(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023061282
(43)【公開日】2023-05-01
(54)【発明の名称】検出装置、情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G01N 33/00 20060101AFI20230424BHJP
【FI】
G01N33/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021171188
(22)【出願日】2021-10-19
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
(71)【出願人】
【識別番号】517372106
【氏名又は名称】株式会社レボーン
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】松岡 広明
(57)【要約】
【課題】直感的に、においを可視化することのできる検出装置、情報処理装置及びプログラムを提供すること。
【解決手段】本発明の一態様によれば、検出装置が提供される。この検出装置は、検出部と、発光部とを備える。検出部は、それぞれが異なるにおい成分を検出する複数のにおいセンサを有する。発光部は、においセンサの数に応じた数の発光体を有し、においセンサと発光体とが組になるように構成され、においセンサの検出結果に応じて該においセンサと組になる発光体を発光させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出装置であって、
検出部と、発光部とを備え、
前記検出部は、それぞれが異なるにおい成分を検出する複数のにおいセンサを有し、
前記発光部は、前記においセンサの数に応じた数の発光体を有し、前記においセンサと前記発光体とが組になるように構成され、前記においセンサの検出結果に応じて該においセンサと組になる前記発光体を発光させる
検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の検出装置において、
前記発光体は、少なくとも一部が異なる色で発光する
検出装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の検出装置において、
前記発光部は、前記においセンサが検出したにおい成分の度合いに応じで、前記発光体を発光させる輝度を変更する
検出装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の検出装置において、
筐体を備え、
前記筐体は、前記発光体が照射した光の少なくとも一部を透過させる
検出装置。
【請求項5】
請求項4に記載の検出装置において、
前記筐体は、導光路を備え、
前記導光路は、前記発光体のそれぞれが照射した光を所定の位置に導光する
検出装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の検出装置において、
出力部を備え、
前記出力部は、前記においセンサによる検出結果を数値化した値を出力可能に構成される
検出装置。
【請求項7】
情報処理装置であって、
入力部と画像生成部とを備え、
前記入力部は、請求項6に記載の検出装置の出力部が出力した値を入力可能に構成され、
前記画像生成部は、前記検出装置が出力する値に基づいて、前記検出装置が備える発光体の発光状態を模擬した画像を生成可能に構成される
情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータを情報処理装置として動作させるプログラムであって、
コンピュータを請求項7に記載の情報処理装置として機能させる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出装置、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、においは、視覚により確認できるものではないが、これを可視化するための技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、においを可視化する際には、花や果物等の物に関連付けて、例えば、「レモンのにおい」のように表現されることが多い。しかしながら、においを物の名称で表現しようとする場合、適切な物が存在しない場合や、人による感じ方の違う場合もあり、必ずしも、適切な可視化が行われるとは限らない。
【0005】
本発明では上記事情を鑑み、直感的に、においを可視化することのできる検出装置、情報処理装置及びプログラムを提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、検出装置が提供される。この検出装置は、検出部と、発光部とを備える。検出部は、それぞれが異なるにおい成分を検出する複数のにおいセンサを有する。発光部は、においセンサの数に応じた数の発光体を有し、においセンサと発光体とが組になるように構成され、においセンサの検出結果に応じて該においセンサと組になる発光体を発光させる。
【0007】
本発明の一態様によれば、においを直感的な態様で可視化することができるとともに、その可視化した情報の記録や伝達等が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】検出装置100の機能的な構成を示すブロック図である。
【
図4】発光体132が発光している状態の検出装置100の外観を示した図である。
【
図6】情報処理装置200の構成を示した図である。
【
図7】情報処理装置200の機能的な構成を示すブロック図である。
【
図8】検出装置100の外観をシミュレートした画像の表示例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.検出装置
図1及び
図2は、検出装置100の外観を示した図である。
図1に示すように、検出装置100は、筐体101から、接続端子102が突出している。この接続端子102は、例えば、USB(Universal Serial Bus)規格に準じたものであり、
図2に示すように、情報処理装置200と接続可能になっている。情報処理装置200は、例えば、スマートフォンやタブレットであり、検出装置100へ給電を行うとともに、検出装置100との間で情報の授受を行う。
【0014】
図3は、検出装置100の機能的な構成を示すブロック図である。同図に示すように、検出装置100は、検出部110と、制御部120と、発光部130と、出力部140とを備える。検出部110は、
においセンサ111-1、においセンサ111-2、においセンサ111-12等(以下、においセンサ111と称する場合がある)の複数のにおいセンサを有する。このにおいセンサ111は、それぞれが異なるにおい成分を検出する。制御部120は、検出部110を動作させるとともに、検出部110の各においセンサ111の検出結果を、発光部130に伝達するとともに、出力部140から情報処理装置200へ出力させる。
【0015】
発光部130は、発光制御部131と、発光体132-1、発光体132-2、発光体132-12等(以下、発光体132と称する場合がある)の複数の発光体を有する。発光体132の数は、においセンサ111の数に応じた数、例えば、においセンサ111の数と同数である。また、発光体132の数は、においセンサ111の2倍、3倍等の数であってもよい。この発光体132は、においセンサ111と組になるように構成され、発光制御部131は、においセンサ111の検出結果に応じて、そのにおいセンサと組になる発光体を発光させる。このとき、発光制御部131は、においセンサ111が検出したにおい成分の度合いに応じで、発光体132を発光させる輝度を変更する。例えば、発光制御部131は、PWM(Pulse Width Modulation)制御により、発光体132に断続的に電圧を印加して、発光体132に流れる電流の大きさを調整して、輝度を変更する。
【0016】
発光体132は、例えば、LED(Light Emitting Diode)である。この発光体132は、少なくとも一部が異なる色で発光するように構成し、好ましくは、すべての発光体132が異なる色で発光するように構成する。出力部140は、においセンサ111による検出結果を数値化した値を出力する。
【0017】
また、検出装置100の筐体101は、発光体132が照射した光の少なくとも一部を透過させる。具体的には、筐体101は、半透明の樹脂等で成形されたものである。
図4は、発光体132が発光している状態の検出装置100の外観を示した図である。同図に示すように、検出装置100は、発光体132-1が照射した光L1、発光体132-2が照射した光L2等が透過して、外部から、その発光状態を確認することができる。なお、
図4においては、L10、L11、L12の各符号が示す破線部は、発光体132-10、発光体132-11、発光体132-12が発光していない状態を表しており、破線自体は、存在するものではない。
【0018】
また、筐体101は、
図5に破線で示すように、内部に、導光路Gを有している。
図5は、導光路Gを説明するための図である。導光路Gは、発光体132のそれぞれが照射した光を所定の位置Mに導光するもので、これにより、位置Mには、検出装置100が検出したにおいに応じて、混色した色が表示されることになる。
【0019】
2.情報処理装置
図6は、情報処理装置200の構成を示した図である。同図に示すように、情報処理装置200は、処理部201と、記憶部202と、一時記憶部203と、外部装置接続部204と、通信部205とを有しており、これらの構成要素が情報処理装置200の内部において通信バス206を介して電気的に接続されている。
【0020】
処理部201は、例えば、中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)により実現されるもので、記憶部202に記憶された所定のプログラムに従って動作し、種々の機能を実現する。
【0021】
記憶部202は、様々な情報を記憶する不揮発性の記憶媒体である。これは、例えばハードディスクドライブ(Hard Disk Drive:HDD)やソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスにより実現される。
【0022】
一時記憶部203は、揮発性の記憶媒体である。これは、例えばランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリにより実現され、処理部201が動作する際に一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶する。
【0023】
外部装置接続部204は、例えばユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus:USB)や高精細度マルチメディアインターフェース(High-Definition Multimedia Interface:HDMI)といった規格に準じた接続部であり、キーボード等の入力装置やモニタ等の表示装置を接続可能としている。検出装置100は、この外部装置接続部204に接続される。
【0024】
通信部205は、例えばローカルエリアネットワーク(Local Area Network:LAN)規格に準じた通信手段であり、情報処理装置200とローカルエリアネットワークやこれを介したインターネット等のネットワークとの間の通信を実現する。
【0025】
次に、情報処理装置200の機能について説明する。情報処理装置200は、検出装置100の制御等に用いるもので、プログラムにしたがって動作することで、後述する各機能部を実現する。このプログラムは、コンピュータを情報処理装置として動作又は機能させるプログラムである。
【0026】
図7は、情報処理装置200の機能的な構成を示すブロック図である。同図に示すように、情報処理装置200は、入力部211と画像生成部212と、表示部213と、記憶部214とを備える。
【0027】
入力部211は、検出装置100の出力部140が出力した値を入力可能に構成される。画像生成部212は、検出装置100が出力する値、つまり、入力部211から入力された値に基づいて、検出装置100が備える発光体132の発光状態を模擬した画像を生成可能に構成される。この画像は、においの検出を行った際の検出装置100の外観をシミュレートした画像である。表示部213は、画像生成部212が生成した画像を表示する。この表示は、例えば、
図8に示すようなものとなる。
図8は、検出装置100の外観をシミュレートした画像の表示例を示した図である。記憶部214は、入力部211から入力された値や、画像生成部212が生成した画像を記憶するもので、必要に応じて、情報処理装置200とは別の情報処理装置に送信される。なお、画像生成部212は、記憶部214に記憶した値からも、画像を生成することができる。
【0028】
情報処理装置200は、カメラを有しているが、検出装置100を接続した状態で、当該検出装置100を撮影することは困難であるため、検出装置100の外観をシミュレートした画像を生成できるようにしている。また、当該画像を別の情報処理装置に送信して、においを視覚として他者と共有することもできる。
【0029】
なお、情報処理装置200が検出装置100の外観をシミュレートした画像を生成する機能に代えて、検出装置100を、情報処理装置200との接続が解除された状態で、一定時間、発光体132の発光を維持できるように構成し、その外観を写真撮影できるようにしてもよい。
【0030】
3.その他
本発明は、次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記検出装置において、前記発光体は、少なくとも一部が異なる色で発光する検出装置。
前記検出装置において、前記発光部は、前記においセンサが検出したにおい成分の度合いに応じで、前記発光体を発光させる輝度を変更する検出装置。
前記検出装置において、筐体を備え、前記筐体は、前記発光体が照射した光の少なくとも一部を透過させる検出装置。
前記検出装置において、前記筐体は、導光路を備え、前記導光路は、前記発光体のそれぞれが照射した光を所定の位置に導光する検出装置。
前記検出装置において、出力部を備え、前記出力部は、前記においセンサによる検出結果を数値化した値を出力可能に構成される検出装置。
情報処理装置であって、入力部と画像生成部とを備え、前記入力部は、前記検出装置の出力部が出力した値を入力可能に構成され、前記画像生成部は、前記検出装置が出力する値に基づいて、前記検出装置が備える発光体の発光状態を模擬した画像を生成可能に構成される情報処理装置。
コンピュータを情報処理装置として動作させるプログラムであって、コンピュータを前記情報処理装置として機能させるプログラム。
もちろん、この限りではない。
【符号の説明】
【0031】
100 :検出装置
101 :筐体
102 :接続端子
110 :検出部
111-1~111-12 :センサ
120 :制御部
130 :発光部
131 :発光制御部
132-1~132-12 :発光体
140 :出力部
200 :情報処理装置
201 :処理部
202 :記憶部
203 :一時記憶部
204 :外部装置接続部
205 :通信部
206 :通信バス
211 :入力部
212 :画像生成部
213 :表示部
214 :記憶部
G :導光路
L1~L12 :光