(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023060924
(43)【公開日】2023-05-01
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 29/00 20060101AFI20230424BHJP
F25D 11/00 20060101ALI20230424BHJP
F25D 27/00 20060101ALI20230424BHJP
F25D 23/00 20060101ALI20230424BHJP
【FI】
F25D29/00 Z
F25D11/00 101B
F25D27/00
F25D23/00 301G
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021170607
(22)【出願日】2021-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】陳 龍
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 匡彦
【テーマコード(参考)】
3L045
3L345
【Fターム(参考)】
3L045AA02
3L045BA01
3L045CA02
3L045LA18
3L045MA00
3L045MA12
3L045MA20
3L345AA02
3L345AA14
3L345AA26
3L345HH12
3L345HH32
3L345HH36
3L345HH42
3L345KK04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】第1ドアに操作手段を備え、操作手段の操作により第2貯蔵室の冷却を制御可能とし、操作手段は第1ドアの下部に設置されたので、ドアを開放しないで別の貯蔵室の冷却運転制御を可能とし、ドア下部に操作手段を備えているので操作性および冷却効率を向上した冷蔵庫を提供する。
【解決手段】本開示における冷蔵庫は、第1貯蔵室の下方に第2貯蔵室を有し、第1貯蔵室に対応する第1ドアと、第2貯蔵室に対応する第2ドアが設けられた冷蔵庫において、第1ドアに操作手段60を備え、操作手段60の操作により第2貯蔵室の急速冷却運転を制御可能とし、操作手段60は第1ドア9aの下部に設置されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1貯蔵室と隣接する第2貯蔵室を有し、前記第1貯蔵室に対応する第1ドアと、前記第2貯蔵室に対応する第2ドアが設けられた冷蔵庫において、前記第1ドアに操作手段を備え、前記操作手段の操作により前記第2貯蔵室の運転状態を変更可能とし、前記操作手段は前記第1ドアの下部に設置されたことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
運転状態は対象機能の運転時間または印加電圧であることを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記第1ドアの前面に表示部を備え、前記操作手段を操作すると、前記表示部は連動して点灯/消灯して表示することを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記操作手段は前記第1ドアの前面部よりも前方に飛び出して配置しないことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、開閉ドアに設けられた操作表示部の操作により、冷気風向変更手段の動作制御を行う構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、第1ドアに操作手段を備え、操作手段の操作により第2貯蔵室の冷却を制御可能とし、操作手段は第1ドアの下部に設置されたので、ドアを開放しないで別の貯蔵室の冷却運転制御を可能とし、ドア下部に操作手段を備えているので操作性および冷却効率を向上することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示における冷蔵庫は、第1貯蔵室の下方に第2貯蔵室を有し、第1貯蔵室に対応する第1ドアと、第2貯蔵室に対応する第2ドアが設けられた冷蔵庫において、第1ドアに操作手段を備え、操作手段の操作により第2貯蔵室の急速冷却運転を制御可能とし、操作手段は前記第1ドアの下部に設置される。
【発明の効果】
【0006】
本開示における冷蔵庫は、ドアの下部に操作手段を備えることで、ドアを閉じた状態で特定貯蔵室の冷却運転を制御でき、操作性および冷却効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
【0009】
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0010】
(実施の形態1)
以下、
図1~
図5を用いて、実施の形態1を説明する。
【0011】
図1は冷蔵庫の正面図、
図2は縦断面図である。まず
図1、
図2を用いて冷蔵庫の全体構成を説明する。
【0012】
本実施の形態に係る冷蔵庫1は、前方を開口した冷蔵庫本体2を備え、この冷蔵庫本体2は外郭を構成する金属製の外板3と、硬質樹脂製の内板4と、前記外板3および内板4の間に発泡充填された断熱材5とで構成してあり、断熱仕切板6、7、8によって複数の貯蔵室が形成してある。また、冷蔵庫本体2の各貯蔵室は冷蔵庫本体2と同様の断熱構成を採用した回動式のドア9或いは引出し式のドア10、11、12、13で開閉自在としてある。
【0013】
冷蔵庫本体2内には、最上部に冷蔵室14を有し、冷蔵室14と隣接し、断熱仕切板6で上下に区画され、断熱仕切板6の下方に設けた温度帯切り替え可能な切替室15と、切替室15の横に断熱区画して設けた製氷室16と、切替室15および製氷室16と断熱仕切板7で上下に区画され、断熱仕切板7の下方に設けた野菜室17と、さらに野菜室17と断熱仕切板8で上下に区画され、断熱仕切板8の下方に設けた冷凍室18を備えている。
【0014】
そして、冷蔵室14には複数の棚板19が上下複数段となって設けてあり、冷蔵室14の下部には冷蔵室14と冷却温度帯の異なるパーシャル室20が形成されている。
【0015】
冷蔵室14は、冷蔵保存するための貯蔵室で、具体的には、約2~3℃に設定され冷却される。また、冷蔵室14内に設けたパーシャル室20は微凍結保存に適した約-3℃に設定され、パーシャル室20は1℃前後のチルド温度帯にも温度設定が可能である。
【0016】
野菜室17は、冷蔵室14より若干高く温度設定される貯蔵室で、具体的には、4~7℃に設定され冷却される。この野菜室17は野菜等の収納食品から発せられる水分により高湿度となるため、局所的に冷えすぎると結露することがある。そのため、比較的高い温度に設定することで冷却量を少なくし、局所的な冷えすぎによる結露発生を抑制している。
【0017】
冷凍室18は、冷凍温度帯に設定される貯蔵室で、通常約-18℃に設定され冷却されるが、冷凍保存状態向上のため、例えば-30℃や-25℃などの低温に設定され冷却されることもある。
【0018】
切替室15は、庫内の温度が変更可能な貯蔵室であり、用途に応じて冷蔵温度帯から冷凍温度帯まで切り換えることができるようになっている。
【0019】
また、野菜室17の背面には冷却室21が設けてあり、この冷却室21には冷気を生成する冷却器22と、冷気を各室に供給する冷却ファン23とが設置してある。そして更に冷却器22の下方にはガラス管ヒータ等で構成した除霜手段24(以下、ヒータと称す)が設けてある。
【0020】
冷却器22は、圧縮機25と、熱交換器(図示せず)と、各室の開口部の露付きを防止する防露パイプ(図示せず)と、キャピラリーチューブ(図示せず)とを環状に接続して冷凍サイクルを構成しており、圧縮機25によって圧縮された冷媒の循環によって冷却を行う。
【0021】
また各ドア9~13は、外側の前面板を構成する金属製のパネルドア30と、パネルドア30の上端部を覆う上キャップドア31と、下端部を覆う下キャップドア32とを備え、内部に発泡ウレタン40を充填して、内側をインナードア33で塞いで構成している。
【0022】
図3は冷蔵室ドア9の部分側面図、
図4は冷蔵室ドア9の要部分解斜視図、
図5は
図4のA-A断面図である。
【0023】
図3で、冷蔵室ドア9の下部に操作手段である操作ボタン60が設けられている。
【0024】
操作ボタン60は冷蔵室ドア9の前面部9aよりも前に飛び出さないように配置している。冷蔵室ドア9の下方に位置する引出し式ドア11の上面部に段差部11aを備えており、冷蔵室ドア9の下方にスペース部61が形成されている。
【0025】
図4は冷蔵室ドア9の分解斜視図で、操作ボタン60は表示ユニット62に保持されている。表示ユニット62は操作ボタン60の操作に応じて点灯/消灯するLED63および制御基板64を保持している。
【0026】
また、表示ユニット62は、冷蔵室ドア9内の下部で、断熱材65が充填されない収納領域66に収納される。
【0027】
操作ボタン60は冷蔵室ドア9の下面を形成する下部フレーム67に設けた開口部67aから操作部60aが下部フレーム67より下方に飛び出すように配置している。
【0028】
操作部60aは、操作ボタン60のベース面から凸状に突出しており、利用者が閉じた冷蔵室ドア9の前に立った時に、操作ボタン60を目視しないで押圧する部分が分かるように形成されている。
【0029】
操作部60aの押圧により、操作ボタン60が回動中心60bを中心に回動して操作ボタン60の上方にあるスイッチ部68を押圧する。
【0030】
利用者が操作ボタン60の操作部60aを押圧すると、操作ボタン60の端部がスイッチ部68を押圧し、制御基板64に実装されるLED63の点灯を行う。
【0031】
LED63の点灯は切替室15の冷却運転と連動しており、操作部60aを押圧することで、運転状態を変更することができる。具体的には切替室15の運転が、通常運転状態から急速冷却運転状態に変更する。LED63は複数個備えられ、点灯個数が多くなるほど急速冷却運転時間を長く、また点灯個数が少ないほど急速冷却運転時間を短く設定することができ、操作部60aの操作に応じて、急速冷却運転時間を設定することができる。
【0032】
切替室15の急速冷却運転時間とは、切替室15に設置した切替室ファン15aを温度センサの検知温度に関係なく強制的に運転し、ファンの運転時間を例えば3分、5分、10分のように複数段階に運転状態を設定することができる。
【0033】
冷蔵室ドア9を閉じた状態で、操作部60aを手動操作して切替室15の急速冷凍運転時間を設定できるので、切替室15を開閉動作して、室内に急速冷却したい食材を入れて、操作部が集約されている冷蔵室ドア9内を開放することなく、閉じたままで操作ボタン60を操作して、急速冷却を行うことができるので、無駄な動作および無駄なドア開閉をすることなく冷却を開始することができるので冷却効率を向上できる。
【0034】
急速冷却運転状態として、切替室ファン15aの運転時間としたが、印加電圧を複数段階に変更可能で切替室ファン15aの回転数を設定でき風量を変更可能にしてもよい。
【0035】
また操作ボタン60は、冷蔵室ドア9の前面部9aよりも前に飛び出して設置されていないので、略平面状の前面部9aを拭き掃除した時など、操作ボタン60に引っかかることがなく清掃性を向上できる。 また操作ボタン60の下方にはスペース部61があるので、操作ボタン60を操作するときの手を入れるスペースがあるので、スムーズに操作することができる。
【0036】
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本開示は、ドアを開放しないで、庫内の冷却運転を操作できる冷蔵庫に適用可能である。
【符号の説明】
【0038】
9 冷蔵室ドア
30 パネルドア
32 下キャップドア
34 第1開口部
36 制御基板
38 LED
39 第1導光部材
39b、44b 端部
50 表示装置