(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023061130
(43)【公開日】2023-05-01
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/08 20120101AFI20230424BHJP
A63F 13/792 20140101ALI20230424BHJP
G06Q 20/06 20120101ALI20230424BHJP
【FI】
G06Q20/08 300
A63F13/792
G06Q20/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021170936
(22)【出願日】2021-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】丸山 敦史
(72)【発明者】
【氏名】木村 哲
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】決済手段の選択肢を増やす情報処理システム、情報処理装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】ゲームシステムのゲーム管理装置において、課金関連処理部の決済手段提示部は、ユーザによるゲーム内の課金に対する決済を行う決済手段をそのゲームの画面において提示させる。決済手段には、請求元が異なる第1決済手段及び第2決済手段が含まれる。ゲーム進行処理部は、決済がされた課金対象に関するゲーム処理を実行し、第1決済手段による決済が行われた場合、第2決済手段による決済が行われた場合とは異なるゲーム処理を実行する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システム、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ゲームサービスプラットフォームがコンピュータリソースの使用に対して課金する処理を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
課金に対する決済手段が少ないと競争原理が働かずユーザにとって不利益を生じる場合がある。
【0005】
本開示では上記事情に鑑み、決済手段の選択肢を増やすこととした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本開示の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムにおける提示ステップでは、ユーザによるゲーム内の課金に対する決済を行う決済手段を当該ゲームの画面において提示させ、決済手段には、請求元が異なる第1決済手段および第2決済手段が含まれる。処理ステップでは、決済がされた課金対象に関するゲーム処理を実行し、第1決済手段による決済が行われた場合、第2決済手段による決済が行われた場合とは異なるゲーム処理を実行する。
【0007】
このような態様によれば、決済手段の選択肢を増やすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係るゲームシステム1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】ゲームシステム1によって実行される情報処理の流れを示すフローチャートである。
【
図4】課金に関するゲーム画面の一例を示す図である。
【
図5】課金対象を選択するゲーム画面の一例を示す図である。
【
図6】決済手段を選択するゲーム画面の一例を示す図である。
【
図7】仮想通貨の購入ページの一例を示す図である。
【
図8】アイテムの購入ページの一例を示す図である。
【
図9】仮想通貨の購入ページの一例を示す図である。
【
図10】アプリ内課金によるアイテムの購入ページの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態]
以下、図面を用いて本開示の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0または1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、または量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、およびメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ゲームの説明
図1は、本実施形態に係るゲームシステム1のハードウェア構成を示すブロック図である。
図1に示すゲームシステム1では、ゲーム管理装置2、アプリ配信装置5、EC管理装置6および複数のゲーム装置3が通信ネットワーク11を介して互いに通信可能に接続され、ゲーム装置3においてゲームが実行される。ゲームシステム1に接続される各装置は、いずれも情報処理装置である。
【0014】
本実施形態に係るゲームは、ゲームシステム1にて実行されるオンラインのゲームである。このゲームでは、ゲーム装置3のユーザは、1または複数のプレイヤキャラクタを仮想ゲーム空間で活動させたり、プレイヤキャラクタを、ノンプレイヤキャラクタ(NPC)である敵キャラクタと対戦させたりする。また、キャラクタは、オブジェクトの一例である。
【0015】
上記のようなゲームは、プレイステーション(登録商標)などの家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)などの携帯用ゲーム機、もしくは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末などの電子機器であるゲーム装置3を用いて実行される。
【0016】
2.ゲームシステム1の概要
図1に示されるように、ゲームシステム1は、ゲーム管理装置2、アプリ配信装置5、EC管理装置6および複数のゲーム装置3にて構成される。ゲーム管理装置2は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶しており、ゲーム装置3の(下記のアカウント情報ごとの)ゲームデータの管理を行う。ゲーム管理装置2は、例えばサーバにより構成される。複数のゲーム装置3それぞれは、互いに同じ構成を有する。なお、本実施形態において、システムとは、1つまたはそれ以上の装置または構成要素からなるものである。したがって、例えば後述のゲーム管理装置2やゲーム装置3単体であってもゲームシステム1の一例となりうる。
【0017】
ゲーム装置3は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。そのために、ゲーム装置3は、通信ネットワーク11を介して、ゲーム管理装置2からゲームプログラムおよびゲームデータを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。各ユーザには、ゲーム装置3に対応づけて、識別情報およびパスワードを含むアカウント情報が、ユーザごとに割り当てられている。このアカウント情報は、ログイン時、ゲーム装置3からゲーム管理装置2に送信され、ゲーム管理装置2におけるユーザ認証に利用される。
【0018】
ユーザ認証を経て、ゲーム管理装置2とゲーム装置3との相互通信が可能となる。ログイン後、ゲーム装置3は、ゲーム進行に必要なデータ(ゲーム進行状況に関するデータ)をゲーム管理装置2から受信すると、ユーザの操作に基づいてゲーム画像や音声をディスプレイ4aおよびスピーカ4bに出力しながら、ゲームを進行させる。ゲーム管理装置2は、ゲームメーカーA1によって運用されている。
【0019】
アプリ配信装置5は、アプリケーションプログラム(以下「アプリ」と言う)を配信する装置である。ゲーム装置3が実行するゲームプログラムは、アプリの1つであり、アプリ配信装置5によって配信される。ゲーム装置3は、共通の動作環境を提供するOS(Operating System)等のプラットフォーム上でアプリを稼働させる。アプリ配信装置5は、そのプラットフォームを提供する提供会社B1によって運用されている。
【0020】
EC管理装置6は、EC(Electronic Commerce)サイトを管理し、電子商取引が可能な仮想店舗を提供する装置である。本実施形態では、EC管理装置6は、ゲーム管理装置2と同じく、ゲームメーカーA1によって運用され、ゲームメーカーA1が提供するゲームに関する商品を販売している。
【0021】
2.1 ハードウェア構成
以下、
図1を参照して、ゲームシステム1の各ハードウェア構成について説明する。
【0022】
<ゲーム管理装置2>
図1に示されるように、ゲーム管理装置2は、通信部21、記憶部22および制御部23を有する。通信部21および記憶部22は、通信バス20を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0023】
通信部21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク11を介して各ゲーム装置3と通信可能に接続される、いわゆるネットワークインターフェースである。ゲーム管理装置2が通信部21を介して受信する主な情報としては、ゲームプログラムのダウンロード要求情報、ユーザの操作に応じたガチャの抽選要求、クエスト実行要求、オートプレイの実行/終了の要求、アカウント情報、ゲームデータなどが挙げられる。ゲーム管理装置2が通信部21を介して送信する主な情報としては、ゲームプログラムをゲーム装置3が受信したことを確認するための情報、ガチャにて得られたゲーム媒体に関する情報などが挙げられる。
【0024】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)などで構成される。記憶部22には、本実施形態に係るゲームプログラムの一部を含む各種プログラムやゲームに関する各種データなどが記憶されている。
【0025】
具体的には例えば、記憶部22は、ユーザDBや抽選リストなどを記憶している。ユーザDBには、ゲームをプレイするユーザの識別番号ごとに、ユーザ名、ユーザランク、ユーザが操作するプレイヤキャラクタに関するステータス等の情報、仮想ゲーム空間内にて使用可能な消費媒体の額、パラメータに関する情報などが、対応付けられて記憶されている。抽選リストは、一般にガチャと呼ばれる抽選処理に用いるものであって、選択対象となるゲーム媒体に関する情報を複数含む。抽選リストには、ゲーム媒体に関する情報(名称、能力パラメータ、レアリティ、レベルなど)と、抽選による選択割合とが、対応づけられている。また能力パラメータとは、例えば、ゲーム媒体がプレイヤキャラクタの場合、戦力、HP、攻撃力、防御力、賢さ、または速さなどを含む。
【0026】
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置であるゲーム管理装置2の動作を制御する。特に、制御部23は、記憶部22に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、自装置であるゲーム管理装置2に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、後述の各機能部が実行されうる。なお、制御部23は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部23を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0027】
制御部23によって実行される情報処理として、例えば、課金の決済処理、ユーザアカウントの認証処理、ガチャの抽選選択処理などが挙げられる。課金の決済処理は、例えばゲーム中のパラメータを所定量回復するために必要な課金の要求に基づいて実行される。ユーザアカウントの認証処理は、例えばゲーム装置3から受信したユーザの識別情報を用いて実行される。ガチャの抽選選択処理は、ガチャの抽選要求に伴って、抽選リストの中から、ゲーム媒体ごとの選択確率に基づいて1以上のゲーム媒体を抽選により選択する処理である。ガチャの抽選選択処理によれば、選択したゲーム媒体に関する情報と、抽選要求の送信元となる操作を行ったユーザの識別情報とが、ユーザDBにて関連付けられ、これにより、当該ユーザには、自身でガチャを引いた結果当選したゲーム媒体が付与される。
【0028】
ここで、上記をさらに補足すると、「ゲーム媒体」とは、ゲームに関する要素を表した電子データであって、プレイヤキャラクタとして使用するキャラクタの名称、プレイヤキャラクタが仮想ゲーム空間内にて使用するアイテム(武器、防具、道具)などが含まれる。ユーザは、ゲーム媒体を、課金による直接購入やクエストクリアの他、ガチャと呼ばれる抽選方法によって入手することができる。入手したゲーム媒体は、そのゲーム媒体を所有することとなったユーザの識別情報と対応づけて、ユーザDBに記憶され管理される。さらに、「ガチャ」とは、ゲーム管理装置2にて、抽選リストの中から、所定の選択割合に基づき任意のゲーム媒体を抽選により選択する方法である。選択された任意のゲーム媒体は、ユーザのゲーム装置3に付与される。「ガチャで選択したゲーム媒体を、ユーザに付与する/ユーザが所有する」とは、「抽選処理で選択されたゲーム媒体を、ユーザを示す識別情報と関連づける/関連づけられている」ことと同義である。
【0029】
<アプリ配信装置5、EC管理装置6>
アプリ配信装置5およびEC管理装置6のハードウェア構成は、ゲーム管理装置2のハードウェア構成と仕様や性能の違いはあるが基本的に共通している。ただし、アプリ配信装置5およびEC管理装置6の各制御部23は、ゲーム管理装置2とは異なる情報処理を実行する。この情報処理の詳細は後述する。
【0030】
<ゲーム装置3>
ゲーム装置3には、ディスプレイ4a、スピーカ4bおよび入力デバイス4cが外部接続または内蔵される。また、ゲーム装置3は、通信部31、記憶部32、制御部33、グラフィック処理部34a、オーディオ処理部34bおよび操作部34cを有する。通信部31、記憶部32、グラフィック処理部34a、オーディオ処理部34bおよび操作部34cは、通信バス30を介して制御部33と電気的に接続されている。
【0031】
通信部31は、ゲーム装置3とゲーム管理装置2との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク11に通信可能に接続される、いわゆるネットワークインターフェースである。ゲーム装置3が通信部31を介して受信する主な情報としては、アカウント情報、新たなゲームデータのダウンロード要求情報、ガチャ実行要求、クエスト実行要求などが挙げられる。ゲーム装置3が通信部31を介して送信する主な情報としては、ダウンロード要求情報に応じてゲーム管理装置2から送られてきた新たなゲームデータ、抽選処理により選択されたゲーム媒体に関する情報などが挙げられる。
【0032】
記憶部32は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成される。記憶部32には、ゲーム管理装置2からダウンロードしたゲームデータ、ゲームプログラムの一部を含む各種プログラム、自装置であるゲーム装置3のアカウント情報、ユーザ情報などが格納されている。なお、ユーザ情報は、ゲーム管理装置2の記憶部22で記憶するユーザDBの少なくとも一部の情報である。ユーザDBでユーザ情報のマスタを管理し、ゲーム装置3の記憶部32は、このマスタの少なくとも一部の情報がゲーム管理装置2から配信され、これを記憶する。
【0033】
制御部33は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置であるゲーム装置3の動作を制御する。特に、制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、自装置であるゲーム装置3に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、後述の各機能部が実行されうる。なお、制御部33は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0034】
特に、制御部33は、自装置であるゲーム装置3のユーザによる入力デバイス4cを介した入力に従って、ゲームを実行するように構成される。具体的には、制御部33は、ゲームデータに含まれる仮想ゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部32から読み出すか、またはゲーム管理装置2から受信したデータを用いて、2次元または3次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部34aによって処理されることにより、ディスプレイ4aには処理後のゲーム画像が逐次表示される。換言すると、制御部33は、ゲームの実行にあたり、自装置であるゲーム装置3のユーザの操作などに応じてディスプレイ4aの表示制御およびスピーカ4bの音声出力制御を行うように構成される。
【0035】
グラフィック処理部34aは、制御部33から出力されるゲーム画像情報に従って、キャラクタおよび仮想ゲーム空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部34aは、例えば液晶型であるディスプレイ4aと接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ4a上に表示される。オーディオ処理部34bは、スピーカ4bと接続され、制御部33の指示に従ってゲーム音声を再生および合成すると、これをスピーカ4bから出力させる。操作部34cは、入力デバイス4cと接続され、操作入力に関するデータを入力デバイス4cとの間で送受信する。ユーザは、入力デバイス4cを介して、ゲーム装置3に操作信号を入力する。なお、入力デバイス4cは、ディスプレイ4aと一体化されたタッチパネル、外付けのゲームパッド、マウスやキーボード等の総称である。
【0036】
2.2 機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。前述の通り、各装置の記憶部に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部によって具体的に実現されることで、制御部に含まれる各機能部が実行されうる。
【0037】
図2は、各装置の制御部の機能構成を示す図である。ゲーム管理装置2の制御部は、ゲーム進行処理部201と、課金関連処理部211とを備える。ゲーム進行処理部201は、キャラクタ処理部202と、クエスト処理部203と、戦闘処理部204と、ストーリー処理部205とを備える。課金関連処理部211は、課金対象提示部212と、決済手段提示部213と、決済処理部514とを備える。
【0038】
アプリ配信装置5の制御部は、アプリ提示部511と、アプリ配信部512と、支払情報提示部513と、決済処理部514とを備える。EC管理装置6の制御部は、商品提示部611と、取引処理部612と、支払情報提示部613と、決済処理部614とを備える。ゲーム装置3の制御部は、アプリ処理部311-1、311-2、・・・(区別しない場合「アプリ処理部311」と言う)と、アプリ操作受付部312-1、312-2、・・・(区別しない場合「アプリ操作受付部312」と言う)とを備える。
【0039】
ゲーム管理装置2のゲーム進行処理部201は、ゲームの進行に関する処理(以下「ゲーム進行処理」と言う)を実行する。本実施形態では、キャラクタがクエストに参加して戦闘を行いながら全体のストーリーが進行するゲームが行われるものとする。キャラクタ処理部202は、キャラクタに関する処理を実行する。クエスト処理部203は、クエストに関する処理を実行する。戦闘処理部204は、戦闘に関する処理を実行する。ストーリー処理部205は、ストーリーの進行に関する処理を実行する。なお、ゲーム進行処理部201は、ここで述べたもの以外にも、ゲームの進行に必要な処理部を備えていてもよい。
【0040】
課金関連処理部211は、ゲーム内の課金に関する処理を実行する。ゲームにおける課金対象は、ゲームで使用可能なものであり、例えば、仮想通貨、アイテムおよびキャラクタ等である。課金対象提示部212は、それらの課金対象を、ゲーム装置3を介してユーザに提示する。決済手段提示部213は、課金対象を購入するための支払いに用いる決済手段を、ゲーム装置3を介してユーザに提示する。ゲームシステム1においては、少なくとも2つの決済手段が選択可能であるものとする。決済処理部514は、ゲーム装置3へのユーザの操作に基づいて決済に関する処理を行う。なお、課金に関する処理は、ゲーム進行処理を兼ねている場合もある。
【0041】
アプリ配信装置5のアプリ提示部511は、配信対象のアプリをユーザに提示する。アプリ配信部512は、ユーザが選択したアプリをゲーム装置3に配信する。支払情報提示部513は、アプリの支払いに関する情報(=支払情報)をユーザに提示する。決済処理部514は、提示された支払情報に基づきユーザが支払いを承諾した場合に、その支払いの決済処理を行う。
【0042】
EC管理装置6の商品提示部611は、ECサイトで扱っている商品をユーザに提示する。取引処理部612は、ユーザが購入を決めた商品の発送等の取引に関する処理を行う。支払情報提示部613は、商品の支払情報をユーザに提示する。決済処理部614は、提示された支払情報に基づきユーザが支払いを承諾した場合に、その支払いの決済処理を行う。
【0043】
ゲーム装置3のアプリ処理部311は、アプリ配信装置5から配信されたアプリに関する処理を実行する。例えばアプリがゲームである場合、アプリに関する処理には、ゲームの進行処理と、課金に関する処理とが含まれる。アプリ操作受付部312は、ユーザによるアプリに関する操作を受け付ける。
【0044】
3.ゲームシステム1の動作の流れ
本節では、前述したゲームシステム1の動作の流れについて説明する。好ましい態様の一例として、ユーザがキャラクタを操作し、アイテム等を取得させながらクエストを進行させるゲームを例に挙げて説明する。
【0045】
3.1 情報処理の概要
図3は、ゲームシステム1によって実行される情報処理の流れを示すフローチャートである。以下、このフローチャートに沿って、情報処理の流れを概説する。
【0046】
まず、A11において、ゲーム装置3のアプリ操作受付部312が受け付けるユーザの操作に基づいて、ゲーム管理装置2のゲーム進行処理部201または課金関連処理部211と、ゲーム装置3のアプリ処理部311とが協働して、ゲーム進行処理を実行する。具体的には、ゲーム管理装置2は、ゲーム進行処理部201により、ゲームの進行により移り変わるゲーム画面を示す画面データを生成してゲーム装置3に送信する。ゲーム装置3は、アプリ処理部311により、受信した画面データが示すゲーム画面を表示する。
【0047】
ゲームが進行すると、ゲームで使用可能なもの、例えば、仮想通貨、アイテムまたはキャラクタ等を対象として課金が発生する場合がある。その場合、ゲーム管理装置2は、課金対象提示部212により、課金対象を選択するゲーム画面を示す画面データを生成してゲーム装置3に送信する。また、ゲーム管理装置2は、決済手段提示部213により、EC管理装置6が提供する決済手段(以下「第1決済手段」と言う)とアプリ配信装置5が提供する決済手段(以下「第2決済手段」と言う)とのいずれかを選択させるゲーム画面を示す画面データを生成してゲーム装置3に送信する。
【0048】
ゲーム装置3は、アプリ処理部311により、受信した画面データが示すゲーム画面を表示する。このように、課金対象提示部212は、ユーザがプレイしているゲーム内の課金対象をそのゲームの画面において提示させる。また、決済手段提示部213は、ユーザによるゲーム内の課金に対する決済を行う決済手段をそのゲームの画面において提示させる提示部として機能する。ゲーム装置3は、A12において、アプリ操作受付部312により、課金対象および決済手段を選択する操作を受け付ける。
【0049】
A12において、第1決済手段を選択する操作が行われると、ゲーム装置3は、選択された購入対象を示す購入対象データをEC管理装置6に送信する。EC管理装置6は、A21において、商品提示部611により、受信した購入対象データが示す購入対象を購入するための購入ページを生成し、ゲーム装置3に送信する。ゲーム装置3は、A22において、アプリ処理部311により、送信されてきた購入ページを表示する。
【0050】
ゲーム装置3は、購入ページを表示した状態で、A23において、アプリ操作受付部312により、購入対象を確定する操作を受け付けると、確定された購入対象を示す購入データをEC管理装置6に送信する。EC管理装置6は、A24において、決済処理部614により、送信されてきた購入データが示す購入対象に対する支払いの決済処理を実行する。EC管理装置6は、ECサイトでの取引に用いている決済処理と同じ決済処理を実行する。
【0051】
EC管理装置6は、A25において、決済処理部614により、決済処理が完了した旨を示す完了データを生成し、ゲーム管理装置2に送信する。ゲーム管理装置2は、A26において、ゲーム進行処理部201または課金関連処理部211により、決済処理が完了した課金対象をユーザに付与する付与処理を実行する。次に、ゲーム管理装置2は、A27において、ゲーム進行処理部201により、ゲーム装置3のアプリ処理部311と協働して、ユーザに付与された課金対象を使用してゲームを進行させるゲーム進行処理を実行する。
【0052】
A12において、第2決済手段を選択する操作が行われると、ゲーム装置3は、選択された購入対象を示す購入対象データをゲーム管理装置2に送信する。ゲーム管理装置2は、A31において、ゲーム進行処理部201により、受信した購入対象データが示す購入対象を購入するための購入ページを生成し、ゲーム装置3に送信する。ゲーム装置3は、A32において、アプリ処理部311により、送信されてきた購入ページを表示する。
【0053】
ゲーム装置3は、購入ページを表示した状態で、A33において、アプリ操作受付部312により、購入対象を確定する操作を受け付けると、確定された購入対象を示す購入データをゲーム管理装置2に送信する。ゲーム管理装置2は、A34において、決済処理部514により、送信されてきた購入データが示す購入対象に対する支払いの決済処理を要求する要求データを生成し、アプリ配信装置5に送信する。
【0054】
アプリ配信装置5は、A35において、決済処理部514により、送信されてきた要求データが示す購入対象に対する支払いの決済処理を実行する。アプリ配信装置5は、アプリ配信での支払いに用いている決済処理と同じ決済処理を実行する。アプリ配信装置5は、A36において、決済処理部514により、決済処理が完了した旨を示す完了データを生成し、ゲーム管理装置2に送信する。ゲーム管理装置2は、A37において、ゲーム進行処理部201により、決済処理が完了した課金対象をユーザに付与する付与処理を実行する。
【0055】
次に、ゲーム管理装置2は、A38において、ゲーム進行処理部201により、ゲーム装置3のアプリ処理部311と協働して、ユーザに付与された課金対象を使用してゲームを進行させるゲーム進行処理を実行する。以上のとおり、ゲーム進行処理部201は、決済がされた課金対象に関するゲーム処理を実行する処理部として機能する。ゲーム処理とは、ゲームに関する処理全般のことであり、上述した付与処理およびゲーム進行処理が含まれる。
【0056】
付与処理は「第1処理」の一例であり、ゲーム進行処理は「第2処理」の一例である。付与処理およびゲーム進行処理については後ほど詳しく説明する。ゲーム進行処理部201は、第1決済手段による決済が行われた場合、第2決済手段による決済が行われた場合とは異なるゲーム処理を実行する。より詳細には、ゲーム進行処理部201は、例えば、第1決済手段による決済が行われた場合、第2決済手段による決済が行われた場合に比べて、付与処理の結果を優遇する。
【0057】
以上をまとめると、本実施形態に係るゲームシステム1は、次の各構成要素を備える。決済手段提示部213は、ユーザによるゲーム内の課金に対する決済を行う決済手段をそのゲームの画面において提示させる。決済手段には、請求元が異なる第1決済手段(本実施形態ではA1決済)および第2決済手段(本実施形態ではB1決済)が含まれる。ゲーム進行処理部201は、決済がされた課金対象に関するゲーム処理を実行する。ゲーム進行処理部201は、第1決済手段による決済が行われた場合、第2決済手段による決済が行われた場合とは異なるゲーム処理を実行する。
【0058】
このような態様によれば、決済手段の選択肢を増やすことができる。
【0059】
3.2 情報処理の詳細
次に、上記概説された情報処理の詳細部分を説明する。
<ゲーム画面の遷移>
まず、課金が発生した場合のゲーム画面の遷移について
図4以降を参照して説明する。
【0060】
図4は、課金に関するゲーム画面の一例を示す図である。
図4に示すゲーム画面C1には、ガチャボタンD1と、課金ボタンD2とが表示されている。これらのボタンを押す操作が行われると、課金対象を選択するゲーム画面が表示される。
【0061】
図5は、課金対象を選択するゲーム画面の一例を示す図である。
図5に示すゲーム画面C2には、仮想通貨の購入ボタンD3と、アイテムの購入ボタンD4とが表示されている。これらのボタンを押す操作が行われると、決済手段を選択するゲーム画面が表示される。
【0062】
図6は、決済手段を選択するゲーム画面の一例を示す図である。
図6に示すゲーム画面C3には、アプリ外課金による決済選択ボタンD5と、アプリ内課金による決済選択ボタンD6とが表示されている。決済選択ボタンD5には、「※外部ECサイトへ飛びます」という案内とが示されている。決済選択ボタンD5は、EC管理装置6が提供する第1決済手段を選択するためのボタンである。決済選択ボタンD6は、アプリ配信装置5が提供する第2決済手段を選択するためのボタンである。
【0063】
第1決済手段を用いた決済の請求元は、EC管理装置6を運用するゲームメーカーA1であり、第2決済手段を用いた決済の請求元は、アプリ配信装置5を運用するプラットフォームの提供会社B1である。以下では、第1決済手段を用いた決済のことを「A1決済」とも言い、第2決済手段を用いた決済のことを「B1決済」とも言う。
【0064】
決済選択ボタンD6には、単に「アプリ内課金」という文字列が示されている。一方、決済選択ボタンD5には、「アプリ外課金」という文字列と前述した案内に加え、「お買い得!」という文字列が示されている。このように、決済手段提示部213は、第1決済手段による決済を推奨する推奨情報を画面に提示している。なお、推奨情報は、これに限らず、他の文字列でもよいし、第1決済手段の方が得することをイメージさせる絵柄であってもよい。このような態様によれば、第2決済手段に比べて、第1決済手段が使われやすいようにすることができる。
【0065】
図4の課金ボタンD2、
図5の仮想通貨の購入ボタンD3、
図6の第1決済手段の決済選択ボタンD5が順番に操作された場合にゲーム装置3が表示する購入ページを
図7に示す。
図7は、仮想通貨の購入ページの一例を示す図である。
図7に示す購入ページE1には、課金対象である「有償石A」という名の有償の仮想通貨が、5通りの数量(10個、20個、30個、40個、50個)と各数量での価格(100円、200円、300円、400円、500円)とに対応付けて表示されている。
【0066】
また、各仮想通貨には、「A1決済特典」として提供される「無償石」という名の無償の仮想通貨の数量(20個、40個、60個、80個、100個)が表示されている。有償石は、上述した仮想通貨の購入ページで代金を支払って購入しなければ取得できない有償の仮想通貨である。無償石は、ゲームの進行に基づき無償で取得可能な仮想通貨である。
【0067】
次に、
図4の課金ボタンD2、
図5のアイテムの購入ボタンD4、
図6の第1決済手段の決済選択ボタンD5が順番に操作された場合にゲーム装置3が表示する購入ページを
図8に示す。
図8は、アイテムの購入ページの一例を示す図である。
図8に示す購入ページE2には、A1決済を用いた場合の課金対象である「有償石500個」、「無償石700個」、「回復200pt」、「URアイテム」というアイテムのセットが、5000円という価格に対応付けて表示されている。
【0068】
有償石および無償石は、仮想通貨であるが、ゲーム内で別のアイテムの購入に利用可能なアイテムでもある。UR(UltraRare)アイテムとは、希少価値の極めて高いアイテムであることを示している。アイテムの希少価値は、例えば、UR>SSR(Super Special Rare)>SR(Super Rare)>R(Rare)というように表される。
【0069】
図4の課金ボタンD2、
図5の仮想通貨の購入ボタンD3、
図6の第2決済手段の決済選択ボタンD6が順番に操作された場合にゲーム装置3が表示する購入ページを
図9に示す。
図9は、仮想通貨の購入ページの一例を示す図である。
図9に示す購入ページE3には、課金対象である「有償石B」という名の有償の仮想通貨が、
図7と同様の数量および価格に対応付けて表示されている。また、各仮想通貨には、「B1決済特典」として提供される「無償石」の数量(10個、20個、30個、40個、50個)が表示されている。
【0070】
図4の課金ボタンD2、
図5のアイテムの購入ボタンD4、
図6の第2決済手段の決済選択ボタンD6が順番に操作された場合にゲーム装置3が表示する購入ページを
図10に示す。
図10は、アプリ内課金によるアイテムの購入ページの一例を示す図である。
図10に示す購入ページE4には、B1決済を用いた場合の課金対象である「有償石500個」、「無償石100個」、「回復100pt」、「SSRアイテム」というアイテムのセットが、5000円という価格に対応付けて表示されている。
【0071】
図7および
図8に示す「A1決済」は、上述したゲームメーカーA1を請求元とする決済であり、EC管理装置6によって処理される。
図9および
図10に示す「B1決済」は、上述したプラットフォームの提供会社B1を請求元とする決済であり、アプリ配信装置5によって処理される。このように、決済手段には、請求元が異なる第1決済手段(本実施形態ではA1決済)および第2決済手段(本実施形態ではB1決済)が含まれる。
【0072】
提供会社B1は、上述したように、複数のアプリケーションが提供される共通のプラットフォームを提供する。ゲームシステム1が提供するゲームは、このプラットフォームにより提供され、第2決済手段の請求元は、このプラットフォームの提供者である。一方、第1決済手段の請求元は、ゲームの提供者であるゲームメーカーA1であるから、プラットフォームの提供者とは異なっている。このような態様によれば、決済手段の選択肢を増やすことができ、また、プラットフォーム提供者の決済手段への依存を脱却することができる。また、ゲーム提供者が決済の自由度を上げることもできる。
【0073】
<付与処理およびゲーム進行処理>
付与処理およびゲーム進行処理は、購入対象に応じて、どのような処理であるかが決まる。例えば次のようにゲームが進行したとする。
<ゲーム進行1>
S1:有償の仮想通貨とおまけの無償の仮想通貨を購入
S2:購入した仮想通貨を使用してガチャまたはショップでアイテムを取得
S3:取得したアイテムを使用してゲームを進行
【0074】
ゲーム進行1においては、付与処理およびゲーム進行処理等は例えば以下のように適用される。
課金対象=有償の仮想通貨
付与処理=購入した有償の仮想通貨をユーザが使用可能な状態にする処理(S1の処理)
ゲーム進行処理=有償の仮想通貨を使用してアイテムを取得する処理(S2の処理)
付与処理の結果=無償の仮想通貨を特典として取得
【0075】
例えば
図7の第1決済手段の例および
図9の第2決済手段の例では、課金対象は、有償石Aという第1対象と有償石Bという第2対象を含んでいる。ゲーム進行処理部201は、第1決済手段の決済により第1対象(=有償石A)をユーザに付与し、第2決済手段の決済により第2対象(=有償石B)をユーザに付与している。ここで、有償石Aおよび有償石Bは、合算してアイテム等を購入可能であるものとする。
【0076】
つまり、ゲーム進行処理部201は、第1対象と第2対象とを区別なく使用してゲーム進行処理を実行する。このような態様によれば、プレイヤに決済手段の違いを意識させないようにすることができる。また、
図7および
図9の例においては、ゲーム進行処理部201は、第1決済手段による決済が行われた場合、第2決済手段による決済が行われた場合に比べて、特典として取得される無償の仮想通貨(無償石)の数を多くすることで、付与処理の結果を優遇している。このような態様によれば、第2決済手段に比べて第1決済手段が使われやすいようにすることができる。
【0077】
なお、
図7および
図9の例では、第1対象の有償コンテンツと第2対象の有償コンテンツが異なるもの(有償石Aと有償石B)であったが、全くおなじもの(例えば単なる有償石)であってもよい。そして、第1対象と第2対象のそれぞれは、課金に応じてユーザに付与される有償コンテンツ(本実施形態では有償石)と、ゲームの進行に基づき取得可能な無償コンテンツ(本実施形態では無償石)とを含んでいることにしてもよい。
【0078】
その場合、ゲーム進行処理部201は、第1決済手段の決済により第1対象(有償石および無償石)をユーザに付与し、第2決済手段の決済により第2対象(有償石および無償石)をユーザに付与している。そのように、第1対象および第2対象において有償コンテンツが同一の場合でも、ゲーム進行処理部201は、無償コンテンツを異ならせることによって第1処理の結果を優遇してもよい。このような態様によれば、有償コンテンツの価値を変えることなく、決済手段ごとの違いを出すことができる。
【0079】
また、ゲーム進行1においては、付与処理およびゲーム進行処理等を以下のとおり適用することも可能である。
課金対象=有償のアイテム
付与処理=仮想通貨を用いて取得したアイテムをユーザが使用可能な状態にする処理(S1、S2の処理)
ゲーム進行処理=アイテムを使用して回復、ステータス変動、攻撃等を行う処理(S3の処理)
付与処理の結果=無償のアイテムを特典として取得
【0080】
この場合、例えば、ゲーム進行処理部201は、第1決済手段の決済により第1対象(有償アイテムおよび無償アイテム)をユーザに付与し、第2決済手段の決済により第2対象(有償アイテムおよび無償アイテム)をユーザに付与する。そして、第1対象および第2対象において有償アイテムが同一の場合でも、ゲーム進行処理部201は、無償アイテムを異ならせることによって第1処理の結果を優遇してもよい。この態様においても、有償コンテンツの価値を変えることなく、決済手段ごとの違いを出すことができる。
【0081】
また、例えば次のようにゲームが進行する場合もある。
<ゲーム進行2>
S4:決済での支払いによりガチャまたはショップでアイテムを取得
S5:取得したアイテムを使用してゲームを進行
【0082】
ゲーム進行2においては、付与処理およびゲーム進行処理等は例えば以下のとおり適用される。
課金対象=アイテム
付与処理=取得したアイテムをユーザが使用可能な状態にする処理(S4の処理)
ゲーム進行処理=アイテムを使用して回復、ステータス変動、攻撃等を行う処理(S5の処理)
付与処理の結果=特典を取得
【0083】
この場合も、例えば、ゲーム進行処理部201は、第1決済手段の決済により第1対象(有償アイテムおよび無償アイテム)をユーザに付与し、第2決済手段の決済により第2対象(有償アイテムおよび無償アイテム)をユーザに付与してもよい。そして、第1対象および第2対象において有償アイテムが同一の場合に、ゲーム進行処理部201は、無償アイテムを異ならせることによって第1処理の結果を優遇してもよい。この態様においても、有償コンテンツの価値を変えることなく、決済手段ごとの違いを出すことができる。
【0084】
[その他]
(1)優遇方法
実施形態では、第2決済手段による決済が行われた場合に比べて第1決済手段による決済が行われた場合の付与処理の結果が優遇されたが、第1決済手段を優遇する方法はこれに限らない。例えば、ゲーム進行処理部201は、第1決済手段による決済が行われた場合、第2決済手段による決済が行われた場合に比べて、ゲーム進行処理の結果を優遇してもよい。
【0085】
ゲーム進行処理の結果とは、例えば、ゲーム進行処理としてガチャの処理が行われた場合は、ガチャによって獲得されるアイテムまたはキャラクタ等のコンテンツである。その場合、ゲーム進行処理部201は、例えば、ガチャによって獲得されるコンテンツの数を多くし、性能を高くしまたは希少性が高いコンテンツを獲得させることで、ゲーム進行処理の結果を優遇する。
【0086】
また、アイテムを使用する処理がゲーム進行処理として行われる場合は、ゲーム進行処理の結果は、アイテムを使用したときの効果またはアイテムの消耗・消費の度合いである。その場合、ゲーム進行処理部201は、例えば、アイテムを使用したときの効果を高くしたり、効果の範囲を広げたり、使用可能回数を増やしたりすることで、ゲーム進行処理の結果を優遇する。
【0087】
また、ゲーム進行処理部201は、第1決済手段による決済が行われた場合、第2決済手段による決済が行われた場合に比べて、付与処理の対価を優遇してもよい。付与処理の対価とは、課金対象を購入する際に支払うお金であり、課金対象の代金である。ゲーム進行処理部201は、例えば、
図10に示すB1決済(第2決済手段)の課金対象であるアイテムセットの代金が5000円であるところ、A1決済(第1決済手段)を用いて購入する場合は4000円にすることで、付与処理の対価を優遇する。
【0088】
また、ゲーム進行処理部201は、第1決済手段による決済が行われた場合、第2決済手段による決済が行われた場合に比べて、ゲーム進行処理の対価を優遇してもよい。ゲーム進行処理の対価とは、例えば、アイテムを購入する際に支払う仮想通貨の金額である。ゲーム進行処理部201は、例えば、
図8に示すURアイテムを獲得するためのガチャに必要な仮想通貨の金額を、B1決済では有償石100個とし、A1決済では有償石50個とすることで、ゲーム進行処理の対価を優遇する。
【0089】
上記のとおり、第1決済手段による決済が行われた場合に様々な優遇が受けられるようにすることで、第2決済手段に比べて第1決済手段が使われやすいようにすることができる。
【0090】
(2)第1対象の割合
課金対象には、第1決済手段の決済によりユーザに付与される第1対象と、第2決済手段の決済によりユーザに付与される第2対象とが含まれる場合がある。ゲーム進行処理部201は、実施形態では、それら第1対象と第2対象とを区別なく使用してゲーム進行処理を実行した。その場合に、ゲーム進行処理部201は、ゲーム進行処理で使用される第1対象の割合に応じて、第2処理の対価または結果を優遇してもよい。
【0091】
例えば、第1対象が有償石A、第2対象が有償石Bだとして、或るアイテムは、有償石Aだけなら10個、有償石Bだけなら20個で購入可能であるものとする。この場合、有償石Aは5個で有償石B10個分の価値がある。そこで、ゲーム進行処理部201は、そのアイテムを、5個の有償石Aと10個の有償石Bとで購入可能とすることで、第1対象の割合に応じて、ゲーム進行処理の対価を優遇する。
【0092】
また、有償石10個で引けるガチャにより或るアイテムを狙う場合に、有償石Aは1個で2%獲得確率を上げ、有償石Bは1個で1%獲得確率を上げるものとする。この場合、ゲーム進行処理部201は、例えば4個の有償石Aと6個の有償石Bとでガチャを引いたら獲得確率を14%とし、8個の有償石Aと2個の有償石Bとでガチャを引いたら獲得確率を18%とする。このように、ゲーム進行処理部201は、第1対象の割合に応じて、ゲーム進行処理の結果を優遇する。
【0093】
このような態様によれば、例えば購入済みの有償石Bが余っていた場合に、後から購入した有償石Aと合わせて使用しても、有償石Aによる特典を部分的にでも得ることができるので、購入済みの購入対象を無駄にせず有効活用することができる。
【0094】
(3)使用時の区別
実施形態では、課金対象に含まれる第1対象および第2対象を区別なく使用してゲーム進行処理が実行されたが、これら第1対象および第2対象を区別して使用してもよい。この例では、まず、実施形態と同様に、課金対象が、第1対象と第2対象を含む。そして、ゲーム進行処理部201は、第1決済手段の決済により第1対象をユーザに付与し、第2決済手段の決済により第2対象をユーザに付与する。
【0095】
また、ゲーム進行処理(本開示の第2処理の一例)は、第3処理と第4処理を含む。例えば、第2処理が有償石を使用したガチャであり、第1対象が有償石A、第2対象が有償石Bであるものとする。また、例えば、第3処理は、有償石Aを使用したガチャAであり、第4処理は、有償石Bを使用したガチャBであるものとする。つまり、ゲーム進行処理部201は、有償石Aの使用に応じてガチャAを実行し、有償石Bの使用に応じてガチャBを実行する。
【0096】
この場合、ゲーム進行処理部201は、有償石Aの使用に応じてガチャBを実行することはないし、有償石Bの使用に応じてガチャAを実行することはない。なお、ガチャに限らず、例えば、アイテムAを使用してクエストAに参加する第3処理と、アイテムBを使用してクエストBに参加する第4処理とが実行されてもよい。また、モンスターAを使用して中ボスAと戦闘する第3処理と、モンスターBを使用して中ボスBと戦闘する第4処理とが実行されてもよい。このような態様によれば、プレイヤに決済手段の違いを意識させることができる。
【0097】
(4)購入価格の優遇
課金対象に第1対象と第2対象が含まれ、ゲーム進行処理部201は、第1決済手段の決済により第1対象をユーザに付与し、第2決済手段の決済により第2対象をユーザに付与する。そして、第1対象と第2対象のそれぞれが、課金に応じてユーザに付与される有償コンテンツと、ゲームの進行に基づき取得可能な無償コンテンツを含み、且つ、第1対象および第2対象において有償コンテンツが同一であるものとする。
【0098】
例えば、第1対象は、有償石10個と無償石A10個を含み、第2対象は、有償石10個と無償石B10個を含む。この場合に、ゲーム進行処理部201は、有償コンテンツへの課金の金額を異ならせることによって付与処理またはゲーム進行処理の対価を優遇してもよい。ゲーム進行処理部201は、例えば、第2決済手段を用いて第2対象の決済を行う際の価格を1000円とすると、第1決済手段を用いて第1対象の決済を行う際の価格をそれよりも安い500円とする。
【0099】
このようにすることで、第2対象の付与処理の対価(=1000円)よりも第1対象の付与処理の対価(=500円)の方が優遇されることになる。また、ゲーム進行処理部201は、第1対象および第2対象の付与処理の対価を同じにする場合に、第2対象として購入した有償石10個ではガチャを5回引けるようにし、第1対象として購入した有償石10個ではガチャを10回引けるようにしてもよい。
【0100】
このようにすることで、第2対象のゲーム進行処理の対価(=ガチャ1回あたり有償石2個)よりも第1対象のゲーム進行処理の対価(=ガチャ1回あたり有償石1個)の方が優遇されることになる。このような態様によれば、ユーザは、適切な決済手段を選択することでゲームにかかる出費を抑えることができる。
【0101】
(5)追加の特典
第1決済手段による決済および第2決済手段による決済が行われていくと、決済の実績が蓄えられていく。ゲーム進行処理部201は、蓄えられた決済の実績に基づいて追加の特典を付与してもよい。例えば、ゲーム進行処理部201は、第2決済手段による決済に対する第1決済手段よる決済の頻度または金額の比率に応じて追加の特典を付与する。
【0102】
ゲーム進行処理部201は、例えば、月間の第1決済手段による決済の頻度または金額が第2決済手段による決済の頻度の2倍以上である場合、200個の無償石を追加の特典としてユーザに付与する。また、ゲーム進行処理部201は、この頻度または金額の比率が3倍以上である場合は300個、4倍以上である場合は400個というように、比率に応じた個数の無償石を追加の特典としてユーザに付与してもよい。このような態様によれば、第1決済手段を継続的に用いる動機を生じさせることができる。
【0103】
(6)決済手段
実施形態では、2つの決済手段が用いられたが、3以上の決済手段が用いられてもよい。その場合、決済手段提示部213は、決済手段を選択するゲーム画面においてそれら3以上の決済手段を提示して、ゲーム進行処理部201は、選択された決済手段で決済された課金対象に関するゲーム処理を実行する。そして、ゲーム進行処理部201は、第1決済手段による決済が行われた場合、第1決済手段以外の決済手段(第2決済手段とみなす)による決済が行われた場合とは異なるゲーム処理を実行する。このような態様によっても、第2決済手段に比べて、第1決済手段が使われやすいようにすることができる。
【0104】
(7)構成のバリエーション
図1に示す全体構成は一例であり、これに限られない。例えば、ゲーム管理装置2、アプリ配信装置5およびEC管理装置6は、1台または2台の装置に統合されてもよいし、4台以上の装置に分散されてもよい。また、これらのサーバは、クラウドコンピューティングシステムに代替されてもよい。
【0105】
また、
図2に示す機能構成も一例であり、これに限られない。例えば、ゲーム管理装置2およびEC管理装置6の機能が1台の装置で実現されてもよいし、反対にゲーム管理装置2の機能が2台以上の装置に分散して実現されてもよい。要するに、ゲームシステム1の全体で
図2に示す各機能が実現されていれば、それらの機能を実現する装置はどのような構成であってもよい。
【0106】
(8)実施形態の態様
上述した実施形態の態様は、情報処理装置であってもよい。その情報処理装置は、ゲームシステム1のような情報処理システムの各部を備える。また、上述した実施形態の態様は、情報処理方法であってもよい。その情報処理方法は、同様の情報処理システムの各部を備える。また、上述した実施形態の態様は、プログラムであってもよい。そのプログラムは、コンピュータに、情報処理システムの各ステップを実行させる。
【0107】
<付記>
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0108】
(2)前記情報処理システムにおいて、前記ゲームは、複数のアプリケーションが提供される共通のプラットフォームにより提供され、前記第1決済手段の請求元は、前記プラットフォームの提供者とは異なり、前記第2決済手段の請求元は、前記プラットフォームの提供者である、もの。
【0109】
このような態様によれば、プラットフォーム提供者の決済手段への依存を脱却することができる。
【0110】
(3)前記情報処理システムにおいて、前記第1決済手段の請求元は、前記ゲームの提供者である、もの。
【0111】
このような態様によれば、ゲーム提供者が決済の自由度を上げることができる。
【0112】
(4)前記情報処理システムにおいて、前記ゲーム処理は、前記課金対象を前記ユーザに付与する第1処理と、前記課金対象を使用してゲームを進行させる第2処理を含み、前記処理ステップでは、前記第1決済手段による決済が行われた場合、前記第2決済手段による決済が行われた場合に比べて、前記第1処理または前記第2処理の対価または結果を優遇する、もの。
【0113】
このような態様によれば、第1決済手段が使われやすいようにすることができる。
【0114】
(5)前記情報処理システムにおいて、提示ステップでは、前記第1決済手段による決済を推奨する推奨情報を前記画面に提示する、もの。
【0115】
このような態様によれば、第1決済手段が使われやすいようにすることができる。
【0116】
(6)前記情報処理システムにおいて、前記課金対象は、第1対象と第2対象を含み、前記処理ステップでは、前記第1決済手段の決済により前記第1対象を前記ユーザに付与し、前記第2決済手段の決済により前記第2対象を前記ユーザに付与し、前記第1対象と前記第2対象とを区別なく使用して前記第2処理を実行する、もの。
【0117】
このような態様によれば、プレイヤに決済手段の違いを意識させないようにすることができる。
【0118】
(7)前記情報処理システムにおいて、前記処理ステップでは、前記第2処理で使用される前記第1対象の割合に応じて、前記第2処理の対価または結果を優遇する、もの。
【0119】
このような態様によれば、購入済みの購入対象を有効活用することができる。
【0120】
(8)前記情報処理システムにおいて、前記課金対象は、第1対象と第2対象を含み、前記第2処理は、第3処理と第4処理を含み、前記処理ステップでは、前記第1決済手段の決済により前記第1対象を前記ユーザに付与し、前記第2決済手段の決済により前記第2対象を前記ユーザに付与し、前記第1対象の使用に応じて前記第3処理を実行し、前記第2対象の使用に応じて前記第4処理を実行する、もの。
【0121】
このような態様によれば、プレイヤに決済手段の違いを意識させることができる。
【0122】
(9)前記情報処理システムにおいて、前記課金対象は、第1対象と第2対象を含み、前記第1対象と前記第2対象のそれぞれは、前記課金に応じて前記ユーザに付与される有償コンテンツと、前記ゲームの進行に基づき取得可能な無償コンテンツを含み、前記処理ステップでは、前記第1決済手段の決済により前記第1対象を前記ユーザに付与し、前記第2決済手段の決済により前記第2対象を前記ユーザに付与し、前記第1対象および前記第2対象において前記有償コンテンツが同一の場合に、前記無償コンテンツを異ならせることによって前記第1処理または前記第2処理の結果を優遇する、もの。
【0123】
このような態様によれば、有償コンテンツの価値を変えることなく、決済手段ごとの違いを出すことができる。
【0124】
(10)前記情報処理システムにおいて、前記課金対象は、第1対象と第2対象を含み、前記第1対象と前記第2対象のそれぞれは、前記課金に応じて前記ユーザに付与される有償コンテンツと、前記ゲームの進行に基づき取得可能な無償コンテンツを含み、前記処理ステップでは、前記第1決済手段の決済により前記第1対象を前記ユーザに付与し、前記第2決済手段の決済により前記第2対象を前記ユーザに付与し、前記第1対象および前記第2対象において前記有償コンテンツが同一の場合に、前記課金の金額を異ならせることによって前記第1処理または前記第2処理の対価を優遇する、もの。
【0125】
このような態様によれば、適切な決済手段を選択することで出費を抑えることができる。
【0126】
(11)前記情報処理システムにおいて、前記処理ステップでは、前記第2決済手段による決済に対する前記第1決済手段よる決済の頻度または金額の比率に応じて追加の特典を付与する、もの。
【0127】
このような態様によれば、第1決済手段を継続的に用いる動機を生じさせることができる。
【0128】
(12)情報処理装置であって、前記情報処理システムの各ステップを実行するように構成される、もの。
【0129】
このような態様によれば、決済手段の選択肢を増やすことができる。
【0130】
(13)プログラムであって、コンピュータに、前記情報処理システムの各ステップを実行させる、もの。
【0131】
このような態様によれば、決済手段の選択肢を増やすことができる。
もちろん、この限りではない。
また、上述した実施形態および変形例を任意に組み合わせて実施するようにしてもよい。
【0132】
最後に、本開示に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、開示の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、開示の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された開示とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0133】
1 :ゲームシステム
2 :ゲーム管理装置
3 :ゲーム装置
5 :アプリ配信装置
6 :EC管理装置
201 :ゲーム進行処理部
202 :キャラクタ処理部
203 :クエスト処理部
204 :戦闘処理部
205 :ストーリー処理部
211 :課金関連処理部
212 :課金対象提示部
213 :決済手段提示部
311 :アプリ処理部
312 :アプリ操作受付部
511 :アプリ提示部
512 :アプリ配信部
513 :支払情報提示部
514 :決済処理部
611 :商品提示部
612 :取引処理部
613 :支払情報提示部
614 :決済処理部