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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023061083
(43)【公開日】2023-05-01
(54)【発明の名称】記録装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 11/04 20060101AFI20230424BHJP
   B65H 23/34 20060101ALI20230424BHJP
【FI】
B41J11/04
B65H23/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021170858
(22)【出願日】2021-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】000208743
【氏名又は名称】キヤノンファインテックニスカ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】猪妻 権介
(72)【発明者】
【氏名】黒須 皓貴
【テーマコード(参考)】
2C058
3F104
【Fターム(参考)】
2C058AB10
2C058AB22
2C058AC06
2C058AD06
2C058AD09
2C058AE02
2C058AE04
2C058AE14
2C058AE15
2C058AF03
2C058AF20
2C058AF24
2C058AF35
2C058AF51
2C058DA10
3F104AA03
3F104FA09
3F104FA18
(57)【要約】
【課題】剛性が高い帯状の記録媒体を安定して搬送することが可能な記録装置を提供すること。
【解決手段】記名板のような剛性の有る帯状の記録媒体に印字する印刷装置において、前記記録媒体に印字を行う印字部と前記印字部に対向して設けられたプラテンローラと、前記印字部に印字媒体を搬送する搬送ローラ対と前記印字部の上流に前記記録媒体を印字部に案内させる案内路と、前記記録媒体を装置に挿入する挿入口とを有し、前記案内路と前記挿入口の間に前記記録媒体の傾きを強制する記録媒体支持手段を設ける構成とする。
【選択図】図8

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記名板のような剛性の有る長尺の記録媒体に印字する記録装置において
前記記録媒体に印字を行う印字部と
前記印字部に対向して設けられたプラテンローラと、
前記印字部に印字媒体を搬送する搬送ローラ対と
前記印字部の上流に前記記録媒体を印字部に案内させる案内路と、
前記記録媒体を装置に挿入する挿入口と、
を有し
前記案内路と前記挿入口の間に前記記録媒体の傾きを強制する記録媒体支持手段を設けたことを特徴とした記録装置
【請求項2】
前記案内路に対して前記記録媒体支持手段を着脱可能にしたことを特徴とする請求項1記載の記録装置。
【請求項3】
前記記録媒体の傾きを強制する記録媒体支持手段の形状に合わせてクリーナー部材を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項2記載の記録装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チューブ、テープ、又は記名板等の長尺状の印字媒体をセットして印刷を行う熱転写型の記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の記録装置では記名板のような帯状で剛性が高い媒体は、装置からはみ出す長さが多く巻き癖がある場合、搬送路の入り口部に記録媒体が当り、媒体を印刷部に対して一定の位置に案内する搬送路から浮き上がる方向に力が加わり、浮き上がった状態で搬送すると印字位置のずれや搬送不良が発生することがあるという課題があった。
このような問題を解決するために特許文献1では記名板の一方の側部が案内される案内路に対して、移動可能に設けられ記名板の他方の側部を押圧して当該記名板の一方の側部を案内路に摺動させながら記名板の他方の側部をガイドする押圧ガイド部を、案内路と押圧ガイド部との距離を調整する距離調整機構を備えるという技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-108681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の方法では、媒体を摺動して案内するガイド部分を長くする必要や押圧力を強くする必要があり、媒体への案内部やガイド部分の摩擦抵抗が高くなり搬送に影響を与えることがあった。
本発明は、このような従来の技術に存在する課題に鑑みてなされたものであり、剛性が高い帯状の記録媒体を安定して搬送することが可能な記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
記名板のような剛性の有る帯状の記録媒体に印字する印刷装置において
前記記録媒体に印字を行う印字部と前記印字部に対向して設けられたプラテンローラと、前記印字部に印字媒体を搬送する搬送ローラ対と前記印字部の上流に前記記録媒体を印字部に案内させる案内路と、前記記録媒体を装置に挿入する挿入口とを有し
前記案内路と前記挿入口の間に前記記録媒体の傾きを強制する記録媒体支持手段を設けることを特徴とする。

【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、剛性が高く帯状の記録媒体に記録する際に印刷部へ案内される記録媒体が案内板に沿って搬送できるので、安定した位置への記録が可能になる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係る記録装置の概略図。
図2】(a)は図1の記録装置に装着するラベルカセットの構成例を示す図、(b)はチューブ用アタッチメントの構成例を示す図、(c)は記名板用アタッチメントの構成例を示す図である。
図3】一実施形態に係る記録装置の制御構成を示すブロック図である。
図4】一実施形態に係る記録装置を示すフローチャートである。
図5】一実施形態を含む記名板アタッチメントの斜視図である。
図6】記名板を使用するとき状態を示す図である。
図7】一実施形態を含む記名板アタッチメントの断面図である。
図8】本実施例の記名板支持部材を示す図である。
図9】本実施例の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を詳しく説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るチューブユニット101を備えた記録装置(以下、プリンタともいう)の外観を示す図である。本実施形態のプリンタ1は、チューブ状や薄板状等の記録媒体に記録を行うものであり、ノートタイプコンピュータと同様に持ち運び可能に構成されたものである。
記録装置1は、その主な構成として、入力部13、表示部14、記録部20、切断部30及び制御部(図5参照)を備える。また、記録装置1には記録媒体が搬送される搬送路Pが形成されている。本実施形態では、記録装置1は、チューブ状の記録媒体やラベル・記名板等の長尺媒体を搬送可能であり、これらに対して記録可能である。
記録部20は、長尺状の記録媒体に対して記録を行う。記録部20は、記録媒体を搬送するための搬送ローラ2a、2bと、搬送ローラ2a、2bの下流側でサーマルヘッド6に対向して配置されたプラテンローラ3と、プラテンローラ3の下流側でプラテンローラ3と対向して配置されたピンチローラ4とを含む。また、プラテンローラ3とサーマルヘッド6との間にはインクリボンRが介在している。インクリボンRは、インクリボンカセット8のリボン供給リールから供給され、リボン巻取リールに巻き取られる。
記録媒体の搬送方向で搬送ローラ2a、2bの上流側には、不図示のギアを介して搬送ローラ2a、プラテンローラ3及びインクリボンカセット8のリボン巻取リールのスプールを回転駆動させるステッピングモータ5が配置されている。また、図1で示す方向でインクリボンカセット8の左側かつ切断部30の下側には、ステッピングモータ9が配置されている。 ステッピングモータ9は、アーム(図示せず)を介して、搬送路Pから退避した退避位置、及び、プラテンローラ3に圧接する記録位置の間でサーマルヘッド6を移動させる。
図1では、記録媒体としてチューブTが搬送路P上を搬送されている状態が示されている。この例に則して説明すると、記録部20は、インクリボンRを挟んだ状態でチューブTにサーマルヘッド6を圧接する。それとともに、記録部20は、入力部13から入力された記録データに従って、サーマルヘッド6を構成する発熱素子を選択的に発熱させることで、 インクリボンRのインクを溶融してチューブTに文字列を1ラインずつ記録する。
搬送ローラ2a、2bの上流側には、センサ7が配置されている。センサ7は、記録媒体の有無及び搬送される記録媒体の先端を検出する。また、本実施形態では、センサ7はさらに記録媒体の幅方向の長さを検出可能である。なお、幅方向は記録媒体の搬送方向に交差する方向である。幅方向の長さを検知可能なセンサ7の例としては、投光部、受光部を多光軸にした透過型のラインセンサ等の光学センサや、カメラ等で記録媒体を撮影してその撮影画像に基づいて記録媒体の幅方向の長さを算出する画像センサ等が挙げられる。また、ピンチローラ4の下流側にも記録媒体の先端を検出可能なセンサが配置されている
記録装置1は、アタッチメントを装着可能なアタッチメント装着部10を含む。アタッチメント装着部10には各種アタッチメントを装着可能であり、装着されるアタッチメントを変更することにより記録媒体の種類を変更することができる。図2(a)は記録装置1に装着するラベルカセットの構成例を示す図である。図2(b)は、記録装置1に装着するチューブ用アタッチメントの構成例を示す図である。例えば、図2(a)に示すラベルカセット11がアタッチメント装着部10に装着された場合、カセット内部から剥離紙付ラベルが引き出され、当該ラベルに対して記録及び切断処理を行うことができる。また、図2(b)に示すチューブ用アタッチメント12がアタッチメント装着部10に装着された場合、チューブ挿入口12aからチューブTを挿入することにより、チューブTに対して記録及び切断処理を行うことができる。図2(c)に示す記名板用アタッチメントがアタッチメント装着部10に装着された場合、記名板挿入口1から記名板を挿入することにより、チューブTに対して記録及び切断処理を行うことができる。
なお、以下では、図1に従って、アタッチメント装着部10に記名板用アタッチメント12が装着され、記録媒体として記名板Mが用いられた場合を中心に説明する。
記録処理の例として、制御部は、サーマルヘッド6をプラテンローラ3に圧接する記録位置に移動させ、生成した記録データに従って1ラインごとにサーマルヘッド6に出力する。また、制御部は、搬送ローラ2a、2b、プラテンローラ3、ピンチローラ4による回転駆動力で記名板Mを搬送する。すなわち、制御部が記名板Mを搬送させながらサーマルヘッド6に記録データを出力させることで、記録部20は長尺状の記名板Mの所望の位置に所望の文字を記録する。本例の場合には、記名板Mに対して所定間隔毎に合計6回の記録処理が施される。なお、本実施形態では、ステッピングモータ5、9が記名板Mの搬送のために用いられる。そのため、制御部は、これらの出力パルス数をカウントすることにより、サーマルヘッド6の加熱素子の位置に対する記名板M上の記録位置を把握することができる。また、制御部は、ステッピングモータ5、9の出力パルス数をカウントすることにより、サーマルヘッド6による記録処理の間、記名板Mの切断位置が切断部30に到達することを監視する。
そして、制御部は、記名板Mの切断位置が切断部30に到達すると、切断情報に従って切断動作を行う。
次に、制御部は、ローラ2a、2b、プラテンローラ3、ピンチローラ4の駆動を再開させて記名板Mをさらに所定距離下流側に搬送して記録装置1から排出する。制御部は、所定時間経過後、ローラ2a、2b、プラテンローラ3、ピンチローラ4の駆動を停止させ、入力された記録/切断情報に基づく1ルーチンの動作を終了させる。以上が、記録装置1における記録動作の全体動作説明である。
図5~9を用い本発明の一実施例を説明する。
記録媒体である記名板は厚みが0.5mmのポリエチレン製で剛性が高い記録媒体になっている。また、ロール状に巻かれており、図5図6のように巻き癖があり、記録装置に挿入する際に巻き癖方向の内側がサーマルヘッドに当接する方向になるように取り扱い説明書に記載してユーザーに降りつけ向きを指定している。
記名板用アタッチメント12には記録装置の搬送ローラ2に対して記名板Mがスムーズに挿入できるよう記名板Mが倒れないようにガイド形状21設けている。さらに記名板Mがサーマルヘッドに対して一定の位置になるように記名板Mの端部を添わせる案内部22が設けられ、案内部22に対向する位置に記名板Mの反対側端部を押圧する押圧手段23が設けられ、記名板Mは案内部22に沿って搬送されるようになっている。
記録媒体挿入部24からガイド形状21入り口の間に記名板の姿勢を強制する記名板支持部材25が設けられ、記名板を記名板の巻き癖外側に倒すようにスリット形状26が設けられている。
スリット形状の角度は案内部から見て90°より小さくする必要があり、実験によれば45~77°(図9参照)にすることが好ましい。また、記名板支持部材のスリットに沿ってクリーナー27を設けるとなお良い。
記名板支持部材25は交換可能になっており、チューブが挿入可能なクリーナーに交換することによりガイド形状の間に挿入可能な扁平チューブも搬送可能になる。
以上説明したように、実施例の記録装置によれば、剛性があり帯状の記録媒体に対して安定した記録が可能になる効果がある。
【符号の説明】
【0009】
1.記録装置
2.搬送ローラ
3.プラテンローラ
4.ピンチローラ
5.ステッピングモータ
6.サーマルヘッド
7.センサ
8.リボンカセット
9.ステッピングモータ
10.チューブアタッチメント
11.ラベルカセット
12.記名板用アタッチメント
21.ガイド形状
22.案内部
23.押圧手段
24.挿入部
25.記名板支持部材
M.記名板


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9