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特開2023-61032経口組成物、サプリメント、化粧品組成物、化粧水、及び美容液
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  • 特開-経口組成物、サプリメント、化粧品組成物、化粧水、及び美容液 図1
  • 特開-経口組成物、サプリメント、化粧品組成物、化粧水、及び美容液 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023061032
(43)【公開日】2023-05-01
(54)【発明の名称】経口組成物、サプリメント、化粧品組成物、化粧水、及び美容液
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/10 20160101AFI20230424BHJP
   A61K 8/67 20060101ALI20230424BHJP
   A61K 8/60 20060101ALI20230424BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20230424BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20230424BHJP
   A61K 31/7008 20060101ALI20230424BHJP
   A61K 31/7084 20060101ALI20230424BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20230424BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20230424BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230424BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20230424BHJP
【FI】
A23L33/10
A61K8/67
A61K8/60
A61K8/44
A61Q19/00
A61K31/7008
A61K31/7084
A61P19/02
A61P29/00 101
A61P35/00
A61P17/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021170779
(22)【出願日】2021-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】518446569
【氏名又は名称】株式会社スマイリーメソッド
(74)【代理人】
【識別番号】100190274
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 滋之
(72)【発明者】
【氏名】今藤 志保
【テーマコード(参考)】
4B018
4C083
4C086
【Fターム(参考)】
4B018LB10
4B018LE01
4B018LE02
4B018LE03
4B018LE04
4B018LE05
4B018MD27
4B018MD44
4B018ME14
4C083AC621
4C083AD201
4C083AD631
4C083CC03
4C083CC04
4C083DD27
4C083EE12
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA02
4C086EA18
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA52
4C086MA63
4C086NA13
4C086ZA89
4C086ZA96
4C086ZB15
4C086ZB26
(57)【要約】
【課題】N-アセチルグルコサミンの吸収率を高める経口組成物、サプリメント、化粧品組成物、化粧水、及び美容液を提供すること。
【解決手段】N-アセチルグルコサミンとNADとを含有する経口組成物。該経口組成物を用いて経口製剤及びサプリメントなどを生成することができる。N-アセチルグルコサミンとNADとを含有する化粧品組成物。該化粧品組成物を用いて化粧水又は美容液などの化粧品を生成することができる。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
N-アセチルグルコサミンとNADとを含有する経口組成物。
【請求項2】
N-アセチルグルコサミンに対するNADの質量比が1/4以上2/3以下である、請求項1に記載の経口組成物。
【請求項3】
アミノレブリン酸をさらに含有する請求項1又は2に記載の経口組成物。
【請求項4】
請求項1~3の何れか一項に記載の経口組成物を含む、サプリメント。
【請求項5】
N-アセチルグルコサミンとNADとを含有する化粧品組成物。
【請求項6】
N-アセチルグルコサミンに対するNADの質量比が1/4以上2/3以下である、請求項5に記載の化粧品組成物。
【請求項7】
アミノレブリン酸をさらに含有する請求項5又は6に記載の化粧品組成物。
【請求項8】
請求項5~7の何れか一項に記載の化粧品組成物を含む、化粧水。
【請求項9】
請求項5~7の何れか一項に記載の化粧品組成物を含む、美容液。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、N-アセチルグルコサミンの吸収・作用を促進する経口組成物、サプリメント、化粧品組成物、化粧水、及び美容液に関する。
【背景技術】
【0002】
N-アセチルグルコサミンは、生体内に広く分布するヒアルロン酸の成分である。ヒアルロン酸は、目、皮膚、関節などに多く含まれ、眼球の形状維持、皮膚の水分保持・弾力維持、関節のクッション性維持などに作用する。N-アセチルグルコサミンは、ヒアルロン酸よりも吸収性がよく、生体内の各所においてヒアルロン酸の生成を促進するため、経口あるいは皮膚への塗布などにより有用な役割を果たす。
【0003】
ところで、生体内の各組織は、細胞と細胞外マトリックス(ECM)とにより構成されている。ECMは、細胞を支持する役割の他、生体の恒常性維持の役割も担っており、細胞の接着・分化・増殖にも関係している。そして、EMCの分解は、炎症や腫瘍を含む多くの疾患で生じる組織の様々な構造変化にも関与するとされている。EMCの分解には、種々のマトリックス・メタロプロテアーゼ(MMP)が影響を及ぼす。
【0004】
例えば、MMPは、変形性関節症、慢性関節リウマチなどにおける組織破壊に関与することが知られており、様々ながん由来細胞株やがん組織において高い発現が認められている。また、紫外線等の外部刺激によりMMPの発現が亢進し、皮膚の細胞外マトリックスの構成成分を分解するとされるている(例えば、特許文献1参照)。こうした中、N-アセチルグルコサミンは、MMPの発現を抑制する成分としても着目されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008-156349号公報
【特許文献2】特許第6883347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のN-アセチルグルコサミンを含む経口組成物又は化粧品組成物において、N-アセチルグルコサミンの吸収性については、それ自体の大きさと構造に依拠している。つまり、従来の組成物では、N-アセチルグルコサミンの吸収率を高めるための工夫がなされていない。
【0007】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、N-アセチルグルコサミンの吸収率を高める経口組成物、サプリメント、化粧品組成物、化粧水、及び美容液を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る経口組成物は、N-アセチルグルコサミンとNADとを含有するものである。
本発明の一態様に係るサプリメントは、上記の経口組成物を含むものである。
【0009】
本発明の一態様に係る化粧品組成物は、N-アセチルグルコサミンとNADとを含有するものである。
本発明の一態様に係る化粧水は、上記の化粧品組成物を含むものである。
本発明の一態様に係る美容液は、上記の化粧品組成物を含むものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、NADの作用により、N-アセチルグルコサミンの吸収性が高まるため、N-アセチルグルコサミンの吸収率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の各実施の形態に係る組成物の含有成分と該組成物の用途の概要に関する説明図である。
図2】本発明の実施の形態1に係る経口組成物におけるN-アセチルグルコサミンとNADの好ましい含有比を段階的に例示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1に示すように、本発明における組成物は、少なくとも、N-アセチルグルコサミンと、NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)と、を含有している。該組成物は、図1に例示するように、経口摂取される経口組成物、及び化粧品などに含まれる化粧品組成物として用いることができる。
【0013】
N-アセチルグルコサミンは、自然界や体の中にも存在するアミノ糖の一種であり、医薬品、医薬部外品、化粧品などに用いられる成分である。N-アセチルグルコサミンは、例えば、カニやエビなどの甲殻類の殻から調製された多糖類キチンを原料として生成することができる。N-アセチルグルコサミンは、一般的なグルコサミンとは異なり、体内で利用されやすく、ヒアルロン酸の生成を促すなど、様々な効能を有している。
【0014】
NADは、生物界に広く存在する補酵素の一種であり、本明細書では、酸化型のいわゆるNADのことを指す。NADは、体内においてニコチン酸(ナイアシン)などから合成される。NADは、細胞の代謝やDNAの修復などの重要な機能にかかわっている。以下、組成物の用途に関連づけて、具体的に説明する。
【0015】
実施の形態1.
本実施の形態1の組成物は、経口摂取される経口組成物であり、N-アセチルグルコサミンとNADとを含有している。本実施の形態1における経口組成物を含む経口製剤は、医薬品であってもよく、医薬部外品であってもよい。
【0016】
NADの前駆体としては、NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)が公知である。NMNは、もともと人間の身体の組織や細胞に存在する物質で、体内でNADに変化した後に細胞へ作用する。つまり、NADは、生体内において、NMNから合成されることが知られている。本実施の形態1の経口組成物におけるNADは、NMNに低分子化処理を施すことにより生成され、1分子あたりの質量は500ダルトン程度となる。
【0017】
NADは、細胞内に存在する細胞内小器官であるミトコンドリアでのエネルギー産生反応を補う機能を有する。そして、本願の発明者は、NADがN-アセチルグルコサミンの吸収率を高めることを見出した。このことには、NADのミトコンドリアに対する作用も影響すると推察される。
【0018】
より具体的に、該発明者は、N-アセチルグルコサミンとNADの前駆体であるNMNとを含有する経口組成物を生成し、該経口組成物を含む経口製剤等(サプリメントを含む)、つまりN-アセチルグルコサミンとNMNとを含む経口製剤等を生成した。また、上記により生成した経口製剤等と同量のN-アセチルグルコサミンを含み、NMNを含まない経口製剤等を生成した。そして、これらを複数人に経口摂取させ、各生体に対する影響を調べたところ、N-アセチルグルコサミンとNMNとを含む経口製剤等の方が、N-アセチルグルコサミンを含みNMNを含まない経口製剤等よりも、N-アセチルグルコサミンの吸収率が高いことが分かった。
【0019】
次いで、本願の発明者は、NMNに低分子化処理を施すことによりNADを生成した。生成したNADとN-アセチルグルコサミンとを含有する経口組成物を生成し、該経口組成物を含む経口製剤等、つまりN-アセチルグルコサミンとNADとを含む経口製剤等を生成した。そして、N-アセチルグルコサミンとNADとを含む経口製剤等と、これと同量のN-アセチルグルコサミンとNMNとを含む経口製剤等とを複数人に経口摂取させ、各生体に対する影響を調べたところ、前者の方が後者よりも、更にN-アセチルグルコサミンの吸収率が高いことが分かった。具体的には、100mgのN-アセチルグルコサミンとNADとを含む経口製剤等を摂取した場合、500mgのN-アセチルグルコサミンとNMNとを含む経口製剤等を摂取した場合と同程度のN-アセチルグルコサミンが生体に吸収されることが分かった。
【0020】
ここで、図2に示すように、経口組成物におけるN-アセチルグルコサミンとNADの含有比は、質量比で6:4~8:2であることが好ましい。つまり、経口組成物において、N-アセチルグルコサミンに対するNADの質量比は、1/4以上2/3以下であることが好ましい。経口組成物におけるN-アセチルグルコサミンとNADの含有比は、質量比で13:7~15:5であることがより好ましい。つまり、経口組成物において、N-アセチルグルコサミンに対するNADのより好ましい質量比は、1/3以上7/13以下である。経口組成物におけるN-アセチルグルコサミンとNADの含有比は、質量比で7:3にすると更に好ましい。つまり、経口組成物において、N-アセチルグルコサミンに対するNADの更に好ましい質量比は、3/7である。
【0021】
本実施の形態1における経口組成物は、アミノレブリン酸をさらに含有するよう構成してもよい。アミノレブリン酸は、ミトコンドリアにおけるエネルギー生成をサポートする機能を有し、エネルギー変換効率を高めるとされている。そして、N-アセチルグルコサミンとNADとアミノレブリン酸とを含有する経口組成物によれば、アミノレブリン酸がNADの作用を補助し、N-アセチルグルコサミンの吸収率をさらに高めることができる。
【0022】
経口組成物におけるN-アセチルグルコサミン及びNADの含有量は、生体に吸収させたいN-アセチルグルコサミンの量などに応じて決定するとよい。例えば、本実施の形態1の経口組成物は、N-アセチルグルコサミンの含有量が組成物の全質量に対して40質量%以上70質量%以下となり、NADの含有量が組成物の全質量に対して15質量%以上30質量%以下となるように生成するとよい。経口組成物におけるアミノレブリン酸の含有量は、N-アセチルグルコサミン及びNADの含有量に応じて調整するとよい。
【0023】
〔剤形・製剤形態〕
本実施の形態1における経口組成物の剤形は、特に限定されず、経口摂取が可能な種々の構成を採ることができる。経口組成物は、例えば経口固形製剤として、種々の剤形に調製することができる。経口固形製剤としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、粉末剤、細粒剤、丸剤、フィルム剤、ドライシロップ剤、ゼリー剤、口腔用半固形剤などの内服剤が考えられる。もっとも、経口組成物は、シロップ剤などの液状の経口製剤として調製してもよい。
【0024】
錠剤は、口腔内崩壊錠、チュアブル錠(咀嚼可能錠)、発泡錠、分散錠、溶解錠、フィルムコーティング錠、口腔用錠剤、素錠、及び糖衣錠などを含む。口腔用錠剤は、トローチ剤、舌下錠、バッカル錠、付着錠、及びガム剤などを含む。経口固形製剤として、経口組成物がカプセル被膜に充填されたカプセル剤を調製する場合、N-アセチルグルコサミンとNADとを含有する経口組成物に、結晶セルロースなどの賦形剤を混ぜるとよい。このようにすれば、カプセル被膜への経口組成物の充填を円滑に行うことができ、かつ、カプセル被膜内で経口組成物が固まることを抑制することができる。なお、カプセル剤は、硬カプセル剤及び軟カプセル剤などを含む。
【0025】
本実施の形態1の経口組成物は、N-アセチルグルコサミン及びNAD、あるいはN-アセチルグルコサミン、NAD、及びアミノレブリン酸の他に、製剤形態に応じた添加剤や基剤を含んでいてもよい。添加剤等としては、例えば、賦形剤、流動化剤、滑沢剤、安定化剤、結合剤、崩壊剤、等張化剤、可塑剤、分散剤、乳化剤、溶解補助剤、湿潤化剤、懸濁化剤、粘着剤、コーティング剤、光沢化剤、水、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、高級アルコール類、エステル類、水溶性高分子、界面活性剤、金属石鹸、低級アルコール類、多価アルコール、pH調整剤、緩衝剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、防腐剤、矯味剤、香料、粉体、増粘剤、色素、キレート剤などを用いることができる。
【0026】
経口組成物は、飲食品の製剤形態にすることもでき、この場合、他の食品素材や添加成分等と組み合わせて所望の形態に調製してもよい。経口組成物を含む飲食品としては、一般的の飲食品の他、特定保健用食品、栄養補助食品、機能性食品、病者用食品などが想定される。経口組成物を含む飲食品には、錠状、カプセル状、顆粒状、粉状、液状等のサプリメントが含まれる。
【0027】
以上のように、本実施の形態1の経口組成物は、N-アセチルグルコサミンとNADとを含有している。したがって、NADの作用により、N-アセチルグルコサミンの経口吸収性が高まるため、N-アセチルグルコサミンの吸収率の向上を図ることができる。よって、本実施の形態1の経口組成物を用いることで、N-アセチルグルコサミンの吸収率が相対的に高い経口製剤及びサプリメントなどを生成し、提供することができる。なお、上記のとおり、NADの代わりにNMNを含有させて経口組成物を調製しても、N-アセチルグルコサミンの吸収性を高めることができるが、NADを含有させて経口組成物を調製した方が、N-アセチルグルコサミンの吸収率を更に高めることができる。
【0028】
経口組成物は、N-アセチルグルコサミンに対するNADの質量比が1/4以上2/3以下となるようにするとよい。かかる質量比は、N-アセチルグルコサミンの質量と、N-アセチルグルコサミンの吸収に必要なNADの質量との好適なバランスに対応するため、N-アセチルグルコサミンの吸収効率の高い経口組成物と、これを含む経口製剤及びサプリメントなどを提供することができる。
【0029】
経口組成物は、N-アセチルグルコサミン及びNADと共に、アミノレブリン酸を含有するよう構成してもよい。かかる構成を採れば、アミノレブリン酸がNADの作用を補助するため、N-アセチルグルコサミンの吸収率をさらに高めることができる。
【0030】
実施の形態2.
本実施の形態2の組成物は、種々の化粧品などに含まれる化粧品組成物である。本実施の形態2における化粧品組成物は、N-アセチルグルコサミンとNADとを含有している。N-アセチルグルコサミン及びNADの構成及び作用等は、前述した実施の形態1の経口組成物と同様であるため、詳細な説明は省略する。なお、N-アセチルグルコサミンは、低分子で、皮膚浸透性に優れており、表皮中のヒアルロン酸量を増強させる成分として注目されている。つまり、N-アセチルグルコサミンは、経口吸収だけでなく、経皮吸収も可能な成分である。本実施の形態2における化粧品組成物は、アミノレブリン酸をさらに含有するよう構成してもよい。アミノレブリン酸の構成及び作用等は、前述した実施の形態2と同様であるため説明は省略する。
【0031】
本実施の形態2における化粧品は、N-アセチルグルコサミン及びNADを含有する化粧品組成物、あるいはN-アセチルグルコサミン、NAD、及びアミノレブリン酸を含有する化粧品組成物を含んで構成される。化粧品としては、皮膚用化粧料及び髪用化粧料などが想定される。
【0032】
皮膚用化粧料には、化粧水、美容液、乳液、クリーム、化粧クリーム、ローション、洗顔料、クレンジング、ボディソープ、ボディシャンプー、パック、石鹸、ファンデーション、口紅、リップグロス、頬紅、水性軟膏、油性軟膏、シップ、ゲル(ジェル)、浴用剤などが含まれる。髪用化粧料には、シャンプー、リンス、コンディショナー、トリートメント、スタイリング剤、ヘアトニック、ヘアクリーム、整髪料、育毛剤、石鹸、パーマ・カラーの前後処理剤などが含まれる。
【0033】
本実施の形態2の化粧品組成物についても、上述した図2に例示する含有比を好適に採用することができる。すなわち、化粧品組成物におけるN-アセチルグルコサミンとNADの含有比は、質量比で6:4~8:2であることが好ましい。つまり、化粧品組成物において、N-アセチルグルコサミンに対するNADの質量比は、1/4以上2/3以下であることが好ましい。化粧品組成物において、N-アセチルグルコサミンに対するNADの質量比は、1/3以上7/13以下であることがより好ましい。化粧品組成物において、N-アセチルグルコサミンに対するNADの更に好ましい質量比は、3/7である。N-アセチルグルコサミン及びNADの含有量は、生体に吸収させたいN-アセチルグルコサミンの量などに応じて決定するとよい。
【0034】
以上のように、本実施の形態2の化粧品組成物は、N-アセチルグルコサミンとNADとを含有している。したがって、NADの作用により、N-アセチルグルコサミンの経皮吸収性が高まるため、N-アセチルグルコサミンの吸収率の向上を図ることができる。よって、本実施の形態2の化粧品組成物を用いることで、N-アセチルグルコサミンの吸収率が相対的に高い化粧水及び美容液などの化粧品を生成し、提供することができる。化粧品組成物を含む化粧品を肌に塗布等することにより、N-アセチルグルコサミンが効率よく経皮吸収されるため、肌の保湿機能を高め、肌の弾力性の改善を図ることができる。他の効果等は、前述した実施の形態1の経口組成物と同様である。
【0035】
ここで、上述した各実施の形態は、経口組成物、経口製剤、サプリメント、化粧品組成物、及び化粧品などの具体例であり、本発明の技術的範囲は、これらの態様に限定されるものではない。例えば、各実施の形態では、図2を参照して、N-アセチルグルコサミンとNADの好適な含有比を例示したが、これに限定されない。実施の形態1の経口組成物におけるN-アセチルグルコサミンとNADの含有比は、生成する経口製剤及びサプリメントなどの種類に応じて変更してもよく、図2に例示する含有比の範囲外で調整してもよい。同様に、実施の形態2の化粧品組成物におけるN-アセチルグルコサミンとNADの含有比は、生成する化粧品などの種類に応じて変更してもよく、図2に例示する含有比の範囲外で調整してもよい。実施の形態2の化粧品組成物は、点眼剤の材料として用いてもよい。つまり、化粧品組成物を含む点眼剤を生成し、提供してもよい。かかる点眼剤を点眼すれば、例えば、ヒアルロン酸の生成が促進されるため、眼球の形状の安定性を高めることができる。

図1
図2