(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023061103
(43)【公開日】2023-05-01
(54)【発明の名称】遠心式送風機
(51)【国際特許分類】
F04D 29/42 20060101AFI20230424BHJP
F04D 29/66 20060101ALI20230424BHJP
F04D 29/70 20060101ALI20230424BHJP
【FI】
F04D29/42 L
F04D29/66 N
F04D29/70 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021170893
(22)【出願日】2021-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】506292974
【氏名又は名称】マーレ インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】MAHLE International GmbH
【住所又は居所原語表記】Pragstrasse 26-46, D-70376 Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】清水 巧実
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 充紀
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB07
3H130AB26
3H130AB45
3H130AC11
3H130AC13
3H130BA07A
3H130BA14A
3H130BA42A
3H130CA03
3H130DJ02X
3H130EA07A
3H130EA07Z
3H130EA08A
3H130EB05A
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ファンに沿った径方向内方への空気の流れと、ケーシングの通路内を周方向に流れる空気との干渉を抑制する。
【解決手段】ケーシング16における空気取入口46の外縁にベルマウス48を備える。ファン14から離間する方向に向けてベルマウス48から突出したリブ52を有する。通路部36に配置される舌部44の先端とファン14の軸中心Pとを結ぶ仮想線Lに対し、前記ファン14の回転方向とは反対方向へ向かって50°~170°の角度範囲θに収まるようにリブ52を配置する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングと、
該ケーシングの内部に回転可能に収容され軸方向に吸入した空気を径方向外方へ向けて送風するファンと、
前記ケーシングに収容され前記ファンを回転駆動させる駆動源と、を備え、
前記ケーシングは、前記ファンに向かい合い該ケーシングの軸方向一端に開口した空気取入口と、前記ファンの径方向外方に配置される渦巻状の第1通路部と、該第1通路部の巻き終わりから吐出口まで延在する第2通路部と、前記第1通路部の巻き始めと前記第2通路部との接続部位に配置される舌部と、前記空気取入口の外縁に配置される円形のベルマウスとを有し、
前記ファンが回転することで前記空気取入口から前記空気を取り込んで前記第1通路部へと送出する遠心式送風機において、
前記ベルマウスの前記ファンとは反対側の端部から前記軸方向に沿って前記ファンから離間する方向へ突出し、少なくとも一部が前記ベルマウスに接続され、前記ファンから吐き出された前記空気が前記舌部に衝突することを抑制するリブを備え、
前記リブは、前記ファンの軸中心と前記舌部の先端とを結ぶ線分に対し、前記ファンの回転方向とは反対方向へ向かって50°~170°の角度範囲に収まるように配置され、前記角度範囲から外れる範囲には配置されない、遠心式送風機。
【請求項2】
請求項1記載の遠心式送風機において、
前記リブは、前記ファンの前記軸中心を曲率中心とする円弧形状を有する仕切り板を有し、
前記仕切り板は、前記線分に対し、前記回転方向とは反対方向へ向かって70°~150°の角度範囲に収まるように配置される、遠心式送風機。
【請求項3】
請求項2記載の遠心式送風機において、
前記仕切り板は、70°以上の角度範囲で延在する、遠心式送風機。
【請求項4】
請求項3記載の遠心式送風機において、
前記リブは、前記仕切り板の延在方向の少なくとも一端から延出した延在部を有し、
前記延在部と前記軸中心との距離は、前記仕切り板と前記軸中心との距離よりも大きい、遠心式送風機。
【請求項5】
請求項2~4のいずれか1項に記載の遠心式送風機において、
前記ファンと反対側で、前記ベルマウスから離間して配置されたフィルタを備え、
前記ケーシングは、前記フィルタと前記ベルマウスとの間に配置されて前記フィルタを支持可能なフィルタ支持部を備え、
前記フィルタ支持部は、前記ファンの軸方向から見て、前記空気取入口を横切るように延在し、
前記フィルタ支持部と前記仕切り板とが接続される、遠心式送風機。
【請求項6】
請求項5記載の遠心式送風機において、
前記ファンの回転方向に沿った前記仕切り板の少なくとも一方の端部に、前記フィルタ支持部が接続される、遠心式送風機。
【請求項7】
請求項5記載の遠心式送風機において、
前記仕切り板の延在方向に沿った一端と他端との間に前記フィルタ支持部が接続される、遠心式送風機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遠心式送風機に関し、一層詳細には、車両に搭載される空調装置に使用する遠心式送風機に関する。
【背景技術】
【0002】
遠心式送風機は、ファンを回転させることで外気をケーシングの内部へ取り込んで空調装置へ供給する。ファンが回転してケーシングの吸い込み口から外気をケーシングの内部へ吸い込むとき、ファンから径方向外方へ流れる空気と、ケーシングの通路に沿って流れる空気とが干渉することがある。この空気同士の干渉に伴って、通路内において空気の流れが乱れて乱流が発生したり騒音が発生するという課題がある。
【0003】
この課題を解決するために、特許文献1に開示される遠心式送風機は、ファンと、ケーシングと、ベルマウスと、吸い込みガイドとを備える。ケーシングの上部に、吸い込み口が開口する。吸い込み口は、ファンの上部に向かい合う。吸い込み口は、円環状のベルマウスを備える。
【0004】
ベルマウスの外縁は、吸い込みガイド部を備える。吸い込みガイド部は、ベルマウスから上方へ向けて突出する。吸い込みガイド部は、ファンの回転軸を中心とした円弧状である。吸い込みガイド部は、ケーシングの巻き終わり部を含めた部位に配置される。
【0005】
そして、ファンが回転することで外気が吸い込まれ、該外気は、吸い込みガイド部によって吸い込み口の直上へ案内される。吸い込みガイド部によって吸い込み口へ向けて径方向内方に流れる外気の流れが規制される。これにより、ファンに沿った径方向内方への空気の流れと、ケーシングの通路内を周方向に流れる空気との干渉を抑制する。その結果、遠心式送風機を駆動させたときの乱流及び騒音の発生を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の態様は、ケーシングと、
該ケーシングの内部に回転可能に収容され軸方向に吸入した空気を径方向外方へ向けて送風するファンと、
前記ケーシングに収容され前記ファンを回転駆動させる駆動源と、を備え、
前記ケーシングは、前記ファンに向かい合い該ケーシングの軸方向一端に開口した空気取入口と、前記ファンの径方向外方に配置される渦巻状の第1通路部と、該第1通路部の巻き終わりから吐出口まで延在する第2通路部と、前記第1通路部の巻き始めと前記第2通路部との接続部位に配置される舌部と、前記空気取入口の外縁に配置される円形のベルマウスとを有し、
前記ファンが回転することで前記空気取入口から前記空気を取り込んで前記第1通路部へと送出する遠心式送風機において、
前記ベルマウスの前記ファンとは反対側の端部から前記軸方向に沿って前記ファンから離間する方向へ突出し、少なくとも一部が前記ベルマウスに接続され、前記ファンから吐き出された前記空気が前記舌部に衝突することを抑制するリブを備え、
前記リブは、前記ファンの軸中心と前記舌部の先端とを結ぶ線分に対し、前記ファンの回転方向とは反対方向へ向かって50°~170°の角度範囲に収まるように配置され、前記角度範囲から外れる範囲には配置されない。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0010】
すなわち、空気取入口からファンに向けて空気を取り込むとき、50°~170°の角度範囲に収まるように配置されたリブによって空気取入口からの空気の取り込みが規制される。そのため、ファンから第1通路部へ空気が吐き出されるとき、舌部の近傍へ向けた空気の流れが制限され、前記空気の流れと舌部との衝突が抑制される。
【0011】
その結果、リブをベルマウスの一部のみに配置することで、空気をファンから第1及び第2通路部へ送出するときの送風効率の低下を抑制しつつ、空気の流れが舌部に衝突したときの騒音の発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る遠心式送風機の全体平面図である。
【
図3】
図3は、遠心式送風機におけるファン及び舌部の近傍を示す拡大平面図である。
【
図4】
図4は、
図1の遠心式送風機を駆動させたときの周波数と騒音レベルとの関係を示す特性曲線図である。
【
図5】
図5Aは、第1変形例に係る遠心式送風機の全体平面図であり、
図5Bは、
図5AのVB-VB線に沿った断面図である。
【
図6】
図6は、第2変形例に係る遠心式送風機の全体平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
遠心式送風機10は、
図1及び
図2に示されるように、駆動源12と、ファン14と、ケーシング16とを備える。駆動源12は、図示しないコントローラから通電されることで回転駆動するモータである。駆動源12は、ケーシング16の略中央下部に配置される。駆動源12は、回転駆動する回転シャフト18を備える。回転シャフト18は、上方に向けて軸方向に延在する。回転シャフト18は、ケーシング16の内部へ突出する。回転シャフト18の上端には、ナット20を介してファン14の中央部が連結される。
【0014】
ファン14は、円筒状である。ファン14は、ケーシング16の略中央に収容される。ファン14は、複数のブレード22と、シュラウド24と、ボス部26とを備える。ブレード22は、ファン14の周方向に沿って互いに等間隔離間して配置される。ファン14の軸方向から見て、ブレード22の断面形状は、円弧状である。ブレード22の窪んだ面が、ファン14の回転方向(
図1中、矢印F方向)に向くように配置される。
【0015】
シュラウド24は環状である。シュラウド24は、複数のブレード22の上端に接続される。シュラウド24は、複数のブレード22を相互に連結する。シュラウド24によって複数のブレード22が周方向に沿って配置される。
【0016】
ボス部26の外縁部は、複数のブレード22の下端に接続される。ボス部26は、外縁部から径方向内方に向かって上方へ向けて傾斜する。ボス部26の軸中心Pは、駆動源12の回転シャフト18が挿通されてナット20で連結される。ファン14と駆動源12の回転シャフト18とが同軸に配置される。
【0017】
駆動源12の回転シャフト18が回転することで、該回転シャフト18と共にファン14が回転する。ファン14が回転することで上方に開口したシュラウド24を通じて内部へ空気が取り込まれる。ボス部26の中心の近傍から該ボス部26の外縁部に向けて空気が下方且つ径方向外方へと流れた後、複数のブレード22の間を通じて空気が径方向外方へと送出される。
【0018】
ここでは、
図1に示される遠心式送風機10を上方から見たとき、ファン14が反時計回り(矢印F方向)に回転する場合について説明する。
【0019】
ケーシング16は、ケース本体28と、ハウジング30とを備える。
【0020】
ケース本体28の内部には、ファン14が回転可能に収容される。ケース本体28は、アッパーケース32と、ロアケース34とを有する。アッパーケース32及びロアケース34は、上下方向に分割可能である。ケース本体28は、通路部36を有する。
【0021】
通路部36は、アッパーケース32とロアケース34とに跨るように配置される。通路部36は、ファン14の径方向外方を旋回するように形成される。通路部36は、渦巻通路(第1通路部)38と、吐出通路(第2通路部)40とを備える。
【0022】
渦巻通路38は、通路部36の巻き始めから巻き終わりに向かって螺旋状である。渦巻通路38の外周壁は、渦巻通路38の巻き始めから巻き終わりに向けて徐々に径方向外方へと離間する。すなわち、渦巻通路38の巻き始めから巻き終わりに向けて、渦巻通路38の通路断面積が大きくなる。
【0023】
吐出通路40は、渦巻通路38の巻き終わりに接続される。吐出通路40は、渦巻通路38の巻き終わりから接線方向に向かって直線状に延在する。吐出通路40の下流端には吐出口42が開口している。
【0024】
渦巻通路38の巻き始めと吐出通路40との間に舌部44を備える。舌部44は、渦巻通路38の外周壁と吐出通路40の内周壁との接続部位に配置される。ファン14の軸方向から見て、舌部44の断面形状は、円弧状である。舌部44は、渦巻通路38の巻き始めに向かって凸状である。舌部44によって渦巻通路38の巻き終わりから渦巻通路38の巻き始めへの空気の逆流を防止する。
【0025】
アッパーケース32は、ケーシング16において上部に配置される。アッパーケース32の下端は開口する。
【0026】
アッパーケース32の上部は、空気取入口46と、ベルマウス48と、外壁50とを備える。空気取入口46は、円形状に開口する。空気取入口46は、アッパーケース32の上部の略中央に配置される。空気取入口46を介してアッパーケース32の外部と内部とが上下方向に連通する。ベルマウス48は、空気取入口46の外縁に配置される。ベルマウス48は環状(円形)である。ベルマウス48は、空気取入口46の外縁を径方向外方へ向けて折り返して形成される。
図2に示されるようにベルマウス48の断面形状は、上方に向けて膨出する円弧状である。
【0027】
空気取入口46及びベルマウス48は、ファン14の上方に配置される。空気取入口46及びベルマウス48は、ファン14に向かい合う。空気取入口46及びベルマウス48とファン14とが同軸上に配置される。空気取入口46を通じてケーシング16の内部へ空気が取り込まれるとき、ベルマウス48によって前記空気が空気取入口46へ向けて案内される。
【0028】
ベルマウス48は、リブ52を備える。リブ52は、ベルマウス48から上方へ向けて突出する。リブ52は、一定厚さの板状である。ベルマウス48からのリブ52の突出高さは略一定である。
図1に示されるケーシング16を上方から見たとき、リブ52は、径方向外方へ向けて膨らむ円弧状である。リブ52の一部が、ベルマウス48の上部に接続される。
【0029】
リブ52は、仕切り板54と、一組の第1及び第2延在部56、58とを備える。仕切り板54は、リブ52の延在方向に沿った略中央に配置される。仕切り板54は、ファン14の軸中心Pを曲率中心とした一定半径の円弧形状である。仕切り板54とファン14の軸中心Pとの径方向距離Mは一定である。仕切り板54は、ベルマウス48の上部に接続される。
【0030】
ケーシング16を上方から見たとき、第1延在部(延在部)56は、仕切り板54に対してファン14の回転方向(矢印F方向、反時計回りの方向)に隣接する。第1延在部56は、仕切り板54の端部からファン14の回転方向に向けて延在する。第1延在部56は、ファン14の回転方向(反時計回りの方向)の端部である第1端部561を備える。
【0031】
第1延在部56は、仕切り板54に向かう端部から第1端部561に向けて徐々に径方向外方へ拡がる。第1延在部56は、ベルマウス48から徐々に径方向外方へ離間する。第1延在部56とファン14の軸中心Pとの径方向距離Mは、第1端部561に向けて徐々に大きくなる。
【0032】
図1に示されるケーシング16を上方から見たとき、第1端部561は、アッパーケース32の上部に向かい合う。第1端部561は、吐出通路40に向かうように延在する。
【0033】
ケーシング16を上方から見たとき、第2延在部(延在部)58は、仕切り板54に対してファン14の回転方向と反対方向(矢印G方向、時計回りの方向)に隣接する。第2延在部58は、仕切り板54の端部からファン14の回転方向と反対方向(時計回りの方向)に向けて延在する。第2延在部58は、ファン14の回転方向と反対方向(時計回りの方向)の端部である第2端部581を備える。
【0034】
第2延在部58は、仕切り板54に向かう端部から第2端部581に向けて徐々に径方向外方へ拡がる。第2延在部58とファン14の軸中心Pとの径方向距離Mは、第2端部581に向けて徐々に大きくなる。第2延在部58は、ベルマウス48から徐々に径方向外方へ離間する。第2端部581は、ベルマウス48から離間して配置される。
【0035】
図1に示されるケーシング16を上方から見たとき、第2端部581は、アッパーケース32の上部に向かい合う。第2端部581は、渦巻通路38の上方に配置される。すなわち、リブ52は、第1延在部56の第1端部561から第2延在部58の第2端部581まで所定長さを有する。
【0036】
図1及び
図3に示されるケーシング16を上方から見て、ファン14の軸中心(回転シャフト18の軸中心)をPとし、前記軸中心Pから舌部44の先端に接する線分を仮想線Lとすると、該仮想線Lからファン14の回転方向とは反対方向(矢印G方向、時計回りの方向)へ向かって50°~170°となる角度範囲θに収まるようにリブ52が配置される。リブ52は、仮想線Lからファン14の回転方向とは反対方向(矢印G方向、時計回りの方向)へ向かって50°~170°以外の角度範囲には配置されない。すなわち、リブ52は、角度範囲θから外れる範囲には配置されない。
【0037】
換言すれば、リブ52の角度範囲θにおいて、第1延在部56の第1端部561が、最小角度となる位置に配置され、第2延在部58の第2端部581が、最大角度となる位置に配置される。リブ52は、角度範囲θである50°~170°の範囲内であれば、どこに配置されてもよい。
【0038】
仕切り板54は、仮想線Lからファン14の回転方向とは反対方向(矢印G方向、時計回りの方向)へ向かって70°~150°の角度範囲に収まるように配置される。すなわち、仕切り板54は、第1延在部56の第1端部561から第2延在部58の第2端部581まで延在方向に沿って70°以上の角度範囲で延在する。
【0039】
仕切り板54は、最接近部60を備える。最接近部60は、リブ52とファン14の軸中心Pとの径方向距離Mが最も小さい。最接近部60は、仕切り板54の延在方向に沿った一端と他端との間に配置される。最接近部60及び最接近部60の近傍は、ベルマウス48の上部に接続される。
【0040】
外壁50は、フィルタ64を支持可能である。外壁50は、空気取入口46よりも外方に配置される。外壁50は、遠心式送風機10の搭載される車両において、外気を取り込むためのダクト(図示せず)が接続される。ケーシング16の上方から見て、外壁50は、矩形状である。
【0041】
外壁50は、空気取入口46及びベルマウス48を取り囲む。外壁50は、通路部36の上壁から上方へ向けて突出する。外壁50の上端は、ケーシング16の上下方向に沿って同一高さである。外壁50の上端は、係合段部62を備える。係合段部62は、上端の内方に配置される。係合段部62は、上端よりも下方に窪んだ段差状である。係合段部62は、外壁50に沿って延在する。係合段部62には、フィルタ64の底部が係合される。
【0042】
フィルタ64は、空気が通過可能なメッシュ状である。フィルタ64を空気が通過することで、前記空気に含まれる塵埃等が前記フィルタ64に捕捉される。フィルタ64は、外壁50によってケーシング16の上部に略水平に支持される。フィルタ64は、空気取入口46から上方へ所定距離離間して配置される。フィルタ64の下面は、リブ52の上端に接触又は非接触である。
【0043】
フィルタ64の下面とアッパーケース32との間にチャンバ66を備える。チャンバ66は、フィルタ64の下面、アッパーケース32の上面、外壁50によって囲まれた空間である。チャンバ66は、ケーシング16の上方から見て略矩形状である。
【0044】
ロアケース34は、アッパーケース32の下部に配置される。ロアケース34の上端は開口する。ロアケース34の上端とアッパーケース32の下端とが接続される。ロアケース34の中央には、挿通孔68を介して駆動源12及びハウジング30が挿通されて保持される。
【0045】
ハウジング30は、ホルダ部70と、フランジ部72とを備える。ホルダ部70は、有底筒状である。ホルダ部70の内部には、駆動源12の一部が収容される。ホルダ部70の上部は、駆動源12と共に挿通孔68を通じてケーシング16の内部へ挿入される。
【0046】
フランジ部72は、ホルダ部70の外周面から径方向外方へ延出する。フランジ部72は、ロアケース34の下面に当接して固定される。これにより、ケーシング16の下部にハウジング30が取り付けられる。
【0047】
次に、遠心式送風機10の動作について説明する。
【0048】
図示しないコントローラからの制御信号に基づいて駆動源12が駆動する。駆動源12の駆動に伴って、回転シャフト18と共にファン14が回転する。ファン14が回転することで、図示しないダクトを通じて空気(外気)がケーシング16の空気取入口46に向けて流れる。前記ダクトを流れる空気がフィルタ64を通過した後、前記空気がチャンバ66内に導入される。空気中に含まれる塵埃等は、フィルタ64によって捕捉されて取り除かれる。
【0049】
チャンバ66において、リブ52よりも径方向内方へ導入された空気、又は、リブ52が配置されていない部位へ導入された空気は、空気取入口46に向けて流れて空気取入口46から取り込まれる。
【0050】
チャンバ66において、リブ52よりも径方向外方へ導入された空気は、該リブ52によって径方向内方への流れが妨げられる。リブ52に沿って空気が第1端部561及び第2端部581に向けてそれぞれ流れた後、該第1端部561及び第2端部581を越えた位置で空気が径方向内方へ向けて流れる。その後、空気は、空気取入口46から取り込まれる。
【0051】
すなわち、空気取入口46(ベルマウス48)の周方向において、リブ52の配置された角度範囲θでは空気取入口46への空気の流入が規制される。空気取入口46の径方向外方から該空気取入口46への空気の取り込み範囲を、リブ52によって調整可能である。
【0052】
そして、チャンバ66から空気取入口46を通じてケーシング16の内部に空気が吸い込まれた後、前記空気は、シュラウド24を通じてファン14の内部へと取り込まれボス部26に沿って下方且つ径方向外方へと導かれる。ボス部26の外縁まで流れた空気は、隣接する2つのブレード22の内周側端部から外周側端部22aの間を通過した後に、前記外周側端部22aから径方向外方の渦巻通路38へ向けて送出される(
図3参照)。ファン14の反時計回り(矢印F方向)の回転に伴って、空気が渦巻通路38の巻き始めから巻き終わりに向けて反時計回りに流れる。
【0053】
空気取入口46から空気が取り込まれてファン14のブレード22を通じて渦巻通路38へと送出されるとき、前記空気取入口46で空気が取り込まれる吸気タイミングと、前記空気が渦巻通路38へと送出される排気タイミングとの間に時間差が生じる。この時間差によって、空気取入口46で取り込まれた空気は、前記ファン14の回転方向に所定距離だけずれた位置で渦巻通路38へと送出される。換言すれば、ファン14の回転方向(矢印F方向)において、空気取入口46からファン14に向けて取り込まれる空気と、該ファン14から通路部36へと送出される空気とに位相のずれが発生する。
【0054】
ファン14から渦巻通路38へ向けて空気が送出されるとき、渦巻通路38に沿って旋回する空気の流れと、ブレード22の外周側端部22aの角度との関係から、前記空気は、ファン14の回転方向に沿った向きで送出される。
【0055】
このとき、リブ52が角度範囲θに収まるように配置され、該角度範囲θにおける空気取入口46からファン14へ向けた空気の取り込みが規制されている。そのため、舌部44よりもファン14の回転方向の反対方向(矢印G方向、時計回りの方向)に沿った所定範囲(角度範囲θ)では、前記ファン14から前記渦巻通路38へ向けて空気が送出されない。
【0056】
すなわち、リブ52の角度範囲θは、舌部44の近傍へ空気を送出するブレード22の位置、渦巻通路38に沿って流通する空気の流れ、ブレード22の外周側端部22aの角度との関係に基づいて、舌部44よりもファン14の回転方向の反対方向(時計回りの方向)となる所定範囲に設定される。
【0057】
これにより、渦巻通路38へ送出された空気と舌部44との衝突が防止される。そのため、ファン14から送出された空気の流れが舌部44に衝突することに起因した騒音の発生が抑制される。
【0058】
そして、ファン14から渦巻通路38へと送出された空気は、渦巻通路38に沿って巻き終わりまで流れた後、吐出通路40を経て空気が吐出口42から外部(図示しない空調装置)へと導出される。
【0059】
図4は、遠心式送風機10を駆動させたときに生じる騒音の周波数と騒音レベルとの関係を示す特性曲線図である。実線で示す第1特性曲線Jは、本実施形態に係る遠心式送風機10の特性である。二点鎖線で示す第2特性曲線Qは、リブ52を50°未満の角度範囲θに配置した遠心式送風機の特性である。破線で示す第3特性曲線Kは、リブ52を備えていない遠心式送風機の特性である。
【0060】
図4から諒解されるように、リブ52を備えた遠心式送風機10の第1特性曲線J及び第2特性曲線Qの騒音レベルの最大値はいずれも、第3特性曲線Kの騒音レベルの最大値よりも小さい。第1特性曲線Jの騒音レベルの最大値は、第2特性曲線Qの騒音レベルの最大値よりもさらに小さい。
【0061】
周波数の略全域において、第1特性曲線J及び第2特性曲線Qの騒音レベルは、第3特性曲線Kの騒音レベルよりも小さい。周波数の略全域において、第1特性曲線Jの騒音レベルは、第2特性曲線Qの騒音レベルよりもさらに小さい。
【0062】
これにより、リブ52を備えると共に、該リブ52を仮想線Lに対して50°以上の角度範囲θに配置すると、遠心式送風機10を駆動させたときの騒音レベルを効果的に低減できることが諒解される。
【0063】
リブ52において、第1端部561の角度を50°より小さくし、第1延在部56を仕切り板54から離間する方向(矢印F方向、反時計回りの方向)へ延長した場合、第1端部561の角度を50°より大きくし、第1延在部56を仕切り板54へ向けて短くした場合のいずれにおいても、リブ52の角度範囲θを、50°~170°とした場合と比較して騒音レベルが大きくなる。
【0064】
リブ52において、第2端部581の角度を170°より小さくし、第2延在部58を仕切り板54に向けて短くした場合は、リブ52の角度範囲θを、50°~170°とした場合と比較して騒音レベルが大きくなる。そのため、リブ52を、50°~170°の角度範囲θに収まるように配置し、前記50°~170°以外の角度範囲に前記リブ52を配置しないことが望ましい。
【0065】
以上のように、本発明の実施形態では、ケーシング16において、空気取入口46の外縁にベルマウス48を備え、前記ベルマウス48から上方へ向けて突出するリブ52を有している。リブ52は、ファン14から通路部36へと送出された空気が舌部44に衝突することを抑制する。リブ52は、ファン14の軸中心Pと舌部44の先端とを結ぶ仮想線Lに対し、該ファン14の回転方向とは反対方向へ向かって50°~170°の角度範囲θに収まるように配置される。
【0066】
これにより、空気取入口46からファン14に向けて空気を取り込むとき、リブ52によって所定範囲から空気取入口46への空気の取り込みが規制される。換言すれば、リブ52を備えることによってチャンバ66から空気取入口46へ空気が取り込まれるときの吸気抵抗を高めている。
【0067】
そのため、ファン14から渦巻通路38へ空気が送出されるとき、舌部44の近傍へ向かう空気の流れを制限し、空気の流れが舌部44に衝突することを抑制できる。リブ52を50°~170°の角度範囲θに収まるように限定して配置することで、ファン14において複数のブレード22のうちの一部のブレード22のみで吸気抵抗を高めることができる。
【0068】
その結果、ファン14が回転して空気を空気取入口46から通路部36へと送出するときの送風効率の低下を抑制しつつ、空気の流れが舌部44に衝突することによる騒音の発生を抑制できる。遠心式送風機10において、送風効率の確保と騒音の低下とを両立させることができる。
【0069】
リブ52は、ファン14の軸中心Pを曲率中心とする円弧形状を有した仕切り板54を有する。ファン14の軸中心Pと舌部44の先端とを結ぶ仮想線Lに対し、仕切り板54は、前記ファン14の回転方向とは反対方向へ向かって70°~150°の角度範囲θに収まるように配置される。仕切り板54は、70°以上の角度範囲で延在する。これにより、仕切り板54によって空気取入口46からファン14に向けた空気の取り込みを規制し、前記ファン14から通路部36へ送出される空気の送出範囲を制限することで、前記空気の流れと舌部44との衝突を効果的に抑制できる。
【0070】
リブ52は、仕切り板54の延在方向の端部から延出した第1及び第2延在部56、58を有し、前記第1及び第2延在部56、58とファン14の軸中心Pとの径方向距離Mは、前記仕切り板54と前記軸中心Pとの径方向距離Mよりも大きい。これにより、チャンバ66において空気が第1及び第2延在部56、58を回り込んで空気取入口46へ向けて流れやすくなる。そのため、ファン14が回転して空気取入口46から空気を取り込むときの吸気抵抗が、第1及び第2延在部56、58の近傍で小さくなる。
【0071】
従って、仕切り板54によってチャンバ66からファン14へ向かう空気の流れを規制して舌部44の近傍における騒音の発生を抑制しつつ、第1及び第2延在部56、58によって送風効率の低下をより一層抑制できる。すなわち、リブ52と空気取入口46(ファン14の軸中心P)との径方向距離Mを変化させることで、ファン14の吸気抵抗を変化させることが可能である。リブ52と空気取入口46(ファン14の軸中心P)との径方向距離Mを小さくすると吸気抵抗が高まり、騒音をより低減させることができる。リブ52と空気取入口46との径方向距離Mを大きくすると吸気抵抗が低下し、送風効率を高めることができる。
【0072】
次に、
図5A及び
図5Bに示される第1変形例に係る遠心式送風機80について説明する。
【0073】
この遠心式送風機80は、フィルタ64の底面を支持するフィルタ支持部82を備える。フィルタ支持部82は、アッパーケース32の空気取入口46に配置される。フィルタ支持部82は、空気取入口46を横切るように配置される。フィルタ支持部82は、3本の支持片841、842、843を有する。
【0074】
支持片841、842、843は、所定長さを有した直線状である。3本の支持片841、842、843の上端は同一高さである。3本の支持片841、842、843の一端は、空気取入口46の中心で互いに接続される。3本の支持片841、842、843は、互いに接続された支持片841、842、843の一端から径方向外方へ向けて三方に延在する。支持片841、842、843の他端は、ベルマウス48の上部に接続される。3本の支持片841、842、843の他端は、ベルマウス48の周方向において互いに等間隔離間する。すなわち、フィルタ支持部82は、放射状に配置される。
【0075】
3本の支持片841、842、843のうちの1本の支持片841は、支持片841の他端がリブ86に向かい合う。支持片841の他端は、リブ86における仕切り板88の端部に接続される。仕切り板88の端部は、ファン14の回転方向に沿った端部である。
【0076】
外壁50の係合段部62にフィルタ64が支持されたとき、フィルタ64の底面が支持片841、842、843の上端に当接する。フィルタ64の底面は、係合段部62及び3本の支持片841、842、843によって支持される。
【0077】
この遠心式送風機80では、ファン14の回転に伴ってチャンバ66へ空気が取り込まれて空気取入口46へ向けて流れる。このとき、リブ86の径方向外方の空気は、該リブ86に沿って仕切り板88の端部へ向けて流れた後、該端部に接続された支持片841によって空気の径方向内方への巻き込みが抑制される。すなわち、支持片841は、空気が仕切り板88の端部を越えて空気取入口46へ流れる際の吸気抵抗となる。
【0078】
これにより、フィルタ64を支持する目的で備えられたフィルタ支持部82の支持片841を、吸気抵抗を高めるためのリブ86の一部として利用することができる。その結果、フィルタ支持部82を備えていない遠心式送風機10と比較し、ファン14の回転方向に沿ったリブ86の長さを短くすることができる。リブ86の長さを短くしても、フィルタ支持部82を備えていない遠心式送風機10のリブ52と同様に騒音の低下を図ることができる。リブ86を短くすることで、ファン14の送風効率の低下を抑制することができる。
【0079】
フィルタ支持部82の支持片841とリブ86の仕切り板88とを接続することで、前記リブ86の剛性を高めることができる。なお、支持片841の代わりに、支持片842、843をリブ86に接続してもよい。
【0080】
図6に示される第2変形例に係る遠心式送風機90は、フィルタ支持部82における3本の支持片841、842、843のうちの1本の支持片841の他端を、リブ92における仕切り板54の最接近部60に接続している。
【0081】
この遠心式送風機90では、ファン14の回転に伴ってチャンバ66へ空気が取り込まれて空気取入口46へ向けて流れる。空気取入口46へ空気が取り込まれるとき、支持片841、842、843が吸気抵抗となる。
【0082】
これにより、フィルタ64及びチャンバ66を通じて空気が空気取入口46へ吸い込まれるとき、リブ92で発生する吸気抵抗に加え、3本の支持片841、842、843で発生する吸気抵抗の一部を利用することができる。その結果、フィルタ64を支持する目的で備えられたフィルタ支持部82の吸気抵抗を利用することで、リブ92を配置したことによる送風効率の低下を抑制することが可能である。フィルタ支持部82の吸気抵抗を利用することで、リブ92を小さくすることが可能である。
【0083】
支持片841とリブ92とを接続することで、前記リブ92の剛性を高めることができる。
【0084】
上記の実施形態をまとめると、以下のようになる。
【0085】
上記の実施形態は、ケーシング(16)と、
該ケーシングの内部に回転可能に収容され軸方向に吸入した空気を径方向外方へ向けて送風するファン(14)と、
前記ケーシングに収容され前記ファンを回転駆動させる駆動源(12)と、を備え、
前記ケーシングは、前記ファンに向かい合い該ケーシングの軸方向一端に開口した空気取入口(46)と、前記ファンの径方向外方に配置される渦巻状の第1通路部(38)と、該第1通路部の巻き終わりから吐出口(42)まで延在する第2通路部(40)と、前記第1通路部の巻き始めと前記第2通路部との接続部位に配置される舌部(44)と、前記空気取入口の外縁に配置される円形のベルマウス(48)とを有し、
前記ファンが回転することで前記空気取入口から前記空気を取り込んで前記第1通路部へと送出する遠心式送風機(10、80、90)において、
前記ベルマウスの前記ファンとは反対側の端部から前記軸方向に沿って前記ファンから離間する方向へ突出し、少なくとも一部が前記ベルマウスに接続され、前記ファンから吐き出された前記空気が前記舌部に衝突することを抑制するリブ(52、86、92)を備え、
前記リブは、前記ファンの軸中心(P)と前記舌部の先端とを結ぶ線分(L)に対し、前記ファンの回転方向とは反対方向へ向かって50°~170°の角度範囲(θ)に収まるように配置され、前記角度範囲から外れる範囲には配置されない。
【0086】
前記リブは、前記ファンの前記軸中心を曲率中心とする円弧形状を有する仕切り板(54、88)を有し、
前記仕切り板は、前記線分に対し、前記回転方向とは反対方向へ向かって70°~150°の角度範囲に収まるように配置される。
【0087】
前記仕切り板は、70°以上の角度範囲で延在する。
【0088】
前記リブは、前記仕切り板の延在方向の少なくとも一端から延出した延在部(56、58)を有し、
前記延在部と前記軸中心との距離は、前記仕切り板と前記軸中心との距離よりも大きい。
【0089】
前記ファンと反対側で、前記ベルマウスから離間して配置されたフィルタ(64)を備え、
前記ケーシングは、前記フィルタと前記ベルマウスとの間に配置されて前記フィルタを支持可能なフィルタ支持部(82)を備え、
前記フィルタ支持部は、前記ファンの軸方向から見て、前記空気取入口を横切るように延在し、
前記フィルタ支持部と前記仕切り板とが接続される。
【0090】
前記ファンの回転方向に沿った前記仕切り板の少なくとも一方の端部に、前記フィルタ支持部が接続される。
【0091】
前記仕切り板の延在方向に沿った一端と他端との間に前記フィルタ支持部が接続される。
【0092】
なお、本発明は、上述した実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を取り得る。
【符号の説明】
【0093】
10、80、90…遠心式送風機 12…駆動源
14…ファン 16…ケーシング
38…渦巻通路 44…舌部
46…空気取入口 48…ベルマウス
52、86、92…リブ 54、88…仕切り板
56…第1延在部 58…第2延在部
64…フィルタ 82…フィルタ支持部
841、842、843…支持片