(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023006104
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】携帯装置、給電支援方法、プログラムおよび記録媒体
(51)【国際特許分類】
H02J 50/90 20160101AFI20230111BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20230111BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
H02J50/90
H02J50/10
H02J7/00 301D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021108512
(22)【出願日】2021-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】中西 啓規
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 健太郎
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB02
5G503GB08
(57)【要約】
【課題】ワイヤレス給電の際に、直接目視できない送電コイルと受電コイルとの位置を短時間で正確に合わせるための支援を行う携帯装置を提供する。
【解決手段】表示部140と、表示部140に表示する表示情報を制御する表示制御部150とを備え、給電装置10の取り付け部20によって固定され、給電装置10の送電コイル30から無線により伝送される電力を受電コイル110により受電して二次電池130を充電する携帯装置1であって、表示制御部150は、携帯装置1が給電装置10に固定された状態において、送電コイル30と受電コイル110の位置とが重なる取り付け部20の位置情報を表示部140に表示させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、前記表示部に表示する表示情報を制御する表示制御部とを備え、給電装置の取り付け部によって固定され、前記給電装置の送電コイルから無線により伝送される電力を受電コイルにより受電して二次電池を充電する携帯装置であって、
前記表示制御部は、前記携帯装置が前記給電装置に固定された状態において、前記送電コイルと前記受電コイルの位置が重なる前記取り付け部の位置情報を、前記表示部に表示させることを特徴とする携帯装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記取り付け部と前記送電コイルとの相対位置を示す送電コイル位置情報と、前記受電コイルと前記表示部との相対位置を示す受電コイル位置情報と、に基づいて、前記取り付け部の位置情報を、前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載の携帯装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記給電装置の機種毎の前記送電コイル位置情報および前記携帯装置の機種毎の前記受電コイル位置情報が格納されたサーバと通信し、ユーザの使用している前記給電装置の前記送電コイル位置情報と、ユーザが使用している前記携帯装置の前記受電コイル位置情報を取得することを特徴とする請求項2に記載の携帯装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記受電コイルが前記送電コイルからの前記電力を受電したときに、前記取り付け部の位置情報を、前記表示部に表示させることを特徴とする請求項2または3に記載の携帯装置。
【請求項5】
表示部と、前記表示部に表示する表示情報を制御する表示制御部とを備え、給電装置の取り付け部によって固定され、前記給電装置の送電コイルから無線により伝送される電力を受電コイルにより受電して二次電池を充電する携帯装置における給電支援方法であって、
前記表示制御部は、前記携帯装置が前記給電装置に固定された状態において、前記送電コイルと前記受電コイルの位置が重なる前記取り付け部の位置情報を、前記表示部に表示させる工程を備える給電支援方法。
【請求項6】
表示部と、前記表示部に表示する表示情報を制御する表示制御部とを備え、給電装置の取り付け部によって固定され、前記給電装置の送電コイルから無線により伝送される電力を受電コイルにより受電して二次電池を充電する携帯装置における給電支援方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記表示制御部は、前記携帯装置が前記給電装置に固定された状態において、前記送電コイルと前記受電コイルの位置が重なる前記取り付け部の位置情報を、前記表示部に表示させる工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項7】
表示部と、前記表示部に表示する表示情報を制御する表示制御部とを備え、給電装置の取り付け部によって固定され、前記給電装置の送電コイルから無線により伝送される電力を受電コイルにより受電して二次電池を充電する携帯装置における給電支援方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納したコンピュータによって読み取り可能な非一過性の記録媒体であって、
前記表示制御部は、前記携帯装置が前記給電装置に固定された状態において、前記送電コイルと前記受電コイルの位置が重なる前記取り付け部の位置情報を、前記表示部に表示させる工程をコンピュータに実行させるプログラムを格納した非一過性の記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯装置、給電支援方法、プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、スマートフォンやタブレット等の携帯装置の二次電池を充電する方法として、ワイヤレス給電が挙げられる。
ワイヤレス給電の規格として、WPC(Wireless Power Consortium)において策定されたQiや、PMA(Power Matters Alliance)において策定された規格等が知られている。
このようなワイヤレス給電では、電磁誘導方式が用いられ、給電装置の送電コイルが生成した交流電磁場を携帯装置の受電コイルで受電することにより、給電装置から携帯装置に電力が送信される。
そのため、ワイヤレス給電を用いて携帯装置の二次電池を充電する際には、携帯装置の受電コイルと給電装置の送電コイルとを互いに近接させ、さらに送電コイルの中心と受電コイルの中心とが略同軸上になるように、給電装置および携帯装置を配置する必要がある。
ここで、ワイヤレス給電を行う際に、携帯装置の画面に、受電コイルと送電コイルとの位置等を表示し、受電コイルと送電コイルとの位置合わせを支援する携帯装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の技術では、送電コイルの位置を推定するには、給電装置上で携帯装置を何回か移動させて、受電コイルにおける電界強度を取得する必要がある。
そのため、位置合わせに時間がかかるという課題が一例として挙げられる。
また、上述した特許文献1に記載の技術では、送電コイルの位置を、受電コイルにおける電界強度から推定する。
そのため、送電コイルを複数備えた給電装置の場合には、送電コイルの位置を正しく推定することができないという課題が一例として挙げられる。
【0005】
本発明は、上述の一例として挙げられた課題に鑑みてなされたものであり、ワイヤレス給電を行うときに、直接目視できない送電コイルと受電コイルとの位置を短時間で正確に合わせるための支援を行う携帯装置、給電支援方法、給電支援プログラムおよび記録媒体を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、表示部と、前記表示部に表示する表示情報を制御する表示制御部とを備え、給電装置の取り付け部によって固定され、前記給電装置の送電コイルから無線により伝送される電力を受電コイルにより受電して二次電池を充電する携帯装置であって、前記表示制御部は、前記携帯装置が前記給電装置に固定された状態において、前記送電コイルと前記受電コイルの位置が重なる前記取り付け部の位置情報を、前記表示部に表示させることを特徴としている。
【0007】
また、請求項5に記載の発明は、表示部と、前記表示部に表示する表示情報を制御する表示制御部とを備え、給電装置の取り付け部によって固定され、前記給電装置の送電コイルから無線により伝送される電力を受電コイルにより受電して二次電池を充電する携帯装置における給電支援方法であって、前記表示制御部は、前記携帯装置が前記給電装置に固定された状態において、前記送電コイルと前記受電コイルとが重なる前記取り付け部の位置情報を前記表示部に表示させる工程を備えることを特徴としている。
【0008】
また、請求項6に記載の発明は、表示部と、前記表示部に表示する表示情報を制御する表示制御部とを備え、給電装置の取り付け部によって固定され、前記給電装置の送電コイルから無線により伝送される電力を受電コイルにより受電して二次電池を充電する携帯装置における給電支援方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記表示制御部は、前記携帯装置が前記給電装置に固定された状態において、前記送電コイルと前記受電コイルとが重なる前記取り付け部の位置情報を前記表示部に表示させる工程をコンピュータに実行させることを特徴としている。
【0009】
また、請求項7に記載の発明は、表示部と、前記表示部に表示する表示情報を制御する表示制御部とを備え、給電装置の取り付け部によって固定され、前記給電装置の送電コイルから無線により伝送される電力を受電コイルにより受電して二次電池を充電する携帯装置における給電支援方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納したコンピュータによって読み取り可能な非一過性の記録媒体であって、前記携帯装置が前記給電装置に固定された状態において、前記送電コイルと前記受電コイルとが重なる前記取り付け部の位置情報を前記表示部に表示させる工程をコンピュータに実行させるプログラムを格納していることを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1の実施例に係る携帯装置を給電する給電装置の構造を示す図である。
【
図2】第1の実施例に係る携帯装置の構成を示す図である。
【
図3】第1の実施例に係る携帯装置の送電コイル位置および受電コイル位置を示す図である。
【
図4】第1の実施例に係る携帯装置の送電コイル位置情報および受電コイル位置情報を示す図である。
【
図5】第1の実施例に係る携帯装置の表示制御部が行う処理のフローを示した図である。
【
図6】第1の実施例に係る携帯装置の表示制御部が表示する位置合わせ用表示の生成方法を示した図である。
【
図7】第1の実施例に係る携帯装置の表示制御部が表示する位置合わせ用表示の例を示した図である。
【
図8】第2の実施例に係る携帯装置の構成を示す図である。
【
図9】第2の実施例に係る携帯装置の表示制御部が行う処理のフローを示した図である。
【
図10】その他の実施例に係る携帯装置の表示制御部が行う処理のフローを示した図である。
【
図11】その他の実施例に係る携帯装置の表示制御部が表示する位置合わせ用表示の例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施形態>
本発明の1またはそれ以上の実施形態に係る携帯装置は、表示部と、表示部に表示する表示情報を制御する表示制御部と、を備え、給電装置の送電コイルから無線により伝送される電力を受電コイルにより受電して二次電池を充電する。
表示制御部は、携帯装置が給電装置に固定された状態において、送電コイルと受電コイルの位置とが重なる取り付け部の位置情報を表示部に表示させる。
すなわち、制御部は取り付け部と送電コイルとの相対位置を示す送電コイル位置情報と、受電コイルと表示部との相対位置を示す受電コイル位置情報と、に基づいて、取り付け部の位置情報を表示部に表示する。
そのため、ユーザが携帯装置をワイヤレス給電するとき、表示部に表示された取り付け部の位置情報に給電装置の取り付け部の位置を合わせることにより、送電コイルと受電コイルとを略同軸上に重ねることができる。
これにより、ワイヤレス給電の際に、直接目視できない送電コイルと受電コイルとの位置を短時間で正確に合わせることができ、携帯装置の二次電池を効率よく充電することができる。
【0012】
<第1の実施例>
図1から
図7を用いて、本実施例に係る携帯装置1について説明する。
【0013】
<給電装置10の構造>
図1を用いて、携帯装置1に対してワイヤレス給電を行う給電装置10の構造について説明する。
携帯装置1および給電装置10は、例えば、ワイヤレス給電の国際標準規格であるQiに準拠した装置であり、規格に準拠した給電装置および携帯装置同士であれば、ワイヤレス給電を行うことが可能である。
【0014】
図1(a)に示すように、給電装置10は、取り付け部20と、送電コイル30と、を含んで構成されている。
図1(b)に示すように、取り付け部20は、携帯装置1をワイヤレス給電するときに、携帯装置1を給電装置10に固定するための部材である。
ワイヤレス給電するときには、取り付け部20によって、携帯装置1を左右から挟み込み、後述する携帯装置1の受電コイルと送電コイル30とが、略同軸上になる位置に固定する。
送電コイル30は、給電装置10のケース内部に配設され、携帯装置1の受電コイルに電力を送出するコイルである。
ワイヤレス給電するときには、図示しない給電装置10の制御部により送電コイル30に流す電流が制御され、送電コイル30から携帯装置1の受電コイルに電力が送出される。
ここで、携帯装置1が取り付け部20により給電装置10に固定されたときには、取り付け部20のリンク機構により、送電コイル30の中心(
図1(a)中の×印)が、携帯装置1のX方向の幅の中心線上におおよそ重なる位置に固定される。
【0015】
<携帯装置1の構成>
図2に示すように、携帯装置1は、受電コイル110と、充電制御部120と、二次電池130と、表示部140と、表示制御部150と、を含んで構成されている。
本実施例に係る携帯装置1としては、例えば、スマートフォンを例示することができる。
携帯装置1は、給電装置10の送電コイル30から無線により伝送される電力を受電コイル110により受電して二次電池130を充電する。
【0016】
受電コイル110は、携帯装置1の筐体内部の背面側中央付近に配設され、給電装置10の送電コイル30から伝送される電力を受電する。
また、Qi規格に準拠した携帯装置1および給電装置10によりワイヤレス給電が行われるときには、受電コイル110を介して、携帯装置1から給電装置10に対して通信が行われる。
【0017】
充電制御部120は、受電コイル110が受電した電力を二次電池130に充電する制御を行う。
また、充電制御部120は、送電コイル30から電力が送出されているかを検出し、検出情報を後述する表示制御部150に出力する。
【0018】
二次電池130は、例えば、リチウムイオン電池で構成され、携帯装置1を動作させるための電力を供給する。
【0019】
表示部140は、例えば、LCD(液晶表示装置)や有機EL(Electroluminescence)等により構成され、後述する表示制御部150により生成された表示情報を表示する。
【0020】
表示制御部150は、例えば、図示しない周知のRAM、ROM、フラッシュROMおよびI/Oバス等を備えたCPU(Central Processing Unit)の一部の機能であり、ROMまたはフラッシュROMに格納された制御プログラムに従って、携帯装置1全体の制御を行う。
本実施例に係る表示制御部150は、特に、受電コイル110と給電装置10の送電コイル30との位置合わせをするための表示を制御する。
具体的には、携帯装置1が給電装置10に固定され、ワイヤレス給電するときに、送電コイル30と受電コイル110とが重なる取り付け部20の位置情報を表示部140に表示させる。
【0021】
ここで、上述した送電コイル30と受電コイル110との位置を合わせるための表示を行う制御プログラムは、予めROMに格納されていてもよいが、アプリケーションソフト(コイルの位置を合わせるためのプログラム)をフラッシュROMにインストールし、CPUにて実行するようにしてもよい。
なお、表示制御部150の処理の詳細については、後述する。
【0022】
<表示制御部150の処理>
図3~
図7を用いて、表示制御部150の処理について説明する。
【0023】
表示制御部150は、ワイヤレス給電を行うときに、送電コイル30と受電コイル110とが重なる位置に携帯装置1を固定するための表示を行う。
ここで、
図3に示すように、電磁誘導方式のワイヤレス給電では、送電コイル30の中心(A点)と受電コイル110の中心(B点)との位置が略同軸上に重なる位置となるように、携帯装置1を下方に移動させ、取り付け部20により携帯装置1を固定する必要がある。
しかし、送電コイル30および受電コイル110は直接目視できないため、表示制御部150は、送電コイル30および受電コイル110を略同軸上に重ねるための情報を表示部140に表示する処理を行う。
【0024】
また、表示制御部150は、取り付け部20と送電コイル30との相対位置を示す送電コイル位置情報と、受電コイル110と表示部140との相対位置を示す受電コイル位置情報と、に基づいて、送電コイル30と受電コイルを略同軸上に重ねるための表示を生成し、表示部140に表示する。
【0025】
図4を用いて、上述した、送電コイル30および受電コイル110を略同軸上に重ねるための情報である、送電コイル位置情報と受電コイル位置情報とについて説明する。
なお、同図において、送電コイル位置情報は、取り付け部20と送電コイル30との相対位置を示す数値である。
【0026】
図4(a)に示すように、送電コイル位置情報は、取り付け部20のY軸方向の幅の中心線αと送電コイル30の中心(A点)とのずれ量である△Y
Aで示すことができる。
ここで、取り付け部20のY軸方向の幅の中心線αより送電コイル30の中心(A点)がY軸のプラス方向にずれている場合には、△Y
Aの値はプラスの値となる。一方で、取り付け部20のY軸方向の幅の中心線αより送電コイル30の中心(A点)がY軸のマイナス方向にずれている場合、△Y
Aの値はマイナスの値となる。
なお、送電コイル位置情報は、取り付け部20を基準に送電コイル30の位置を示せればよく、例えば、取り付け部20の下端と送電コイル30の中心(A点)とのズレ量であってもよい。
【0027】
受電コイル位置情報は、表示部140と受電コイル110との相対位置を示す数値である。
図4(b)に示すように、受電コイル位置情報は、表示部140の下端βと受電コイル110の中心(B点)とのずれ量である△Y
Bで示すことができる。
なお、受電コイル位置情報は、表示部140を基準に受電コイル110の位置を示せればよく、例えば、表示部140のY軸方向の幅の中心線と受電コイル110の中心(B点)までのズレ量であってもよい。
【0028】
ここで、送電コイル位置情報(△YA)および受電コイル位置情報(△YB)の値は、携帯装置1および給電装置10の機種毎に異なり一定の値ではないため、機種毎の送電コイル位置情報(△YA)および受電コイル位置情報(△YB)の値をフラッシュROMに格納している。
なお、表示制御部150は、ユーザが使用している携帯装置1および給電装置10の機種名等を取得し、その機種名の送電コイル位置情報(△YA)および受電コイル位置情報(△YB)の値をROMに格納されたデータから取得する。
【0029】
図5を用いて、表示制御部150において実行される処理フローについて説明する。
【0030】
表示制御部150は、ユーザが使用している携帯装置1および給電装置10の機種の情報を取得しているか否かを判断する(ステップS100)。
上述したように、送電コイル30および受電コイル110の位置は、給電装置10および携帯装置1の機種により位置が異なるために、表示制御部150は、ユーザが使用している給電装置および携帯装置の機種の情報を取得しているか否かを確認する。
【0031】
ユーザが使用している携帯装置1および給電装置10の機種情報を取得していると判断した場合(ステップS100の「YES」)には、処理をステップS120に移行する。
一方で、ユーザが使用している携帯装置1および給電装置10の機種情報を取得していないと判断した場合(ステップS100の「NO」)には、ユーザが使用している携帯装置1および給電装置10の機種情報を取得する(ステップS110)。
ステップS110では、例えば、携帯装置1および給電装置10の機種情報を取得するために、表示制御部150は、表示部140に携帯装置1および給電装置10の機種名を入力もしくは選択を行うための表示を行う。そして、ユーザの操作により取得した携帯装置1および給電装置10の機種名を表示制御部150のフラッシュROMに格納し、処理をステップS120に移行させる。
【0032】
表示制御部150は、ユーザから位置合わせ表示を表示部140に表示させる旨の指示が入力されたか否かを判断する(ステップS120)。
ユーザから位置合わせ表示を表示部140に表示させる旨の指示が入力されていないと判断した場合(ステップS120の「NO」)には、処理をステップS120に戻し、待機状態に移行する。
一方で、ユーザから位置合わせ表示を表示部140に表示させる旨の指示が入力されたと判断した場合(ステップS120の「YES」)には、処理をステップS130に移行する。
【0033】
ユーザから位置合わせ表示を表示部140に表示させる旨の指示が入力されたと判断した場合(ステップS120の「YES」)には、表示制御部150は位置合わせ用表示を生成し、表示部140に表示し(ステップS130)、処理を終了する。
【0034】
ここで、ステップS130において表示制御部150が生成する位置合わせ用表示について説明する。
表示制御部150は、フラッシュROMに格納された、機種名毎の送電コイル位置情報および受電コイル位置情報の中から、ステップS110において取得したユーザの使用する給電装置および携帯装置の送電コイル位置情報(△Y
A)および受電コイル位置情報(△Y
B)の値を取得する。
そして、
図6に示すように、表示制御部150は、表示部140に位置合わせ用表示Aを表示する位置(=受電コイル位置情報△Y
B-送電コイル位置情報△Y
A)の値を算出し、その値に基づいて、表示部140に位置合わせ用表示Aを表示する。
表示部140に表示された位置合わせ用表示Aの矢印の位置を、取り付け部20のY軸方向の幅の中心位置に合わせて、携帯装置1を固定すると、送電コイル30の中心点(A点)と受電コイル110の中心点(B点)とを略同軸上に重ねることができる。
【0035】
なお、ユーザが位置合わせを容易に行うために、例えば、
図7(a)に示したように、表示部140の表示に文字情報の付加や携帯装置1による音声案内等を合わせて行なうようにしてもよい。
さらに、ユーザに対してワイヤレス給電が行われていることを報知するために、
図7(b)に示すように、現在の充電状況や充電完了までに必要な時間等を合わせて表示するようにしてもよい。
【0036】
以上、説明したように、本実施例に係る携帯装置1は、表示部140と、表示部140に表示する表示情報を制御する表示制御部150とを備え、給電装置10の取り付け部20によって固定され、給電装置10の送電コイル30から無線により伝送される電力を受電コイル110により受電して二次電池130を充電する携帯装置であって、表示制御部150は、携帯装置1を給電装置10に固定するときに、送電コイル30と受電コイル110との位置が重なる取り付け部20の位置情報を表示部140に表示させる。
すなわち、取り付け部20によって携帯装置1を給電装置10に固定するときに、表示制御部150は、送電コイル30と受電コイル110とが略同軸上に重なる位置になる取り付け部20の位置を表示する。
これにより、ユーザは表示部140に表示された取り付け部の位置に、給電装置10の取り付け部20の位置を合わせることで、直接目視できない送電コイル30と受電コイル110とを短時間で正確に略同軸上に重ねることができる。
【0037】
本実施例に係る携帯装置1の表示制御部150は、取り付け部20と送電コイル30との相対位置を示す送電コイル位置情報と、受電コイル110と表示部140との相対位置を示す受電コイル位置情報とに基づいて、取り付け部20の位置情報を表示部140に表示させる。
すなわち、表示制御部150は、送電コイル30および受電コイル110の位置を示す送電コイル位置情報と受電コイル位置情報とに基づいて、取り付け部20の位置情報を表示部140に表示させる。
これにより、ユーザは表示部140に表示された取り付け部の位置に給電装置10の取り付け部20の位置を合わせることで、直接目視できない送電コイル30と受電コイル110とを短時間で正確に略同軸上に重ねることができる。
また、送電コイル30および受電コイル110の位置は、携帯装置1および給電装置10の機種毎に変化するため、携帯装置と給電装置との組み合わせにより、表示部140に表示する取り付け部20の位置情報を変更する必要がある。
本実施例に係る表示制御部150においては、携帯装置1および給電装置10の機種情報を取得し、その機種情報に基づいた送電コイル位置情報と受電コイル位置情報とに基づいて、取り付け部20の位置情報を表示部140に表示させる。
そのため、携帯装置1と給電装置10との組み合わせに影響されず、ユーザは表示部140に表示された取り付け部の位置に給電装置10の取り付け部20の位置を合わせることで、直接目視できない送電コイル30と受電コイル110とを短時間で正確に略同軸上に重ねることができる。
【0038】
<第2の実施例>
図8から
図9を用いて、本実施例に係る携帯装置1Aについて説明する。
なお、第1の実施例と同一の符号を付す構成要素については、同一の機能を有することから、その詳細な説明は省略する。
【0039】
<携帯装置1Aの構成>
図8に示すように、携帯装置1Aは、受電コイル110と、充電制御部120と、二次電池130と、表示部140と、表示制御部150Aと、通信部160と、を含んで構成されている。
【0040】
通信部160は、例えば、インターネットに接続可能な通信モジュール等で構成されている。
表示制御部150Aは、通信部160を介して、インターネットに接続された後述するサーバ200に接続し、ユーザが使用している給電装置および携帯装置の機種における送電コイル位置情報および受電コイル位置情報を取得する。
さらに、表示制御部150Aは、サーバ200から取得した送電コイル位置情報および受電コイル位置情報に基づいて、送電コイル30と受電コイル110とが重なる取り付け部20の位置情報を表示部140に表示させる。
【0041】
サーバ200は、給電装置の機種毎の送電コイル位置情報および携帯装置の機種毎の受電コイル位置情報を格納している。
なお、給電装置および携帯装置の新機種が発売されたときには、その新機種の送電コイル位置情報または受電コイル位置情報を確認し、サーバ200に格納されている情報に新機種情報を追加し更新する。
【0042】
<表示制御部150Aの処理>
図9を用いて、表示制御部150Aにおいて実行される処理フローについて説明する。
【0043】
表示制御部150Aは、ユーザが使用している給電装置および携帯装置の機種の情報を取得しているか否かを判断する(ステップS100)。
【0044】
ユーザが使用している携帯装置1および給電装置10の機種情報を取得していると判断した場合(ステップS100の「YES」)には、処理をステップS120に移行する。
一方で、ユーザが使用している携帯装置1および給電装置10の機種情報を取得していないと判断した場合(ステップS100の「NO」)には、ユーザが使用している携帯装置1および給電装置10の機種情報を取得する(ステップS110)。
ステップS110では、例えば、携帯装置1Aおよび給電装置10の機種情報を取得するために、表示制御部150Aは、表示部140に携帯装置1Aおよび給電装置10の機種名を入力もしくは選択を行うための表示を行う。
そして、ユーザの操作により取得した携帯装置1Aおよび給電装置10の機種名を表示制御部150AのフラッシュROMに格納し、処理をステップS200に移行させる。
【0045】
表示制御部150Aは、通信部160を介してサーバ200と接続し、ステップS110において取得した携帯装置1Aおよび給電装置10の機種における送電コイル位置情報(△YA)および受電コイル位置情報(△YB)の値を取得し、フラッシュROMに格納する(ステップS200)。
【0046】
表示制御部150は、ユーザから位置合わせ表示を表示部140に表示させる旨の指示が入力されたか否かを判断する(ステップS120)。
ユーザから位置合わせ表示を表示部140に表示させる旨の指示が入力されていないと判断した場合(ステップS120の「NO」)には、処理をステップS120に戻し、待機状態に移行する。
一方で、ユーザから位置合わせ表示を表示部140に表示させる旨の指示が入力されたと判断した場合(ステップS120の「YES」)には、処理をステップS130に移行する。
【0047】
ユーザから位置合わせ表示を表示部140に表示させる旨の指示が入力されたと判断した場合(ステップS120の「YES」)には、表示制御部150Aは位置合わせ用表示を生成し、表示部140に表示し(ステップS130)、処理を終了する。
【0048】
以上、説明したように、本実施例に係る携帯装置1Aの表示制御部150Aは、給電装置10の機種毎の送電コイル位置情報および携帯装置1Aの機種毎の受電コイル位置情報が格納されたサーバ200と通信し、ユーザの使用している給電装置10の送電コイル位置情報と、ユーザが使用している携帯装置1Aの受電コイル位置情報を取得する。
すなわち、表示制御部150Aは、最新機種の送電コイル位置情報および受電コイル位置情報が追加更新されているサーバ200に接続し、ユーザが使用している携帯装置1Aおよび給電装置10の送電コイル位置情報および受電コイル位置情報を取得する。
これにより、表示制御部150Aは、携帯装置1Aと給電装置10との組み合わせにおける位置合わせ用表示を生成できるため、ユーザは表示部140に表示された取り付け部の位置に給電装置10の取り付け部20の位置を合わせることで、直接目視できない送電コイル30と受電コイル110とを短時間で正確に略同軸上に重ねることができる。
また、ユーザが使用する給電装置および携帯装置の機種が変わったとしても、サーバ200から、新しい機種の送電コイル位置情報および受電コイル位置情報を取得することにより、位置合わせ用表示を正しく表示することができる。
【0049】
<その他の実施例>
上述した携帯装置1、1Aは、ユーザから位置合わせ表示を行う旨の指示が入力されたときに、位置合わせ表示を表示しているが、受電コイル110が送電コイル30からの電力を受電したときに、取り付け部20の位置合わせ表示を表示部140に表示させるように、表示制御部150、150Aの処理を変更してもよい。
ここで、受電コイル110が送電コイル30からの電力を受電したときに、取り付け部20の位置合わせ表示を表示するように変更した表示制御部150の処理を例示し、フローについて説明する。
【0050】
図10に示すように、表示制御部150は、ユーザが使用している携帯装置1および給電装置10の機種の情報を取得しているか否かを判断する(ステップS100)。
上述したように、送電コイル30および受電コイル110の位置は、携帯装置1および給電装置10の機種により位置が異なるために、表示制御部150は、ユーザが使用している給電装置および携帯装置の機種の情報を取得しているか否かを確認する。
【0051】
ユーザが使用している携帯装置1および給電装置10の機種情報を取得していると判断した場合(ステップS100の「YES」)には、処理をステップS300に移行する。
一方で、ユーザが使用している携帯装置1および給電装置10の機種情報を取得していないと判断した場合(ステップS100の「NO」)には、ユーザが使用している携帯装置1および給電装置10の機種情報を取得する(ステップS110)。
ステップS110では、例えば、携帯装置1および給電装置10の機種情報を取得するために、表示制御部150は、表示部140に携帯装置1および給電装置10の機種名を入力もしくは選択を行うための表示を行う。そして、ユーザの操作により取得した携帯装置1および給電装置10の機種名を表示制御部150のフラッシュROMに格納し、処理をステップS300に移行させる。
【0052】
表示制御部150は、送電コイル30から送出された電力を受電コイル110が受電しているか否かを判断する(ステップS300)。
具体的には、充電制御部120から入力された、送電コイルの検出情報を確認することにより、送電コイル30からの電力を現在受電しているか否かを判断する。
送電コイル30からの電力を検出していないと判断した場合(ステップS300の「NO」)には、処理をステップS300に戻し、待機状態に移行する。
一方で、送電コイル30からの電力を検出していると判断した場合(ステップS300の「YES」)には、処理をステップS130に移行する。
【0053】
送電コイル30からの電力を検出していると判断した場合(ステップS300の「YES」)には、表示制御部150は位置合わせ用表示を生成し、表示部140に表示し(ステップS130)、処理を終了する。
【0054】
以上、説明したように、受電コイル110が送電コイル30からの電力を受電したときに、取り付け部20の位置合わせ表示を表示するように、携帯装置1の表示制御部150の処理を変更した場合には、位置合わせ表示を表示させるための携帯装置1の操作が必要ないため、より短時間で、送電コイル30と受電コイル110とを略同軸上に重ねることができる。
【0055】
上述した携帯装置1Aの表示制御部150Aは、サーバ200からユーザの使用している給電装置および携帯装置の送電コイル位置情報および受電コイル位置情報を取得し、当該情報に基づいて位置合わせ用表示を生成していたが、生成された位置合わせ用表示を取得するようにしてもよい。
つまり、給電装置および携帯装置の組み合わせ毎の位置合わせ用表示データをサーバ200に格納し、表示制御部150Aは、ユーザの使用する給電装置および携帯装置の組み合わせにおける位置合わせ用表示の表示画像データをサーバ200から取得し、表示部140に表示するようにしてもよい。
これにより、表示制御部150は位置合わせ用表示生成処理を実行せずに位置合わせ用表示を行うことができるため、位置合わせ用表示が表示されるまでの時間を短縮することができる。
【0056】
また、取り付け部20の形状は機種毎に多様であるが、位置合わせ用表示の表示画像データをサーバ200から取得することにより、
図11(a)および(b)に示すような、取り付け部20の形状に合わせた位置合わせ用表示を行うことができる。
これにより、多様な取り付け部の形状対応することができるため、位置合わせを行う際に、ユーザに対してより分かりやすい表示を行うことができる。
【0057】
取り付け部20が左右方向に回転可能な機構を備えた給電装置では、例えば、取り付け部20を90度回転させ、携帯装置1を横長の状態にして、給電装置に固定し給電することが可能である。
このとき、例えば、表示制御部150、150Aが、給電装置10と短距離通信等を用いて取得した取り付け部20の回転角度情報と、携帯装置1、1Aの姿勢検出情報とに基づいて、位置合わせ表示を変更するようにしてもよい。
なお、携帯装置1、1Aの姿勢検出情報は、例えば、携帯装置1、1Aに備えられた加速度センサ等で検出し、表示部140のどの部分を下方にして給電装置10に固定されているかを検出した情報である。
これにより、ユーザの携帯装置1、1Aおよび給電装置10の使用状況に合わせた位置合わせ表示をすることができるため、送電コイル30と受電コイル110とを短時間で正確に略同軸上に重ねることができる。
【0058】
以上、この発明の実施例につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0059】
1;携帯装置
1A;携帯装置
10;給電装置
20;取り付け部
30;送電コイル
110;受電コイル
120;充電制御部
130;二次電池
140;表示部
150;表示制御部
150A;表示制御部
160;通信部
200;サーバ