IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エア・ウォーター物流株式会社の特許一覧 ▶ 太陽工業株式会社の特許一覧

特開2023-60930飼料の積載方法およびそれに用いる飼料用コンテナバッグ
<>
  • 特開-飼料の積載方法およびそれに用いる飼料用コンテナバッグ 図1
  • 特開-飼料の積載方法およびそれに用いる飼料用コンテナバッグ 図2
  • 特開-飼料の積載方法およびそれに用いる飼料用コンテナバッグ 図3
  • 特開-飼料の積載方法およびそれに用いる飼料用コンテナバッグ 図4
  • 特開-飼料の積載方法およびそれに用いる飼料用コンテナバッグ 図5
  • 特開-飼料の積載方法およびそれに用いる飼料用コンテナバッグ 図6
  • 特開-飼料の積載方法およびそれに用いる飼料用コンテナバッグ 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023060930
(43)【公開日】2023-05-01
(54)【発明の名称】飼料の積載方法およびそれに用いる飼料用コンテナバッグ
(51)【国際特許分類】
   B65D 88/22 20060101AFI20230424BHJP
【FI】
B65D88/22 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021170615
(22)【出願日】2021-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】596108771
【氏名又は名称】エア・ウォーター物流株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000204192
【氏名又は名称】太陽工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109472
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 直之
(72)【発明者】
【氏名】平野 賢治
(72)【発明者】
【氏名】中山 貴文
(72)【発明者】
【氏名】杉本 光央
【テーマコード(参考)】
3E170
【Fターム(参考)】
3E170AA29
3E170AB30
3E170DA07
3E170GA08
3E170PA04
3E170RA02
3E170RA03
3E170VA16
3E170WE01
3E170WF09
3E170WG01
3E170WG03
(57)【要約】
【課題】フレキシブルバッグを自立させることにより積載の作業性を向上させ、人員削減に有利となる飼料の積載方法を提供する。
【解決手段】フレキシブル素材を用いて形成される飼料用コンテナバッグ1を使用した飼料の積載方法であって、底部20とフレキシブル素材からなる周側部30とを有するバッグ本体10を車両60に積載し、上記周側部30に一体化させたフレーム部材40により、上記車両60上において上記バッグ本体10を上部開口11が開いた状態で自立させ、上記自立させた上記バッグ本体10の上記上部開口11から上記バッグ本体10内に飼料を充填する。従来必要としていた骨組み枠がなくなり、それを設置して撤去する作業が不要で、少ない人数で作業を完了できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブル素材を用いて形成される飼料用コンテナバッグを使用した飼料の積載方法であって、
底部と、フレキシブル素材からなる周側部とを有するバッグ本体を車両に積載し、
上記周側部に一体化させたフレーム部材により、上記車両上において上記バッグ本体を上部開口が開いた状態で自立させ、
上記自立させた上記バッグ本体の上記上部開口から上記バッグ本体内に飼料を充填する
ことを特徴とする飼料の積載方法。
【請求項2】
フレキシブル素材を用いて形成される飼料用コンテナバッグを使用した飼料の積載方法であって、
底部と、フレキシブル素材からなる周側部とを有するバッグ本体を準備し、
上記周側部に一体化させたフレーム部材により、上記バッグ本体を上部開口が開いた状態で自立させ、
上記自立させた上記バッグ本体の上記上部開口から上記バッグ本体内に飼料を充填し、
上記飼料が充填された上記バッグ本体を車両に積載する
ことを特徴とする飼料の積載方法。
【請求項3】
底部と、フレキシブル素材からなる周側部とを有するバッグ本体と、
上記周側部に一体化させることで上記バッグ本体を上部開口が開いた状態で自立させるためのフレーム部材とを備え、
上記底部が、充填された飼料を排出するための排出構造を有するフレキシブル素材からなり、
上記排出構造は、開閉可能な内側排出口と開閉可能な外側排出口による2重構造になっている
ことを特徴とする飼料用コンテナバッグ。
【請求項4】
上記フレーム部材が、上記周側部の上下方向に延びる複数のプレート部材である
請求項3記載の飼料用コンテナバッグ。
【請求項5】
上記複数のプレート部材が、上記周側部の周方向に並べて配置されている
請求項4記載の飼料用コンテナバッグ。
【請求項6】
上記周側部が、外側フレキシブル材と内側フレキシブル材の2重構造であり、
上記複数のプレート部材が、上記外側フレキシブル材と上記内側フレキシブル材の間に存在している
請求項4または5記載の飼料用コンテナバッグ。
【請求項7】
上記周側部を構成するフレキシブル素材が、樹脂ラミネートされたものである
請求項3~6のいずれか一項に記載の飼料用コンテナバッグ。
【請求項8】
上記上部開口を覆うカバー部材を備え、上記カバー部材は、樹脂板による蓋材の周縁に、樹脂ラミネートされたフレキシブル素材による垂れが設けられて構成されている
請求項3~7のいずれか一項に記載の飼料用コンテナバッグ。
【請求項9】
上記周側部の外周に、上記周側部の膨らみを防止するベルト部材が巻き付けられている
請求項3~8のいずれか一項に記載の飼料用コンテナバッグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家畜用の飼料を車両などで輸送する際に適用する飼料の積載方法と、それに用いる飼料用コンテナバッグに関するものである。
【背景技術】
【0002】
牧場で飼育される牛や豚など家畜向けの飼料は、海外を含め飼料用原料を製造工場近郊の港まで船舶輸送され、各製造工場にて添加物等とミキシングされ家畜用飼料が生成される。飼料を車両で輸送するときはフレキシブルコンテナバッグを使用する。フレキシブルコンテナバッグに飼料を充填し、その飼料が充填されたフレキシブルコンテナバッグをトラックの荷台に積んで輸送することが行われる。
【0003】
このようなフレキシブルコンテナバッグに関する先行技術文献として、本出願人は下記の特許文献1~2を把握している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-128387号公報
【特許文献2】特開2020-138737号公報
【0005】
上記特許文献1は、安定した形状を維持できる「直方体フレコンバック」に関するもので、つぎの記載がある。
[0015]
図1図2図3において、本発明の実施例に係る直方体フレコンバッグ20の構成を説明する。この直方体フレコンバッグ20は、断面が矩形の胴部1と、胴部1の下端に設けられこれを塞ぐ矩形の底部5とを有したバッグ本体21(附番せず)と、胴部1の上端に設けられ、土砂(充填物)を胴部1に投入するために対角線に沿って開口しているファスナ7によるスリットを有する矩形の蓋部2と、矩形の底部5の下面に、各辺の中点部近傍の中間部(4つの中間部)に底フック(附番せず)が連結されている。
[0016]
そして、胴部1の内周面の4面の側面の中心部近傍には、それぞれに隔壁ベルト10の一部が縫着されており、隔壁ベルト10は、隣り合う各側面を引き合うように繋いでいる。
その結果、胴部1の膨らみを抑制している。また、胴部1の外周面の4面の側面の上端部には、胴部1の上端部と本体補強布11を介して4本の吊ベルト3が縫着され設けられている。
【0006】
上記特許文献2は、「フレキシブルコンテナバッグ内の収容物の排出方法」に関するもので、つぎの記載がある。
[0035]
1-2.排出方法
次に、フレキシブルコンテナバッグ1を用いる場合の排出方法を説明する。
フレキシブルコンテナバッグ1を用いた排出方法では、主に、吊り下げ工程と、準備工程と、開放工程と、を行う。
[0039]
開放工程は、吊り下げ工程及び準備工程の後に袋体5の底部5Bを開放する工程である。この開放工程では、直下領域の下方に垂れ下がり部10を垂らしつつ垂れ下がり部10によって直下領域を囲んだ状態で袋体5に収容された収容物の少なくとも一部を袋体5から直下領域に向けて落とす。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
通常のフレキシブルコンテナバックは500kg量であり、製造工場にて充填されている。大容量を輸送する目的では、1000kg量がつくられる。ところが、フレキシブルコンテナバッグは、「フレキシブル」つまり「ぐにゃぐにゃ」で、形状が安定しない。したがって、このようなフレキシブルコンテナバッグを使って飼料を車載する場合つぎの手順が必要となる。まず、トラックの荷台に金属製の骨組み枠を設置する。ついで、フレキシブルコンテナバッグをその上部開口が開くように上記骨組み枠に吊るす。その状態で、開いた上部開口から飼料を充填する。充填が終わったら、上記骨組み枠を荷台から撤去して降ろし、フレキシブルコンテナバッグの上部開口に蓋をする。そうしてようやく輸送を行うことができる。
【0008】
このため、金属製の骨組み枠を設置して撤去する作業が必要で、形状が安定しないバッグを骨組みに吊るす作業も手間がかかる。このような手順で作業を行うには、複数名の人員が必要である。それに要する人件費も課題であるが、将来的に深刻な人手不足が予想されるなか、人員そのものの削減は、それ以上に切実で重大な課題として立ちはだかっている。
【0009】
形状の安定した箱状のコンテナを使用すると、飼料を荷下ろししたあとのトラックが空荷で戻るしかなく、物流効率が極めて悪くなる。また、箱状のコンテナでは、充填された飼料を排出するために、コンテナを傾斜させる装置が必要となり、それに多大なコストがかかってしまう。このような事情があるため、箱状のコンテナを使用することが現実的でなく、上述したようなフレキシブルコンテナバッグが用いられている。
【0010】
上記特許文献1は、フレキシブルコンテナバッグに関するもので、上述した課題を解決しうるものではない。また、胴部1の膨らみを抑制するため、内部空間に隔壁ベルト10が張り巡らせてある。上記隔壁ベルト10は内容物の充填や排出を妨げる障害物となる。このため、特に飼料として牧草を充填すると隔壁ベルト10に引っかかってうまく排出できないという問題が生じる。
【0011】
上記特許文献2は、フレキシブルコンテナバッグに関するもので、上述した課題を解決しうるものではない。また、袋体5の底部5Bを開放して行う排出方法が記載されているものの、底部5Bを開放させる具体的な構造は明らかでない。
【0012】
本発明は、上記課題を解決するため、つぎの目的をもってなされたものである。
フレキシブルバッグを自立させることにより積載の作業性を向上させ、人員削減に有利となる飼料の積載方法およびそれに用いる飼料用コンテナバッグを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1記載の飼料の積載方法は、上記目的を達成するため、つぎの構成を採用した。
フレキシブル素材を用いて形成される飼料用コンテナバッグを使用した飼料の積載方法であって、
底部と、フレキシブル素材からなる周側部とを有するバッグ本体を車両に積載し、
上記周側部に一体化させたフレーム部材により、上記車両上において上記バッグ本体を上部開口が開いた状態で自立させ、
上記自立させた上記バッグ本体の上記上部開口から上記バッグ本体内に飼料を充填する。
【0014】
請求項2記載の飼料の積載方法は、上記目的を達成するため、つぎの構成を採用した。
フレキシブル素材を用いて形成される飼料用コンテナバッグを使用した飼料の積載方法であって、
底部と、フレキシブル素材からなる周側部とを有するバッグ本体を準備し、
上記周側部に一体化させたフレーム部材により、上記バッグ本体を上部開口が開いた状態で自立させ、
上記自立させた上記バッグ本体の上記上部開口から上記バッグ本体内に飼料を充填し、
上記飼料が充填された上記バッグ本体を車両に積載する。
【0015】
請求項3記載の飼料用コンテナバッグは、上記目的を達成するため、つぎの構成を採用した。
底部と、フレキシブル素材からなる周側部とを有するバッグ本体と、
上記周側部に一体化させることで上記バッグ本体を上部開口が開いた状態で自立させるためのフレーム部材とを備え、
上記底部が、充填された飼料を排出するための排出構造を有するフレキシブル素材からなり、
上記排出構造は、開閉可能な内側排出口と開閉可能な外側排出口による2重構造になっている。
【0016】
請求項4記載の飼料用コンテナバッグは、請求項3記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記フレーム部材が、上記周側部の上下方向に延びる複数のプレート部材である。
【0017】
請求項5記載の飼料用コンテナバッグは、請求項4記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記複数のプレート部材が、上記周側部の周方向に並べて配置されている。
【0018】
請求項6記載の飼料用コンテナバッグは、請求項4または5記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記周側部が、外側フレキシブル材と内側フレキシブル材の2重構造であり、
上記複数のプレート部材が、上記外側フレキシブル材と上記内側フレキシブル材の間に存在している。
【0019】
請求項7記載の飼料用コンテナバッグは、請求項3~6のいずれか一項に記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記周側部を構成するフレキシブル素材が、樹脂ラミネートされたものである。
【0020】
請求項8記載の飼料用コンテナバッグは、請求項3~7のいずれか一項に記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記上部開口を覆うカバー部材を備え、上記カバー部材は、樹脂板による蓋材の周縁に、樹脂ラミネートされたフレキシブル素材による垂れが設けられて構成されている。
【0021】
請求項9記載の飼料用コンテナバッグは、請求項3~8のいずれか一項に記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記周側部の外周に、上記周側部の膨らみを防止するベルト部材が巻き付けられている。
【発明の効果】
【0022】
請求項1記載の飼料の積載方法は、フレキシブル素材を用いて形成される飼料用コンテナバッグを使用して飼料を積載する。まず、底部と、フレキシブル素材からなる周側部とを有するバッグ本体を車両に積載する。ついで、上記周側部に一体化させたフレーム部材により、上記車両上において上記バッグ本体を上部開口が開いた状態で自立させる。つぎに、上記自立させた上記バッグ本体の上記上部開口から上記バッグ本体内に飼料を充填する。
このため、従来必要としていた骨組み枠がなくなり、それを設置して撤去する作業が不要になる。また、形状が安定しないバッグを骨組みに吊るといった手間がかかる作業も不要である。車両上において上部開口が開いた状態で自立させたバッグ本体の上記上部開口から飼料を充填する作業は、少ない人数で完了できる。人件費は大幅に削減でき、将来的に予想される深刻な人手不足に対応する準備となる。さらに、空になった飼料用コンテナバッグは、折畳んで小さくできることから、飼料を荷下ろししたあとのトラックで別の荷物を運べるため、物流効率が悪化しない。
【0023】
請求項2記載の飼料の積載方法は、フレキシブル素材を用いて形成される飼料用コンテナバッグを使用して飼料を積載する。まず、底部と、フレキシブル素材からなる周側部とを有するバッグ本体を準備する。ついで、上記周側部に一体化させたフレーム部材により、上記バッグ本体を上部開口が開いた状態で自立させる。つぎに、上記自立させた上記バッグ本体の上記上部開口から上記バッグ本体内に飼料を充填する。そののち、上記飼料が充填された上記バッグ本体を車両に積載する。
このため、従来必要としていた骨組み枠がなくなり、それを設置して撤去する作業が不要になる。また、形状が安定しないバッグを骨組みに吊るといった手間がかかる作業も不要である。上部開口が開いた状態で自立させたバッグ本体の上記上部開口から飼料を充填する作業は、少ない人数で完了できる。人件費は大幅に削減でき、将来的に予想される深刻な人手不足に対応する準備となる。さらに、空になった飼料用コンテナバッグは、折畳んで小さくできることから、飼料を荷下ろししたあとのトラックで別の荷物を運べるため、物流効率が悪化しない。
【0024】
請求項3記載の飼料用コンテナバッグは、バッグ本体とフレーム部材とを備えている。上記バッグ本体は、底部と、フレキシブル素材からなる周側部とを有する。上記フレーム部材は、上記周側部に一体化させることで上記バッグ本体を上部開口が開いた状態で自立させる。
上部開口が開いた状態で自立させたバッグ本体の上記上部開口から飼料を充填することができる。このため、従来必要としていた骨組み枠がなくなり、それを設置して撤去する作業が不要になる。また、形状が安定しないバッグを骨組みに吊るといった手間がかかる作業も不要である。したがって、作業を少ない人数で完了でき、人件費は大幅に削減でき、将来的に予想される深刻な人手不足に対応する準備となる。さらに、空になった飼料用コンテナバッグは、折畳んで小さくできることから、飼料を荷下ろししたあとのトラックで別の荷物を運べるため、物流効率が悪化しない。
また、上記底部が、充填された飼料を排出するための排出構造を有するフレキシブル素材からなり、上記排出構造は、開閉可能な内側排出口と開閉可能な外側排出口による2重構造になっている。
このため、バッグ本体をクレーンで吊り上げ、上記排出構造を利用して充填された飼料を排出することができる。このとき、上記排出構造が、内側排出口と外側排出口の2重構造になっていることから、何らかの事情で一方の排出口が開いてしまっても、充填された飼料は不用意に零れ出さない。このため、飼料が零れ出してしまう事故が防止できる。
【0025】
請求項4記載の飼料用コンテナバッグは、上記フレーム部材が、上記周側部の上下方向に延びる複数のプレート部材である。
上記フレーム部材として所定幅のプレートを複数準備すればよいため、極めてシンプルな構造で安価にバッグ本体の自立機構を構成できる。
【0026】
請求項5記載の飼料用コンテナバッグは、上記複数のプレート部材が、上記周側部の周方向に並べて配置されている。
上記周側部の周方向に各プレート部材を立てるだけで容易にバッグ本体を自立状態にすることができ、取り扱い作業が極めて容易である。
【0027】
請求項6記載の飼料用コンテナバッグは、上記周側部が、外側フレキシブル材と内側フレキシブル材の2重構造であり、上記複数のプレート部材が、上記外側フレキシブル材と上記内側フレキシブル材の間に存在している。
上記周側部を構成する上記外側フレキシブル材と上記内側フレキシブル材の間に上記複数のプレート部材が存在し、各プレート部材が上記周側部と一体化している。このため、折畳んだ状態の飼料用コンテナバッグは、上記周側部を各プレート部材とともに広げて立てるだけで容易に自立状態にすることができ、取り扱い作業が極めて容易である。
【0028】
請求項7記載の飼料用コンテナバッグは、上記周側部を構成するフレキシブル素材が、樹脂ラミネートされたものである。
これにより、降雨のなかで飼料を輸送しても、内部の飼料を水濡れから守ることができる。
【0029】
請求項8記載の飼料用コンテナバッグは、上記上部開口を覆うカバー部材を備え、上記カバー部材は、樹脂板による蓋材の周縁に、樹脂ラミネートされたフレキシブル素材による垂れが設けられて構成されている。
これにより、降雨のなかで飼料を輸送しても、内部の飼料を水濡れから守ることができる。
【0030】
請求項9記載の飼料用コンテナバッグは、上記周側部の外周に、上記周側部の膨らみを防止するベルト部材が巻き付けられている。
これにより、バッグ本体の内部空間には、飼料の充填や排出の妨げとなる障害物を設けなくてすむため、飼料の充填や排出がスムーズに行える。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明を適用した飼料用コンテナバッグの一実施形態を示す側面図である。
図2】上記飼料用コンテナバッグの平面図である。
図3】上記飼料用コンテナバッグの底面図である。
図4】周側部の縦断面図である。
図5】上記周側部の横断面図である。
図6】上記周側部の要部を拡大した横断面図である。
図7】本発明を適用した飼料の積載方法の一実施形態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
◆飼料用コンテナバッグ
図1は、本発明を適用した飼料用コンテナバッグ1の一実施形態を示す側面図である。図2はその平面図、図3は底面図である。
【0033】
〔全体構造〕
本実施形態の飼料用コンテナバッグ1は、バッグ本体10とカバー部材50とを備え、上記バッグ本体10の上部開口11から飼料を充填するようになっている。
【0034】
上記バッグ本体10は、この例では大略円筒状を呈し、底部20と周側部30とを有する。上記周側部30は、フレキシブル素材を用いて形成されている。上記底部20は、この例では同様に、フレキシブル素材を用いて形成されている。
【0035】
上記カバー部材50は、上記バッグ本体10の上部開口11を覆うものであり、樹脂板による蓋材51の周縁に、フレキシブル素材による垂れ52が設けられて構成されている。上記垂れ52には、カバー固定ベルト53が取り付けられている。上記フレキシブル素材は、この例では、ポリプロピレンやポリエチレン等の樹脂からなるクロス(織物)が用いられている。
【0036】
〔バッグ本体10〕
上記バッグ本体10は、上記周側部30に一体化させることで上記バッグ本体10を上部開口11が開いた状態で自立させるためのフレーム部材40を備えている。
【0037】
〔フレーム部材40〕
上記フレーム部材40は、上記周側部30の上下方向に延びる複数のプレート部材41である。上記各プレート部材41は、上記周側部30の高さとおなじ程度の上下寸法を呈する長方形状の樹脂プレートである。上記複数のプレート部材41は、上記周側部30の周方向に並べて配置されている。この例では、16枚のプレート部材41が上記周側部30の周方向に略等間隔で並べて配置されている。
〔周側部30〕
【0038】
図4は上記周側部30の縦断面図、図5はその横断面図、図6は要部を拡大した横断面図である。
【0039】
上記周側部30は、外側フレキシブル材31と内側フレキシブル材32の2重構造である。そして、上記複数のプレート部材41が、上記外側フレキシブル材31と上記内側フレキシブル材32の間に存在している。隣接するプレート部材41の間には、両プレート部材41の上下方向に沿った縫目36が形成され、上記外側フレキシブル材31と内側フレキシブル材32が縫製されている。したがって、各プレート部材41は、外側フレキシブル材31と内側フレキシブル材32によって包まれることになる。
【0040】
このような構造により、上記周側部30は、各プレート部材41のあいだの縫製部分をヒンジのようにして折り曲げて畳むことができるようになっている。また、上記周側部30が円筒状を呈するように各プレート部材41を立てることにより、バッグ本体10を自立させることができる。また、各プレート部材41の角を面取りしておくことにより、外側フレキシブル材31と内側フレキシブル材32が各プレート部材41の角と擦れて損傷することを抑止することができる。
【0041】
〔底部20〕
上記底部20は、上述したようにフレキシブル素材からなり、充填された飼料を排出するための排出構造21を有している。上記排出構造21は、開閉可能な内側排出口23と開閉可能な外側排出口25による2重構造になっている。
【0042】
具体的に説明すると、上記底部20は、底フレキシブル材22と内筒24と外筒26とを含んで構成されている。上記内筒24は内側排出口23を構成し、上記外筒25は外側排出口25を構成する。これらにより、二重の排出構造21を構成している。
【0043】
上記底フレキシブル材22は、中央に開口22Aを有するドーナツ形状を呈している。上記底フレキシブル材22の上記開口22に、上記内筒24と外筒26が取り付けられている。上記内筒24は下方に開放して内側排出口23を形成する。上記外筒26も同様に下方に開放して外側排出口25を形成する。
【0044】
上記内筒24は、内筒縛りテープ24Aが取り付けられ、開閉可能な内側排出口23を構成している。つまり、上記内筒縛りテープ24Aで内筒24を縛ることにより内側排出口23が閉じ、上記内筒縛りテープ24Aを解くことにより内側排出口23が開く。
【0045】
上記外筒26は、外筒縛りテープ26Aが取り付けられ、開閉可能な外側排出口25を構成している。つまり、上記外筒縛りテープ26Aで外筒26を縛ることにより外側排出口25が閉じ、上記外筒縛りテープ26Aを解くことにより外側排出口25が開く。
【0046】
本飼料用コンテナバッグ1に飼料を充填するときは、上記内筒縛りテープ24Aで内筒24を縛って内側排出口23を閉じ、その後、上記外筒縛りテープ26Aで外筒26を縛って外側排出口25を閉じる。これにより、排出構造は二重に綴じられることになり、不用意に内容物が零れだすトラブルを防止できる。
【0047】
本飼料用コンテナバッグ1に充填された飼料を排出するときは、上記外筒縛りテープ26Aを解いて外側排出口25を開き、上記内筒縛りテープ24Aを解いて内側排出口23を開く。これにより、内筒24の中空部を通って飼料が排出される。
【0048】
図示した例では、内筒24の上下寸法が外筒26よりも長く、内筒24の下端が外筒26の下端よりも下に位置している。これに限定するものではなく、外筒26の上下寸法を内筒24よりも長くして、外筒26の下端が内筒24の下端よりも下に位置させてもよい。また、外筒26の下端と内筒24の下端が同じ位置になるようにしてもよい。
【0049】
〔上部開口11〕
上記周側部30の上端には、上記上部開口11を構成するための上筒12が取り付けられている。上記上筒12は上方に開放して上部開口11を形成する。上記上筒12には、上筒縛りテープ12Aが取り付けられ、上部開口11を開閉可能としている。つまり、上記上筒縛りテープ12Aで上筒12を縛ることにより上部開口11が閉じ、上記上筒縛りテープ12Aを解くことにより上部開口11が開く。
【0050】
〔ベルト部材33〕
上記周側部30の外周には、上記周側部30の膨らみを防止するベルト部材33が巻き付けられている。この例では上部・中央部・下部の3本のベルト部材33が巻き付けられている。そのうち上部のベルト部材33には、上記カバー部材50のカバー固定ベルト53を留めるための留め金具34が取り付けられている。
【0051】
上記周側部30の上端部の4か所には、飼料用コンテナバッグ1をクレーン等で吊るすための吊りベルト35が設けられている。
【0052】
〔樹脂ラミネート〕
上記周側部30を構成するフレキシブル素材は、樹脂ラミネートされたものを用いるのが好ましい。また、上記カバー部材50の垂れ52を構成するフレキシブル素材も樹脂ラミネートされたものを用いるのが好ましい。
【0053】
◆積載方法
図7は、本発明を適用した飼料の積載方法の一実施形態を説明する図である。
【0054】
本実施形態の積載方法は、上述したような、フレキシブル素材を用いて形成される飼料用コンテナバッグ1を使用した飼料の積載方法である。
【0055】
まず、底部20と、フレキシブル素材からなる周側部30とを有するバッグ本体10を車両60の荷台に積載する。ついで、上記周側部30に一体化させたフレーム部材40により、上記車両60上において上記バッグ本体10を上部開口11が開いた状態で自立させる。つぎに、上記自立させた上記バッグ本体10の上記上部開口11から上記バッグ本体10内に飼料を充填する。図において、符号70は飼料充填機70である。
【0056】
〔実施形態の効果〕
上記実施形態は、つぎの作用効果を奏する。
【0057】
本実施形態の飼料の積載方法は、フレキシブル素材を用いて形成される飼料用コンテナバッグ1を使用して飼料を積載する。まず、底部20と、フレキシブル素材からなる周側部30とを有するバッグ本体10を車両60に積載する。ついで、上記周側部30に一体化させたフレーム部材40により、上記車両60上において上記バッグ本体10を上部開口11が開いた状態で自立させる。つぎに、上記自立させた上記バッグ本体10の上記上部開口11から上記バッグ本体10内に飼料を充填する。
【0058】
このため、従来必要としていた骨組み枠がなくなり、それを設置して撤去する作業が不要になる。また、形状が安定しないバッグを骨組みに吊るといった手間がかかる作業も不要である。車両60上において上部開口11が開いた状態で自立させたバッグ本体10の上記上部開口11から飼料を充填する作業は、少ない人数で完了できる。人件費は大幅に削減でき、将来的に予想される深刻な人手不足に対応する準備となる。さらに、空になった飼料用コンテナバッグ1は、折畳んで小さくできることから、飼料を荷下ろししたあとのトラックで別の荷物を運べるため、物流効率が悪化しない。
【0059】
本実施形態の飼料用コンテナバッグ1は、バッグ本体10とフレーム部材40とを備えている。上記バッグ本体10は、底部20と、フレキシブル素材からなる周側部30とを有する。上記フレーム部材40は、上記周側部30に一体化させることで上記バッグ本体10を上部開口11が開いた状態で自立させる。
上部開口11が開いた状態で自立させたバッグ本体10の上記上部開口11から飼料を充填することができる。このため、従来必要としていた骨組み枠がなくなり、それを設置して撤去する作業が不要になる。また、形状が安定しないバッグを骨組みに吊るといった手間がかかる作業も不要である。したがって、作業を少ない人数で完了でき、人件費は大幅に削減でき、将来的に予想される深刻な人手不足に対応する準備となる。さらに、空になった飼料用コンテナバッグ1は、折畳んで小さくできることから、飼料を荷下ろししたあとのトラックで別の荷物を運べるため、物流効率が悪化しない。
本実施形態の飼料用コンテナバッグ1は、上記底部20が、充填された飼料を排出するための排出構造21を有するフレキシブル素材からなり、上記排出構造21は、開閉可能な内側排出口23と開閉可能な外側排出口25による2重構造になっている。
このため、バッグ本体10をクレーンで吊り上げ、上記排出構造21を利用して充填された飼料を排出することができる。このとき、上記排出構造21が、内側排出口23と外側排出口25の2重構造になっていることから、何らかの事情で一方の排出口が開いてしまっても、充填された飼料は不用意に零れ出さない。このため、飼料が零れ出してしまう事故が防止できる。
【0060】
本実施形態の飼料用コンテナバッグ1は、上記フレーム部材40が、上記周側部30の上下方向に延びる複数のプレート部材41である。
上記フレーム部材40として所定幅のプレート部材41を複数準備すればよいため、極めてシンプルな構造で安価にバッグ本体10の自立機構を構成できる。
【0061】
本実施形態の飼料用コンテナバッグ1は、上記複数のプレート部材41が、上記周側部30の周方向に並べて配置されている。
上記周側部30の周方向に各プレート部材41を立てるだけで容易にバッグ本体10を自立状態にすることができ、取り扱い作業が極めて容易である。
【0062】
本実施形態の飼料用コンテナバッグ1は、上記周側部30が、外側フレキシブル材31と内側フレキシブル材32の2重構造であり、上記複数のプレート部材41が、上記外側フレキシブル材31と上記内側フレキシブル材32の間に存在している。
上記周側部30を構成する上記外側フレキシブル材31と上記内側フレキシブル材32の間に上記複数のプレート部材41が存在し、各プレート部材41が上記周側部30と一体化している。このため、折畳んだ状態の飼料用コンテナバッグ1は、上記周側部30を各プレート部材41とともに広げて立てるだけで容易に自立状態にすることができ、取り扱い作業が極めて容易である。
【0063】
本実施形態の飼料用コンテナバッグ1は、上記周側部30を構成するフレキシブル素材が、樹脂ラミネートされたものである。
これにより、降雨のなかで飼料を輸送しても、内部の飼料を水濡れから守ることができる。
【0064】
本実施形態の飼料用コンテナバッグ1は、上記上部開口11を覆うカバー部材50を備え、上記カバー部材50は、樹脂板による蓋材51の周縁に、樹脂ラミネートされたフレキシブル素材による垂れ52が設けられて構成されている。
これにより、降雨のなかで飼料を輸送しても、内部の飼料を水濡れから守ることができる。
【0065】
本実施形態の飼料用コンテナバッグ1は、上記周側部30の外周に、上記周側部30の膨らみを防止するベルト部材33が巻き付けられている。
これにより、バッグ本体10の内部空間には、飼料の充填や排出の妨げとなる障害物を設けなくてすむため、飼料の充填や排出がスムーズに行える。
【0066】
〔変形例〕
本発明を適用した飼料の積載方法の変形例を説明する。
変形例では、上記バッグ本体10を、フレーム部材40により上部開口11が開いた状態で自立させ、その状態で上記上部開口11から飼料を充填し、その後、上記飼料が充填された上記バッグ本体10をクレーン等を用いて車両60に積載する。
【0067】
上記変形例の飼料の積載方法は、フレキシブル素材を用いて形成される飼料用コンテナバッグ1を使用して飼料を積載する。まず、底部20と、フレキシブル素材からなる周側部30とを有するバッグ本体10を準備する。ついで、上記周側部30に一体化させたフレーム40部材により、上記バッグ本体10を上部開口11が開いた状態で自立させる。つぎに、上記自立させた上記バッグ本体10の上記上部開口11から上記バッグ本体10内に飼料を充填する。そののち、上記飼料が充填された上記バッグ本体10を車両に積載する。
【0068】
このため、従来必要としていた骨組み枠がなくなり、それを設置して撤去する作業が不要になる。また、形状が安定しないバッグを骨組みに吊るといった手間がかかる作業も不要である。上部開口11が開いた状態で自立させたバッグ本体10の上記上部開口11から飼料を充填する作業は、少ない人数で完了できる。人件費は大幅に削減でき、将来的に予想される深刻な人手不足に対応する準備となる。さらに、空になった飼料用コンテナバッグ1は、折畳んで小さくできることから、飼料を荷下ろししたあとのトラックで別の荷物を運べるため、物流効率が悪化しない。それ以外は、上記実施形態と同様であり、同様の作用効果を奏する。
【0069】
◆その他の変形例
以上は本発明の特に好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想を踏まえたさらに各種態様の変形例を包含する趣旨である。
【符号の説明】
【0070】
1:飼料用コンテナバッグ
10:バッグ本体
11:上部開口
12:上筒
12A:上筒縛りテープ
20:底部
21:排出構造
22:底フレキシブル材
22A:開口
23:内側排出口
24:内筒
24A:内筒縛りテープ
25:外側排出口
26:外筒
26A:外筒縛りテープ
30:周側部
31:外側フレキシブル材
32:内側フレキシブル材
33:ベルト部材
34:留め金具
35:吊りベルト
36:縫目
40:フレーム部材
41:プレート部材
50:カバー部材
51:蓋材
52:垂れ
53:カバー固定ベルト
60:車両
70:飼料充填機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7