(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023061008
(43)【公開日】2023-05-01
(54)【発明の名称】エレベータ用のドアの開閉確認装置
(51)【国際特許分類】
B66B 13/22 20060101AFI20230424BHJP
【FI】
B66B13/22 A
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021170743
(22)【出願日】2021-10-19
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】宮川 行宏
【テーマコード(参考)】
3F307
【Fターム(参考)】
3F307AA02
3F307CC30
(57)【要約】
【課題】接触不良が起きにくいエレベータ用のドアの開閉確認装置を提供することを課題とする。
【解決手段】エレベータのドアの開閉状態を確認するエレベータ用のドアの開閉確認装置であり、電路に接続され、定位置に設置され且つ電路を閉じた入状態と開いた切状態とに切替可能なスイッチ装置2と、スイッチ装置2の入状態と切状態とを切り替える入切切替機構3とを備え、スイッチ装置2は、設置位置が固定され且つ電路に電気的に接続される固定端子20と、固定端子20に対向配置された状態のまま前記固定端子20に接離する接離方向に動き、且つ固定端子20に接触することで電路を閉じ、固定端子20から離間することで電路を開く可動端子21とを有し、入切切替機構3は、ドアの開閉動作に伴って可動端子21を接離方向で動かすように構成される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータのドアの開閉状態を確認するためのエレベータ用のドアの開閉確認装置であって、
電路に接続された状態で該電路を閉じた入状態と、該電路を開いた切状態とに切替可能なスイッチ装置であって、定位置に設置されるスイッチ装置と、
前記スイッチ装置の前記入状態と前記切状態とを切り替えるための入切切替機構と、を備え、
前記スイッチ装置は、
設置位置が固定される固定端子であって、前記電路に電気的に接続される固定端子と、
前記固定端子に対向する位置に設置された状態で前記固定端子に接離する接離方向に動く可動端子であって、前記固定端子に接触することで前記電路を閉じ、前記固定端子から離間することで前記電路を開く可動端子と、を有し、
前記入切切替機構は、前記ドアの開閉動作に伴って前記可動端子を前記接離方向で動かすように構成される、
エレベータ用のドアの開閉確認装置。
【請求項2】
前記入切切替機構は、前記接離方向において前記可動端子と並ぶ位置に設置されるレバーであって、前記ドアの開閉動作に伴って前記接離方向に動くように構成されるレバーを有し、
前記レバーの前記接離方向での動きに連動して前記可動端子が前記レバーと同方向で動くように構成される、
請求項1に記載のエレベータ用のドアの開閉確認装置。
【請求項3】
前記スイッチ装置は、前記可動端子を前記固定端子から離れる方向に付勢する付勢部を有し、
前記入切切替機構は、
前記レバーを前記可動端子に対して接近する接近方向に向けて付勢する付勢手段と、
前記ドアの開閉動作に伴って前記レバーを作動させる作動操作機構と、を有し、
前記作動操作機構は、
前記ドアの開動作又は閉動作の一方の動作に伴って前記レバーを前記可動端子から離れる離間方向に向けて動かすように操作し、
前記ドアの開動作又は閉動作の他方の動作に伴って前記レバーに対する操作を解除するように構成される、
請求項2に記載のエレベータ用のドアの開閉確認装置。
【請求項4】
前記スイッチ装置は、前記可動端子を前記固定端子に対して離れる方向に付勢する付勢部を有し、
前記切替機構は、
前記レバーを前記可動端子に対して離れる離間方向に向けて付勢する付勢手段と、
前記ドアの開閉動作に伴って前記レバーを作動させる作動操作機構と、を有し、
前記作動操作機構は、
前記ドアの開動作又は閉動作の一方の動作に伴って前記レバーを前記可動端子に対して接近する接近方向に向けて動かすように操作し、前記ドアの開動作又は閉動作の他方の動作に伴って前記レバーに対する操作を解除するように構成される、
請求項2に記載のエレベータ用のドアの開閉確認装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータの乗場ドアの開閉状態を確認するためのエレベータ用のドアの開閉確認装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記エレベータ用のドアの開閉確認装置として、例えば特許文献1に開示されているような、設置位置が固定されている一対の端子であって、電路に電気的に接続される一対の端子と、導電性を有する被検出部であって、一対の端子を電気的に接続するための被検出部と、を備える戸開閉検出装置が知られている。
【0003】
かかる戸開閉検出装置では、一対の端子と被検出部とによって電路を開閉するスイッチが構成されている。
【0004】
被検出部は、エレベータ戸に取り付けられている移動体に固定されており、エレベータ戸とともに開閉方向(エレベータ戸の開閉方向)に移動するようになっている。
【0005】
そして、戸開閉検出装置では、エレベータ戸が閉じている状態においては被検出部が一対の端子を電気的に接続した状態になり、エレベータ戸が開くと被検出部が一対の端子を電気的に切り離した状態になるため、電路の開閉状態に基づいてエレベータ戸の開閉状態を把握できるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、前記戸開閉検出装置では、エレベータ戸が開閉すると被検出部が一対の端子に対して接離する方向のみならず前記開閉方向においても移動するため、被検出部が一対の端子に対して摺動することがある。
【0008】
そのため、前記戸開閉検出装置は、被検出部や端子の摩耗による接触不良が起きやすかった。
【0009】
そこで、本発明は、かかる実情に鑑み、接触不良が起きにくいエレベータ用のドアの開閉確認装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のエレベータ用のドアの開閉確認装置は、
エレベータのドアの開閉状態を確認するためのエレベータ用のドアの開閉確認装置であって、
電路に接続された状態で該電路を閉じた入状態と、該電路を開いた切状態とに切替可能なスイッチ装置であって、定位置に設置されるスイッチ装置と、
前記スイッチ装置の前記入状態と前記切状態とを切り替えるための入切切替機構と、を備え、
前記スイッチ装置は、
設置位置が固定される固定端子であって、前記電路に電気的に接続される固定端子と、
前記固定端子に対向する位置に設置された状態で前記固定端子に接離する接離方向に動く可動端子であって、前記固定端子に接触することで前記電路を閉じ、前記固定端子から離間することで前記電路を開く可動端子と、を有し、
前記入切切替機構は、前記ドアの開閉動作に伴って前記可動端子を前記接離方向で動かすように構成される。
【0011】
上記構成のエレベータ用のドアの開閉確認装置によれば、スイッチ装置の可動端子は、固定端子に対向する位置に配置された状態のまま固定端子に接離するように構成されている。そのため、可動端子は、ドアの開閉方向において移動することなく固定端子に接離するように構成されている。
【0012】
これにより、前記エレベータ用のドアの開閉確認装置では、入切切替機構がドアの開閉動作に伴って可動端子を接離方向に動かして電路を開閉する際に、可動端子がドアの開閉方向で固定端子に摺動することが抑えられるため、可動端子と固定端子の摩耗も抑えられ、接触不良が起きにくくなる。
【0013】
本発明のエレベータ用のドアの開閉確認装置において、
前記入切切替機構は、前記接離方向において前記可動端子と並ぶ位置に設置されるレバーであって、前記ドアの開閉動作に伴って前記接離方向に動くように構成されるレバーを有し、
前記レバーの前記接離方向での動きに連動して前記可動端子が前記レバーと同方向で動くように構成される、ようにしてもよい。
【0014】
このようにすれば、可動端子を接離方向に動かすためのレバーもまた、ドアの開閉方向においては定位置に配置された状態になるため、レバーが動く際に可動端子に対してドアの開閉方向に働く外力が加わりにくくなる。そのため、前記エレベータ用のドアの開閉確認装置では、レバーの動きに伴う可動端子のドアの開閉方向での動きも抑えることができ、可動端子と固定端子の摩耗を抑えやすくなる。
【0015】
本発明のエレベータ用のドアの開閉確認装置において、
前記スイッチ装置は、前記可動端子を前記固定端子から離れる方向に付勢する付勢部を有し、
前記入切切替機構は、
前記レバーを前記可動端子に対して接近する接近方向に向けて付勢する付勢手段と、
前記ドアの開閉動作に伴って前記レバーを作動させる作動操作機構と、を有し、
前記作動操作機構は、
前記ドアの開動作又は閉動作の一方の動作に伴って前記レバーを前記可動端子から離れる離間方向に向けて動かすように操作し、
前記ドアの開動作又は閉動作の他方の動作に伴って前記レバーに対する操作を解除するように構成されていてもよい。
【0016】
上記構成のエレベータ用のドアの開閉確認装置では、可動端子を固定端子に対して接離させるように動くレバーが付勢手段によって接近方向に向けて付勢されているため、可動端子と固定端子との接触状態(電路が閉じている状態)を維持し易くなる。
【0017】
また、本発明のエレベータ用のドアの開閉確認装置において、
前記スイッチ装置は、前記可動端子を前記固定端子に対して離れる方向に付勢する付勢部を有し、
前記切替機構は、
前記レバーを前記可動端子に対して離れる離間方向に向けて付勢する付勢手段と、
前記ドアの開閉動作に伴って前記レバーを作動させる作動操作機構と、を有し、
前記作動操作機構は、
前記ドアの開動作又は閉動作の一方の動作に伴って前記レバーを前記可動端子に対して接近する接近方向に向けて動かすように操作し、前記ドアの開動作又は閉動作の他方の動作に伴って前記レバーに対する操作を解除するように構成されていてもよい。
【0018】
上記構成のエレベータ用のドアの開閉確認装置では、可動端子を固定端子に対して接離させるように動くレバーが付勢手段によって離間方向に向けて付勢されているため、可動端子と固定端子とが離れている状態(電路が開いている状態)を維持し易くなる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明のエレベータ用のドアの開閉確認装置は、接触不良が起きにくいという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るエレベータ用のドアの開閉確認装置の概要説明図である。
【
図2】
図2は、同実施形態に係るエレベータ用のドアの開閉確認装置の正面図であり、スイッチ装置が電路を閉じている状態の正面図である。
【
図3】
図3は、同実施形態に係るエレベータ用のドアの開閉確認装置の正面図であり、スイッチ装置が電路を開いている状態の正面図である。
【
図4】
図4は、同実施形態に係るエレベータ用のドアの開閉確認装置の平面図である。
【
図5】
図5は、同実施形態に係るエレベータ用のドアの開閉確認装置の使用状態の説明図であり、スイッチ装置が電路を閉じている状態の説明図である。
【
図6】
図6は、同実施形態に係るエレベータ用のドアの開閉確認装置の使用状態の説明図であり、スイッチ装置が電路を開いている状態の説明図である。
【
図7】
図7は、同実施形態に係るエレベータ用のドアの開閉確認装置の正面図であり、スイッチ装置が電路を閉じている状態の正面図である。
【
図8】
図8は、本発明の他の実施形態に係るエレベータ用のドアの開閉確認装置の正面図であり、スイッチ装置が電路を開いている状態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態にかかるエレベータ用のドアの開閉確認装置(以下、開閉確認装置と称する)について、添付図面を参照しつつ説明する。開閉確認装置は、エレベータのドアの開閉状態を確認するためのものである。本実施形態の開閉確認装置は、
図1に示すように、乗場のドア(乗場ドア)Dの開閉状態を確認するように構成されており、昇降路内の乗場口Oの上方に設置されている。
【0022】
なお、乗場ドアDには、ドアパネルD1や、ドアパネルD1の上端部に取り付けられたドアハンガーD2が含まれる。
【0023】
本実施形態に係る開閉確認装置1は、
図2、
図3に示すように、電路に接続された状態で該電路を閉じた入状態と、該電路を開いた切状態とに切替可能なスイッチ装置2と、スイッチ装置2の開閉状態を切り替えるための入切切替機構3と、を備えている。
【0024】
スイッチ装置2は、設置位置が固定される一対の固定端子20であって、電路に電気的に接続される一対の固定端子20と、一対の固定端子20に対向する位置に配置された状態のまま一対の固定端子20に接離する接離方向に動く可動端子21であって、一対の固定端子20のそれぞれに接触することで電路を閉じ、一対の固定端子20の少なくとも何れか一方から離間することで電路を開くように構成される可動端子21と、可動端子21が取り付けられ、且つ可動端子21が一対の固定端子20に接離する方向と同方向で動く可動部22と、一対の固定端子20と可動端子21を内装するケース23と、を有する。
【0025】
本実施形態では、可動端子21が固定端子20に接離する方向を接離方向と称し、特に、可動端子21が固定端子20に接近する方向を接近方向と称し、可動端子21が固定端子20から離間する方向を離間方向と称する。また、乗場ドアDが開閉する方向に対応する方向は開閉方向と称する。
【0026】
固定端子20は、導電性を有する。また、固定端子20は、ケース23内での水平方向での動きが規制されている。
【0027】
可動端子21は、導電性を有する。そのため、可動端子21は、一対の固定端子20のそれぞれに接触することで該一対の固定端子20のそれぞれを電気的に接続する導電接続状態になり、一対の固定端子20の少なくとも一方から離れることで該一対の固定端子20のそれぞれを電気的に切り離した切離状態になる。なお、可動端子21が切離状態に切り替わるとスイッチ装置2は電路を開いた状態(切状態)になり、可動端子21が導電接続状態に切り替わるとスイッチ装置2は電路を閉じた状態(入状態)になる。
【0028】
可動部22には、ケース23内に収容されている被収容部220と、ケース23外に露出している露出部221とが含まれており、露出部221を押し操作できるように構成されている。
【0029】
本実施形態においては図示していないが、スイッチ装置2は、可動部22を前記離間方向に向けて付勢する付勢部を有する。そのため、可動部22が付勢力を上回る外力(前記接近方向に向かう押付力)を受けると、該可動部22が前記接近方向に移動して可動端子21が一対の固定端子20に接触し、可動部22から外力が取り除かれると、該可動部22が前記離間方向に移動して可動端子21が一対の固定端子20から離れるようになっている。
【0030】
なお、スイッチ装置2は、例えば、マイクロスイッチで構成されていればよい。
【0031】
入切切替機構3は、乗場ドアDの閉動作に伴って可動部22を前記接近方向に移動させて固定端子20に接近させ、乗場ドアDの開動作に伴って可動部22を前記離間方向に移動させて固定端子20から離すように構成されている。
【0032】
本実施形態の入切切替機構3は、前記接離方向で可動部22に対向する(前記接離方向で可動部22に対して並ぶ)ように配置されるレバー30と、レバー30を回転可能に保持する回転保持部31と、レバー30を前記接近方向に向けて付勢する付勢手段32と、乗場ドアDの開閉動作に伴ってレバー30を作動させる作動操作機構33と、ベース34と、を有する。
【0033】
レバー30には、長手方向において回転中心位置Cよりも一端側の前部300と、長手方向において回転中心位置Cよりも他端側の後部301と、が含まれており、前部300が可動部22に重ねて配置されている(
図4参照)。
【0034】
回転保持部31はベース34に立設されている。そして、レバー30は、回転保持部31の先端部に回転可能に取り付けられている。
【0035】
付勢手段32は、レバー30の前部300を前記接近方向に向けて付勢するように構成されている。また、付勢手段32がレバー30を付勢している位置は、レバー30に可動部22が接する位置よりも回転中心位置Cから離れている。
【0036】
本実施形態の付勢手段32は、引張コイルばねによって構成されており、伸縮方向における一方の端部がレバー30の前部300の裏面に接続され、伸縮方向における他方の端部がベース34に接続されている。
【0037】
そのため、レバー30は、付勢手段32の付勢力以外の外力が加わっていなければ、前部300が後部301よりも下方側に配置された状態になっており、後部301が付勢手段32の付勢力よりも強い力で下方に向けて押し操作されると前部300が上方側に動き、後部301に対する押し操作を解除すると前部300が下方側に動いて元の位置に戻るようになっている。
【0038】
レバー30は、上述のように前部300が可動部22に対向配置されているため、後部301に外力が加わっていない状態においては可動部22を前記接近方向に向けて押し操作し、後部301に付勢力よりも強い外力が加わると可動部22に対する押し操作を解除するように構成されている。
【0039】
そのため、本実施形態では、レバー30の前部300で可動部22を押し操作している状態とスイッチ装置2の閉状態とが連動し、レバー30の前部300による可動部22への押し操作が解除されている状態とスイッチ装置2の開状態とが連動するようになっている。
【0040】
スイッチ装置2が入状態のときに電路に流れる信号は、乗場ドアDが閉じていることを示す信号として扱われる。
【0041】
作動操作機構33は、乗場ドアDの開動作に伴ってレバー30の後部301を下方に向けて押し操作し、乗場ドアDの閉開動作に伴ってレバー30の後部301への押し操作を解除するように構成されている。
【0042】
より具体的に説明すると、作動操作機構33は、レバー30の後部301と開閉方向において横並びになる位置に配置され、且つ開閉方向に移動可能である移動当接部330と、移動当接部330を開閉方向においてレバー30の後部301側に移動させる第一移動操作部331と、移動当接部330を開閉方向においてレバー30の前部300側に移動させる第二移動操作部332(
図1参照)と、を有する。
【0043】
移動当接部330は、付勢手段32の付勢力以外の外力を受けていない状態のレバー30の後部301と開閉方向において横並びになる位置に配置されている。そのため、移動当接部330は、開閉方向において回転中心位置Cよりもレバー30の後部301側に移動するとレバー30の後部301に干渉し、開閉方向において回転中心位置Cよりもレバー30の前部300側に移動するとレバー30の後部301から離れるように構成されている。
【0044】
第一移動操作部331は、移動当接部330を開閉方向においてレバー30の後部301側に向けて付勢するように構成されている。
【0045】
本実施形態の第一移動操作部331は、ベース34上に設けられるハウジング3310と、ハウジング3310に対して水平方向でスライド可能となるように挿通されている操作用軸部3311であって、軸線方向における一端が移動当接部330に接合される操作用軸部3311と、操作用軸部3311の外周面から外方(操作用軸部3311の径方向における外方)に向かって突出するように形成され、ハウジング3310内に配置される突出部3312と、ハウジング3310内に配置され、水平方向においてレバー30の後部301側に向かって働く付勢力を突出部3312に加える内部付勢手段3313と、を有する。
【0046】
操作用軸部3311は、突出部3312を介して内部付勢手段3313の付勢力を受けて後部301に向かう方向に付勢されている。そのため、操作用軸部3311は、先端部(ハウジング3310よりもレバー30側に配置される一端部)が軸線方向(操作用軸部3311の軸線方向)で押し操作されると、先端部がハウジング3310に接近する方向に移動し、先端部への押し操作が解除されると、先端部がハウジング3310から離れる方向に自動的に移動するように構成されている。
【0047】
第二移動操作部332は、水平方向において移動当接部330と横並びになる位置に配置されている。また、第二移動操作部332は、乗場ドアDの開閉動作に伴って水平方向に移動可能であり、操作用軸部3311とは反対側で移動当接部330に接触するように構成されている。
【0048】
図1、
図5、
図6に図示されているように、本実施形態の第二移動操作部332は、乗場ドアDの閉動作に伴って移動当接部330に接触し、乗場ドアDの開動作に伴って移動当接部330から離れるように構成されている。
【0049】
そのため、移動当接部330は、乗場ドアDが閉じると第二移動操作部332に押されてレバー30の回転中心位置Cよりも前部300側に移動し、乗場ドアDが開くと操作用軸部3311に押し返されてレバー30の回転中心位置Cよりも後部301側に移動するように構成されている。
【0050】
本実施形態に係る開閉確認装置1の構成は、以上の通りである。続いて、開閉確認装置1の動作を説明する。
【0051】
図5に示すように、乗場ドアDが閉じている場合は、レバー30の後部301が押し操作されていないため、レバー30の前部300が付勢手段32の付勢力によって前記接近方向側に引き付けられている。
【0052】
このとき、可動部22はレバー30の前部300によって押し操作されているため、スイッチ装置2は入状態に切り替えられている。
【0053】
図6に示すように、乗場ドアDが開くと、第二移動操作部332が乗場ドアDとともに移動して移動当接部330から離れ、移動当接部330が第一移動操作部331に押し操作されてレバー30の後部301側に向かって移動する。
【0054】
これにより、移動当接部330がレバー30の回転中心位置Cよりもレバー30の後部301側に移動すると、レバー30の後部301が移動当接部330によって押し下げられ、レバー30の前部300が前記離間方向に向かって移動する。
【0055】
そして、レバー30による可動部22への押し操作が解除されると、スイッチ装置2が切状態に切り替わる。
【0056】
乗場ドアDが再び閉じる場合は、第二移動操作部332が乗場ドアDとともに移動して移動当接部330を押し操作するため、移動当接部330がレバー30の前部300側に向かって移動する。
【0057】
これにより、移動当接部330がレバー30の回転中心位置Cよりもレバー30の前部300側に移動すると、移動当接部330によるレバー30の後部301への押し操作が解除され、レバー30の前部300が前記接近方向に向かって引き寄せされる。
【0058】
そして、レバー30が可動部22を押し操作すると、スイッチ装置2が入状態に切り替わる。
【0059】
以上のように、本実施形態の開閉確認装置1によれば、スイッチ装置2の可動端子21が、固定端子20に対向する位置に配置された状態のまま固定端子20に接離するように構成されているため、可動端子21が乗場ドアDの開閉方向において移動することなく固定端子20に接離するように構成されている。
【0060】
これにより、開閉確認装置1では、入切切替機構3が乗場ドアDの開閉動作に伴って可動端子21を接離方向に動かして電路を開閉する際に、可動端子21が乗場ドアDの開閉方向で固定端子20に摺動することが抑えられるため、可動端子21と固定端子20の摩耗も抑えられる。
【0061】
従って、開閉確認装置1は、接触不良が起きにくくなるという優れた効果を奏し得る。
【0062】
また、入切切替機構3は、乗場ドアDの開閉動作に伴って前記接離方向に動くように構成されるレバー30により、可動端子21を操作する(本実施形態では、可動部22を介して可動端子21を操作する)ように構成されており、可動端子21を接離方向に動かすためのレバー30もまた、乗場ドアDの開閉方向においては定位置に配置された状態になっている。
【0063】
そのため、レバー30が動く際に可動端子21に対して乗場ドアDの開閉方向に働く外力が加わりにくくなる。そのため、開閉確認装置1では、レバー30の動きに伴う可動端子21の乗場ドアDの開閉方向での動きも抑えることができ、可動端子21と固定端子20の摩耗を抑えやすくなる。
【0064】
さらに、本実施形態の開閉確認装置1では、可動端子21を固定端子20に対して接離させるように動くレバー30が付勢手段32によって接近方向に向けて付勢されているため、可動端子21と固定端子20との接触状態(電路が閉じている状態)を維持し易くなる。
【0065】
また、本実施形態の開閉確認装置1は、第一移動操作部331をレバー30から離すだけで可動部22をレバー30で押し操作できるように構成されているため、第一移動操作部331の運動量(移動量)にばらつきが生じてもレバー30による可動部22の押込量にはばらつきが生じにくくなっている。
【0066】
なお、本発明に係るエレベータ用のドアの開閉確認装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加え得ることは勿論である。
【0067】
上記実施形態では、開閉確認装置1が乗場ドアDの開閉状態を確認するように構成されていることを一例に挙げて説明を行ったが、この構成に限定されない。例えば、開閉確認装置は、かごドアの開閉状態を確認するように構成されていてもよい。
【0068】
上記実施形態において、付勢手段32は、レバー30の前部300を前記接近方向に向けて付勢するように構成されていてが、この構成に限定されない。例えば、付勢手段32は、
図7、
図8に示すように、レバー30の前部300を前記離間方向に向けて付勢するように構成されていてもよい。
【0069】
このように、付勢手段32がレバー30の前部300を前記離間方向に向けて付勢するように構成されていれば、可動端子21と固定端子20とが離れている状態(電路が開いている状態)を維持し易くなる。
【0070】
また、このようにする場合、作動操作機構33は、乗場ドアDの閉動作又は開動作の一方の動作に伴ってレバー30を前記接近方向に向けて動かすように操作し、乗場ドアDの閉動作又は開動作の他方の動作に伴ってレバー30に対する操作を解除するように構成されていればよい。
【0071】
図7、
図8に示す開閉確認装置1では、作動操作機構33が乗場ドアDの閉動作に伴ってレバー30を前記接近方向に向けて動かすように操作し、乗場ドアDの開動作の他方の動作に伴ってレバー30に対する操作を解除するように構成されている。
【0072】
より具体的に説明すると、
図7、
図8に示す作動操作機構33は、乗場ドアDの閉動作に伴ってレバー30の前部300を表面側(上面側)から押し込み、乗場ドアDの開動作に伴ってレバー30の前部300に対する押し込みを解除する移動押込部333を有するように構成されている。
【0073】
かかる作動操作機構33を有する開閉確認装置1では、移動押込部333によるレバー30の押し込み位置(長手方向での押し込み位置)にばらつきが生じたとしても、レバー30を確実に押し込んで可動部22を押し操作できる。
【0074】
なお、
図7、
図8に図示している開閉確認装置1の入切切替機構3は乗場ドアDが閉じている状態でスイッチ装置2を入状態に切り替え、乗場ドアDが開いている状態でスイッチ装置2を切状態に切り替えるように構成されているため、スイッチ装置2が入状態のときに流れる信号が乗場ドアDが閉じていることを示す信号として扱われる。
【符号の説明】
【0075】
1…開閉確認装置、2…スイッチ装置、3…入切切替機構、20…固定端子、21…可動端子、22…可動部、23…ケース、30…レバー、31…回転保持部、32…付勢手段、33…作動操作機構、34…ベース、220…被収容部、221…露出部、300…前部、301…後部、330…移動当接部、331…第一移動操作部、332…第二移動操作部、3310…ハウジング、3311…操作用軸部、3312…突出部、3313…内部付勢手段、C…回転中心位置、D…乗場ドア、O…乗場口
【手続補正書】
【提出日】2022-11-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータのドアの開閉状態を確認するためのエレベータ用のドアの開閉確認装置であって、
電路に接続された状態で該電路を閉じた入状態と、該電路を開いた切状態とに切替可能なスイッチ装置であって、定位置に設置されるスイッチ装置と、
前記スイッチ装置の前記入状態と前記切状態とを切り替えるための入切切替機構と、を備え、
前記スイッチ装置は、
設置位置が固定される固定端子であって、前記電路に電気的に接続される固定端子と、
前記固定端子に対向する位置に設置された状態で前記固定端子に接離する接離方向に動く可動端子であって、前記固定端子に接触することで前記電路を閉じ、前記固定端子から離間することで前記電路を開く可動端子と、を有し、
前記入切切替機構は、前記ドアの開閉動作に伴って前記可動端子を前記接離方向で動かすように構成され、
前記スイッチ装置は、前記可動端子を前記固定端子から離れる方向に付勢する付勢部を有し、
前記入切切替機構は、
前記接離方向において前記可動端子と並ぶ位置に設置されるレバーであって、前記ドアの開閉動作に伴って前記接離方向に動くように構成されるレバーと、
前記レバーを前記可動端子に対して接近する接近方向に向けて付勢する付勢手段と、
前記ドアの開閉動作に伴って前記レバーを作動させる作動操作機構と、を有し、
前記可動端子は、前記レバーの前記接離方向での動きに連動して前記レバーと同方向で動くように構成され、
前記作動操作機構は、
前記ドアの開動作又は閉動作の一方の動作に伴って前記レバーを前記可動端子から離れる離間方向に向けて動かすように操作し、
前記ドアの開動作又は閉動作の他方の動作に伴って前記レバーに対する操作を解除するように構成される、
エレベータ用のドアの開閉確認装置。