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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023061099
(43)【公開日】2023-05-01
(54)【発明の名称】水パイプ
(51)【国際特許分類】
   A24F 1/14 20060101AFI20230424BHJP
   A24F 1/30 20060101ALI20230424BHJP
【FI】
A24F1/14
A24F1/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021170886
(22)【出願日】2021-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】521458720
【氏名又は名称】合同会社deNi
(74)【代理人】
【識別番号】100181250
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 信介
(72)【発明者】
【氏名】松田 貴啓
(57)【要約】
【課題】湿性たばこ材料を使用することなく水パイプによる香りや風味を楽しむことができる水パイプを提供する。
【解決手段】
加熱対象物5を保持する保持部10と、保持部10に保持された加熱対象物5を加熱する加熱部20と、保持部10に保持された加熱対象物5が加熱部20で加熱されたときに発生する気体を通す水を蓄積する本体部30と、本体部30に装着され、本体部30の水に通した気体を吸引するための吸引部40と、内部に香料を含む加熱対象物5を蓄積し、加熱対象物5を加熱部20で加熱したときに発生する気体を外部へ導出するための導出部52を有し、保持部10に置かれる香料保持部50と、を備えた水パイプ1であって、香料保持部50は、底面を有する円筒状に形成され、側面の上部に導出部52として複数の孔を備えている水パイプ1。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱対象物を保持する保持部と、
前記保持部に保持された前記加熱対象物を加熱する加熱部と、
前記保持部に保持された前記加熱対象物が前記加熱部で加熱されたときに発生する気体を通す水を蓄積する本体部と、
前記本体部に装着され、前記本体部の水に通した気体を吸引するための吸引部と、
内部に香料を含む前記加熱対象物を蓄積し、該加熱対象物を前記加熱部で加熱したときに発生する気体を外部へ導出するための導出部を有し、前記保持部に置かれる香料保持部と、
を備えたことを特徴とする水パイプ。
【請求項2】
請求項1に記載の水パイプにおいて、
前記香料保持部は、
底面を有する筒状に形成され、側面の上部に導出部として少なくとも1個の孔を備えていることを特徴とする水パイプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たばこ以外にも香料などを加熱して発生させた気体を吸引して香りや風味を楽しむための水パイプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、喫煙器具としてシーシャとも呼ばれる水パイプが使用されていた。この水パイプは、未加工のタバコや糖蜜とグリセリンの混合物である湿性たばこ材料を盃状のカプセルに入れ、複数個所に孔を開けたアルミホイルを被せ、その上に木炭タブレットを載置して着火し、湿性たばこ材料を加熱してたばこ煙を発生させる構造となっている。そして、発生させたたばこ煙を、煙カランを通してカプセルの下方に配置されているガラス容器中の水に通した後に本体部の側面に取り付けたパイプから喫煙するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2019-534011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の水パイプでは、いわゆる水たばこを喫煙するためには、盃状のカプセルに入れた湿性たばこ材料を加熱してたばこ煙を発生させる必要があり、その煙が副流煙となって喫煙者以外の者に不快感を与えたり、有害であったりするなどの問題があった。
【0005】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたもので、湿性たばこ材料を使用することなく水パイプによる香りや風味を楽しむことができるとともに、湿式たばこが発生させる副流煙の有害成分を発生させることがない水パイプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。なお、本欄における括弧内の参照符号や補足説明等は、本発明の理解を助けるために、後述する実施形態との対応関係を示したものであって、本発明を何ら限定するものではない。
【0007】
[適用例1]
適用例1に記載の発明は、
加熱対象物(5)を保持する保持部(10)と、
前記保持部(10)に保持された前記加熱対象物(5)を加熱する加熱部(20)と、
前記保持部(10)に保持された前記加熱対象物(5)が前記加熱部(20)で加熱されたときに発生する気体を通す水を蓄積する本体部(30)と、
前記本体部(30)に装着され、前記本体部(30)の水に通した気体を吸引するための吸引部(40)と、
内部に香料を含む前記加熱対象物(5)を蓄積し、該加熱対象物(5)を前記加熱部(20)で加熱したときに発生する気体を外部へ導出するための導出部(52)を有し、前記保持部(10)に置かれる香料保持部(50)と、
を備えたことを要旨とする水パイプ(1)である。
【0008】
このような水パイプ(1)では、加熱された加熱対象物(5)を蓄積した香料保持部(50)が保持部(10)に保持され、加熱部(20)で加熱される。このとき、香料保持部(50)に蓄積された加熱対象物(5)に香料が含まれているため加熱対象物(5)から香料の成分が気体として発生する。
【0009】
そして、発生した気体が導出部(52)を介して香料保持部(50)の外部へ導出され、本体部(30)の水を通って吸引部(40)で吸引される。つまり、湿性たばこ材料を使用することなく水パイプ(1)による香りや風味を楽しむことができる水パイプ(1)とすることができる。
【0010】
また、香料は、湿式たばこが発生させる副流煙に対して少ない副流煙しか発生させず、また発生させる副流煙自体も湿式たばこの副流煙に比べて有害成分がない。つまり、湿式たばこの副流煙による有害成分を発生させることがない水パイプとすることができる。
【0011】
[適用例2]
適用例2に記載の水パイプ(1)は、適用例1に記載の水パイプ(1)において、
前記香料保持部(50)は、
底面を有する筒状に形成され、側面の上部に導出部(52)として少なくとも1個の孔を備えていることを要旨とする。
【0012】
このような水パイプ(1)では、香料保持部(50)の構造を簡易ものにでき、製作が容易となる。また、筒状に形成された香料保持部(50)の内部に香料を含む液体、ジェル或いは固体などを入れればよいので使いやすい水パイプ(1)となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】水パイプの概略の構成を示す図である。
図2】第2実施形態における水パイプの使用方法を示す図である。
図3】第3実施形態における水パイプの概略の構成を示す図である。
図4】第4実施形態における水パイプの概略の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明が適用された実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を取りうる。
【0015】
[第1実施形態]
(水パイプの構成)
先ず図1に基づいて、本発明を適用した水パイプ1の構成について説明する。図1は、水パイプ1の概略の構成を示す図である。
【0016】
図1に示すように、水パイプ1は、保持部10、加熱部20、本体部30、吸引部40及び香料保持部50を備えている。
保持部10は、加熱対象物5を保持する部分であり、盃部12、カバー14及び煙管16を備えている。
【0017】
盃部12は、上面に開口部を有し、底面の中心部に貫通孔を有する台付きの盃状の焼き物の部分である。
カバー14は、盃部12の底面の貫通孔を覆う大きさの直径を有する円形の金属の薄板
であり、貫通孔を通してカバー14の上側で発生した気体を通すことができるように複数の小径の孔が穿たれている。
【0018】
煙管16は、盃部12の底面の貫通孔から下方に延伸されたガラス製あるいは金属製の管である。
加熱部20は、保持部10に保持された加熱対象物5を加熱する部分であり、ステンレスなどの金属材料を筒状に形成し、一端面(上端面)を開口面とし、他端面(下端面)を金網で閉塞した形状となっている。
【0019】
また、加熱をするための加熱体22として木炭タブレット22などを用い、木炭タブレット22を金網の上に載置して着火し、燃焼させることで、加熱対象物5を上側から加熱する。
【0020】
本体部30は、保持部10に保持された加熱対象物5が加熱部20で加熱されたときに発生する気体を通す水を蓄積するガラス製の容器であり、フラスコ状に成形され、上部に導入口32が設けられている。この導入口32にたばこ保持部100の煙管16が挿入されて接続される。また、導入口32と煙管16との間の隙間をなくして気密性を保つため、導入口32にゴムや樹脂製の図示しないブッシュが取り付けられている。
【0021】
さらに、本体部30の側面の上部に導出口34が設けられている。導出口34は、本体部30に吸引部40の接続端42を挿入して接続するために穿たれた孔である。また、導出口34には、接続端42を接続した際の気密性を保つために、ゴムや樹脂製の図示しないブッシュが取り付けられている。
【0022】
吸引部40は、本体部30に装着され、本体部30の水に通した気体を吸引するための部分であり、管状の樹脂材で形成され、一端に、本体部30の導出口34に差し込んで接続するための接続端42、他端に、使用者(喫煙者)が水たばこを喫煙する際に使用する吸い口44が装着されている。
【0023】
香料保持部50は、内部に香料を含む加熱対象物5を保持し、保持した加熱対象物5を加熱部20で加熱したときに発生する気体を外部へ導出するための導出部52を有し、保持部10に配置される。
【0024】
具体的には、ジュラルミンなどの金属材料を、切削加工などによって底面を有する円筒状に形成し、その側面の上端部分又は上端近傍に導出部52として複数の孔を備えている。
【0025】
また、加熱対象物5は、加熱対象物5は、種々の香り成分を含有する液体、香り成分を寒天などに含有させてジェル状にしたもの、あるいは、香り成分を蝋などに含有させて固形化したものなどである。
【0026】
(水パイプの使用方法)
次に、図1に基づいて水パイプ1の使用方法について説明する。水パイプ1は、下記の(ア)~(カ)にようにして使用する。
【0027】
(ア)本体部30に、導出口34を超えない深さまで水を入れる。
(イ)保持部10の煙管16を本体部30の導入口32へ挿入し固定する。
(ウ)香料保持部50の筒の内部に、液体や個体の香料を含む加熱対象物5を入れる。
【0028】
(エ)保持部10の底面の貫通孔を覆うようにカバー14を装着し、加熱対象物5入れた香料保持部50をカバー14の上に載置する。載置した後、保持部10の上側の開口面にアルミホイルを被せ、空気穴を複数箇所開けて、保持部10に空気が流入するようにする。
【0029】
(オ)加熱部20に加熱体22である木炭タブレット22を入れて着火する。木炭タブレット22に着火すると、木炭タブレット22により加熱対象物5が上面側から加熱され、香料の蒸気が発生する。
【0030】
(カ)香料の蒸気が発生したら、喫煙者は、吸引部40の吸い口44から香料の蒸気を吸い込む。すると、香料の蒸気は、煙管16を通して本体部30の水に導入された後、導出部34を介して喫煙者に吸引される。
【0031】
(水パイプ1の特徴)
以上のような水パイプ1は、保持部10の加熱対象物5が加熱されることによって発生した香料の蒸気が本体部30に保持された水でフィルタリングされるため、香料をまろやかな味わいや風味とすることができる。
【0032】
さらに、香料は、湿式たばこが発生させる副流煙に対して少ない副流煙しか発生させず、また発生させる副流煙自体も湿式たばこの副流煙に比べて有害成分がない。つまり、湿式たばこの副流煙による有害成分を発生させることがない水パイプとすることができる。
【0033】
また、香料保持部50の構造を簡易ものにでき、製作が容易となる。また、円筒状に形成された香料保持部50の内部に香料を含む液体、ジェル或いは固体などを入れればよいので使いやすい水パイプ1となる。
【0034】
[第2実施形態]
次に図2に基づいて第2実施形態について説明する。第2実施形態では、水パイプ1の構成は第1実施形態の水パイプ1と同一であり、使用方法が異なるため、水パイプの構成の説明は省略する。
【0035】
図2に示すように、第2実施形態においては、第1実施形態における水パイプの使用法において、(エ)項で示すように加熱対象物5をいれた香料保持部50をカバー14の上に載置するとともに、湿性たばこ材料7を香料保持部50の周囲に配置する。
【0036】
また、香料保持部50と湿性たばこ7を載置した保持部10の上側の開口面にアルミホイルを被せ、空気穴を複数箇所開けて、保持部10に空気が流入するようにする。
その後、第1実施形態と同様に、加熱部20に加熱体22である木炭タブレット22を入れて着火する。すると、木炭タブレット22により加熱対象物5と湿性たばこ7とが上面側から加熱され、香料の蒸気とともにたばこ煙が発生する。
【0037】
香料の蒸気とたばこ煙が発生したら、喫煙者は、吸引部40の吸い口44から香料の蒸気とともにたばこ煙を吸い込む。すると、香料の蒸気とたばこ煙は、煙管16を通して本体部30の水に導入された後、導出部34を介して喫煙者に吸引される。
【0038】
このように、香料保持部50の加熱対象物5と湿性たばこ7とを同時に加熱することにより、香料とたばこ煙を同時に喫煙することができる。
【0039】
[第3実施形態]
(水パイプの構成)
図3に基づき第3実施形態における水パイプ2の構成について説明する。図3は、第3実施形態における水パイプ2の概略の構成を示す図である。
【0040】
図3に示すように、水パイプ2は、たばこ保持部100、加熱部200、本体部300、皿部400、第1導出部500、距離調整部600、第2導出部700、香料水保持部800及び第1導出部保持部900を備えている。
【0041】
たばこ保持部100は、湿性たばこ材料7を保持する部分であり、上面に開口部を有する台付きの盃状の焼き物の部分である盃部120と、その盃部120の底面の中心の軸方向に伸びる煙管140とを備えている。
【0042】
加熱部200は、たばこ保持部100を加熱する加熱体22を保持する部分であり、ステンレスなどの金属材料を筒状に形成し、一端面(上端面)を開口面とし、他端面(下端面)を金網で閉塞した形状となっている。
【0043】
加熱体22としては、木炭タブレット22などが用いられ、木炭タブレット22を金網の上に載置して着火し、燃焼させることで、たばこ保持部100を上側から加熱する。
本体部300は、水を保持するためのガラス製の容器であり、フラスコ状に成形され、上部に第1導入口320が設けられている。この第1導入口320にたばこ保持部100の煙管140が挿入されて接続される。また、第1導入口320と煙管140との間の隙間をなくして気密性を保つため、第1導入口320にゴムや樹脂製の図示しないブッシュが取り付けられている。
【0044】
また、本体部300の側面の上部に第1導出口340が設けられている。第1導出口340は、本体部300に第2導出部700を挿入して接続するために穿たれた孔である。また、第1導出口340には、第2導出部700を接続した際の気密性を保つために、ゴムや樹脂製の図示しないブッシュが取り付けられている。
【0045】
皿部400は、たばこ保持部100と本体部300との間に設置され、後述する距離調整部600を設置するための部分である。樹脂製材料を皿状に成形したものの中心部にたばこ保持部100の煙管140を挿通するための挿通孔420を有している。皿部400の直径は、たばこ保持部100の台の直径よりも大きくなっている。
【0046】
第1導出部500は、管状の樹脂材で形成された部分であり、一端に、香料水保持部800の第2導出口840に差し込んで接続するための第1接続端520、他端に、使用者(喫煙者)が水たばこを喫煙する際に使用する吸い口540が設けられている。
【0047】
距離調整部600は、たばこ保持部100と加熱部200との離隔距離を調整可能とする部分であり、ステンレスなどの金属製のバー材を、下端部分が円弧状になるように成形して基部620とし、基部620の一部を鉛直方向に延伸して、自在鉤部660を取り付けるための支柱640としている。
【0048】
自在鉤部660の一端部は、加熱部200の側面に溶接などで取り付けられており、自在鉤部660の他端側には孔が設けられており、その孔を支柱640に挿通してある。自在鉤部660の操作によって支柱を上下方向にスライドさせてクランプすることによって、加熱部200を上下方向に移動させることができるようになっている。
【0049】
このように、距離調整部600によって加熱部200を上下方向に移動させることにより、たばこ保持部100と加熱部200との離隔距離を調整できる。
第2導出部700は、第1導出部500と同様に、管状の樹脂材で形成された部分であり、一端に、本体部300の第1導出口340に差し込んで接続するための第2接続端720、他端に、香料水保持部800の第2導入口820に差し込んで接続するための第3接続端740を有している。
【0050】
香料水保持部800は、香料を含有した水を保持するためのガラス製の容器であり、本体部300と同様にフラスコ状に成形され、上部に第2導出部700の第3接続端740を接続するための第2導入口820が設けられている。
【0051】
第2導入口820には、第3接続端740との接続時の気密性を保つために、ゴムや樹脂製の図示しないブッシュが取り付けられている。
また、香料水保持部800の側面の上部に第2導出口840が設けられている。第2導出口840は、香料水保持部800に第1導出部500を接続するために穿たれた孔である。また、その孔には、第1導出部500を接続した際の気密性を保つために、ゴムや樹脂製の図示しないブッシュが取り付けられている。
【0052】
第1導出部保持部900は、香料水保持部800を載置して、設置時の安定性を確保するとともに、第1導出部500の一部を香料水保持部800内の香料水の水面よりも高く保持するための部分である。
【0053】
第1導出部保持部900は、ステンレスなどの金属製のバー材を、下端部分が円弧状になるように成形して基部920とし、基部920の一部を斜め上方向に延伸して、第1導出部500を支持するための支柱940としている。
【0054】
基部920は、上下2つの円環状に形成された第1リング920aと第2リング920b及び第1リング920aと第2リング920bを連結する連結部920cから形成されている。上側の第1リング920aの内径は、香料水保持部800の下部の一部の外径と同じとなっており、円弧の内側に香料水保持部800を差し込むようにして固定する。
【0055】
下側の第2リング920bの内径は、第1リング920aの内径よりも大きくなっており、この部分を設置面に載置して、香料水保持部800を安定して設置できるようになっている。
【0056】
連結部920cは、第1リング920aと第2リング920bとが平行になるように連結する部材である。
支柱940の先端部は円環状に形成されており、円環の内側に第1導出部500を挿入することによって保持する。なお、円環の下端は、香料水保持部800に蓄積される香料水の水面よりも高くなる位置になっている。
【0057】
(水パイプ2の使用方法)
次に、図3に基づいて水パイプ2の使用方法について説明する。図3に示すように、本体部300に、第1導出口340を超えない深さまで水を入れる。
【0058】
また、香料水保持部800に、第2導出口840を超えない深さまで香料を含有した水を入れる。
たばこ保持部100の煙管140を皿部400の挿通孔420を通して本体部300の第1導入口320へ挿入し固定する。固定したたばこ保持部100に湿性たばこ材料7を入れる。
【0059】
湿性たばこ材料7は、未加工のたばこ、糖蜜及びグリセリンの混合物である。糖蜜はハチミツ様のダークブラウンの液糖であり、砂糖産物の副産物として得られ、約60%の糖を含む。
【0060】
皿部400に距離調整部600の基部620を載置することによって、加熱部200をたばこ保持部100の上部側に設置する。
本体部300の第1導出口340に第2導出部700の第2接続端720を挿入して第2導出部700を本体部300に接続する。
【0061】
香料水保持部800の第2導入口820に第2導出部700の第3接続端740を挿入して第2導出部700を香料水保持部800に接続する。また、香料水保持部800を第1導出部保持部900の第1リング920aに差し込んで固定する。
【0062】
さらに、第1導出部500を第1導出部保持部900の支柱の円環を挿通させてから、香料水保持部800の第2導出口840に第1導出部500の第1接続端520を差し込む。
【0063】
この状態で、加熱部200に加熱体22である木炭タブレット22を入れて着火する(木炭タブレット22は、距離調整部600の皿部400への設置前に加熱部200に入れておいてもよい)。
【0064】
木炭タブレット22に着火すると、木炭タブレット22により湿性たばこ材料7が上面側から加熱され、たばこの蒸気(以下、たばこ煙とも呼ぶ)が発生する。
たばこ煙が発生したら、喫煙者は、第1導出部500の吸い口540からたばこ煙を吸い込む。すると、たばこ煙は、煙管140を通して本体部300の水に導入された後、第2導出部700を介して香料水保持部800に導入される。
【0065】
香料水保持部800に導入されたたばこ煙は、香料を含有した水に導入された後、第1導出部500を介して喫煙者に喫煙される。
【0066】
(水パイプ2の特徴)
以上のような水パイプ1は、たばこ保持部100の湿性たばこ材料7が加熱されることによって発生したたばこ煙が本体部300に保持された水でフィルタリングされるため、たばこ煙をまろやかな味わいとすることができる。
【0067】
さらに、香料水保持部800の香水を含有した水に通される。すると、たばこ煙に香水の成分の一部が移り、たばこ煙に香水の香りや風味が加わることになり、単にたばこ煙だけの味わいではない、香りや風味を味わうことができる。
【0068】
また、本体部300以外に香料水保持部800を備えることにより、吸い口540側からのたばこ煙の本体部300への逆流がなくなるため、本体部300のみの場合に必要となる、逆流防止のための逆止弁が不要となる。
【0069】
また、たばこ保持部100と加熱部200との離隔距離を調整することが可能であるため、湿性たばこ材料7の加熱度合いを、たばこ保持部100と加熱部200との離隔距離を調整することによって容易に行ことができるようになる。
【0070】
[第4実施形態]
次に、図4に基づき水パイプ3について説明する。図4は第4実施形態における水パイプ3の概略の構成を示す図である。なお、第4実施形形態における水パイプ3は、第3実施形態における水パイプ2と類似の構成であるため、同じ構成品には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0071】
第4実施形態における水パイプ3は、図4に示すように、第3実施形態における水パイプ2の構成品のうち、香料水保持部800及び第2導出部700を省き、本体部300に直接第1導出部500を接続してある。
【0072】
つまり、本体部300の第1導出口340に第1導出部500の第1接続端520を挿入して接続し、吸い口540から喫煙するようになっている。
このような水パイプ3では、たばこ保持部100の上部側に加熱部200があるため、従来の水パイプのように、湿性たばこ材料7の上にアルミホイルを被せ、被せたアルミホイルに開ける孔の数や大きさを変更することによって過熱度合いを調整する必要がないため、便利である。
【0073】
[その他の実施形態]
(1)上記実施形態では、加熱体22として木炭タブレットを用いたが、木炭タブレット以外のものを用いてもよい。
(2)上記実施形態では、本体部300や香料水保持部800をガラス製としていたが、アクリルなどの樹脂製であってもよいし、陶器や磁器などであってもよい。
【0074】
(3)上記実施形態では、香料水保持部800に香水を含有した水を入れていたが、香水の代わりに、お茶やコーヒー(液体)などを入れてもよい。
(4)上記実施形態では、香料保持部50を有底の円筒状としたが、底面が四角や三角、楕円、あるいはその他の不定形の形状である筒状であってもよい。
(5)上記実施形態では、香料保持部50の側面の上端部分又は上端近傍に導出部52として複数の孔を設けるとしていたが、複数ではなく1個の孔であってもよい。
【符号の説明】
【0075】
1,2,3 … 水パイプ 5 … 加熱対象物 7… 湿性たばこ材料 10 … 保持部 12 … 盃部 14 … カバー 16 … 煙管 20 … 加熱部 22 … 加熱体(木炭タブレット) 30 … 本体部 32 … 導入口 34 … 導出口 40 … 吸引部 42 … 接続端 44 … 吸い口 50 … 香料保持部 52 … 導出部 100… たばこ保持部 120… 盃部 140… 煙管 200… 加熱部 300… 本体部 320… 第1導入口 340… 第1導出口 400… 皿部 420… 挿通孔 500… 第1導出部 520… 第1接続端 540… 吸い口 600… 距離調整部 620… 基部 640… 支柱 660… 自在鉤部 700… 第2導出部 720… 第2接続端 740… 第3接続端 800… 香料水保持部 820… 第2導入口 840… 第2導出口 900… 第1導出部保持部 920… 基部 920a… 第1リング 920b… 第2リング 920c… 連結部 940… 支柱。
図1
図2
図3
図4