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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023061328
(43)【公開日】2023-05-01
(54)【発明の名称】逆止弁装置
(51)【国際特許分類】
   F16K 15/18 20060101AFI20230424BHJP
【FI】
F16K15/18 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021171264
(22)【出願日】2021-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】391003989
【氏名又は名称】株式会社コスメック
(72)【発明者】
【氏名】有里 明
【テーマコード(参考)】
3H058
【Fターム(参考)】
3H058AA05
3H058BB03
3H058BB32
3H058CA14
3H058CB12
3H058CD05
3H058DD17
(57)【要約】
【課題】 弁で遮断した流路から圧力流体が漏れ出しにくい構造の逆止弁装置を提供する。
【解決手段】 ブロック(1)内に流路(2)が形成され、その流路(2)の途中部に主弁(3)と副弁(4)とが直列状に設けられる。前記流路(2)の一部を構成する一次側室(5)と中間室(7)と二次側室(6)とが、当該流路(2)の一端側から他端側に順に形成される。前記主弁(3)と前記副弁(4)とをパイロット弁(60)が開弁操作する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロック(1)内に形成される流路(2)の途中部に直列状に設けられる主弁(3)と副弁(4)と、前記流路(2)の一部を構成するように、当該流路(2)の一端側から他端側に順に形成される一次側室(5)と中間室(7)と二次側室(6)と、前記主弁(3)と前記副弁(4)とを開弁操作するパイロット弁(60)と、を備える逆止弁装置において、
前記二次側室(6)と前記中間室(7)とを接続および遮断する前記主弁(3)は、
前記ブロック(1)内に形成される収容孔(10)に軸方向に移動可能に挿入される筒状の主弁部材(41)と、
前記収容孔(10)の内周壁に周方向に形成される主弁座(46)に当接可能となるように前記主弁部材(41)の外周壁に形成される主弁面(45)と、
前記主弁部材(41)を前記主弁座(46)に向けて付勢する閉弁バネ(47)と、を有し、
前記一次側室(5)と前記中間室(7)とを接続および遮断する前記副弁(4)は、
前記主弁部材(41)の筒孔(48)に前記軸方向に移動可能に挿入されると共に、前記主弁部材(41)に前記軸方向に所定隙間をあけて当接可能に対面される副弁部材(50)と、
前記収容孔(10)の内周壁に周方向に形成される副弁座(56)に当接可能となるように前記副弁部材(50)の外周壁に形成される副弁面(55)と、を有し、
前記パイロット弁(60)は、
前記ブロック(1)内に前記副弁部材(50)に向けて移動可能に挿入されると共に、前記副弁部材(50)に所定隙間をあけて当接可能に対面されるパイロット弁部材(63)であって、前記収容孔(10)内に装着される後退バネ(66)によって前記副弁部材(50)から離間する方向に付勢されると共に、前記ブロック(1)内に設けられる作動室(76)に供給される圧力流体によって前記副弁部材(50)に向けて移動されるパイロット弁部材(63)を有する、ことを特徴とする逆止弁装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、逆止弁装置に関し、より詳しくは、パイロット弁によって強制開弁される逆止弁装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の逆止弁装置には、従来では、特許文献1(日本国・実開昭52-116722号公報)に記載されたものがある。その従来技術は、次のように構成されている。
ブロック内に収容孔が上下方向に形成される。収容孔に筒状の主弁部材が上下方向に移動可能に挿入される。収容孔の内周壁に主弁座が周方向に形成される。その主弁座に当接可能な主弁面が主弁部材の下端部に周方向に形成される。その主弁部材の筒孔に収容孔の内周壁に主弁座が周方向に形成され、その主弁座に当接可能な主弁面が主弁部材に形成される。その主弁部材の筒孔は、上側から順に貫通される大径孔と小径孔とを有している。その大径孔に副弁部材が上下方向に移動可能に挿入される。小径孔の大径孔側の周縁部に副弁座が形成される。その副弁座に当接可能となるように副弁面が副弁部材の下端部に周方向に形成される。副弁部材とブロックとの間に閉弁バネが装着され、その閉弁バネが副弁部材を副弁座に向けて付勢すると共に、その副弁部材に押される主弁部材が主弁座に向けて付勢される。また、収容孔の下部にピストンが移動可能に挿入され、そのピストンからパイロット部が上方に突設される。そのパイロット部の上端小径部が主弁部材の小径孔に挿入されて、そのパイロット部が副弁部材に当接可能となっている。ピストンの下側の作動室に装着される進出バネがピストンを上方に移動させる。また、ピストンの上側の作動室に圧力流体が供給されると、ピストンが下方に後退されるようになっている。この逆止弁装置では、流路の一端部としての給排路がブロックの右壁に形成され、収容孔に連通されている。その収容孔内で流路が第1分岐路と第2分岐路に分岐される。その第1分岐路は、主弁部材の弁面および弁座の開弁隙間によって構成されている。第2分岐路は、主弁部材の小径孔と、副弁部材の弁面および弁座の開弁隙間と、主弁部材の大径孔と、主弁部材の周壁に形成された貫通孔とから構成される。その第1分岐路と第2分岐路とは、ブロックの左壁に形成される給排路で合流される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭52-116722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の従来技術は次の問題がある。
上記の流路がブロック内で第1分岐路と第2分岐路とに分かれて備えられる。第1分岐路を開閉する主弁および第2分岐路を開閉する副弁のうちのいずれか一方の弁が、何らかの原因、例えば、ごみなどの異物が挟まることにより閉弁できないときには、圧縮空気(圧力流体)が漏れ出ることになる。ブロック内に弁が1つの流路に1つだけ備えられる場合に比べて、従来技術の弁装置では、1つの分岐路に1つの弁を2組備えるので、閉弁できないで圧力流体を漏れ出させる不具合を生じさせる可能性が高くなっている。
本発明の目的は、弁で遮断した流路から圧力流体が漏れ出しにくい構造の逆止弁装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明は、例えば、図1から図4図5に示すように、逆止弁装置を次のように構成した。
ブロック1内に形成される流路2の途中部に主弁3と副弁4とが直列状に設けられる。前記流路2の一部を構成する一次側室5と中間室7と二次側室6とが、当該流路2の一端側から他端側に順に形成される。前記主弁3と前記副弁4とをパイロット弁60が開弁操作する。前記主弁3は、前記二次側室6と前記中間室7とを接続および遮断する。その主弁3は、次のように構成される。前記ブロック1内に形成される収容孔10に筒状の主弁部材41が軸方向に移動可能に挿入される。前記収容孔10の内周壁に周方向に形成される主弁座46に当接可能となる主弁面45が前記主弁部材41の外周壁に形成される。前記主弁部材41を閉弁バネ47が前記主弁座46に向けて付勢する。前記副弁4は、前記一次側室5と前記中間室7とを接続および遮断する。その副弁4は、次のように構成される。前記主弁部材41の筒孔48に前記軸方向に移動可能に挿入される副弁部材50が、前記主弁部材41に前記軸方向に所定隙間をあけて当接可能に対面される。前記収容孔10の内周壁に周方向に形成される副弁座56に当接可能となる副弁面55が、前記副弁部材50の外周壁に形成される。前記パイロット弁60は、パイロット弁部材63を有している。そのパイロット弁部材63は、前記ブロック1内に前記副弁部材50に向けて移動可能に挿入されると共に、前記副弁部材50に所定隙間をあけて当接可能に対面される。また、そのパイロット弁部材63は、前記収容孔10内に装着される後退バネ66によって前記副弁部材50から離間する方向に付勢されると共に、前記ブロック1内に設けられる作動室76に供給される圧力流体によって前記副弁部材50に向けて移動される。
【0006】
本発明は、次の作用効果を奏する。
上記逆止弁装置では、1つの流路に主弁と副弁とを直列状に備えている。このため、二次側室の圧力流体が主弁および副弁に遮断されるので、主弁および副弁のうちの一方の弁が、何らかの原因によって、閉弁できないときでも、他方の弁が閉弁されるので二次側室から圧力流体が漏れ出るのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本発明の一実施形態を示し、逆止弁装置の断面視の模式図である。
図2図2は、上記逆止弁装置の動作説明図であり、図1に類似する図である。
図3図3は、上記逆止弁装置の動作説明図であり、図1に類似する図である。
図4図4は、上記逆止弁装置の動作説明図であり、図1に類似する図である。
図5図5は、上記実施形態の変形例を示す逆止弁装置であり、図4に類似する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態を図1から図4によって説明する。
本発明の逆止弁装置は、矩形の金属製のブロック1内に、圧縮空気(圧力流体)を給排するための流路2を1つ備えている。その流路2を開閉する主弁3と副弁4とが直列状となるように当該流路2の途中部に配置される。その流路2の一部を構成するように、一次側室5と中間室7と二次側室6が当該流路2の一端側から他端側に順に形成される。その一次側室5が、圧縮空気(圧力流体)を供給する圧縮空気源に接続される。また、二次側室6が、アクチュエータの作動室に接続される。上記の主弁3が二次側室6と中間室7とを接続および遮断する。また、副弁4が一次側室5と中間室7とを接続および遮断する。これにより、圧縮空気源から一次側室5に供給される圧縮空気のすべては、副弁4の開弁隙間を通って中間室7へ流入され、その中間室7の圧縮空気が主弁3の開弁隙間と二次側室6とを通ってアクチュエータの作動室に供給される。
【0009】
上記の逆止弁装置では、圧縮空気源から圧縮空気が一次側室5に供給された後にその供給が停止された状態で、何らかの原因、たとえば、ごみなどの異物が挟まることによって、主弁3と副弁4のうちのいずれか一方の弁から圧縮空気が漏れ出ても、他方の弁が閉弁されているので、二次側室から圧縮空気が流出するのを防止できる構造となっている。
【0010】
上記の逆止弁装置は、図1から図4に示すように、次のように構成される。
矩形の金属製のブロック1(本実施形態においては鉄製)に収容孔10が、左右方向に貫通するように形成される。その収容孔10の中央付近の内周壁に環状の段差部11が形成され、その段差部11に密着するように筒状の一次側フィルタ12が左方から挿入される。その一次側フィルタ12は、内筒13と外筒14と内筒13および外筒14に挟まれた金網15と内筒13の右端部と外筒14の右端部、内筒13の左端部と外筒14の左端部がそれぞれ把持されるU字固定具16とを有している。
【0011】
上記一次側フィルタ12の左端部に封止部材20を介して密着する筒部材21が収容孔10に保密状に挿入される。その筒部材21は、左側から順に形成される4つの第1孔22から第4孔25を有しており、その第1孔22から第4孔25の径寸法が第1孔22から順に小さくなっている。その第1孔22と第2孔23との間の環状の段差部29に密着する二次側フィルタ30が第1孔22に挿入される。その二次側フィルタ30の外周面と第1孔22の内周面との間に環状隙間31が形成されている。なお、二次側フィルタ30は、一次側フィルタ12と同じように構成される。
【0012】
上記の筒部材21の左端部に係合する左蓋部材32が収容孔10に保密状に挿入され、その左蓋部材32が止め輪33によって収容孔10から抜け止めされている。その左蓋部材32は、収容孔10に保密状に挿入される基部分34と、基部34から右側に突設される筒部分35とを有している。その基部分34の右壁がリング状の封止部材36を介して保密状に二次側フィルタ30の左端部に密着している。このため、二次側フィルタ30の内側空間と外側空間とは当該二次側フィルタ30と筒部材21と左蓋部材34とによって区画される。また、筒部分35が二次側フィルタ30の筒孔37に所定の環状隙間38をあけて挿入される。
【0013】
上記の筒部分35の筒孔39内に主弁3の筒状の主弁部材41が摺動可能に挿入される。その主弁部材41の右端部からフランジ部分42が径方向の外方に突設され、そのフランジ部分42の外周壁にテーパ部が右側に向かうにつれて先細りとなるように形成される。そのテーパ部に収容溝が周方向に形成され、その収容溝にOリングなどの封止部材が装着される。その封止部材の外周面に主弁面45が形成される。その主弁面45が、筒部材35の第3孔24の内周壁に周方向に形成される主弁座46に係合可能となっている。上記の主弁部材41と筒部分35の筒孔39の底壁との間に閉弁バネ47が装着され、その閉弁バネ47が左蓋部材32に対して主弁部材41を主弁座46に向けて右方に付勢する。
【0014】
上記主弁部材41の筒孔48に副弁4の副弁部材50が封止部材51を介して保密状で軸方向に移動可能に挿入される。その副弁部材50の右端部からフランジ部分52が径方向の外方に突設され、そのフランジ部分52の外周壁にテーパ部が右側に向かうにつれて先細りとなるように形成される。そのテーパ部に収容溝が周方向に形成され、その収容溝にOリングなどの封止部材が装着される。その封止部材の外周面に副弁面55が形成される。その副弁面55が、筒部材21の第4孔25の内周壁に周方向に形成される副弁座56に係合可能となっている。
【0015】
上記の主弁3の主弁面45と主弁座46とによる封止部分の断面Sの面積は、副弁4の副弁面55と主弁座56とによる封止部分の断面Tの面積よりも広くなるように設定されている。このため、二次側室6の圧縮空気が閉弁状態の主弁3の封止部分を押圧する力は、二次側室6の圧縮空気が閉弁状態の副弁4の封止部分を押圧する力よりも大きくなる。また、主弁部材41は、閉弁バネ47によって右方に常時押されている。これにより、主弁3および副弁4が共に閉弁状態において、一次側室5の圧縮空気が副弁部材50を押す力が、二次側室6の圧縮空気が副弁部材50を押す力を上回ると、副弁4が開弁される。その副弁4の開弁隙間を通って圧縮空気が中間室7に流入される。このとき、主弁3はまだ閉弁されてる。また、中間室7の容積は、一次側室5や二次側室6に比べて狭く作られているので、一次側室5の圧力が急激に変化することが防止されている。これにより、急激な圧力変化による副弁4の開閉動作の繰り返し(チャタリングの発生)を防止でき、その結果、チャタリングによる副弁4の構成部材等の摩耗や破損を防止できる。
【0016】
上記のように、一次側室5の圧力が、副弁4が開弁される圧力値に達したときでも、主弁3は、開弁されない。引き続いて、一次側室5の圧力が上昇されていき、一次側室5の圧力が二次側室6の圧縮空気による押圧力と閉弁バネ47の付勢力との合力を上回ると、主弁3が開弁される。すると、一次側室5及び中間室7の圧力流体が主弁3の開弁隙間を通って二次側室6に流入され、一次側室5側の圧力が急激に低下して、主弁3がチャタリングする場合がある。そのような場合、主弁3はチャタリングの影響を受けることがあるが、副弁4は副弁座56から離間された位置にあり、チャタリングによる摩耗や破損することが防止される。
【0017】
上記副弁4と主弁3とが開弁されると、一次側室5と二次側室6との圧力差がなくなるので、副弁部材50が一次側室5側から押される力と二次側室6から押される力とが相殺される。また、主弁部材41も同様に、当該主弁部材41が一次側室5側から押される力と二次側室6から押される力とが相殺され、閉弁バネ47の付勢力だけ主弁部材41に作用する。このため、主弁3の開弁隙間を通る圧縮空気は、閉弁バネ47の付勢力に応じた圧力損失が生じるが、副弁4の開弁隙間を通る圧縮空気には、圧力損失を生じさせない、または、少なくすることができる。従って、主弁3および副弁4がそれぞれ閉弁バネによって付勢される場合に比べて、主弁3および副弁4の開弁隙間を通る圧縮空気の圧力損失を少なく抑えることができる。
【0018】
上記逆止弁装置では、副弁4と主弁3とを閉弁状態から開弁状態に切り換え操作するパイロット弁60がブロック内に備えられる。そのパイロット弁60は、次のように構成される。
【0019】
上記の収容孔10の一部によってシリンダ孔61が構成され、当該収容孔10の段差部11より右側部分がシリンダ孔61になっている。そのシリンダ孔61にパイロット弁部材63が保密状で軸方向に移動可能に挿入される。そのパイロット弁部材63は、シリンダ孔61に保密状に挿入される本体部分64と、その本体部分64よりも小径で左方に突設される係合部分65とを有する。その係合部分65が上記筒部材21の第4孔25に挿入可能となっていると共に、副弁部材50に当接可能となっている。そのシリンダ孔61内であって筒部材21の右壁とパイロット弁部材63の本体部分64の左壁との間に後退バネ66が装着されている。その後退バネ66が筒部材21に対してパイロット弁部材63を右方向に付勢している。
【0020】
上記の収容孔10の一部を構成する大径孔70が、シリンダ孔61の右側に連続するように形成される。その大径孔70とシリンダ孔61との段差部71に密着するように筒状のフィルタ72が大径孔70に挿入される。そのフィルタ72は、一次側フィルタ12や二次側フィルタ30と同様の構造となっている。そのフィルタ72の右端部に封止部材を介して密着するように右蓋部材73が大径孔70に保密状に挿入され、その右蓋部材73の左側小径部分74がフィルタ72の筒孔内に挿入されている。その右蓋部材73が止め輪75によって大径孔70から抜け止めされている。
【0021】
上記パイロット弁部材63の本体部分64が右蓋部材73によって受け止められるようになっている。そのパイロット弁部材63の右面と右蓋部材73の間に作動室76が形成される。その作動室76内であって、フィルタ72の外周面と大径孔70の内周面との間に形成される環状隙間77に連通される作動用圧縮空気の給排路78がブロック1の右下部に形成される。圧縮空気源からの圧縮空気が給排路78を通って供給および排出される。
【0022】
本実施形態の逆止弁装置では、上記収容孔10内であって、筒部材21とパイロット弁部材63との間の空間によって一次側室5が構成される。その副弁室5に連通するように主弁室(中間室)7が筒部材21の筒孔内に形成される。また、ブロック1の下部中央付近に一次側給排路80が形成される。その一次側給排路80が、収容孔10の内周面と一次側フィルタ12の外周面との間に形成される環状隙間81に連通される。その一次側給排路80が圧縮空気源に接続されている。これにより、圧縮空気源からの圧縮空気が一次側給排路80と環状空間81と一次側フィルタ12内を通って副弁室5に給排される。
【0023】
上記ブロック1の左上部に二次側給排路82が形成される。その二次側給排路82が、収容孔10の内周面と筒部材21の外周面との間に形成される環状隙間83に連通される。また、その環状隙間83は、筒部材21の筒壁に形成される貫通孔84によって筒孔内に連通されている。これにより、二次側給排路82は、環状空間83と貫通孔84と筒部材21の第1孔22と二次側フィルタ30を通って二次側室6に連通されている。その二次側給排路82がアクチュエータの作動室に連通されている。
【0024】
本実施形態において、流路2は、一次側給排路80と環状空間81と一次側室5と中間室7と二次側室6と貫通孔84と環状空間83と二次側給排路82等によって構成される。
【0025】
上記の逆止弁装置は、図1から図4に示すように、次のように作動する。
図1初期状態(閉弁状態)では、一次側給排路80の圧縮空気が外部に排出されている。また、作動用の給排路78の圧縮空気も外部に排出されている。このため、一次側給排路80に連通する一次側室5の圧縮空気の圧力が大気圧程度になっている。よって、二次側室6の圧縮空気の圧力による押圧力および閉弁バネ47の付勢力が主弁部材41を右方に移動させて、主弁部材41の主弁面45が主弁座46に係合されて主弁3が閉弁されている。また、二次側室6の圧縮空気の圧力による押圧力が副弁部材50を右方に移動させて、副弁部材50の副弁面55が副弁座56に係合されて副弁4が閉弁されている。
【0026】
圧縮空気源からの圧縮空気が逆止弁装置を介してアクチュエータに供給されるときには、まず、圧縮空気源からの圧縮空気が一次側給排路80と一次側フィルタ12を通って一次側室5に供給される。このとき、作動室76には、圧縮空気源からの圧縮空気は供給されていない。すると、一次側室5内の圧縮空気の圧力による押圧力と後退バネ66の付勢力がパイロット弁部材63を右方へ押して、そのパイロット弁部材63が右蓋部材73に右側から受け止められている。また、一次側室5内の圧縮空気が副弁部材50を左方に押す。その一次側室5の圧縮空気の圧力による押圧力が、二次側室6の圧縮空気の圧力による押圧力を上回るときに、一次側室5の圧縮空気が、副弁部材50を左方へ移動させていく。このため、副弁面55が副弁座56から離間されて副弁4が開弁される。よって、一次側室5の圧縮空気が、開弁隙間を通って中間室7に流入される。その中間室7の圧縮空気の圧力による押圧力が、二次側室6の圧縮空気の圧力による押圧力および閉弁バネ47の付勢力の合力を上回ると、中間室7の圧縮空気が副弁部材50と主弁部材41とを左方へ移動させる。このため、主弁面45が主弁座46から離間されて、主弁3が開弁される。よって、圧縮空気源の圧縮空気が、一次側室5と中間室7と二次側室6と二次側給排路82とを通ってアクチュエータの作動室に供給される。
【0027】
上記の圧縮空気源からの圧縮空気の供給が停止されたときには、二次側室6の圧縮空気の圧力による押圧力および閉弁バネ47の付勢力が、主弁部材41が右方に移動させて主弁3が閉弁される。また、二次側室6の圧縮空気の圧力による押圧力が、副弁部材50が右方に移動させて副弁4が閉弁される。
【0028】
上記アクチュエータの作動室の圧縮空気を外部に排出するときには、一次側室5の圧縮空気を外部に排出すると共に、圧縮空気源からの圧縮空気が作動用の給排路78とフィルタ72を通って作動室76に供給される。すると、作動室76の圧縮空気の圧力による押圧力が後退バネ66の付勢力に抗してパイロット弁部材63を左方へ移動させていく。次いで、パイロット弁部材63の係合部65が筒部材21の筒孔に挿入されて、副弁部材50を左方へ押して副弁4を開弁させる。引き続いて、副弁部材50のフランジ部52が主弁部材41を左方に押して主弁3を開弁させる。これにより、アクチュエータの作動室の圧縮空気が、逆止弁装置内を通って外部に排出される。
【0029】
上記の実施形態は次の長所を奏する。
上記逆止弁装置では、1つの流路2に主弁3と副弁4とを直列状に備えている。このため、二次側室6の圧縮空気が主弁3および副弁4に遮断されるので、主弁および副弁のうちの一方の弁が、何らかの原因によって、閉弁できないときでも、他方の弁が閉弁されるので二次側室6から圧力流体が漏れ出るのを防止できる。
【0030】
図5は、本発明の実施形態の変形例を示している。この実施形態の変形例においては、上記の実施形態の構成部材と同じ部材(または類似する部材)には原則として同一の参照数字を付けて説明する。
【0031】
上記実施形態の変形例が上記の実施形態と異なる点は次の通りである。
図5に示すように、収容孔10の大径孔70に連通される作動用の第1給排路78がブロック1の右下部に形成される。その第1給排路78が圧縮空気源に連通される。また、収容孔10の大径孔70に連通される作動用の第2給排路87がブロック1の右上に形成される。第2給排路87がアクチュエータの作動室であるリリース室に連通される。また、二次側の給排路82がアクチュエータの作動室であるロック室に連通される。
【0032】
上記アクチュエータのロック室の圧縮空気を外部に排出するときには、副弁室5の圧縮空気を排出する。また、圧縮空気源からの圧縮空気が作動用の第1給排路78とフィルタ72と第2給排路87とを通ってアクチュエータのリリース室に供給されると共に、その作動室76に供給された圧縮空気がパイロット弁部材63を左方へ移動させていく。次いで、パイロット弁部材63の係合部分65が筒部材21の筒孔39に挿入されて、副弁部材50を左方へ押して副弁4を開弁させる。引き続いて、副弁部材50のフランジ部52が主弁部材41の先端部を左方に押して主弁3を開弁させる。これにより、二次側給排路82が、主弁室7と副弁室5とを通って一次側給排路80に連通される。その結果、アクチュエータのロック室の圧縮空気が、逆止弁装置の流路2を通って外部に排出される。
【0033】
上記の各実施形態は次のように変更可能である。
圧力流体は、例示した圧縮空気に代えて、他の気体または圧油や水等の液体であってもよい。
その他に、当業者が想定できる範囲で種々の変更を行えることは勿論である。
【符号の説明】
【0034】
1:ブロック,2:流路,3:主弁,4:副弁,5:一次側室,6:二次側室,7:中間室,10:収容孔,41主弁部材,45:主弁面,46:主弁座,47:閉弁バネ,48:筒孔,50:副弁部材,55:副弁面,56:副弁座,60:パイロット弁,63:パイロット弁部材,66:後退バネ,76:作動室.
図1
図2
図3
図4
図5