選手ランダム杯 第n回)、開催期間、選手ランダム杯に参加している総ユーザー数、選手ランダム杯でのユーザの順位、選手ランダム杯での成績(例えば、勝利数、敗戦数、引き分け数等)、選手ランダム杯で獲得した大会ポイント等が表示される。
【0057】
パーツP402は、選手ランダム杯で現在対戦中のユーザ数を示すパーツである。パーツP403は、選手ランダム杯の対戦ゲームを開始するためのパーツである。選手ランダム杯が開催準備中又は終了中の場合、パーツP403が非活性となり選択できないようになっている。パーツP404は、ユーザが選手ランダム杯で獲得した報酬を確認するためのパーツである。パーツP405は、ユーザが選手ランダム杯でのランキングを確認するためのパーツである。パーツP406は、選手キャラクタの画像を表示するパーツである。
【0058】
ユーザがパーツP403の「試合開始」を選択する操作を行えば、対戦ゲームへの参加が受け付けられて、図示しない待機画面に遷移し、対戦相手を決定するマッチング処理が行われる。マッチング処理の一例としては、各ユーザのユーザIDに関連付けられたマッチングレートMRが所定範囲内のユーザ同士を、対戦相手としてマッチングする。マッチングに成功すると、例えば図示しないマッチング成功画面が表示される。
【0059】
そして、マッチングに成功した場合、互いに対戦相手となる各ユーザが使用可能な所定数の選手キャラクタが、選手ランダム杯の対戦で使用可能な全ての選手キャラクタの中から、同一の選出条件に基づいてランダムに選出される。後述のように選出条件については、例えば、選手キャラクタに関連付けられているポジション情報や能力情報等のパラメータに関する条件とすることができる。本実施の形態では、それぞれのユーザに29名の選手キャラクタがランダムに選出されるが、選出される選手キャラクタの数はこれに限定されない。
【0060】
選手ランダム杯の対戦ゲームで使用可能な選手キャラクタとしては、ゲームシステム1が提供するゲーム内で扱う全てのキャラクタとしてもよいし、そのうちの一部のキャラクタとしてもよい。ここでは、日本のプロ野球12球団に支配下登録されている実在の野球選手を模した選手キャラクタを、選手ランダム杯の対戦ゲームで使用可能な選手キャラクタとする一例を示す。すなわち、この例では、選手ランダム杯及びチームランダム杯以外の対戦ゲームや他のゲームモードでは使用可能な一部のキャラクタ(例えば、現役を退いた野球選手を模した選手キャラクタ、各ユーザが独自に育成して作成したオリジナル選手キャラクタ等)を、選手ランダム杯の対戦ゲームで使用可能なキャラクタから外す。
【0061】
図9は、キャラクタ情報テーブルTBL2の一例を示す。キャラクタ情報テーブルTBL2は、ゲームシステム1が提供するゲーム内で扱う全てのキャラクタを管理するためのデータである。キャラクタ情報テーブルTBL2は、サーバ30及びゲーム端末10のそれぞれの記憶装置(例えば、RAM13、補助記憶装置14、RAM33、補助記憶装置34、データベースDB等)に記憶されて管理されている。サーバ30及びゲーム端末10のキャラクタ情報テーブルTBL2は、基本的に同じものであり、例えば、サーバ30においてゲーム運営側がキャラクタ情報テーブルTBL2を変更した場合、変更した情報がネットワークNを介してサーバ30からゲーム端末10へ配信される。キャラクタ情報テーブルTBL2は、「キャラクタID」フィールド、「名前」フィールド、「チームID」フィールド、「ポジション情報」、「能力情報」等を含む。
【0062】
「キャラクタID」フィールドは、選手キャラクタを一意に識別するための識別情報を示す。「名前」フィールドは、選手キャラクタの名前を示す。本実施の形態では、実在の野球選手を模した選手キャラクタには、当該実在の野球選手の名前が設定される。
【0063】
「チームID」フィールドは、選手キャラクタが所属するチーム(球団)を一意に識別するための識別情報を示す。選手キャラクタが所属するチームは、図10に例示するチーム情報テーブルTBL3によって管理されている。チーム情報テーブルTBL3は、ゲームシステム1が提供するゲーム内で扱う全てのチーム(選手キャラクタが所属する球団)を管理するためのデータである。チーム情報テーブルTBL3は、サーバ30及びゲーム端末10のそれぞれの記憶装置(例えば、RAM13、補助記憶装置14、RAM33、補助記憶装置34又はデータベースDB等)に記憶されて管理されている。サーバ30及びゲーム端末10のチーム情報テーブルTBL3は、基本的に同じものであり、例えば、サーバ30においてゲーム運営側がチーム情報テーブルTBL3を変更した場合、変更した情報がネットワークNを介してサーバ30からゲーム端末10へ配信される。
【0064】
チーム情報テーブルTBL3は、「チームID」フィールド、「球団名」フィールド、「出場選手登録」フィールド等を含む。「球団名」フィールドは、選手キャラクタが所属する球団名を示す。すなわち、選手キャラクタには、キャラクタID及びチームIDを介して、所属する球団名が関連付けられている。本実施の形態では、実在の野球選手を模した選手キャラクタに関連付けられる球団名には、当該実在の野球選手が現実に所属している球団名が設定される。「出場選手登録」フィールドについては後述する。なお、チーム情報テーブルTBL3には、以上に説明したフィールド以外のフィールド、例えば、ホーム球場に関するフィルドを含めてもよい。
【0065】
図9の「ポジション情報」は、選手キャラクタのポジションに関するパラメータを示す。「ポジション情報」には、選手キャラクタに設定されている主なポジションを示す「メインポジション」フィールドが含まれる。各選手キャラクタには、野球の守備位置である「投手」、「捕手」、「一塁手」、「二塁手」、「三塁手」、「遊撃手」、「中堅手」、「右翼手」、「左翼手」の何れかのポジションが、メインポジションとして設定されている。
【0066】
また、「ポジション情報」には、選手キャラクタに設定されている「ポジション適性情報」が含まれる。「ポジション適性情報」には、投手キャラクタに対するポジション適性の情報である、「先発適性」、「中継適性」及び「抑え適性」のフィールドを含む。「先発適性」フィールドは先発投手としての適性、「中継適性」フィールドは中継投手としての適性、「抑え適性」フィールドは抑え投手としての適性についての評価をそれぞれ示す。本実施の形態では、ポジション適性の評価を、高い方から順に、「◎」、「○」、「-(適正なし又は無評価)」の3段階で示している。これに限らず、適性の評価を、数値、A・B・C…等のアルファベット、その他の記号等で表してもよい。
【0067】
「ポジション適性情報」には、野手キャラクタに対するポジション適性の情報も含まれる。野手キャラクタの場合、メインポジションのポジション適性、及びメインポジション以外にも守ることができるサブのポジションのポジション適性が設定されている。
【0068】
「能力情報」には、「総合能力」フィールドが含まれる。この「総合能力」フィールドは、選手キャラクタの総合的な能力の高さを示す能力パラメータである。総合能力は、数値の他、A・B・C…等のアルファベット、記号等で表してもよい。
【0069】
「能力情報」には、総合能力以外の能力パラメータも含まれる。例えば、投手の選手キャラクタに関しては、投手の個別能力の高さを示すパラメータ(球速パラメータ、制球パラメータ、スタミナパラメータ等)や、投手に関する特殊能力の有無を示すパラメータが「能力情報」に含まれる。また、野手の選手キャラクタに関しては、野手の個別能力の高さを示すパラメータ(守備力パラメータ、弾道パラメータ、ミートパラメータ、パワーパラメータ、走力パラメータ等)や、野手に関する特殊能力の有無を示すパラメータが「能力情報」に含まれる。前記総合能力は、例えば、選手キャラクタに設定されている複数の個別能力の能力値の合計(又は平均等)とすることができる。
【0070】
図9では省略されているが、以上に説明したフィールド以外のフィールドも、キャラクタ情報テーブルTBL2に含まれる。例えば、選手キャラクタの「ランク」、「コスト」、「レベル」、「希少度」等のパラメータもキャラクタ情報テーブルTBL2に含まれる。また、例えば、選手キャラクタの利腕やフォーム(打撃又は投球フォーム)、投手が投球可能な複数の球種、球種に関するパラメータ(球威、変化量等を評価したパラメータ)、打者の投球コースに対する得意/不得意の情報、投手との相性の情報等のパラメータもキャラクタ情報テーブルTBL2に含まれる。また、選手キャラクタの画像及び動画用データ(二次元又は三次元)もキャラクタ情報テーブルTBL2に含まれる。また、キャラクタ情報テーブルTBL2には、キャラクタの種別を示す情報を含めても良い。例えば、実在の現役選手に対応した選手キャラクタ、実在の現役を引退した選手に対応した選手キャラクタ、ユーザが作成したオリジナル選手キャラクタ、その他のキャラクタ等を識別するためのフラグ等の情報を、キャラクタ情報テーブルTBL2に含めてもよい。以上説明したキャラクタ情報テーブルTBL2に含まれる各種パラメータは、キャラクタ毎に(キャラクタID毎に)そのキャラクタに応じたパラメータが設定されている。
【0071】
そして、選手ランダム杯の対戦ゲームでは、互いに対戦相手となる各ユーザが使用可能な29名の選手キャラクタが、選手ランダム杯の対戦で使用可能な全ての選手キャラクタ(使用対象の一例)の中から、選手キャラクタのパラメータ(ポジション情報や能力情報等)に関する同一の選出条件に基づいて、ランダムに選出される。選出される29名の選手キャラクタの内訳は、例えば、投手(先発):4名、投手(中継ぎ):3名、投手(セットアッパー):2名、投手(抑え):2名、捕手:2名、一塁手:2名、二塁手:2名、三塁手:2名、遊撃手:2名、中堅手:2名、右翼手:2名、左翼手:2名、ポジションランダム:2名である。ここで、ポジションランダムの2名は、どのポジションからもランダムで選出され得る。
【0072】
図11に投手の選手キャラクタのポジションごとの選出条件の一例、図12に野手の選手キャラクタのポジションごとの選出条件の一例をそれぞれ示す。図11及び図12では、各ポジションにおける選出対象の個々の選手キャラクタを、候補1~候補4、ポジションランダム枠として区別している。図11及び図12の例では、選出対象の個々の選手キャラクタに対して、選出条件が設定されている。選出条件には、ポジション情報(役割情報の一例)及び能力情報のパラメータに関する条件が含まれる。図11及び図12の例では、選出対象の個々の選手キャラクタに設定されている複数の条件は、AND条件である。
【0073】
図11に示すように、投手(先発)については、候補1~候補4の4名は必ず選出され、ポジションランダム枠の1名を含めると、最大で5名の選手キャラクタが選出される可能性がある。例えば、投手(先発)の候補1の選出条件は、「メインポジション投手」且つ「先発適性◎」且つ「総合能力の値が300以上」である。また、例えば、投手(先発)の候補2及び候補3の選出条件は、それぞれ「メインポジション投手」且つ「先発適性◎」且つ「総合能力の値が200~299」である。このように、2以上の選出対象に同じ選出条件が設定されてもよい。また、例えば、投手(先発)の候補4の選出条件は、「メインポジション投手」且つ「先発適性○以上」且つ「総合能力の値が199以下」である。ここで、「適性○以上」とは、「適性○」又は「適性◎」のことである(以下、同様)。また、例えば、投手(先発)のポジションランダム枠の選出条件は、「メインポジション投手」且つ「先発適性○以上」且つ「総合能力の値が150~350」である。
【0074】
投手(中継ぎ)については、候補1~候補3の3名は必ず選出され、ポジションランダム枠の1名を含めると、最大で4名の選手キャラクタが選出される可能性がある。例えば、投手(中継ぎ)の候補1の選出条件は、「メインポジション投手」且つ「中継適性◎」且つ「総合能力の値が300以上」である。また、例えば、投手(中継ぎ)の候補2の選出条件は、「メインポジション投手」且つ「中継適性◎」且つ「総合能力の値が200~299」である。また、例えば、投手(中継ぎ)の候補3の選出条件は、「メインポジション投手」且つ「中継適性○以上」且つ「総合能力の値が199以下」である。また、例えば、投手(中継ぎ)のポジションランダム枠の選出条件は、「メインポジション投手」且つ「中継適性○以上」且つ「総合能力の値が150~350」である。
【0075】
投手(セットアッパー)については、候補1及び候補2の2名は必ず選出され、ポジションランダム枠の1名を含めると、最大で3名の選手キャラクタが選出される可能性がある。例えば、投手(セットアッパー)の候補1の選出条件は、「メインポジション投手」且つ「中継適性◎」且つ「抑え適性○以上」且つ「総合能力の値が300以上」である。投手(セットアッパー)の場合、中継適性と抑え適性の両方が考慮された選出条件となっている。例えば、投手(セットアッパー)の候補2の選出条件は、「メインポジション投手」且つ「中継適性◎」且つ「抑え適性○以上」且つ「総合能力の値が200~299」である。また、例えば、投手(セットアッパー)のポジションランダム枠の選出条件は、「メインポジション投手」且つ「中継適性◎」且つ「抑え適性○以上」且つ「総合能力の値が150~350」である。
【0076】
投手(抑え)については、候補1及び候補2の2名は必ず選出され、ポジションランダム枠の1名を含めると、最大で3名の選手キャラクタが選出される可能性がある。ここでは説明を省略するが、投手(先発)等と同様に、投手(抑え)の候補1、候補2及びポジションランダム枠について、それぞれ選出条件が設定されている。
【0077】
図12に示すように、野手キャラクタについては、どのポジションも、候補1及び候補2の2名は必ず選出され、ポジションランダム枠の1名を含めると、最大で3名の選手キャラクタが選出される可能性がある。例えば、捕手の候補1の選出条件は、「メインポジション捕手」且つ「総合能力の値が300以上」である。同様に、野手キャラクタのその他のポジションについても、例えば、候補1の選出条件は、「メインポジションが対象ポジション」且つ「総合能力の値が300以上」である。また、例えば、捕手の候補2の選出条件は、「メインポジション捕手」且つ「総合能力の値が200~299」である。同様に、野手キャラクタのその他のポジションについても、例えば、候補2の選出条件は、「メインポジションが対象ポジション」且つ「総合能力の値が200~299」である。また、例えば、捕手のポジションランダム枠の選出条件は、「メインポジション捕手」且つ「総合能力の値が150~350」である。同様に、野手キャラクタのその他のポジションについても、例えば、ポジションランダム枠の選出条件は、「メインポジションが対象ポジション」且つ「総合能力の値が150~350」である。
【0078】
本実施の形態では、ユーザに割り当てられる29名の選手キャラクタの中に、同じ選手キャラクタが重複して選出されないようにする。なお、バリエーションとしては、ユーザに割り当てられる所定数の選手キャラクタ中に、同じ選手キャラクタが重複して選出され得るようにしてもよい。
【0079】
例えば、ポジションランダム枠以外の、各ポジションの各候補は、基本的には、候補1から順にランダム選出すればよいが、どのポジションのどの候補からランダム選出してもよい。あるいは、並列処理により、略同時に、複数の候補のランダム選出や、複数のポジションのランダム選出を行ってもよい。
【0080】
同じ選手キャラクタが重複して選出されないようにする場合は、既に選出されている選手は、ランダム選出の対象外にする必要がある。例えば、図11に示す投手(先発)の候補2と候補3のように、同じ選出条件が設定されている場合、当該選出条件を満たす母集団の中から重複しないように2名の選手キャラクタをランダム選出する。例えば、最初に候補2の選手キャラクタをランダム選出し、その後、選出された選手キャラクタを対象外として候補3の選手キャラクタをランダム選出する。なお、同じ選出条件が設定されている候補2と候補3の選出の順番はどちらが先でもよい。
【0081】
ポジションランダム枠の2名の選手キャラクタの選出については、例えば、先ず、どのポジションから選出するのかを決定するために、全てのポジション(ここでは、投手4+野手8の12ポジション)を対象としてランダムに2つのポジションを決定する。ここでランダムに決定される2つのポジションは、重複可能としてもよいし、重複を禁止してもよい。そして、決定されたポジションのポジションランダム枠に設定された選出条件に基づいて、当該ポジションの選手キャラクタをランダム選出する。ユーザに割り当てられる29名の選手キャラクタの中に、同じ選手キャラクタが重複して選出されないようにする場合、例えば、先ず、ポジションランダム枠以外の27名の選手キャラクタのランダム選出を実行し、その後、既に選出された選手キャラクタを選出対象外として、ポジションランダム枠の2名のランダム選出を行えばよい。あるいは、例えば、先にポジションランダム枠の2名のランダム選出を実行してから、ポジションランダム枠以外の27名の選手キャラクタのランダム選出を実行してもよい。バリエーションとしては、ポジションランダム枠については、何も選出条件が定められていなくてもよい。ここで、何も選出条件が定められていないということは、例えば、選手ランダム杯の対戦で使用可能な全ての選手キャラクタを選出対象として、ランダム選出が行われるということである。つまり、チーム内の特定の数(例えば27名)の選手キャラクタのランダム選出については、選出条件が定められているが、残り分(例えば、2名)の選手キャラクタのランダム選出については、選出条件を設けずにランダムに選手キャラクタが選出されるようにしてもよい。
【0082】
また、本実施の形態では、対戦する2人のユーザに、それぞれ29名の選手キャラクタが割り当てられるので、合計で58名の選手キャラクタが選出されるが、当該58名の選手キャラクタの中に、同じ選手キャラクタが重複して選出されないようにする。すなわち、対戦する2人のうちの一方のユーザに割り当てられた選手キャラクタと同じ選手キャラクタは、他方のユーザには選出されないようにする。なお、バリエーションとしては、対戦する2人のうちの一方のユーザに割り当てられた選手キャラクタと同じ選手キャラクタが、他方のユーザにも選出され得るようにしてもよい。
【0083】
対戦する2人のうちの一方のユーザに割り当てられた選手キャラクタと同じ選手キャラクタが、他方のユーザには選出されないようにする場合、例えば、一方のユーザに対して選手キャラクタのランダム選出を実行し、当該選出された選手キャラクタを選出対象外として他方のユーザに対して選手キャラクタのランダム選出を実行すればよい。具体例を挙げると、対戦する2人のユーザに、それぞれ「投手(先発)の候補1」の選手キャラクタを割り当てる場合、「投手(先発)の候補1」の選出条件を満たす母集団の中から、一方のユーザに割り当てる選手キャラクタをランダムに選出し、その後、選出された選手キャラクタを選出対象外として、他方のユーザに割り当てる選手キャラクタをランダムに選出する。この場合、対戦する2人のうち、どちらのユーザに対して先にランダム選出の処理が実行されても、選出条件を満たす母集団に含まれる何れの選手キャラクタの選出確率は2人とも同一である。よって、対戦する2人に対するランダム選出の処理の順序に依らず、ユーザが対戦に使用する選手キャラクタは、何れのユーザに対しても「同じ母集団」からランダムに割り当てられたものと言える。なお、例えば、対戦する2人に対するランダム選出の処理の順序を、ランダムな抽選により決定してもよいし、そのような抽選をすることなく、処理の順序を決定してもよい。
【0084】
なお、選手ランダム杯及びチームランダム杯以外の大会では、ユーザが使用したい選手キャラクタを自分で選べるため、能力パラメータの高い選手キャラクタを連続して使用する傾向にある。そこで、選手ランダム杯及びチームランダム杯以外の大会では、能力パラメータの高い選手キャラクタを連続で使用させないために、先発ローテーションの制限(先発で使用した選手キャラクタは次の対戦では連続して使用できない)等の制限が設けられている。これに対して、選手ランダム杯及びチームランダム杯では、ユーザが使用できる選手キャラクタやチームがランダムに割り当てられるので、前記先発ローテーションの制限等はない。
【0085】
ところで、予め設定されている選出条件を満たす選手キャラクタが存在しないため、あるいは前記選出条件を満たす選手キャラクタが選出すべき数よりも少ないため、前記選出条件では選出される選手キャラクタが不足する場合も考えられる。この場合、不足する分の選手キャラクタの数だけを対象として、予め設定されている選出条件を変更することが好ましい。
【0086】
選出条件の変更方法は、例えば、能力パラメータの範囲を拡大する方法がある。この場合、能力パラメータの範囲は、能力の低い方に拡大しても、高い方に拡大しても、両方向に拡大してもよい。選出条件を変更する他の方法は、例えば、能力パラメータの範囲をシフトする方法がある。この場合、能力パラメータの範囲は、能力の低い方にシフトしても、高い方にシフトしてもよい。選出条件を変更する他の方法は、例えば、総合能力に代えて個別能力のパラメータを使用した条件に変更する方法がある。選出条件を変更する他の方法は、例えば、ポジションの条件を変更する方法がある。選出条件を変更する他の方法は、例えば、条件に使用するパラメータの種類を変更する方法がある。例えば、ポジションパラメータ及び能力パラメータに関する選出条件に代えて、他の種類のパラメータ(例えば、選手キャラクタのランク、レベル、コスト、希少度等)を適用してもよい。これらは一例であり、予め設定された選出条件では選出される選手キャラクタが不足する場合は、どのように選出条件を変更してもよい。また、例えば、変更後の選出条件でも選出される選手キャラクタが不足する場合は、不足が解消されるまで、選出条件の変更を繰り返してもよい。
【0087】
図11及び図12に示した選出条件はあくまで一例であり、これに限定されない。例えば、上記の例では、2名分のポジションランダム枠を設けているが、1名又は3名以上にしてもよいし、ポジションランダム枠をなくしてもよい。また、例えば、上記の例では、選手キャラクタの全てのポジションについて、候補1の能力パラメータの条件を同一としたが、ポジションの一部又は全部について、能力パラメータの条件を異ならせてもよい。候補2及びポジションランダム枠についても同様である。また、上記の例では、能力パラメータの条件として、選手キャラクタの総合能力の値を用いているが、他の能力パラメータ、例えば、個別能力のパラメータや、特殊能力の有無等のパラメータを用いてもよい。
【0088】
また、選出条件としては、例えば、能力パラメータ及びポジションパラメータ以外のパラメータの条件を適用してもよい。あるいは、様々な種類のパラメータを組み合わせた選出条件を設定してもよい。また、上記の例では、選出条件に複数の条件が含まれる場合、AND条件としているが、OR条件としてもよいし、AND条件とOR条件を組み合わせてもよい。あるいは、NOT条件を適用したり、NOT条件をAND条件やOR条件と組み合わせてもよい。
【0089】
図13は、各ユーザにランダムに割り当てられる選手キャラクタの選出条件の他の一例を示す説明図である。図13では、選出条件の設定を図11の場合よりも簡素化するため、投手に対する先発、中継ぎ、セットアッパー及び抑えの細分化されたポジション分類をしていない。図13では、投手というひとまとめのポジションに対して、所定数(例えば12名)の選手キャラクタを選出するための選出条件を設定する例を示している。例えば、投手の候補1及び候補2に対しては、「メインポジション投手」且つ「総合能力350以上」の選出条件が設定される。また、例えば、投手の候補3~6に対しては、「メインポジション投手」且つ「総合能力の値が300~349」の選出条件が設定される。また、例えば、投手の候補7~9に対しては、「メインポジション投手」且つ「総合能力の値が200~299」の選出条件が設定される。また、例えば、投手の候補10~12に対しては、「メインポジション投手」且つ「総合能力の値が199以下」の選出条件が設定される。
【0090】
また、図13では、捕手を除く内野手というひとまとめのポジションに対して、所定数(例えば9名)の選手キャラクタを選出するための選出条件を設定する例を示している。例えば、内野手の候補1及び候補2に対しては、「メインポジション内野手」且つ「総合能力の値が350以上」の選出条件が設定される。ここで、「メインポジション内野手」の条件とは、メインポジションが「一塁手」、「二塁手」、「三塁手」又は「遊撃手」というOR条件である。同様に、例えば、内野手の候補3~6及び候補7~9に対しても、それぞれ「メインポジション内野手」の条件を含む選出条件が設定される。なお、図13の例では、捕手と捕手以外の内野手とを分けて選出条件を設定しているが、捕手も内野手に含めて選出条件を設定してもよい。
【0091】
また、図13では、外野手というひとまとめのポジションに対して、所定数(例えば6名)の選手キャラクタを選出するための選出条件を設定する例を示している。例えば、外野手の候補1及び候補2に対しては、「メインポジション外野手」且つ「総合能力の値が350以上」の選出条件が設定される。ここで、「メインポジション外野手」の条件とは、メインポジションが「中堅手」、「右翼手」又は「左翼手」というOR条件である。同様に、例えば、外野手の候補3~6に対しても、「メインポジション外野手」の条件を含む選出条件が設定される。
【0092】
図14は、各ユーザにランダムに割り当てられる選手キャラクタの選出条件の他の一例を示す説明図である。図14では、選出条件にポジションに関するパラメータを使用せず、能力に関するパラメータだけを使用して選出条件を設定する例を示している。図14では、例えば候補1~5に対しては、「総合能力の値が350以上」の選出条件が設定される。また、例えば候補6~10に対しては、「総合能力の値が300~349」の選出条件が設定される。また、例えば候補11~20に対しては、「総合能力の値が200~299」の選出条件が設定される。また、例えば候補21~29に対しては、「総合能力の値が199以下」の選出条件が設定される。
【0093】
図15は、各ユーザに割り当てられる選手キャラクタの選出条件の他の一例を示す説明図である。図15では、選出条件に能力に関するパラメータを使用せず、ポジションに関するパラメータだけを使用して選出条件を設定する例を示している。例えば、投手(先発)の候補1及び候補2に対して、「メインポジション投手」且つ「先発適性◎」の選出条件が設定される。例えば、投手(先発)の候補3及び候補4に対して、「メインポジション投手」且つ「先発適性○」の選出条件が設定される。例えば、投手(中継ぎ)の候補1~3に対して、「メインポジション投手」且つ「中継適性○以上」の選出条件が設定される。同様に、その他のポジションに対しても、ポジションに関するパラメータを使用した選出条件が設定される。
【0094】
あるいは、各ユーザにランダムに割り当てられる選手キャラクタの選出条件を、例えば、「選手ランダム杯の対戦で使用可能な全ての選手キャラクタ」としてもよい。ここでは、図11及び図12に例示する選出条件が適用されるものとして、説明を続ける。
【0095】
上記のように選出対象の個々の選手キャラクタに対して設定された選出条件に基づいて、選手ランダム杯の対戦で使用可能な全ての選手キャラクタの中から、29名の選手キャラクタがそれぞれランダムに選出されて、対戦する各ユーザに割り当てられる。これにより、マッチングされた2人のユーザは、それぞれランダムに選出された29名の選手キャラクタを自分のチームのメンバとして使用して対戦することになる。対戦する2人のユーザに割り当てられる各選手キャラクタは、選手ランダム杯の対戦で全ユーザが共通で使用可能な全ての選手キャラクタの中から、同一の選出条件に基づいてランダムに選出される。つまり、ユーザが対戦に使用できる選手キャラクタは、どのユーザに対しても「同じ母集団」からランダムに割り当てられたものである。
【0096】
図16は、選手ランダム杯の対戦ゲームにおけるユーザチームテーブルTBL12の一例を示す。図16のユーザチームテーブルTBL12は、ユーザIDが「U1」のユーザにランダムに割り当てられた1チーム分の選手キャラクタの情報を示す。ユーザIDには選手ランダム杯の「大会ID」及び「対戦ID」が関連付けられている。ユーザチームテーブルTBL12は、「シリアルナンバ」フィールド、「キャラクタID」フィールド、「チームID」フィールド等を含む。「キャラクタID」フィールドは、ユーザにランダムに割り当てられた選手キャラクタのキャラクタIDを示す。「チームID」フィールドは、選手キャラクタのキャラクタIDに関連付けられているチームIDを示す。選手ランダム杯では、各選手キャラクタに関連付けられるチームID(すなわち所属球団)は様々である。なお、ユーザチームテーブルTBL12には、後述するオーダー編成の情報を設定するためのフィールド等を含む。また、前記「シリアルナンバ」フィールドは省略してもよい。
【0097】
対戦する2人のユーザは、それぞれ割り当てられた選手キャラクタを画面で確認する。そして、各ユーザは、所定の制限時間内(例えば、300秒以内)に、29名の選手キャラクタからなるチームのオーダー編成を行う。このオーダー編成に関し、選手ランダム杯(及び後述のチームランダム杯)では、その他の大会(チームや選手キャラクタをユーザが好きに選べる大会)とは異なり、どの選手キャラクタが自分に割り当てられるかが分からない。よって、ユーザは、対戦ゲームで使用できる選手キャラクタが割り当てられてから、選手キャラクタの確認をする作業が必要になる。そこで、選手ランダム杯(及び後述のチームランダム杯)での対戦では、その他の大会での対戦又はフリー対戦で与えられるオーダー編成の制限時間(例えば、180秒)よりも長い制限時間が設定される。
【0098】
各ユーザが行うチームのオーダー編成には、投手オーダー編成及び野手オーダー編成がある。投手オーダー編成では、ユーザが自分に割り当てられた投手の選手キャラクタの中から、先発投手、中継ぎ投手、セットアッパー、抑え投手の役割決定を行う。野手オーダー編成では、ユーザは、自分に割り当てられた選手キャラクタの中から、先発メンバの8名の選手キャラクタを選ぶとともに、それぞれのポジションと打順を決定する。先発メンバに選ばれなかった選手キャラクタは、ベンチ入りの控え選手となり、試合途中の選手交代により使用できる。
【0099】
なお、選手ランダム杯では、ユーザに割り当てられる複数の選手キャラクタはランダムで選出されるため、各選手キャラクタに関連付けられた球団名は様々である。通常、選手キャラクタは、関連付けられた球団名に対応するユニフォームを着用するので、ユーザのチームを構成する複数の選手キャラクタのユニフォームが統一的でなくなる。そこで、ユーザのチームを構成する複数の選手キャラクタが着用する統一的なユニフォームを、複数の選択肢の中からユーザが選択できるようにしてもよい。例えば、日本のプロ野球12球団の何れかのユニフォームを、ユーザが選択できるようにする。ユニフォームの選択処理は、試合開始までの何れのタイミングで行ってもよい。なお、ユニフォームの選択処理は、省略してもよい。あるいは、ユーザが予めプロフィール設定画面で設定していたお気に入りチーム(例えば、日本プロ野球12球団の何れか)に対応するユニフォームが自動的に選択されるようにしてもよい。
【0100】
また、選手ランダム杯でユーザが使用するチームの設定については、例えば、ユーザのお気に入りチーム(プロ野球12球団の何れかの球団)の球団設定(ペットマーク、チームアイコン、ユニフォーム、ホーム球場、応援曲等)が適用されるようにしてもよい。
【0101】
選手ランダム杯での試合は、リアルタイムアクション通信対戦である。対戦する2人のユーザは、お互いに1チーム分全員がランダムに割り当てられた選手キャラクタを操作する。この対戦のゲーム動画は、例えば、動画配信機能を有するサーバ30又は動画配信サーバから配信される。
【0102】
ところで、現在では、eスポーツの普及等により、ゲームをプレイするだけでなくゲームの対戦を観戦することもゲームの楽しみ方の1つとなりつつある。多くの観戦者は、純粋にゲームプレイヤ同士の技量の競い合いを見たいのであって、例えば、課金するほど強い選手キャラクタやチームが手に入り、それにより対戦の結果が大きく左右されるようなものにはあまり面白みを感じられない。つまり、ゲームの観戦者を楽しませるという観点では、対戦する各ユーザのゲームプレイの条件を公平にすることが重要といえる。この点、選手ランダム杯の対戦ゲームでは、対戦する2人のユーザに対して同一の選出条件が適用され、各ユーザが対戦に使用できる選手キャラクタは、「同じ母集団」からランダムに割り当てられたものであるため、ゲームプレイの条件の公平が担保される。
【0103】
選手ランダム杯の所定の大会期間(例えば、3日間)に、各ユーザは複数の対戦ゲームに参加できる。大会期間中であれば各ユーザが何試合でも参加できるようにしてもよいし、大会期間中に行われる試合数が決まっている場合があってもよい。例えば、リーグ戦(所定回数の試合で総当たり)、トーナメント戦、又はそれらの組み合わせた試合形式を採用してもよい。次に説明するチームランダム杯でも同様である。
【0104】
次に、ユーザが対戦で使用するチーム(チームを構成する複数の選手キャラクタ)がランダムに割り当てられる「チームランダム杯」の対戦ゲームについて説明する。
【0105】
図6の大会選択画面G200において「チームランダム杯」を選択すると、例えば、「この大会では、試合毎にランダムで選出されたチームを使って試合を行う大会です。」という大会の概要説明が表示される。また、「大会に参加しますか?」という大会への参加意思を確認するためのメッセージが表示される。なお、大会の概要説明又は参加意思確認については省略してもよい。
【0106】
ユーザがチームランダム杯へ参加するための操作を行った場合、チームランダム杯のメニュー画面が表示される。チームランダム杯のメニュー画面は、図8の選手ランダム杯のメニュー画面G400と同様であるため、その説明は省略する。チームランダム杯のメニュー画面で「試合開始」を選択する操作を行えば、対戦ゲームへの参加が受け付けられて、図示しない待機画面に遷移し、対戦相手を決定するマッチング処理が行われる。例えば、各ユーザのマッチングレートMRに基づいたマッチング処理が行われる。マッチングに成功すると、例えば図示しないマッチング成功画面が表示される。
【0107】
そして、マッチングに成功した場合、互いに対戦相手となる各ユーザが使用可能なチーム(対戦ゲーム中にユーザによって使用される2以上のオブジェクトからなるグループの一例)が、チームランダム杯の対戦で使用可能な全てのチーム(使用対象の一例)の中から、同一の選出条件に基づいてランダムに選出される。
【0108】
本実施の形態の野球ゲームにおいて、チームランダム杯の対戦で使用可能な全てのチームとは、例えば、図10のチーム情報テーブルTBL3で管理されている12チームである。チーム情報テーブルTBL3の「球団名」フィールドは、日本のプロ野球12球団の何れかの球団名を示す。
【0109】
また、「出場選手登録」フィールドは、出場選手登録が行われている所定数(例えば29名)の選手キャラクタを示す。ここで、「出場選手登録」とは、スポーツ競技において選手が出場できるように登録されることをいう。なお、メジャーリーグでは、ロースター登録(Roster Registration)とも称される。本実施形態の野球ゲームでは、「出場選手登録」フィールドへの登録が行われた選手キャラクタは、チームランダム杯での対戦ゲームに使用可能なチームのメンバとなる。本実施の形態では、「出場選手登録」フィールドには、29名のキャラクタIDが登録されている。「出場選手登録」フィールドに登録される29名の選手キャラクタは、日本のプロ野球の各球団で出場選手登録が行われている29名の実在の選手に対応する選手キャラクタである。
【0110】
すなわち、本実施の形態のゲームでは、現実世界における実在のチーム(球団)とゲーム内のチームとが対応しており、且つ、当該実在のチームに出場選手登録されている29名の選手と、当該ゲーム内のチームに出場選手登録されている29名の選手キャラクタとが対応している。例えば、実在のチームに出場選手登録されている選手が変更になった場合、当該変更の内容に対応させて、ゲーム運営側は、チーム情報テーブルTBL3の「出場選手登録」フィールドに登録している選手キャラクタIDを変更する。なお、現実世界のプロ野球がオフシーズンのために出場選手登録が不明の場合、例えば、前シーズンでの出場選手登録を参考にして、ゲーム運営側が、デフォルトの29名の選手キャラクタのキャラクタIDを、チーム情報テーブルTBL3の「出場選手登録」フィールドに登録すればよい。
【0111】
チームランダム杯における前記選出条件は、例えば、「チームランダム杯の対戦で使用可能な全てのチーム」である。この場合、互いに対戦相手となる各ユーザには、チームランダム杯の対戦で使用可能な12チームの中から、ランダムに1つのチームが選出されて割り当てられる。ユーザは、対戦毎にランダムに自分に割り当てられチームを使用して、すなわち、当該チームに出場選手登録されている29名の選手キャラクタを使用して、チームランダム杯の対戦ゲームを行う。
【0112】
本実施の形態では、対戦する2人のユーザに割り当てられるチームが重複しないように、チームのランダム選出が行われる。バリエーションとしては、対戦する2人に対して、同じチームが重複して選出され得るようにしてもよい。
【0113】
図17は、チームランダム杯の対戦ゲームにおけるユーザチームテーブルTBL12の一例を示す。図17のユーザチームテーブルTBL12は、ユーザIDが「U1」のユーザに割り当てられた1チーム分の選手キャラクタの情報を示す。ユーザIDにはチームランダム杯の「大会ID」及び「対戦ID」が関連付けられている。「チームID」フィールドには、ユーザにランダムに割り当てられたチームのチームIDが設定され、「キャラクタID」フィールドには、割り当てられたチームに出場選手登録されている29名の選手キャラクタのキャラクタIDが設定される。
【0114】
なお、上記では、チームを構成する所定数の選手キャラクタを、図10のチーム情報テーブルTBL3の「出場選手登録」フィールドに登録して管理する例を示したが、これに限定されない。例えば、図9のキャラクタ情報テーブルTBL2において、キャラクタIDと関連付けて、チームに出場選手登録されている選手キャラクタを示す情報(例えばフラグ)を設定してもよい。
【0115】
上述のように、実在のチーム(球団)とゲーム内のチームとが対応しており、且つ、当該実在のチームに出場選手登録されている29名の選手と、当該ゲーム内のチームに出場選手登録されている29名の選手キャラクタとが対応している。そして、選手キャラクタに関連付けられる能力等のパラメータは、当該選手キャラクタに対応する実在の選手を模して設定されている。すなわち、実在のチームに対応するゲーム内のチームは、実在のチームの実力に近い、本来的な強さが反映されている。従って、上記の選出条件のチームランダム杯では、実在のプロ野球12球団のチーム間で行われる模擬戦が展開される。本実施の形態のチームランダム杯の対戦は、ただの模擬戦ではなく、対戦毎に、ユーザに割り当てられるチームがランダムに選出される。よって、チームランダム杯で行われる対戦結果を集計すれば、統計的に、現実世界で実際に強い球団に対応するゲーム上のチームが上位にランクされるようになる。
【0116】
一般的に、ユーザによって操作技量に違いがあり、操作技量の高いユーザ(操作が上手い人)は、相対的に弱いチームが割り当てられたとしても、対戦に勝利する可能性が高い。例えば、どのユーザも自分でチームを選択して対戦できるとすれば、実際に強いチームが上位にランクされずに、操作技量の高いユーザが多く含まれるチームが上位にランクされる可能性がある。
【0117】
一方、本実施の形態のチームランダム杯の対戦は、対戦毎に、ユーザに割り当てられるチームがランダムに選出されるので、どのチームも、様々な操作技量のユーザによって使用されることになる。このため、チームランダム杯で行われる対戦結果を集計すれば、統計的に、現実世界で実際に強い球団に対応するゲーム上のチームが上位にランクされるようになるのである。
【0118】
例えば、現実世界のプロ野球のオープン戦やレギュラーシーズンが開催される前に、「チームランダム杯」を開催すれば、ゲームを通して現実世界のオープン戦等を盛り上げることができる。すなわち、チームランダム杯の対戦ゲームをプレイするユーザは勿論のこと、例えば対戦ゲームの動画を配信すれば、それを観戦する観戦者も盛り上がる。また、チームランダム杯で行われた全ての対戦結果の集計画面(例えば、勝敗表)をどのユーザも確認できるようにすれば、全ての対戦結果の集計から、その後に現実世界で行われるプロ野球のオープン戦やレギュラーシーズンの結果を予想して楽しめるようになる。
【0119】
図18は、チームランダム杯で行われた全ての対戦結果の集計画面G500の一例を示す。集計画面G500は、12球団勝敗表であり、パーツP501~P504を含む。パーツP501は、チームランダム杯の対戦で使用可能な全12チームのそれぞれの順位、球団名、通算の勝数、通算の負け数、通算の引き分け数、通算勝率、ゲーム差の情報を表示するパーツである。パーツP502は、チームランダム杯の第1回~第n回の全対戦の通算ランキングの画面に切り替えるためのパーツである。パーツP503は、現在開催されているチームランダム杯の通算ランキングの画面に切り替えるためのパーツである。パーツP504は、先週行われたチームランダム杯の通算ランキングの画面に切り替えるためのパーツである。
【0120】
集計画面G500の勝敗表を見れば、今年のプロ野球のオープン戦やレギュラーシーズンはチームGが強そうだというように、模擬戦の集計結果を参考に現実のプロ野球のチームの順位を予想して楽しむことができる。もちろん、現実のプロ野球のレギュラーシーズンに入った後も継続的に(例えば、毎週の金曜日~日曜日)に、チームランダム杯を開催すれば、集計画面G500の勝敗表から、プロ野球のチームの今後の順位を予想して楽しむことができる。
【0121】
チームランダム杯における前記選出条件の他の例は、チームが属するリーグに関する条件である。チームランダム杯の対戦で使用可能な12チームは、日本のプロ野球12球団が2つのリーグに分かれていることに対応して、2つのリーグに分かれている。例えば、図10のチーム情報テーブルTBL3では、チームIDがTC1~TC6の6つのチームが第1のリーグに所属するチームであり、チームIDがTP1~PC6の6つのチームが、前記第1のリーグとは異なる第2のリーグに所属するチームである。なお、チームIDにより所属リーグを判断するのではなく、例えば、リーグを判別する情報(例えばフラグ)をチームIDに関連付けてもよい。
【0122】
チームランダム杯における前記選出条件の例としては、「第1のリーグ」又は「第2のリーグ」である。例えば、「第1のリーグ」を選出条件とした場合、互いに対戦相手となる各ユーザには、チームランダム杯の対戦で使用可能な12チームのうちの「第1のリーグ」の条件を満たす6チームの中から、ランダムに1チームが選出されて割り当てられる。ユーザは、ランダムに割り当てられたチームを使用して、すなわち、当該チームに出場選手登録されている29名の選手キャラクタを使用して、チームランダム杯の対戦ゲームを行う。この選出条件のチームランダム杯では、実在の同一リーグのチーム同士の模擬戦が展開される。
【0123】
チームランダム杯における前記選出条件の他の例は、特定の複数のチームに関する条件である。例えば、プロ野球の日本シリーズで対戦する実在の2チームに対応する2チームを、選出条件とする。この場合、互いに対戦相手となる各ユーザには、日本シリーズで対戦する実在の2チームに対応する2チームのうちの何れかのチームがランダムに選出されて割り当てられる。ユーザは、ランダムに割り当てられたチームを使用して、すなわち、当該チームに出場選手登録されている29名の選手キャラクタを使用して、チームランダム杯の対戦ゲームを行う。この選出条件のチームランダム杯では、日本シリーズで対戦する実在のチーム同士の模擬戦が展開される。
【0124】
例えば、現実世界において、日本シリーズで対戦する実在の野球チームが決定した後、日本シリーズの試合が開催される前に、「チームランダム杯(日本シリーズ)」と題した大会を開催すれば、ゲームを通して現実世界の日本シリーズを盛り上げることができる。すなわち、チームランダム杯の対戦ゲームをプレイするユーザは勿論のこと、例えば対戦ゲームの動画を配信すれば、それを観戦する観戦者も盛り上がる。また、チームランダム杯で行われた全ての対戦結果の集計(例えば、勝敗表)をどのユーザも確認できるようにして、全ての対戦結果の集計から、その後に現実世界で行われる日本シリーズの結果を予想して楽しめるようにする。例えば、日本シリーズで対戦する実在の2チームに対応する2チームが、チームGとチームHであったとする。そして、例えば、チームランダム杯での全対戦が1000試合であり、チームGが350勝、チームHが600勝、引き分けが50試合という集計結果(大会期間途中の集計結果、又は最終集計結果)が出た場合、今年の日本シリーズはチームHが優勢のようだというように、模擬戦の集計結果を参考に日本シリーズの結果を予想して楽しむことができる。
【0125】
なお、前記「チームランダム杯(日本シリーズ)」と題した大会を、現実世界の日本シリーズの前に開催する例を示したが、これに限定されない。例えば、現実世界の日本シリーズの開催期間中や開催期間終了後に、前記「チームランダム杯(日本シリーズ)」と題した大会を開催してもよい。
【0126】
ユーザは、自分に割り当てられたチームを構成する選手キャラクタを画面で確認する。そして、選手ランダム杯の場合と同様に、所定の制限時間内(例えば、300秒以内)にチームのオーダー編成を行う。チームランダム杯での試合は、リアルタイムアクション通信対戦である。対戦する2人のユーザは、それぞれランダムに割り当てられたチームの選手キャラクタを操作する。この対戦のゲーム動画は、例えば、動画配信機能を有するサーバ30又は動画配信サーバから配信される。
【0127】
以上のとおり、対戦する2人のユーザに割り当てられる各チームは、チームランダム杯の対戦で全ユーザが共通で使用可能な全てのチームの中から、同一の選出条件に基づいてランダムに選出される。つまり、ユーザが対戦に使用できるチームは、どのユーザに対しても「同じ母集団」からランダムに割り当てられたものである。
【0128】
なお、上記では、選手ランダム杯又はチームランダム杯の対戦ゲームが、所定の期間内に行われる例を示したが、期間を限ることなく、常時、選手ランダム杯又はチームランダム杯の対戦ゲームが可能としてもよい。
【0129】
[3.ゲーム端末の機能的構成]
図19は、ゲーム端末10の機能的な構成の一例を示す概略の機能ブロック図である。ゲーム端末10は、主に、データ記憶部100と、ユーザ端末10の各部を制御する端末制御部110とを備えている
【0130】
端末制御部110は、操作部16を介した操作に関する情報や、サーバ30又は他のゲーム端末10から受信した情報等に基づいて、各種演算やデータ処理を実行する機能を有する。また、端末制御部110は、実行した処理結果の情報を、記憶装置(RAM13、補助記憶装置14等)の所定の領域に記憶させる記憶制御機能を有する。また、端末制御部110は、画像処理部17及びサウンド処理部18を介した各種出力を制御する出力制御機能を有する。例えば、端末制御部110は、画像処理部17を制御して、表示部20(又は外部接続されるテレビジョンモニタ等)にゲーム画面を表示させたり、サウンド処理部18を制御して、音声出力部21からゲームプレイ中の効果音を出力させたりする。また、端末制御部110は、通信部15を介して、サーバ30や他のゲーム端末10等との間の情報通信を管理する通信制御機能を有する。
【0131】
また、端末制御部110は、ユーザのゲームに関する情報を記憶装置(RAM13、補助記憶装置14等)に記憶して管理するユーザ情報管理機能を有する。例えば、端末制御部110は、ユーザIDと関連付けて、ユーザの名称であるユーザ名、プロフィール等の情報を記憶装置に記憶する。端末制御部110が管理する項目は、ゲームの種類や内容によって異なる。端末制御部110は、ユーザIDと関連付けて、マッチングレートMR、各種ポイント及びアイテム、対戦結果、ユーザに関連付けられる他のユーザ(仲間、フレンド等)のユーザID、ゲーム中の各種パラメータ、ゲーム後のセーブデータ等の各種情報を、記憶装置に記憶して管理する。また、端末制御部110は、サーバ30に記憶されているユーザのゲームに関する情報等があれば、サーバ30からダウンロードする。
【0132】
端末制御部110の以上の各種機能は、基本的に、ゲーム端末10のCPU11が、記憶装置(ROM12、RAM13又は補助記憶装置14等)に記憶されたプログラムを実行することにより実現されるものである。
【0133】
データ記憶部100は、ROM12、RAM13又は補助記憶装置14の少なくとも一つによって実現される。データ記憶部100はゲームを提供するために必要なデータを記憶する。データ記憶部100に記憶されるデータの具体例として、上記で説明した野球ゲームを提供するために必要なデータについて説明する。データ記憶部100は、ユーザ情報テーブルTBL11、キャラクタ情報テーブルTBL2、チーム情報テーブルTBL3、及びユーザチームテーブルTBL12を記憶する。なお、キャラクタ情報テーブルTBL2(図9参照)、チーム情報テーブルTBL3(図10参照)、及びユーザチームテーブルTBL12(図16及び図17参照)は既に説明済みであるため、ここではその説明を省略する。
【0134】
図20は、ユーザ情報テーブルTBL11の一例を示す。ユーザ情報テーブルTBL11は、「ユーザID」、「ユーザ名」、「お気に入りチーム」、「マッチングレート」、「ゲームレベル」、「所有ポイント」、「大会ポイント」、「報酬」、「対戦結果情報」、「所有キャラクタ情報」等のフィールドを含む。
【0135】
前記ゲームレベルは、野球ゲームにおけるユーザの操作スキルのレベルを評価した情報である。前記所有ポイントは、ユーザが所有しているゲーム内で使用できるポイントである。例えば、所有ポイントは、野球ゲームにおいてユーザが利用可能な仮想的な通貨であってもよいし、ユーザが野球ゲームを実行する際に消費される、野球ゲームを実行するための対価であってもよい。
【0136】
「大会ポイント」フィールドには、オンライン大会モードの各種大会で獲得した大会ポイント(通算ポイント、大会毎のポイント等)が記憶される。「報酬」フィールドには、オンライン大会モード等で獲得した報酬(アイテム等)が記憶される。「所有キャラクタ情報」フィールドには、ユーザがゲーム内で獲得した選手キャラクタのキャラクタIDが記憶される。「対戦結果情報」フィールドには、オンライン大会モードの各種大会で対戦した結果(例えば、勝敗、得失点等)の情報が記憶される。
【0137】
「所有キャラクタ情報」フィールドには、ユーザがゲーム内で入手して、現在所有しているキャラクタのキャラクタIDが記憶される。キャラクタの入手方法には幾つかの方法がある。例えば、ユーザは、抽選モードを実行することにより、抽選でキャラクタを入手できる。この抽選モードでは、例えば、ゲーム内の全てのキャラクタの中からユーザに付与するキャラクタが抽選される。ユーザが抽選モードを実行するためには、例えば、所定量のゲーム内ポイント、課金アイテム等を必要としてもよい。また、例えば、ユーザは他のユーザ(ユーザに関係付けられた他のユーザ等)からキャラクタをプレゼントとして受け取ることもできる。また、例えば、ユーザは、ゲーム内のプレイの報酬として、キャラクタを入手することもできる。また、例えば、ユーザは、育成モードで育成したオリジナル選手キャラクタを入手することもできる。また、例えば、ゲームの開始時に、所定数のキャラクタが、ユーザの所有キャラクタとして付与されるようにしてもよい。
【0138】
「所有キャラクタ情報」フィールドに記憶されているキャラクタは、選手ランダム杯及びチームランダム杯以外の対戦ゲームや他のゲームモードでは、ユーザが自分で選択して使用可能であるが、前述の選手ランダム杯及びチームランダム杯では、ユーザが自分で選択して使用できない。
【0139】
[4.サーバの機能的構成]
図21は、サーバ30(ゲーム制御装置の一例)の機能的な構成の一例を示す概略の機能ブロック図である。サーバ30は、データ記憶部300を含む。例えば、データ記憶部300は、データベースDB、ROM32、RAM33又は補助記憶装置34の少なくとも一つによって実現される。データ記憶部300は、ゲームを提供するために必要なデータを記憶する。
【0140】
データ記憶部300に記憶されるデータの具体例として、上記で説明した野球ゲームを提供するために必要なデータについて説明する。データ記憶部300は、大会情報テーブルTBL1、キャラクタ情報テーブルTBL2、チーム情報テーブルTBL3、ユーザ管理テーブルTBL4、対戦管理テーブルTBL5、キャラクタ選出条件テーブルTBL6、チーム選出条件テーブルTBL7、ランダム選出キャラクタデータDT1及びランダム選出チームデータDT2を記憶する。キャラクタ選出条件テーブルTBL6、チーム選出条件テーブルTBL7、ランダム選出キャラクタデータDT1及びランダム選出チームデータDT2については後述する。
【0141】
大会情報テーブルTBL1(図4参照)、キャラクタ情報テーブルTBL2(図9参照)及びチーム情報テーブルTBL3(図10参照)は既に説明済みであるため、ここでは詳細な説明は省略する。キャラクタ情報テーブルTBL2及びチーム情報テーブルTBL3については、実質的の同じデータを各ユーザのゲーム端末10も保持している。例えば、ゲーム運営側が、サーバ30のキャラクタ情報テーブルTBL2又はチーム情報テーブルTBL3の情報を変更した場合、変更した情報がネットワークNを介してサーバ30からゲーム端末10へ配信される。
【0142】
図22は、ユーザ管理テーブルTBL4の一例を示す。ユーザ管理テーブルTBL4は、ゲームシステム1でゲームをプレイする全ユーザを管理するためのデータテーブルである。ユーザ管理テーブルTBL4は、「ユーザID」、「ユーザ名」、「マッチングレート」及び「大会ポイント」等のフィールドを含む。図22では省略されているが、その他のフィールドもユーザ管理テーブルTBL4に含まれる。例えば、ユーザのゲームレベル、所有ポイント、ユーザに関連付けられる他のユーザ(仲間、フレンド等)のユーザID等のフィールドが、ユーザ管理テーブルTBL4に含まれる。
【0143】
図23は、対戦管理テーブルTBL5の一例を示す。対戦管理テーブルTBL5は、ゲームシステム1で実行される対戦ゲームを管理するためのデータテーブルである。対戦管理テーブルTBL5は、大会IDと関連付けられて、大会毎(大会ID毎)に記憶される。図23の例では、大会ID:E1(選手ランダム杯 第1回)で行われる全ての対戦ゲームを管理する対戦管理テーブルTBL5の例を示している。対戦管理テーブルTBL5は、「対戦ID」、「第1ユーザID」、「第2ユーザID」及び「対戦結果」等のフィールドを含む。
【0144】
「対戦ID」は、対戦管理テーブルTBL5に関連付けられた大会IDの大会で行われる対戦ゲームを一意に識別するための識別情報である。「対戦ID」フィールドには、対象の大会の開催期間中に対戦ゲームが行われる毎に、対戦IDが割り振られて記憶される。また、対象の対戦ゲームでマッチングされた2人のユーザのうちの一方のユーザのユーザIDが「第1ユーザID」フィールドに記憶され、他方のユーザのユーザIDが「第2ユーザID」フィールドに記憶される。「対戦結果」フィールドには、対戦ゲームの結果に関する情報(例えば、勝敗、得失点等)が記憶される。図23では省略されているが、その他のフィールドも対戦管理テーブルTBL5に含まれる。例えば、対戦する各ユーザのチーム情報(前述の野球ゲームの場合、12球団の何れか)等のフィールドが、対戦管理テーブルTBL5に含まれる。
【0145】
本実施の形態のゲームシステム1又はサーバ30は、特定の対戦ゲームにユーザが参加できるゲームを提供する。
【0146】
ここで、「ユーザ」とは、例えば、ゲームシステム1で提供されるゲームをプレイする人である。例えば、ユーザ識別情報が各ユーザに関連付けられ、各ユーザはユーザ識別情報によって識別(特定)される。「ユーザ識別情報」とは、各ユーザを一意に識別するための情報である。例えば、ユーザID、重複しないユーザ名、又はメールアドレス等が「ユーザ識別情報」の一例に相当する。
【0147】
また、「対戦ゲーム」とは、例えば、ユーザが対戦相手と対戦して優劣や勝敗を決するコンピュータゲームである。例えば、ネットワークNを介して接続された複数のユーザの端末10の間で行われるオンライン対戦ゲームが、「対戦ゲーム」の一例に相当する。ここで「対戦」とは、対戦相手と優劣や勝敗を決することである。対戦ゲームの結果は必ずしも勝敗が決まらなくてもよく、引き分けになる場合があってもよい。スポーツゲームにおける試合、戦闘ゲームにおけるバトル等が「対戦」の一例に相当する。
【0148】
ユーザの対戦相手は、一人のユーザであってもよいし、2人以上であってもよい。例えば、2人のユーザがそれぞれ自分の野球チームの複数の選手キャラクタを使用して試合をする前述の野球ゲームが、「対戦ゲーム」の一例に相当する。また、例えば、3人以上のユーザが、同じゲーム空間内でそれぞれ自分のキャラクタを使用して戦うゲームが、「対戦ゲーム」の一例に相当する。
【0149】
前記「対戦ゲーム」は、例えば、ユーザ及び対戦相手がそれぞれ使用対象のオブジェクトを自ら操作することによって進行するような対戦ゲームである。また、前記「対戦ゲーム」は、例えば、コンピュータがユーザの使用対象のオブジェクトと、対戦相手の使用対象のオブジェクトとに基づいてシミュレーション処理を実行して対戦経過を自動的に決定し、特定の場面に限って、ユーザ及び対戦相手が自らの使用対象のオブジェクトを操作するような対戦ゲームであってもよい。また、前記「対戦ゲーム」は、例えば、コンピュータがユーザの使用対象のオブジェクトと、対戦相手の使用対象のオブジェクトとに基づいてシミュレーション処理を実行することによって対戦結果が自動的に決定されるような対戦ゲームであってもよい。
【0150】
前記「対戦ゲーム」は、例えば、所定の期間内に行われる特定の対戦ゲームであってもよい。ここで、「所定の期間」とは、予め定められた一定期間であり、例えば、ユーザが参加できる対戦ゲームが行われる期間のことである。ここで「期間」とは、例えば、金曜日から日曜日までというような曜日単位の期間であってもよいし、例えば3月1日から3月5日までというような日単位の期間であってもよいし、例えば朝7時0分0秒から翌日夜9時0分0秒までというような時間単位の期間であってもよい。或いは、「期間」は、例えば週単位、月単位、年単位の期間であってもよい。
【0151】
また、「特定の対戦ゲーム」とは、対戦で使用可能なオブジェクト等の使用対象をユーザーが選択できない対戦ゲームのことをいう。例えば、互いに対戦相手となる各ユーザが対戦ゲームで使用可能なオブジェクト等の使用対象が、同一の選出条件に基づいてランダムに選出される対戦ゲームが「特定の対戦ゲーム」の一例に相当する。前述の野球ゲームの例では、選手ランダム杯又はチームランダム杯で行われる1以上の対戦ゲームが、「特定の対戦ゲーム」の一例に相当する。
【0152】
「特定の対戦ゲーム」とは異なる対戦ゲームを「第2の対戦ゲーム」と称してもよい。すなわち、「第2の対戦ゲーム」は、対戦で使用可能なオブジェクト等の使用対象をユーザーが選択できる対戦ゲームのことをいう。前述の野球ゲームの例では、オンライン大会モードで行われる「選手ランダム杯」及び「チームランダム杯」以外の大会の対戦ゲーム、又はフリー対戦モードでの対戦ゲームが、「第2の対戦ゲーム」の一例に相当する。
【0153】
「所定の期間内に行われる特定の対戦ゲーム」とは、例えば、ゲーム運営側が予め定めた期間内に行われる1又は複数の特定の対戦ゲームである。例えば、ゲーム運営側が期間を限定して開催するゲーム大会の大会開催期間中に行われる特定の対戦ゲームが、「所定の期間内に行われる特定の対戦ゲーム」の一例に相当する。ここで「ゲーム大会」とは、例えば、ゲームに関するイベントであり、大会に参加するユーザが互いに優劣、勝敗、順位などを競うものである。前述の野球ゲームの例では、「選手ランダム杯」又は「チームランダム杯」が「ゲーム大会」の一例に相当する。
【0154】
また、例えば、「所定の期間内に行われる特定の対戦ゲーム」は、勝敗や順位に応じて、ゲーム内で使用できるポイントやアイテム等の報酬がユーザに付与されるものであってもよいし、段位等の称号が与えられるものであってもよい。また、例えば「所定の期間内に行われる特定の対戦ゲーム」は、いわゆるeスポーツと呼称される大会として開催されてもよいし、特に賞金や景品がかけられていないものであってもよい。前述の野球ゲームの例では、予め大会開催期間が定められた選手ランダム杯又はチームランダム杯で行われる1以上の対戦ゲームが、「所定の期間内に行われる特定の対戦ゲーム」の一例に相当する。
【0155】
「特定の対戦ゲーム」は、予め定められた期間に行われる対戦ゲームでなくてもよい。例えば、「特定の対戦ゲーム」は、各ユーザが何時でも実行可能な対戦ゲームであってもよい。前述の野球ゲームの例では、期間を限ることなく、常時、選手ランダム杯又はチームランダム杯の対戦ゲームが可能な場合、当該対戦ゲームは「特定の対戦ゲーム」の一例に相当する。
【0156】
図21に示すように、サーバ30は、主に、受付部310、管理部320及び選出部330等を備えている。これらは、基本的に、サーバ30のCPU31が、記憶装置(ROM32、RAM33又は補助記憶装置34等)に記憶されたプログラムを実行することにより実現されるものである。
【0157】
図21の受付部310は、前記対戦ゲームへの参加を受け付ける機能を有する。
【0158】
ここで、「対戦ゲームへの参加を受け付ける」とは、対戦ゲームへ参加するためのユーザの操作(参加申し込み操作)を受け付けることである。又は、「対戦ゲームへの参加を受け付ける」とは、ユーザが対戦ゲームへ参加する意思を示す情報を受信することであってもよい。例えば、ユーザが対戦ゲームへ参加するためのボタン操作、画面タッチ操作、音声入力操作等を行った場合に、当該操作に関する情報を受信することが、「対戦ゲームへの参加を受け付ける」の一例に相当する。対戦ゲームへの参加を受け付けるための参加条件が設定されていてもよいし、当該参加条件が設定されていなくてもよい。例えば、参加条件が設定されている対戦ゲームの場合、当該参加条件を満たさなければ、対戦ゲームへの参加は受け付けられないようにしてもよい。また、例えば、所定の期間内に行われる対戦ゲームの場合、所定の期間外では対戦ゲームへの参加は受け付けられないようにしてもよい。
【0159】
前述の野球ゲームの例では、図8の選手ランダム杯(又はチームランダム杯)のメニュー画面G400において、ユーザがパーツP403の「試合開始」を選択する操作を行えば、当該操作に関する情報に基づいて、受付部310は特定の対戦ゲームの一例としての「選手ランダム杯(又はチームランダム杯)の対戦ゲーム」への参加を受け付ける。なお、例えば、対戦ゲームにおいて、対戦相手となるユーザ同士をマッチングする処理が実行される場合、マッチングに成功して対戦相手が決定した場合に、受付部310が対戦ゲームへの参加を受け付けるようにしてもよい。すなわち、ユーザの参加申し込み操作からマッチングに成功するまでの期間は、参加受け付け待機期間とし、マッチングに成功して対戦相手が決定した場合に、参加申し込み操作に基づく対戦ゲームへの参加が受け付けられるようにしてもよい。
【0160】
なお、受付部310は、「対戦で使用可能なオブジェクト等の使用対象をユーザーが選択できない特定の対戦ゲーム」への参加だけではなく、「対戦で使用可能なオブジェクト等の使用対象をユーザーが選択できる第2の対戦ゲーム」への参加を受け付ける機能を有していてもよい。すなわち、受付部310は、少なくとも前記特定の対戦ゲームへの参加を受け付ける機能を有していればよい。
【0161】
図21の管理部320は、前記受付部310によって参加を受け付けられたユーザが前記特定の対戦ゲームで使用可能な複数の使用対象を、記憶装置に記憶させて管理する機能を有する。
【0162】
ここで、「使用対象」とは、対戦ゲームにおいてユーザによって使用され得る対象となるものである。前記使用対象は、前記対戦ゲーム中に前記ユーザによって使用され得るオブジェクトとすることができる。
【0163】
ここで、「オブジェクト」とは、ゲームにおいて使用され得るものである。例えば、ゲームキャラクタ、ゲームカード、又はゲームアイテム等が「オブジェクト」の一例に相当する。例えば、スポーツ選手等の人物、競走馬等の生物、モンスター等の架空の人物や生物、ロボット等の非生物を示すゲームキャラクタやゲームカードが「オブジェクト」の一例に相当する。例えば、「オブジェクト」は、実在の人物に対応するゲームキャラクタやゲームカードであってもよいし、実在の人物に対応するものでなくてもよい。
【0164】
例えば、ユーザが1つ以上のゲームキャラクタを使用して対戦相手と対戦するゲームの場合であれば、当該1つ以上のゲームキャラクタが「使用対象」の一例に相当する。また、例えば、ユーザが複数のゲームカードによってデッキを編成し、編成したデッキを使用して対戦相手と対戦するカードゲームの場合であれば、デッキに組み込まれた複数のゲームカードが「使用対象」の一例に相当する。前述の野球ゲームの例では、選手ランダム杯の対戦ゲームで使用され得る、投手又は野手の選手キャラクタが「使用対象」の一例に相当する。
【0165】
また、前記使用対象は、前記対戦ゲーム中に前記ユーザによって使用され得る2以上のオブジェクトからなるグループとすることができる。
【0166】
ここで、「グループ」とは、2以上のオブジェクトから構成されるグループである。「グループ」は、例えば、チーム、集団、隊、パーティ、ギルド等と言い換えることもできる。例えば、野球ゲームの場合、ベンチ入りして試合に出場し得る所定数(例えば29名)の選手キャラクタで構成される野球チームが、「グループ」の一例に相当する。また、サッカーゲームの場合、ベンチ入りして試合に出場し得る所定数(例えば18名又は23名)の選手キャラクタで構成されるサッカーチームが、「グループ」の一例に相当する。
【0167】
例えば、ユーザが複数のゲームキャラクタから構成されるグループ(チーム、集団、隊、パーティ、ギルド等)を使用して対戦相手と対戦するゲームの場合であれば、当該グループ(及びグループに含まれる複数のゲームキャラクタ)が「使用対象」の一例に相当する。前述の野球ゲームの例では、図10のチーム情報テーブルTBL3で管理されている、チームランダム杯の対戦ゲームで使用され得る29名の選手キャラクタで構成されるチームが「使用対象」の一例に相当する。
【0168】
管理部320により管理される「前記受付部310によって参加を受け付けられたユーザが前記対戦ゲームで使用可能な複数の使用対象」とは、少なくとも特定の対戦ゲームへの参加を受け付けられた全てのユーザが共通で使用可能な複数の使用対象を含む。なお、後述のとおり、対戦ゲームでユーザが実際に使用できる状態になるには、ユーザ識別情報(例えばユーザID)に使用対象が関係付けられる必要がある。つまり、管理部320により管理される「前記受付部310によって参加を受け付けられたユーザが前記対戦ゲームで使用可能な複数の使用対象」は、当該ユーザのユーザ識別情報に関係付けられた場合に、当該ユーザが前記対戦ゲームで使用可能となるような複数の使用対象である。
【0169】
管理部320により管理される「ユーザが前記対戦ゲームで使用可能な複数の使用対象」は、例えば、特定の対戦ゲームに限らず、特定の対戦ゲーム以外の対戦ゲームや他のゲームモードでも共通で使用できるオブジェクト又はグループであってもよい。つまり、管理部320により管理される「ユーザが特定の対戦ゲームで使用可能な複数の使用対象」は、例えば、特定の対戦ゲーム用に特別に管理(前述の野球ゲームの例では、特別に大会用に用意された選手キャラクタとして管理)されていてもよいし、特定の対戦ゲーム以外の対戦ゲームや他のゲームモードでも共通で使用できるオブジェクト等として管理されていてもよい。
【0170】
また、管理部320により管理される「ユーザが前記対戦ゲームで使用可能な複数の使用対象」は、ゲームシステム1が提供するゲーム内で扱う全てのオブジェクト又はグループとしてもよいし、そのうちの一部のオブジェクト又はグループとしてもよい。つまり、管理部320が管理している、ゲームで使用可能な使用対象(オブジェクト又はグループ)の中に、「ユーザが特定の対戦ゲームで使用可能な複数の使用対象」が含まれていればよい。
【0171】
前述の野球ゲームの例では、管理部320は、記憶装置(データベースDB、ROM32、RAM33又は補助記憶装置34等)に記憶されたキャラクタ情報テーブルTBL2(図9参照)に基づいて、ユーザがゲーム(選手ランダム杯又はチームランダム杯の対戦ゲームを含む)で使用可能な複数の選手キャラクタを管理している。
【0172】
図21の選出部330は、互いに対戦相手となる各ユーザのユーザ識別情報に関連付けられる、前記対戦ゲームで使用可能な前記使用対象を、前記管理部320に管理されている前記複数の使用対象の中から、同一の選出条件に基づいてランダムに選出する機能を有する。
【0173】
ここで、「ユーザ識別情報に関連付けられる使用対象」とは、ユーザ識別情報と結びつけて記憶されるオブジェクト等の使用対象である。ここで、「ユーザ識別情報に使用対象を関連付ける」とは、ユーザ識別情報によって識別されるユーザが、関連付けられた使用対象を前記対戦ゲームにおいて使用することが可能な状態にすることである。
【0174】
「ユーザ識別情報に関連付けられた使用対象」とは、例えば、前記対戦ゲームにおいてユーザが使用可能となったオブジェクト等の使用対象である。「ユーザ識別情報に関連付けられた使用対象」は、例えば、所定の期間内に行われる(又は期間を限定せずに行われる)前記特定の対戦ゲームに限定して使用可能とすることができる。
【0175】
例えば、「ユーザ識別情報に関連付けられた使用対象」は、所定の期間内に行われる前記特定の対戦ゲームの終了後も関連付けが継続されて次の対戦ゲームでも使用可能となるのではなく、対戦終了後に(対戦終了後から次の対戦ゲームまでのいずれかのタイミングで)、ユーザ識別情報への関連付けが解除又は無効化されるようにしてもよい。
【0176】
また、「ユーザ識別情報に関連付けられた使用対象」は、例えば、「所定の期間内に行われる前記特定の対戦ゲーム以外のゲーム(例えば、前記特定の対戦ゲーム以外の対戦ゲームやその他の種類のゲーム)でも使用できるようなユーザの所有とはしない」ようにしてもよい。
【0177】
「前記管理部320に管理されている前記複数の使用対象の中から、同一の選出条件に基づいてランダムに選出する」とは、互いに対戦相手となる各ユーザのユーザ識別情報に関連付けられる使用対象を、管理部320に管理されている「前記対戦ゲームへの参加を受け付けられた全てのユーザが共通で使用可能な複数の使用対象」の中から、同一の選出条件に基づいて、ランダムに選出することである。ここで、「同一の選出条件」とは、互いに対戦相手となる何れのユーザに対しても、同じ選出条件が適用されることを意味する。
【0178】
「選出条件に基づいてランダムに選出する」とは、例えば、選出条件に基づいた母集団の中から、1以上の前記使用対象を、ランダムに選出することである。ここで、「ランダムに選出する」とは無作為に抽出することである。例えば、既知の擬似乱数生成アルゴリズムを適用して、前記母集団の中から1以上の前記使用対象をランダムサンプリング(random sampling)することが、「ランダムに選出する」の一例に相当する。また、例えば、前記母集団に含まれる前記使用対象の全てに同一の抽選確率を適用して、前記母集団の中から1以上の前記使用対象を確率に基づいて抽選することが、「ランダムに選出する」の一例に相当する。
【0179】
前記「選出条件」とは、例えば、前記特定の対戦ゲームで使用可能な前記使用対象を、前記管理部320に管理されている前記複数の使用対象の中からランダムに選出するための条件である。換言すれば、「選出条件」とは、例えば、ランダムサンプリングの対象となる母集団を定めるための条件である。
【0180】
前記管理部320に管理されている複数の前記オブジェクトのそれぞれにはパラメータが関連付けられている。ここで、「オブジェクトに関連付けられるパラメータ」とは、オブジェクトに対して設定されるパラメータのことである。例えば、野球選手のゲームキャラクタの場合、当該ゲームキャラクタの所属チーム、役割(例えば守備ポジション)、能力(打撃、守備、走塁、投球等に関する能力)のパラメータが、「オブジェクトに関連付けられるパラメータ」の一例に相当する。また、例えば、オブジェクトの体形情報(身長、体重、足の長さ、手の大きさ等)又は性別情報等を「オブジェクトに関連付けられるパラメータ」に含めてもよい。
【0181】
そして、前記選出条件は、前記パラメータに関する条件とすることができる。ここで、「前記選出条件は、前記パラメータに関する条件」とは、前記オブジェクトに関連付けられた前記パラメータに関する条件を、前記選出条件として適用することである。選出部330は、前記パラメータに関する条件に基づいて、前記管理部320に管理されている複数のオブジェクトのうちの当該条件を満たすオブジェクトの中から、前記対戦ゲームで使用可能な前記オブジェクトをランダムに選出する。
【0182】
例えば前記パラメータには、前記オブジェクトの能力情報が含まれる。そして、選出条件には、「オブジェクトの能力情報に関する条件」を含めることができる。
【0183】
ここで、「能力情報」とは、オブジェクトに設定された能力を示すパラメータである。「能力情報」は、例えば、オブジェクトの能力の高低を示す情報であってもよい。また、「能力情報」は、例えば、オブジェクトが特定の能力を有するか否かを示す情報であってもよい。また、「能力」には、例えば、オブジェクトの性能を含めることができる。
【0184】
例えば、野球ゲームの場合、オブジェクトの一例としての選手キャラクタの打撃能力、守備能力、走塁能力、又は投球能力等を示す情報が、「能力情報」の一例に相当する。また、例えば、サッカーゲームの場合、オブジェクトの一例としての選手キャラクタの攻撃能力(シュート能力、パス能力、ドリブル能力等)、又は守備能力(タックル能力等)を示す情報が、「能力情報」の一例に相当する。また、例えば、戦闘ゲームの場合、オブジェクトの一例としてのキャラクタの攻撃能力又は防御能力等を示す情報が、「能力情報」の一例に相当する。また、例えば、オブジェクトの一例としての兵器等の攻撃性能又は防御性能等を示す情報が、「能力情報」の一例に相当する。
【0185】
例えば、野球ゲームにおいて、前記特定の対戦ゲームで使用可能な全ての選手キャラクタが管理部320に管理されており、当該全ての選手キャラクタの中から能力値が所定範囲、例えば能力値200~299の範囲の選手キャラクタをランダムに1人以上選出する場合、選手キャラクタの能力値が200~299の範囲という条件が、「選出条件」の一例に相当する。この例の場合、管理部320に管理されている能力値が200~299の選手キャラクタの全てが選出候補の集合(すなわち、ランダム選出の母集団)となる。
【0186】
前述の野球ゲームの例では、図11図14に示す、総合能力の値が「350以上」、「300以上」、「300~349」、「200~299」、「150~350」、「199以下」等の条件が、選出条件の一例としての「オブジェクトの能力情報に関する条件」に相当する。
【0187】
また、例えば前記パラメータには、前記オブジェクトの役割情報が含まれる。そして、選出条件には、「オブジェクトの役割情報に関する条件」を含めることができる。
【0188】
ここで、「役割情報」とは、オブジェクトに設定された役割を示すパラメータである。例えば、野球ゲームやサッカーゲーム等のスポーツゲームの場合、ポジションが「役割」の一例に相当する。また、例えば、戦闘ゲームの場合、職業が「役割」の一例に相当する。
【0189】
例えば、野球ゲームの場合、「投手」又は「野手」のポジションが、「役割情報」の一例に相当する。また、例えば、投手のポジションを細分化した、「先発」、「中継ぎ」、「セットアッパー」又は「抑え」が、「役割情報」の一例に相当する。また、例えば、「野手」のポジションを細分化した、「内野手」又は「外野手」が、「役割情報」の一例に相当する。また、例えば、「野手」のポジションをさらに細分化した、「捕手」、「一塁手」、「二塁手」、「三塁手」、「遊撃手」、「中堅手」、「右翼手」、「左翼手」又は「指名打者(DH:Designated Hitter)」が、「役割情報」の一例に相当する。
【0190】
また、オブジェクトのポジション適正情報が、「役割情報」の一例に相当する。ここで、「オブジェクトのポジション適正情報」とは、例えば、野球ゲームの場合、投手の「先発」、「中継ぎ」、「抑え」のそれぞれのポジションの適正を評価した情報である。例えば、「先発」ポジションの場合、「先発適正◎」、「先発適正〇」又は「適正なし(又は無評価)」等の評価情報が、「役割情報」の一例に相当する。
【0191】
例えば、野球ゲームにおいて、前記対戦ゲームで使用可能な全ての選手キャラクタの中からポジションが捕手の選手キャラクタをランダムに1人以上選出する場合、ポジションが捕手という条件が、「選出条件」の一例に相当する。この例の場合、ランダム選出の対象となる母集団は、ポジションが捕手の全ての選手キャラクタである。
【0192】
前述の野球ゲームの例では、図11図13及び図15に示す、メインポジションが「投手」、「捕手」、「一塁手」…、「先発適性◎」、「中継適性◎」、「抑え適性◎」、「先発適性○以上」…等の条件が、選出条件の一例としての「オブジェクトの役割情報に関する条件」に相当する。
【0193】
前記選出条件は、複数の選出条件の組み合わせであってもよい。例えば、選出条件は、「オブジェクトの能力情報に関する条件」及び「オブジェクトの役割情報に関する条件」の組み合わせであってもよい。
【0194】
なお、前記選出条件は、例えば、管理部320に管理されている前記複数の使用対象の全てを、選出候補の集合(すなわちランダム選出の母集団)とするような条件であってもよい。
【0195】
前記対戦ゲームが、2以上のオブジェクトで構成されるグループ間で対戦するゲームの場合、互いに対戦相手となる各ユーザの前記ユーザ識別情報には、前記管理部320に管理されている複数のオブジェクトの中から、前記2以上のオブジェクトが関連付けられる。この場合、前記選出部330は、前記2以上のオブジェクトのそれぞれを選出するための前記選出条件を、選出するオブジェクト毎に設定することが好ましい。
【0196】
前述の野球ゲームは、29名の選手キャラクタで構成されるチーム間で対戦するゲームであり、「2以上のオブジェクトで構成されるグループ間で対戦するゲーム」の一例に相当する。図11及び図12には、29名の選手キャラクタのそれぞれに対して、個々に選出条件が設定されている好ましい例を示している。このように、選出されるそれぞれの選手キャラクタに応じて、個々にポジションや能力等の選出条件を適切に設定することにより、ポジションや能力等に偏りのない所望のグループを構成することができる。
【0197】
なお、2以上のオブジェクトを選出する場合、2以上のオブジェクトのそれぞれに対して個々に選出条件を設定する構成に限定されるものではない。例えば、図13及び図14に示すように、選出対象の複数の候補に対して共通の選出条件を設定してもよい。一例を挙げると、図14では、候補1~候補5の5つの選出対象に対して、「総合能力が350以上」という共通の選出条件を設定している。
【0198】
ここで、前述の選手ランダム杯の対戦ゲームにおいて適用されるキャラクタ選出条件テーブルTBL6の一例を図24に示す。キャラクタ選出条件テーブルTBL6は、選出部330によるランダム選出処理において用いられる選出条件を示すデータテーブルである。キャラクタ選出条件テーブルTBL6は、「候補ID」及び「選出条件」のフィールドを含む。
【0199】
「候補ID」フィールドは、選出部330によるランダム選出処理において選出される選出対象のキャラクタを一意に識別するための識別情報を示す。PS1~4は投手(先発)4名、PR1~3は投手(中継ぎ)3名、PSM1~2は投手(セットアッパー)2名、PC1~2は投手(抑え)2名、C1~2は捕手2名、1B1~2は一塁手2名、2B1~2は二塁手2名、3B1~2は三塁手2名、SS1~2は遊撃手、CF1~2は中堅手2名、RF1~2は右翼手2名、LF1~2は左翼手2名、PR1~2はポジションランダム2名の各選出対象の候補IDを示す。これらの候補IDは、図11及び図12に示す各ポジションの候補(1~4)及びポジションランダム枠に対応している。すなわち、「候補ID」は、選出対象のキャラクタのポジションを一意に識別するポジション識別情報でもある。
【0200】
「選出条件」フィールドには、各候補IDの選出対象に適用される選出条件が記憶される。「選出条件」フィールドには、例えば、図11及び図12に示した選出条件が記憶されている。すなわち、29名の選出対象のそれぞれに対して、個々に選出条件が設定されている
【0201】
次に、使用対象がチーム(グループの一例)の場合の選出条件の具体例を示す。図26は、前述のチームランダム杯の対戦ゲームにおいて適用されるチーム選出条件テーブルTBL7の一例を示す。チーム選出条件テーブルTBL7は、選出部330によるランダム選出処理において用いられる、チームに関する選出条件を示すデータテーブルである。図27の例では、大会ID:E2の大会(チームランダム杯 第1回)で行われる対戦ゲーム(対戦ID:M15)において、ユーザID:U1のユーザとユーザID:U2のユーザとが対戦する場合を示している。
【0202】
チーム選出条件テーブルTBL7は、「チーム選出条件ID」及び「選出条件」のフィールドを含む。チーム選出条件IDは、チームランダム杯の対戦ゲームにおいて適用されるチームの選出条件を一意に識別するための識別情報である。「選出条件」フィールドには、チームの選出条件が設定される。図26の例では、「全チーム(TC1~TC6,TP1~TP6)」、「第1リーグ(TC1~TC6)」、「第2リーグ(TP1~TP6)」及び「日本シリーズ(TC1,TP6)」という4つの選出条件が設定されている。前記「全チーム」という選出条件の場合、12チーム全てを対象としてランダム選出が実行される。つまり、「全チーム」という選出条件が適用される場合は、実質的に選出条件を設定せずにランダム選出することである。前記「第1リーグ」という選出条件の場合、第1リーグに所属する6チーム(TC1~TC6)を対象としてランダム選出が実行される。前記「第2リーグ」という選出条件の場合、第2リーグに所属する6チーム(TP1~TP6)を対象としてランダム選出が実行される。前記「日本シリーズ」という選出条件の場合、現実世界のプロ野球の日本シリーズに出場するチーム(例えばゲーム運営側が設定したTC1,TP6)を対象としてランダム選出が実行される。
【0203】
なお、上記ではチーム選出条件テーブルTBL7にチームの選出条件を複数登録しておく例を示したが、これに限定されない。チーム選出条件テーブルTBL7を用いることなく、チームの選出条件の情報を記憶装置に記憶してもよい。
【0204】
次に、オブジェクトを実在の人物に対応するオブジェクトとする場合について説明する。この場合、オブジェクトに関連付けられるパラメータを、当該オブジェクトに対応する前記実在の人物を模して設定することが好ましい。
【0205】
ここで、「実在の人物」とは、現実世界の人物であり、例えば、現実世界の著名な人物である。例えば、現実世界のスポーツ選手、格闘家、又は芸能人等が「実在の人物」の一例に相当する。例えば、過去に実在した人物、例えば歴史上の著名な人物を「実在の人物」に含めてもよいし、現在生存している人物だけを「実在の人物」としてもよい。また、例えば、スポーツ選手の場合、現役を引退したOB選手を「実在の人物」に含めてもよいし、現役のスポーツ選手だけを「実在の人物」としてもよい。
【0206】
例えば、野球ゲームでは、実在の野球選手に対応する選手キャラクタやゲームカードが「実在の人物に対応するオブジェクト」の一例に相当する。この場合、例えば、選手キャラクタの能力パラメータは、野球選手が現実の試合において収めた成績(野手として収めた成績(打率、打点、本塁打数、三振数、盗塁数、又は失策数)、又は投手として収めた成績(防御率、勝利数、奪三振数、与四死球数、又は球速等)に基づいて設定される。また、例えば、サッカーゲームでは、実在のサッカー選手に対応するゲームキャラクタやゲームカードが「実在の人物に対応するオブジェクト」の一例に相当する。この場合、例えば、ゲームキャラクタの能力パラメータは、サッカー選手が現実の試合において収めた成績(ゴール数、アシスト数、シュート数、パス成功率、又はファール数等)に基づいて設定される。
【0207】
例えば、前述の野球ゲームのように、実在の野球選手に対応する選手キャラクタの場合、当該実在の野球選手の所属チーム、ポジション、実績(打率や防御率等の成績)に基づいて、選手キャラクタの所属チーム、守備ポジション、能力(打撃、守備、走塁、投球等の能力)のパラメータを設定することが、「オブジェクトに関連付けられるパラメータは、当該オブジェクトに対応する前記実在の人物を模して設定」の一例に相当する。
【0208】
前述の野球ゲームでは、ユーザ間で、実在の野球選手を模した選手キャラクタを使用した、現実世界の対戦の模擬戦をゲーム上で実現できる。特に、チームランダム杯の対戦ゲームでは、現実世界のプロ野球の試合の模擬戦をゲーム上で実現することができる。前述のように、現実世界で予定されている対戦カードの試合(例えば、日本シリーズの試合等)が行われる前に、ゲームにおいて同様の対戦カードの模擬戦を実現すれば、ゲームを通して現実世界の対戦カードを盛り上げることができる。ここで、チームランダム杯の対戦ゲームでは、ゲーム上の模擬戦で使用される実在の人物を模した複数の選手キャラクタからなるチームは、対戦する各ユーザにランダムに割り当てられるので、偏りなく様々な対戦カードの模擬戦が実現できる。
【0209】
次に、対戦ゲームが行われる毎に、使用対象のランダム選出が実行される好ましい構成について説明する。各ユーザは前記対戦ゲームを所定の期間内に複数回行うことが可能であり、選出部330は、前記所定の期間内で前記対戦ゲームが行われる毎に、前記同一の選出条件に基づいたランダムな選出を実行することが好ましい。
【0210】
前述の野球ゲームでは、選手ランダム杯又はチームランダム杯の開催期間中に、ユーザは対戦ゲームを複数回行うことができ、当該対戦ゲームの度に、対戦する2人のユーザのユーザIDに関連付けられる選手キャラクタ又はチームが、同一の選出条件に基づいてランダムに選出される例を示した。対戦ゲームでユーザにランダムに割り当てられた選手キャラクタ又はチームは、次の対戦ゲームではリセットされて新たに選手キャラクタ又はチームがランダムに選出される。
【0211】
このように、対戦ゲームが行われる毎に、ユーザのユーザIDに関連付けられる選手キャラクタ又はチームがランダムに選出されるので、対戦を行う各ユーザには、偏りなく様々な選手キャラクタ又はチームが対戦毎に割り当てられる。特に、現実世界のチーム同士の試合の模擬戦をゲーム上で実現することができるチームランダム杯の対戦ゲームでは、対戦毎に、各ユーザに割り当てられるチームがランダムに選出されるので、どのチームも、様々な操作技量のユーザによって使用されることになる。このため、ゲーム上の模擬戦の対戦結果を集計すれば、統計的に、現実世界で実際に強いチームに対応するゲーム上のチームが上位にランクされるようになる。よって、ゲーム上の模擬戦の対戦結果の集計から、その後に現実世界で行われる対戦カードの試合の結果を予想して楽しむことができる。
【0212】
[5.処理]
次に、本実施の形態のゲームシステム1で実行される処理の一例を以下に説明する。
【0213】
図28は、ゲームシステム1の処理の一例を示すシーケンスチャートである。この図28は、ユーザID:U1のユーザのゲーム端末10-1と、ユーザID:U2のユーザのゲーム端末10-2との間で、前述の野球ゲームの選手ランダム杯の対戦ゲーム(特定の対戦ゲームの一例)が行われる場合の処理の一例を示している。以下では、ユーザID:U1のユーザを「ユーザU1」、ユーザID:U2のユーザを「ユーザU2」と称する。
【0214】
ゲーム端末10-1において、ユーザU1が選手ランダム杯の対戦ゲームへ参加するための操作を行えば、当該操作に関する情報が、ネットワークNを介してサーバ30へ送信される(S100-1)。例えば、ゲーム端末10-1において、ユーザU1が、図8の選手ランダム杯のメニュー画面G400のパーツP403「試合開始」を選択する操作を行えば、当該操作に関する情報としての対戦参加要求情報がサーバ30へ送信される。同様に、ゲーム端末10-2において、ユーザU2が選手ランダム杯の対戦ゲームへ参加するための操作を行えば、当該操作に関する情報が、ネットワークNを介してサーバ30へ送信される(S100-2)。
【0215】
サーバ30は、ゲーム端末10-1及び10-2からの対戦参加操作に関する情報を受信して、選手ランダム杯の対戦ゲームへ参加を受け付ける処理を実行する(S300)。例えば、参加条件が設定されている場合、サーバ30は、参加条件を満たす場合のみ、対戦ゲームへ参加を受け付けるようにしてもよい。また、例えば、サーバ30は、対戦相手を決定するマッチング処理を実行し、マッチングに成功した場合に、マッチングされた2人のユーザに対して対戦ゲームへ参加を受け付けるようにしてもよい。ここでは、ゲーム端末10-1のユーザU1と、ゲーム端末10-2のユーザU2とのマッチングが行われたものとして説明を続ける。
【0216】
なお、図28には記載していないが、サーバ30は、対戦ゲームへ参加を受け付けたゲーム端末10-1及び10-2に対して、参加を受け付けたことを示す応答情報を返信してもよい。また、サーバ30は、マッチングに成功したことを示す情報を、ゲーム端末10-1及び10-2に送信してもよい。
【0217】
その後、サーバ30の選出部330は、互いに対戦相手となる各ユーザ(U1、U2)のユーザIDに関連付けられる、前記対戦ゲームで使用可能な所定数(例えば29名)の選手キャラクタを、管理部320が管理している複数の選手キャラクタの中から、同一の選出条件に基づいてランダムに選出する処理を実行する(S302)。ここで、S302の処理の一例を、図29のフローチャートを参照して以下に説明する。
【0218】
サーバ30は、選手ランダム杯の対戦ゲームにおいて適用される、図24に例示するキャラクタ選出条件テーブルTBL6を参照して、「選出条件」フィールドに記憶されている選出条件を設定する(S320)。例えば、キャラクタ選出条件テーブルTBL6の一番上の候補ID:PS1の選出条件から順に設定される。
【0219】
そして、サーバ30は、図9に例示するキャラクタ情報テーブルTBL2(管理部320が管理している複数の選手キャラクタの一例)の中から、S320で設定した選出条件に基づいて、ランダムに選手キャラクタを選出する(S322)。すなわち、サーバ30は、キャラクタ情報テーブルTBL2に記憶されている選手キャラクタのうちの選出条件を満たす選手キャラクタを母集団として、ランダム抽選により選手キャラクタを選出する。
【0220】
その後、サーバ30は、S322で選出した選手キャラクタのキャラクタIDを、ユーザIDに関連付けて記憶装置(例えば、RAM33、補助記憶装置34、データベースDB等)に記憶し、ランダム選出キャラクタデータDT1を生成する(S324)。
【0221】
図25は、ランダム選出キャラクタデータDT1の一例を示す。ランダム選出キャラクタデータDT1は、選出部330によるランダム選出処理によって選出された選手キャラクタのキャラクタIDを、ユーザIDに関連付けて記憶したデータである。図25の例では、大会ID:E1の大会(選手ランダム杯 第1回)で行われる対戦ゲーム(対戦ID:M1)において、ユーザU1とユーザU2とが対戦する場合を示している。図25のランダム選出キャラクタデータDT1は、ユーザU1のユーザIDに関連付けられたデータを示すものであるが、同様に、対戦相手のユーザU2のユーザIDにも、ランダム選出処理によって選出された選手キャラクタのキャラクタIDが関連付けられる。
【0222】
図25のランダム選出キャラクタデータDT1は、「候補ID」及び「キャラクタID」のフィールドを含む。ランダム選出キャラクタデータDT1の候補IDは、図24のキャラクタ選出条件テーブルTBL6の候補IDと対応している。また、ランダム選出キャラクタデータDT1の「キャラクタID」のフィールドには、選出部330によるランダム選出処理によって選出された選手キャラクタのキャラクタIDが記憶される。つまり、図24のキャラクタ選出条件テーブルTBL6の候補IDに関連付けられている選出条件に基づいてランダムに選出された選手キャラクタのキャラクタIDが、図25のランダム選出キャラクタデータDT1における対応する候補IDに関連付けられて記憶される。
【0223】
S324の後、サーバ30は、ポジションランダム枠(図24及び図25の最後部の候補ID:PR1及びPR2)以外のランダム選出処理が終了したか否かを判断する(S326)。サーバ30は、S326でNOと判断した場合、S320に戻り、まだランダム選出処理が終わっていないポジションの候補IDの選出条件を、図24のキャラクタ選出条件テーブルTBL6を参照して設定する。以降、サーバ30は、S326でYESと判断するまで、S320~S326の処理を繰り返す。これにより、ポジションランダム枠以外のポジションのランダム選出処理が完了する。S320~S326の処理は、選出処理の前からポジション(役割の一例)が決まっている選出対象(第1の選出対象と称する)に対してランダム選出を行うルーチンである。
【0224】
サーバ30は、S326でYESと判断した場合、ポジションランダム枠に対するランダム選出処理S328~S336に移行する。S328~S336の処理は、選出処理の前にはポジションが決まっていない選出対象(第2の選出対象と称する)に対してランダム選出を行うルーチンである。この第2の選出対象に対する選出処理は、サーバ30の選出部330が、先ず複数のポジションの中からランダムにポジションを決定して、決定したポジションに対応する選出条件に基づいて、選手キャラクタをランダムに選出する。
【0225】
すなわち、サーバ30は、全てのポジションの中からランダムに1つのポジションを決定する(S328)。また、サーバ30は、決定したポジションの候補IDに関連付けられている選出条件を、キャラクタ選出条件テーブルTBL6から読みだして設定する(S330)。また、サーバ30は、S330で設定した選出条件に基づいて、選手キャラクタをランダムに選出する(S332)。また、サーバ30は、S332で選出した選手キャラクタのキャラクタIDを、ユーザIDに関連付けて、図25のランダム選出キャラクタデータDT1として記憶する(S334)。
【0226】
S334の後、サーバ30は、全てのランダム選出処理が終了したか否かを判断する(S336)。サーバ30は、S336でNOと判断した場合、S328に戻り、S328~S336を再度実行することにより、全てのランダム選出処理が完了する。
【0227】
なお、図29では、選出対象の候補ID毎に一つずつ選手キャラクタをランダム選出する例を示したが、例えば、複数の候補IDに対するランダム選出処理を、並列処理により略同時に実行してもよい。
【0228】
また、図29では、第1の選出対象に対するS320~S326の処理の後で、第2の選出対象に対するS328~S336の処理を実行する例を示したが、どちらの処理を先に行ってもよい。また、バリエーションとしては、第1の選出対象に対するS320~S326の処理のみ、あるいは第2の選出対象に対するS328~S336の処理のみで、各ユーザのユーザIDに関連付けられる選手キャラクタをランダム選出してもよい。
【0229】
図29に例示した処理(すなわち図28のS302の処理)は、ユーザU1及びユーザU2の両者に対して実行される。よって、図25に示すように、ユーザU1及びユーザU2のそれぞれのユーザIDに関連付けられたランダム選出キャラクタデータDT1が生成される。
【0230】
図28に戻って説明を続けると、サーバ30は、S302でランダム選出した選手キャラクタのキャラクタIDを、ユーザU1のゲーム端末10-1へ送信する(S304-1)。例えば、サーバ30は、図25に示すランダム選出キャラクタデータDT1の少なくとも「キャラクタID」フィールドのデータ(すなわち、ユーザU1のユーザIDに関連付けられた29個のキャラクタID)を、ユーザU1のゲーム端末10-1へ送信する。この送信の際、例えば、ユーザID及び対戦ID等のデータも送信される。同様に、サーバ30は、ユーザU2のユーザIDに関連付けられた29個のキャラクタIDを、ユーザU2のゲーム端末10-2へ送信する(S304-2)。
【0231】
サーバ30から1チーム分29個のキャラクタIDを受信したゲーム端末10-1では、図16に例示するユーザチームテーブルTBL12の「キャラクタID」フィールドに、受信した29個のキャラクタIDを記憶する。これにより、ユーザU1のユーザIDに関連付けられた1チーム分の選手キャラクタが、選手ランダム杯の対戦ゲームにおいて使用可能となる。サーバ30から1チーム分29個のキャラクタIDを受信したゲーム端末10-2でも同様である。
【0232】
そして、ユーザU1及びユーザU2によって前述のオーダー編成等が行われ、ゲーム端末10-1とゲーム端末10-2との間で、対戦ゲームが実行される(S102)。対戦ゲームは、例えば、ゲーム端末10-1とゲーム端末10-2との間でP2P接続等による直接通信で実行することができる。なお、対戦ゲームはサーバ30経由で実行されてもよい。対戦ゲーム中は、ユーザU1及びユーザU2がそれぞれ自分のチームの選手キャラクタを操作してゲームが進行する。
【0233】
その後、ユーザU1及びユーザU2による対戦ゲームが終了すると、ユーザ端末10-1及びユーザ端末10-2は、当該対戦ゲームの結果をサーバ30に対して送信する(S104-1及びS104-2)。なお、対戦ゲームがサーバ30経由で実行された場合は、S104-1及びS104-2を省略できる。
【0234】
その後、サーバ30は、対戦ゲームの結果に応じて、ユーザU1及びユーザU2に大会ポイント及び報酬を付与するための情報を、ユーザ端末10-1及びユーザ端末10-2に送信する(S306-1及びS306-2)。
【0235】
次に、ゲームシステム1において、ユーザU1とユーザU2との間で、前述の野球ゲームのチームランダム杯の対戦ゲーム(特定の対戦ゲームの一例)が行われる場合の処理の一例を説明する。図30は、ゲームシステム1の処理の一例を示すシーケンスチャートである。
【0236】
ゲーム端末10-1及びゲーム端末10-2において、ユーザU1及びユーザU2がチームランダム杯の対戦ゲームへ参加するための操作を行えば、当該操作に関する情報が、ネットワークNを介してサーバ30へ送信される(S140-1及び140-2)。サーバ30は、ゲーム端末10-1及び10-2からの対戦参加操作に関する情報を受信して、チームランダム杯の対戦ゲームへ参加を受け付ける処理を実行する(S340)。
【0237】
その後、サーバ30の選出部330は、互いに対戦相手となる各ユーザ(U1、U2)のユーザIDに関連付けられる、前記対戦ゲームで使用可能なチーム(使用対象の一例)を、管理部320が管理している複数のチームの中から、同一の選出条件に基づいてランダムに選出する処理を実行する(S342)。ここで、S342の処理の一例を、図31のフローチャートを参照して以下に説明する。
【0238】
サーバ30は、チームランダム杯の対戦ゲームにおいて適用されるチーム選出条件を設定する(S360)。例えば、図26に例示するチーム選出条件テーブルTBL7を参照して、「選出条件」フィールドに記憶されている何れかの選出条件を設定する。例えば、全チーム(12チーム)を対象としたり、日本シリーズに出場する2チームを対象としたりする選出条件が設定される。
【0239】
そして、サーバ30は、図10に例示するチーム情報テーブルTBL3(管理部320が管理している複数のチームの一例)の中から、S360で設定した選出条件に基づいて、ランダムにチームを選出する(S362)。すなわち、サーバ30は、チーム情報テーブルTBL3に記憶されている12チームのうちの選出条件を満たすチームを母集団として、ランダム抽選によりチームを選出する。
【0240】
その後、サーバ30は、S362で選出したチームのチームIDを、ユーザIDに関連付けて記憶装置(例えば、RAM33、補助記憶装置34、データベースDB等)に記憶し、ランダム選出チームデータDT2を生成する(S364)。
【0241】
図27は、ランダム選出チームデータDT2の一例を示す。ランダム選出チームデータDT2は、選出部330によるランダム選出処理によって選出されたチームのチームIDを、対戦を行う2人のユーザのユーザIDに関連付けて記憶したデータである。図27では、大会ID:E2の大会(チームランダム杯 第1回)で行われる対戦ゲーム(対戦ID:M15)において、「全チーム」というチーム選出条件ID:S1が適用され、ユーザID:U1にチームID:TC1が関連付けられ、ユーザID:U2にチームID:TP6が関連付けられた例を示している。
【0242】
図30に戻って説明を続けると、サーバ30は、S342でランダム選出したチームのうち、ユーザID:U1に関連付けられたチームのチームIDを、ユーザU1のゲーム端末10-1へ送信する(S344-1)。この送信の際、例えば、ユーザID及び対戦ID等のデータも送信される。同様に、サーバ30は、ユーザID:U2に関連付けられたチームのチームIDを、ユーザU2のゲーム端末10-2へ送信する(S344-2)。
【0243】
サーバ30からチームIDを受信したゲーム端末10-1は、図10のチーム情報テーブルTBL3を参照して、受信したチームIDに対応する「出場選手登録」フィールドに登録されている29名のキャラクタIDを取得する。そして、ゲーム端末10-1は、前記取得した29名のキャラクタIDを、図17に例示するユーザチームテーブルTBL12の「キャラクタID」フィールドに記憶する。これにより、ユーザU1に割り当てられたチーム(チームを構成する29名の選手キャラクタ)が、チームランダム杯の対戦ゲームにおいて使用可能となる。サーバ30からチームIDを受信したゲーム端末10-2でも同様である。
【0244】
その後のS142、S144-1、S144-2、S346-1及びS346-2の各処理は、図28のS102、S104-1、S104-2、S306-1及びS306-2の各処理と同一であるため説明を省略する。
【0245】
[6.まとめ]
以上に説明した実施形態に係るゲームシステム1では、互いに対戦相手となる各ユーザのユーザ識別情報に関連付けられる「選手キャラクタ又はチーム(それぞれ使用対象の一例)」は、各ユーザが選択するのではなく、対戦ゲームへの参加を受け付けられたユーザが対戦ゲームで共通で使用可能な複数の選手キャラクタ又はチームの中から、同一の選出条件に基づいてランダムに選出される。つまり、ユーザが対戦ゲームで使用できる使用対象は、どのユーザに対しても「同じ母集団」からランダムに割り当てられたものであり、ゲームプレイの条件の公平が担保される。従って、人気のある選手キャラクタやチームばかりが各ユーザのユーザ識別情報に関連付けられることを回避し、各ユーザが対戦ゲームで使用する選手キャラクタやチームの偏りを解消できる。また、対戦時のゲームプレイの条件が公平になるので、ユーザ間でゲームの技量を純粋に競わせることが可能となる。このため、対戦するユーザにとってのみならず当該対戦を観戦する者にとっても対戦ゲームの興趣性の向上が図れる。
【0246】
また、ゲームシステム1では、選手ランダム杯の対戦ゲーム(特定の対戦ゲームの一例)において選出される選手キャラクタ(オブジェクトの一例)毎に、ポジションや能力等の選出条件を設定しているので、ポジションや能力等に偏りが生じ難い所望のチームを構成することができる。
【0247】
また、ゲームシステム1では、選手ランダム杯の対戦ゲームにおいて、選出部330によって選出される選手キャラクタの中には、当該選出の前からポジションが決まっている第1の選出対象の選手キャラクタと、当該選出の前にはポジションが決まっていない第2の選出対象(ポジションランダム枠)の選手キャラクタが含まれる。そして、選出部330は、前記第2の選出対象の選手キャラクタを選出する場合、複数のポジションの中からポジションをランダムに決定し、決定したポジションに対応する選出条件に基づいて、前記第2の選出対象の選手キャラクタをランダムに選出する構成である。この構成により、ユーザに割り当てられる選手キャラクタに、決められたポジションの選手キャラクタだけではなく、選出されるまでどのポジションになるか分からない選手キャラクタを含ませることができるので、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0248】
また、ゲームシステム1では、選手キャラクタに関連付けられる能力等のパラメータは、当該選手キャラクタに対応する実在の選手(実在の人物の一例)を模して設定してもよい。この場合、ユーザ間で、実在の選手を模した選手キャラクタを使用した、現実世界の試合の模擬戦をゲーム上で実現できる。特に、チームランダム杯の対戦ゲーム(特定の対戦ゲームの一例)の場合、現実世界のチーム同士の試合の模擬戦をゲーム上で実現することができる。例えば、現実世界のスポーツで予定されている対戦カード(チームの組み合わせ)の試合が行われる前に、ゲームにおいて同様の対戦カードの模擬戦を実現すれば、ゲームを通して現実世界の対戦カードを盛り上げることができる。ここで、ゲーム上の模擬戦で使用される実在の人物を模したキャラクタからなるチーム(グループの一例)は、対戦する各ユーザにランダムに割り当てられるので、偏りなく様々な対戦カードの模擬戦が実現できる。
【0249】
また、ゲームシステム1では、大会開催期間(所定の期間の一例)に対戦ゲームを複数回行うことが可能であり、対戦ゲームが行われる毎に、前記ランダムな選出が実行されるようにしてもよい。この構成によれば、対戦を行う各ユーザには、偏りなく様々な選手キャラクタ又はチームが、対戦毎に割り当てられる。特に、実在の人物を模したキャラクタを使用し、現実世界のチーム同士の試合の模擬戦をゲーム上で実現する場合、対戦毎に、各ユーザに割り当てられるチームがランダムに選出されるので、どのチームも、様々な操作技量のユーザによって使用されることになる。このため、ゲーム上の模擬戦の対戦結果を集計すれば、統計的に、現実世界で実際に強いチームに対応するゲーム上のチームが上位にランクされるようになる。よって、ゲーム上の模擬戦の対戦結果の集計から、その後に現実世界で行われる対戦カードの試合の結果を予想して楽しむことができる。
【0250】
[7.変形例]
本発明は以上に説明した実施形態に限定されるものではない。
【0251】
[7-1]前記特定の対戦ゲームを行うことができる期間を限定することなく、各ユーザがいつでも前記特定の対戦ゲームを行えるようにし、前記特定の対戦ゲームが行われる毎に、選出部330が前述のランダム選出処理を実行して、ユーザIDに関係付けられるキャラクタ又はチームをランダムに選出するようにしてもよい。
【0252】
[7-2]以上では、選手ランダム杯又はチームランダム杯の開催期間中に行われる対戦ゲーム毎に、ユーザが使用できる選手キャラクタ又はチームがリセットされ、対戦ゲーム毎に選手キャラクタ又はチームがランダム選出される例を示した。バリエーションとしては、例えば、対戦ゲーム毎にユーザが使用できる選手キャラクタ又はチームをリセットせずに、ユーザが参加した大会の期間中は、最初の対戦ゲームでユーザにランダムに割り当てられた選手キャラクタ又はチームを、2戦目以降の対戦ゲームでも使用するものとしてもよい。すなわち、大会の期間中に一度ユーザに割り当てられた選手キャラクタ又はチームは、当該期間の最後まで使用するものとしてもよい。
【0253】
[7-3]また、第1の期間に開催される大会中に一度ユーザに割り当てられた選手キャラクタ又はチームは、次の大会(第1の期間とは異なる第2の期間に開催される大会)では、ユーザが使用できないようにしてもよい。例えば、第1の期間の対戦ゲームでユーザにランダムに割り当てられた選手キャラクタ又はチームは、第2の期間の対戦ゲームではランダム選出の対象から除外されるようにしてもよい。あるいは、第1の期間に開催される大会中に一度ユーザに割り当てられた選手キャラクタ又はチームは、第2の期間に開催される大会では、選出確率が低下されて選出され難くしてもよい。
【0254】
[7-4]また、ある対戦ゲームでユーザにランダムに割り当てられた選手キャラクタ又はチームは、次の対戦ゲームでは、ユーザーが使用できないようにする(例えば、ランダム選出の対象から除外される)ようにしてもよい。あるいは、ある対戦ゲームでユーザにランダムに割り当てられた選手キャラクタ又はチームは、次の対戦ゲームでは、選出確率が低下されて選出され難くしてもよい。
【0255】
[7-5]ユーザが使用できる選手キャラクタ又はチームを、対戦ゲーム毎にランダム選出するのではなく、2以上の所定回数の対戦ゲームが行われる毎に、ランダム選出する構成にしてもよい。例えば、所定回数を3回とした場合、1戦目から3戦目までは、1戦目でユーザーにランダムに割り当てられた選手キャラクタ又はチームを使用するものとし、4戦目から6戦目までは、4戦目でユーザーにランダムに割り当てられた選手キャラクタ又はチームを使用するものとする。
【0256】
[7-6]互いに対戦相手となる各ユーザに、同一の選手キャラクタ又はチームを割り当ててもよい。例えば、ランダムに選出した選手キャラクタ又はチームを、対戦する両方のユーザのユーザIDに関連付けることにより、当該両方のユーザが同一の選手キャラクタ又はチームを対戦ゲームで使用するようにしてもよい。また、大会に参加する全てのユーザに対して、同一の選手キャラクタ又はチーム(例えば、ランダムに選出した選手キャラクタ又はチーム)を割り当ててもよい。
【0257】
[7-7]先ず、ユーザに割り当てるチームをランダムに決定し、決定されたチームに関連付けられている複数の選手キャラクタの中から、ユーザIDに関連付けられる所定数の選手キャラクタをランダムに選出するようにしてもよい。
【0258】
[7-8]互いに対戦相手となる各ユーザのユーザIDに関連付けられる所定数のオブジェクトをランダムに選出した結果、各ユーザに対して選出された前記所定数のオブジェクトの能力(例えば能力値の合計や平均)にある程度の差が生じる場合がある。そこで、この能力の差を小さくして対戦するユーザ間の能力に関するゲームプレイの条件の公平性を高めることができる構成を次に説明する。
【0259】
対戦ゲームは、第1の所定数(例えば29)の選手キャラクタ(オブジェクトの一例)で構成されるチーム(グループの一例)間で対戦するゲームである。例えば、前述の選手ランダム杯の対戦ゲームである。選出部330は、前記第1の所定数より少ない第2の所定数(例えば27)の選手キャラクタをランダムに選出した後に、対戦する各ユーザに対して選出された前記第2の所定数の選手キャラクタの能力差を評価する。例えば、前述の選手ランダム杯の対戦ゲームの場合、ポジションランダム枠以外の27名の選手キャラクタのランダム選出処理が、対戦する2人のユーザに対して実行された後に、当該27名の選手キャラクタの総合能力(能力の一例)の合計値(または平均等)のユーザ間の差を算出し、当該差が所定の基準(例えば、100未満)を超えていないか否かを評価する。ここで、能力差が所定の基準を超えている場合、当該能力差が小さくなるように、残りの選手キャラクタの選出(例えば、ポジションランダム枠の2名の選出)において各ユーザに適用する能力に関する選出条件を異ならせる。具体例を挙げると、ランダム選出によってユーザU1に割り当てられた27名の選手キャラクタの総合能力の合計値の方が、ユーザU2に割り当てられた27名の選手キャラクタの総合能力の合計値よりも100以上大きい場合、ユーザU1に適用される選出条件を例えば「総合能力が199以下」とし、ユーザU2に適用される選出条件を例えば「総合能力が200以上」とする。
【0260】
上記では、ポジションランダム枠の2名のランダム選出において適用される選出条件を調整する具体例を示したが、これに限定されない。例えば、ポジションランダム枠のないキャラクタで構成されるチーム間の対戦ゲームにも適用できる。
【0261】
[7-9]以上では、野球ゲームの例について主に説明したが、本発明は他のゲームにも適用できる。例えば、他のスポーツゲーム(サッカー、テニス、アメリカンフットボール、バスケットボール、アイスホッケー、バレーボール、ラグビー等を題材としたゲーム)、レースゲーム、格闘ゲーム、戦闘ゲーム、デジタルカードゲーム、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、アドベンチャーゲーム又は育成ゲームのように、ゲーム形式・ジャンルを問わず、少なくとも対戦形式のゲームモードを含むゲームなら様々なゲームに適用できる。特に、本発明は、2以上のオブジェクトで構成されるグループ間で対戦するゲームに好適である。
【0262】
[7-10]以上では、例えば、受付部310、管理部320又は選出部330等がサーバ30に設けられている例を示したが、これに限定されるものではない。ゲーム端末10とサーバ30は、互いに通信して各種データの送受が可能であり、共にCPU、ROM、RAM、補助記憶装置、通信部等を備えた情報処理装置(コンピュータ)であって、基本的には同様のハード構成を有する。よって、以上に説明したサーバ30が有する各種機能の一部をゲーム端末10のCPU11によって実現し、残りをサーバ30のCPU31によって実現してもよい。又は、以上に説明したサーバ30が有する各種機能のすべてをゲーム端末10のCPU11によって実現してもよい。
【0263】
[7-11]各種情報を記憶装置に記憶する記憶制御機能を有する構成に関し、記憶装置そのものについては当該構成に含まれないので、ゲームシステム1の内外を問わず、どこに設置されていてもよい。例えば、記憶装置は、ゲームシステム1内の記憶装置((例えば、RAM13、補助記憶装置14、RAM33、補助記憶装置34、データベースDB等)、あるいはこれらとは別構成のファイルサーバ(オンラインストレージ)等であってもよい。
【0264】
[7-12]本実施の形態に係るコンピュータ読み取り可能なプログラムは、ハードディスク、光ディスク(CD-ROM、DVD-ROM等)、フレキシブルディスク、半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録され、当該記録媒体から読み出されてゲームシステム1又はゲーム制御装置を構成するコンピュータのCPUにより実行される。また、プログラムをコンピュータに提供する手段は、前述した記録媒体に限定されるものではなく、インターネット等の通信ネットワークを介して行うこともできる。
【0265】
[8.付記]
以上の記載から本発明は例えば以下のように把握される。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を便宜的に括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の態様に限定されるものではない。
【0266】
1)本発明の一態様に係るゲームシステム(1)は、特定の対戦ゲーム(例えば選手ランダム杯又はチームランダム杯の対戦ゲーム)にユーザが参加できるゲーム(例えば野球ゲーム)を提供するものであって、前記対戦ゲームへの参加を受け付ける受付手段(310)と、前記受付手段(310)によって参加を受け付けられたユーザが前記対戦ゲームで使用可能な複数の使用対象(TBL2又はTBL3)を、記憶装置に記憶させて管理する管理手段(320)と、互いに対戦相手となる各ユーザのユーザ識別情報(例えばユーザID)に関連付けられる、前記対戦ゲームで使用可能な前記使用対象(例えば選手キャラクタ又はチーム)を、前記管理手段(320)に管理されている前記複数の使用対象の中から、同一の選出条件(TBL6又はTBL7)に基づいてランダムに選出する選出手段(330)と、を含む。
【0267】
10)本発明の一態様に係るゲーム制御装置(10又は30)は、特定の対戦ゲームにユーザが参加できるゲームを提供するものであって、前記対戦ゲームへの参加を受け付ける受付手段(310)と、前記受付手段(310)によって参加を受け付けられたユーザが前記対戦ゲームで使用可能な複数の使用対象を、記憶装置に記憶させて管理する管理手段(320)と、互いに対戦相手となる各ユーザのユーザ識別情報に関連付けられる、前記対戦ゲームで使用可能な前記使用対象を、前記管理手段(320)に管理されている前記複数の使用対象の中から、同一の選出条件に基づいてランダムに選出する選出手段(330)と、を含む。
【0268】
11)本発明の一態様に係るプログラムは、1)~9)のいずれかに記載のゲームシステム(1)、又は、10)に記載のゲーム制御装置(10又は30)としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0269】
12)本発明の一態様に係る情報記憶媒体は、11)に記載のプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0270】
13)本発明の一態様に係るゲームシステム(1)の制御方法は、特定の対戦ゲームにユーザが参加できるゲームを提供するゲームシステムを制御する方法であって、前記対戦ゲームへの参加を受け付ける受付ステップ(S300又はS340)と、前記受付ステップ(S300又はS340)によって参加を受け付けられたユーザが前記対戦ゲームで使用可能な複数の使用対象(TBL2又はTBL3)を、記憶装置に記憶させて管理する管理ステップと、互いに対戦相手となる各ユーザのユーザ識別情報に関連付けられる、前記対戦ゲームで使用可能な前記使用対象を、前記管理ステップにて管理されている前記複数の使用対象の中から、同一の選出条件に基づいてランダムに選出する選出ステップ(S302及びS320~S336、又はS342及びS360~S364)と、を含む。
【0271】
14)本発明の一態様に係るゲーム制御装置(10又は30)の制御方法は、特定の対戦ゲームにユーザが参加できるゲームを提供するゲームシステムを制御する方法であって、前記対戦ゲームへの参加を受け付ける受付ステップ(S300又はS340)と、前記受付ステップ(S300又はS340)によって参加を受け付けられたユーザが前記対戦ゲームで使用可能な複数の使用対象(TBL2又はTBL3)を、記憶装置に記憶させて管理する管理ステップと、互いに対戦相手となる各ユーザのユーザ識別情報に関連付けられる、前記対戦ゲームで使用可能な前記使用対象を、前記管理ステップにて管理されている前記複数の使用対象の中から、同一の選出条件に基づいてランダムに選出する選出ステップ(S302及びS320~S336、又はS342及びS360~S364)と、を含む。
【0272】
上記1)、10)~14)に記載の態様によれば、互いに対戦相手となる各ユーザのユーザ識別情報に関連付けられる使用対象は、各ユーザが選択するのではなく、対戦ゲームへの参加を受け付けられたユーザが対戦ゲームで共通で使用可能な複数の使用対象の中から、同一の選出条件に基づいてランダムに選出されたものである。つまり、ユーザが対戦ゲームで使用できる使用対象は、どのユーザに対しても「同じ母集団」からランダムに割り当てられたものであり、ゲームプレイの条件の公平が担保される。従って、人気のある使用対象や能力の高い使用対象ばかりが各ユーザのユーザ識別情報に関連付けられることを回避し、各ユーザが対戦ゲームで使用する使用対象の偏りを解消できる。また、対戦時のゲームプレイの条件が公平になるので、ユーザ間でゲームの技量を純粋に競わせることが可能となる。このため、対戦するユーザにとってのみならず当該対戦を観戦する者にとっても対戦ゲームの興趣性の向上が図れる。
【0273】
2)本発明の一態様では、前記使用対象は、前記対戦ゲーム中に前記ユーザによって使用され得るオブジェクト(例えば選手キャラクタ)であってもよい。
【0274】
2)に記載の態様によれば、各ユーザが対戦ゲームで使用するオブジェクトの偏りを解消できる。
【0275】
3)本発明の一態様では、前記対戦ゲームは、2以上のオブジェクト(例えば選手キャラクタ)で構成されるグループ(例えばチーム)間で対戦するゲームであり、互いに対戦相手となる各ユーザの前記ユーザ識別情報には、前記管理手段(320)に管理されている複数のオブジェクト(TBL2)の中から、前記2以上のオブジェクトが関連付けられ、前記選出手段は、前記2以上のオブジェクトのそれぞれを選出するための前記選出条件(TBL6)を、選出するオブジェクト毎に設定するようにしてもよい。
【0276】
3)に記載の態様によれば、選出されるそれぞれのオブジェクトに対して、個々に役割や能力等の選出条件を設定することにより、役割や能力等の偏りが生じ難い所望のグループを構成することができる。
【0277】
4)本発明の一態様では、前記管理手段(320)に管理されている複数の前記オブジェクトのそれぞれにはパラメータが関連付けられており、前記選出条件は、前記パラメータに関する条件であり、前記選出手段(330)は、前記パラメータに関する条件に基づいて、前記管理手段(320)に管理されている複数のオブジェクトのうちの当該条件を満たすオブジェクトの中から、前記対戦ゲームで使用可能な前記オブジェクトをランダムに選出するようにしてもよい。
【0278】
4)に記載の態様によれば、ランダム選出の選出条件として、オブジェクトに関連付けられている様々なパラメータに関する条件を設定できる。
【0279】
5)本発明の一態様では、前記パラメータには、前記オブジェクトの能力情報が含まれるようにしてもよい。
【0280】
5)に記載の態様によれば、互いに対戦相手となる各ユーザのユーザ識別情報に関連付けられる使用対象は、オブジェクトの能力パラメータに関する「同一の選出条件」に基づいてランダムに選出されたものとなる。よって、互いに対戦相手となる各ユーザが対戦ゲームで使用可能なオブジェクトの能力に関するゲームプレイの条件の公平性が担保される。
【0281】
6)本発明の一態様では、前記パラメータには、前記オブジェクトの役割情報(例えばポジション情報)が含まれるようにしてもよい。
【0282】
6)に記載の態様によれば、互いに対戦相手となる各ユーザのユーザ識別情報に関連付けられる使用対象は、オブジェクトの役割パラメータに関する「同一の選出条件」に基づいてランダムに選出されたものとなる。よって、互いに対戦相手となる各ユーザが対戦ゲームで使用可能なオブジェクトの役割に関するゲームプレイの条件の公平性が担保される。
【0283】
7)本発明の一態様では、前記使用対象は、前記対戦ゲーム中に前記ユーザによって使用され得る2以上のオブジェクトからなるグループ(例えばチーム)であってもよい。
【0284】
7)に記載の態様によれば、各ユーザが対戦ゲームで使用するグループの偏りを解消できる。
【0285】
8)本発明の一態様では、前記オブジェクトは、実在の人物(例えば野球選手)に対応するオブジェクト(例えば選手キャラクタ)であり、前記オブジェクトに関連付けられるパラメータは、当該オブジェクトに対応する前記実在の人物を模して設定されるようにしてもよい。
【0286】
8)に記載の態様によれば、ユーザ間で、実在の人物を模したオブジェクトを使用した、現実世界の対戦の模擬戦をゲーム上で実現できる。特に、使用対象が2以上のオブジェクトからなるグループ(例えば、スポーツゲームのチーム)の場合、現実世界のチーム同士の試合の模擬戦をゲーム上で実現することができる。例えば、現実世界のスポーツで予定されている対戦カード(チームの組み合わせ)の試合が行われる前に、ゲームにおいて同様の対戦カードの模擬戦を実現すれば、ゲームを通して現実世界の対戦カードを盛り上げることができる。ここで、ゲーム上の模擬戦で使用される実在の人物を模したオブジェクトからなるグループは、対戦する各ユーザにランダムに割り当てられるので、偏りなく様々な対戦カードの模擬戦が実現できる。
【0287】
9)本発明の一態様では、各ユーザは前記対戦ゲームを所定の期間内(例えば大会開催期間内)に複数回行うことが可能であり、前記選出手段(330)は、前記所定の期間内で前記対戦ゲームが行われる毎に、前記同一の選出条件に基づいたランダムな選出を実行するようにしてもよい。
【0288】
9)に記載の態様によれば、対戦ゲームが行われる毎に、ユーザの識別情報に関連付けられる使用対象がランダムに選出されるので、対戦を行う各ユーザには、偏りなく様々な使用対象が対戦毎に割り当てられる。特に、実在の人物を模したオブジェクトを使用し、現実世界のチーム同士の試合の模擬戦をゲーム上で実現する場合、対戦毎に、各ユーザに割り当てられるグループがランダムに選出されるので、どのグループも、様々な操作技量のユーザによって使用されることになる。このため、ゲーム上の模擬戦の対戦結果を集計すれば、統計的に、現実世界で実際に強いチームに対応するゲーム上のグループが上位にランクされるようになる。よって、ゲーム上の模擬戦の対戦結果の集計から、その後に現実世界で行われる対戦カードの試合の結果を予想して楽しむことができる。
【0289】
15)本発明の一態様では、前記選出手段(330)によって選出される前記オブジェクトの中には、当該選出の前から役割(例えばポジション)が決まっている第1の選出対象のオブジェクトと、当該選出の前には前記役割が決まっていない第2の選出対象のオブジェクト(例えばポジションランダム枠の選手キャラクタ)が含まれ、前記選出手段(330)は、前記第2の選出対象のオブジェクトを選出する場合、複数の役割の中から前記役割をランダムに決定し、決定した前記役割に対応する前記選出条件に基づいて、前記第2の選出対象のオブジェクトをランダムに選出するようにしてもよい。
【0290】
15)に記載の態様によれば、ユーザに割り当てられるオブジェクトに、決められた役割のオブジェクトだけではなく、選出されるまでどの役割になるか分からないオブジェクトを含ませることができるので、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0291】
16)本発明の一態様では、前記対戦ゲームは、第1の所定数(例えば29)のオブジェクト(例えば選手キャラクタ)で構成されるグループ(例えばチーム)間で対戦するゲームであり、前記選出手段は、前記第1の所定数より少ない第2の所定数(例えば27)のオブジェクトを、前記同一の選出条件に基づいてランダムに選出した後、前記各ユーザに対して選出された前記第2の所定数のオブジェクトの能力差(例えば能力値の合計や平均等)を評価し、前記能力差が基準を超えている場合、前記能力差が小さくなるように、残りのオブジェクトの選出において前記各ユーザに適用する選出条件を異ならせるようにしてもよい。
【0292】
16)に記載の態様によれば、第2の所定数のオブジェクトをランダム選出した結果、各ユーザに対して選出されたオブジェクトの能力差にある程度の差があっても、残り(第1の所定数から第2の所定数を引いた数)のオブジェクトの選出において、この能力の差を小さくすることができる。よって、対戦するユーザ間の能力に関するゲームプレイの条件の公平性を高めることができる。
【符号の説明】
【0293】
1…ゲームシステム、N…ネットワーク、DB…データベース、10…ゲーム端末、11…CPU、13…RAM、14…補助記憶装置、30…サーバ、31…CPU、33…RAM、34…補助記憶装置、100…データ記憶部、110…端末制御部、300…データ記憶部、310…受付部、320…管理部、330…選出部、TBL1…大会情報テーブル、300…データ記憶部、TBL2…キャラクタ情報テーブル、TBL3…チーム情報テーブル、TBL4…ユーザ管理テーブル、TBL5…対戦管理テーブル、TBL6…キャラクタ選出条件テーブル、TBL7…チーム選出条件テーブル、TBL11…ユーザ情報テーブル、TBL12…ユーザチームテーブル、DT1…ランダム選出キャラクタデータ、DT2…ランダム選出チームデータ

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