(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023060945
(43)【公開日】2023-05-01
(54)【発明の名称】包装箱用台紙
(51)【国際特許分類】
B65D 5/44 20060101AFI20230424BHJP
B65D 5/50 20060101ALI20230424BHJP
B65D 77/26 20060101ALI20230424BHJP
【FI】
B65D5/44 U
B65D5/50 101C
B65D77/26 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021170637
(22)【出願日】2021-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】000145862
【氏名又は名称】株式会社コーセー
(71)【出願人】
【識別番号】000202154
【氏名又は名称】相互印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100128886
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 裕弘
(74)【代理人】
【識別番号】100130878
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴目 朋之
(72)【発明者】
【氏名】今井 恵
(72)【発明者】
【氏名】松村 洋介
【テーマコード(参考)】
3E060
3E067
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB05
3E060BA02
3E060CC14
3E060CC18
3E060CC19
3E060CC33
3E060CC52
3E060DA17
3E060EA20
3E067AA24
3E067AB81
3E067AC05
3E067AC11
3E067BA06A
3E067BA32A
3E067BB01A
3E067BC06A
3E067EA01
3E067EC32
3E067EE29
3E067FA02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】包装箱内において物品及びその付属品を固定保持し、包装箱から物品を取り出す際に、簡便且つ安定した姿勢で物品と付属品を引き上げることが可能な包装箱用台紙を提供する。
【解決手段】外箱内に収納された物品を固定保持するための包装箱用台紙であって、該台紙1は、底板と、該底板の一辺に順次連設された正面板12と第一係合板16と、該正面板12と対向する辺部に順次連設された背面板、第二係合板17、その中間部に付属品保持部103が設けられた延長板18、天板19とを備え、組み立て時には、該正面板12と該背面板は該底板から立設され、該第一係合板16と該第二係合板17は、該第二係合板17を該第一係合板16上に重ねるように物品側に折り曲げられ、該延長板18は第二係合片17より外箱2の蓋部21方向へ立ち上げられ、該天板19は該蓋部21の内側に沿って延在するように折り曲げられている包装箱用台紙。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外箱内に収納された物品を固定保持するための包装箱用台紙であって、該台紙(1)は、底板(11)と、該底板(11)の一辺に順次連設された正面板(12)と第一係合板(16)と、該正面板(12)が連設された辺とは対向する辺部に順次連設された背面板(15)、第二係合板(17)、その中間部に付属品保持部(103)が設けられた延長板(18)、天板(19)とを備え、その組み立て時には、該正面板(12)と該背面板(15)は該底板(11)から立設され、該第一係合板(16)と該第二係合板(17)は、該第二係合板(17)を該第一係合板(16)上に重ねるように物品側に折り曲げられ、該延長板(18)は第二係合片(17)より外箱(2)の蓋部(21)方向へ立ち上げられ、該天板(19)は該蓋部(21)の内側に沿って延在するように折り曲げられている包装箱用台紙。
【請求項2】
前記付属品保持部(103)は前記延長板(18)に開口形成され、該開口の上辺中央には下方へ突出する舌片部(104)が形成され、該開口の下辺には上方に突出する突出部(106)が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の包装箱用台紙。
【請求項3】
前記舌片部(104)の両辺から前記延長板(18)へと切れ込み線(105)が延伸して形成されていることを特徴とする請求項2に記載の包装箱用台紙。
【請求項4】
前記延長板(18)は、その先端部が物品を収納する外箱の上部開口端に達するように傾斜して配置されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の包装箱用台紙。
【請求項5】
前記第一係合片(16)には開口部(102)が形成されており、該開口部(102)に収納物品の蓋部が挿入され、さらに、前記第二係合片(17)と前記延長板(18)には、それらにまたがって開口部(101)が形成されており、該開口部(101)の第二係合板(17)側の辺部(101b)が収納物品の係合部と係合することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の包装箱用台紙。
【請求項6】
前記延長板(18)は斜め上方へ立ち上げられており、該延長板(18)に対して前記第二係合板(17)と前記天板(19)はそれぞれ反対方向へ折り曲げられ、側面視で、Z字状もしくは逆Z字状となるように形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の包装箱用台紙。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品を収納する包装箱用の台紙に関し、更に詳細には、包装箱内において商品及びその付属品を固定保持するとともに、包装箱から商品及びその付属品を取り出す際に簡便に且つ安定した姿勢で引き上げることが可能な台紙に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に物品を収納するための収納箱は、収納される物品とほぼ同じ高さに形成されており、蓋部などで上から抑えることで物品を安定的に保持することができる。
【0003】
一方、物品よりも高さを有する収納箱の場合、特に、高さの異なる複数の物品を収納する包装箱では、高さの低い物品の上部に生じる収納箱のデッドスペースを適切に処理しなければ、物品が包装箱内で動いてしまい、物品や包装箱の破損につながるおそれもある。
【0004】
さらに、高さの低い物品に対しては包装箱が深すぎるため、包装箱から物品を取り出す際は、箱を傾けることにより、箱外へと滑り出させるなどする必要があったが、物品が割れ物などの場合、箱からの取り出しに伴う物品の破損のおそれが常にあった。
【0005】
その点、包装箱からの物品の取り出しを補助するものとして、特許文献1には、側面板部の開口側端部を延長して容器の持ち手とする容器が開示され、また、特許文献2には、補助板の上面に形成された取手用の穴部に指を入れて引き出すことにより、物品を取り出すことができる梱包体が開示されている。
【0006】
しかしながら、これらの従来技術では、両手で持ち手や取手を保持して引き上げる必要があり、片手で持ち上げようとした際、物品のバランスが偏り、箱内で引っ掛かりが生じてスムーズに取り出せない場合があり、特に、高さを有する収納箱から物品を取り出す際に、箱内における物品の移動距離が長くなる分、このような引っ掛かりが生じやすい傾向にあった。
【0007】
上記のような課題を解決すべく、本願の筆頭出願人は、物品よりも高さを有する包装箱内において物品を固定保持するとともに、包装箱から物品を取り出す際に、簡便に且つ安定した姿勢で物品を引き上げることが可能な台紙を有する包装箱を開発した(特許文献3)。
【0008】
この包装箱は、上記のような効果を有するが、さらに物品の他に付属品等を収納しようとすると、外箱の蓋部と物品の間で支えの役割を果たす延長板が邪魔となり、収納の妨げとなる場合があった。
【0009】
【特許文献1】特開2006-335361
【特許文献2】特開2014-181059
【特許文献3】特開2020-1721
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで本発明は、従来の包装箱用台紙のかかる欠点を克服し、物品よりも高さを有する包装箱内において物品及びその付属品を固定保持するとともに、包装箱から物品を取り出す際に、簡便に且つ安定した姿勢で物品及び付属品を引き上げることが可能な包装箱用台紙の提供をその課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記課題を解決するものであり、外箱内に収納された物品を固定保持するための包装箱用台紙であって、該台紙は、底板と、該底板の一辺に順次連設された正面板と第一係合板と、該正面板が連設された辺とは対向する辺部に順次連設された背面板、第二係合板、その中間部に付属品保持部が設けられた延長板、天板とを備え、その組み立て時には、該正面板と該背面板は該底板から立設され、該第一係合板と該第二係合板は、該第二係合板を該第一係合板上に重ねるように物品側に折り曲げられ、該延長板は第二係合片より外箱の蓋部方向へ立ち上げられ、該天板は該蓋部の内側に沿って延在するように折り曲げられている包装箱用台紙である。
【0012】
また本発明は、前記付属品保持部が前記延長板に開口形成され、該開口の上辺中央には下方へ突出する舌片部が形成され、該開口の下辺には上方に突出する突出部が形成されていることを特徴とする包装箱用台紙である。
【0013】
また本発明は、前記舌片部の両辺から前記延長板へと切れ込み線が延伸して形成されていることを特徴とする包装箱用台紙である。
【0014】
また本発明は、前記延長板の先端部が物品を収納する外箱の上部開口端に達するように傾斜して配置されることを特徴とする包装箱用台紙である。
【0015】
また本発明は、前記第一係合片には開口部が形成されており、該開口部に収納物品の蓋部が挿入され、さらに、前記第二係合片と前記延長板には、それらにまたがって開口部が形成されており、該開口部の第二係合板側の辺部が収納物品の係合部と係合することを特徴とする包箱用台紙である。
【0016】
さらに本発明は、前記延長板は斜め上方へ立ち上げられており、該延長板に対して前記第二係合板と前記天板はそれぞれ反対方向へ折り曲げられ、側面視で、Z字状もしくは逆Z字状となるように形成されていることを特徴とする包装箱用台紙である。
【発明の効果】
【0017】
本発明にかかる包装箱用台紙は、台紙の第一係合板と第二係合板が物品を上から抑えるとともに、延長板が外箱の蓋部との間で支えの役割を果たすため、物品が上方へ移動することを確実に防ぐことができ、さらに、延長板により付属品を保持することができる。
【0018】
本発明にかかる包装箱用台紙は、延長板の中間部に付属品保持部が形成されているため、外箱のデッドスペースを有効に活用して付属品を保持することができる。
【0019】
本発明にかかる包装箱用台紙で、延長板に開口形成された付属品保持部の上辺中央に舌片部が形成され、下辺に突出部が形成されたものは、筒状の付属品の内部にそれらの舌片部と突出部を挿入することにより、確実に付属品を保持することができる。
【0020】
本発明にかかる包装箱用台紙で、付属品保持部の舌片部の両辺から前記延長板へと切れ込み線が延伸して形成されているものは、付属品の取り付け及び取り外しが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の包装箱用台紙により物品及び付属品を収納した状態を示す斜視図。
【
図3】(a)本発明の包装箱用台紙の第一係合板を物品に係合させた状態を示す平面図、(b)本発明の包装箱用台紙の第二係合板を物品に係合させた状態を示す平面図。
【
図4】本発明の包装箱用台紙の物品を収納した状態を模式的に示す正面図。
【
図5】本発明の包装箱用台紙の物品を収納した状態を模式的に示す側面図。
【
図6】本発明の包装箱用台紙の物品を取り出す状態を模式的に示す側面図。
【
図7】本発明の包装箱用台紙により付属品を保持した状態を示す一部断面図。
【
図8】本発明の包装箱用台紙により収納される物品及び付属品の使用態様を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の包装箱の実施態様を、図面に基づいて具体的に説明する。なお、本発明はこれら実施態様に何ら制約されるものではない。
【0023】
本発明は、外箱2に収納される物品を内部で固定するための台紙1からなる。外箱2は、物品を出し入れするための上部開口を封止する蓋部21を有する箱体に形成されており、本実施態様では、高さを有する棒状物品(例えばフレグランスディフューザー用のスティック)と高さの低い容器(例えばフレグランス容器)を収納可能に形成されている。なお、本発明の台紙1により収納される物品は、これらの容器や棒状物品に限定されない。さらに、外箱2は一般的な包装箱をそのまま利用することができるが、本実施態様では、外箱2の一の側壁の内側に棒状物品を収納するための収納部23が形成されている。
【0024】
図2は、本発明に係る台紙1の展開図である。台紙1は1枚のブランクシートを打ち抜いて形成されており、その組み立て時において、収納される物品を包むような立方体を形成する底板11、正面板12、側板13、側板14、背面板15、第一係合板16、第二係合板17と、第二係合板17の端部に連設された延長板18、延長板18の端部に連設された天板19とからなる。なお、側板13、14は省略することも可能であるが、物品の保護の観点からは側板13、14を設けることが好ましい。側板13、14は、正面板12もしくは背面板15の左右いずれかの辺部に設けてもよいが、物品を外箱2に収納しやすくするため底板11に設けることが好ましい。なお、本明細書において、台紙1の「正面」、「背面」、「側板」などの表現は、厳密に包装箱や外箱2の正面、背面、側面と対応するものではなく、説明の便宜上使用するものである。
【0025】
図2に示すように、略正方形に形成された底面11の四つの辺部には、折り曲げ線111を介して、正面板12、側板13、側板14、背面板15がそれぞれ連設され、底面11が連設された辺部と対向する正面板12の辺部には、折り曲げ線112を介して第一係合板16が連設され、さらに、底板11が連設された辺部と対向する背面板15の辺部には、折り曲げ線113を介して第二係合板板17が連設されている。
【0026】
また、背面板15が連設された辺部と対向する第二係合板17の辺部には、折り曲げ線114を介して延長板18が連設され、さらに、第二係合板17が連設された辺部と対向する延長板18の辺部には、折り曲げ線116を介して天板19が連設されている。なお、延長板18には、折り曲げ線114の近傍に折り曲げ線115が並行して設けられている。以上説明した各部材は、折り曲げ線111ないし116において山折りもしくは谷折り可能に形成されている。
【0027】
第一係合板16には、開口部102が形成されている。開口部102は、収納される物品の一部を挿入可能な形状・寸法に形成され、容器3の蓋部32の形状に合わせて円形に形成されている。
【0028】
また、第二係合板17と延長板18にまたがって、開口部101が形成されている。開口部101は、収納される物品の一部を挿入可能な形状・寸法に形成され、本実施態様では、折り曲げ線114から延長板18の先端(
図2では上方)方向へ略矩形に形成されている。そして、折り曲げ線114から第二係合板17の基端(
図2では下方)方向には半円状に切り欠き形成されている。かかる開口部101は、折り曲げ線114部分において段差部101aが形成され、延長板18側よりも第二係合板17側の幅が狭くなるように形成されている。
【0029】
延長板18には、付属品保持部103が設けられている。なお、本実施態様の付属品34は、容器3の蓋部32の代わりに本体31に取り付け可能な円筒状に形成され、
図8に示すようにフレグランスディフューザー用のスティック4をその上部開口342に挿通して保持することができるが、台紙1に保持可能な付属品34はこれに限定されない。
【0030】
付属品保持部103は、延長板18に開口形成されており、詳しくは、開口の上辺中央より下方へ突出する舌片部104を備え、かかる舌片部104の両辺から延長板18へと切れ込み線105が延伸して形成されている。さらに、開口の下辺の両端側が下方へ凹欠するように切り欠き部107が形成され、左右の切り欠き部107の間には上方に突出する突出部106が形成されている。
【0031】
付属品保持部103への付属品34の取り付け方法は、以下の通りである。まず、付属品34の下部開口343側より付属品保持部103の開口内へと挿入し、下部開口343内に突出部106を差し入れるとともに、周壁341の下端部を切り欠き部107内に配置する。次に、付属品34全体を付属品保持部103の開口内へと挿入するが、このとき、舌片部104が挿入の妨げとならないように前方もしくは後方へと折り曲げておく。舌片部104の両辺は切れ込み線105と連続しているため、かかる切れ込み線105が形成されている範囲で舌片部104を屈曲することができる。そして、付属品保持部103の開口内へ付属品34全体が挿入された後、舌片部104を元の位置に戻して付属品34の上部開口342内へと挿入させる。このようにして、舌片部104と突出部106がそれぞれ付属品34の上部開口342と下部開口343内へと挿入され(
図7)、保持することが可能となる。なお、付属品34の取り外し方は、前記の取り付け方法と逆の手順を行えばよい。
【0032】
天板19には、本実施態様のように指掛け部108が設けられている。本実施態様の指掛け部108は、延長板18と連設された辺部とは対向する辺部に凹状に切り欠いて形成されているが、指掛け部108はこの態様に限定されず、天板19の左右の辺部のいずれか、あるいは両方に凹状に切り欠いて形成したり、または、天板19の一部に形成した孔部としてもよい。かかる指掛け部108に指を掛けて天板19を引き上げることで、台紙1の取り出しが容易となる。
【0033】
第一係合板16と第二係合板17は、ともに収納物品の係合部に係合可能に形成されている。
図3(a)、(b)により、その具体的な態様について説明する。
図3(a)、(b)は、収納物品の容器3に第一係合板16、第二係合板17をそれぞれ係合させた状態を、平面図で表している。なお、理解しやすいように、
図3(a)では第二係合板17の記載を省略する。
【0034】
本実施態様の容器3は、略円筒状に形成された本体31と、該本体31の頸部に装着される蓋部32とからなり、第一係合板16の開口部102内に蓋部32を挿入することにより、第一係合板16が容器3に対して係合させられる。
【0035】
一方、第二係合板17と延長板18にまたがって形成されている開口部101は、段差部101aを境に延長板18側の幅が蓋部32の外径よりもやや幅が広く形成されているのに対し、第二係合板17側の幅が蓋部32の外径よりもやや幅が狭く、且つ、本体31の頸部33よりも幅が広く形成されている。これにより、まず、幅が広い延長板18側から開口部101に蓋部32を挿入し、蓋部32が開口部101より完全に露出した状態とし、次に、第二係合板17側へ蓋部32を移動させ、本体31と蓋部32との隙間に第二係合板17側を挿し込む。そして、第二係合板17側の開口部101に頸部33が挿入された状態となり、蓋部32の周縁部の下に辺部101bが位置する。これにより、第二係合板17が容器3に対して係合する。
【0036】
なお、容器3側の係合部は本実施態様のような蓋部32と本体31との間の凹状の隙間に限定されず、第一係合板16と第二係合板17の一部を係合可能に形成されたアンダーカット状の凸部や凹部、あるいは括れ等であってもよい。
【0037】
次に、包装箱に物品を収納した状態の台紙1の組み立て方法を説明する。まず、底板11の上に容器3を載置し、正面板12、側板13、14、背面板15を底板11からそれぞれ略垂直方向に立ち上げる。そして、第一係合板16を正面板12から容器3側へと略水平に折り曲げる。このとき、先に説明した要領で、第一係合板16の開口部102を蓋部32に係合させる。
【0038】
さらに、第二係合板17を背面板15から同じく容器3側へと略水平に折り曲げ、第二係合板17の一部を第一係合板16の一部の上に重複するように折り重ねる。このとき、先に説明した要領で、第二係合板17の開口部101を蓋部32に係合させる。
【0039】
次に、延長板18を第二係合板17より外箱2の蓋部21方向へ立ち上げるが、このとき、折り曲げ線114ではなく、折り曲げ線115において上方へと折り曲げ、立ち上げる。本実施態様の延長板18は、その先端部が外箱2の開口端(側壁22の上端)に達するように傾斜して配置される。
【0040】
最後に、天板19を外箱2の開口部を封止するように、すなわち、外箱2の蓋部21を閉じたときに該蓋部21の内側に沿って延在するように、延長板18から略水平方向に折り曲げる。これらの作業により、
図1に示す台紙1の組み立てが完了する。なお、本実施態様の台紙1は、延長板18に対して、第二係合板17と天板19はそれぞれ反対方向へ折り曲げられるため、側面視では、Z字状(もしくは本実施態様のような逆Z字状)となっている。
【0041】
図1、4または5に示すように、容器3の上方には外箱2のデッドスペースが生じているため、外箱2に外部から衝撃などを加えると、容器3はかかるデッドスペース方向に移動しようとする力が加わる。そこで、かかる移動を規制することが重要となる。
【0042】
その点、本発明の包装箱では、台紙1の第一係合板16と第二係合板17が容器3の肩部を上から抑えるとともに、延長板18が外箱2の蓋部21との間で支えの役割を果たすため、容器3が上方へ移動することを確実に防ぐことができる。なお、第一係合板16の上から第二係合板17の一部が重複しているため、容器3の抑えの強度も十分に確保されている。
【0043】
天板19は、収納時には蓋部21の内側に沿って延在するため、延長板18が外箱2内でずれ動くことを防ぎ、さらに、容器3から延長板18を介して上方へ加わる力を天板19の面で分散するため、延長板18により蓋部21が押し開けられることなどを確実に防ぐことができる。
【0044】
延長板18は、本実施態様のように斜め上方へ立ち上げた場合、第二係合板17に対しては正面板12方向へと力が加わり、第二係合板17がより外れにくくなる。また、容器3を抑える力も、単に真下にかかるのではなく、外箱2の蓋部21に当接した延長板18の上端部(折り曲げ線114)より折り曲げ線115へと斜め方向にかかるため、容器3の横方向の揺れに対しても安定した保持力を発揮する。これらの理由により、容器3を安定的に固定保持するためには、斜め方向に立ち上げて、第二係合板17、延長板18、天板19が、Z字状(もしくは本実施態様のような逆Z字状)となることが好ましい。
【0045】
次に、包装箱から物品を取り出す際の状態について、
図5により説明する。まず、
図4の状態で外箱2の蓋部21を開け、次に、台紙1の天板19を外箱2内から上方へと立ち上げる。この時、天板19の指掛け部108に指を掛けることにより、簡単に天板19を引き上げることができる。
【0046】
そして、天板19を指等で保持し、そのまま上方へと真っ直ぐ引き上げると、天板19と延長板18は直線状に伸びる。このとき、延長板18側の開口部101は容器3の蓋部32に係合しておらず、それに対して、第二係合板17側の開口部101は係合状態が維持されているため、収納時には折り曲げられていた延長板18の折り曲げ線115が伸び、その代わり、折り曲げ線114において延長板18が折り曲げられて立ち上げられる。
【0047】
かかる状態で、天板19を保持したままさらに上方へと引き上げると、第二係合板17は延長板18により上方へ引っ張られるが、
図3(b)に示したように、開口部101の辺部101bが容器3の蓋部32の下部に係合した状態となっているため、第二係合板17が外れることなく、
図6の状態のまま台紙1ごと容器3及び付属品34を引き上げて外箱2より取り出すことができる。なお、第一係合板16の上から第二係合板17の一部が重複しているため、外箱2から取り出した後においても、第一係合板16と第二係合板17は容器3に係合した状態が維持され、台紙1から容器3が外れて誤って落下することなどを防ぐことができる。
【0048】
また、本実施態様の台紙の折り曲げ線114は、
図3(b)に示すように、係合時に容器3の蓋部32の中心、すなわち、容器3の中心とほぼ一致するように形成されている。これにより、
図5の取り出し時の状態で、延長板18を介して天板19から伝わる上方へ引き上げる力が、容器3の中心に働くことになるため、引き上げ時に容器3の重心が傾いたりせずに姿勢が安定し、よりスムーズに外箱2から取り出すことが可能となる。
【0049】
収納時は第一係合板16と第二係合板17を容器3に係合させ、天板19を保持した状態で台紙1ごと外箱2内へと真っ直ぐ降ろしていけばよい。このように、本発明の包装箱によれば、収納物品よりも深い外箱から片手で簡単に物品及び付属品を収納、取り出すことが可能である。
【0050】
本発明の台紙1の材質については、一般的な包装箱に使用される素材であれば特に限定はされないが、ある程度の剛性を備えた紙、合成樹脂などが好ましい。具体的には、和紙、上質紙、中質紙、コート紙、ボール紙、カード紙、コートボール紙、コートカード紙、アルミや合成樹脂に蒸着させたアルミ等を表面被覆した蒸着紙等の紙類や、ポリプロピレン、ポリエチレンテフレタート(PET)などの透明合成樹脂や不透明合成樹脂等の合成樹脂類を適宜用いることができる。
【符号の説明】
【0051】
1 … … 台紙
2 … … 外箱
3 … … 容器
4 … … 棒状物品
11 … … 底板
12 … … 正面板
13 … … 側板
14 … … 側板
15 … … 背面板
16 … … 第一係合板
17 … … 第二係合板
18 … … 延長板
19 … … 天板
21 … … 蓋部
22 … … 側壁
23 … … 収納部
31 … … 本体
32 … … 蓋部
33 … … 頸部
34 … … 付属品
101 … … 開口部
101a … … 段差部
101b … … 辺部
102 … … 開口部
103 … … 付属品保持部
104 … … 舌片部
105 … … 切れ込み線
106 … … 突出部
107 … … 切り欠き部
108 … … 指掛け部
111 … … 折り曲げ線
112 … … 折り曲げ線
113 … … 折り曲げ線
114 … … 折り曲げ線
115 … … 折り曲げ線
116 … … 折り曲げ線
117 … … 折り曲げ線
341 … … 周壁
342 … … 上部開口
343 … … 下部開口