(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023060983
(43)【公開日】2023-05-01
(54)【発明の名称】非接触速度計の校正システム及び非接触速度計の校正方法
(51)【国際特許分類】
G01P 21/02 20060101AFI20230424BHJP
G01P 3/36 20060101ALI20230424BHJP
【FI】
G01P21/02
G01P3/36 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021170698
(22)【出願日】2021-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】衣笠 静一郎
(57)【要約】
【課題】非接触速度計を校正可能な新たなシステムを提供する。
【解決手段】
校正対象の非接触速度計10を配置し、移動可能な移動装置20と、移動装置20と共に移動する非接触速度計10の速度を参照用速度として計測する参照用速度計30と、移動装置20と共に移動する非接触速度計10が計測した計測速度と、参照用速度とに基づき、非接触速度計10の計測速度を校正するための校正信号を生成するための校正信号生成部301と、を備える非接触速度計の校正システム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
校正対象の非接触速度計を配置し、移動可能な移動装置と、
前記移動装置と共に移動する前記非接触速度計の速度を参照用速度として計測する参照用速度計と、
前記移動装置と共に移動する前記非接触速度計が計測した計測速度と、前記参照用速度とに基づき、前記非接触速度計の計測速度を校正するための校正信号を生成するための校正信号生成部と、
を備える、非接触速度計の校正システム。
【請求項2】
前記移動装置の移動方向と平行な、前記非接触速度計の計測対象物をさらに備え、
前記非接触速度計が、前記計測対象物に光を照射し、前記計測対象物からの反射光に基づき、前記計測速度を計測する、
請求項1に記載の非接触速度計の校正システム。
【請求項3】
前記参照用速度計が、前記非接触速度計に対向して配置され、
前記参照用速度計が、前記非接触速度計に光を照射し、前記非接触速度計からの反射光に基づき、前記参照用速度を計測する、
請求項1又は2に記載の非接触速度計の校正システム。
【請求項4】
前記参照用速度計が、前記非接触速度計に対向して配置され、
前記参照用速度計が、前記非接触速度計に光を照射し、前記非接触速度計からの反射光に基づき、前記参照用速度を計測し、
前記計測対象物から前記非接触速度計への反射光と、前記非接触速度計から前記参照用速度計への反射光が、直角になるよう、前記非接触速度計、前記参照用速度計、及び前記計測対象物が配置されるよう構成されている、
請求項2に記載の非接触速度計の校正システム。
【請求項5】
前記参照用速度計が、前記移動装置の移動方向又は前記移動方向の反対方向に配置されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の非接触速度計の校正システム。
【請求項6】
前記非接触速度計に前記校正信号を送信するための校正信号送信部をさらに備える、請求項1から5のいずれか1項に記載の非接触速度計の校正システム。
【請求項7】
前記校正信号が、前記計測速度を、前記参照用速度に近づけるよう、構成されている、請求項1から6のいずれか1項に記載の非接触速度計の校正システム。
【請求項8】
移動可能な移動装置に校正対象の非接触速度計を配置することと、
前記移動装置と共に移動する前記非接触速度計が計測速度を計測することと、
前記移動装置と共に移動する前記非接触速度計の速度を参照用速度計が参照用速度として計測することと、
前記計測速度と、前記参照用速度とに基づき、前記非接触速度計の計測速度を校正するための校正信号を生成することと、
を含む、非接触速度計の校正方法。
【請求項9】
前記非接触速度計に前記校正信号を送信することをさらに含む、請求項8に記載の非接触速度計の校正方法。
【請求項10】
前記校正信号が、前記計測速度を、前記参照用速度に近づけるよう、構成されている、請求項8又は9に記載の非接触速度計の校正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触速度計の校正システム及び非接触速度計の校正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
非接触速度計は測定対象の速度を非接触で測定可能であり、例えばロールに巻取られるフィルムの搬送速度の測定などに用いられている。非接触速度計の精度を維持するために、非接触速度計を校正する方法が提案されている(例えば、特許文献1から3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭59-126976号公報
【特許文献2】特開平9-113526号公報
【特許文献3】特開2017-173216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、非接触速度計を校正可能な新たなシステム及び方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の態様に係る非接触速度計の校正システムは、校正対象の非接触速度計を配置し、移動可能な移動装置と、移動装置と共に移動する非接触速度計の速度を参照用速度として計測する参照用速度計と、移動装置と共に移動する非接触速度計が計測した計測速度と、参照用速度とに基づき、非接触速度計の計測速度を校正するための校正信号を生成するための校正信号生成部と、を備える。
【0006】
上記の非接触速度計の校正システムが、移動装置の移動方向と平行な、非接触速度計の計測対象物をさらに備え、非接触速度計が、計測対象物に光を照射し、計測対象物からの反射光に基づき、計測速度を計測してもよい。
【0007】
上記の非接触速度計の校正システムにおいて、参照用速度計が、非接触速度計に対向して配置され、参照用速度計が、非接触速度計に光を照射し、非接触速度計からの反射光に基づき、参照用速度を計測してもよい。
【0008】
上記の非接触速度計の校正システムにおいて、参照用速度計が、非接触速度計に対向して配置され、参照用速度計が、非接触速度計に光を照射し、非接触速度計からの反射光に基づき、参照用速度を計測し、計測対象物から非接触速度計への反射光と、非接触速度計から参照用速度計への反射光が、直角になるよう、非接触速度計、参照用速度計、及び計測対象物が配置されるよう構成されていてもよい。
【0009】
上記の非接触速度計の校正システムにおいて、参照用速度計が、移動装置の移動方向又は移動方向の反対方向に配置されていてもよい。
【0010】
上記の非接触速度計の校正システムが、非接触速度計に校正信号を送信するための校正信号送信部をさらに備えていてもよい。
【0011】
上記の非接触速度計の校正システムが、校正信号が、計測速度を、参照用速度に近づけるよう、構成されていてもよい。
【0012】
上記の非接触速度計の校正システムにおいて、計測速度にタイムスタンプが付与されていてもよい。また、参照用速度にタイムスタンプが付与されていてもよい。校正信号生成部が、タイムスタンプに基づき、同じ時刻に送信された計測速度と参照用速度を比較してもよい。
【0013】
また、本発明の態様に係る非接触速度計の校正方法は、移動可能な移動装置に校正対象の非接触速度計を配置することと、移動装置と共に移動する非接触速度計が計測速度を計測することと、移動装置と共に移動する非接触速度計の速度を参照用速度計が参照用速度として計測することと、計測速度と、参照用速度とに基づき、非接触速度計の計測速度を校正するための校正信号を生成することと、を含む。
【0014】
上記の非接触速度計の校正方法において、移動装置の移動方向と平行な、非接触速度計の計測対象物が配置されており、非接触速度計が、計測対象物に光を照射し、計測対象物からの反射光に基づき、計測速度を計測してもよい。
【0015】
上記の非接触速度計の校正方法において、参照用速度計が、非接触速度計に対向して配置され、参照用速度計が、非接触速度計に光を照射し、非接触速度計からの反射光に基づき、参照用速度を計測してもよい。
【0016】
上記の非接触速度計の校正方法において、参照用速度計が、非接触速度計に対向して配置され、参照用速度計が、非接触速度計に光を照射し、非接触速度計からの反射光に基づき、参照用速度を計測し、計測対象物から非接触速度計への反射光と、非接触速度計から参照用速度計への反射光が、直角になるよう、非接触速度計、参照用速度計、及び計測対象物が配置されていてもよい。
【0017】
上記の非接触速度計の校正方法において、参照用速度計が、移動装置の移動方向又は移動方向の反対方向に配置されていてもよい。
【0018】
上記の非接触速度計の校正方法が、非接触速度計に校正信号を送信することをさらに含んでいてもよい。
【0019】
上記の非接触速度計の校正方法において、校正信号が、計測速度を、参照用速度に近づけるよう、構成されていてもよい。
【0020】
上記の非接触速度計の校正方法において、計測速度にタイムスタンプを付与してもよい。また、参照用速度にタイムスタンプを付与してもよい。校正信号を生成することにおいて、タイムスタンプに基づき、同じ時刻に送信された計測速度と参照用速度を比較してもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、非接触速度計を校正可能な新たなシステム及び方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、実施形態に係る非接触速度計の校正システムを示す模式図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る表面形状測定装置の光学式速度計を示す模式図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る表面形状測定装置の光学式速度計を示す模式図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る表面形状測定装置の光学式速度計を示す模式図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る参照用速度と計測速度との関係を示す模式的なグラフである。
【
図6】
図6は、実施形態に係る参照用速度と計測速度との関係を示す模式的なグラフである。
【
図7】
図7は、実施形態に係る非接触速度計の校正方法を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、実施形態に係る非接触速度計の校正システムを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号で表している。ただし、図面は模式的なものである。したがって、具体的な寸法等は以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0024】
実施形態に係る非接触速度計の校正システムは、
図1に示すように、校正対象の非接触速度計10を配置し、移動可能な移動装置20と、移動装置20と共に移動する非接触速度計10の速度を参照用速度として計測する参照用速度計30と、移動装置20と共に移動する非接触速度計10が計測した計測速度と、参照用速度とに基づき、非接触速度計10の計測速度を校正するための校正信号を生成するための校正信号生成部301と、を備える。
【0025】
移動装置20は、平面21上を一方向に移動可能である。本開示において、移動装置20の移動方向をx方向、x方向に垂直な方向をy方向という場合がある。移動装置20は、移動方向を反転させ、往復移動をしてもよい。移動装置20は、非接触速度計10を配置可能な任意の形状を有する。例えば、移動装置20は、非接触速度計10を配置可能なステージを有する。
【0026】
校正システムは、非接触速度計10の計測対象物40をさらに備えていてもよい。計測対象物40は、移動装置20の移動方向と平行に配置される。計測対象物40は、例えば、移動装置20が移動する平面21と平行な平面を有する。平面21は、非接触速度計10が配置される基板22の一部であってもよい。計測対象物40の表面は、反射物41で覆われていてもよい。反射物41は、金属等、光の反射率の高い物質からなる。計測対象物40は、例えば固定され、移動しない。
【0027】
非接触速度計10は、光学式速度計であってもよい。非接触速度計10が光学式速度計である場合、非接触速度計10は、計測対象物40に照射光を照射し、計測対象物40からの反射光に基づき、計測対象物40に対する非接触速度計10の速度を算出する。
【0028】
光学式速度計は、レーザードップラー式速度計であってもよい。非接触速度計10がレーザードップラー式速度計である場合、非接触速度計10は、
図2に示すように、レーザー光を発する光源201を備える。レーザー光は、コリメートレンズ202を経て、ハーフミラー203で二分割される。分割された一方のレーザー光は、ミラー204で反射され、二つのレーザー光は、それぞれ、入射角θで計測対象物40に入射し、干渉する。計測対象物40で反射された散乱光は、集光レンズ205で集光され、受光素子206で受光される。
【0029】
受光素子206から得られるドップラー信号の周波数Fと、計測対象物40に対する非接触速度計10の速度Vと、レーザー光の波長λと、レーザー光の入射角θと、の関係は、下記(1)式で与えられる。
F=(2V/λ)sinθ (1)
レーザー光の波長λと、レーザー光の入射角θと、は、予め取得可能である。ドップラー信号の周波数Fは、受光素子206で受光した光の時間変化をフーリエ変換することにより取得可能である。そのため、ドップラー信号の周波数Fを取得することにより、非接触速度計10は、計測対象物40に対する非接触速度計10の速度Vを算出する。
【0030】
非接触速度計10は、自己結合式速度計であってもよい。非接触速度計10が自己結合式速度計である場合、非接触速度計10は、
図3に示すように、レーザー光を発する光源211を備える。レーザー光は計測対象物40に入射する。計測対象物40で反射された散乱光は、照射光と同じ光路を逆に進み、光源211内の光共振器に再侵入する戻り光は、光共振器において生成されたレーザー光と干渉する。この干渉は、光共振器の中で自己結合効果が起きることを意味する。自己結合により生じた干渉波形を受光素子212で検出する。干渉波形の周期に基づき、非接触速度計10は、計測対象物40に対する非接触速度計10の速度を算出する。
【0031】
非接触速度計10は、空間フィルタ式速度計であってもよい。非接触速度計10が空間フィルタ式速度計である場合、非接触速度計10は、
図4に示すように、光を発する光源221を備える。計測対象物40は、集光された光で、非接触速度計10の受光光学系に対して暗視野照明となるよう、斜め方向から照射される。計測対象物40で散乱された光は、集光レンズ222で集光され、周期的な透過率分布を有する格子223上に、計測対象物40の像を形成する。
【0032】
受光光学系の倍率をM、計測対象物40に対する非接触速度計10の速度をVとすると、格子223上の像は速度MVで移動する。格子223からの透過光を、受光素子224で受光する。受光素子224が受光する透過光の信号の周期Fは、格子223の間隔をpとすると、下記(2)式で与えられる。
F=MV/p (2)
受光光学系の倍率M、格子223の間隔pと、は予め取得可能であるため、周波数Fを測定することにより、非接触速度計10は、計測対象物40に対する非接触速度計10の速度Vを算出する。
【0033】
図1に示す参照用速度計30が非接触速度計10の参照用速度を計測する方法は、特に限定されない。例えば、参照用速度計30は、光学的に、参照用速度を計測する。例えば、参照用速度計30は、非接触速度計10に対向して配置される。参照用速度計30は、移動装置20の移動方向又は移動方向の反対方向に配置されていてもよい。参照用速度計30は、例えば固定され、移動しない。参照用速度計30は、移動している非接触速度計10に照射光を照射し、非接触速度計10からの反射光に基づき、非接触速度計10の移動速度を参照用速度として計測する。例えば、参照用速度計30は、照射光の周波数と、反射光の周波数に基づき、非接触速度計10の移動速度を計測する。非接触速度計10には、参照用速度計30が発する照射光を反射するための反射物11を付けてもよい。
【0034】
例えば、計測対象物40から非接触速度計10への反射光と、非接触速度計10から参照用速度計30への反射光が、直角になるよう、非接触速度計10、計測対象物40、及び参照用速度計30が配置される。例えば、計測対象物40から非接触速度計10への反射光の方向はy方向と平行であり、非接触速度計10から参照用速度計30への反射光はx方向と平行である。これにより、仮に計測対象物40にローリングやヨーイングが生じても、それらの影響を抑制することが可能である。
【0035】
実施形態に係る非接触速度計の校正システムは、移動装置20、非接触速度計10、及び参照用速度計30の少なくともいずれかを有線又は無線を介して制御するための制御部303をさらに備えていてもよい。制御部303は、移動装置20の移動を制御する。制御部303は、非接触速度計10の速度計測の開始と停止を制御する。制御部303は、参照用速度計30の速度計測の開始と停止を制御する。
【0036】
校正信号生成部301は、計測速度を、参照用速度に近づけるための校正信号を生成する。非接触速度計10は、有線又は無線で、校正信号生成部301に、計測速度を送信する。参照用速度計30は、有線又は無線で、校正信号生成部301に、参照用速度を送信する。校正信号生成部301は、非接触速度計10から計測速度を受信し、参照用速度計30から参照用速度を受信する。
【0037】
校正信号生成部301は、計測速度と、参照用速度と、を比較する。例えば、
図5に示すように、計測速度と、参照用速度が、同じである場合は、校正信号生成部301は、校正信号を生成しない。
図6(a)に示すように、計測速度が、参照用速度より速い場合、校正信号生成部301は、計測速度が参照用速度と等しくなるよう、計測速度を校正する校正信号を生成する。
図6(b)に示すように、計測速度が、参照用速度より遅い場合、校正信号生成部301は、計測速度が参照用速度と等しくなるよう、計測速度を校正する校正信号を生成する。
【0038】
校正信号は、
図1に示す非接触速度計10の計測速度を校正できれば、特に限定されない。例えば、校正信号は、非接触速度計10が算出した計測速度に乗じる係数や式を含んでいてもよい。あるいは、校正信号は、非接触速度計10が計測速度の算出に用いる光学系の感度や電気回路の電気信号の強度及び周波数を校正する信号であってもよい。
【0039】
実施形態に係る非接触速度計の校正システムは、校正信号生成部301が生成した校正信号を非接触速度計10に送信するための校正信号送信部302をさらに備える。非接触速度計10は、校正信号を受信し、校正信号に基づき、校正された計測速度を算出するよう構成される。
【0040】
校正信号生成部301、校正信号送信部302、及び制御部303は、例えば、中央演算処理装置(CPU)300に含まれる。
【0041】
次に、
図7を参照して、実施形態に係る非接触速度計の校正方法を説明する。
【0042】
ステップS101で、非接触速度計10を移動装置20に配置する。制御部303の指示により、移動装置20が止まっている状態で、参照用速度計30が計測する参照用速度をゼロにリセットする。その後、ステップS102で、制御部303の指示により、参照用速度計30は、参照用速度の計測を開始し、ステップS103で、制御部303の指示により、非接触速度計10は、計測速度の計測を開始する。
【0043】
ステップS104で、制御部303の指示により、移動装置20は、移動を開始し、移動装置20が移動している間、参照用速度計30は参照用速度の計測を継続し、非接触速度計10は計測速度の計測を継続する。参照用速度計30は、計測した参照用速度を校正信号生成部301に送信し、非接触速度計10は、計測した計測速度を校正信号生成部301に送信する。その後、ステップS105で、制御部303の指示により、移動装置20は移動を停止し、参照用速度計30は参照用速度の計測を停止し、非接触速度計10は計測速度の計測を停止する。
【0044】
ステップS106で、校正信号生成部301は、受信した参照用速度と計測速度に基づき、校正信号を生成する。ステップS107で、校正信号送信部302は、校正信号生成部301が生成した校正信号を非接触速度計10に送信する。非接触速度計10は、校正信号を受信し、以後、校正された計測速度を算出するよう構成される。
【0045】
上記のように本発明を実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす記述及び図面はこの発明を限定するものであると理解するべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかになるはずである。
【0046】
例えば、
図8に示すように、実施形態に係る非接触速度計の校正システムは、計測速度と参照用速度にタイプスタンプを付与する時刻情報提供装置400をさらに備えていてもよい。時刻情報提供装置400は、非接触速度計10及び参照用速度計30と有線又は無線を介して通信し、非接触速度計10及び参照用速度計30に時刻情報を送信する。時刻情報提供装置400は、非接触速度計10及び参照用速度計30と無線接続するためのCPU300のアクセスポイントに接続されていてもよい。
【0047】
非接触速度計10は、計測速度を送信する際に、時刻情報に基づき、計測速度にタイムスタンプを付与する。参照用速度計30は、参照用速度を送信する際に、時刻情報に基づき、参照用速度にタイムスタンプを付与する。校正信号生成部301は、タイムスタンプに基づき、同じ時刻に送信された計測速度と参照用速度を比較する。これにより、精度の高い校正信号を生成可能である。
【0048】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を包含するということを理解すべきである。
【符号の説明】
【0049】
10・・・非接触速度計、11・・・反射物、20・・・移動装置、21・・・平面、22・・・基板、30・・・参照用速度計、40・・・計測対象物、41・・・反射物、201・・・光源、202・・・コリメートレンズ、203・・・ハーフミラー、204・・・ミラー、205・・・集光レンズ、206・・・受光素子、211・・・光源、212・・・受光素子、221・・・光源、222・・・集光レンズ、223・・・格子、224・・・受光素子、301・・・校正信号生成部、302・・・校正信号送信部、303・・・制御部、400・・・時刻情報提供装置