IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ニューギンの特許一覧

<>
  • 特開-遊技機 図1
  • 特開-遊技機 図2
  • 特開-遊技機 図3
  • 特開-遊技機 図4
  • 特開-遊技機 図5
  • 特開-遊技機 図6
  • 特開-遊技機 図7
  • 特開-遊技機 図8
  • 特開-遊技機 図9
  • 特開-遊技機 図10
  • 特開-遊技機 図11
  • 特開-遊技機 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023061127
(43)【公開日】2023-05-01
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20230424BHJP
【FI】
A63F7/02 334
A63F7/02 315A
A63F7/02 326Z
A63F7/02 320
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021170933
(22)【出願日】2021-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100148563
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 実
(72)【発明者】
【氏名】逵井 真嘉
(72)【発明者】
【氏名】杉崎 正範
(72)【発明者】
【氏名】切替 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】堀池 勇太
【テーマコード(参考)】
2C088
2C333
【Fターム(参考)】
2C088AA12
2C088AA42
2C088BA03
2C088BC27
2C088CA08
2C088CA19
2C088EB24
2C088EB64
2C333AA11
2C333DA04
(57)【要約】
【課題】適切にエラーを報知することができる遊技機を提供すること。
【解決手段】主制御CPUは、普通当り遊技における普通動作部材の開放制御の実行中に第2始動口監視フラグを設定することにより、第2始動口の異常監視期間を設定する。そそして、主制御CPUは、第2始動口の異常監視期間中に第2始動センサによって遊技球が検知された場合に第2始動口異常入賞エラーと判定する。普通動作部材の開放制御には、第1開放制御と第2開放制御とがある。そして、第1開放制御を実行する場合、主制御CPUは、該第1開放制御の実行中である期間の全体にわたって第2始動口の異常監視期間を設定する。一方で、第2開放制御を実行する場合、主制御CPUは、該第2開放制御において普通動作部材が開状態に動作する時間よりも長い時間にわたって、第2始動口の異常監視期間を設定しない。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が入球可能な特定入球手段と、
前記特定入球手段に遊技球が入球可能な開状態、及び前記開状態よりも前記特定入球手段に遊技球が入球しにくい又は入球不能な閉状態に動作可能な開閉部材と、
前記特定入球手段に入球した遊技球を検知する特定検知手段と、
前記開閉部材を前記開状態に動作させる制御を含む開放制御を実行可能な開閉制御手段と、
エラーの判定に関する制御を行うエラー判定手段と、
エラーの報知を行うエラー報知手段と、を備え、
前記エラー判定手段は、前記開放制御の実行中にエラー判定期間を設定し、該エラー判定期間内に規定個数の遊技球が前記特定検知手段により検知された場合に特定エラーと判定するようになっており、
前記エラー報知手段は、前記エラー判定手段により前記特定エラーと判定された場合に前記特定エラーの報知を実行可能であり、
前記開放制御には、第1開放態様で前記開閉部材を動作させる制御を含む第1開放制御と、第2開放態様で前記開閉部材を動作させる制御を含む第2開放制御と、があり、
前記エラー判定期間は、
前記第1開放制御が実行されるときには、該第1開放制御の実行中である期間の全体にわたって設定される一方で、
前記第2開放制御が実行されるときには、該第2開放制御の実行中である期間のうち少なくとも一部の期間について設定されないようになっており、
前記第2開放制御の実行中である期間のうち前記エラー判定期間が設定されない期間は、前記第2開放制御において前記開閉部材が前記開状態に制御される時間よりも長いことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技状態を制御する遊技状態制御手段を備え、
前記遊技状態には、第1遊技状態と、第2遊技状態と、があり、
前記開閉制御手段は、前記第1遊技状態中に前記第1開放制御を実行可能である一方で、前記第2遊技状態中に前記第2開放制御を実行可能であり、
前記エラー報知手段は、
前記第1遊技状態である場合、前記第1開放制御の実行中に前記特定検知手段により遊技球が検知されたことを条件として、前記特定エラーの報知を実行可能である一方で、
前記第2遊技状態中に前記第2開放制御が実行され、該第2開放制御の実行中に前記第1遊技状態に移行した場合、該第2開放制御の実行中に前記特定検知手段により遊技球が検知されたときであっても、前記特定エラーの報知を実行しない請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
エラーの発生を示すエラー信号を機外部に出力するエラー信号出力手段を備え、
前記第1遊技状態中であって前記第1開放制御の実行中における前記エラー判定期間内に前記特定検知手段により前記規定個数の遊技球が検知されたときには、前記エラー報知手段により前記特定エラーの報知が実行されるとともに、前記エラー信号出力手段によりエラー信号が出力される一方で、
前記第2遊技状態中であって前記第1開放制御の実行中における前記エラー判定期間内に前記特定検知手段により前記規定個数の遊技球が検知されたときには、前記エラー報知手段による前記特定エラーの報知が実行されることなく、前記エラー信号出力手段によりエラー信号が出力される請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記特定検知手段による遊技球の検知が有効である場合に所定の制御を実行する有効制御手段を備え、
前記有効制御手段は、予め定めた有効期間内に前記特定検知手段により遊技球が検知された場合に、該特定検知手段による遊技球の検知を有効とするようになっており、
前記エラー報知手段は、
前記第1開放制御に伴う前記有効期間中に前記特定検知手段により遊技球が検知されたことを条件として、前記特定エラーの報知を実行可能である一方で、
前記第2開放制御に伴う前記有効期間中に前記特定検知手段により遊技球が検知されたときには、前記特定エラーの報知を実行しない請求項1~請求項3のうち何れか一項に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、遊技機の一種であるパチンコ遊技機には、所定の入球手段に遊技球が入球可能な開状態と、開状態よりも所定の入球手段に遊技球が入球しにくい又は入球不能な閉状態に動作可能な開閉部材を備えているものがある。そして、このような遊技機では、所定の入球手段への遊技球の入球態様が異常な態様であるときには、エラーを報知することが行われている。例えば、特許文献1の遊技機では、第2始動口を開放及び閉鎖させる開閉部材としての普通電動役物を備えている。そして、特許文献1の遊技機では、普通電動役物の未作動時に第2始動口への遊技球の入球が検知されたときには、普通電動役物不正入賞エラーが報知される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-93702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような遊技機では、所定の入球手段への遊技球の入球態様に関するエラーについての制御をさらに工夫することで、より適切にエラーを報知することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する遊技機は、遊技球が入球可能な特定入球手段と、前記特定入球手段に遊技球が入球可能な開状態、及び前記開状態よりも前記特定入球手段に遊技球が入球しにくい又は入球不能な閉状態に動作可能な開閉部材と、前記特定入球手段に入球した遊技球を検知する特定検知手段と、前記開閉部材を前記開状態に動作させる制御を含む開放制御を実行可能な開閉制御手段と、エラーの判定に関する制御を行うエラー判定手段と、エラーの報知を行うエラー報知手段と、を備え、前記エラー判定手段は、前記開放制御の実行中にエラー判定期間を設定し、該エラー判定期間内に規定個数の遊技球が前記特定検知手段により検知された場合に特定エラーと判定するようになっており、前記エラー報知手段は、前記エラー判定手段により前記特定エラーと判定された場合に前記特定エラーの報知を実行可能であり、前記開放制御には、第1開放態様で前記開閉部材を動作させる制御を含む第1開放制御と、第2開放態様で前記開閉部材を動作させる制御を含む第2開放制御と、があり、前記エラー判定期間は、前記第1開放制御が実行されるときには、該第1開放制御の実行中である期間の全体にわたって設定される一方で、前記第2開放制御が実行されるときには、該第2開放制御の実行中である期間のうち少なくとも一部の期間について設定されないようになっており、前記第2開放制御の実行中である期間のうち前記エラー判定期間が設定されない期間は、前記第2開放制御において前記開閉部材が前記開状態に制御される時間よりも長いことを要旨とする。
【0006】
上記遊技機について、遊技状態を制御する遊技状態制御手段を備え、前記遊技状態には、第1遊技状態と、第2遊技状態と、があり、前記開閉制御手段は、前記第1遊技状態中に前記第1開放制御を実行可能である一方で、前記第2遊技状態中に前記第2開放制御を実行可能であり、前記エラー報知手段は、前記第1遊技状態である場合、前記第1開放制御の実行中に前記特定検知手段により遊技球が検知されたことを条件として、前記特定エラーの報知を実行可能である一方で、前記第2遊技状態中に前記第2開放制御が実行され、該第2開放制御の実行中に前記第1遊技状態に移行した場合、該第2開放制御の実行中に前記特定検知手段により遊技球が検知されたときであっても、前記特定エラーの報知を実行しないようにしてもよい。
【0007】
上記遊技機について、エラーの発生を示すエラー信号を機外部に出力するエラー信号出力手段を備え、前記第1遊技状態中であって前記第1開放制御の実行中における前記エラー判定期間内に前記特定検知手段により前記規定個数の遊技球が検知されたときには、前記エラー報知手段により前記特定エラーの報知が実行されるとともに、前記エラー信号出力手段によりエラー信号が出力される一方で、前記第2遊技状態中であって前記第1開放制御の実行中における前記エラー判定期間内に前記特定検知手段により前記規定個数の遊技球が検知されたときには、前記エラー報知手段による前記特定エラーの報知が実行されることなく、前記エラー信号出力手段によりエラー信号が出力されるようにしてもよい。
【0008】
上記遊技機について、前記特定検知手段による遊技球の検知が有効である場合に所定の制御を実行する有効制御手段を備え、前記有効制御手段は、予め定めた有効期間内に前記特定検知手段により遊技球が検知された場合に、該特定検知手段による遊技球の検知を有効とするようになっており、前記エラー報知手段は、前記第1開放制御に伴う前記有効期間中に前記特定検知手段により遊技球が検知されたことを条件として、前記特定エラーの報知を実行可能である一方で、前記第2開放制御に伴う前記有効期間中に前記特定検知手段により遊技球が検知されたときには、前記特定エラーの報知を実行しないようにしてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、適切にエラーを報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】パチンコ遊技機を示す正面図である。
図2】遊技盤を示す正面図である。
図3】第2大入賞口内の通路を模式図である。
図4】各入球率状態の仕様を示す説明図である。
図5】大当り図柄の種類を示す説明図である。
図6】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図である。
図7】特別図柄入力処理を示すフローチャートである。
図8】(a)及び(b)は、第2始動センサの有効期間を示す説明図である。
図9】エラーの種類を示す説明図。
図10】第2始動口異常入賞エラーに関する制御の具体的な一例を示すタイミングチャート。
図11】第2始動口異常入賞エラーに関する制御の具体的な一例を示すタイミングチャート。
図12】第2始動口異常入賞エラーに関する制御の具体的な一例を示すタイミングチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、パチンコ遊技機の一実施形態について説明する。以下の説明において、上、下、左、右、前(表)、及び後(裏)は、遊技者から見たときの各方向を示すものとする。
図1に示すように、遊技機としてのパチンコ遊技機10は、枠体11を備える。枠体11は、パチンコ遊技機10を遊技店などの島設備に固定するための設置枠11aと、各種の遊技部品を搭載するための搭載枠11bと、を含んで構成される。搭載枠11bは、設置枠11aに対して開閉可能となるように、設置枠11aの開口部の一側縁部に対して軸支されている。パチンコ遊技機10は、搭載枠11bが開放されないように施錠する図示しない施錠装置を備える。施錠装置は、該施錠装置に適合する鍵を差し込んで所定方向へ回動させることにより解錠され、搭載枠11bの開放を許容するように構成されている。
【0012】
パチンコ遊技機10は、遊技盤YBを備える。遊技盤YBは、搭載枠11bに搭載されている。遊技盤YBの前面側には、遊技媒体としての遊技球が流下する遊技領域YBaが形成されている。言い換えれば、遊技盤YBは、遊技球が流下可能な遊技領域を有する。パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDを備える。発射ハンドルHDは、遊技球を遊技領域YBaへ打ち出すときに操作される手段である。発射ハンドルHDは、搭載枠11bの前面側に設けられている。パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDの回動操作量を調整することによって、遊技球の発射強度を調整できるように構成される。
【0013】
パチンコ遊技機10は、装飾ランプLAを備える。装飾ランプLAは、発光体の発光により各種の報知及び各種の演出を実行可能である。以下の説明では、発光体の発光による演出を「発光演出」と示す。即ち、装飾ランプLAは、発光体を発光させて行う発光演出を実行可能である。なお、本明細書における「発光」には、点灯、点滅、及び消灯を含む。以下の説明では、装飾ランプLAの発光体が発光することを、単に「装飾ランプLAが発光する」と示す場合がある。
【0014】
パチンコ遊技機10は、スピーカSPを備える。スピーカSPは、音声の出力により各種の報知及び各種の演出を実行可能である。以下の説明では、音声の出力による演出を「音声演出」と示す。即ち、スピーカSPは、音声を出力させて行う音声演出を実行可能である。以下の説明では、音声を出力させて行う演出を「音声演出」と示す。なお、本明細書における「音声」には、人や動物の声、効果音、及び楽曲などを含む。スピーカSPは、例えば、枠体11に設けられる。
【0015】
パチンコ遊技機10は、情報表示装置12を備えている。例えば、情報表示装置12は、遊技盤YBにおいて、遊技者から視認可能な位置に配設されている。情報表示装置12では、パチンコ遊技機10の制御状態を示す各種の情報が報知される。
【0016】
情報表示装置12は、図柄を変動させて行う変動ゲームとしての特別ゲームを表示可能な表示部として、第1特別図柄表示部12a及び第2特別図柄表示部12bを備える。特別ゲームでは、所定の図柄が変動表示され、最終的に特別図柄が確定停止表示される。特別図柄は、内部抽選(後述する特別抽選)の結果を報知するための図柄である。第1特別図柄表示部12aは、第1特別ゲームを表示する。第2特別図柄表示部12bは、第2特別ゲームを表示する。本明細書において、「変動表示」とは、表示されている図柄の種類が時間の経過とともに変化している状態を意味する。本明細書において、「確定停止表示」とは、図柄が確定的に停止表示されており、表示されている図柄の種類が変化しない状態を意味する。図柄について、「確定停止表示」と「導出」とは同じ意味である。パチンコ遊技機10において、第2特別ゲームは、第1特別ゲームに対して優先的に実行される。第1特別ゲーム及び第2特別ゲームは、同時に並行して実行されない。特別図柄には、大当り表示結果としての大当り図柄と、はずれ表示結果としてのはずれ図柄とがある。パチンコ遊技機10では、特別抽選にて大当りに当選すると、特別ゲームにて大当り図柄が導出され、該大当りの特別ゲームの終了後、大当り遊技が付与される。
【0017】
情報表示装置12は、特別ゲームの保留数を特定可能な情報を表示する表示部として、第1特別保留表示部12c及び第2特別保留表示部12dを備える。第1特別保留表示部12cは、第1特別ゲームの保留数(以下、第1特別保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。第2特別保留表示部12dは、第2特別ゲームの保留数(以下、第2特別保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。例えば、第1特別保留数及び第2特別保留数の上限値は、4である。
【0018】
情報表示装置12は、普通図柄表示部12eを備える。普通図柄表示部12eは、普通ゲームを表示する。普通ゲームでは、所定の図柄が変動表示され、最終的に普通図柄が確定停止表示される。普通図柄は、内部抽選(後述する普通抽選)の結果を報知するための図柄である。普通図柄には、普通当り表示結果としての普通当り図柄と、普通はずれ表示結果としての普通はずれ図柄とがある。パチンコ遊技機10では、普通抽選にて普通当りに当選すると、普通ゲームにて普通当り図柄が導出され、該普通当りの普通ゲームの終了後、普通当り遊技が付与される。情報表示装置12は、普通保留表示部12fを備える。普通保留表示部12fは、普通ゲームの保留数(以下、普通保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。
【0019】
パチンコ遊技機10は、演出表示装置EHを備えている。演出表示装置EHは、例えば、液晶ディスプレイ型の表示装置である。なお、演出表示装置EHは、有機ELディスプレイ型の表示装置であってもよく、プロジェクタとスクリーンとを含んで構成された表示装置であってもよい。演出表示装置EHは、画像が表示される画像表示部GHを備えている。演出表示装置EHは、演出の1つとして、所定のキャラクタや文字を模した画像(絵柄)を表示する演出(以下、表示演出と示す)を実行可能である。
【0020】
演出表示装置EHでは、表示演出の1つとして、変動ゲームとしての演出ゲームが表示される。演出ゲームでは、複数列の演出図柄が変動表示され、最終的に演出図柄の組合せ(以下、図柄組合せと示す)が導出される。演出図柄(飾り図柄)は、キャラクタや模様等の装飾が施された図柄であって、表示演出を多様化させるための図柄である。一例として、本実施形態の演出ゲームは、左図柄列、中図柄列、及び右図柄列の演出図柄をそれぞれ所定方向に変動表示(スクロール表示)させて行われる。
【0021】
演出ゲームは、特別ゲームとともに開始され、特別ゲームとともに終了される。演出ゲームでは、特別ゲームで導出される特別図柄に応じた図柄組合せが導出される。特別ゲームにおいて大当り図柄が導出されるとき、演出ゲームでは大当りの図柄組合せが導出される。大当りの図柄組合せは、「777」などのように全列の演出図柄が同一の演出図柄となる図柄組合せである。特別ゲームにおいてはずれ図柄が導出されるとき、演出ゲームでははずれの図柄組合せが導出される。はずれの図柄組合せは、一例として、「778」や「787」などのように少なくとも一部列の演出図柄が他列の演出図柄とは異なる図柄組合せである。本明細書において、「一旦停止表示」とは、ゆれ変動表示などのように、演出図柄が確定停止表示される前の仮停止状態である。なお、以下の説明では、特別ゲームと演出ゲームとをまとめて「変動ゲーム」と示す場合がある。
【0022】
図2に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口する入賞口としての第1始動口13を備える。第1始動口13は、遊技球を入球させることができるように、常に開口している。パチンコ遊技機10は、第1始動口13へ入球した遊技球を検知する第1始動センサSE1を備える(図6に示す)。パチンコ遊技機10では、遊技球が第1始動センサSE1によって検知されると、第1特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。
【0023】
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口する入賞口としての第2始動口14を備える。パチンコ遊技機10は、第2始動口14へ入球した遊技球を検知する第2始動センサSE2を備える(図6に示す)。パチンコ遊技機10では、遊技球が第2始動センサSE2によって検知されると、第2特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。本実施形態において、第2始動口14は、特定入球手段に相当する。また、本実施形態において、第2始動センサSE2は、特定検知手段に相当する。さらに、本実施形態において、第2特別ゲームの保留条件の成立及び賞球の払出条件の成立は、第2始動センサSE2により遊技球が検知されたことを条件として付与される所定の特典に相当する。
【0024】
パチンコ遊技機10は、遊技球が第2始動口14へ入球可能な開状態と、開状態と比較して遊技球が第2始動口14へ入球しにくい閉状態と、に動作可能な普通動作部材15を備える。一例として、本実施形態における普通動作部材15の開状態は、遊技球を第2始動口14へ誘導する状態であり、本実施形態における普通動作部材15の閉状態は、遊技球を第2始動口14へ誘導しない状態である。また、普通動作部材15の閉状態は、普通動作部材15が有する動作片により第2始動口14の開口部を閉鎖する状態など、遊技球が第2始動口14へ入球不能な状態であってもよい。パチンコ遊技機10は、普通動作部材15を動作させる第1アクチュエータA1を備える(図6に示す)。普通動作部材15は、普通当り遊技において、開状態に動作される。本実施形態において、普通動作部材15は、開閉部材に相当する。
【0025】
以下の説明では、普通動作部材15が開状態に動作することにより第2始動口14へ遊技球が入球可能な状態となることを、単に「第2始動口14を開放する」と示す場合がある。同様に、以下の説明では、普通動作部材15が閉状態に動作することにより第2始動口14へ遊技球が入球不能又は入球困難な状態となることを、単に「第2始動口14を閉鎖する」と示す場合がある。
【0026】
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口する入賞口としての第1大入賞口16を備える。パチンコ遊技機10は、第1大入賞口16へ入球した遊技球を検知する第1カウントセンサSE3を備える(図6に示す)。パチンコ遊技機10では、遊技球が第1カウントセンサSE3によって検知されると、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。本実施形態において、第1大入賞口16は、特別入球手段に相当する。また、本実施形態において、第1カウントセンサSE3は、特別検知手段に相当する。
【0027】
パチンコ遊技機10は、遊技球が第1大入賞口16へ入球可能な開状態と、遊技球が第1大入賞口16へ入球不能な閉状態と、に動作可能な第1特別動作部材17を備える。閉状態は、遊技球が第1大入賞口16へ入球し得るが、開状態に比して入球し難い状態であってもよい。パチンコ遊技機10は、第1特別動作部材17を動作させる第2アクチュエータA2を備える(図6に示す)。第1特別動作部材17は、大当り遊技において、開状態に動作される。なお、以下の説明では、第1特別動作部材17が開状態に動作することにより第1大入賞口16へ遊技球が入球可能な状態となることを、単に「第1大入賞口16を開放する」と示す場合がある。同様に、以下の説明では、第1特別動作部材17が閉状態に動作することにより第1大入賞口16へ遊技球が入球不能又は入球困難な状態となることを、単に「第1大入賞口16を閉鎖する」と示す場合がある。
【0028】
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口する入賞口としての第2大入賞口18を備える。パチンコ遊技機10は、第2大入賞口18へ入球した遊技球を検知する第2カウントセンサSE4を備える(図6に示す)。パチンコ遊技機10では、遊技球が第2カウントセンサSE4によって検知されると、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。本実施形態において、第2大入賞口18は、特別入球手段に相当する。また、本実施形態において、第2カウントセンサSE4は、特別検知手段に相当する。
【0029】
パチンコ遊技機10は、遊技球が第2大入賞口18へ入球可能な開状態と、遊技球が第2大入賞口18へ入球不能な閉状態と、に動作可能な第2特別動作部材19を備える。閉状態は、遊技球が第2大入賞口18へ入球し得るが、開状態に比して入球し難い状態であってもよい。パチンコ遊技機10は、第2特別動作部材19を動作させる第3アクチュエータA3を備える(図6に示す)。第2特別動作部材19は、大当り遊技において、開状態に動作される。なお、以下の説明では、第2特別動作部材19が開状態に動作することにより第2大入賞口18へ遊技球が入球可能な状態となることを、単に「第2大入賞口18を開放する」と示す場合がある。同様に、以下の説明では、第2特別動作部材19が閉状態に動作することにより第2大入賞口18へ遊技球が入球不能又は入球困難な状態となることを、単に「第2大入賞口18を閉鎖する」と示す場合がある。
【0030】
図3に示すように、第2大入賞口18の奥方には、第2大入賞口18に入球した遊技球が通過可能な通路26が設けられている。通路26は、第2大入賞口18の下流である分岐部27において、第1通路26aと第2通路26bとに分岐するように設けられている。
【0031】
分岐部27には、第4アクチュエータA4(図6に示す)の作動により、第2大入賞口18に入球した遊技球を第1通路26a又は第2通路26bに振り分ける特定動作部材28が設けられている。特定動作部材28は、第2大入賞口18に入球した遊技球を第1通路26aに振り分ける第1状態と、第2通路26bに振り分ける第2状態とを取り得るように動作する。特定動作部材28は、予め定めた動作条件が成立すると、所定の動作態様で動作(制御)する。
【0032】
第2通路26bには、第2通路26b内の特定領域を通過(流入)した遊技球を検知する特定センサSE5が設けられている。本実施形態において、特定領域とは、いわゆるV領域である。
【0033】
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaを流下する遊技球が通過(入球)可能なゲート25を備える。パチンコ遊技機10は、ゲート25を通過する遊技球を検知するゲートセンサSE6を備える(図6に示す)。パチンコ遊技機10では、遊技球がゲートセンサSE6によって検知されると、普通ゲームの保留条件が成立し得る一方、賞球の払出条件が成立しないように構成されている。
【0034】
次に、本実施形態において、遊技球が流下する経路について説明する。
上記のように構成されたパチンコ遊技機10は、遊技領域YBaにおいて遊技球が流下する経路として、遊技球の発射強度に応じた複数通りの経路を有している。遊技球が流下する経路は、遊技球が流下する領域として把握することもできる。複数通りの経路には、演出表示装置EHの左側を流下する第1経路と、演出表示装置EHの右側を流下する第2経路と、がある。第1経路と第2経路は、一部が重複してもよく、全部が重複していなくてもよい。以下の説明では、遊技盤YBを正面視したときに遊技領域YBaを左右に二等分する中心線CLよりも左側に位置する領域を左側領域R1と示し、中心線CLよりも右側に位置する領域を右側領域R2と示す。即ち、本実施形態の遊技領域には、左側領域R1と、右側領域R2と、がある。本実施形態において、左側領域R1は第1遊技領域に相当し、右側領域R2は第2遊技領域に相当する。本実施形態では、左側領域R1を流下する経路が第1経路であり、右側領域R2を流下する経路が第2経路である。
【0035】
そして、遊技者は、発射ハンドルHDを操作して遊技球の発射強度を調整することで、左側領域R1及び右側領域R2に遊技球を打ち分けることができる。本実施形態において、左側領域R1には、第1始動口13が配設されている。また、本実施形態において、右側領域R2には、第2始動口14、第1大入賞口16、第2大入賞口18、及びゲート25が配設されている。このため、発射強度を弱めに調整して遊技球を発射させた場合、遊技球が左側領域R1を流下し易く、第1始動口13へ入球する可能性がある。一方、発射強度を強めに調整して遊技球を発射させた場合、遊技球が右側領域R2を流下し易く、第2始動口14、第1大入賞口16、第2大入賞口18、又はゲート25へ入球する可能性がある。
【0036】
以下の説明では、遊技球が左側領域R1を流下し易い発射強度で遊技球を発射することを「左打ち」と示す場合がある。また、遊技球が右側領域R2を流下し易い発射強度で遊技球を発射することを「右打ち」と示す場合がある。
【0037】
次に、パチンコ遊技機10の遊技状態について説明する。
パチンコ遊技機10は、大当り確率を高確率に変動させる確率変動機能と、第2始動口14への遊技球の入球を補助する入球補助機能と、特別ゲームの変動時間を短縮する時間短縮機能と、を搭載している。パチンコ遊技機10における遊技状態は、これらの機能の作動状態(作動及び非作動)を組み合わせて構成される。
【0038】
確率変動機能(以下、確変機能と示す)について説明する。
パチンコ遊技機10は、大当り確率が異なる状態として、複数の確率状態を備える。複数の確率状態には、低確率状態と、該低確率状態に比して、大当り確率が高い高確率状態と、がある。確変機能が作動すると、確率状態が低確率状態から高確率状態へと移行し、大当りに当選する可能性が高まる。このため、高確率状態は、遊技者にとって有利な状態となる。高確率状態は、所謂「確率変動状態(確変状態)」である。
【0039】
入球補助機能について説明する。
入球補助機能は、普通電動役物への入賞をサポートする機能であり、所謂「電サポ機能」である。パチンコ遊技機10は、第2始動口14への遊技球の入球率が異なる状態として、複数の入球率状態を備える。複数の入球率状態には、低入球率状態と、該低入球率状態に比して、入球率が高い高入球率状態と、がある。入球補助機能が作動すると、入球率状態が低入球率状態から高入球率状態に移行し、第2特別ゲームの始動条件を成立させ易くなる。このため、高入球率状態は、遊技者にとって有利な状態となる。本実施形態において、低入球率状態は第1遊技状態に相当し、高入球率状態は第2遊技状態に相当する。
【0040】
図4に示すように、本実施形態において、高入球率状態は、次に説明する3つの補助制御を組み合わせて実行することによって実現されている。第1補助制御は、普通ゲームの変動時間を、低入球率状態のときよりも短くする制御である。第2補助制御は、普通抽選における普通当り確率を、低入球率状態のときよりも高確率に変動させる制御である。なお、第2補助制御は、低入球率状態では、普通抽選そのものを行わないが、高入球率状態では、所定の当選確率にて普通抽選を行う制御であってもよい。第3補助制御は、1回の普通当り遊技において普通動作部材15が開状態に動作する合計動作時間を、低入球率状態のときよりも長くする制御である。なお、第3補助制御としては、1回の普通当り遊技において普通動作部材15が開状態に動作する回数を低入球率状態のときよりも多くする制御、及び、普通当り遊技において普通動作部材15が開状態に動作するときの1回の動作時間を低入球率状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方の制御を行うとよい。また、高入球率状態は、第1補助制御、第2補助制御、及び第3補助制御のうち一部の補助制御のみを実行することによって実現されてもよい。
【0041】
次に、変動時間短縮機能(以下、時短機能と示す)について説明する。
パチンコ遊技機10は、特別ゲームの変動時間(平均変動時間)が異なる状態として、複数の変動時間状態を備える。複数の変動時間状態には、長変動時間状態と、長変動時間状態に比して、少なくとも第2特別ゲームの平均変動時間が短い短変動時間状態と、がある。時短機能が作動すると、変動時間状態が長変動時間状態から短変動時間状態へ移行し、単位時間当りで実質的に実行可能な特別ゲームの回数が増加する。即ち、特別ゲームの保留の消化効率が向上する。なお、本実施形態において、時短機能は、入球補助機能に付随して作動する。つまり、時短機能は、入球補助機能とともに作動し、入球補助機能とともに非作動となる。
【0042】
本実施形態において、遊技状態には、通常状態、第1有利状態、及び第2有利状態の3つがある。通常状態は、確変機能、入球補助機能、及び時短機能が全て作動しない遊技状態である。第1有利状態は、確変機能、入球補助機能、及び時短機能が全て作動する遊技状態である。第2有利状態は、確変機能が作動しない一方、入球補助機能及び時短機能が作動する遊技状態である。
【0043】
次に、パチンコ遊技機10における大当りについて説明する。
図5に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、特別図柄の大当り図柄として、複数種類の大当り図柄を備えている。複数種類の大当り図柄には、それぞれ大当り遊技の種類が定められている。大当り図柄の種類は、大当りの種類としても把握できる。
【0044】
本実施形態において、第1特別図柄の大当り図柄及び第2特別図柄の大当り図柄には、それぞれ予め定めた複数種類の大当り図柄がある。本実施形態において、複数種類の特別図柄の大当り図柄は、予め定めた比率で、図柄ZA、図柄ZB、及び図柄ZCの3つのグループに分類されている。具体的に、本実施形態では、100種類の第1特別図柄の大当り図柄のうち、50種類の大当り図柄が図柄ZAに、50種類の大当り図柄が図柄ZBに、それぞれ分類されている。また、本実施形態では、100種類の第2特別図柄の大当り図柄の全てが、図柄ZCに分類されている。以下の説明では、図柄ZAに分類される大当り図柄に基づく大当りを「大当りZA」、図柄ZBに分類される大当り図柄に基づく大当りを「大当りZB」、図柄ZCに分類される大当り図柄に基づく大当りを「大当りZC」と示す。
【0045】
本実施形態において、大当りZA,ZBに基づく大当り遊技では、ラウンド遊技の上限回数(図中、ラウンド数と示す)として5回が定められている。また、大当りZCに基づく大当り遊技では、ラウンド遊技の上限回数として10回が定められている。また、本実施形態において、大当りZA,ZB,ZCに基づく大当り遊技では、各ラウンド遊技の上限時間として25秒が定められている。
【0046】
大当り遊技では、最初に、予め定めた時間(以下、オープニング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の開始を特定可能なオープニング演出である。大当り遊技では、オープニング時間の経過後に、第1大入賞口16又は第2大入賞口18を開放するラウンド遊技が予め定めた上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技は、予め定めた上限個数の遊技球が入球する第1終了条件、又は予め定めた上限時間が経過する第2終了条件が成立することによって終了される。ラウンド遊技において、第1大入賞口16又は第2大入賞口18は、所定の開放態様となるように開放される。各ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。
【0047】
また、特定のラウンド遊技において、特定動作部材28は、所定の動作態様で第1状態から第2状態へと動作する。特定動作部材28の動作態様には、分岐部27へ到達した遊技球が第2通路26bへ流入するのが困難、又は不能な時間にわたって、特定動作部材28が第1状態に動作する第1動作態様がある。また、特定動作部材28の動作態様には、分岐部27へ到達した遊技球が第2通路26bへ流入するのに十分な時間にわたって、特定動作部材28が第2状態に動作する第2動作態様がある。
【0048】
そして、大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めた時間(以下、エンディング時間と示す)にわたって、所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の終了を認識可能なエンディング演出である。大当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。
【0049】
図柄ZAに基づく大当り遊技では、特定のラウンド遊技における特定動作部材28の動作態様として第1特定動作態様が定められている。このため、図柄ZAに基づく大当り遊技では、第2通路26bへと遊技球を流入させ難い、又は不能である。即ち、図柄ZAに基づく大当り遊技では、特定センサSE5により遊技球が検知され難い、又は検知不能に構成されている。一方、図柄ZB,ZCに基づく大当り遊技では、特定のラウンド遊技における特定動作部材28の動作態様として第2特定動作態様が定められている。このため、図柄ZB,ZCに基づく大当り遊技では、第2通路26bへと遊技球を流入させ易い。即ち、図柄ZB,ZCに基づく大当り遊技では、特定センサSE5により遊技球が検知され易いように構成されている。
【0050】
次に、大当り遊技の終了後の遊技状態について説明する。パチンコ遊技機10は、大当り遊技中の特定センサSE5による遊技球の検知の有無に応じて、大当り遊技の終了後の遊技状態を制御する。
【0051】
パチンコ遊技機10では、大当り遊技中に特定センサSE5により遊技球が検知された場合、当該大当り遊技の終了後に高確率状態に制御される。本実施形態において、高確率状態は、予め定めた確変回数の特別ゲームが実行されることにより終了する。本実施形態では、確変回数として100回が定められている。一方、パチンコ遊技機10では、大当り遊技中に特定センサSE5により遊技球が検知されていない場合、当該大当り遊技の終了後に低確率状態に制御される。
【0052】
また、パチンコ遊技機10では、大当り遊技中の特定センサSE5による遊技球の検知の有無に関係なく、大当り遊技の終了後に高入球率状態に制御される。本実施形態において、高入球率状態は、予め定めた作動回数の特別ゲームが実行されることにより終了する。本実施形態では、作動回数として100回が定められている。
【0053】
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成を説明する。
図6に示すように、パチンコ遊技機10は、主制御基板40を備える。主制御基板40は、所定の処理を行い、該処理の結果に応じて、制御情報の一例である制御コマンドなどの制御信号を出力する。パチンコ遊技機10は、副制御基板50を備える。主制御基板40と、副制御基板50とは、主制御基板40から副制御基板50へ一方向に制御信号を出力可能となるように接続されている。副制御基板50は、主制御基板40から入力した制御信号に基づいて所定の処理を実行する。
【0054】
まず、主制御基板40について詳しく説明する。
主制御基板40は、主制御CPU41aと、主制御ROM41bと、主制御RAM41cと、を備えている。主制御CPU41aは、主制御プログラムを実行することにより、各種の処理を行う。
【0055】
主制御ROM41bは、主制御プログラムや、所定の抽選に用いられる判定値などを記憶している。また、主制御ROM41bは、複数種類の変動パターンを記憶している。変動パターンは、特別ゲームが開始されてから、特別ゲームが終了される迄の変動時間を特定可能な情報である。また、本実施形態の変動パターンは、演出ゲームの演出内容を特定可能な情報である。即ち、本実施形態において、変動パターンは、特別ゲーム及び演出ゲームの内容を特定可能な情報である。
【0056】
本実施形態の変動パターンには、大当り判定においてはずれと判定されたときに決定可能なはずれ変動パターンと、大当り判定において大当りと判定されたときに決定可能な大当り変動パターンとがある。はずれ変動パターンには、演出ゲームの演出内容として、最終的にはずれの図柄組み合わせを導出させる演出内容が定められている。大当り変動パターンには、演出ゲームの演出内容として、最終的に大当りの図柄組み合わせを導出させる演出内容が定められている。
【0057】
主制御RAM41cは、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶可能に構成されている。主制御RAM41cが記憶する情報は、例えばフラグ、カウンタ、及びタイマなどである。また、主制御基板40は、乱数を生成可能に構成されている。例えば、乱数は、ハードウェア乱数として生成されてもよく、ソフトウェア乱数として生成されてもよい。
【0058】
主制御CPU41aと、第1始動センサSE1、第2始動センサSE2、第1カウントセンサSE3、第2カウントセンサSE4、特定センサSE5、及びゲートセンサSE6とは、接続されている。主制御CPU41aは、各センサが遊技球を検知した際に出力する検知信号を入力可能に構成されている。主制御CPU41aと、情報表示装置12(第1特別図柄表示部12a、第2特別図柄表示部12b、第1特別保留表示部12c、第2特別保留表示部12d、普通図柄表示部12e、普通保留表示部12f)とは、接続されている。主制御CPU41aは、情報表示装置12の表示内容を制御可能に構成されている。主制御CPU41aと、第1アクチュエータA1、第2アクチュエータA2、第3アクチュエータA3、及び第4アクチュエータA4とは、接続されている。主制御CPU41aは、各アクチュエータの動作を制御可能に構成されている。特に、主制御CPU41aは、第1アクチュエータA1を制御することにより、普通動作部材15を開状態に動作させる制御を含む開放制御を実行可能である。即ち、本実施形態において、主制御CPU41aは、開閉制御手段として機能する。
【0059】
次に、副制御基板50について説明する。
副制御基板50と、主制御基板40とは、接続されている。パチンコ遊技機10では、主制御基板40から副制御基板50への一方向に制御信号を出力可能に構成されている。
【0060】
副制御基板50は、副制御CPU50aと、副制御ROM50bと、副制御RAM50cと、を備えている。副制御CPU50aは、副制御プログラムを実行することにより、各種の処理(例えば、演出に関する処理)を行う。
【0061】
副制御ROM50bは、副制御プログラムや、抽選に用いられる判定値などを記憶している。副制御ROM50bは、表示演出に関する表示演出データ、発光演出に関する発光演出データ、及び音声演出に関する音声演出データを記憶している。
【0062】
また、副制御RAM50cは、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる様々な情報を記憶可能に構成されている。副制御RAM50cが記憶する情報は、例えばフラグ、カウンタ、及びタイマなどである。また、副制御基板50は、乱数を生成可能に構成されている。乱数は、ハードウェア乱数として生成されてもよく、ソフトウェア乱数として生成されてもよい。
【0063】
副制御CPU50aと、演出表示装置EHとは、接続されている。副制御CPU50aは、演出表示装置EHの表示内容を制御可能に構成されている。副制御CPU50aと、装飾ランプLAとは、接続されている。副制御CPU50aは、装飾ランプLAの発光態様を制御可能に構成されている。副制御CPU50aと、スピーカSPとは、接続されている。副制御CPU50aは、スピーカSPによる音声の出力態様を制御可能に構成されている。
【0064】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、機裏側に、各種の外部信号を機外部に出力する外部端子板60を備えている。外部端子板60と、主制御CPU41aとは、接続されている。本実施形態のパチンコ遊技機10は、外部端子板60の出力端子と外部装置の入力端子とが配線接続されることで、主制御CPU41aが指示する外部信号を機外部へ出力可能に構成されている。本実施形態で出力される外部信号について、詳しくは後述する。
【0065】
次に、パチンコ遊技機10において実行される各種の処理(制御)について説明する。
まず、所定の制御周期(例えば4ms)毎に行うタイマ割り込み処理として、主制御CPU41aが行う各種処理について説明する。主制御CPU41aは、主制御プログラムに基づいて、タイマ割り込み処理として、特別図柄入力処理、及び特別図柄開始処理などの各種処理を実行する。
【0066】
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
図7に示すように、特別図柄入力処理において、主制御CPU41aは、第1始動口13に遊技球が入球したか否かを判定する(ステップS11)。ステップS11において、主制御CPU41aは、第1始動センサSE1から検知信号を入力することによって、第1始動口13に遊技球が入球したと判定する。第1始動口13に遊技球が入球した場合(ステップS11:YES)、主制御CPU41aは、主制御RAM41cに記憶されている第1特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(ステップS12)。第1特別保留数が上限数未満である場合(ステップS12:YES)、主制御CPU41aは、主制御RAM41cに記憶されている第1特別保留数を1加算して更新する(ステップS13)。このとき、主制御CPU41aは、更新後の第1特別保留数を表示するように第1特別保留表示部12cを制御する。このように、本実施形態では、第1特別保留数が上限数未満である場合に、第1始動口13に遊技球が入球し、入球した遊技球が第1始動センサSE1により検知されることで、第1特別ゲームの保留条件が成立する。
【0067】
次に、主制御CPU41aは、主制御基板40内で生成している乱数を取得し、該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RAM41cに記憶させる(ステップS14)。例えば、乱数は、特別抽選(大当り抽選)に用いる特別当り乱数、当り図柄の決定に用いる当り図柄乱数、及び変動パターンの決定に用いる変動パターン乱数などである。このとき、主制御CPU41aは、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序が特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。本実施形態では、第1特別ゲーム用の乱数情報を主制御RAM41cに記憶させておくことで、該第1特別ゲームの実行を保留することができる。なお、乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。また、主制御CPU41aは、主制御RAM41cに記憶されている第1特別保留数を特定可能な保留数コマンドを生成し、出力バッファにセットする。なお、本実施形態において、出力バッファにセットされたコマンドは、所定の出力処理において副制御基板50の副制御CPU50aへ出力される。
【0068】
その後、主制御CPU41aは、第2始動口14に遊技球が入球したか否かを判定する(ステップS15)。また、主制御CPU41aは、第1始動口13に遊技球が入球していない場合(ステップS11:NO)、及び第1特別保留数が上限数未満ではない場合(ステップS12:NO)についても、第2始動口14に遊技球が入球したか否かを判定する。ステップS15において、主制御CPU41aは、第2始動センサSE2から検知信号を入力することによって、第2始動口14に遊技球が入球したと判定する。第2始動口14に遊技球が入球していない場合(ステップS15:NO)、主制御CPU41aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、第2始動口14に遊技球が入球している場合(ステップS15:YES)、主制御CPU41aは、第2始動センサSE2による遊技球の検知を有効とする有効期間内であるか否かを判定する(ステップS16)。第2始動センサSE2による遊技球の検知を有効とする有効期間について、詳しくは後述する。
【0069】
第2始動センサSE2による遊技球の検知を有効とする有効期間内ではない場合(ステップS16:NO)、主制御CPU41aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、有効期間内である場合(ステップS16:YES)、主制御CPU41aは、主制御RAM41cに記憶されている第2特別保留数が上限数(本実施形態では1)未満であるか否かを判定する(ステップS17)。第2特別保留数が上限数未満ではない場合(ステップS17:NO)、主制御CPU41aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、第2特別保留数が上限数未満である場合(ステップS17:YES)、主制御CPU41aは、主制御RAM41cに記憶されている第2特別保留数を1加算して更新する(ステップS18)。このとき、主制御CPU41aは、更新後の第2特別保留数を表示するように、第2特別保留表示部12dを制御する。このように、本実施形態では、第2特別保留数が上限数未満である場合に、第2始動口14に遊技球が入球し、入球した遊技球が第2始動センサSE2により検知されることで、第2特別ゲームの保留条件が成立する。
【0070】
次に、主制御CPU41aは、主制御基板40内で生成している乱数を取得し、該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RAM41cに記憶させる(ステップS19)。このとき、主制御CPU41aは、第2特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序が特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。本実施形態では、第2特別ゲーム用の乱数情報を主制御RAM41cに記憶させておくことで、該第2特別ゲームの実行を保留することができる。また、主制御CPU41aは、主制御RAM41cに記憶されている第2特別保留数を特定可能な保留数コマンドを生成し、出力バッファにセットする。その後、主制御CPU41aは、特別図柄入力処理を終了する。
【0071】
以上のように、本実施形態において、主制御CPU41aは、有効期間内に第2始動センサSE2により遊技球が検知された場合に(ステップS16:YES)、該第2始動センサSE2による遊技球の検知を有効とし、ステップS17以降の制御を行う。即ち、本実施形態において、主制御CPU41aは、第2始動センサSE2による遊技球の検知が有効である場合に所定の制御を実行する有効制御手段として機能する。
【0072】
また、図示しないが、本実施形態において、主制御CPU41aは、第1始動センサSE1により遊技球が検知された場合(ステップS11:YES)、及び、第2始動センサSE2の有効期間内に該第2始動センサSE2により遊技球が検知された場合(ステップS16:YES)には、予め定めた個数の賞球の払出条件を成立させるように制御する。本実施形態において、主制御CPU41aは、第2始動センサSE2により遊技球が検知されたことを条件として特典を付与する特典付与手段として機能する。
【0073】
次に、特別図柄開始処理について説明する。
特別図柄開始処理において、主制御CPU41aは、特別ゲームの開始条件が成立しているか否かを判定する。主制御CPU41aは、大当り遊技中ではなく、且つ特別ゲームの実行中ではない場合に肯定判定する一方、大当り遊技中又は特別ゲームの実行中である場合に否定判定する。特別ゲームの開始条件が成立していない場合、主制御CPU41aは、特別図柄開始処理を終了する。特別ゲームの開始条件が成立している場合、主制御CPU41aは、第2特別保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第2特別保留数が零である場合、主制御CPU41aは、第1特別保留数が零よりも大きいか否かを判定する。
【0074】
第1特別保留数が零である場合、主制御CPU41aは、主制御RAM41c内の所定の記憶領域に出力済フラグが設定されているか否かを判定する。出力済フラグは、待機状態であることを特定可能な待機状態コマンドが出力済であることを特定可能な情報である。待機状態とは、特別ゲームが実行されておらず、大当り遊技が付与されておらず、且つ特別ゲームが保留されていないときの状態である。出力済フラグが設定されていない場合、主制御CPU41aは、待機状態コマンドを生成して副制御基板50の副制御CPU50aに出力するとともに、主制御RAM41cに出力済フラグを設定する。その後、主制御CPU41aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、出力済フラグが設定されている場合、主制御CPU41aは、新たに待機状態コマンドを生成することなく、特別図柄開始処理を終了する。なお、以下の説明では、待機状態中ではない期間を「遊技期間」と示す。言い換えれば、本実施形態において、遊技期間とは、特別ゲームの実行中、大当り遊技の実行中、又は特別ゲーム終了後のインターバル時間中(以下、変動待機中と示す)である期間である。
【0075】
第1特別保留数が零よりも大きい場合、主制御CPU41aは、第1特別ゲームを実行させる処理を行う。具体的に、主制御CPU41aは、第1特別保留数を1減算して更新する。主制御CPU41aは、更新後の第1特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第1特別保留表示部12cを制御する。またこのとき、主制御CPU41aは、主制御RAM41cに出力済フラグが設定されている場合、該出力済フラグを消去する。
【0076】
次に、主制御CPU41aは、第1特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主制御RAM41cから取得する。続けて、主制御CPU41aは、取得した乱数情報から特定される大当り乱数を用いて、大当りに当選とするか否かの大当り抽選(大当り判定)を行う。主制御CPU41aは、現在の確率状態(確変機能の作動の有無)に応じた大当り確率にて大当り抽選を行う。
【0077】
大当りに当選した場合、主制御CPU41aは、大当り変動処理を行う。大当り変動処理において、主制御CPU41aは、乱数情報から特定可能な大当り図柄乱数を用いて、大当り図柄抽選を行い、第1特別ゲームで導出させる大当り図柄を決定する。また、主制御CPU41aは、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、大当り変動パターンを決定する。その後、主制御CPU41aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0078】
大当りに当選しなかった場合、主制御CPU41aは、はずれ変動処理を行う。はずれ変動処理において、主制御CPU41aは、第1特別ゲームにて導出させるはずれ図柄を決定する。また、主制御CPU41aは、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、はずれ変動パターンを決定する。その後、主制御CPU41aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0079】
第2特別保留数が零よりも大きい場合、主制御CPU41aは、第2特別ゲームを実行させるための処理を行う。第2特別ゲームを実行させるための処理は、第1特別ゲームを実行させるための処理について、「第1特別ゲーム」を「第2特別ゲーム」に、「第1特別保留数」を「第2特別保留数」に、それぞれ読み替えた処理であるため、その詳細な説明を省略する。つまり、主制御CPU41aは、第2特別保留数の減算、大当り抽選、及び、大当り抽選の結果に基づく何れかの変動処理を行った後、特別図柄開始処理を終了する。
【0080】
主制御CPU41aは、大当り変動処理、及びはずれ変動処理において、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドを生成して副制御基板50の副制御CPU50aに出力する。変動開始コマンドは、各変動処理において決定した変動パターンと、特別ゲーム(演出ゲーム)の開始とを特定可能な制御コマンドである。特別図柄コマンドは、各変動処理において決定した特別図柄(大当り図柄又ははずれ図柄)を特定可能な制御コマンドである。なお、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドは、第1特別ゲームの変動処理が実行されたときと、第2特別ゲームの変動処理が実行されたときとで異なる制御コマンドである。
【0081】
特別図柄開始処理を終了すると、主制御CPU41aは、特別図柄開始処理とは別の処理によって、第1特別ゲーム又は第2特別ゲームを実行させる。即ち、本実施形態のパチンコ遊技機10では、特別ゲームの開始条件の成立を契機として、主制御CPU41aが以下の処理を行うことにより、保留中の特別ゲームを開始させる。
【0082】
具体的に、主制御CPU41aは、第1特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第1特別図柄表示部12aを制御する。主制御CPU41aは、変動パターンに定められた変動時間を計測する。主制御CPU41aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を導出するように、第1特別図柄表示部12aを制御する。また、主制御CPU41aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別ゲーム(演出ゲーム)の終了を特定可能な制御コマンド(以下、変動終了コマンドと示す)を生成して副制御基板50の副制御CPU50aに出力する。
【0083】
一方、主制御CPU41aは、第2特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第2特別図柄表示部12bを制御する。主制御CPU41aは、変動パターンに定められた変動時間を計測する。主制御CPU41aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を導出するように、第2特別図柄表示部12bを制御する。また、主制御CPU41aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、変動終了コマンドを生成して副制御基板50の副制御CPU50aに出力する。
【0084】
次に、大当り遊技処理について説明する。
大当り遊技処理は、大当り遊技を付与するための処理である。主制御CPU41aは、特別ゲームにおいて大当り図柄を導出させると、大当りの特別ゲームの終了後に大当り遊技処理を実行する。主制御CPU41aは、特別図柄開始処理にて決定した大当り図柄(即ち、大当りの種類)に基づいて、大当り遊技の種類を特定する。主制御CPU41aは、特定した種類の大当り遊技を付与する。
【0085】
最初に、主制御CPU41aは、オープニング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、オープニングコマンドと示す)を生成して副制御基板50の副制御CPU50aに出力する。主制御CPU41aは、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。
【0086】
このとき、主制御CPU41aは、ラウンド遊技のうち特定のラウンド遊技においては、第3アクチュエータA3を制御して第2特別動作部材19を開状態に動作させることにより、第2大入賞口18を開放させるように制御する。また、主制御CPU41aは、特定のラウンド遊技においては、特定動作部材28を大当り遊技の種類に応じた動作態様で動作させるように制御する。具体的に、主制御CPU41aは、大当りZAに基づく大当り遊技における特定のラウンド遊技では、第1特定動作態様で特定動作部材28を動作させる。一方、主制御CPU41aは、大当りZB,ZCに基づく大当り遊技における特定のラウンド遊技では、第2特定動作態様で特定動作部材28を動作させる。その後、主制御CPU41aは、第2カウントセンサSE4による遊技球の検知数が上限個数に達するか、又は、ラウンド遊技の上限時間が経過したことを契機として、第2大入賞口18を閉鎖させるように制御することで、特定のラウンド遊技を終了させる。
【0087】
また、主制御CPU41aは、特定のラウンド遊技において第2特別動作部材19を開状態に動作させることに伴って、第2カウントセンサSE4による遊技球の検知を有効とする有効期間を開始させるように制御する。本実施形態では、第2カウントセンサSE4による遊技球の検知を有効とする有効期間内に第2カウントセンサSE4により遊技球が検知されることで、所定個数の賞球の払出条件が成立する。その後、主制御CPU41aは、特定のラウンド遊技の終了に伴って第2特別動作部材19を閉状態に動作させた後も、引き続き有効期間を継続させるように制御する。そして、主制御CPU41aは、特定のラウンド遊技が終了してから所定時間が経過したことを契機として、有効期間を終了させるように制御する。
【0088】
一方、主制御CPU41aは、ラウンド遊技のうち特定のラウンド遊技以外の非特定のラウンド遊技においては、第2アクチュエータA2を制御して第1特別動作部材17を開状態に動作させることにより、第1大入賞口16を開放させるように制御する。その後、主制御CPU41aは、第1カウントセンサSE3による遊技球の検知数が上限個数に達するか、又は、ラウンド遊技の上限時間が経過したことを契機として、第1大入賞口16を閉鎖させるように制御することで、非特定のラウンド遊技を終了させる。
【0089】
また、主制御CPU41aは、非特定のラウンド遊技において第1特別動作部材17を開状態に動作させることに伴って、第1カウントセンサSE3による遊技球の検知を有効とする有効期間を開始させるように制御する。本実施形態では、第1カウントセンサSE3による遊技球の検知を有効とする有効期間内に第1カウントセンサSE3により遊技球が検知されることで、所定個数の賞球の払出条件が成立する。その後、主制御CPU41aは、非特定のラウンド遊技の終了に伴って第1特別動作部材17を閉状態に動作させた後も、引き続き有効期間を継続させるように制御する。そして、主制御CPU41aは、非特定のラウンド遊技が終了してから所定時間が経過したことを契機として、有効期間を終了させるように制御する。
【0090】
主制御CPU41aは、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、大当り遊技に定められた上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。
主制御CPU41aは、ラウンド遊技を開始する毎に、ラウンド遊技の開始を特定可能な制御コマンド(以下、ラウンドコマンドと示す)を生成して副制御基板50の副制御CPU50aに出力する。主制御CPU41aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、エンディングコマンドと示す)を生成して副制御基板50の副制御CPU50aに出力する。主制御CPU41aは、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。また、主制御CPU41aは、エンディング時間が経過すると、エンディング時間の経過を特定可能な制御コマンド(以下、エンディング終了コマンド)を生成して副制御基板50の副制御CPU50aに出力する。
【0091】
次に、遊技状態を移行させる処理について説明する。本実施形態において、主制御CPU41aは、以下の制御を実行することにより、遊技状態を制御する遊技状態制御手段として機能する。
【0092】
主制御CPU41aは、大当り遊技中に遊技球が特定センサSE5により検知された場合、大当り遊技の終了後に高確フラグを設定することにより、高確率状態に制御する。一方、主制御CPU41aは、大当り遊技中に遊技球が特定センサSE5により検知されなかった場合、大当り遊技の終了後に主制御RAM41cに高確フラグを設定しない。即ち、主制御CPU41aは、大当り遊技中に遊技球が特定センサSE5により検知されなかった場合、大当り遊技の終了後に低確率状態に制御する。
【0093】
また、主制御CPU41aは、大当り遊技中に遊技球が特定センサSE5により検知された場合と、大当り遊技中に遊技球が特定センサSE5により検知されなかった場合との何れであっても、大当り遊技の終了後に作動フラグを設定することにより、高入球率状態に制御する。
【0094】
さらに、主制御CPU41aは、大当り遊技を開始させる場合であって、高確フラグが設定されているとき、該高確フラグを消去する。即ち、主制御CPU41aは、大当り遊技中、低確率状態に制御する。同様に、主制御CPU41aは、大当り遊技を開始させる場合であって、作動フラグが設定されているとき、該作動フラグを消去する。即ち、主制御CPU41aは、大当り遊技中、低確率状態且つ低入球率状態に制御する。
【0095】
また、主制御CPU41aは、高確フラグを設定することに伴って、予め定めた確変回数を特定可能な値を主制御RAM41cに記憶させる。同様に、主制御CPU41aは、作動フラグを設定することに伴って、予め定めた作動回数を特定可能な値を主制御RAM41cに記憶させる。なお、本実施形態において、確変回数及び作動回数は、何れも100回である。その後、主制御CPU41aは、特別ゲームを実行する毎に、主制御RAM41cに記憶されている実行カウンタの値を更新することによって、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数を計数する。そして、主制御CPU41aは、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が確変回数に到達すると、主制御RAM41cに記憶されている確変フラグを消去する。同様に、主制御CPU41aは、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が作動回数に到達すると、主制御RAM41cに記憶されている作動フラグを消去する。
【0096】
また、主制御CPU41aは、高確フラグを設定するに際して、高確率状態に制御することを特定可能な高確コマンドを生成して副制御基板50の副制御CPU50aに出力する。さらに、主制御CPU41aは、高確フラグを消去するに際して、低確率状態に制御することを特定可能な低確コマンドを生成して副制御基板50の副制御CPU50aに出力する。同様に、主制御CPU41aは、作動フラグを設定するに際して、高入球率状態に制御することを特定可能な作動コマンドを生成して副制御基板50の副制御CPU50aに出力する。そして、主制御CPU41aは、作動フラグを消去するに際して、低入球率状態に制御することを特定可能な非作動コマンドを生成して副制御基板50の副制御CPU50aに出力する。
【0097】
次に、普通図柄入力処理について説明する。
普通図柄入力処理において、主制御CPU41aは、ゲートセンサSE6から検知信号を入力した場合であって、普通保留数が上限数未満である場合に、主制御RAM41cに記憶されている普通保留数を1加算して更新するとともに、更新後の普通保留数を表示するように普通保留表示部12fを制御する。その後、主制御CPU41aは、主制御基板40内で生成している乱数を取得し、取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RAM41cに記憶させる。この場合、主制御CPU41aは、普通ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序が特定可能となるように記憶させる。なお、例えば、乱数は、普通当り判定(普通当り抽選)に用いる普通当り乱数などである。その後、主制御CPU41aは、普通図柄入力処理を終了する。
【0098】
次に、普通図柄開始処理について説明する。
普通図柄開始処理において、主制御CPU41aは、普通当り遊技中ではなく且つ普通ゲームの実行中ではない場合であって、主制御RAM41cに記憶されている普通保留数が1以上である場合に、主制御RAM41cに記憶されている普通保留数を1減算して更新する。また、このとき、主制御CPU41aは、更新後の普通保留数が表示されるように普通保留表示部12fを制御する。続いて、主制御CPU41aは、普通ゲーム用の乱数情報のうち最先に記憶された乱数情報を主制御RAM41cから読み出し、読み出した乱数情報に基づいて、普通当り判定(普通当り抽選)を行う。具体的に、主制御CPU41aは、普通当り乱数の値が主制御ROM41bに記憶されている普通当り判定値と一致するか否かを判定することにより普通当り抽選を行う。このとき、主制御CPU41aは、現在の遊技状態に応じて異なる普通当り判定値を用いて普通当り判定を行う。例えば、本実施形態では、高入球率状態であるときには低入球率状態であるときと比較して高い確率で普通当りに当選するように、遊技状態毎に普通当り判定値が振り分けられている。
【0099】
普通当りに当選した場合、主制御CPU41aは、普通ゲームで導出させる普通当り図柄と、普通ゲームの変動時間と、を決定する。その後、主制御CPU41aは、普通図柄開始処理を終了する。このとき、主制御CPU41aは、高入球率状態であるときには低入球率状態であるときと比較して普通ゲームの変動時間として短い時間を決定する。
【0100】
そして、主制御CPU41aは、普通図柄開始処理とは別の処理を行うことによって、普通ゲームを実行させる。具体的に、主制御CPU41aは、普通図柄の変動を開始させるように普通図柄表示部12eを制御することにより普通ゲームを開始させる。その後、主制御CPU41aは、普通図柄開始処理において決定した変動時間が経過したときに、普通図柄開始処理において決定した普通図柄が導出されるように普通図柄表示部12eを制御する。
【0101】
次に、普通当り遊技処理について説明する。
主制御CPU41aは、普通当りの普通ゲームが終了すると、普通当り遊技処理を実行する。普通当り遊技処理において、主制御CPU41aは、普通動作部材15を開状態に動作させることにより第2始動口14を開放させるように制御する。即ち、主制御CPU41aは、普通当り遊技において、第2始動口14を開放させるように制御する。またこのとき、主制御CPU41aは、普通動作部材15を開状態に動作させることに伴って、第2始動センサSE2による遊技球の検知を有効とする有効期間を開始させるように制御する。その後、主制御CPU41aは、第2始動センサSE2による遊技球の検知数が上限個数に達するか、又は、普通動作部材15を開状態に制御する上限時間が経過したことを契機として、普通動作部材15を閉状態に動作させることにより第2始動口14を閉鎖させるように制御する。その後、主制御CPU41aは、普通動作部材15を閉状態に動作させてから所定時間が経過したことを契機として、有効期間を終了させるように制御する。なお、以下の説明では、普通当り遊技処理において普通動作部材15を開状態に動作させてから閉状態に動作させるまでの一連の制御を単に「開放制御」と示す場合がある。
【0102】
また、本実施形態において、主制御CPU41aは、現在の遊技状態に応じた動作態様で普通動作部材15を動作させることにより第2始動口14を開放させるように制御する。特に、主制御CPU41aは、現在の遊技状態が低入球率状態であるときには、低入球率状態用の動作態様で普通動作部材15を動作させることにより第2始動口14を開放させるように制御する。以下の説明では、開放制御のうち、低入球率状態用の動作態様で普通動作部材15を開状態に動作させる制御を含む一連の制御を「第1開放制御」と示す場合がある。本実施形態では、低入球率状態用の動作態様が第1開放態様に相当する。一方、主制御CPU41aは、現在の遊技状態が高入球率状態であるときには、高入球率状態用の動作態様で普通動作部材15を動作させることにより第2始動口14を開放させるように制御する。以下の説明では、開放制御のうち、高入球率状態用の動作態様で普通動作部材15を開状態に動作させる制御を含む一連の制御を「第2開放制御」と示す場合がある。本実施形態では、高入球率状態用の動作態様が第2開放態様に相当する。即ち、本実施形態において、主制御CPU41aは、低入球率状態中に第1開放制御を実行可能である一方で、高入球率状態中に第2開放制御を実行可能である。
【0103】
ここで、第2始動センサSE2による遊技球の検知を有効とする有効期間について説明する。
具体的に、図8(a)及び(b)に示すように、主制御CPU41aは、普通当り遊技において普通動作部材15を開状態に動作させることに伴って、第2始動センサSE2による遊技球の検知を有効とする有効期間を開始させるように制御する(時点t1,t11)。本実施形態では、第2始動センサSE2による遊技球の検知を有効とする有効期間内に第2始動センサSE2により遊技球が検知されることで、所定個数の賞球の払出条件が成立するとともに、変動ゲームの保留条件が成立し得る。その後、主制御CPU41aは、普通動作部材15を閉状態に動作させた後も、引き続き有効期間を継続させるように制御する(時点t2,t12)。そして、主制御CPU41aは、普通動作部材15を閉状態に動作させてから所定時間が経過したことを契機として、有効期間を終了させるように制御する(時点t3,t13)。なお、本実施形態において、普通動作部材15を開状態に制御する上限時間(時点t1~t2,t11~t12)は、低入球率状態中に普通当り遊技が付与された場合(図8(a))と、高入球率状態中に普通当り遊技が付与された場合(図8(b))と、で異なる。一方で、普通動作部材15が閉状態に制御されてから有効期間が終了されるまでの時間(時点t2~t3,t12~t13)は、低入球率状態中に普通当り遊技が付与された場合(図8(a))と、高入球率状態中に普通当り遊技が付与された場合(図8(b))と、で同一である。
【0104】
次に、副制御プログラムに基づいて、副制御基板50の副制御CPU50aが実行する各種処理について説明する。副制御CPU50aは、主制御CPU41aから制御信号を入力すると、その制御信号に応じて各種処理を実行する。
【0105】
最初に、演出ゲームを実行するための演出図柄変動処理について説明する。
演出図柄変動処理において、副制御CPU50aは、特別図柄コマンドを入力すると、特別図柄コマンドから特定した特別図柄に基づき、演出ゲームで導出させる演出図柄の組み合わせを決定する。副制御CPU50aは、特別図柄の大当り図柄を特定した場合、演出図柄による大当りの図柄組み合わせを決定する。また、副制御CPU50aは、特別図柄のはずれ図柄を特定した場合、演出図柄によるはずれの図柄組み合わせを決定する。
【0106】
また、副制御CPU50aは、変動開始コマンドを入力すると、入力した変動開始コマンドから特定した変動パターンに基づき、特別ゲームの実行中に実行させる演出を決定する。本実施形態において、特別ゲームの実行中に実行させる演出の決定割合は、変動開始コマンドから特定した変動パターンに応じて異ならされている。そして、副制御CPU50aは、決定した演出を実行させるように演出表示装置EHの表示内容を制御する。
【0107】
その後、副制御CPU50aは、変動終了コマンドの入力を契機として、演出ゲームを終了させ、演出図柄の組み合わせを導出させるように演出表示装置EHの表示内容を制御する。なお、副制御CPU50aは、変動開始コマンドを入力したことを契機として変動時間の計測を開始し、変動開始コマンドから特定した変動パターンに定められた変動時間が経過したことを契機に演出ゲームを終了させるようにしてもよい。つまり、主制御基板40から変動終了コマンドを出力せずに、演出ゲームの終了を制御してもよい。
【0108】
次に、大当り遊技に関する処理を説明する。
副制御CPU50aは、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出を行わせるように演出表示装置EHを制御する。また、副制御CPU50aは、ラウンドコマンドを入力すると、ラウンド演出を行わせるように演出表示装置EHを制御する。また、副制御CPU50aは、エンディングコマンドを入力すると、エンディング演出を行わせるように演出表示装置EHを制御する。
【0109】
以下、本実施形態のパチンコ遊技機10において実行可能な各種の報知について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、右側領域R2への遊技球の発射が推奨される期間にわたって、遊技球の発射が推奨される遊技領域を報知する右打ち報知を実行可能である。本実施形態において、右打ち報知は、遊技球の発射が推奨される遊技領域として右側領域R2を示す右打ち報知画像を演出表示装置EHに表示させる態様で実行される。即ち、本実施形態において、演出表示装置EHは、遊技球の発射が推奨される遊技領域を報知する発射報知手段として機能する。
【0110】
具体的に、副制御CPU50aは、高入球率状態に制御されている場合に右打ち報知を実行させるように制御する。同様に、副制御CPU50aは、大当り遊技中である場合に右打ち報知を実行させるように制御する。このとき、副制御CPU50aは、高入球率状態に制御されているときと、大当り遊技中である場合とで、異なる報知態様により右打ち報知を実行させる。即ち、本実施形態では、高入球率状態に制御されている期間及び大当り遊技中である期間にわたって右打ち報知が実行される。言い換えれば、本実施形態では、高入球率状態に制御されている期間及び大当り遊技中である期間が特定期間に相当する。
【0111】
次に、本実施形態のパチンコ遊技機10におけるエラーについて説明する。
図9に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、各種のエラーを検出可能に構成されている。例えば、本実施形態において検出可能なエラーには、所定の入賞口に関するエラーとして、第2始動口異常入賞エラーと、第2始動口過剰入賞エラーと、第1大入賞口異常入賞エラーと、第2大入賞口異常入賞エラーと、がある。所定の入賞口に関するエラーは、いずれも、遊技球を検知する所定のセンサを判定対象として、予め定めた判定対象期間内に所定の判定条件が成立したときに検出される各種のエラーである。
【0112】
第2始動口異常入賞エラーは、第2始動口14に入球した遊技球を検知する第2始動センサSE2を判定対象として、第2始動口14の異常監視期間として定めた期間内に規定個数(本実施形態では、1球)の遊技球が検知された場合に検出されるエラーである。また、本実施形態において、第2始動口14の異常監視期間とは、第2開放制御において普通動作部材15が開状態に動作されてから、第2始動センサSE2の有効期間が終了するまでの期間を除く期間である。本実施形態では、1球以上の遊技球を検知することが、特定検知態様に相当する。なお、本実施形態において、第2始動口異常入賞エラーは、特定エラーに相当する。
【0113】
第2始動口過剰入賞エラーは、第2始動センサSE2を判定対象として、第2始動センサSE2の有効期間内に上限個数を超える特定個数以上の遊技球が検知された場合に検出されるエラーである。本実施形態において、特定個数は、規定個数とは異なる所定個数に相当する。本実施形態では、上限個数を超える特定個数以上の遊技球を検知することが、特別検知態様に相当する。なお、本実施形態において、第2始動口過剰入賞エラーは、特定エラーに相当する。
【0114】
第1大入賞口異常入賞エラーは、第1カウントセンサSE3を判定対象として、第1大入賞口16の異常監視期間として定めた期間内に1球以上の遊技球が検知された場合に検出されるエラーである。本実施形態において、第1大入賞口16の異常監視期間とは、大当り遊技において第1特別動作部材17が開状態に動作されてから、大当り遊技に伴う第1カウントセンサSE3の有効期間が終了するまでの期間を除く期間である。
【0115】
第2大入賞口異常入賞エラーは、第2カウントセンサSE4を判定対象として、第2大入賞口18の異常監視期間として定めた期間内に1球以上の遊技球が検知された場合に検出されるエラーである。本実施形態において、第2大入賞口18の異常監視期間とは、大当り遊技において第2特別動作部材19が開状態に動作されてから、大当り遊技に伴う第2カウントセンサSE4の有効期間が終了するまでの期間を除く期間である。
【0116】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、エラーが検出された場合に、該エラーの報知を可能に構成されている。本実施形態において、エラー報知は、所定のエラー報知画像が演出表示装置EHに表示される態様で実行される。即ち、本実施形態において、演出表示装置EHは、エラーの報知を行う報知手段として機能する。
【0117】
例えば、本実施形態では、第2始動口異常入賞エラーが検出された場合、該第2始動口異常入賞エラーの報知を実行可能である。具体的に、本実施形態では、低入球率状態中であって、且つ大当り遊技中ではない場合に、第2始動口異常入賞エラーが検出されたことを契機として、該第2始動口異常入賞エラーの報知が実行される。一方で、本実施形態では、高入球率状態中である場合、又は、大当り遊技中である場合には、第2始動口異常入賞エラーが検出されたことを契機として、該第2始動口異常入賞エラーの報知が実行されない。即ち、本実施形態では、低入球率状態中であって、且つ大当り遊技中ではない期間が、第2始動口異常入賞エラーの報知が可能なエラー報知可能期間となる。言い換えれば、本実施形態では、右打ち報知が行われている特定期間ではない場合に第2始動口異常入賞エラーの報知が可能である。
【0118】
本実施形態において、第2始動口異常入賞エラーの報知は、演出表示装置EHに第2始動口異常入賞エラーが検出されたことを特定可能なエラー報知画像を表示する態様で実行される。なお、第2始動口異常入賞エラーの報知の報知態様は、第2始動口異常入賞エラーが検出されたときの遊技の状況に関わらず同一である。例えば、本実施形態において、普通当り遊技における第2始動口14の開放制御の非実行中に第2始動口異常入賞エラーが検出された場合と、普通当り遊技における第2始動口14の開放制御の実行中に第2始動口異常入賞エラーが検出された場合とでは、第2始動口異常入賞エラーの報知の報知態様が同一である。また、本実施形態において、第2始動口異常入賞エラーの報知は、エラーが検出されてから所定時間が経過するまでの間にわたって実行される。
【0119】
また、本実施形態では、第2始動口過剰入賞エラーが検出された場合、該第2始動口過剰入賞エラーの報知が実行される。本実施形態において、第2始動口過剰入賞エラーの報知は、演出表示装置EHに第2始動口過剰入賞エラーが検出されたことを特定可能なエラー報知画像を表示する態様で実行される。
【0120】
さらに、本実施形態では、第1大入賞口異常入賞エラーが検出された場合、該第1大入賞口異常入賞エラーの報知が実行される。本実施形態において、第1大入賞口異常入賞エラーの報知は、演出表示装置EHに第1大入賞口異常入賞エラーが検出されたことを特定可能なエラー報知画像を表示する態様で実行される。同様に、本実施形態では、第2大入賞口異常入賞エラーが検出された場合、該第2大入賞口異常入賞エラーの報知が実行される。本実施形態において、第2大入賞口異常入賞エラーの報知は、演出表示装置EHに第2大入賞口異常入賞エラーが検出されたことを特定可能なエラー報知画像を表示する態様で実行される。第1大入賞口異常入賞エラーの報知及び第2始動口異常入賞エラーの報知は、いずれも、各エラーが検出されてから所定時間が経過するまでの間にわたって実行される。
【0121】
さらに、本実施形態のパチンコ遊技機10は、エラーが検出された場合に、該エラーの検出を示すエラー信号を機外部に出力可能に構成されている。エラー信号は、外部端子板60の出力端子と、機外部の外部装置の入力端子とが接続されている場合に、主制御CPU41aの制御により外部端子板60を介して外部装置へ出力される。即ち、本実施形態では、主制御CPU41aが、エラー信号を機外部に出力するエラー信号出力手段として機能する。これにより、外部装置では、パチンコ遊技機10においてエラーが検出されていることを特定可能となる。
【0122】
本実施形態のパチンコ遊技機10では、検出されたエラーの種類に応じて異なるエラー信号が出力される。即ち、本実施形態では、第2始動口異常入賞エラーが検出されたときと、第2始動口過剰入賞エラーが検出されたときと、第1大入賞口異常入賞エラーが検出されたときと、第2大入賞口異常入賞エラーが検出されたときとでは、異なるエラー信号が出力される。
【0123】
ここで、エラーに関する制御について具体的に説明する。なお、本実施形態では、以下に示す制御を実行する主制御CPU41aが、エラーの判定に関する制御を行うエラー判定手段として機能する。
【0124】
まず、第2始動口異常入賞エラーに関する制御について説明する。
主制御CPU41aは、主制御RAM41c内の所定の記憶領域に第2始動口監視フラグをセットすることにより、第2始動口14の異常監視期間を設定する。本実施形態において、異常監視期間は、エラー判定期間に相当する。具体的に、主制御CPU41aは、パチンコ遊技機10への電源投入に伴って第2始動口監視フラグに所定の値を記憶させる。また、主制御CPU41aは、第2開放制御において普通動作部材15を開状態に動作させるに際して、第2始動口監視フラグを消去する。その後、主制御CPU41aは、第2始動センサSE2の有効期間を終了させるに際して、第2始動口監視フラグをセットする。即ち、本実施形態において、第2始動口14の異常監視期間は、第2開放制御が実行されるときには、該第2開放制御の実行中である期間については、設定されない。特に、本実施形態では、第2始動口14の異常監視期間は、第2開放制御において普通動作部材15が開状態に動作されたときから、該普通動作部材15が閉状態に動作された後に第2始動センサSE2の有効期間が終了されるまでの間については、設定されない。このため、本実施形態において、第2開放制御が実行される場合に、第2始動口14の異常監視期間が設定されない期間は、第2開放制御において普通動作部材15が開状態に制御される期間よりも長い。
【0125】
一方で、主制御CPU41aは、第1開放制御において普通動作部材15を開状態に動作させるに際しては、第2始動口監視フラグを消去しない。即ち、本実施形態において、第2始動口14の異常監視期間は、第1開放制御が実行されるときには、該第1開放制御の実行中である期間の全体にわたって設定される。特に、本実施形態において、第2始動口14の異常監視期間は、第1開放制御が実行されるときには、該第1開放制御の実行中である期間、及び前記第1開放制御の実行に伴う有効期間の全体にわたって設定される。
【0126】
主制御CPU41aは、第2始動口14の異常監視期間内に第2始動センサSE2から遊技球を検知したことを示す検知信号を入力した場合に、第2始動口異常入賞エラーを検出したと判定する。そして、第2始動口異常入賞エラーを検出したと判定した場合、主制御CPU41aは、外部端子板60を介して、第2始動口異常入賞エラーの検出を示すエラー信号を機外部に出力させるように制御する。また、第2始動口異常入賞エラーを検出したと判定した場合、主制御CPU41aは、第2始動口異常入賞エラーの検出を特定可能なエラーコマンドを生成して副制御基板50の副制御CPU50aに出力する。副制御CPU50aは、第2始動口異常入賞エラーの検出を特定可能なエラーコマンドを入力すると、エラー報知可能期間であるか否かを判定する。副制御CPU50aは、低入球率状態中であって且つ大当り遊技中ではない場合に、エラー報知可能期間であると判定する。エラー報知可能期間ではない場合、副制御CPU50aは、第2始動口異常入賞エラーの報知を開始させない。一方、エラー報知可能期間である場合、副制御CPU50aは、第2始動口異常入賞エラーの報知を開始させるように演出表示装置EHを制御する。その後、副制御CPU50aは、第2始動口異常入賞エラーの検出から所定時間が経過したことを契機として、第2始動口異常入賞エラーの報知を終了させるように演出表示装置EHを制御する。
【0127】
このような第2始動口異常入賞エラーに関する制御によれば、本実施形態では、第2始動口14の異常監視期間内に第2始動口異常入賞エラーを検出可能である。言い換えれば、本実施形態において、主制御CPU41aは、第1開放制御の実行中に第2始動口14の異常監視期間を設定し、該異常監視期間内に1球以上の遊技球が第2始動センサSE2により検知された場合に第2始動口異常入賞エラーと判定する。そして、第2始動口異常入賞エラーを検出した場合には、該第2始動口異常入賞エラーの報知を実行可能である。一方で、主制御CPU41aは、第2開放制御の実行中であるときには第2始動口14の異常監視期間を設定しない。このため、主制御CPU41aは、第2開放制御の実行中に1球以上の遊技球が第2始動センサSE2により検知された場合であっても、第2始動口異常入賞エラーと判定しない。したがって、本実施形態において、演出表示装置EHがエラーの報知を実行する条件は、第1開放制御の実行中である場合と、第2開放制御の実行中である場合と、で異なるといえる。
【0128】
なお、本実施形態において、主制御CPU41aは、第2始動口異常入賞エラーと判定した場合であっても、第2始動センサSE2の有効期間中であるときには、第2特別ゲームの保留条件を成立させ得るとともに、賞球の払出条件を成立させるように制御する。このため、例えば、主制御CPU41aは、右打ち報知の実行中に、低入球率状態において普通当り遊技が付与されたことにより第1開放制御が実行されて、該第1開放制御の実行中に第2始動センサSE2により遊技球が検知された場合であっても、第2特別ゲームの保留条件を成立させ得るとともに、賞球の払出条件を成立させるように制御する。
【0129】
次に、第2始動口過剰入賞エラーに関する制御について説明する。
主制御CPU41aは、第2始動センサSE2の有効期間内に、該第2始動センサSE2から上限個数を超える特定個数以上の遊技球を検知したことを示す検知信号を入力した場合に、第2始動口過剰入賞エラーを検出したと判定する。そして、第2始動口過剰入賞エラーを検出したと判定した場合、主制御CPU41aは、外部端子板60を介して、第2始動口過剰入賞エラーの検出を示すエラー信号を機外部に出力させるように制御する。また、第2始動口過剰入賞エラーを検出したと判定した場合、主制御CPU41aは、第2始動口過剰入賞エラーの検出を特定可能なエラーコマンドを生成して副制御基板50の副制御CPU50aに出力する。副制御CPU50aは、第2始動口過剰入賞エラーの検出を特定可能なエラーコマンドを入力すると、第2始動口過剰入賞エラーの報知を開始させるように演出表示装置EHを制御する。その後、副制御CPU50aは、第2始動口過剰入賞エラーの検出から所定時間が経過したことを契機として、第2始動口過剰入賞エラーの報知を終了させるように演出表示装置EHを制御する。
【0130】
このような第2始動口過剰入賞エラーに関する制御によれば、本実施形態では、第2始動センサSE2の有効期間中に第2始動口過剰入賞エラーを検出し、該第2始動口過剰入賞エラーの報知を実行可能である。言い換えれば、本実施形態において、主制御CPU41aは、第2始動センサSE2の有効期間内に特定個数以上の遊技球が第2始動センサSE2により検知された場合に第2始動口過剰入賞エラーと判定する。特に、本実施形態では、第1開放制御と第2開放制御の何れの実行中であっても、第2始動口過剰入賞エラーを検出し、該第2始動口過剰入賞エラーの報知を実行可能である。即ち、演出表示装置EHは、第2開放制御の実行中に第2始動センサSE2により特定個数以上の遊技球が検知された場合には第2始動口過剰入賞エラーの報知を実行可能であるとともに、第2開放制御の実行中に第2始動センサSE2により特定個数以上の遊技球が検知された場合にも第2始動口過剰入賞エラーの報知を実行可能である。
【0131】
次に、第1大入賞口異常入賞エラーに関する制御について説明する。
主制御CPU41aは、主制御RAM41c内の所定の記憶領域に第1大入賞口監視フラグをセットすることにより、第1大入賞口16の異常監視期間を設定する。具体的に、主制御CPU41aは、パチンコ遊技機10への電源投入に伴って第1大入賞口監視フラグに所定の値を記憶させる。また、主制御CPU41aは、大当り遊技において第1特別動作部材17を開状態に動作させるに際して、第1大入賞口監視フラグを消去する。その後、主制御CPU41aは、第1カウントセンサSE3の有効期間を終了させるに際して、第1大入賞口監視フラグをセットする。
【0132】
主制御CPU41aは、第1大入賞口16の異常監視期間内に第1カウントセンサSE3から遊技球を検知したことを示す検知信号を入力した場合に、第1大入賞口異常入賞エラーを検出したと判定する。そして、第1大入賞口異常入賞エラーを検出したと判定した場合、主制御CPU41aは、外部端子板60を介して、第1大入賞口異常入賞エラーの検出を示すエラー信号を機外部に出力させるように制御する。また、第1大入賞口異常入賞エラーを検出したと判定した場合、主制御CPU41aは、第1大入賞口異常入賞エラーの検出を特定可能なエラーコマンドを生成して副制御基板50の副制御CPU50aに出力する。副制御CPU50aは、第1大入賞口異常入賞エラーの検出を特定可能なエラーコマンドを入力すると、第1大入賞口異常入賞エラーの報知を開始させるように演出表示装置EHを制御する。その後、副制御CPU50aは、第1大入賞口異常入賞エラーの検出から所定時間が経過したことを契機として、第1大入賞口異常入賞エラーの報知を終了させるように演出表示装置EHを制御する。
【0133】
次に、第2大入賞口異常入賞エラーに関する制御について説明する。
主制御CPU41aは、主制御RAM41c内の所定の記憶領域に第2大入賞口監視フラグをセットすることにより、第2大入賞口18の異常監視期間を設定する。具体的に、主制御CPU41aは、パチンコ遊技機10への電源投入に伴って第2大入賞口監視フラグに所定の値を記憶させる。また、主制御CPU41aは、大当り遊技において第2特別動作部材19を開状態に動作させるに際して、第2大入賞口監視フラグを消去する。その後、主制御CPU41aは、第2カウントセンサSE4の有効期間を終了させるに際して、第2大入賞口監視フラグをセットする。
【0134】
主制御CPU41aは、第2大入賞口18の異常監視期間内に第2カウントセンサSE4から遊技球を検知したことを示す検知信号を入力した場合に、第2大入賞口異常入賞エラーを検出したと判定する。そして、第2大入賞口異常入賞エラーを検出したと判定した場合、主制御CPU41aは、外部端子板60を介して、第2大入賞口異常入賞エラーの検出を示すエラー信号を機外部に出力させるように制御する。また、第2大入賞口異常入賞エラーを検出したと判定した場合、主制御CPU41aは、第2大入賞口異常入賞エラーの検出を特定可能なエラーコマンドを生成して副制御基板50の副制御CPU50aに出力する。副制御CPU50aは、第2大入賞口異常入賞エラーの検出を特定可能なエラーコマンドを入力すると、第2大入賞口異常入賞エラーの報知を開始させるように演出表示装置EHを制御する。その後、副制御CPU50aは、第2大入賞口異常入賞エラーの検出から所定時間が経過したことを契機として、第2大入賞口異常入賞エラーの報知を終了させるように演出表示装置EHを制御する。
【0135】
以下、第2始動口異常入賞エラーに関する制御の具体的な一例について説明する。なお、以下の説明では、特に断らない限り、エラー信号とは、第2始動口異常入賞エラーの検出を示すエラー信号のことであり、エラーコマンドとは、第2始動口異常入賞エラーの検出を特定可能なエラーコマンドのことであり、エラーの報知とは、第2始動口異常入賞エラーの報知のことであるものとする。
【0136】
図10に示す例では、低入球率状態中であって、大当り遊技も普通当り遊技も付与されていないときに、遊技球が第2始動口14に入球して第2始動センサSE2により検知されたものとする(時点t21)。この場合、主制御CPU41aは、第2始動センサSE2による検知信号を入力すると、第2始動口14の異常監視期間内であることから、第2始動口異常入賞エラーと判定する。第2始動口異常入賞エラーと判定すると、主制御CPU41aは、エラー信号を機外部に出力させるように制御するとともに、エラーコマンドを生成して副制御基板50の副制御CPU50aに出力する。
【0137】
このとき、副制御CPU50aは、エラーコマンドを入力すると、低入球率状態中であって且つ大当り遊技中ではないことから、エラー報知可能期間であると判定する。したがって、副制御CPU50aは、エラーコマンドを入力したことを契機として、エラーの報知を開始させるように制御する。その後、第2始動口異常入賞エラーが検出されてから所定時間が経過すると、副制御CPU50aは、エラーの報知を終了させるように制御する(時点t22)。
【0138】
このように、本実施形態において、演出表示装置EHは、開放制御の非実行中に第2始動センサSE2により遊技球が検知された場合にはエラーの報知を実行する。
続いて、この例では、普通当り遊技が付与されるものとする(時点t23)。この場合、低入球率状態中であることから、主制御CPU41aは、普通当り遊技において、低入球率状態用の動作態様で普通動作部材15を動作させることにより第2始動口14を開放させるように制御する。即ち、主制御CPU41aは、第1開放制御を行う。さらに、主制御CPU41aは、第1開放制御を開始させるに際して、第2始動センサSE2の有効期間を開始させるように制御する。
【0139】
その後、主制御CPU41aは、第2始動センサSE2の有効期間内に該第2始動センサSE2による検知信号を入力したものとする(時点t24)。特に、この例では、普通動作部材15が開状態に動作されているときに第2始動センサSE2による検知信号を入力したものとする。この場合、主制御CPU41aは、第2始動口14の異常監視期間内であることから、第2始動口異常入賞エラーと判定する。第2始動口異常入賞エラーと判定すると、主制御CPU41aは、エラー信号を機外部に出力させるように制御するとともに、エラーコマンドを生成して副制御基板50の副制御CPU50aに出力する。
【0140】
このとき、副制御CPU50aは、エラーコマンドを入力すると、低入球率状態中であって且つ大当り遊技中ではないことから、エラー報知可能期間であると判定する。したがって、副制御CPU50aは、エラーコマンドを入力したことを契機として、エラーの報知を開始させるように制御する。その後、主制御CPU41aは、第2始動センサSE2による遊技球の検知数が上限個数に達するか、又は、普通動作部材15を開状態に制御する上限時間が経過したことを契機として、普通動作部材15を閉状態に動作させることにより第2始動口14を閉鎖させるように制御することで、普通当り遊技を終了させる(時点t25)。また、副制御CPU50aは、普通動作部材15が閉状態に動作された後もエラーの報知を継続した後、第2始動口異常入賞エラーが検出されてから所定時間が経過したことを契機として、エラーの報知を終了させるように制御する(時点t26)。さらに、普通動作部材15が閉状態に動作されてから所定時間が経過すると、主制御CPU41aは、第2始動センサSE2の有効期間を終了させる(時点t27)。
【0141】
なお、この例では、普通動作部材15が開状態に動作されているときに第2始動センサSE2によって遊技球が検知された場合について説明したが、普通動作部材15が閉状態に動作されてから第2始動センサSE2の有効期間が終了するまでの間に第2始動センサSE2によって遊技球が検知された場合も同様にして各種の制御が実行される。また、第2始動口異常入賞エラーが検出されてから所定時間が経過するよりも前に第2始動センサSE2の有効期間が終了する場合であっても、副制御CPU50aは、第2始動口異常入賞エラーが検出されてから所定時間が経過するまでの間、エラーの報知を継続させるように制御する。
【0142】
このように、本実施形態において、演出表示装置EHは、第1開放制御に伴う第2始動センサSE2の有効期間中に該第2始動センサSE2により1球以上の遊技球が検知されたときには、エラーの報知を実行可能である。特に、演出表示装置EHは、低入球率状態である場合、第1開放制御の実行中に第2始動センサSE2により1球以上の遊技球が検知されたことを条件として、エラーの報知を実行可能である。そして、本実施形態では、低入球率状態であって第1開放制御の実行中に第2始動センサSE2により1球以上の遊技球が検知されたときには、演出表示装置EHによりエラーの報知が実行されるとともに、主制御CPU41aにより外部端子板60を介して機外部にエラー信号が出力される。
【0143】
続いて、この例では、大当り遊技が付与されるものとする(時点t28)。この場合、副制御CPU50aは、大当り遊技の開始に伴って右打ち報知を開始させるように制御する。さらに、この例では、大当り遊技中に普通当り遊技が付与されるものとする(時点t29)。この場合、低入球率状態中であることから、主制御CPU41aは、普通当り遊技において第1開放制御を行う。さらに、主制御CPU41aは、第1開放制御を開始させるに際して、第2始動センサSE2の有効期間を開始させるように制御する。
【0144】
その後、主制御CPU41aは、第2始動センサSE2の有効期間内に該第2始動センサSE2による検知信号を入力したものとする(時点t30)。この場合、主制御CPU41aは、第2始動口14の異常監視期間内であることから、第2始動口異常入賞エラーと判定する。第2始動口異常入賞エラーと判定すると、主制御CPU41aは、エラー信号を機外部に出力させるように制御するとともに、エラーコマンドを生成して副制御基板50の副制御CPU50aに出力する。
【0145】
このとき、副制御CPU50aは、エラーコマンドを入力すると、大当り遊技中であることから、エラー報知可能期間ではないと判定する。したがって、副制御CPU50aは、エラーコマンドを入力した場合であっても、エラーの報知を開始させない。その後、主制御CPU41aは、第2始動センサSE2による遊技球の検知数が上限個数に達するか、又は、普通動作部材15を開状態に制御する上限時間が経過したことを契機として、普通動作部材15を閉状態に動作させることにより第2始動口14を閉鎖させるように制御することで、普通当り遊技を終了させる(時点t31)。続いて、主制御CPU41aは、普通動作部材15が閉状態に動作されてから所定時間が経過したことを契機として、第2始動センサSE2の有効期間を終了させる(時点t32)。そして、大当り遊技が終了すると、主制御CPU41aは、高入球率状態に制御する(時点t33)。
【0146】
このように、本実施形態において、演出表示装置EHは、第1開放制御の実行中に第2始動センサSE2により1球以上の遊技球が検知された場合であっても、大当り遊技中であるときには、エラーの報知を実行しない。
【0147】
図11に示す例では、高入球率状態中であって、大当り遊技も普通当り遊技も付与されていないときに、遊技球が第2始動口14に入球して第2始動センサSE2により検知されたものとする(時点t41)。この場合、主制御CPU41aは、第2始動センサSE2による検知信号を入力すると、第2始動口14の異常監視期間内であることから、第2始動口異常入賞エラーと判定する。第2始動口異常入賞エラーと判定すると、主制御CPU41aは、エラー信号を機外部に出力させるように制御するとともに、エラーコマンドを生成して副制御基板50の副制御CPU50aに出力する。
【0148】
このとき、副制御CPU50aは、エラーコマンドを入力すると、高確率状態中であることから、エラー報知可能期間ではないと判定する。したがって、副制御CPU50aは、エラーコマンドを入力した場合であっても、エラーの報知を開始させない。
【0149】
続いて、この例では、普通当り遊技が付与されるものとする(時点t42)。この場合、高入球率状態中であることから、主制御CPU41aは、普通当り遊技において、高入球率状態用の動作態様で普通動作部材15を動作させることにより第2始動口14を開放させるように制御する。即ち、主制御CPU41aは、第2開放制御を行う。さらに、主制御CPU41aは、第2開放制御を開始させるに際して、第2始動センサSE2の有効期間を開始させるように制御するとともに、第2始動口監視フラグを消去することにより第2始動口14の異常監視期間を終了させる。
【0150】
その後、主制御CPU41aは、第2始動センサSE2の有効期間内に該第2始動センサSE2による検知信号を入力したものとする(時点t43)。特に、この例では、普通動作部材15が開状態に動作されているときに第2始動センサSE2による検知信号を入力したものとする。この場合、主制御CPU41aは、第2始動口14の異常監視期間内ではないことから、第2始動口異常入賞エラーと判定しない。その後、主制御CPU41aは、第2始動センサSE2による遊技球の検知数が上限個数に達するか、又は、普通動作部材15を開状態に制御する上限時間が経過したことを契機として、普通動作部材15を閉状態に動作させることにより第2始動口14を閉鎖させるように制御することで、普通当り遊技を終了させる(時点t44)。続いて、主制御CPU41aは、普通動作部材15が閉状態に動作されてから所定時間が経過したことを契機として、第2始動センサSE2の有効期間を終了させる(時点t45)。このとき、主制御CPU41aは、第2始動口監視フラグをセットすることにより第2始動口14の異常監視期間を開始させる。
【0151】
このように、本実施形態において、演出表示装置EHは、第2開放制御に伴う第2始動センサSE2の有効期間中に該第2始動センサSE2により1球以上の遊技球が検知されたときには、エラーの報知を実行しない。
【0152】
さらに、この例では、普通当り遊技が付与され(時点t46)、該普通当り遊技中に高入球率状態が終了して低入球率状態に制御されるものとする(時点t47)。この場合、副制御CPU50aは、低入球率状態に制御されることに伴って右打ち報知を終了させるように制御する。一方で、主制御CPU41aは、低入球率状態に制御した場合であっても、第2始動口監視フラグをセットしない。
【0153】
その後、主制御CPU41aは、第2始動センサSE2の有効期間内に該第2始動センサSE2による検知信号を入力したものとする(時点t48)。この場合、主制御CPU41aは、第2始動口14の異常監視期間内ではないことから、第2始動口異常入賞エラーと判定しない。その後、主制御CPU41aは、第2始動センサSE2による遊技球の検知数が上限個数に達するか、又は、普通動作部材15を開状態に制御する上限時間が経過したことを契機として、普通動作部材15を閉状態に動作させることにより第2始動口14を閉鎖させるように制御することで、普通当り遊技を終了させる(時点t49)。続いて、主制御CPU41aは、普通動作部材15が閉状態に動作されてから所定時間が経過したことを契機として、第2始動センサSE2の有効期間を終了させる(時点t50)。このとき、主制御CPU41aは、第2始動口監視フラグをセットすることにより第2始動口14の異常監視期間を開始させる。
【0154】
このように、本実施形態において、演出表示装置EHは、高入球率状態中に第2開放制御が実行され、該第2開放制御の実行中に低入球率状態に移行した場合、該第2開放制御の実行中に第2始動センサSE2により1球以上の遊技球が検知されたときであっても、エラーの報知を実行しない。
【0155】
図12に示す例では、高入球率状態中に普通当り遊技が付与されるものとする(時点t61)。この場合、主制御CPU41aは、普通当り遊技において第2開放制御を行う。さらに、主制御CPU41aは、第2開放制御を開始させるに際して、第2始動センサSE2の有効期間を開始させるように制御するとともに、第2始動口監視フラグを消去することにより第2始動口14の異常監視期間を終了させる。さらに、この例では、普通当り遊技中に大当り遊技が付与されたものとする(時点t62)。この場合、主制御CPU41aは、大当り遊技の開始に伴って高入球率状態を終了させて低入球率状態に制御する。一方で、主制御CPU41aは、大当り遊技の開始に伴って低入球率状態に制御した場合であっても、第2始動口監視フラグをセットしない。
【0156】
その後、主制御CPU41aは、第2始動センサSE2の有効期間内に該第2始動センサSE2による検知信号を入力したものとする(時点t63)。この場合、主制御CPU41aは、第2始動口14の異常監視期間内ではないことから、第2始動口異常入賞エラーと判定しない。その後、主制御CPU41aは、第2始動センサSE2による遊技球の検知数が上限個数に達するか、又は、普通動作部材15を開状態に制御する上限時間が経過したことを契機として、普通動作部材15を閉状態に動作させることにより第2始動口14を閉鎖させるように制御することで、普通当り遊技を終了させる(時点t64)。続いて、主制御CPU41aは、普通動作部材15が閉状態に動作されてから所定時間が経過したことを契機として、第2始動センサSE2の有効期間を終了させる(時点t65)。このとき、主制御CPU41aは、第2始動口監視フラグをセットすることにより第2始動口14の異常監視期間を開始させる。
【0157】
また、この例では、大当り遊技中に普通当り遊技が付与されるものとする(時点t66)。この場合、低入球率状態中であることから、主制御CPU41aは、普通当り遊技において、低入球率状態用の動作態様で普通動作部材15を動作させることにより第2始動口14を開放させるように制御する。即ち、主制御CPU41aは、第1開放制御を行う。さらに、主制御CPU41aは、第1開放制御を開始させるに際して、第2始動センサSE2の有効期間を開始させるように制御する。
【0158】
その後、主制御CPU41aは、大当り遊技を終了させるとともに、該大当り遊技の終了後に高入球率状態に制御する(時点t67)。続いて、主制御CPU41aは、第2始動センサSE2による遊技球の検知数が上限個数に達するか、又は、普通動作部材15を開状態に制御する上限時間が経過したことを契機として、普通動作部材15を閉状態に動作させることにより第2始動口14を閉鎖させるように制御することで、普通当り遊技を終了させる(時点t68)。
【0159】
その後、主制御CPU41aは、第2始動センサSE2の有効期間内に該第2始動センサSE2による検知信号を入力したものとする(時点t69)。この場合、主制御CPU41aは、第2始動口14の異常監視期間内であることから、第2始動口異常入賞エラーと判定する。第2始動口異常入賞エラーと判定すると、主制御CPU41aは、エラー信号を機外部に出力させるように制御するとともに、エラーコマンドを生成して副制御基板50の副制御CPU50aに出力する。
【0160】
このとき、副制御CPU50aは、エラーコマンドを入力すると、高入球率状態であることから、エラー報知可能期間ではないと判定する。したがって、副制御CPU50aは、エラーコマンドを入力した場合であっても、エラーの報知を開始させない。その後、主制御CPU41aは、普通動作部材15が閉状態に動作されてから所定時間が経過したことを契機として、第2始動センサSE2の有効期間を終了させる(時点t70)。
【0161】
なお、図示しないが、本実施形態では、大当り遊技の終了に伴って高入球率状態に制御されたときから普通動作部材15が閉状態に動作されるまでの間(時点t67~t68)に第2始動センサSE2により遊技球が検知された場合であっても、上述した例と同様の制御が実行される。即ち、本実施形態では、高入球率状態であって第1開放制御の実行中に第2始動センサSE2により1球以上の遊技球が検知されたときには、演出表示装置EHによるエラーの報知が実行されることなく、主制御CPU41aにより外部端子板60を介して機外部にエラー信号が出力される。
【0162】
このように、本実施形態において、演出表示装置EHは、第1開放制御の実行中に第2始動センサSE2により1球以上の遊技球が検知された場合であっても、高入球率状態中であるときには、エラーの報知を実行しない。
【0163】
以上のような制御により、本実施形態において、演出表示装置EHは、第2始動口14の開放制御の実行中における第2始動センサSE2による遊技球の検知態様に基づいてエラーの報知を実行可能である。
【0164】
本実施形態の効果について説明する。
(1)本実施形態のパチンコ遊技機10では、第1開放制御が実行される場合と、第2開放制御が実行される場合とで、異なる条件によりエラーの報知を実行することができる。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、遊技の状況に応じて適切にエラーを報知することができる。
【0165】
(2)特に、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第1開放制御の実行中には第2始動口14の異常監視期間が設定される一方で、第2開放制御の実行中には第2始動口14の異常監視期間が設定されない。そして、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第2始動口14の異常監視期間内に1球以上の遊技球が第2始動センサSE2により検知された場合に第2始動口異常入賞エラーと判定される。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、遊技の状況に応じて適切に第2始動口異常入賞エラーを検出することができるとともに、第2始動口異常入賞エラーを報知できる。
【0166】
(3)本実施形態のパチンコ遊技機10において、第2開放制御の実行中である期間のうち異常監視期間が設定されない期間は、第2開放制御において普通動作部材15が開状態に動作する時間よりも長い。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第2開放制御の実行中であるときには、過度に第2始動口異常入賞エラーが報知されてしまうことで遊技者に煩わしさを感じさせてしまうことを抑制しつつ、第1開放制御の実行中であるときには、第2始動口異常入賞エラーの発生が見逃されてしまうことを抑制できる。
【0167】
(4)本実施形態のパチンコ遊技機10において、第1開放制御が実行される場合、異常監視期間は、該第1開放制御の実行中である期間と、該第1開放制御に伴う第2始動センサSE2の有効期間と、の全体にわたって設定される。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、特に、第1開放制御が実行される場合に、第2始動口異常入賞エラーの発生が見逃されてしまうことを抑制できる。
【0168】
(5)本実施形態のパチンコ遊技機10では、低入球率状態中に第1開放制御が実行された場合、該第1開放制御の実行中に第2始動センサSE2によって遊技球が検知されたことを条件として第2始動口異常入賞エラーの報知を実行可能である。一方で、本実施形態のパチンコ遊技機10では、高入球率状態中に第2開放制御が実行された場合、該第2開放制御の実行中に高入球率状態から低入球率状態に移行したときであっても、該第2開放制御の実行中に第2始動センサSE2によって遊技球が検知されたことを条件としては第2始動口異常入賞エラーの報知を実行しない。これによれば、本実施形態のパチンコ遊技機10では、単に低入球率状態であるか高入球率状態であるかに応じて第2始動口異常入賞エラーの報知を実行するか否かを異ならせる場合と比較して、より適切に遊技の状況に応じて第2始動口異常入賞エラーを報知できる。
【0169】
(6)本実施形態のパチンコ遊技機10において、低入球率状態中に第2始動口異常入賞エラーが検出されたときには、演出表示装置EHによるエラーの報知と、外部端子板60を介したエラー信号の出力と、の両方によりエラーの発生を認識させることができる。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、低入球率状態である場合に、第2始動口異常入賞エラーの発生を見逃してしまうことを抑制できる。
【0170】
(7)本実施形態のパチンコ遊技機10において、高入球率状態中に第2始動口異常入賞エラーが検出されたときには、外部端子板60を介したエラー信号の出力が行われる一方で、演出表示装置EHによるエラーの報知が実行されない。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、高入球率状態である場合に、過度に第2始動口異常入賞エラーの報知が行われることで、遊技者の興趣を低下させてしまうことを抑制できる。
【0171】
(8)本実施形態のパチンコ遊技機10では、第1開放制御の実行中である場合と第2開放制御の実行中である場合とについて、ともに第2始動センサSE2の有効期間中に該第2始動センサSE2によって遊技球が検知されたときであっても、実行中である開放制御の種類に応じて第2始動口異常入賞エラーの報知を実行するか否かが異ならされる。したがって、本実施形態のパチンコ遊技機10では、より適切に遊技の状況に応じてエラーを報知できる。
【0172】
(9)本実施形態のパチンコ遊技機10では、第1開放制御の実行中である場合、1球以上の遊技球が第2始動センサSE2によって検知されたことを契機として、エラーの報知が実行される。一方で、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第2開放制御の実行中である場合、特定個数未満の遊技球が第2始動センサSE2によって検知されたことを契機としてはエラーの報知が実行されず、特定個数以上の遊技球が第2始動センサSE2によって検知されたことを契機としてエラーの報知が実行される。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、より適切に遊技の状況に応じてエラーを報知できる。
【0173】
(10)本実施形態のパチンコ遊技機10では、開放制御の非実行中と、第1開放制御の実行中とで、第2始動口異常入賞エラーの報知態様が同一であるため、エラーの報知に際して混乱させてしまうことを抑制できる。
【0174】
(11)本実施形態のパチンコ遊技機10によれば、右側領域R2への遊技球の発射が推奨されている期間中は、第1開放制御の実行中に第2始動センサSE2により遊技球が検知された場合であっても、第2始動口異常入賞エラーの報知が実行されない。これによれば、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出表示装置EHによる右打ち報知にしたがって遊技を行っているにも関わらず、第2始動口異常入賞エラーの報知が行われることで遊技者に煩わしさを感じさせてしまうことを抑制できる。
【0175】
(12)本実施形態のパチンコ遊技機10では、第2始動センサSE2の有効期間内に該第2始動センサSE2によって遊技球が検知されたときには、第2始動口異常入賞エラーと判定された場合であっても、第2変動ゲームの保留条件が成立し得るとともに、賞球の払出条件が成立する。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、遊技者の利益が損なわれてしまうことを抑制しつつも、遊技の状況に応じて適切にエラーを報知できる。
【0176】
上述した実施形態は、以下のように変更して実施することができる。なお、上述した実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0177】
・各種のエラーの報知条件は、適宜変更してもよい。例えば、副制御CPU50aは、第2始動口異常入賞エラーの検出を特定可能なエラーコマンドを入力した場合には、大当り遊技中又は高入球率状態中であっても、第2始動口異常入賞エラーの報知を実行させるようにしてもよい。即ち、副制御CPU50aは、右打ち報知の実行中であっても、第2始動口異常入賞エラーの報知を実行させる制御が可能であってもよい。また、副制御CPU50aは、右打ち報知の実行中とは異なる所定の期間について、第2始動口異常入賞エラーの検出を特定可能なエラーコマンドを入力した場合であっても、第2始動口異常入賞エラーの報知を実行させないように制御してもよい。
【0178】
・各種のエラーの報知態様は、適宜変更してもよい。例えば、各種のエラーの報知は、演出表示装置EHによる画像の表示に代えて又は加えて、装飾ランプLAの発光により実行されてもよいし、スピーカSPによる音声の出力により実行されてもよい。
【0179】
・第2始動口異常入賞エラーの報知の報知態様は、遊技の状況によって異ならされてもよい。例えば、副制御CPU50aは、第2始動口14の開放制御の非実行中に第2始動口異常入賞エラーが検出された場合と、第2始動口14の開放制御の実行中に第2始動口異常入賞エラーが検出された場合とで、異なる報知態様により第2始動口異常入賞エラーの報知を実行させてもよい。同様に、第2始動口過剰入賞エラー、第1大入賞口異常入賞エラー、及び第2大入賞口異常入賞エラーについても、遊技の状況によって各エラーの報知の報知態様を異ならせてもよい。
【0180】
・各種のエラーの報知期間は、適宜変更してもよい。
・各種のエラーについての判定対象期間は、適宜変更してもよい。例えば、第2始動口異常入賞エラーの判定対象期間には、開放制御が実行されていない期間を含んでいなくてもよい。この場合、主制御CPU41aは、第1開放制御において普通動作部材15が開状態に動作されたことを契機として、第2始動口14の異常監視期間を開始させた後、第2始動口14の有効期間が終了したことを契機として、第2始動口14の異常監視期間を終了させるようにしてもよい。
【0181】
・主制御CPU41aは、第2開放制御が実行されたときであっても、低入球率状態中であって且つ大当り遊技の実行中ではないときには、第2始動口14の異常監視期間を設定するようにしてもよい。この場合、主制御CPU41aは、高入球率状態中に第2開放制御が実行され、該第2開放制御の実行中に低入球率状態に移行したときには、該低入球率状態に移行したことを契機として第2始動口14の異常監視期間を設定するとよい。
【0182】
・主制御CPU41aは、第2始動口異常入賞エラーについて、普通動作部材15が開状態に動作されてから第2始動センサSE2の有効期間が終了するまでの期間のうち、普通動作部材15が閉状態に動作されている期間を判定対象期間としてもよい。言い換えれば、主制御CPU41aは、第1開放制御が実行された場合に、普通動作部材15が開状態に動作されてから第2始動センサSE2の有効期間が終了するまでの期間のうち、普通動作部材15が閉状態に動作されている期間を第2始動口14の異常監視期間として設定するように制御してもよい。また、主制御CPU41aは、第1大入賞口異常入賞エラーについて、第1特別動作部材17が開状態に動作されてから第1カウントセンサSE3の有効期間が終了するまでの期間のうち、第1特別動作部材17が閉状態に動作されている期間を判定対象期間としてもよい。同様に、主制御CPU41aは、第2大入賞口異常入賞エラーについて、第2特別動作部材19が開状態に動作されてから第2カウントセンサSE4の有効期間が終了するまでの期間のうち、第2特別動作部材19が閉状態に動作されている期間を判定対象期間としてもよい。
【0183】
・主制御CPU41aは、第2開放制御を実行させるに際して、第2始動センサSE2の有効期間中は第2始動口14の異常監視期間となるように制御してもよい。例えば、主制御CPU41aは、第2開放制御が実行されたときには、該第2開放制御により普通動作部材15が開状態に動作されている期間のみ異常監視期間を終了させるようにしてもよい。
【0184】
・各種のエラーの判定条件は、適宜変更してもよい。例えば、第2始動口異常入賞エラーの判定条件は、第2始動センサSE2により2球以上の所定個数の遊技球が検知されることとしてもよい。
【0185】
・第2始動口異常入賞エラーについて、第2開放制御が実行されたときも検出され得るようにしてもよい。この場合、主制御CPU41aは、第1開放制御が実行されたときと、第2開放制御が実行されたときとで、異なる条件により第2始動口異常入賞エラーを検出してもよい。言い換えれば、演出表示装置EHは、第1開放制御の実行中と第2開放制御の実行中とで、異なる条件により第2始動口異常入賞エラーの放置を実行可能であってもよい。例えば、主制御CPU41aは、第1開放制御が実行されたときには第2始動センサSE2により規定数の遊技球が検知されたことを条件として第2始動口異常入賞エラーを検出したと判定する。一方で、主制御CPU41aは、第2開放制御が実行されたときには第2始動センサSE2により規定数を超える所定数の遊技球が検知されたことを条件として第2始動口異常入賞エラーを検出したと判定するようにしてもよい。このとき、規定数を超える所定数は、例えば上限個数を超える特定個数であってもよい。この場合、パチンコ遊技機10は、第2始動口過剰入賞エラーを検出及び報知しないように構成されていてもよい。即ち、パチンコ遊技機10は、第2開放制御の実行中に第2始動口過剰入賞エラーを検出及び報知することに代えて、第2始動口異常入賞エラーを検出及び報知可能に構成されていてもよい。また、この例では、第2始動センサSE2により規定数の遊技球を検知する検知態様が特定検知態様に相当し、第2始動センサSE2により規定数を超える所定数の遊技球を検知する検知態様が特別検知態様に相当する。また、第2開放制御が実行されたときも第2始動口異常入賞エラーが検出され得るように構成する場合、第1開放制御が実行されたときと第2開放制御が実行されたときとで、第2始動口14の異常監視期間として設定される期間を異ならせてもよい。例えば、第1開放制御が実行されたときには、主制御CPU41aは、普通動作部材15が開状態に動作してから第2始動センサSE2の有効期間が終了するまでの期間の全体を異常監視期間として設定してもよい。一方で、第2開放制御が実行されたときには、主制御CPU41aは、普通動作部材15が開状態に動作してから第2始動センサSE2の有効期間が終了するまでの期間のうち、普通動作部材15が閉状態となっている期間を異常監視期間として設定してもよい。
【0186】
・主制御CPU41aは、第2始動口異常入賞エラーを検出した場合であっても、高入球率状態中又は大当り遊技中であるときには第2始動口異常入賞エラーの検出を特定可能なエラーコマンドを生成しないように制御してもよい。
【0187】
・エラー信号を出力する条件は、適宜変更してもよい。例えば、主制御CPU41aは、所定のエラーを検出した場合であっても、エラー信号を出力させないように制御するときがあってもよい。この場合、エラー信号が出力されないときであっても、所定のエラーの報知が行われることがあってもよい。
【0188】
・出力可能なエラー信号の種類は、適宜変更してもよい。例えば、主制御CPU41aは、第2始動口異常入賞エラー、第2始動口過剰入賞エラー、第1大入賞口異常入賞エラー、及び第2大入賞口異常入賞エラーのうち一部又は全部のエラーについて、エラー信号を出力しないように制御してもよい。また、主制御CPU41aは、同一のエラーを検出した場合であっても、遊技の状況に応じて異なるエラー信号を出力するようにしてもよい。例えば、主制御CPU41aは、開放制御の非実行中に第2始動口異常入賞エラーを検出した場合と、開放制御の実行中に第2始動口異常入賞エラーを検出した場合とで、異なるエラー信号を出力するように制御してもよい。
【0189】
・パチンコ遊技機10で検出可能なエラーの種類は、適宜変更してもよい。例えば、主制御CPU41aは、第2始動口異常入賞エラー、第2始動口過剰入賞エラー、第1大入賞口異常入賞エラー、及び第2大入賞口異常入賞エラーとは異なるエラーを検出可能に構成されてもよいし、これらのエラーのうち一部のエラーを検出不能に構成されてもよい。
【0190】
・主制御CPU41aは、大当り遊技における非特定のラウンド遊技中に上限個数を超える所定個数の遊技球が第1カウントセンサSE3によって検知されたことを条件として、第1大入賞口過剰入賞エラーと判定するようにしてもよい。この場合、主制御CPU41aは、第1大入賞口過剰入賞エラーと判定した場合、該第1大入賞口過剰入賞エラーを特定可能なエラーコマンドを副制御CPU50aに出力するようにしてもよい。そして、副制御CPU50aは、入力したエラーコマンドに基づいて第1大入賞口過剰入賞エラーの報知を実行させるように制御してもよい。同様に、主制御CPU41aは、大当り遊技における特定のラウンド遊技中に上限個数を超える所定個数の遊技球が第2カウントセンサSE4によって検知されたことを条件として、第2大入賞口過剰入賞エラーと判定するようにしてもよい。
【0191】
・主制御CPU41aは、予め定めた期間内に特定センサSE5により所定個数の遊技球が検知されたことを条件として、所定のエラーと判定するようにしてもよい。例えば、主制御CPU41aは、特定のラウンド遊技において第1特定動作態様で特定動作部材28を動作させている期間内に1球の遊技球が特定センサSE5によって検知されたことを条件として、特定異常入賞エラーと判定してもよい。この場合、第1特定動作態様で特定動作部材28を動作させる制御は、第1開放制御に相当する。また、主制御CPU41aは、特定のラウンド遊技において第2特定動作態様で特定動作部材28を動作させている期間内に2球以上である所定個数の遊技球が特定センサSE5によって検知されたことを条件として、特定過剰入賞エラーと判定してもよい。この場合、第2特定動作態様で特定動作部材28を動作させる制御は、第2開放制御に相当する。また、この例において、主制御CPU41aは、特定異常入賞エラー及び特定過剰入賞エラーの各エラーと判定した場合、各エラーを特定可能なエラーコマンドを副制御CPU50aに出力するようにしてもよい。そして、副制御CPU50aは、入力したエラーコマンドに基づいて各エラーの報知を実行させるように制御してもよい。これによれば、本別例では、特定のラウンド遊技において、第1特定動作態様で特定動作部材28が動作される場合と、第2特定動作態様で特定動作部材28が動作される場合とで、エラーの報知を実行する条件を異ならせることができる。
【0192】
・主制御CPU41aは、第2始動口14の異常監視期間中は、第2始動センサSE2の有効期間を設定しないように制御してもよい。即ち、主制御CPU41aは、第2始動口14の異常監視期間中においては、第2始動センサSE2により遊技球が検知された場合であっても、所定の特典を付与しないようにしてもよい。また、主制御CPU41aは、第1大入賞口16の異常監視期間中は、第1カウントセンサSE3の有効期間を設定しないように制御してもよい。さらに、主制御CPU41aは、第2大入賞口18の異常監視期間中は、第2カウントセンサSE4の有効期間を設定しないように制御してもよい。
【0193】
・特定のラウンド遊技における特定動作部材28の動作態様は、大当り遊技の種類によらず同一であってもよい。この場合、主制御CPU41aは、特定のラウンド遊技における第2特別動作部材19の動作態様を大当り遊技の種類に応じて異ならせることにより、特定のラウンド遊技において遊技球が第2通路26bに振り分けられる確率を異ならせるとよい。
【0194】
・普通当り遊技における普通動作部材15の動作態様は、適宜変更してもよい。例えば、主制御CPU41aは、低入球率状態中に普通当り遊技が付与された場合に、第2開放制御を実行可能であってもよい。この場合、主制御CPU41aは、低入球率状態中に第2開放制御が実行されて普通動作部材15が開状態に動作されてから第2始動センサSE2の有効期間が終了するまでの間、第2始動口14の異常監視期間を終了させてもよいし、異常監視期間を継続させてもよい。また、主制御CPU41aは、高入球率状態中に普通当り遊技が付与された場合に、第1開放制御を実行可能であってもよい。この場合、主制御CPU41aは、高入球率状態中に第1開放制御が実行されて普通動作部材15が開状態に動作されてから第2始動センサSE2の有効期間が終了するまでの間、第2始動口14の異常監視期間を終了させてもよいし、異常監視期間を継続させてもよい。また、主制御CPU41aは、普通当り遊技において、第1開放態様及び第2開放態様の何れとも異なる開放態様で普通動作部材15を動作させる制御を含む開放制御を実行可能であってもよい。
【0195】
・パチンコ遊技機10の確率状態として、3種類以上の確率状態を備えた遊技機に具体化してもよい。また、パチンコ遊技機10の確率状態として、1種類の確率状態を備えた遊技機に具体化してもよい。即ち、確率変動機能を備えていない遊技機に具体化してもよい。
【0196】
・パチンコ遊技機10のベース状態として、3種類以上の入球率状態を備えた遊技機に具体化してもよい。また、パチンコ遊技機10の入球率状態として、1種類の入球率状態を備えた遊技機に具体化してもよい。即ち、入球補助機能を備えていない遊技機に具体化してもよい。
【0197】
・副制御基板50をサブ統括制御基板とし、副制御基板50とは別に、演出表示装置EHを専門に制御する表示制御基板と、スピーカSPを専門に制御する音声制御基板と、装飾ランプLAを専門に制御するランプ制御基板と、を個別に設けてもよい。また、表示制御基板と、音声制御基板と、ランプ制御基板と、のうち一部または全部の基板を同一の基板としてもよい。また、副制御CPU50aは、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
【0198】
・パチンコ遊技機10は、主制御基板40の機能と副制御基板50の機能とを統合した単一の制御基板を備えてもよい。また、主制御基板40の機能は、複数の基板に分割して実現してもよい。主制御CPU41aは、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
【0199】
・第1特別ゲームと第2特別ゲームとは、各始動口13,14への遊技球の入球順序に従って実行してもよく、同時に並行して実行してもよい。また、第2特別ゲームを省略してもよい。
【0200】
・演出ゲームを実行しないパチンコ遊技機に具体化してもよい。この場合、演出表示装置EHに特別図柄を表示するとよい。
本実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
【0201】
(イ)前記エラー判定手段は、前記開放制御の非実行中に前記エラー判定期間を設定するようになっており、前記特定エラーの報知の報知態様は、前記開放制御の非実行中における前記エラー判定期間内に前記特定検知手段により前記規定個数の遊技球が検知された場合と、前記第1開放制御の実行中における前記エラー判定期間内に前記特定検知手段により前記規定個数の遊技球が検知された場合と、で同一である。
【符号の説明】
【0202】
A1…第1アクチュエータ A2…第2アクチュエータ A3…第3アクチュエータ A4…第4アクチュエータ CL…中心線 EH…演出表示装置 GH…画像表示部 HD…発射ハンドル LA…装飾ランプ R1…左側領域 R2…右側領域 SE1…第1始動センサ SE2…第2始動センサ SE3…第1カウントセンサ SE4…第2カウントセンサ SE5…特定センサ SE6…ゲートセンサ SP…スピーカ YB…遊技盤 YBa…遊技領域 10…パチンコ遊技機 11…枠体 11a…設置枠 11b…搭載枠 12…情報表示装置 12a…第1特別図柄表示部 12b…第2特別図柄表示部 12c…第1特別保留表示部 12d…第2特別保留表示部 12e…普通図柄表示部 12f…普通保留表示部 13…第1始動口 14…第2始動口 15…普通動作部材 16…第1大入賞口 17…第1特別動作部材 18…第2大入賞口 19…第2特別動作部材 25…ゲート 26…通路 26a…第1通路 26b…第2通路 27…分岐部 28…特定動作部材 40…主制御基板 41a…主制御CPU 41b…主制御ROM 41c…主制御RAM 50…副制御基板 50a…副制御CPU(判定手段、演出制御手段) 50b…副制御ROM 50c…副制御RAM 60…外部端子板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12