(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023060981
(43)【公開日】2023-05-01
(54)【発明の名称】腸管免疫低下抑制作用および善玉菌低下抑制による腸内環境の悪化抑制作用物質組成物及び腸管免疫低下抑制作用および善玉菌低下抑制による腸内環境の悪化抑制作用物質組成物の生産方法
(51)【国際特許分類】
A23L 33/10 20160101AFI20230424BHJP
A23L 2/00 20060101ALI20230424BHJP
A23L 2/38 20210101ALI20230424BHJP
【FI】
A23L33/10
A23L2/00 G
A23L2/38 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021170692
(22)【出願日】2021-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】596161031
【氏名又は名称】株式会社渡辺オイスター研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100082658
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 儀一郎
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 貢
【テーマコード(参考)】
4B018
4B117
【Fターム(参考)】
4B018LB08
4B018MD08
4B018MD75
4B018ME11
4B018MF01
4B018MF04
4B117LC04
4B117LK17
4B117LP01
(57)【要約】
【課題】本発明は、ストレス負荷ラットに対してDHMBA含有分画を投与しないコントロール群と比較してDHMBA含有分画投与群ではコルチコステロンの有意な低下が観察され、ストレス緩和作用の再現性が確認でき、DHMBA含有分画の投与によってs-IgA減少を抑制する機能も確認でき、さらに、DHMBA含有分画の投与によって善玉菌の低下抑制が確認された腸管免疫低下抑制作用および善玉菌低下抑制による腸内環境の悪化抑制作用食品及び飲料を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明による腸管免疫低下抑制作用および善玉菌低下抑制による腸内環境の悪化抑制作用物質組成物は、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とすることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とする腸管免疫低下抑制作用および善玉菌低下抑制による腸内環境の悪化抑制作用食品及び飲料。
【請求項2】
カキ肉から抽出された抽出物に含有する3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とする腸管免疫低下抑制作用および善玉菌低下抑制による腸内環境の悪化抑制作用カキ肉エキス。
【請求項3】
水が貯留された抽出容器内にカキ肉を収納し、該抽出容器内のカキ肉からカキ肉エキスを抽出して抽出液を生成し、
次いで前記抽出液を濃縮して第1の濃縮液を生成し、前記第1の濃縮液にエタノールを加え、沈殿物と第1の上澄み液とに分離し、
分離後に前記第1の上澄み液を取り出し、該第1の上澄み液を遠心分離して、沈殿物と第2の上澄み液とに分離し、
前記分離した第2の上澄み液を濃縮して、第2の濃縮液を生成し、該第2の濃縮液にエタノールを加えて振とう容器に入れ、攪拌を行うために少なくとも数十回程度上下方向に前記振とう容器を揺動し、下側に水層、上側にはエタノール層となる第3の上澄み液とに分離し、
抗酸化物質である3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)は、水(比誘電率 80)より極性の低いエタノール溶液(比誘電率 24)側へ移行促進されて離脱し、
前記分離した第3の上澄み液であるエタノール層を濃縮してペースト状をなす濃縮物を生成し、前記生成した濃縮物内に有する3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とする腸管免疫低下抑制作用および善玉菌低下抑制による腸内環境の悪化抑制作用カキ肉エキス。
【請求項4】
抽出容器に生ガキ肉と抽出用液体とを入れ、前記生ガキ肉が入った抽出用液体を例えば、1気圧で1時間の間、92℃乃至94℃で加熱し、その後、ゆでガキの固形分を取り除いた抽出液とし、
前記抽出液につき、1気圧で6時間以上、98℃乃至100℃で加熱処理を行い、該抽出液中にエタノールを加えて70%濃度のエタノール濃度となる抽出液とし、該抽出液を遠心分離などの分離工程を採用して分離し、その分離した上澄液を取得し、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)を含む前記上澄液から前記3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を生成し、
生成された3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzylalcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とする腸管免疫低下抑制作用および善玉菌低下抑制による腸内環境の悪化抑制作用カキ肉エキス。
【請求項5】
抽出容器に生ガキ肉と抽出用液体とを入れ、前記生ガキ肉が入った抽出用液体を1気圧で1時間の間、92℃乃至94℃で加熱し、その後、ゆでガキの固形分を取り除いた抽出液とし、
前記抽出液につき、1気圧で12時間、92℃乃至94℃で加熱処理を行い、該抽出液中にエタノールを加えて70%濃度のエタノール濃度となる抽出液とし、該抽出液を遠心分離して上澄液を取得し、
濃度数値として、86±18(μg/ml)の数値の3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を含む前記上澄液から前記3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を生成し、該生成した3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とする腸管免疫低下抑制作用および善玉菌低下抑制による腸内環境の悪化抑制作用カキ肉エキス。
【請求項6】
抽出容器に生ガキ肉と抽出用液体とを入れ、前記生ガキ肉が入った抽出用液体を1気圧で1時間の間、92℃乃至94℃で加熱し、その後、ゆでガキの固形分を取り除いた抽出液とし、
前記抽出液につき、1気圧で14時間、92℃乃至94℃で加熱処理を行い、該抽出液中にエタノールを加えて70%濃度のエタノール濃度となる抽出液とし、該抽出液を遠心分離して上澄液を取得し、
濃度数値として、142±26(μg/ml)の数値の3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を含む前記上澄液から前記3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を生成し、生成された3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とする腸管免疫低下抑制作用および善玉菌低下抑制による腸内環境の悪化抑制作用カキ肉エキス。
【請求項7】
抽出容器に生ガキ肉と抽出用液体とを入れ、前記生ガキ肉が入った抽出用液体を1気圧で1時間の間、92℃乃至94℃で加熱し、その後、ゆでガキの固形分を取り除いた抽出液とし、
前記抽出液につき、1気圧で16時間、92℃乃至94℃で加熱処理を行い、該抽出液中にエタノールを加えて70%濃度のエタノール濃度となる抽出液とし、該抽出液を遠心分離して上澄液を取得し、
濃度数値として、263±3(μg/ml)の数値の3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を含む前記上澄液から前記3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を生成し、生成された3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とする腸管免疫低下抑制作用および善玉菌低下抑制による腸内環境の悪化抑制作用カキ肉エキス。
【請求項8】
抽出容器に生ガキ肉と抽出用液体とを入れ、前記生ガキ肉が入った抽出用液体を1気圧で1時間の間、92℃乃至94℃で加熱し、その後、ゆでガキの固形分を取り除いた抽出液とし、
前記抽出液につき、1気圧で17時間、92℃乃至94℃で加熱処理を行い、該抽出液中にエタノールを加えて70%濃度のエタノール濃度となる抽出液とし、該抽出液を遠心分離して上澄液を取得し、
濃度数値として、342±30(μg/ml)の数値の3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を含む前記上澄液から前記3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を生成し、生成された3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とする腸管免疫低下抑制作用および善玉菌低下抑制による腸内環境の悪化抑制作用カキ肉エキス。
【請求項9】
抽出容器に生ガキ肉と抽出用液体とを入れ、前記生ガキ肉が入った抽出用液体を1気圧で1時間の間、92℃乃至94℃で加熱し、その後、ゆでガキの固形分を取り除いた抽出液とし、
さらに、前記抽出液につき、1気圧で18時間、92℃乃至94℃で加熱処理を行い、該抽出液中にエタノールを加えて70%濃度のエタノール濃度となる抽出液とし、該抽出液を遠心分離して上澄液を取得し、
濃度数値として、486±10(μg/ml)の数値の3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を含む前記上澄液から前記3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を生成し、生成された3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とする腸管免疫低下抑制作用および善玉菌低下抑制による腸内環境の悪化抑制作用カキ肉エキス。
【請求項10】
抽出容器に生ガキ肉と抽出用液体とを入れ、前記生ガキ肉が入った抽出用液体を1気圧で1時間の間、92℃乃至94℃で加熱し、その後、ゆでガキの固形分を取り除いた抽出液とし、
前記抽出液につき、1気圧で19時間、92℃乃至94℃で加熱処理を行い、該抽出液中にエタノールを加えて70%濃度のエタノール濃度となる抽出液とし、該抽出液を遠心分離して上澄液を取得し、
濃度数値として、649±19(μg/ml)の数値の3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を含む前記上澄液から前記3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を生成し、生成された3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とする腸管免疫低下抑制作用および善玉菌低下抑制による腸内環境の悪化抑制作用カキ肉エキス。
【請求項11】
抽出容器に生ガキ肉と抽出用液体とを入れ、前記生ガキ肉が入った抽出用液体を1気圧で1時間の間、92℃乃至94℃で加熱し、その後、ゆでガキの固形分を取り除いた抽出液とし、
前記抽出液につき、3気圧で1時間、135℃で加熱処理を行い、該抽出液中にエタノールを加えて70%濃度のエタノール濃度となる抽出液とし、該抽出液を遠心分離して上澄液を取得し、
濃度数値として、170±10(μg/ml)の数値の3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を含む前記上澄液から前記3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を生成し、生成された3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とする腸管免疫低下抑制作用および善玉菌低下抑制による腸内環境の悪化抑制作用カキ肉エキス。
【請求項12】
抽出容器に生ガキ肉と抽出用液体とを入れ、前記生ガキ肉が入った抽出用液体を1気圧で1時間の間、92℃乃至94℃で加熱し、その後、ゆでガキの固形分を取り除いた抽出液とし、
前記抽出液につき、3気圧で2時間、135℃で加熱処理を行い、該抽出液中にエタノールを加えて70%濃度のエタノール濃度となる抽出液とし、該抽出液を遠心分離して上澄液を取得し、
濃度数値として、350±39(μg/ml)の数値の3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を含む前記上澄液から前記3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を生成し、生成された3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とする腸管免疫低下抑制作用および善玉菌低下抑制による腸内環境の悪化抑制作用カキ肉エキス。
【請求項13】
3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4- methoxybenzyl alcohol)の合成に使用する容器内を脱気コンプレッサーあるいは真空ポンプを用いて、繰り返し脱気して該容器内を真空にし、真空にした前記容器を暖めて容器内の水分を除去し、前記真空の容器内にアルゴンあるいは窒素を注入して容器内のアルゴンあるいは窒素置換を繰り返し行ってなり、
容器内で水分を除去する経路と容器内にアルゴンあるいは窒素を注入する経路は、同じ経路を使用した場合に接続の切り替え時にコック内の穴に残っていた空気が前記容器内に逆流し容器内をアルゴンあるいは窒素に置換するには何回も置換を行わなくてはならないため別経路として構成してなり、
次いで前記容器内に没食子酸、没食子酸プロピルあるいは没食子酸メチルのジメチルホルムアミド溶液にジメチルホルムアミドまたはN,N-ジメチルホルムアミドの溶媒を加え、それに炭酸カリウムの還元剤を加えて約85℃で約1時間撹拌し、
前記撹拌物を容器に貯留し、攪拌物を貯留した容器を氷浴させて約0℃程度の冷却状態に保ち、その冷却状態でヨウ化メチルを徐々に少量ずつ時間をかけて前記容器内に滴下しつつ30分撹拌し、さらに常温状態で約24時間撹拌して反応させ、
該反応液をろ過して水を加え、酢酸エチルを加えて上下方向に振る撹拌を行い、上下方向に振る攪拌を行った容器内で上側に酢酸エチル層、下側に水層に分離させ、下側に分離した水層部分は取り除いて前記容器内を酢酸エチル層のみとし、該酢酸エチル層を塩水で洗浄して水と水に溶解している不純物を除去した後、硫酸ナトリウムで水を取り除くべく乾燥させて濃縮し、
濃縮後に濾過器としてシリカゲル・カラムクロマトグラフィー(溶媒:クロロホルム→クロロホルム-酢酸エチル(3:1、v/v))を用いて精製し、没食子酸、没食子酸プロピルあるいは没食子酸メチルの4位メトキシ体を得てなり、
次いで、脱気し、窒素パージを行った後、0℃乃至-10℃の冷却状態にした容器内に水素化リチウムアルミニウムのテトラヒドロフラン溶液あるいは2-メチルヒドロフランを貯留し、貯留した容器内に前記得られた没食子酸、没食子酸プロピルあるいは没食子酸メチルの4位メトキシ体のテトラヒドロフラン溶液を滴下し、混合し、撹拌して混合液を生成し、生成された混合液を65℃に昇温させ、前記昇温させた混合液を60℃乃至80℃で6時間以上撹拌して還元反応させ、還元反応後は、還元反応停止に寄与させるべく約-10℃に冷却し、次いで、酢酸エチルと硫酸水溶液を加えて還元反応を停止させ、還元反応停止を確実にすべく-10℃で一晩静置させてなり、
還元反応停止後の反応液に精製水を加え、酢酸エチルを加え、上下に振る攪拌を行って、上方に酢酸エチル層、下方に水層とに分離し、下方の水層部分を除いて容器内を酢酸エチル層のみとし、
該酢酸エチル層を塩水で6回程度洗浄して、pH=4乃至5の範囲とし、次いで、硫酸ナトリウムで水分除去して濃縮し、前記濃縮された濃縮液を濾過器であるシリカゲル・カラムクロマトグラフィー(溶媒:クロロホルム-メタノール(50:1、v/v)→クロロホルム-メタノール(50:3、v/v)を用いて濾過して3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihdroxy-4- methoxybenzyl alcohol)を精製し、
精製にされた3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihdroxy-4- methoxybenzyl alcohol)をメタノールと酢酸エチルの混合溶液に溶かして、再結晶化を行って再度の精製することを繰り返し行い、
ピュアーな3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4- methoxybenzyl alcohol)を取得し、取得された3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とする腸管免疫低下抑制作用および善玉菌低下抑制による腸内環境の悪化抑制作用食品あるいは飲料を生産する、
ことを特徴とする腸管免疫低下抑制作用および善玉菌低下抑制による腸内環境の悪化抑制作用食品あるいは飲料の生産方法。
【請求項14】
3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4- methoxybenzyl alcohol)の合成に使用する容器内を脱気コンプレッサーあるいは真空ポンプを用いて、繰り返し脱気して該容器内を真空にし、真空にした前記容器を暖めて容器内の水分を除去し、前記真空の容器内にアルゴンあるいは窒素を注入して容器内のアルゴンあるいは窒素置換を繰り返し行ってなり、
容器内で水分を除去する経路と容器内にアルゴンあるいは窒素を注入する経路は、同じ経路を使用した場合に接続の切り替え時にコック内の穴に残っていた空気が前記容器内に逆流し容器内をアルゴンあるいは窒素に置換するには何回も置換を行わなくてはならないため別経路として構成してなり、
次いで前記容器内に没食子酸、没食子酸プロピルあるいは没食子酸メチルのジメチルホルムアミド溶液にジメチルホルムアミドまたはN,N-ジメチルホルムアミドの溶媒を加え、それに炭酸カリウムの還元剤を加えて約85℃で約1時間撹拌し、
前記撹拌物を容器に貯留し、攪拌物を貯留した容器を氷浴させて約0℃程度の冷却状態に保ち、その冷却状態でヨウ化メチルを徐々に少量ずつ時間をかけて前記容器内に滴下しつつ30分撹拌し、さらに常温状態で約24時間撹拌して反応させ、
該反応液をろ過して水を加え、酢酸エチルを加えて上下方向に振る撹拌を行い、上下方向に振る攪拌を行った容器内で上側に酢酸エチル層、下側に水層に分離させ、下側に分離した水層部分は取り除いて前記容器内を酢酸エチル層のみとし、該酢酸エチル層を塩水で洗浄して水と水に溶解している不純物を除去した後、硫酸ナトリウムで水を取り除くべく乾燥させて濃縮し、
濃縮後に濾過器としてシリカゲル・カラムクロマトグラフィー(溶媒:クロロホルム→クロロホルム-酢酸エチル(3:1、v/v))を用いて精製し、没食子酸、没食子酸プロピルあるいは没食子酸メチルの4位メトキシ体を得てなり、
次いで、脱気し、窒素パージを行った後、0℃乃至-10℃の冷却状態にした容器内に水素化リチウムアルミニウムのテトラヒドロフラン溶液あるいは2-メチルヒドロフランを貯留し、貯留した容器内に前記得られた没食子酸、没食子酸プロピルあるいは没食子酸メチルの4位メトキシ体のテトラヒドロフラン溶液を滴下し、混合し、撹拌して混合液を生成し、生成された混合液を65℃に昇温させ、前記昇温させた混合液を60℃乃至80℃で6時間以上撹拌して還元反応させ、還元反応後は、還元反応停止に寄与させるべく約-10℃に冷却し、次いで、酢酸エチルと硫酸水溶液を加えて還元反応を停止させ、還元反応停止を確実にすべく-10℃で一晩静置させてなり、
還元反応停止後の反応液に精製水を加え、酢酸エチルを加え、上下に振る攪拌を行って、上方に酢酸エチル層、下方に水層とに分離し、下方の水層部分を除いて容器内を酢酸エチル層のみとし、
該酢酸エチル層を塩水で洗浄して、pH=4乃至5の範囲とし、次いで、硫酸ナトリウムで水分除去して濃縮し、前記濃縮された濃縮液を濾過器であるシリカゲル・カラムクロマトグラフィー(溶媒:クロロホルム-メタノール(50:1、v/v)→クロロホルム-メタノール(50:3、v/v)を用いて濾過して3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihdroxy-4- methoxybenzyl alcohol)を精製し、
精製にされた3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihdroxy-4- methoxybenzyl alcohol)をメタノールと酢酸エチルの混合溶液に溶かして、再結晶化を行って再度の精製することを4回繰り返し行い、
ピュアーな3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4- methoxybenzyl alcohol)を収率58%で取得し、該得られた3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)を有効成分とした腸管免疫低下抑制作用および善玉菌低下抑制による腸内環境の悪化抑制作用食品あるいは飲料を生産する、
ことを特徴とする腸管免疫低下抑制作用および善玉菌低下抑制による腸内環境の悪化抑制作用食品あるいは飲料の生産方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腸管免疫低下抑制作用に由来する腸管善玉菌低下抑制作用を有する3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とする腸管免疫低下抑制作用および善玉菌低下抑制による腸内環境の悪化抑制作用物質組成物および善玉菌低下抑制による腸内環境の悪化抑制作用物質組成物の生産方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
(ストレス負荷による腸内フローラへの影響)
腸内フローラとは、腸の中の細菌全体、またはその生態系を指標する。
この腸内の生態系には、あらゆる種類の菌が生息している。そして、腸内にどのような種類の菌が生息しているか、その割合はどうなのか、これらによって、体内環境が変わり、健康に大きな影響を与えている。
【0003】
腸内には、主に2つの菌が生息している。善玉菌(発酵)と悪玉菌(腐敗)である。
これら菌の割合、その働き具合も、人によって様々であるが、免疫遺伝子や年齢、精神状態や食生活によって、日々変化している。
【0004】
例えば、ストレスや老化によって悪玉菌は増加し、アレルギーや大腸がんなど、病気の原因にもなる。これに対し、ストレスを緩和することで悪玉菌の増加を抑制し、すなわち、腸内環境を正常に保つことができれば、健康面の維持と改善が期待できる。
【0005】
前述したように、ストレスが加わると善玉菌を定着するs-IgAが減少し、善玉菌が減少し、悪玉菌が増加する報告が数多くなされている。つまり、ストレスによって腸内フローラの組成に悪影響を及ぼすことが数多く報告されている。
【0006】
ここで、ストレスの緩和による糞中s-IgA、腸内細菌叢への影響に関する発明の提案はないため、本件特許出願は新規性、進歩性を有するものと確信するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前述の通り、ストレスを緩和することにより糞中s-IgAの減少低下を抑制し、善玉菌の減少を抑制するとの発明提案はない。
ここで、s-IgAとは、プラズマ細胞(形質細胞)から分泌される分泌型免疫グロブリンで、唾液、乳汁、胆汁、腸液、その他いろいろな器官から分泌され、それぞれ特異的免疫活性を有している。
腸管では粘膜筋板のプラズマ細胞から分泌され、上皮を貫通し、上皮の表面に分泌されて、抗原や病原性細菌を捕まえてそれらが上皮に接着するのを防止する。そして、腸管のs-IgAは全身のs-IgAの約80%を占めている。
【0009】
本件発明者は、既にIMAMICHIラットを用いて過密飼育、個別飼育を行うとコルチコステロンが上昇することを確認した。
齧歯動物を含む多くの種の中で、前記コルチコステロンは主要な糖質コルチコイドであり、新陳代謝の制御、免疫反応などに関わっている。
すなわち、コルチコステロンの上昇は、免疫細胞の能力の低下をもたらす。逆に、このコルチコステロンの分泌を抑制すると、免疫力が上昇するものとなる。
【0010】
前記IMAMICHIラットを用いて過密飼育、個別飼育を行い、コルチコステロンの上昇後、該ストレスラットに対して3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)(以下、DHMBAと称する。)を含有する分画を与えた。すると、コルチコステロンの顕著な低下を確認できた。
【0011】
ストレス状態にあるにも関わらず、DHMBA含有分画を投与すると血漿中コルチコステロンの低下が観察されたことにより、腸内フローラへのストレス緩和の影響があることが推察されるのである。
【0012】
しかして、本発明の実施例において、ストレス負荷状態のIMAMICHIラットに対するDHMBA含有分画の投与が、腸内フローラに如何なる変化を生じさせ、さらに、腸内フローラの変化とコルチコステロンの変化の関係性を明らかにした。
【0013】
そして、本実施例の結果、ストレス負荷ラットに対してDHMBA含有分画を投与しないコントロール群と比較してDHMBA含有分画投与群ではコルチコステロンの有意な低下が観察され、ストレス緩和作用の再現性が確認できた。
【0014】
そして、DHMBA含有分画の投与によってs-IgA減少を抑制する機能も確認でき、さらに、DHMBA含有分画の投与によって善玉菌の低下抑制が確認されたのである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明による腸管免疫低下抑制作用および善玉菌低下抑制による腸内環境の悪化抑制作用物質組成物は、
3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とし、
または、
カキ肉から抽出された抽出物に含有する3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とし、
または、
水が貯留された抽出容器内にカキ肉を収納し、該抽出容器内のカキ肉からカキ肉エキスを抽出して抽出液を生成し、
次いで前記抽出液を濃縮して第1の濃縮液を生成し、前記第1の濃縮液にエタノールを加え、沈殿物と第1の上澄み液とに分離し、
分離後に前記第1の上澄み液を取り出し、該第1の上澄み液を遠心分離して、沈殿物と第2の上澄み液とに分離し、
前記分離した第2の上澄み液を濃縮して、第2の濃縮液を生成し、該第2の濃縮液にエタノールを加えて振とう容器に入れ、少なくとも数十回程度上下方向に前記振とう容器を振とうさせ、下側に水層、上側にはエタノール層となる第3の上澄み液とに分離し、
抗酸化物質である3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)は、水(比誘電率 80)より極性の低いエタノール溶液(比誘電率 24)側へ移行促進されて離脱し、
前記分離した第3の上澄み液であるエタノール層を濃縮してペースト状をなす濃縮物を生成し、該濃縮物内に有する3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とし、
または、
抽出容器に1対1の割合で生ガキ肉と(ただし、その割合は限定されない)、抽出用液体とを入れ、前記生ガキ肉が入った抽出用液体を例えば、1気圧で1時間の間、92℃乃至94℃で加熱し、その後、ゆでガキの固形分を取り除いた抽出液とし、
前記抽出液につき、1気圧で6時間以上、98℃乃至100℃で加熱処理を行い、該抽出液中にエタノールを加えて70%濃度のエタノール濃度となる抽出液とし、該抽出液を遠心分離などの分離工程を採用して分離し、その分離した上澄液を取得し、定量限界(50μg/ml)以上の濃度数値の3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)を含む前記上澄液から前記3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を生成し、該3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzylalcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とし、
または、
抽出容器に1対1の割合で生ガキ肉と(ただし、その割合は限定されない)、抽出用液体とを入れ、前記生ガキ肉が入った抽出用液体を1気圧で1時間の間、92℃乃至94℃で加熱し、その後、ゆでガキの固形分を取り除いた抽出液とし、
前記抽出液につき、1気圧で12時間、92℃乃至94℃で加熱処理を行い、該抽出液中にエタノールを加えて70%濃度のエタノール濃度となる抽出液とし、該抽出液を遠心分離して上澄液を取得し、
濃度数値として、86±18(μg/ml)の数値の3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を含む前記上澄液から前記3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を生成し、該生成した3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とし、
または、
抽出容器に1対1の割合で生ガキ肉と(ただし、その割合は限定されない)、抽出用液体とを入れ、前記生ガキ肉が入った抽出用液体を1気圧で1時間の間、92℃乃至94℃で加熱し、その後、ゆでガキの固形分を取り除いた抽出液とし、
前記抽出液につき、1気圧で14時間、92℃乃至94℃で加熱処理を行い、該抽出液中にエタノールを加えて70%濃度のエタノール濃度となる抽出液とし、該抽出液を遠心分離して上澄液を取得し、
濃度数値として、142±26(μg/ml)の数値の3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を含む前記上澄液から前記3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を生成し、該3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とし、
または、
抽出容器に1対1の割合で生ガキ肉と(ただし、その割合は限定されない)、抽出用液体とを入れ、前記生ガキ肉が入った抽出用液体を1気圧で1時間の間、92℃乃至94℃で加熱し、その後、ゆでガキの固形分を取り除いた抽出液とし、
前記抽出液につき、1気圧で16時間、92℃乃至94℃で加熱処理を行い、該抽出液中にエタノールを加えて70%濃度のエタノール濃度となる抽出液とし、該抽出液を遠心分離して上澄液を取得し、
濃度数値として、263±3(μg/ml)の数値の3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を含む前記上澄液から前記3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を生成し、該3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とし、
または、
抽出容器に1対1の割合で生ガキ肉と(ただし、その割合は限定されない)、抽出用液体とを入れ、前記生ガキ肉が入った抽出用液体を1気圧で1時間の間、92℃乃至94℃で加熱し、その後、ゆでガキの固形分を取り除いた抽出液とし、
前記抽出液につき、1気圧で17時間、92℃乃至94℃で加熱処理を行い、該抽出液中にエタノールを加えて70%濃度のエタノール濃度となる抽出液とし、該抽出液を遠心分離して上澄液を取得し、
濃度数値として、342±30(μg/ml)の数値の3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を含む前記上澄液から前記3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を生成し、該3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とし、
または、
抽出容器に1対1の割合で生ガキ肉と(ただし、その割合は限定されない)、抽出用液体とを入れ、前記生ガキ肉が入った抽出用液体を1気圧で1時間の間、92℃乃至94℃で加熱し、その後、ゆでガキの固形分を取り除いた抽出液とし、
さらに、前記抽出液につき、1気圧で18時間、92℃乃至94℃で加熱処理を行い、該抽出液中にエタノールを加えて70%濃度のエタノール濃度となる抽出液とし、該抽出液を遠心分離して上澄液を取得し、
濃度数値として、486±10(μg/ml)の数値の3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を含む前記上澄液から前記3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を生成し、該3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とし、
または、
抽出容器に1対1の割合で生ガキ肉と(ただし、その割合は限定されない)、抽出用液体とを入れ、前記生ガキ肉が入った抽出用液体を1気圧で1時間の間、92℃乃至94℃で加熱し、その後、ゆでガキの固形分を取り除いた抽出液とし、
前記抽出液につき、1気圧で19時間、92℃乃至94℃で加熱処理を行い、該抽出液中にエタノールを加えて70%濃度のエタノール濃度となる抽出液とし、該抽出液を遠心分離して上澄液を取得し、
濃度数値として、649±19(μg/ml)の数値の3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を含む前記上澄液から前記3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を生成し、該3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とし、
または、
抽出容器に1対1の割合で生ガキ肉と(ただし、その割合は限定されない)、抽出用液体とを入れ、前記生ガキ肉が入った抽出用液体を1気圧で1時間の間、92℃乃至94℃で加熱し、その後、ゆでガキの固形分を取り除いた抽出液とし、
前記抽出液につき、3気圧で1時間、135℃で加熱処理を行い、該抽出液中にエタノールを加えて70%濃度のエタノール濃度となる抽出液とし、該抽出液を遠心分離して上澄液を取得し、
濃度数値として、170±10(μg/ml)の数値の3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を含む前記上澄液から前記3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を生成し、該3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とし、
または、
抽出容器に1対1の割合で生ガキ肉と(ただし、その割合は限定されない)、抽出用液体とを入れ、前記生ガキ肉が入った抽出用液体を1気圧で1時間の間、92℃乃至94℃で加熱し、その後、ゆでガキの固形分を取り除いた抽出液とし、
前記抽出液につき、3気圧で2時間、135℃で加熱処理を行い、該抽出液中にエタノールを加えて70%濃度のエタノール濃度となる抽出液とし、該抽出液を遠心分離して上澄液を取得し、
濃度数値として、350±39(μg/ml)の数値の3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を含む前記上澄液から前記3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を生成し、該3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とし、
または、
3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4- methoxybenzyl alcohol)の合成に使用する容器内を脱気コンプレッサーあるいは真空ポンプを用いて、繰り返し脱気して該容器内を真空にし、真空にした前記容器を暖めて容器内の水分を除去し、前記真空の容器内にアルゴンあるいは窒素を注入して容器内のアルゴンあるいは窒素置換を繰り返し行ってなり、
容器内で水分を除去する経路と容器内にアルゴンあるいは窒素を注入する経路は、同じ経路を使用した場合に接続の切り替え時にコック内の穴に残っていた空気が前記容器内に逆流し容器内をアルゴンあるいは窒素に置換するには何回も置換を行わなくてはならないため別経路として構成してなり、
次いで前記容器内に没食子酸、没食子酸プロピルあるいは没食子酸メチルのジメチルホルムアミド溶液にジメチルホルムアミドまたはN,N-ジメチルホルムアミドの溶媒を加え、それに炭酸カリウムの還元剤を加えて約85℃で約1時間撹拌し、
前記撹拌物を容器に貯留し、攪拌物を貯留した容器を氷浴させて約0℃程度の冷却状態に保ち、その冷却状態でヨウ化メチルを徐々に少量ずつ時間をかけて前記容器内に滴下しつつ30分撹拌し、さらに常温状態で約24時間撹拌して反応させ、
該反応液をろ過して水を加え、酢酸エチルを加えて上下方向に振る撹拌を行い、上下方向に振る攪拌を行った容器内で上側に酢酸エチル層、下側に水層に分離させ、下側に分離した水層部分は取り除いて前記容器内を酢酸エチル層のみとし、該酢酸エチル層を塩水で洗浄して水と水に溶解している不純物を除去した後、硫酸ナトリウムで水を取り除くべく乾燥させて濃縮し、
濃縮後に濾過器としてシリカゲル・カラムクロマトグラフィー(溶媒:クロロホルム→クロロホルム-酢酸エチル(3:1、v/v))を用いて精製し、没食子酸、没食子酸プロピルあるいは没食子酸メチルの4位メトキシ体を得てなり、
次いで、脱気し、窒素パージを行った後、0℃乃至-10℃の冷却状態にした容器内に水素化リチウムアルミニウムのテトラヒドロフラン溶液あるいは2-メチルヒドロフランを貯留し、貯留した容器内に前記得られた没食子酸、没食子酸プロピルあるいは没食子酸メチルの4位メトキシ体のテトラヒドロフラン溶液を滴下し、混合し、撹拌して混合液を生成し、生成された混合液を65℃に昇温させ、前記昇温させた混合液を60℃乃至80℃で6時間以上撹拌して還元反応させ、還元反応後は、還元反応停止に寄与させるべく約-10℃に冷却し、次いで、酢酸エチルと硫酸水溶液を加えて還元反応を停止させ、還元反応停止を確実にすべく-10℃で一晩静置させてなり、
還元反応停止後の反応液に精製水を加え、酢酸エチルを加え、上下に振る攪拌を行って、上方に酢酸エチル層、下方に水層とに分離し、下方の水層部分を除いて容器内を酢酸エチル層のみとし、
該酢酸エチル層を塩水で6回程度洗浄して、pH=4乃至5の範囲とし、次いで、硫酸ナトリウムで水分除去して濃縮し、前記濃縮された濃縮液を濾過器であるシリカゲル・カラムクロマトグラフィー(溶媒:クロロホルム-メタノール(50:1、v/v)→クロロホルム-メタノール(50:3、v/v)を用いて濾過して3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihdroxy-4- methoxybenzyl alcohol)を精製し、
精製にされた3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihdroxy-4- methoxybenzyl alcohol)をメタノールと酢酸エチルの混合溶液に溶かして、再結晶化を行って再度の精製することを繰り返し行い、
ピュアーな3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4- methoxybenzyl alcohol)を取得し、該3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)を有効成分とする、
ことを特徴とし、
または、
3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4- methoxybenzyl alcohol)の合成に使用する容器内を脱気コンプレッサーあるいは真空ポンプを用いて、繰り返し脱気して該容器内を真空にし、真空にした前記容器を暖めて容器内の水分を除去し、前記真空の容器内にアルゴンあるいは窒素を注入して容器内のアルゴンあるいは窒素置換を繰り返し行ってなり、
容器内で水分を除去する経路と容器内にアルゴンあるいは窒素を注入する経路は、同じ経路を使用した場合に接続の切り替え時にコック内の穴に残っていた空気が前記容器内に逆流し容器内をアルゴンあるいは窒素に置換するには何回も置換を行わなくてはならないため別経路として構成してなり、
次いで前記容器内に没食子酸、没食子酸プロピルあるいは没食子酸メチルのジメチルホルムアミド溶液にジメチルホルムアミドまたはN,N-ジメチルホルムアミドの溶媒を加え、それに炭酸カリウムの還元剤を加えて約85℃で約1時間撹拌し、
前記撹拌物を容器に貯留し、攪拌物を貯留した容器を氷浴させて約0℃程度の冷却状態に保ち、その冷却状態でヨウ化メチルを徐々に少量ずつ時間をかけて前記容器内に滴下しつつ30分撹拌し、さらに常温状態で約24時間撹拌して反応させ、
該反応液をろ過して水を加え、酢酸エチルを加えて上下方向に振る撹拌を行い、上下方向に振る攪拌を行った容器内で上側に酢酸エチル層、下側に水層に分離させ、下側に分離した水層部分は取り除いて前記容器内を酢酸エチル層のみとし、該酢酸エチル層を塩水で洗浄して水と水に溶解している不純物を除去した後、硫酸ナトリウムで水を取り除くべく乾燥させて濃縮し、
濃縮後に濾過器としてシリカゲル・カラムクロマトグラフィー(溶媒:クロロホルム→クロロホルム-酢酸エチル(3:1、v/v))を用いて精製し、没食子酸、没食子酸プロピルあるいは没食子酸メチルの4位メトキシ体を得てなり、
次いで、脱気し、窒素パージを行った後、0℃乃至-10℃の冷却状態にした容器内に水素化リチウムアルミニウムのテトラヒドロフラン溶液あるいは2-メチルヒドロフランを貯留し、貯留した容器内に前記得られた没食子酸、没食子酸プロピルあるいは没食子酸メチルの4位メトキシ体のテトラヒドロフラン溶液を滴下し、混合し、撹拌して混合液を生成し、生成された混合液を65℃に昇温させ、前記昇温させた混合液を60℃乃至80℃で6時間以上撹拌して還元反応させ、還元反応後は、還元反応停止に寄与させるべく約-10℃に冷却し、次いで、酢酸エチルと硫酸水溶液を加えて還元反応を停止させ、還元反応停止を確実にすべく-10℃で一晩静置させてなり、
還元反応停止後の反応液に精製水を加え、酢酸エチルを加え、上下に振る攪拌を行って、上方に酢酸エチル層、下方に水層とに分離し、下方の水層部分を除いて容器内を酢酸エチル層のみとし、
該酢酸エチル層を塩水で洗浄して、pH=4乃至5の範囲とし、次いで、硫酸ナトリウムで水分除去して濃縮し、前記濃縮された濃縮液を濾過器であるシリカゲル・カラムクロマトグラフィー(溶媒:クロロホルム-メタノール(50:1、v/v)→クロロホルム-メタノール(50:3、v/v)を用いて濾過して3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihdroxy-4- methoxybenzyl alcohol)を精製し、
精製にされた3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihdroxy-4- methoxybenzyl alcohol)をメタノールと酢酸エチルの混合溶液に溶かして、再結晶化を行って再度の精製することを4回繰り返し行い、
ピュアーな3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4- methoxybenzyl alcohol)を収率58%で取得し、該得られた3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)を有効成分とした。
ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ストレス負荷ラットに対してDHMBA含有分画を投与しないコントロール群と比較してDHMBA含有分画投与群ではコルチコステロンの有意な低下が観察され、ストレス緩和作用の再現性が確認できた。
そして、DHMBA含有分画の投与によってs-IgA減少を抑制する機能も確認でき、さらに、DHMBA含有分画の投与によって善玉菌の低下抑制および回復機能が確認されたのである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図3】血漿コルチコステロンの経日的変化を示す説明図(1)である。
【
図4】血漿コルチコステロンの経日的変化を示す説明図(2)である。
【
図5】糞中s-IgA の経日的変化を示す説明図(1)である。
【
図6】糞中s-IgA の経日的変化を示す説明図(2)である。
【
図7】T-RFLP 法による腸内細菌叢構成比を示す説明図である。
【
図8】T-RFLP 法による善玉菌の腸内細菌叢構成比を示す説明図である。
【
図9】T-RFLP 法による善玉菌群(Bifidobacterium、Lactobacillales目)構成比の比較を示す説明図である。
【
図10】T-RFLP 法によるBifidobacterium構成比の比較を示す説明図である。
【
図11】T-RFLP 法によるLactobacillales目 構成比の比較を示す説明図である。
【
図12】T-RFLP 法による日和見菌群(Prevotella)構成比の比較を示す説明図である。
【
図13】T-RFLP 法によるPrevotella構成比の比較を示す説明図である。
【
図14】T-RFLP 法による悪玉菌群、Clostridium subcluster XIVa、Clostridium cluster XVIII)構成比の比較を示す説明図である。
【
図15】T-RFLP 法によるClostridium subcluster XIVa構成比の比較を示す説明図である。
【
図16】T-RFLP 法によるClostridium cluster XVIII構成比の比較を示す説明図である。
【
図17】空腸中の8-OHdG、MDA(TBARS)を示す説明図である。
【
図19】空腸MDA(TBARS)を示す説明図である。
【
図20】血漿コルチコステロンと空腸8-OHdGの相関を示す説明図である。
【
図21】空腸中8-OHdGと糞中s-IgAの相関を示す説明図である。
【
図22】血漿コルチコステロンと糞中s-IgAの相関示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を図に示す実施例に基づいて説明する。
本発明によって生産した3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とした物質組成物を用いて健康飲料を生産し、該健康飲料を下記の供試動物に投与し、本発明によって生産した3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とした健康飲料が腸管免疫低下抑制作用および善玉菌低下抑制による腸内環境の悪化抑制作用を有効に備えているか否かにつき実験を行った。
【0019】
(実験例)
(A).材料と方法
1. 供試動物
1 ) 種・系統・性別
種- ラット、系統- Iar:Wistar Imamichi、性別- ♀
2 ) 試験開始週齢( 予備飼育開始週齢)
9 週齢
3 ) 微生物グレード
SPF
4 ) ブリーダー
三協ラボサービス( 株)
2 . 施設環境
1 ) 飼育環境( ラット室)
ア)設定温湿度: 24±1℃ 、55±5%
イ)空調設備 :All Fresh 方式
ウ)照明時間 :12 時間自動点灯・消灯方式
( 8:00a.m.~ 8:00p.m.点灯)
エ)飼育設備 :プラスチック製ケージ
集団飼育ケージ:W276×D267×H204mm
個別飼育ケージ:W225×D338×H185mm
オ)飼 料 : 予備飼育期間
固形飼料CRF-1(オリエンタル酵母工業)を
自由摂取
本飼育試験
固形飼料CRF-1(オリエンタル酵母工業)を
自由摂取
カ)給 水 : 蒸留水を給水瓶にて自由摂取
2 ) 実験室環境
ア)設定温湿度: 24±1℃ 、55±5%
3 . 試験に使用した主な器具、機材、試薬
・冷却遠心機( 5930 型;KUBOTA)
・微量高速冷却遠心機(MX-300: TOMY)
・プレートリーダー( Immuno Mini NJ-2300: バイオテック)
・コルチコステロン測定キット
Assay Max Corticosterone ELISA Kit(Assay pro)
・分泌型IgA 測定キット( 以下、s-IgA)
Secretory Immunoglobulin A (s-IgA) ELISA Kit(MyBioSource)
・高感度8-OHdG Check( 日本老化制御研究所)
・DNA エキストラクターTIS キット( 富士フイルム和光純薬)
・8-OHdG 測定前処理試薬セット( 富士フイルム和光純薬)
・MDA(TBARS) 測定キット( 日本老化制御研究所)
・抗凝固剤ヘパリンナトリウム
・シートタイプ床敷材( パルマス3000: 天然素材探索研究所)
【0020】
4.試験対象物(株式会社渡辺オイスター研究所提供:冷蔵保存)
試験対象物は、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を含有する健康食品及び健康飲料であり、当該3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を含有する健康食品及び健康飲料を前記マウスに投与して腸内フローラ改善の効果を確認した。
具体的には株式会社渡辺オイスター研究所が本発明により開発し、生産した3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とした健康飲料を使用した。
株式会社渡辺オイスター研究所が本発明により開発し、生産した3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とした健康飲料(以下、Sample):Lot.N0.170126
Sample A : 株式会社渡辺オイスター研究所が本発明により開発し、生産した3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とした健康飲料41.6mg(ラット体重400g投与量/day)
Sample B : 株式会社渡辺オイスター研究所が本発明により開発し、生産した3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とした健康飲料83.2mg(ラット体重400g投与量/day)
ここで、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を含有する健康食品あるいは健康飲料、すなわち、株式会社渡辺オイスター研究所が本発明により開発し、生産した3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とした健康飲料は、以下の様に生成される。
【0021】
(生成例1)
例えば、水が貯留された抽出容器内にカキ肉を収納し、該抽出容器内のカキ肉からカキ肉エキスを抽出して抽出液を生成する。
次いで前記抽出液を濃縮して第1の濃縮液を生成し、前記第1の濃縮液にエタノールを加え、沈殿物と第1の上澄み液とに分離する。
分離後に前記第1の上澄み液を取り出し、該第1の上澄み液を遠心分離して、沈殿物と第2の上澄み液とに分離する。
【0022】
前記分離した第2の上澄み液を濃縮して、第2の濃縮液を生成し、該第2の濃縮液にエタノールを加えて振とう容器に入れ、少なくとも数十回程度上下方向に前記振とう容器を振とうさせ、下側に水層、上側にはエタノール層となる第3の上澄み液とに分離する。
【0023】
すると、抗酸化物質である3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が、水(比誘電率 80)より極性の低いエタノール溶液(比誘電率 24)側へ移行促進される。
【0024】
よって、前記分離した第3の上澄み液であるエタノール層を濃縮してペースト状をなす濃縮物を生成し、該濃縮物内に3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有するものとする。
そして、該濃縮物を所定の液体に溶かし健康飲料とする。尚、錠剤などにして健康食品を生成することもできる。
【0025】
(生成例2)
次に、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)をカキ肉エキスからの加熱抽出段階を経て、抽出された抽出液を加熱することにより効率よくしかも高濃度に生成された健康食品あるいは健康飲料を使用してもかまわない。
【0026】
すなわち、抽出容器に1対1の割合で生ガキ肉と(ただし、その割合は限定されない)、抽出用液体とを入れ、前記生ガキ肉が入った抽出用液体を例えば、1気圧で1時間の間、92℃乃至94℃で加熱し、その後、ゆでガキの固形分を取り除いた抽出液とし、
前記抽出液につき、1気圧で6時間以上、98℃乃至100℃で加熱処理を行い、該抽出液中にエタノールを加えて70%濃度のエタノール濃度となる抽出液とし、該抽出液を遠心分離などの分離工程を採用して分離し、その分離した上澄液を取得する。
【0027】
すると、定量限界(50μg/ml)以上の濃度数値の3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl
alcohol)を含む前記上澄液から前記3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が生成できて、この3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を含む健康食品あるいは健康飲料を生成できる。
【0028】
また、抽出容器に1対1の割合で生ガキ肉と(ただし、その割合は限定されない)、抽出用液体とを入れ、前記生ガキ肉が入った抽出用液体を1気圧で1時間の間、92℃乃至94℃で加熱し、その後、ゆでガキの固形分を取り除いた抽出液とし、
前記抽出液につき、1気圧で12時間、92℃乃至94℃で加熱処理を行い、該抽出液中にエタノールを加えて70%濃度のエタノール濃度となる抽出液とし、該抽出液を遠心分離して上澄液を取得し、
濃度数値として、86±18(μg/ml)の数値の3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を含む前記上澄液から前記3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が生成できて、この3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を含む健康食品あるいは健康飲料を生成できる。
【0029】
また、抽出容器に1対1の割合で生ガキ肉と(ただし、その割合は限定されない)、抽出用液体とを入れ、前記生ガキ肉が入った抽出用液体を1気圧で1時間の間、92℃乃至94℃で加熱し、その後、ゆでガキの固形分を取り除いた抽出液とし、
前記抽出液につき、1気圧で14時間、92℃乃至94℃で加熱処理を行い、該抽出液中にエタノールを加えて70%濃度のエタノール濃度となる抽出液とし、該抽出液を遠心分離して上澄液を取得し、
濃度数値として、142±26(μg/ml)の数値の3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を含む前記上澄液から前記3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が生成できて、この3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を含む健康食品あるいは健康飲料を生成できる。
【0030】
さらに、抽出容器に1対1の割合で生ガキ肉と(ただし、その割合は限定されない)、抽出用液体とを入れ、前記生ガキ肉が入った抽出用液体を1気圧で1時間の間、92℃乃至94℃で加熱し、その後、ゆでガキの固形分を取り除いた抽出液とし、
前記抽出液につき、1気圧で16時間、92℃乃至94℃で加熱処理を行い、該抽出液中にエタノールを加えて70%濃度のエタノール濃度となる抽出液とし、該抽出液を遠心分離して上澄液を取得し、
濃度数値として、263±3(μg/ml)の数値の3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を含む前記上澄液から前記3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が生成できて、この3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を含む健康食品あるいは健康飲料を生成できる。
【0031】
また、抽出容器に1対1の割合で生ガキ肉と(ただし、その割合は限定されない)、抽出用液体とを入れ、前記生ガキ肉が入った抽出用液体を1気圧で1時間の間、92℃乃至94℃で加熱し、その後、ゆでガキの固形分を取り除いた抽出液とし、
前記抽出液につき、1気圧で17時間、92℃乃至94℃で加熱処理を行い、該抽出液中にエタノールを加えて70%濃度のエタノール濃度となる抽出液とし、該抽出液を遠心分離して上澄液を取得し、
濃度数値として、342±30(μg/ml)の数値の3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を含む前記上澄液から前記3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が生成できて、この3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を含む健康食品あるいは健康飲料を生成できる。
【0032】
抽出容器に1対1の割合で生ガキ肉と(ただし、その割合は限定されない)、抽出用液体とを入れ、前記生ガキ肉が入った抽出用液体を1気圧で1時間の間、92℃乃至94℃で加熱し、その後、ゆでガキの固形分を取り除いた抽出液とし、
さらに、前記抽出液につき、1気圧で18時間、92℃乃至94℃で加熱処理を行い、該抽出液中にエタノールを加えて70%濃度のエタノール濃度となる抽出液とし、該抽出液を遠心分離して上澄液を取得し、
濃度数値として、486±10(μg/ml)の数値の3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を含む前記上澄液から前記3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が生成できて、この3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を含む健康食品あるいは健康飲料を生成できる。
【0033】
また、抽出容器に1対1の割合で生ガキ肉と(ただし、その割合は限定されない)、抽出用液体とを入れ、前記生ガキ肉が入った抽出用液体を1気圧で1時間の間、92℃乃至94℃で加熱し、その後、ゆでガキの固形分を取り除いた抽出液とし、
前記抽出液につき、1気圧で19時間、92℃乃至94℃で加熱処理を行い、該抽出液中にエタノールを加えて70%濃度のエタノール濃度となる抽出液とし、該抽出液を遠心分離して上澄液を取得し、
濃度数値として、649±19(μg/ml)の数値の3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を含む前記上澄液から前記3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が生成できて、この3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を含む健康食品あるいは健康飲料を生成できる。
【0034】
さらに、抽出容器に1対1の割合で生ガキ肉と(ただし、その割合は限定されない)、抽出用液体とを入れ、前記生ガキ肉が入った抽出用液体を1気圧で1時間の間、92℃乃至94℃で加熱し、その後、ゆでガキの固形分を取り除いた抽出液とし、
前記抽出液につき、3気圧で1時間、135℃で加熱処理を行い、該抽出液中にエタノールを加えて70%濃度のエタノール濃度となる抽出液とし、該抽出液を遠心分離して上澄液を取得し、
濃度数値として、170±10(μg/ml)の数値の3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を含む前記上澄液から前記3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が生成できて、この3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を含む健康食品あるいは健康飲料を生成できる。
【0035】
抽出容器に1対1の割合で生ガキ肉と(ただし、その割合は限定されない)、抽出用液体とを入れ、前記生ガキ肉が入った抽出用液体を1気圧で1時間の間、92℃乃至94℃で加熱し、その後、ゆでガキの固形分を取り除いた抽出液とし、
前記抽出液につき、3気圧で2時間、135℃で加熱処理を行い、該抽出液中にエタノールを加えて70%濃度のエタノール濃度となる抽出液とし、該抽出液を遠心分離して上澄液を取得し、
濃度数値として、350±39(μg/ml)の数値の3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を含む前記上澄液から前記3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)が生成できて、この3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を含む健康食品あるいは健康飲料を生成できる。
【0036】
(生成例3)
3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4- methoxybenzyl alcohol)は、化学合成により生成することもできる。
【0037】
例えば、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4- methoxybenzyl alcohol)の合成に使用する容器内を脱気コンプレッサーあるいは真空ポンプを用いて、繰り返し脱気して該容器内を真空にし、真空にした前記容器を暖めて容器内の水分を除去し、前記真空の容器内にアルゴンあるいは窒素を注入して容器内のアルゴンあるいは窒素置換を繰り返し行ってなり、
容器内で水分を除去する経路と容器内にアルゴンあるいは窒素を注入する経路は、同じ経路を使用した場合に接続の切り替え時にコック内の穴に残っていた空気が前記容器内に逆流し容器内をアルゴンあるいは窒素に置換するには何回も置換を行わなくてはならないため別経路として構成してなり、
次いで前記容器内に没食子酸、没食子酸プロピルあるいは没食子酸メチルのジメチルホルムアミド溶液にジメチルホルムアミドまたはN,N-ジメチルホルムアミドの溶媒を加え、それに炭酸カリウムの還元剤を加えて約85℃で約1時間撹拌し、
前記撹拌物を容器に貯留し、攪拌物を貯留した容器を氷浴させて約0℃程度の冷却状態に保ち、その冷却状態でヨウ化メチルを徐々に少量ずつ時間をかけて前記容器内に滴下しつつ30分撹拌し、さらに常温状態で約24時間撹拌して反応させ、
該反応液をろ過して水を加え、酢酸エチルを加えて上下方向に振る撹拌を行い、上下方向に振る攪拌を行った容器内で上側に酢酸エチル層、下側に水層に分離させ、下側に分離した水層部分は取り除いて前記容器内を酢酸エチル層のみとし、該酢酸エチル層を塩水で洗浄して水と水に溶解している不純物を除去した後、硫酸ナトリウムで水を取り除くべく乾燥させて濃縮し、
濃縮後に濾過器としてシリカゲル・カラムクロマトグラフィー(溶媒:クロロホルム→クロロホルム-酢酸エチル(3:1、v/v))を用いて精製し、没食子酸、没食子酸プロピルあるいは没食子酸メチルの4位メトキシ体を得てなり、
次いで、脱気し、窒素パージを行った後、0℃乃至-10℃の冷却状態にした容器内に水素化リチウムアルミニウムのテトラヒドロフラン溶液あるいは2-メチルヒドロフランを貯留し、貯留した容器内に前記得られた没食子酸、没食子酸プロピルあるいは没食子酸メチルの4位メトキシ体のテトラヒドロフラン溶液を滴下し、混合し、撹拌して混合液を生成し、生成された混合液を65℃に昇温させ、前記昇温させた混合液を60℃乃至80℃で6時間以上撹拌して還元反応させ、還元反応後は、還元反応停止に寄与させるべく約-10℃に冷却し、次いで、酢酸エチルと硫酸水溶液を加えて還元反応を停止させ、還元反応停止を確実にすべく-10℃で一晩静置させてなり、
還元反応停止後の反応液に精製水を加え、酢酸エチルを加え、上下に振る攪拌を行って、上方に酢酸エチル層、下方に水層とに分離し、下方の水層部分を除いて容器内を酢酸エチル層のみとし、
該酢酸エチル層を塩水で6回程度洗浄して、pH=4乃至5の範囲とし、次いで、硫酸ナトリウムで水分除去して濃縮し、前記濃縮された濃縮液を濾過器であるシリカゲル・カラムクロマトグラフィー(溶媒:クロロホルム-メタノール(50:1、v/v)→クロロホルム-メタノール(50:3、v/v)を用いて濾過して3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihdroxy-4- methoxybenzyl alcohol)を精製し、
精製にされた3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihdroxy-4- methoxybenzyl alcohol)をメタノールと酢酸エチルの混合溶液に溶かして、再結晶化を行って再度の精製することを例えば4回繰り返し行い、
ピュアーな3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4- methoxybenzyl alcohol)を得る。
【0038】
この3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を含有させて健康食品あるいは健康飲料を生成できる。この健康食品あるいは健康飲料を使用してもよい。
【0039】
また、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4- methoxybenzyl alcohol)の合成に使用する容器内を脱気コンプレッサーあるいは真空ポンプを用いて、繰り返し脱気して該容器内を真空にし、真空にした前記容器を暖めて容器内の水分を除去し、前記真空の容器内にアルゴンあるいは窒素を注入して容器内のアルゴンあるいは窒素置換を繰り返し行ってなり、
容器内で水分を除去する経路と容器内にアルゴンあるいは窒素を注入する経路は、同じ経路を使用した場合に接続の切り替え時にコック内の穴に残っていた空気が前記容器内に逆流し容器内をアルゴンあるいは窒素に置換するには何回も置換を行わなくてはならないため別経路として構成してなり、
次いで前記容器内に没食子酸、没食子酸プロピルあるいは没食子酸メチルのジメチルホルムアミド溶液にジメチルホルムアミドまたはN,N-ジメチルホルムアミドの溶媒を加え、それに炭酸カリウムの還元剤を加えて約85℃で約1時間撹拌し、
前記撹拌物を容器に貯留し、攪拌物を貯留した容器を氷浴させて約0℃程度の冷却状態に保ち、その冷却状態でヨウ化メチルを徐々に少量ずつ時間をかけて前記容器内に滴下しつつ30分撹拌し、さらに常温状態で約24時間撹拌して反応させ、
該反応液をろ過して水を加え、酢酸エチルを加えて上下方向に振る撹拌を行い、上下方向に振る攪拌を行った容器内で上側に酢酸エチル層、下側に水層に分離させ、下側に分離した水層部分は取り除いて前記容器内を酢酸エチル層のみとし、該酢酸エチル層を塩水で洗浄して水と水に溶解している不純物を除去した後、硫酸ナトリウムで水を取り除くべく乾燥させて濃縮し、
濃縮後に濾過器としてシリカゲル・カラムクロマトグラフィー(溶媒:クロロホルム→クロロホルム-酢酸エチル(3:1、v/v))を用いて精製し、没食子酸、没食子酸プロピルあるいは没食子酸メチルの4位メトキシ体を得てなり、
次いで、脱気し、窒素パージを行った後、0℃乃至-10℃の冷却状態にした容器内に水素化リチウムアルミニウムのテトラヒドロフラン溶液あるいは2-メチルヒドロフランを貯留し、貯留した容器内に前記得られた没食子酸、没食子酸プロピルあるいは没食子酸メチルの4位メトキシ体のテトラヒドロフラン溶液を滴下し、混合し、撹拌して混合液を生成し、生成された混合液を65℃に昇温させ、前記昇温させた混合液を60℃乃至80℃で6時間以上撹拌して還元反応させ、還元反応後は、還元反応停止に寄与させるべく約-10℃に冷却し、次いで、酢酸エチルと硫酸水溶液を加えて還元反応を停止させ、還元反応停止を確実にすべく-10℃で一晩静置させてなり、
還元反応停止後の反応液に精製水を加え、酢酸エチルを加え、上下に振る攪拌を行って、上方に酢酸エチル層、下方に水層とに分離し、下方の水層部分を除いて容器内を酢酸エチル層のみとし、
該酢酸エチル層を塩水で6回程度洗浄して、pH=4乃至5の範囲とし、次いで、硫酸ナトリウムで水分除去して濃縮し、前記濃縮された濃縮液を濾過器であるシリカゲル・カラムクロマトグラフィー(溶媒:クロロホルム-メタノール(50:1、v/v)→クロロホルム-メタノール(50:3、v/v)を用いて濾過して3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihdroxy-4- methoxybenzyl alcohol)を精製し、
精製にされた3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihdroxy-4- methoxybenzyl alcohol)をメタノールと酢酸エチルの混合溶液に溶かして、再結晶化を行って再度の精製することを4回繰り返し行い、
ピュアーな3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4- methoxybenzyl alcohol)を収率58%で得る。
【0040】
この得られた3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を含有させて健康食品あるいは健康飲料を生成し、この健康食品あるいは健康飲料を使用してもよい。
【0041】
5.試験群の設定
N-Control( non-Stress、non-P.O.) 群 6 匹
Control( Stress+DW) 群 6 匹
SampleA( Stress+ SampleA) 群 6 匹
SampleB( Stress+ SampleB) 群 6 匹
※P.O.= Preparation for oral administration
※DW=Distilled water
【0042】
6.試験項目および方法
[1]予備飼育期間(7日間)
供試動物入荷時より本試験開始前日まで予備飼育を行い、集団飼育(n=6/cage)にて馴化した。
群分けは、予備飼育終了日の体重を考慮して各群6匹とした。
なお、本飼育は、試験終了時まで、N-Control群は1ケージ3匹の集団飼育とし、Control、SampleA、SampleB群の3群は個別飼育とした。
[2]本飼育期開(28目間)
1)体重、摂餌量測定
体重、摂餌量ともに、AM8:30より測定を行った。
なお後述4)-ア)の採血日については、採血終了後に測定を行った。
【0043】
2)試験対象物の調製および投与方法
(1)試験対象物調製(当日調製)
試験対象物は、下記調製方法にて調製を行った。
なお、Sampleは粘性があるため、40℃前後の湯煎で保温してから調整した。
調製方法
Sample A : Sample 249.6mg に、蒸留水を加えて24mLに調整し、ボルテックスにて撹拌挫した。
Sample B : Sample 499.2mg に、蒸留水を加えて24mLに調整し、ボルテックスにて撹拌した。
【0044】
(2)試験対象物の投与方法
各個体への投与は、SampleA群、SampleB群については、前述ア)で調製した各溶液を、胃ゾンデを用いて強制胃内投与した。投与量については、体重100gあたり1mLとした。
Control群については、蒸留水を体重100gあたり1mL投与した。
なお、投与時間はAM10:00からとし、後述3)の生化学検査Iの測定日については、各処置後に投与した。
【0045】
3)複合ストレス負荷
Control、SampleA、SampleB群の3群については、投与開始2~6日目、9~13日目、16~20日目、23~27日目に、各群、下記内容で1日毎に複合ストレス負荷をかけた。複合ストレス負荷期間以外は、24時間個別飼育とした。
Control群:ア)AM8:00~PM1:00(5時間)→個別飼育
イ)PM1:00~PM5:00(4時間)
→個体全てを一つのケージ(床敷材切換)に収容し、過密飼育
ウ)PM5:00~翌AM8:00(15時間)→個別飼育
SampleA群:Control群と同様
SampleB群:Control群と同様
【0046】
4)生化学分析
(1)血漿コルチコステロン
下記日程のAM8:00より尾静脈採血(ヘパリン加)を行い、遠心分離(4℃、13000G、10min)後、血漿を採取した。得られた血漿は、分析まで凍結(-80℃)保存し、後日、説明書に準じて測定を行った。
採血日
試験対象物投与前(0)、7、14、21、28日目
【0047】
5)糞便中のlgA分析ならびに腸内細菌叢解析
(1)糞便の回収
下記日程のAM9:00~10:00に排便直後の糞便を回収、凍結(-80℃)保存した。凍結した糞は下記(2)、(3)の分析に供した。
採糞日
試験対象物投与前(0)、7、14、21、28日目
(2)糞中slgA分析
前述(1)で凍結した糞を用い、説明書に準じて測定を行った。
(3)T-RFLP法による腸内細菌叢解析(Nagashima法)
前述(1)で凍結した糞を、回収翌日にクール宅配便にて委託先の(株)テクノスルガラボヘ送付した。
【0048】
6)解剖
解剖は、本試験終了日翌日AM8:00より実施した。
各個体、ソムノペンチル(50mg/kg)麻酔下にて開腹し、腹部下大静脈より採血を行った。次に、肉眼的観察を行ったのち、脳、肝臓、副腎、腎臓、膵臓、脾臓、腸管を摘出した。
採取した血液ならびに各臓器の採取後の処理については下記内容とした。
◆血液
血液は、ヘパリン処理した後、遠心分離(4℃、13000G、10min)し、血漿を採取した。得られた血漿は、一定量に分注して凍結(-80℃)保存した。
◆脳
脳は、Whole重量測定後、凍結(-80℃)保存した。
◆肝臓
肝臓は、Whole重量測定後、外側左葉を分離し、外側左葉と残りの組織に分けて凍結(-80℃)保存した。
◆副腎
副腎は、左右に分けて重量測定後、凍結(-80℃)保存した。
◆腎臓
腎臓は、左右に分けて重量測定後、凍結(-80℃)保存した。
◆膵臓
膵臓は、重量測定後、できる限り組織を広げた状態で凍結(-80℃)保存した。
◆脾臓
脾肺臓は、重量測定後、凍結(-80℃)保存した。
◆腸管
(1)小腸:空腸部位
空腸は、Treitz’s ligament 部位より回盲接合部までの前半2/5を摘出し、内容物を採取後、腸管を後述の分析用と保存用にわけ、内容物ともに凍結(-80℃)保存した。
(2)小腸:回腸部位
回腸は、Treitz’s ligament 部位より回盲接合部までの後半3/5を摘出し、内容物を採取後、回腸、内容物ともに凍結(-80℃)保存した。
(3)盲腸内容物
盲腸は、摘出後、内容物を採取し、盲腸、内容物ともに凍結(-80℃)保存した。
(4)大腸:結腸部位
結腸は、盲腸末端部からTreitz’s ligament 部位の骨盤腔までを結腸として摘出し、内容物を採取後、結腸、内容物ともに凍結(-80℃)保存した。
【0049】
7)空腸中の8-OHdG、MDA(TBARS)分析
上記6)-ア)にて凍結保存した空腸については、下記項目の説明書に準じて分析を行った。
測定項目
8-OHdG、MDA(TBARS)
【0050】
8)統続計処理
試験結果は平均値±土標準誤差で表した。
統続計解析は、N-Control群に対する各群の有意差検定、ならびに、Control群に対するSample群の2群間の有意差検定については、Student’s t-test を用い、4群比較はTukey法を用いて多重比較による検討を行い、準はp<0.05とした。
なお、統計解析には、エクセル統計(株式会社社会情報サービス)を用いた。
【0051】
(B).結 果
1. 体重(
図1)
本飼育期間中、Normal 群、Control 群、SampleA 群、SampleB 群の4 群間に有意差は認められなかった。
【0052】
2.摂餌量(
図2)
本飼育期間中、Normal 群はn=3 の集団飼育で試験を行ったため、Control 群、SampleA群、SampleB 群の3 群間との有意差検定による評価はできないが、平均値の推移から4群間に大きな変化は認められなかった。
【0053】
3. 血漿コルチコステロンの経日的変化(
図3、
図4)
本飼育開始前、本飼育7、14、21、28 日目に尾静脈採血を行い、血漿コルチコステロンの経日的変化について観察した。
【0054】
各群内における経日的なコルチコステロン濃度を比較する。
ストレス負荷の無いNormal群は、0日目が44.0±4.2 (ng/mL)、28日目は50.7±3.4(ng/mL)となり、0日目から28日目までのコルチコステロン濃度は、統計的に有意な変化は認められなかった。
【0055】
ストレス負荷の有るControl群は、0日目では45.1±5.4 (ng/mL)、28日目では129.5±17.4 (ng/mL)となり、0日目から28日目までの、ストレス負荷によるコルチコステロン濃度の有意な上昇が認められた。
【0056】
DHMBA含有分画を摂取しているSample A群は、0日目が44.8±2.3 (ng/mL)、28日目が58.9±8.9 (ng/mL)とコルチコステロン濃度に統計的な有意差が無く、ストレス負荷が有るにも関わらず、コルチコステロン濃度に有意な上昇は認められなかった。
【0057】
2倍量のDHMBA含有分画を摂取しているSample B群は、0日目が43.7±5.7 (ng/mL)、28日目が54.0±5.2 (ng/mL)と、コルチコステロン濃度に統計的な有意差が無く、ストレス負荷が有るにも関わらず、コルチコステロン濃度に有意な上昇は認められなかった。
【0058】
以上より同じストレスを受けている時でも、DHMBA含有分画を摂取しているラットでは、ストレスホルモンであるコルチコステロン濃度は上昇しなかった。つまりストレス下においてもDHMBA含有分画を摂取しているラットでは、ストレスを緩和することが観察された。
【0059】
群間でのコルチコステロン濃度を比較する。
0日目においては、Normal群44.0±4.2 (ng/mL)、Control群45.1±5.4 (ng/mL)、Sample A群44.8±2.3 (ng/mL)、Sample B群43.7±5.7 (ng/mL)となり、各群間でのコルチコステロン濃度に有意差は認められなかった。
【0060】
28日目においては、Normal群50.7±3.4 (ng/mL)に対して、ストレス負荷のあるControl群は129.5±17.4 (ng/mL)となり、1%危険率でコルチコステロン濃度の有意な上昇が認められた。しかしDHMBA含有分画を摂取しているSample A群は58.9±8.9 (ng/mL)、2倍量のDHMBA含有分画を摂取しているSample B群は54.0±5.2 (ng/mL)となり、両群では28日間のストレス負荷が有るにも関わらず、Normal群に対してのコルチコステロン濃度の有意な上昇は認められなかった。またControl群と比較して、Sample A群とSample B群はそれぞれ1%危険率で有意にコルチコステロン濃度の減少が認められた。
【0061】
以上より同じストレスを受けている時でも、DHMBA含有分画を摂取しているラットでは、ストレスホルモンであるコルチコステロン濃度は上昇しなかった。つまりストレス下においてもDHMBA含有分画を摂取しているラットでは、ストレスを緩和することが観察された。
【0062】
4. 糞中s-IgA の経日的変化(
図5、
図6)
本飼育開始前、本飼育7、14、21、28 日目に採糞を行い、糞中s-IgA の経日的変化について観察した。
【0063】
各群内における経日的な糞中s-IgA濃度を比較すると、ストレス負荷の無いNormal群は、0日目が177.7±16.2 (μg/g of feces)、28日目は172.0±6.7 (μg/g of feces)となり、0日目から28日目までの、糞中s-IgA濃度は統計的に有意な変化は認められなかった。
【0064】
ストレス負荷のあるControl群の糞中s-IgA濃度は、0日目が187.1±11.4 (μg/g of feces)に、28日目は119.3±9.7 (μg/g of feces)となり、0日目から28日目までに、ストレス負荷による糞中s-IgA濃度の1%危険率で有意な減少が認められた。
【0065】
ところがDHMBA含有分画を摂取しているSample A群の糞中s-IgA濃度は0日目が182.7±11.4 (μg/g of feces)、21日目が154.4±5.6 (μg/g of feces)となり、統計的な有意差が無く、ストレス負荷が有るにも関わらず、糞中s-IgA濃度の有意な減少は認められなかった。しかし28日目においては、145.7±8.7 (μg/g of feces)となり、s-IgA濃度が有意に低下した。
【0066】
2倍量のDHMBA含有分画を摂取しているSample B群の糞中s-IgA濃度は、0日目が188.3±10.3 (μg/g of feces)、21日目が159.3±9.2 (μg/g of feces)と統計的な有意差が無く、ストレス負荷が有るにも関わらず、糞中s-IgA濃度の有意な減少は認められなかった。しかし28日目においては、154.0±8.9 (μg/g of feces)となり、s-IgA濃度が有意に低下した。
【0067】
以上より、同じストレスを受けている時でも、DHMBA含有分画を摂取しているラットでは、糞中s-IgA濃度は減少しなかった。つまりストレス下においてもDHMBA含有分画を摂取しているラットでは、糞中s-IgAの低下抑制が観察された。
【0068】
s-IgA濃度の群間比較では、0日目においては、Normal群は177.7±16.2 (μg/g of feces)、Control群は187.1±11.4 (μg/g of feces)、Sample A群は182.7±11.4 (μg/g of feces)、Sample B群は188.3±10.3 (μg/g of feces)となり、各群間でのs-IgA濃度に有意差は認められなかった。
【0069】
ところが28日目のs-IgA濃度においては、Normal群が172.0±6.7 (μg/g of feces)に対して、ストレス負荷のあるControl群は119.3±9.7 (μg/g of feces)となり、1%危険率でs-IgA濃度の有意な減少が認められた。
28日目のDHMBA含有分画のs-IgA濃度は145.7±8.7 (μg/g of feces)となり、Normal群に対して5%危険率で有意な減少が認められた。
【0070】
しかし28日目の2倍量のDHMBA含有分画を摂取しているSample B群のs-IgA濃度では154.0±8.9 (μg/g of feces)となり、ストレス負荷が有るにも関わらず、Normal群に対して有意な減少は認められなかった。またSample B群のs-IgA濃度は、Control群と比較して、5%危険率で有意に上昇が認められた。
【0071】
以上より、同じストレスを受けている時でも、DHMBA含有分画を摂取しているラットでは、糞中s-IgA濃度は減少しなかった。つまりストレス下においてもDHMBA含有分画を摂取しているラットでは、糞中s-IgAの低下抑制が観察された。
【0072】
5.T-RFLP 法による腸内細菌叢解析
前述4.の糞中s-IgA の分析で使用した糞便と同じ日に採糞した糞便を用い、主要な腸内細菌分類群の構成割合を推定した。
【0073】
1) 善玉菌群について(
図7、
図8、
図9、
図10、
図11)
Bifidobacterium では、各群、経日的に同様の推移を示し、有意差は認められなかった。Lactobacillales 目では、Normal 群、SampleA 群、SampleB 群の3 群は、経日的に変化を示さなかった。しかし、Control 群は経日的に減少傾向を示し、本飼育28 日目ではNormal 群に対して1%危険率で有意差も認められ、腸内環境の悪化が観察された。
【0074】
善玉菌であるBifidobacterium とLactobacillales 目で構成されている善玉菌群の腸内細菌叢構成比の比較(
図8)では、本飼育28 日目において、Control 群がNormal 群、SampleA 群の2 群に対して有意に低値を示した。
【0075】
以上より、同じストレスを受けている時でも、DHMBA含有分画を摂取しているラットでは、善玉菌は減少しなかった。つまりストレス下においてもDHMBA含有分画を摂取しているラットでは、善玉菌の低下抑制が観察された。
【0076】
2) 日和見菌群について(
図7、
図12、
図13)
Prevotella では、各群、経日的に同様の推移を示し、有意な変化は認められなかった(
図7)。
【0077】
3) 悪玉菌群について(
図7、
図8、
図14、
図15、
図16、)
Clostridium subcluster XIVa では、各群、経日的に同様の推移を示し、有意差は認められなかった。
Clostridium cluster XVIII では、各群、経日的に同様の推移を示し、有意差は認められなかった。
悪玉菌であるClostridium cluster IV、Clostridium subcluster XIVa、Clostridium cluster XI、Clostridium cluster XVIII の構成割合を合算した結果の比較では、各群、経日的に有意な変化は認められなかった。
【0078】
7. 空腸中の8-OHdG、MDA( TBARS) 分析(
図17、
図18、
図19)
解剖時に摘出した空腸を用い、8-OHdG、MDA(TBARS) について分析を行った。
【0079】
1) 8-OHdG
Normal 群(7.29±0.38 ng/g of jejunum)に対してControl 群(8.84±0.30 ng/g of jejunum)では1%危険率で有意に増加しているのが認められたのに対し、SampleA 群(7.96±0.28 ng/g of jejunum)およびSampleB群(7.21±0.24 ng/g of jejunum)では、Normal群と比較して有意差は認められなかった。
【0080】
2)MDA(TBARS)
Normal 群(4.95±0.17 mg/g of jejunum)に対してControl 群(5.86±0.28 mg/g of jejunum)では5%危険率で有意に増加しているのが認められたのに対し、SampleA 群(5.08±0.14 mg/g of jejunum)およびSampleB群(5.07±0.12 mg/g of jejunum)では、Normal群と比較して有意差は認められなかった。
【0081】
以上の結果から、ストレス負荷によってControl群のMDA値はNormal群に対して有意に増加していたが、同程度のストレスを受けているにも関わらず、DHMBA含有分画を投与されたSampleA群及びSampleB群については、Control 群に対してMDA値は有意に低値を示し、空腸中活性酸素を正常値まで減少させたことが観察された。これより、DHMBA含有分画の投与により、空腸中の活性酸素の増加抑制および低下が観察された。
【0082】
8. 血漿コルチコステロンと空腸8-OHdGの相関(
図20)
血漿コルチコステロンと空腸8-OHdGの相関を調べたところ、血漿コルチコステロンと空腸8-OHdGとの間に有意な正の相関が認められた。血漿中コルチコステロン濃度の上昇に伴って、空腸中8-OHdGは、増加することが観察された。一方、血漿中コルチコステロン濃度の低下に伴って、空腸中8-OHdGが低下することが観察された。空腸の酸化ストレスは、血漿コルチコステロンに影響されることが観察された。
【0083】
9.空腸中8-OHdGと糞中s-IgAの相関(
図21)
空腸中8-OHdGと糞中s-IgAの相関を調べたところ、空腸中8-OHdGと糞中s-IgAとの間に有意な負の相関が認められた。空腸中8-OHdGの増加に伴い、糞中s-IgAの減少が観察された。一方、空腸中8-OHdGの低下に伴い、糞中s-IgAの増加が観察された。この結果は、Rafaelら(2013)の拘束ストレスによる空腸中での酸化ストレスの増加が、パイエル板でのs-IgAの産生量の低下を誘導する結果と同じ傾向が観察された。
【0084】
10.血漿コルチコステロンと糞中s-IgAの相関(
図22)
血漿コルチコステロンと糞中s-IgAの相関を調べたところ、血漿コルチコステロンと糞中s-IgAとの間に有意な負の相関が認められた。ストレス負荷とストレス緩和における血漿コルチコステロンの増加と減少に伴い、腸管でのs-IgAの減少と増加が観察された。Rafaelら(2013)の、ストレスによって誘発されたコルチコステロンの内因性産生の増加は、腸のs-IgAレベルを低下させるとの報告と一致した。DHMBA含有分画が酸化ストレスを軽減することにより、腸内免疫力の低下を抑制することが確認された。
【0085】
(結論)
上記説明したように、本発明の生産方法によって生産された3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とする腸管免疫低下抑制作用および善玉菌低下抑制による腸内環境の悪化抑制作用物質組成物、そして該物質組成物を用いて生産した健康飲料などは上記実験結果に示すように、極めて大きな腸管免疫低下抑制作用および善玉菌低下抑制による腸内環境の悪化抑制作用を有することが確認された。
【0086】
また、本発明の生産方法によって、3、5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3、5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol)を有効成分とする腸管免疫低下抑制作用および善玉菌低下抑制による腸内環境の悪化抑制作用を有する腸管免疫低下抑制作用物質組成物そして、該物質組成物を用いて生産した健康飲料などを確実に生産できることが確認された。